説明

耐震壁構造

【課題】耐震パネル間の接合部の強度を確保することで、耐震性能の向上を図ることができるとともに、施工の簡略化を図る。
【解決手段】耐震壁構造1は、構面内で縦横に積層するようにして配置された耐震パネル4、4、…と、隣接する耐震パネル4の角部どうしの間に挟持された状態で介在された接合部材5とを備えている。接合部材5は、耐震パネル4の横方向側の側面に沿って配される縦材51と、耐震パネル4の上下方向側の側面に沿って配される横材52とが一体に形成されてなり、縦材51が耐震パネル4と同等の、又はそれより大きな剛性及び強度を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の柱と梁で囲まれた構面内に築造される耐震壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の耐震補強として、柱と梁に囲まれた構面内に耐震壁を構築し、建物の保有水平耐力の増大を図ることが行われており、繊維強化プラスチック(FRP)やコンクリートブロック等からなる耐震パネルを積層させた耐震壁工法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、壁面を形成する平板部とその平板部の周縁部に設けられたフランジ部とからなるFRPの耐震エレメント(耐震パネル)を縦横に積層させて配置させ、互いに隣接する耐震エレメントをそれぞれのフランジ部どうしを接着剤などで接着することで一体に結合される工法について開示したものである。
【特許文献1】特開平7−150655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の耐震壁構造では、以下のような問題があった。
すなわち、耐震パネルどうしを結合する際の接着作業は、一般的に現場での施工となることから、施工条件や養生条件によっては接着剤の塗り厚や接着強度にばらつきが生じたり、長期的には接着剤の経年劣化が生じるという欠点があった。また、耐震パネル自体の強度が高い場合には、接着部分の強度が耐震パネルの強度を下回り、耐震パネルに作用する水平力によって接着剤が厚さ方向に潰れてしまうといった不具合が発生するおそれがあり、耐震パネル同士の力の伝達が不十分となり、耐震壁としての性能を十分に発揮できない問題があり、その点で改良の余地があった。
また、接着剤によって耐震パネルどうしを連結する施工では、養生時間が必要となることから、施工にかかる時間が長くなるという問題があった。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、耐震パネル間の接合部の強度を確保することで、耐震性能の向上を図ることができる耐震壁構造を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、施工の簡略化を図ることができる耐震壁構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る耐震壁構造では、構造物の柱と梁で囲まれた構面内で築造される耐震壁構造であって、構面内で縦横に積層するようにして配置された耐震パネルと、隣接する耐震パネルの角部どうしの間に挟持された状態で介在された接合部材とを備え、接合部材は、耐震パネルの横方向側の側面に沿って配される縦材と、耐震パネルの上下方向側の側面に沿って配される横材とが一体に形成されてなり、縦材及び横材が耐震パネルと同等の、又はそれより大きな剛性及び強度を有していることを特徴としている。
【0006】
また、本発明に係る耐震壁構造では、構造物の柱と梁で囲まれた構面内で築造される耐震壁構造であって、構面内で縦横に積層するようにして配置された耐震パネルと、隣接する耐震パネルの角部どうしの間に挟持された状態で介在された接合部材とを備え、接合部材は、耐震パネルの横方向側の側面に沿って配される縦材と、耐震パネルの上下方向側の側面に沿って配される横材とが一体に形成されてなり、縦材及び横材が耐震パネルと同等の、又はそれより大きな剛性及び強度となるように補強されていることを特徴としている。
【0007】
本発明では、隣接する耐震パネルどうしの間において縦材と横材が一体に形成された接合部材を挟持させているので、各耐震パネルの上下方向及び横方向への移動が規制され、構面内で複数の耐震パネルどうしを互いに保持させた状態で連結させることができる。また、耐震パネルから水平方向の力を受ける縦材は、横材と一体に形成されるとともに、耐震パネルの側面に対して面接触した状態となり、さらに耐震パネルの剛性と同等の、又はそれより大きい剛性を有する高強度部材であり、又は耐震パネルの剛性と同等の、又はそれより大きい剛性となるように例えば補強リブなどで補強されているので、縦材が潰れたり破壊されることを抑制することができる。そのため、耐震パネルどうし間に作用する水平力を接合部材を介して確実に伝達させることができ、応力伝達力の向上を図ることができる。
