説明

羽根車を有する装置

【課題】 血液ポンプ等に使用される高効率の羽根車を提供する。
【解決手段】 本発明の羽根車は、(A)ハブと、(B)前記ハブ上に配置される第1群のブレードレットと、からなる。前記第1群のブレードレットは、第1のブレードを構成し、前記ブレードレットは、根元部と先端部と圧力面と吸引面とを有し、前記ブレードレットは、留置状態と非留置状態の間を動く。前記留置状態にある前記先端部は、前記非留置状態にある前記先端部よりも、前記ハブから離れておいる。前記各ブレードレットの圧力面は、凹状であり、前記ブレードレットの根本部は、前記ブレードレットの先端部よりも狭い。圧力面は凹状であり、吸引面は凸状であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は羽根車(インペラ)を有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
羽根車は、ハブ(軸)とブレード(翼)を有する回転構造物である。羽根車を用いて流体を加速したり流体に圧力を加えたりする。具体的には、羽根車は、駆動力(モータ)の回転機械エネルギを、駆動されるべき流体の運動エネルギ(フロー)とポテンシャルエネルギ(圧力)に変換する。羽根車は、様々な装置(例、ポンプ、ウオータージェット、攪拌タンク、洗濯機、掃除機等)で使用される。
【0003】
羽根車は、ポンプ等にある特性(性能)を達成させる。例えばマスフローレート(流速)、圧力比、或いは効率を達成させる。装置の性能は、最終的には動作状態(例、入り口圧力、温度、流体密度等)の関数と羽根車の形状性能(例;ハブの直径、ブレードの形状)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6981942号明細書
【特許文献2】米国特許第5749855号明細書
【特許文献3】米国特許第6533716号明細書
【特許文献4】米国特許第4753221号明細書
【特許文献5】米国特許第4919647号明細書
【特許文献6】米国特許公開第2008/0114339号明細書
【特許文献7】米国特許出願第11/758,402号明細書
【0005】
羽根車のブレードは、非常に複雑な形状をしており、水力学の効率を最適にし又他のデザインの条件に合わせて設計される。更に羽根車のブレードの構造は、使用されるアプリケーションに応じて、大きく変わる。例えば飛行機のプロペラのブレード或いはミキサーのブレードはその典型である。これ等のブレードは、スパンが長くコード長さ(弦幅)が短い傾向がある。中心のハブの周りに大きなラップを有する1枚の螺旋状の羽根を有するネジ型のブレード(Arch羽根車edes screw)等とこれ等のブレードとを対比すると、ネジ型のブレードは、スパン(軸方向長さ)が短く、弦幅が長い。
羽根車には、特別な設計上の要件が存在する。例えば、ブレード(翼)が拡張したり収縮したりする設計要件がある。このようなアプリケーションの一例は、脈管に挿入される血液ポンプである。
【0006】
血液ポンプは心臓補助装置であり、急性心不全或いはそれを煩っている患者に対する救命装置として用いられている。好ましい心臓補助装置は、心臓のポンプ機能の一部を果たし、心臓の負荷を軽減し心臓を再生させる。血液ポンプは、一時的な措置で、通常1週間未満の動作が予定されている。
【0007】
脈管から(或いは脈管に)挿入される血液ポンプは、低侵襲手順で、患者の身体内に挿入される。この血液ポンプは、既に確立したカテーテル(cath-lab)技術、例えば血液ポンプを周囲の血管(例;大腿部の動脈)に挿入して、血液ポンプを上行大動脈又は心臓(例;Seldinger等)まで前進させる技術である。周囲血管内に脈管を通して挿入するために、血液ポンプは極めて小型でなければならない。特に血液ポンプは、12フレンチ(4mm)以下のカテーテルを有する(挿入される)のが好ましい。これにより、ブレードのサイズに対し厳しい制約となり、その為、血液ポンプ装置が、ポンプ出力する血量にも厳しい制約が課される。
【0008】
このサイズの制約を解決する為に、「(ブレードが)拡張可能な」血液ポンプが提案されている。この種のポンプは、脈管を介して挿入するに十分小型であり、心臓又はその近傍のそれより大きな脈管構造内に配置されると、拡張するような羽根車を有する。この拡張した羽根車のブレードのスパンは、非拡張型の羽根車のそれよりも大きくなる。従って、拡張可能な羽根車は、1回転当たりより多くの血流を排出することができ、低い回転速度で動作が可能となる。最大の拡張可能な血液ポンプは、拡張可能な羽根車の様々な機構の1つを用いる。即ち、膨張可能な羽根車、軸回転可能な羽根車、折り畳み可能な羽根車を用いる。これまでの従来の血液ポンプの一例は、これ等の種類の羽根車を用いるものであるが、これを以下に説明する。
【0009】
特許文献1は、脈管挿入可能な血液ポンプを開示する。この血液ポンプは、拡張可能なハウジングと拡張可能な羽根車とを有する。これは、拡張可能なハブと拡張可能なブレードからなる1個のブレード列を有する。ハウジングは、長いシースに取り付けられる。このシースが、ポンプ(留置後には心臓近傍にある)を体外にある装置(例、モータと圧力空気源)に連結する。例えば、羽根車をモータと拡張チューブ(ハウジングと羽根車を拡張させる)に結合するシャフトは、シース内に配置される。
【0010】
特許文献2は、軸回転(揺動)する羽根車を有する脈管挿入可能な血液ポンプを開示する。この羽根車は、2枚のブレードからなる1個のブレード列を有し、これ等は、拡張可能なケージにより包囲される。駆動ケーブルが、生体外モータからケージの先端まで伸びる。半径方向の力が無い場合には、ケージと羽根車は折り畳んだ状態にある。
【0011】
駆動ケーブルは、その内側部分と外側部分とは、相対移動ができる。駆動ケーブルの内側部分が、軸方向の力(例;医療従事者が内側部分を引っ張ること)により、軸方向に引かれると、駆動ケーブルの内側部分と外側部分との間の相対移動により、ケージが拡張し、ブレードを留置状態にする。この留置状態にあるプロペラが、拡張したケージ内で、自由に回転する。
【0012】
特許文献3は、折り畳み可能な螺旋形状ローターを有する脈管挿入可能な血液ポンプを開示する。このローターは螺旋フレームから構成される。この螺旋フレームは、ニチノールワイヤー製の螺旋状に捻ったセグメントで実現される。螺旋状に捻ったセグメントの両端は、弾性バンドに結合される。弾性バンドは、螺旋フレームの回転軸に沿って配置されている。ローター「ブレード」の表面は、膜から形成され、この膜は、螺旋フレームと中央に配置された弾性バンドとの間を伸びている。この膜は、スポンジ状の織った組織から形成される。
【0013】
螺旋形状ローターは、収縮した状態で脈管系内に挿入される。この状態において、チューブは、螺旋形状フレームの上に重なり、この螺旋フレームを中心軸に沿って細長い形状にする。中央に配置された弾性バンドは、最大の引っ張り力状態にあり、カバーする膜は圧縮状態にある。カバーするチューブが引き抜かれると、細長いニチノール製ワイヤーが、軸方向に収縮し、螺旋形状を採る。その結果、弾性バンドが収縮し、膜が平滑な表面を構成して、それがローターの表面として機能する。
【0014】
