胸部組織用の減圧・圧縮システムおよび装置
システムは減圧を使用して治療用の力を人の胸部領域に提供する。このシステムは、胸部領域に配置するように成形および構成された医療アセンブリと、胸部領域の少なくとも一部に医療アセンブリを押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタと、人の表皮に対して医療アセンブリの上方に流体シールを提供するためのシーリングサブシステムとを含む。このシステムはさらに、医療アセンブリに対して減圧を提供するための減圧サブシステムを含む。減圧が供給されるとき、このシステムは、人の胸部領域の少なくとも一部に対する力を生成する。医療アセンブリは、クッション材料から形成された第1カップおよび第2カップを有するブラジャーとして形成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に治療システムに関し、より詳細には、減圧創傷治療システムに関するものである。
【0002】
[関連出願]
本発明は、35U.S.C.§119(e)に基づき、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−pressure Surgical Wound Treatment System”とする米国仮特許出願第61/057,807号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Dressing Assembly For Subcutaneous Wound treatment Using Reduce Pressure”とする米国仮特許出願第61/057,798号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“See−Through,Reduced−Pressure Dressing”とする米国仮特許出願第61/057,808号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure Dressing Assembly For Use in Applying a Closing Force”とする米国仮特許出願第61/057,802号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure,Linear−Wound Treatment System”とする米国仮特許出願第61/057,803号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure,Compression System and Apparatus for use on a Curved Body Part”とする米国仮特許出願第61/057,800号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure,Compression System and Apparatus for use on Breast Tissue”とする米国仮特許出願第61/057,797号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Super−Absorbent,Reduced−Pressure Wound Dressing and System”とする米国仮特許出願第61/057,805号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure,Compression System and Apparatus for use on a Joint”とする米国仮特許出願第61/057,810号、2008年12月10日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure Wound treatment System Employing an Anisotropic Drape”とする米国仮特許出願第61/121,362号、並びに、2009年1月12日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure,Compression System and Apparatus for use on a Joint”とする米国仮特許出願第61/144,067号の出願の利益を主張するものである。これらすべての仮出願は事実上、引用により本明細書に援用されるものである。
【背景技術】
【0003】
医師は、毎年、世界中で何百万もの外科的処置を行っている。多くの処置が観血手術として行われる一方で、内視鏡手術、関節鏡視下手術および腹腔鏡下手術のような低侵襲手術を使用して行われる処置が増加してきている。一例として、米国美容外科学会は、2007年に米国で450,000を超える脂肪吸引手術が行われたと報告している。
【0004】
外科的処置は、皮膚および関連する組織における急性創傷、例えば、切創(外科的創)を伴うものである。多くの場合、切創は、ステープルまたは縫合糸のような機械的部材を使用して手術の最後に閉じられるか、あるいは接着剤を使用して閉じられる。その後、創傷は、多くの場合、乾燥した滅菌包帯で覆われるに過ぎない。当然のことながら、通常は表皮におけるよりも多くの断裂がある。
【0005】
多くの外科的処置、特に、低侵襲技術で行われる外科的処置に関しては、断裂または損傷の多くが表皮の下方あるいは皮下レベルにある。さらに一例として、脂肪吸引手術の一種においては、外科医は、腫脹性流体(生理食塩水、低刺激の鎮痛剤またエピネフリン)の導入後に、脂肪領域を取り除くために吸引とともにトロカールおよびカニューレを使用することになる。そうする際に、カニューレが通された切創あるいは器具が通されたその他の切創から離れた組織部位に、皮下の空隙およびその他の組織欠損が形成されるのは珍しいことではない。損傷した組織は、治療のために時間とケアを必要とするものであり、幾つか例を挙げると、浮腫、血清腫、血腫、さらなる紫斑および斑状出血を含む、多くの潜在的な合併症および危険性をもたらす。
【発明の概要】
【0006】
例示的な実施形態によれば、人の胸部領域に力(force)を提供するためのシステムは、胸部領域に置かれるように成形および構成された医療アセンブリ(ドレッシングアセンブリ:dressing assembly)を含む。医療アセンブリは医療クッション(ドレッシングボルスタ:dressing bolster)を含む。このシステムはさらに、胸部領域の少なくとも一部に医療アセンブリを押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタ(releasable circumferential connector)と、人の表皮に対して医療アセンブリの上方に流体シールを提供するためのシーリングサブシステム(sealing subsystem)とを含む。このシステムはさらに、医療アセンブリに対して減圧を提供するための減圧サブシステムを含む。減圧下において、このシステムは、人の胸部領域の少なくとも一部に対する力を生成するために動作可能である。
【0007】
別の例示的な実施形態によれば、人の乳房組織に治療上の支持を与えるための減圧システムは、人の胴体上に置くための医療アセンブリを含み、この医療アセンブリの少なくとも一部が乳房組織の近傍に配置するためのものとなっている。医療アセンブリは、医療クッションおよび内部表面部材を含む。このシステムはさらに、胴体の少なくとも一部に医療アセンブリを押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタを含む。このシステムはさらに、人に対して医療アセンブリの上方に流体シールを提供するためのシーリングサブシステムと、医療アセンブリに対して減圧を提供するための減圧サブシステムとを含む。医療アセンブリ、シーリングサブシステムおよび減圧サブシステムは、乳房組織に支持力を提供するとともに、乳房組織に減圧を送達して、任意の流体、例えば、滲出液を除去するために、減圧下で機能する。
【0008】
例示的な実施形態によれば、減圧治療用ブラジャーは、胴体上の乳房組織近傍の少なくとも一部に置くための医療クッション、第1乳房カップおよび第2乳房カップを有するブラジャー医療アセンブリを含む。第1乳房カップは、医療クッションの一部として形成されるとともに、第1ポケットが設けられている。第1ポケットは乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成されている。第2乳房カップは、医療クッションの一部として形成されるとともに、第2ポケットが設けられている。第2ポケットは乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成されている。治療用ブラジャーはさらに、胴体の少なくとも一部に医療アセンブリを押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタと、ブラジャーおよび着用者の表皮の上に流体シールを提供するためのシーリング部材とを含むことができる。治療用ブラジャーは、減圧を受け入れて医療クッションに減圧を送達するために減圧インタフェースを備えることができる。治療用ブラジャーは、乳房組織に力を提供するために減圧下で機能する。
【0009】
