説明

胸部への無線問合せ用アンテナ

本願発明のアンテナは、アンテナ層、グランド層、および前記アンテナ層と前記グランド層との間に誘電体層を含む。上記アンテナ層および上記グランド層は、三角形の各辺の長さが異なる2つの同一の三角形の最大長の辺で結合される2つの同一三角形の鏡像の形状内に、フィギュアを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の請求項は、2006年9月21日付けで出願された米国特許仮出願番号第60/846,408号の名称「胸部への無線問合せ用の変換器・アンテナ・プローブ」、2007年4月5日付けで出願された米国特許仮出願番号第60/910,394号の名称「胸部への無線問合せ用アンテナ」、2007年9月20日付けで出願された米国特許仮出願番号第60/973,970号の名称「胸部への無線問合せ用アンテナ」、2006年9月21日付けで出願された米国特許仮出願番号第60/846,402号の名称「心肺データ採取用の胸部構成部からの帰還無線信号の調整方法」、2006年9月21日付けで出願された米国特許仮出願番号第60/846,403号の名称「非侵襲性の生体インピーダンス計測のための方法と装置」、および2007年9月20日付けで出願された米国特許仮出願番号第60/973,985号の名称「非侵襲性の胸部への無線問合せ用の装置と方法」における利益を主張するものであり、上記文献での記載内容のすべてが、本明細書において参照されることにより本願の請求項内に包含される。
【0002】
米国政府は、この発明に関する一括支払いライセンスを所有し、特許範囲の適切な条件において、すなわち米国空軍特殊作戦軍(AFSOC:Air Force Special Operations Command)が授与する契約番号DAH001-05-S-0144によって提供される条件の元において、特許権保有者に対して第三者にライセンスさせることを要求できる限定された条件内において、権利を所有している。
【背景技術】
【0003】
肺動脈カテテールで侵襲的に実施される血行動態モニタリングは、重症患者の看護において通常のこととなっていた。最近まで、血行動態モニタリングは、肺動脈カテテールの侵襲性の特質、カテテールの挿入およびカテテールの維持で要求される専門知識、並びに潜在的な患者生命への危険を防ぐのに要求される用意周到な注意と努力のために、重症管理室、手術室、および、時には救急診療部での実施に制限されていた。認可された侵襲性の血行動態モニタリングの方法には、フィック法、染料指示薬希釈法、熱希釈法が含まれる。
【0004】
現在、接触インピーダンスによる心拍記録法が、患者の血行動態の非侵襲性モニタリングの1つのタイプとして提供可能となっている。肺動脈カテテールによる侵襲性の血行動態モニタリングと異なって、非侵襲性接触インピーダンスによる心拍記録法は、重症患者の看護に限定されるものではない。非侵襲性の継続した血行動態モニタリングは、どのような医療分野においても有効であり、たとえば外来患者の治療から重症管理室における治療においても有効である。どのような医療分野においても、医療サービス機関は、侵襲性の手段によらずに、患者の血行動態に関する情報を得ることを要求している。
【0005】
従来の接触インピーダンスによる心拍記録法は、低振幅の交流(AC)電圧テスト信号を直接患者の胸部に取り入れることで実施される。この方法は、皮膚に接触する電極を使用することで実施される。心臓系における導電性の変化が、主として心臓を経由する血流による導電性の変化が、電圧信号として身体に取り入れられた電流を変調させる。変調された電流信号は、情報信号を運搬しており、受信器/比較器によって、元々のAC電圧テスト信号と比較されることで、心臓のインピーダンス波形が取り出される。変調信号の直流(DC)成分は、胸部における固定すなわち基線の電気的インピーダンスZoを示し、変調信号のAC成分は、胸部における時間的に変化する心臓のインピーダンス波形ΔZ/Δtを示すことになる。接触インピーダンスによる心拍記録法の従来技術は、米国特許番号5,423,326号、5,443,073号、および5,309,917号内において開示され、説明されており、その内容は、本明細書において参照として包含されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
