説明

肌荒れ防止作用を有する組成物および化粧料、飲料

【課題】 肌荒れ防止の作用を有する組成物および、それを含有した化粧料、飲料を提供する。
【解決手段】 キュウリ液汁および、ニンジンエキス、モモ葉エキス、カミツレ花エキス、ブナの芽エキスのいずれか1種または複数種を含有せしめたことを特徴とする、肌荒れ防止作用を有する組成物。それら組成物を含有したことを特徴とする、肌荒れ防止作用を有する化粧料。それら組成物を含有したことを特徴とする、肌荒れ防止作用を有する飲料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌荒れ防止の作用を有する組成物および、それを含有した化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
肌荒れを防止するには、第一に、脂質の摂取を極端に減らさない事と、次に、肌荒れに効果のあるビタミン類を摂取する事である。脂質摂取量の目安として、4群別点数法では、バターや植物油などの油脂そのもので2点(=160kcal)とされている。栄養所要量では、全体のエネルギー摂取量のうちの脂質エネルギー比として示されており、これには肉類や魚類など、全ての食物に含まれる脂質も合計されている。生活活動強度2の18〜29歳男子で、エネルギーに換算して460〜575kcal、同じ条件の女子では、360〜450kcal相当の脂質摂取が推奨されている。なるべく食物から摂取するのが望ましい。また、ビタミンの摂取も大切である。しかし、ビタミンは、たくさん摂取すればするほど効果があるという物ではない。脂溶性ビタミンは、許容上限量が設けられているし、水溶性ビタミンは摂取量が多すぎると尿に排泄されてしまう。よって、極端な量を摂り過ぎず、普段の食生活で意識的に摂取する程度で十分である。
【0003】
特に蛋白質や脂質の代謝を高めるビタミンB2は皮膚の老化の原因となる過酸化脂質の生成を抑えたり、皮膚の新陳代謝をよくして肌荒れ対策に一役有効である。同じように 肌の新陳代謝を促進してくれるビタミンB6は肌のかさつきを直す作用も併せ持っている。
ナイアシンには血液の循環をよくしてなめらかさを保持する働きがある。ビタミンB群は 助け合って働くので、単独で摂るより一緒に摂る工夫をしたほうがより効果的である。
ビタミンAは粘膜組織を正常に保ち皮膚をなめらかにしてくれる働きがある。 紫外線によるシミを防いで 肌のコラーゲンを補強してくれるビタミンCは肌を守る強い見方となる。ビタミンEは血行をよくし、新陳代謝を助ける働きがありβ−カロチンとビタミンEの抗酸化作用によって肌の老化を防ぐ。 肌の保湿(しっとり感)に関わりがある栄養素は 魚や植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸とビタミンAで 細胞間脂質を作り肌をしっとりさせてくれる。
特に、青み魚に多く含まれるDHA・EPAをしっかりと摂るとよいといわれている。亜鉛は皮膚のケラチン組織をよく作り皮膚を丈夫にし、粘膜の細胞の再生を促進する働きがある。コラーゲンは皮膚を作る大切なものであるが、肌に塗った状態では、角質層のバリアーに阻まれて皮膚の中には入っていかず表面に溜まるため一時的に水分を含んで「しっとり感」が得られると言われている。コラーゲン自体を飲んだり食べたりした場合は、胃や腸で分解されてアミノ酸になり、体に必要なコラーゲンに再合成されるが、必ずしも皮膚を作るとは限らないとされている。
【0004】
黒砂糖や米糠入りの石鹸には、保湿効果が期待される。 レモンのパックは 柑橘類にはソラーレンと言われる物質が含まれ、肌に付いた状態で陽に当たると肌が黒ずみシミになることがあると言われている。また、胡瓜やジャガ芋などを薄く切ってパックにしても、害はないが冷たいタオルを当てたときと効果はほとんど変わらないようである。キイウイフルーツの果肉の中に含まれる蓚酸カルシウムやにんにくのアリシンは直に肌に貼ったりするとかえって肌に害を及ぼす結果にもなりかねない。
【0005】
アンデス山脈の厳しい自然環境で育つ「マカ」には、肌にとって大切な栄養素が含まれているので、美肌をつくり、メラニン色素の増加を抑える。また、紫外線は、皮膚の中に大量の活性酸素を発生させてシミやシワの原因となるが、マカの抗酸化力は、活性酸素を減らし、紫外線による肌のトラブルを防ぐと考えられている。お肌にとって、また、体にとっても大事な必須アミノ酸は、体内では作ることが出来ない栄養である。そのため、必須アミノ酸を補給するには、食事などから摂取する必要があり、また、体にとって必要不可欠な栄養でもある。「マカ」には、これら必須アミノ酸が、たっぷりと含まれている。
【0006】
一般に、皮がむけるというのは角質層の水分不足であるが、お鼻が固くなり敏感になっているようであるので、お肌を柔らかくするお手入れをしていく必要がある。お肌をやわらかくするには、保湿が大切であるが、ローションでたっぷり水分を補ってから保湿する。油分に対して水分が足りないことも考えられる。また、メイクをする場合、基礎化粧品できちんと素肌に保護膜をつくってから薄化粧するのが望ましい。ファンデ−ションはパウダータイプのものは、水分や脂分を奪ってお肌が乾燥してしまう。リキッドタイプにしたほうがいい。ファンデーションも基礎化粧の一つを考えて正しく楽しくケアしていくことが、キレイな健康素肌につながる。不規則な生活や喫煙はお肌にとっても体の健康にも良くない。身体全体とお肌はリンクしている。身体のトラブルはすぐにお肌に反映される。お肌の衰えは体質にもよりますがおよそ20才から始まるといわれている。敏感肌の方はとにかくお肌に負担をかけないようにやさしいケアを心がけ、お肌を守っていくことが大切である。敏感肌の方は細胞間脂質であるセラミドが不足していることがわかっている。そのため、敏感肌の方はたいていの場合乾燥している。肌は日頃から、気温の変化や空気の乾燥、ほこり、雑菌、紫外線など様々な刺激にさらされている。この刺激を防ぐバリア機能の皮脂膜が不足している。もともとあらゆる刺激に弱いので、すぐに反応してしまうのが敏感肌の特徴である。
【0007】
本来、お肌は新陳代謝による老廃物、汗、皮脂などを分泌・排出する器官なのである。これらの働きが衰えていくと、当然、お肌自体も衰えていく。お肌は自分自身の力で健やかさを保とうとする。しかし、化粧品などの油分で覆われることで、汗腺や毛穴がふさがれてしまい、お肌は汗や皮脂を排出できなくなり、また皮膚呼吸もできず、新陳代謝も活発には行なわれなくなり、お肌本来のバリア機能も低下してしまう。乾燥肌になると、カサつきやすく、見た目もくすみがち。化粧のノリも悪くなって、さらにファンデーションを厚く塗ってしまい、お肌にますます悪影響を及ぼし兼ねない。
だから、お肌が乾燥することだけは、何としてでも防せがなければならない。お肌が乾燥するということは、それだけ致命的なことである。冬の乾いた空気、空から降り注ぐ紫外線、冷暖房による影響、新陳代謝機能の低下などによって、必要な水分が充分に保たれず、角質層の保水力が維持できなくなると、カサついたり、肌荒れが起こるようになる。カサつきはシワの原因にもなり、様々なお肌のトラブルを引き起こしてしまう。あくまでも肌は分泌・排泄器官なので、肌は外側から与えられる栄養分はほとんど吸収しないとい。
それどころか、ローション、クリーム、乳液などを塗り続けると、自分のお肌が自力でキレイになろうとする力を取り戻せなくなる。表皮の構造は、上から角質層・顆粒層・有棘層・基底層の4つの層から成っている。基底層で生まれ、角質層に達した表皮細胞が最終的にアカとなってはがれ落ちる、つまり皮膚の組織が入れ代わる。失われた美肌を一日でも早く取り戻すためには、健康的な生活を送ることはもちろん毎日の洗顔で、毛穴の奥のメイク汚れや老廃物などをきちんと落とすことで、お肌が毎日生まれ変わる新陳代謝がスムーズに行われるようにすることも大切である。
【0008】
以下に肌荒れに効果のあると思われる公知の食品を記す。
肌荒れに効果があると思われる亜鉛を含む食品:牡蠣、肉、納豆、ホタテ、黒米。肌荒れに効果があると思われるコエンザイムQ10を含む食品け:レバー、米ぬか、アボカド、ピーナッツ、ほうれんそう、大豆、鯖、いわし。肌荒れに効果があると思われるコラーゲンを含む食品:あなご、うなぎ、鯖、さんま、どじょう、ふかひれ、ふぐ、ぶり、あわび、なまこ、すっぽん、鶏肉、軟骨、マトン。肌荒れに効果があると思われるセラミドを含む食品:小麦、大豆、キビ、ほうれんそう、米、ヨーグルト、ゼリー。肌荒れに効果があると思われるナイアシンを含む食品:とびうお、鮭、まったけ、なめこ、とうもろこし、大豆、豚レバー、タラコ、かつお、まいたけ、シメジ、たらの芽、そらまめ、ぶり、タイ、いわし、干し椎茸、エリンギ、グリンピース、小豆、牛レバー、ふぐ、鯖、のり、ヒラタケ、エノキダケ、ピーナッツ、そば、黒米。肌荒れに効果があると思われるビオチンを含む食品:大豆、卵黄、豚レバー。肌荒れに効果があると思われるビタミンB1を含む食品:
ラム肉、すっぽん、鮭の筋子、のり、グリンピース、ごま、小豆、豚レバー、牛レバー、うなぎ、干し椎茸、枝豆、栗、小麦胚芽、緑茶、豚肉、ぶり、いくら、ヒラタケ、まつの実、大豆、小麦、卵黄、鶏レバー、タラコ、ひじき、エノキダケ、ヒマワリの実、そらまめ、玄米、黒米。肌荒れに効果があると思われるビタミンB2を含む食品:チーズ、牛レバー、どじょう、あん肝、干し椎茸、パセリ、まつの実、卵黄、うに、カレイ、ひじき、菜の花、シメジ、納豆、豚レバー、ぶり、のり、キクラゲ、しそ、そらまめ、緑茶、鶏レバー、ヒラメ、うなぎ、まいたけ、モヘロイヤ、アシタバ、小麦胚芽、黒米。肌荒れに効果があると思われるビタミンB6を含む食品:小麦胚芽、くるみ、パセリ、アボカド、とびうお、牛レバー、豚レバー、小豆、ごま、メキャベツ、バナナ、鮭、卵黄、そらまめ、唐辛子、モヘロイヤ、のり、鯖、マグロ、鶏レバー、大豆、にんにく、リーキ、いわし、サンマ。肌荒れに効果があると思われるビフィズス菌を含む食品:ヨーグルト。肌荒れに効果があると思われるプロタミンを含む食品:鮭の白子、鱈のしらこ、うに。肌荒れに効果があると思われるβ−カロチンを含む食品:あさつき、アシタバ、オクラ、かいわれ大根、かぶの葉、かぼちゃ、クレソン、ケール、こまつ菜、しそ、春菊、大根の葉、つるむらさき、菜の花、らら、にんじん、パセリ、葉ねぎ、ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、ほうれんそう、ミツバ、モヘロイヤ、スイカ、びわ、ひじき、うに、緑茶。肌荒れに効果があると思われるリコピンを含む食品:トマト、スイカ。
【0009】
このように、肌荒れ防止の素材については、いろいろなものが公知となっているが、化粧料の観点について、特許文献について見ると以下のよなものが例示される。
【0010】
特開2004−331530号公報(特許文献1)には、外用剤として直接皮膚に塗布した場合に、皮膚を害することなく皮膚の新陳代謝を促進し、皮膚をなめらかにし、肌荒れの改善や皮膚の老化予防を兼ねた優れた美容促進効果を示す化粧料を提供する。皮膚若しくは毛髪用化粧料基剤に、ほうれん草(アカザ科、学名:Spinacia
Oleracea L)からの抽出物若しくは圧搾液を配合する。ことが開示されている。
【0011】
特開2004−323466号公報(特許文献2)には、センダングサ属植物、特にビデンス・ピローサ単独で、あるいは予めショウガを混合したものに、加水分解酵素類、麹類、及び乳酸菌類からなる群より選択される少なくとも一種を作用させた生成物を含む化粧品により、アトピー性皮膚炎における抗炎症効果の増強、かゆみ止め効果の改善、臭い、しっとり感の改善をもたらした化粧品が提供されることが開示されている。
【0012】
特開2004−284962号公報(特許文献3)には、肌あれの原因のひとつとして、角質層におけるバリア機能の悪化が考えられており、角質層におけるバリア機能の回復が肌あれ改善皮膚外用剤開発のテーマのひとつとなってきた。角質層におけるバリア機能はケラチンのSS結合により、保持されている。したがって、この結合が乱れ、遊離のSH基が増加することが、角質層におけるバリア機能悪化の指標と一般的に言われている。そこで、ミョウバン、カルシウム塩及びマグネシウム塩を含有することを特徴とする肌あれ改善皮膚外用剤がケラチンのSS結合を強化し、優れた角質層バリア機能改善効果を示した。ことが開示されている。
【0013】
特開2004−256485号公報(特許文献4)には、学名:Curcuma
zedoaria(Berg)Roscoe(インドネシア名:Temu Putih)の植物又はその抽出物を含有することを特徴とする美白剤。学名:Curcuma zedoaria(Berg)Roscoe(インドネシア名:Temu
Putih)の植物又はその抽出物を含有することを特徴とする肌荒れ改善剤。学名:Curcuma zedoaria(Berg)Roscoe(インドネシア名:Temu
Putih)の植物又はその抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。さらに、学名:Uncaria gambir(Hunter)Roxb.(インドネシア名:Gambir)の植物又はその抽出物を含有する皮膚外用剤。が開示されている。
【0014】
特開2004−250372号公報(特許文献5)には、皮膚の美容に有効な成分が、生体コラーゲン合成促進剤、異常タンパク質除去剤、女性ホルモン様作用剤、保湿剤からなる群より選ばれる一種又は二種以上である飲料。生体コラーゲン合成促進剤が、コラーゲン及び/またはゼラチンの分解物であることを特徴とする飲料。異常タンパク質除去剤が、大豆由来のサポニン、ケールの植物またはその抽出物からなる群より選ばれる一種又は二種以上である、飲料。女性ホルモン様作用剤がイソフラボンであることを特徴とする飲料。保湿剤が、セラミド、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、ヒアルロン酸、コンドロイチンからなる群より選ばれる一種又は二種以上である、飲料。さらに、抗酸化剤を含有する、飲料。アルコール分が一度以上であることを特徴とする飲料。飲料と、大豆胚芽エキスを含有する外用剤との併用を特徴とする皮膚老化防止・改善剤及び/又は肌荒れ防止・改善剤キット。が開示されている。
【0015】
特開2004−238318号公報(特許文献6)には、デキストランまたはその誘導体と、炭素数4〜6の糖アルコールとを有効成分とすることを特徴とする肌荒れ改善用皮膚外用剤。デキストランまたはその誘導体と、炭素数4〜6の糖アルコールとを有効成分とすることを特徴とする老化防止用皮膚外用剤。糖アルコールがキシリトールまたはエリスリトールである皮膚外用剤。が開示されている。
【0016】
特開2004−217621号公報(特許文献7)には、親油性基粉体の表面に酸化亜鉛が被覆した複合粉体と、該複合粉体を分散させた油分と、を含み、親油性基粉体のζ電位が、皮膚上のpHにおいて負の値であることを特徴とする油性皮膚外用剤。前記化粧料において、油分散時に、親油性基粉体全表面積に対する酸化亜鉛の被覆率が1〜90%であることが好適である。前記化粧料において、親油性基粉体が油分散時に膨潤することが好適である。前記化粧料は、肌荒れ改善剤、及び敏感肌手入れ剤として使用することができる。ことが開示されている。
【0017】
特開2004−155678号公報(特許文献8)には、保湿性に優れ、肌荒れ改善・予防効果に優れた成分を得るべく鋭意研究を重ねた結果、ヤマトグサ科(Theligonaceae)に属する植物の抽出物を含有させることで、保湿効果及び肌荒れ改善効果に優れた、外用に適した組成物、保湿剤及び肌荒れ改善剤が得られることを見出したことが開示されている。
【0018】
特開2004−155677号公報(特許文献9)には、保湿性に優れ、肌荒れ改善・予防効果に優れた成分を得るべく鋭意研究を重ねた結果、モリナ属(Morina)、プテロケファルス属(Pterocephalus)、トリプロステギア属(Triplostegia)のいずれかに属する植物から選択される1種もしくは2種以上の植物の抽出物を含有させることで、保湿効果及び肌荒れ改善効果に優れた、保湿用皮膚外用剤及び肌荒れ改善用皮膚外用剤が得られることを見出したことが開示されている。
【0019】
特開2004−149444号公報(特許文献10)には、保湿性に優れ、肌荒れの防止や改善に優れた有効成分を見出すために、種々の物質について鋭意研究を重ねた結果、キブシ科(Stachyuraceae)植物抽出物を見出した。このキブシ科(Stachyuraceae)植物抽出物を皮膚外用剤に配合することにより、保湿性に優れ、肌荒れの防止や改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤を得ることが出来る。ことが開示されている。
【0020】
特開2004−99503号公報(特許文献11)には、本発明は白米、黒米、赤米等の米抽出物を含有することを特徴とするHGF産生促進剤または皮膚の抗老化、肌荒れ改善および育毛化粧料を提供する。白米、黒米、赤米等の抽出物を含有することを特徴とする皮膚の抗老化、肌荒れ改善、育毛化粧料は安定性に優れ、肌に対して優れた効果を示した。ことが開示されている。
【0021】
特開2004−91351号公報(特許文献12)には、優れた美白、肌あれ防止効果を有しており、製剤中で変質することのない美白剤、又は肌あれ防止剤の提供、及びこれを含有し経時的に安定で美白、肌あれ防止効果に優れた皮膚外用剤を提供すること。ヨクイニンから水にて抽出したエキスを水蒸気蒸留して得られた液体(ヨクイニン水)を有効成分とする美白剤。また、ヨクイニン水を有効成分とする肌あれ防止剤。更にこれを含有する皮膚外用剤。更にヨクイニン水と、アスコルビン酸、グリチルリチン酸及びこの誘導体並びにそれらの塩等の特定の薬効剤の一種又は二種以上とを配合した皮膚外用剤。が開示されている。
【0022】
特開2004−83541号公報(特許文献13)には、保湿、肌荒れ改善効果とともに、使用感触に優れる皮膚外。一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体を含む皮膚外用剤。RO−[(AO)(EO)]−R (I)(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、R,Rは、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基または水素原子である。)アルキレンオキシド誘導体(I)は保湿効果、肌荒れ改善効果の他、べたつき改善効果、経皮吸収促進効果を有する。ことが開示されている。
【0023】
特開2004−75661号公報(特許文献14)には、皮膚基底膜構造の修復、再形成を促進するための新規な手段および皮膚外用剤、並びに人工皮膚の製造において基底膜の十分な形成を達成する新規な手段を提供する。セリンプロテアーゼ阻害剤、また任意的に表皮基底膜成分の細胞外マトリックス蛋白質産生促進剤を有効成分とする表皮基底膜構造形成促進剤と皮膚外用剤を提供する。更には、十分に形成された基底膜を持つ人工皮膚を製造する方法として、セリンプロテアーゼ阻害剤、また任意的に表皮基底膜成分の細胞外マトリックス蛋白質産生促進剤、マトリックスメタロプロテアーゼの阻害剤を混和したものを含む人工皮膚培養用の培地およびその製造方法を提供する。ことが開示されている。
【0024】
特開2004−67676号公報(特許文献15)には、感触及び耐性の両者に関して良好な化粧品特性を示すアスコルビン酸及びその誘導体から選択された酸化感受性活性物質を含む組成物であって、その経時的な保存は特定の措置を必要とせず、セラミドの合成及び皮膚のバリア機能を改良し、ケラチノサイトの分化を改善する前記活性物質の活性を維持している組成物の提供。水性相を含む生理学的に許容可能な媒体中に、アスコルビン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一つの酸化感受性親水性活性物質と、一つ以上のマレイン酸無水物コモノマー及びビニルアセタート、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、2から20の炭素原子を含むオレフィン、及びスチレンから選択される一つ以上のコモノマーを含む少なくとも一つのマレイン酸無水物コポリマーとを含む組成物であって、表皮のセラミドの合成を改良するための、及び/または皮膚のバリア機能を改良するための組成物の美容用の使用。が開示されている。
【0025】
特開2004−59440号公報(特許文献16)には、皮膚疾患や軽度および重度の肌荒れ等に対して優れた予防・改善効果を有し、また損傷粘膜に対して強い粘膜修復効果を有する肌荒れ防止および粘膜修復剤を提供する。ペクチンを有効成分として含有する肌荒れ防止及び粘膜修復剤。が開示されている。
【0026】
特開2004−35454号公報(特許文献17)には、外用剤として直接皮膚に塗布した場合に、皮膚を害することなく皮膚の新陳代謝を促進し、皮膚を滑らかにし、ニキビ、肌荒れの改善や皮膚の老化予防を兼ねた優れた美容促進効果を示す化粧料を提供する。皮膚若しくは毛髪用化粧料基剤に、モリンダ・シトリフォリア(学名:Morinda Citrifolia L、日本名:ヤエヤマアオキ、別名ノニ)の果実を配合したことを特徴とする化粧料。前記果実が、生果実からの抽出物、圧搾液若しくは乾燥果実からの乾燥粉末である化粧料。が開示されている。
【0027】
特開2004−35422号公報(特許文献18)には、皮膚の劣化の予防および/または低減における次没食子酸ビスマスの新しい使用法を提供すること。皮膚の劣化の予防および/または低減に使用するための次没食子酸ビスマスの新しい使用法を開示する。また、皮膚の劣化の予防および/または低減におけるボルネオールと組み合わせた次没食子酸ビスマスの相乗作用での効能が開示されている。
【0028】
特開2004−26739号公報(特許文献19)には、皮膚を健やかに保つことのできる化粧料に関し、くすみ、くまに対して改善効果に優れ、更に優れた肌あれ防止効果、角質改善効果、老化防止効果及び美肌効果を有する化粧料として、クエルセチンまたはクエルセチンの誘導体を配合する。ことが開示されている。