別の例示的な実施形態によれば、減圧治療用ブラジャーを製造する方法は、少なくとも乳房組織に隣接する部分で胴体上に置くための医療クッションを有するブラジャー医療アセンブリを作成するステップと、第1乳房カップおよび第2乳房カップを作成するステップとを含む。第1乳房カップは、医療クッションの一部として形成されるとともに、第1ポケットが設けられている。第1ポケットは乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成されている。第2乳房カップは、医療クッションの一部として形成されるとともに、第2ポケットが設けられている。第2ポケットは乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成されている。この製造方法はさらに、胴体の少なくとも一部にブラジャー医療アセンブリを押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタを提供するステップと、シーリング部材をブラジャー医療アセンブリに結合するステップとを含む。シーリング部材は、ブラジャーおよび人の表皮の上に流体シールを提供する。この製造方法はさらに、減圧を受け入れてブラジャー医療クッションに減圧を送達するために減圧インタフェースを形成するステップを含む。
【0010】
例示的な実施形態のその他の特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を参照することにより明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のより完全な理解は、添付図面と併用して、以下の詳細な説明を参照することにより得ることができる。
【0012】
【図1】図1は、患者の胴体に減圧システムが示される例示的な実施形態の一部の概略斜視図である。
【図2】図2は、切創の上方および穿掘された皮下組織の上に減圧システムが示される例示的な実施形態の一部断面概略斜視図である。
【図3】図3は、損傷の無い皮膚上および穿掘された皮下組織の領域の上方に減圧システムが示されている例示的な実施形態の一部の断面図である。
【図4】図4は、減圧システムが患者の胴体上に示されて適用される例示的な実施形態の一部の概略断面図である。
【図5】図5は、減圧システムが患者の胴体上に示されて適用される例示的な実施形態の一部の概略断面図である。
【図6】図6は、減圧システムが患者の胴体上に示される例示的な実施形態の一部の前部概略斜視図である。
【図7】図7は、図6に示される減圧システムの例示的な実施形態の一部の後部概略斜視図である。
【図8】図8は、減圧・圧縮システムの例示的な実施形態の一部の概略断面図である。
【図9】図9は、クッション材料を示す概略斜視図である。
【図10】図10は、乳房組織を支持するためのブラジャーの例示的な実施形態の前部概略斜視図である。
【図11】図11は、一方のサイドから取られる図10のブラジャーの断面図である。
【図12】図12は、図10および図11のブラジャーの前部概略斜視図であり、ブラジャーの一部がブラジャーの後部を示すために取り除かれている。
【図13】図13は、図10乃至図12のブラジャーの一部の概略断面図である。
【図14】図14は、例示的で代替的な態様を示す図10乃至図12のブラジャーの一部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の例示的な実施形態の詳細な説明においては、その一部を構成する添付図面に対して参照がなされ、その図面においては、本発明が実施される具体的な実施形態が例示を目的に示されている。それらの実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載されており、また、その他の実施形態が利用可能であるとともに、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で、論理構造的、機械的、電気的および化学的な変更が可能であることを理解されたい。本発明を当業者が実施可能とするのに必要のない細部説明を避けるために、当業者に既知の一部の情報を説明から省略する場合がある。したがって、以下の詳細な説明は、限定の意味で捉えるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0014】
図1を参照すると、患者の胴体4の所望の治療領域3に力を提供するためのシステム2が示されている。このシステム2は、患者の胴体、腕部、脚部またはその他の湾曲した身体部分などの身体の所与の部分のために支持が望まれるあらゆる状況で適用することができるが、ここでは、胴体4との関連で説明する。システム2は、任意には滲出液のような流体を取り除く間に、圧縮力(または内向きの力)および持上げ力(または上向きの力)を所望の治療領域に与えるような、治療上の理由で力が望ましいときに適用することができる。システム2は、皮下組織、表面組織を治療するために、あるいは支持を提供するために、適用することができる。他に記載がない限り、本明細書に使用されるように、“or(または)”は相互排他性を要求するものではない。システム2は、美容上の理由または任意の理由により、単に支持が望ましいときであっても、適用することができる。
【0015】
システム2は、比較的容易に患者の体の一部に支持を与えることを可能にすることともに、単一のシステムまたは装置によって様々な大きさの体の一部を受け入れて、それにより大量の在庫の必要性を低減することを可能にする。創傷と併用されるとき、システム2は、創傷を乾燥した状態に保ち、死腔が生じるのを低減し、灌流を改善し、血清腫および血腫の形成を低減し、ある種の外科的処置に伴う紫斑および浮腫を低減することができる。また、システム2は、当該システム2の使用により、患者または人に相対的な快適性を提供する。システム2によって生み出される力は、システム2に送達される減圧を変えることにより変化させることができ、フィードバックループは、腫脹の増大または低下したときにも減圧の自動調節を可能にして治療部位上で所望の圧縮力を維持するために使用することができる。
【0016】
ここで図2を参照すると、例示的な一実施形態に従って切り口周囲の領域における穿掘された皮下組織を治療するための例示的なシステム10が示されている。システム10は、切創12の周りの切り口周囲の領域に示されており、それは、表皮14(または皮膚)および真皮16を通って、下皮または皮下組織18に達している。皮下組織18には、脂肪組織または筋肉のような数多く組織タイプが含まれる。穿掘された皮下組織部位20は、切創12から延びるように示されており、この実施例では、皮下の欠損または空隙22を含んでいる。穿掘された皮下組織20は、脂肪吸引のような外科的処置によってしばしば引き起こされる。穿掘された皮下組織20は、空隙22のような空隙、空間、および多く理由により厄介なものとなり得る様々な欠損を含む可能性がある。例えば、空隙22は、流体が増えて浮腫をもたらすことがある。用語“fluid(流体)”は、本明細書に使用されるように、一般に気体または液体を指すものであるが、その他の流動性材料も含み、それには、限定される訳ではないが、ゲル、コロイド、泡状の物質が含まれる。
【0017】
切創12は、ステープル、縫合糸または接着剤のようなあらゆる閉鎖デバイスを使用して閉じることができるが、この例示的な実施形態では、縫合糸13が示されている。システム10は、典型的にはある領域の治療のためのものであり、特に、典型的には皮下組織部位20および皮下組織20の周囲の組織を治療するためのものであるが、当該システム10は、切創12のより限られた領域を治療するために使用されるものであってもよい。
【0018】
システム10は、成形医療クッション32(あるいは医療クッション)を含む医療アセンブリ30、シーリングサブシステム60および減圧サブシステム80を含む。システム10は、符号24により表される正味の圧縮力(net compressive force)を生み出し、それは、皮下組織20で実現される。以下にさらに述べるように、成形医療クッション32は、圧縮力24を患者の表皮14の上方と表皮14の下方に殆ど均一に分配することを可能にするように成形および構成することができる。そのようにしないと、その他の領域と比較して力が大幅に増加した領域が存在する場合に、皮膚炎が生じることがある。また、システム10は、内向きの力(あるいは閉鎖力)、すなわち医療アセンブリ30の内部に向かう力を生成するために機能するものであってもよい。内向きの力は、符号26によって表されている。内向きの力26は、表皮14の平面内に実質的に留まるものであってもよい。すなわち、内向きの力26は主として表皮14内で作用する。また、システム10は、切創12に減圧を送達するために機能する。減圧は、任意の空気または任意のその他の流体、例えば、滲出液の除去を助けるのと同時に、その領域における組織の接近(一体化)を助けるために、皮下の空隙22のレベルで実現することができる。
【0019】
医療アセンブリ30は、成形医療クッション32を含み、これは、第1の面34と、第2の内向き(組織対向)面36とを有する。成形医療クッション32は、より大きいまたは小さいサイズが使用されるとしても、穿掘された皮下組織20の推定領域と実質的に適合するようにサイズ設定および成形することができる。成形医療クッション32は周辺縁部38を有する。成形医療クッション32は、数多くの様々なクッション材料で形成することができる。例示的な一実施形態では、成形医療クッション32が、多孔性および透過性の泡状材料から形成され、より詳細には、減圧下であっても創傷流体の良好な透過性を可能にする網状の連続気泡構造のポリウレタンまたはポリエーテル発泡体により形成されている。使用されているそのような発泡材料の一つは、テキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.(KCI)から入手可能なVAC(登録商標)Granufoam(登録商標)材料である。クッション材料が減圧を分配して所望の力を提供するように機能するならば、任意の材料または材料の組合せをクッション材料に使用することができる。
