説明

耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート

【課題】 使用後の雨具のシートを土中に埋設し、生分解して土壌になり、最終的に炭酸ガスと水に変換し、環境を汚染しない。
【解決手段】 脂肪族芳香族コポリエステル樹脂100重量部にポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体0〜50重量部、スリップ剤0.1〜3.0重量部、耐候剤0.1〜2.0重量部を配合した樹脂組成物を製膜してなる、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シートである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨傘、レインハット、レインコート、ヤッケ、雨合羽、ポンチョ等の雨具に使用されるシートであって、本発明の該シートは耐水性と柔軟性を有し、耐引裂性が優れていて、水捌性がよく、ラミネート接着加工ができる、生分解性を有する雨具用シートである。
【背景技術】
【0002】
従来の雨具用シートは石油から製造されるプラスチックのポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル等から成形加工されたシートが使用されている。石油から製造されるプラスチックの従来の成形加工されたシートは使用後、雨傘の場合は雨傘の骨からシートを外して、また雨合羽の場合はシートをそのまま廃棄物として焼却する必要がある。焼却処理すると燃焼廃ガスと灰分の発生、熱カロリーの増大等の地球温暖化が生ずる環境問題がある。
【特許文献1】特開平9−1703号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、地球環境浄化という世界的ニーズに対応したもので、廃棄時に雨傘の場合は雨傘の骨(金属製)より取り外したシートを、雨合羽の場合は、雨合羽を土中や堆肥中に埋設すると自然環境中の微生物により分解して土壌の成分となり、最終的には水と炭酸ガスに変換する特別の性能を有する。しかも耐引裂性がよく柔軟で水捌がよく、ラミネート接着加工ができる雨具用シートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
「1. 脂肪族芳香族コポリエステル樹脂100重量部にポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体0〜50重量部、スリップ剤0.1〜3.0重量部、耐候剤0.1〜2.0重量部を配合した樹脂組成物を製膜してなる、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
2. 脂肪族芳香族コポリエステル樹脂はポリブチレンアジペート/テレフタレート共重合体である1項に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
3. スリップ剤はシリカ、タルク、ゼオライト、エルカ酸アミド、ビスアマイドから選んだ1または2以上である1項または2項に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
4. 耐候剤は、耐光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤から選ばれた少なくとも1種類を含む1項ないし3項のいずれか1項に記載された、耐引裂性、柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
5. 雨具用シートは、雨傘用シート、雨合羽用シートである1項ないし4項のいずれか1項に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
6. 雨具用シートは、厚さが50〜250μmである1項ないし5項のいずれか1項に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
7. 雨具用シートは、エンボス加工されたものである1項に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
8. 雨具用シートは、押出成形、インフレーション押出成形、カレンダー成形のいずれかで製膜したシートである1項ないし7項のいずれか1項に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。」
に関する。
【発明の効果】
【0005】