接触インピーダンスによる心拍記録法の従来技術は、侵襲的技術を超えた画期的な進歩であるが、未だいくつかの使用上の制限を有している。この方法は、患者の胴体に数個の電極を注意深く設置することを要求する。このことは、重要な欠点には見えないかもしれないが、病院の緊急治療室から医療の応急処理アリーナ(arena)への移動における、継続した非侵襲的な血行動態のモニタリングにとって障害となっている。この医療の応急処理アリーナとは、軍隊における戦場、自然災害、または他の緊急医療用シナリオ(scenario)を含むような、実質的に緊急のあらゆる現場状況を包含する。
【0007】
無線問合せ信号(interrogation signal)の反射信号の変動分は、従来の接触インピーダンスによる電圧測定で検出される信号内の変動分とほぼ同一の方法で、心臓の情報を取り出すように処理できることが発見されている。無線問合せ信号の反射信号が、人体内に存在するさまざまな物質に無線信号が衝突した結果として変化を受けていることを理解されるであろう。無線の反射信号は、従来の接触インピーダンス測定法における人体を経由して導かれた低周波インピーダンス用テスト信号のように、特に導電性物質に電気的に鋭敏であり、また、無線の反射信号は、変化する血液量、流速、および可能であれば心臓の機械的活動を反映する赤血球の配列の動的変化によって、少なくとも部分的に振幅および位相において変調されることが既に発見されている。無線問合せ信号の反射信号は、従来の接触インピーダンス測定法で使用されている、伝播する電圧テスト信号のように、固定/基線の成分(Zoに相当)および比較的ゆっくりした時間(100Hzまたはそれ以下の周波数)で変化する成分(ΔZ/Δtに相当)の両方を、少なくとも第1次の成分および第2次の成分として有している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、簡単に説明すると、アンテナ層、グランド層、および、上記アンテナ層と上記グランド層との間の誘電体層を含むアンテナを包含するものである。上記アンテナ層および上記グランド層は、各辺の長さが異なる2つの同一形状の三角形で、該同一形状の三角形の最大長の辺で結合される2つの三角形の鏡像の形状内に、フィギュア(figure)を形成する。
【0009】
上述の要約も、また以下の「発明を実施するための形態」における説明も、添付図面と併せて読むことで、より一層理解されることであろう。本願発明を説明する目的で、上記図面内に好ましく存在する実施例を示す。然しながら、本願発明は、本説明書内に示された明確な配置および手段に制限されるものでないことは理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】RFIIアンテナ組立品の好ましい実施例の側面図である。
【図2】アンテナ層を示すRFIIアンテナ組立品の好ましい実施例の“底面”側の平面図である。
【図3】RFIIアンテナ組立品の好ましい実施例の断面A−Aにおける断面図である。
【図4】RFIIアンテナ組立品の好ましい実施例の断面B−Bにおける断面図である。
【図5】RFIIアンテナ組立品の好ましい実施例の断面C−Cにおける断面図である。
【図6】アンテナ層の好ましい寸法を示すアンテナ層の好ましい実施例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1−3に関連して、RFIIアンテナ組立品(assembly)10の好ましい実施例の機能ブロック図が表示されており、この組立品は、無線周波問合せ信号を生成し、無線周波問合せ信号の反射された信号を受信して処理するためのものである。RFIIアンテナ組立品10は、アンテナ32および測定システム22を含む。測定システム22は、好ましいことに送信器、受信器、および無線周波問合せ信号の反射信号を解析するためのオンボードのマイクロプロセッサを含む。RFIIアンテナ組立品10が、モニターすべき人間(以後、患者と記載)に近接して置かれるとき、マイクロプロセッサは、無線周波問合せ信号の反射信号が、心臓の正当なインピーダンス信号と有効な相関にあるドプラー変調を有しているか否かを決定する。また、マイクロプロセッサは、無線周波問合せ信号の反射信号に付加された特徴、例えば無線周波問合せ信号の反射信号によって示される血行動態パラメータを決定することが可能である。