【0020】
成形医療クッション32は、力を均等に分配して減圧を分配するようにサイズ設定および成形されたマニホルドであってもよい。用語“manifold(マニホルド)”は、本明細書で使用されているように、一般に、組織部位に減圧を加え、組織部位に流体を運び、あるいは組織部位から流体を除去するのを補助するために設けられる物質または構造のことをいう。マニホルドは、典型的には、その周囲の組織に提供される流体およびその組織から取り除かれる流体の流通を改善するために相互接続された複数の流路または経路を含む。マニホルドは、組織部位に接触して配置することができ、かつ組織部位に減圧を分配することができる生体適合性材料であってもよい。マニホルドの例としては、流路を含むまたは流路を含むように保持する、例えば、多孔性発泡体、連続気泡発泡体、多孔質組織収集体、液体、ゲルおよび発泡体のような、流路を形成するように配列された構造要素を有するデバイスが含まれるが、それらに限定されるものではない。マニホルドは多孔性とすることができ、特定の生物学的応用に適した、発泡体、ガーゼ、フェルト状マットまたは任意のその他の材料から作ることができる。その他の実施形態では、“独立気泡”を含むこともある。ある状況においては、マニホルドは、薬剤、抗菌物質、成長因子および様々な溶液のような流体を組織部位に分配するために使用することもできる。吸収性素材、ウィッキング材料、疎水性材料および親水性材料などのその他の層を、マニホルド内に、あるいはマニホルド上に含むものであってもよい。
【0021】
Granufoam(登録商標)材料の網状の孔は、約400ミクロンから600ミクロンまでの範囲にあって、マニホルド機能を達成するのに有用であるが、その他の材料を使用することも可能である。医療用のクッション材料、例えば、Granufoam(登録商標)材料の密度は、一般的には、約1.3lb/ft3−1.6lb/ft3(20.8kg/m3−25.6kg/m3)の範囲にある。ある状況においては、Granufoam(登録商標)材料より高い密度(より小さな孔径)を有する材料が望ましい場合もある。例えば、1.6lb/ft3(25.6kg/m3)を超える密度を有するGranufoam(登録商標)材料または同様の材料を使用することができる。別の実施例として、2.0lb/ft3(32kg/m3)または5.0lb/ft3(80.1kg/m3)を超える密度あるいはそれ以上の密度を有するGranufoam(登録商標)材料または同様の材料を使用することもできる。材料の密度が高くなるほど、所与の減圧について生成される圧縮力も高くなる。組織部位の組織よりも小さい密度を有する発泡体が、医療用クッション材料として使用される場合、持上げ力が生じることがある。例示的な一実施形態では、医療アセンブリのある部分、例えば、縁部が、圧縮力を与える一方で、別の部分、例えば、中心部が持上げ力を与えるようにしてもよい。
【0022】
クッション材料は、後でフェルト状とされて、元の厚さの約三分の一(1/3)の厚さになる網状の発泡体であってもよい。多くの可能性のあるクッション材料の中で、Granufoam(登録商標)材料またはFoamex(登録商標)技術発泡体(www.foamex.com)を使用することができる。場合によっては、マイクロボンディングのプロセスにおいて発泡体にイオン性銀を加えるか、あるいは抗菌物質のようなその他の物質をクッション材料に加えることが望ましい場合もある。クッション材料は、減圧の適用中に望ましい圧縮力24の正確な方向に応じて、等方性または異方性のものとすることができる。また、クッション材料は生体吸収性材料であってもよい。
【0023】
シーリングサブシステム60はオーバードレープ62(ドレープ)またはシーリング部材を含む。オーバードレープ62は、エラストマー材料、あるいは流体シールを提供する任意の材料とすることができる。“流体シール”または“シール”とは、関連する特定の減圧サブシステムが与えられる所望の部位で減圧を保持するのに必要なシール(密封)を意味するものである。“Elastomeric(エラストマーの)”は、エラストマーの性質を有することを意味し、一般に、ゴムのような性質を有するポリマー材料のことをいう。より具体的には、ほとんどのエラストマーは、100%より高い伸び率および非常に高い弾性を有する。材料の弾性とは、弾性変形から回復する材料の能力のことをいう。エラストマーの例には、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリエステルおよびシリコーンが含まれるが、それらに限定される訳ではない。非限定的な例として、オーバードレープ62は、シリコーン、3M社のTegaderm(登録商標)ドレープ材料、Averyから入手可能なアクリルドレープ材料、または切創ドレープ材料を含む材料から形成することができる。
【0024】
オーバードレープ62は、クッション32に結合させることができる。その結合は、様々な方法で行うことができる。オーバードレープ62およびクッション32は、アクリル接着剤、シリコーン接着剤、ヒドロゲル、親水コロイドなどのような接着剤を使用して結合させることができる。オーバードレープ62およびクッション32は、熱接合、超音波接合および無線周波数接合などによって接合させることができる。結合は、離散的なパターンで、またはより完全に行うことができる。オーバードレープ62を所望方向に異方的に作用させるために、すなわち、異方性ドレープ材料とするために、構造部材を上記接合に加えるようにしてもよい。異方性ドレープ材料は、医療アセンブリ30が主として所与の方向、すなわち特定の1または複数の軸の周りのみに移動するのを助ける。
【0025】
図2の例示的な実施形態では、オーバードレープ62が成形医療クッション32の端33の周辺縁部38を越えて延びてドレープ外延部64を形成するようにサイズ設定されている。ドレープ外延部64は第1の表面66と、第2の内向きの表面68とを有する。オーバードレープ62は、密封具またはデバイス69の使用により患者の表皮14に対して密封されて、シールを提供することができる。オーバードレープ62および密封具69は、減圧サブシステム80により組織部位で減圧が維持されるのを可能にする。密封具69は、接着剤70、シーリングテープまたはドレープテープあるいはストリップ、両面ドレープテープ、のり、親水コロイド、ヒドロゲル、またはその他の密封手段のように、様々な形態を取ることができる。テープを使用する場合、オーバードレープ62と同じ材料から形成して、予め粘着剤を塗布しておくことができる。粘着材70は、ドレープ外延部64の第2の表面68上に塗布することができる。接着剤70は、オーバードレープ62と患者の表皮14との間の実質的な流体シールを提供する。接着剤70は、ドレープ外延部64が患者の表皮14に貼り付けられる前に取り除かれる接着剤70を覆う除去可能なストリップを備えるようにしてもよい。
【0026】
減圧サブシステム80は減圧源82を含むが、それは様々な形態を取ることができる。減圧源82はシステム10の一部として減圧を提供する。減圧源82は、真空ポンプ、壁面吸い込みまたはその他の供給源のような、減圧を供給するための任意のデバイスとすることができる。組織部位と成形医療クッション32に加えられる減圧の量と性質は、一般に用途に応じて変わるものとなるが、一般的には、減圧は、−5mmHgと−500mmHgとの間、より一般的には、−100mmHgと−300mmHgとの間になるであろう。
【0027】
本明細書で使用されているように、“reduced pressure(減圧)”は、一般に、治療を受ける組織部位の周囲圧力未満の圧力のことをいう。多くの場合、この減圧は、患者がいる位置の大気圧未満となるであろう。若しくは、減圧は、組織部位における静水圧未満であってもよい。特に記載がなければ、本明細書で述べる圧力の値は、ゲージ圧である。送達される減圧は、一定であっても、あるいは(パターン化されたまたはランダムな)変化を生じるものであってもよく、また、連続的または間欠的に送達されるものであってもよい。“真空”および“負圧”といった用語が組織部位に加えられる圧力を説明するのに使用されるかもしれないが、組織部位に加えられる実際の圧力は、完全真空に通常付随する圧力よりも大きくなることがある。本明細書における使用と一致するように、減圧または真空圧の増加は、典型的には絶対圧の相対的な低下のことをいう。
【0028】
患者の動き易さおよび気楽さを最大化するために、減圧源82は、電池式の使い捨ての減圧発生器であってもよい。そのような減圧源82は、手術室における利用を促進し、リハビリテーションの段階中に患者に動き易さと利便性を提供する。減圧源82は、バッテリコンパートメント84およびキャニスタ部分86を備え、キャニスタ部分は、キャニスタ86内の流体のレベルの視覚的な表示を与えるウィンドウ88を有する。また、疎水性または油分をはじくフィルタのような挿入薄膜フィルタを、減圧供給導管またはチューブ90と、減圧源82との間に介在させるようにしてもよい。
【0029】
多くの治療について、患者は3乃至5日間システム10を着用するように指示され、15日またはそれ以上システム10を着用するように指示されると考えられる。それでも、治療時間は、最大6週間、数多くの治療の後に今日着用される従来型の圧迫衣服による治療とは対照的に、歓迎される期間である。電池寿命および/または電力供給は、最大15日間の動作を与える必要がある。テキサス州サンアントニオ所在のKCIから入手可能なV.A.C.(登録商標)治療ユニットあるいは壁面吸い込みユニットなど、減圧のその他の供給源も利用することができる。また、減圧源82は、成形医療クッション32と表皮14との間の流体シールでどれだけ多くの漏れが生じるかに応じて、チューブ内のピストンのような携帯用機械デバイスによって供給することもできる。
