説明

耕耘砕土作業機のレーキ装置

【課題】耕耘時の様々な条件に対応して、容易な操作によりレーキ体のすき込み性能を十分に発揮できる構成の耕耘砕土作業機のレーキ装置を提供する。
【解決手段】砕土ローター30とリヤカバー50との間にレーキ体4を配置して、レーキ体4は、リヤカバー50の回動中心と同軸上に回動中心が設けられ、それぞれ回動自在であるとともに、リヤカバー50に対し離反する方向に弾圧部材で付勢されている耕耘砕土作業機のレーキ装置。また、リヤカバー50に対し回動が固定された状態に切り換え可能に設けられているレーキ装置。さらに、リヤカバー50の上部に設けた調節レバー7で弾圧部材の付勢力は可変可能であり、レーキ体4の回動固定の切り替えも可能であるレーキ装置。さらにまた、レーキ体の回動軸51は、ローターカバー31外側に位置している耕耘砕土作業機のレーキ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の走行車に連結され耕耘作業や代掻き作業を行うロータリー耕耘砕土作業機の砕土部後方に、機体の幅方向に所定の間隔で多数のレーキ体を配設してなるレーキ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、トラクタ等の走行車に連結され、砕土体である砕土用爪軸を有するローターと、砕土体の後部を覆う整地鎮圧部であるリヤカバーを上下回動自在に枢支し、ローターとリヤカバーとの間にレーキ体を配置し、畑や水田で耕耘や代掻き作業に使用される農作業機が知られている。
【0003】
例えば特開平1−211406号公報(従来技術1)には、「耕耘ロータを覆うカバー内に、砕土レーキを上下回動可能に設けたアップカット式のロータリ耕耘作業機において、上記レーキの回動角度を調整するレバーを設け、このレバーに対し、その回動範囲を複数段に規制する回動規制機構と、この回動規制機構によるレバーの回動範囲内でレバーを弾持する弾持機構とを設けた」ロータリ耕耘作業機の開示がある。
【0004】
また、本願出願人による特開2002−17108号公報(従来技術2)には「砕土体と、レーキ体と、整地鎮圧装置を具備される代掻き装置であって、砕土体の後方に配置される整地鎮圧装置の整地板が凹部を有し、砕土体の後方にあるレーキ体との間で、砕土体により掻き上げられた土と稲わら等の固形物と水分とを分離落下させ得る」代掻き装置の開示がされている。
【特許文献1】特開平1−211406号公報(従来技術1)
【特許文献2】特開2002−17108号公報(従来技術2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
耕耘速度の相違やローター部の耕深の相違や耕土中の夾雑物の量や種類の相違によりレーキの土中へのすき込み効果に変動があり、それぞれの条件に対応してレーキ体のすき込み性能を十分に発揮できない問題があった。また、レーキ体とリヤカバーとの間に夾雑物などが挟まる場合や回動軸部に夾雑物や土等が入り込み、レーキ体の弾力が阻害されたり、回動に不都合な状態となり性能を十分に発揮できない問題があった。
【0006】
従来技術1のロータリ耕耘作業機の場合、アップカット式のロータリ耕耘作業機であり、「砕土レーキ13では、レーキを通過しないで落下する大きな土塊の上方に、レーキを通過し、あるいはレーキによって砕土された細かい土壌が落下して、下部が荒く上部が細かい状態の耕耘作業が行われる。」とあるように、砕土レーキはスクリーン的な作用のためのものであり、「耕耘土壌中に大きな石が混入していたり、土塊が大きかったりして、砕土レーキに大きな負荷が掛かるようなことがあると、所要馬力が異常に大きくなって作業ができなくなったり、砕土レーキまたはカバーを損傷するなどの問題」を解決するための構成であり、ダウンカット方式の砕土作業機におけるレーキ体のすき込み性能の向上には不向きな構成である。
【0007】
