説明

耐虫性ポリウレタンフォーム

本明細書中に記載の本発明は、硬化すると昆虫侵襲に対するバリアをもたらす、農薬を含有する本質的に独立気泡の2成分ポリウレタンフォームに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、水発泡されていないが、加圧シリンダーから分与し得る耐虫性ポリウレタンフォームに関する。より詳細には、本発明は、農薬(pesticide)を含有する本質的に独立気泡の2成分ポリウレタンフォームに関する。さらに詳細には、本発明は、硬化すると昆虫の侵襲に対するバリアをもたらす農薬を含有する本質的に独立気泡の2成分ポリウレタンフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な建築用途において利用される木材および木材製品は往々にして、シロアリ、アリ、孔をあける他の昆虫および木材を腐敗させる微生物の作用により、構造的に劣化する。典型的には、これらの木材を劣化および分解させる生物は、周囲の土壌を介して木材構造へと移動する。木造建築においてのように構造物がコンクリート製の基礎の上に載っているかどうかに関わらず、または、構造物、例えば、フェンスポスト、電柱、鉄道用枕木、橋脚杭打ち、木製船渠、木製支持体および同様の構造物が土壌と直接接触している場合に、この移動が起こり得る。
【0003】
これらの昆虫侵襲を撲滅するための慣用の方法には、スラブ下および外周への土壌注入、土壌下への食餌配置および燻蒸が包含される。スラブ下および外周処理には、構造の基礎の下部または周囲の土壌への殺虫性組成物の注入が含まれる。強力な殺虫剤(insecticide)を使用すると、有効ではあるが、これらの方法は、土地に注入された化学薬品の毒性により、特に、構造下の土地が多孔性である場合かつ/または帯水層が地表に比較的近い場合には、環境危険をもたらす。
【0004】
多くの農薬および駆除剤が、木材を破壊する生物の作用に対して有効であることが知られているが、周囲環境(土壌または雰囲気)に散逸するか、または化学的もしくは生物学的に分解するので、その有効性は往々にして、時間が経つにつれて低下する。したがって、その有効性を維持するためには、数日から数カ月または数年毎の範囲の一定の間隔で、これらの殺虫剤を繰り返し施与しなければならない。別法では、これらの農薬および駆除剤を長期間にわたって有効であるのに十分な量で施与すると、これらの化学薬品および不快な臭気に関しての生態学的懸念および人体健康に関する懸念が増悪する。さらに、ある種の化学薬品の禁止およびより安全で寿命の短い化合物の導入に伴って、大量であってもこれらの農薬および駆除剤の多くは、比較的短い期間を要求することがあり、これらをより頻繁に再施与する必要がある。
【0005】
さらに、これらの予防的および回復的再生処置は、説明によると、建造物の建築後に実施されるので、壁、床などに穴を開ける必要があり、これは、不便をもたらす大変で費用のかかる作業を含み、推奨される数の穴を開けることが常に可能とは限らないので、その完全な有効性を保証することは難しい。さらに、建築の後で、ある種の位置は、この種の予防的および/または回復的処置を行うことができないことが判明する。
【発明の概要】
【0006】
したがって、シロアリ、アリおよび他の破壊性微生物に対する即時および長期保護をもたらす建築構造物などに対するバリアとして作用する組成物を提供する必要がある。
【0007】
一般に、本発明の一態様は、殺虫剤を含有する2成分の本質的に独立気泡のポリウレタンフォームを提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の態様では、硬化すると昆虫侵襲に対するバリアをもたらす、殺虫剤を含有する2成分で、少なくとも半硬質で、本質的に独立気泡のポリウレタンフォームを提供する。
【0009】
本発明の一実施形態では、耐シロアリ性、非水発泡、独立気泡の2成分ポリウレタンフォームを開示し、これは、(A)ジイソシアネートおよび少なくとも5重量%の「A」サイド発泡剤を包含する「A」サイド組成物;ならびに(B)2.2以上の官能性を有する芳香族ポリエステルを含む少なくとも1種のポリオール;少なくとも15重量%の「B」サイド発泡剤;希釈剤;界面活性剤;触媒;ピレトロイド農薬を含む「B」サイド組成物を含み、さらに、硬化したポリウレタンフォームは、約2.0lb/ft以上のフォーム密度を有し、前記「A」組成物と前記「B」組成物との重量比は、0.9:1以上から1.20:1以下の範囲である。
【0010】
一実施形態では、ポリオールは、4以上の官能性を有する硬質ポリエーテルポリオールを包含し、さらに他の実施形態では、ポリオールは、3以上の官能性を有するポリエーテルトリオールを包含する。
【0011】
「B」サイド共同発泡剤は、水0.1〜3重量%、より好ましくは、水0.1〜2重量%の範囲である。
【0012】
フォームの独立気泡パーセンテージは好ましくは、90%以上であり、フォームのR値は、約6.0以上であり、約15以上、より好ましくは約20以上の圧縮強度を伴う。フォームは場合によって、染料を包含する。
【0013】
本発明のこれらの対象および他の対象は、詳細な記載、要約書および添付の特許請求の範囲を考慮すると明確になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ポリウレタンは一般に、熱硬化性にすることができ、ポリイソシアネートとヒドロキシル含有物質、例えば、酸化プロピレンに由来するポリオールの異方性重付加反応(heterolytic polyaddition reaction)により製造される熱可塑性ポリマーである。基本的なポリマーユニットは、一般に次の通りに示すことができる:
NCO+ROH→RNHCOOR
【0015】
本明細書で使用される場合、「ポリウレタン」は、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテルウレア、ポリウレタン、ポリカルボジイミドを包含すると理解される。求核試薬(例えば、ポリオール、ポリアミン、水)を重付加させて、2個以上のイソシアネート基およびその組合せを含有するポリイソシアネートを形成することにより、このポリマーを調製することができる。本明細書で使用される場合、「モノマー」との用語は、反応してポリウレタンを形成する全ての物質を包含する。これらのモノマー自体が、複数の求核基またはイソシアネート基を含有するポリマーまたは「プレポリマー」であってもよい。水も、これらのポリマーを製造するために使用することができ、この意味において、モノマーである。例えば、ポリイソシアネートと反応させてポリウレアを形成する際に水を利用する場合には、これは、本明細書ではモノマーの定義の範囲内に包含される。モノマーとの用語はまた、モノマーのブレンドを包含すると理解されるべきである。
【0016】
ポリウレタンは、繊維、コーティング、エラストマーまたはフォームとしての用途を有する。本発明は、フォームに関する。ポリウレタンフォームは、ヒドロキシル基(OH)を含有するポリオールと、イソシアネート基(−N=C=O)を有するポリイソシアネートとを触媒、発泡剤(または起泡剤)および場合によって、界面活性剤および他の成分の存在下で反応させることにより製造する。ポリオールおよびポリイソシアネートは、発熱反応して(熱を発生して)、フォームマトリックスのポリマー構造を形成する。立方フィート当たり0.5から60ポンド超(lb/ft)の範囲の密度を有する柔軟性および硬質フォームの両方を得ることができる。