【0030】
減圧源82によって生成された減圧は、減圧供給導管90を通って、減圧インタフェース92に送達される。減圧インタフェース92はエルボーポート94とすることができる。例示的な一実施形態では、ポート94が、テキサス州サンアントニオ所在のKCIから入手可能なTRAC(登録商標)技術ポートとなっている。減圧インタフェース92は、減圧がシーリングサブシステム60に送達されて、当該シーリングサブシステム60の内部に実現されることを可能にする。この例示的な実施形態では、ポート94は、オーバードレープ62を通って延びて、成形医療クッション32に至る。
【0031】
操作に際して、システム10は、患者に対する外科的処置の後またはそれ以外のときに、手術室内で利用される。成形医療クッション32の第2の表面36は、表皮14に接触して置かれ、その際に、成形医療クッション32が穿掘された皮下組織部位20の上にあり、一部が切創12の上にある。医療アセンブリ30は、医療サービス提供者によって行なわれる手術に伴う標準的な用途に合わせてサイズ設定することができる。医療アセンブリ30は、腹部、胸、大腿部、腕などのような様々な身体構造上の応用と連携するようにサイズ設定、成形および構成することができる。
【0032】
オーバードレープ62が未だ成形医療クッション32に結合されていない場合(以下のその他の例示的な実施形態を参照)、オーバードレープ62は、成形医療クッション32の第1の表面34の上に置かれて、追加部分が周辺縁部38を超えて延びてドレープ外延部64を形成する。その後、ドレープ外延部64は、表皮14(図2の符号172を参照)にテープで貼り付けることができ、あるいは接着剤70(図1)を使用することができ、それにより、オーバードレープ62と患者の表皮14との間に流体シールが形成される。流体シールは、システム10が治療部位上で減圧を保持可能とするのに十分であることのみが必要とされる。減圧接続部92および減圧源82は、減圧供給導管90を使用して流体流通可能に連結される。その後、減圧源82が作動されて、減圧が成形医療クッション32に伝えられる。
【0033】
成形医療クッション32において圧力が低下すると、成形医療クッション32が縮んで横方向に収縮するとともに、半硬質の基質を形成し、その結果、多くの有益な力および動作が生じる。減圧は、さらにそのまま、成形医療クッション32を介して伝達され、その結果、患者の表皮14の切創12が減圧を受けることとなる。少なくとも治癒プロセスの初期段階で、減圧が切創12を通じて皮下組織20内で実現され、減圧が皮下の空隙22のような欠損を閉じるのを助けるとともに、一般に、その領域に安定性を与える。また、成形医療クッション32に送達される減圧は、圧縮力24も生成し、それがさらに安定性と治療を与えることができる。圧縮力24は、表皮14の地点よりも大きくなる。圧縮力24はより深く下方に拡がって、この圧縮力が皮下組織20のレベルで受けられるものとなる。
【0034】
オーバードレープ62および成形医療クッション32が減圧の影響下で横方向に収縮して、下向きの力がポアソン比を介して表皮14に作用すると、内向きの力26が生じて、切創12で閉鎖力を保持するのを助けるとともに、切創12または治療部位に追加的な安定性を一般に与えることができる。内向きの力26は、成形医療クッション32と表皮14との間の摩擦に部分的に依存して、力を表皮14に伝えるとともに、接着剤70により、あるいはテープ(図2の符号172)を使用する場合には摩擦を介して、ドレープ外延部64から表皮14への力の伝達を引き起こすことができる。同時に、成形医療クッション32に送達される減圧および成形医療クッション32を通じて送達される減圧は、任意の滲出液またはその他の流体を切創12から除去するのを助ける。また、システム10は、均等に加えられる力で表皮を平らにすることも可能とし、それは輪郭を形成して表皮14を滑らかにする。これらの動作はすべて、切創12および穿掘された皮下組織20の回復を改善することができる。
【0035】
動作上の懸念の1つは、システム10を配置して使用する際に皮膚炎を回避することである。このため、二次的なせん断力、二次的な歪みまたはその他の作用に起因する、患者の表皮14の水疱形成などの皮膚炎を避けるために注意が払われる。かかる理由のため、成形医療クッション32の端部33は、圧縮力の均等な分配を与えるように成形することができる。端部33はクッション32の外側の成形部分であり、周辺縁部は一般に、成形医療クッション32の最も外寄りの部分、または患者の表皮と相互作用する最も外寄りの部分である。端部33は面取りされた表面とすることができるが、その他の形状、例えば、システム110(図2)におけるアーチ形状を使用することもできる。均等に力を分配する形状が望ましいる。ちなみに、正方形の縁を有する医療クッションが使用される場合、オーバードレープが医療クッションの上方および患者の表皮上に適用されるときに“テント領域(tent area)”が生じるようにしてもよい。“テント領域”は皮膚炎に関する問題に貢献すると考えられる。“テント領域”は、成形クッション32を成形することにより、あるいはオーバードレープを医療クッションの側面領域に取り付けることによって、避けることもできる。
【0036】
成形医療クッション32の成形縁部または端部は、大きな“エッジ効果”を生じることなく、すなわち、せん断力や応力を引き起こして紅斑または水疱形成のような皮膚炎を引き起こすレベルまで上昇させることなく、圧縮力24が生成されることを可能にする。成形部分は、炎症を避けるために力を徐々に分配する。表皮14に注意深く力を加えて炎症を避けるこの方法は、圧縮力24を“均等分配する”方法と一般に呼ばれるが、文字通りの意味で厳密に使用されるものではない。ある程度のバラツキが存在するかもしれないが、それは表皮14の炎症を引き起こすほどのものではない。皮膚炎に対する別の予防措置として、内側層が、成形医療クッション32と患者の表皮14(図11の符号857を参照)との間に加えられるか、あるいは以下のその他の例示的な実施形態と関連して説明されるその他の位置に配置されるものであってもよい。
【0037】
手術室にシステム10を適用して、十分な治癒が生じるまで患者に対してシステム10をそのままの状態とするのを許容することが望ましい。これに関して、医療サービス提供者が、医療アセンブリ30を取り除く必要なしに、切創12および穿掘した皮下組織20の治癒についての視覚的手がかりを得ることを可能にするために、オーバードレープ62、成形医療クッション32およびその他のレイヤを透明な材料から形成することが望ましい場合もある。
【0038】
ここで図3を参照すると、患者の穿掘した皮下組織を治療するためのシステム110の別の例示的な実施形態が示されている。このシステム110は殆どの点で図2のシステム10と類似しているため、この実施形態においては、符号に100を加えて類似部分が一般に示されている。この特別な例示的な実施形態では、傷の無い表皮115の上にシステム110が配置されている(すなわち、この場合には、切創またはその他の直線的な創傷が無い)。しかしながら、皮下の空隙122を含む、穿掘した皮下組織120が存在する。システム110は、切創の有無にかかわらず、穿掘した皮下組織120を治療するのを助ける。
【0039】
システム110は、成形医療クッション132を有する医療アセンブリ130を含む。成形医療クッション132は第1の表面132と、第2の内向きの表面136とを有する。図2の成形医療クッション32は台形断面で示したが、図3の成形医療クッション132は、丸みが付けられた縁部または弓状の縁部を持つ端部133を備える楕円形状に形成された断面を有している。成形医療クッション132は、2重の面取りを施した断面またはその他の形状で形成することができる。前述したように、成形医療クッション132の形状は、減圧中に皮膚炎が回避される程度に圧縮力が均等に分配されるのを促進する。図3の例示的な実施形態では、密封具169が、オーバードレープ162と患者の表皮114との間の流体シールを提供する。この実施例において、密封具169はシーリングテープ172である。
【0040】
システム110は、成形医療クッション132上に流体シールを提供するためのシーリングサブシステム160を含む。減圧供給導管190は、減圧インタフェース192、例えば、ポート194に減圧を送達し、この接続部は、シーリングサブシステム160の内部と流体流通可能となっている。
【0041】
この例示的な実施形態では、大気圧がオーバードレープ162の第1の表面161上に力131を与え、成形医療クッション132の収縮が圧縮力124を生成して、正味の力を与える。この力は下方の皮膚内にもたらされて、真皮116に達するとともに、その他の皮下レベル118に達する場合もある。それと同時に、内部に向けられる実質的に面内の力が生成される。内向きの力は、2つの異なる作用を介して生じさせることができる。先ず、内向きの力127は、成形医療クッション132が圧縮されることにより引き起こされる内向きの収縮力であり、成形医療クッション132が圧縮するに連れて、成形医療クッション132が内側に向けて引き込まれる。同時に、減圧が加えられると、矢印128によって示されるように、端部133に隣接する領域にオーバードレープ162が引き込まれる。ドレープ外延部164が表皮114に固定されるため、内向きの力129によって示されるように、合成力128の水平成分が表皮114を内向きに引っ張ることとなる。
【0042】
