説明

美容方法

【課題】顔のシワ、タルミを改善する美容方法を提供する。
【解決手段】顔の表皮1から表情筋4まで浸透するクリームを用い、顔の表情筋4を顔面骨5の起始部6から皮下への付着部7に向かってマッサージをする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、顔のシワやタルミの原因は、紫外線、乾燥、重力等によると考えられており、これを改善するために様々な顔のマッサージ等の美容方法が行われている。
【0003】
例えば、顔のマッサージには、顔のリンパの流れの方向、経絡、重力の方向、血流方向等に基づいて行うものがあり、このうち、血流方向に基づいて行うマッサージの美容方法は、始めに潤滑用のマッサージクリームやマッサージオイルを顔に塗布した後、顔の部位を動脈の血流方向にマッサージし、次に静脈の血流方向にマッサージしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−113369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の如き美容方法では、顔のシワ、タルミの改善に限界があり、一層、顔のシワ、タルミを改善することが求められていた。
【0005】
本発明は、上述の実情に鑑み、顔のシワ、タルミを改善する美容方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、顔の表皮から表情筋まで浸透するクリームを用い、顔の表情筋を顔面骨の起始部から皮下への付着部に向かってマッサージをすることを特徴とする美容方法、にかかるものである。
【0007】
本発明において、マッサージは、表情筋のみでなく、その周囲に位置するグリス脂肪を活性化させても良い。
【0008】
本発明において、マッサージは、顎から首の筋肉を活性化させるもの、目の周りや鼻の表情筋を活性化させるもの、頬と口元や口角の表情筋を活性化させるもの、額や眉の表情筋を活性化させるものの中から1つ以上を選択して行っても良い。
【0009】
本発明において、顎から首の筋肉を活性化させるマッサージは、
首をしっかり伸ばして上顎よりも下顎を前方向へつき出し、顎から首の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を下顎骨の下縁ラインの中央にしっかり押し当て、エラ部に向かって骨の上をしっかり小さな螺旋でゆっくり動かす第1の動作と、
前記第1の動作の顎から首の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を下顎骨の下縁ラインの中央にしっかり押し当て、顎から首の広頚筋内側縁に沿って二重顎の出来やすい部分を下に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第2の動作と、
前記第1の動作の顎から首の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を下顎骨の下縁ラインのエラ部にしっかり押し当て、顎から首の広頚筋外側縁に沿って小さな螺旋で動かす第3の動作と、
口を開け、物を咬む咬筋を伸ばした状態で、指の腹をエラ部分の咬筋の高まりの骨にしっかり押し当て、エラの骨に沿ってL字状にゆっくり動かす第4の動作と、
口をすぼめて唾液を吸う状態で、複数の指を使い、エラ周囲の筋肉の高まりを小さな螺旋で軽く動かす第5の動作と、
頬を軽くタッピングする第6の動作とを備えても良い。
【0010】
本発明において、目の周りや鼻の表情筋を活性化させるマッサージは、
目を閉じ、眉を上げ、目の周りの表情筋を伸ばした状態で、指の腹を眉尻水平線より少し上方の、目の外側の骨の縁にしっかり押し当て、頬骨の上に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第1の動作と、
前記第1の動作の目の周りの表情筋を伸ばした状態で、両手の所定の指の腹をデリケートに目の下の骨の中央部にそっと押し当て、片目ずつの指圧で目の下側の骨の縁の中央部より少し下方から目頭、目尻両方向に向かってゆっくり動かす第2の動作と、
前記第1の動作の目の周りの表情筋を伸ばした状態で、両手の所定の指の腹で目の下の骨のないところにそっと触れ、片目ずつのマッサージで目頭から目尻へ両方向に向かってゆっくり動かす第3の動作と、
目を閉じて眉を上げ、鼻の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を鼻背の下方の骨にしっかり押し当て、鼻背に沿って眉間に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第4の動作と、
口を軽く開けて上唇をしっかり引き下げ、小鼻の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を小鼻のつけねの骨にしっかり押し当て、小鼻の溝に沿って鼻背部に向かって鼻さきを囲むように極めて小さな螺旋でゆっくり動かす第5の動作と、
口を軽く開けて上唇をしっかり引き下げ、小鼻の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を小鼻のつけねの骨にしっかり押し当て、鼻の穴の下方に向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かし、且つ鼻さきをつまんで鼻柱から鼻さきに向かって直線的に動かす第6の動作とを備えても良い。
【0011】
本発明において、頬と口元や口角の表情筋を活性化させるマッサージは、
目を閉じ、眉を上げ、口を軽く開けて上唇を引き下げ、頬上部の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を目頭の少し下方の骨にしっかり押し当て、鼻の脇にそって小鼻のつけねに向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かす第1の動作と、
前記第1の動作の頬上部の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を前記第1の動作のラインより1横指外側で目の下の骨にしっかり押し当て、小鼻のつけねに向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かす第2の動作と、
前記第1の動作の頬上部の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を前記第2の動作の始点より更に1横指外側で目の下の骨にしっかり押し当て、小鼻のつけねに向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かす第3の動作と、