また、従来技術2の代掻き装置の場合、耕土条件に合わせてレーキ体の押し込み圧力を調整できるように「レーキ体が弾性体によって弾性力を調整可能に弾着されている」とされるが、調整する場合「ブラケット55に設けられた孔に巻バネ56の一端部を挿入固定し、横バー51を巻いた他端部を受け板53の複数の調整孔54の中で適宜の調整孔54に挿入することによって弾性体56の弾性力を調整可能」に構成されているため、調整する場合整地板内側での作業となり、作業がやり難く容易には調整できない問題があった。また、レーキ体の回動軸部に砕土体のローターによって飛ばされた土や夾雑物が直接衝突する構成であり、回動軸部に土や夾雑物が挟まる等により回動が阻害されレーキ体の性能が阻害される問題があった。
【0008】
このため、本願発明は、耕耘時の様々な条件に対応して容易な操作によりレーキ体のすき込み性能を十分に発揮できる構成の耕耘砕土作業機のレーキ装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、砕土体と、レーキ体と、整地鎮圧部とを具備してトラクタに装着されて使用される砕土作業機であって、砕土体のローター上部を覆うローターカバーの後部に砕土体の後部を覆うとともに整地鎮圧を行うリヤカバーを上下回動自在に枢支し、ローターとリヤカバーとの間にレーキ体が配置されていて、レーキ体は、リヤカバーの上下回動中心と同軸上に回動中心が設けられていて、リヤカバーに対し回動接離自在であるとともに、リヤカバーに対し離反する方向に弾圧部材で付勢されている耕耘砕土作業機のレーキ装置を提案する。
【0010】
また、砕土体と、レーキ体と、整地鎮圧部とを具備してトラクタに装着されて使用される砕土作業機であって、砕土体のローター上部を覆うローターカバーの後部に砕土体の後部を覆うとともに整地鎮圧を行うリヤカバーを上下回動自在に枢支し、ローターとリヤカバーとの間にレーキ体が配置されていて、レーキ体は、リヤカバーの上下回動中心と同軸上に回動中心が設けられていて、リヤカバーに対し回動接離自在であるとともに、リヤカバーに対し離反する方向に弾圧部材で付勢された状態と、リヤカバーに対し回動が固定された状態とに切り換え可能に設けられている耕耘砕土作業機のレーキ装置を提案する。
【0011】
さらに、前記耕耘砕土作業機のレーキ装置の弾圧部材の付勢力は、リヤカバーの上部に設けた調節レバーで可変可能であるとともに、該調整レバーでリヤカバーに対するレーキ体の回動固定の切り替えが可能である0009または0010欄記載の耕耘砕土作業機のレーキ装置を提案する。
【0012】
さらにまた、前記耕耘砕土作業機のリヤカバーの上下回動中心と同軸上に回動中心が設けられたレーキ体の回動軸は、ローターカバー後部のローターカバー外面側に設けられていて、すくなくとも砕土体のローター回転外径線とローターカバー後端との接線の延長線より回動軸がローターカバー側に位置している0009乃至0011欄のいづれかに記載の耕耘砕土作業機のレーキ装置を提案する。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、レーキ体は、リヤカバーの上下回動中心と同軸上に回動中心が設けられて、リヤカバーに対し回動接離自在であるとともに、リヤカバーに対し離反する方向に弾圧部材で付勢されていることにより、レーキ体が常に整地鎮圧部であるリヤカバーの回動動作と連動された動きとなり、夾雑物等のすき込み深さを一定にすることが可能であり、リヤカバーの回動中心より後方に回動軸が位置されたレーキ体に比較してレーキ体の回動半径をリヤカバーに対し最大限大きくできるため、同じ深さに夾雑物をすき込もうとした場合、短い回動半径で回動するレーキ体に比較して小さい回動量でレーキ先端部の移動量が大きく変化するため、夾雑物等を緩やかな角度で後方且つ下方に誘導できるとともに、回動量が小さいため弾圧部材での付勢力の変化が少なく、一定した付勢力で夾雑物を土中に誘導することができる。
【0014】
