説明

背圧調整装置付きアダプタ

【課題】押出機に接続されたアダプタ内の流路において、流体速度低下領域を減少させ、滞留樹脂に起因する劣化樹脂を軽減する構成をもつアダプタを提供する。
【解決手段】背圧調整装置付きアダプタ1107において、背圧調整装置のニードルバルブの弁棒1108に対し直交する溶解樹脂流れにおいて、滞留抑止部材1207を、直交する流れから見た弁棒1108の垂直上方及び下方の側面に弁棒1108の側面部と同様な曲面を側面部上で移動自在に当接配置させつつ、その曲面と直角に接する平面を閉塞部材からなる壁面に当接させ配置することにより、アダプタ1107内の流動をスムーズにして、溶解樹脂の滞留樹脂を減らし、それに起因する劣化樹脂を軽減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出機に接続されたアダプタ内の流路に関し、アダプタに付帯する背圧調整装置にて、ニードルバルブの弁棒に対し直交する溶解樹脂流れにおいて、滞留抑止部材を、直交する流れから見た弁棒の垂直上方及び下方の側面に弁棒の側面部と同様な曲面を側面部上で移動自在に当接配置させつつ、その曲面と直角に接する平面を閉塞部材からなる壁面に当接配置させ、アダプタ内の樹脂流動速度が低下し、樹脂が滞留しているスペースを埋めてやることにより流路に於ける樹脂流動をスムーズにし、劣化樹脂の起因である滞留樹脂を軽減することに関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂フィルム等の薄膜状の基材や金属線等の線状の基材の表面に樹脂層をコーティングしたり、複数の基材間に樹脂層を挟み込んでラミネートしたりするための押出機は、スクリュにより混練して、押し出された溶解樹脂を所定の断面形状を備えるダイの出口から押し出す構成になっている。
【0003】
溶解樹脂の押出し量は、シリンダとスクリュの容積、スクリュ形状、スクリュ回転数により決まる。押出し量が多くなると背圧が大きくなり、スクリュで過度の混練が起き、溶解樹脂が発熱、劣化する。逆に少ないと背圧が小さくなり、スクリュでの混練が不十分になる。このように押出機のスクリュにかかる背圧は、押し出される樹脂の品質に影響を及ぼす。そのため、背圧調整装置が設置されている。
【0004】
背圧調整装置としてオリフィスを使用する例がある(例えば特許文献1参照)。オリフィスを用いた背圧調整装置の断面図を図2に示す。
【0005】
図2において2101は押出機のバレル(胴体)としてのシリンダであり、シリンダ2101の中には図示されない駆動源によって回転させられるスクリュ2102が配設されている。また、前記シリンダ2101の前端には、濾過装置2103があり、その下流側には前記スクリュ2102によって押し出された溶解樹脂の流路を直角に曲げるための背圧調整装置を有するアダプタ2107が取り付けられ、さらに、前記アダプタ2107には、図示されないダイに接続される導出管2105が取り付けられている。前記シリンダ2101の先端部にある前記濾過装置2103は、スクリーンメッシュと該スクリーンメッシュを支持するブレーカープレート2106からなり、溶解樹脂に混在する異物を除去する役割を果たす。
【0006】
次に流路について説明する。前記スクリュ2102に押出された溶解樹脂は、流路2201を通り、前記ブレーカープレート2106を通る。前記ブレーカープレート2106通過後、前記スクリュ2102と同心である前記アダプタ2107内流路2202を通り、可動ブロック2118のオリフィス2203b、固定ブロック2119の流路2204、前記可動ブロック2118の流路2205b、前記スクリュ2102と同心に直交する前記アダプタ2107内流路2206の順番に通過し、図示していないダイと接続している導出管2105へ流動する。
【0007】
前記アダプタ2107の背圧調整装置について説明する。前記可動ブロック2118には図示していないハンドルが付いており、そのハンドルを回すことにより前記固定ブロック2119に対して回転する。前記可動ブロック2118には、いくつかのオリフィス2203a〜2203dが配設されている(図2では、内径の異なるオリフィス4種類、配設している)。背圧調整装置は、オリフィスで溶解樹脂に付与される抵抗を調整することにより行われる。従って、背圧に適したオリフィスを選択して、背圧を調整する。
