説明

耐熱性を向上させた植物由来プラスチック材料及び成形体

【課題】改善された物性値、特に優れた耐熱性を有する植物由来プラスチック材料、及びその植物由来プラスチック材料を用いた成形体を提供する。
【解決手段】植物由来ポリマー(a)と、前記ポリマー(a)以外の他のポリマー(b)と、アイオノマー樹脂、オキサゾリン系相溶化剤、エラストマー系相溶化剤、反応性相溶化剤、及び共重合体系相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の相溶化剤(c)と、可塑剤(d)と、造核剤(e)とを含む、植物由来プラスチック材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された物性値を有する植物由来プラスチック材料、及びその植物由来プラスチック材料を用いた成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護、従来の石油資源由来のプラスチックの廃棄物処理問題などの観点から、植物を原料とする植物由来プラスチック及び植物由来プラスチック成形体の開発が行われている。
【0003】
例えば、特開平2−117号公報には、ポリ−D,L−ラクチド担体物質中に、酢酸エステル等の可塑剤を含有させることが開示されている。
【0004】
特開平4−335060号公報には、ポリ乳酸、又は乳酸とヒドロキシカルボン酸のコポリマー、ポリ乳酸とヒドロキシカルボン酸のポリマーの混合物を主成分とし、可塑剤を含む熱可塑性分解性ポリマー組成物が開示されている。可塑剤としては、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、リン酸エステル等が挙げられている。
【0005】
特開平8−199052号公報には、ポリ乳酸と、ポリアルキレンエーテルとが共重合された共重合ポリ乳酸の中に、ポリアルキレンエーテルを主成分とする可塑剤が混合されている可塑化されたポリ乳酸組成物が開示されている。
【0006】
特開平8−283557号公報には、乳酸を主成分とする重合体の中に、脂肪族ジカルボン酸及び鎖状分子ジオールを主成分とする脂肪族ポリエステルからなる可塑剤が混合されている可塑化されたポリ乳酸組成物が開示されている。
【0007】
特開2005−248160号公報には、生分解性ポリマー(ポリブチレンサクシネート、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ乳酸等)と、生分解性ポリマー以外のポリマーと、相溶化剤とを含む生分解性プラスチック材料が開示されている。
【0008】
特開2005−42045号公報には、生分解性ポリエステル樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂とからなる混合ポリエステルと、(メタ)アクリル酸エステル化合物と、さらに層状珪酸塩とを含有するポリエステル樹脂組成物が開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開平2−117号公報
【特許文献2】特開平4−335060号公報
【特許文献3】特開平8−199052号公報
【特許文献4】特開平8−283557号公報
【特許文献5】特開2005−248160号公報
【特許文献6】特開2005−42045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、植物由来ポリマーに、植物由来ポリマー以外のポリマーと相溶化剤(Compatibilizer)と可塑剤と造核剤とを配合することによって、植物由来ポリマー材料の物性値、特に耐熱性を向上することができることを見いだした。
【0011】
本発明の目的は、改善された物性値、特に優れた耐熱性を有する植物由来プラスチック材料、及びその植物由来プラスチック材料を用いた成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明には、以下の発明が含まれる。
(1) 植物由来ポリマー(a)と、前記ポリマー(a)以外の他のポリマー(b)と、アイオノマー樹脂、オキサゾリン系相溶化剤、エラストマー系相溶化剤、反応性相溶化剤、及び共重合体系相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の相溶化剤(c)と、可塑剤(d)と、造核剤(e)とを含む、植物由来プラスチック材料。
【0013】
(2) 前記ポリマー(b)は、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びスチレン系樹脂からなる群から選ばれる、上記(1)に記載の植物由来プラスチック材料。
【0014】
(3) 前記可塑剤(d)は、フタル酸系可塑剤、脂肪族二塩基酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、及びポリエチレングリコール系可塑剤からなる群から選ばれる、上記(1)又は(2)に記載の植物由来プラスチック材料。