特許文献4は、拡張可能な羽根車と折り畳み可能な羽根車の両方の特徴を有する脈管挿入可能な血液ポンプを開示する。この血液ポンプはカテーテルを有する。そのカテーテルの先端は、拡張可能なフレキシブルな材料から形成される。ブレードは、1個のブレード列に配置され、弾性材料から形成され、フレキシブルな領域でカテーテル内に配置される。カテーテルが、移送される状態(即ち収縮状態)にある時には、ブレードは、ポンプの回転軸に平行に曲がる。ブレードを留置するために、カテーテルの先端は拡張するが、これは、カテーテルの外表面に結合されたバルーンを拡張させることにより行う。カテーテルの先端が拡張すると、ブレードは、動作位置に拡がり、そしてブレードは、回転軸に直交する方向に伸びる。
【0015】
特許文献5は、カテーテルを有する脈管内に挿入可能な血液ポンプを開示する。このカテーテルに、1個のブレード列に配置された4個の折り畳み可能なブレードが結合される。ブレードは、弾性材料から形成され、半径方向外側に伸びるよう力が加えられている。このブレードは、カテーテルの先端に配置される。このカテーテルは、カップ形状をしており、拡張可能材料から形成される。患者の体内に挿入するために、ブレードとカップ形状部分が、半径方向内側に収縮する。例えばカテーテルを管状ガイド内に配置することにより、収縮する。ガイドが取り除かれると、ブレードとカップ形状部分が、拡張する。
【0016】
特許文献6は、羽根車を有する脈管内に挿入可能な血液ポンプを開示する。この羽根車は、複数のブレード列に配置された折り畳み可能なブレードを有する。特許文献6は、中央ハブの周りに何回も巻かれた長い螺旋状ブレードを折り畳むことは、困難であることを示している。この問題を解決するために、特許文献6では、長いブレードは、複数個の短いブレードに分割され、複数のブレード列となるように離間して配置されている。
【0017】
羽根車の設計は十分理解されてはいるが、拡張可能な羽根車、特に血液ポンプで用いられる羽根車は、様々なデザイン上の挑戦を引き起こす。特に、ブレードの拡張と収縮が可能となる羽根車の構造と、その駆動方法に注意を払わなければならない。これ等の問題が重要な理由は、それ等が、通常ポンプ構造を包囲する構造形状(ポンプのハウジング)に影響を及ぼし、羽根車が周囲の構造と一体にさせる方法に影響を及ぼすからである。
【0018】
上記の特許文献は、様々な拡張可能な血液ポンプを開示している。しかし脈管挿入可能な血液ポンプに使用される拡張可能な羽根車に対するニーズは、依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、ポンプ或いは他の回転装置で使用される羽根車を提供することである。本発明の他の目的は、羽根車が脈管に挿入され拡張可能な心臓補助装置を提供することである。
【0020】
脈管挿入可能な血液ポンプで使用されるのに適した羽根車を開発する問題にアプローチするに際し、本発明者等は、羽根車が比較的低速(5000rpm以下)で回転するのが好ましいと認識した。低速で動作することは、生体外モータをポンプに結合する駆動ケーブルの寿命を延ばす。このような低速で動作しながら、所望量の血液(即ち1分当たり2.5リットル以上)をポンプ(吐出)するために、人間の脈管内に導入するにはブレードのスパン(軸方向長さ)が長すぎるような羽根車を必要とする。従って本発明者等は、収縮可能/拡張可能な羽根車の設計が必要である結論に至った。
【0021】
一般的に羽根車の設計とブレードの形状は、水力学の理論に支配されている。その理由は、ブレードは、エアフォイル又は他の非常に複雑な形状を有しているからである。特定の形状が開発されると、それを構成する材料とブレードの厚さが、必要な強度とを提供するために、選択される。これが、ブレードが根元部で厚く先端部で薄い形状を有する理由である。
【0022】
しかし本発明者等は、様々な観点から羽根車の設計にアプローチした。特に羽根車の設計とブレードの形状に対する改良の試みは、構造的な剛性と強度の考慮に基づいている。即ち、羽根車のブレードは、少なくとも一実施例においては、折り畳み可能であり、羽根車のブレードは、操作中にバックリングや折れ曲げに対し、抵抗力を有しなければならない。
【0023】
ブレードは、一対の対向面即ち圧力面(pressure face)と吸引面(sunction face)とを有する。圧力面は、ブレードが回転すると流体の相対的な動きを引き起こす。吸引面は、吸引により流体の動きを誘導する。圧力面と吸引面とは、通常同一方向に湾曲し、エアフォイル形状を形成する。しかし、ここ開示された羽根車のある実施例は、このエアフォイル形状を許さない。
【0024】
「金属製の巻尺」になぞらえて説明すると、本発明者等は、凹状の(窪んだ)圧力面と凸状の(膨らんだ)吸引面を有するブレード(翼)構造が、力が凹状の面(圧力面)にかかった時に、曲げに対し優れた抵抗力を有することを発見した。その結果。本発明によれば、ブレードの構造的剛性は、ブレードの形状により得られる。これに対し、従来技術では、材料を選択することにより得ていた。
【0025】
金属製の巻尺が、重力に抗して水平方向に長く伸びているとする。巻尺が凹状側(圧力面)が上を向いている時は、直線状を維持する。巻尺を反転させる即ち凹状側を下に向けると、テープは、折り畳み、かかる重力に簡単に屈してしまう。それ故に、巻尺は、重力が凸状側にかかった時には、容易に折れ曲がるが、重力が凹状側にかかった時には、バックリングに対し、耐えることができる。言い換えると、巻尺の湾曲は、負荷に曝された時には、一方向の場合のみ、バックリングと折り曲げに対し剛性力を与えることができる。
【0026】
このような構造で得られた剛性は、拡張可能な羽根車に対し極めて有利である。必要とされる剛性と適正な材料の選択が行われると、凸状と凹状の構造を有する羽根車は、従来設計よりも少ない材料で形成できる。又少ないトルクで、羽根車を所望の速度で回転できる。これにより、駆動ケーブルにかかるストレスを減らすことができる。このストレスは、脈管に挿入される血液ポンプに対しは、従来は問題であった。
【0027】
更に本発明の一方向しかない剛性の特徴は、拡張可能な羽根車に対し極めて利点がある。特にそれが許される場合には、羽根車の回転方向を反転させるだけで、羽根車を収縮(折り畳み)させ、取り出すことができる。
【0028】
ブレードの圧力面に凹状形状を採用することは、第1の重要な点である。この形状の利点を得るためには、本発明者等は次のことを認識した。即ち、折り曲げに耐えるために、ブレードの根元部で湾曲の小さな半径(即ち比較的鋭い曲げ)を有することが重要であると認識した。根元部で湾曲の半径が大きく(即ち直線状に)なると、曲げに抵抗する能力が減少する。しかし流体をポンピング(吐出)する観点からすると、ブレードの先端部では、大きな半径の湾曲(即ち平坦な曲げ)が好ましい。その理由は、平坦になると、ブレードに対し良好な接線方向の流れを提供し、これにより効率的なポンピングが可能となるからである。
【0029】
上記の特徴は、根元部近傍で弦幅が非常に短かく、先端部で弦幅が極めて長いブレードについて、当てはまる。鋭く湾曲した根元部とその剛性に対する潜在的な利点にも関わらず、動作中にブレードの先端で生成されるモーメント(慣性力)が、このような先端部対根元部の極端なアスペクト比を有するブレードを、折り畳んでしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明者は、これ等の相反する要求を、ブレードを複数の個別のブレードレットに分けることにより、満たすことができるを、見出した。隣接するブレードレットは、根元部で最小距離として離間させるが、先端部では互いに当接させる。好ましくは隣接するブレードレットは、先端部の或る半径距離で互いにオーバーラップしている。このようにブレードを区分することにより、ブレードレットの根元部で小さな半径の湾曲が可能となり、先端部でより大きな半径の湾曲が得られる。その結果、「完全な」非分割ブレードでの先端部対根元部の極端なアスペクト比とはならない。隣接するブレードレットを「混在させる」ことが、螺旋状のブレードが提供できる。特に、ハブから十分離れた半径方向の場所(ここで最大のポンプ動作が行われる)で螺旋状のブレードが提供できる。これより、本発明の羽根車の効率性が確保できる。