【0029】
特開2004−18497号公報(特許文献20)には、優れた効果を有する細胞賦活剤及び抗酸化剤を見出し、さらに係る細胞賦活剤及び抗酸化剤を有効成分として配合することにより、皮膚の老化及び肌荒れの防止或いは改善に優れた効果を有する皮膚外用剤を提供する。真皮線維芽細胞及び表皮細胞の賦活作用と抗酸化作用とを有するスナヅル属(Cassytha L.)植物抽出物を細胞賦活剤及び抗酸化剤として用いる。また、皮膚の老化及び肌荒れの防止或いは改善のために、スナヅル属(Cassytha L.)植物抽出物を細胞賦活剤及び抗酸化剤として皮膚外用剤に配合する。ことが開示されている。
【0030】
特開2004−10559号公報(特許文献21)には、真皮線維芽細胞と表皮細胞の賦活作用を有する細胞賦活剤、並びに抗酸化剤、及び皮膚の老化症状と肌荒れの改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤並びに食品を提供する。真皮線維芽細胞と表皮細胞の賦活作用を有するカウレルパラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物を細胞賦活剤として用いる。また、抗酸化作用を有するカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物を抗酸化剤として用いる。さらに、シワ,タルミ,肌のハリの低下といった老化症状や肌荒れの改善のために、真皮線維芽細胞と表皮細胞の賦活作用、並びに抗酸化作用を有するカウレルパ ラセモサ(Caulerpa racemosa)藻類抽出物を皮膚外用剤並びに食品に配合する。ことが開示されている。
【0031】
特開2004−10557号公報(特許文献22)には、優れた効果を有する細胞賦活剤及び抗酸化剤を見出し、さらに係る細胞賦活剤及び抗酸化剤を有効成分として配合することにより、皮膚の老化及び肌荒れの防止或いは改善に優れた効果を有する皮膚外用剤を提供する。真皮線維芽細胞及び表皮細胞の賦活作用と抗酸化作用とを有するヤエヤマヒルギ属(Rhizophora L.)植物抽出物を細胞賦活剤及び抗酸化剤として用いる。また、皮膚の老化及び肌荒れの防止或いは改善のために、ヤエヤマヒルギ属(Rhizophora L.)植物抽出物を細胞賦活剤及び抗酸化剤として皮膚外用剤に配合する。ことが開示されている。
【0032】
特開2003−342148号公報(特許文献23)には、優れた効果を有する細胞賦活剤及び抗酸化剤を見出し、さらに係る細胞賦活剤及び抗酸化剤を有効成分として配合することにより、皮膚の老化及び肌荒れの防止或いは改善に優れた効果を有する皮膚外用剤を提供する。真皮線維芽細胞及び表皮細胞の賦活作用と抗酸化作用とを有するオヒルギ属(Bruguiera)植物抽出物を細胞賦活剤及び抗酸化剤として用いる。また、皮膚の老化及び肌荒れの防止或いは改善のために、オヒルギ属(Bruguiera)植物抽出物を細胞賦活剤及び抗酸化剤として皮膚外用剤に配合する。ことが開示されている。
【0033】
特開2003−342119号公報(特許文献24)には、外用剤として直接皮膚に塗布した場合に、皮膚を害することなく皮膚の新陳代謝を促進し、シミ、ニキビ、肌荒れの改善や皮膚の老化予防を兼ねた優れた美容促進効果を示す化粧料を提供する。皮膚若しくは毛髪用化粧料基剤に、ツルレイシ(ウリ科、学名(Momordica Charantia L ニガウリ(苦瓜))の果実の乾燥粉末を配合する。ことが開示されている。
【0034】
特開2003−267852号公報(特許文献25)には、真皮線維芽細胞と表皮細胞の賦活作用を有する細胞賦活剤、並びに皮膚の老化症状と肌荒れの防止及び改善に優れた効果を発揮する皮膚外用剤を提供する。細胞賦活剤として真皮線維芽細胞と表皮細胞の賦活作用を有するモヅク抽出物を用いる。また、シワ,タルミ,肌のハリの低下といった老化症状や肌荒れの防止と改善のために、真皮線維芽細胞と表皮細胞の賦活作用を有するモヅク抽出物を皮膚外用剤に配合する。ことが開示されている。
【0035】
特開2003−212785号公報(特許文献26)には、茎から分離したナス科ナス属の植物の実を搾る搾り工程と、この搾り汁を液状物と固形物とに分離する分離工程と、分離した前記液状物に保存剤を添加する保存剤前添加工程と、この保存剤添加済の液状物を熱処理する後熱処理工程とを経て製造される液状のナスエキス。保存剤は、アルコール、木酢液、竹酢液、イソジンの内、少なくとも一種類を含み、重量割合で、前記液状物または濃縮物1に対し、前記保存剤を0.1〜1の範囲で添加することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のナスエキス。ナス科ナス属の植物は、茄子、フユサンゴ、ヒラナス、バイオレットシャワー、ペピーノ、ソラナムラントネッティ、ツノナスフォックスフェース、犬酸漿、ヤマホロシ、ヒヨドリバナ、ヒヨドリジョウゴであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のナスエキス。液状或いは軟膏状のナスエキスは、水虫、疣、アトピー、ヘルペス、吹き出物、湿疹などの皮膚病の治療薬、肌荒れの治療薬、または熱帯魚の病気や養殖魚の病気の治療薬として使用し、炭化させたナスエキスは、歯周病の治療薬として使用することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のナスエキス。が開示されている。
【0036】
特開2003−12558号公報(特許文献27)には、特定酵素を吸引又は吸着する吸着粉体と、前記酵素の阻害あるいは活性化特性を有する作用粉体と、を固化性基剤に配合したことを特徴とする固化性皮膚外用剤。皮膚外用剤において、前記吸着粉体は、pH7.5におけるζ電位が負の粉体であることを特徴とする固化性皮膚外用剤。皮膚外用剤において、前記吸着粉体は、pH7.5におけるζ電位が−20mV以下の粉体であることを特徴とする固化性皮膚外用剤。皮膚外用剤において、特定酵素はプラスミノーゲンアクチベーターであり、前記作用粉体はプラスミノーゲンアクチベーター阻害作用を有する金属化合物または金属イオンを放出可能な粉体であることを特徴とする固化性皮膚外用剤。皮膚外用剤において、吸着粉体および作用粉体、又は吸着粉体、作用粉体および基粉体は、固化性基剤との混合前にプレミックスされ、吸着粉体と作用粉体が直接、あるいは基粉体を介して近接部位に配置され、その後に固化性基剤と混合されて得られたことを特徴とする固化性皮膚外用剤。皮膚外用剤において、作用粉体は亜鉛イオンを放出可能な金属または金属化合物であり、吸着粉体はシリカ、タルク、またはマイカであることを特徴とする固化性皮膚外用剤。皮膚外用剤において、プラスミノーゲンアクチベーターの阻害率が40%以上であることを特徴とする固化性皮膚外用剤。なお、プラスミノーゲンアクチベーターの阻害率は以下の方法により測定する。プラスミノーゲンアクチベーター活性阻害作用の測定0.1%の被検試料と二本鎖ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(30U/mL)を含む緩衝液の、合成基質分解活性により評価した。皮膚外用剤が肌荒れ改善用であることを特徴とする固化性皮膚外用剤。皮膚外用剤が敏感肌用であることを特徴とする固化性皮膚外用剤。が開示されている。
【0037】
特開2002−356416号公報(特許文献28)には、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉末0.1〜20%と、グリセリン3〜25%とを含有する肌荒れ防止用油中水型乳化化粧料。前記オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉末の平均粒子径が1.0〜10.0μmである請求項1記載の肌荒れ防止用油中水型乳化化粧料。オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉末とグリセリンとの質量比が、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉末:グリセリン=1:2〜3である肌荒れ防止用油中水型乳化化粧料。が開示されている。
【0038】
特開2002−302448号公報(特許文献29)には、優れた水分保持機能及び肌荒れ改善・防止効果を有する皮膚外用剤を提供すること。カラギーナンの分解により得られるオリゴ糖および/またはその塩を有効成分として含有する、皮膚外用剤を提供することにより、上記課題を解決し得ることを見い出したことが開示されている。
【0039】
特開2002−255728号公報(特許文献30)には、各種薬剤や化粧料に配合して肌荒れの抑制や防止作用を有効に示す肌荒れ防止剤、肌荒れ防止作用等が得られる塩化リゾチームを配合した、化粧水、乳液、ジェル又はクリームの形態の皮膚に直接使用する化粧料を提供すること。肌荒れ防止剤は、塩化リゾチームを有効成分として含み、化粧料は、塩化リゾチームと、抗酸化剤と、エデト酸、エデト酸塩、グルコン酸ナトリウム又はこれらの混合物と、必要により無機系増粘剤、カチオン系高分子増粘剤、ノニオン系高分子増粘剤又はこれらの混合物とを含み、pHが3.5〜6.5であり、形態が化粧水、乳液、ジェル又はクリームである、皮膚に直接使用するものであり、若しくは化粧料全量に対して、0.8質量%を超える量の塩化リゾチウムを含み、pHが3.5〜6.5であり、形態が化粧水、乳液、ジェル又はクリームである、皮膚に直接使用するものである。ことが開示されている。
【0040】
特開2002−241295号公報(特許文献31)には、ネコノヒゲ及び/又はビンロウの抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤を提供する。ネコノヒゲ及び/又はビンロウの抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。本発明の上記抽出物は、優れた活性酸素消去作用、ヒスタミン遊離抑制作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用及び抗菌作用があり、安定性に優れていた。さらに、これらの抽出物を含有する皮膚外用剤は、安全であり、皮膚の老化防止、肌荒れ及びニキビ改善作用に優れていた。ことが開示されている。
【0041】
特開2002−226356号公報(特許文献32)には、保湿性効果、毛髪保護効果を有し、皮膚に対しては乾燥、肌荒れ、ヒビ、アカギレ、炎症性疾患の予防、軽減又は改善に、又毛髪に対しては、乾燥、パサツキ、枝毛、切れ毛、光沢付与等に奏効する化粧料組成物を提供する。無色素の魚の皮から抽出して得られるコラーゲンを含有することを特徴とする保湿剤、肌荒れ改善剤、毛髪保護剤及びこれらを含有する化粧料組成物とする。ことが開示されている。
【0042】
特開2002−212050号公報(特許文献33)には、外用剤として直接皮膚に塗布した場合に、皮膚を害することなく皮膚の新陳代謝を促進し、皮膚をなめらかにし、ニキビ,肌荒れや皮膚の老化予防を兼ねた優れた美容促進効果を示す化粧料を提供する。皮膚若しくは毛髪用化粧料基剤に、ツルレイシ(ウリ科、学名(Momordica Charantia L ニガウリ(苦瓜))の果実からの抽出物若しくは圧搾液を配合した。ことが開示されている。
【0043】
特開2002−193820号公報(特許文献34)には、肌荒れ防止効果を目的とする薬効成分を配合した場合に生じる、薬効成分の効果が十分でなかったり、薬効を得るのに十分な量を添加すると安定性に欠けたり使用感が悪くなるという欠点を改善した皮膚外用剤を提供すること。アガベ
サルミアーナ(Agave salmiana)、アガベ スカルブラ(Agave
scarbra)、アガベ セルシー(Agave celsii)またはアガベ テキラ ーナ(Agave tequilana)から選ばれるアガベ属植物を抽出することにより得られるアガベ抽出物を有効成分とする皮膚外用剤および当該アガベ抽出物(成分(a))と保湿剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、紫外線防止剤から選ばれる薬剤(成分(b))を含有する皮膚外用剤組成物。が開示されている。
【0044】
特開2002−187838号公報(特許文献35)には、微生物を豆類抽出物に作用させて得られる発酵生成物とビタミンAおよび/またはその誘導体の一種または二種以上とを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
細胞賦活効果を有するものである皮膚外用剤。
ヒアルロン酸産生促進効果を有するものである皮膚外用剤。肌荒れ防止・改善剤である皮膚外用剤。微生物が乳酸菌またはビフィズス菌より選ばれる微生物の1種又は2種以上である皮膚外用剤。化粧料である皮膚外用剤。が開示されている。
【0045】
特開2002−121108号公報(特許文献36)には、キシリトール、アルギニン、トリメチルグリシンの中から選ばれる1種または2種以上と、イチョウエキスを配合した肌荒れ改善用皮膚外用剤。が開示されている。
【0046】
特開2002−87925号公報(特許文献37)には、(1) 海綿タンパク質の加水分解物と(2) トリメチルグリシン及び/又はN−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩とを合有してなる肌荒れ防止、肌荒れ改善及び肌の保湿性に優れた皮膚外用剤。が開示されている。
【0047】
特開2002−80359号公報(特許文献38)には、患部においてプラスミン(Plasmin)および/またはプラスミノーゲンアクチベーター(Plasminogen activator:PA)などのセリンプロテアーゼの活性変化が認められる皮膚疾患、例えば接触性皮膚炎、乾癬、尋常性天疱瘡、先天性水疱瘡等の他、乾燥や洗浄剤等によって惹起される肌荒れ、荒れ性に対して改善・予防効果を有する皮膚外用剤、肌荒れ改善用皮膚外用剤、プロテアーゼ阻害剤、抗プラスミン剤、およびニキビの回復を促進すると共に、ニキビ・吹き出物に対して改善・予防効果を有するニキビ改善・予防剤およびニキビ改善用皮膚外用剤を提供する。アスパラギン酸−N,N−二酢酸またはその塩を配合する。ことが開示されている。
【0048】
特開2002−80338号公報(特許文献39)には、肌荒れ防止、肌荒れ改善のほか、皮膚のたるみ、つやの消失などを防いで老化を防止する効果の高い老化防止用皮膚外用剤および肌荒れ改善用皮膚外用剤を提供する。ビタミンAまたはその誘導体と、クルクミンまたはその塩若しくはその誘導体、レンゲソウ(Astragalus sinicus Linne (Leguminosae))、トルメンチラ(Potentilla tormentilla Schrk (Rosaceae))またはイブキジャコウソウ(Thymus serpyllum L.)またはこれらの溶媒抽出物のようなゼラチナーゼ活性阻害剤とを有効成分として配合する。ことが開示されている。
【0049】
特開2002−3373号公報(特許文献40)には、塩基性アミノ酸またはその塩あるいはトラネキサム酸と、炭素数4〜6の糖アルコールとを有効成分として配合することを特徴とする肌荒れ改善用皮膚外用剤。塩基性アミノ酸またはその塩あるいはトラネキサム酸と、炭素数4〜6の糖アルコールとを有効成分として配合することを特徴とする老化防止用皮膚外用剤。糖アルコールがキシリトールまたはエリスリトールである皮膚外用剤。が開示されている。
【0050】
特開2002−3359号公報(特許文献41)には、ビタミンAまたはその誘導体と、炭素数4〜6の糖アルコールとを有効成分とすることを特徴とする肌荒れ改善用皮膚外用剤。ビタミンAまたはその誘導体と、炭素数4〜6の糖アルコールとを有効成分とすることを特徴とする老化防止用皮膚外用剤。
糖アルコールがキシリトールまたはエリスリトールである皮膚外用剤。ビタミンAまたはその誘導体の配合量が0.001〜1.0重量%であり、炭素数4〜6の糖アルコールの配合量が0.001〜20.0重量%である皮膚外用剤。が開示されている。
【0051】
特開2002−3358号公報(特許文献42)には、クララ、アセンヤク、チョウジ、ユキノシタ、ホップ、ローズマリー、シコン、オトギリソウ、セイヨウオトギリソウおよびチャから選ばれる植物の抽出液の一種または二種以上と、トラネキサム酸とを有効成分として配合することを特徴とする肌荒れ改善用皮膚外用剤。クララ、アセンヤク、チョウジ、ユキノシタ、ホップ、ローズマリー、シコン、オトギリソウ、セイヨウオトギリソウおよびチャから選ばれる植物の抽出液の一種または二種以上と、トラネキサム酸とを有効成分として配合することを特徴とする老化防止用皮膚外用剤。植物抽出物の配合量が乾燥固形分として0.00001〜0.1重量%であり、トラネキサム酸の配合量が0.01〜10.0重量%である皮膚外用剤。が開示されている。
【0052】
特開2001−342112号公報(特許文献43)には、メラニンの生成を抑制し、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑などの予防に有効であると共に、接触性皮膚炎、乾癬、その他の肌荒れ、荒れ性等の皮膚疾患の改善にも有効な美白作用と肌荒れ改善作用を共に有する皮膚外用剤を提供する。アケビまたはその溶媒抽出物と、チョウジノキ、ケイ、サジオモダカ、ショウガ、オウレンよりなる群から選ばれた一種または二種以上の植物またはその溶媒抽出物とを有効成分として配合する。ことが開示されている。
【0053】
特開2001−335458号公報(特許文献44)には、メラニンの生成を抑制し、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑などの予防に有効であると共に、接触性皮膚炎、乾癬、その他の肌荒れ、荒れ性等の皮膚疾患の改善にも有効な美白作用と肌荒れ改善作用を共に有する皮膚外用剤を提供する。アケビまたはその溶媒抽出物と、キシリトール、マンニトール、エリスリトールよりなる群から選ばれた一種または二種以上とを有効成分として配合する。ことが開示されている。
【0054】
特開2001−335454号公報(特許文献45)には、皮膚のヒアルロン酸産生の促進およびコラーゲン代謝の改善により、肌荒れ防止・改善効果、角質改善効果、保湿効果、はり消失の予防効果を有する、皮膚の老化の予防に有効な肌荒れ防止・改善剤を提供すること。イソフラボンアグリコンを有効成分とする肌荒れ防止・改善剤。が開示されている。
【0055】
特開2001−278797号公報(特許文献46)には、アラキドン酸の代謝を阻害し、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬等、種々の皮膚疾患による肌荒れ症状や炎症の他、健常人の肌荒れ、荒れ性に対する予防及び改善に有効な肌荒れ防止用皮膚外用剤、抗炎症剤およびアラキドン酸代謝阻害剤を提供する。ボルド(Boldo、学名:Peumus boldus)、キュレン(Culen、学名:Psoral
pubescens Pers.)およびラタニア(Ratania、学名:Krameria triandra)から選ばれた一種または二種以上の植物の抽出物を有効成分として配合する。ことが開示されている。
【0056】
特開2001−261545号公報(特許文献47)には、血小板活性化因子拮抗作用を有し、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬等の種々の皮膚疾患による肌荒れ症状の他、健常人の肌あれ、荒れ性に対して改善・予防効果を有する肌荒れ防止用皮膚外用剤を提供する。ショウガ科(Zingiberaceae)ショウガ属(Zingiber)の植物であるテムクンチ(インドネシア名:Temu Kunci、学名:Boesenbergia pandurataSchl.)の抽出物、ショウガ科(Zingiberaceae)ケンプフェリア属(Kaempferia)の植物であるクネイ・ペペト(インドネシア名:Kunei pepet、学名:Kaempferia angustifolia)の抽出物、またはトウダイグサ科(Euphorbiaceae)コミカンソウ属(Phyllanthus)の植物であるメニラン(インドネシア名:Menilan、学名:Phyllanthus niruri L.)の抽出物を有効成分として配合する。ことが開示されている。
【0057】
特開2001−151659号公報(特許文献48)には、安全性の高い植物由来のプロテアーゼ阻害剤およびそれを配合した皮膚外用剤を提供することにある。カヤツリグサ科(Cyperaceae)及び/またはホルトノキ科(Elaeocarpaceae)に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上を有効成分として含有するプロテアーゼ阻害剤およびそれを配合した抗肌荒れ用皮膚外用剤。が開示されている。
【0058】
特開2001−240551号公報(特許文献49)には、セリンプロテアーゼ、特にはプラスミン、プラスミノーゲンアクチベーター等の繊維素溶解系に関わるセリンプロテアーゼの活性変化に起因する種々の疾患、特に皮膚疾患、健常人の肌荒れ、荒れ性等の改善・予防に優れた効果を有するセリンプロテアーゼ活性阻害剤、および肌荒れ改善用皮膚外用剤を提供する。カロフィラム・ブラジリエンセ(Calophyllum brasiliense Cambess.)、ミルキア・スファエロカルパ(Myrcia sphaerocarpa DC.)、およびヒプティス・クレナタ(Hyptis
crenata Pohl ex Benth.)の中から選ばれる1種または2種以上の植物、あるいはその溶媒抽出物を含有するセリンプロテアーゼ活性阻害剤、および上記植物あるいはその溶媒抽出物を含有する肌荒れ改善用皮膚外用剤。が開示されている。
【0059】
