説明

背もたれ付き便器装置

【目的】 背もたれと便蓋の双方を備えた便器装置においても、「ユーザーの背中に前記便蓋が接触してしまうことによる、背もたれによるリラックス効果の減少」の問題、便蓋の便座に接触する側の面がユーザーの背中に接触することによる衛生上の問題、及びユーザーに不潔感を与えてしまうという問題を回避することができる、便器装置を提供する。
【構成】 便座の後方に配置された背もたれと、前記背もたれから前記便座に向かう方向又は前記便座から前記背もたれに向かう方向に沿って折り曲げ可能に形成されている便蓋と、前記背もたれの内部に前記便蓋が収容可能に形成されている便蓋用空洞部と、前記便蓋を前記便座上の位置と前記背もたれ内の便蓋用空洞部内の位置との間で往復移動させるための便蓋移動手段と、前記便蓋移動手段を制御するための便蓋移動制御手段とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背もたれ付き便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、便座の背後に背もたれを備えた便器装置が提案されている。例えば、図8は、特許文献1により開示された便器装置である。この特許文献1の便器装置においては、便器の上方を覆うための便蓋がその使用時のユーザーから見て後ろ側に在るヒンジ部を支点として回動可能に備られており、軟質部材から成る背もたれが前記便座の前記後ろ側に備えられており、且つ、前記背もたれのユーザーに対向する表面の略中央部に前記便蓋が入り込めるような凹部が形成されている。この特許文献1の便器装置は、便器装置に背もたれを付けた場合、「背もたれとユーザーの背中との間に便蓋が介在してしまうため、ユーザーが背もたれを利用しようとした場合、ユーザーの背中に便蓋が接触してしまい、ユーザーの背中に違和感を与えて、背もたれによるリラックス効果が半減してしまうという問題」を解決するために、前述のような構成を採用している。すなわち、特許文献1の便器装置によれば、ユーザーが便器を使用するために前記便蓋を前記背もたれ側に開いたとき、前記便蓋が前記凹部に入り込む結果、前記便蓋のユーザーと対向する面と背もたれのユーザーと対向する面との間に段差が無くなるので、「ユーザーの背中に前記便蓋が接触してしまうことによる、背もたれによるリラックス効果の減少」の程度を低減することができる。
【特許文献1】特願平8−187205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1に示すような便器装置においては、前記便蓋を前記背もたれ側に開いたとき、前記便蓋の裏側(便蓋の便座に接触する側の面)がユーザーの背中に直接に接触してしまうことになるので、衛生上の問題やユーザーに不潔感を与えてしまうという問題があった。
【0004】
また、従来の便器装置においては、便座上に配置する便座シートは、本発明者の知る限りでは、便座上に常時固定するタイプか、ユーザーが便座の使用前に自分の手で便座上に広げて載置し使用後は便器の中に捨てて水に流すタイプかの2種類しか無い。しかし、便座上に常時固定するタイプの便座シートは、複数のユーザーが使用する場合は衛生上の問題や各ユーザーに不潔感を与えてしまうという問題があった。また、ユーザーが便座の使用前に自分の手で便座上に広げて使用後は水に流すタイプの紙製の便座シートは、ユーザーにとって煩雑で薄いため使い心地が悪いという問題があった。特に前述のような紙製の使い捨てタイプは、薄い紙製で所定の厚みも弾力も全く無いなので、使い心地が悪いという問題があった。
【0005】
また、従来の洋式の便器装置においては、便座の高さが多数の人の平均身長に合わせて作られているので、身長の低い人や子供などにとっては、便座の高さが高すぎて排便時に腹部に力を入れ難いという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、背もたれと便蓋の双方を備えた便器装置においても、「ユーザーの背中に前記便蓋が接触してしまうことによる、背もたれによるリラックス効果の減少」の問題を回避することができ、便蓋の便座に接触する側の面がユーザーの背中に接触することによる衛生上の問題やユーザーに不潔感を与えてしまうという問題を回避することができる、背もたれ付き便器装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、複数のユーザーが便座シートを使用する場合でも衛生上の問題や各ユーザーに不潔感を与えてしまうという問題を回避することができ、ユーザーにとって使い心地の良い便座シートを簡便に使用できるような、背もたれ付き便器装置を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、身長の低い人や子供などにとっても、便座の高さが高すぎて排便時に腹部に力を入れ難いという問題を回避することができる、背もたれ付き便器装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような課題を解決するための本発明による背もたれ付き便器装置は、便座の後方に配置された背もたれと、便座の上方に配置される便蓋であって、少なくとも前記背もたれから前記便座に向かう方向又は前記便座から前記背もたれに向かう方向に沿って折り曲げ可能に形成されている便蓋と、前記背もたれの内部に、前記便蓋が収容可能に形成されている背もたれ内の便蓋用空洞部と、前記便蓋を前記便座上の位置と前記背もたれ内の便蓋用空洞部内の位置との間で往復移動させるための便蓋移動手段と、ユーザーによる便座の使用が開始されるときは前記便蓋を前記便座上の位置から前記背もたれ内の便蓋用空洞部内の位置へ移動させると共に、ユーザーによる便座の使用が終了したときは前記便蓋を前記背もたれ内の便蓋用空洞部内の位置から前記便座上の位置に移動させるように、前記便蓋移動手段を制御するための便蓋移動制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明による背もたれ付き便器装置においては、前記背もたれ内の便蓋用空洞部は、前記便蓋用空洞部内に収容されている便蓋の表面を殺菌するための殺菌手段を備えている、ことが望ましい。
【0011】
また、本発明による背もたれ付き便器装置においては、前記便座の左右にそれぞれ配置された肘掛けと、前記各肘掛けの内部にそれぞれ形成され、前記便座の左右の略半分をそれぞれ覆うことができる便座シート(この便座シートは、ユーザーの使い心地を良くするために、少なくとも表面側は柔軟な部材である程度の厚み(例えば約2〜5mm又はそれ以上)を有することが望ましい)を収容可能に形成されている各肘掛け内の便座シート用空洞部と、前記各便座シートを前記便座の左右の略半分の上の位置と前記左右の各肘掛け内の便座シート用空洞部内の位置との間で往復移動させるための便座シート移動手段と、ユーザーによる便座の使用が開始されるときは前記各便座シートを前記各肘掛け内の便座シート用空洞部内の位置から前記便座の左右の略半分の上の位置にそれぞれ移動させると共に、ユーザーによる便座の使用が終了したときは前記各便座シートを前記便座の左右の略半分の上の位置から前記各肘掛け内の便座シート用空洞部内の位置へ移動させるように、前記便座シート移動手段を制御するための便座シート移動制御手段と、を備えたことが望ましい。
【0012】
また、本発明による背もたれ付き便器装置においては、前記各肘掛け内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを殺菌するための便座シート殺菌手段、が備えられている、ことが望ましい。
【0013】