【0031】
剛性にも関わらず、本発明の羽根車の効率とその設計は、流体力学の計算を行うことにより、確認しなければならない。
【0032】
例えば一実施例においては、先端部の下で隣接するブレードレットの間に、オープンスペースがある。流体(例;血液)がこのスペースを通過し、これにより羽根車の効率が下がることになる。このことを阻止するために、一実施例においては、膜がブレードレットの上に或いはブレードレットの間に配置される。
【0033】
本発明の一実施例によれば、脈管に挿入可能な血液ポンプと共に使用される羽根車は、複数のオーバーラップした或いは当接したブレードレットに分割されるブレードを有する。ここでブレードレットは折り曲げ可能である。各ブレードレットの一方の側は凹状で他方の側は凸状である。各ブレードレットの根元部は先端部よりも弦幅が短く、より小さな半径の湾曲を有する。ブレードレットは膜で覆われている。本発明の羽根車は軸方向流の羽根車である。他の実施例においては、本発明の羽根車は、混合流の羽根車即ち軸方向流と半径方向流の両方を有する羽根車である。
【0034】
上記した特徴の少なくとも一部を有する羽根車は、様々なアプリケーションでの利用性及び利点がある。それ故に本発明の他の実施例においては、これ等は脈管に挿入される血液ポンプ或いは他の回転装置として使用されるが、本発明の羽根車は、以下の特徴の少なくとも1つを有する。
(1)複数のオーバーラップした/当接したブレードレットに分割されるブレード
(2)ブレードをカバーする膜
(3)圧力面が凹状のブレードレット
(4)吸引面が凸状のブレードレット
(5)折り畳み可能なブレードレット
(6)ブレードレットの根元部の弦幅はブレードレットの先端部の弦幅よりも短い
(7)ブレードレットの根元部の湾曲の半径はブレードレットの先端部湾曲の半径よりも小さい
一例として本発明の他の羽根車は、以下の構成を有する。
(1)複数のオーバーラップした/当接したブレードレットに分割されるブレードで、折り畳み可能ではなく、凹状の圧力面を有さないブレード、
(2)複数のオーバーラップした/当接したブレードレットに分割されるブレードで、折り畳み可能であり、凹状の圧力面を有さないブレード、
(3)複数のオーバーラップした/当接したブレードレットに分割されるブレードで、折り畳み可能ではなく、凹状の圧力面を有するブレード、
(4)折り畳み可能で、凹状の圧力面を有する1枚のブレード、
【0035】
本発明の一実施例よれば、脈管に挿入可能な心臓補助装置は、上記の羽根車を有するポンプ装置を有する。このポンプ装置は、大動脈、心臓或いは他の主要な血管内に留置される。駆動ケーブルが、ポンプ装置を患者の生体外にあるモータに結合する。このモータは、駆動ケーブルを介して羽根車を駆動する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】1個のブレード列を有する従来の羽根車の斜視図。
【図1B】2個のブレード列を有する従来の羽根車の斜視図。
【図2A】本発明の一実施例によるブレードレットを有する羽根車であり、この羽根車は留置した状態即ち拡がった状態で示し、隣接するブレードレットがオーバーラップしている状態を表す図。
【図2B】図2Aの羽根車で折り畳んだ状態即ち移送する状態を表す図。
【図3】本発明による当接するブレードレットを有する羽根車を表し、ハブの周りに180°以上巻かれている螺旋状のブレードを有する羽根車を表す図。
【図4A】対称に配置された2個のブレードからなる1個のブレード列を有する本発明の羽根車の端面図。
【図4B】対称に配置された3個のブレードからなる1個のブレード列を有する本発明の羽根車の端面図。
【図5】本発明の一実施例によるブレードレットを有する羽根車で、各ブレードレットの一方の面(圧力面)は凹状で、他方の面(吸引面)は凸状である羽根車の斜視図。
【図6】本発明による巻尺形状にしたブレードレットの詳細図。
【図7】図5に類似し本発明のブレードのブレードレットが折り畳んだ状態(即ち移送状態)にある羽根車の側面図。
【図8A】本発明により複数のブレードレットを有するブレードが膜でカバーされている羽根車を表す図。
【図8B】膜が隣接するブレードレットを連結する本発明の羽根車を表す図。
【図9A】本発明による拡張可能な羽根車を組み込んだ血液ポンプで、羽根車が留置された状態(即ち拡がった状態)にある血液ポンプを表す図。
【図9B】羽根車が折り畳んだ状態即ち収縮した(移送)状態の血液ポンプを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書又は特許請求の範囲に現れる用語について以下定義する。
【0038】
用語「ブレードレット」とは、ブレードのセグメント即ち部分を表す。複数のブレードレットが1個のブレードを構成する。隣接するブレードレットの先端は、互いに当接する(当たっている)か或いはオーバーラップして(重なり合って)いる(従来の定義ではない)。
【0039】
用語「ブレード列」は、ハブに沿って、近い軸方向位置を有するブレードのグループを表し、通常円周方向に等距離に離間している。一例として、図1A、1Bは、ブレード列に配置されたブレードを具備する従来の羽根車を表す。
【0040】
図1Aに、従来の羽根車100Aを示す。この羽根車100Aは、ハブ102上に4個のブレード104を有する。この4個のブレード104が、1群となって1個のブレード列106となる。ブレード104は、スパン(軸方向長さ)は長く、コード(弦幅)は短い、これは飛行機のプロペラの形状である。図1Bに、従来の羽根車100Bを示す。この羽根車100Bは、ハブ112を有する。このハブ112が、2個のブレード列120,124を有し、それぞれのブレード列が2個のブレードを有する。ブレード114−1,114−2はブレード列120に属する。ブレード118−1,118−2は、ブレード列124に属する。ブレード列120のブレードとブレード列124のブレードは、長い螺旋状のブレードで、ハブ112の周囲に大きな角度のラップを構成する(巻かれている)。
【0041】
あるブレード列内のブレードは、若干軸方向に互いにずれている。例えば羽根車100Bのブレード列120においては、ブレード114−1の先端126−1は、ブレード114−2の先端126−2より先にある(図1Bで左側にある)。
【0042】
用語「コード(弦)」又は「コード(弦)長さ」は、ブレードまたはブレードレットの先端と後端を繋ぐ長さ(弦幅)である。
【0043】
用語「螺旋」とは、面が円筒状又は円錐状の表面の周囲を巻くときに、面上を引いた直線ライン又は湾曲ラインにより形成されるカーブをいう。特に円形状のシリンダー或いは可変ピッチのネジのカーブをいう。
【0044】
用語「多段ポンプ」とは、ハウジングに取り付けられるステータ(固定:非回転)・ブレード列の間に挿入される回転するブレードのブレード列を有する羽根車を有するポンプを意味する。その結果フローパスは、ローターからステータへ(即ち或る段から次の段へ)に方向を変えながら進み、速度と方向を変化させることによる慣性を利用して、より高い圧力ヘッドを達成することができる。