【0017】
ポリオールは、ポリエーテルベース、ポリエステルベースまたはそのブレンドであってよく、その際、ポリエステルポリオールが最も頻繁に使用される。硬質ウレタンフォームの製造において最も頻繁に使用されるポリイソシアネートは、TDI(トリレンジイソシアネート)、好ましくはMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)である。MDIのポリマー形態(粗製MD)が往々にして使用される。
【0018】
ポリウレタンフォームは、プレポリマープロセスにより、かつ往々にして、ワンショットプロセスにより調製されている。反応成分、イソシアネート基を含有するプレポリマーまたはポリイソシアネートおよびポリオールを、発泡剤および触媒と共に、場合によっては補助剤および添加剤と共に計測量で別々に、または混合物の形態で、混合デバイス、例えば、混合ヘッドに供給し、そこで、これらを十分に混合し、分与デバイスから、充填するための金型またはキャビティーに注ぎ、その中で、混合物を発泡および硬化させる。
【0019】
また、成分「B」が好ましくはポリオール、触媒、発泡剤および添加剤を含有し、成分「A」がさらなる添加剤を伴うか、または伴わないポリイソシアネートからなる2成分系からポリウレタンフォームを製造することも知られている。2種の成分を往々にして別々に、多成分系コンテナ中に、好ましくは2コンパートメントコンテナ中に貯蔵する。処理の前に、2個のコンパートメントの間の隔壁を壊し、成分「A」および「B」を混合し、その後、発泡性の混合物を処理する。
【0020】
加えて、成分「A」および「B」を別々にエアロゾル缶に組み込み、貯蔵し、適切なデバイスにより混合し、発泡性混合物として缶から排出することができることが知られている。2成分系は、混合デバイスを備えた多成分コンテナを利用することができ、ここで、缶の内容物全体を1回で処理すべきである。それというのも、成分「A」および「B」の混合物は、貯蔵できないためである。
【0021】
本発明の一態様では、殺虫剤を含有する本質的に独立気泡で少なくとも半硬質の2成分ポリウレタンフォームを製造する。硬化フォームは好ましくは、昆虫侵襲に対するバリアとして作用する少なくとも2lb/ftの密度を有する。
【0022】
本発明の一態様では、A:Bの重量比は、約0.83:1から約1.23:1、より好ましくは、0.90:1から約1.20:1である。本発明のさらに他の態様では、A:Bの重量比は、約0.95:1から約1.15:1である。本発明のさらに他の態様では、A:B重量比は、約1.00:1から約1.10:1である。比が0.73未満であると、フォームは所望よりも大きく収縮してしまい、比が1.33を超えると、フォームは脆すぎるようになる。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、2成分ポリウレタンフォームは、次の成分を包含する:
「A」成分
(1)ハイドロフルオロカーボンガス、例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン圧縮ガス(RFC 134a)[CAS登録番号811−97−2]などの実質的に非オゾン減少性発泡剤;および
(2)個別に、またはその組合せで使用される4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)[CAS登録番号101−68−8]またはより高級なMDIのオリゴマー(ポリマーMDI)[CAS登録番号9016−87−9]を包含するジイソシアネート
「B」成分
(1)ハイドロフルオロカーボンガス、例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン圧縮ガス(HFC 134a)[CAS登録番号811−97−2]などの実質的に非オゾン減少性発泡剤;
(2)官能性約2.2の少なくとも1種のポリオール、より好ましくは、異なる官能性の少なくとも2種のポリオール(ここで、少なくとも1種の第1ポリオールは、より低い官能性(例えば約2.2)のポリエスエルポリオールであり、少なくとも1種の第2ポリオールは、より高い官能性(例えば約4.0以上)のポリエーテルポリオールである)、最も好ましくは、異なる官能性の少なくとも3種のポリオール(ここで、少なくとも1種の第3ポリオールは約3.0以上の官能性を有する);
(3)少なくとも1種の希釈剤/難燃剤;
(4)少なくとも1種の界面活性剤;
(5)少なくとも1種の触媒;および
(6)少なくとも1種の農薬。
【0024】
場合によって、本発明は、硬質または半硬質フォームを製造する際に使用するために適した加工助剤を包含する。説明的な実施例に伴う各カテゴリーの非限定的な記載は、少なくとも次を包含する。
【0025】
本出願で使用される場合、「約」との用語は、該当するパラメーターを算出するために典型的に使用される分析技術を使用しての任意の測定に固有の実験誤差および機器誤差の両方の組合せを意味している。
【0026】
ポリオール組成物
本出願で使用される場合、「ポリオール」との用語は、ヒドロキシル、チオールおよび/またはアミン官能基を有するポリオールを包含する。しかしながら、本明細書で使用される場合の「ポリオール」との用語は、少なくとも複数のポリエステルまたはポリオキシアルキレン基を含有し、約300以上および約4000以下の数平均分子量を有する化合物に限られる。「ポリオール」との語は、ポリヒドロキシル官能性部分を定義することを意味する。
【0027】
ポリアルキレンポリエーテルポリオールは通常、アルキレンオキシドを多価アミンで重合することにより調製することができる。エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミレンオキシドおよびこれらのオキシドの混合物などの任意の適切なアルキレンオキシドを使用することができる。ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールは、テトラヒドロフランおよびアルキレンオキシド−テトラヒドロフラン混合物などの他の出発物質;エピクロロヒドリンなどのエピハロヒドリン;さらに、スチレンオキシドなどのアルアルキレンオキシドなどから調製することができる。
【0028】
ポリエーテルポリオールには、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシブチレンポリオール、ポリテトラメチレンポリオールおよびブロックコポリマー、例えば、ポリオキシプロピレンおよびポリオキシエチレン、ポリ−1,2−オキシブチレンおよびポリオキシエチレンポリオール、ポリ−1,4−テトラメチレンおよびポリオキシエチレンポリオールの組合せならびに2種以上のアルキレンオキシドのブレンドまたは連続添加から調製されるコポリマーポリオールが包含される。アルキレンオキシドを開始剤に個々に、相互に連続して加えて、ブロックを形成するか、または混合して、異方性ポリエーテルを形成することができる。ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールは、第1級または第2級ヒドロキシル基を有してよい。第1級または第2級ヒドロキシル基を有するアミン開始ポリオールでは、アミン開始ポリオールは、末端ブロックとしての例えばプロピレンオキシドの付加を介して第2級ヒドロキシル基で終了しているポリエーテルポリオールである。適切な市販のポリエーテルポリオールの例には、Dow Chemical社製のポリグリコールE400、E600、E1000、P2000、P4000、P241、D350、Poly G(登録商標)30−168およびPoly G(登録商標)20−112が包含される。本発明の一態様では、これらのポリオールを単独で使用することができるか、または望ましい場合には、粘度、架橋密度および/または寸法安定性を変更するために、これらのポリオールの混合物を使用することができる。
