説明

肝臓X受容体モジュレーターと組み合わせた抽出物、化合物および特に体重管理におけるそれらの使用

本発明は、ヒトまたは動物における体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理における活性成分としての、マツブサ属(Schisandra)、シキミ属(Illicium)、サネカズラ属(Kadsura)、ステガノタエニア属(Steganotaenia)およびモクレン属(Magnolia)から成る群から選択される属由来の植物または植物の一部分由来の抽出物および/または1種以上の天然化合物の、単独またはサプリメントとしての使用を含む、使用、または方法(特に処置を必要とする動物、特にヒトに関する)の各々に、および/またはヒトまたは動物における体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理のための医薬製剤または栄養補助食品の製造における該抽出物および/または天然化合物または混合物の使用に関する。上記抽出物および/または化合物は、さらに対象における1個以上の有害な代謝パラメータの低下にも使用できる。本発明はまた肥満の処置におけるまたはその処置用製剤の製造における該抽出物および/または化合物の使用ならびにそれらの製造にも関する。体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理に有用な、該抽出物および/または天然化合物を含む医薬製剤または栄養補助食品にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の要約
本発明は、ヒトまたは動物における体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理における活性成分としての、マツブサ属(Schisandra)、シキミ属(Illicium)、サネカズラ属(Kadsura)、ステガノタエニア属(Steganotaenia)およびモクレン属(Magnolia)から成る群から選択される属由来の植物または植物の一部分由来の抽出物および/または1種以上の天然化合物の、単独またはサプリメントとしての使用を含む、使用、または方法(特に処置を必要とする動物、特にヒトに関する)の各々に、および/またはヒトまたは動物における体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理のための医薬製剤または栄養補助食品(neutraceutical)の製造における該抽出物および/または天然化合物または混合物の使用に関する。上記抽出物および/または化合物は、さらに炎症に対して使用できる。本発明はまた肥満の処置におけるまたはその処置用製剤の製造における該抽出物および/または化合物の使用ならびにそれらの製造にも関する。体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理に有用な、該抽出物および/または天然化合物を含む医薬製剤または栄養補助食品にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
体重管理はヒトでの懸念事項である。より重要なことに、体脂肪の過剰な蓄積(すなわち肥満(=脂肪症)、特に腹部領域および内臓周囲に脂肪過剰))は危険な可能性があり、II型糖尿病、高血圧、心臓疾患、アテローム性動脈硬化症(前記の障害の2個以上が存在するとき、その状態をしばしば“メタボリック症候群”と呼ぶ)、高脂血症、冠動脈心疾患、卒中、乳および結腸癌、睡眠時無呼吸、胆嚢疾患、胃食道逆流疾患、脂肪肝、痛風または血栓塞栓症のような健康問題と関連している。肥満は心血管疾患発症の主要因の一つである。副作用として、肥満者のコレステロール濃度、血圧、血糖および尿酸は、通常標準体重のヒトより高い。過体重者の冠動脈心疾患罹病率も同様に高い。40−50歳のヒトで、体重が0.5kg増えると死亡率は約1%上がり、体重が標準の25%を超えると死亡率は74%上がる。米国における肥満の罹患率は、世紀が変わってから2倍以上増え(全集団)、6〜11歳の学童については最近30年間で3倍以上増えている。この問題は欧州でもますます疾患要因になってきている。ドイツにおいて、特に多くの人々が最近体重超過に苦しんでおり、既に若者、小児および青年の25%において、肥満および関連障害に罹患していることが分かっている。さらに、体重超過は多くの西洋の人々にとって魅力的ではないと考えられている。
【0003】
肥満の決定因子は社会的因子、心理学的因子、遺伝学的因子、発生的因子および低下した身体活動を含む。総合的体重減少プログラムの要素のいくつかは、医学的評価、行動および食事改変、栄養教育、精神および認知改革、身体活動増加、および長期追跡を含む。
【0004】
消費者による体重維持または体重減少における興味の増加を見ることができる。これは、この目的に有用な製品への要求に至る。好ましいのは毎日の食事の一部として好都合に消費できる食品、例えば食事と置き換えられる製品、例えば食事と置き換えられるスティック状食品および飲料のような食品である。これらは、1日1回または2回の食事と置き換える1回限りの製品として使用するために設計されている。
【0005】
問題は、このような製品を消費したとき満腹感が得られず、消費後比較的短時間で空腹感を感じるか、または消費直後ですら満腹感がない。
【0006】
纏めると、ヒトのような対象における体重減少および/または体脂肪の減少を促進するための安全で有効な組成物の必要性は存在し続けている。本発明により解決すべき課題は、それ故に、肥満の処置に有用な組成物または化合物を発見することである。
【0007】
植物化学は、この問題を解決できるかどうかを調査すべき化合物および組成物の大きなプールを提供する。
【0008】
朝鮮五味子(Schisandra chinensis)のような植物は、Wu Wei Ziとして漢方薬(TCM)で知られている。TCMは代替医療の必須要素である。多くのTCMが肝臓薬物代謝酵素およびトランスポーターの発現を変えることが知られている。しかしながら、TCMおよび/またはその構成成分が酵素および/またはトランスポーター発現を制御する分子機構はほとんど未知のままである。
【0009】
薬用植物は地球上のあらゆる場所が起源である。それら、またはそれ由来の化合物または抽出物は、例えば、伝統薬に使用されている。このようにして、シサンドリンBは、ウイルス性および化学物質性肝炎の処置に臨床的に使用される伝統的漢方薬である、朝鮮五味子の果実から単離された肝および心保護的成分である(Chiu PY, et al., Mol. Cell. Biochem. 2004 266(1-2):139-44参照)。五味子(Schisandra chinensis L.)の果実(種子)からの抽出物および純粋な単離物質は、心血管疾患、肝臓疾患の処置用に設計された医薬製剤の成分の一つであり、新生物、糖尿病などの処置におけるサプリメントである(Opletal L et al., Krenkova M, Havlickova P; Phytotherapeutic aspects of diseases of the circulatory system. 8. Chinese magnolia (Schisandra chinensis (Turcz.) Baill.): production of the drugs and their evaluation, therapeutic and dietary preparations. Ceska Slov. Farm. 2001 50(5):219-24参照)。
【0010】
Dictionary of Natural Productsは、151種のジベンゾ[a,c]シクロオクタジエンリグナン化合物を引用している(Dictionary of Natural Products, Version 15:1, Chapman & Hall/CRC 2007参照)。いくつかの生物学的活性、例えば:P−糖タンパク質および多剤耐性関連タンパク質−1の阻害、HIV−1プロテアーゼの阻害、およびNFAT転写に対する阻害活性が挙げられている(Lee IS et al., Planta Med. 2003 69(1):63-4参照)。TCMのマツブサ属を含む植物抽出物のような複雑な混合物は:ラットにおけるプレグナンX受容体活性化およびワーファリン・クリアランスの増加(Mu Y et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2006 316(3):1369-77参照)、サルモネラ(Lee MH et al., Int. J. Food Microbiol. 2006 111(3):270-5)またはヘリコバクター・ピロリ(Li Y et al., J. Ethnopharmacol. 2005 98(3):329-33参照)に対する抗細菌活性、単離ラット胸部大動脈の内皮依存性および非依存性弛緩(Rhyu MR et al., Phytomedicine. 2006 May 14; [Epub ahead of print参照)、ラットにおけるアドリアマイシン誘発心臓毒性に対する保護(You JS et al., Chang Gung Med J. 2006 29(1):63-70参照)、L−グルタメートにより誘発される神経毒の減弱(Kim SR et al., J. Neurosci. Res. 2004 76(3):397-405参照)のような活性を示すことが報告された。
【0011】
さらに、肝臓、肝臓酵素の活性、肝臓保護活性および肝臓の病気と関連する活性:マウス肝臓における抗酸化剤応答の誘発(Chiu PY et al., Mol. Cell. Biochem. 2006 Aug 24; [Epub ahead of print]参照)、Pgp過発現HepG2−DR細胞における多剤耐性(MDR)の転換(Wan CK et al., Biochem. Pharmacol. 2006 72(7):824-37参照)、細胞グルタチオンおよびヒート・ショック・タンパク質産生の亢進ならびにH9c2心筋細胞における酸化剤傷害に対する保護(Chiu PY et al., Mol. Cell. Biochem. 2006 289(1-2):185-91参照)、チトクロームP450 3A4(CYP3A4)が仲介するヒト肝臓ミクロソームエリスロマイシンN−脱メチル化活性に対する阻害(Iwata H et al., Drug Metab. Dispos. 2004 32(12):1351-8)、抗HBsAg(ヒトB型肝炎、表面抗原)および抗HBeAg(ヒトB型肝炎、e抗原)に対する抗肝炎活性(Wu MD et al., Chem. Pharm. Bull. (Tokyo). 2003 51(11):1233-6参照)、およびプロモーターにかかわらずGST−P陽性病巣の数およびサイズの増加の阻害(Miyamoto K et al., Biological & pharmaceutical bulletin, 1995 18(10):1443-5参照)が報告された。
【0012】
CNS神経ペプチドFF(NPFF)は疼痛調節およびオピエート耐容性に役割を有すると考えられる。その2個のG−タンパク質共役受容体、NPFF1およびNPFF2が、同定され、ヒト中枢神経系から単離されている。最近ゴミシンGおよびベンゾイルゴミシンQが強力なNPFF2受容体アゴニストとして同定された。この活性と肥満の相関が示唆されていたが、この意見を確認するデータは示されていなかった(Do EU et al., Peptides. 2006 27(5):997-1004参照)。合成された誘導体は、可能性がある抗肥満剤としての新規治療を開発するために興味深い可能性があると示唆されたのみである。しかしながら、かかる化合物が仮にも中枢神経系におけるNPFF受容体に到達できるかは、それらが血液脳関門を通過できない可能性があるため、明らかではない。加えて、何らかの処置選択肢を支持するインビボアッセイはその刊行物に提供されていない。このようにして、これは天然起源の物質を探す阻害要因を提供するものである。
【0013】
WO2004/082700は、肥満の処置に使用される4種の植物および動物、すなわちハトムギ(Coix lachrymajobi)(イネ科に属する)、ニホングリ(Castanea crenata)(ブナ科に属する)、アカシカ(Cervus elaphus)(シカの角(cornu of deer))、ハス(Nelumbo nucifera)(ハス科に属する)および朝鮮五味子(モクレン科に属する)からの抽出物および他の植物抽出物(ナガイモ(Disocorea batatas)、キキョウ(Platycodon grandiflorum)、ヤブラン(Liriope platyphylla)、マグワ(Morus alba)、ダイコン(Raphanus sativus)、ナシ(Pyrus ussuriensis)、ウメ(Prunus mune)、マダケ(Phyllostachys bambusoides)およびアシタバ(Angelica keiskei))を基本成分として含む組成物を記載している。これら全14種の抽出物のうち、1種の組み合わせのみが実施例で試験され、マウスにおいて6.4〜9.2%体重を減少させることが示された。血中脂質濃度にもよい効果が示された。しかしながら、投与する抽出物の数が多いため、これらのうち1個またはそれ以上を効果を落とさずに除くことが可能であるのか理解することは不可能である。例えば、5種の基本的成分の組合せについてでさえデータが提供されていない。
【0014】
WO2004/096252は、“キノコ粉末、抽出物、またはその誘導体”(ここで、キノコはアガリクス属(Agaricus)、キクラゲ属(Auricularia)、冬虫夏草属(Cordyceps)、カワラタケ属(Coriolus)、マンネンタケ属(Ganoderma)、マイタケ属(Grifola)、ヤマブシタケ属(Hericuim)、マツオウジ属(Lentinus)、ヒラタケ属(Pleurotus)、タマチョレイタケ属(Polyporus)、アナタケ属(Poria)、ホウロクタケ属(Trametes)、シロキクラゲ属(Tremella)およびそれらの組み合わせから成る群から選択できる)を、アンドログラフィス属(Andrographis)、アーティチョーク(artichoke)、ヨモギ属(Artemisia)、アストラガルス(astragalus)、バーベリー(barberry)、ボルド(boldo)、ミシマサイコ属(bupleurum)、タンポポ(dandelion)、ドンクアイ(dong quai)、フォーチ(fo-ti)、ヒトツバタゴ(fringe tree)、力ラクサケマン(fumitory)、ゴツ・コラ(gotu kola)、グッグル(guggul)、クズ(kudzu)、甘草(licorice)、枸杞子(lyceum)、マリアアザミ(milk thistle)、ニーム(neem)、コミカンソウ属(Phyllanthus)、コオウレン属(Picorrhiza)、ウチワサボテン(prickly pear)、ジオウ(rehmannia)、タツナミソウ(skullcap)、マツブサ属、ウコン(tumeric)およびそれらの組み合わせから選択されるような肝臓保護剤と組み合わせて含む組成物を記載する。このようにして、マツブサ属は、多くの肝臓保護剤の中の一つとして記載されているのみであり、抗肥満活性を担うとは記載されておらず、一方キノコは空腹感抑制活性および脂肪燃焼能に基づき選択されたと記載されているのみである(9頁、12〜13行)。このようにして、抗肥満作用はキノコによる。体脂肪に関するデータは実施例において提示されておらず、図4において比較されたマウスは、むしろ、肥満処置の明らかな証拠ではなく成長に対する全般的な負の作用を示すように見える。
【0015】
生体異物オーファン核プレグナンX受容体の活性化および解毒酵素の導入は、ある種のTCMの肝保護作用の分子機構を提供する。朝鮮五味子の抽出物およびその主成分シザンドロールおよびシサンドリンは、レポーター遺伝子アッセイおよび初代肝細胞培養において薬物代謝酵素およびトランスポーターの発現を誘発することが判明している(Mu Y et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 2006 316(3):1369-77参照)。
【0016】
他の先行文献は、マツブサ属またはマツブサ属抽出物を含む組み合わせを提供しているが、しかしながら、マツブサ属自体が抗肥満作用を有し得るとの指摘はない、例えば:
KR2002/000572(WO2003/056929に対応);US2003/0327002(WO2003/030822に対応);US2001/0824916(US2003/0026854に対応);1999/0270820(WO2000/54794に対応);US20070269576;CN1872167;CN1879699;KR0082563;US20060062859;CN20000110534;CN1452896;KR4035894;CN1429490;KR3053417;KR1088728;またはKR201103。
【0017】
KIM et al., Abstract from IFT Annual Meeting, July 15-20, New Orleans, “Whey extracts increase the inhibitory capacity of rose petal and Schisandra chinensis fruit extracts on lipid accumulation and differentiation of 3T3-L1 preadipocytes”, Session 18Eにおいて、該前脂肪細胞の培養においてマツブサ属抽出物は脂質蓄積および脂肪細胞への分化を阻害し得ると述べている。マツブサ属のどのタイプの抽出物がそこで使用されたか明らかではない。マツブサ属果実の完全抽出物は、Canada-China business association; Dr. Duke's Phytochemical and Ethnobotanical Databases, J. Forestry Res. 8(2), 97-98(1997)からのデータシートによると、例えば、揮発油の成分として、アルファ−ピネン、カンフェンおよび種々の他の揮発油または含エーテル油、さらに種々の金属(例えばカルシウム、アルミニウムなど)、シトラル、クエン酸、プロトカテキュ酸(protocatechuic acid)などのような種々の酸、ビタミン類、アミノ酸、アルゴリック酸(argolic acids)、トリテルペン類、ステロイド、糖(不特定)、脂肪、蝋、線維、ジベンゾシクロオクタジエン類以外の、例えばシサンドリン、シサンドロール、ゴミシンなど、ならびに代謝変換産物、例えばジヒドロガレチン酸(dihydroguaretic acid)、プレゴミシンなどを含み得る。
【0018】
このようにして、抽出物は、KIMらの実験でいくぶんかの活性を示し得るが、しかしながら、かかるアッセイの意義は、生理学的インビボ系におけるその予測的価値に限定される可能性がある(Brunette, Adv Dent Res, 13, 1999, 35-37)。かかる実験の意義は、糖が試験化合物混合物に存在する場合に、特に疑問である。加えて、KIMは、実験において下記の重要な情報を報告していない:分化過程の成功における情報および果実抽出物の性質に関する情報。下記に証明される通り、本発明の化合物は肝臓X受容体(LXR)に対し顕著な作用を有する。そのアルファ形態は、肝臓における高レベルでの発現のために肝臓代謝および脂質生合成に、ならびに脂肪細胞の分化の間に重要な役割を有するとして検討されている。LXRβは、基礎的な組織に無作為に発現し、心臓および肺に優勢である(Gene Expression Atlas, Genomics Institute of the Novartis Research Foundation, http://expression.gnf.org)。文献から(Ross et al., Mol. Cell. Biol. 22(16), 5989-5999(2002)、LXRαが、脂肪細胞分化過程の誘導4日後より前には発現されないことが知られている。結果として、KIMにより観察された作用は肝臓X受容体に対する作用により引き起こされ得たものではなない。
【0019】
肝臓X受容体(LXR)は、コレステロール恒常性に重要な役割を有する核ホルモン受容体である。LXRアゴニストはコレステロール流出を増加し、LDL(“悪玉”コレステロール)濃度を低下させ、HDL(“善玉”コレステロール)濃度を上昇させることが期待される(Zelcer N et al., Curr. Opin. Investig. Drugs. 2005 6(9): 934-943, and Geyeregger R et al., Cell. Mol. Life Sci. 2006 63(5): 524-539参照)。既知のLXRアゴニストは、天然源からのライブラリーのスクリーニングにより発見され、動物モデルにおける原理証明が可能であった(Herath KB, et al., J. Nat. Prod. 2005 68:1437-1440 ;Jayasuriya H et al., J. Nat. Prod. 2005 68:1247-1252 ;およびSingh SB et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005 15(11):2824-2828参照)。LXRアゴニストは、特にマクロファージにおいて、免疫および炎症応答を調節(特に阻害)することも示されている(例えばZelcer, N., et al., J. Clin. Invest. 116(3), 607-614(2006)参照)。
【0020】
2種のLXR遺伝子、LXRαおよびLXRβ(各々NR1H3およびNR1H2としても既知)が同定されている。LXRβは遍在性に発現するが、一方LXRα発現は脂肪代謝に重要な役割を有することが知られている組織(肝臓および脂肪細胞)に主に限定される。加えて、ヒト骨格筋細胞では、LXRαよりもLXRβ濃度が高い(Kase et al., Diabetologia 50(1), 2171-2180(2007)。
本明細書中への文献の引用は各文献が関連する先行文献であることを認めることを意味することを意図しない。
【発明の概要】
【0021】
発明の一般的記載
驚くべきことに、マツブサ属(およびシキミ属、サネカズラ属、ステガノタエニア属およびモクレン属)の植物または植物の一部分の抽出物および/または抽出物からの1種以上の化合物が、既に体重管理および/または脂肪減少に、特に肥満の管理に活性を有し、動物における体重管理を可能にし、それ故に肥満の処置、ならびに本明細書に記載する他の状態の処置を可能にすることが本発明により判明した。
【0022】
それ故、かかる抽出物およびその構成成分、特にリグナン類またはそれらの混合物を、単独で、または、好ましくはゴミシンG、ベンゾイルゴミシンQ、ハトムギ、ニホングリ、アカシカ、ハス、ナガイモ、キキョウ、ヤブラン、マグワ、ダイコン、ナシ、ウメ、マダケ、アシタバ、およびキノコ粉末またはキノコ粉末の抽出物もしくは誘導体以外の、より好ましくはまた、天然には得られないゴミシンGの化学的誘導体または合成法によってのみ得られるベンゾイルゴミシン(benzyolgomisin)Qを除く、有用な組み合わせ相手と組み合わせて使用することが可能である。
【0023】
驚くべきことに、朝鮮五味子果実から得られた富化抽出物ならびに抽出物由来の幾つかの精製化合物が、本発明によりLXRに対して活性化作用を発揮することを示すことができ、特にそれらはまたマウスにおいて体重減少促進または体重増加抑制効果も示した。さらに驚くべきことに、これらの富化抽出物は、ゴミシンGまたはベンゾイルゴミシンQを含む必要はなく、これらについてはNPFFに対する(弱いけれども)活性が示されていたが、実施例において示されるとおり、血液脳関門を通過することは期待されず、したがって、それらのNPFFに対する作用は合理的でないように見える。
【0024】
発明の詳細な記載
従って、第一の態様において、本発明は、1種以上の式Iの化合物を含む、1種以上の植物、好ましくはマツブサ属、シキミ属、サネカズラ属、ステガノタエニア属およびモクレン属、特にマツブサ属由来の1種以上の植物またはその一部からの抽出物の使用またはそれらから単離された1種以上の化合物の使用に関し、該化合物は、好ましくは、次の式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体である:
【化1】