また、本発明による背もたれ付き便器装置においては、前記各肘掛け内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを加温するための便座シート加温手段、が備えられている、ことが望ましい。
【0014】
また、本発明による背もたれ付き便器装置においては、前記各肘掛け内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを、その表面の異物を除去することにより、清掃するための便座シート清掃手段、が備えられている、ことが望ましい。
【0015】
また、本発明による背もたれ付き便器装置においては、前記便座のユーザーから見て前方の位置に配置され、前記便座に腰掛けているユーザーの両脚を載せるための載置台と、前記載置台を、床面又はこれに近接した第1の高さ位置と前記第1の高さ位置よりも所定距離だけ上昇した第2の高さ位置との間で昇降させるための昇降部と、を備えたことが望ましい。
【0016】
また、本発明による背もたれ付き便器装置においては、便座の後方に配置された背もたれと、便座の上面の一部又は全体を覆うことができる便座シート(この便座シートは、ユーザーの使い心地を良くするために、少なくとも表面側は柔軟な部材である程度の厚み(例えば約2〜5mm又はそれ以上)を有することが望ましい)であって、少なくとも前記背もたれから前記便座に向かう方向又は前記便座から前記背もたれに向かう方向に沿って折り曲げ可能に形成され、且つ、少なくともその表面側がプラスチックやゴムなどの柔軟な素材により形成されている便座シートと、前記背もたれの内部に形成され、前記便座シートを収容可能に形成された背もたれ内の便座シート用空洞部と、前記便座シートを前記便座上の位置と前記背もたれ内の便座シート用空洞部内の位置との間で往復移動させるための便座シート移動手段と、ユーザーによる便座の使用が開始されるときは前記便座シートを前記背もたれ内の便座シート用空洞部内の位置から前記便座上の位置に移動させると共に、ユーザーによる便座の使用が終了したときは前記便座シートを前記便座上の位置から前記背もたれ内の便座シート用空洞部内の位置へ移動させるように、前記便座シート移動手段を制御するための便座シート移動制御手段と、を備えたことが望ましい。
【0017】
また、本発明による背もたれ付き便器装置においては、前記背もたれ内の便座シート用空洞部は、前記背もたれ内の便蓋用空洞部と一体に形成されている、ことが望ましい。
【0018】
また、本発明による背もたれ付き便器装置においては、前記背もたれ内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを殺菌するための便座シート殺菌手段、が備えられている、ことが望ましい。
【0019】
また、本発明による背もたれ付き便器装置においては、前記背もたれ内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを加温するための便座シート加温手段、が備えられている、ことが望ましい。
【0020】
さらに、本発明による背もたれ付き便器装置においては、前記背もたれ内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを、その表面の異物を除去することにより、清掃するための便座シート清掃手段、が備えられている、ことが望ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明においては、便蓋を少なくとも背もたれから便座に向かう方向又は便座から背もたれに向かう方向に沿って折り曲げ可能に形成し、便座の後方に配置された背もたれの内部に前記便蓋を収容可能な便蓋用空洞部を形成し、前記便蓋を、ユーザーによる便座の使用が開始されるときは前記便座上の位置から前記便蓋用空洞部内の位置へ移動させると共に、ユーザーによる便座の使用が終了したときは前記便蓋用空洞部内の位置から前記便座上の位置に移動させるようにしている。よって、本発明によれば、ユーザーが便座を使用するときでも、従来の便器装置において生じていた「便蓋が背もたれのユーザー側に配置されるために、便蓋の便座と接触していた側がユーザーの背中に接触してしまい、不衛生で、またユーザーに不潔感を与えてしまうという問題」を回避することができ、ユーザーが背もたれに背中を付けることにより十分なリラックス感を得られるようになる。
【0022】
また、本発明において、前記便蓋用空洞部に、その内部に収容されている便蓋の表面を殺菌するための殺菌手段を備えるようにしたときは、前記便蓋を常に衛生的に保つことができるようになる。
【0023】
また、本発明においては、前記便座の左右にそれぞれ肘掛けを配置し、この肘掛けの内部に形成された便座シート用空洞部内に前記便座の左右の略半分の上面をそれぞれ覆うことができる便座シートをそれぞれ収容し、前記各便座シートを、ユーザーによる便座の使用が開始されるときは前記各便座シート用空洞部内の位置から前記便座の左右の略半分の上の位置にそれぞれ移動させると共に、ユーザーによる便座の使用が終了したときは前記便座の左右の略半分の上の位置から前記便座シート用空洞部内の位置へ移動させるようにしている。よって、本発明によれば、従来の便器装置において生じていた「複数のユーザーが便座上に常時固定するタイプの便座シートを使用する場合は各ユーザーに不潔感や衛生上の問題を与えてしまう、また、ユーザーが便座の使用前に自分の手で便座上に広げて使用後は水に流すタイプの紙製の便座シートを使用する場合は煩雑で薄いため使い心地が悪いという問題」を回避することができ、ユーザーは、便座シートの使用の際に衛生上の問題や不潔感を感じることなく、便座シートを簡単に且つ手軽に使用できるようになる。
【0024】
また、本発明において、前記肘掛け内の便座シート用空洞部に、便座シートを殺菌するための便座シート殺菌手段を備えるようにしたときは、ユーザーは、常に衛生的な便座シートを使用できるようになる。
【0025】
また、本発明において、前記肘掛け内の便座シート用空洞部に、便座シートを加温するための便座シート加温手段を備えるようにしたときは、ユーザーは、冬季に暖かい便座シートを使用できるようになる。
【0026】
また、本発明において、前記肘掛け内の便座シート用空洞部に、便座シートの表面を清掃するための便座シート清掃手段を備えるようにしたときは、ユーザーは、常に清潔な便座シートを使用できるようになる。
【0027】
また、本発明において、前記便座のユーザーから見て前方の位置に載置台を配置し、この載置台を床面又はこれに近接した位置とそれより高い位置との間で昇降させるようにしたときは、ユーザーは、自分の両脚を自分の身長に合わせて適度な高さとすることができ、排便時に容易に腹圧をかけられる(和式の便器を使用しているのと同様の体勢を採ることができる)ようになる。
【0028】
また、本発明においては、前記背もたれの内部に便座シートを収容可能な便座シート用空洞部を形成し、前記便座シートを、ユーザーによる便座の使用が開始されるときは前記背もたれ内の便座シート用空洞部内の位置から前記便座上の位置に移動させると共に、ユーザーによる便座の使用が終了したときは前記便座上の位置から前記背もたれ内の便座シート用空洞部内の位置へ移動させるようにしている。よって、本発明によれば、従来の便器装置において生じていた「複数のユーザーが便座上に常時固定するタイプの便座シートを使用する場合は各ユーザーに不潔感や衛生上の問題を与えてしまう、また、ユーザーが便座の使用前に自分の手で便座上に広げて使用後は水に流すタイプの紙製の便座シートを使用する場合は煩雑で薄いため使い心地が悪いという問題」を回避することができ、ユーザーは、便座シートの使用の際に衛生上の問題や不潔感を与えることなく、便座シートを簡単に且つ手軽に使用できるようになる。
【0029】