【0012】
また、測定システム22は、無線周波問合せ信号の反射信号に関するマイクロプロセッサによる解析結果を、遠隔地に無線で送信するために、第2の送信器および第2のアンテナを含むことも可能である。
【0013】
RFIIアンテナ組立品10は、好ましいことに、902〜928MHzの産業、科学、および医療用(ISM:industrial, scientific and medical)バンドの周波数で、無線周波問合せ信号を生成させ、さらに好ましいときには、915MHzで無線周波問合せ信号を生成させる。然しながら、当業者が既に理解されるように、RFIIアンテナ組立品10の周波数は、902〜928MHzのISMバンドの周波数に制限されることはない。
【0014】
図1に関連して、RFIIアンテナ組立品10の側面が表示されている。RFIIアンテナ組立品10は、好ましいことに5層の積層品からなっている。好ましくは、アンテナ32は、RFIIアンテナ組立品10の底部上の銅のアンテナ層12、銅のグランド・プレーン層16、および、グランド・プレーン層16からアンテナ層14を分離させる誘電体層14を含む。アンテナ層12は、好ましいことに0.5オンス(14.17g)の銅から形成され、グランド層16は、好ましいことに1.0オンス(28.35g)の銅から形成される。然しながら、上記銅の厚さは、決定的なことではない。好ましいことに、誘電体層14を含む物質は、10を超える誘電率を有し、915MHzの周波数において0.003未満の散逸係数を有する。アンテナ32の好ましい実施例において、誘電体層は、厚さ25ミル(0.61mm)のロジャース(Rogers)3210のセラミックによって提供され、このセラミックは、誘電率10.2を有するガラス繊維織物で強化された積層品で満たされている。然しながら、セラミック以外で満たされた積層品の誘電体を使用することもできる。
【0015】
測定システム22は、好ましいことにRFIIアンテナ組立品10の表面側の印刷回路基板(PCB:printed circuit board)上に構築される。測定システム22が構築されるPCBは、誘電体層18と印刷回路層20とを含む。好ましい実施例において、PCB層18は、厚さ31ミル(0.79mm)のFR4のガラス繊維エポキシ樹脂のPCB用材料から製作される。然しながら、ポリイミド、セラミック、またはテフロン(登録商標)材質のような別の材質も、PCB用材料として使用することができる。印刷回路層20は、0.5オンス(14.17g)の銅からなる回路パターンおよびグランドパターンを含み、これらのパターンは、PCB層18上に積層処理される。図1および図3に示すように、メッキされたスルーホール22、22aは、送信器の出力をアンテナ層12に提供し、またアンテナ層12の出力を受信器に提供するために、アンテナ層12および印刷回路層20の間の接続を提供する。
【0016】
使用中、RFIIアンテナ組立品10は、患者の心臓領域に近い患者の胴体の上に、ユーザによって置かれる。無線周波問合せ信号の反射信号が、要求されている心臓の情報を運搬していることが検出されると、マイクロプロセッサは、好ましいことに、アンテナ32が適切な位置に置かれ、要求されている心臓のデータが得られていることを意味するユーザ宛の信号を生成する。
【0017】
一般的には、電磁エネルギーを送信及び/又は受信するためのアンテナは、空中すなわち自由空間の方向へ、または空中すなわち自由空間の方向から、電磁エネルギーを放射または受信するのに使用される。一般的なアンテナに反して、本願のアンテナ32は、無線周波問合せ信号の電磁エネルギーを、極端に短い距離すなわち0.01cm〜10cmの距離で、人体の胸部領域まで伝播するようにデザインされている。当業者は理解されているように、共振周波数、駆動点インピーダンス、およびアンテナ32のような共振用アンテナの帰還損失は、アンテナ32の近接場における媒体の誘電率、透磁率、および導電率によって影響される。人体の誘電率、透磁率、および導電率は、自由空間の誘電率等とは著しく相違するので、アンテナ32の寸法、およびアンテナ32の励起箇所の位置は、患者がアンテナ32の近接場内にいるときの動作のために、相違することになる。