唇を閉じて前方につきだし、頬下部の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を頬骨の下縁に押し当て、口角に向かって比較的大きな螺旋で筋肉をしっかりマッサージする第4の動作と、
前記第4の動作の頬下部の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を下顎の骨や歯に押し当て、口角水平線上に沿って下顎の骨の前縁から口角に向かって比較的大きな螺旋でゆっくり動かす第5の動作と、
表情を「ホ」の口にし、口元の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を上唇の中央の骨にしっかり押し当て、唇の周囲を下唇の中央に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第6の動作と、
表情を「エ」の口にし、口角を上げ表情筋を伸ばした状態で、指の腹を法令線延長線と下顎ラインとの交点の骨にしっかり押し当て、口角に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第7の動作と、
前記第7の動作の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を前記第7の動作の始点より少し内側の骨にしっかり押し当て、下唇下縁に沿って中央に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第8の動作と、
前記第7の動作の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を口角の骨や歯にしっかり押し当て、下顎の中央に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第9の動作とを備えても良い。
【0012】
本発明において、額や眉の表情筋を活性化させるマッサージは、
目を閉じ、眉を上げ、眉周囲の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を目頭の位置で鼻の中央部より外側から、眉頭より眉内側部の上縁に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第1の動作と、
前記第1の動作の眉周囲の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を眉尻の下縁で目の上の骨にそっと押し当て、眉尻を囲むように眉尻上縁までゆっくり動かす第2の動作と、
目を閉じて額の筋肉を伸ばした状態で、指の腹を眉尻から1横指内側で、骨の上にしっかり押し当て、額の生え際に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第3の動作と、
前記第3の動作の額の筋肉を伸ばした状態で、指の腹を額の生え際の中央の骨の上にしっかり押し当て、生え際の外側へ向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第4の動作と、
前記第3の動作の額の筋肉を伸ばした状態で、指の腹を眉頭の少し上、中央の骨の上にしっかり押し当て、外側へ向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第5の動作とを備えても良い。
【0013】
本発明において、クリームは、顔の表皮、真皮、表情筋の各部に作用する成分を含んでも良い。
【0014】
本発明において、クリームは、表情筋に作用するアルジルリンと、コラーゲンやエラスチンの修復を促進するマトリカイン物質とを備えても良い。
【0015】
本発明において、クリームは、ビタミンC、ビタミンA誘導体、ビタミンE誘導体、プラセンタエキス、ヒアルロン酸のうち少なくとも1つ以上を備えても良い。
【0016】
このように、本発明の美容方法によれば、表情筋を骨の起始部から皮下への付着部に向かってマッサージをするので、顔のシワ、タルミの原因となる表情筋のスプリング機能の硬化、短縮、萎縮に対し、表情筋を伸ばし、ほぐし、しなやかにして表情筋のスプリング機能を改善し、顔のシワ、タルミを好適に改善することができる。
【0017】
本発明において、マッサージは、表情筋のみでなく、その周囲に位置するグリス脂肪を活性化させるものであると、顔のシワ、タルミや輪郭不整の原因となるグリス脂肪の萎縮に対し、グリス脂肪を活性化するので、顔のシワ、タルミや輪郭不整を好適に改善することができる。
【0018】
本発明において、マッサージが顎から首の筋肉を活性化させるものである場合、顎から首をシャープにし、マッサージが目の周りや鼻の表情筋を活性化させるものである場合、目鼻立ちを整え、マッサージが頬と口元や口角の表情筋を活性化させるものである場合、頬から口元を引き締め、マッサージが額や眉の表情筋を活性化させるものである場合、眉ラインから額をなめらかにすることができる。又、マッサージは、顎から首の筋肉を活性化させるもの、目の周りや鼻の表情筋を活性化させるもの、頬と口元や口角の表情筋を活性化させるもの、額や眉の表情筋を活性化させるものの中から1つ以上を選択して行うと、所望の部位やテーマを選択してマッサージを行い得るので、所望の部位に簡単且つ直接的にマッサージの効果を与えることができる。
【0019】
クリームは、顔の表皮、真皮、表情筋の各部に作用する成分を含んだものにすると、表情筋をしっかりマッサージすることにより、顔のシワ、タルミを改善すると共に、表皮及び真皮で、カサつき、シミ、クスミ等を改善し、各組織層で肌の老化現象を改善することができる。
【0020】
本発明において、クリームは、コラーゲンやエラスチンの修復を促進するマトリカイン物質と、表情筋に作用するアルジルリンとを備えると、アルジルリンにより、シワ、タルミの原因である神経伝達物質の過剰な分泌を抑えて表情筋を活性化すると共に、マトリカイン物質により真皮のコラーゲンやエラスチンの修復を促進してシワの悪化を防止し、顔のシワ、タルミを一層好適に改善することができる。
【0021】
本発明において、クリームは、ビタミンC、ビタミンA誘導体、ビタミンE誘導体、プラセンタエキス、ヒアルロン酸のうち少なくとも1つ以上を備えると、表皮のカサつき、シミ、クスミ等に作用し、肌の老化現象を好適に改善することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明の美容方法によれば、顔の表情筋のマッサージにより、顔のシワ、タルミを改善することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
【0024】
図1〜図45は、本発明の美容方法を実施する形態例である。
【0025】