【0029】
使用することができるポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールの他の例には、グリセリン、ポリアルキレンオキシドジオールまたはトリオール、トリメチロールプロパン開始ポリアルキレンオキシドポリオール、脂肪族アミノポリオール、ソルビトールグリコールプロポキシレート、スクロースポリアルキレンオキシドポリオール、BASF社製のPluracol(登録商標)SG−360を包含するスクロース−グリセリンポリアルキレンオキシドポリオール、芳香族アミン開始ポリアルキレンオキシドポリオール、ペンタエリトリトールベースのポリオールおよびこれらの混合物が包含される。
【0030】
適切なポリエステルポリオールには、ポリカルボン酸および多価アルコールに由来するものが包含される。シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、タプシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、α−ヒドロムコン酸、β−ヒドロムコン酸、α−ブチル−α−エチル−グルタル酸、α,β−ジエチルコハク酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ヘミメリト酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの適切なポリカルボン酸を使用することができる。エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、ヒドロキノン、レソルシノール、グリセロール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、α−メチルグルコシド、スクロースおよびソルビトールなどの適切な多価アルコールを使用することができる。また、「多価アルコール」との用語には、ビスフェノールAとして一般に知られている2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンなどのフェノールに由来する化合物が包含される。ポリエステルポリオールはまた、ジメチルテレフタレート、無水フタル酸またはポリエチレンテレフタレートに由来してもよい。適切な市販のポリエステルポリオールの例には、Invista社製のTerate(登録商標)3520、4020、4026およびOxid L.P.社製のTerol(登録商標)352などが包含される。
【0031】
生じる合成フォームが独立気泡フォーム(>90%)であるならば、上記の例示的なポリオールを単独で、または下記で検討する通りに組み合わせて使用することができる。上記の独立気泡パーセンテージに加えて、1.2以下のA/B比および15以上の圧縮強度を有するフォームを製造する際には、平均官能性約2.2を有するポリエステルテレフタレートポリオールの使用が有効であることが判明している。
【0032】
ポリオールブレンド組成物
硬化硬質ポリウレタンフォームの物理的特性は、「B」サイド配合物中で使用されているポリオールの組合せに多大に依存している。ASTM C1029−08が、噴霧施与されるポリウレタンフォームに必要とされる最低物理的特性を定義する基準である。適正な市販品の利用のためにより必須の特性の1つは、寸法安定性である。基材に施与されたら、収縮は所定の表面の被覆範囲に間隙をもたらして、フォームの目的を挫折させるので、フォームは任意の有意な程度までしか収縮してはならない。ASTM C 1029−08に指定されている2つの決定的特性は、寸法安定性と圧縮強度であり、これらは両方とも、ポリオールパッケージを適正に選択することで達成される。
【0033】
ポリエステルポリオールは典型的には、ポリエーテルよりも元々立体的に硬質であり、また、ポリマー主鎖中のカルボニル基によりより極性である。高いポリエステルポリオール含分を有するフォームは、より高い圧縮強度を有する傾向がある。
【0034】
ポリエーテルポリオールは、エーテル結合を介してより柔軟な主鎖を有する。これらのフォームは、より低い圧縮強度を有する傾向がある。
【0035】
低い官能性のポリオール、例えば、官能性約2.0を有するポリオールは、三次元共有結合を促進しない。これらのフォームは、特に、極端な環境温度下では(典型的には、40°F未満または100°F超)では、十分な三次元共有結合を伴わずに(即ち、適切な架橋密度を伴わずに)より大きく収縮する傾向がある。より高い官能性のポリオール(即ち、2.0を超える官能性を有するポリオール)は、より高い架橋密度を促進して、フォームは圧縮強度を増して、より寸法的に安定する。
【0036】
しかしながら、高すぎる架橋密度は、脆いフォームをもたらし、これは、それらが噴霧および施与されている基材上での天候誘発膨張および基材収縮と適応し得ない。より低い当量は、より高い圧縮強度およびより良好な寸法安定性(架橋間の距離が短い)を促進する一方で、高い当量は、圧縮強度および寸法安定性を低下させる傾向(架橋間の距離が長い)がある。
【0037】
適正に膨張して、硬化後に環境誘発応力に適応するのに十分な柔軟性を維持することはできるが、収縮に耐えるのに十分な強度は有するバランスが、フォームにおいて達成されるべきである。
【0038】
本発明の一態様は、少なくとも1種の硬質芳香族ポリエーテル主鎖ポリオール(官能性約4.4)と、少なくとも1種のポリエステルポリオール(官能性約2.2)と、少なくとも1種の全て第2級基を含有するポリエーテルポリオール(官能性約3.0)とを組み合わせたポリオールブレンドを使用し、この際、前記少なくとも3種のポリオールを約6:6:1の好ましい重量比で「B」サイド組成物中で組み合わせる。本発明の一態様は、官能性約4.0から約4.4を有するポリオールを約2.2の官能性を有するポリエステルポリオールと、ほぼ等しい重量比でブレンドする必要性の認識にあるが、ただし、±30%ほど変動しても、官能性約3.0を有するポリオール少なくとも2〜6%と組み合わせれば、本発明の要求を満たす機能性ポリウレタンが生じると考えられる。
【0039】
3種のポリオールの組合せを上記したが、本発明はこのようなものに限られず、所定の用途に有効な2種のポリオールの組合せも発見されている。特に、平均官能性約2.2を有するポリエステルテレフタレートポリオールと、約4(好ましくは、約4.0〜4.5)を超える平均官能性を有するスクロース/グリセリン(30/70)との組合せは、1.2以下のA/B比、15psi以上の圧縮強度および90%以上の独立気泡組成を有するフォームを製造する際に有効である。