特開2001−240548号公報(特許文献50)には、無機成分により肌荒れ改善効果を発揮するプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、それを配合した皮膚外用剤およびそれを用いた肌荒れ改善方法を提供する。プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つその活性を阻害する酸化亜鉛を一種又は二種以上含むことを特徴とするプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、それを配合した皮膚外用剤およびそれを用いた肌荒れ改善方法。が開示されている。
【0060】
特開2001−122792号公報(特許文献51)には、日焼け後の色素沈着、しみ、そばかす、角化異常を伴う種々の皮膚疾患、肌荒れ、荒れ性、皮膚老化等を防止・改善し得る、新たな手段を見出すこと。アカギ属に属する植物(Bischofia Bl.)、イワナシ属に属する植物(Epigaea L.)、カンレンボク属に属する植物(Camptotheca Decne.)及びリョウブ属に属する植物(Clethra L.)からなる群から選ばれる1種または2種以上の植物の抽出物を有効成分とする皮膚外用剤を提供することにより、上記の課題を解決し得ることを見出したことが開示されている。
【0061】
特開2001−122728号公報(特許文献52)には、皮膚におけるプロテアーゼの作用に着目した、プロテアーゼ阻害活性を皮膚において発揮する外用剤、すなわち、プロテアーゼ阻害剤を提供すること。カイノキ属(Pistacia L.) に属する植物、クロモジ属(Lindera Thunb.)に属する植物及びシラキ属(Sapium P.Br) に属する植物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の植物の抽出物を有効成分とするプロテアーゼ阻害剤を提供することにより、上記の課題を解決し得ることを見出したことが開示されている。
【0062】
特開2001−81008号公報(特許文献53)には、優れた肌荒れ防止および肌荒れ改善効果を有し、かつ皮膚のたるみ、つやの消失などを防いで老化を防止する効果のある肌荒れ防止・改善用および老化防止用皮膚外用剤を提供する。イチヤクソウ、オトギリソウ、ジュウヤク、セイヨウハッカ、ミドリハッカ、ゲンノショウコ、ボタン、セイヨウカラハナソウ(ホップ)、アルニカ、ローマカミレツ、サノサーノ、ドクダミ、カワラヨモギ、アンズ、ブドウ葉、ベニバナおよびバーチから選ばれる植物の抽出液の一種または二種以上と、キシリトールやエリスリトールのような炭素原子数4〜6の糖アルコールとを配合する。ことが開示されている。
【0063】
特開2001−39854号公報(特許文献54)には、化粧品、医薬部外品、医薬品などの斯界で従来から所望されている、美白、肌荒れ改善・防止、保湿などの各種有用な効果を備える皮膚外用剤の提供。アブラナ(Cruciferas)科レピディウム(Lepidium)属植物の抽出物、特にマクァ(Lepidium meyenii Walp)を含有する皮膚外用剤を用いる。ことが開示されている。
【0064】
特開2000−344651号公報(特許文献55)には、優れた肌荒れ防止および肌荒れ改善効果を有し、かつ皮膚のたるみ、つやの消失などを防いで老化を防止する効果を副作用なく著しく増加させることができる皮膚外用剤を提供する。リゾレシチンと、セリン、アラニンおよびトリメチルグリシンから選ばれる化合物の少なくとも1種とを配合する。ことが開示されている。
【0065】
特開2000−344650号公報(特許文献56)には、優れた肌荒れ防止および肌荒れ改善効果を有し、かつ皮膚のたるみ、つやの消失などを防いで老化を防止する効果を副作用なく著しく増加させることができる皮膚外用剤を提供する。フィトステロールと、セリン、アラニンおよびトリメチルグリシンから選ばれる化合物の少なくとも1種とを配合する。ことが開示されている。
【0066】
特開2000−247907号公報(特許文献57)には、皮膚の生理学的剥離を促進し健康な皮膚とするのに役立つ角質剥離促進剤及び皮膚化粧料等の皮膚外用剤、皮膚の角質層のターンオーバー速度を早め、古い角質を速やかに除去することにより古い角質層に含まれるメラニンを除去し美しく白い皮膚を取り戻すのに効果のある美白化粧料を提供する。アプリコットエキス、米糠エキス、キャロットエキスその他の皮膚のアスパラギン酸プロテイナーゼの活性を高める物質からなる角質剥離促進剤、更に皮膚のキモトリプシン様プロテイナーゼの活性を高める物質を併用する角質剥離促進剤、これらの角質剥離促進剤を含有することを特徴とする種々の皮膚外用剤及び皮膚化粧料、並びに皮膚のアスパラギン酸プロテイナーゼの活性を高めることによる角質剥離促進方法。が開示されている。
【0067】
特開2000−247866号公報(特許文献58)には、スキンケア効果に優れた皮膚外用剤を提供する。(1)クレアチニン及び/又はクレアチンと、(2)薬効物質及び/又は生理活性物質である活性物質を含有することを特徴とする皮膚外用剤。が開示されている。
【0068】
特開2000−212059号公報(特許文献59)には、内皮細胞増殖効果および血管新生効果に優れ、かつ荒れ肌改善効果の高い化粧料を提供する。アミハナイグチ、シロヌメリイグチ、ハナイグチ、ウツロベニハナイグチ、アミタケ、キノボリイグチ、エゾウコギ、黄精、ゲンチアナ、センナ、トチュウ、ダイオウ、メリロート、ヨクイニン、クコの実、当帰、地黄、サンシシ、甘草、ニンジン、紅参、紫根、シンビジュームから選ばれる抽出物を配合することを特徴とする化粧料。人さい帯内皮細胞増殖作用および、血管新生効果に優れ、かつ肌荒れ改善効果の高い化粧料である。ことが開示されている。
【0069】
特開2000−191493号公報(特許文献60)には、外用剤として直接皮膚に塗布した場合に、ニキビ及び肌荒れの改善に卓越した効果を示すと共に、皮膚を害することなく皮膚の働きを活性化し、皮膚の再生を助ける薬用化粧料を提供する。化粧料基剤に、ショウガ科ゲットウ(Aipinia
speciosa K.schum)の葉又は茎からの抽出液若しくは圧搾液をを配合する。ことが開示されている。
【0070】
特開2000−95667号公報(特許文献61)には、肌荒れ防止および肌荒れ改善作用の高い皮膚外用剤を提供する。チャノキ(Thea sinensiss Linne)の葉及び/又は実の抽出物と、セリン、アラニン、トリメチルグリシン、エデト酸塩およびエチレンジアミンヒドロキシエチル3酢酸3ナトリウムから選ばれる化合物の一種または二種以上とを配合する。ことが開示されている。
【0071】
特開平11−269029号公報(特許文献62)には、種々の皮膚疾患、肌荒れ、荒れ性等の改善・予防に優れた効果を有し、かつ皮膚のはりを保ち、たるみを防いで老化を防止する効果にも優れた皮膚外用剤を提供する。ブナ科ブナ属植物の抽出物と、特定の1−アシルリゾリン脂質と、阿仙薬の抽出物とを配合する。ことが開示されている。
【0072】
特開平11−269028号公報(特許文献63)には、肌荒れ改善効果に優れ、種々の皮膚疾患、肌荒れ、荒れ性等の改善・予防に優れた効果を有する皮膚外用剤を提供する。オオツヅラフジの根および/または茎(防已)のようなツヅラフジ科植物の抽出物とアミノ酸またはその誘導体とを配合する。ことが開示されている。
【0073】
特開平11−209298号公報(特許文献64)には、接触性皮膚炎、乾癬等の種々の皮膚疾患による肌荒れ症状の他、健常人の肌荒れ、荒れ性に対して改善・予防効果を有する肌荒れ改善用皮膚外用剤を提供する。クアチャララーテ(Cuachalalate、学名:Juliania adstringens)の溶媒抽出物を配合した肌荒れ改善用皮膚外用剤。該溶媒抽出物からなるプロテアーゼ阻害剤。が開示されている。
【0074】
特開平11−60436号公報(特許文献65)には、肌荒れ、特に角質の粗造化、かさつきを改善し、肌理を整え、すべすべした肌を実現可能な肌荒れ改善用化粧料を提供する。L−アラニン、D−アラニンまたはDL−アラニンを有効成分として配合する。ことが開示されている。
【0075】
特開平11−60435号公報(特許文献66)には、肌荒れ、特に角質の粗造化、かさつきを改善し、肌理を整え、すべすべした肌を実現可能な肌荒れ改善用化粧料を提供する。
L−セリン、D−セリンまたはDL−セリンを有効成分として配合する。ことが開示されている。
【0076】
特開平11−35443号公報(特許文献67)には、新規な保湿剤、肌あれ改善剤、及び、安全性が高く、優れた保湿効果及び肌あれ改善効果を有しかつ使用性に優れた皮膚外用剤を提供すること。下記一般式(1)で表される低級アルキルテトリトールエーテルを有効成分とすることを特徴とする保湿剤、皮膚外用剤及びこれを含有する皮膚外用剤である。A−Rn
(1)(Aは水素原子nを除いたテトリトール残基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基で、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、不飽和アルキル基、ヒドロキシアルキル基のいずれでも良い。nはRの平均置換度を表し、1〜4の範囲の数である。)ことが開示されている。
【0077】
特開平10−245334号公報(特許文献68)には、オキナワモズクおよびイトモズクから抽出したエキスおよびフコイダンの化粧品,薬用化粧品,および皮膚外用剤への利用。オキナワモズクおよびイトモズクは沖縄県の特産品で現在,養殖により年間6,000余トン生産されている.これらのモズクから粘質物;エキス(固体粉末)およびフコイダンを製造し,これらを化粧品,薬用化粧品,および皮膚外用剤に配合することにより,これまでにない全く新しい機能を有する製品を製造する。ことが開示されている。
【0078】
特開平10−120548号公報(特許文献69)には、肌荒れ防止作用に優れ、種々の皮膚疾患、肌荒れ、荒れ性等の改善・予防に優れた効果を有するものであると共に、安全性にも優れた肌荒れ防止剤を提供する。スクアレンまたは部分水素添加スクアレンを主成分として配合する。ことが開示されている。
【0079】
特開平10−72333号公報(特許文献70)には、健常人の肌荒れや荒れ性に対しては勿論のこと、接触性皮膚炎,乾癬等の種々の皮膚疾患による肌荒れ症状に対しても予防・改善効果を有する皮膚外用剤を提供する。チコリ(Cichorium intybus L.)の根の抽出物を含んでなる皮膚外用剤、例えば肌荒れ改善用皮膚外用剤を提供すること。が開示されている。
【0080】
特開平10−72312号公報(特許文献71)には、健常人の肌荒れや荒れ性に対しては勿論のこと、接触性皮膚炎,乾癬等の種々の皮膚疾患による肌荒れ症状に対しても予防・改善効果を有する皮膚外用剤の提供。イヌリンの酸分解物、特にチコリ由来のイヌリンの酸分解物を含んでなる皮膚外用剤、例えば肌荒れ改善用皮膚外用剤を提供すること。が開示されている。
【0081】
特開平10−17461号公報(特許文献72)には、接触性皮膚炎、乾癬等の種々の皮膚疾患による肌荒れ症状の他、健常人の肌荒れ、荒れ性に対して改善・予防効果を有する肌荒れ改善用外用剤を提供する。クララ(学名:Sophora flavescens Aiton)の溶媒抽出物を配合する。ことが開示されている。
【0082】
特開平9−143048号公報(特許文献73)には、肌荒れ改善効果の高い皮膚外用剤を提供する。ヒアルロン酸のようなムコ多糖と、一般式NH2CH2CH2X(式中、Xは−SO2Hまたは−SO2SHを表す。)で示される化合物とを配合する。また、好ましくはグリセリンをさらに配合する。ことが開示されている。
【0083】
特開平9−25213号公報(特許文献74)には、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白に優れた効果を有すると共に、プロテアーゼ阻害作用にも優れ、種々の皮膚疾患、肌荒れ、荒れ性等の改善にも有効な皮膚外用剤を提供する。ブア・テンパヤン(Buah
tempayang、学名:Scapium affinis Pierre)のようなアオギリ(Sterculiaceae)科スカピウム(Scapium)属植物の抽出物を配合する皮膚外用剤。が開示されている。
【0084】
特開平9−20643号公報(特許文献75)には、肌荒れ改善作用に優れ、種々の皮膚疾患、肌荒れ、荒れ性等の改善・予防に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れた肌荒れ改善用外用剤を提供する。ザポテ(Zapote、学名:Quararibea amazonia)の抽出物を配合する肌荒れ改善用外用剤。が開示されている。
【0085】
特開平9−20640号公報(特許文献76)には、肌荒れ改善作用に優れ、種々の皮膚疾患、肌荒れ、荒れ性等の改善・予防に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れた肌荒れ改善用外用剤を提供する。コラ・デ・カバロ(Cola
de caballo、学名:Equisetum giganteum)の抽出物を配合する肌荒れ改善用外用剤。が開示されている。
【0086】
特開平9−20642号公報(特許文献77)には、肌荒れ改善作用に優れ、種々の皮膚疾患、肌荒れ、荒れ性等の改善・予防に優れた効果を有すると共に、安全性にも優れた肌荒れ改善用外用剤を提供する。クエ・シャー(Que
shuar、学名:Buddleja L.)の抽出物を配合する肌荒れ改善用外用剤。が開示されている。
【0087】
特開平8−325135号公報(特許文献78)には、優れた肌荒れ防止・改善効果を有し、しかも安全性の高い皮膚外用剤を提供する。アデノシン三リン酸−二ナトリウムと、トラネキサム酸とを配合し、さらに好ましくはニンジン抽出液を配合する。ことが開示されている。
【0088】
特開平7−309710号公報(特許文献79)には、使用感の優れた外用基剤及び肌荒れ防止改善剤を提供する。テプレノン(化学名ゲラニルゲラニルアセトン)である外用基剤、肌荒れ防止改善剤。
テプレノンを外用基剤に使用することにより、外用剤のノビ、スベスベ感、ベタツキ感のなさ等において仕様感の優れたものとすることができる。また、テプレノンは肌荒れ防止・改善効果を有し、皮膚の潤いや柔軟性が高まる。ことが開示されている。
【0089】
特開平6−183948号公報(特許文献80)には、炭素数16〜24の脂肪酸残基を有するモノグリセリドからなる肌荒れ緩和剤。この肌荒れ緩和剤は、皮膚への刺激や損傷、特に洗浄剤等の使用に起因する肌荒れに対して優れた緩和及び改善効果を有すると共に、皮膚に対して高い保湿効果を有するものである。ことが開示されている。
【0090】
特開平6−100427号公報(特許文献81)には、愛玉子の溶媒抽出物を含む肌荒れ防止剤。酸化防止作用が強く、ヒアルロニダーゼ活性を抑制してヒアルロン酸が安定となるので、化粧品に配合すると、肌荒れを防止し、小皺を防止し、しっとり感が増し、肌のはりを保ち、肌のつやをよくする。長年清涼飲料として愛用されているので、人間の肌に対する安全性は保証されている。ことが開示されている。
【0091】
特開平5−339141号公報(特許文献82)には、ポリアンテス属に属する植物のカルス由来の酸性ヘテロ多糖類を含有する肌荒れ防止剤。この肌荒れ防止剤は、皮膚への密着性が高く、皮膚に対する外界からの刺激を遮断し、皮膚のターンオーバー日数を長くすることができるため、肌荒れ、特に炎症を伴った肌荒れの防止及び改善に有効であり、かつ皮膚への刺激もなく、安全性の高いものである。ことが開示されている。
【0092】
特開平5−331040号公報(特許文献83)には、特定の生薬成分または生薬エキスを配合することにより、洗剤やパーマ剤による手荒れを防止することができる肌荒れ防止剤、洗剤、および肌荒れ防止方法を提供する。タンニン、有機酸および配糖体から選択される1つ若しくは2つ以上の成分若しくは上記成分を含有する生薬エキスを含有する肌荒れ防止剤、または上記成分若しくは上記エキスを含有する洗剤および上記成分若しくは上記エキスを使用することによる肌荒れ防止方法。皮膚角質層のS−S結合の開裂を防止することにより肌荒れを防止することができる。ことが開示されている。
【0093】
WO00/21501号公報(特許文献84)には、ビフィドバクテリウム属細菌から選ばれる1種又は2種以上の微生物を大豆抽出液に作用させて得られる発酵生成物から有機溶媒抽出した発酵大豆抽出物を含有する皮膚外用剤及び化粧料に関する。この外用剤は、しわ改善効果及び肌荒れ改善効果に優れる。ことが開示されている。
【0094】
WO97/02803号公報(特許文献85)には、特定の四級アンモニウム塩の有する保湿作用および肌改善作用を十分に発揮し得る皮膚外用剤を提供することにある。このために、本発明にかかる皮膚外用剤は、下記溝造式(I)で表される四級アンモニウム塩と、ビタミンE類、ビタミンA誘導体およびアルキル変性カルボキシビニルポリマーよりなる群から選択される、前記四級アンモニウム塩の有する保湿機能及び肌改善機能の増強剤と、を含むことを特徴とする剤。が開示されている。
【0095】
特開平4−124118号公報(特許文献86)には、エリスリトールとイプシロンアミノカプロン酸とを有効成分として配合することを特徴とする安全性の高い肌荒れ改善用皮膚外用剤。が開示されている。
【0096】
特開平1−254610号公報(特許文献87)には、生乳から分子量13,000以上の物質のみを除去して得られた肌あれ、コジワ、シミ等に対する治癒成分を含有することを特徴とする皮膚化粧料。生乳より製造された脱脂乳、又は脱脂乳から得たカゼインホエー、或いはチーズホエーから分子量13,000以上の物質のみを除去して得られた肌あれ、コジワ、シミ等に対する治癒成分を含有することを特徴とする皮膚化粧料。皮膚化粧料を製造する製造方法であって、生乳、脱脂乳、カゼインホエー、チーズホエーから選ばれる原料乳から限外濾過法により分子量13,000以上の物質を除去することを特徴とする皮膚化粧料の製造法。が開示されている。
【0097】
特開平3−7212号公報(特許文献88)には、トラネキサム酸を0.5〜5重量%、分子内に3個以上の水酸基を有する多価アルコールの一種又は二種以上を5〜20重量%含有することを特徴とする肌荒れ改善外用剤。が開示されている。
【0098】
特開平2−196709号公報(特許文献89)には、極性オイル、紫外線吸収剤、消炎剤、防腐剤、殺菌剤、油溶性色素剤及び香料からなる群から選択された少なくとも1つの水難溶性成分をヒドロキシアルキル化シクロデキストリンで包接した包接物を配合した肌荒れ防止・改善性能に優れた化粧料であって、その包接物含有料が全化粧料中の25重量%以下である肌荒れ防止・改善性能に優れた化粧料。極性オイル、紫外線吸収剤、消炎剤、防腐剤、殺菌剤、油溶性色素剤及び香料からなる群から選択された少なくとも1つの水難溶性成分をヒドロキシアルキル化シクロデキストリンで包接した包接物を配合した肌荒れ防止・改善性能に優れた粉末化粧料であって、その包接物含有量が全化粧料中の50重量%以下である肌荒れ防止・改善性能に優れた粉末化粧料。が開示されている。
【0099】
特開平4−305509号公報(特許文献90)には、尿素と、トラネキサム酸、もしくはその塩類、もしくはその誘導体、またはこれらの混合物とを配合することを特徴とする肌荒れ改善用皮膚外用剤。が開示されている。
【0100】
特開平5−32556号公報(特許文献91)には、イチョウ抽出物とスーパーオキサイドディスムターゼとを含有する肌荒れ改善用ないし皮膚老化防止用外用剤。が開示されている。
【0101】
特開平6−65041号公報(特許文献92)には、(A1)マイカイカ抽出物、並びに(B1)酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、牛血液除蛋白物、牛脾臓抽出物、トナカイ筋酵素分解物、鶏冠酵素分解物、ローヤルゼリー、真珠蛋白抽出物、アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸、コハク酸及びこれらの誘導体から選ばれる一種又は二種以上からなる肌荒れ改善剤。(A2)モッカ抽出物、並びに(B2)酵母抽出物、ビフィズス菌抽出物、牛血液除蛋白物、鶏冠酵素分解物、アデノシン三リン酸及びこれらの誘導体から選ばれる一種又は二種以上からなる肌荒れ改善剤。(A3)イクリニン抽出物、並びに(B3)アデノシン三リン酸、コハク酸及びこれらの誘導体から選ばれる一種又は二種以上からなる肌荒れ改善剤。が開示されている。
【0102】
特開2001−213754号公報(特許文献93)には、次の成分(A)及び(B):(A)アミノ酸又はその塩、乳酸又はその塩、尿素及びベタインから選ばれる保湿成分、(B)セドロール、を有効成分とする肌荒れ・かさつき改善用化粧料。が開示されている。
【0103】
特開平10−203920号公報(特許文献94)には、アヤメ科のヒオウギ抽出液とアルギニン塩酸塩とを含有することを特徴とする、肌荒れ防止・改善化粧料。アヤメ科のヒオウギ抽出液とアルギニン塩酸塩とを含有することを特徴とする、皮膚の潤い・はりの消失防止化粧料。が開示されている。
【特許文献1】特開2004−331530号公報
【特許文献2】特開2004−323466号公報
【特許文献3】特開2004−284962号公報
【特許文献4】特開2004−256485号公報
【特許文献5】特開2004−250372号公報
【特許文献6】特開2004−238318号公報
【特許文献7】特開2004−217621号公報
【特許文献8】特開2004−155678号公報
【特許文献9】特開2004−155677号公報
【特許文献10】特開2004−149444号公報
【特許文献11】特開2004−99503号公報
【特許文献12】特開2004−91351号公報
【特許文献13】特開2004−83541号公報
【特許文献14】特開2004−75661号公報
【特許文献15】特開2004−67676号公報