本形態の美容方法は、顔の表皮1から真皮2を介し皮下組織3の表情筋4まで浸透するクリームを用いると共に、顔の表情筋4を顔面骨5の起始部6から皮下への付着部7に向かって(図1では矢印の方向)マッサージするものである。なお、図1中、8は浅いシワ、9は中程度のシワ、10は深いシワを示している。
【0026】
マッサージは、顎から首の筋肉を活性化させるもの、目の周りや鼻の表情筋を活性化させるもの、頬と口元や口角の表情筋を活性化させるもの、額や眉の表情筋を活性化させるものの4種類があり、これらの中から1つ以上を選択し、マッサージをする際には、後述するクリームを少量塗布し、顔の表情筋4を顔面骨5の起始部6から皮下への付着部7に向かってマッサージし、表情筋4のみでなく、その周囲に位置するグリス脂肪11を活性化させるようにしている。なお、マッサージは、血行が良く、表情筋4が柔らかくなる入浴後に行うことが特に好ましい。
【0027】
4種類のうち1つである、顎から首の筋肉を活性化させるマッサージを、図2〜図9により具体的に説明すると、マッサージは、図4に示す如く、首をしっかり伸ばして上顎よりも下顎を前方向へつき出し、顎から首の表情筋(広頚筋)を伸ばすと共に表情を「イ」の口(「イ」を発音する口)にした状態で、中指の腹を下顎骨の下縁ライン(a)の中央にしっかり押し当て、エラ部(b)に向かって骨の上をしっかり小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い、且つ下縁ライン(a)の少し下方(約5mm下)の骨の上をもう一度中央からエラ部(b)に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第1の動作)、次に、先の動作(第1の動作)と同様に、首をしっかり伸ばして上顎よりも下顎を前方向へつき出し、顎から首の表情筋(広頚筋)を伸ばすと共に表情を「イ」の口(「イ」を発音する口)にした状態で、図5に示す如く、中指の腹を下顎骨の下縁ライン(a)の中央にしっかり押し当て、顎から首の広頚筋内側縁(c)に沿って二重顎の出来やすい約4.5cm幅(約3横指)部分を下に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第2の動作)、続いて、先の動作(第1の動作)と同様に、首をしっかり伸ばして上顎よりも下顎を前方向へつき出し、顎から首の表情筋(広頚筋)を伸ばすと共に表情を「イ」の口(「イ」を発音する口)にした状態で、図6に示す如く、中指の腹を下顎骨の下縁ライン(a)のエラ部(b)にしっかり押し当て、顎から首の広頚筋外側縁(d)に沿って小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行う(第3の動作)。ここで、第2の動作及び第3の動作では、のどぼとけをマッサージしないことに留意すべきである。更に、図7に示す如く、口を開け、物を咬む筋肉(咬筋)を伸ばした状態で、親指の腹を、エラ部分の咬筋による高まりの骨にしっかり押し当て、エラ部の骨に沿ってL字状にゆっくり動かす動作を2回行い(第4の動作)、次に、図8に示す如く、口をすぼめて唾液を吸う状態で、人差し指、中指、薬指の3本を使い、エラ周囲の筋肉の高まりを小さな螺旋で軽く動かす動作を行い(第5の動作)、続いて、図9に示す如く、仕上げに頬を軽く叩く(タッピング)動作を行う(第6の動作)。なお、順番は、第1の動作から第6の動作までを順に行うことが好ましいが、適宜、変更しても良い。又、図中、丸の印は指を押し当てる位置を示し、矢印はマッサージの方向や動きを示している。
【0028】
このように、顎から首の筋肉を活性化させるマッサージを行うと、顎から首をシャープにし、顎のライン・二重顎をすっきりし、えらはり・下ぶくれを小顔にし、プチ整形効果を得ることができる。
【0029】
4種類のうち他の1つである、目の周りや鼻の表情筋を活性化させるマッサージを、図10〜図15により具体的に説明すると、マッサージは、図10に示す如く、目を閉じ、眉を上げ、目の周りの表情筋を伸ばした状態で、中指の腹を眉尻水平線より少し上方の、目の外側の骨の縁(眼窩骨外側縁)にしっかり押し当て、頬骨の上に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い、且つその動作ラインから外側(約1cm外)を同様に小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第1の動作)、次に、先の動作(第1の動作)と同様に、目を閉じ、眉を上げ、目の周りの表情筋を伸ばした状態で、図11に示す如く、両手の人差し指の腹をデリケートに目の下側の骨の縁(眼窩骨下縁)の中央部にそっと押し当て、片目ずつの指圧で目の下側の骨の縁(眼窩骨下縁)の中央部より少し下方(約1cm下)から目頭、目尻両方向に向かってゆっくり動かす動作を行い(第2の動作)、続いて先の動作(第1の動作)と同様に、目を閉じ、眉を上げ、目の周りの表情筋を伸ばした状態で、図12に示す如く、両手の人差し指の腹で目の下の骨のないところ(眼窩骨下縁の中央部上方)にそっと触れ、片目ずつの動作で目頭から目尻へ両方向に向かってゆっくり動かす動作を行う(第3の動作)。ここで、第2の動作及び第3の動作では、螺旋に動かさないことに留意すべきであり、又、クリームを目に入れないように留意すべきである。更に、図13に示す如く、目を閉じて眉を上げ、鼻の表情筋を伸ばした状態で、人指し指の腹を鼻背の下方の骨にしっかり押し当て、鼻背に沿って眉間に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第4の動作)、次に、図14に示す如く、口を軽く開けて上唇をしっかり引き下げ、小鼻の表情筋を伸ばした状態で、人差し指の腹を小鼻のつけねの骨にしっかり押し当て、小鼻の溝に沿って鼻背部に向かって鼻さきを囲むように極めて小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第5の動作)、続いて、図15に示す如く、5番目の動作(第5の動作)と略同様に、口を軽く開けて上唇をしっかり引き下げ、小鼻の表情筋を伸ばした状態で、人差し指の腹を小鼻のつけねの骨にしっかり押し当て、鼻の穴の下方に向かって(図15の(イ)から(ロ))極めて小さな螺旋でゆっくり動かし、且つ鼻さきをつまんで鼻柱から鼻さきに向かって(図15の(ハ)から(ニ))直線的に動かす動作を行う(第6の動作)。ここで、第6の動作では、螺旋に動かさないことに留意すべきである。なお、順番は、第1の動作から第6の動作までを順に行うことが好ましいが、適宜、変更しても良い。又、図中、丸の印は指を押し当てる位置を示し、矢印はマッサージの方向や動きを示している。
【0030】
このように、目の周りや鼻の表情筋を活性化させるマッサージを行うと、目鼻立ちを整えて知的にし、くま、シワ、小さくなった目をハリのあるイキイキした魅力的な目にし、鼻すじを通し、鼻さきをアップし、広がった小鼻をすっきりし、プチ整形効果を得ることができる。
【0031】