【0008】
また、本発明に係る耐震壁構造では、接合部材は、縦材と横材とが交差した十字形状をなしていることが好ましい。
本発明では、縦横に配置される4つの耐震パネルどうしの角部のみに十字形状の接合部材を配置させればよい構成であることから、接合部材の大きさを小さくすることができ、施工の簡略化を図ることができる。
【0009】
また、本発明に係る耐震壁構造では、耐震パネルには、接合部材を係合させる切欠部が形成され、切欠部に係合された接合部材が、隣接する耐震パネルに接していることが好ましい。
本発明では、切欠部に接合部材を収容させるようにして係合させることで、耐震パネルどうしの間の隙間部を小さくすることができ、又は無くすことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の耐震壁構造によれば、耐震パネルから水平方向の力を受ける縦材の剛性及び強度が、耐震パネルに対して同等以上に確保されることから、耐震パネルどうし間に作用する水平力を接合部材を介して確実に伝達させることが可能となり、耐震パネルどうし間を接着剤を使用して結合する従来構造と比べて、設置時における施工条件や経年劣化などによる品質のばらつきが少なくなり、応力伝達力の向上が図れるので、耐震パネル間の接合部の強度を確保することができ、耐震性能を向上させることができる。
また、本発明の耐震壁構造によれば、接着によって耐震パネルどうしを結合する構成ではないので、養生が不要となり、施工を簡略化させることができ、施工時間の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施の形態による耐震壁構造について、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態による耐震壁構造を示す立面図、図2は図1に示す耐震壁構造の部分拡大図、図3は第1接合部材の斜視図、図4は第2接合部材の斜視図である。
【0012】
図1に示すように、本第1の実施の形態による耐震壁構造1は、構造物の柱と梁で囲まれた空間内に設けられて構造物の耐震性を向上させるための構造である。すなわち、耐震壁構造1は、構造物の柱2、2と梁3、3で囲まれた矩形状の空間(構面R内)に設けられ、この空間を塞ぐようにして縦横(上下方向および横方向)に積層された複数の耐震パネル4、4、…と、隣接する耐震パネル4、4どうし、及び耐震パネル4と構面Rを形成する周辺躯体(柱2および梁3)との間に挟持された状態で介在される接合部材5とからなる。
【0013】
図2に示すように、耐震パネル4は、繊維強化プラスチック(FRP)などの高剛性を有する部材からなり、構面Rの大きさに合わせて適宜数(本実施の形態では縦方向に4列、横方向に4列を配置した16個)を配置可能な大きさに形成されている。すなわち、各耐震パネル4は、側面視で矩形状をなす平板状のパネル本体41と、そのパネル本体41の四辺を囲う枠部材42とから一体となるようにユニット化させた構造となっている。耐震パネル4、4どうしの間、及び耐震パネル4と周辺躯体(柱2、梁3)との間には、接合部材5(後述する平板状をなす縦材51と横材52)の厚さ寸法に相当する隙間部Sが形成されている。そして、これら耐震パネル4、4、…は、構面R内に配置された状態でそれぞれのパネル本体41が面一となっている。
【0014】
ここで、本第1の実施の形態では、接合部材5において、耐震パネル4、4、…どうしの間に介在されるものを第1接合部材5Aとし、耐震パネル4と周辺躯体(柱2および梁3)との間に介在されるものを第2接合部材5Bとする。
【0015】
図2乃至図4に示すように、第1接合部材5A及び第2接合部材5Bは、耐震パネル4の横方向側の側面に沿って配される平板状の縦材51(51a、51b)と、耐震パネル4の上下方向側の側面に沿って配される平板状の横材52(52a、52b)とが一体に形成された形状となっている。縦材51及び横材52は、耐震パネル4と同等の、又はそれより大きな剛性及び強度を有する部材からなる。すなわち、縦材51の平面部5aが耐震パネル4の横方向の側面4aに面接触し、横材52の平面部5bが耐震パネル4の上下方向の側面4b(上面、下面)に面接触する構成となっている。なお、以下の説明では、必要に応じて縦材51及び横材52において、接合部材5A、5Bに対応した符号a、b、…を付けて説明する。
【0016】