また、本発明において、前記背もたれ内に形成される便蓋用空洞部と便座シート用空洞部とを一つの空洞部として一体に形成するようにすれば、前記背もたれの内部のスペースを効率的に利用できるようになり、背もたれ部分の低コスト化・薄型化などが容易になる。
【0030】
また、本発明において、前記背もたれ内の便座シート用空洞部に、便座シートを殺菌するための便座シート殺菌手段を備えるようにしたときは、ユーザーは、常に便座シートを衛生的な状態で使用できるようになる。
【0031】
また、本発明において、前記背もたれ内の便座シート用空洞部に、便座シートを加温するための便座シート加温手段を備えるようにしたときは、ユーザーは、冬季などに便座シートを暖かい状態で使用できるようになる。
【0032】
さらに、本発明において、前記背もたれ内の便座シート用空洞部に、便座シートの表面を清掃するための便座シート清掃手段を備えるようにしたときは、ユーザーは、常に便座シートを清潔な状態で使用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明を実施するための最良の形態は以下の実施例1について述べるような形態である。
【実施例1】
【0034】
図1は本発明の実施例1による背もたれ付き洋式便器装置の外観を示す斜視図である。図1(a)において、1は便器、2は前記便器1のユーザーが座る部分に備えられた便座、3は前記便座2の図示右側端部2aに隣接して配置されたヒンジ部であって前記便器1を小便用に使用するときに前記便座2を持ち上げて図示右側方向に回動させるためのヒンジ部、4は前記便座2の後方に配置された水タンク、5は前記便座2と前記水タンク4との間に配置された背もたれ、5aは前記背もたれ5の図示下端部のユーザー側(前記便座2の図示右側端部2aと近接・対向する部分)に形成された便蓋用の出入口であって後述の便蓋が出し入れされるための出入口である。
【0035】
前記の図1(a)においては、図示の便宜上、本実施例1に含まれる肘掛け及び昇降台(図2Aなどに関して後述する)の図示を省略している。図1(b)はこの肘掛けを示す図である。図1(b)において、6は前記便器1及び便座2の両サイドにそれぞれ配置された肘掛け、6aは前記肘掛け6をトイレの床面7から支持する支持部である。
【0036】
次に、本実施例1に含まれる背もたれ及び便蓋の構成を、図2A及び図2Bを参照して説明する。図2A,図2Bにおいて、5bは前記背もたれ5の内部に形成された空洞部、11は前記空洞部5b内に収容されている便蓋、5cは前記空洞部5b内の位置と前記便座2上の位置との間を往復移動する便蓋11が前記出入り口5aの近傍をスムーズに移動・通過できるように案内するための湾曲面が形成された案内部(湾曲面)、12は前記便蓋11の図示上端部11aにその一端が接続されたワイヤ(可動部)、13は前記ワイヤ12の他端が接続されておりモータ(図示せず)の回転により前記ワイヤ12を巻き取るための又は前記モータの逆回転により巻き取り状態から前記ワイヤ12を引き出すためのワイヤ巻取り部、14は前記空洞部11内の複数箇所に設置された殺菌用の紫外線ランプ、である。
【0037】
また、図2A、図2Bにおいて、15はトイレの出入り口用のドアの近傍、例えばトイレ内の前記便座2の近傍に設置された赤外線センサなどから構成される人感センサ、16はユーザーが本実施例1の諸機能を操作するためのリモコン(リモートコントローラ)、17は前記人感センサ15又は前記リモコン16からの信号に基づいて前記ワイヤ巻取り部13及び前記紫外線ランプ14を制御するためのマイクロコンピュータなどで構成される制御部、である。
【0038】
また、図3Aは本実施例1の便蓋11の一例を示す図で、図3A(a)はその平面部、図3A(b)はその側面図である。前記便蓋11はプラスチックやゴムなどの可とう性素材(柔軟な素材)により構成されており、図3A(c)に示すように、前記便座2と前記空洞部5bとの間を往復移動する方向(図2A,図2Bの図示左右方向)に沿って折り曲げ・湾曲可能に形成されている。
【0039】
したがって、図3Aに示すような便蓋11を使用するときは、図2A及び図2Bに示すように前記便蓋11が前記空洞部5b内から前記出入り口5aを通過して前記便座2上に移動するとき、前記便蓋11は、前記出入り口5aの近傍(前記案内部5cの湾曲面の上)で前記の図3A(c)に示すように自らが容易に湾曲するので、スムーズに前記移動を行える。
【0040】
また、図3Bは本実施例1の便蓋11の他の例を示す図で、図3B(a)はその平面部、図3B(b)はその側面図である。この他の例では、前記便蓋11は、図に示すような複数の図示横方向の細長い板11aと、前記各板11aの間を接続する軸11bとから成る、簾(すだれ)状に形成されている。すなわち、前記軸11bは、互いに隣接する前記板11a同士を所定角度まで折り曲げ可能に接続している。よって、この他の例でも、前記便蓋11は、図3Bに示すように前記便蓋11が前記空洞部5b内から前記出入り口5aを通過して前記便座2上に移動するとき、前記便蓋11は、前記出入り口5aの近傍(前記案内部5cの湾曲面の上)で前記の図3B(c)に示すように自らが容易に湾曲するので、スムーズに前記移動を行える。
【0041】
次に、本実施例1における前記便蓋11の動作を、図2A及び図2Bを参照して説明する。本実施例1では、前記便蓋11の動作方法に関して、前記人感センサ15により自動的に移動させるか、それともユーザーの操作により移動させるかを、予めリモコン16によりユーザーが設定しておく。ここでは、前記人感センサ15により自動的に移動させるように予め設定しておいた場合の動作について説明する(なお、以下の説明において、「前記人感センサ15からの検知信号の前記制御部17への入力」を、「ユーザーのリモコン16の操作による信号の前記制御部17への入力」と置き換えても、基本的に同じ動作が行われる)。
【0042】
まず、ユーザーが便器を使用していない場合は、図2Aに示すように、前記便蓋11は、前記便座2の上に配置された状態に保持されている。この状態においては、前記ワイヤ12が前記ワイヤ巻取り部13から引き出されており、前記ワイヤ12の図示下端部が前記背もたれ5の出入口5aの近傍の位置まで下降している。
【0043】
次に、ユーザーが前記便器1を使用するためにドアを開けてトイレの中に侵入して前記便座2に近づくと、前記人感センサ15がユーザーの存在を検知し、その検知信号が前記制御部17に入力される。前記制御部17は、この検知信号の入力を受けると、前記ワイヤ巻取り部13のモータを制御して、前記ワイヤ12を巻き取らせる。すると、前記便蓋11は、前記の巻き取られるワイヤ12により図示斜め上方に引っ張られて、前記便座2上の位置(図2Aに示す状態)から、前記出入り口5aを通過し、前記案内部(湾曲面)5cの上を自らが湾曲しながらスムーズに移動し、前記空洞部5bの方向へ移動する。その結果、前記便蓋11は、図2Bに示すように前記空洞部5b内に収容される。このように、図2Bに示す状態となると、前記便座2の上に便蓋11が存在しないので、ユーザーは、前記便座2を使用することができる。
【0044】
また、本実施例1では、図2Bに示すように、前記便蓋11が前記空洞部5b内に収容されているとき、前記制御部17は、所定のタイミングで前記紫外線ランプ14を所定時間だけ点灯させ、前記空洞部5b内の前記便蓋11の表面を殺菌する。
【0045】
次に、ユーザーによる前記便座2の使用が終了してユーザーが前記便座2から離れると、前記人感センサ15がそれを検知し、その検知信号を前記制御部17に出力する。前記制御部17は、この検知信号の入力を受けると、前記ワイヤ巻取り部13のモータを制御して、前記ワイヤ12を現在の巻き取り状態から反対に引き出させる。すると、前記便蓋11は、前記引き出されるワイヤ12により図示斜め下方に押し出されて(図2Aの矢印α参照)、前記空洞部5b内の位置(図2Bに示す状態)から、前記案内部5c(湾曲面)の上を自らが湾曲しながらスムーズに移動し、前記出入り口5aを通過し、前記便座2の方向へ移動する。その結果、前記便蓋11は、図2Aに示すように前記便座2上に配置される。