4種類のうち別の1つである、頬と口元や口角の表情筋を活性化させるマッサージを、図16〜図24により具体的に説明すると、マッサージは、図16に示す如く、目を閉じ、眉を上げ、口を軽く開けて上唇を引き下げ、頬上部の表情筋を伸ばした状態で、中指の腹を目頭の少し下方の骨(図16ではA)にしっかり押し当て、鼻の脇にそって小鼻のつけねに向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第1の動作)、次に、先の動作(第1の動作)と同様に、目を閉じ、眉を上げ、口を軽く開けて上唇を引き下げ、頬上部の表情筋を伸ばした状態で、図17に示す如く、中指の腹を、先の動作(第1の動作)のラインより約1横指外側(約1cm外側)で目の下の骨にしっかり押し当て、小鼻のつけねに向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第2の動作)、続いて、先の動作(第1の動作)と同様に、目を閉じ、眉を上げ、口を軽く開けて上唇を引き下げ、頬上部の表情筋を伸ばした状態で、図18に示す如く、中指の腹を、2番目(第2の動作)のライン(図17ではB)の始点より更に約1横指外側(約1cm外側)で目の下の骨にしっかり押し当て、小鼻のつけねに向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第3の動作)、更に、図19に示す如く、唇を閉じて前方でつきだし、頬下部の表情筋を伸ばした状態で、中指の腹を頬骨の下縁に押し当て、口角に向かって比較的大きな螺旋で筋肉をしっかり動かす動作を行い(第4の動作)、更に又、図20に示す如く、4番目の動作(第4の動作)と同様に、唇を閉じて前方でつきだし、頬下部の表情筋を伸ばした状態で、中指の腹を下顎の骨や歯に押し当て、口角水平線上に沿って下顎の骨の前縁から口角に向かって比較的大きな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第5の動作)、次に、図21に示す如く、表情を「ホ」の口(「ホ」を発音する口)にし、口元の表情筋を伸ばした状態で、中指の腹を上唇の中央の骨にしっかり押し当て、唇の周囲を下唇の中央に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第6の動作)、続いて、図22に示す如く、表情を「エ」の口(「エ」を発音する口)にし、口角を上げ表情筋を伸ばした状態で、中指の腹を法令線延長線(ここで法令線とは鼻から口元へ延びるシワを示す)と下顎ラインとの交点の骨にしっかり押し当て、口角に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第7の動作)、更に、図23に示す如く、7番目の動作(第7の動作)と同様に、表情を「エ」の口(「エ」を発音する口)にし、口角を上げ表情筋を伸ばした状態で、中指の腹を7番目の動作(第7の動作)の始点(図22のC)より少し内側の骨にしっかり押し当て、下唇下縁に沿って中央に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第8の動作)、更に又、図24に示す如く、7番目の動作(第7の動作)と同様に、表情を「エ」の口(「エ」を発音する口)にし、口角を上げ表情筋を伸ばした状態で、中指の腹を口角の骨や歯にしっかり押し当て、下顎の中央に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行う(第9の動作)。なお、順番は、第1の動作から第9の動作までを順に行うことが好ましいが、適宜、変更しても良い。又、図中、丸の印は指を押し当てる位置を示し、矢印はマッサージの方向や動きを示している。
【0032】
このように、頬と口元や口角の表情筋を活性化させるマッサージを行うと、頬から口元をシャープに引き締め、笑顔の口元を魅力的にし、プチ整形効果を得ることができる。
【0033】
4種類のうち残りの1つである、額や眉の表情筋を活性化させるマッサージを、図25〜図29により具体的に説明すると、マッサージは、図25に示す如く、目を閉じ、眉を上げ、眉周囲の表情筋を伸ばした状態で、人差し指の腹を、目頭の位置で鼻の中央部よりやや外側(左右の目頭を結ぶ線の直上の正中部よりやや外側)から、眉頭より眉内側部の上縁に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第1の動作)、次に、図26に示す如く、先の動作(第1の動作)と同様に、目を閉じ、眉を上げ、眉周囲の表情筋を伸ばした状態で、左手の中指で右眉尻を上方に持ち上げ、右手の人差し指で、右眉尻の下縁で、目の上の骨にそっと押し当て、右眉尻を囲むように眉尻上縁までゆっくり動かし、更に右手の中指で左眉尻を上方に持ち上げ、左手の人差し指で、左眉尻の下縁で、目の上の骨にそっと押し当て、左眉尻を囲むように眉尻上縁までゆっくり動かす動作を行う(第2の動作)。ここで、第2の動作は、螺旋に動かさないことに留意すべきである。続いて、図27に示す如く、目を閉じて額の筋肉を伸ばした状態で、中指の腹を眉尻から約1横指内側(眉尻から5分の1)で、骨の上にしっかり押し当て、額の生え際に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第3の動作)、更に、図28に示す如く、3番目の動作(第3の動作)と同様に、目を閉じて額の筋肉を伸ばした状態で、中指の腹を額の生え際の中央の骨の上にしっかり押し当て、生え際の外側へ向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行い(第4の動作)、更に又、図29に示す如く、3番目の動作(第3の動作)と同様に、目を閉じて額の筋肉を伸ばした状態で、中指の腹を眉頭の少し上、中央の骨の上にしっかり押し当て、外側へ向かって小さな螺旋でゆっくり動かし、且つその上方をもう一度、眉の上の正中から外側へ向かって小さな螺旋でゆっくり動かす動作を行う(第5の動作)。ここで、第5の動作は、シワをはさんでふくらみのある部分を指圧しながら動作することが好ましい。なお、順番は、第1の動作から第5の動作までを順に行うことが好ましいが、適宜、変更しても良い。又、図中、丸の印は指を押し当てる位置を示し、矢印はマッサージの方向や動きを示している。
【0034】
このように、額や眉の表情筋を活性化させるマッサージを行うと、眉ラインから額をなめらかにし、眉尻をアップし、眉ラインを美しくし、プチ整形効果を得ると共にメイク時間を短縮することができる。
【0035】
又、マッサージは、上述の如く、顎から首の筋肉を活性化させるもの、目の周りや鼻の表情筋を活性化させるもの、頬と口元や口角の表情筋を活性化させるもの、額や眉の表情筋を活性化させるものの中から1つ以上を選択し、簡単にマッサージを行うことができる。
【0036】
以下、マッサージに使用するクリームについて説明する。