【特許文献16】特開2004−59440号公報
【特許文献17】特開2004−35454号公報
【特許文献18】特開2004−35422号公報
【特許文献19】特開2004−26739号公報
【特許文献20】特開2004−18497号公報
【特許文献21】特開2004−10559号公報
【特許文献22】特開2004−10557号公報
【特許文献23】特開2003−342148号公報
【特許文献24】特開2003−342119号公報
【特許文献25】特開2003−267852号公報
【特許文献26】特開2003−212785号公報
【特許文献27】特開2003−12558号公報
【特許文献28】特開2002−356416号公報
【特許文献29】特開2002−302448号公報
【特許文献30】特開2002−255728号公報
【特許文献31】特開2002−241295号公報
【特許文献32】特開2002−226356号公報
【特許文献33】特開2002−212050号公報
【特許文献34】特開2002−193820号公報
【特許文献35】特開2002−187838号公報
【特許文献36】特開2002−121108号公報
【特許文献37】特開2002−87925号公報
【特許文献38】特開2002−80359号公報
【特許文献39】特開2002−80338号公報
【特許文献40】特開2002−226356号公報
【特許文献41】特開2002−3359号公報
【特許文献42】特開2002−3358号公報
【特許文献43】特開2001−342112号公報
【特許文献44】特開2001−335458号公報
【特許文献45】特開2001−335454号公報
【特許文献46】特開2001−278797号公報
【特許文献47】特開2001−261545号公報
【特許文献48】特開2001−151659号公報
【特許文献49】特開2001−240551号公報
【特許文献50】特開2001−240548号公報
【特許文献51】特開2001−122792号公報
【特許文献52】特開2001−122728号公報
【特許文献53】特開2001−81008号公報
【特許文献54】特開2001−39854号公報
【特許文献55】特開2000−344651号公報
【特許文献56】特開2000−344650号公報
【特許文献57】特開2000−247907号公報
【特許文献58】特開2000−247866号公報
【特許文献59】特開2000−212059号公報
【特許文献60】特開2000−191493号公報
【特許文献61】特開2000−95667号公報
【特許文献62】特開平11−269029号公報
【特許文献63】特開平11−269028号公報
【特許文献64】特開平11−209298号公報
【特許文献65】特開平11−60436号公報
【特許文献66】特開平11−60435号公報
【特許文献67】特開平11−35443号公報
【特許文献68】特開平10−245334号公報
【特許文献69】特開平10−120548号公報
【特許文献70】特開平10−72333号公報
【特許文献71】特開平10−72312号公報
【特許文献72】特開平10−17461号公報
【特許文献73】特開平9−143048号公報
【特許文献74】特開平9−25213号公報
【特許文献75】特開平9−20643号公報
【特許文献76】特開平9−20640号公報
【特許文献77】特開平9−20642号公報
【特許文献78】特開平8−325135号公報
【特許文献79】特開平7−309710号公報
【特許文献80】特開平6−183948号公報
【特許文献81】特開平6−100427号公報
【特許文献82】特開平5−339141号公報
【特許文献83】特開平5−331040号公報
【特許文献84】WO00/21501号公報
【特許文献85】WO97/02803号公報
【特許文献86】特開平4−124118号公報
【特許文献87】特開平1−254610号公報
【特許文献88】特開平3−7212号公報
【特許文献89】特開平2−196709号公報
【特許文献90】特開平4−305509号公報
【特許文献91】特開平4−305509号公報
【特許文献92】特開平6−65041号公報
【特許文献93】特開2001−213754号公報
【特許文献94】特開平10−203920号公報
【0104】
肌荒れ防止のための保湿剤について、以下のような知見が知られている。
【0105】
保湿剤は製品の水分蒸発を防ぐと共に、皮膚表面の水分の調整をして、皮膚、毛髪にうるおいのあるしっとり感を与える目的で配合される。皮膚角質層の水分量が、皮膚の健康維持や外界がらの様々な刺激からの防御機能に密接に関係し、皮膚の老化防止、うるおい、なめらかさなどの感触に大きな役割を果たしている。この角質層の水分保持は通常NMF(天然保湿因子)と皮脂膜によってコントロールされているが、老化もしくは外界からの刺激などで容易にその機能が低下することから、化粧品でその保温成分を補うことは、基礎化粧品の大切な効能の一つである。
【0106】
肌の水分を補う保湿成分としては、生体成分と同じか、類似の成分が注目され、応用されるようになっている。したがって、NMFの構成要素であるアミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸などが用いられる。また、真皮層の保湿にかかわりの深いヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖葵質は、肌になじみがよく、水分保持効果が高い原料として配合されている。バイオテクノロジ一の進歩により、ヒアルロン酸など、天然界からは入手しづらかったものも、生産できるようになった。
【0107】
さらに、表皮細胞の水分保持に大いにかかわっているのが細胞間脂質であり、この脂質の類似物質も開発されている。そのほか、保湿剤としては、昔からグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビットなどの多価アルコール類が多く用いられている。これらは水分を保つ働きぱかりでなく、使用感にも大きく影響する。植物からの抽出成分も、角質層の保湿機能を補い、うるおいのある肌づくりをし、肌の恒常性維持に有効なことから広く配合されている。さらには、可溶性コラーゲン、ユラスチン、ケラチンなどのたんぱく質加水分解物、牛胎盤エキスより抽出するプラセンターエキスや哺乳動物の胃粘膜、唾液腺で生産、分泌される糖たんぱく質のムチン、カニやエビの殻を主原科とするキチン・キトサン、ビフィズス菌代謝物、酵母発酵代謝産物、酵母抽出物など多くの物質が保湿剤として使用されている。
【0108】
多価アルコールについて。
【0109】
グリセリン、少ない量ではあるが、グリセリンは皮脂肪膜の分解によって生成する天然の皮膚成分である。もっとも古くから用いられてきた保湿剤であり、非常に吸湿性が強く現在でも多くの化粧品に使われている。動植物油脂より石けんまたは脂肪酸を製造する際の副生物として得られるが、これを脱水、脱臭などの精製をして得られる無色、無臭の粘性液体で甘い味がする。グリセリンは、保湿剤として製品の硬さや粘度を長期間一定に保持させる目的で使用される。また、皮膚に対する柔軟剤として、製品ののび、滑りをよくする。吸湿牲を有し、皮膚に対してうるおいを与え、しっとりとした感触を与えるが、ただし、使用量を多くすると、皮膚の水分を吸収してしまい、皮膚を荒らす原因となることもあるので処方的検討が必要である。グリセリンとヒアルロン酸ナトリウムを併用することで角質柔軟効果が高まることがわかった。
【0110】
キシリット(キシリトール)、糖アルコールの一種であり、キシロースの還元で得られる。自色、無臭の結晶または結晶性の粉未で、においはなく甘味がある。糖尿病患者のエネルギーと水分補給の医療目的で使用される。化粧品では、保湿剤、保香剤として各種クリーム、ローションなどに使用される。医薬品には、軟こう基剤、坐薬などの湿潤剤として用いられる。食品には、油脂の変敗防止、色素の安定化ピタミンCの安定化、蓄肉、魚肉の練り製品の変質防止などに応用されている。
【0111】
ジグリセリン、グリセリンの脱水縮合体である。ほとんど無色透明な液体で、ほとんどにおいがない。グリセリンと同様に保湿剤として使用される。
【0112】
ジプロピレングリコール(DPG)、プロピレングリコールの脱水縮合体である。無色透明な粘注の液で、わずかに特異なにおいがある。皮膚に対してべたつきの少ない保湿剤として、また製品のび、滑りをよくする目的の柔軟剤として広く化粧品に使用されている。
【0113】
ソルビトール(ソルビット)、広く動植物に存在する多価アルコールで、藻、海藻、タバコおよぴ多くの果物(リンゴ、、モモなど)に含まれている。工業的には精製ブドウ糖(グルコース)を還元して得られ、白色の粉未で清涼な甘味がある。吸湿作用はほかの保湿剤に比べて緩和であるが、乾燥に対して水分を一定に保つ性質もあるので、保湿剤、柔軟剤として各種化粧品に用いられる。皮膚や口腔粘膜に対して高濃度でも毒性や刺激性がまったくないので、歯みがきなどにもグリセリンの代わりに使用される。
【0114】
DL−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸は塩(えん)の形で皮膚中に存在し、NMF(天然保湿因子)中で重要な働きをしている保湿成分である。アミノ酸の一種であるグルタミン酸の脱水反応により得られる無臭の固体ごある。化粧品に使用する場合、ピロリドンカルボン酸をナトリウム塩の形にして使用される。ピロリドンカルボン酸は吸湿性はないが、ナトリウム塩やカリウム塩は強い吸湿性を有するからである。ナトリウム塩の吸湿効果はグリセリン、プロピレングリコール、ソルピトールよりすぐれている。安全性は高く、皮膚や毛髪にすぐれた湿潤性、柔軟剤を与えるので、クリーム類、ローション、乳液などの化粧品をはじめ、石けん、歯みがき、医薬品などの保湿剤として用いられる。
【0115】
1、3−プチレングリコール(1、3BG)、アセトアノレデヒドを合成して得られる無色、無臭の液体でわずかに甘味がある。適度の湿潤性と抗菌力があり、皮膚に対する刺激もないので、化粧品として有用である。グリセリンよりもさっぱりした使用感が保たれ、べたつきも少ないので、各種クリーム、乳液、エアゾール製品、歯みがきなどに保湿剤として、また香科の保留剤として広く使用されている。
【0116】
プロピレングリコール、プロピレンクロロヒドリンまたはプロパンオキシドの加水分解によって得られる。グリセリンに似た外観、特性を示す無色、無臭の透明な液体であるが、グリセリンに比べて粘度が低いためさっぱりとしており、使用感触にすぐれている。保温剤として用いられるほか、溶剤としてすぐれた性質があるので可溶化剤としても用いられる。また抗菌作用もある。
【0117】
ポリエチレングリコール(カーボワックス)、酸化エチレンの重合体である。均一な単体化合物ではなく、重合度の異なる高分子の混合物である。ちなみに酸化エチレンとは、強い殺菌作用のある揮発性の液体で、化粧品ではポリエチレングリコールの導入原科に用いられる。ポリエチレングリコールは水溶性で、刺激もないので、クリーム、乳液、石けん、シャンプ一、リンス、頭髪用化粧品などに使用される。
【0118】
ポリグリセリン、グリセリンを脱水縮合して得られるもので、粘性のある液体物質である。重合度が大きくなると流動性がなくなる。グリセリンと同様、保湿剤、改質剤、物性向上剤として使用される。また、界面活性剤の親水基として使用される。ジグリセリン、トリグリセリン、ぺンタグリセリン、デカグリセリンなどがある。
【0119】
U−ジェリー、グリセリン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムおよび水の混合物である。無色透明のゼリー状の粘性の液で、においはほとんどない。高保湿陸と高保水性を合わせもった水溶性のゼリー状成分である。いったん水を含むとうるおいを長時間に保つ働きがある。
【0120】
生体系保湿成分について。
【0121】
NMF(白然保湿因子)、NMFは皮膚角質内の糸細胞間脂質にはさまれた自然保湿因子をいう。肌がうるおいを保っているのは、皮脂膜の水分蒸発抑制作用と表皮の角質層が水分を保持する力をもっているからである。この角質層が水分保持能力を発揮する自然の保温成分をNMFとよんでいる。NMFは遊離アミノ酸類が40%と最も多く、それにピロリドンカルボン酸や尿素などのアミノ酸代謝物を加えると、アミノ酸はNMFの組成の60%を占める。このNMFが減少すると、乾燥して肌荒れが起こる。これを予防したり改善するために、減少したNMFを補う役割をはたすのが保湿剤である。
【0122】
アクアライザーEJ、NMF成分に最も近い機能を備えた合成の保湿成分である。アミノ酸(グリシン、DL−アラニン、L−アルギニン、L−グルタミン酸ナトリウム、L−ビスチジン塩酸塩、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−バリン、L−ロイシン)と還元糖(ブドウ糖、果糖)をアルコール溶液中で縮合させ、その生成物に塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムおよぴ尿素を添加したものである。皮膚のpHや水分の変動を調節する作用があり、化粧品に配合すると、肌にうるおいを与え、肌荒れを防止する。
【0123】
プロデュウ、DLピロリドンカルボン酸ナトリウム、L−プロリン、乳酸ナトリウム、ソルビット、加水分解コラーゲンの水溶液で、アミノ酸系の保湿剤である。NMF成分の複合体として、特にうるおいを保つ効果がすぐれており、肌をみずみずしく保つ。
【0124】
混合異性化糖(ベンタパイテン)、ブドウ糖の希アルカリ処理物と乳糖の希アルカリ処理物を19:1の割合で混合した糖類の混合物で、主としてブドウ糖および果糖よりなる。黄赤色透明の液で、わずかに特異臭がある。皮膚の保湿成分(NMF)の一つである中性糖成分とほぼ同じ組成をもつ糖の混合物である。通常の保湿剤に比べ低湿度下でも保湿効果があり、持続性もある。
【0125】
アミノ酸、アミノ基をもつカルボン酸を総称してアミノ酸という。一般に水に溶けやすく、200−300℃で分解する無色の結晶である。三大栄養素の一つのたんぱく質の構成成分であり、核酸やホルモンなどの生理活性物質の母体として多様な代謝を営んでいる。天然では20数種が知られており、そのうち体内では合成されず食物からの摂取が必要な8種のアミノ酸を必須アミノ酸という。食物中のたんぱく質は消化されてアミノ酸に分解し、吸収されたのち再びたんぱく質に生合成され、生体に利用される。皮膚や毛髪は主にたんぱく質が構成成分になっている。また、汗の中にも含まれ皮膚のpHや水分含量を調節する機能をもっている。アミノ酸類は乾燥した表皮に水和性を囲復させる効果がある。
【0126】
L−アスパラギン酸、多くのたんぱく質、特に植物界に広く存在し、発芽した豆類に多い。現在、工業的には酵素法により製造されている。白色の結晶性の粉未で、においはほとんどない。非必須アミノ酸で、アンモニア代謝や尿素サイクルに深い関係があり、体内の老廃物の処理、肝機能の促進、疲労回復などの作用がある。また、生体の新陳代謝に有効で、成長促進、細胞賦活作用があり、医薬品や化粧品に使用されている。食品の調味料としても使用される。
【0127】
L−アスパラキン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸を水酸化ナトリウムで中和して得られる。アスパラギン酸の塩としてはほかにアスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸二カリウム、アスパラギン酸マグネシウムがある。うま味、塩からい味をもち、食品の調味料として用いられている。化粧品では、石けん、各種クリーム、化粧水、シャンプー、リンスなどに使用される。
【0128】
DL−アラニン、不せい炭素1個を有するもっとも簡単なアミノ酸である。無色〜白色の結晶または結晶性の粉末でにおいはなく、味は甘い。糖質代謝に重要な関運をもち、脂肪酸の生合成に関与している。DL−アラニンは合成酒、果汁飲料、制酸剤として便用されている。アラニンの異性体にβ−アラニンがあり、天然に存在する唯一のβ−アミノ酸で、生物学上重要なアミノ酸である。NMFの組成にセリン、アラニンなど16種類のアミノ酸が遊離の形で約40%含まれており、アミノ酸が化粧品原科として興味ある物質であることを示唆している。
【0129】
L−アルギニン、生体たんぱく質の成分として広く分布しているが、魚の白子のたんぱく質であるプロタミン中には特に多く含まれている。植物種子中には遊離の状態で存在する。白色の結晶または結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがある。非必須アミノ酸であるが、生体内生成速度が遅いので、幼児においては必須アミノ酸である。汗機能促進薬、肝疾患のアンモニア中毒の治療薬、たんぱく源補給の重要な一成分などとして便用される。化粧品では、トリエタノールアミンに代わる中和剤として広く使用される。
【0130】
L−イソロイシン、L−イソロイシンはL−ロイシンと共に、細胞間脂質とよく似た構造(ラメラ構造)をつくるマイクロエマルションの水分保持力を高める。ほとんどすべてのたんぱく質にL−ロイシンと共に存在する。ペプチドホルモンやベプチド抗生物質の構成成分である。白色の緒晶または結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。成長に欠かぜないアミノ酸であり、乳幼児には不可欠である。欠乏すると、骨格筋に障害が起こる。生体内でたんぱく質合成の素材として使われる。種々の栄養強化食品に必須アミノ酸の強化剤として使用される。また発育剤、抗貧血剤として有効であり、栄養剤、アミノ酸輸液の原料として使用される。化粧品にも使用される。
【0131】
塩酸リジン(L−リジン塩数塩)、ほとんどすべてのたんぱく質の構成アミノ酸として存在する。天然のリジンと同一構造である。白色の粉末で、においはないかまたはわずかに特異なにおいがある。栄養上不可欠のアミノ酸であるが、ほかのアミノ酸と異なり、代謝をうけていったん変化すると再び復元しないので、たえず体外から補給しなけれぱならない。角質層に含まれるNMFに多量に含まれるアミノ酸の一種であり、皮膚に柔軟性や弾力性を与える。肌荒れ、あかぎれに有効であり、保護クリーム、軟こう類に用いられる。また、骨、歯の形成促進作用もある。
【0132】
グリシン(アミノ酢酸)、グリシンはもっとも簡単な、不せい炭素原子をもたない唯一のアミノ酸である。白色の結晶または結晶性粉末でにおいはなく、味は甘い。グリシンは生体内でセリンなどから生合成される。さらにグリシンからクレアチン、グルタチオン、グリコール酸など生理的に重要な多くの物質が生合成される。解毒作用があり、尿中に排泄される。また、エタノールより強い血管拡張作用がある。医薬品としては、栄養剤、制酸剤、解毒剤として、また、筋無力症のクレアチン生成促進剤などとして用いられる。食品としては調味、保存科などとして用いられている。化粧品原料としては、制菌作用、キレート作用、酸化防止作用などもあり、石けん、歯みがき、頭髪用製品、クリーム類、洗顔科などに使用される。
【0133】
L−グルタミン、遊離またはたんぱく質の構成アミノ酸として植物界に広く分布する。白色の結晶性の粉末で、においはなく、わずかに特異な味がある。酸、アルカリまたは熱水中では不安定で、加水分解されてL−ピロリドンカルポン酸に変化する。消化器潰瘍治療薬として広く使用されており、化粧品では、スキンコンディショニング剤へアコンディショニング剤として使用される。
【0134】
L−グルタミン酸、天然たんぱく質中の主要構成成分であり、遊離の状態で生体組織や食品中に広く存在している。白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく、わずかに特異な味と酸味がある。グルタミン酸は多くの物質の生体内代謝に重要な役割をはたすアミノ酸である。また脳中における含量が著しく高く、重要なエネルギー源となり、脳の代謝にも関与している。石けん、シヤンプ一、リンス、頭髪用化粧品、メイクアップ化粧品、基礎化粧品などに使用される。食品では、一搬にナトリウム塩として利用されることが多い。
【0135】
L−グルタミン酸ナトリウム、1908年池田菊苗が昆布のだし汁のうまみ成分を究明して発見した化合物である。以来人工調味科として製品化されている。L−グルタミン酸ナトリウムのうま味は、グルタミン酸イオンの分子構造によるものといわれている。工業的には、グルタミン酸生産能をもつ細菌を用いた醗酵法により製造されている。石けん、シャンプー、リンス、基礎化粧品などの化粧品にも使用される。
【0136】
γ−アミノ酪酸(ピぺリジン酸)、ジャガイモの根茎、リンゴの果肉、紅テンサイの根、マメ科植物の根粒、茶の葉、哺乳動物の脳髄など動植物界に広く遊離の状態で存在している。工業的にはL−グルタミン酸を合成して得ることができる。γ−アミノ酪酸には、皮膚細胞の増殖力、修復力、水分保持力を高める働きがある。皮膚細胞にエネルギーが不足すると、増殖力、修復力、水分保持力が低下し、健康な細胞がつくられなくなり、皮膚弾力の低下やシワ発生などの老化現象があらわれる。細胞のエネルギーはミトコンドリアがつかさどっており、γ−アミノ酪酸は、ミトコンドリアのユネルギー生産の働きを盛んにする成分として着目されている。てんかん、脳出血、高血圧の治療薬として便用されるが、化粧品にも使用されている。
【0137】
L−スレオニン(L−トレオニン)、必須アミノ酸の中で最後に発見されたものである。たんぱく質構成アミノ酸として牛乳、肉、卵などの動物性たんぱく質に多く含まれ、植物性たんぱく質にはやや少ない。必須アミノ酸の一種で生体内ではたんぱく質合成の素材として使われる。総合アミノ酸製剤として、低たんぱく血症、低栄養状態、手術前後のアミノ酸補給に静注、点滴静注または経口投与される。皮膚の保湿剤として化粧品に応用される。
【0138】