〔式中、
R2、R3、R4、R6、R7およびR8は、互いに独立して水素、ヒドロキシ、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコキシ基、3〜10個の炭素原子を有し、所望により1個以上の環ヘテロ原子を含んでよいシクロアルキル基、1個以上の環ヘテロ原子を含み得る6〜18環原子の置換もしくは非置換アリール基、1個以上のヘテロ原子を含み得る置換もしくは非置換C−C18−アリール−C−C12−アルキル基、置換もしくは非置換アリールオキシ基(ここで、アリールは6〜18個の環原子を有し、1個以上の環ヘテロ原子を含み得る)、(−C(O)−R)基、(−C(S)−R)基、(−OC(O)−R)基、(−OC(S)−R)基、(−OC(O)−OR)基、(−(CH)−CR=CR)基、(−O−(CH)−CR=CR)基または(−OC(O)−(CH)−CR=CR)基であり、ここで、nは0または1〜12の整数であり、そして
およびRは、互いに独立して、水素、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、3〜10個の炭素原子を有し、所望により1個以上の環ヘテロ原子を含んでよいシクロアルキル基、および1個以上の環ヘテロ原子を含み得る6〜18環原子の置換もしくは非置換アリール基、および1個以上のヘテロ原子を含み得る置換もしくは非置換C−C18−アリール−C−C12−アルキル基から成るグループAから選択され;ここで、Rはさらに(CH−CH−CR=CR)から選択でき、ここで、Rは上記で定義の通りであり、
【0025】
R1およびR5は、互いに独立して、(CH)基、(CHOR)基、(−C(O)−R)基、(−C(S)−R)基、(−COOR)基または(−C(O)NR)基であり、ここで、Rは上記で定義の通りであり;
またはR3とR4が一体となったときおよび/またはR7とR8が一体となったとき、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NR)、シアンイミノ基(=NCN)またはアルキリデン基(=CR)であり、ここで、RおよびRは、上記で定義の通りであるか、または
R3とR4が一体となったときおよび/またはR7とR8が一体となったとき、各々、シクロオクタジエン環の各スピロ炭素原子と一体となって、5〜8員環状ケタール構造を形成し、これは非置換であるか、グループaから選択される1個以上の置換基で置換されており;
【0026】
またはR1とR2が一体となったときおよび/またはR5とR6が一体となったとき、各々、結合している原子と一体となって次の式
【化2】

から選択される環状ラクトンおよび/またはラクトールおよび/またはオキシラン構造を形成し、ここで、アスタリスクはR1およびR2および/またはR5およびR6と結合する炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
またはR1とR3またはR4が一体となったときおよび/またはR5とR7またはR8が一体となったとき、各々、結合している原子と一体となって次の式
【化3】

から選択される環状ラクトンおよび/またはラクトールおよび/またはオキセタン構造を形成し、ここで、各式の2個のアスタリスクは式IにおいてR1およびR3またはR4および/またはR5およびR7またはR8が結合する式Iにおける炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
【0027】
またはR1とR5が一体となったとき、結合している原子と一体となって、下記式
【化4】

の環状ラクトン、ラクトール、オキソランまたは無水物構造の1個を形成し、ここで、各式の2個のアスタリスクはR1およびR5が結合する式Iにおける炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
または、少なくともR1とR3またはR4が一体となったときおよび/またはR5とR7またはR8が一体となったときの1個は、各々、結合している原子と一体となって、次の式
【化5】

から選択される環状ラクトンおよび/またはラクトールおよび/またはオキセタン構造を形成し、ここで、各式の2個のアスタリスクは、R1およびR3またはR4および/またはR5およびR7またはR8が結合する式Iにおける炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
【0028】
またはR1とR7またはR8が一体となったときおよび/またはR5とR3またはR4が一体となったとき、各々、式Iにおける結合している炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一体となって、次の式
【化6】

から選択される環状ラクトンおよび/またはラクトールおよび/またはオキソラン構造を形成し、ここで、各式のアスタリスクはR1およびR7またはR8および/またはR5およびR3またはR4が結合する式Iにおける炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
またはR1とR6が一体となったときまたはR5とR2が一体となったとき、各々、結合している炭素原子と一体となって、次の式
【化7】

から選択される環状ラクトンおよび/またはラクトールおよび/またはオキセタン構造を形成し、ここで、各式の2個のアスタリスクはR1およびR6またはR5およびR2が結合する式Iにおける炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
【0029】
またはR3またはR4とR7またはR8が一体となったとき、式
【化8】

のオキサを形成し、ここで、2個のアスタリスクはR3またはR4およびR7またはR8が結合する式Iにおける炭素原子を示し、
またはR2とR3またはR4が一体となったときおよび/またはR6とR7またはR8が一体となったとき、各々、結合している炭素原子と一体となって、式
【化9】

