説明

肺高血圧症患者の治療のためのダビガトランエテキシラートの使用

本発明は、場合により、その薬学的に許容しうる塩の形体である式(I)のダビガトランエテキシラートの新規使用および本目的に使用されうる新規医薬製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【0002】
【化1】


のダビガトランエテキシラート(場合により、その薬学的に許容しうる塩の形体)の新規使用、および、本目的に使用しうる新規医薬製剤に関する。
【0003】
本発明の背景
式1の化合物は、先行技術により周知であり、国際公開公報第98/37075号において最初に開示された。それは、例えば、手術後の深部静脈血栓症の予防および脳卒中の予防、特に、心房細動患者における脳卒中の予防に使用できる強力なトロンビン阻害剤である。
【0004】
本発明は、肺高血圧症患者の治療のための医薬組成物の調製のための、式Iの化合物の使用に関する。
【0005】
本発明の詳細な説明
慢性肺高血圧症は、肺血管抵抗の上昇および肺循環中の血圧の上昇(安静時の平均肺動脈血圧(mPAP)は25mmHg以上)によって特徴付けられる。肺循環における慢性的に上昇した圧の結果として、右心機能不全または右心代償不全に至るほどの、持続的な右心に対するストレスが存在する。症状は様々で、しばしば非特異的である。それは、酸素運搬に関する問題および心臓の機能低下により引き起こされる。最も一般的な症状には、とりわけ、息切れ(労作時)、疲労/消耗(身体的機能の低下)および失神が含まれる。
【0006】
原発性および二次性肺高血圧症の以前の標準的区別は、現在適用するWHO分類(ベニス分類2003)により置き換えられた。ベニス分類によれば、肺高血圧症の5つの異なる形体がある:
・肺動脈高血圧症(PAH)、
・左心障害による肺高血圧症、
・肺疾患および/または低酸素症に関連した肺高血圧症、
・慢性血栓塞栓症(CTEPH)による肺高血圧症、
・その他。
【0007】
本発明は、式I:
【0008】
【化2】


の化合物(場合により、その互変異性体、および、その薬学的に許容しうる塩の形体)の、肺高血圧症の治療のための医薬組成物の調製のための使用に関する。
【0009】
本発明は、さらに、式Iの化合物(場合により、その互変異性体、および、その薬学的に許容しうる塩の形体)の、肺−動脈高血圧症(PAH)の治療のための医薬組成物の調製のための使用に関する。
【0010】
本発明は、さらに、式Iの化合物(場合により、その互変異性体、および、その薬学的に許容しうる塩の形体)の、左心障害による肺高血圧症の治療のための医薬組成物の調製のための使用に関する。
【0011】
本発明は、さらに、式Iの化合物(場合により、その互変異性体、および、その薬学的に許容しうる塩の形体)の、肺線維症、特に特発性肺線維症のような肺疾患、および/または低酸素症に関連した肺高血圧症の治療のための医薬組成物の調製のための使用に関する。
【0012】
本発明は、さらに、式Iの化合物(場合により、その互変異性体、および、その薬学的に許容しうる塩の形体)の、慢性血栓塞栓症(CTEPH)による肺高血圧症の治療のための医薬組成物の調製のための使用に関する。
【0013】
本発明は、さらに、肺高血圧症の治療のための医薬組成物としての、式Iの化合物(場合により、その互変異性体、および、その薬学的に許容しうる塩の形体)に関する。
【0014】
本発明は、さらに、肺動脈高血圧症(PAH)の治療のための医薬組成物としての、式Iの化合物(場合により、その互変異性体、および、その薬学的に許容しうる塩の形体)に関する。
【0015】
本発明は、さらに、左心障害による肺高血圧症の治療のための医薬組成物としての、式Iの化合物(場合により、その互変異性体、および、その薬学的に許容しうる塩の形体)に関する。
【0016】
本発明は、さらに、肺線維症、特に特発性肺線維症のような肺疾患、および/または低酸素症に関連した肺高血圧症の治療のための医薬組成物としての、式Iの化合物(場合により、その互変異性体、および、その薬学的に許容しうる塩の形体)に関する。
【0017】
本発明は、さらに、慢性血栓塞栓症(CTEPH)による肺高血圧症の治療のための医薬組成物としての、式Iの化合物(場合により、その互変異性体、および、その薬学的に許容しうる塩の形体)に関する。
【0018】
ダビガトランエテキシラートの薬学的に許容しうる塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、トシル酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、および、p−トルエンスルホン酸塩、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、および、メタンスルホン酸塩から選択される酸付加塩が含まれる。塩酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、安息香酸および酢酸からなる塩が特に好ましい。本発明によれば、メタンスルホン酸からなる塩(場合により、メシル酸塩とも称される)が本発明の範囲内において、非常に重要である。
【0019】
ダビガトランエテキシラートの酸付加塩、特に、メタンスルホン酸塩は、例えば、国際公開公報第03/074056号に開示されている。そのメタンスルホン酸塩の特定の多形体IおよびII、または、その半水和物もまた先行技術(国際公開公報第2005/028468号)により周知である。本発明は、式Iの化合物の塩の溶媒和物および水和物の使用を含む。
【0020】
式Iの化合物の活性成分は、ダビガトランと称され、下記の式II:
【0021】
【化3】