ここで図4を参照すると、組織部位220、例えば、穿掘した皮下組織部位を治療するためのシステム210が、患者の胴体のような湾曲した身体部分200上に示されている。このシステム210は医療アセンブリ230およびシーリングサブシステム260を含む。医療アセンブリ230は成形医療クッション232を含む。シーリングサブシステム260は、外延部264を有するオーバードレープ262を含む。外延部264は、接着剤270のような密封具によって患者の表皮214に固定することができる。減圧源(図示省略)は、減圧供給導管290に減圧を提供し、この管路は減圧インタフェース292に減圧を送達する。
【0043】
減圧インタフェース292は成形医療クッション232に減圧を送達する。成形医療クッション232が減圧の影響下で圧縮されると、正味の圧縮力224が生成され、それが組織部位220に伝えられる。この実施形態では、成形医療クッション232の端部233が直角の端部に形成されている。オーバードレープ262は、空隙235の周囲に“テント”領域229を形成する。減圧下では、オーバードレープ262が空隙235内に引き込まれて、それにより、内向きの収縮力226を生成する力が加えられる。
【0044】
システム210において、成形医療クッション232の湾曲は、圧縮力を生成するのを助ける。成形医療クッション232の第1の表面234は、成形医療クッション232の第2の内向きの表面236の表面積よりも大きな表面積を有している。このため、減圧の下では、この表面積の差が、正味の圧縮力224の生成も促進する。
【0045】
ここで図5を参照すると、組織部位320、例えば、穿掘した皮下組織部位を治療するための例示的なシステム310が示されている。このシステム310は殆どの点で図4のシステム210と類似しているため、この実施形態においては、図4の符号に100を加えて類似部分が一般に示されている。このシステム310は、湾曲する身体部分300、例えば、患者の胴体に適用される。システム310は、表皮314に隣接して配置される全周性の医療アセンブリ330を提示する。
【0046】
医療クッション332は、表皮314に接触して配置され、ドレープ、すなわちオーバードレープ362が、医療クッション332を収容する密閉領域を形成するために使用されている。減圧は減圧管路390を通って減圧インタフェース392に送達される。減圧インタフェース392は医療クッション332に減圧を送達する。減圧を加えている間に生じる周方向の力は、システム310内で結合して、内向きの圧縮力324を生じさせる。この圧縮力は、ドレープおよび皮膚に対する力の解放がないため、平坦または部分的な胴体への応用よりも高くなり得る。
【0047】
ここで図6乃至図8を参照すると、患者の処置領域412を治療するためのシステム410が示されている。この実施例で与えられる処置は、患者の胴体404上の処理領域412への力である。処置は、1または複数の切創における流体の除去も含むことができる。この例示的な実施形態については、所望の処理領域412が患者の腹部として示されている。患者が、例えば、腫脹性の脂肪吸引をしている場合には、1または複数の切創で実現される圧縮力を加え、真皮416および穿掘した皮下組織420で実現される圧縮力を加え、皮下組織418の接近およびせん断応力に対する組織の安定化を与え、かつ、腫脹性の流体または滲出液のような放出されるあらゆる流体を除去するために、システム410を使用することが望ましい。システム410は、患者の胴体404の周囲で少なくとも部分的に周方向に延びる医療アセンブリ430を含む。医療アセンブリ430は、第1の周辺縁部439を有する医療クッション432を含む。
【0048】
図8に明示されるように、医療クッション432は、第1の表面434と、第2の内向きの(または組織を向く)表面436とを有する。医療クッション432は、減圧を分配して、力(圧縮力または持上げ力であってもよい)を所望の治療領域、例えば、治療領域412に与える。内部表面部材440は、第1の表面442と、第2の内向きの表面444とを有するものであるが、患者の表皮414と医療クッション432との間に配置することができる。医療クッション432の第2の表面436は、内部表面部材440の第1の表面442に結合される(例えば、接合されるか、組み込まれる)ものであってもよい。内部表面部材440は、医療クッション432から独立したものとすることができる。内部表面部材440は、流体透過性または不透過性とすることができ、医療クッション432と患者の表皮との間に障壁を提供することができる。例示的な一実施形態では、内部表面部材440は、医療クッション432が患者の皮膚と相互作用することにより生じ得る皮膚炎を回避するとともに、減圧を使用して、その表面における汗およびその他の流体の除去を促進する。
【0049】
医療クッション432は、この出願のその他の部分に記載された任意のクッション材料から作ることができる。以下に示すブラジャーの実施形態の乳房におけるように、ある部分では、より硬い(あまり多くの持ち上げを与えない)医療クッション432を利用者が望み、ある部分では、より柔らかく、最大の持ち上げを生じる医療クッション432を利用者が望むことから、医療クッション432は、完全に均一ではないクッション材料を含むことができる。クッション材料は、変化する性質を有するクッション材料を使用することにより、あるいは組み合わされてクッション材料を構成する2またはそれ以上の異なる材料を使用することにより、程度の差はあるが硬くすることができる。いくつかの応用では、カリフォルニア州サニーヴェール所在のSupracor Systems,Inc.のSupracor(登録商標)の溶融接合されたハニカム材料のようなハニカム材料からクッション材料を形成することが望ましい場合もある。
【0050】
医療アセンブリ430は、第1面448および第2面450を有する外部表面部材446または外部部材をさらに含むことができる。内部表面部材440または内部部材、および外部表面部材446は、スパンデックス材料のような予め張力が加えられた弾性材料で形成することができ、例えば、Lycra(登録商標)ブランドの材料を使用することができる。内部表面部材440は、皮膚に対する接触負荷をもたらすこととなる、しわを避けるために高い収縮性能を有する。また、内部表面部材440に使用される材料の低摩擦は、表皮に対するせん断損傷の可能性を低減するのを助ける。また、内部表面部材440またはレイヤの透過性は、組織部位への減圧伝達をもたらし、滲出液除去のために経路を提供する。内部表面部材440または内部部材、および外部表面部材446は、医療クッション432を囲む外皮(envelope)を形成するために結合させることができる。
【0051】
外部表面部材446の第2面450は、医療クッション432の第1の表面434に結合させるようにしてもよい。それぞれの部材(例えば、表面436と表面442、および表面450と434)の結合は様々な方法で行うことができ、それには、以下のように数多くの例がある。すなわち、アクリル接着剤、シリコーン接着剤、ヒドロゲル、親水コロイドなどのような接着剤を使用することもできるし、あるいは、熱接合、超音波接合または無線周波数接合などの接合を使用することもできる。結合はパターンで行うようにしても、あるいは全体を覆うようにしてもよい。所望方角に異方的に作用する部材を形成するために、構造部材を上記結合に加えることもできる。また、医療クッション432の圧縮力および特性を変更するために、支柱またはその他の機械的要素をクッション内に設けることもできる。
【0052】
医療アセンブリ430は、図6乃至図8において実質的に矩形断面で示されているが、より多くの垂直持上げ力(図6および図7に示す方向に対して垂直)を与えるためにその他の形状を利用することもできる。医療クッション432は一体部材として示されているが、医療クッション432に、減圧の異なる供給をそれぞれ有するクッション材料の様々なセクションを設けることもでき、さらには、正圧を有するセクションも設けるようにしてもよい。後者に関しては、負荷を再分配するのを助けるために、あるいは構造要素を加えるために、正圧が与えられる1またはそれ以上の密閉されたチャンバを加えることができる。
【0053】
医療クッション432、並びに、内部表面部材440および外部表面部材446のような任意の追加レイヤは、シーリングサブシステム460の一部であるオーバードレープ462で覆うことができる。オーバードレープ462は、周辺縁部438および439を越えて延びて、第1面466および第2面468を有するドレープ外延部464を形成することができる。流体シールは、シーリングテープあるいはドレープテープ471のような密封具469、接着剤(図1の接着剤5を参照)、のり、親水コロイド、ヒドロゲルまたはその他の密封手段の使用により、ドレープ外延部464と患者の表皮414との間に形成することができる。ドレープテープ471は接着剤473を含む。いくつかの応用では、ガスケット材を、表皮414と医療クッション432またはオーバードレープ462との間に加えることができる。別の実施形態では、オーバードレープ462を医療クッション432の第1面上のみに貼り付けて、その後に、外延部464の有無にかかわらず医療クッション432の縁部または周辺部を密封するために、幅広のドレープテープを使用することができる。
【0054】
シーリングサブシステム460は、流体シールを提供するか、若しくはシステム410が所望の治療部位412で減圧を維持することを可能にする。シーリングサブシステム460は、好ましくは、オーバードレープ462および密封具469を含む。流体シールを形成するとして説明したが、実際には、ある程度の漏れが存在することがあり、僅かな空気の漏れは、医療アセンブリ430の全体にわたって低速気流を与え、それが分配されて湿気を除去するのを助ける。代替的な実施形態では、オーバードレープ462を使用する代わりに、気密の外側部分を設けるために外部表面部材446を作成することができ、密封されないその他の部分と同様に、クッション材料の縁部を覆うのに、ドレープテープを割り当てることができる。