セリシン、絹系由来の繊維状たんぱく質であり、褐色がかった灰色の液体を熱水処理とエタノールで精製して得られる白色固体の硬たんぱく質である。フィブロインで構成されており、皮膚および毛髪に均一な保護膜を形成する。蚕のつむぐ二重の絹糸は、セリシンの保護膜でおおわれている。このセリシンに含まれるアミノ酸鎖(ポリペプチド)は、皮膚を構成しているたんぱく質と類似しており、付着性にすぐれている。また、セリンおよびアスパラギン酸を多く含有しているため水分保持力がある。セリシンに多く含まれる親水性アミノ酸基は、多数のたんぱく質に対して高い親和性を示している。皮膚への親和作用、保湿作用、細胞賦活作用がある。なめらかな感触と皮膜性があるためクリーム、乳液などの基礎化粧品などに用いる。
【0139】
セリン、多くのたんぱく質中に少量ずつ含まれているが、特に絹のたんぱく質であるセリシンに多く含まれている。非必須アミノ酸であり、グルコース(ブドウ糖)から生合成され、さらに分解されるとグリシンが生成する。NMF中に遊離アミノ酸として一番多く含まれている。保湿効果が高く、皮膚に柔軟性や弾力性を与える。
【0140】
L−チロシン(L−チロジン)、副腎髄質ホルモンであるアドレナリンや生体の黒色色素であるメラニンを生成するアミノ酸である。バセドウ氏病(甲状腺機能亢進)の治療薬として使用される。化粧品では、栄養剤として使用される。
【0141】
L−トリプトファン、各種のたんぱく質に少量ではあるが存在している。また、植物の幼芽中には遊離の状態で存在している。必須アミノ酸で体内では合成されない。ピタミンの一種であるニコチン酸や血圧上昇物質であるセロトニンに変化することなど、生命維持に欠かせない重要なアミノ酸である。医薬品としてはほかのアミノ酸と配合され、アミノ酸輸液や条念合アミノ酸製剤の成分として使用される。油脂の酸化防止効果があり、食品の品質保持や強化剤として使用される。化粧品としては栄養剤として配合される。
【0142】
L−バリン、栄養上欠くことのできない重要な必須アミノ酸であり、ウニ味の特有な苦みの発現に関与している。白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに甘いが、後に苦い。栄養剤、食品調味料に使用される。また、アミノ酸輸液、総合アミノ酸製剤などに、ほかの必須アミノ酸と共に使用される。化粧品では、石けん、シヤンプー、リンス、頭髪用化粧品、ファンデーション、クリーム、乳液、化粧水、パック、洗顔科などに使用される。
【0143】
L−ヒスチジン塩酸塩、脱脂大豆加水分解物からリジンを分離する際の副産物として得られる。白色の結晶または結晶性の粉末で、無臭である。石けん、シャンプー、リンス、メイクアップ化粧品、各種クリーム、ローションなどに使用される。
【0144】
L−ヒドロキシプロリン(L−オキシプロリン)、コラーゲンの中だけに多量に含まれており、ほかの一般のたんぱく質には見いだされないアミノ酸である。したがってヒドロキシプロリンの存在はコラーゲンの存在の証明になる。コラーゲン中のヒドロキシプロリンは、プロリンがコラーゲンに合成された後、酸化されてヒドロキシプロリンになると考えられている。非必須アミノ酸で、プロリンと同様の構造をもっているが、水酸基をもっているためプロリンよりも酸化を受けやすい。スキンコンディショニング作用やヘアコンディショニング作用があり、クリーム、乳液、化粧水、パック、洗顔料などに使用される。
【0145】
フェニルアラニン、各種のたんぱく質中に約2〜5%存在しているが、種子の幼芽中にはしぱしば遊離状態で見いだされる。白色の結晶または結晶性の粉末で、においはな〈、味はわずかに苦い。必須アミノ酸の一種でたんぱく質生成の原科として栄養、生長にかかせないものである。アミノ酸輸液や総合アミノ酸製剤の成分として必須アミノ酸の強化に用いられるほか、化粧品の保湿剤として用いられる。食品調味料にも用いられる。
【0146】
L−プロリン、多くのたんぱく質に含まれているが、ゼラチン(約15%)に最も多く含まれている。生体内では、グルタミン酸がら生合成されるが、プロリンオキシターゼによってピロリドンカルボン酸になり、さらにグルタミン酸になる。白色の結晶または結晶性の粉未で、においはないか、またはわずがに特異なにおいがあり、味はわずかに甘い。エタノールに溶けやすいアミノ酸である点で、ほかのものとは異なる。コンディショニング作用があり、基礎化粧品や頭髪用化粧品などに使われる。
【0147】
L−ロイシン、ほとんどのたんぱく質の構成アミノ酸として存在している。生体内でたんぱく質合成の素材として使われるほか、脂肪酸に似た代謝過程を経て最後にアセチル補酵素Aとアセト酢酸に分解する。白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく、味はわずがに苦い。必須アミノ酸の一種であり、生体内では合成されない。スキンコンディショニング作用、ヘアコンディショニング作用があり、クリーム、乳液、パック洗顔料、シャンプー、リンス、頭髪用化粧品などに使用される
【0148】
DL−ビロリドンカルポン酸(PCA)、グルタミン酸を150℃以下に加熱するとピロリドンカルボン酸が生じる。白色の結晶または結晶性の粉未で.においはない。皮膚中に存在するピロリドンカルボン酸は塩(えん)の形で含有されており、天然の保湿群としての役割を果たしている。しょう油などの発酵,製品や大豆、糖蜜、野菜類などの植物にも広く存在する化粧品に使用する場合、ピロリドンカルボン酸には吸湿性はないので、塩の形にする必要があり、ナトリウム塩やトリエタノールアミノ塩として使用され、皮膚
や毛髪に対して温潤性、柔軟剤、弾力性を与える。石けん、クリーム、化粧水、乳液、頭髪用化粧品、洗顔科、シャンプー、リンスなどに保湿剤として使用される。
【0149】
DL−ピロリドンカルポン酸ナトりウム液(PCAソーダ)、ピロリドンカルボン酸ナトリウムの50%水溶液である。無色、透明の液体で、においはない。ピロリドンカルボン酸は塩の形で皮膚に多く含まれ、NMFとして重要な役割を果たしている。非常に吸湿性があり、皮膚や毛髪に良好な湿潤性を示し、柔軟剤と弾力性を与える。高温や低温においても安定である。皮膚や眼に対して、高濃度でも刺激はほとんどなく、クリーム、乳液類をはじめ基礎化粧品の保湿剤として用いられている。石けん、シャンプーなどにも使用されている。
【0150】
乳酸、腐敗乳中に存在する有機酸として知られてきたが、動植物界に広く存在している。デンプンを用いた醗酵法や、アセトアルデヒドに青酸を作用させる合成法により製造されている。無色〜淡黄の粘性の液で、わずかに特異なにおいを持つものがある。おだやかな角質溶解作用と共に、希釈液は殺菌作用もあるので、アストリンゼント、乳液、美白クリームのほか、洗髪用化粧品に使用される。酒類の醗酵初期に加えて腐敗菌の繁離防止にも用いられる。
【0151】
乳酸ナトリウム(液)、NMF中に存在する重要な天然系保湿成分であり、高い吸湿力を示す。無色透明な粘性の液で、においはないか、またはわずかに特異なにおいがある。乳酸と水酸化ナトリウム溶液とを反応させて得られ、グリセリン類似の特質をもつために、グリセリンの代用として広く用いられる。またO/W型のクリームのきめを細かくする性質もある。
【0152】
尿素、尿から濃縮分離する方法などのほかに工業的にも得ることができる。無色〜白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく、冷涼な塩味がある。軽度の殺菌作用があり、スルファミン類との併用による相乗効果で抗菌力を増すといわれ、毒性はきわめて低い。創傷治癒の作用や細胞賦活の作用があり、ハンドクリームやローションなどに配合される。また毛髪の膨潤剤としてコールドウェーブ液に、湿潤剤としてシャンプーなどにも使用される。そのほか、石けん、アイライナー、ファンデーション、日焼け止めクリーム、ひげそり用ローション、アイクリームなどに使用される。医薬用の尿素軟こうとして皮膚外用剤にも使用される。
【0153】
尿酸、動物の体内でたんぱく質が分解する際に生じ、尿中に排出される物質である。無色または白色の結晶で、無味である。化粧品の原科としてはpH調整剤、エモリエント剤として使用される。
【0154】
酸性ムコ多糖類、真皮の主要成分の一つであるムコ多糖類は、コラーゲンと複合体を形成して真皮に水分を保持さぜる作用を有するため、皮膚の老化にも関与している。皮膚の保水効果を期待して牛の臍帯(へソの緒)やニワトリのトサカなどから抽出した酸性ムコ多糖類が化粧品原料として利用されている。これらの酸性ムコ多糖類はヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸からなり、そのほかにデルマタン硫酸やへパリンなども合まれている。多糖類特有のすぐれた感触と共にすぐれた保湿効果がある。酸注ムコ多糖類の主成分であるヒアルロン酸は、グルコサミン(アミノ糖の一一種)とグルクロン酸(ウロン酸の一種)とからなる多糖類であるが、その周辺に多量の水分を保留し、理論的にはヒアルロン酸1g当り600ml以上の水分を保持することが可能といわれている。このようなヒアルロン酸の水分保持効果が脚光を浴び、ヒアルロン酸ナトリウムの形で化粧品に用いられている。コンドロイチン硫酸ナトリウムはヘキソサミン、ウロン酸、硫酸からなる酸性ムコ多糖類のナトリウム塩であるが、保湿剤あるいは使用感の改善のために用いられている。
【0155】
サイタイ抽出液(サイタイエキス)、健康牛の臍帯(ヘソの緒)を原科として抽出した酸性ムコ多糖類を含む淡黄色透明で粘稠な液体である。成分はヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、へバラン石施竣、へパリン、ケラタン硫酸である。すぐれた水分保持力と多糖類特有の粘性をもっている。保温剤として、クリーム、ローション、乳液などの基礎化粧品に用いられている。
【0156】
トサカ抽出液(加水分解トサカ液、フィプラ・N)、ニワトリのトサカをたんぱく分解酵素で加水分解して得たヒアルロン酸を多く含む酸性ムコ多糖類の溶液である。無色透明またはわずかに黄色味を帯びた粘稠な液体で、特異臭がある。高粘性、高保水性で皮膚表面に皮膜を形成し、すぐれた使用感を与え、ほかの保湿剤と比べ、外的な湿度の影響を受けにくく、皮膚にうるおいを与える。高い保水性をもち、すぐれた保湿剤として種々の化粧品に広く利用される。
【0157】
ヒアルロン酸、ヒアルロン酸は1934年メイヤーらにより牛の眼のガラス体より分離、命名された代表的な酸性ムコ多糖類であり、コンドロイチン硫酸などと共に哺乳動物の結合組織に分布している。結合組織内での機能として、細胞間隙に水を保持し、また、組織内にジェリー状のマトリックス(格子形状)を形成して細胞を保持したり、皮膚の湿潤性と柔軟性を保ち、外力、および細菌感染を防止している。表皮、真皮にはヒアルロン酸はコンドロイチン硫酸やヘパリンよりも多く存在し、このヒアルロン酸の水分保持が皮膚のみずみずしさに寄与している。皮膚にみずみずしさがなくなり、シワができるのは、真皮の結合組織がら水分を豊富に含むヒアルロン酸が減少するからといわれている。このように水分保持能力の主役である物質であるが、ヒアルロン酸は生体中に微量しか存在ぜず、かつ、たんぱく質やほかのムコ多糖類と複合体を形成しているため、牛の臍帯やニワトリのトサカなどからの製造にあたっては、分離精製など複雑な工程を有する。このためヒアルロン酸は非常に高価な原料となり、実用上大きな制約があった。そこで、微生物を用いる発酵法によって得られる安価で純粋なバイオヒアルロン酸を生産する方法が確立され実用化した。バイオヒアルロン酸は、天然のヒアルロン酸と化学的には全く同一である。今日、これらの事情もあって、ヒアルロン酸配合の化粧品が数多く登場してきた。ヒアルロン酸は、皮膚によく吸収されてのびがよくべとつかず、角質層の水分量を高める効果がある。また、空気中の湿度に左右されることなく、その保湿性を一定に保つという特性があるのもほかの保湿剤と大きく異なっているところである。さらにヒアルロン酸とグリセリンなど多価アルコールの併用による相乗効果(保湿効果および皮膚改善効果)を高めることができる。化粧品にはヒアルロン酸ナトリウムの形で配合されている。
【0158】
ヒアルロン酸ナトリウム、ニワトリのトサカなどから得られる動物由来のものと微生物を用いる発酵法により得られるものがある。天然のヒアルロン酸ナトリウムは白色〜淡黄色の粉末で、わずかに特異臭がある。バイオヒアルロン酸ナトリウムは白色〜淡黄色の粉末で、わずかに特異臭がある。また、ヒアルロン酸ナトリウム液は無色の粘稠な液体で、わずかに特異臭がある。保水性や浸透性にすぐれ、皮膚にハリを与え、なめらかにする効果がある。保湿剤として、クリーム、乳液、美容液、頭髪用化粧品、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、ほお紅、おしろい、ファンデーションなど広く使用される。
【0159】
コンドロイチン硫酸ナトリウム、哺乳動物または魚類の軟骨から抽出、精製して得られるコンドロイチン硫酸のナトリウム塩である。酸性ムコ多糖類の一種で軟骨、骨、健、血管壁、皮膚そのほかの結合組織の基質成分として、たんぱく質と結合し動物体内に広く分布している。白色〜淡黄白色の粉未で、わずかに特異なにおいおよび味がある。吸湿性で水によく溶けるが、アルコール、アセトンなどには溶けにくい。水溶性高分子(水に溶けて高粘度の粘液質をつくる)としての性質から、保湿剤、あるいはなめらかな使用感を与える感触改良剤として、クリーム、ファンデーション、口紅、歯みがきなどに使用される。医薬用としては動脈硬化、解毒、神経痛、関節炎、あるいは腎炎の治療および予防に用いられ、目薬にも配合されている。食品関係の保湿剤、乳化安定剤としても用いられる。
【0160】
グルクロン酸、代表的なウロン酸で、動物界では、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などの構成成分として分布する。またアルコール類、フェノール類とのグリコシドの形で尿中に存在し、肝臓内にあってはヒドロキシル基をもつ毒性物質を解毒する働きをする。ウロン酸の一般的製法により得られる。
【0161】
コラーゲン、コラーゲンは哺乳動物の皮膚、腱、骨、血管などの結合組織の膠原線維を構成している線維状たんぱく質である。その構成は、グリシン、プロリン、アラニン、ヒドロキシプロリン、グルタミン酸、アルギニンなど約20種のアミノ酸からなっている。コラーゲンには可溶性(ソルブル)コラーゲンと不溶性(インソルブル)コラーゲンがあり、可溶性コラーゲンは生体組織内で、その分子が自由に入れかわることのできる交差結合(分子間架橋)を起こしていないコラーゲンで、皮膚に保水性、弾力性を与える。また、年をとったり素外線にさらされた皮膚は、コラーゲンの交差結合が増加し不溶性コラーゲンが増えるために、弾力と水分保持能力が減少し、シワが形成され、皮膚は老化するのである。可溶性コラーゲンは皮膚の結合組織の繊維形成細胞を刺激し、新鮮な繊維形成を促進させ、毛細血管機能を高め、水分保持能力、弾力性を増すので、皮膚の老化防止、若返りの目的で化粧品に使用されている。
【0162】
可溶性コラーゲン(水溶性コラーゲン)、牛または豚の皮膚、骨髄組織あるいは牛の胎盤から抽出して得る。コラーゲンの分子は分子量10万(約1000個のアミノ酸から構成されている)のポリペプチド鎖が3本集まって、3本の鎖がラセン状に三つ編みのようになっている。この分子の両未端はラセンを巻いておらず、テロペプチドとよぱれている。この部分は架橋(橋かけ)が行われたり、抗原性に関係をもっている。仔牛の皮膚のような若い組織を希酸水溶液で抽出すると、分子間架橋で結ばれていない(交差結合のない)コラーゲン分子が得られる。このように分子状分散で抽出されるものが可溶性コラーゲンである。抽出によって得られる可溶性コラーゲンの量は非常に少なく数%程度であり、大量に得ることは不可能である。可溶性コラーゲンは無色または乳白色の液体またはぺ一スト、または白色〜淡黄色の粉末で、特異なにおいがある。水溶液を40℃以上に加熱すると、ラセンがほどけてゼラチンになり、粘性も失われる。コラーゲンに含まれているアミノ酸のl%はグリシンであり、ほかのたんぱく質にはないヒドロキシプロリンが合まれている。化粧品に配合すると皮膚との親和性にきわめてすぐれ、皮膚の保護効果が期待できる。水とよく水和するため、皮膚への水分補給による保湿機能の改善にも貢献し、皮膚の正常な生理作用を妨げることもない。
【0163】
コラーゲン加水分解物(加水分解コラーゲン)、主として牛または豚の骨、皮などを酸、アルカリ、酵素などにより加水分解して得られるコラーゲンたんぱく加水分解物である。毛髪の損傷を防止し、また毛髪に柔軟性と光沢を与え、その帯電防止効果によりくし通りをよくする。皮膚に対しては、乾燥した皮膚に水分を保持し、肌荒れを防ぎ、うるおいとしなやかさを維持する。
【0164】
加水合解コラーゲン液、コラーゲンたんぱく質加水分解物、またはその塩の水溶液である。淡黄色〜濃褐色の透明またはわずかに混濁した液体で、特異臭がある。皮膚や毛髪に対し、保護作用、湿潤作用、柔軟作用がある。
【0165】
加水分解コラーゲン末、コラーゲンたんぱく質加水分解物を粉末状にしたものである。白色〜淡黄色の粉末で無臭またはわずかに特異臭がある。水に溶け、ほとんど透明、またはわずかに混濁した粘性の液体となり、常温でゲル化しない。保護作用、湿潤作用、柔軟作用があり、広く化粧品に配合される。
【0166】
加水分解コラーゲンエチル、コラーゲンたんぱく質加水分解物のエチルエステルの25%エタノール溶液である。淡黄色〜褐色の透明または混濁した液体で、特異臭がある。コンディショニング剤として、シヤンプー、リンス、クリーム類、乳液、メイクアップ化粧品などに使用される。
【0167】
加水分解コラーゲンヘキサデシル、コラーゲンたんぱく質の加水分解物とへキサデシルアルコールとのエステルのエタノール溶液である。淡黄色の透明な液体で、においがある。皮膚や毛髪に対して保護作用、湿潤作用、柔軟作用がある。油性感のあるつやを出す。
【0168】
コラーゲンアミノ酸、コラーゲンたんぱく質を完全に加水分解して得られるアミノ酸の混含物である。グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、ロイシンおよびイソロイシン、リジン、バリン、セリンなどを含む。皮膚や毛髪に対してコンディショニング作用があり、頭髪用化粧品、クリーム、ローションなどに使用される。
【0169】
アテロコラーゲン、不溶性コラーゲンをプロテアーゼ(たんぱく分解酵素)処理して、コラーゲン分子の両末端にある抗原性のあるテロぺプチドを除いて精製したコラーゲンをアテロコラーゲンという。もともとテロペプチドはコラーゲン分子本体とは異質なものでアミノ酸組成も本体とは異なりアレルギー反応の原因にもなりやすい。したがって、テロペプチドを切断除外したアテロコラーゲンはアレルギー反応を起こしにくいコラーゲンといえる。アテロコラーゲンはやけどや皮膚欠損部の皮膚カバー材などの医用材として応用してきたが、可溶性コラーゲンと同様に皮膚の保湿効果が期待されるので、化粧品に用いられるようになっている。
【0170】
ゼラチン、動物の骨、皮膚、じん帯または腱を酸またはアルカリで処理して得られた粗コラーゲンを水で加熱柚出して得られるゼリー状を呈するものである。無色〜淡黄色の簿板、細片、粒または粉末でにおいおよぴ味はない。水には溶けないが、水を加えると徐々に膨潤して5〜10倍量の水を吸収する。動物の結合組織中に含まれているコラーゲンはゼラチンの無水物である。乳化剤乳化安定剤、増粘剤、ゼリー基剤などとして化粧品に使用される。また、結合剤として固形おしろいなどにも使用される。医薬品の製剤基材として、カプセル、錠剤、トローチ、坐薬、さらに細菌試験の培地にも使用される。そのほかに、製菓、食晶加工、写真乳剤、墨、接着剤などにも広く使用される。
【0171】
加水分解ゼラチン末、ゼラチンを加水分解して得られる水溶性の粉末たんぱく質である。ゼラチンのアミノ酸組成はグリシン、プロリン、オキシプロリンなどを多く合む。保護コロイド、乳化、粘着などの作用がすぐれている。
【0172】
エラスチン、コラーゲンと同じ線維状たんぱく質で、真皮などの結合組織中の弾力線維の構成成分である。ゴムのような弾力性をもち、コラーゲンと異なり熱水処理によっても変化ぜず、ニカワにならない。酸やアルカリおよび酵素作用に対してもコラーゲンより抵抗性が大きい。エラスチンがゴム様の弾力を示すのは、エラスチンポリベプチド鎖が適度に架橋点で結ぱれているからである。皮膚が変形するとコラーゲンの網目が変形し、コラーゲンとからみあっているエラスチンが緊張する。力が除かれるとエラスチンの収縮力により皮膚はもとの状態に戻る。このようにエラスチンは皮膚のたるみ、シワの防止に重要な役割を果たしている。皮膚が老化するとエラスチン含量は減少し、弾力が失われ、シワの発生につながると考えられる。
【0173】
水溶性エラスチン、エラスチンはコラーゲンと共に結合組織中に存在し、組織の伸縮性に関与している。皮膚真皮には乾燥重量あたり1.5〜4.8%含まれている。エラスチンは通常不溶性であり、化学処理し水溶化する必要がある。水溶性エラスチンは牛の頸部の腱より抽出したエラスチンを水溶化したものである。淡黄褐色の液体で、無臭である。エラスチンを構成するアミノ酸はグリシンが最も多く、ほかにアラニン、バリン、プロリンなどからなる。化粧品に配合されているエラスチンはコラーゲンと同様、保湿成分としての効果が高いのが特徴である。うるおいとつやを与えて乾燥を防ぎ、たるみがちな肌をしっとりなめらかに整える。クリーム、乳液、化粧水、パック、洗顔科、ファンデーションなどに使用される。
【0174】
加水分解エラスチン(エラスチン加水分解物)、通常、エラスチンは不溶性であるので、酸またはアルカリによる化学処理またはエラスターゼて加水分解し、可溶性としたものが加水分解エラスチンである。水溶液は淡黄褐色〜茶褐色の液体で、においはないかまたはわずかに特異なにおいがある。エラスチンには蛍光物質が含まれており、加水分解エラスチンも黄色に着色していることが多い。皮膚や毛髪の保護改善や表皮の柔軟性の増大に有効である。また、化粧品の感触改善にも有用である。
【0175】