の環状オキシラン構造を形成し、ここで、2個のアスタリスクは、R2およびR3またはR4および/またはR6およびR7またはR8が結合する式Iにおける炭素原子を示し;そして
【0030】
R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、互いに独立して、水素、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、3〜10個の炭素原子を有し、所望により1個以上の環ヘテロ原子を含んでよいシクロアルキル基、1個以上の環ヘテロ原子を含み得る6〜18環原子の置換もしくは非置換アリール基、1個以上のヘテロ原子を含み得る置換もしくは非置換C−C18−アリール−C−C12−アルキル基、(−C(O)−R)基、(−C(S)−R)基または(−(CH)−CR=CR)基であり、ここで、nは0または1〜12の整数であり、そしてRおよびRは上記で定義の通りであり、または
少なくともR9とR10が一体となったとき、R10とR11が一体となったとき、R12とR13が一体となったときおよびR13とR14が一体となったときの1個は、各々、ヘテロ原子を含み得る1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキレン基、またはヘテロ原子を含み得る2〜4個の炭素原子および1個または2個の二重結合を有するまたは直鎖または分枝鎖アルケニレン基を形成し、それにより結合それらが結合している炭素原子と一体となって環を形成し;
ここで、上記の1個以上のヘテロ原子が存在するならば、それらは1個以上の炭素原子の代わりに存在し、S、N、NH、O、PおよびSe、好ましくはS、N、NHおよびOから成る群から選択される;ただし、ゴミシンGおよびベンゾイルゴミシンQの名を有する一方または両方の化合物が本発明に従い有用な抽出物または化合物混合物の一部であるならば、ゴミシンGおよびベンゾイルゴミシンQ以外の別の式Iの化合物が少なくとも1個存在し、または好ましくは本抽出物または化合物混合物はゴミシンGおよびベンゾイルゴミシンQを含まない。
【0031】
好ましくは、式Iの化合物は天然化合物であり、すなわち、化学合成工程なしで天然源(特に詳述したもの)から単離または抽出できる化合物(それらを化学合成によっても合成できるかもしれないが)であり、そして化学合成によってしか得られない誘導体ではない。
【0032】
さらに、本式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体は、エナンチオマー形態(これは、特にシクロオクタジエン部分の種々の可能な多かれ少なかれ安定な環構造に関するアトロプ異性体は不斉炭素が存在しなくてさえ存在できる)およびジアステレオマー形態を含む、種々の置換基上の不斉炭素のために存在し得るもののような、全ての立体異性体を含む。本発明のジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体が実質的にないか、または、例えば、ラセミ体として、または全ての他の、1個を超える他のまたは他の選択した立体異性体と混合されていてよい。
【0033】
式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体およその塩が互変異性形態で存在できる限り、全てのかかる互変異性形態は、ここでは本発明の一部であるとみなされる。
【0034】
塩形成基(例えば酸性基、例えばフェノール性OH基、または塩基性基、例えばアミノまたはイミノ基)が存在するならば、式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体は遊離形での塩の形でもよい。ここで用いる用語“塩”は、無機および/または有機酸および塩基と形成される酸性および/または塩基性塩を意味する。加えて式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体が塩基性部分と酸性部分の両方を含むとき、“分子内塩”が形成され得て、ここで使用する用語“塩”に包含される。薬学的に(または栄養補助食品的に)許容される(すなわち、非毒性の、生理学的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も、例えば、製造中に用い得る単離または精製工程において有用である。式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体の塩は、例えば、式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体と一定量、例えば当量の酸または塩基を、塩が沈殿するような媒体かまたは水性媒体注で反応させ、その後凍結乾燥させることにより形成し得る。式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体の塩はまた、式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体とアルキル化剤を、例えば、アミンの4級化により反応させても形成でき、ここで天然化合物が好ましい。また、イオン交換体を式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体の遊離形から塩形を、または塩形から遊離形を形成するのに使用できる。
【0035】
塩基性部分を含む式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体は、種々の有機および無機酸と酸を形成し得る。例示的酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロールリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、例えばトシル酸塩、ウンデカン酸塩などを含む。
【0036】
酸性部分を含む式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体は、種々の有機および無機塩基と塩を形成し得る。例示的塩基性塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウム、およびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩、有機塩基(例えば、有機アミン類)、例えばベンザチン類、ジシクロヘキシルアミン類、N−メチル−D−グルカミン類、N−メチル−D−グルカミド類、t−ブチルアミン類との塩、およびアミノ酸、例えばアルギニン、リシンとの塩などを含む。また、塩を形成する医薬および/または栄養補助食品担体物質との塩も可能であり、本発明に包含される。
【0037】
さらに、式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体は、これらの誘導体の溶媒和物、例えば、水和物の形であり得る。
【0038】
本明細書において、用語“式Iの化合物”を、しばしば“式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体”の代わりに使用する。
【0039】
本明細書内の一般的表現は、好ましくは次の意味を有し、ここで、各態様において、1個を超えるまたは全てのより一般的表現を、互いに独立してより具体的な定義に置き換え、それにより、各々本発明の好ましい態様を形成し得る:
【0040】
“schisandr・・・”または“schizandr・・・”を含む生物および化合物/物質の名前は同じ意味で使用し、これらの表記の全ての形態に包含され得る。
【0041】
“アルキル”として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチルまたはイソペンチルが特に好ましいものであり得る。
【0042】
“置換基”(またこの用語の文法上派生する他の形態(例えば、例えば置換アリールにおけるような“置換”など))は、特にC−C−アルキル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルカノイルオキシ、C−C−アルコキシカルボキシ、C−C−アルカンスルホニルオキシ、フェニル−C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、C−C−アルカノイル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルカンスルホニルおよび/またはフェニル−C−C−アルキル)−アミノ、カルボキシ、C−C−アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−スルファモイルおよびシアノから成る群から選択できる。好ましくは、1個以上の置換基が存在するとき、記載の群から独立して選択された、1個以上、より好ましくは3個まで、例えば1個または2個のかかる置換基が置換部分に存在する。
【0043】
“アリール”は好ましくはフェニルまたはナフチルである。
1個以上、好ましくは1個または2個の“ヘテロ原子”が存在するとき、それらは環状部分(アリール、シクロアルキル)の場合環炭素原子の代わりに、または(非環状部分の場合)鎖炭素原子の代わりに存在する。
【0044】
本明細書において1個の式Iの化合物、式Iの化合物の混合物または1個以上の式Iの化合物が記載されているとき、これは、遊離(富化または(少なくとも実質的に)純粋)形態および/または塩形成基(例えばフェノール性OH基またはアミノまたは塩基性イミノ基)が存在するとき1個以上の(特に薬学的または栄養補助食品的塩(単独で、または一体となって以後薬学的に許容される塩と呼ぶ))、溶媒和物、エステルおよび/または互変異性体(ここで、例えばオキソ/エノール型の互変異性が可能である)、または2個以上のこれらの具体的形態の混合物を含むことを意図する。混合物は、2個以上の式Iの化合物の抽出および/または混合により得られ得る。
【0045】
“得られる”は、生成物(例えば抽出物または化合物)を得ることができ、好ましくはこれを特的方法により得ることを意味する。
成分の比率が%で示されているとき、これは、特記しない限り重量%を意味する。
【0046】
用語“抽出物”は、1個以上、好ましくは2個以上の式Iの化合物を含む、例えば下記の通りに得る、直接抽出物(液体または好ましくは乾燥形態で)、または好ましくはさらに富化された抽出物(例えば抽出後の1種以上のさらなる精製工程、例えば下記の通りの、例えばクロマトグラフィーにより得られる)を意味する。
【0047】
好ましくは、最終抽出物、混合物または化合物(直接またはさらに富化された)において本発明に従い使用する、抽出物中の1個または複数個の式Iの化合物、または式Iの化合物の混合物または精製された式Iの化合物の総重量比は、0,01〜100重量%、より好ましくは0,02〜95重量%、最も好ましくは0,05〜95重量%、0.05〜50重量%または例えば0.1〜90重量%の範囲である。
【0048】
“1個以上の式Iの化合物”または“式Iの化合物の混合物”は、1個のみの化合物(実質的に純粋な形態でまたは直接抽出物またはさらに富化された抽出物として)または2個以上の式Iの化合物の混合物(この混合物が好ましい)が本発明の抽出物または医薬製剤/栄養補助食品中に存在でき、または本発明に従い使用できることを意味する。
【0049】
用語“体重管理および/または脂肪減少”および/または“肥満の管理”(特に体重の減少に至る、すなわち、好ましくは体重/脂肪減少のために使用する)は、特に1個以上の式Iの化合物、または1好ましくは個または好ましくは2個以上の式Iの化合物を含む(特にさらに富化された)抽出物の投与により、例えばかかる投与を受けていないコントロールと比較したとき、同じ規定食でより少ない体重増加、または好ましくは体重減少を観察できることを意味する。より好ましくは、この体重減少は体脂肪減少によるものである。このようにして、最も好ましくは、肥満の処置は、体重増加を避けるために予防的または好ましくは体重を減らすため、特に体脂肪を減らすためを意味する。用語“予防的”は、危険が存在するときの処置に加えて、また、例えば適切な、特に低い、ボディー・マス・インデックス(BMI)の維持の観点で、健康な生物に、例えば高齢者に関して、効果を有する一般的な健康な食品を意味する。
【0050】
試験について、臨床試験(または実施例に記載の通りの動物アッセイ)、例えば、本発明について記載の通り、1個以上の式Iの化合物またはかかる式Iの化合物を含む抽出物のみを用いる以外WO2004/096252またはWO2004/082700(特に動物または特にヒトでの試験の記載に関して、引用により本明細書に包含させる)に記載のものに準じて、ヒト(または他の動物)での臨床試験を行うことが可能である。
【0051】
本発明の抽出物または化合物はそれ自体で、または医薬製剤または栄養補助食品の形で(後者の用語は食品添加物を含む)または機能性食品の形で使用できる。
【0052】
複数の式Iの化合物またはその混合物、特に1個以上の式Iの化合物を含む抽出物は、サプリメントとして使用され、これは、本化合物、抽出物またはそれの1個または複数個を含む医薬製剤もしくは栄養補助食品を、他の栄養物または医薬または栄養補助食品(好ましくは特に知られている混合物を除く)に添加できる。このようにして、それらは、特に健康補助食品(food suppliment)として働き得る。しかしながら、本化合物、抽出物または製剤は、それ自体でも投与してよい。好ましくは、本サプリメントはゴミシンG、ベンゾイルゴミシンQ、ハトムギ、ニホングリ、アカシカ、ハス、ナガイモ、キキョウ、ヤブラン、マグワ、ダイコン、ナシ、ウメ、マダケ、アシタバ、およびキノコ粉末またはキノコ粉末の抽出物または誘導体と、またはより好ましくは合成手段によってしか得られないゴミシンGまたはベンゾイルゴミシンQの天然に存在しない化学誘導体と組み合わせない。
【0053】
肥満に対する活性は、例えば、実施例に記載の通りに、特にそこに記載のマウスまたはラットでの実験の通りに試験できる。
【0054】
本発明に従い使用するための“栄養補助食品”、“機能性食品”、または“機能性食品製品”(“フードシューティカル(Foodsceutical)”、“薬用食品”または“デザイナー・フード”とも呼ばれることがある)は、ヒトが消費するのに適する食品(飲料を含む)として定義される − この表現は、提供された栄養素の基本的栄養学的機能以外に、特に肥満の予防または処置に作用を有する、機能性食品成分から製造されたまたは健康促進添加剤で強化された食品、特に体重減少および/または体重維持、食欲抑制、満腹感の提供または代謝における他の、例えばLXRアゴニズムに基づく、変化または、特に血液脳関門の外で他の調節活性の提供を可能にする、健康促進および/または疾患予防特性を有する全ての生鮮または加工食品を含み、ここで、本発明の抽出物、式Iの化合物または式Iの化合物の混合物は、各々、特に有効な量で、健康に有益な薬剤として、一成分(特に添加剤)として使用される。
【0055】
“含む”または“包含する”または“有する”は、本明細書で使用するとき、このような用語の前に記載された要素に限定されることを意味せず、むしろ、機能的重要性を有するかまたは有しない特に記載されていない2個以上のさらなる要素を包含し、すなわち、列記した工程、要素または選択肢は必ずしも排他的ではない。対照的に、“から成る”は、要素が“から成る”の前に記載されているものに限定されるときに使用する。
【0056】
“約”を使用するかまたは具体的な数値が“約”を特に述べることなく示されているとき、これは、好ましくはある値が、その値から一定の程度まで、例えば、好ましくはその数値の±20%、より好ましくは±10%まで、逸脱し得ることを意味する。
【0057】
機能性食品製品または医薬品は、好ましくは1個以上の式Iの化合物の抽出および機能性食品製品または少なくとも1個の栄養補助食品的または薬学的に許容される担体との混合を含む、任意の適当な方法で製造し得る。
【0058】
好ましくは、本発明に従い使用するための、1個の化合物、より好ましくは化合物混合物を含む機能性食品または医薬製剤または栄養補助食品は
(a) シキミ属、サネカズラ属、ステガノタエニア属、モクレン属および特にマツブサ属、より具体的に朝鮮五味子の1種以上の植物からの1個以上の式Iの化合物の化合物および/または混合物の抽出;および
(b) 機能性食品製品の製剤における活性成分としての得られた1個以上の化合物および/または化合物の混合物とその他の成分との、または医薬製剤または栄養補助食品を得るための、1個以上の担体物質または溶媒、例えば水または水性溶媒との(例えばジュースまたは分散体または溶液を得るための)混合
により得ることができる。
【0059】
乾燥(例えば凍結乾燥、噴霧乾燥および蒸発)、造粒、凝集、濃縮(例えば濃縮を介しておよび/または濃縮剤の助けを借りて形成されるシロップへの)、殺菌、滅菌、凍結、溶解、分散、濾過、遠心、糖剤化などのようなさらなる処理工程をその前におよび/またはその後に行ってよい。
【0060】
本発明の1個以上の化合物および/または化合物混合物を食品または医薬または栄養補助食品に添加したとき、これはまた本発明の機能性食品製品または医薬製剤または栄養補助食品をもたらす。
【0061】
好ましくは、本発明の機能性食品製品は、0,01〜30、例えば0,02〜20、例えば、好ましくは0.05〜5重量%の1個の式Iの化合物または混合物、または(特にさらに富化された)本発明の抽出物を含み、残りは食品および/または栄養補助食品的に許容される担体および/または通常の添加物である。
さらなる添加剤は、例えばビタミン類、例えば無機塩の形でのミネラル類、不飽和脂肪酸またはそれらを含む油または脂質、他の抽出物などを含み得る。
【0062】
本発明の機能性食品製品は任意のタイプの食事でよい。それらは、食品に加えて、適当量の香味剤、芳香剤、糖類、果実、ミネラル類、ビタミン類、安定化剤、濃縮剤、食物繊維、タンパク質、アミノ酸など、またはそれらの2種以上の混合物のような、1種以上の一般的食品成分を、望む食品のタイプに従って含んでよい。好ましくは、それらは、次の成分のいずれか1種以上を含まない:ゴミシンG、ベンゾイルゴミシンQ、ハトムギ、ニホングリ、アカシカ、ハス、ナガイモ、キキョウ、ヤブラン、マグワ、ダイコン、ナシ、ウメ、マダケ、アシタバ、キノコ粉末またはキノコ粉末の抽出物または誘導体、または合成手段によってしか得られないゴミシンGまたはベンゾイルゴミシンQの天然に存在しない化学誘導体。“含まない”は、実施例に記載する試験手段で、その化合物が全く観察されないか、念のために、本発明に従って有用である式Iの化合物の抽出物または混合物のHPLCにおける総ピーク面積の0.8重量%を超えない、より好ましくは0.4%を超えない、さらに好ましくは0.1%を超えない、なお好ましくは0.05重量%を超えない、すなわち、仮に存在していたとしても、薬理学的に活性であるとは期待されない量でのみ見られる。
【0063】
基本的食品および故に本発明の機能性食品製品の例は、果実またはジュース製品、例えばオレンジおよびグレープフルーツ、トロピカルフルーツ、バナナ、リンゴ、モモ、ブラックベリー、クランベリー、プラム、プルーン、アプリコット、サクランボ、ナシ、イチゴ、マリオンベリー、クロフサスグリ、アカフサスグリ、トマト、野菜、例えばニンジン、またはブルーベリージュース、大豆飲料、またはその各々の濃縮物;レモネード;抽出物、例えばコーヒー、紅茶、緑茶;乳製品、例えば牛乳、乳製品のスプレッド、クヴァルク、チーズ、クリームチーズ、カスタード、プリン、ムース、乳性飲料およびヨーグルト;冷凍糖菓製品、例えばアイスクリーム、フローズンヨーグルト、ソルベ、アイスミルク、フローズンカスタード、水氷、グラニタおよび冷凍果実ピューレ;焼いたもの、例えばパン、ケーキ、ビスケット、クッキーまたはクラッカー;スプレッド、例えばマーガリン、バター、ピーナッツバター、ハチミツ;スナック、例えばチョコレートバー、ミューズリーバー;パスタ製品または他のシリアル製品、例えばミューズリー;インスタント食品;冷凍食品;缶詰食品;シロップ;油、例えばサラダ油;ソース、例えばサラダドレッシング、マヨネーズ;フィリング;ディップ;チューインガム;シャーベット;スパイス;食塩;インスタントの粉飲料、例えばインスタントコーヒー、インスタント紅茶またはインスタントココア粉;例えば、プリンまたは他のデザート用のインスタント粉末;肉、魚または魚もしくは肉製品、例えばソーセージ、バーガー、ミートローフ、ミートボール、肉エキス、魚または肉の缶詰、ミートボローバン、肉もしくは魚のスープ、肉または魚の串刺し、フィッシュ・フィンガー;などである。
【0064】
1種以上の通常の添加物、例えば香味剤、芳香剤または他の添加物、例えば安定化剤、例えば濃縮剤;着色剤、例えば可食色素または食品用染料;例えば乾燥形の増量剤、例えば果実パルプ;ポリオール類、例えばキシリトール、マンニトール、マルチトールなど;防腐剤、例えば安息香酸ナトリウムまたは安息香酸カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カルシウムまたは他の食品用防腐剤;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、カロチノイド類、トコフェロール類またはポリフェノール類;モノ−、オリゴ−またはポリサッカライド類、例えばグルコース、フルクトース、スクロース、ソイ−オリゴサッカライド、キシロ−オリゴサッカライド、ガラクト−オリゴサッカライド類;他の人工または天然ノーカロリーまたは低カロリー甘味剤、例えばアスパルテームまたはアセサルフェーム;苦味遮断剤;可食酸の形の酸化剤、例えばクエン酸、酢酸、乳酸、アジピン酸;香味剤、例えば人工または天然(例えば植物香味剤);乳化剤;チオール類、例えばアリルチオール類;希釈剤、例えばマルトデキストロース;湿潤剤、例えばグリセロール;安定化剤;コーティング剤;等張剤;吸収促進または遅延剤;および/またはその他から選択される1個以上が存在し得る。
【0065】
本発明の1個以上の式Iの化合物またはそれらの化合物混合物は、例えば粉末または顆粒の形の飲料、例えば凍結乾燥または噴霧乾燥した、濃縮物、溶液、分散体または他のインスタント形態などを含む、食品に添加すべき糖剤化製剤に含まれも得る。
【0066】
本発明の医薬製剤または栄養補助食品(=組成物)は種々の形態、例えば顆粒剤、錠剤、丸剤、シロップ剤、溶液、分散体、坐薬、カプセル、懸濁液、軟膏、ローションなどに製造できる。経口および局所使用に適する医薬グレードまたは食品グレードの有機または無機担体および/または希釈剤を、治療的活性化合物を含む組成物の製造に使用できる。当分野で既知の希釈剤は水性媒体、植物および動物油および脂肪を含む。安定化剤、湿潤剤および乳化剤、浸透圧調整用塩または適切なpH値を確保するための緩衝剤、および皮膚浸透促進剤を助剤として使用し得る。本組成物はまた次の1種以上を含んでよい:担体タンパク質、例えば血清アルブミン;緩衝剤;増量剤、例えば微晶性セルロース、ラクトース、コーンおよび他のデンプン;結合剤;甘味剤および他の香味または芳香剤;着色剤;およびポリエチレングリコール。これらの添加剤は当分野で周知であり、種々の製剤に使用される。
【0067】
本明細書で“投与”は、式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体または式Iの化合物の混合物、またはそれらの1個以上を含む抽出物の予防的および/または治療的有効量を、動物、特に患者に投与することを意味する。本明細書で“治療的有効量”は、その投与が目的とした効果、特に体重減少、より具体的に体脂肪減少による体重減少を生じる投与量を意味する。
【0068】
動物またはヒト、特に本発明の目的で“患者”または“対象”である動物またはヒトは、特にヒトおよびさらの他の(特に温血)動物を含む。このようにして、式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体または式Iの化合物の混合物、またはそれらの1個以上を含む抽出物は、ヒトおよび動物の両方に適用可能である。好ましい態様において患者はヒトである。患者は、予防または治療目的で処置され、後者は、例えば体重(特に体脂肪)減少後のリバウンドを避けるため(例えばヨーヨー効果を避けるため)、または最初から体重増加(特に体脂肪増加による)を避けるためである。
【0069】
典型的に、前記の治療活性(例えば体重管理、体重減少、体脂肪減少、および/または肝臓X受容体に対するアゴニスト活性)を有する式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体または式Iの化合物の混合物、またはそれらの1個以上を含む抽出物は、ここに記載の通り、少なくとも1個の生理学的に(=薬学的にまたは栄養補助食品的に)許容される担体と共に、患者に投与し得る。製剤中の治療的に活性な式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体または式Iの化合物の混合物またはそれらを含む抽出物の総濃度は、約0.001−100重量%、例えば0,1〜50重量%で変化してよく、残りは担体物質および/または通常の添加物である。
【0070】
式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体または式Iの化合物の混合物またはそれらを含む抽出物は、単独で、または他の処置剤、すなわち、他の抗肥満剤、一般的な食事など組み合わせて投与してよい。
【0071】
組み合わせは、固定された組み合わせだけでなく、また、例えば、前記で除外されたもの以外の他の組み合わせパートナーとの複数パートナーのキットの形で(これはまた本発明の一態様である)、式Iの化合物またはその1個または複数個を含む抽出物を、組み合わせ相手と時間をずらした方法で投与することも意味してよい。好ましくは、時間をずらした投与は、組み合わせパートナーが相互に影響する、特にそれらの治療効果を増強する(例えば相加的または好ましくは相乗作用により)ように行う。
【0072】
組み合わせ得る抗肥満剤の中で、とりわけ、抗脂質異常症剤、例えばアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、抗肥満剤、例えば食欲抑制剤、身体代謝刺激剤、または身体の特異的栄養素を吸収する能力を妨害する薬剤または組成物、例えばシブトラミン、ジエチルプロピオン、フェンジメトラジン、フェンテルミン、フェンフルラミン、シブトラミン、リパーゼ阻害剤、例えばオーリスタット;食欲減退剤、例えばデキセドリン;カンナビノイド受容体アンタゴニスト、例えばリモナバン;アカルボース;などを特記し得る。他の有用な薬剤または活性剤、例えば精神賦活剤、耽溺行動、例えばニコチン耽溺の処置の助けとなる薬剤などを、特に、それらが、本発明が意図する予防または処置の助けとなる限り、投与して良い。
【0073】
体重減少食、例えばフード・コンバイニング(food combining)、ヘイ・ダイエット(Hay diet)、アトキンス・ダイエット(Atkins diet)(低炭水化物食)、キャベツ・スープ食、糖尿病食、脂肪抵抗食、スリミング・ワールド・ダイエット(slimming world diet)、低脂肪食、プリトキン・ダイエット(Pritkin diet)、低炭水化物食、低タンパク質食、マイナスカロリー・ダイエット、ローフード・ダイエット、ウエイト・ワッチャーズ・ダイエット(weight watchers diet)が適当な食事の可能な例である。
【0074】
本発明の式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体または式Iの化合物の混合物またはそれらを含む抽出物、それ自体またはある複雑な混合物、例えば上記植物の抽出物または調製物、例えばジュースなどは、体重管理、好ましくは肥満、脂肪過多症、および/またはさらに免疫性または炎症性障害の処置に特に有用である。
【0075】
本発明に従い使用する、天然の式Iの化合物、またはそれらの1個以上を含む抽出物は、マツブサ属、シキミ属、サネカズラ属、ステガノタエニア属およびモクレン属の1種以上の植物、好ましくはSchisandra bicolor、Schisandra bicolor var. tuberculata、Schisandra chinensis、Schisandra glabra、Schisandra glaucescens、Schisandra grandiflora、Schisandra henryi、Schisandra lancifolia、Schisandra nigra、Schisandra plena、Schisandra propinqua、Schisandra propinqua var. sinensis、Schisandra pubescens、Schisandra rubriflora、Schisandra sphenanthera、Schisandra viridis、Illicium angustisepalum、Illicium anisatum、Illicium arborescens、Illicium difengpium、Illicium dunnianum、Illicium fargesii、Illicium floridanum、Illicium henryi、Illicium lanceolatum、Illicium majus、Illicium micranthum、Illicium oligandrum、Illicium parviflorum、Illicium parvifolium、Illicium spathulatum、Illicium verum、Kadsura ananosma、Kadsura angustifolia、Kadsura coccinea、Kadsura heteroclite、Kadsura induta、Kadsura japonica、Kadsura longipedunculata、Kadsura oblongifolia、Kadsura polysperma、Kadsura scandens、Steganotaenia araliacea、Magnolia acuminate、Magnolia acuminata var. acuminate、Magnolia acuminata var. subcordata、Magnolia albosericea、Magnolia amoena、Magnolia ashei、Magnolia biondii、Magnolia campbellii、Magnolia caricifragrans、Magnolia carsonii、Magnolia cathcartii、Magnolia championii、Magnolia coco、Magnolia cylindrical、Magnolia dawsoniana、Magnolia dealbata、Magnolia delavayi、Magnolia denudate、Magnolia dodecapetala、Magnolia elegans、Magnolia fraseri、Magnolia fraseri var. fraseri、Magnolia gigantifolia、Magnolia glabra、Magnolia globosa、Magnolia grandiflora、Magnolia griffithii、Magnolia guangnanensis、Magnolia guatemalensis、Magnolia gustavii、Magnolia henryi、Magnolia hypoleuca、Magnolia iltisiana、Magnolia kachirachirai、Magnolia kobus、Magnolia latahensis、Magnolia lenticellatum、Magnolia liliifera、Magnolia liliifera var. obovata、Magnolia macrophylla、Magnolia macrophylla subsp. macrophylla、Magnolia mahechae、Magnolia menglunensis、Magnolia mexicana、Magnolia minor、Magnolia nitida、Magnolia nitida var. lotungensis、Magnolia nitida var. nitida、Magnolia obovata、Magnolia odoratissima、Magnolia officinalis、Magnolia officinalis var. biloba、Magnolia ovata、Magnolia pacifica、Magnolia pacifica subsp. tarahumara、Magnolia paenetalauma、Magnolia panamensis、Magnolia pealiana、Magnolia phanerophlebia、Magnolia pilocarpa、Magnolia poasana、Magnolia portoricensis、Magnolia praecocissima、Magnolia pseudokobus、Magnolia pterocarpa、Magnolia pyramidata、Magnolia quinquepeta、Magnolia rostrata、Magnolia salicifolia、Magnolia sargentiana、Magnolia schiedeana、Magnolia shangsiensis、Magnolia sharpie、Magnolia sieboldii、Magnolia sieboldii subsp. japonica、Magnolia sieboldii subsp. sieboldii、Magnolia sieboldii subsp. sinensis、Magnolia sinica、Magnolia splendens、Magnolia sprengeri、Magnolia stellata、Magnolia tamaulipana、Magnolia tripetala、Magnolia virginiana、Magnolia wilsonii、Magnolia x soulangeana、Magnolia yoroconteおよび/またはMagnolia zenii、およびまたはその一部から単離する。
【0076】
好ましい抽出物は、異名:Maximowicza chinensis、Sphaerostema japonica、Kadsura chinensisまたは民族植物学的名、例えばWu Wei Zi、朝鮮五味子、five-flavor-fruit, magnolia-vineまたは単にSchisandraである同一植物を含み、Schisandra chinensis fam. Schisandraceae(Schizandraとも書く)から得られる。
【0077】
植物の一部は、例えば、葉、樹皮、花、芽、果実、幹、苗条、根、塊茎または他の植物の一部分であり、それらまたは植物は完全な、ほぐされた、粉砕された、刻まれた、破壊された、均一化された、乾燥された、醗酵されたまたは他に処理されたものであってよい。
【0078】
本発明の式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体または式Iの化合物の混合物、またはそれらの1個以上を含む抽出物は、植物または植物の一部分からの抽出および好ましくはそれらを最高で単離するまで富化することにより製造できる。(特に超)音波処理、加熱(例えば室温乃至50℃までの温度)、撹拌、再抽出、蒸発などのような補助的手段を、適当な抽出を可能にするために使用してよい。
【0079】
抽出は、好ましくは非極性またはより好ましくは極性溶媒または溶媒混合物、例えば水および/またはアルコール、例えばエタノール、および/または液体または超流動体ガス、特に超流動体COで行う。
【0080】
好ましくは、本抽出物は、続いて、1種以上のさらなる精製工程、例えば分配、沈殿(例えば結晶化)または特にクロマトグラフィーによりさらに富化することができ、それにより、さらに富化された抽出物または単離された式Iの化合物を得ることが可能である。
【0081】
式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体は、例えば、単離されていても、添付の実施例に記載の通りに製造した抽出物であってもよい。検出方法は、逆相シリカゲル(C18)上で、溶出溶媒として水/アセトニトリル勾配を用い、生成物分析および生成物最適化のために使用されるUVならびにMS検出を伴う、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含み得る。式Iのジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン誘導体は、それ自体天然産物であるが、別方として天然化合物と同一の化合物をもたらす標準方法に従い合成でき、ここで、適当な方法は例えば、次の刊行物から推測できることは、当業者には明らかである:March's Advanced Organic Chemistry: Reaction, Mechanisms and Structure, 5th ed. by Michael B. Smith, Jerry March, Wiley-Interscience; 2001; Classics in Total Synthesis: Targets, Strategies, Methods by K. C. Nicolaou, E. J. Sorensen John Wiley & Son Ltd, 1996およびThe Art and Science of Total Synthesis at the Dawn of the Twenty-First Century. Nicolaou KC et al., Angew Chem Int Ed Engl 2000, 39 (1): 44 -122。
【0082】
“使用”が記載されているとき、特に本発明の次の態様の1個以上を意味し、これは、“使用”が記載されているときはいつでも挿入できる:
(1) 動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトの治療的(予防的を含む)処置に、体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理に、特に体重減少に、より具体的に体脂肪の減少に;または単に健康体、例えば低BMIの維持に使用するための、式Iの化合物、または式Iの化合物の混合物、または特に1個以上の式Iの化合物を含む(好ましくはさらに富化された)抽出物。
【0083】
(2) 特に(1)の下に記載の治療的および/または予防的処置に使用するための、活性成分として式Iの化合物、または式Iの化合物の混合物、または特に1個以上の式Iの化合物を含む(好ましくはさらに富化された)抽出物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、医薬または栄養補助食品組成物。
【0084】
(2') 食品への活性成分サプリメントとしての、式Iの化合物、または式Iの化合物の混合物、または特に1個以上の式Iの化合物を含む(好ましくはさらに富化された)抽出物、および薬学的に許容される希釈剤または担体を含む、(1)の下に記載の処置のための医薬または栄養補助食品組成物。
【0085】
(3) (1)の下に記載の処置のための、活性成分として式Iの化合物、または式Iの化合物の混合物、または特に(好ましくはさらに富化された)抽出物を含む、機能性食品。
【0086】
(4) 薬学的にまたは栄養補助食品的に有効量の式Iの化合物、式Iの化合物の混合物、または1個以上の式Iの化合物を含む(好ましくはさらに富化された)抽出物を、活性成分として、特に処置を必要とする個体に投与することを含む、処置を必要とする対象における(1)の下に記載の、特に肥満、および/または過剰な体脂肪のいずれか一つ以上の処置方法。
【0087】
(5) (1)の下に記載の処置のための医薬または栄養補助食品または健康補助食品の製造のための、活性成分としての式Iの化合物、または式Iの化合物の混合物、または1個以上の式Iの化合物を含む(好ましくはさらに富化された)抽出物の使用。
【0088】
(6) 活性成分としての治療的有効量の式Iの化合物、または式Iの化合物の混合物、または1個以上の式Iの化合物を含む(好ましくはさらに富化された)抽出物および異なる薬学的活性化合物および/または薬学的に許容されるその塩を、例えば、一緒にまたは連続的に、共投与することを含む、(4)の下に定義の方法または使用であって、該異なる薬学的活性化合物および/またはその塩は、特に(1)の下に記載の処置に使用するためである。
【0089】
(7) 活性成分として治療的有効量の式Iの化合物、または式Iの化合物の混合物、または1個以上の式Iの化合物を含む(好ましくはさらに富化された)抽出物、および異なる薬学的活性化合物および/または薬学的に許容されるその塩を含む組み合わせ製品であって、該第二の薬学的活性化合物は、特に(1)の下に記載の処置に使用するためであるか、それに有用である。
【0090】
“使用”のいずれにおいても、“使用”は、式Iの化合物またはかかる式Iの化合物を含む抽出物が活性成分であるものである、すなわち、それらは、単独で、既に意図する作用(体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理、特に体重の減少、より具体的に体脂肪の減少、および/または免疫性または炎症性障害の処置)を有し、それ故、それ自体で記載の処置のための重要な活性成分である。本明細書を通して、予防的予防および/または治療的処置または体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理、特に体重の減少、より具体的に体脂肪の減少は、特に好ましい本発明に従う態様である。
【0091】
記載の全ての態様において、(少なくとも付加的)ゴミシンG、ベンゾイルゴミシンQ、またはハトムギ、ニホングリ、アカシカ、ハス、ナガイモ、キキョウ、ヤブラン、マグワ、ダイコン、ナシ、ウメ、マダケ、アシタバ、およびキノコ粉末またはキノコ粉末の抽出物または誘導体との組み合わせは、好ましくは本発明の範囲から除外され、より好ましくはまた、天然には存在しないゴミシンGの化学的誘導体または合成法でのみ得られるベンゾイルゴミシンQも除くが、先行文献は、これらの成分の中で、マツブサ属抽出物または成分が実際にそれ自体本発明の処置効果(特に本発明に従う使用)の達成において活性であることは記載していない。
【0092】
これに加えてまたは別に、次の組み合わせおよびそれらの1個以上の使用は、好ましくは本発明が除外するが、先行文献は、マツブサ属において本発明に従う使用において本質的活性が存在することを明確に記載していない:朝鮮五味子植物その植物の一部(例えば果実)または抽出物と
(i) ジュズダマ(Coix lacrymajobi)、ニホングリ、アカシカおよびハスの医薬抽出物との組み合わせ;
(ii) 少なくとも1個のキノコ粉末または抽出物との組み合わせ;
(iii) アストラガルス根、ツルニンジン(pilose asiabell)根および白朮インゲン豆(white atractylodes kidney bean)(特に小児肥満の処置のため)との組み合わせ;
(iv) フジマメ(hyacinth bean)、アストラガルス根、ツルニンジン根、白朮(white atractylodes rhizome)、サンシチニンジン(notoginseng)およびイカリソウ属(epimedium)との組み合わせ;
(v) ニホングリ、鹿角(Cervi Cornu)抽出物、蓮肉(Nelumbinis Semen)および、山薬(Dioscoreae Rhizoma)、桔梗(Platycodi Radix)、桑枝(Ramulus Mori)抽出物、ハツカダイコン(radish)、西洋ナシ(pear)、ウメ実(Mume Fructus)抽出物、タケノコ(bamboo sprout) およびアシタバ(Angelica keiskei (Miq.) Koidz.)からなる群から選択される1種以上の生薬物質との組み合わせ;
(vi) 白糖、クエン酸およびソルビン酸との組み合わせ;
(vii) ハトムギ(Coicis Semen)、山薬、麦門冬(Liriopis Tuber)、地骨皮(Lycii Cortex Radicis)、ジュウヤク(Herba houttuyniae)および黄精(Polygonati Rhizoma)抽出物と組み合わせたコメ抽出物との組み合わせ;
(viii) 青色バシクルモン(bluish dogbane)、セイヨウサンザシ(haw)、マツブサ属実、糖、ソーダ、および可食クエン酸との組み合わせ;
(ix) ハンゲショウ(Saururus chinensis baill.)、黒大豆(Rhynchosia nolubilis)、ナツメ(jujube)、松葉(pine needles)、甘草根(licorice root)、レイシ(Ganoderma lucidum)、コウコ(Letimula edodes Pegler)、玄米(unpolished rice)、セサミ・シード(sesame seeds)、オオバナオケラ(Atractylodes macrocephala koidz)、クコ(Lycium chinense Mill.)、麦芽(malt)、鶏内金(Galli stomachichum corium)、ショウガ(ginger)、コンブ(sea tangle)、ラクトースおよびデンプンとの組み合わせ;
(x) ハトムギCoicis Semen)、来服子(Raphani Semen)、タイツリオウギ(Astragalus membranaceus)、白朮(Atractylodis Rhizoma)、モウコタンポポ(Mongolian dandelion)、桔梗(Platycodi Radix)、ヤブラン(Liriope platyphylla)、セキショウ(Acorus gramineus Soland)、および乾燥クリから選択される生薬との組み合わせ;および
(xi) アカマツ炭粉(Pinus densiflora charcoal powder)、松葉抽出物粉、オオバコ(Plantago asiatica L.)粉およびレイシ(Ganoderma lucidum (Fr.) Karst.)抽出物粉との混合物、およびより好ましくはまた次のものとの組み合わせ
(xii) 茅根(Imperatae rhizoma)抽出物、
(xiii) ヤクヨウニンジン(Ginseng)との組み合わせ、または
(xiv) ラミブジンおよび(好ましくは)加えて白花蛇舌草(Herba Hedyotis diffusae)の全植物、挙参(Rhizoma Bistortae)の根茎および虎掌草(Rhizoma Polygoni Cuspidati)の根茎からの水性抽出物およびさらにより好ましくは加えて北豆根(Rhizoma Menispermi)の根茎、黄今(Radix Scutellariae)の根、ウシ胆嚢粉、郁金(Radix Curcumae)の塊茎、山査子(Fructus Crataegi)の熟した実、三七(Radix Notoginseng)の根、枸杞子(Fructus Lycii)の実、紅参(Radix Ginseng Rubra)の根、玄参(Radix Scorphulariae)の根、当帰(Radix Angelicae sinensis)の根、および黄著(Radix Astragali)の根との組み合わせ;
(xv) 特にウェハー製剤のアストラガルス根、ミズキ属(Cornus)果実、沢瀉(alisma rhizome)、ゴボウ(burdock)の実、テイレキシ(lepidium seed)、蓮葉(lotus leaf)およびショクヨウダイオウ(rhaponticum)根(=“ハーバル・スリム(Herbal Slim)”)との組み合わせ;
(xvi) 飲料中の銀との組み合わせ;およびさらにより好ましくはまたマツブサ属を含む酢。
【0093】
最も好ましくは、直前の2段落に記載した全ての成分は、本発明の態様から除外する。
【0094】
本明細書で“投与する”は、特に治療的有効量の式Iの化合物、または式Iの化合物の混合物を、細胞培養におけるまたは特に動物、特にヒト患者の細胞に投与することを意味する。本明細書で“治療的有効量”は、好ましくはその投与が目的としている効果が生じる投与量を意味する。
【0095】
医薬製剤または栄養補助食品は滅菌してよくおよび/または担体物質またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、皮膚または粘膜浸透促進剤、乳化剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤、または当分野で既知の他の成分、賦形剤または担体物質を含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】実施例2に記載の通りに得て、そこに記載の通りに分析した朝鮮五味子からの富化抽出物のHPLC分析の結果を示す。上部(ESI+Chrom. (TIC))は、選択または優先(preferation)なしで、検出可能イオンの割り当てた範囲内での、総イオン数としてのエレクトロスプレーオン化質量分析検出で得たピークを示す。真中(UV/Vis Chrom(TIC))は、割り当てた波長範囲内での全シグナルの要約としての、UVダイオードアレイ検出器で得たピークを示す。下部(ELSD)は、蒸発光散乱検出で得たピークを示す。
【図2】は、表6に数値も示した体重測定の結果を示す(実施例2参照)。全例で、実施例2の抽出物で体重減少が観察できたが、抽出物投与なしのコントロールは本質的に一定の体重を示した(一般に処置マウスより重い体重)。
【図3】バランスの取れた(LF)または高脂肪(HF)食のラットで見られた体重減少をグラフにより証明する。コントロール群の値(マツブサ属抽出物添加無し)を100%と設定する。
【図4】実施例6に記載の給餌試験の結果を示す。8週間後のラットにおける体重および体脂肪に対する抽出物IMD-XT0003(実施例2参照)の影響を、グラフで示す。8週間の観察期間の最後に、特に高脂肪条件下で、両処置群で体重減少が見られ(a)、そして体脂肪量の著しい減少が見られ((b)、(c))。EGCG=0.1%(EGCG=エピガロカテキン−3−ガレート)添加高脂肪食。
【表1】