【0045】
用語「圧力面」は、ブレード又はブレードレットで使用した場合には、ポンプの放出側の面を意味する。
【0046】
用語「根元部」は、、ブレード又はブレードレットで使用した場合には、ハブに近い側を意味する。
【0047】
用語「吸引面」は、、ブレード又はブレードレットで使用した場合には、ポンプの入口側の面を意味する。
【0048】
用語「先端部」は、、ブレード又はブレードレットで使用した場合には、ハブから最も離れた部分を意味する。
【0049】
他の用語については、本明細書で定義する。
【0050】
図2Aは本発明の一実施例の羽根車(インぺラー)を示す。羽根車は、ハブ(軸棒)202を有する。このハブ202はブレード204を支持する。羽根車は通常少なくとも2枚のブレード204を有する。これは数千rpmの回転速度を有する羽根車例えば血液ポンプには必要である。羽根車は、第2のブレードを有してもよい。
【0051】
ブレード204は、複数のブレードレット206iを有する。この実施例においては、ブレード204は5枚のブレードレットを有する。他の実施例においては、5枚以上、5枚以下ブレードを、ブレードのコード長さ(弦幅)に応じて用いることができる。具体的には、弦幅が長いブレードは、弦幅の短いブレードよりもより、多くのブレードレットを有する。
【0052】
各ブレードレット206iは、根元部208と、先端部210と、先端外辺212と、後端外辺214とを有する。根元部208と先端部210との間の距離は、ブレードレットのスパン(軸方向長さ)を表す。先端外辺212と後端外辺214の間の距離は、弦幅の方向でブレードレット206iの弦幅を表す。
【0053】
先端部210の弦幅対の根元部208の弦幅の比率(先端部の弦幅/根元部の弦幅)は、通常1−4の範囲であり、一般的には1.5−3の範囲である。ブレードレットの軸方向長さ対先端部210の弦幅比率(軸方向長さ対先端部の弦幅)は、通常1−4の間で、一般的には2−4の間である。ブレードレット206iの軸方向長さのハブ202の直径に対する比率(ブレードレットの軸方向長さ/ハブの直径)は0.5−3の範囲で、通常1−2の範囲である。
【0054】
図2Aの実施例において、隣接するブレードレットは、先端部210近傍でオーバーラップしている。オーバーラップ量は、ブレードレットの形状により変わる。特に先端部210の弦幅対根元部208の弦幅の比率(先端部の弦幅/根元部の弦幅)の応じて変わる。この比率が大きくなるとオーバーラップ量も大きくなるが、隣接するブレードレットの間の根本部のスペースに関連する。
【0055】
一実施例においては、オーバーラップ量を最小にして、隣接するブレードレットの先端部210の先端エッジが互いに当たるようにしてもよい。しかし本発明の全ての実施例において、隣接するブレードレットの先端部では、少なくとも最小限の接触がなければならない。この接触により、複数のブレードレットが全体として1枚のブレードを構成する。隣接するブレードレットの間にスペースが存在すると、これ等のブレードレットは、2つのブレード列の2つのブレードの一部となる。
【0056】
一実施例において、ブレードレット206iは折り畳み可能である。この実施例においては、図2Aは、伸びた(即ち留置した)状態のブレードレットを表し、図2Bは、折り畳んだ(即ち留置場所に移送する)状態のブレードレットを表す。図2Bに示すように、ブレードレット206iは、根元部208近傍の位置216で折り畳まれている。
【0057】
図は2つの状態、即ち伸びた状態(図2A)と折り畳んだ状態(図2B)にある羽根車は、同一の羽根車を必ずしも意味していない。即ち図を判りやすくするために、羽根車は、ある図では右回りのスクリューとして、別の図では左回りのスクリューとして表している。このような明らかな矛盾は重要なことではなく、これは図面表示のためには馴染むものではないが、当業者には何らの誤解も生じさせないと信ずる。
【0058】
一実施例においては、ブレードレットは柔軟性があり、ブレードレットを変形させるような力が取り除かれた時には、特定の構造に戻るような材料から形成されている。例えばブレードレットは、ハブ202とブレードレットを覆うように、カテーテルのような導管218を前進させることにより、折り畳むことができる。この折り畳まれた状態においては、羽根車200の収縮した直径は、ハブ202の直径よりも、それほど大きくはならない。
【0059】
導管218が引き抜かれると、ブレードレットは拡がるが、これは折り畳むプロセスの間ブレードレットに蓄えられた潜在的なエネルギによる。折り畳まれる機能或いは拡がる機能を有するブレードレットは、血液ポンプと共に使用される際に特に有効である。本発明の羽根車を利用する血液ポンプの実施例を更に説明する。
【0060】
折り畳み可能なブレードレットは、超弾性材料例えばニチノール、ステンレススチール、様々なポリマー材料例えばポリイミド、ポリプロピレン等から形成される。ハブ202は、ステンレス、ニチノール、或いは様々なポリマー材料から形成される。
【0061】
ブレード204の形状(例;弦幅等)は、アプリケーションに特有なものである。多くのアプリケーションにおいては、ブレード204は、ハブ202の周囲を螺旋状のパスにとって少なくとも部分的に巻き付いている。血液ポンプとして使用する場合には、ブレード204は、ハブ202の周囲を30°−90°の範囲の角度で巻き付く。アプリケーションによっては、ブレード204は360°以上巻き付くこともある。図3に示す羽根車300においては、複数のブレードレット306iを有するブレード304は、ハブ302の周囲を180°以上にわたって巻き付く。
【0062】
「ブレード列」の定義においては、大部分の羽根車特に高速回転する羽根車は、通常複数枚のブレードを有し、これらのブレードは、ハブの周囲で等間隔に円周方向に離間して配置されている。即ち羽根車(即ちブレード列)は、n倍の対称性を示す。そのため、ブレードは、ハブの周囲に(360/n)°互いに離間して配置される。ここでnは、ブレード列にあるブレードの総数である。
【0063】
図4A,4Bは、それぞれ2倍、3倍の対称性を示す本発明の羽根車の2つの実施例を示す。図4Aは、ブレード404−1,404−2を有する羽根車400Aの端面図であり、各ブレード404−1,404−2は、それぞれ複数のブレード列406−1−iと406−2−iを有する。ブレード404−1,404−2は、(360/n)°だけ離間している。ここでnは2であるから、ハブ402Aの周囲に180°離間して配置されている。
図4Bは、ブレード404−1,404−2,404−3を有する羽根車400Bの端面図であり、各ブレード404−1,404−2,404−3は、それぞれ複数のブレード列406−1−iと406−2−iと406−3−iを有する。ブレード404−1,404−2,404−3は、(360/n)°だけ離間している。ここでnは3であるから、ハブ402Aの周囲に120°離間して配置されている。
【0064】
図5は本発明の羽根車500を示す。羽根車500は、ブレード504−1,504−2をハブ502の周囲に有する。この2枚のブレードは、1個のブレード列になる。本発明によれば、ブレード504−1は、複数のオーバーラップしたブレードレット506−1−iを有し、ブレード504−2は、複数のオーバーラップしたブレードレット506−2−iを有する。この実施例においては、各ブレードは、5枚のブレードレットを有する。
【0065】
