説明

育毛用化粧料

【課題】優れた育毛効果を発揮する育毛用化粧料を提供すること。
【解決手段】毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物を含み、これらの1種以上のアミノ酸の一部または全部が親アルコール性誘導体であることを特徴とする混合物は、ヒト毛母細胞及び毛乳頭細胞に対し有意な細胞賦活作用を有することが認められた。また、実際の化粧料処方で調製した育毛用化粧料の1ヶ月間連用テストを行った結果、優れた育毛効果を発揮する事を見出し、本発明を完成するに至った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物を含み、これらの1種以上のアミノ酸の一部または全部が親アルコール性誘導体であることを特徴とする混合物を配合したことを特徴とする育毛用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抜け毛を予防または抑制して、頭髪の成長や発毛を促す育毛効果のある成分が探索され、例えば、センブリエキス、ビタミンEアセテート、ミノキシジール等の血管拡張剤、唐辛子チンキ等の刺激剤、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、ホルモン剤、抗炎症剤、殺菌剤等が使用されてきた。
【0003】
一方、毛髪の主成分であるケラチンは下表の20種類のアミノ酸を含んでいる。これらのアミノ酸が不足すると、毛根の栄養欠乏を招き、これが脱毛の原因となることが指摘されている。
【0004】

【0005】
アミノ酸を配合した育毛剤の例も数多く見られる。しかし、多くの特許の場合、アミノ酸を育毛効果のある成分としてではなく保湿剤として用いているのが一般的である。其の中でも、アミノ酸と高級脂肪酸、高級アルコール、附子、N−アシルアミノ酸、茶エキス、タンニン、大豆サポニン、トウガラシ、柑橘類等の成分と併用した例が報告されている。(特許文献1〜7参照)
【0006】
有効成分としてシステイン、グルタミン酸、アルギニンの3種類を必須とするアミノ酸のアルキルエステル若しくはエステルの塩から構成される育毛剤の例としては一報の報告が知られている。(特許文献8参照)
【0007】
また、9種類のアミノ酸混合物を保湿剤として配合した化粧料の例がある。(特許文献9参照)。
【0008】
さらに、本発明者らは、育毛効果を有する毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域ペプチドのアミノ酸組成を同定した。その結果、ポリペプチドはhigh sulfur type、high glycine/tyrosine typeおよびhigh glycine/cysteine/serine typeの3群に大別でき、その組成は以下の表の通りであった。
【0009】