【0018】
胸部内の心臓本体までの数cmを0.01cm〜10cmに加味する距離は、アンテナ32が915MHzの周波数の信号で励起されているとき、アンテナ32の近接場内に存在すると見なされる。本願発明の目的のために、「近接」と言う語句は、患者がアンテナ32の近接場内にいるように、アンテナ32を配置するときを特定するために使用される。
【0019】
RFIIアンテナ組立品10の好ましい実施例において、アンテナ32は、通常パッチアンテナと呼ばれるプレーナ・タイプのアンテナであり、好ましくは4分の1波長のデザインのプレーナ・タイプのアンテナである。好ましいアンテナ32は、おおよそ1.2インチ(3.05cm)および1.5インチ(3.81cm)の寸法であり、この寸法のパラメータが、超高周波の無線信号を放射し、そして帰還の無線信号を受信することを最適化する。すなわち、この寸法が、送信器から比較的短距離で受信される無線信号を、患者の被服を通過し、患者の胸部まで浸透し、そして、少なくとも心臓部まで浸透するように放射させ、さらに、血液および他の胸部の内臓物からの反射によって生成される帰還の無線信号を受信し、この受信信号を受信器に提供することを最適化する。
【0020】
図2に示すように、アンテナ層12およびグランド層16の好ましい実施例は、2つの同一の名目上の直角三角形の形状内に各々の層が存在し、各々の層の鏡像が、凧のような形状のアンテナ32を形成するように、各直角三角形の斜辺において結合している。周波数915MHzでアンテナ32を動作させるために、図6に示すように、各直角三角形の斜辺は、すなわちアンテナ32の長さは、好ましくは51mmとし、各直角三角形の短い方の辺の長さは好ましくは31mmとし、各直角三角形の長い方の辺の長さは好ましくは40mmとしている。結果として、好ましいアンテナ32を形成する各直角三角形の内角は、名目上90度、52度、および38度であり、2つの三角形によって形成される四辺形の角度は、各々90度、104度、90度、および76度を作り出している。
【0021】
当業者は、無線周波問合せ信号が、好ましい周波数915MHzから変化するとき、アンテナ32の各寸法は、無線周波問合せ信号の周波数に反比例して変化させることになることは理解されるであろう。さらに、各直角三角形の鋭角における内角は、正確に52度および38度に限定されることはない。各直角三角形の小さい方の鋭角における内角の角度は、31度から44度の間のいずれかの角度にすることができ、さらに好ましくは35〜40度にすることができ、同時に大きい方の鋭角は、相補する角度にすることができ、このときのアンテナ32は、本願発明の精神および範囲の内に含まれる。
【0022】
また、アンテナ32は、2つの三角形から構築されるとき、必ずしも直角になる内角を含む必要はない。さらに、アンテナ32は、2つの同一直角三角形の鏡面から構築するばかりだけでなく、各多角形の最大長の辺で結合させる同一多角形の鏡面のからも構築することができ、このときのアンテナ32は、各多角形が、多角形の少なくとも3つの辺を相違する長さで有することになる。
【0023】
凧の形状による効果は、アンテナ32の帯域幅を広げることになる。好ましいことに、アンテナ32の帯域幅は、例えばアンテナ32を製作するときの製作公差に適応させて、無線周波問合せ信号の周波数のどのような不確実性に対しても適用させることになる。好ましい実施例において、アンテナ32の10dB帯域幅は、14〜30MHzの範囲内において隣接する媒体に影響されることになるが、しかしアンテナ32の形状を変えることにより、この帯域幅は、一層大きくも一層小さくもすることができる。
【0024】
従来の4分の1波長のアンテナのように、アンテナ32は2つの端部25a、25bを有し、この端部において、アンテナ層12がグランド層16および2つの端部26a、26bに導電的に接続され、この2つの端部26a、26bは、アンテナ層12およびグランド層16の銅を囲む裸の誘電体のマージン(margin)領域と共に開放されている。好ましい実施例において、図4に示すように、アンテナ層12およびグランド層16の間の導電性接続は、一連のメッキされたスルーホール24、好ましくは名目上の直径0.02インチ(0.5mm)のスルーホールによってなされる。一連のメッキされたスルーホール24は、アンテナ32の2つの短辺側において、アンテナ層12およびグランド層16の間に短絡回路の接続を提供するのに役立ち、アンテナ32に4分の1波長モードの動作を強要することになる。