【0037】
クリームは、0.01〜40重量%のアルジルリンと、0.01〜4重量%のマトリカイン物質と、2.5〜40重量%のビタミンCと、0.00005〜0.015重量%のビタミンA誘導体、0.00005〜0.015重量%のビタミンE誘導体、0.01〜5重量%のプラセンタエキス、0.0001〜0.1重量%のヒアルロン酸を備えている。
【0038】
アルジルリン(ボトックスカイン)は、合成ヘキサペプチドであるアセチルヘキサペプチド−3であり、神経伝達物質の過剰な分泌を抑制して、表情筋4の組織層に作用している。
【0039】
マトリカイン物質は、5〜20個前後のアミノ酸がペプチド結合したオリゴペプチドであって、古いコラーゲンを修復するコラーゲン産生活性化ペプチド(コラーゲカイン)と、古いエラスチンを修復するエラスチン産生活性化ペプチド(エラスカイン)とから構成されており、真皮2の組織層において生体レセプタがこれらのオリゴペプチドを感受した場合に、コラーゲンやエラスチンが分解されたと認識し、繊維芽細胞に指令をだしてコラーゲンやエラスチンの修復を促進している。なお、マトリカインとは、フランスのランス大学組織研究所のMaquart教授が提唱する専門用語であって「皮膚真皮基質(非細胞性構造)」を意味する「MATRIX」と、「修正する」を意味する「KINEIN」を組み合わせた造語である。
【0040】
ビタミンCは、水溶性リン酸L−アスコルビン酸マグネシウムのナノカプセルと、油溶性ビタミンCとから構成されており、水溶性リン酸L−アスコルビン酸マグネシウムは、ナノカプセル化により乾燥肌や敏感肌に穏やかに作用し、油溶性ビタミンCは、水溶性よりも細胞膜に長く停留して、細胞内に徐々に取り込まれ、強力な活性酸素消去作用、コラーゲン生成促進作用、保湿作用を有して表皮1や真皮2の組織層に作用している。
【0041】
ビタミンA誘導体は、パルミチン酸レチノールであり、表皮細胞を活性化するよう、表皮1及び真皮2の組織層に作用している。
【0042】
ビタミンE誘導体は、酢酸トコフェロールのナノカプセルと、βカロチンとから構成されており、酢酸トコフェロールは、ビタミンC及びビタミンAを保護する抗酸化作用を備え、βカロチンはビタミンCを保護する抗酸化作用を備えている。
【0043】
プラセンタエキスは、ロイシン、リジン、べリン、スレオニン、イソロイシン等の必須アミノ酸や数十種類のアミノ酸、各種活性ペプチド、Ca、Mg、Zn、Fe、K、Na、P等の各種ミネラル、ビタミンB1、B2、B6、B12、C等のナイアシン等のビタミン類、グルコース、DNA、RNA及び代謝産物、各種成長因子を含んでおり、美白作用、抗酸化作用、保湿作用を有して表皮1及び真皮2の組織層に作用している。
【0044】
ヒアルロン酸は、グルクロン酸とN−アセチル−D−グルコサミンとが結合した分子量10万〜1000万単位のムコ多糖であり、表皮1及び真皮2の組織層に作用している。なお、ヒアルロン酸は、トリや豚等の動物性由来のものを使用しても良いが、純度が高く且つ安全性の高い、微生物の発酵法のものを使用することが好ましい。
【0045】
このため、クリームにおいて、アルジルリンは、神経伝達物質の過剰な分泌の抑制により、表情筋4の硬化や萎縮を改善しており、マトリカイン物質は、コラーゲンやエラスチンの修復促進により、コラーゲン三重螺旋構造の変性やエラスチンポリペプチドの分解を改善している。又、ビタミンCは、強力な活性酸素消去作用により、ニキビやシワ、シミを改善すると共に、コラーゲン生成促進作用及び保湿作用により、細胞芽細胞や角質細胞間脂質の形成を促進して肌荒れを改善しており、ビタミンA誘導体は、表皮1細胞の活性化により表皮1の新陳代謝を促進しており、ビタミンE誘導体は、ビタミンC及びビタミンAの保護により夫々の作用効果を高めている。更に、プラセンタエキスは、多くの有効成分基づく美白作用、抗酸化作用、保湿作用により、美白、美肌、クスミ、透明感、ハリ、つやを改善しており、ヒアルロン酸は、高い保湿力により、肌をしっとり柔軟に保ち、肌荒れを防いでいる。
【0046】
以下、本発明の美容方法の作用効果を説明する。
【実施例1】
【0047】
実施例1は、15人のモニターにより、3週間、頬等の所定の部位に本発明のマッサージを行うと共に本発明のクリームを使用して、シワの数、メラニン、肌年齢、皮脂量、紅斑を測定したものであり、15人のモニターの平均値を、シワの数の変化、メラニンの変化、肌年齢の変化、皮脂量の変化、紅斑の変化で示した。ここで、シワの数、メラニン、肌年齢、皮脂量、紅斑は、夫々、皮膚の画像解析により算出している。
【0048】
この結果、3週間、本発明のマッサージを行うと共に本発明のクリームを使用した場合において、シワの数の変化では、図30に示す如く約27%改善し、メラニンの変化では、図31に示す如く約11%減少し、肉眼でも、シミ、クスミの改善がはっきりし、肌年齢の変化では、図32に示す如く治療前の肌年齢を100として約8%減少し、皮脂量の変化では、図33に示す如く約2.7倍に増加し、紅斑の変化では、図34に示す如く、老化の始まりの紅斑が約3%減少し、肉眼でも肌の透明感が著しく向上した。
【0049】
又、肌の改善を自覚できたかをモニターにアンケートすると、下記の表の如きデータを得ることができた。
【0050】
【表1】

【0051】
このため、本発明のマッサージ及びクリームは、3週間で、肌の老化現象を大幅に改善することが明らかである。
【実施例2】
【0052】
実施例2は、15人のモニターにより、2ヶ月、頬等の所定の部位に本発明のマッサージを行うと共に本発明のクリームを使用し、メラニン、肌年齢、皮脂量、シミの数、隠れジミの数を測定したものであり、15人のモニターの平均値を、メラニンの変化、肌年齢の変化、皮脂量の変化、シミの数の変化、隠れジミの変化で示した。ここで、メラニン、肌年齢、皮脂量、シミの数、隠れジミの数は、夫々、皮膚の画像解析により算出している。
【0053】
この結果、2ヶ月、本発明のマッサージを行うと共に本発明のクリームを使用した場合において、メラニンの変化では、図35に示す如く約20%と大幅に減少し、肌年齢の変化では、図36に示す如く治療前の肌年齢を100として約23%減少し、皮脂量の変化では、図37に示す如く約20倍に増加し、シミの数の変化では、図38に示す如くシミの数が約16%減少し、隠れジミの数の変化では、図39に示す如く約7%減少した。
【0054】
このため、本発明のマッサージ及びクリームは、2ヶ月間で、肌の老化現象を一層大幅に改善することが明らかである。
【実施例3】
【0055】
実施例3は、7人のモニターにより、本発明のクリームをこめかみ等の所定部位に使用して、肌年齢、こめかみの皮膚弾力性、肌色均質性を測定したものであり、超音波を用いて1秒で百万回の振動を皮膚に与える超音波導入の場合と、所定のマッサージ方法を用いるハンドマッサージの場合に分け、7人の平均値のデータを、肌年齢の変化、こめかみの皮膚弾力性の変化、肌色均質性の変化で示した。ここで、肌年齢は、肌の水分量、油分量、硬さ等から測定しており、こめかみの皮膚弾力性は、皮膚の吸引による皮膚の歪みから測定しており、肌色均質性は皮膚の画像解析により算出している。
