説明

耐氷で騒音の少ない空気圧モータの排気装置

誘導排気装置は、排気マニホルド16及びマフラー22を有している。本発明においては、暖かい外気がマフラー22に引き込まれる。この外部源からの熱は、フィン付きマニホルド16を通して伝導し、その結果、排気サイクル間においてマニホルド16内に形成され得る氷を溶解させる。排気マニホルド16は、空気圧モータの空気弁14側にボルトで固定され、偏向板及び回折板を使用して、空気圧モータの排気ガスを導き、消音し、及び分散させるための働きをするとともに、排気ガスを空気弁からマフラー22の中央下方に導くために、拡張室がマニホルドに備わっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本出願は、2006年7月26日に出願された米国出願番号60/820,405号の利益を請求している。
【背景技術】
【0002】
背景技術
往復式空気圧モータは、往復するピストンポンプを動作させるのによく適しているが、それらは時として、排気騒音、空気弁内に氷を蓄積させる傾向、及び/又は排気ガスの急速膨張による排出通路に悩まされる。米国特許第4,921,408号は、動作を改善させる一つの試みであり、その内容は参照により導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,921,408号
【発明の概要】
【0004】
発明の開示
誘導排気装置は、排気マニホルド及びマフラーを有している。本発明においては、暖かい外気がマフラーに引き込まれる。この外部源からの熱は、フィン付きマニホルドを通して伝導し、その結果、排気サイクル間においてマニホルド内部に形成され得る氷を融解させる。
【0005】
排気マニホルドは、排気の流れをマフラーに導き、その結果、高速の細い気流を生成し、ベルヌーイ効果によってその流れの両側に低圧領域を生成する。この低圧領域は圧力差を生み、この圧力差が暖かい外気を排気システムに引き込む。引き込まれる外気が多ければ多いほど、氷はそれだけ多く減少する。このためには、下流の排気圧を最小化することが必要となる。
【0006】
しかしながら、下流の排気圧を最小化することによって、騒音レベルがより高くなる可能性がある。騒音を下げるために、残響室がマフラーの出口の後ろに付加され、これによって、背圧を最小化する間、時間と共に音波を分散させることができる。往復式空気圧モータは、短い騒音ブラスト(15−50msec.)を有しており、残響室はピークレベルを減少させるとともに騒音の間隔を増大させる。残響室は、下流の排気圧を最小化する静電容量の機能をも有している。
【0007】
排気マニホルドは、空気圧モータの空気弁側にボルトで固定され、複数の構成要素を使用して、空気圧モータの排気ガスを導き、消音し、及び分散させるための働きをする。偏向板は、初期の排気ブラストが空気弁を出て排気マニホルドに入るときに、そのブラストを分散させる。偏向板は、ポートの騒音を部分的に偏向させるとともに速度を落として、強く収束されたブラストを広げ、それによって騒音及び排気速度を減少させる。排気マニホルドにおける回折板は、一つのより大きな断面を持つ穴ではなく、多数の小さな穴を介して、排気ブラストを回折及び分散させて、再び騒音及び排気速度を減少させる。排気ガスを空気弁からマフラー中央下方に導くために、拡張室がマニホルドに備わっている。マフラーの断面も延長室及びノズルに分かれ、この延長室によって、排気ブラストは、膨張及び分散した後に、回折板及びノズルを通ってマニホルドから排出される。
【0008】
本発明のこれらの並びに他の目的及び利点は、添付の図面とともに成される以下の説明から、より十分に明らかになるであろう。この図では、参照番号と同様に、幾つかの図を通じて同一部分或いは類似部分を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面の簡単な説明
【図1】図1は、空気圧モータの断面を示しており、特に、その排気システムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明を実施するための最良の形態
本発明の空気圧モータ10は、ピストン12及び空気弁14を有している。誘導排気装置は、排気マニホルド16及びマフラー22を有している。本発明においては、暖かい外気がマフラー22に引き込まれる。この外部源からの熱は、フィン付きマニホルド16を通して伝導し、その結果、排気サイクル間においてマニホルド16内に形成され得る氷を溶解させる。
【0011】