【0046】
次に、本実施例1に含まれる昇降台の構成を、図2A及び図2Bを参照して説明する。図2A、図2Bにおいて、21はユーザーの両脚を載せたままユーザーの両脚の高さ位置を調整するための昇降台、22は前記床面7の凹部内に設置された基部、23は前記基部22の上に固定されており外壁面の断面が略蛇腹状に形成されているエアバック、24は前記エアバック23の上に固定された載置部(ユーザーの両脚を載せる部分で、その平面は、ユーザーから見て横長の長方形状に形成されている)、25は前記エアバック23にチューブ26を介して圧縮空気を供給するためのエアポンプ、である。本実施例1では、前記基部22、前記エアバック23、前記載置部24、前記エアポンプ25、及び前記チューブ26により、前記昇降台21が構成されている。
【0047】
次に、前記昇降台21の動作を、図2A及び図2Bを参照して説明する。前記昇降台21は、通常は、図2Aに示す状態に保持されている。この場合は、前記載置台24の平面は、トイレの床面7とほとんど段差がない略同一平面上に保たれている。前記便器1及び便座2を使用しようとするユーザーが子供や身長の低い人である場合、排便時に腹圧を容易に掛けやすくするために、その両脚の下端部を少し上方に上げたいと希望することがある。そこで、本実施例1では、このようなときに、ユーザーが前記リモコン16を操作することにより、前記のユーザーが両脚を置いた前記載置台24を図示上方に所定距離(ユーザーの任意の距離)だけ上昇させることができるようにしている。
【0048】
すなわち、本実施例1では、前記の図2Aに示す状態から、ユーザーが前記リモコン16を操作して前記載置台24の上昇を指令すると、前記制御部17が前記エアポンプを作動させる。すると、前記エアポンプ25は吸気動作により圧縮空気を作り、これを前記チューブ26を介して前記エアバック23に供給し、エアバック24を所定の体積まで膨張させる。これにより、前記載置台24は、図2Bに示すように所定距離だけ上昇する。よって、ユーザーは、前記の上昇した載置台24の上に両脚を置くことにより、排便時に腹圧を容易に掛けやすい体勢(和式の便器を使用しているのと同様の体勢)を採ることができる。なお、このとき、ユーザーは、前記リモコン16を操作することにより、前記エアバック24の膨張度合いを任意に調整して、前記載置台24の上昇距離を任意に調整することができる。次に、排便が終了したら、ユーザーが前記リモコン16を操作して前記載置台24の下降を指令する。すると、前記制御部17が前記エアポンプ25を制御して、前記エアポンプ25を開放状態とさせて、前記エアバック23から圧縮空気を排出させて前記エアバック23の体積を収縮させる。これにより、前記載置台24は、図2Aに示すように、元の床面7と略同一の高さまで下降する。
【0049】
次に、本実施例1において使用される便座シートの構成と動作を図4Aを参照して説明する。図4Aは、本実施例1において、前記便座2の上に配置される便座シートの動作を概念的に示す図である。なお、図4Aにおいては、前述の図1(a)におけると同様に、肘掛けの図示を、図示の便宜上から省略している。図4Aに示すように、本実施例1においては、前記便座2の図示左奥側の略半分の上面に、これと対応する形状である略三日月形状の便座シート31aが、配置されている。また、前記便座2の図示右手前側の略半分の上面に、これと対応する形状である略三日月形状の便座シート31bが、配置されている。本実施例1では、前記の2つの左右対称の略三日月状の便座シート31a及び31bが、それぞれ前記便座2上の略半分の上を覆うように配置される。これにより、前記便座2の上面の略全体が前記2つの便座シート31a及び31bにより覆われ、前記便座2を使用するユーザーの臀部が前記便座シート31a,31b上に接触する。また、本実施例1において、前記便座シート31a,31bは、ユーザーの使い心地が良いように、少なくとも表面側は柔軟な部材により形成され、ある程度の厚み(例えば約2mm以上の厚み、又は約2mm〜約5mmの厚み)を有するように構成されている。
【0050】
また、本実施例1では、図4Aに示すように、図示左側の便座シート31aの略中央の図示左側の端部31a1にワイヤ29が、また、図示右側の便座シート31bの略中央の図示右側の端部31b1にワイヤ29が、それぞれ接続されている。詳しくは後述するが、これらの各便座シート31a,31bは、それぞれ前記ワイヤ29により押されるか又は引っ張られることにより、前記肘掛け6内から前記便座2上へ又は前記便座2上から前記肘掛け6内へ、移動(出し入れ)されるようになっている。図4Bは、このような動作の一部を示す概念図で、前記便座シート31aが前記ワイヤ29に支持されて(押されて)、前記背もたれ6の内部から出入口33を介して排出され、前記便座2の図示左半分の上に向かって移動しているときの状態を示すものである。
【0051】
次に、本実施例1に含まれる肘掛け6(図1(b)参照)の内部構造及び動作を図5A及び図5Bを参照して説明する。本実施例1においては、図1(b)に示すように、前記便座2の両サイドにそれぞれ肘掛け6が配置されているが、これから説明する図5A及び図5Bにおいては、便宜上、図1(b)の図示左側の肘掛け6のみを示し、同右側の肘掛け6については図示を省略している。
【0052】
図5A及び図5Bにおいて、6は前記便座2の図示左側に隣接するように配置された例えばプラスチック製の肘掛け、6aは前記肘掛け6をトイレの床面7から支持するための支持部である。また、32は前記肘掛け6の内部に形成され前記便座シート31aを収容可能な空洞部、である。また、33は、前記空洞部32内と前記便座2上の位置との間で前記便座シート31aを往復移動させるために、前記肘掛け6の外壁部の前記便座2の図示左側端部2bと対向する部分に形成された出入口(前記空洞部32と外部との間の出入口)、である。
【0053】
また、図5A及び図5Bにおいて、34a,34bは前記便座シート31aが前記空洞部32内と前記便座2上との間をスムーズに移動できるように案内するための案内部、である。前記案内部34a,34bは、前記便座シート31a対向する薄い板により形成され、図示下方部分(前記出入り口33の近傍の部分)が湾曲面となっている。前記2つの案内部34a,34bは、互いに平行に配置され、その間を前記便座シート31aが移動可能となっている。
【0054】
また、図5A及び図5Bにおいて、29は前記便座シート31aの前記図示左側端部31a1に接続されたワイヤ、30は前記ワイヤ29をモータにより自らに巻き取るか又はモータを逆回転させて巻き取られた状態のワイヤを引き出すためのワイヤ巻取り部、である。前記ワイヤ巻取り部30は、前記空洞部32の図示上方に配置されている。
【0055】
また、図5A及び図5Bにおいて、35a,35bは前記案内部34a,34bの内側の面(前記便座シート31aと対向する面)に設けられた面状ヒータ、である。前記面状ヒータ35a,35bは、特に冬季において、前記空洞部32内に収容されている前記便座シート31aを例えば人体と同様の温度まで加温するために使用されるものである。
【0056】
また、図5A及び図5Bにおいて、36a,36bは、前記空洞部32内の前記案内部34a,34bの上方の位置に設けられた紫外線ランプ、である。前記紫外線ランプ36a,36bは、前記空洞部32内に収容されている前記便座シート31aを殺菌するために使用されるものである。
【0057】