【0056】
この結果、本発明のクリームを使用すると共に超音波導入した場合において、肌年齢の変化では、図40に示す如く開始時の肌年齢を100として約1ヶ月半後に肌年齢が約12%減少し、こめかみの皮膚弾力性の変化では、図41に示す如く約1ヶ月半後に戻り率が約2.4%増加し、肌色均質性の変化では、図42に示す如く約1ヶ月半後に肌色均質率が約25%改善した。
【0057】
一方、本発明のクリームを使用すると共にハンドマッサージした場合において、肌年齢の変化では、図43に示す如く開始時の肌年齢を100として約1ヶ月半後に肌年齢が約14.5%減少し、こめかみの皮膚弾力性の変化では、図44に示す如く約1ヶ月半後に戻り率が約9.5%増加し、肌色均質性の変化では、図45に示す如く約1ヶ月半後に肌色均質率が約34%改善した。又、ハンドマッサージの場合は超音波導入の場合よりも優れた結果を得ることができた。
【0058】
このため、本発明のクリームは、超音波導入の場合またはハンドマッサージの場合、いずれも肌の老化現象を改善することが明らかである。
【0059】
このように、本形態の美容方法によれば、表情筋4を顔面骨5の起始部6から皮下への付着部7に向かってマッサージをすると共に、クリームの成分を表情筋4の深い部分まで浸透させるので、顔のシワ、タルミの原因となる表情筋4のスプリング機能の硬化、短縮、萎縮に対し、表情筋4を伸ばし、ほぐし、しなやかにして表情筋4のスプリング機能を改善し、顔のシワ、タルミを好適に改善することができる。
【0060】
本形態において、マッサージは、表情筋及びその周囲に位置するグリス脂肪11を活性化させてものであると、顔のシワ、タルミや輪郭不整の原因となるグリス脂肪の萎縮に対し、グリス脂肪11を活性化するので、顔のシワ、タルミや輪郭不整を好適に改善することができる。
【0061】
本発明において、マッサージが顎から首の筋肉を活性化させるものである場合、顎から首をシャープにし、マッサージが目の周りや鼻の表情筋を活性化させるものである場合、目鼻立ちを整え、マッサージが頬と口元や口角の表情筋を活性化させるものである場合、頬から口元を引き締め、マッサージが額や眉の表情筋を活性化させるものである場合、眉ラインから額をなめらかにすることができる。又、マッサージは、顎から首の筋肉を活性化させるもの、目の周りや鼻の表情筋を活性化させるもの、頬と口元や口角の表情筋を活性化させるもの、額や眉の表情筋を活性化させるものの中から1つ以上を選択して行うと、所望の部位やテーマを選択してマッサージを行い得るので、所望の部位に簡単且つ直接的にマッサージの効果を与えることができる。
【0062】
本形態において、クリームは、顔の表皮1、真皮2、表情筋4の各部に作用する成分を含んだものにすると、表情筋4で顔のシワ、タルミを改善すると共に、表皮1及び真皮2で、カサつき、シミ、クスミ等を改善し、各組織層で肌の老化現象を改善することができる。
【0063】
本形態において、クリームは、コラーゲンやエラスチンの修復を促進するマトリカイン物質と、表情筋4に作用するアルジルリンとを備えると、アルジルリンにより、シワ、タルミの原因である神経伝達物質の過剰な分泌を抑えて表情筋4を活性化すると共に、マトリカイン物質により真皮2のコラーゲンやエラスチンの修復を促進してシワの悪化を防止し、顔のシワ、タルミを一層好適に改善することができる。
【0064】
又、本形態において、クリームは、ビタミンC、ビタミンA誘導体、ビタミンE誘導体、プラセンタエキス、ヒアルロン酸のうち少なくとも1つ以上を備えると、表皮1のカサつき、シミ、クスミ等に作用し、肌の老化現象を好適に改善することができる。
【0065】
ここで、クリームに含まれるアルジルリン、マトリカイン物質、ビタミンC、ビタミンA誘導体、ビタミンE誘導体、プラセンタエキス、ヒアルロン酸の含有率は、本発明の作用効果を奏するならば特に限定されるものではないが、様々な条件に基づいて上述の含有率の如く上限及び下限を適宜設けても良い。又、クリームの各成分は、アルジルリンを含め、生体内の酵素で分解されるため、体内に多量に蓄積されるとは考えられない。
【0066】
なお、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、マッサージは、他の動作や手順を用いても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】表皮、真皮、表情筋を概念的に示す皮膚の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態において顎から首の筋肉を活性化させるためのマッサージの各位置を示す第1の概念図である。
【図3】本発明の実施の形態において顎から首の筋肉を活性化させるためのマッサージの各位置を示す第2の概念図である。
【図4】本発明の実施の形態において顎から首の筋肉を活性化させるためのマッサージの第1の動作を示す概念図である。
【図5】本発明の実施の形態において顎から首の筋肉を活性化させるためのマッサージの第2の動作を示す概念図である。
【図6】本発明の実施の形態において顎から首の筋肉を活性化させるためのマッサージの第3の動作を示す概念図である。
【図7】本発明の実施の形態において顎から首の筋肉を活性化させるためのマッサージの第4の動作を示す概念図である。
【図8】本発明の実施の形態において顎から首の筋肉を活性化させるためのマッサージの第5の動作を示す概念図である。
【図9】本発明の実施の形態において顎から首の筋肉を活性化させるためのマッサージの第6の動作を示す概念図である。
【図10】本発明の実施の形態において目の周りや鼻の表情筋を活性化させるためのマッサージの第1の動作を示す概念図である。
【図11】本発明の実施の形態において目の周りや鼻の表情筋を活性化させるためのマッサージの第2の動作を示す概念図である。
【図12】本発明の実施の形態において目の周りや鼻の表情筋を活性化させるためのマッサージの第3の動作を示す概念図である。
【図13】本発明の実施の形態において目の周りや鼻の表情筋を活性化させるためのマッサージの第4の動作を示す概念図である。
【図14】本発明の実施の形態において目の周りや鼻の表情筋を活性化させるためのマッサージの第5の動作を示す概念図である。
【図15】本発明の実施の形態において目の周りや鼻の表情筋を活性化させるためのマッサージの第6の動作を示す概念図である。
【図16】本発明の実施の形態において頬と口元や口角の表情筋を活性化させるためのマッサージの第1の動作を示す概念図である。