羽根車500の回転方向は、図5の矢印で示す方向である。即ち反時計回りである。ポンプで吐出される流体は「ページの外」に流れる。その結果、図5では、ブレード504−1の各ブレードレット506−1−iの圧力面は見える。ブレードレット506−1−iの吸引面は見えない。同様に、ブレード504−2のブレードレット506−2−iの圧力面は見え、吸引面は見えない。
【0066】
図に示した実施例によれば、ブレードレットの圧力面は凹状であり、ブレードレットの吸引面は凸状である。言い換えると、通常の動作時においては、ブレードレットの凹状面は先端面(即ち流体を押す面)である。
【0067】
この形状は、金属製の巻尺に類似する。重力に抗して水平方向に長く伸びているとする。巻尺が凹状側(圧力面)が上を向いている時は、直線状を維持する。この方向において、金属製の巻尺の凹状側に力(重力)がかかっている。しかし、巻尺を反転させる、凹状側を下に向けると、テープは、折り畳み、かかる重力に簡単に屈してしまう。かくして、巻尺の湾曲構造により負荷(重力)に曝された時に、バックリング/折り曲げに対し剛性を提供するがこれは一方向のみである。同様に、図5に示したブレードレット506−1−iと506−2−iは、負荷(例えばポンプで吐出される流体の質量)に曝された時には、同じ一方向の剛性を示す。しかしこの圧力面は凹状であることが必要である。
【0068】
図6は、個々のブレードレット506−1−i、506−2−iの詳細を示す。ブレードを規定する他のブレードレットは図6には示していない。図6に示されたブレードレットは、根元部608と、先端部610と、エッジ612と、エッジ614とを有する。フェース620は凹状でフェース622は凸状である。
【0069】
羽根車200のブレードレット206−iと同様に、各ブレードレットの先端部610の弦幅対の根元部608の弦幅の比率(先端部の弦幅/根元部の弦幅)は、通常1−4の範囲であり、一般的には1.5−3の範囲である。ブレードレットの軸方向長さ対先端部610の弦幅比率(軸方向長さ対先端部の弦幅)は、通常1−4の間で、一般的には1.5−4の間である。ブレードレットの軸方向長さのハブ602の直径に対する比率(ブレードレットの軸方向長さ/ハブの直径)は0.5−3の範囲で、通常1−2の範囲である。根元部608の湾曲の半径は、根元部608の弦幅の0.2−2.5倍の範囲である。これは、12°−150°の範囲にある根元部608の湾曲に等しい。より一般的には根元部608の湾曲は、30°−60°の範囲内にある。
【0070】
図5において、ブレード504−1の隣接するブレードレット506−1−iは、先端部近傍でオーバーラップしている。同様に、ブレード504−2の隣接するブレードレット506−2−iは、先端部近傍でオーバーラップしている。オーバーラップ量は、ブレードレットの形状に依存して変わる。特に先端部610の弦幅対根元部608の弦幅の比率(先端部の弦幅/根元部の弦幅)の応じて変わる。この比率が大きくなるとオーバーラップ量も大きくなるが、隣接するブレードレットの間の根本部スペースに関連する。一実施例においては、オーバーラップ量を最小にして、隣接するブレードレットの先端部210の先端エッジは互いに当たるようにする。
【0071】
一実施例においては、ここに開示した凸状/凹状は、ブレードレット206−iのように折り畳み可能である。この実施例においては、図5は、拡げた状態即ち留置した状態の羽根車のブレードレットを表し、図7は、折り畳んだ状態即ち移送状態の羽根車のブレードレットを表す。
【0072】
折り畳みが可能な凸状/凹状のブレードレットの実施例においては、ブレードレットは、ブレードレットを変形させるような力が取り除かれた時には、特定の構造に戻るような材料から形成されている。折り畳み可能なブレードレットは、超弾性材料例えばニチノール、ステンレススチール、様々なポリマー材料例えばポリイミド、ポリプロピレン等から形成される。
【0073】
最初に患者の血管内に留置するには、折り畳み可能なブレードレットは、導管(カテーテル)728を、ハブ702とブレード706−1のブレードレット706−1−iとブレード706−2のブレードレット706−2−iを覆うように、前進させることにより、折り畳むことができる。導管728が引き抜かれると、ブレードレットは拡がるが、これは折り畳むプロセスの間ブレードレットに蓄えられた潜在的なエネルギが開放されたことによる。
【0074】
一実施例においては、先端部の下で隣接するブレードレットの間に、オープンスペースがある。流体(例;血液)がこのスペースを通過し、これにより羽根車の効率が下がることになる。このことを阻止するために、他の実施例においては、膜がブレードレットの上に或いはブレードレットの間に配置される。図8A,8Bは、このような膜を有する羽根車の2つの実施例を示す。
【0075】
図8Aは、膜830を有する羽根車800Aを示す。この膜830は、ブレード804即ち全てのブレードレット806−iを包囲する。膜830は、各ブレードレットの根元部又は根元部に近いハブ802の何れかに接着されている。図8Bに示す羽根車800Bにおいて、膜840は、隣接するブレードレット806−iの向かい合う周辺エッジの間に配置された折り畳み可能な膜で実現される。言い換えると、図8Bに示す実施例においては、膜840はブレード804の一部(ブレードレット間の隙間)のみをカバーし、図8Aの実施例においては、膜830は全てのブレードをカバーする。
【0076】
アプリケーション特有の機能によっては、膜は、ポリウレタン、シリコン、ラテックスラバー、他のエラストマー材料、或いは生物由来膜例えば牛の心膜から形成される。
【0077】
図9A,9Bは、一時的な心臓補助装置或いは血液ポンプのポンプ組立体950を示す。これは患者の脈管系に挿入されるものである。
【0078】
ポンプ組立体950は、脈管に挿入されるものであるために、そのサイズは脈管系(例;大腿部動脈等)に12フレンチ(直径4mm)以下のカテーテルを用いて導入される程度の大きさである。従来1分当たり2−2.5リットル以上の平均流速を達成することは、困難であった。即ち12フレンチのカテーテルを通して生理学的圧力に抗して流すことは困難であった。このためポンプ組立体950は、挿入し導入するために収縮させ(図9B)、所定の留置場所に達した時にポンプ動作を行うために拡張する(図9A)。
【0079】
ポンプ組立体950は、ハウジング952と、羽根車900と、先端支持部954と、ノーズコーン956と、ケーシング960と、根元部支持リンク962と、先端部支持リンク964とを有する。
【0080】
ポンプ組立体950は、脈管に挿入可能で留置時に拡張可能な心臓補助装置用の設計に基づいたものである。ポンプ組立体950は、先端がオーバーラップした(又は当接した)ブレードレットを有する羽根車を組み込むことにより、従来の心臓補助装置とは異なっている。
【0081】
羽根車900は、ハブ902と、2個のブレード904−1と904−2とを有する。このブレード904−1と904−2は、1個のブレード列に配置される。各ブレードは、複数のオーバーラップしたブレードレット906−1−iと906−2−iを有する。
【0082】
一実施例においては、複数の離間したリブ958が、ポンプ組立体950の中心軸A−Aの周りに軸対称に配置されている。リブ958は一体となって、ケージ即ちケーシング960を構成する。図9Aにおいては、ポンプ組立体950は拡張状態にあり、リブ958はアーク状の形状をし、開いたケージ状のケーシング960は、楕円状又は扁平楕円形状となる。この状態においては、ケーシング960は最大直径を示す。この最大(即ち拡張した状態の)直径は、羽根車(心臓ポンプ)が留置された(ブレードが拡張している)時には、ブレード904−1,904−2を収納するためである。