【0010】
これら3群のポリペプチドには、それぞれ高度に保存されたアミノ酸配列が繰り返し出現していることが確認された。それら保存されたアミノ酸配列から成るペプチドの生理活性を調査したところ、マウス体毛に対して、体毛成長速度を増加させる成長促進作用があることを見出した。(特許文献10〜11参照)。これらの研究のヒトに対する育毛剤への実用化にあたり、ポリペプチドのコストの面における汎用性及び経皮吸収性を改善・解決するため、これら3群のペプチドを構成しているアミノ酸配列と同等の組成比のアミノ酸混合物各々についても同様に試験したところ、毛成長速度を増加させる成長促進作用を見出した。(特許文献12参照)
【特許文献1】特開平5−286834号公報
【特許文献2】特開平6−227949号公報
【特許文献3】特開平7−132064号公報
【特許文献4】特開平9−175945号公報
【特許文献5】特開平10−059829号公報
【特許文献6】特開平11−363035号公報
【特許文献7】特開2004−143129号公報
【特許文献8】特開2002−363035号公報
【特許文献9】特開平9−87126号公報
【特許文献10】WO03/042387号公報
【特許文献11】特開2005−151849号公報
【特許文献12】特願2005−22335
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
優れた育毛効果を発揮する育毛用化粧料を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0012】
毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物を含み、これらの1種以上のアミノ酸の一部または全部が親アルコール性誘導体であることを特徴とする混合物を化粧料に配合したところ意外にも育毛効果のあり、さらに、本発明からなるアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物に含まれる親アルコール性誘導体の割合が高いほど、エタノールを主成分とすることが多い育毛用化粧料に容易に配合できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0013】
毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物を含み、これらの1種以上のアミノ酸の一部または全部が親アルコール性誘導体である混合物について、分離培養したヒト毛母細胞に対する細胞賦活作用を調べた。その結果、本発明からなるアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物処理細胞における有意な細胞賦活作用が認められた。また、本発明からなるアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物を含む製剤のヒト毛髪成長に対する作用を調べたところ、本発明からなる混合物を含む製剤を連用塗布することにより、有意な毛髪成長速度の増加が観察された。さらに、本発明からなるアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物に含まれる親アルコール性誘導体の割合が高いほど、エタノールに対する溶解性が高まり、エタノールを主成分とすることが多い育毛用化粧料に容易に配合できることを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明者らは、毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物を含み、これらの1種以上のアミノ酸の一部または全部が親アルコール性誘導体であることを特徴とする混合物を調製し、ヒト頭髪の毛髪成長に対する作用を研究した。
【0015】
即ち、ケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物の3群において、high sulfur typeを参考にしたアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物については、セリン及びその誘導体、システイン及びその誘導体、アラニン及びその誘導体、バリン及びその誘導体、リシン及びその誘導体、アルギニン及びその誘導体、グルタミン及びその誘導体、プロリン及びその誘導体のモル比を7:11:1:1:1:1:4:4の割合で調製した。high glycine/tyrosine typeを参考にしたアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物については、グリシン及びその誘導体、チロシン及びその誘導体、システイン及びその誘導体のモル比を8:5:2の割合で調製した。high glycine/cysteine/serine typeを参考にしたアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物については、グリシン及びその誘導体、セリン及びその誘導体、システイン及びその誘導体、リシン及びその誘導体のモル比を16:7:6:1の割合で調製した。
【0016】
これらのアミノ酸の親アルコール性誘導体としては、特に限定しないが、N−アシルアミノ酸、N−アルキルアミノ酸、N,N−ジアルキルアミノ酸、S−アルキルアミノ酸、及びアミノ酸エステル等が挙げられる。
【0017】
本発明のN−アシルアミノ酸のアシル基、N−アルキルアミノ酸のアルキル基、N,N−ジアルキルアミノ酸のアルキル基、S−アルキルアミノ酸のアルキル基、アミノ酸エステルのアルコール部の炭素数は、特に限定しないが、炭素数が1〜30が好ましく、さらに好ましくは、炭素数が1〜22である。これらのアミノ酸の親アルコール性誘導体は、常法により合成することもできるし、
例えば、Sigma社から、試薬として入手することができる。
【0018】
また、ケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物の3群において、アミノ酸のモル比を上記の割合で調製したアミノ酸の混合物の水溶液をアルカリ性の条件化で炭素数1〜22の脂肪酸と反応したり、あるいは炭素数1〜22の脂肪酸ハライドと反応することによって、それぞれのアミノ酸が、N−アシル化、S−アシル化、およびO−アシル化され、上記のモル比の割合を保ったアミノ酸の親アルコール性誘導体の混合物として得ることができる。
特に、ケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物の3群において、アミノ酸のモル比を上記の割合で調製したアミノ酸の混合物の水溶液に、過剰量の無水酢酸を添加することにより、それぞれのアミノ酸が、N−アセチル化、S−アセチル化、およびO−アセチル化され、上記のモル比の割合を保ったアミノ酸の親アルコール性誘導体の混合物として得ることができる。別の方法としては、ケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物の3群において、アミノ酸のモル比をそれぞれの最良の割合で調製したアミノ酸の混合物のアルカリ性水溶液に、反応系をアルカリ性に保持しながら、過剰量の塩化アセチルを滴下することにより、それぞれのアミノ酸が、N−アセチル化、S−アセチル化、およびO−アセチル化され、上記のモル比の割合を保ったアミノ酸の親アルコール性誘導体の混合物として得ることができる。
【0019】
3種のタイプ、すなわちhigh sulfur type、high glycine/tyrosine type及びhigh glycine/cysteine/serine typeのアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物の育毛用化粧料への配合量は0.0001〜20重量%である。より好ましくは0.01〜10重量%である。
【0020】
本発明の育毛用化粧料は、アミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物を必須成分とするが、本発明の効果を損なわない範囲で、育毛用化粧料に用いられる成分、例えば、油脂類、エステル類、炭化水素類、ロウ類、シリコーン系の油相成分、脂肪酸類、低級アルコール類、高級アルコール類、多価アルコール類、界面活性剤、高分子類、糖、香料、水、各種溶媒等と併用することができ、さらに、老化防止剤、保湿剤、その他の育毛剤、発毛剤、経皮吸収促進剤、紫外線吸収剤、細胞賦活剤、抗炎症剤、美白剤、酸化防止剤、その他生理活性成分、防腐防カビ剤等を配合することができる。
【0021】
本発明の育毛用化粧料の応用例としては、例えばローション、ヘアエッセンス、ヘアクリーム、シャンプー、リンス、ヘアスプレータイプの頭髪化粧料等が挙げられる。
【0022】
本発明の育毛用化粧料の剤型としては、二層状、油中水型エマルション、水中油型エマルション、ジェル状、スプレー、ムース状、油性など従来公知の剤型を使用することができる。
【0023】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の技術範囲はこれらに限定されるものではない。
【0024】
製造例:High sulfur typeの親アルコール性誘導体の混合物
8.4g(80ミリモル)のセリン、15.3g(126ミリモル)のシステイン、1.0g(11ミリモル)のアラニン、1.3g(11ミリモル)のバリン、2.1g(11ミリモル)のリシン塩酸塩、2.0g(11ミリモル)のアルギニン、6.7g(46ミリモル)のグルタミン、および5.3g(46ミリモル)のプロリンを仕込み150gの精製水を加え攪拌する。溶解後、氷浴で冷却しながら、150g(1.47モル)の無水酢酸を15分で滴下する。発熱反応のため温度はおよそ30℃に上昇するが、室温に下がった後、減圧濃縮により未反応の無水酢酸、酢酸、および水を除去する。残渣から酢酸臭がなくなるまで減圧濃縮すると、60gのHigh sulfur typeの割合の親アルコール性誘導体の混合物が得られた。
【実施例1】
【0025】
評価方法及び評価基準
毛髪は主として毛母細胞および毛乳頭細胞より構成されており、これら2つの細胞の賦活化は、毛髪のサイクル、特に成長に対して作用することが知られている。よって、毛母細胞の賦活作用試験、毛乳頭細胞の賦活作用試験、及び、ヒト育毛試験を実施した。
【0026】
試験例1.毛母細胞の賦活作用試験
【0027】
1−1.試験の概要
分離培養したヒト毛母細胞に対する、毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成するアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物の賦活作用を評価する。
【0028】
1−2.実験方法
ヒト抜去毛より分離培養した毛母細胞を5%仔牛血清(FBS)含有ダルベッコ変法MEM(DMEM/5)を用いて96穴マイクロプレートにほぼコンフルエントになるように播種した。播種24時間後に所定の濃度のアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物を含有した1%FBS含有DMEM(DMEM/1)と交換した。試料含有DMEM/1を用いて48時間培養したのち、0.4mg/mLのMTTを含有するDMEM/1に交換し、2時間培養した。培地を除去したのち、2−プロパノールを添加して溶解した細胞溶解液の550nmでの吸光度を測定することによりMTT還元量を求めた。
MTT還元量は試料未添加培養細胞(コントロール)の吸光度を100とした百分率、賦活作用(%)で表した。
【0029】
1−3.結果
表1の結果より、試料未添加細胞と比較してアミノ酸混合物処理細胞における有意な細胞賦活作用が認められたが、これに対し、アミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物では更に顕著な細胞賦活の増加が認められた。この作用はアミノ酸混合物に含まれるシステインの50%のみがN−アセチル化されている混合物であっても認められたが、特に、アミノ酸混合物の2種以上が親アルコール性誘導体化されている混合物において著しい細胞賦活の増加が認められた。
【0030】
【表1】