本発明は使用後に土中や堆肥中に埋設すると微生物により生分解し、土壌成分となり、最終的には水と炭酸ガスに変換し、環境を汚染することなく、廃棄処理することができる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明をその実施の形態を挙げて詳細に説明する。
本発明の生分解性シートに使用する生分解性樹脂は、脂肪族芳香族コポリエステル樹脂でテレフタル酸/ブタンジオールアジピン酸から成るモジュールユニットを基にしたテーラメント構造を有するポリブチレンアジペート/テレフタレート共重合体樹脂である。
該物質の化学構造式は下記の通りである。
【0007】
【化1】

【0008】
脂肪族芳香族コポリエステル樹脂としてはBASFジャパン株式会社製の「エコフレックス」が挙げられる。
「エコフレックス」は密度1.26、融点(Tm)115℃、ガラス転移温度(Tg)−30℃、硬度32(ショア−D)で柔軟な性質があり優れた延展性があり引張破断伸びが大きく耐引裂性がよい生分解性樹脂である。
【0009】
ポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体としては、大日本インキ化学工業株式会社製の「プラメートPD−150」、「プラメートPD−350」が挙げられる。
「プラメートPD−150」は下記化学構造を有する。
(C)n−(CX+22X)m X=1〜3
融点(Tm)165℃、ガラス転移温度(Tg)52℃である。該樹脂は、脂肪族芳香族コポリエステル樹脂にブレンドすると柔軟性を付与する他にシートに展張感を付与し、シートを折り畳んだ時のシワの発生を軽減し、またシートの水捌をよくする。
「プラメート PD−350」は下記化学構造を有する。
(C)n−(CX+22X)m X=4〜22
比重1.15、融点(Tm)157℃、ガラス転移温度(Tg)20℃である。脂肪族芳香族コポリエステル樹脂にブレンドすると「プラメートPD−150」より更にシートに柔軟性を付与する。またシートに展張感を付与し、シートを折り畳んだ時のシワの発生は殆どなく、水捌も優れているのでより好ましい。
脂肪族芳香族コポリエステル樹脂100重量部に対するポリ乳酸ジオール・ジカルボン酸共重合体の添加量は0〜50重量部である。0重量部、つまりポリ乳酸ジオールジカルボン酸共重合体を使用しなくても、脂肪族芳香族コポリエステル樹脂のシートは耐引裂性がよいが、シートを折り畳んだ場合シワの発生が生じやすくなる。50重量部以上では、更に耐引裂性が悪くなる。添加量は好ましくは5〜40重量部、より好ましくは10〜40重量部である。
【0010】
本発明で使用するスリップ剤はシリカ、タルク、ゼオライト、エルカ酸アミド、ビスアマイドである。シリカの例として富士デヴィソン化学株式会社製の「サイロイド 244」、タルクの例として東京インキ株式会社製の「TEPBP−AB1」、「TEP BP−AB3」、ゼオライトの例として東京インキ株式会社製の「BDM 1KC139 NAT」濃度5%、「BDM 1KC140 NAT」濃度5%、エルカ酸アミドの例として東京インキ株式会社製の「TEPBP−SL1」濃度10%、樹脂「エコフレックス」、ビスアマイドの例として東ソ株式会社製の「ペトロセン BL11MB」等が挙げられる。
【0011】
脂肪族芳香族コポリエステル樹脂は、押出成形した場合、またカレンダー成形した場合、巻取ロール等からのロール離れが悪く、巻き取ったシート同士がブロッキングを起こす等の問題がある。更にインフレーション押出成形した場合は、チューブの口開きが悪い等の問題がある。該スリップ剤を単独で、また2種類以上を添加すると、加工時のロール離れが改善される。またシート同士のブロッキングも改善される。更にチューブの口開きが改善されるので好ましい。
【0012】
脂肪族芳香族コポリエステル樹脂100重量部に対して、スリップ剤の添加量は0.1重量部以下では加工機械の金属表面に対する摩擦抵抗の減少が小さく好ましくない。またシートの離型性、チューブの口開き性の改善が少なく好ましくない。3重量部以上では、滑性が強くなりシートの加工性が悪くなり好ましくない。
【0013】
本発明において使用される耐候剤は、耐光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤から選ばれた少なくとも1種類以上を含み、脂肪族芳香族コポリエステル樹脂100重量部に対し、0.1〜2.0重量部添加する。