【発明を実施するための形態】
【0097】
好ましい本発明の態様
本発明は、好ましくは式Iの化合物、式Iの化合物の混合物または好ましくは1個または(好ましくは)2個以上の式Iの化合物を含む(特にさらに富化された)抽出物の使用に関し、ここで、式Iの化合物は
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8が、互いに独立して、水素、1〜5個の炭素原子の直鎖または分枝鎖アルキル、ヒドロキシまたは(−OC(O)−(CH)−CR=CR)から選択され、ここで、RおよびRは、互いに独立して、1〜5個の炭素原子のアルキルであり、そして
R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、互いに独立して、水素、1〜5個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、1個以上のヘテロ原子を含み得る5〜10個の環原子を有するシクロアルキル基、1個以上のヘテロ原子を含み得る6〜10個の環原子の置換もしくは非置換アリール基、1個以上のヘテロ原子を含み得る置換もしくは非置換アラルキル基、(−C(O)−R)基、(−C(S)−R)基または(−(CH)−CR=CR)基であり、ここで、nは0または1〜12の整数であり、そしてRおよびRは上記で定義の通りであり、または
少なくともR9とR10が一体となったときおよびR13とR14が一体となったときの1個は、各々、ヘテロ原子を含み得る1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキレン基または2〜4個の炭素原子および1個または2個の二重結合を有する直鎖または分枝鎖アルケニレン基を含む環を形成し、
ここで、ヘテロ原子は、存在するならば、O、S、NおよびNHから独立して選択され;そして“置換”はC−C−アルキル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルカノイルオキシ、C−C−アルコキシカルボキシ、C−C−アルカンスルホニルオキシ、フェニル−C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、C−C−アルカノイル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルカンスルホニルおよび/またはフェニル−C−C−アルキル)−アミノ、カルボキシ、C−C−アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−スルファモイルおよびシアノから成る群から独立して選択される、1個以上、特に3個までの置換基が存在することを意味する。
【0098】
より好ましくは本発明は、1個以上の式Iの化合物、式Iの化合物の混合物または好ましくは1個または(好ましくは)2個以上の式Iの化合物を含む(特にさらに富化された)抽出物に関し、ここで、式Iの化合は、次の名前のものから成る群から選択される:
【表2】