また、レーキ体は、リヤカバーに対し回動接離自在であるとともに、リヤカバーに対し離反する方向に弾圧部材で付勢された状態と、リヤカバーに対し回動が固定された状態とに切り換え可能に設けられていることにより、レーキ体が弾圧部材で付勢された状態の場合、土質の状態や作業速度の状態によるレーキ体の土中への沈み込み量が自動的に設定されて追随範囲を広くとることができる。また、リヤカバーに対し回動が固定された状態の場合、レーキ体自身の撓み力の範囲でリヤカバーの整地面に対して一定したすき込み作用を行える。この様に広範囲の条件に対応できるようにレーキ体の状態を設定可能である。
【0015】
さらに、弾圧部材の付勢力をリヤカバーの上部に設けた調節レバーで可変可能であるとともに、該調整レバーでリヤカバーに対するレーキ体の回動固定の切り替えが可能であることにより、より広い範囲の耕耘条件に対応可能であり、容易な操作によりきめ細かい作業が可能となる。
【0016】
さらにまた、レーキ体の回動軸は、ローターカバー後部のローターカバー外面側に設けられていて、すくなくとも砕土体のローター回転外径線とローターカバー後端との接線の延長線より回動軸がローターカバー側に位置していることにより、ローターにより掻き揚げられた土や耕雑物が直接レーキ体の回動軸に当らない為、回動軸部に夾雑物や土等が入り込み、レーキ体の弾力が阻害されたり回動に不都合な状態となることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の構成例を図面を参照して説明する。図1は本発明を実施した耕耘砕土作業機をトラクタに装着した作業状態の側面図、図2は本発明を実施した耕耘砕土作業機の側面視要部断面図、図3は弾圧部材の付勢力を強い状態に設定した時のレーキ体部の側面視の要部断面図、図4は弾圧部材の付勢力を弱い状態に設定した時のレーキ体部の側面視の要部断面図、図5はリヤカバーに対しレーキ体の回動が固定された状態のレーキ体部の側面視の要部断面図、図6はレーキ体の回動が固定された状態の調整レバー部の要部側面図、図7はレーキ体に付勢力が作用している状態の調整レバー部の要部側面図、図8はレーキ体の回動が固定された状態の調整レバー部の要部平面図、図9はレーキ体に付勢力が作用している状態の調整レバー部の要部平面図を示したものである。
【0018】
本例に示す砕土作業機2は代掻き用砕土作業機で、トラクタに装着されて代掻きや砕土作業を行う装置である。トラクタの左右一対のロワーリンク11と中央上方に設けたトップリンク10とからなる3点リンクヒッチ機構に、これらを定型化する連結枠20(クイックカプラー又はオートヒッチと称される)を前記ロワーリンク11に水平方向に設けたロワーリンクピン201と前記トップリンク10に同じく水平方向に設けたトップリンクピン202をそれぞれ挿入して取り付け、代掻き砕土作業機の前方フレームに設けた左右一対のロワーピン204と該中央上方に設けたトップマスト24の前端部に設けたアッパーピン203に前記連結枠20の係合部を係合させ連結される。
【0019】
連結手順は、先ず連結枠20上方のフックを前記トップマスト24のアッパーピン203に係合させ、トラクタの3点リンク機構を上昇させ連結された連結枠20を上昇させると、前記代掻き砕土作業機側のロワーピン204が連結枠20側に引き寄せられ連結枠20の下部の係合部と係合し連結される。下部の係合部は、連結枠20に設けたフック205をロワーピン204に引掛けて外れ防止をする。
【0020】