【0040】
ジイソシアネート組成
2種以上のイソシアネート官能性を有すると定義される適切な有機ポリイソシアネートは、慣用の脂肪族、シクロ脂肪族、アリール脂肪族および芳香族イソシアネートである。具体的な例には、1,12−ドデカンジイソシアネート、2−エチルテトラメチレン1,4−ジイソシアネート、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、2−エチル−2−ブチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチレン1,4−ジイソシアネートなどのアルキレンラジカル中に4〜12個の炭素を有するアルキレンジイソシアネート;シクロヘキサン1,3−ジイソシアネートおよび1,4−ジイソシアネートならびにこれらの異性体の任意の所望の混合物、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4−ヘキサヒドロトリレンジイソシアネートおよび2,6−ヘキサヒドロトリレンジイソシアネートならびに対応する異性体混合物、4,4’−ジシクロメタンジイソシアネートおよび2,4’−ジシクロメタンジイソシアネートおよび2,2’−ジシクロメタンジイソシアネートならびに対応する異性体混合物などの脂環式ジイソシアネート、好ましくは、芳香族ジ−およびポリイソシアネート、例えば、2,4−トリレンジイソシアネートおよび2,6−トリレンジイソシアネートならびに対応する異性体混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよび2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよび2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ならびにポリフェニル−ポリメチレンポリイソシアネート(粗製MDI)および粗製MDIの混合物、ならびに、トリレンジイソシアネートが包含される。有機ジ−およびポリイソシアネートは個別に、または混合物の形態で使用することができる。
【0041】
発泡剤
様々な発泡剤が、本発明で使用するために適し得る。本発明の一態様では、発泡剤は、単独か、または他の非オゾン減少性発泡剤と組み合わせた非オゾン減少性発泡剤であってよい。本発明の他の態様では、組成物中においてその少なくとも大部分が非オゾン減少性である発泡剤の組合せを使用することができる。本発明の好ましい実施形態では、使用される発泡剤の量は、組成物中で使用される全ての原料の重量に対して、配合物の「A」成分中では少なくとも5重量%および配合物の「B」成分中では少なくとも15重量%である。発泡剤の特定の量は、フォーム生成物の所望の密度に一部左右される。
【0042】
主要な量で存在する場合に本発明の教示で有用な適切な過フッ素化炭化水素、ヒドロフルオロ炭素(HFC)およびフッ素化エーテルには、ジフルオロメタン(HFC−32);1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a);1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134);1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a);1,2−ジフルオロエタン(HFC−142);トリフルオロメタン;ヘプタフルオロプロパン;1,1,1−トリフルオロエタン;1,1,2−トリフルオロエタン;1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa);1,1,1,3−テトラフルオロプロパン;1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−n−ブタン;1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea);ヘキサフルオロシクロプロパン(C−216);オクタフルオロシクロブタン(C−318);ペルフルオロテトラヒドロフラン;ペルフルオロアルキルテトラヒドロフラン;ペルフルオロフラン;ペルフルオロプロパン;ペルフルオロブタン;ペルフルオロシクロブタン;ペルフルオロペンタン;ペルフルオロシクロペンタン;ペルフルオロヘキサン;ペルフルオロシクロヘキサン;ペルフルオロヘプタン;ペルフルオロオクタン;ペルフルオロジエチルエーテル;ペルフルオロジプロピルエーテル;およびペルフルオロエチルプロピルエーテルが包含される。本発明の一態様では、HFC発泡剤は、HFC−134aである。
【0043】
少量で存在する場合の適切な発泡剤には、1−クロロ−1,2−ジフルオロエタン;1−クロロ−2,2−ジフルオロエタン(142a);1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(142b);1−クロロ−1,1,2−トリフルオロエタン;1−クロロ−1,2,2−トリフルオロエタン;1,1−ジクロロ−1,2−ジフルオロエタン;1−クロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(124a);1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(124);1,1−ジクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン;1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(123a);モノクロロジフルオロメタン(HCFC−22);1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−133a);gem−クロロフルオロエチレン(R−1131a);クロロヘプタフルオロプロパン(HCFC−217);クロロジフルオロエチレン(HCFC−1122);およびトランス−クロロフルオロエチレン(HCFC−1131)ならびにプロパン、イソプロパン、ブタンおよびその異性体、ペンタンおよびその異性体、およびヘキサンおよびその異性体などの様々な低沸点炭化水素が包含される。
【0044】
追加の発泡剤を、先行して列挙した発泡剤の他に使用することができ、これには、イソシアネートまたは他の配合物成分と化学的に反応して、発泡のためのガスを放出する化学的に活性な発泡剤および発熱発泡温度以下で気体であり、発泡ガスを得るためにフォーム成分と化学的に反応する必要のない物理的に活性な発泡剤が包含される。
【0045】
化学的に活性な発泡剤の例は優先的には、イソシアネートと反応して、COなどのガスを放出するものである。適切な化学的に活性な発泡剤には、これらに限られないが、水、モノ−およびポリカルボン酸、これらの酸の塩および第3級アルコールが包含される。
【0046】
本発明の一態様では、水を発泡剤として使用することができる。水は有機イソシアネートと反応して、実際に発泡剤であるCOガスを放出する。しかしながら、水はイソシアネート基を消費するので、当モルよりも過剰のイソシアネートを、消費されるイソシアネートを補償するために使用しなければならない。水は典型的には、副生成物としてポリオール中に少量存在し、化学的に活性な物質から所望の発泡を得るのに十分であり得る。また、水をポリオール組成物から追加的に導入し得ることも理解される。