a.耐候安定剤ヒンダードアミン系として東京インキ株式会社製の「TEP BP−UV1」「TEP BP−UV2」、旭電化株式会社製の「アデカスタップ LA−32」「アデカスタップ LA−36」「アデカスタップ LA−63P」「アデカスタップ LA−68LD」「アデカスタップ LA−501」「アデカスタップ LA−502XP」が挙げられる。
b.紫外線吸収剤ベンゾトリアゾル系の例として、チバガイギ株式会社製の「チヌピン 327」、共同薬品株式会社製の「バイオソープ 510」、ベンゾフェノン系の例として旭電化株式会社製の「アデカスタップ 1413」がある。
c.酸化防止剤の例として、「イルガノックス 1010」が挙げられる。
該耐候剤の中で耐候安定剤がシートの黄変を防ぐ効果が大きいので好ましい。
添加量は0.1重量部以下では黄変色を防ぐ効果が小さい。2重量部以上添加しても黄変色を防ぐ効果の向上が見られない。
【0014】
雨具用シートの厚さは50〜250μmである。50μm以下では雨具用シートとして薄くて耐引裂性が悪くなる。またシワが発生しやすいので製品化するのは困難である。250μm以上では柔軟性が欠けるようになる。 また重量が重くなり製品とした場合問題が生ずる。好ましくは60〜200μmである。より好ましくは60〜150μmである。
【0015】
雨具用シートは用途により、またタイプによりエンボス加工したものが使用される。雨傘の場合、折り畳んで閉じていた傘を開く場合シートとシートの剥離性がよければ傘をスムーズに開くことができる。またシワの発生が少なくなる。雨合羽の場合は幾つかに折り畳んだ製品を簡単に開くことができる。またシワの発生も少なくなる。
【0016】
雨具用シートは押出成形の場合、無延伸シート、一軸延伸シート、二軸延伸シートのいずれでもよいが、生産性から無延伸シートの方が好ましい。更にインフレーション押出成形、カレンダー成形をしてシートを製造することができる。
本発明の生分解性樹脂は、脂肪族芳香族コポリエステル樹脂であるが、ポリ乳酸樹脂、ポリエチレンサクシネート樹脂、ポリエチレンサクシネート・アジペート樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリブチレンサクシネート/アジペート樹脂ポリカプロラクトン樹脂をシートの物性を阻害しない範囲で併用してもよい。
本発明では生分解性物質、無機物を種類及び量を選び、染料、顔料、可塑剤、安定剤、滑剤、防黴剤、酸化チタン等を使用することができる。
本発明の雨具用シートは、生分解性樹脂と生分解性共重合体で構成されているので、使用後に廃棄する場合、土壌や堆肥中に埋没すると、バクテリア、水分、温度の相乗作用で生分解し土壌の成分となり、最終的には水と炭酸ガスに変換し、有害物を発生させず、環境を害することがない。
【実施例】
【0017】
実施例1
脂肪族芳香族コポリエステル樹脂「エコフレックス」100重量部にポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体「プラメートPD−350」20重量部、スリップ剤エルカ酸アミド「TEP BP−SL1」(10%含有、樹脂エコフレックスマスターバッチ)3重量部、ヒンダードアミン系光安定剤「アデカスタップ LA−68LD」0.7重量をヘンシェルミキサー100リットルに投入し、低速で5分間混合し、φ65mm T−ダイ押出機を用いシリンダー温度、C:150℃、C:160℃、C:170℃、C:180℃、H170℃ ダイス温度、D:180℃、D:180℃、D:180℃でシートを成形加工し、巾:40cm、厚さ:70μmのシートを巻取機で巻き取った。巻き取ったシートはエンボス加工機で深絞りしてエンボス加工した。
該シートの物性は表1に示す。
【0018】
実施例2
実施例1において、ポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体プラメート「プラメートPD−350」は使用しなかった。スリップ剤 エルカ酸アミド「TEP BP−SL1」の代わりにスリップ剤「ペトロセン BL11MB」0.5重量部を使用した。その他は実施例1と同様にしてシートを成形加工し、巾40cm、厚さ100μmのシートを巻取機で巻き取った。該シートを実施例1と同様にしてエンボス加工した。
該シートの物性は表1に示す。
【0019】
実施例3
実施例1において、ポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体「プラメートPD−350」を45重量部にした。スリップ剤エルカ酸アミド「TEP BP−SL1」の代わりにスリップ剤タルク「TEP BP−AB1」4重量部(スリップ剤10%含有、樹脂「エコフレックス」のマスターバッチ)、ヒンダードアミン系光安定剤は「アデカスタップ LA−68LD」の代わりにヒンダードアミン系耐候安定剤「TEP BP−UV1」(濃度5%樹脂「エコフレックス」マスターバッチ)6重量部を使用した。その他は実施例1と同様にしてシートを成形加工し、巾40cm、厚さ230μmのシートを巻取機で巻き取った。