細胞間脂質、皮脂が皮膚の外側で水分の蒸散を防ぐのに対し、皮膚の内側で水分を保持する働きをするのが、細胞間脂質とよぱれる物質である。これらの脂質は、セラミド、遊離脂肪酸、コレステロール、コレステロールサルフェ一トなどから構成されている。細胞間脂質は表皮の角質層の中で、細胞と細胞の間を満たし、細胞同士をつないできれいな層を整える役割をしている。これを建造物に例えると、角質細胞はブロックであり、細胞間脂質はブロックとブロックを接着する役割をしているセメントということになる。細胞間脂質は分子が特殊な層状構造(脂質二重層)になっており、そこに水分をはさみ込むことで、保湿機能をはたしている。老人の皮膚にあらわれる老人性乾皮症は、老化により角化が正常に行われずに、細胞間脂質が正常に形成されないために、角質層の蒸散が増して皮膚が異常に乾燥するのである。細胞間脂質は老化と共に減少するので、肌の若さの指標にもなる。
【0176】
スフィンゴ脂質(セラミド)、角質細胞間脂質の一種で、うるおいを守り、キメを整える有効成分である。細胞間脂質は表皮細胞のすき間を埋めて水分の蒸散を防ぐことが認められている。セラミドは角質の水分保持に重要な役割を果たしており、このセラミドを主体とするスフィンゴ脂質は哺乳動物の脳から抽出されるが、精製技術が進み純度の高い無臭に近いものが天然系素材の保湿剤として配合されている。また、類似細胞間脂質には大豆レシチンや熟成カミツレを抽出、精製したものなどがある。
【0177】
HSオイル(HSリピッド)、陸産動物油および海産動物油を加水分解して得られる脂肪酸を、分別、精製し、これに脂肪酸を加えて調整し、再合成したものをさらに精製して得られる淡黄色の軟こう状固体である。人間の皮脂に近い脂肪酸組成をもち、においや経時変化の少ない安定な油脂である。皮膚に対する浸透性にすぐれ、多量に含有しても製品油感を与えない。各種クリーム、ローション、軟こうなどの油性原料として広く使用される。
【0178】
ケラチン、コラーゲンと同じ線維状たんぱく質で毛髪、爪、羽毛、角など動物体の最外層をおおう組織を構成する構造たんぱく質の一種である。体外の化学的、物理的刺激から生体の内部を保護する役割を果たしている。皮膚の角質もケラチンからなっており、角質層の水分保持をしている。コラーゲンやエラスチンと異なり、構成アミノ酸の中にシスチンが多く、シスチン結合(S〜S結合)によって多数のアミノ酸鎖を強固に結びつけ強じん性、不溶性で物理的、仕学的抵抗性のある細胞で、鎧の役目をする。しかし、チオグリコール酸などの還元剤や過酸化水素などの酸化剤、アルカリなどシスチン結合を切断するような物質には弱く、この性質を利用してパーマネントウェーブ用剤や脱毛剤がつくられている。
【0179】
加水分解ケラチン、ケラチンは表皮の角質層や毛髪、爪などに含まれるたんぱく質であり、含硫アミノ酸(イオウ原子を含むアミノ酸)であるシスチンが多量に含まれている。化粧品に応用される加水分解ケラチンは、シスチン結合(S一S結合)を切断したものをさらに酸、アルカリ、酵素などにより加水分解し、分子量を数千程度にしてある。水溶液と粉末伏のものがある。淡黄色〜褐色の粉末で、、わずかに特異なにおいがある。また、水溶液は淡黄色〜褐色の透明液体である。多くの極性アミノ酸を含有しており、構成アミノ酸のうちグルタミン酸、シスチンなどが多い。皮膚や毛髪のコンディショニング剤として、クリーム、乳液、シヤンプー、リンス、頭髪用化粧品などに使用される。
【0180】
ケラチンアミノ酸、ケラチンを完全に加水分解して得られるアミノ酸の混合物である。グルタミン酸、シスチン、セリン、アルギニン、ロイシンおよびイソロイシン、プロリンなどを多く含む。皮膚、毛髪のコンディショニング、作用があり、頭髪用化粧品、クリーム、乳液、ネイルエナメルなどに使用される。
【0181】
シスチン、硫黄を含有するアミノ酸(含有アミノ酸)の一種で、多くのたんぱく質中に少量ずつ含まれている。特に毛髪、皮膚などを構成するたんぱく質ケラチン中には多量に含まれている。分子内にシスチン結合といわれるジスルフィド構造(−S−S−)を有し、毛の硬さ、強じん性、弾力牲、伸展性に重要な役割を果たしている。シスチンは非必須アミノ酸で、容易に還元されて水溶性のシスティンに変化し、空気酸化によって元の難溶のシスチンにもどる。養毛剤として使用されるほか、皮膚アレルギー疾患の治療、解毒剤、造血剤、乾せんの治療に用いられる。石けん、シヤンプー、リンス、頭髪用化粧品、クリーム、乳液、化粧水、パックなどに使用される。
【0182】
L−メチオニン、含硫アミノ酸の一種で、ほとんど大部分のたんぱく質中に2〜4%存在する。必須アミノ酸として生体(特に毛髪、爪など)の発育を促進し、生体内でシスチンに変化して解毒作用を示す。また、生体内で肝臓への脂肪の沈着を防止する。医薬品としては、総合アミノ酸製剤としてアミノ酸の補給、栄養価の改善などの目的で使用される。化粧品としては、シャンプー、リンス、頭髪用化粧品、クリーム、乳液、化粧水、パックなどに使用される。
【0183】
システイン、含硫アミノ酸の一種で、シスチンが還元されてシスチン結合が切れた形での物質で、体内にあっては代謝に重要な役割を果たす物質の一つである。還元作用を有し、水素を放出してほかの物質を還元すると共に自らは酸化されてシスチンになる性質を応用して、チオグリコール酸と同様にパーマネントウェーブ用剤の第一剤(還元剤)の主成分として使用されている。
【0184】
核酸、生物を構成する細胞の中にすべて含まれており、生物が生きていくうえでの重要な役割をしている物質で、それを構成する糖の種類により、リボ核酸(RNA)とデオキシリボ核酸(DNA)との2種類がある。核酸が細胞の中でたんぱく質の合成に強力に働いているものと考えられる。RNAにはいろいろな種類があり、いずれも細胞内のたんぱく質合成に関係している。細胞内には、核内のDNAの遣伝情報を写しとって合成の場であるリポゾームヘ伝える伝令RNA、アミノ酸の運搬をする転移RNA、リポゾームの構成成分で、あるリポゾームRNAの3種類がある。DNAは核内の染色体に含まれ、その分子構造の中に遣伝情報が刻まれた遣伝子の本体である。1970年代後半からの急速な遣伝子工学の発展、生化学的方法の発展に伴い、その合成、複製、組み換えなども試みられるようになった。
【0185】
デオキシリポ枚酸(DNA)、仔牛の胸腺、あるいは魚類の精巣から抽出して得られる。このカリウム塩がデオキシリボ核酸カリウム、ナトリウム塩がデオキシリボ核酸ナトリウムである。デオキシリボ核酸は白色または類白色の粉末で、無臭である。デオキシリボ核酸ナトリウムは白色または類白色の粉末である。デオキシリボ核酸カリウムは白色または類白色の粉末で、においはほとんどない。含チッ素塩基、五炭糖、リン酸から構成されている。化粧品ではDNAおよびそのナトリウム塩、カリウム塩が、保湿効果、皮脂分泌コントロール、細胞賦活作用が期侍され、広く使用されている。
【0186】
リポ核酸(RNA)
主としてピール酵母菌体から柚出・精製して得られる。白色または類白色の粉末で、わずかに特異臭がある。リボ核酸は完全加水分解によってアデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、リボース、リン酸となる。石けん、シヤンプー、リンス、クリーム、乳液などに使用される。リポ核酸ナトリウム塩酵母の菌体から抽出・精製して得られる。白色〜灰白色の結晶性の粉末で、無臭である。石けん、シャンプ一、リンス、アイシャドウ、ほお紅、ファンデーション、クリームなど広く使用される。
【0187】
グアノシン、リボ核酸の加水分解により得られる。核酸の成分として存在し、広く生物界に分布している。酸で容易に加水分解されグアニンとD−リボースを生じる。スキンコンディショニング剤としてナイトクリーム、ローションに使用されるほか、調味料の合成原科となる。
【0188】
グアニン、核酸の構成成分の結晶であり、アデニン、ヒポキサンチンと共に重要なものの一つである。アデニンと共に核酸の成分として広く生物細胞に分布している。グアノシンの化学分解によりつくられる、白色〜微黄色の結晶性粉末で、わずかに特異臭がある。皮膚細胞が栄養を取り入れる働きを高め、細胞の生まれ変わりを助けるので、細胞賦活剤としてクリーム類に使用される。水溶液は紫外線を吸収する。
【0189】
リン酸、無色透明な粘稠性の液体であるが、市販されているりン酸は85%程度の水溶液である。リン酸は天然には遊離の形で存在せず塩の形で動植物体内に存在している。生物体内においては、核酸の構成成分として生体の維持成長、代謝に不可欠の成分でドあり、きわめて重要な成分であることが生科学的に明らかにされている。化粧品には、酸化防止の相乗効果を目的とした酸化防止助剤として配合したり、化粧水やクリーム類のpH調整剤として使用されている。また、洗口料に清浄剤として配合することがある。
【0190】
ATP(アデノシン三リン酸、トリリン酸アデノシン)、生物のエネルギー源となるきわめて重要な物質で、生体のエネルギー通貨といわれる。アデノシンにリン酸が結合したもので、細菌類、アメーバから人間に至るまで各種動植物の細胞に広く存在する。皮膚細胞を生き生きさせる細胞賦活剤としてクリーム、乳液などに用いられる。
【0191】
リン酸リボフラビンナトリウム、リボフラビンのリン酸化によって得られるリン酸リボフラビンを炭酸ナトリウム、または水酸化ナトリウムで中和して得られる。黄色〜橙黄色の結晶性の粉末でにおいはなく、味はやや苦い。きわめて吸湿性があり光によって分解する。食品では強化剤としてリボフラビンと同様に使用される。化粧品では、クリーム、乳液、化粧水、洗顔科などに用いられる。
【0192】
リン脂質、リン酸と結合した脂質の総称である。生体に広く分布し、細胞膜や神経細織の重要な構成成分の一つで代謝過程で重要な役割をしているものもある。代表的なものにレシチンやケファリンがあり、卵黄、大豆、胚芽などに多く含まれている。化粧品では乳化剤やエモリエント剤、保湿剤として配合されている。また、皮膚に含まれる脂質にはリン脂質がかなり含まれ、洗浄などで除かれた場合、リン脂質を含んだクリームなどを使用することによって補うことができる。
【0193】
レシチン、卵黄、大豆などに含まれ、これらを原科として得られる。リン脂質に属し、脂肪酸、グリセリン、リン酸、コリンからなる物質である。皮膚から吸収されると、コリンないしはアセチルコリンを生じ、これが血管拡張作用を有し、発毛を促進する効果がある。皮膚科では発毛と凍瘡にレシチン軟こうを使用する。レシチンは親油、親水の両方の性質をもち、乳化剤、リポソーム化剤に応用される。
【0194】
大豆リン脂質(大豆レシチン)、大豆から抽出したリン脂質である。淡黄色〜褐色の透明または半透明の強粘性の物質で、わずかに特異なにおいがある。天然の界面活性剤として、多くの分野で多目的に使用されている。乳化剤、保湿剤、リポソーム化剤として、クリーム、乳液、ファンデーション、化粧水などに使用される。多くの場合、水素添加で酸化安定化した水素添加大豆レシチンが使われている。また、医薬品分野においても、抗動脈硬化コレステロール低下、血圧降下の目的で用いられる。食品分野においても、パンなどの乳化分散剤、めん類の品質改良剤、マーガリンなどの乳化安定剤などに用いられる。
【0195】
大豆リゾリン脂質(リゾレシチン)、レシチンを酵素により、アルキル鎖を一つ取り除いたものである。レシチンより親水性が増し、界面活性が強くなる。複合脂質の一種で、リポソームと同様、細胞膜の組成と非常に良く似ているため、肌内部の細胞まで浸透し、細胞膜に取り込まれるように入り、保湿効果を高める。リゾリン脂質によるヒアルロン酸産生促進作用の有ることがわかり注目されている。
【0196】
卵黄レシチン(卵黄リン脂質)、ニワトリの卵黄から得られる淡黄色〜橙黄色の粘着性物質または粉末である。リン脂質を60%以上含んでいる。卵黄から得た卵黄油に水素添加し、さらに精製して安定性を改善した水素添加卵黄レシチンもある。天然の界面活性剤として使用しやすいレシチンである。また、保湿効果が高く、肌への密着性がきわめてすぐれている。乳化剤、保湿剤、エモリエント剤、リポソーム化剤としてクリーム、乳液、ファンデーション、化粧水などに使用される。
【0197】
酵素、生体の細胞の中でつくられ、触媒の作用をするたんぱく質の総称である。生体内での分解や合成・酸化・還元など無数の複雑な化学反応はすべて酵素の働きによって穏やかな条件で容易に、しかも円滑に行われている。ほとんどの場合、酵素の触媒作用はきわめて特異的で、ただ二種の物質あるいは共通の構造要素をもつ一群の物質にしか作用しない。生体内にはきわめて多種類の酵素が存在しているが、通常その機能によって酸化還元酵素、加水分解酵素、転移酵素、離脱酵素、異性化酵素、合成酵素などの6種に分けられる。よく知られているものは食物を加水分解する消化酵素類で、たんぱく分解酵素(プロテアーゼ)や脂肪分解酵素(リパーゼ)は化粧品に応用されている。また、発酵や腐敗も微生物が産出する酵素によって行われる反応である。なお、酵素はたんぱく質であるため種々の外的条件、すなわち水の存在、温度、pH、金属イオンの存在などによって速やかにその作用を失うので、貯蔵や保管には厳重な注意を要する。
【0198】
植物性複合酵素、植物性複合酵素は、野菜、果実、野草、海藻など60数種類の植物群から抽出されるもので、酵素独自の働きとしては、たんぱく分解作用、脂肪分解作用、消炎作用、浸透庄作用そのほかの働きがある。もともと医療用として広く使われてきたカ、化粧品分野にも利用されるようになった。あくまでも化粧品に使用する量としては少量であるが、植物性のおだやかな働きが老化した角質を円滑にとり除き、汗腺からの汗、皮脂線からの皮脂分泌を促し、皮膚呼汲も容易に行われるなどの働きがある。
【0199】
たんぱく分解酵素、たんぱく質を加水分解する酵素の総称でプロテアーゼともよぱれる。たんぱく質中のペプチド結合を分解して、プロテオース、ペプトン、アミノ酸へと順次に分解していく。生体の組織や細胞に広く存在し、消化酵素としても重要な役割をはたしている。消化液では、胃液中のぺプシン、膵液中のトリプシン、腸液中の工レプシンなどがある。化粧品では老化した角質を分解してなめらかな皮膚にする目的などで酵素洗顔として石けんや洗顔科、浴用剤などに配合されている。
【0200】
脂肪分解酵素(リパーゼ)、汚れを落ちにくくしている皮膚表面の不要になった皮脂などを分解除去する効果の高い酵素である。洗顔用化粧品に使用される。
【0201】
動植物性成分について。
【0202】
プラセンターエキス(胎盤描出物)、牛、豚、羊の胎盤より無菌的に精製水で抽出される。多種のピタミン類(チアミン、リボフラピン、ピリドキシン、パントテン酸、その他、アミノ酸類(アルギニン、シスチン、グルタミン酸、セリン、その他、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、その他)などが含まれ、さらにコレステロール、コレステロールエステル、酵素(アルカリ性フォスファターゼ)、デオキシリボ核酸を含有している。これらの成分により、皮膚の組織呼吸の亢進作用、メラニン形成阻害作用、皮膚柔軟化作用、シミ・ソバカスの改善作用、末梢血流障害の改善作用、小ジワ、肌荒れに対する改善作用など広い範囲の治療効果が認められている。化粧品では、皮膚への保湿効果のほかに、色素沈着の防止、シワの予防、頭髪の脱毛防止など多目的に使用されている。
【0203】
動物胎盤エキス、妊娠奉刀期の健康な牛または豚の動物胎盤から熱処理や化学処理によらずに低温化にて抽出された組織抽出物である。油溶性成分を除去したホルモンを含まないエキスであり、無色〜淡黄色の液体で、わずかに特異なにおいがある。成分は水溶性ピタミン類約10種、アミノ酸類約17種、ミネラル約10種、そのほかの成分4種である。細胞の呼吸作用を促進することが認められており、皮膚組織の代謝、再生に効果がある。さらに美白効果も認められている。したがって、肌荒れや日焼けによるシミ、ソバカスなどに有効であり、化粧品や医薬部外品に広く配合されている。
【0204】
牛血液除たんばく液(セルニュー)、牛の血液の水溶液を除たんぱくして得たものである。細胞が酸素を取り入れる働きを高めると共に、細胞賦活成分として細胞の生まれ変わりを助ける。
【0205】
牛額下腺ムチン、牛の顎下腺から直接採取した唾液を原科としたもので、たんぱく質骨格にオリゴ糖鎖が多数結合した糖たんぱく質である。生体内においては、食物やその消化残滓などを包み、それらの消化管内の移動の際、滑剤として働くと共に、粘膜を機械的損傷から保護する役割をもつといわれている。ヒアルロン酸とコラーゲンの中間的な吸湿性があり、環境湿度の影響を受けにくい性質をもっている。また、ヒアルロン酸やコラーゲンに比較してケラチンへの吸着性が高い。保湿剤として化粧品に応用されている。
【0206】
牛脾蔵抽出エキス(リバイタリン)、牛の脾臓から抽出した低分子の水溶性エキスである。脾臓は血管及びリンバ組織に富んでおり、細網内皮系を構成している最も重要な器官である。また、哺乳動物の脾臓には毛細血管の透過性や炎症などに関与する作用物質(スプレニン)があることも知られている。リバイタリンは、プラセンターエキスと同様に、細胞が酸素を取り入れる働きを高め、細胞の生まれ変わりを助ける細胞賦活効果がある。また、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンをつくっている細胞で、真皮の中に存在している。線維芽細胞の生長促進効果も認められている。リバイタリンはアミノ酸、ペプチドなどを主成分としており、保湿効果の高い原科として化粧品に配合されている。
【0207】
牛胸腺描出物、牛の胸腺から抽出した黄褐色〜褐色の透明な水溶液である。皮膚細胞を活性化する働きがあり、クリーム、乳液、ローションなどの老化防止を目的とした基礎化粧品および頭髪用製品に配合される。
【0208】
アルブミン(乾燥脱糖卵白)、アルブミンは、動植物の細胞、体液中に含まれる一群の可溶性たんぱく質の総称である。鶏卵卵白を脱糖処理したものを噴霧乾燥して得られる。白色〜淡責色の粉末で、わずがに特異なにおいがある。構成アミノ酸にはグルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシンなどが多い。皮膜形成作用や皮膚へのコンディショニング作用があり、クリーム、乳液などに使用される。
【0209】
加水分解卵殻膜(卵殻膜ケラチン末、EMプロテイン)、ニワトリの卵殻膜をアルカリまたは酵素により加水分解して得たものである鳥類の卵殻内面に存在する薄膜で、創傷治癒効果があることは、相撲力士の間で広く知られていて、現在でも利用されている。主成分はたんぱく質であり、これに糖が結合し、糖たんぱくとして存在する。保湿効果、活性酸素除去効果、細胞賦活効果をもつ。真皮中のコラーゲンを増やす働きがあり、シワを予防する化粧品に応用されている。
【0210】
血清アルブミン、血漿から得られる血清たんぱく質の55〜60%を占める。化粧品では、皮膜形成作用、皮膚へのコンディショニング作用があり、基礎化粧品などに使用される。
【0211】
脱脂粉乳、動物の乳汁より脂肪分を除き乾燥したもので、おもに牛乳を原科としている。帯黄白色の粉末で、わずかに緩和なにおい、および味がある。たんぱく質、乳糖が主成分で、ほかに灰分、わずかに脂肪を含む。保湿作用、肌の保護作用があり、洗顔科、クリーム、乳液、パック、浴用剤、石けん、シャンプー、リンスなどに使用される。
【0212】
ホエ一(乳清、乳酸菌発酵液)、全乳まだは脱脂乳に、およびブドウ糖の水溶液を乳酸菌で発酵させて生じる凝固物を除去した透明な液体を乳清(ホエー)という。乳清の主成分は乳糖(ラクトース)であるが、たんぱく質やミネラルなども含まれている。保湿性、吸収性にすぐれ、また皮膚の柔軟作用や損傷皮膚修復作用があり、皮膚のコンディショナ一として基礎化粧品などに使用される。
【0213】
乳糖(ラクトース)、哺乳勤物の乳汁に存在する2種類の一つである。製法は工業的には、バター、チーズ、カゼインなどの製造の副産物として得られる。白色、無臭の結晶または粉末で、においはなく、味はやや甘い。乳糖はほかの糖に比べ甘味が少なく、ショ糖の約1/6である。小腸の粘膜細胞内で酵素ラクターゼによりブドウ糖とガラクトースに分解される。
【0214】
カゼイン、牛乳や豆類中に含まれている複合たんぱく質である。牛乳中には約3%含まれており、たんぱく質の主要構成成分となっている。通常カルボキシル基やリン酸基と結合したカルシウムと複化合物をつくり、コロイド状に分散している。主要アミノ酸組成は、グルタミン酸、リジン、アスパラギン酸、チロシン、ロイシンなどである。すぐれたたんぱく源としての栄養価、乳化カ、保水力を利用して食品の増粘剤、安定剤、乳化剤などとして使用される。化粧品には、増粘剤、懸濁剤、柔軟剤、乳化助剤などの目的で使用される。工業的には、主として製紙工業における紙のコーティング剤などとして利用される。
【0215】
牛乳糖たんぱく、牛乳より得られたカゼインを加水分解して得られる黄たんぱくの紛末である。白色〜乳白色の粉末で、わずかに特異臭がある。メラニン生成抑制作用、コラーゲン合成促進作用があり、パック、浅顔料などに使用される。
【0216】
ラクトフェリン(ラクトカイン)、牛乳に合まれる生理活性物質である。淡黄赤色の透明な液体でにおいはほとんどない。哺乳動物の母乳中には、たんぱく質、脂質、炭水化物、ピタミン、ミネラルなど栄養素のほかに幼動物の生休調整にかかわる生理機能をもった成分が豊富に含まれている。このラクトフェリンは、母乳中に含まれる鉄結合性糖たんぱく質である。高い抗酸化能と皮膚本来の防御機能を高める働きをもっている。SOD(活性酸素消去物質)と同様な抗酸化能をもつ。ラクトカインは、ラクトフェリンとピタミン類、植物エキスの複合体である。老化の原因である酸化の進行を止め、皮膚本未の防御機能を高める作用や、酸化によって引き起こされる炎症を抑える作用、さらに親和性や保湿保護効果にすぐれている。
【0217】