【0047】
本発明の一態様では、水は、「B」サイド成分に対して約0.50から約10重量パーセンテージの濃度で存在してよい。本発明のさらに他の態様では、「B」サイド成分に対して約1.0から約5.0重量パーセンテージで水は存在する。地方自治体の規制が、発泡剤またはそのブレンドの選択を指定することがあることが理解される。配合物中の水は、密度調節剤としてのみ役立つ。これは、収量にはプラスおよび他の物理的特性にはマイナスの影響を及ぼす。追加の水を「B」サイド配合物に加えると、フォームはより多くの開放気泡含分を展開し、硬質ポリウレタンフォームの望ましい特性を失うであろう。
【0048】
触媒
触媒は、配合物の「B」成分で使用することができる。これらの触媒は、ヒドロキシル基を含有する化合物と改質または未改質ポリイソシアネートとの反応を促進し、金属塩触媒を包含する。金属塩触媒は、反応の過剰な熱に加えて、残基イソシアネートをそれ自体と反応させて、安定なイソシアヌレート官能性を形成する。金属塩触媒は典型的には、ナトリウム塩、カリウム塩またはその混合物を包含する有機酸のアルカリ金属塩である。金属塩触媒は、約0.05から10重量パーセント存在してよい。市販の金属塩触媒の例には、Air Products社製のDabco(登録商標)K−15およびPolycat(登録商標)46などが包含される。
【0049】
上記で引用した成分に加えて、「B」成分はまた、追加の触媒を包含し得る。本発明の一態様では、Bサイド成分はまた、少なくとも1種のアミン触媒を包含し得る。アミン触媒には、脂肪族第3級アミン、N−置換モルホリンまたはN,N’−置換ピペラジンが包含され得る。同様の例には、トリエチルアミン、3−メトキシプロピルジメチルアミン、トリエチレンジアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N−メチル、N−エチル−、およびN−シクロヘキシルモルホリン、N,N−ジモルホリネオジエチルエーテル、N,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルブタンジアミンまたは−ヘキサンジアミン、N,N,N’−トリメチルイソプロピルプロピレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルジアリノエチルエーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)尿素、ジメチルピペルザイン、1−メチル−4−ジメチルアミノエチピペルザイン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−アザビシクロ[3.3.0]オクタンおよび好ましくは、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンならびにトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチル−およびN−エチルジエタノールアミンおよびジメチルエタノールアミンなどのアルカノールアミン化合物が包含される。市販のアミン触媒には、Air Products社製のPolycat(登録商標)5、Polycat(登録商標)8、Polycat(登録商標)11およびDabco(登録商標)BL−11が包含される。他のアミン触媒を使用することもできる。アミン触媒は、配合物の「B」成分に対して、約1.0から約5.0重量パーセンテージ存在してよい。
【0050】
本発明の別の実施形態では、上記で列挙した触媒と組み合わせて、またはその代替物として、金属有機触媒を包含する他の触媒が、配合物の「B」成分に存在してよい。これらの金属有機触媒の例には、ジブチルスズジラウレート、ジラウリルスズジクロリド、オクタン酸カリウム、ナフテン酸コバルトおよびナフテン酸ニッケルが包含される。これらの触媒を単独で、または任意のその2種以上の混合物の形態で使用することができる。
【0051】
希釈剤/難燃剤
少なくとも1種の希釈剤を反応混合物に組み込んで、混合物の粘度を所望のレベルに調節し得ることが有利であることがある。慣用の希釈剤を使用することができるが、リン原子および/またはハロゲン原子を含有するものを使用して、ポリウレタンの難燃性を追加的に高めることが特に有利である。これらの物質はまた、生成物の脆くなる傾向を低下させることができる可塑剤として作用し得る。適切な希釈剤には、トリス(クロロエチル)ホスフェート(TCEP)、トリクレシルホスフェート、トリス−クロロプロピルホスフェート(TCPP)、トリエチルホスフェート(TEP)、ジメチルメチルホスホネート(DMMP)およびジエチルエチルホスホネート(DEEP)が包含される。上記に加えて、クロロパラフィン、ハロホスフィット、リン酸アンモニウムならびにハロゲン含有およびリン含有樹脂を使用することができる。好ましい実施形態では、このような化合物は、配合物の「B」成分の少なくとも20重量%で存在する。本発明の他の実施形態では、リン含有化合物は、配合物の「B」成分の少なくとも35重量パーセンテージで存在する。これは、Iクラス等級を達成する際には重要である。このパラグラフで使用される場合、「ハロゲン」には、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素が包含される。
【0052】
界面活性剤
いずれか1つの操作理論または操作機構に拘束されることはないが、界面活性剤は、出発材料の均一化を促進することができ、また、フォームの気泡構造を調節するために役立ち得る。具体的な例は、シロキサン−オキシアルキレンコポリマーおよび他のオルガノポリシロキサン、オキシエチル化アルキルフェノール、オキシエチル化脂肪族アルコール、アミン(N−ビニル−2−ピロリドンなどの第3級アミンを包含する)、パラフィンオイル、ヒマシ油エステルおよびリシノール酸エステルである。市販の界面活性剤には、Goldschmidt Chemical社製のB−8433およびAir Products社製のDABCO(登録商標)LK(登録商標)−443が包含される。本発明の一態様では、少なくとも1種の界面活性剤を配合物の「B」成分中で利用する。本発明の他の態様では、ポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー界面活性剤およびアニオン有機界面活性剤を配合物の「B」成分中で利用することができる。
【0053】
添加剤
本発明のさらに他の態様では、添加剤もまた、2成分ポリウレタンフォームに組み込むことができる。これらの添加剤の例には、極性調節剤、UV吸収剤、染料、軟化剤、粘度調節剤、レオロジー調節添加剤および抗加水分解剤が包含される。本発明の一態様では、可視スペクトルの青から青紫部分で吸収するポリマー着色剤を配合物の「B」成分中で利用することができる。例えば、Milliken & Company社製のReactint(登録商標)Violet X 80LTなどの着色剤は、非常に低い添加量で黄変に対する保護をもたらすようである。
【0054】
農薬