【0031】
試験例2.毛乳頭細胞の賦活作用試験
【0032】
2−1.試験の概要
ヒト毛乳頭細胞に対する、毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成するアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物の賦活作用を評価する。
【0033】
2−2.実験方法
毛乳頭細胞を5%仔牛血清(FBS)含有ダルベッコ変法MEM(DMEM/5)を用いて96穴マイクロプレートにほぼコンフルエントになるように播種した。播種24時間後に所定の濃度のアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物を含有した1%FBS含有DMEM(DMEM/1)と交換した。試料含有DMEM/1を用いて48時間培養したのち、0.4mg/mLのMTTを含有するDMEM/1に交換し、2時間培養した。培地を除去したのち、2−プロパノールを添加して溶解した細胞溶解液の550nmでの吸光度を測定することによりMTT還元量を求めた。
MTT還元量は試料未添加培養細胞(コントロール)の吸光度を100とした百分率、賦活作用(%)で表した。
【0034】
2−3.結果
表2の結果より、試料未添加細胞と比較してアミノ酸混合物処理細胞における有意な細胞賦活作用が認められたが、これに対し、アミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物では更に顕著な細胞賦活の増加が認められた。この効果は、アミノ酸混合物に含まれるシステインの50%のみがN−アセチル化されている混合物であっても認められたが、特に、アミノ酸混合物の2種以上が親アルコール性誘導体化されている混合物では著しい細胞賦活の増加が認められた。
【0035】
【表2】