【0025】
図3および図6に示すように、スルーホール22は、アンテナ32の水平方向の中央線上で、かつアンテナ32の垂直方向の中央線から約7mm離れた箇所において、アンテナ層12内に配置される。スルーホール22は、RFIIアンテナ組立品10を経由して延びている。スルーホール22の直径は、コネクター、例えばSMAコネクターの中心導体を受け入れるために、名目上0.056インチ(1.42mm)になっており、このスルーホール22は、アンテナ32をテストするためにRFIIアンテナ組立品10の表面上に一時的に固定するときに、上記コネクターを受け入れる。スルーホール22の側面22aは、導電性の材料によってメッキされており(すなわち、メッキされたスルーホールを形成し)、こうして、このスルーホールは、送信器と受信器の構成成分およびアンテナ層12の間に、無線信号を導くようにしている。また、送信器と受信器の構成成分は、RFIIアンテナ組立品10の表面上において印刷回路層20に好ましく取り付けられている。また、図3は、メッキされたスルーホール26を示しており、名目上の直径は、0.02インチ(0.51mm)である。このスルーホール26は、印刷回路層20のグランド部分とアンテナ・グランド層16とを接続するように、PCB層18を経由して延びている。図3に示すように、メッキされたスルーホール26は、メッキされたスルーホール22を囲んでいる。メッキされたスルーホール22とメッキされたスルーホール26との組み合わせは、マイクロストリップの導波路構造を形成し、この導波路構造が、印刷回路層20に取り付けられている送信器と受信器の構成成分およびアンテナ層12の間において、無線信号を導くようにしている。
【0026】
RFIIアンテナ32の好ましい実施例において、スルーホール22は、駆動点インピーダンスを提供ように配置され、この駆動点インピーダンスが、心臓のインピーダンスを測定するときに、無線問合せ信号の最も強力に反射する信号を提供してくれる。RFIIアンテナ32の好ましい実施例において、上記駆動点インピーダンスは、患者の人体がRFIIアンテナ32の近接場内に存在するときに、約50オームになるように選択されるが、別のインピーダンス値を選択することもできる。
【0027】
自由空間において、RFIIアンテナ32からの放射パターンは、アンテナ32に平行な平面内で実質的に全方向に放射されるパターンであり、約−10dBの最大ゲインを有している。好ましいことに、RFIIアンテナ32からの自由空間での帰還損失は、約−2.7dBである。好ましいことに、RFIIアンテナ32が、胸部に対して1mmから5mmmの範囲内に配置されるとき、RFIIアンテナは、−20dBより良い帰還損失が得られる。然しながら、−10dBに等しい悪い帰還損失が、本願発明の精神と範囲内に存在する。好ましいことに、調整されたアンテナは、自由空間において、約30MHzで10dBの帯域幅を有しており、そして患者の胸部に対して5mmmの範囲内に配置されたとき、約14MHzで10dBの帯域幅を有している。好ましいことに、人体に侵入するRFエネルギーの総量は、アンテナ32から到着するパワーの45%になると計算されている。好ましいことに、アンテナ32は、胸部に対して5mmmの範囲内に配置されたとき、最大の機能を有し、しかも胸部から最大で200mmの距離までも有用である。
【0028】

当業者は、本願の広い発明の概念から離脱することなく、種々の変更が、上述の実施例に対して実施できることを理解するであろう。従って、本願発明は、開示した特定の実施例に制限されることは無く、添付クレームに記載された、本願発明の精神と範囲内の変形例に及ぶことになることを理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ層と、
グランド層と、
前記アンテナ層と前記グランド層との間の誘電体層と、を含むアンテナであって、