本発明の他の態様では、2成分ポリウレタンフォームは、硬化すると昆虫侵襲に対するバリアをもたらす農薬を包含する。例えば、農薬は、ピレトロイド農薬である。ピレトロイド殺虫剤の適切な例には、フェンバレレートとして一般に知られているシアノ(3−フェノキシフェニル)メチル4−クロロ−α−(1−メチルエチル)ベンゼンアセテートおよびエスフェンバレレートとして一般に知られているその活性異性体;シペルメトリンとしても知られているシアノ(3−フェノキシフェニル)メチル−3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート;ペルメトリンとして一般に知られている(3−フェノキシフェニル)メチル3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート;フェノトリンとしても知られている(3−フェノキシフェニル)メチル2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート;シフルトリンとして一般に知られているシアノ(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)メチル−3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート;シハロトリンとして一般に知られている[1α,3α,(Z)]−(±)−シアノ−(3−フェノキシシフェニル)メチル,3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート;ラムダ−シハロトリンとしても知られている[1α(S),3α.(Z)]−(±)−シアノ−(3−フェノキシフェニル)メチル,3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート;シフェノトリンとして一般に知られているシアノ(3−フェノキシフェニル)メチル−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート;フルシトリネートとして一般に知られている(RS)−シアノ−(3−フェノキシフェニル)メチル,(S)−4−(ジフルオロメトキシ)−α−(1−メチルエチル)ベンゼンアセテート;トラロメトリンとしても知られているシアノ(3−フェノキシフェニル)メチル,2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシレート;およびビフェントリンとして一般に知られている[1α,3α(Z)]−(±)−(2−メチル[1,1’−ビフェニル]−3−イル)メチル3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが包含される。
【0055】
本発明の一態様では、農薬を、1種の溶媒または溶媒混合物中で提供することができる。適切な溶媒および溶媒混合物には、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素およびアルキルビフェニルが包含され得る。脂肪族炭化水素の例には、留出燃料油およびミネラルスピリットが包含される。適切な芳香族炭化水素には、トルエン、エチルベンゼンおよびキシレンなどのアルキルベンゼンが包含される。適切なアルキルビフェニルには、ビス(1−メチルエチル)−1,1’−ビフェニルおよびジイソプロピルビフェニル化合物が包含される。
【0056】
処理
助剤および添加剤を伴うか、伴わないイソシアネート基を含有するプレポリマーと発泡剤との貯蔵安定で発泡性の混合物は例えば、バルクで圧力ケトル中で調製し、次いで、様々なサイズの適切なコンテナ、例えば、0.25から5リットル容量のエアロゾル缶または工業目的で通常は使用されるようなものなどの50から100リットル容量の圧力容器にパッケージングすることができる。しかしながらまた、イソシアネート基を含有するプレポリマーを、ポリイソシアネートおよび窒素含有ポリオールまたはポリオール混合物から、適切な圧力容器中で直接、発泡剤の存在下に調製するか、または発泡剤を後で圧力容器に導入することもできる。
【0057】
寸法安定な2成分ポリウレタンフォームを調製するためには、助剤および添加剤を伴うか、または伴わないイソシアネート基を含有するプレポリマーと発泡剤とからなる圧力下の貯蔵安定な混合物を、適切なデバイス、例えばバルブを用いて、大気圧にする。
【0058】
下記の実施例は、2成分ポリウレタンフォームの成分、さらに量を説明しているが、これらの実施例は、本発明の範囲を制限するものとは解釈されない。下記の実施例ならびに他に明細書および請求項で示されていない限り、部およびパーセンテージは全て重量による。
【実施例1】
【0059】
表Iにまとめられている通り、次の組成の2成分ポリウレタンフォームを基本配合物として使用した。重量パーセンテージは、これらの組成の配合物中に固有の正常範囲で示されていると理解される。
【0060】
【表1】

【実施例2】
【0061】
表IIにまとめられている通りに下記のものを含有する、下記の組成の第1ピレトロイド農薬を含有する2成分ポリウレタンフォームを調製した。表Iのポリオールブレンドは、農薬/殺虫剤の添加に適合するように下方調節された希釈剤/難燃剤のパーセンテージを有した。
【0062】
【表2】

【0063】
生じた2成分イソシアヌレートフォーム内に含有される農薬の量は、約0.081%と算出された。生じたフォームの分析により、コース気泡構造(course cell structure)および約87.5%の高い開放気泡含分を有する非常に低い品質のフォームが生じたことが判明した。フォーム密度は約1.24lb/ftであり、これは、所望の範囲の1.75±0.25よりも低かった。
【実施例3】
【0064】
表IIIにまとめられている通りに下記のものを含有する、下記の組成の第2ピレトロイド農薬を含有する2成分ポリウレタンフォームを調製した。表Iのポリオールブレンドは、農薬/殺虫剤の添加に適合するように下方調節された希釈剤/難燃剤のパーセンテージを有した。
【0065】
【表3】

【0066】
生じたフォームの分析により、非常に良好な気泡構造、標準的なフォーム表面外観を有する非常に良好な品質のフォームは、フォーム/厚紙界面において実質的に僅かな空洞および気泡合体を実証したことが判明した。フォーム密度は、約1.91lb/ftであると測定され、約91.6%の独立気泡含分が生じた。室温、−20℃、乾燥70℃および湿潤70℃で行われた寸法安定性試験により、フォームは、1.08のA/B比で−2.96および+1.73未満/超の実質的に少量の収縮または後膨張を実証した。
【0067】
試験結果により、Talstar(登録商標)SFR MUPが、2成分イソシアヌレートフォーム中で利用するのに望ましい農薬であることが示された。しかしながら、貯蔵寿命試験を介して、即ち、50℃で行われた加速劣化試験を介して、Talstar(登録商標)SFR MUP相は放置すると分離することが発見された。コンテナ底部での原料の凝集および沈降が、分与ユニットを周期的に詰まらせた。Talstar(登録商標)SFR MUPのこの相分離により、「A」サイドリッチなフォームが生じた。
【実施例4】
【0068】