第1接合部材5Aは、隣接する耐震パネル4、4、…の角部どうしの間に挟持され、縦材51aと横材52aとが十字形状となるように交差した形状をなし、耐震パネル4に対して接した状態で保持されている。
【0017】
図1に示すように、第2接合部材5Bは、周辺躯体(構面Rの周面)に沿って設けられるので、耐震パネル4に合わせて適宜な形状をなしている。例えば、図2及び図4に示す第2接合部材5Bは、梁3と耐震パネル4との間に介在される横材52bと、その横材52bの一端面の長手方向両側に縦材51b、51bを設けた形状となっている。
そして、第2接合部材5Bは、周辺躯体(柱2および梁3)に対して、例えば柱2及び梁3に図示しないシアキー(凸状部)を形成しておき、そのシアキーに係合させる構造により固定され、耐震パネル4に対しては第1接合部材5Aと同様に接した状態で保持されている。
【0018】
次に、本第1の実施の形態による耐震壁構造1の作用について図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、隣接する耐震パネル4、4、…どうしの間において縦材51と横材52とから一体に形成された接合部材5を挟持させているので、各耐震パネル4の上下方向及び横方向への移動が規制され、構面R内で複数の耐震パネル4、4、…どうしを互いに保持させた状態で連結させることができる。
また、耐震パネル4から水平方向の力を受ける縦材51は、横材52と一体に形成されるとともに、縦材51の平面部5a(図3参照)が耐震パネル4の側面4aに対して面接触した状態となり、さらに耐震パネル4の剛性と同等の、又はそれより大きい剛性を有する高強度部材であるので、縦材51が潰れたり破壊されることを抑制することができる。そのため、耐震パネル4、4どうし間に作用する水平力を第1接合部材5A及び第2接合部材5Bを介して確実に伝達させることができ、応力伝達力の向上を図ることができる。
【0019】
また、縦横に配置される4つの耐震パネル4、4、…どうしの角部のみに十字形状の第1接合部材5Aを配置させればよい構成であることから、部材の大きさを小さくすることができ、施工の簡略化を図ることができる。
【0020】
上述のように本第1の実施の形態による耐震壁構造では、耐震パネル4から水平方向の力を受ける縦材51の剛性及び強度が、耐震パネル4に対して同等以上に確保されることから、耐震パネル4、4どうし間に作用する水平力を接合部材5を介して確実に伝達させることが可能となり、耐震パネル4、4どうし間を接着剤を使用して結合する従来構造と比べて、設置時における施工条件や経年劣化などによる品質のばらつきが少なくなり、応力伝達力の向上が図れるので、耐震パネル4、4間の接合部の強度を確保することができ、耐震性能を向上させることができる。
また、本第1の実施の形態による耐震壁構造1では、接着によって耐震パネル4、4どうしを結合する構成ではないので、養生が不要となり、施工を簡略化させることができ、施工時間の短縮を図ることができる。
【0021】
次に、他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
図5は第1の実施の形態の変形例による耐震壁構造を示す部分拡大図である。
【0022】
図5に示すように、第1の実施の形態の変形例(第1変形例)では、耐震パネル4、4どうしの間、及び耐震パネル4と周辺躯体(図1に示す柱2および梁3)との間に隙間部S(図2参照)を設けない構成となっている。すなわち、耐震パネル4は、接合部材5を挟持させる部分に切欠部4cが形成されており、その切欠部4cに接合部材5が係合されている。このときの接合部材5は、切欠部4cに収容させるようにして係合された状態で、隣接する耐震パネル4、4に接触した状態となっている。このように、第1変形例では、耐震パネル4、4どうしの間の隙間部S(図2参照)を小さくすることができ、又は無くすことができる構造となっている。
【0023】
次に、図6は第2の実施の形態による耐震壁構造を示す部分拡大図であって、図5に対応する図、図7は図6に示す第3接合部材の斜視図である。
図6に示すように、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様、隙間部Sを設けた状態で耐震パネル4、4、…を構面内に配置させた構成であり、接合部材5の構成のみが第1の実施の形態と異なり、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。すなわち、第2の実施の形態による接合部材5(これを第3接合部材5Cとする)は、第1の実施の形態の横方向に隣接する第1接合部材5A、5A(図2参照)の横材52a、52aどうしが繋がるように延ばされて連続した構造となっている。つまり、図7に示すように、第3接合部材5Cは、横材52c(52)と、横材52cに対して所定箇所で直交方向に交差する複数(図では二箇所)の縦材51c、51c(51、51)とからなる。