【0015】
(4) 前記造核剤(e)は、鉱物系、金属酸化物、粘土類、無機塩、有機酸塩、有機酸系アミド化合物、及び高分子物質からなる群から選ばれる、上記(1)〜(3)のうちのいずれかに記載の植物由来プラスチック材料。
【0016】
(5) 前記植物由来ポリマー(a)20〜95重量%と前記ポリマー(b)5〜80重量%とからなるポリマー成分と、
前記ポリマー成分(a)と(b)の合計100重量部に対して前記相溶化剤(c)1〜30重量部と、
前記ポリマー成分(a)と(b)の合計100重量部に対して前記可塑剤(d)1〜30重量部と、
前記ポリマー成分(a)と(b)の合計100重量部に対して前記造核剤(e)0.1〜10重量部と
を含む、上記(1)〜(4)のうちのいずれかに記載の植物由来プラスチック材料。
【0017】
(6) 上記(1)〜(5)のうちのいずれかに記載の植物由来プラスチック材料から構成されたプラスチック成形体。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、植物由来ポリマー(a)に、前記ポリマー(a)以外の他のポリマー(b)と相溶化剤(c)と可塑剤(d)と造核剤(e)とを配合することによって、植物由来プラスチック材料の物性値、特に耐熱性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明において、植物由来ポリマー(a)としては、特に限定されることなく公知の種々の石油以外を原料とする脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂が挙げられる。脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)等のポリ(α−ヒドロキシ酸); ポリ−β−ヒドロキシ酪酸(PHB)等のポリ(β−ヒドロキシアルカノエート); ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)等のポリアルキレンアルカノエート等が挙げられる。これらの樹脂は、単独重合体であってもよく、共重合可能な成分との共重合体であってもよい。これらの樹脂は、公知の方法により合成することができる。なお、これらの樹脂の重量平均分子量は、例えば少なくとも5万、好ましくは少なくとも7万、さらに好ましくは10万〜30万である。
【0020】
これら樹脂のなかでも、ポリ乳酸(PLA)は、石油資源を使用しないという観点において好ましい。ポリ乳酸(PLA)として、ポリL−乳酸(PLLA)、ポリD−乳酸(PDLA)、乳酸モノマーやラクチドと共重合可能な成分との共重合体、これらのブレンドポリマーを用いることができる。
【0021】
前記ポリマー(a)以外の他のポリマー(b)としては、特に限定されることなく公知の種々のポリマーを用いることができる。代表的なものを例示すれば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレートの共重合体、ポリブチレンテレフタレートの共重合体、ポリエチレンナフタレートの共重合体等のポリエステル系樹脂; ポリカーボネート(PC)系樹脂; ナイロン系樹脂; ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等のスチレン系樹脂; ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。ポリエチレンには、極低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが含まれる。
【0022】
これらポリマー(b)のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。また、アロイ品を用いてもよい。
【0023】
前記ポリマー(b)の含有により、植物由来ポリマー(a)の脆さ等の実用上の問題が改善される。特にポリオレフィン系樹脂を含有させると、疎水的効果が得られ、植物由来ポリマー(a)の耐加水分解を向上させることができる。
【0024】
また、本発明において、前記ポリマー(b)として、リサイクル品を用いることも可能である。リサイクル品とは、廃棄された又は使用済みのプラスチック成形体(あるいはプラスチック成形体の製造工程で発生したバリ等のプラスチック体)の粉砕物、又は廃棄された又は使用済みのプラスチック成形体(あるいはプラスチック成形体の製造工程で発生したバリ等のプラスチック体)を溶融して回収されたポリマー成分を意味する。リサイクル品の例としては、使用後に回収されたPETボトルの粉砕物、ポリエチレン製ガス菅の廃材粉砕物等が挙げられる。このようなリサイクル品を使用すると、植物由来プラスチックを含む再生材料となる。廃棄プラスチックのリサイクルにも寄与することができる。
【0025】