【0008】
しかし、この方式では、いったんオリフィスを変更した後、再度以前使用したオリフィスを使用することができない。その理由は、オリフィス内に残留していた溶解樹脂が劣化樹脂となり、これが製品に付着すると外観、機械的特性などに影響を及ぼすからである。再び、使用するには前記可動ブロック2118を交換しなければならないので手間と時間がかかる。
【0009】
加えて、前記可動ブロック2118に加工してあるオリフィスの内径が決まっているので、少しだけ操業条件等を変更した際に必要となるような微少の背圧調整を行うことができない。
【0010】
ニードルバルブを用いて背圧を調整する方法もある。図1にニードルバルブ1108を用いた背圧調整装置付きアダプタ断面図を示す。
【0011】
まず、ニードルバルブ1108の部位について図3を用いて説明する。
【0012】
ニードルバルブ1108は、先端が円錐になって流路の容積を変化させる弁体1117とネジが加工してある弁棒1116とハンドルなどの駆動機器を取り付ける1120より成り立っている。
【0013】
次に、流路について図1を用いて説明する。スクリュ1102に押出された溶解樹脂は、流路1201を通り、濾過装置1103内流路にあるブレーカープレート1106を通る。前記ブレーカープレート1106通過後、前記スクリュ1102と同心であるアダプタ1107内流路1202を通り、ニードルバルブ1108の弁体に沿って流路1203を流れ、前記スクリュ1102と同心に直交する前記アダプタ1107内流路1206を通過し、図示していないダイと接続している導出管1105へ流動する。
【0014】
前記アダプタ1107には、濾過装置1103から前記アダプタ1107間の流路1202の反対側に流路を塞ぐための閉塞部材1109が取り付けられている。なお、前記閉塞部材1109には挿入孔が形成され、該挿入孔に前記ニードルバルブ1108が挿入されている。また、前記閉塞部材1109にはナット部材1110が取り付けられ、前記ナット部材1110にニードルバルブ1108の弁棒に形成された雄ねじが螺合される。そして、前記ニードルバルブ1108には、図示されないハンドルや伸縮駆動手段等が取り付けられている。これにより、オペレータがハンドルを操作して前記ニードルバルブ1108を回転させると、該ニードルバルブ1108は軸方向に移動する。なお、シール部材1111は、閉塞部材1109の挿入孔とニードルバルブ1108の外周との隙間から溶解樹脂が漏れることを防止するためのシール部材であり、シール押さえ部材1112によって固定されている。
【0015】
そして、前記背圧調整装置においては、オペレータが前記ハンドルを操作して前記ニードルバルブ1108を回転させることによって、前記スクリュ1102にかかる背圧を調整する。この場合、前記ニードルバルブ1108を回転させて軸方向に移動させると、前記ニードルバルブ1108の弁体が樹脂流路1203を変化し、該流路を通過する溶解樹脂に与えられる抵抗が変化するので、前記溶解樹脂の動圧が変化して、前記スクリュ1102にかかる背圧が変化する。これにより、前記スクリュ1102にかかる背圧を所望の値に調整することができる。
【0016】
ニードルバルブ1108付近の流動について詳しく説明する。
【0017】
前記樹脂流路1203を通過する樹脂は、図3及び図4より、前記ニードルバルブ1108の上方側を通過する溶解樹脂(以下便宜的に溶解樹脂αとする)と図4で示すように前記ニードルバルブ1108の下側を通過する溶解樹脂(以下便宜的に溶解樹脂βとする)に区別される。溶解樹脂αは、前記ニードルバルブ1108の弁棒1116と周方向に接しながら流動し、閉塞部材1109流路側面によって形成させる壁面に当たり、流路流れ方向が弁棒1116に対し直交する流れに変わる。そのとき、閉塞部材1109流路側面によって形成させる壁面際にて、弁棒1116に対し直交する流れから見た弁棒1116の垂直上方及び下方の側面近傍に流体速度低下領域が生じ、アダプタ1107内流路1204、1205で滞留ができる。
【0018】