代掻き砕土作業機2前方中央水平方向に突設させて設けた入力軸22は、トラクタ1の図示していないPTO軸とユニバーサルジョイント21で連結され、トラクタの回転動力を代掻き砕土作業機側に入力するためのものである。入力軸22に入力された回転動力は、入力軸22を突設して設けた左右中央部のギヤボックスに入力され、ギヤボックス内のベベルギヤを介してギヤボックスから左右水平方向に延設したパイプフレーム内の出力軸により左右方向いずれか側方に設けた伝動ケース23に伝達され、該伝動ケース23に内装されているスプロケットに伝動され、これに巻架される伝動ローラーチェーンにより、下方に設けた砕土体3のローター軸301に固着されたスプロケットを駆動しローター30を回転駆動する。ローター30は、機幅方向に長いローター軸301に放射状に砕土爪302を固着させて設けてあり、回転する砕土爪302により土を砕土するように砕土体3が構成されていて、ローター30上方部はローターカバー31で覆われて砕土された土の飛散を防止する。
【0021】
ローターカバー31の後方部には、リヤカバー50が前方側を回動中心に上下回動自在に設けられていて、砕土体3で砕土され飛散する土を受け止めるとともに後方部で整地する。本例の代掻き用砕土作業機の場合、リヤカバー50の後端にさらに整地鎮圧部5が設けてあり、機幅方向に長い鎮圧板52が前方端をリヤカバー50後端に水平方向の鎮圧板回動軸520により上下回動自在に設けられ、リヤカバー50で整地された土壌をさらに整地鎮圧する。整地鎮圧部5を設けないでの砕土作業も可能である。
【0022】
砕土体3のローター30とリヤカバー50との間には、レーキ体4が配置されている。レーキ体4は、前方に回動中心であるレーキ体回動ボス42を水平方向に設け、これに丸棒状レーキ40を保持するレーキ保持板41が固着されていて、レーキ40がレーキ保持板41に前方端を固定されるとともに後方側に延設され、リヤカバー50の幅方向に等間隔で複数配置されて構成されている。レーキ40は本例においては丸棒状の部材で形成されているが、平板状の部材で構成されても良い。レーキ体4は、リヤカバー50の上下回動中心と同軸であるリヤカバー回動軸51にレーキ体回動ボス42が取り付けられていて、リヤカバー50に対し回動接離自在であるとともに、リヤカバー50に対し離反する方向に弾圧部材6で付勢されている。
【0023】
弾圧部材6は、リヤカバー50外側のリヤカバー回動軸51の上方に、これと平行にリヤカバー50に固接して設けた弾圧部材保持軸501に挿入されたネジリスプリングで構成されていて、ネジリスプリングの一端がレーキ体4のレーキ保持板41の上面に当接しリヤカバー50に対し離反する方向に付勢している。ネジリスプリングの他方端はリヤカバー50外側に延設されていて、先端部がグリップ状に形成され調節レバー7を構成していて、これにより付勢力を可変操作可能に構成されている。付勢力の可変は、弾圧部材保持軸501と直交する面を弾性部材6であるネジリスプリングに近接させリヤカバー50に固設して設けた調圧プレート500に、前記調節レバー7を係合させて弾圧部材6であるネジリスプリングのネジリ位置を可変するとともに固定して行う。調圧プレート500の端縁は、弾性部材保持軸501と同芯の円弧状端縁部を有していて、この端縁には調節レバー7を係合固定可能に凹状係合溝を複数設けてあり、調節レバー7を操作して希望する調圧位置の係合溝に位置させ調整する。
【0024】
また、調圧プレート500と近接対峙するとともに弾圧部材6と調圧プレート500を挟んで反対側に位置して、レーキ体回動ボス42に固着されたレーキ体アーム43が設けてあり、これの回動端縁には、調圧プレート500の端縁と同じく調節レバー7を係合固定可能に凹状係合溝が設けられていて、調圧プレート500の凹状係合溝とレーキ体アーム43の凹状係合溝に調節レバー7の係合部を架け渡すことにより、レーキ体回動ボス42に固着されたレーキ体アーム43の回動がリヤカバー50に対し固定され、弾圧部材6の付勢力の影響が阻止されてレーキ体4の回動がリヤカバー50に対し固定されレーキ40の弾力のみでレーキ体4が作用する。
【0025】
調節レバー7の係合部は、弾圧部材6であるネジリスプリングの延長部途中から調圧プレート500側に略直角に折り曲げられ係合部が形成されていて、調圧プレート500とレーキ体アーム43との係合が可能位置を確保して再び曲げ戻され、その先端部はグリップ状に形成され調節レバー7を構成している。