相溶化剤(c)としては、アイオノマー樹脂(A)、オキサゾリン系相溶化剤(B)、エラストマー系相溶化剤(C)、反応性相溶化剤(D)、及び共重合体系相溶化剤(E)からなる群から選ばれる少なくとも1種の相溶化剤を用いることができる。相溶化剤(c)は、前記ポリマー(a)及び前記ポリマー(b)以外のものである。
【0026】
相溶化剤(c)の含有により、植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)との相溶性が向上し、前記ポリマー(b)の作用がより効果的になる。
【0027】
アイオノマー樹脂(A)としては、種々のタイプのものが含まれる。典型的なアイオノマーは、(i)ホスト高分子の主鎖に部分的に側鎖イオン基が存在するものである(側鎖型)。別のタイプのアイオノマーは、(ii)両末端に例えばカルボン酸基が存在するホスト高分子あるいはオリゴマーに金属イオンが中和することより高分子化したものである(テレケリック型)。また別のタイプのアイオノマーは、(iii) 主鎖に陽イオンを有し、そこに陰イオンが結合したものである(アイオネン)。
【0028】
【化1】

【0029】
ホスト高分子のイオン基に対する対イオンとしては、Li+ 、Na+ 、K+ 等のアルカリ金属イオン、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+等のアルカリ土類金属イオン、Zn2+、Cu2+、Mn2+、Ni2+、Co2+、Co3+、Fe3+、Cr3+等の遷移金属イオンが用いられる。また、陽イオンホスト高分子に対しては、Cl- 、Br- 、I- 等の陰イオンが用いられる。
【0030】
このようなアイオノマー樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン―アクリル酸共重合体アイオノマー、プロピレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、プロピレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、ブチレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−ビニルスルホン酸共重合体アイオノマー、スチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、スルホン化ポリスチレンアイオノマー、フッ素系アイオノマー、テレケリックポリブタジエンアクリル酸アイオノマー、スルホン化エチレン−プロピレン−ジエン共重合体アイオノマー、水素化ポリペンタマーアイオノマー、ポリペンタマーアイオノマー、ポリ(ビニルピリジウム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルトリメチルアンモニウム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルベンジルホスホニウム塩)アイオノマー、スチレン−ブタジエンアクリル酸共重合体アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、スルホン化スチレン−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンサルフェイトアイオノマー、酸−アミンアイオノマー、脂肪族系アイオネン、芳香族系アイオネン等が挙げられる。
【0031】
これらアイオノマー樹脂のうち、エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体アイオノマーが好ましく用いられる。エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマーとして、より具体的には、ハイミラン1554、ハイミラン1555、ハイミラン1557、ハイミラン1601、ハイミラン1605、ハイミラン1650、ハイミラン1652、ハイミラン1652 SR 、ハイミラン1652 SB 、ハイミラン1702、ハイミラン1705、ハイミラン1706、ハイミラン1707、ハイミラン1855、ハイミラン1856(以上、三井・デュポンポリケミカル株式会社製)が挙げられる。
【0032】
これらアイオノマー樹脂のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
オキサゾリン系相溶化剤(B)としては、例えば、次のB1〜B3の各タイプが挙げられる。
B1タイプとして、ビスオキサゾリン/スチレン/無水マレイン酸共重合体(OXZ;三国製薬製)等が挙げられる。
B2タイプとして、ビスオキサゾリン/無水マレイン酸変性ポリエチレン〔OXZ(三国製薬製)/ユーメックス2000(三洋化成製)〕等が挙げられる。
B3タイプとして、ビスオキサゾリン/無水マレイン酸変性ポリプロピレン〔OXZ(三国製薬製)/ユーメックス1010(三洋化成製)〕等が挙げられる。
【0034】
これらオキサゾリン系相溶化剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】