【0099】
表中の太字でシルした名前は、以下の文章で化合物シザンドロールA、ゴミシンB、ゴミシンC、シサンドリンC、デオキシシザンドロールA、ゴミシンN、ゴミシンA、7−チグリオイル−ゴミシンPおよびアンゲロイルゴミシンHを定義するものとして使用する。
【0100】
さらに好ましくは、抽出物、化合物または化合物混合物において、本発明に従う使用における、不純物または抽出物の場合他の抽出物成分に対する1個以上の式Iの化合物の重量パーセントでの全量(純度)は、5〜100%、より好ましくは10〜99.5%の間である。
【0101】
非常に好ましくは、本発明は、好ましくは、図1に示すHPLCパターンと、1本、好ましくは2本、より好ましくは全3本の線/そこに示す分析方法に従って、本質的に類似(すなわち±25%、より好ましくは±15%のピーク高偏差)のパターンを示す、実施例1に従い得られた抽出物(“粗抽出物”)またはより好ましくは実施例2に従う富化により得られた抽出物(“さらに富化された抽出物”)、より具体的にシザンドロールAおよび/または特にシザンドロールA、ゴミシンB、ゴミシンC、シサンドリンC、デオキシシザンドロールA、ゴミシンN、ゴミシンA、7−チグリオイル−ゴミシンPおよびアンゲロイルゴミシンHから選択される任意の1個以上の化合物を含む抽出物(またはさらに式Iの化合物または好ましくは式Iの化合物の混合物)の使用に関する。
【0102】
本発明はまた、実施例に記載の式Iの化合物の任意の1個の、単独で、またはここに記載の1個以上の他の式Iの化合物と組み合わせた使用に関する。
最後に、本発明はまた、ここに引用により包含させる特許請求の範囲の態様に関する。
【実施例】
【0103】
本発明を、次の実施例によりさらに説明する。下記の具体的実施例は、本発明の組成物を製造し得る方法、その成分およびその使用、ならびに他の本発明の態様を説明するが、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【0104】
一般的実験法:
特記しない限り、化学物質はMerck(Darmstadt, Germany)またはSigma-Aldrich(Deisenhofen, Germany)から分析グレードで得る。LC−MS分を、先に記載の方法のわずかな改変に基づく、陽および陰エレクトロスプレーオン化(ESI)モードのLCT質量分光計(Micromass, Manchester, UK)と組み合わせたAgilent HP1100(Agilent, Waldbronn, Germany)液体クロマトグラフ共役を使用して行う[9]。Waters symmetryカラムを固定相として使用する。移動相A:水中0.1%ギ酸、移動相B:アセトニトリル中0.1%ギ酸;勾配:0−1分100%A、1〜6分90%Bまで、6〜8分100%Bまで、8〜10分100%B。LC−MSスペクトルを、150〜1.600Uの分子量の範囲で記録する。HPLC−UV/Vis分析を、G 1312Aバイナリーポンプシステム、G 1315Aダイオードアレイ検出器、G 1316Aカラムコンパートメント、G 1322AデガッサーおよびG 1313Aオートインジェクターを含むHP 1100 Series分析HPLCシステム(Agilent, Waldbronn, Germany)で行う。移動相:A=水中0.1%トリフルオロ酢酸、B=アセトニトリル中0.1%トリフルオロ酢酸。Macherey & Nagel(Dueren, Germany)Nucleodur RP 18カラム(125×4mm、粒子径5μm)が固定相として作用する。一定量のサンプル(主代謝物の濃度に従い、2−10μgのメタノール可溶性物質を示す)を、40℃で、次の勾配の1ml/分の流れで分析する:20分間で0%Bから100%Bへの直線、その後、100%アセトニトリルで5分間アイソクラティック条件;続いて、5分間のカラムの再生。HPLC−UVクロマトグラムを210nmおよび254nmで記録する。ダイオードアレイ検出(DAD)を使用して、190−600nm範囲のHPLC−UV/Visスペクトルを記録する。HP ChemStationソフトウェアが、粗抽出物中の較正標準化合物の自動化された検出を可能にする。分取HPLCを、室温で、Gilson Unipointソフトウェア、306バイナリーポンプシステム、204フラクションコレクター、155 UV−Visディテクター、806検圧モジュール、および811Cダイナミックミキサーを含む分取HPLCシステム(Gilson Abimed, Ratingen, Germany)で、下記の通り種々の勾配および固定相を使用して行う。NMRスペクトルを、500.13MHzプロトン周波数で操作するBruker DMX500で記録する。全スペクトルをDMSO−d溶液で302Kで記録する。溶媒ピークをプロトンおよび炭素両方の化学シフト(δ:2.50、δ:39.5)の内部参照として使用する。
【0105】
実施例1:シザンドロールA(1)、ゴミシンN(2)およびシサンドリンC(3)の精製:
1kgの乾燥朝鮮五味子果実(Galke, Gittelde/Harz, Germany)を、30分間、1800ml 95%エタノールで、室温での超音波処理により抽出し、最後にultra-turrax(Janke & Kunkel, Staufen, Germany)で10分間ほぐす。真空濾過後、残った果実物質を、700ml 95%エタノールで30分間2回目の抽出をする。合わせた抽出物の溶媒を減圧下蒸発させる。残った水相(約250ml)の再抽出を250ml 酢酸エチルで3回行う。プールした酢酸エチル抽出物を減圧下で蒸発乾固して、ここで粗抽出物と呼ぶ抽出物を得る。
【0106】
純粋化合物のさらなる富化のために、粗抽出物の最初の精製工程を、直線状水(溶媒A)/アセトニトリル(溶媒B)勾配(両方の溶媒とも0,1%トリフルオロ酢酸を含む)を使用して、20%アセトニトリルで開始し、50分間で100%アセトニトリルまで上げ、その後30分間アイソクラティック相を続ける、Nucleodur 100-5 C18ecカラム(Macherey & Nagel, Dueren, Germany)(250×20mm)で行う。20ml/分の流速で、フラクションを毎分集める。UV/VIS−155ディテクター(Gilson, Langenfeld, Germany)を使用して、シグナルを210nmおよび254nmで検出する。粗シザンドロールA(保持時間28−33分)、ゴミシンN(保持時間42−46分)およびシザンドロールC(保持時間45−50分)のフラクションを回収し、勾配を変えて同じ条件下に精製する。
【0107】
シザンドロールA:直線状勾配を20%Bから70%Bまで50分間行い、続いてさらに10分間で直線状で100%Bまで続ける。所望の生成物が35−40分の保持時間(R)に輸出し、収量は505mgである。分光データは報告されたデータと一致する(hizhov OS, Tetrahedron Letters 1961, 20, 730-734 and Ikeya Y, Taguchi H, Yosioka I, Kobayashi H; “The constituents of Schizandra chinensis Baill. I. Isolation and structure determination of five new lignans, gomisin A, B, C, F and G, and the absolute structure of schizandrin”. Chem Pharm Bull (Tokyo). 1979 27(6):1383-94参照)。
【0108】
ゴミシンN:2回目のHPLC精製の直線状勾配を、60%Bから80%Bまで30分間、さらに5分間100%Bまで行う。25−27分の保持時間で所望の生成物が、180mgの収量で溶出する。分光データは報告されたデータと一致する(Ikeya Y, Taguchi H, Yosioka I, Kobayashi H; “The constituents of Schizandra chinensis Baill. I. Isolation and structure determination of five new lignans, gomisin A, B, C, F and G, and the absolute structure of schizandrin”. Chem Pharm Bull (Tokyo). 1979 27(6):1383-94参照)。
【0109】
シザンドロールC:上記クロマトグラフィーを続けて、シザンドロールCが65mgの収率で溶出する(28−32分間の保持時間)。分光データは報告されたデータと一致する(Schneiders, GE, Stevenson, R, “Structure and synthesis of (±) wuweizisu C”, J. Org. Chem. 1981 46: 2969-70参照)。
【0110】
得られたシザンドロールA(1)のいくつかの分析データ:
シザンドロールA(実施例2の式(1))を、一般的実験法に記載の方法を使用してHPLC−UVおよびLC−MSにより検出する。分析的HPLCシステムにおけるそれらの特徴を表1に要約する。これらの特徴はまた粗抽出物および抽出、下流プロセッシングおよびクロマトグラフィー中に得た中間フラクションにおける分析的HPLCによる実施例の同定のためにも働く。
【表3】