該シートは実施例1と同様にしてエンボス加工機でエンボス加工した。該シートの物性は表1に示す。
【0020】
実施例4
実施例1において、ポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体「プラメートPD−350」の代わりにポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体「プラメートPD−150」20重量部使用した。スリップ剤はエルカ酸アミド「TEP BP−SL1」の代わりに「サイロイド 244」(平均粒径3.3μ)0.2重量部使用した。耐候剤は耐候安定剤「アデカスタップ LA−63P」の代わりに「アデカスタップ LA502XP」0.5重量部、紫外線吸収剤「チヌピン 327」0.5重量部使用した。その他は実施例1と同様にしてシートを成形加工し、巾40cm、厚さ60μmのシートを巻取機で巻き取った。
該シートは実施例1と同様にしてエンボス加工した。該シートの物性は表1に示す。
【0021】
実施例5
実施例1において「プラメートPD−350」20重量部使用する代わりに、「プラメート PD−150」10重量部使用した。耐候剤は実施例1で使用した「アブカスタプ LA−63P」0.7重量部と紫外線吸収剤「チヌピン327」0.5重量部、酸化防止剤「イルガノックス 1010」(チバガイギ株式会社製)0.7重量部使用した。その他は実施例1と同様にしてシートを成形加工し、巾40cm、厚さ150μmのシートを巻取機で巻き取った。該シートを実施例1と同様にしてエンボス加工した。該シートの物性は表1に示す。
【0022】
実施例6
実施例1において、「プラメートPD−350」20重量部は実施例1と同量使用し、更に「プラメートPD−150」10重量部を使用した。スリップ剤は実施例1で使用した「TEP BP−SL1」の代わりに「BDM 1KC139 NAT」(濃度5%)4重量部、耐候剤はヒンダードアミン系耐候安定剤「TEP BP−UV2」(濃度5% 樹脂「エコフレックス」マスターバッチ)4重量部、紫外線吸収剤「チヌピン 327」0.5重量部を使用した。その他は実施例1と同様にしてシートを成形加工し巾40cm、厚さ70μmのシートを巻き取った。
該シートはエンボス加工はしなかった。
該シートの物性は表1に示す。
【0023】
比較例1
実施例1においてポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体「プラメートPD−350」60重量部を使用した。その他は実施例1と同様にして幅40cm、厚さ70μmのシートを巻取機で巻き取った。該シートを実施例1と同様にしてエンボス加工した。
該シートの物性は表2に示す。
【0024】
比較例2
実施例1において「プラメートPD−350」、「TEP BP−SL1」、「アデカスタップ LA−63P」は実施例1と全く同量添加した。その他は実施例1と同様にしてシートを成形加工し、幅40cm、厚さ40μmのシートを巻取機で巻き取った。該シートを実施例1と同様にしてエンボス加工した。
該シートの物性は表2に示す。
【0025】
比較例3
実施例1において「プラメートPD−350」、「TEP BP−SL1」、「アデカスタップ LA−63P」は実施例1と全く同量添加した。その他は実施例1と同様にしてシートを成形加工し、幅40cm、厚さ300μmのシートを巻取機で巻き取った。該シートを実施例1と同様にしてエンボス加工した。
該シートの物性は表2に示す。
【0026】
比較例4
実施例1において 耐候剤「アデカスタップ LA−63P」を添加しなかった。その他は実施例1と同様にしてシートを成形加工し、幅40cm、厚さ70μmのシートを巻取機で巻き取った。
該シートを実施例1と同様にしてエンボス加工した。
該シートの物性は表2に示す。
【0027】
比較例5
実施例1においてスリップ剤「TEP BP−SL1」を添加しなかった。その他は実施例1と同様にしてシートを成形加工し、幅40cm、厚さ70μmのシートを巻取機で巻き取った。該シートを実施例1と同様にしてエンボス加工した。該シートの物性は表2に示す。
【0028】
比較例6
市販されている現行ポリエチレン製傘シートの物性を測定して記載した。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