そして、その滞留した溶解樹脂が、熱などにより劣化することによって劣化樹脂となり、製品に混入すると製品の外観、機械的特性などに影響を及ぼす原因となる。また、樹脂の種類の変更は、流路に残っている樹脂を変更する樹脂で押出すことで切替を行っている。しかし、前述した1204、1205に滞留樹脂が残っていると押出樹脂量が多くなり、切替ロスが起こる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2005−1283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記の問題点に鑑み、本発明の目的は、押出機に接続されたアダプタ内の流路において、流体速度低下領域を減少させ、滞留樹脂に起因する劣化樹脂を軽減する構成をもつアダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
図1及び図5に示される押出機に接続されたアダプタ内の流路にて、閉塞部材1109流路側面によって形成させる壁面部からニードバルブ1108の弁棒1116側面部にかけて、ニードバルブの弁棒の側面部と同様な曲面と平面が直角に接しており、それらの面に接する平面または曲面によって形成された立体からなる、滞留抑止部材1207を設置し、閉塞部材1109流路側面によって形成させる壁面部からニードバルブ1108の弁棒1116側面近傍に生ずる流体速度低下領域を埋めることにより、ニードルバルブ1108による背圧調整装置を有するアダプタ1107内の滞留樹脂を減らし、滞留樹脂に起因する劣化樹脂の軽減を達成する。
【0022】
本発明に係るアダプタ内の滞留抑止部材1207は、ニードルバルブ1108の弁棒1116に対し直交する溶解樹脂流れにおいて、滞留抑止部材1207を、直交する流れから見た弁棒1116の垂直上方及び下方の側面に弁棒1116の側面部と同様な曲面を側面部上で移動自在に当接配置させつつ、その曲面と直角に接する平面を閉塞部材1109からなる壁面に当接させ、配置する。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、図1及び図5に示されるアダプタに付帯する背圧調整装置のニードルバルブ1108の弁棒1116に対し直交する溶解樹脂流れにおいて、滞留抑止部材1207を、直交する流れから見た弁棒1116の垂直上方及び下方の側面に配置させ、アダプタ内の樹脂流動速度が低下し、樹脂が滞留している流体速度低下領域を埋めてやることにより、劣化樹脂の起因である滞留樹脂を軽減することで、滞留樹脂に起因する劣化樹脂の軽減が可能となる。
また、流路内の滞留樹脂が軽減されるため、樹脂変更による押出樹脂量が減少し、切替ロスが減る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ニードルバルブを用いた従来の背圧調整装置付きアダプタ断面図
【図2】オリフィスを用いた背圧調整装置を有するアダプタ断面図
【図3】従来の背圧調整装置におけるニードルバルブ部位図
【図4】図1におけるニードルバルブ近傍の流路詳細図
【図5】本発明によるニードルバルブ近傍の流路詳細図
【図6】本発明によるアダプタ内の滞留抑止部材1207の図5の矢視a図
【図7】本発明によるアダプタ内の滞留抑止部材1207の図5の矢視b図
【図8】本発明によるアダプタ内の滞留抑止部材1207の図6の矢視c図
【図9】本発明によるアダプタ内の滞留抑止部材1207を使用しない一例図
【図10】本発明によるアダプタ内の滞留抑止部材1207を使用した一例図
【図11】本発明によるアダプタ内の滞留抑止部材1207の一例図
【図12】本発明によるアダプタ内の滞留抑止部材1207の他の形状の一例図
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、押出機に接続された図1及び図5に示されるアダプタ内の流路にて、閉塞部材1109流路側の面によって形成させる壁面部からニードバルブ1108の弁棒1116側面部にかけて、ニードバルブの弁棒の側面部と同様な曲面と平面が直角に接しており、それらの面に接する平面または曲面によって形成された立体からなる、滞留抑止部材1207を設置し、閉塞部材1109流路側面によって形成させる壁面部からニードルバルブ1108の弁棒1116側面近傍に生ずる流体速度低下領域を埋めることにより、ニードルバルブ1108による背圧調整装置を有するアダプタ1107内の滞留樹脂を減らし、滞留樹脂に起因する劣化樹脂の軽減を達成することである。
【0026】
まず、図5に示される本発明によるアダプタ内の滞留抑止部材1207の形状について説明する。