1H NMR(DMSO-d6, 500 MHz):δ 0.69(d, J=7.4 Hz, 3H, 9'-H3), 1.11(s, 3H, 9-H3), 1.67(m, 1H, 8'-H), 2.27(dd, J=13.7, 6.9 Hz, 1H, 7'-Ha), 2.28(d, J=13.2 Hz, 1H, 7-Ha), 2.36(d, J=13.2 Hz, 1H, 7-Hb), 2.70(dd, J=14.0, 1.7 Hz, 1H, 7'-Hb), 3.38, 3.39(s, 3H, 3-OMe, 3'-OMe), 3.71, 3.72(s, 3H, 4-OMe, 4'-OMe), 3.79(s, 3H, 5'-OMe), 3.80(s, 3H, 5-OMe), 6.65(s, 1H, 6'-H), 6.72(s, 1H, 6-H)。
【0111】
得られたゴミシンN(2)のいくつかの分析データ:
ゴミシンN(実施例2の式(2))を、一般的実験法に記載の方法を使用してHPLC−UVおよびLC−MSにより検出する。分析的HPLCシステムにおけるそれらの特徴を表2。に要約する。これらの特徴はまた粗抽出物および抽出、下流プロセッシングおよびクロマトグラフィー中に得た中間フラクションにおける分析的HPLCによる実施例の同定のためにも働く。
【表4】