前記アンテナ層および前記グランド層の各層は、各多角形の最大長さの辺で結合される2つの同一多角形の鏡像の形状内にフィギュアを形成し、そして前記各多角形の少なくとも3つの辺は異なる長さである、アンテナ。
【請求項2】
各多角形が、三角形である請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
各三角形が、直角三角形である請求項3に記載のアンテナ。
【請求項4】
各直角三角形の少なくとも1つの内角が、31〜44度の範囲内にある請求項3に記載のアンテナ。
【請求項5】
各直角三角形の少なくとも1つの内角が、35〜40度の範囲内にある請求項3に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記アンテナが、4分の1波長用のアンテナである請求項1に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記アンテナ層と前記グランド層とが、前記フィギュアの隣り合う2つの辺の各々で、電気的に接続される請求項6に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記アンテナ層を前記グランド層に接続している電気的接続は、複数のメッキされたスルーホールによる請求項7に記載のアンテナ。
【請求項9】
前記アンテナ層を励起させる導電性接続は、前記誘電体層を介して作成される請求項1に記載のアンテナ。
【請求項10】
前記アンテナ層を励起させる導電性接続は、マイクロストリップの導波管によって形成される請求項9に記載のアンテナ。
【請求項11】
前記アンテナ層を励起させる導電性接続は、メッキされたスルーホールによる請求項9に記載のアンテナ。
【請求項12】
前記アンテナ層を励起させる導電性接続は、前記アンテナを患者に近接させたときに、前記アンテナの帰還損失を最大にするように配置される請求項9に記載のアンテナ。
【請求項13】
前記アンテナの帰還損失は、前記アンテナが患者から5mmの距離内に置かれたときに、−10dBよりも良くなる請求項12に記載のアンテナ。
【請求項14】
前記アンテナは、902〜928MHzの範囲内で共振する請求項1に記載のアンテナ。
【請求項15】
前記フィギュアは、4辺であり、前記対称軸に沿う前記フィギュアの長さは、約51mmであり、前記フィギュアの少なくとも1つの内角は約76度である、請求項14に記載のアンテナ。
【請求項16】
少なくとも1つの寸法は、人体の誘電率および透磁率に基づく請求項1に記載のアンテナ。
【請求項17】
患者に問合せ信号を放射する方法であって、
アンテナを前記患者に近接させたとき、−10dBよりも良い帰還損失を保有するように、前記アンテナを設定するステップと、
前記アンテナを前記患者に近接させるように、前記アンテナを配置するステップと、
前記アンテナを問合せ信号で励起させるステップと、を含む方法。
【請求項18】
前記問合せ信号を患者に放射するステップと、前記患者からの反射信号を受信するステップと、をさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記問合せ信号の周波数は、902〜928MHzの範囲内にある請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記アンテナは、対称軸の周囲において対称である、四辺の平面アンテナであって、前記対称軸に沿った前記アンテナの長さは約51mmであり、前記アンテナの少なくとも1つの内角は約76度である、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−504697(P2010−504697A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529256(P2009−529256)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/020492
【国際公開番号】WO2008/036404
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(509079341)ノンインベイシブ メディカル テクノロジーズ,インコーポレイティド (2)
【Fターム(参考)】