【0027】
滞留抑止部材1207を立体形成するにあたり、最低限必要な面数は図11に示すように3面である。
【0028】
また、滞留抑止部材1207は、例えば図12の5面体にあるように、3面以上からなる立体であれば、形成可能である。
【0029】
次に、滞留抑止部材1207を4面体の場合を用いて詳細を説明する。
【0030】
図5に本発明によるアダプタ内の滞留抑止部材1207の設置位置を示し、図6、図7、図8に形状の詳細例を示す。前記アダプタ内の滞留抑止部材1207は、ニードバルブの弁棒の側面部と同様な曲面と平面が直角に接しており、それらの面に接する平面または曲面によって形成された立体となっている。その場合のそれぞれの辺の長さを図6、図7、図8により説明する。図6に示すiの長さは弁棒1116断面半径の1/4以上とし、図7に示すiiの長さは図5に示す空隙Xの1/4以上とし、図8に示すiiiの長さは図5に示す流路直径Zの1/6以上とすることが好ましい。
【0031】
次にアダプタ1107について説明する。
【0032】
図1においてスクリュ1102は、シリンダ1101内に取り付けられており、前記シリンダ1101より下流側にスクリーンとスクリーンメッシュを支持するブレーカープレート1106が取り付けられている濾過装置1103があり、前記濾過装置1103の下流にアダプタ1107が取り付けられている。アダプタ1107内の流路1202は同じくアダプタ1107内の流路1206と直交し、下流側は、導出管1105、図示していないダイの順番に接続されている。
【0033】
前記シリンダ1101の後方には変速機としての図示していないギヤボックスにおいて従動ギヤに接続されている。また、前記従動ギヤはスクリュ1102の駆動源として図示していない電動モータの回転軸に接続された駆動ギヤに噛み合わされている。これにより、前記電動モータの回転軸の回転が減速されて前記従動ギヤに伝達され前記スクリュ1102が回転させられる。
【0034】
背圧調整装置について説明する。
【0035】
図1において1107は、流路1202と反対側に背圧調整装置1104を付随しているアダプタであり、前記シリンダ1101の先端から押出された溶解樹脂が流通するようになっている。そして、水平流路1202と直交流路1206の間には、溶解樹脂に付与される抵抗を調整するために前記ニードルバルブ1108が設置されている。前記ニードルバルブ1108は、前記シリンダ1101の先端部から前記スクリュ1102によって押し出されて樹脂流路1203を流通する溶解樹脂に付与される抵抗を調整して、前記溶解樹脂の動圧を調整することによって前記スクリュ1102にかかる背圧を調整する。なお、シール部材1111は、閉塞部材1109の挿入孔とニードルバルブ1108の外周との隙間から溶解樹脂が漏れることを防止するためのシール部材であり、シール押さえ部材1112によって固定されている。
【0036】
図1及び図5より、アダプタ内の滞留抑止部材1207の設置方法の一例を示す。スクリュ1102の同心と直交するアダプタ内流路にて、ニードルバルブ1108の弁棒1116に対し直交する溶解樹脂流れにおいて、滞留抑止部材1207を、直交する流れから見た弁棒1116の垂直上方及び下方の側面に弁棒1116の側面部と同様な曲面を側面部上で移動自在に当接配置させつつ、その曲面と直角に接する平面を閉塞部材1109からなる壁面に当接させ、配置する。そうすることにより、閉塞部材1109流路側面によって形成させる壁面部からニードバルブ1108の弁棒1116側面近傍に生ずる流体速度低下領域を埋めることができる。結果、ニードルバルブ1108による背圧調整装置を有するアダプタ1107内の滞留樹脂を減らし、滞留樹脂に起因する劣化樹脂の軽減ができる。
【0037】
樹脂の流動について説明する。
【0038】
図示していないホッパーより前記シリンダ1101に供給された固相の原料樹脂は、前記スクリュ1102で回転されることによって、前記シリンダ1101の前方に向けて搬送されつつ、混練され、溶解樹脂となって前記シリンダ1101の前端から流路1201に排出される。そして、溶解樹脂は、前記流路1201から前記ブレーカープレート1106を経由して前記アダプタ1107内にある前記スクリュ1102と同心である流路1202に入る。流路1202より前記ニードルバルブ1108の弁体に沿って流路1203を通り、前記スクリュ1102同心に直交する前記アダプタ1107内流路1206を通り、図示していないダイと接続している導出管1105へ流動する。