本第2の実施の形態では、第1の実施の形態の十字形状の第1接合部材5Aに比べて、縦材51cの強度を高める効果を奏するとともに、部品数を少なくすることができるので、より一層、施工の簡略化を図ることができる。
【0024】
また、図8は第2変形例による耐震壁構造を示す図であって、図6に対応する図である。
図8に示す第2変形例による第4接合部材5Dは、図2に示す第1の実施の形態の縦方向に隣接する第1接合部材5A、5Aの縦材51a、51aどうしが繋がるように延ばされて連続した構造となっている。第2変形例では、第1の実施の形態の十字形状の接合部材5に比べて、横材52の強度を高める効果を奏するとともに、部品数を少なくすることができるので、より一層、施工の簡略化を図ることができる。
【0025】
次に、図9は第2の実施の形態の変形例による耐震壁構造を示す部分拡大図である。
図9に示すように、第2の実施の形態の変形例(第3変形例)では、上述した第1変形例と同様、耐震パネル4、4どうしの間、及び耐震パネル4と周辺躯体(図1に示す柱2および梁3)との間に隙間部S(図2参照)を設けない構成となっている。すなわち、耐震パネル4は、接合部材5を挟持させる部分に切欠部4cが形成されており、その切欠部4cに接合部材5(第5接合部材5E)が係合されている。このときの接合部材5は、切欠部4cに収容させるようにして係合された状態で、隣接する耐震パネル4、4に接触した状態となっている。このように、第3変形例では、上述した第1変形例と同様、耐震パネル4、4どうしの間の隙間部S(図2参照)を小さくすることができ、又は無くすことができる構造となっている。
【0026】
また、図10は第4変形例による耐震壁構造を示す図であって、図8に対応する図である。
図10に示す第4変形例は、上述した第2変形例の第4接合部材5D(図8参照)と同形状の第6接合部材5Fを備え、耐震パネル4、4間に隙間部Sを設けない構成となっている。
【0027】
次に、図11は第5変形例による接合部材を示す図であって、(a)はその側面図、(b)はその断面図、図12は第6変形例による接合部材を示す側面図、図13は第7変形例による接合部材を示す図であって、(a)はその側面図、(b)はその断面図である。
図11乃至図13に示す変形例(第5、6、7変形例)は、接合部材5の縦材51が耐震パネル4と同等の、又はそれより大きな剛性となるように補強された構造となっている。
【0028】
図11(a)及び(b)に示す第5変形例による第7接合部材5Gは、H形鋼材のフランジとウェブとに囲われた部分の所定位置に、側面をH形鋼材の軸方向に直交する方向に向けた鋼板を溶接等によってフランジとウェブに固着させた構造となっている。つまり、鋼板が縦材51d(51)であり、ウェブが横材52d(52)であり、フランジ(補強リブ53、53)が縦材51dを補強する機能を有している。
【0029】
図12に示す第6変形例による第8接合部材5Hは、上述した図7の第3接合部材5Cと同形状をなし、縦材51e(51)と横材52e(52)とからなり、縦材51eの側面視両側から三角形状の補強リブ54、54で支持する構造となっている。
【0030】
また、図13(a)及び(b)に示す第7変形例による第9接合部材5Iは、上述した図2及び図4の第2接合部材5Bの縦材52を補強する構造であって、溝形鋼のフランジとウェブとに囲われた部分の所定位置に、側面を溝形鋼の軸方向に直交する方向に向けた鋼板を溶接等によってフランジとウェブに固着させた構造となっている。つまり、鋼板が縦材51f(51)であり、ウェブが横材52f(52)であり、フランジ(補強リブ55、55)が縦材51fを補強する機能を有している。
【0031】
上述した第5乃至第7変形例では、耐震パネル4(図2など参照)から水平方向の力を受ける縦材51は、横材52と一体に形成されるとともに、耐震パネル4の側面4aに対して面接触した状態となり、さらに耐震パネル4の剛性と同等の、又はそれより大きい剛性となるように補強リブ53、54、55などで補強されているので、縦材51が潰れたり破壊されることを抑制することができる。そのため、第1及び第2の実施の形態と同様、耐震パネル4、4どうし間に作用する水平力を接合部材5(第7接合部材5G、第8接合部材5H、第9接合部材5I)を介して確実に伝達させることができ、応力伝達力の向上を図ることができる。
【0032】