【表5】

【0112】
得られたシサンドリンC(3)のいくつかの分析データ:
シサンドリンC(実施例2の式(3))、一般的実験法に記載の方法を使用してHPLC−UVおよびLC−MSにより検出する。分析的HPLCシステムにおけるそれらの特徴を表3に要約する。
【表6】

1H NMR(DMSO-d6, 500 MHz):δ 0.65(d, J=7.1 Hz, 3H, 9-H3), 0.92(d, J=7.1 Hz, 3H, 9'-H3), 1.65(m, 1H, 8'-H), 1.80(m, 1H, 8-H), 1.97(d, J=12.8 Hz, 1H, 7'-Ha), 2.05(dd, J=12.8, 9.3 Hz, 1H, 7'-Hb), 2.25(d, J=13.1 Hz, 1H, 7-Ha), 2.52(dd, J=13.1, 7.4 Hz, 1H, 7-Hb), 3.70, 3.72(s, 3H, 3-OMe, 3'-OMe), 6.57(s, 2 x 1H, 6-H, 6'-H)。
【0113】
実施例2:さらに富化された朝鮮五味子からの抽出物
粗抽出物(実施例1参照)のクロマトグラフ富化工程を、直線状水(溶媒A)/アセトニトリル(溶媒B)勾配(両方の溶媒とも0,1%トリフルオロ酢酸を含む)を使用して、30%アセトニトリルで開始し、60分間で100%アセトニトリルに上げ、20分間のアイソクラティック相が続く、Nucleodur 100-5 C18ecカラム(Macherey & Nagel, Dueren, Germany)(130×40mm)で行う。20ml/分の流速で、フラクションを毎分集める。UV/VIS−155ディテクター(Gilson, Langenfeld, Germany)を使用して、シグナルを210nmおよび254nmで位検出する。デオキシシザンドロールA、ゴミシンNおよびシサンドリンC(保持時間32−62分)を含むフラクションを回収し、プールする。この工程は、LXR活性リグナン類の直接富化およびLXR不活性化合物の引き下げを可能にする。
【0114】
種々の検出システムを使用したHPLCにおけるピークを図1に示す。そこに記載のピークの数値は、下記表4に示す化合物に対応する:
【表7】

【表8】

【0115】
他のシグナル(11〜13分および14分、図1において横線で示す)は、ジベンゾ[a,c]シクロオクタジエン類の典型的UVスペクトルを示さない化合物を意味する。アスタリスクを記した化合物は、単離後にさらにそのNMRスペクトルにより確認する。保持時間は、0,1分より小さい偏差で同一であり、質量スペクトルもそれに応じる。
ゴミシンGおよびゴミシンCは、メチレン架橋エーテル基の位置について位置異性体である。ゴミシンCの構造をそのHMBC−NMRスペクトルにより確認する。
【0116】
HPLC条件:
Agilent HP1100装置(Agilent Technologies, Inc., Santa Clara, CA USA
オーブン:Agilent G1316A
カラム:Symetrie C18-150mm、3,5μm
オートサンプラー:Agilent G1329A
注入量(μl) − 2.00
溶離剤:
A:水+0,1%ギ酸 60%
B:アセトニトリル+0,1%ギ酸 40%
流速(mL/分) 0.400(一定)
オーブン温度(℃) 40.0
【表9】

【0117】
流れをこのカラムの後に分析用に2等分し、これは、約0,2mL/分を直接ディテクター2に質量分析のために、漏斗で入れ(infounded)、他方を第一ディテクター1(DADおよび二次的ディテクター3(ELSD)を通すことを意味する。
ディテクター1:ダイオードアレイディテクターAgilent DAD G1315A(図1におけるUV/Vis Chrom(TLC)に対応)
ディテクター2:micrOTOF Bruker Daltonics ser 162を有するエレクトロスプレーオン化質量分析(図1におけるESI+Chrom.(TIC)に対応)、獲得のための設定は下記表5に示す通りである:
【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【0118】
これらの設定で、2種の物質ゴミシンGおよびベンゾイルゴミシンQ(Peptides 27, 2006, 997-1004参照)の分子量を選択することを試み、すなわち、分光計を使用して、これらの2種の物質およびそれらについて仮定されるクラスターの計算値分子量について“選択イオン数”設定の方法で検索した。なにも見られず、従って、これらの物質は抽出物に存在しない(少なくとも検出限界に関して)ように見える。
【0119】
ディテクター3:ELSD検出(蒸発光散乱検出)は図1におけるELSDに相当する
Cedex 75, Fa. Sedere、条件:圧力3バール、温度:42℃、ゲイン9
表4に記載の化合物のいくつかの構造式は次の通りである:
【化10】

【0120】
それ相当の努力にもかかわらず、現在まで抽出物においてゴミシンGおよびベンゾイルゴミシンQを検出することが不可能であり、少なくともこれらは使用する方法での検出が困難であるか不可能であるほど少ない量で存在し、従って、これらの2種の物質は、存在したとしても、非常に低い用量でしか存在せず、次の実施例に記載の効果に必要ではないと仮定できる。
【0121】
実施例3:マウスにおけるインビボアッセイ
実施例2からの抽出物をマウス餌の添加物として適用し、このような添加なしのコントロールと比較した体重および体脂肪変化を測定する。
8週齢雄マウス[C57BL/6種(Harlan Winkelmann GmbH, Borchen, Germany)]を、2週間、標準餌(Atromin Standardzuchtdiaet 1324, Atromin Spezialfutterwerke GmbH, Lage, Germany)で飼育し、順応させる。
【0122】
給餌試験:
cc:慢性バランスの取れた餌、順応後1g乾燥餌あたり1mg 抽出物を添加した標準餌。
cf:バランスの取れた/高脂肪餌:順応後標準、1g乾燥餌あたり1mg 抽出物を添加した餌および12%Palmin(Peter Koelln KGaA, Elmshorn)。
【0123】
マウスの体重を毎週計り(精度±0.1g)、その後、イソフルラン(2−クロロ−2−(ジフルオロメトキシ)−1,1,1−トリフルオロ−エタン)麻酔下に、DEXAスキャナー(PIXImus2スキャナー、ソフトウェアバージョン1.46.007、GE Medical Systems, Madison, Wisconsin, USA)で身体組成を分析する。動物の頭部を、製造者の指示通り測定から除く。GE Lunar Piximus2 DEXAスキャナーは、マウスの身体組成の差異に付いての正確な情報をもたらす(agy, TR and Clair, A-L. Precision and accuracy of dual-energy X-ray absorptiometry for determining in vivo body composition in mice. Obesity Res. 2000; 8:392-398; Brommage Am J Physiol Endocrinol Metab 285: E454-E459, 2003. Validation and calibration of DEXA body composition in mice; Sarah L. Johnston, Wendy L. Peacock, Lynn M. Bell, Michel Lonchampt, and John R. Speakman, Obesity Research 2005 13 (9), 1558参照)。1回の走査工程を1個体につき5分間行い、脂肪量、除脂肪体重、骨ミネラル含量および骨ミネラル密度についてのデータを得る。この方法をマウスにおけるSoxhlet(SOX)脂肪抽出に対して確認し、DEXAでの脂肪およびSOXでの脂肪の間の強い相関(r2>0.95)が確認されている(公開情報)。
統計学的分析を、SigmaStatにより計算されるKruskal-Wallis H検定により行うことができる(Jandel Scientific, San Rafael, California, USA)。
【0124】
結果を表6および図2に示す。
【表15】

n.d.=測定せず。
【0125】
特に慢性的にバランスの取れた餌の場合に、マウスに抽出物を与えたならば体重減少が観察でき、これらのマウスにおいて体脂肪がコントロール群と比較して減少し、一方でバランスの取れた高脂肪餌の場合、コントロール群は体重が増え、体重の減少を示す抽出物処置マウスと対照的である。
【0126】
実施例4:血液脳関門浸透
ウェブ上のコンピュータプログラムPreADME(薬力学的パラメータである吸収、分配、代謝および排泄に関するパラメータの計算を可能にする)、http://preadmet.bmdrc.org/preadmet/index.phpを使用して、上記の化合物の血液脳関門浸透性を計算する。
M. Ajay, G.W. Bemis and M.A. Murcko, “Designing libraries with CNS Activity”, J. Med. Chem. 1999, 42, 4942-4951によると、化合物は、そのCNSにおける活性について次の表の通り分類できる:
【表16】

【0127】
この方法を使用して、数個の化合物について、マツブサ属において見られるリグナン化合物の多くが、むしろ血液脳関門を通過できないと予測され得ることを示すことができる(表8参照)。これは、中枢神経系に対する(例えばNPFFに対する)作用が、抗肥満作用における重要な役割を有していない可能性を示唆し得る。
【表17】

【0128】
実施例5:LXR(肝臓X受容体)でのインビトロアッセイ
アッセイの記載:
LXRアッセイを、時間分解蛍光共鳴エネルギー移動法(HTR−FRET)を使用して行う(Albers M, Blume B, Schlueter T, Wright MB, Kober I, Kremoser C, Deuschle U, Koegl M; “A novel principle for partial agonism of liver X receptor ligands. Competitive recruitment of activators and repressors”. J. Biol. Chem. 2006 24;281(8) 4920-30; and Chin J, Adams AD, Bouffard A, Green A, Lacson RG, Smith T, Fischer PA, Menke JG, Sparrow CP, Mitnaul LJ; “Miniaturization of cell-based beta-lactamase-dependent FRET assays to ultra-high throughput formats to identify agonists of human liver X receptors”. Assay Drug Dev. Technol. 2003 1(6):777-87参照)。
【0129】
アゴニストの存在下で、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)とLXRリガンド結合ドメインの融合タンパク質(GST−LXR LBD)をビオチン標識核受容体コアクティベーター(b−SRC1)と結合させる。蛍光シグナルをEu標識抗GST抗体およびストレプトアビジン標識アロフィコシアニン(APC)の存在下で検出する。FRETは、試験タンパク質のアゴニストに依存する密接な相互作用により可能となる。
LXRリガンド結合ドメインでアゴニストとして作用する化合物は時間分解蛍光の増加により検出される。このLXR−FRETはAlbers et al. (loc. cit.)により記載の通り行う。
【0130】
FRET活性化合物を、FRET 12点用量応答実験においてアッセイし、下記表9に記載の化合物のEC50値を決定する:
【表18】

このようにして、これらの実験は、ジベンゾ[a,c]シクロオクタジエンクラスの化合物が、肝臓X受容体活性化をもたらすアゴニストであることを示す。この理論に縛られることを意図しないが、これは、動物、例えばヒトにおける肥満および/または免疫性または炎症性障害に対する可能な機構の説明であり得る。
【0131】
実施例6:ラットにおけるインビボアッセイ
LXRα活性化合物を含む、実施例2の“さらに富化された抽出物”(上記および下記でIMD-XT0003とも呼ぶ)を製造し、6週齢、未成熟、雄Sprague-Dawley(SD)ラット(Charles Rivers, Sulzfeld, Germany)を使用して試験する。この抽出物を、最終濃度0.1重量%まで餌(ssniff Spezialdiaeten GmbH, Soest, Germany)に混ぜ、次の2種のレジメンで8週間与える:
− バランスの取れた餌(4%脂肪に標準化)
− 高脂肪餌(34%脂肪に標準化)
コントロールには、IMD-XT0003または他の抗肥満添加剤なしに同じ餌を与える。
【0132】
体重を毎週計り、分析し、体脂肪および骨ミネラル密度をDEXA(スキャナー、実施例3三種)で0週目、4週目および8週目の試験最終日に分析する。さらに、白色体脂肪重量を、8週目の給餌試験の最後に組織摘出後に測定する。DEXA測定について、実施例3の記載と同じ装置および方法を使用する。
対照実験として、高脂肪餌内に、純粋な形のエピガロカテキン−3−ガレート(EGCG, Chengdu Purification Technology Development Co. Ltd, Chengdu, China)を効果および差異の比較のための標準として、ならびに、肥満と闘う化合物または製剤の基準として使用する。抗肥満および脂肪減少作用は、EGCGについて動物試験およびヒト治験で証明されている。EGCGは、抗肥満作用を謳った機能性食品成分として市販されている(Wolfram, S et al. Mol Nutr Food Res 2006;50(2):176-87;Wolfram, S et al. Ann Nutr Metab 2005;49(1):54-6, Klaus, S et al. Int J Obes 2005;29(6):615-23;Hill, AM et al. J Am Coll Nutr. 2007;26(4):396S-402S)。使用するEGCGの最終濃度も0.1%である。
【0133】
結果:IMD-XT0003の給餌は、高脂肪餌条件下で、コントロール群と比較して、体重増加の減少および体脂肪蓄積の減少をもたらす。図3および4に示す通り、本試験でEGCGの効果は観察されない。
それ故、効果は2種のインビボ系で証明でき、マウス試験に加えて、効果はまた高脂肪条件下でも証明できる。体重減少は体脂肪量の顕著な低下と相関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理のための治療的 − 予防的を含む − 処置における活性成分として使用するための、式I
【化1】