また、図5A及び図5Bにおいて、37a,37bは、前記案内部34a,34bの前記出入り口33近傍の端部に設けられた清掃ローラ、である。前記清掃ローラ37a,37bは、前記清掃ローラ37aと前記清掃ローラ37bとの間を通過する前記便座シート31aの表面をローラで擦って前記表面の異物を除去して、前記便座シート31aを清掃するために使用されるものである。
【0058】
すなわち、前記清掃ローラ37aは、前記案内部34aの下部の前記出入り口33の近傍の前記便座シート31aと対向する面に配置されている。また、前記清掃ローラ37bは、前記案内部34bの前記出入り口33の近傍の前記便座シート31aと対向する面に配置されている。これらの清掃ローラ37a,37bは互いに対向・近接して配置され、それらの表面には多数の微小なブラシが植設されている。よって、前記便座シート31aが前記出入り口33の近傍を通過し、これらの清掃ローラ37a及び37bの間を通過するとき、前記便座シート31aの両表面は、これらの清掃ローラ37a,37bによって擦られて、表面の異物が除去され、清掃され清潔になる。なお、図5A及び図5Bにおいては、前記便座シート31aの清掃手段として前記の多数のブラシが植設された清掃ローラ37a,37bのみを図示しているが、本実施例1では、前記の多数のブラシが植設された清掃ローラ37a,37bの横に、例えばフェルト布などの摩擦係数の大きい布を貼着した清掃ローラを並列させるようにしてもよい。このようにした場合は、前記便座シート31aの表面の微小な異物がより確実に除去されるようになる。
【0059】
次に、本実施例1における前記ワイヤ29及び前記ワイヤ巻取り部30による前記便座シート31aの移動動作を、図5A及び図5Bを参照して説明する。本実施例1では、前記便座シート31aの移動方法に関して、前記人感センサ15により自動的に移動させるか、それともユーザーの操作により移動させるかを、予めリモコン16によりユーザーが設定しておく。ここでは、前記人感センサ15により自動的に移動させる場合について説明する(なお、以下の説明において、「前記人感センサ15からの検知信号の前記制御部17への入力」を、「ユーザーのリモコン16の操作による信号の前記制御部17への入力」と置き換えても、基本的に同じ動作が行われる)。
【0060】
まず、ユーザーが便器を使用していない場合は、図5Aに示すように、前記便座シート31aは、前記肘掛け6の空洞部32内に収容された状態に保持されている。この状態においては、前記ワイヤ29が前記ワイヤ巻取り部30に巻き取られて、前記ワイヤ30の図示下端部が前記ワイヤ巻取り部30の近傍の位置まで上昇している。
【0061】
次に、ユーザーが前記便器1を使用するためにドアを開けてトイレの中に侵入して前記便座2に近づくと、前記人感センサ15がユーザーの存在を検知し、その検知信号が前記制御部17に入力される。前記制御部17は、この入力を受けると、前記ワイヤ巻取り部13のモータを制御して、前記ワイヤ29を巻き取り状態から逆転させて引き出させる。すると、前記便座シート31aは、前記の引き出されたワイヤ29により図示斜め下方に押し出されて(図5Aの矢印α参照)、前記案内部34a,34bの湾曲面に沿って自らが湾曲しながらスムーズに移動し、前記出入り口33を通過し、前記便座2の左半分の方へ移動する。その結果、前記便座シート31aは、図5Bに示すように、前記便座2の左半分の上に移動する。そして、前記便座シート31aが前記便座2の上に配置され、図5Bに示す状態となるとなる(同様に、前記便座シート31bが前記便座2の右半分の上に配置される)ので、ユーザーは、前記便座シート31aが使用することができる。
【0062】
次に、ユーザーによる前記便座2の使用が終了してユーザーが前記便座2から離れると、前記人感センサ15がそれを検知し、その検知信号が前記制御部17に入力される。前記制御部17は、この検知信号の入力を受けると、前記ワイヤ巻取り部30のモータを制御して、前記ワイヤ29を巻き取る。すると、前記便座シート31aは、前記巻き取られるワイヤ29により図示斜め上方に引っ張られて(図5Bの矢印β参照)、前記便座2の左半分の上の位置(図5Bに示す状態)から、前記出入り口33を通過し、前記案内部34a,34bの各湾曲面の間を自らが湾曲しながらスムーズに通過し、前記空洞部32内の方向へ移動する。その結果、前記便座シート31aは、図5Aに示すように前記空洞部32内に収容される。
【0063】
なお、本実施例1では、前述のように、前記便座シート31aが前記便座2の左半分の上から前記空洞部32内へ移動する動作の途中で、前記便座シート31aが前記案内部34a,34bの間を通過するとき、前記清掃ローラ37a,37bにより、前記便座シート31aの両表面が清掃される。また、前記便座シート31aが前記空洞部32内に収容されたときは、所定の時間だけ、前記制御部17により前記紫外線ランプ36a,36bが点灯されて、前記便座シート31aが殺菌される。また、前記便座シート31aが前記空洞部32内に収容されたときは、特に冬季において、常時、前記制御部17により前記ヒータ35a,35bが作動されて、前記便座シート31aが加温されるようになっている。よって、本実施例1では、前記便座シート31aが前記空洞部32内から前記ワイヤ29に押し出されて前記便座2上に移動するときは、前記便座シート31aは、清掃され、殺菌され、且つ加温された状態のものとなっている。
【0064】
また、図6Aは本実施例1の便座シート31aの一例を示す図で、図6A(a)はその平面部、図6A(b)はそのA−A’線断面図である。前記便座シート31aはプラスチックやゴムなどの可とう性素材により構成されており、図6A(c)に示すように、前記便座2の左半分と前記空洞部32との間を往復移動する方向(図5A,図5Bの図示左右方向)に沿って折り曲げ・湾曲可能に形成されている。
【0065】
したがって、図6Aに示すような便座シート31aを使用するときは、図5A及び図5Bに示すように前記便座シート31aが前記空洞部32内から前記出入り口33を通過して前記便座2の左半分の上に移動するとき、前記出入り口33の近傍で前記の図6A(c)に示すように自らが湾曲可能となっているので、前記便座シート31aはスムーズに前記移動を行える。
【0066】
また、図6Bは本実施例1の便座シート31aの他の例を示す図で、図6B(a)はその平面部、図6B(b)はそのA−A’線断面図である。この他の例では、前記便座シート31aは、図に示すような複数の図示縦方向の細長い板31aaと、前記各板31aaの間を接続する軸31abとから成る、簾(すだれ)状に形成されている。すなわち、前記軸31abは、互いに隣接する前記板31aa同士を所定角度まで折り曲げ可能に接続している。よって、この他の例でも、前記便座シート31aは、図5A及び図5Bに示すように前記便座シート31aが前記空洞部32内から前記出入り口33を通過して前記便座2の左半分の上に移動するとき、前記出入り口33の近傍で前記の図6B(c)に示すように自らが湾曲可能となっているので、前記便座シート31aはスムーズに前記移動を行える。
【実施例2】
【0067】
次に、本発明の実施例2による背もたれ付き便器装置を図7A及び図7Bを参照して説明する。本実施例2は、前記の実施例1の構成と共通する部分が多いので、以下では、前記の実施例1と異なる部分だけを説明する。また、図7A及び図7Bにおいて、図2A及び図2Bと共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