【0083】
ケーシング960は、以下の3つの機能の内の少なくとも1つの機能を提供する。
1.ケーシング960が、ポンプ組立体950の回転するブレードが周囲の生体(例、血管の内壁)に接触するのを阻止すること
2.ケーシング960が、構造的に一体性を確立すること
3.ケーシング960が、膜を被せるためにフレームワークを提供すること
【0084】
上記の最後の点に関し、膜(図示していないが)は、ケーシング960の一部をカバーするが、ケーシング960の端部領域はカバーされない。膜の目的は、ブレード904−1,904−2の近傍に血液の流れを形成すること或いは閉じこめることであり、その結果流れの場が形成されるようにすることである。血液は、ポンプ組立体950に、ケースのカバーされていない領域を通して入りそして出る。一実施例においては、膜は、ポリウレタン、シリコン、ラテックスラバー、他のエラストマー化合物から形成される。
【0085】
一実施例においては、リブ958は、抑止力が存在しない時に、図9Aの非平面形状(例;弓形)を示す。その結果、ポンプ組立体950は、拡張構造を自然と採るようになるよう、構造や処理や材料の選択が行われる。その結果、駆動力は、ポンプ組立体950を動作状態(拡張状態)にするためには、特に必要ではない。このような実施例においては、力はポンプ組立体950を拡張しないように、加えることが必要である。超弾性材料例えばニチノール等が、ハウジング952を形成するのに用いられる。
【0086】
ポンプ組立体950の要素は、同軸に配置される。ある場合には、互いに線形状に配置される。これにより安定性をポンプ組立体950に与える。具体的には一実施例においては、後端支持部部であるハウジング952と、ハブ902と、先端支持部954が直線状に配置される。ハウジング952とハブ902が、駆動シャフト948に対し同軸に配置される。リブ958を有するケーシング960と根元部支持リンク962と先端部支持リンク964が、ハウジング952とハブ902と先端支持部954に対し、同軸に配置される。一実施例においては、ハウジング952とハブ902と先端支持部954が、注入モールド形成されたポリマー製である。
【0087】
ポンプ動作を行うために、生体外に配置されたモータからのトルクを、ブレード904−1,904−2加えなければならない。これは、フレキシブルな駆動ケーブルと剛性の駆動シャフト948を介して行われる。
【0088】
詳細に説明すると、駆動ケーブルの根元端は生体外に配置されたモータに接続され、先端は駆動シャフト948に接続される。駆動シャフト948は、ポンプ組立体950の根元端に入り、ブレード904に動作可能に連結される。駆動シャフト948は、ポンプ組立体950の根元から短い距離(3cm以下)しか伸びない。
【0089】
駆動ケーブルと駆動シャフトは別個のものであり、それ等の間の区別は重要である。特に駆動ケーブルは、フレキシブルで血管内を前進することが可能であり、必要によっては大動脈弓を越えて伸びることが可能である。これに対し、駆動シャフト948は、剛性が高く、ハウジング952の必要なシールとベアリングが適正に動作するようなものである。余り好ましいことではないが、ポンプは、駆動ケーブルのみ(即ち駆動シャフト無しで)で動作することも可能であるが、これには、ポンプ組立体又は駆動ケーブルへの適宜の変更が必要である。
【0090】
一実施例においては、駆動シャフト948は、ハウジング952を通り、ハブ902に至り、そこで終わる。一実施例においては、駆動シャフトは、ハブ902の軸中央部で終わる。ハウジング952は、根元部支持リンク962に対し回転しない固定支持表面を提供し、ケーシング960の根元端をサポートする。ケーシング960は、回転しないので、回転表面例えばハブ902に結合することはできない。
【0091】
ハウジング952は回転しないが、ハブ902は回転するので、その間には、ギャップが存在する。駆動シャフト948は、ハウジング952を通過するので、軸受けをハウジング内に具備して、駆動シャフト948の回転運動を支持する必要がある。シールをハウジング952内に具備して、血液が入り込むのを阻止する必要がある。血液が、ハウジング952内に、駆動シャフト948とそれを収納するボア(孔)との間の小さなギャップを介してして入ると、血液は、駆動シャフト948の動作により、溶血することがある。
【0092】
ハウジング952内の軸受けのボア(孔)は、ブレード904−1,904−2とハブ902に対し、全ての構造的剛性を与える。ベアリングに適した材料は、低摩擦ポリマー、例えばテフロン(登録商標:Teflon(polytetrafluoroethylene)), トルロン(登録商標Torlon(polyamide-ide)), ルロン(登録商標:Rulon(propriety polytetrafluoroethylene-besed compounds)), べスペル(登録商標:Vespel(thermoplastic polyide))製のスリーブ軸受けと生物適合性材料製の軸受けである。一実施例においては、ポリウレタン又はシリコン製のリップシール或いはOリングを、シールとして用いることもできる。
【0093】
一実施例においては、駆動シャフト948は、ハブ902と一体部品として形成することもできる。他の実施例においては、ハブ902は、駆動シャフト948の周囲に形成される。何れの場合にも、根元部908は、ハブ902に剛性をもって結合され、ブレードを効率よく駆動する。駆動シャフト948は、ステンレス或いは他の材料製であり、特定の寸法、硬さ、表面仕上げを有し、損傷のないシール挿入を可能とする半径のエッジを有する。表面仕上げは、ベアリング或いはシールの製造業者により、それとの適合性をもって指定され、加工される。
【0094】
一実施例においては、駆動ケーブル(図示せず)は、ステンレス製(しかしケーブルがフレキシブルを維持できるようにした)で形成される。一実施例においては、駆動ケーブルは、特許文献7に開示されている。
【0095】
ブレード904−1,904−2は、図9Aで留置された状態即ち拡がった状態で示されている。この状態においては、ブレードはハブ902から直交する(半径)方向に伸びている。
【0096】
ブレードは、複数のブレードレットを有する。これは上記した実施例と同様である。一実施例においては、ブレードレットは、凹状の圧力側と凸状の吸引側を有する。これは図5の羽根車500と同様である。一実施例においては、ブレード904−1,904−2のブレードレットは、留置するため(折り畳んだ状態に保持する)に、バイアス(力)がかかっている。この実施例においては、ブレードレットは柔軟性材料から構成される。一実施例においては、ブレードレットは、留置状態になるよう、開かなければならない。言い換えると、羽根車のハブの回転により、ブレードレットを留置しなければならない。収縮した(折り畳んだ)状態においては、羽根車900は、約3mm(9フレンチ)の直径を有する。
【0097】
一実施例においては、羽根車の速度は、1000rpmから20000rpmの間である。羽根車は、100mmHgの血液を、毎分2.5リットル(4cp)で、37°Cで10Frの移送システムを用いて、吐出することが必要である。羽根車は、7日間の使用期間の間、100%のデューティサイクルで動くよう設計される。
【0098】