【0039】
本発明におけるアダプタ1107内の樹脂の流動を説明する
【0040】
前記樹脂流路1203を通過する樹脂は、図4で示すように前記ニードルバルブ1108の上方側を通過する溶解樹脂(以下便宜的に溶解樹脂αとする)と図4で示すように前記ニードルバルブ1108の下側を通過する溶解樹脂(以下便宜的に溶解樹脂βとする)に区別される。溶解樹脂αは、前記ニードルバルブ1108の弁棒1116と周方向に接しながら流動し、閉塞部材1109流路側面によって形成させる壁面に当たり、流路流れ方向が弁棒1116に対し直交する流れに変わる。そのとき、閉塞部1109流路側面によって形成させる壁面際にて、弁棒1116に対し直交する流れから見た弁棒1116の垂直上方及び下方の側面近傍に流体速度低下領域が生じ、アダプタ1107内流路1204、1205で滞留ができる。その流体速度低下領域に、図5にあるようにアダプタ内に滞留抑止部材1207を設置し、埋めてやることにより、劣化樹脂の起因である滞留樹脂を軽減することができ、滞留樹脂に起因する劣化樹脂の軽減が可能となる。また、流路内の滞留樹脂が軽減されるため、樹脂変更による押出樹脂量が減少し、切替ロスが減る。
【0041】
本発明における作用について、一例を用いて説明する。
【0042】
時間当たり一定樹脂量を押出す条件下でコーティングを実施して1000m毎に0.2mm以上の劣化樹脂をレーザー検査器にて計数する。アダプタ内の流路形状を変える部材1207の大きさは、図6に示すiの長さは弁棒1116断面半径の1/3とし、図7に示すiiの長さは図5に示す空隙Xと同様とし、図8に示すiiiの長さは図5に示す流路直径Zの1/2の四面体とする。
その結果、従来品である図9に示すアダプタ内の流路形状を変える部材1207設置無しであるときの1000m当たりの劣化樹脂数の割合を1とすると、図10に示すアダプタ内の流路形状を変える部材1207設置有りのときの劣化樹脂数の割合は0.5以下と良化し、劣化樹脂発生を抑制できる。このように、本発明により劣化樹脂抑制が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1101 シリンダ
1102 スクリュ
1103 濾過装置
1104 背圧調整装置
1105 導出管
1106 ブレーカープレート
1107 アダプタ
1108 ニードルバルブ
1109 閉塞部材
1110 支持部材
1111 シール部材
1112 シール押さえ部材
1113 ナット部材
1114 ナット押さえ板
1116 弁棒
1117 弁体
1201 シリンダ内流路
1202 アダプタ内流路
1203 アダプタ内流路
1204 アダプタ内流路
1205 アダプタ内流路
1206 アダプタ内流路
1207 アダプタ内の滞留抑止部材
2107 背圧調整装置を有するアダプタ
2118 可動ブロック
2119 固定ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機のスクリュから混練して押し出される溶解樹脂が流通する樹脂流路の途中に配設される背圧調整装置付きアダプタであって、ニードルバルブの弁棒に対し直交する溶解樹脂流れにおいて、滞留抑止部材を、直交する流れから見た弁棒の垂直上方及び下方の側面に弁棒の側面部と同様な曲面を側面部上で移動自在に当接配置させつつ、その曲面と直角に接する平面を閉塞部材からなる壁面に当接させ、配置することを特徴とする背圧調整装置付きアダプタ。
【請求項2】
ニードバルブの弁棒の側面部と同様な曲面と平面が直角に接しており、それらの面に接する平面または曲面によって形成された立体からなる、滞留抑止部材を備えた、請求項1に記載の背圧調整装置付きアダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−206493(P2012−206493A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77949(P2011−77949)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】