図7A,図7Bにおいて、41は前記背もたれ5内の空洞部5b内に配置された仕切り案内板、42は前記空洞部5b内に収容された便座シート、43は前記便座シート42の図7Aの図示上端部にその一端が接続されたワイヤ、44は前記ワイヤ43の他端が接続され前記ワイヤ43を内蔵のモータ(図示せず)で巻き取るか又は巻き取られたワイヤ43を逆回転させて引き出すためのワイヤ巻取り部、45は前記空洞部5bの内壁面の前記便座シート42と対向する複数箇所に配置された殺菌用の紫外線ランプ、46は前記仕切り案内板41の前記便座シート42と対向する面に配置され前記便座シート42を加温するための面状のヒータ、47は前記仕切り案内板41の図示下端部とこれに対向する前記空洞部5bの下面にそれぞれ設けられ前記便座シート42の両表面を擦ってそれらの異物を除去することにより、前記便座シート42を清掃するための清掃ローラ、である。
【0069】
図7A,図7Bにおいて、前記仕切り案内板41は、前記便蓋11と前記便座シート42の間を仕切るために、それらに対向するように配置されている。また、前記仕切り案内板41は、前記便蓋11と前記便座シート42のそれぞれの移動がスムーズに行えるように案内するため、その図示下方の部分41aが湾曲面状に形成されている。
【0070】
また、図7A,図7Bにおいて、前記ワイヤ43は、前記ワイヤ巻取り部44に巻き取られた状態から逆回転により引き出されることにより、前記便座シート42を前記空洞部5b内から前記便座2上の位置へと移動させる(図7Aの矢印α参照)。他方、前記ワイヤ43は、前記ワイヤ巻取り部44に内蔵のモータで巻き取られることにより、前記便座シート42を前記便座2上の位置から前記空洞部5b内へと移動させる(図7Bの矢印β参照)。
【0071】
なお、本実施例2の前記便座シート42は、その平面形状が、前記便座2の略全体を覆うような略ドーナツ形状に形成されている。また、前記便座シート42は、図3A及び図3Bに基づいて説明した前記便蓋11と同様の素材により形成され、前記便座2と前記空洞部5bとの間を往復移動する方向(図7A,図7Bの図示左右方向)に沿って折り曲げ・湾曲可能に、構成されている。したがって、本実施例2においては、前記便蓋11のみでなく、前記便座シート42も、前記空洞部5b内から前記出入り口5aを通過して前記便座2上に移動する途中において、又はその逆に前記便座2上から前記出入り口5aを通過して前記空洞部5b内に移動する途中において、前記出入り口5aの近傍の前記湾曲面5cの上方を移動するとき、前記の図3A(c)又は図3B(c)に示すように自らが容易に湾曲するので、前記移動をスムーズに行えるようになっている。
【0072】
次に、本実施例2における前記便蓋11及び便座シート42の動作を、図7A及び図7Bを参照して説明する。本実施例2では、前記便蓋11及び前記便座シート42の動作方法に関して、前記人感センサ15により自動的に移動させるか、それともユーザーの操作により移動させるかを、予めリモコン16によりユーザーが設定しておく。ここでは、前記人感センサ15により自動的に移動させるように予め設定しておいた場合について説明する(なお、以下の説明において、「前記人感センサ15からの検知信号の前記制御部17への入力」を、「ユーザーのリモコン16の操作による信号の前記制御部17への入力」と置き換えても、基本的に同じ動作が行われる)。
【0073】
まず、ユーザーが便器を使用していない場合は、図7Aに示すように、前記便蓋11は前記便座2の上に配置された状態に、且つ、前記便座シート42は前記空洞部5b内に収容された状態に、保持されている。この状態においては、前記便蓋11に接続されたワイヤ12の大部分が前記ワイヤ巻取り部13から引き出されおり、前記ワイヤ12の図示下端部が前記背もたれ5の出入口5aの外側又はその近傍の位置まで下降している。また、この状態においては、前記便座シート42に接続されたワイヤ43の大部分が前記ワイヤ巻取り部44に巻き取られており、前記ワイヤ43の図示下端部が前記ワイヤ巻取り部44の近傍の位置まで上昇している。
【0074】
次に、ユーザーが前記便器1を使用するためにドアを開けてトイレの中に侵入して前記便座2に近づくと、前記人感センサ15がユーザーの存在を検知し、その検知信号が前記制御部17に入力される。前記制御部17は、この検知信号の入力を受けると、前記ワイヤ巻取り部13のモータを制御して、前記の便蓋11に接続されたワイヤ12を巻き取らせる。すると、前記便蓋11は、前記の巻き取られるワイヤ12により図示斜め上方に引っ張られて、前記便座2上の位置(図7Aに示す状態)から、前記出入り口5aを通過し、前記仕切り案内板41の湾曲面41aの上を自らが湾曲しながらスムーズに通過し、前記空洞部5bの方向へ移動する。その結果、前記便蓋11は、図7Bに示すように前記空洞部5b内に収容される。その後、さらに、前記制御部17は、前記ワイヤ巻取り部44のモータを制御して、前記の便座シート42に接続されたワイヤ43を巻き取られた状態から逆回転させて引き出す。すると、前記便座シート42は、前記の引き出されたワイヤ43により図示下方に押し出されて(図7Aの矢印α参照)、前記空洞部5b内の位置(図7Aに示す状態)から、前記案内部(湾曲面)5cの上を自らが湾曲しながらスムーズに通過し、前記出入り口5aを通過して、前記便座2の方向へ移動する。その結果、前記便座シート42は、図7Bに示すように前記便座2上に配置される。このようにして、図7Bに示す状態に移行すると、前記便座2の上から前記便蓋11が存在しなくなると共に、前記便座2の上に前記便座シート42が配置された状態となるので、ユーザーは、前記便座2及び便座シート42を使用することができる。
【0075】
また、本実施例2においては、図7Aに示すように前記便座シート42が前記空洞部5b内に収容されているときは、前記制御部17の制御により、前記紫外線ランプ45が所定のタイミングで所定時間だけ点灯されるので、前記便座シート42が殺菌消毒される。また、このときは、前記制御部17の制御により、前記ヒーター46が所定のタイミングで所定時間だけ通電されるので、前記便座シート42が加温される。さらに、前記便座シート42が前記図7Aに示すような前記空洞部5b内に収容された状態から前記便座2上に移動するために前記案内部(湾曲面)5cの上を出入り口5a方向に移動するとき、前記清掃ローラ47により前記便座シート42の表面が清掃される。以上により、本実施例2では、前記便座シート42が前記空洞部5bから前記便座2上に移動するときは、前記紫外線ランプ45により殺菌され、前記ヒーター46により加温され、且つ前記清掃ローラ47により清掃された状態の便座シート42が、ユーザー側に供給される。なお、本実施例2では、前記清掃ローラ47による前記便座シート42の両表面の清掃は、前記の前記便座シート42が図7Aに示すような空洞部5b内に収容されている状態から前記便座2上に移動するために前記案内部(湾曲面)5cの上を移動するときだけでなく、前記便座シート42が図7Bに示すような便座2上に配置されている状態から空洞部5b内に収容されるために前記案内部(湾曲面)5cの上を移動するときにも、同様に行われる。
【0076】
次に、前記の図7Bの状態において、ユーザーによる前記便座2の使用が終了してユーザーが前記便座2から離れると、前記人感センサ15がそれを検知し、その検知信号が前記制御部17に入力される。前記制御部17は、この検知信号の入力を受けると、前記ワイヤ巻取り部44のモータを制御して、前記ワイヤ43を巻き取る。すると、前記便座シート42は、前記巻き取られるワイヤ43により図示斜め上方に引っ張られて(図7Bの矢印β参照)、前記便座2上の位置(図7Bに示す状態)から、前記出入り口5aを通過して、前記仕切り案内板41と前記空洞部5bの底部の湾曲面5cとの間を自らが湾曲しながらスムーズに通過し、前記空洞部5b内を上昇する。その結果、前記便座シート42は、前記7Aに示すように前記空洞部5b内に収容される。また、このとき、前記便座2の上には、前記便座シート42が存在しない状態となる。