〔式中、
R1、R2、R3、R4、R6、R7およびR8は、互いに独立して水素、ヒドロキシ、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコキシ基、3〜10個の炭素原子を有し、所望により1個以上の環ヘテロ原子を含んでよいシクロアルキル基、1個以上の環ヘテロ原子を含み得る6〜18環原子の置換もしくは非置換アリール基、1個以上のヘテロ原子を含み得る置換もしくは非置換C−C18−アリール−C−C12−アルキル基、置換もしくは非置換アリールオキシ基(ここで、アリールは6〜18個の環原子を有し、1個以上の環ヘテロ原子を含み得る)、(−C(O)−R)基、(−C(S)−R)基、(−OC(O)−R)基、(−OC(S)−R)基、(−OC(O)−OR)基、(−(CH)−CR=CR)基、(−O−(CH)−CR=CR)基または(−OC(O)−(CH)−CR=CR)基であり、ここで、nは0または1〜12の整数であり、そして
およびRは、互いに独立して、水素、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、3〜10個の炭素原子を有し、所望により1個以上の環ヘテロ原子を含んでよいシクロアルキル基、および1個以上の環ヘテロ原子を含み得る6〜18環原子の置換もしくは非置換アリール基、および1個以上のヘテロ原子を含み得る置換もしくは非置換C−C18−アリール−C−C12−アルキル基から成るグループAから選択され;ここで、Rはさらに(CH−CH−CR=CR)から選択でき、ここで、Rは上記で定義の通りであり、
R1およびR5は、互いに独立して、(CH)基、(CHOR)基、(−C(O)−R)基、(−C(S)−R)基、(−COOR)基または(−C(O)NR)基であり、ここで、Rは上記で定義の通りであり;
またはR3とR4が一体となったときおよび/またはR7とR8が一体となったとき、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NR)、シアンイミノ基(=NCN)またはアルキリデン基(=CR)であり、ここで、RおよびRは、上記で定義の通りであるか、または
R3とR4が一体となったときおよび/またはR7とR8が一体となったとき、各々、シクロオクタジエン環の各スピロ炭素原子と一体となって、5〜8員環状ケタール構造を形成し、これは非置換であるか、グループaから選択される1個以上の置換基で置換されており;
またはR1とR2が一体となったときおよび/またはR5とR6が一体となったとき、各々、結合している原子と一体となって次の式
【化2】

から選択される環状ラクトンおよび/またはラクトールおよび/またはオキシラン構造を形成し、ここで、アスタリスクはR1およびR2またはR5およびR6と結合する炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
またはR1とR3またはR4が一体となったときおよび/またはR5とR7またはR8が一体となったとき、各々、結合している原子と一体となって次の式
【化3】

から選択される環状ラクトンおよび/またはラクトールおよび/またはオキセタン構造を形成し、ここで、各式の2個のアスタリスクは式IにおいてR1およびR3またはR4および/またはR5およびR7またはR8が結合する式Iにおける炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
またはR1とR5が一体となったとき、結合している原子と一体となって、下記式
【化4】

の環状ラクトン、ラクトール、オキソランまたは無水物構造の1個を形成し、
ここで、各式の2個のアスタリスクはR1およびR5が結合する式Iにおける炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
または、少なくともR1とR3の1個またはR4が一体となったときおよび/またはR5とR7の1個またはR8が一体となったとき、各々、結合している原子と一体となって、次の式
【化5】

から選択される環状ラクトンおよび/またはラクトールおよび/またはオキセタン構造を形成し、ここで、各式の2個のアスタリスクは、R1およびR3またはR4またはR5および/またはR7またはR8が結合する式Iにおける炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
またはR1とR7またはR8が一体となったときおよび/またはR5とR3またはR4が一体となったとき、各々、式Iにおける結合している炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一体となって、次の式
【化6】

から選択される環状ラクトンおよび/またはラクトールおよび/またはオキソラン構造を形成し、ここで、各式のアスタリスクはR1およびR7またはR8および/またはR5およびR3またはR4が結合する式Iにおける炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
またはR1とR6が一体となったときまたはR5とR2が一体となったとき、各々、結合している炭素原子と一体となって、次の式
【化7】

から選択される環状ラクトンおよび/またはラクトールおよび/またはオキセタン構造を形成し、
ここで、各式の2個のアスタリスクはR1およびR6またはR5およびR2が結合する式Iにおける炭素原子を示し、そしてRは上記で定義の通りであり、
またはR3またはR4とR7またはR8が一体となったとき、式
【化8】

のオキサを形成し、ここで、2個のアスタリスクはR3またはR4およびR7またはR8が結合する式Iにおける炭素原子を示し、
またはR2とR3またはR4が一体となったときおよび/またはR6とR7またはR8が一体となったとき、各々、結合している炭素原子と一体となって、式
【化9】

の環状オキシラン構造を形成し、ここで、2個のアスタリスクは、R2およびR3またはR4および/またはR6およびR7またはR8が結合する式Iにおける炭素原子を示し;そして
R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、互いに独立して、水素、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、3〜10個の炭素原子を有し、所望により1個以上の環ヘテロ原子を含んでよいシクロアルキル基、1個以上の環ヘテロ原子を含み得る6〜18環原子の置換もしくは非置換アリール基、1個以上のヘテロ原子を含み得る置換もしくは非置換C−C18−アリール−C−C12−アルキル基、(−C(O)−R)基、(−C(S)−R)基または(−(CH)−CR=CR)基であり、ここで、nは0または1〜12の整数であり、そしてRおよびRは上記で定義の通りであり、または
少なくともR9とR10が一体となったとき、R10とR11が一体となったとき、R12とR13が一体となったときおよびR13とR14が一体となったときの1個は、各々、ヘテロ原子を含み得る1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキレン基、またはヘテロ原子を含み得る2〜4個の炭素原子および1個または2個の二重結合を有するまたは直鎖または分枝鎖アルケニレン基を形成し、それにより結合それらが結合している炭素原子と一体となって環を形成し;
ここで、上記の1個以上のヘテロ原子が存在するならば、それらは1個以上の炭素原子の代わりに存在し、S、N、NH、O、PおよびSe、好ましくはS、N、NHおよびOから成る群から選択され;ただし、ゴミシンGおよびベンゾイルゴミシンQの名を有する一方または両方の化合物が本発明に従い有用な抽出物または化合物混合物の一部であるならば、ゴミシンGおよびベンゾイルゴミシンQ以外の別の式Iの化合物が少なくとも1個存在し、または好ましくは本抽出物または化合物混合物はゴミシンGおよびベンゾイルゴミシンQを含まない。〕
の化合物、式Iの化合物の混合物、および/または1個以上の式Iの化合物を含む抽出物(ここで、式Iの化合物は遊離形で、薬学的におよび/または栄養補助食品的に許容される塩の形で、互変異性体の形で、エステルの形でおよび/または溶媒和物の形で存在し得る)。
【請求項2】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8が、互いに独立して、水素、1〜5個の炭素原子の直鎖または分枝鎖アルキル、ヒドロキシまたは(−OC(O)−(CH)−CR=CR)から選択され、ここで、RおよびRは、互いに独立して、1〜5個の炭素原子のアルキルであり、そして
R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、互いに独立して、水素、1〜5個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、1個以上のヘテロ原子を含み得る5〜10個の環原子を有するシクロアルキル基、1個以上のヘテロ原子を含み得る6〜10個の環原子の置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換アラルキル基1個以上のヘテロ原子を含み得る、(−C(O)−R)基、(−C(S)−R)基または(−(CH)−CR=CR)基であり、ここで、nは0または1〜12の整数であり、そしてRおよびRは上記で定義の通りであり、または
少なくともR9とR10が一体となったときおよびR13とR14が一体となったときの1個は、各々、ヘテロ原子を含み得る1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキレン基または2〜4個の炭素原子および1個または2個の二重結合を有する直鎖または分枝鎖アルケニレン基を含む環を形成し、
ここで、ヘテロ原子は、存在するならば、O、S、NおよびNHから独立して選択され;そして“置換”はC−C−アルキル、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−アルカノイルオキシ、C−C−アルコキシカルボキシ、C−C−アルカンスルホニルオキシ、フェニル−C−C−アルコキシ、アミノ、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル、C−C−アルカノイル、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルカンスルホニルおよび/またはフェニル−C−C−アルキル)−アミノ、カルボキシ、C−C−アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−カルバモイル、スルファモイル、N−モノ−またはN,N−ジ−(C−C−アルキル)−スルファモイルおよびシアノから成る群から独立して選択される、1個以上、特に3個までの置換基が存在することを意味する、式Iの化合物である、請求項1に従い使用するための、式Iの化合物、式Iの化合物の混合物、および/または1個以上の式Iの化合物を含む抽出物(ここで、式Iの化合物は遊離形で、薬学的におよび/または栄養補助食品的に許容される塩の形で、互変異性体の形で、エステルの形でおよび/または溶媒和物の形で存在し得る)。
【請求項3】
式Iの化合物が次の名前:
シザンドロールA、ゴミシンB、ゴミシンC、シサンドリンC、デオキシシザンドロールA、ゴミシンN、ゴミシンA、7−チグリオイル−ゴミシンP、アンゲロイルゴミシンHおよびシサンドリンCのものから成る群から選択される、請求項1に従い使用するための、式Iの化合物、式Iの化合物の混合物、および/または1個以上の式Iの化合物を含む抽出物。
【請求項4】
使用が体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理、特に体重の減少、より具体的に体脂肪の減少のためである、請求項1から3のいずれかに従い使用するための、式Iの化合物、式Iの化合物の混合物、および/または1個以上の式Iの化合物を含む抽出物(ここで、式Iの化合物は遊離形で、薬学的におよび/または栄養補助食品的に許容される塩の形で、互変異性体の形で、エステルの形でおよび/または溶媒和物の形で存在し得る)。
【請求項5】
使用が体重減少のためである、請求項1から3のいずれかに従い使用するための、式Iの化合物、式Iの化合物の混合物、および/または1個以上の式Iの化合物を含む抽出物。
【請求項6】
マツブサ属(Schisandra)、シキミ属(Illicium)、サネカズラ属(Kadsura)、ステガノタエニア属(Steganotaenia)およびモクレン属(Magnolia)から成る群から選択される植物または植物の一部分からのみ得られる、請求項1から5のいずれかに記載の抽出物、式Iの化合物または化合物の混合物。
【請求項7】
朝鮮五味子果実を、音波処理下に室温でエタノールで抽出し、最後にそれらをほぐし、所望により残った果実物質を2回目にエタノールで抽出し、抽出物を合わせ、それらを乾燥させ、望むならば、残った水相を酢酸エチルで再抽出し、プールした抽出物を乾燥させて粗抽出物を得て、さらに、その抽出物を、逆相材上で抽出し、水/アセトニトリル勾配で溶出することにより富化し、デオキシシザンドロールA、ゴミシンNおよびシサンドリンC含有フラクションを回収および貯蔵することにより得る、請求項1から6のいずれかに示す通りの、好ましくは、請求項1から6のいずれかに従い使用するための、1個以上の式Iの化合物を含む抽出物。
【請求項8】
図1に示すHPLCパターンと、1本、好ましくは2本、より好ましくは全3本の線/そこに示す分析方法に従って、本質的に類似のパターンを示す、請求項7に記載の抽出物。
【請求項9】
動物および/またはヒトにおける体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理、特に体重の減少、より具体的に体脂肪の減少のための治療的 − 予防的を含む − 処置における活性成分として使用するための、医薬製剤および/または栄養補助食品および/または健康補助食品(dietary supplement)および/または機能性食品の製造のための、請求項1から8のいずれかに記載の式Iの化合物、式Iの化合物の混合物および/または抽出物の使用;
ここで、式Iの化合物は遊離形で、薬学的におよび/または栄養補助食品的に許容される塩の形で、互変異性体の形で、エステルの形でおよび/または溶媒和物の形で存在し得る。
【請求項10】
医薬製剤の製造のための、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
栄養補助食品の製造のための、請求項9に記載の使用。
【請求項12】
健康補助食品の製造のための、請求項9に記載の使用。
【請求項13】
機能性食品の製造のためのまたは機能性食品としての、請求項9に記載の使用。
【請求項14】
活性成分が、請求項1から8のいずれかに記載の式Iの化合物、式Iの化合物の混合物および/または抽出物である、動物および/またはヒトにおける体重管理および/または脂肪減少および/または肥満の管理、特に体重の減少、より具体的に体脂肪の減少のための治療的 − 予防的を含む − 処置に使用するための医薬および/または栄養補助食品組成物および/または健康補助食品および/または機能性食品(ここで、式Iの化合物は遊離形で、薬学的におよび/または栄養補助食品的に許容される塩の形で、互変異性体の形で、エステルの形でおよび/または溶媒和物の形で存在し得る)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−536720(P2010−536720A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520449(P2010−520449)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006226
【国際公開番号】WO2009/021622
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(506220829)インターメッド・ディスカバリー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】InterMed Discovery GmbH
【Fターム(参考)】