エラストマー系相溶化剤(C)としては、例えば、次のC1〜C4の各タイプが挙げられる。
C1タイプとして、スチレンエチレンブタジエン共重合体(SEB;旭化成工業製、タフテック)等が挙げられる。
C2タイプとして、スチレンエチレンブタジエンスチレン共重合体(SEBS;旭化成工業製)等が挙げられる。
C3タイプとして、水添スチレンイソプロピレンスチレン共重合体(H−SIS)等が挙げられる。
C4タイプとして、芳香族系樹脂、石油樹脂(新日本石油製のネオポリマー)等が挙げられる。
【0036】
これらエラストマー系相溶化剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
反応性相溶化剤(D)は、二重結合、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基などを有する化合物(低分子化合物又はポリマー)であって、成形加工工程で相溶化させようとするポリマーの一方または両方と反応してグラフトまたはブロック構造に基づく界面活性剤的な働きをして相溶化剤として機能するものである(参考文献:「ポリマーアロイ」基礎と応用、高分子学会編、1993年発行)。反応性相溶化剤(D)としては、例えば、次のD1〜D6の各タイプが挙げられる。
【0038】
D1タイプ:
エチレングリシジルメタクリレート共重合体(E−GMA;共重合重量組成、例えばE/GMA=100/6〜12)、エチレングリシジルメタクリレート−ビニルアルコール共重合体(E−GMA−VA;共重合重量組成、例えばE/GMA/VA=100/3〜12/8〜5)、エチレングリシジルメタクリレート−メタクリレート共重合体(E−GMA−MA;共重合重量組成、例えばE/GMA/MA=100/3〜12/30)等が挙げられる。具体的には、住友化学製、ボンドファーストE、ボンドファースト2C; 日本ポリオレフィン製、レクスパールRA、レクスパールET、レクスパールRC; アルケマ製、LOTADER F0206が挙げられる。
【0039】
D2タイプ:
エチレン無水マレイン酸エチルアクリレート共重合体(E−MAH−EA;住友化学製、ボンダイン)等が挙げられる。
【0040】
D3タイプ:
エチレングリシジルメタクリレート−アクリロニトリルスチレン(EGMA−AS;共重合重量組成、例えばEGMA/AS=70/30)、エチレングリシジルメタクリレート−ポリスチレン(EGMA−PS;共重合重量組成、例えばEGMA/PS=70/30)、エチレングリシジルメタクリレート−ポリメチルメタクリレート(EGMA−PMMA、例えばEGMA/PMMA=70/30)等が挙げられる。具体的には、日本油脂製、モディパーが挙げられる。
【0041】
D4タイプ:
酸変性型ポリエチレンワックス(APEW;三井化学製、ハイワックス)等が挙げられる。
【0042】
D5タイプ:
COOH化ポリエチレングラフトポリマー、COOH化ポリプロピレングラフトポリマー等が挙げられる。
【0043】
D6タイプ:
イソシアネート基を5〜30重量%含むポリイソシアネート。具体的には、デグサ(degussa) 社製、 VESTANAT T1890)が挙げられる。
【0044】
これら反応性相溶化剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
【0045】
共重合体系相溶化剤(E)としては、例えば、ポリエチレン−ポリアミドグラフト共重合体(PE−PA GP)、ポリプロピレン−ポリアミドグラフト共重合体(PP−PA GP)等が挙げられる。また、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、エポキシ基、アセタール基、マレイン酸基、オキサゾリン基及びカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を含み、メルトフローレートが1以上の低粘度の共重合体ポリマーが挙げられ、具体的には、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、EVA・PVC・グラフト共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、水添スチレン−イソプロピレン−ブロック共重合体等が挙げられる。具体的には、三井・デュポンポリケミカル製、エルバロイが例示される。
【0046】
これら共重合体系相溶化剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
【0047】
前記可塑剤(d)としては、フタル酸系可塑剤、脂肪族二塩基酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエチレングリコール系可塑剤から選択して用いるとよい。
【0048】