【0026】
調圧プレート500の凹状係合溝は、浅い係合溝50aと深い係合溝50bが設けられていて、調節レバー7の係合部が浅い係合溝50aに係合した場合は調節レバー7の係合部がレーキ体アーム43と係合する位置まで到達せず、レーキ体アーム43は自由に回動できる状態となり、レーキ体4は弾性部材6の付勢力により付勢された状態となる(図7と図9参照)。また、深い係合溝50bに係合させると、レーキ体アーム43と係合する位置まで係合部が到達して調圧プレート500の凹状係合溝とレーキ体アーム43の凹状係合溝に架け渡されて、リヤカバー50に対するレーキ体4の回動が固定される(図6と図8参照)。
【0027】
リヤカバー50のリヤカバー回動軸(レーキ体回動軸)51は、ローターカバー31の後方端より前方位置にありローター30に対し外側に設けられていて、すくなくとも砕土体のローター回転外径線とローターカバー31後端との接線の延長線Yよりローターカバー31前方側に位置させている。このため、ローター30から跳ね飛ばされた土壌等がローターカバー31に阻止されて直接当らない為、夾雑物や土壌が挟まる等の問題が少なくレーキ体4の性能が維持される。
【0028】
次にこの発明の実施形態の作用について説明する。耕耘砕土作業機は走行機であるトラクタ1に装着して牽引され、トラクタの動力の一部がユニバーサルジョイント21により入力軸22に伝達され、ベベルギヤや伝動ケース23を介して砕土体3のローター30が回転され砕土爪302により土壌を砕土しつつ後方のリヤカバー50及び鎮圧板52により整地する。また、砕土体3とリヤカバー50との間にはレーキ体4が設けてあり、レーキ体4のレーキ40は前方から後方にかけて下り傾斜に設けられていて、砕土された土壌内に混在する夾雑物S等を砕土された土中にレーキ40により下方に案内して埋め込んでいく。このため、圃場表面層は夾雑物の無い均一な土壌となる。
【0029】
また、夾雑物Sの量や大きさ又は土塊の量等によりレーキ体4が押し上げられリヤカバー50や鎮圧板52がこれに伴って浮き上げられ、整地作用が不安定となる場合がある他、レーキ体4のすき込み効果が不安定となる場合があるが、この場合、リヤカバー50や整地鎮圧部5の付勢力やレーキ体4の付勢力を調整することで回避できる。レーキ体4の付勢力の調整は、リヤカバー50の外側に設けた調節レバー7により容易に調整可能である為、各圃場条件に合わせて都度きめ細かく調整ができる。また、レーキ体4の回動をリヤカバー50に対して固定して弾性部材の付勢力が作用しない状態とすることも同じ調整レバー7により容易に可能である。
【0030】
さらに、リヤカバー50とレーキ体4の回動軸を同軸としているため、整地作用を行うリヤカバー50の動きと常に関連付けて作動可能であり、レーキ体の長さを最大限設定できるため、リヤカバーの回動中心より後方に回動軸が位置されたレーキ体に比較してレーキ体4の回動半径をリヤカバー50に対し最大限長くできるため、同じ深さに夾雑物をすき込もうとした場合、短い回動半径で回動するレーキ体に比較して小さい回動量でレーキ40先端部の移動量が大きく変化するため、夾雑物等を緩やかな角度で後方且つ下方に誘導できるとともに、回動量が小さいため弾圧部材6での付勢力の変化が少なく、一定した付勢力で夾雑物を土中に誘導することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明は、畑や水田を耕耘又は代掻き作業を行う耕耘砕土作業機に利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明を実施した耕耘砕土作業機をトラクタに装着した作業状態の側面図
【図2】本発明を実施した耕耘砕土作業機の側面視要部断面図
【図3】弾圧部材の付勢力を強い状態に設定させた時のレーキ体部の側面視の要部断面図