【図17】本発明の実施の形態において頬と口元や口角の表情筋を活性化させるためのマッサージの第2の動作を示す概念図である。
【図18】本発明の実施の形態において頬と口元や口角の表情筋を活性化させるためのマッサージの第3の動作を示す概念図である。
【図19】本発明の実施の形態において頬と口元や口角の表情筋を活性化させるためのマッサージの第4の動作を示す概念図である。
【図20】本発明の実施の形態において頬と口元や口角の表情筋を活性化させるためのマッサージの第5の動作を示す概念図である。
【図21】本発明の実施の形態において頬と口元や口角の表情筋を活性化させるためのマッサージの第6の動作を示す概念図である。
【図22】本発明の実施の形態において頬と口元や口角の表情筋を活性化させるためのマッサージの第7の動作を示す概念図である。
【図23】本発明の実施の形態において頬と口元や口角の表情筋を活性化させるためのマッサージの第8の動作を示す概念図である。
【図24】本発明の実施の形態において頬と口元や口角の表情筋を活性化させるためのマッサージの第9の動作を示す概念図である。
【図25】本発明の実施の形態において額や眉の表情筋を活性化させるためのマッサージの第1の動作を示す概念図である。
【図26】本発明の実施の形態において額や眉の表情筋を活性化させるためのマッサージの第2の動作を示す概念図である。
【図27】本発明の実施の形態において額や眉の表情筋を活性化させるためのマッサージの第3の動作を示す概念図である。
【図28】本発明の実施の形態において額や眉の表情筋を活性化させるためのマッサージの第4の動作を示す概念図である。
【図29】本発明の実施の形態において額や眉の表情筋を活性化させるためのマッサージの第5の動作を示す概念図である。
【図30】本発明の実施の形態においてマッサージをした場合のシワの数の変化(3週間)を示すグラフである。
【図31】本発明の実施の形態においてマッサージをした場合のメラニンの変化(3週間)を示すグラフである。
【図32】本発明の実施の形態においてマッサージをした場合の肌年齢の変化(3週間)を示すグラフである。
【図33】本発明の実施の形態においてマッサージをした場合の皮脂量の変化(3週間)を示すグラフである。
【図34】本発明の実施の形態においてマッサージをした場合の紅斑の変化(3週間)を示すグラフである。
【図35】本発明の実施の形態においてマッサージをした場合のメラニンの変化(2か月)を示すグラフである。
【図36】本発明の実施の形態においてマッサージをした場合の肌年齢の変化(2か月)を示すグラフである。
【図37】本発明の実施の形態においてマッサージをした場合の皮脂量の変化(2か月)を示すグラフである。
【図38】本発明の実施の形態においてマッサージをした場合のシミの数の変化(2か月)を示すグラフである。
【図39】本発明の実施の形態においてマッサージをした場合の隠れジミの数の変化(2か月)を示すグラフである。
【図40】本発明の実施の形態においてクリームを所定の部位に塗布し、超音波導入による肌年齢の変化を測定したグラフである。
【図41】本発明の実施の形態においてクリームを所定の部位に塗布し、超音波導入によるこめかみの弾力性の変化を測定したグラフである。
【図42】本発明の実施の形態においてクリームを所定の部位に塗布し、超音波導入による肌色均質性の変化を測定したグラフである。
【図43】本発明の実施の形態においてクリームを所定の部位に塗布し、ハンドマッサージによる肌年齢の変化を測定したグラフである。
【図44】本発明の実施の形態においてクリームを所定の部位に塗布し、ハンドマッサージによるこめかみの弾力性の変化を測定したグラフである。
【図45】本発明の実施の形態においてクリームを所定の部位に塗布し、ハンドマッサージによる肌色均質性の変化を測定したグラフである。
【符号の説明】
【0068】
1 表皮
2 真皮
3 皮下組織
4 表情筋
5 骨
6 起始部
7 付着部
11 グリス脂肪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔の表皮から表情筋まで浸透するクリームを用い、顔の表情筋を顔面骨の起始部から皮下への付着部に向かってマッサージをすることを特徴とする美容方法。
【請求項2】
マッサージは、表情筋及びその周囲に位置するグリス脂肪を活性化させるものであることを特徴とする請求項1記載の美容方法。
【請求項3】
マッサージは、顎から首の筋肉を活性化させるもの、目の周りや鼻の表情筋を活性化させるもの、頬と口元や口角の表情筋を活性化させるもの、額や眉の表情筋を活性化させるものの中から1つ以上を選択して行うことを特徴とする請求項1又は2記載の美容方法。
【請求項4】
顎から首の筋肉を活性化させるマッサージは、
首をしっかり伸ばして上顎よりも下顎を前方向へつき出し、顎から首の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を下顎骨の下縁ラインの中央にしっかり押し当て、エラ部に向かって骨の上をしっかり小さな螺旋でゆっくり動かす第1の動作と、
前記第1の動作の顎から首の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を下顎骨の下縁ラインの中央にしっかり押し当て、顎から首の広頚筋内側縁に沿って二重顎の出来やすい部分を下に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第2の動作と、
前記第1の動作の顎から首の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を下顎骨の下縁ラインのエラ部にしっかり押し当て、顎から首の広頚筋外側縁に沿って小さな螺旋で動かす第3の動作と、
口を開け、物を咬む咬筋を伸ばした状態で、指の腹をエラ部分の咬筋の高まりの骨にしっかり押し当て、エラの骨に沿ってL字状にゆっくり動かす第4の動作と、
口をすぼめて唾液を吸う状態で、複数の指を使い、エラ周囲の筋肉の高まりを小さな螺旋で軽く動かす第5の動作と、
頬を軽くタッピングする第6の動作とを備えることを特徴とする請求項3記載の美容方法。
【請求項5】
目の周りや鼻の表情筋を活性化させるマッサージは、
目を閉じ、眉を上げ、目の周りの表情筋を伸ばした状態で、指の腹を眉尻水平線より少し上方の、目の外側の骨の縁にしっかり押し当て、頬骨の上に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第1の動作と、
前記第1の動作の目の周りの表情筋を伸ばした状態で、両手の所定の指の腹をデリケートに目の下の骨の中央部にそっと押し当て、片目ずつの指圧で目の下側の骨の縁の中央部より少し下方から目頭、目尻両方向に向かってゆっくり動かす第2の動作と、
前記第1の動作の目の周りの表情筋を伸ばした状態で、両手の所定の指の腹で目の下の骨のないところにそっと触れ、片目ずつのマッサージで目頭から目尻へ両方向に向かってゆっくり動かす第3の動作と、