【0036】
試験例3.ヒト育毛試験
【0037】
3−1.試験の概要
High sulfur type、High tyrosine/glycine type、High glycine/serine/cysteine typeのアミノ酸の全てをN−アセチル化した混合物、および、製造例で得られたアミノ酸の親アルコール性誘導体の混合物各々を300mM配合した50%エタノール水溶液を調製し、ヒト毛髪成長に対する作用を評価する。
【0038】
3−2.実験方法
パネルの側頭部(なるべく頭頂部に近い位置)に約1cm × 1cmを毛刈りして枠を作成し、マイクロスコープにて刈り毛部位の画像を取り込み、3日後に同一部位を再度マイクロスコープにて取り込んだ。同一毛を対象として、3日間で成長した部分の毛髪長を計測し、1日当りの毛髪成長速度を算出した(単位;mm/日)。1ヶ月間試料を塗布し、再度上述の手順にて成長した毛髪の成長速度を算出した。試料使用前および使用後における毛髪成長速度を比較することにより、試料の作用を評価した(n=4)。
A 50% エタノール水溶液(コントロール)
B High sulfur typeのアミノ酸全部をN−アセチル化した混合物を300mM配合した50%エタノール水溶液
C 製造例で得られたアミノ酸の親アルコール性誘導体の混合物を300mM配合した50%エタノール水溶液
D High tyrosine/glycine typeのアミノ酸全部をN−アセチル化した混合物を300mM配合した50%エタノール水溶液
E High glycine/serine/cysteine typeのアミノ酸全部をN−アセチル化した混合物を300mM配合した50%エタノール水溶液
【0039】
3−3.結果
表3の結果より、High sulfur type、High tyrosine/glycine type、High glycine/serine/cysteine typeのアミノ酸の全てをN−アセチル化した混合物を連用塗布したB、C、D、Eは有意な毛髪成長速度の増加が観察された。一方、比較例のAでは、有意な毛髪成長速度の増加が観察されなかった。
【0040】
【表3】

【0041】
次に実際の育毛用化粧料の応用例を実施例2〜5に挙げる。但し、これら実施例だけに限定されるものでは無い。なお配合量は質量%で示す。
【実施例2】
【0042】