以下の寸法は、上記の設計条件に合うようなポンプ組立体950と共に使用される羽根車の設計に対するものである。寸法は、ここに開示した羽根車の一般的な設計の寸法である。
ハブ902の直径は、約2mm
ブレードレット906−1−i/906−2−iのスパンは、約3mm
根元部のブレードレットの弦幅は、約1mm
先端部のブレードレットの弦幅は、約2mm
ブレード904−1/904−2当たりのブレードレットは、3−7枚
根元部のブレードレットの湾曲の半径は、約1mm
先端部のブレードレットの湾曲の半径は、約2mm以上
【0099】
ケーシング960は、その先端部で支えるのが好ましい。このような支持部材は、先端支持部954により得られる。この先端支持部954は、先端部支持リンク964を収納する。根元部支持部であるハウジング952と同様に、先端の支持部材954は回転しない。しかしハブ902は回転するので、ハブ902と先端支持部954は、ギャップで分離されている。駆動シャフト948は、ブレードを越えて伸びないので、位置決めピン或いは他の手段が、先端支持部954をハブ902に結合するのに、必要である。
【0100】
一実施例においては、位置決めピン953は、先端支持部954から伸びる。このピン953は、先端支持部材の根元部をハブ902の先端部に結合する。ハブ902の先端部内に、ベアリングとシール(図示せず)が、配置される。ハブ902は回転し、先端支持部954は回転しないので、ベアリングが、相対運動(差動)を受け入れる必要がある。シールは、血液がハブ902内に漏れるのを防ぐ。一実施例においては、ハブ902内のベアリングとシールは、ハウジング952内のベアリングとシールと同一材料で形成される。
【0101】
ハウジング952の先端部は、ノーズコーン956内で終端する。ノーズコーン956は、患者の脈管系を介して容易に挿入し動かすことができるよう、非侵襲性表面を有する。
【0102】
図9Bは、移送状態にあるポンプ組立体950を示す。この状態において、ケーシング960とポンプ組立体950は、最小直径にある。この状態において、ハウジング952は、直線状でポンプ組立体950の軸A−Aに平行している。ケーシング960は、シリンダー形状をしている。
【0103】
ポンプ組立体950が小さな直径を有するので、特に脈管系特に大動脈弓内を通り抜けることのタスクが単純となる。従ってポンプ組立体950は、折り畳んだ状態(即ち移送状態)で、身体内例えば大腿部動脈内に導入される。一般的にポンプ組立体950が、大動脈弓を通過して、上行大動脈或いは他の最終位置に入った後、ケーシング960が拡張して動作する。
【0104】
一実施例において、ポンプ組立体950が、脈管(血管)系に留置されるが、これは、チューブ(例、カテーテル、シース等)内にポンプ組立体950を導入することにより行われる。一実施例において、導入チューブの壁が、ケーシング960を収縮状態に維持する抑止力を提供する。ケーシング960を拡張するためには、ポンプ組立体950は、チューブの先端部を越えて伸びるだけでよい。このような機能を提供するために、導入チューブは、半径方向に伸縮性の無い壁を有しなければならない。標準的なカテーテルは、この為半径方向に弾性的(伸縮性)ではない。本発明と共に半径方向に弾性的ではない壁を有する導入チューブを用いて、ポンプ組立体950を収縮状態に維持することは、当業者には公知である。
【0105】
ケーシング960の根元端又は先端の何れか一方は、軸方向に移動可能である。これにより、ケーシングの(半径方向の)拡張と収縮が可能となる。ケーシング960が収縮した状態を、ポンプ組立体950の根元端を導入/抽出用のカテーテル内に挿入することにより得る実施例の場合には、ケーシング960の先端部は、可動な端部であるのが好ましい。このような場合、先端部支持リンク964は、先端支持部に可動に結合され、その結果、何れの方向にも支持部材は、容易にスライドできる。
【0106】
ポンプ組立体950は、脈管系から取り出すために、以下に説明するように、収縮する。羽根車900はゆっくりと反対方向に回転し、ブレードレットの凸状表面が圧力表面となる。ブレードレットは、凸状側が負荷に曝された時には、容易に収縮する。その後ポンプ組立体を、導入チューブ内に引き戻す。
【0107】
材料選択とブレードレットの形状により、ブレードレットは、収縮した状態(逆方向の羽根車の回転の停止後)にあってもなくてもよい。ブレードレットが収縮した状態に無いような実施例においては、ポンプ組立体は、羽根車が動作中でも、導入用チューブ内に引き戻される。逆方向の回転運動は、ポンプ組立体が導入チューブ内に入った後に、停止され、チューブの壁がブレードレットを収縮状態に維持する。
【0108】
別の構成として、羽根車の回転が停止し、ポンプ組立体950が導入チューブ内に引き戻される。ブレードレットの湾曲構造の利点は、「閉鎖する」力がそれに抵抗する最適の側にかかった場合にも、バックリングの力を越えると、ブレードレットは、容易にハブ902に対し折り畳まれ収縮する。
【0109】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも有する。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0110】
100A、100B 羽根車
102 ハブ
104 ブレード
106 ブレード列
114 ブレード
118 ブレード
120,124 ブレード列
200A、200B 羽根車
202 ハブ
204 ブレード
206 ブレードレット
208 根元部
210 先端部
212 先端外辺
214 後端外辺
216 位置
218 導管
300 羽根車
302 ハブ
304 ブレード
306 ブレードレット
400A、400B 羽根車
402A 402B ハブ
404 ブレード
406 ブレード列
500 羽根車
502 ハブ
504 ブレード
506 ブレードレット
602 ハブ
608 根元部
610 先端部
612 エッジ
614 エッジ
620 フェース
622 フェース
702 ハブ
706 ブレードレット
728 導管
800A、800B 羽根車
802A 802B ハブ
804 ブレード
806 ブレードレット
830 膜
840 膜
900 羽根車
902 ハブ
904 ブレード
906 ブレードレット
908 根元部
910 先端部
912 エッジ
948 駆動シャフト
950 ポンプ組立体
952 ハウジング
954 先端支持部
956 ノーズコーン
958 リブ
960 ケーシング
962 根元部支持リンク
964 先端部支持リンク
962 根元部支持リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ハブと、
(B)前記ハブ上に配置される第1群のブレードレットと、
からなり、
前記第1群のブレードレットは、第1のブレードを構成し、
前記ブレードレットは、根元部と先端部と圧力面と吸引面とを有し、
前記ブレードレットは、留置状態と非留置状態の間を動き、
前記留置状態にある前記先端部は、前記非留置状態にある前記先端部よりも、前記ハブから離れており、
前記各ブレードレットの圧力面は、凹状であり、
前記ブレードレットの根本部は、前記ブレードレットの先端部よりも狭い
ことを特徴とする羽根車。
【請求項2】
(C)前記ハブ上に配置される第2群のブレードレットを更に有し、
前記第2群のブレードレットは、第2のブレードを構成し、
前記第1群のブレードレットと第2群のブレードレットは、前記ハブの周りで反対方向に配置され、
前記第1のブレードと第2のブレードが、第1のブレード列を構成する