表IVにまとめられている通りに下記のものを含有する、下記の組成の第3ピレトロイド農薬を含有する2成分ポリウレタンフォームを調製した。表Iのポリオールブレンドは、農薬/殺虫剤の添加に適合するように下方調節された希釈剤/難燃剤のパーセンテージを有した。Talstar(登録商標)SFT MUP(先行する表で使用された)およびTalstar(登録商標)HEX MUPの組成は両方とも、FMCの商標であるが、2種のピレトロイド農薬のブレンドは別の溶媒系を使用していることを特記する。Talstar(登録商標)HEX MUPは、この耐シロアリフォームにはあまり望ましくないTalstar(登録商標)SFR MUPより親水性である。
【0069】
【表4】

【0070】
生じたフォームの分析により、非常に良好な気泡構造、標準的なフォーム表面外観を有する非常に良好な品質のフォームは、フォーム/厚紙界面において実質的に僅かな空洞および気泡合体を実証したことが判明した。フォーム密度は、約1.84lb/ftであると測定され、約75.4%の独立気泡含分が生じた。室温、−20℃、乾燥70℃および湿潤70℃で行われた寸法安定性試験により、フォームは、0.90のA/B比で70℃で10.93%の収縮を実証することが示された。
【0071】
試験結果により、Talstar(登録商標)HEX MUPは、2成分イソシアヌレートフォームで使用すると、あまり好ましくない結果をもたらすことが示された。詳細には、フォーム密度は許容可能であると思われるが、独立気泡含分が最適未満であり、収縮量が、硬化フォーム中で許容されるよりも高かった。
【実施例5】
【0072】
表Vにまとめられている通りに下記のものを含有する、下記の組成の第4ピレトロイド農薬を含有する2成分ポリウレタンフォームを調製した。表Iのポリオールブレンドは、農薬/殺虫剤の添加に適合するように下方調節された希釈剤/難燃剤のパーセンテージを有した。
【0073】
【表5】

【0074】
生じたフォームの分析により、非常に良好な気泡構造、標準的なフォーム表面外観を有する非常に良好な品質のフォームは、フォーム/厚紙界面において実質的に僅かな空洞および気泡合体を実証したことが判明した。フォームは、±5.0%を超えない体積変化を伴う寸法安定性を有すると決定され、6.7のR値を有した。フォーム密度は、約2.05lb/ftであると測定され、約94.0%の独立気泡含分が生じた。室温、−20℃、乾燥70℃および湿潤70℃で行われた寸法安定性試験により、フォームが±5.0%を超えない体積変化を伴う寸法安定性を有することが示された。配合物は安定な1年貯蔵寿命を有し、経時キットは、生じた硬化プロファイルにおいて実質的な劣化を示さないフォームをもたらした。
【0075】
本発明の少なくとも一態様は、フォームを劣化させないビフェントリン担体の適正な選択を含む。脂肪族炭化水素約13.1重量%、アルキルビフェニル混合物約33.4重量%未満および界面活性剤ブレンド約8重量%未満の組合せが有効である一方で、他の溶媒および/または界面活性剤の組合せも、農薬およびフォーム組成の選択に応じて有効であり得ることが想像される。
【0076】
様々な実施例を、農薬を含有する2成分ポリウレタンフォームの組成に関して上記で提供したが、表VIにまとめられている通りの下記の範囲の物質を利用して他の試料を調製することもできることは、本発明の範囲内と想像される。
【0077】
【表6】

【0078】
加圧噴霧系に由来する硬化ポリウレタン/ポリウレタンフォームの質的、さらに量的に望ましい物理的特性を介して評価される質は、多くの因子により決定される。一般的かつ先行する化学ベースの総説は、粘度、溶解性パラメーターおよび表面燃焼特性を考慮しつつ、希釈剤、難燃剤、界面活性剤、触媒、発泡剤の影響を強調している。
【0079】
許容可能な硬化フォームを製造する際のヒドロキシル含有原料の重要性を説明することが、表VIIに示された試験の目的である。一般に、少なくとも2種(好ましくは3種)で、一般には5種までの異なる反応性のヒドロキシル含有種が「B」サイドブレンド中に存在すれば、これらの加圧系は実施し得る。これらの成分それぞれの重量パーセントが、最終生成物に影響を及ぼす。この主張を実験的に説明するために、先行して述べられたスクリーニング配合物を変更して、7種の異なる配合物にしたが、これらは、2から1種のヒドロキシル含有原料からなる。(TCPP含分は38.2%、Polycat(登録商標)5は1.5%、BaseLine(商標)は2.2%、Milliken Reactint(登録商標)染料は0.1%であった。ポリエーテル/ポリエステルの全重量パーセント成分は52%で一定であった)。
【0080】
【表7】

【0081】
残りの配合は一定である(界面活性剤、触媒、水)。上記で製造した生じたフォームの質的評価を最後の表に示す。流動性またはスランプであるフォームは、垂直または頭上用途での分野では実施不可能であろう。
【0082】
表VIIの合成されたフォームのより詳細な物理的特性を表VIIIにまとめる。
【0083】
【表8】

【0084】
上記の表において、配合物1、2および5は、上記で同定された基準全てに合格して成功していることが分かる。A/B比は、理論的には1.03±0.2であることを目標とした。独立気泡の%は、>90%(AccuPyc 1330)であり、>6.0のR値(翌日測定約8”×8”×1”−Fox 200)ならびにType Iで>15psi(ASTM C1029)およびType IIで>25psi(ASTM D1621)の圧縮強度を伴うことを必要とした。しかしながら、表VIIで証明されている通り、3種のポリオールを「B」サイド配合物中で使用した場合に、表VIIIの欄全てにおいて挙げられた物理的特性の最良の組合せが存在したことは明らかである。
【0085】
本研究は一部において、既存の先行技術とは、機械的輸送系とは逆に使い捨て加圧系を使用することにおいて異なる。本発明はまた、親水性樹脂エマルションとは異なり疎水性樹脂ブレンドを使用し、気泡構造を安定化させるために、発泡のためにアニオン界面活性剤とは異なり表面張力調節ポリシロキサン界面活性剤を使用することを強調する。本発明は、1.0から10.0のイソシアネートと樹脂との重量比とは異なり、理論的1.03から1.00重量比により近い、かなりより有効な比を利用する。
【0086】
広く相違するA/B比、例えば、1:10は、機械的デバイスを介して施与するかどうかに関わらず、維持するのが非常に困難であり、加圧系で実行することは不可能であろうことを念頭におくべきである。加圧系は、1:1に近いA/B比で配合される。不十分な混合もまた、粘度が大きく異なる2成分系では一般的であり、より低い粘度の材料がトンネル化するか、または周囲に流れる。同様に、硬化/乾燥フォームにおける均一性の欠如が広く相違する比では観察され得る。
【0087】
加えて、機械的輸送技術は費用がかかり、複雑で、容易に汚染され、維持および修復が困難である。対照的に、本研究は、持ち運びが可能で、操作が容易で、容器サイズに応じて1から50立法フィートのポリウレタンフォームをどこへでも輸送することができる使い捨て系を提供する。前記技術の利点は、昆虫バリアおよび湿気バリアとして役立ち、エアシールを形成し、建造物の構造的完全性を絶縁し、それを高めるのに役立つ全体を保護する均一なボイド充填系を提供する。
【0088】