【実施例3】
【0043】
透明シャンプー
POE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液
40.0質量%
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン水溶液
15.0
POE(5)ラウリルエーテル 2.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
エデト酸二ナトリウム 0.2
メチルパラベン 0.2
High glycine/serine/cysteine
typeのアミノ酸全部がN−アセチル化された混合物
0.1
精製水 残余
【実施例4】
【0044】
ヘアクリーム
モノステアリン酸ソルビタン 2.0質量%
POE(15)セチルエーテル 2.0
テトラオレイン酸POE(30)ソルビット 1.0
セタノール 0.7
ステアリルアルコール 1.0
パルミチン酸セチル 2.0
ヘキサメチルテトラコサン 5.0
ホホバ油 5.0
流動パラフィン 25.0
ブチルパラベン 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
High sulfur typeのアミノ酸全部が
N−アセチル化された混合物 8.0
精製水 残余
【実施例5】
【0045】
クリームリンス
モノステアリン酸グリセリル 1.0質量%
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム溶液 4.0
セタノール 2.5
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
プロピルパラベン 0.05
メチルパラベン 0.2
High glycine/serine/cysteine
typeのアミノ酸全部がN−アセチル化された混合物
2.0
精製水 残余
上記、実施例2〜5の育毛用化粧料は通常の方法で調製した。
【0046】
実施例2〜5の育毛用化粧料はいずれも安定性が良好であった。試験例3のヒト育毛試験の評価と同様の方法で各育毛用化粧料に対しそれぞれ男性パネル10名ずつで1ヶ月間連用する実使用テストを行った。毎日、朝晩2回、毛髪に適量を使用してもらい、1ヶ月後の使用前および使用後における毛髪の状態を目視で観察し、毛髪成長速度を比較により評価を行ったところ、いずれも優れた育毛効果を発揮している事が確認された。また、本発明からなるアミノ酸及びその親アルコール性誘導体の混合物に含まれる親アルコール性誘導体の割合が高いほど、エタノールを60%配合したローションに容易に配合できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0047】
優れた育毛効果を発揮する育毛用化粧料を提供することが可能となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物を含み、これらの1種以上のアミノ酸の一部または全部が親アルコール性誘導体であることを特徴とする育毛用化粧料。
【請求項2】
上記の親アルコール性誘導体が、N−アシルアミノ酸、N−アルキルアミノ酸、N,N−ジアルキルアミノ酸、S−アルキルアミノ酸、及びアミノ酸エステルの1種以上から選ばれるものであることを特徴とする請求項1に記載の育毛用化粧料。
【請求項3】
上記のN−アシルアミノ酸のアシル基、N−アルキルアミノ酸のアルキル基、N,N−ジアルキルアミノ酸のアルキル基、及びアミノ酸エステルのアルコール部分が、炭素数1〜22であることを特徴とする請求項1又は2に記載の育毛用化粧料。
【請求項4】
毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物を炭素数1〜22の脂肪酸でアシル化して得られる親アルコール性誘導体を含むことを特徴とする育毛用化粧料。
【請求項5】
毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物が、セリン、システイン、アラニン、バリン、リシン、アルギニン、グルタミン、プロリンの8種類で構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の育毛用化粧料。
【請求項6】
毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物が、グリシン、チロシン、システインの3種類で構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の育毛用化粧料。
【請求項7】
毛髪構造因子であるケラチン付随タンパク質の保存領域を構成する複数のアミノ酸で構成される組成物が、グリシン、セリン、システイン、リシンの4種類で構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の育毛用化粧料。

【公開番号】特開2007−262035(P2007−262035A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92766(P2006−92766)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000226437)日光ケミカルズ株式会社 (60)
【出願人】(000228729)日本サーファクタント工業株式会社 (44)
【出願人】(301068114)株式会社コスモステクニカルセンター (57)
【Fターム(参考)】