排気マニホルド16は、排気の流れをマフラー22に導き、その結果、高速の細い気流を生成し、ベルヌーイ効果によってその流れの両側に低圧領域を生成する。この低圧領域は圧力差を生み、この圧力差が暖かい外気を排気システムに引き込む。引き込まれる外気が多ければ多いほど、氷はそれだけ多く減少する。このためには、下流の排気圧を最小化することが必要となる。
【0012】
しかしながら、下流の排気圧を最小化することによって、騒音レベルがより高くなる可能性がある。騒音を下げるために、残響室26がマフラー22の出口の後ろに付加され、これによって、背圧を最小化する間、時間と共に音波を分散させることができる。往復式空気圧モータは、短い騒音ブラスト(15−50msec.)を有しており、残響室はピークレベルを減少させるとともに騒音の間隔を増大させる。残響室は、下流の排気圧を最小化する静電容量の機能をも有している。
【0013】
排気マニホルド16は、空気圧モータの空気弁14側にボルトで固定され、複数の構成要素を使用して、空気圧モータの排気ガスを導き、消音し、及び分散させるための働きをする。偏向板は、初期の排気ブラストが空気弁を出て排気マニホルドに入るときに、そのブラストを分散させる。偏向板は、ポートの騒音を部分的に偏向させるとともに速度を落として、強く収束されたブラストを広げ、それによって騒音及び排気速度を減少させる。排気マニホルドにおける回折板は、一つのより大きな断面を持つ穴ではなく、多数の小さな穴を介して、排気ブラストを回折及び分散させて、再び騒音及び排気速度を減少させる。排気ガスを空気弁からマフラー中央下方に導くために、拡張室がマニホルドに備わっている。マフラーの断面も延長室及びノズルに分かれ、この延長室によって、排気ブラストは、回折板及びノズルを通ってマニホルドを出る前に膨張及び分散することができる。
【0014】
以下の特許請求の範囲に規定されるように、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変形及び改良が排気システムに対してなされることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気弁を有する往復式空気圧モータとともに使用するための排気装置であって、
フィン付きマニホルドと、
マフラーと、
暖かい外気を前記マフラーに引き込むための通気路とを有し、排気サイクル間において前記マニホルド内部に形成され得る氷を溶解させるために、前記暖かい外気からの熱が前記フィン付きマニホルドを通して伝導する、排気装置。
【請求項2】
前記マニホルドは、排気の流れを前記マフラーに導き、その結果、高速の細い気流を生成し、ベルヌーイ効果によってその気流の両側に低圧領域を生成し、この低圧領域が前記暖かい外気を排気システムに引き込む圧力差を生む、請求項1に記載の排気装置。
【請求項3】
背圧を最小化する間、時間と共に音波を分散させることができる残響室を前記マフラーの後ろにさらに有する、請求項1に記載の排気装置。
【請求項4】
前記マニホルドは、前記空気圧モータの空気弁側にボルトで固定されるとともに、空気圧モータの排気ガスを導き、消音し、及び分散させるための働きをする、請求項1に記載の排気装置。
【請求項5】
初期の排気ブラストが前記空気弁を出て前記マニホルドに入るときに、その排気ブラストを分散させるための偏向板をさらに有する、請求項1に記載の排気装置。
【請求項6】
排気ブラストを回折及び分散させて、騒音及び排気速度を減少させるために、前記排気マニホルドに多数の小さな穴を有する回折板をさらに有する、請求項1に記載の排気装置。
【請求項7】
排気ガスを前記空気弁から前記マフラーの中央下方に導くために、前記マニホルドに拡張室をさらに有する、請求項1に記載の排気装置。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2009−544897(P2009−544897A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521982(P2009−521982)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/074324
【国際公開番号】WO2008/014322
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(506224045)グラコ ミネソタ インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】