フタル酸系可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)等が挙げられる。脂肪族二塩基酸系可塑剤としては、式ROOC−R’−COORにおいて、R:2−エチルヘキシル基、R’:C4 の化合物(DOA)、C7 の化合物(DOZ)、C8 の化合物(DOS)等が挙げられる。トリメリット酸系可塑剤としては、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)(TOTM)等が挙げられる。リン酸系可塑剤としては、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリブチルホスフェート(TBP)等が挙げられる。ポリエステル系可塑剤としては、式R3 −(R1 −R2 )−R1 −R3 において、R1 :ジカルボン酸残基、R2 :グリコール残基、R3 :アルコール残基の化合物、R1 :グリコール残基、R2 :ジカルボン酸残基、R3 :カルボン酸残基の化合物等が挙げられる。エポキシ系可塑剤としては、エポキシテトラヒドロフタル酸エステル、エポキシ化大豆油等が挙げられる。ポリエチレングリコール系可塑剤としては、ポリエチレングリコールジベンゾエート等が挙げられる。
【0049】
これら可塑剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
【0050】
本発明において、相溶化剤(c)の含有により植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)との相溶性は向上するが、可塑剤(d)の含有により成形加工性の向上が得られる。相溶化剤(c)と可塑剤(d)の両者を用いることにより、植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)とが緻密に分散され、且つ良好な成形が達成される。
【0051】
前記造核剤(e)は、鉱物系、金属酸化物、粘土類、無機塩、有機酸塩、有機酸系アミド化合物、高分子物質から選択して用いるとよい。例えば、タルク、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機系のもの、芳香族アミド化合物、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸亜鉛等の有機系のものが挙げられる。これら造核剤のうちの1種のみを用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
【0052】
本発明において、造核剤(e)の含有により植物由来プラスチック材料の耐熱性の向上が得られる。植物由来プラスチック材料には、相溶化剤(c)と可塑剤(d)の両者が配合されており、植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)とが緻密に分散されているので、造核剤(e)による耐熱性の向上効果は大きい。可塑剤(d)の存在がなければ、造核剤(e)を含有させても耐熱性の向上効果が得られないか、あるいは得られても向上効果は小さい。
【0053】
本発明において、植物由来プラスチック材料は、例えば、前記植物由来ポリマー(a)20〜95重量%と前記ポリマー(b)5〜80重量%とからなるポリマー成分と、前記ポリマー成分(a)と(b)の合計100重量部に対して前記相溶化剤(c)1〜30重量部と、前記ポリマー成分(a)と(b)の合計100重量部に対して前記可塑剤(d)1〜30重量部と、前記ポリマー成分(a)と(b)の合計100重量部に対して前記造核剤(e)0.1〜10重量部とを含む。前記植物由来ポリマー(a)、前記ポリマー(b)、前記相溶化剤(c)、前記可塑剤(d)、又は前記造核剤(e)を複数種用いる場合には、それぞれ合計量が前記範囲となるようにするとよい。
【0054】
前記植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)とをポリマー成分として表した場合に、(a)と(b)の配合重量割合を考慮して、前記植物由来ポリマー(a)が20重量%未満であると、グリーンプラスチックとしての本来性能が得られにくい。一方、前記ポリマー(b)が5重量%未満であると、ポリマー(b)による改善効果が得られにくい。植物由来プラスチック材料の用途を考慮して、(a)と(b)の配合重量割合を適宜決めるとよい。
【0055】
前記相溶化剤(c)の配合量が(a)と(b)の合計100重量部に対して1重量部未満であると、前記植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)との相溶化効果が得られにくく、前記ポリマー(b)による改善効果が発現されにくい。一方、前記相溶化剤が(a)と(b)の合計100重量部に対して30重量部を超えると、相溶化効果は飽和し、得られる植物由来プラスチック材料としての植物由来度合いが低下する。植物由来プラスチック材料の用途を考慮して、相溶化剤の使用量を適宜決めるとよい。
【0056】