【0077】
その後、さらに、前記制御部17は、前記ワイヤ巻取り部13のモータを制御して、前記ワイヤ12を巻き取り状態から反対に引き出させる。すると、前記便蓋11は、図7Bに示す状態から、前記引き出されるワイヤ12により図示斜め下方に押し出されて、前記空洞部5b内の位置(図7Bに示す状態)から、前記仕切り案内板41の湾曲面41aの上を自らが湾曲しながらスムーズに移動し、前記出入り口5aを通過し、前記便座2の方向へ移動する。その結果、前記便蓋11は、図7Aに示すように前記便座2上に配置される。
【0078】
以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明及び本発明を構成する各構成要件は、それぞれ、前記の実施例及び前記の実施例を構成する各要素として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記の各実施例1,2においては、前記背もたれ5は前記便器1に固定したものを示したが、本発明では、前記便器1とは別体のもの(前記便器1の外側に後から外付けできるもの)として構成してもよい。また、前記の各実施例1,2においては、前記背もたれ5は前記タンク4に固定したものを例示したが、本発明では、前記タンクとは別体のものとして構成してもよい。また、前記各実施例1では、前記肘掛け6は前記便器1と別体のものとして例示したが、本発明では、前記肘掛け6を前記便器1と一体に固定されたものとして構成してもよい。
【0079】
また、前記の各実施例1,2では、前記便蓋11を前記背もたれ5内の空洞部5bと前記便座2上との間で移動させるための構成として、前記ワイヤ12及びワイヤ巻取り部13を例示した(図2A,図2B参照)が、本発明ではこれに限られるものではなく、前記便蓋11を前記空洞部5bと前記便座2上との間で移動させるための構成として、例えばリニアモーターなどを使用するようにしてもよい。
【0080】
また、前記の実施例1では、前記略三日月形状の便座シート31a,31bを前記肘掛け6内の空洞部32と前記便座2上との間で移動させるための構成として、前記ワイヤ29及びワイヤ巻取り部30を例示した(図5A,図5B参照)が、本発明ではこれに限られるものではなく、前記便座シート31a,31bを前記空洞部32と前記便座2上との間で移動させるための構成として、例えばリニアモーターなどを使用するようにしてもよい。
【0081】
また、前記の実施例2では、前記略ドーナツ形状の便座シート41を前記背もたれ5内の空洞部5bと前記便座2上との間で移動させるための構成として、前記ワイヤ43及びワイヤ巻取り部44を例示した(図7A,図7B参照)が、本発明ではこれに限られるものではなく、前記便座シート41を前記空洞部5bと前記便座2上との間で移動させるための構成として、例えばリニアモーターなどを使用するようにしてもよい。
【0082】
また、前記の各実施例1,2においては、前記昇降台21の載置部24を昇降するための構成として、エアポンプ25及びエアバック23を例示した(図2A,図2B参照)が、本発明ではこれに限られるものではなく、前記昇降台21の載置部24を昇降するための構成として、例えばモータなどを使用するようにしてもよい。
【0083】
また、前記の各実施例1,2においては、前記便蓋11及び前記便座シート31a,31b,42を殺菌するための構成として、紫外線ランプ14,36a,36b,45を例示したが、本発明ではこれに限られるものではなく、前記便蓋11及び前記便座シート31a,31b,42を殺菌するための構成として、例えば消毒用の液体又は粉末を前記便蓋11及び前記便座シート31a,31b,42に対してスプレー・散布する機器を使用してもよい。
【0084】
また、前記の各実施例1,2においては、前記便座シート31a,31b,42の清掃手段として、前記肘掛け6内に配置した清掃ローラ37a,37b、及び前記背もたれ5内に配置した清掃ローラ47を例示した(図5A,図5B,図7A,図7B参照)が、本発明ではこれに限られるものではなく、例えば「清掃(洗濯)用の薬剤の収容器と、この収容器から前記薬剤を吹き付ける吹き付け部と、この薬剤を吹き付けた便座シートの表面を擦る(こする)ためのローラと、このローラで擦った後に前記便座シートを乾燥させる乾燥部と、から成る清掃(洗濯)部」を備えるようにしてもよい。
【0085】
また、本発明においては、前記便座シート31a,31b,42を、例えば「プラスチック製やシリコンゴム製で形成された便座シートの外表面にタオル地などの布を巻いたもの」により構成するようにしてもよい。
【0086】
また、前記の実施例2においては、前記便蓋11と前記便座シート42とを、前記背もたれ5内の一つの空洞部5bの中に一緒に収納するようにしているが、本発明では、前記背もたれ5内に2つの空洞部を別々に形成し、それらの各空洞部の中にそれぞれ前記便蓋11と前記便座シート42とを別々に収納するようにしてもよい。
【0087】
また、前記実施例1,2においては、前記昇降台21は、トイレの床面7に形成された凹部の中に入れることにより前記載置台24の上面を前記床面7と一致させて段差が生じないようにしているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、前記昇降台21を前記床面7の上に置くようにしてもよい。なお、このようにした場合は、前記載置台24と前記床面7との間に段差が生じてしまうが、前記載置台24の上とその周囲に例えばマットなどを被せるようにすれば、前記段差によりユーザーが躓いてしまうことなどは防止できる。
【0088】
さらに、前記実施例2においては、前記背もたれ5内の空洞部5bの中に前記便蓋11と前記便座シート42との両者を一緒に収容するようにし、ユーザーによる便器1の使用の開始と終了に合わせて、前記便蓋11と前記便座シート42とを交互に、前記便座2上か前記空洞部5b内かのいずれかに移動させるようにしている。しかし、本発明では、これに限られることなく、例えば、前記背もたれ5内の空洞部5bの中には、前記便座シート42のみを収容させ、前記便座シート42のみを前記便座2上の位置と前記背もたれ5内の空洞部5b内の位置との間で往復移動させるようにしてもよい。また、このようにした場合、前記ユーザーによる便器1の不使用時に前記便座2の上に配置されている便蓋11を、ユーザーによる便器の使用開始時には、例えば前記便座2の側面側(ユーザーから見て左右方向)に倒れるように回動して開くようにすれば、前記便蓋11がユーザーの背中に接触することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】(a)は本発明の実施例1による背もたれ付き便器装置の外観を示す斜視図、(b)はその正面図。
【図2A】本実施例1の主として背もたれ部分及び昇降台の構成及び動作を説明するための図。
【図2B】本実施例1の主として背もたれ部分及び昇降台の構成及び動作を説明するための図。
【図3A】本実施例1に使用される便蓋の構成及び動作を説明するための図。
【図3B】本実施例1に使用される便蓋の構成及び動作を説明するための図。
【図4A】本実施例1に使用される便座シートの構成及び動作を説明するための図。
【図4B】本実施例1において便座シートを肘掛け内の空洞部から便座上に移動するときの動作原理を概念的に説明するための図。
【図5A】本実施例1の主として肘掛け部分の構成及び動作を説明するための図。
【図5B】本実施例1の主として肘掛け部分の構成及び動作を説明するための図。
【図6A】本実施例1に使用される便座シートの構成及び動作を説明するための図。
【図6B】本実施例1に使用される便座シートの構成及び動作を説明するための図。