【図4】弾圧部材の付勢力を弱い状態に設定させた時のレーキ体部の側面視の要部断面図
【図5】レーキ体の回動が固定された状態のレーキ体部の側面視の要部断面図
【図6】レーキ体の回動が固定された状態の調整レバー部の要部側面図
【図7】レーキ体に付勢力が作用している状態の調整レバー部の要部側面図
【図8】レーキ体の回動が固定された状態の調整レバー部の要部平面図
【図9】レーキ体に付勢力が作用している状態の調整レバー部の要部平面図
【符号の説明】
【0033】
1 トラクタ
10 トップリンク
11 ロワーリンク
2 砕土装置
20 連結枠
201 ロアリンクピン
202 トップリンクピン
203 アッパーピン
204 ロワーピン
205 フック
21 ユニバーサルジョイント
22 入力軸
23 伝動ケース
24 トップマスト
3 砕土体
30 ローター
301 ローター軸
302 砕土爪
31 ローターカバー
4 レーキ体
40 レーキ
41 レーキ保持板
42 レーキ体回動ボス
43 レーキ体アーム
5 整地鎮圧部
50 リヤカバー
500 調圧プレート
501 弾圧部材保持軸
50a 浅い係合溝
50b 深い係合溝
51 リヤカバー回動軸(レーキ体回動軸)
52 鎮圧版
520 鎮圧板回動軸
6 弾圧部材(ネジリスプリング)
7 調節レバー
Y 接線の延長線
S 夾雑物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
砕土体と、レーキ体と、整地鎮圧部とを具備してトラクタに装着されて使用される砕土作業機であって、砕土体のローター上部を覆うローターカバーの後部に砕土体の後部を覆うとともに整地鎮圧を行うリヤカバーを上下回動自在に枢支し、ローターとリヤカバーとの間にレーキ体が配置されていて、レーキ体は、リヤカバーの上下回動中心と同軸上に回動中心が設けられていて、リヤカバーに対し回動接離自在であるとともに、リヤカバーに対し離反する方向に弾圧部材で付勢されていることを特徴とした耕耘砕土作業機のレーキ装置。
【請求項2】
砕土体と、レーキ体と、整地鎮圧部とを具備してトラクタに装着されて使用される砕土作業機であって、砕土体のローター上部を覆うローターカバーの後部に砕土体の後部を覆うとともに整地鎮圧を行うリヤカバーを上下回動自在に枢支し、ローターとリヤカバーとの間にレーキ体が配置されていて、レーキ体は、リヤカバーの上下回動中心と同軸上に回動中心が設けられていて、リヤカバーに対し回動接離自在であるとともに、リヤカバーに対し離反する方向に弾圧部材で付勢された状態と、リヤカバーに対し回動が固定された状態とに切り換え可能に設けられていることを特徴とした耕耘砕土作業機のレーキ装置。
【請求項3】
弾圧部材の付勢力は、リヤカバーの上部に設けた調節レバーで可変可能であるとともに、該調整レバーでリヤカバーに対するレーキ体の回動固定の切り替えが可能であることを特徴とした請求項1または請求項2記載の耕耘砕土作業機のレーキ装置。
【請求項4】
リヤカバーの上下回動中心と同軸上に回動中心が設けられたレーキ体の回動軸は、ローターカバー後部のローターカバー外面側に設けられていて、すくなくとも砕土体のローター回転外径線とローターカバー後端との接線の延長線より回動軸がローターカバー側に位置していることを特徴とした請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の耕耘砕土作業機のレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−148422(P2010−148422A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329842(P2008−329842)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000171746)株式会社ササキコーポレーション (192)
【Fターム(参考)】