前記可塑剤(d)の配合量が(a)と(b)の合計100重量部に対して1重量部未満であると、可塑剤による成形加工性の向上効果が得られにくい。一方、前記可塑剤(d)が(a)と(b)の合計100重量部に対して30重量部を超えると、可塑剤のブリードアウト等が起こることがあり、また、この範囲の配合量で前記可塑剤(d)の十分な効果が得られる。
【0057】
前記造核剤(e)の配合量が(a)と(b)の合計100重量部に対して0.1重量部未満であると、耐熱性向上効果が得られにくい。一方、前記造核剤(e)が(a)と(b)の合計100重量部に対して10重量部を超えると、成形品の衝撃強度等の物性が低下しやすい。
【0058】
本発明において、植物由来プラスチック材料は、植物由来ポリマー(a)30〜95重量%と前記ポリマー(b)5〜70重量%とからなるポリマー成分100重量部と、(a)と(b)の合計100重量部に対して前記相溶化剤(c)3〜20重量部と、(a)と(b)の合計100重量部に対して前記可塑剤(d)1〜20重量部と、(a)と(b)の合計100重量部に対して前記造核剤(e)0.3〜5重量部とを含むことがより好ましい。
【0059】
本発明において、植物由来プラスチック材料は、前記植物由来ポリマー(a)や、前記ポリマー(b)(前記ポリマー(b)としてポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、又はスチレン系樹脂を用いた場合)の加水分解を抑制するために、さらに加水分解防止剤を含有することも好ましい。加水分解防止剤としては、例えば、カルボジライト(カルボジイミド変性イソシアネート)を用いることができる。加水分解防止剤の配合量は、例えば、前記植物由来ポリマー(a)と前記ポリマー(b)の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部程度とするとよい。
【0060】
本発明において、植物由来プラスチック材料には、さらに他の添加剤、例えば、有機又は無機フィラー、難燃剤、アンチブロッキング剤、結晶化促進剤、ガス吸着剤、老化防止剤(エステル、アミド等)、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘着付与剤、軟化剤(鉱物油、ワックス、パラフィン類等)、安定剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、変性剤、着色剤、カップリング剤、防腐剤、防カビ剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
【0061】
植物由来プラスチック材料を得るための配合方法は、特に限定されることなく、通常の溶融混練方法により行うことができる。例えば、前記植物由来ポリマー(a)、前記ポリマー(b)、前記相溶化剤(c)、前記可塑剤(d)、前記造核剤(e)及びその他の任意成分を、ロールニーダー、バンバリーミキサー、インターミックス、1軸押出機、2軸押出機などの混練機で混練すると良い。混練は、前記混練機のうちから選ばれる1種の混練機を用いて行ってもよく、又は2種以上の混練機を用いて行ってもよい。
【0062】
前記植物由来ポリマー(a)、前記ポリマー(b)、前記相溶化剤(c)、前記可塑剤(d)、及び前記造核剤(e)を含む植物由来プラスチック材料を常法により成形して各種成形品とする。また、前記植物由来プラスチック材料にさらに必要に応じて添加剤を加えて、被覆材料、コーティング材料又は接着材料とすることも可能である。
【0063】
前記植物由来プラスチック材料からの各種成形品は、常法の成形法により製造することができる。例えば、押出成形品、射出成形品、ブロー成形品、Tダイから押出成形されたシート或いはフィルム、インフレーションフィルム、溶融紡糸法によるマルチフィラメント、モノフィラメント、フラットヤーン、ステープルファイバー、スパンボンド不織布、フラッシュ紡糸不織布等の繊維状構造物、各種発泡成形品が得られる。
【実施例】
【0064】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0065】
[実施例1]
ポリ乳酸 PLA(レイシアH100、三井化学製)70重量部、ポリカーボネート PC(カリバー301−4、住友ダウ製)30重量部、反応性相溶化剤(LOTADER F0206、アルケマ製)5重量部、可塑剤ポリエチレングリコールジベンゾエート(リカフローLA−100、新日本理化製)2.5重量部、及び造核剤エヌジェスターIF−1、新日本理化製、有機酸系アミド化合物)0.5重量部、及び加水分解防止剤カルボジライト(LA−1、日清紡製)0.75重量部を、2軸押出機(株式会社テクノベル製、KZW15−30MG)を用いて、240℃にて常法にて溶融混練し、約3mmの直径で水中に押し出し・固化し、次いで3mm長に切断し、樹脂チップを得た。この際の押出条件は以下の通りであった。
【0066】
<押出条件>
温度設定:フィード 180℃、混練部 240℃、ヘッド 240℃
回転数:60rpm