本発明は、非水発泡ポリウレタンスプレーフォームである。配合物中の水は密度調節剤としてのみ役立つ。水は、収量にはプラスに、かつ他の物理的特性にはマイナスの影響を及ぼす。フォームは、より多くの開放気泡含分を展開し、硬質ポリウレタンフォームの望ましい特性を失うであろう。非常に少量の噴射剤、例えば0.5%のHFC134aを含有するものなどの先行技術の配合物は、本発明の加圧系から適正に分与することができないであろう。生じたフォームは、オフレシオ(off ratio)でシリンダーから空になるパーセントは低い。
【0089】
多量の水を含有する柔軟なフォーム組成物も一般的であるが、これらのフォームは開放気泡であり、したがって、施与された基材に湿気バリアを提供しない。開放気泡フォームは、水による損傷、腐敗、微生物および昆虫侵襲の予防においては有効ではない。
【0090】
上記の開示を基に、本明細書に記載されている通りの農薬を含有する2成分ポリウレタンフォームが上記の態様を実現することが今や明らかであるはずである。したがって、請求されている本発明の範囲内に該当することが明らかな任意の変法、したがって具体的な成分要素の選択を、本明細書に開示および記載されている本発明の意図から逸脱することなく決定することができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐虫性、非水発泡、独立気泡の2成分ポリウレタンフォームであって、
ジイソシアネート;少なくとも5重量%の「A」サイド発泡剤を含む「A」サイド組成物;
2.2以上の官能性を有する芳香族ポリエステルを含む少なくとも1種のポリオール;少なくとも15重量%の「B」サイド発泡剤;少なくとも1種の希釈剤;少なくとも1種のアニオン界面活性剤;少なくとも1種のピレトロイド農薬を含む「B」サイド疎水性樹脂ブレンド組成物
を含み、
前記硬化ポリウレタンフォームは約2.0lb/ft以上のフォーム密度を有し、
前記「A」組成物と前記「B」組成物との重量比は、0.9:1以上から1.20:1以下の範囲であるフォーム。
【請求項2】
前記少なくとも1種のポリオールが、4以上の官能性を有する硬質ポリエーテルポリオールをさらに含む、請求項1に記載のフォーム。
【請求項3】
前記少なくとも1種のポリオールが、3以上の官能性を有するポリエーテルポリオールをさらに含む、請求項2に記載のフォーム。
【請求項4】
前記「B」サイド発泡剤が水0.1〜2重量%をさらに含む、請求項3に記載のフォーム。
【請求項5】
独立気泡パーセンテージが90%以上である、請求項1に記載のフォーム。
【請求項6】
前記フォームのR値が約6.0以上である、請求項5に記載のフォーム。
【請求項7】
前記フォームの圧縮強度が約15psi以上である、請求項6に記載のフォーム。
【請求項8】
前記フォームの前記圧縮強度が、約20psi以上である、請求項7に記載のフォーム。
【請求項9】
染料をさらに含む、請求項1に記載のフォーム。
【請求項10】
前記希釈剤が、少なくとも1個のリン原子を含有する化合物を含む、請求項1に記載のフォーム。
【請求項11】
前記希釈剤が、少なくとも1個のハロゲン原子を含有する化合物を含む、請求項1に記載のフォーム。
【請求項12】
前記少なくとも1個のハロゲン原子が塩素である、請求項11に記載のフォーム。
【請求項13】
前記希釈剤が少なくとも1個のリン原子および少なくとも1個の塩素原子を含む、請求項1に記載のフォーム。
【請求項14】
前記ピレトロイド農薬がビフェントリンである、請求項1に記載のフォーム。
【請求項15】
耐虫性、非水発泡、独立気泡の2成分ポリウレタンフォームであって、
ポリマーメチレンジイソシアネート;少なくとも5重量%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン「A」サイド発泡剤を含む「A」サイド組成物;
2.2以上の官能性を有する芳香族ポリエステルを含む少なくとも1種のフタレートベースの本質的に直鎖のポリオール;少なくとも15重量%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン「B」サイド発泡剤;ホスフェート難燃剤希釈剤;ポリエーテルベースのポリジメチルシロキサンコポリマーフォーム安定剤;ピレトロイド農薬を含む「B」サイド疎水性樹脂ブレンド組成物
を含み、
前記硬化ポリウレタンフォームは約2.0lb/ft以上のフォーム密度を有し、
前記「A」組成物と前記「B」組成物との重量比は、1.03:1以上から1.20:1以下の範囲であり、
前記硬化ポリウレタンフォームは90%以上の独立気泡含分を有するフォーム。
【請求項16】
前記少なくとも1種のポリオールが4以上の官能性を有する硬質ポリエーテルポリオールをさらに含む、請求項15に記載のフォーム。
【請求項17】
前記少なくとも1種のポリオールが3以上の官能性を有するポリエーテルトリオールをさらに含む、請求項16に記載のフォーム。
【請求項18】
耐虫性、非水発泡、独立気泡の2成分ポリウレタンフォームであって、
ポリマーメチレンジイソシアネート;少なくとも5重量%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン「A」サイド発泡剤を含む「A」サイド組成物;
2.2以上の官能性を有する芳香族ポリエステルを含む少なくとも1種のフタレートベースの本質的に直鎖のポリオール;4以上の官能性を有する少なくとも1種の硬質ポリエーテルポリオール;3に等しい官能性を有する少なくとも1種のポリエーテルトリオール;少なくとも15重量%の1,1,1,2−テトラフルオロエタン「B」サイド発泡剤;ホスフェート難燃剤;ピレトロイド農薬;アニオン界面活性剤;ポリエーテルベースのポリジメチルシロキサンコポリマーフォーム安定剤を含む「B」サイド疎水性樹脂ブレンド組成物
を含み、
前記硬化ポリウレタンフォームは約2.0lb/ft以上のフォーム密度を有し、
前記「A」組成物と前記「B」組成物との重量比は、1.03:1以上から1.20:1以下の範囲であり、
前記硬化ポリウレタンフォームが90%以上の独立気泡含分を有し、
前記硬化ポリウレタンフォームが15psi以上の圧縮強度を有するフォーム。
【請求項19】
2.2以上の官能性を有する芳香族ポリエステルを含む前記少なくとも1種のフタレートベースの本質的に直鎖のポリオールが、芳香族フタレート由来ポリエステルポリオールであり、
4以上の官能性を有する前記少なくとも1種の硬質ポリエーテルポリオールがスクロースベースのポリオール/グリセリンであり、
3に等しい官能性を有する前記少なくとも1種のポリエーテルトリオールがグリセリンベースのポリエーテルポリオールである、請求項18に記載のフォーム。
【請求項20】
前記フタレートベースのポリオール:前記スクロースベースのポリオール:前記ポリエーテルポリオールの重量比が約6:6:1である、請求項19に記載のフォーム。

【公表番号】特表2011−516639(P2011−516639A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502104(P2011−502104)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/038579
【国際公開番号】WO2009/120971
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(510256584)エフオーエムオー、プロダクツ、インク (1)
【Fターム(参考)】