に示される。
【0022】
本発明による使用には、式IIの化合物の、肺高血圧症の治療のための医薬組成物の調製のための使用が含まれる。
【0023】
本発明によれば、薬物治療を実施するために、一日あたり、好ましくは、30から500mgの間の、特に好ましくは、40から400mgの式Iの化合物が投与される。一日あたり、特に好ましくは、50〜300mgの、さらに好ましくは、150〜220mgの化合物Iが投与される。
【0024】
式Iの化合物は、好ましくは、例えば、国際公開公報第03/074056号に記載されているような多重粒子医薬製剤を用いて投与される。国際公開公報第03/74056号の図1は、適したペレットの断面図によって、好ましい医薬組成物の概略的構造を示す。このペレットのほぼ玉の形状/球状のコア領域は、薬学的に許容しうる有機酸、好ましくは、酒石酸、を含む/からなる。それから、いわゆる分離層と呼ばれる活性成分を含む層から酸のコアを分離する層がくる。分離層は、今度は、再び球状の殻の形状である活性成分層に包まれ、それは、今度は、ペレットの耐摩耗性および保存安定性を高めるコーティングで覆われてもよい。
【0025】
本発明によれば、好ましく使用されるこの種のペレット製剤の調製は、部分段階の連続によって特徴づけられる。第一に、コア1が薬学的に許容しうる有機酸から調製される。本発明の範囲内において、酒石酸がコア1の調製に使用される。このようにして得られたコア物質1は、それから、分離懸濁液2を噴霧することによって、いわゆる、分離酒石酸コア3に変換される。その次に調製されたダビガトラン懸濁液4は、一以上の工程段階中のコーティング工程によって、これらのコートされたコア3に噴霧される。このように得られた活性物質ペレット5は、それから、適したカプセルに封入される。
【0026】
次に続く実験の節では、本発明により特に好ましく使用される医薬製剤の調製を要約する。
【0027】
実施例1 − スターターペレットの調製
凹底と撹拌棒を備えた標準的な混合容器内に、480kgの水を50℃まで加熱し、撹拌しながら120kgのアカシア(アラビアゴム)を添加する。透明な溶液が得られるまで一定温度で撹拌を続ける。透明溶液が得られた時点で(通常1〜2時間後)、撹拌しながら600kgの酒石酸を添加する。酒石酸は一定温度で添加し、撹拌を続ける。添加終了後、混合液をさらに約5から6時間撹拌する。
【0028】
1000kgの酒石酸を、ゆっくりと回転している(3回転/分)噴霧と粉末添加装置を備えた無孔水平パン(unperforated horizontal pan)(例えばDriamat 2000/2.5)に添加する。噴霧開始前に、酸のサンプルをスクリーニング分析用にとっておく。問題の酸は、粒径0.4〜0.6mmの範囲の酒石酸粒子である。
【0029】
上記方法で得られた酸ゴム溶液を、このように提供された酒石酸粒子上に噴霧する。噴霧の間、供給される空気の量を、1000m3/h、35〜75℃に調節する。差圧は2ミリバール、パンの回転速度は、9回転/分である。ノズルは、中身より350〜450mm離れて配置すべきである。
【0030】
酸ゴム溶液を、代替的に、以下の過程で噴霧する。約4.8kgの酸ゴム溶液を粒径0.4〜0.6mmの酒石酸粒子上に噴霧し、溶液を分配後、約3.2kgの酒石酸粉末を湿気を帯びた酒石酸粒子に振りかける。問題の酒石酸粉末は、粒径が50ミクロン未満の上質な酒石酸粒子からなる。全部で800kgの酒石酸粉末が必要である。上記酒石酸粉末を振りかけ、分配した後、噴霧物質を、製品温度が約40℃に達するまで乾燥させる。今度は、酸ゴム溶液の噴霧を行う。
【0031】
これらのサイクルを酸ゴム溶液を使い切るまで繰り返す。その過程が終了した時点で、酸ペレットを、3rpmで240分間、パン中乾燥させる。乾燥終了後のケーキングを防ぐために、断続的なプログラムを毎時3分間3rpmで実行する。本例では、このことは、パンを1時間おきに3分間3rpmで回転させ、その後、放置することを意味する。酸ペレットを、その後、乾燥装置に移す。その後、60℃で48時間を超えてそれらを乾燥させる。最後に、粒径分布をスクリーニング分析により決定する。直径0.6〜0.8mmの粒径が産物に対応する。この比率は、85%を超えていなければならない。
【0032】
実施例2 − スターターペレットの分離