【図7A】本発明の実施例2の主として背もたれ部分の構成及び動作を説明するための図。
【図7B】本実施例2の主として背もたれ部分の構成及び動作を説明するための図。
【図8】従来の背もたれ付き便器装置を示す斜視図。
【符号の説明】
【0090】
1 便器
2 便座
3 ヒンジ部
4 水タンク
5a 出入口
5b 空洞部
5c 案内部(湾曲面)
7 床面
11 便蓋
11 空洞部
12,29,43 ワイヤ(可動部)
13,30,44 ワイヤ巻取り部
14,36a,36b,45 紫外線ランプ
15 人感センサ
16 リモコン
17 制御部
21 昇降台
22 基部
23 エアバック
24 載置台
24 エアバック
25 エアポンプ
26 チューブ
31a,31b,42 便座シート
32 空洞部
33 出入口
34a,34b 案内部
35a,35b,46 面状ヒータ
37a,37b,47 清掃ローラ
41 仕切り案内板
41a 湾曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座の後方に配置された背もたれと、
便座の上方に配置される便蓋であって、少なくとも前記背もたれから前記便座に向かう方向又は前記便座から前記背もたれに向かう方向に沿って折り曲げ可能に形成されている便蓋と、
前記背もたれの内部に、前記便蓋が収容可能に形成されている便蓋用空洞部と、
前記便蓋を前記便座上の位置と前記背もたれ内の便蓋用空洞部内の位置との間で往復移動させるための便蓋移動手段と、
ユーザーによる便座の使用が開始されるときは前記便蓋を前記便座上の位置から前記背もたれ内の便蓋用空洞部内の位置へ移動させると共に、ユーザーによる便座の使用が終了したときは前記便蓋を前記背もたれ内の便蓋用空洞部内の位置から前記便座上の位置に移動させるように、前記便蓋移動手段を制御するための便蓋移動制御手段と、
を備えたことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記便蓋用空洞部は、前記便蓋用空洞部内に収容されている便蓋の表面を殺菌するための殺菌手段を備えている、ことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記便座の左右にそれぞれ配置された肘掛けと、
前記各肘掛けの内部にそれぞれ形成され、前記便座の左右の略半分をそれぞれ覆うことができる便座シートを収容可能に形成されている便座シート用空洞部と、
前記各便座シートを前記便座の左右の略半分の上の位置と前記左右の各肘掛け内の便座シート用空洞部内の位置との間で往復移動させるための便座シート移動手段と、
ユーザーによる便座の使用が開始されるときは前記各便座シートを前記左右の各肘掛け内の便座シート用空洞部内の位置から前記便座の左右の略半分の上の位置にそれぞれ移動させると共に、ユーザーによる便座の使用が終了したときは前記各便座シートを前記便座の左右の略半分の上の位置から前記左右の各肘掛け内の便座シート用空洞部内の位置へ移動させるように、前記便座シート移動手段を制御するための便座シート移動制御手段と、
を備えたことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記各肘掛け内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを殺菌するための便座シート殺菌手段、が備えられている、ことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記各肘掛け内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを加温するための便座シート加温手段、が備えられている、ことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項6】
請求項3において、
前記各肘掛け内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを、その表面の異物を除去することにより、清掃するための便座シート清掃手段、が備えられている、ことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記便座のユーザーから見て前方の位置に配置され、前記便座に腰掛けているユーザーの両脚を載せるための載置台と、
前記載置台を、床面又はこれに近接した第1の高さ位置と前記第1の高さ位置よりも所定距離だけ上昇した第2の高さ位置との間で昇降させるための昇降部と、
を備えたことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項8】
請求項1において、
便座の後方に配置された背もたれと、
便座の上面の一部又は全体を覆うことができる便座シートであって、少なくとも前記背もたれから前記便座に向かう方向又は前記便座から前記背もたれに向かう方向に沿って折り曲げ可能に形成され、且つ、少なくともその表面側がプラスチックやゴムなどの柔軟な素材により形成されている便座シートと、
前記背もたれの内部に形成され、前記便座シートを収容可能に形成された背もたれ内の便座シート用空洞部と、
前記便座シートを前記便座上の位置と前記便座シート用空洞部内の位置との間で往復移動させるための便座シート移動手段と、
ユーザーによる便座の使用が開始されるときは前記便座シートを前記便座シート用空洞部内の位置から前記便座上の位置に移動させると共に、ユーザーによる便座の使用が終了したときは前記便座シートを前記便座上の位置から前記便座シート用空洞部内の位置へ移動させるように、前記便座シート移動手段を制御するための便座シート移動制御手段と、
を備えたことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記背もたれ内の便座シート用空洞部は、前記背もたれ内の便蓋用空洞部と一体に形成されている、ことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項10】
請求項8又は9において、
前記背もたれ内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを殺菌するための便座シート殺菌手段、が備えられている、ことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項11】
請求項8又は9において、
前記背もたれ内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを加温するための便座シート加温手段、が備えられている、ことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。
【請求項12】
請求項8又は9において、
前記背もたれ内の便座シート用空洞部には、その内部に収容されている便座シートを、その表面の異物を除去することにより、清掃するための便座シート清掃手段、が備えられている、ことを特徴とする、背もたれ付き便器装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−330352(P2007−330352A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−162939(P2006−162939)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【特許番号】特許第3834057号(P3834057)
【特許公報発行日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(505325969)株式会社協同物流 (4)
【Fターム(参考)】