【0067】
得られたチップを射出成形(射出成形機:日精樹脂工業株式会社製NEX110)して、JIS K−7113に準拠した1号試験片、JIS K−7110に準拠したアイゾット衝撃試験片(80mm×10mm×4mm厚)、JIS K−7171に準拠した曲げ試験片(80mm×10mm×4mm厚)をそれぞれ作製した。
【0068】
<射出成形条件>
温度設定:フィード 180℃、混練部 240℃、ノズル 240℃、
金型 105℃
冷却時間:1分
射出圧力:100kg/cm2
【0069】
[実施例2]
各試験片の作製における冷却時間を2分に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0070】
[実施例3〜7、比較例1〜5]
各成分の配合重量部、各試験片の作製における冷却時間を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0071】
[植物由来プラスチック材料の評価]
(メルトフローレート:MFR)
JIS K−7210の手法に従って、得られたチップをシリンダに充填し、充填棒を用いて圧縮した。チップ充填から4分30秒後に2.16kgの加重を加え、30秒間樹脂を押し出した。この際に押し出された樹脂の重量を10分間押し出した重量に換算してメルトフローレートの値(g/10min)とした。
【0072】
(アイゾット衝撃試験)
JIS K−7110の手法に従って、アイゾット(IZOD)衝撃試験を実施し、アイゾット衝撃強度(J/m)を測定した。なお、測定限界は700J/mであり、測定限界においても破壊しなかった場合には、表1において「>700」と表記する。
【0073】
(引張り試験)
JIS K−7113の手法に従って、1号試験片を用いて引張り試験を実施した。その際の引張速度は10mm/minとした。引張強度(MPa)、引張弾性率(MPa)、及び引張伸び率(%)を測定した。
【0074】
(曲げ試験)
JIS K−7171の手法に従って、曲げ試験片を用いて3点曲げ試験を実施した。その際の試験速度は1mm/minとした。曲げ強度(MPa)、及び曲げ弾性率(MPa)を測定した。
【0075】
(荷重たわみ試験)
JIS K−7191のフラットワイズ手法に従って、曲げ試験と同寸法の試験片を用いて荷重たわみ試験を実施した。油槽中において試験片に荷重0.45MPaの3点曲げ応力を負荷し、その状態で油槽の温度を120℃/hで上昇させ、標準たわみ(試験片厚4mmの場合で0.34mm)に達する温度(℃)を測定し、これを荷重たわみ温度とした。
【0076】
以上の測定結果を表1に示す。
【0077】
【表1】

【0078】
表1において、実施例1、2、3と比較例2、3との比較から、ポリマー成分PLA及びPCに相溶化剤、可塑剤及び造核剤を含有させたことにより、荷重たわみ温度が著しく上昇し、顕著な耐熱性の向上効果が得られた。比較例2、3に示されるように、可塑剤の存在がなければ、造核剤を含有させても耐熱性の向上効果は得られなかった。
【0079】
同様に、実施例4、5においても、荷重たわみ温度が著しく上昇し、顕著な耐熱性の向上効果が得られた。
【0080】
なお、実施例6、7と比較例5との比較によっては、相溶化剤、可塑剤及び造核剤を含有させたことによる荷重たわみ温度の上昇はあまり見られなかった。この理由は、PLA35重量部に対してPC60重量部とポリマー成分においてPCの量が多く、得られた材料ではPCが海構造(PLAが島構造)を形成しており、比較例5においてもPC自身が有している耐熱性により試験片形状が保持されたためと推測される。
【0081】
なお、相溶化剤を用いなければ、PLAとPCとが配合された成形体を成形することはできない。
【0082】
[実施例8、比較例6]
ポリカーボネート PC30重量部の代わりにポリプロピレン PP(日本ポリプロ製、ノバテックBC6DR)30重量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。実施例1と同様にして、得られた植物由来プラスチック材料の評価を行った。結果を表2に示す。
【0083】
表2から、実施例8では比較例6に比べ、ポリマー成分PLA及びPPに相溶化剤、可塑剤及び造核剤を含有させたことにより、荷重たわみ温度が著しく上昇し、顕著な耐熱性の向上効果が得られた。
【0084】
[実施例9、比較例7:PETボトル粉砕物の使用]
(使用済みPETフレークの調製)
回収されたPETボトルを水で洗浄して、粉砕機によりフレーク状に粉砕した。これを水で洗浄して、乾燥し、使用済みPETフレークを得た。これをポリエチレンテレフタレート(PET)として用いた。
【0085】
(植物由来プラスチック材料の調製)
ポリカーボネート PC30重量部の代わりに上記PETフレーク30重量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。実施例1と同様にして、得られた植物由来プラスチック材料の評価を行った。結果を表3に示す。