加水分解シルク、蚕の絹繊維を構成するたんぱく質フィブロインを酸、アルカリまたはたんぱく分解酵素の下で加水分解して得られる可溶性たんぱく質の水またはエタノール溶液である。類白色〜黄褐色の液体で、わずかに特異なにおいがある。グリシン、アラニン、セリンが持に多く含まれており、コラーゲンやケラチンなどの加水分解防上はやや異なる。多くのたんぱく加水分解物に比べて吸湿性は少ないが、皮膚や毛髪に対する吸着性や浸透住にすぐれているので、良好な保湿効果が期待できる。また、チロシナーゼの活性抑制作用があり、メラニン色素の生成を抑える美白効臭もある。石けん、シャンプー、リンス、頭髪用化粧品、ファンデーション、クリーム、乳液、化粧水、パック、洗顔料などに使用される。
【0218】
シルクアミノ酸、蚕の絹繊維を構成するたんぱく質であるフィブロインを加水分解して得られたアミノ酸の混合物である。主要成分はグリシン、アラニン、セリン、チロシン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンである。皮膚や毛髪に対する吸着性や浸透性にすぐれており、均一な保護膜を形成する。皮膚や手髪のコンディショナーとして化粧品に使用される。
【0219】
シルク抽出液、蚕から得られる絹繊維を化学処理して、ろ液を得る。このろ液のpHを調整し、ろ過して得られた溶液である。微黄色の液休で、わずかに特異なにおいがある。主成分はグリシンとアラニンであり、皮膚や手髪に対する吸着性や浸透性にすぐれており、基礎化粧品、頭髪用化粧品などに使用される。
【0220】
シルクパウダー、蚕の絹繊維を構成するたんぱく質であるフィブロインの紛末である。白色または灰白色の紛末で、わずかに特異なにおいがある。皮膚や毛髪に対して高い親和性をもっている。シルクのもつなめらかな肌触り、色調、光沢などが使用感を改善し、皮膚に対する柔軟性、保湿性を向上させる。石けん、シヤンプー、リンス、頭髪用化粧品、メイクアッフ。化粧品、クリーム、乳液、パック、浅顔料に使用される。
【0221】
加水分解コンキオリン液(真珠たんぱく描出液)、アコヤ貝貝殻または真珠を微細な紛末としたものに酸を加えて脱灰した後、たんぱく質であるコンキオリンを得る。このコンキオリンを加水分解して得られたコンキオリンたんぱく加水分解物の水溶液である。淡褐色〜淡黄色の液体で、アミノ酸臭がある。皮膚や毛髪への親和性にすぐれており、皮膚や毛髪につやとさっぱりした感触を与える。
【0222】
コンキオリンパウダー、コンキオリンは貝類に特有な硬たんぱく質で、貝殻中に約3%含まれている。また、真珠中にも同様なたんぱく質が含まれており、貝殻や真珠の防御のほか、その成長やつやにも関与していると考えられている。貝殻中に簿い膜を何層か形成して存在する構造たんぱく質の一種である。グリシン、アラニンなどが多く、コラーゲンやシルクに類似している。皮膚や毛髪への親和性にすぐれ、皮膚にやさしくさっぱりとした感触を与える。
【0223】
キチン、キトサン、キチンは多糖類の一種で、セルロースと類似した構造をもっている。キチンはカニ、エビの中殻類、昆虫類の外骨格、菌類の細胞壁構成成分として自然界に分布している。工業的には、カニやエビの殻を主原科としてキチンが得られる。キトサンほ自然界ではある種のカビの細胞壁に含まれており、工業的にはキチンから製造する。キチンやキトサンは使用感が、ヒアルロン酸によく似た保湿性を有し、化粧品に配合すると、皮膚や毛髪に吸着して保湿効果や皮膜形成する。
【0224】
グルコサミン(キトサミン)、代表的な天然のアミノ糖で、動植物、微生物の多糖、特にムコ多糖、糖たんぱく質および糖脂質の構成成分である。キチンの構成単位としてエビやカニの殻に多量に含まれており、そのほかヒアルロン酸の構成成分として動物体に広く分布している。キチン質を塩酸で加水分解し塩酸塩として得られる白色の結晶性粉末で、無臭である。保湿剤として化粧品に使われる。
【0225】
ローヤルゼリー(王乳)、ミツバチの若い働きバチが分泌する粘性物質で、日本名では王乳とよぱれる。非常に高い栄養に富んでいて、女王バチがふ化して幼虫から成虫になるまでに与えられる食餌である。女王バチはほかのハチに比べ生長は早く、体も大きくなり生存期間も長い。この女王バチの驚くべき産卵能力と働きバチの約4倍という寿命はローヤルゼリーの摂取によると考えられており、欧米諸国では古くから長寿の妙薬としてローヤルゼリーを尊重してきた。また、女王バチの幼虫の体表面からも吸収される物質であることから、化粧品原科として注目されている。ローヤルゼリーの成分は、たんぱく質、炭水化物、脂肪、酵素、ミネラル、ピタミン類(パントテン酸が特に多い)などにより構成されている。ローヤルゼリーには、細胞を賦活し、皮膚組織の新陳代謝を促進し、シミ・小ジワを防ぐ作用があり、さらに皮膚の保湿性を高める。また、ローヤルゼリーのみに含まれるヒドロキシデセン酸はすぐれた抗菌作用を有している。
【0226】
ハチミツ、ミツバチが巣に集めた淡貫色〜黄褐色のシロップ様の粘稠な液体の蜜を採集したものである。蜜のもとになる植物として、ナタネ、レンゲ、ナシ、アカシア、ミカン、クローバーなどが知られ、植物の種類によりにおい、色調にちがいがある。一般に色の淡いものほど淡白な香りと味をしているといえる。また、花名のついたものは、国産、輸入ともブレンドしていない。80%は糖分で、果糖、ブドウ糖が主であり、ショ糖、麦芽糖などを少量含んでいる。このほか10〜20%の水分を含み、さらにギ酸、乳酸、リンゴ酸、ゴム質、ロウ質、アセチルコリン、ピタミンB群を微量含んでいる。栄養剤、甘味剤として用いるほか、食品の乾燥を防ぐためにも使用する。化粧品には、皮膚をなめらかにする性質があるので、マッサージクリーム、石けんなどに使用され、また乳液、ロース、、水などの増粘剤としても使用される。
【0227】
ブドウ糖(グルコース)、デンプンを原料としてつくられる。白色の結晶、または結晶性の粉末で味は甘い。最も重要な糖で、多糖類や配糖体となっている成分を含めると自然界に最も多量に存在する。植物界には熟した果実中に多く、またハチミツの主成分である。動物界では血液やリンパ液中にあり、糖尿病患者の尿中に見いだされる。医薬品としては、栄養補給薬として用いられるほか、甘味剤として食品に用いられる。化粧品ではクリームなど製品の水分蒸発を防ぐ日的の湿潤剤として用いられる。
【0228】
大豆たんばく質、大豆から繊維質、脂肪などを除去したものである。たんぱく質分を90%以上に精製したものは、SPI(分離大豆たんぱく質)とよぱれる。大豆たんぱく質の分離精製法としては、化学的分別法と物理的分別法がある。品質の安定性、安全性などにより、食品原科として広く使用されている。保水性、乳化性、ゲル形成性にすぐれており、保湿剤、乳化安定剤などとして化粧品にも使用される。
【0229】
大豆たんばく加水分解物、食品用脱脂大豆を水に分散させて水酸化ナトリウムでpHを調整した後、たんぱく分解酵素トリプシンを加えて加水分解する。分解後ろ過し、ろ液を濃縮冷却し、塩酸を加えたものである。淡黄色〜褐色の液体で、わずかに特異なにおいがある。保湿剤、乳化安定剤などとしても化粧品に使用される。
【0230】
納豆エキス(大豆発酵代謝液)、大豆を原科としたバイオ成分である。グルタミン酸のポリペプチドと果糖のポリマーの混合物である。肌のうるおいを長時間保つすぐれた保湿成分である。ヒアルロン酸に匹敵する保湿効果がある。
【0231】
アルファヒドロキシ酸(AHA)、アルファヒドロキシ酸は、植物やフルーツなどに含まれる酸の一種で、皮膚表面の古い角質に働きかけ、角化(新陳代謝)を促す効果がある。この物質は、イニシヤルをとってAHAと略してよぱれる。天然に広く在在している有機酸の一種で、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などがある。1970年代に入って、J‐ミドルトンによってアルファヒドロキシ酸の一つである乳酸が角質に浸透して、乾燥して硬くなった皮膚の状態を和らげる効果をもっていることが認められた。また、E‐ヴァン・スコットは、乳酸がサメ肌に効果があることを見出した。乳酸はNMFの組成の中に乳酸塩として約12%含まれている。やはりアルファヒドロキシ酸の一つであるグリコール酸にもシワ改善効果があることが証明されている。また、グリコール酸や乳酸は、角質細胞に働いて角化の正常化を促したり、古い角質を排出するエクスフォリエーション効果と水分のバランスを維持する保湿効果をもつ。
【0232】
混合粘物抽出液(マルチフルーツ、BSC)、コケモモ、オレンジ、レモン各々の果実およびサトウキピの茎およびサトウカエデの樹液から水で抽出して得られるエキスである。その成分ほ主として乳酸、グリコール酸、クエン酸からなる。この混合フルーツ酸は話題のアルファヒドロキシ酸を多く含むため、その保湿効果と共に、角質の角化を正常にする効果が期待できる。
【0233】
グリコール酸、サトウキピ、未熟のブドウの実や葉などに存在する成分である。クロル酢酸を加水分解するか、グリシンに亜硝酸を作用させて得られる。白色結晶または結晶性粉末である。吸湿性があり、pH調整剤として化粧品に使用される。また、コラーゲン、エラスチンなどをつくりだしている線維芽細胞を増殖させ、真皮結合組織を生成し、シワを改善する効果がある。
【0234】
リンゴ酸、天然にはリンゴなどの果実中にある。合成品はフマル酸をアルカリと熱して水を付加して得られる。あるいは、ブドウ酸の還元や、ブロムコハク酸の加水分解によっても得られる。白色の結晶または結晶性粉末で、においはないかわずかに特異なにおいがある。リンゴ酸のエステルであるリンゴ酸ジイソステアリルは高粘稠液休で、低刺激性であり、油性成分として化粧品に広く使用される。また、リンゴ酸ナトリウムは塩味をもつことから、古来食塩の代用として用いられてきた。
化粧品では、石けん、シャンプー、リンス、化粧水、クリームなどに使用される。
【0235】
海藻エキス、褐藻類に属するヒバマタ属、コンブ属など、または紅藻類から抽出して得られるエキスに、さらにグリセリンを加えたものである。粘液質多糖類(ポリサッカライド)、アミノ酸、ミネラル、アルギン酸などの成分が含まれている。すぐれた保湿効果や皮膚再生作用がある。コンブ属の海藻エキスは脂肪分解を促進、また、ヒバマタ属の海藻エキスは血行を促進し、水分や老廃物の代謝を促進し、セルライトを減少させることを期待して痩身用化粧品に応用されている。
【0236】
褐藻エキス、世界には約二万種の海藻がある。わが国では海藻の種類と抽出方法により、次の4種の梅藻エキスに分類されている。海藻エキス(1)褐藻類の全藻またはめかぶ(胞子葉または成実葉)から水、ユタノール、各種多価アルコールまたはこれらの混液で抽出したエキスで、主としてアミノ酸を含む。海藻エキス(2)褐藻類の全藻から塩化ナトリウム溶液で抽出したエキスで、主としてアルギン酸からなる。海藻エキス(3)褐藻類に属するコンブ属および紅藻類に属するエギス属の全藻から水にて抽出したエキスで、主としてアルギン酸およびカラギーナンよりなる。海藻エキス(4)褐藻類、紅藻類および緑藻類の全藻からブチレングリコール溶液で抽出したエキスである。
【0237】
含硫ケイ酸アルミニウム(マリンクレイ)、主としてイオウを含んだ含水ケイ酸アルミニウムからなる灰白色〜灰色の粉末でにおいはない。太古より海底もしくは湖底に堆積した動植物の分解物、ミネラル分と土壌が崩壊してできた成分などからなる。海泥、ペロイド、ミロナイト・ネクトン、骸泥などがあり、ヨーロッパでは海洋療法(タラソテラピー)や温泉療法に昔から応用されている。化粧品には、泥のすぐれた吸者効果を利用したクレンジングやパック剤がある。泥の吸着効果で毛穴の汚れや余分の皮脂を取り除く効果がある。また、貴重な各種ミネラルの微量元素は皮膚のホメオスタシスを助け、肌のキメを整える。
【0238】
ミロナイト・ネクトン(マリンクレイ、海の軟泥)、主としてイオウを含む含水ケイ酸アルミニウムからなる海泥乾燥物である。福島県棚倉町の東西にひろがる棚倉破砕帯より採掘した、軽質多孔性の白色粉末である。数千万年前の海洋動植物が埋没堆積し、微生物の働きで年月と共に分解、代謝、再合成が繰り返され、バランスのよい各種ミネラルを含有する腐食泥「海の軟泥」となったものである。酸化アルミニウム、二酸化ケイ素のほかに酸化カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、イオウ、リン、酸化チタンを含み、一般の粘土鉱物類と異なる。吸着効果がすぐれているので、毛穴の汚れや余分の皮脂を取り除くクレンジングやパック剤に応用されている。微量の酸化鉄および微量のイオウの働きで消炎効果もある。また、貴重な各種ミネラルの微量元素は皮膚のホメオスタシスを助け、肌のキメを整える。
【0239】
海水乾燥物、海水より得た無機塩の混含物であり、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム及び塩化カリウムからなる。海水濃縮方法により塩化ナトリウムを半分以下に減塩したオリゴメールやシーミネラルリッチなどがある。また、死海の塩も天然海水乾燥物として化粧品に応用されている。基礎化粧品、ボディ化粧品や浴用剤に配合されている。ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムそのほか多数の微量イオン成分が皮膚細胞にエネルギーを与え、肌の新陳代謝促進とうるおいをもたらす。また、ボディケアでは体内の水分排出により痩身効果と美肌効果が期待されている。ヨーロッパでは海水と共に海泥、海藻を用いたタラソテラピー(海洋療法)が盛んである。
【0240】
ニガリパウダー、天然海水成分で、主として塩化マグネシウムを含む。角質層に水分を与え、お肌の乾燥を防ぐ。タラソテラピーに用いられる美容成分である。
【0241】
塩化マグネシウム、海水中に苦汁(ニガリ)の成分として存在する。豆腐の凝固剤に用いられる。皮膚に含まれるNMF物質(天然保湿因子)で、べたつかずに高い保温効果がある。
【0242】
マリンコラーゲン、タラの浮き袋から抽出した、水溶性コラーゲンである。無色〜淡黄褐色の液体で、特異な臭いがある。海の生物から抽出したコラーゲンで、保湿効果がある。
【0243】
酵母エキス、酵母とは、単細胞の菌類の一群である。繁殖力と発酵力が強く、糖分を分解してアルコールと二酸化炭素とにする力がある。酵母エキスは淡黄色〜褐色の粉末あるいは液体であり、次の5五種類が化粧品に配合されている。1.酵母の自己消化によって得られた消化液の噴霧乾燥物、2.乾燥酵母の自己消化によって得られた消化液をミクロフィルターにより無菌的にろ過後、凍結乾燥して濃緒したものを精製水で希釈(簿めること)したもの、3.酵母の自己消化によって得られる消化液を濃縮、乾燥したものからプロピレングリコール、1、3―ブチレングリコール、精製水で抽出し得られるもの、4.酵母の菌体を乾燥して粉末にしたものから精製水および濃グリセリンの混液で抽出して得られるもの、5.酵母を酸で加水分解した後、遠心分離、透析、ろ過、濃縮により得られるもの。酵母エキスには、各種アミノ酸、ピタミン、核酸関連物質、ミネラル、有機酸、たんぱく質、糖質、脂質などの成分が含まれている。保湿作用、細胞賦活作用があり、クリーム、化粧水、毛髪用化粧品などに使用される。
【0244】
乾燥酵母、酵母の菌体を乾燥して粉末としたものである。淡黄白色〜褐色の粉末で、持異なにおいおよび味がある。酵母はギリシヤ、ローマ時代に医療目的に使用されたといわれ、今世紀に入ると生化学の進歩と共に酵母の薬効が認められるようになった。乾燥酵母にはビタミン、ミネラル、アミノ酸、たんぱく質、糖質、核酸関連物質などの成分が含まれている。化粧品には、化粧水、クリーム、パックなど基礎化粧品、シャンプー、リンスなどに配合される。
【0245】
プルラン、黒酵母菌を用い、発酵法でつくる。グルコースが規則正しく約1000個程度つながった水溶性多糖類である。多くの水酸基をもっており、温水、冷水、いずれにもよく溶け、保湿性にもすぐれている。各種化粧品の機能性、触感などを高めるために使用される。
【0246】
SK2ピテラ(酵母発酵代謝産物)、SK2ピテラという酵母が分泌生産する発酵代謝物で、この分泌代謝物には、各種のアミノ酸、有機酸、水溶性多糖類およびたんぱく質などの物質が混じりあっている。これらの成分は親水性に富んでおり、すぐれた保湿性を示す。そのため、皮膚のNMF成分を補給し、皮膚の新陳代謝を活発にする効果がある。また、各種の有機酸を含んでいるので、収れん作用や脂質分泌のコントロール作用がある。このSK2ピテラを、昭和55年末、某外資系メーカーが化粧水に配合、新しい発酵代謝物というキャッチフレーズを打ち出し、化粧品にバイオという言葉が登場した最初の事例である。
【0247】
乳酸菌培養液(天然SE液)、乳酸菌は腸内菌を制御し、整腸作用を有する効用が知られており、日常にも乳酸飲科としても用いられている。ローマ時代すでに動物の乳や発酵乳で皮膚の色を白くしたり、皮膚の乾燥を防ぐ目的で用いられていたといわれる。乳酸菌培養液は乳酸菌の一種から発酵法によって得られ、その成分はアミノ酸、可溶性たんぱく質、有機酸、糖類などから構成されている。SEはスキンケア・エッセンスまたはシロタ・エッセンスの略である。保湿作用やpHコントロール作用があり皮膚の乾燥を防ぎ、つや、弾力性を保ち、皮膚を弱酸性に維持する。また、抗酸化作用があり、シミ、ソバカスの原因となる過酸化脂質の生成を抑制し、皮膚の新陳代謝を高め、老化を予防する。
【0248】
ビフィズス菌エキス(カルチャーB,B)、ピフィズス菌から得られたエキスの水溶液である。ピフィズス菌は腸管内に生理的繁殖する細菌であるが、乳酸を産生して腸内の酸性度を高め、病原細菌の発育・増殖を防ぐ役目をしている。また、ピフィズス菌の免疫賦活作用や抗ガン活性のあることが明らかになった。ピフィズス菌の培養物は紫外線や加齢により損傷をうけた細胞の自然修復機能を高め、衰えた細胞をよみがえらぜるバイオ成分として、基礎化粧品に応用されている。
【0249】
トレハロース、酵母、紅藻、地衣類など広く天然界に存在している成分である。近年、保湿効果の高い糖として注目されており、乾燥している環境下から細胞を保護する作用のあることがわかった。トレハロースを硫酸化した硫酸化トレハロースは皮膚への連続塗布効果試験で、角質層の水分保持機能を高めることがわかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0250】
本発明は、肌荒れ防止の作用を有する組成物および、それを含有した化粧料、飲料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0251】
キュウリはヒマラヤが原産で、日本へは、9世紀末頃、中国を経由して紹介された。胡(西)から紹介された瓜だから、胡瓜(きゅうり)と呼ばれる。キュウリの品種は世界で400種類以上もあるが、日本で栽培されるのは『白いぼ』と呼ばれる種類である。白いぼキュウリは、細長い形をしていて、皮の表面に小さな刺(とげ)があり、その刺の部分が白いのが特徴である。日焼けした肌に、キュウリをすりおろしたものをつけると火照りが引く。又、火傷や汗疹には、キュウリの薄切りをペタッと貼ると、肌を冷やす効果がある。しぼり汁には、顔のしわをのばす作用がある。
【0252】
本発明に使用するキユウリ液汁(ウリ科キュウリの果実)製造方法において、原料のキュウリ果実は、自由にその品種、産地、熟度、大きさなどを選択することができる。また、品種、産地、熟度、大きさ等が異なる二種類以上のキュウリ果実を原料としてブレンドすることもできる。
【0253】
一般に、薬に用いられる薬用人参と、食用に用いられるニンジンとは、異なる。植物学的には、前者はウコギ科ニンジン属のオタネニンジンが元の植物で、後者は、セリ科の植物である。薬用人参と同じウコギ科ニンジン属の別種に竹節人参(トチバニンジン)、洋人(アメリカニンジン)三七(サンシチニンジン)があり、これらもまた薬用に使われていますが、各々少しずつ成分が違い、効能・効果も異なっている。
【0254】
ウコギ科の多年性宿根植物であるオタネニンジン(Panax Ginseng)は、元来、深い山奥に自生しており、栽培は極めて難しく、また顕著な効能を持つため古代から珍重されてきた。重要な成分は、種々の配糖体のサポニンである。サポニンは、ジンセノシドとも呼ばれ、生体の機能を調節する、生体の防御能力を高める、老化を防ぐ、精神的・肉体的活動能力を高める、などの効果があると言われている。ウコギ科(Araliaceae)の多年草。人参サポニンを始めとする有効成分が抹消血管を広げ、血行をよくする。ニンジンの主成分として、トリテルペノイド・サポニン(0.7〜3%)、ギンセナノサイド類、アセチレン化合物、パナキサン、セスキテルペンが、含まれている。
【0255】
モモ(Prunus persica)バラ科には、牛乳にも劣らないほどビタミンが豊富に含まれている。ビタミンEは、モモ(0.7mg/100g)に豊富に含まれており、糖尿病、動脈硬化、アルツハイマー病などの生活習慣病や老化の予防効果がある。ナイアシンは、モモには0.6mgふくまれている。ナイアシンは、多くの酸化還元反応に関与している。そのため、ナイアシンは、糖質、脂質、タンパク質の代謝に不可欠であり、ビタミンB2と同じような役割を果たしている。
【0256】
モモ(バラ科)の葉を原料として、適当な抽出溶媒を用いて常法に従って抽出して得る事ができる。原料としては、植物の乾燥物を破砕又は粉砕したものを用いるのが好ましい。抽出溶媒としては、例えば水若しくは水溶性有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いる事ができる。水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールのような低級アルコールが挙げられる。水性有機溶媒を用いると、抽出液の腐敗防止や抽出の効率の点から好ましい。抽出溶媒として水と有機溶媒の混合溶媒を用いる場合の割合は、原料の種類等に応じて適宜設定する事ができるが、例えば有機溶媒が50%(v/v)以下、好ましくは30%(v/v)以下とする事ができる。抽出は、上記したような抽出溶媒を、例えば原料の1〜100容量倍程度、好ましくは2〜5容量倍程度用いて、必要に応じて加温し、2〜3回繰り返し抽出する事ができる。
【0257】