以上、本発明による耐震壁構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、接合部材5の縦材51、横材52の長さ寸法、厚さ寸法等はとくに制限されることはなく、例えば耐震パネル4に作用する水平力の大きさに耐え得るように任意に設定することができる。
また、本実施の形態では耐震パネル4のパネル本体41として繊維強化プラスチック(FRP)を採用しているが、この材料に制限されることはなく、ガラスブロック、鋼板、コンクリート、プラスチック、そのほか新素材などの平板状をなすとともに剛性を有する耐震パネルを適用することができる。
さらに、耐震パネル4の構成、形状、構面R内の配置数量、耐震パネル4、4どうし間の隙間部Sの大きさ等はとくに制限されることはなく、構面Rの大きさ、耐震壁としての目標性能などに応じて任意に設定することができる。
さらに、本実施の形態では、主に接合部材によって応力を伝達するため、接着剤を用いていないが、耐震壁全体のせん断耐力を向上させるために接着剤やテープ等を接合部材に付着させて使用することを妨げるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態による耐震壁構造を示す立面図である。
【図2】図1に示す耐震壁構造の部分拡大図である。
【図3】第1接合部材の斜視図である。
【図4】第2接合部材の斜視図である。
【図5】第1の実施の形態の変形例による耐震壁構造を示す部分拡大図である。
【図6】第2の実施の形態による耐震壁構造を示す部分拡大図であって、図5に対応する図である。
【図7】図6に示す第3接合部材の斜視図である。
【図8】第2変形例による耐震壁構造を示す図であって、図6に対応する図である。
【図9】第2の実施の形態の変形例による耐震壁構造を示す部分拡大図である。
【図10】第4変形例による耐震壁構造を示す図であって、図8に対応する図である。
【図11】第5変形例による接合部材を示す図であって、(a)はその側面図、(b)はその断面図である。
【図12】第6変形例による接合部材を示す側面図である。
【図13】第7変形例による接合部材を示す図であって、(a)はその側面図、(b)はその断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1、1A 耐震壁構造
2 柱
3 梁
4 耐震パネル
4c 切欠部
5 接合部材
5A〜5I 第1〜第9接合部材
51 縦材
52 横材
53、54、55 補強リブ
R 構面
S 隙間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の柱と梁で囲まれた構面内で築造される耐震壁構造であって、
前記構面内で縦横に積層するようにして配置された耐震パネルと、
隣接する前記耐震パネルの角部どうしの間に挟持された状態で介在された接合部材と、
を備え、
前記接合部材は、前記耐震パネルの横方向側の側面に沿って配される縦材と、前記耐震パネルの上下方向側の側面に沿って配される横材とが一体に形成されてなり、前記縦材及び前記横材が前記耐震パネルと同等の、又はそれより大きな剛性及び強度を有していることを特徴とする耐震壁構造。
【請求項2】
構造物の柱と梁で囲まれた構面内で築造される耐震壁構造であって、
前記構面内で縦横に積層するようにして配置された耐震パネルと、
隣接する前記耐震パネルの角部どうしの間に挟持された状態で介在された接合部材と、
を備え、
前記接合部材は、前記耐震パネルの横方向側の側面に沿って配される縦材と、前記耐震パネルの上下方向側の側面に沿って配される横材とが一体に形成されてなり、前記縦材が前記耐震パネルと同等の、又はそれより大きな剛性となるように補強されていることを特徴とする耐震壁構造。
【請求項3】
前記接合部材は、前記縦材と前記横材とが交差した十字形状をなしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐震壁構造。
【請求項4】
前記耐震パネルには、前記接合部材を挟持させる部分に切欠部が形成され、
該切欠部に係合された前記接合部材が、隣接する前記耐震パネルに接していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の耐震壁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−228378(P2009−228378A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78283(P2008−78283)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】