【0055】
減圧サブシステム480は、部分的にしか示していないが、前述した実施形態の減圧サブシステム(例えば、図2の80)と類似したものである。減圧サブシステム480は、エルボーポート494のような減圧インタフェース492を含み、それは、減圧源が減圧管路479を介して医療アセンブリ430内に、特に、医療クッション432内に減圧を運ぶことを可能にする。減圧サブシステム480は、浮腫減少により患者の寸法が変化しても、一定レベルの圧縮力を提供すべく、圧力を変化させるように制御することができる。減圧源は、一定の減圧または可変減圧を供給することができる。上述したその他の実施形態と同様に、減圧源は、本明細書のその他の部分で言及したものを含む多くの様々な形態を取ることができる。
【0056】
図7に明確に示されるように、医療アセンブリ430は、医療クッション432の一部上に移行領域452を含むようにしてもよい。移行領域452は、先細に形成するか、あるいは縁部で厚さを減らして、フレキシビリティを増大させるとともに、せん断コンプライアンスが最大となるように形成するようにしてもよい。これは、医療アセンブリ430の収縮によって引き起こされるような任意の集中せん断負荷、患者の可動性、並びに、ドレッシング/副子が付けられた領域と支持されていない真皮との間の剛性の不連続性によって引き起こされる負荷の集中を分配するのを助けることができる。移行領域452は、1またはそれ以上の結合片454または結合要素454に移行することができる。
【0057】
結合要素454の一部は、ファスナ456を含むことができ、それは、面ファスナ、留め金または結合要素454の2部分を結合するその他の手段とすることができる。結合要素454およびファスナ456は、周方向のコネクタを形成し、医療アセンブリ430が、湾曲した身体部分のまわりの経路を完成するか、完成した解放可能な周方向部材458を形成する。このため、解放可能な周方向部材458は、患者の胴体404の周囲に延びて、解放可能な周方向部材458が胴体404に対して保持されるのを可能にし、特に、減圧サブシステム480により減圧が送達される前であっても、クッション432を所望の治療領域412に押さえ付けて保持する。結合要素454およびファスナ456上に流体シールを提供するために、追加的なドレープテープを使用するようにしてもよい。
【0058】
移行領域452は、医療アセンブリ430の第1端部453および第2端部455を含むことができ、特に、患者の胴体404の周りに示される長手部分457の端部を含むことができる。結合要素454およびファスナ456を含む解放可能な周方向部材458により、2つの端部は接合されて、解放可能に保持される。
【0059】
医療クッション432の第1の表面434と第2の表面436の表面積の違いは、正味の圧縮(内向きの)力の生成に貢献する。正味の圧縮力は、医療クッション432の第2の表面436に対する医療クッション432の第1の表面434の外周の比が増加するに連れて、直線的に増加する。このため、より大きな圧縮力を発生させるためには、上記比を増加させるべく、医療クッション432を厚く形成することができる。医療クッション432の曲げ剛性は、生成した圧縮力の伝達にも影響を与えることがある。ドレッシング430の曲げ剛性が低い場合、正味の圧縮力は、非常に均一に分配される。図9を参照すると、542に平行な第2軸および540に平行な第1軸に沿う低い弾性剛性が、医療クッション532の曲げ剛性の低減に寄与する。
【0060】
ここで図6乃至図8に戻ると、操作に際して、医療アセンブリ430は、医療クッション432を所望の治療領域412に接触させた状態で、患者の湾曲した身体部分、例えば、胴体404の周りに配置される。解放可能な周方向コネクタ458は、完成した解放可能な周方向部材を形成するために利用される(すなわち、結合要素454およびファスナ456が作動状態とされる)。減圧サブシステム480がシーリングサブシステム460に減圧を送達して医療クッション432に減圧が送達されるように、減圧サブシステム480を作動させることができる。その後、医療クッション432は減圧下で収縮して潰れ、それにより所望の処理領域412に支持力を伝達することができる。支持力は圧縮力を含むことができ、それは患者の胴体内に作用して、下方の表皮14、真皮416内に達し、そして、穿掘した皮下組織420への皮下レベル418に至る。1セグメントについての正味の圧縮力は図8に符号424で示されている。また、横方向の力426、すなわち、周辺縁部439に向かう力、または持上げ力あるいは上向きの力426も生成することができる。
【0061】
ここで図9を参照すると、異方性材料から作られた医療クッション532の一部が示されている。使用できる一つの異方性材料は、Tytex Group(www.tytex.com)から入手可能なAirX圧縮材料または布である。医療クッション532は、第1の表面534および第2の表面536を有する。また、それは、図6および図7に示される実施形態において人の頭部に最も近い頂部537と、図6および図7に示される実施形態において人の足に最も近い底部539とを有する。説明の目的のために、医療クッション532は、基準線540,542および544と平行な3つの軸を備える。医療クッション532の材料は、潜在的に異方性であり、それは、異なる軸に沿って異なる機械的特性を有するものであることを意味する。例えば、圧縮率は、第1、第2および第3の軸のうちの少なくとも2つの間で異なるようにしてもよい。例示的な一実施形態では、力を増加させることが望ましい場合に、望ましくは1またはそれ以上の軸に沿って伸張または収縮するように、異方性材料を選択および配向することができる。これは、本明細書で検討しているように、乳房組織に同様のシステムを適用する場合に特に望ましい可能性がある。
【0062】
図10乃至図14を参照すると、乳房組織に支持力を提供するためのシステム610が示されている。システム610は、患者の胴体604上部の胸部領域616における乳房組織614を支持するための治療用ブラジャ612を含んでいる。支持は、乳腺の一部または全体の切除術または豊胸手術のような外科的処置の対象となり得る、乳房組織614またはその近傍の規定された支持領域618に与えることができる。乳房切除術の場合には、支持領域618が残りの乳房組織を支持することができる。
【0063】
システム610は、医療アセンブリ630を含み、それは、第1の表面634および第2の内向きの表面636を有する医療クッション632を含む。医療アセンブリ630は、第1の表面640および第2の内向きの表面642を有する内部表面部材638を含むことができる。内部表面部材638は、医療クッション632の第2の表面636に第1の表面640上で結合させることができる。また、医療アセンブリ630は、外部表面部材644も含み、それは、第1の表面646および第2の内向きの表面648を有する。外部表面部材644は、クッション632の第1の表面634に第2の表面上で結合させることができる。
【0064】
シーリングサブシステム660は、減圧サブシステム680からの減圧下にあるときに所望の支持領域618において患者の表皮に対して減圧を維持するのに十分な流体シールを提供する。シーリングサブシステム660は、数多くの様々な形態を取ることができる。この実施形態は、オーバードレープ662を含み、これは医療クッション632を覆うとともに、医療クッション632の周辺縁部650を越えて延びて外延部664を形成し、この外延部に対して密封具667が適用されて、表皮との間に流体シールを形成する。密封具667は、接着剤、シーリングテープ668またはストリップ、両面シーリングテープ、のり、親水コロイド、ヒドロゲルまたはその他の密封手段のような数多くの形態を取ることができる。また、密封具667は図13に示されるように、追加的構成要素を伴うこともできる。
【0065】
ここで図13を参照すると、閉鎖部材667は、前述したように、単なるテープ668または接着剤とすることができ、また、医療クッション632よりも高い張力下にある密閉クッション670をさらに含むこともできる。密閉クッション670は、密閉クッション670上にオーバードレープ662の一部を有しており、このクッションは、減圧サブシステム680が減圧を送達する区画を形成するようにしても、あるいは減圧サブシステム680から減圧を受け入れるために医療クッション632に流体流通可能に結合されるようにしてもよい。
【0066】
ここで図14を参照すると、密封具667の例示的で代替的な実施形態が示されている。この実施形態では、外部表面部材644および内部表面部材638が、周辺縁部650を越えて、互いに隣接して配置されている。外部表面部材644の第2の表面648および内部表面部材638の第1の表面640は、任意の既知の手段によって互いに結合させることができる。それら部材は、以下の方法のうちの一つを含む数多くの様々な方法で、すなわち、アクリル接着剤、シリコーン接着剤、ヒドロゲル、親水コロイドなどのような接着剤を使用して、あるいは熱接合、超音波接合および無線周波数接合により接合によって、あるいはその他の手段によって、結合することができる。結合は、パターンで、またはより完全に行うことができる。材料を所望方角に異方的に作用させるために、構造体を接合に加えることもできる。図14の実施形態は、内部表面部材638の第2の表面642と患者の表皮611との間に貼り付けられる接着用ストリップ674を示している。接着用ストリップ674が表皮611に貼り付けられる前に、接着用ストリップ674は取外し可能な裏当て材またはストリップで覆うことができる。
【0067】