分離懸濁液を調製するために、666.1(347.5)kgのエタノールを混合容器に入れ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(33.1(17.3)kg)を約600rpmで撹拌しながら添加し、溶解させる。その後、同様の条件下、0.6(0.3)kgのジメチコンを添加する。使用の直前に、タルク(33.1(17.3)kg)を、再度撹拌しながら添加し、懸濁する。
【0033】
酸ペレット1200(600)kgをコーティング装置(例えば、GS-Coater Mod. 600/Mod. 1200)に注入し、回転するパン中、何時間も続く連続した噴霧過程において、1200kgの混合物の場合には32kg/h、600kgの混合物には21kg/hの噴霧速度で、上記記載の分離懸濁液をその中に噴霧する。ペレットも70℃以下の温度で連続的に供給空気により乾燥させる。
【0034】
GS-Coaterが空になった後、分離スターターペレットをスクリーニングにより分画する。直径1.0mm以下の産物画分を保存し、さらに使用する。
【0035】
実施例3 − ダビガトランエテキシラート懸濁液の調製
26.5kgのヒドロキシプロピルセルロースを、プロペラ撹拌器を取り付けた1200リットルの混合容器中の720kgのイソプロパノールに添加し、混合液を完全に溶解するまで(約12〜60時間;約500rpm)撹拌する。溶液が透明になった時点で、132.3kgのダビガトランエテキシラートメタンスルホナート(多形体I)を撹拌しながら(400rpm)添加し、混合液をさらに約20〜30分間撹拌する。その後、21.15kgのタルクを一定の撹拌速度で添加し、同じ速度でさらに約10〜15分間継続して撹拌する。上記記載の過程は、好ましくは、窒素雰囲気下で実施する。
【0036】
形成されたすべての固まりを、UltraTurrax stirrerを使用し、ホモジナイズにより破壊する(約60〜200分間)。懸濁液の温度は、全製造過程にわたり30℃を超えてはならない。
【0037】
懸濁液は、確実に沈殿がおこらないようにするため、さらなる過程の準備ができるまで撹拌する(約400rpm)。
【0038】
懸濁液を30℃未満で保存する場合、最大でも48時間以内にさらなる処理をしなければならない。例えば、懸濁液を製造し、22℃で保存する場合、60時間以内にさらなる処理をしなければならない。
【0039】
実施例4 − ダビガトランエテキシラート活性物質ペレットの調製
無孔容器を備えた水平パンを使用する(GS Coater Mod. 600)。流動床法と対照的に、「上方噴霧」(top-spray)法により、回転パン中、ペレットの流動床に懸濁液を噴霧する。それは、直径1.4mmのノズルを通して噴霧される。乾燥空気は、ペレットの床に、いわゆる浸漬翼(immersion blade)を介して入れられ、塗布装置の後壁の穴を通して出される。
【0040】
実施例2により得られた酒石酸ペレット320kgを水平パンに入れ、ペレットの床を加熱する。目的物の温度が43℃に達した時点で、噴霧を開始する。実施例3により事前に調製された900kgの懸濁液を、最初、2時間、噴霧速度20kg/hで、その後、24kg/hで噴霧する。懸濁液を絶えずに撹拌する。供給される空気の温度は最高でも75℃である。供給される空気の量は約1900m3/hである。
【0041】
その後、ペレットを、水平パン(5回転/分)中、空気流入温度が少なくとも30℃、最高で50℃、空気流入量が500m3/hで、約1〜2時間を超えて乾燥させる。
【0042】
このように得られた325kgのペレットを、その後、再度水平パンに入れ、43℃まで加熱する。実施例3により事前に調製された懸濁液900kgを、まず、2時間、噴霧速度20kg/hで、その後、24kg/hで噴霧する。懸濁液を常に撹拌する。供給される空気の温度は最高で75℃である。供給される空気の量は約1900m3/hである。
【0043】
その後、ペレットを、水平パン(5回転/分)中、空気流入温度が少なくとも30℃、最高で50℃、空気流入量が500m3/hで、約1〜2時間を超えて乾燥させる。
【0044】
乾燥したペレットを、その後、メッシュサイズ1.6mmの振動ふるいに通し、更なる過程に必要になるまで、乾燥剤入りの容器に保存する。
【0045】
実施例5 − 処方の例
以下の処方の例は、その後、ヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルに充填することにより、実施例4により得られた活性物質ペレットから得られる:
【0046】
【表1】