【0086】
表3から、実施例9では比較例7に比べ、ポリマー成分PLA及びPETフレークに相溶化剤、可塑剤及び造核剤を含有させたことにより、荷重たわみ温度が著しく上昇し、顕著な耐熱性の向上効果が得られた。
【0087】
[実施例10、比較例8]
ポリカーボネート PC30重量部の代わりにポリスチレン PS(東洋スチレン製、TOYO STYROL J2)30重量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。実施例1と同様にして、得られた植物由来プラスチック材料の評価を行った。結果を表4に示す。
【0088】
表4から、実施例9では比較例8に比べ、ポリマー成分PLA及びPSに相溶化剤、可塑剤及び造核剤を含有させたことにより、荷重たわみ温度が上昇し、顕著な耐熱性の向上効果が得られた。
【0089】
[実施例11、比較例9]
ポリカーボネート PC30重量部の代わりにアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂 ABS(テクノ製、TECNO ABS F5450)30重量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。実施例1と同様にして、得られた植物由来プラスチック材料の評価を行った。結果を表5に示す。
【0090】
表5から、実施例11では比較例9に比べ、ポリマー成分PLA及びABSに相溶化剤、可塑剤及び造核剤を含有させたことにより、荷重たわみ温度が著しく上昇し、顕著な耐熱性の向上効果が得られた。
【0091】
[実施例12、比較例10]
ポリカーボネート PC30重量部の代わりにABS/PCアロイ(GEプラスチック製、CYCOLOY C6500)30重量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。実施例1と同様にして、得られた植物由来プラスチック材料の評価を行った。結果を表6に示す。
【0092】
表6から、実施例12では比較例10に比べ、ポリマー成分PLA及びABS/PCに相溶化剤、可塑剤及び造核剤を含有させたことにより、荷重たわみ温度が著しく上昇し、顕著な耐熱性の向上効果が得られた。
【0093】
【表2】

【0094】
【表3】

【0095】
【表4】

【0096】
【表5】

【0097】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物由来ポリマー(a)と、前記ポリマー(a)以外の他のポリマー(b)と、アイオノマー樹脂、オキサゾリン系相溶化剤、エラストマー系相溶化剤、反応性相溶化剤、及び共重合体系相溶化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の相溶化剤(c)と、可塑剤(d)と、造核剤(e)とを含む、植物由来プラスチック材料。
【請求項2】
前記ポリマー(b)は、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びスチレン系樹脂からなる群から選ばれる、請求項1に記載の植物由来プラスチック材料。
【請求項3】
前記可塑剤(d)は、フタル酸系可塑剤、脂肪族二塩基酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、及びポリエチレングリコール系可塑剤からなる群から選ばれる、請求項1又は2に記載の植物由来プラスチック材料。
【請求項4】
前記造核剤(e)は、鉱物系、金属酸化物、粘土類、無機塩、有機酸塩、有機酸系アミド化合物、及び高分子物質からなる群から選ばれる、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の植物由来プラスチック材料。
【請求項5】
前記植物由来ポリマー(a)20〜95重量%と前記ポリマー(b)5〜80重量%とからなるポリマー成分と、
前記ポリマー成分(a)と(b)の合計100重量部に対して前記相溶化剤(c)1〜30重量部と、
前記ポリマー成分(a)と(b)の合計100重量部に対して前記可塑剤(d)1〜30重量部と、
前記ポリマー成分(a)と(b)の合計100重量部に対して前記造核剤(e)0.1〜10重量部と
を含む、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の植物由来プラスチック材料。
【請求項6】
請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の植物由来プラスチック材料から構成されたプラスチック成形体。

【公開番号】特開2008−13742(P2008−13742A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−278783(P2006−278783)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】