ここで主に図10乃至図12を参照して、治療用ブラジャー612に関して、支持領域618に伝達される支持力を説明することとする。ブラジャー612は、医療アセンブリ630に関して前述したように形成されており、第1乳房カップ682および第2乳房カップ684を含む。乳房カップ682および684を形成する際に、1またはそれ以上の縫い目686を加えることが必要である場合がある。各乳房カップ682,684は、図11に示されるポケット688のようなポケットを形成する。ポケット688は、乳房組織614を受け入れるためのものであり、あるいは乳房切除術の場合には、滲出液を集めるプロセスを補助して下層の創傷に圧力を加えるのを助けるために高吸収材料で覆われるシリコーンゲル挿入物のように、一時的な、手術後の人工装具を受け入れるようにしてもよい。代替的な実施形態では、両乳房を覆う単一のカップ、あるいはより一般的には、患者の胸部の一部を覆う単一のカップを形成するようにしてもよい。
【0068】
治療用ブラジャー612は、各乳房カップ682,684についての個別のシーリングサブシステムを有する個別のクッションを有するように分岐させて、それにより、異なる寸法または状態に対応するために、異なる圧力レベルが各乳房カップ682,684に供給され得るようにしてもよい。例えば、一方の乳房が乳房切除術の対象で、他方がそうでない場合には、異なる減圧が望ましいことがある。
【0069】
ここで主に図12を参照すると、治療用ブラジャー612が、結合要素654を含む移行領域652を備えることができる。結合要素654は、対向する移行領域652(明確には示されていないが、図7のファスナ456と類似している)上で受入れファスナと結合する、繊維材料と1またはそれ以上のファスナ656であってもよい。ファスナ656は、面ファスナ、ジッパー部材、スナップまたはその他の手段であってもよい。ある状況では、ファスナ456の頂部の上にドレープテープを貼り付けて適切な流体シールを提供することが望ましい場合もある。減圧サブシステム680は、部分的にしか示されていないが、減圧管路687を介して減圧を運び、減圧管路は、エルボーポート694のような減圧インタフェース692を介して、医療クッション632と流体流通可能となっている。
【0070】
操作に際して、システム610は、クッション632の少なくとも一部が乳房組織614に隣接して、好ましくは支持領域618に隣接するように、胴体604に治療用ブラジャー612を配置することにより利用される。医療アセンブリ630は、結合要素654およびファスナ656とともに、減圧サブシステム680からの減圧が加えられる前であっても適所に治療用ブラジャー612を保持する解放可能な周方向コネクタ698を形成する。治療用ブラジャー612を定位置に配置すると、減圧サブシステム680が作動するとともに、減圧接続部692を介して医療クッション632に減圧が送達される。医療クッション632は、減圧の影響下で、潰れて収縮し、それにより、周方向コネクタ698に亘って張力を生成させるとともに、圧縮力および支持(上向きの)力の一成分を支持領域618または乳房組織614に与える。
【0071】
システムおよび装置を、様々な身体部分、例えば、腹部、乳房に適用してきたが、その他の適用も含まれる。例えば、システムは人の大腿部で使用することができ、その場合には、サイクリングショーツに似た一対のショーツによってクッションアセンブリが定位置に保持される。別の例として、乳房組織について記載したシステムおよび装置は、パンヌスまたはその他のぶら下がった組織片を持ち上げて支持するために使用可能な大きな単一のフロントカップを形成するように変更することができる。さらにもう一つの例として、乳房組織に対して提示されたものと類似の様式で作られた減圧カップは、手術後に睾丸サポートとして使用することができ、それをショーツに組む込むことができる。
【0072】
別の例示的な実施形態において、人の湾曲した身体部分の少なくとも一部に力を提供する方法は、湾曲した身体部分上に医療アセンブリを配置させるステップを含む。医療アセンブリは、所望の治療領域の上に配置するための内部表面部材であって、第1の表面と、第2の内向きの表面とを有する部材を含む。医療クッションは第1の表面と、第2の内向きの表面とを有する。医療クッションの第2の内向きの表面は、内部表面部材の第1の表面に押し付けて配置されている。医療アセンブリは湾曲した身体部分に対して密封されるものであってもよい。この方法はさらに、医療アセンブリに減圧を提供するステップを含む。減圧が加えられるときに、医療クッションは、大気圧下の第1体積(V1)から減圧下の第2体積(V2)の状態になる。すなわち、第1体積は第2体積よりも大きい(V1>V2)。体積が変化すると、圧縮部分、持上げ部分または内向きの閉鎖部分を含む、方向性を持った力が生成される。
【0073】
特定の例示的で非限定的な実施形態のコンテキストにおいて本発明とその利点を開示してきたが、添付の請求項によって定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、代替、置換および修正をなし得ることに留意されたい。当然のことながら、何れかの実施形態との関係で示した任意の特徴は、任意のその他の実施形態にも適用可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に治療システムに関し、より詳細には、減圧創傷治療システムに関するものである。
【0002】
[関連出願]
本発明は、35U.S.C.§119(e)に基づき、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−pressure Surgical Wound Treatment System”とする米国仮特許出願第61/057,807号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Dressing Assembly For Subcutaneous Wound treatment Using Reduce Pressure”とする米国仮特許出願第61/057,798号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“See−Through,Reduced−Pressure Dressing”とする米国仮特許出願第61/057,808号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure Dressing Assembly For Use in Applying a Closing Force”とする米国仮特許出願第61/057,802号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure,Linear−Wound Treatment System”とする米国仮特許出願第61/057,803号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure,Compression System and Apparatus for use on a Curved Body Part”とする米国仮特許出願第61/057,800号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure,Compression System and Apparatus for use on Breast Tissue”とする米国仮特許出願第61/057,797号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Super−Absorbent,Reduced−Pressure Wound Dressing and System”とする米国仮特許出願第61/057,805号、2008年5月30日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure,Compression System and Apparatus for use on a Joint”とする米国仮特許出願第61/057,810号、2008年12月10日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure Wound treatment System Employing an Anisotropic Drape”とする米国仮特許出願第61/121,362号、並びに、2009年1月12日に出願された発明の名称を“Reduced−Pressure,Compression System and Apparatus for use on a Joint”とする米国仮特許出願第61/144,067号の出願の利益を主張するものである。これらすべての仮出願は事実上、引用により本明細書に援用されるものである。
【背景技術】
【0003】
医師は、毎年、世界中で何百万もの外科的処置を行っている。多くの処置が観血手術として行われる一方で、内視鏡手術、関節鏡視下手術および腹腔鏡下手術のような低侵襲手術を使用して行われる処置が増加してきている。一例として、米国美容外科学会は、2007年に米国で450,000を超える脂肪吸引手術が行われたと報告している。
【0004】
外科的処置は、皮膚および関連する組織における急性創傷、例えば、切創(外科的創)を伴うものである。多くの場合、切創は、ステープルまたは縫合糸のような機械的部材を使用して手術の最後に閉じられるか、あるいは接着剤を使用して閉じられる。その後、創傷は、多くの場合、乾燥した滅菌包帯で覆われるに過ぎない。当然のことながら、通常は表皮におけるよりも多くの断裂がある。
【0005】