【0047】
別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療のための上記記載の医薬製剤の一つに関する。
【0048】
別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療のための、60〜90mgの、好ましくは、70〜80mgの、特に好ましくは、約75mgの、式Iのダビガトランエテキシラートを含む医薬製剤に関する。別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療のための、90〜130mgの、好ましくは、100〜120mgの、好ましくは、105〜115mgの、特に好ましくは、約110mgの、式Iのダビガトランエテキシラートを含む医薬製剤に関する。
【0049】
別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療のための、60〜90mgの、好ましくは、70〜80mgの、特に好ましくは、約75mgの、式Iのダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸塩の多形体Iの形体を含む医薬製剤に関する。別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療のための、90〜130mgの、好ましくは、100〜120mgの、好ましくは、105〜115mgの、特に好ましくは、約110mgの、式Iのダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸塩の多形体Iの形体を含む医薬製剤に関する。
【0050】
別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療のための、式Iのダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸塩の多形体Iの形体に加えて、ヒドロキシメチルプロピルセルロースも含む医薬製剤に関する。
【0051】
別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療のための、式Iのダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸塩の多形体Iの形体に加えて、ポリジメチルシロキサンも含む医薬製剤に関する。
【0052】
別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療のための、式Iのダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸塩の多形体Iの形体に加えて、成分、アラビアゴム、酒石酸、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ポリジメチルシロキサン、タルクおよびヒドロプロピルセルロースを含む医薬製剤に関する。
【0053】
別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療のための、式Iのダビガトランエテキシラートのメタンスルホン酸塩の多形体Iの形体に加えて、成分、アラビアゴム、酒石酸、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ポリジメチルシロキサン、タルクおよびヒドロプロピルセルロースのみを含む医薬製剤に関する。
【0054】
本発明のさらなる形態は、肺−動脈高血圧症(PAH)の治療、左心障害による肺高血圧症の治療、肺線維症、特に特発性肺線維症のような肺疾患、および/または低酸素症に関連した肺高血圧症の治療、ならびに、慢性血栓塞栓症(CTEPH)による肺高血圧症の治療のための上記記載の医薬製剤に関する。
【0055】
別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療、好ましくは、肺−動脈高血圧症(PAH)の治療、左心障害による肺高血圧症の治療、肺線維症、特に特発性肺線維症のような肺疾患、および/または低酸素症に関連した肺高血圧症の治療、ならびに、慢性血栓塞栓症(CTEPH)による肺高血圧症の治療のための過程に関し、式Iのダビガトランエテキシラートを、場合により、その互変異性体、その薬学的に許容しうる塩、その多形体、その溶媒和物またはその水和物の形体で使用することを特徴とする。
【0056】
別の形態において、本発明は、肺高血圧症の治療、好ましくは、肺−動脈高血圧症(PAH)の治療、左心障害による肺高血圧症の治療、肺線維症、特に特発性肺線維症のような肺疾患、およびに/または低酸素症に関連した肺高血圧症の治療、ならびに、慢性血栓塞栓症(CTEPH)による肺高血圧症の治療のための過程に関し、式Iのダビガトランエテキシラートを、上記記載の医薬製剤の一つの形体で使用することを特徴とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肺高血圧症の治療のための薬剤としての式I:
【化4】


(場合により、その互変異性体およびその薬学的に許容しうる塩の形体)の化合物。
【請求項2】
薬学的に許容しうる塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、トシル酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、および、p−トルエンスルホン酸塩、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、および、メタンスルホン酸塩から選択される、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項3】
肺−動脈高血圧症(PAH)、左心障害による肺高血圧症、肺線維症、特に特発性肺線維症のような肺疾患、および/もしくは低酸素症に関連した肺高血圧症の治療のための、または、慢性血栓塞栓症(CTEPH)による肺高血圧症の治療のための薬剤としての、請求項1または2記載の式Iの化合物。
【請求項4】
肺高血圧症の治療のための医薬組成物の調製のための、請求項1または2記載の式Iの化合物の使用。
【請求項5】
肺−動脈高血圧症(PAH)、左心障害による肺高血圧症、肺線維症、特に特発性肺線維症のような肺疾患、および/もしくは低酸素症に関連した肺高血圧症の治療のための、または、慢性血栓塞栓症(CTEPH)による肺高血圧症の治療のための医薬組成物の調製のための、請求項4記載の式Iの化合物の使用。

【公表番号】特表2012−500243(P2012−500243A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523403(P2011−523403)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060590
【国際公開番号】WO2010/020600
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】