カミツレ(German Chamomile)日本の野菊の仲間で、花は美しい青色の精油を含んでいます。ヨーロッパ地方に自生し古来より様々な病気の治療薬として利用されています。鎮静効果があり、不眠症のほか、湿疹、点眼薬、香料、お茶等、家庭の各種薬用に利用されている。ジャーマンカミツレは青色の精油、フラボノイド、プロアズレン、クマリン、アミノ酸、コリン、カマズレン、βピサポロール、エン・アイン・ダイサイクルイーザーはカミツレのもつ抗炎作用、抗細菌作用、抗痙攣作用といった効能の有効成分の一部であると考えられる。
【0258】
ブナの芽の芽が持つフィトスチムリンやフラボノイドといった活性成分は、植物の細胞代謝を促進し開花に導くほどのパワーを持っている。ブナの芽から抽出されたエキスには保湿効果がある。
【0259】
本発明に用いられるブナ科ブナ属植物としては、別名シロブナ、ホンブナ、ソバグリ等の名称で呼ばれるブナ科ブナ属ブナ(Fagus crenata Blume)、同科同属クロブナ(Fagus japonika Maxim)、同科同属アメリカブナ(Fagus grandifolia)、同科同属ヨーロッパブナ(Fagus sylvatica L.)、同科同属シダレブナ(Fagus sylvatica L.var. pendula)、同科同属ムラサキブナ(Fagus sylvatica L.var. purpurea)、または同科同属オリエントブナ(Fagus
orientalis Lipsky)等の植物が含まれる。これらの植物は、芽、花、茎、葉、果実、種子、根、全草等が用いられる。抽出方法は特に限定されるものではなく、例えば水、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、1,3-ブチレングリコール等の親水性有機溶剤等の化粧品用原料を製造する際に通常用いられる溶媒の単品もしくは混合物が用いられる。
【0260】
本発明の化粧料には上記成分の他に、通常化粧料や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。このような成分としては、例えば、アデノシン三リン酸−二ナトリウム,トラネキサム酸,二酸化チタン,マイカ,タルク等の粉末成分、アボガド油,トウモロコシ油,オリーブ油,ナタネ油,月見草油,ヒマシ油,ヒマワリ油,茶実油,コメヌカ油,ホホバ油,カカオ油,ヤシ油,スクワラン,スクワレン,牛脂,モクロウ,ミツロウ,キャンデリラロウ,カルナバロウ,鯨ロウ,ラノリン,シリコーン油,フッソ油,流動パラフィン,セレシン,ワセリン,ポリオキシエチレン(8モル)オレイルアルコールエーテル,モノオレイン酸グリセリル等の油分、カプリルアルコール,ラウリルアルコール,ミリスチルアルコール,セチルアルコール等の高級アルコール、コレステロール,フィトステロール等のステロール、カプリン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,ベヘニン酸,ラノリン脂肪酸,リノール酸,リノレン酸等の高級脂肪酸、パラアミノ安息香酸,ホモメンチル−7N−アセチルアラントラニレート,ブチルメトキシベンゾイルメタン,ジ−パラメトキシケイ皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル,アミルサリシレート,オクチルシンナメート,2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、ポリエチレングリコール,グリセリン,ソルビトール,キシリトール,マルチトール等の保湿剤、メチルセルロース,エチルセルロース,アラビアゴム,カルボキシビニルポリマー,アルキル変性カルボキシビニルポリマー,ポリビニルアルコール,モンモリロナイト,ラポナイト等の増粘剤、エタノール,1,3−ブチレングリコール等の有機溶剤、ブチルヒドロキシトルエン,トコフェロール,フィチン酸等の酸化防止剤、安息香酸,サリチル酸,ソルビン酸,パラオキシ安息香酸アルキルエステル(エチルパラベン,ブチルパラベン等),ヘキサクロロフェン等の抗菌防腐剤、グリシン,アラニン,バリン,ロイシン,セリン,トレオニン,フェニルアラニン,チロシン,アスパラギン酸,アスパラギン,グルタミン,タウリン,アルギニン,ヒスチジン等のアミノ酸及びこれらのアルカリ金属塩と塩酸塩、アシルサルコシン酸(例えばラウロイルメチルサルコシンナトリウム等),グルタチオン,リンゴ酸,酒石酸等の有機酸、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2及びその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、アスコルビン酸,アスコルビン酸硫酸エステル(塩),アスコルビン酸リン酸エステル(塩),アスコルビン酸ジパルミテート等のビタミンC類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート,ビタミンEニコチネート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類、ニコチン酸アミド,ニコチン酸ベンジル,γ−オリザノール,アラントイン,グリチルリチン酸(塩),グリチルレチン酸及びその誘導体,ヒノキチオール,ムシジン,ビサボロール,ユーカリプトール,チモール,イノシトール,サポニン類(サイコサポニン,ヘチマサポニン,ムクロジサポニン等),パントテニルエチルエーテル,エチニルエストラジオール,セファランチン,プラセンタエキス,アルブチン等の各種薬剤、モノラウリン酸ソルビタン,モノパルミチン酸ソルビタン,セスキオレイン酸ソルビタン,トリオレイン酸ソルビタン,モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン,モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン,ポリエチレングリコールモノオレート,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリグリコールジエーテル,ラウロイルジエタノールアマイド,脂肪酸イソプロパノールアマイド,マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル,アルキル化多糖,アルキルグルコシド,シュガーエステル等の非イオン性界面活性剤、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド,塩化ベンザルコニウム,ラウリルアミンオキサイド等のカチオン性界面活性剤、パルミチン酸ナトリウム,ラウリン酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウム,ラウリル硫酸カリウム,アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル,ロート油,リニアドデシルベンゼン硫酸,ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸,アシルメチルタウリン等のアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、香料、精製水等を配合することができる。
【0261】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、キュウリ液汁に、ニンジンエキス、モモ葉エキス、カミツレ花エキス、ブナの芽エキスの一種又は複数種を組み合わせると、その組成物に肌荒れ防止効果があることを発見した。すなわち、本発明は、下記の構成を要旨とするものである。
(1)キュウリ液汁および、ニンジンエキス、モモ葉エキス、カミツレ花エキス、ブナの芽エキスのいずれか1種または複数種を含有せしめたことを特徴とする、肌荒れ防止作用を有する組成物。
(2)上記組成物を含有したことを特徴とする、肌荒れ防止作用を有する化粧料。
(3)上記組成物を含有したことを特徴とする、肌荒れ防止作用を有する飲料。
【発明の効果】
【0262】
安全で、副作用のない、肌荒れ防止の作用・効果を有する組成物および、化粧料、飲料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0263】
キュウリ液汁をベースとして、ニンジンエキス、モモ葉エキス、カミツレ花エキス、ブナの芽エキスのいずれか1種または複数種を含有せしめたことを特徴とする、肌荒れ防止作用を有する組成物。および、組成物を含有したことを特徴とする、肌荒れ防止用を有する化粧料あるいは飲料とする。
【実施例】
【0264】
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明は、実施例によって限定されるものではない。
【0265】
本発明では、キュウリの果肉全体をパルプ質を含んだ状態でホモゲナイザー(大東食品機械製)を用いて破砕してキュウリ液汁を得、ろ過し、減圧濃縮し、5倍の濃縮液とした(キュウリ液汁)。
【0266】
本実施例では、ニンジンエキスとは、乾燥粉砕した100gのオタネニンジン(ウコギ科)を1Lの60℃の熱水中に入れ、2昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度約5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものを蜆抽出液とし、この抽出液のろ過を行った後、減圧濃縮し、10gのエキスを得た(ニンジンエキス)。
【0267】
本実施例では、次のように行った。乾燥粉砕したモモ葉100gを1Lの60℃の熱水中に入れ、2昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度約5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものを蜆抽出液とし、この抽出液のろ過を行った後、減圧濃縮し、10gのエキスを得た(モモ葉エキス)。
【0268】
本実施例では、次のように行った。乾燥粉砕したカミツレ花100gを1Lの60℃の熱水中に入れ、2昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度約5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものを抽出液とし、この抽出液のろ過を行った後、減圧濃縮し、10gのエキスを得た(カミツレ花エキス)。
【0269】
本実施例では、次のように行った。乾燥粉砕したブナの芽100gを1Lの60℃の熱水中に入れ、2昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度約5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものを抽出液とし、この抽出液のろ過を行った後、減圧濃縮し、10gのエキスを得た(ブナの芽エキス)。
【0270】
以下の配合の化粧料を調製した。数字は、重量%を示す。
配合例1
キウリ液汁 1.0
ニンジンエキス 1.0
モモ葉エキス 1.0
カミツレ花エキス 1.0
ブナの芽エキス 1.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
製法:80℃に保ちながら、加熱、攪拌、溶解し、20℃まで撹拌しながら冷却した。
【0271】
配合例2
キウリ液汁 4.0
ニンジンエキス 1.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
【0272】
配合例3
キウリ液汁 4.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 1.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
【0273】
配合例4
キウリ液汁 4.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 1.0
ブナの芽エキス 0.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
【0274】
配合例5
キウリ液汁 4.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 1.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
【0275】
配合例6
キウリ液汁 5.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
【0276】
配合例7
キウリ液汁 0.0
ニンジンエキス 5.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
【0277】
配合例8
キウリ液汁 0.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 5.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
【0278】
配合例9
キウリ液汁 0.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 5.0
ブナの芽エキス 0.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
【0279】
配合例10
キウリ液汁 0.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 5.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
【0280】
配合例11
キウリ液汁 0.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
プロピレングリコール 1.0
クエン酸 0.04
クエン酸ナトリウム 0.04
エタノール 10.0
メチルパラベン 0.1
香料 適量
精製水 残余
【0281】
上記配合の化粧料の肌荒れ防止の評価については、次のようにした。10名の一般パネラー(30歳から60歳の女性)により、上記の実施例によって、調製した配合例1から配合例11について、1ヶ月間づつ、1日に首部に2回3mlを使用してもらい、「飲用後のお肌の感じ」について、下記の評価基準に基づき評価した。表1に10名の評価結果を示す。
【0282】
評価基準
◎:お肌がかなり、しつとりとした感じになった
○:お肌がしっとりとした感じになった
△:お肌がわずかに、しっとりとした感じになった
×:お肌の感じについて、特に変化を感じなかった
【0283】
[表1]
パネル a b c d e f g h i j
配合例1 ○ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎
配合例2 ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ◎
配合例3 ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ◎
配合例4 ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ○
配合例5 ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○
配合例6 △ ○ ○ ◎ × ○ ○ ○ × ×
配合例7 × ◎ × ○ ○ △ ○ × ○ ○
配合例8 ○ × ◎ ○ × △ × ○ × ◎
配合例9 ○ ◎ ○ × ○ × ○ × △ ○
配合例10 ○ ○ ○ ○ △ × ○ ○ ○ ○
配合例11 × × × × △ × × × × △
【0284】
試験に供したに飲料の配合を下記に示す。
【0285】
以下の配合の飲料を調製した。数字は、重量%を示す。
配合例A
キウリ液汁 4.0
ニンジンエキス 1.0
モモ葉エキス 1.0
カミツレ花エキス 1.0
ブナの芽エキス 1.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
製法:80℃に保ちながら、加熱、攪拌、溶解し、20℃まで冷却した。
【0286】
配合例B
キウリ液汁 4.0
ニンジンエキス 4.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
【0287】
配合例C
キウリ液汁 4.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 4.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
【0288】
配合例D
キウリ液汁 4.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 4.0
ブナの芽エキス 0.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
【0289】
配合例E
キウリ液汁 4.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 4.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
【0290】
配合例F
キウリ液汁 8.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
【0291】
配合例G
キウリ液汁 0.0
ニンジンエキス 8.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
【0292】
配合例H
キウリ液汁 0.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 8.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
プロピレングリコール 0.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
【0293】
配合例I
キウリ液汁 0.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 8.0
ブナの芽エキス 1.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
【0294】
配合例J
キウリ液汁 0.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 8.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
【0295】
配合例K
キウリ液汁 0.0
ニンジンエキス 0.0
モモ葉エキス 0.0
カミツレ花エキス 0.0
ブナの芽エキス 0.0
プロピレングリコール 0.0
クエン酸 0.4
砂糖 5.0
精製水 残余
【0296】
上記配合の飲料の肌荒れ防止の評価については、次のようにした。10名の一般パネラー(30歳から60歳の女性)により、上記の実施例によって、調製した配合例A〜配合例Kを、1ヶ月間づつ、1日に計100mlを摂取してもらい、「飲用後のお肌の感じ」について、下記の評価基準に基づき評価した。表2に10名の評価結果を示す。
【0297】
評価基準
◎:お肌がかなり、しつとりとした感じになった
○:お肌がしっとりとした感じになった
△:お肌がわずかに、しっとりとした感じになった
×:お肌の感じについて、特に変化を感じなかった
【0298】
[表2]
パネル a b c d e f g h i j
配合例A ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ◎
配合例B ○ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ◎
配合例C ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○
配合例D ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ◎ ◎
配合例E ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○
配合例F ○ ○ △ ◎ × ○ ○ ○ × ×
配合例G × ◎ × △ ○ △ ○ × △ ○
配合例H ○ × ○ ○ × △ × ○ × ◎
配合例I ◎ ○ ○ × ○ × ○ × △ ○
配合例J △ ○ △ ○ △ × ○ ○ ○ ○
配合例K × × △ × × × × × × ×
【0299】
上記において、いずれの配合例を飲用した群においても、痛み、痒み等の皮膚刺激感やアレルギー反応等の症状を訴えたパネラーはいなかった。























【特許請求の範囲】
【請求項1】
キュウリ液汁および、ニンジンエキス、モモ葉エキス、カミツレ花エキス、ブナの芽エキスのいずれか1種または複数種を含有せしめたことを特徴とする、肌荒れ防止作用を有する組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物を含有したことを特徴とする、肌荒れ防止作用を有する化粧料。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物を含有したことを特徴とする、肌荒れ防止作用を有する飲料。










































【公開番号】特開2006−219431(P2006−219431A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−35049(P2005−35049)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(304033502)
【Fターム(参考)】