物性測定
(1)引裂強度 「JIS L 1096」(トラペゾイド法)
(2)引張強度、引張伸度 「JIS Z 1702」に準ずる。
(3)耐候性 「JIS L 0842」による。
サンシャインウェザーメータ 測定時間 300時間
黄変色 なし ◎
黄変色 少しあり ○
黄変色 ややあり △
黄変色 相当あり ×
(4)柔軟性
現行ポリエチレン製傘シートを基準
ポリエチレンシートと同等 ◎
ポリエチレンシートより少し硬め ○
ポリエチレンシートよりやや硬め △
ポリエチレンシートより硬い ×
(5)水捌性
現行ポリエチレン製傘シートを基準
ポリエチレンシートよりよい ◎
ポリエチレンシートと同等 ○
ポリエチレンシートより劣る △
ポリエチレンシートより相当劣る ×
(6)シワ
現行ポリエチレン製傘シートを基準
ポリエチレンシートと同等 ◎
ポリエチレンシートよりやや劣る ○
ポリエチレンシートより劣る △
ポリエチレンシートより相当劣る ×
(7)展張感
現行ポリエチレン製かさシートを基準
ポリエチレンシートよりよい ◎
ポリエチレンシートと同等 ○
ポリエチレンシートより劣る △
ポリエチレンシートより相当劣る ×
(8)ブロッキング
なし ◎
少しある ○
ある △
相当強い ×
(9)生分解性
試料をコンポスターに投入し、80℃にて30日放置し、試験後の試料の残存状態を評価した。
分解性、残渣
なし ○
ある ×
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は使用後の雨具のシートを土中に埋めて生分解し、最終的に炭酸ガスと水に変換し、環境の汚染を防止するので、該シートを利用する分野で広く使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族芳香族コポリエステル樹脂100重量部にポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体0〜50重量部、スリップ剤0.1〜3.0重量部、耐候剤0.1〜2.0重量部を配合した樹脂組成物を製膜してなる、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
【請求項2】
脂肪族芳香族コポリエステル樹脂はポリブチレンアジペート/テレフタレート共重合体である請求項1に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
【請求項3】
スリップ剤はシリカ、タルク、ゼオライト、エルカ酸アミド、ビスアマイドから選んだ1または2以上である請求項1または2項に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
【請求項4】
耐候剤は、耐光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤から選ばれた少なくとも1種類を含む請求項1ないし3項のいずれか1項に記載された、耐引裂性、柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
【請求項5】
雨具用シートは、雨傘用シート、雨合羽用シートである請求項1ないし4項のいずれか1項に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
【請求項6】
雨具用シートは、厚さが50〜250μmである請求項1ないし5項のいずれか1項に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
【請求項7】
雨具用シートは、エンボス加工されたものである請求項1に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。
【請求項8】
雨具用シートは、押出成形、インフレーション押出成形、カレンダー成形のいずれかで製膜したシートである請求項1ないし7項のいずれか1項に記載された、耐引裂性と柔軟性、水捌性を有する生分解性雨具用シート。

【公開番号】特開2007−56051(P2007−56051A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−239456(P2005−239456)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(392031572)キョーワ株式会社 (22)
【出願人】(596088174)
【Fターム(参考)】