目を閉じて眉を上げ、鼻の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を鼻背の下方の骨にしっかり押し当て、鼻背に沿って眉間に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第4の動作と、
口を軽く開けて上唇をしっかり引き下げ、小鼻の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を小鼻のつけねの骨にしっかり押し当て、小鼻の溝に沿って鼻背部に向かって鼻さきを囲むように極めて小さな螺旋でゆっくり動かす第5の動作と、
口を軽く開けて上唇をしっかり引き下げ、小鼻の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を小鼻のつけねの骨にしっかり押し当て、鼻の穴の下方に向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かし、且つ鼻さきをつまんで鼻柱から鼻さきに向かって直線的に動かす第6の動作とを備えることを特徴とする請求項3記載の美容方法。
【請求項6】
頬と口元や口角の表情筋を活性化させるマッサージは、
目を閉じ、眉を上げ、口を軽く開けて上唇を引き下げ、頬上部の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を目頭の少し下方の骨にしっかり押し当て、鼻の脇にそって小鼻のつけねに向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かす第1の動作と、
前記第1の動作の頬上部の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を前記第1の動作のラインより1横指外側で目の下の骨にしっかり押し当て、小鼻のつけねに向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かす第2の動作と、
前記第1の動作の頬上部の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を前記第2の動作の始点より更に1横指外側で目の下の骨にしっかり押し当て、小鼻のつけねに向かって極めて小さな螺旋でゆっくり動かす第3の動作と、
唇を閉じて前方につきだし、頬下部の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を頬骨の下縁に押し当て、口角に向かって比較的大きな螺旋で筋肉をしっかりマッサージする第4の動作と、
前記第4の動作の頬下部の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を下顎の骨や歯に押し当て、口角水平線上に沿って下顎の骨の前縁から口角に向かって比較的大きな螺旋でゆっくり動かす第5の動作と、
表情を「ホ」の口にし、口元の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を上唇の中央の骨にしっかり押し当て、唇の周囲を下唇の中央に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第6の動作と、
表情を「エ」の口にし、口角を上げ表情筋を伸ばした状態で、指の腹を法令線延長線と下顎ラインとの交点の骨にしっかり押し当て、口角に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第7の動作と、
前記第7の動作の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を前記第7の動作の始点より少し内側の骨にしっかり押し当て、下唇下縁に沿って中央に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第8の動作と、
前記第7の動作の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を口角の骨や歯にしっかり押し当て、下顎の中央に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第9の動作とを備えることを特徴とする請求項3記載の美容方法。
【請求項7】
額や眉の表情筋を活性化させるマッサージは、
目を閉じ、眉を上げ、眉周囲の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を目頭の位置で鼻の中央部より外側から、眉頭より眉内側部の上縁に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第1の動作と、
前記第1の動作の眉周囲の表情筋を伸ばした状態で、指の腹を眉尻の下縁で目の上の骨にそっと押し当て、眉尻を囲むように眉尻上縁までゆっくり動かす第2の動作と、
目を閉じて額の筋肉を伸ばした状態で、指の腹を眉尻から1横指内側で、骨の上にしっかり押し当て、額の生え際に向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第3の動作と、
前記第3の動作の額の筋肉を伸ばした状態で、指の腹を額の生え際の中央の骨の上にしっかり押し当て、生え際の外側へ向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第4の動作と、
前記第3の動作の額の筋肉を伸ばした状態で、指の腹を眉頭の少し上、中央の骨の上にしっかり押し当て、外側へ向かって小さな螺旋でゆっくり動かす第5の動作とを備えることを特徴とする請求項3記載の美容方法。
【請求項8】
クリームは、顔の表皮、真皮、表情筋の各部に作用する成分を含むことを特徴とする請求項1記載の美容方法。
【請求項9】
クリームは、表情筋に作用するアルジルリンと、コラーゲンやエラスチンの修復を促進するマトリカイン物質とを備えたことを特徴とする請求項8記載の美容方法。
【請求項10】
クリームは、ビタミンC、ビタミンA誘導体、ビタミンE誘導体、プラセンタエキス、ヒアルロン酸のうち少なくとも1つ以上を備えることを特徴とする請求項8又は9記載の美容方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公開番号】特開2007−50126(P2007−50126A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237788(P2005−237788)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(505312604)有限会社Dr.Itoプロケアコスメティクス (1)
【Fターム(参考)】