ことを特徴とする請求項1記載の羽根車。
【請求項3】
前記第1群のブレードレットは、前記ハブの周囲を螺旋状に配置される
ことを特徴とする請求項1記載の羽根車。
【請求項4】
前記各ブレードレットの吸引面は、凸状である
ことを特徴とする請求項1記載の羽根車。
【請求項5】
前記根元部の弦幅に対する先端部の弦幅の比率は、1.5以上である
ことを特徴とする請求項1記載の羽根車。
【請求項6】
前記各ブレードレットの先端部の弦幅に対する各ブレードレットの半径方向長さの比率は、2以上である
ことを特徴とする請求項1記載の羽根車。
【請求項7】
隣接するブレードレットのそれぞれの先端部は、互いに当たっている
ことを特徴とする請求項1記載の羽根車。
【請求項8】
前記ブレードレットの先端と後端は、直線状である
ことを特徴とする請求項1記載の羽根車。
【請求項9】
(D)膜を更に有し、
前記膜は、前記第1のブレードの少なくとも一部をカバーする
ことを特徴とする請求項1記載の羽根車。
【請求項10】
1個のブレード列を有する単一段の羽根車において、
(A)ハブと、
(B)前記ハブから伸びる第1のブレードと、
(C)前記ハブから伸びる第2のブレードと、
を有し、
前記第2のブレードは前記第1のブレードに反対方向に配置され、
(a)前記ブレードの列は、第1のブレードと第2のブレードとを有し、
(b)前記第1のブレードと第2のブレードは、ブレードレットに分けられ、
前記ブレードレットは、根元部と先端部と圧力面とを有し、
(c)前記ブレードレットは、先端部で最も広く、根元部で最も狭い
(d)前記各ブレードレットは、前記根元部近傍で折り曲げ可能であり、
(e)前記ブレードレットの圧力面は、凹状である
ことを特徴とする単一段の羽根車。
【請求項11】
前記第1ブレードを構成するブレードレットは、前記ハブの周囲を螺旋状に配置される
ことを特徴とする請求項10記載の羽根車。
【請求項12】
前記隣接するブレードレットの根元部は、互いに離間している
ことを特徴とする請求項10記載の羽根車。
【請求項13】
前記隣接するブレードレットの先端部は、重なり合う
ことを特徴とする請求項10記載の羽根車。
【請求項14】
隣接するブレードレットのそれぞれの先端部は、互いに当たっている
ことを特徴とする請求項10記載の羽根車。
【請求項15】
(D)第1膜と第2膜とを更に有し、
前記第1膜は、前記第1のブレードの少なくとも一部をカバーし、
前記第2膜は、前記第2のブレードの少なくとも一部をカバーする
ことを特徴とする請求項10記載の羽根車。
【請求項16】
(A)ハブと、
(B)前記ハブ上に配置される第1群のブレードレットと、
からなり、
前記第1群のブレードレットは、第1のブレードを構成し、
前記ブレードレットは、根元部と先端部とを有し、
前記ブレードレットは、留置状態と非留置状態の間を可動であり、
前記留置状態にある前記先端部は、前記非留置状態にある前記先端部よりも、前記ハブから離れている
ことを特徴とする羽根車。
【請求項17】
前記ブレードレットの少なくとも一部は、先端部で最も幅が広く、根元部で最も幅が狭い
ことを特徴とする請求項16記載の羽根車。
【請求項18】
前記各ブレードレットは、圧力面と吸引面とを有し、
前記少なくとも一部のブレードレットの圧力面は、凹型である
ことを特徴とする請求項16記載の羽根車。
【請求項19】
前記各ブレードレットは、圧力面と吸引面とを有し、
前記少なくとも一部のブレードレットの吸引面は、凸型である
ことを特徴とする請求項16記載の羽根車。
【請求項20】
前記第1群のブレードレットは、前記ハブの周囲を螺旋状に配置される
ことを特徴とする請求項16記載の羽根車。
【請求項21】
(D)膜を更に有し、
前記膜は、前記第1のブレードの少なくとも一部をカバーする
ことを特徴とする請求項16記載の羽根車。
【請求項22】
(E)前記ハブ上に配置される第2群のブレードレット
を更に有し、
前記第2群のブレードレットは、第2のブレードを構成し、
前記第1のブレードと第2のブレードが、第1のブレード列を構成する
前記第1のブレード列は、n倍の軸対称に配置され、ここでnは、第1のブレード列のブレードの数である
ことを特徴とする請求項16記載の羽根車。
【請求項23】
隣接するブレードレットのそれぞれの先端部は、互いに当たっている
ことを特徴とする請求項16記載の羽根車。
【請求項24】
隣接するブレードレットのそれぞれの先端部は、互いにオーバーラップしている
ことを特徴とする請求項16記載の羽根車。
【請求項25】
(A)フレキシブルな駆動ケーブルと、
(B)剛性のある駆動シャフトと、
前記駆動ケーブルと前記駆動シャフトは、互いに連結され、
(C)ハブと、
前記ハブは、前記駆動シャフトに動作可能に結合され、
(D)前記ハブ上に配置される個別に可動な第1群のブレードレットと、
からなり、
前記第1群のブレードレットは、第1のブレードを構成し、
前記ブレードレットは、留置状態と非留置状態の間を動き、
前記留置状態にある前記先端部は、前記非留置状態にある前記先端部よりも、前記ハブから離れている
ことを特徴とする心臓補助装置。
【請求項26】
隣接するブレードレットのそれぞれの先端部は、互いに当たっている
ことを特徴とする請求項25記載の心臓補助装置。
【請求項27】
隣接するブレードレットのそれぞれの先端部は、互いにオーバーラップしている
ことを特徴とする請求項25記載の心臓補助装置。
【請求項28】
前記ブレードレットの根元部は、前記ブレードレットの先端部よりも狭い
ことを特徴とする請求項25記載の心臓補助装置。
【請求項29】
前記各ブレードレットは、圧力面と吸引面とを有し、
動作時に、前記圧力面は、前記吸引面より高い圧力を受け、
前記少なくとも一部のブレードレットの圧力面は、凹型である
ことを特徴とする請求項25記載の心臓補助装置。
【請求項30】
前記ブレードレットの少なくとも一部は、先端部で最も幅が広く、根元部で最も幅が狭い
ことを特徴とする請求項25記載の心臓補助装置。
【請求項31】
前記第1群のブレードレットは、前記ハブの周囲を螺旋状に配置される
ことを特徴とする請求項25記載の心臓補助装置。
【請求項32】
(E)前記ハブ上に配置される第2群のブレードレットを更に有し、
前記第2群のブレードレットは、第2のブレードを構成し、
前記第1のブレードと第2のブレードが、第1のブレード列を構成する
前記第1のブレード列は、n倍の軸対称に配置され、ここでnは、第1のブレード列のブレードの数である
ことを特徴とする請求項25記載の心臓補助装置。
【請求項33】
(F)膜を更に有し、
前記膜は、前記第1のブレードの少なくとも一部をカバーする
ことを特徴とする請求項25記載の心臓補助装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2012−501396(P2012−501396A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523203(P2010−523203)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/075993
【国際公開番号】WO2009/029959
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(510054072)メディカル バリュー パートナーズ エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】