多くの外科的処置、特に、低侵襲技術で行われる外科的処置に関しては、断裂または損傷の多くが表皮の下方あるいは皮下レベルにある。さらに一例として、脂肪吸引手術の一種においては、外科医は、腫脹性流体(生理食塩水、低刺激の鎮痛剤またエピネフリン)の導入後に、脂肪領域を取り除くために吸引とともにトロカールおよびカニューレを使用することになる。そうする際に、カニューレが通された切創あるいは器具が通されたその他の切創から離れた組織部位に、皮下の空隙およびその他の組織欠損が形成されるのは珍しいことではない。損傷した組織は、治療のために時間とケアを必要とするものであり、幾つか例を挙げると、浮腫、血清腫、血腫、さらなる紫斑および斑状出血を含む、多くの潜在的な合併症および危険性をもたらす。
【発明の概要】
【0006】
例示的な実施形態によれば、人の胸部領域に力(force)を提供するためのシステムは、胸部領域に置かれるように成形および構成された医療アセンブリ(ドレッシングアセンブリ:dressing assembly)を含む。医療アセンブリは医療クッション(ドレッシングボルスタ:dressing bolster)を含む。このシステムはさらに、胸部領域の少なくとも一部に医療アセンブリを押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタ(releasable circumferential connector)と、人の表皮に対して医療アセンブリの上方に流体シールを提供するためのシーリングサブシステム(sealing subsystem)とを含む。このシステムはさらに、医療アセンブリに対して減圧を提供するための減圧サブシステムを含む。減圧下において、このシステムは、人の胸部領域の少なくとも一部に対する力を生成するために動作可能である。
【0007】
別の例示的な実施形態によれば、人の乳房組織に治療上の支持を与えるための減圧システムは、人の胴体上に置くための医療アセンブリを含み、この医療アセンブリの少なくとも一部が乳房組織の近傍に配置するためのものとなっている。医療アセンブリは、医療クッションおよび内部表面部材を含む。このシステムはさらに、胴体の少なくとも一部に医療アセンブリを押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタを含む。このシステムはさらに、人に対して医療アセンブリの上方に流体シールを提供するためのシーリングサブシステムと、医療アセンブリに対して減圧を提供するための減圧サブシステムとを含む。医療アセンブリ、シーリングサブシステムおよび減圧サブシステムは、乳房組織に支持力を提供するとともに、乳房組織に減圧を送達して、任意の流体、例えば、滲出液を除去するために、減圧下で機能する。
【0008】
例示的な実施形態によれば、減圧治療用ブラジャーは、胴体上の乳房組織近傍の少なくとも一部に置くための医療クッション、第1乳房カップおよび第2乳房カップを有するブラジャー医療アセンブリを含む。第1乳房カップは、医療クッションの一部として形成されるとともに、第1ポケットが設けられている。第1ポケットは乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成されている。第2乳房カップは、医療クッションの一部として形成されるとともに、第2ポケットが設けられている。第2ポケットは乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成されている。治療用ブラジャーはさらに、胴体の少なくとも一部に医療アセンブリを押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタと、ブラジャーおよび着用者の表皮の上に流体シールを提供するためのシーリング部材とを含むことができる。治療用ブラジャーは、減圧を受け入れて医療クッションに減圧を送達するために減圧インタフェースを備えることができる。治療用ブラジャーは、乳房組織に力を提供するために減圧下で機能する。
【0009】
別の例示的な実施形態によれば、減圧治療用ブラジャーを製造する方法は、少なくとも乳房組織に隣接する部分で胴体上に置くための医療クッションを有するブラジャー医療アセンブリを作成するステップと、第1乳房カップおよび第2乳房カップを作成するステップとを含む。第1乳房カップは、医療クッションの一部として形成されるとともに、第1ポケットが設けられている。第1ポケットは乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成されている。第2乳房カップは、医療クッションの一部として形成されるとともに、第2ポケットが設けられている。第2ポケットは乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成されている。この製造方法はさらに、胴体の少なくとも一部にブラジャー医療アセンブリを押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタを提供するステップと、シーリング部材をブラジャー医療アセンブリに結合するステップとを含む。シーリング部材は、ブラジャーおよび人の表皮の上に流体シールを提供する。この製造方法はさらに、減圧を受け入れてブラジャー医療クッションに減圧を送達するために減圧インタフェースを形成するステップを含む。
【0010】
例示的な実施形態のその他の特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を参照することにより明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明のより完全な理解は、添付図面と併用して、以下の詳細な説明を参照することにより得ることができる。
【0012】
【図1】図1は、患者の胴体に減圧システムが示される例示的な実施形態の一部の概略斜視図である。
【図2】図2は、切創の上方および穿掘された皮下組織の上に減圧システムが示される例示的な実施形態の一部断面概略斜視図である。
【図3】図3は、損傷の無い皮膚上および穿掘された皮下組織の領域の上方に減圧システムが示されている例示的な実施形態の一部の断面図である。
【図4】図4は、減圧システムが患者の胴体上に示されて適用される例示的な実施形態の一部の概略断面図である。
【図5】図5は、減圧システムが患者の胴体上に示されて適用される例示的な実施形態の一部の概略断面図である。
【図6】図6は、減圧システムが患者の胴体上に示される例示的な実施形態の一部の前部概略斜視図である。
【図7】図7は、図6に示される減圧システムの例示的な実施形態の一部の後部概略斜視図である。
【図8】図8は、減圧・圧縮システムの例示的な実施形態の一部の概略断面図である。
【図9】図9は、クッション材料を示す概略斜視図である。
【図10】図10は、乳房組織を支持するためのブラジャーの例示的な実施形態の前部概略斜視図である。
【図11】図11は、一方のサイドから取られる図10のブラジャーの断面図である。
【図12】図12は、図10および図11のブラジャーの前部概略斜視図であり、ブラジャーの一部がブラジャーの後部を示すために取り除かれている。
【図13】図13は、図10乃至図12のブラジャーの一部の概略断面図である。
【図14】図14は、例示的で代替的な態様を示す図10乃至図12のブラジャーの一部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の例示的な実施形態の詳細な説明においては、その一部を構成する添付図面に対して参照がなされ、その図面においては、本発明が実施される具体的な実施形態が例示を目的に示されている。それらの実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に十分詳細に記載されており、また、その他の実施形態が利用可能であるとともに、本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で、論理構造的、機械的、電気的および化学的な変更が可能であることを理解されたい。本発明を当業者が実施可能とするのに必要のない細部説明を避けるために、当業者に既知の一部の情報を説明から省略する場合がある。したがって、以下の詳細な説明は、限定の意味で捉えるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0014】
図1を参照すると、患者の胴体4の所望の治療領域3に力を提供するためのシステム2が示されている。このシステム2は、患者の胴体、腕部、脚部またはその他の湾曲した身体部分などの身体の所与の部分のために支持が望まれるあらゆる状況で適用することができるが、ここでは、胴体4との関連で説明する。システム2は、任意には滲出液のような流体を取り除く間に、圧縮力(または内向きの力)および持上げ力(または上向きの力)を所望の治療領域に与えるような、治療上の理由で力が望ましいときに適用することができる。システム2は、皮下組織、表面組織を治療するために、あるいは支持を提供するために、適用することができる。他に記載がない限り、本明細書に使用されるように、“or(または)”は相互排他性を要求するものではない。システム2は、美容上の理由または任意の理由により、単に支持が望ましいときであっても、適用することができる。
【0015】
システム2は、比較的容易に患者の体の一部に支持を与えることを可能にすることともに、単一のシステムまたは装置によって様々な大きさの体の一部を受け入れて、それにより大量の在庫の必要性を低減することを可能にする。創傷と併用されるとき、システム2は、創傷を乾燥した状態に保ち、死腔が生じるのを低減し、灌流を改善し、血清腫および血腫の形成を低減し、ある種の外科的処置に伴う紫斑および浮腫を低減することができる。また、システム2は、当該システム2の使用により、患者または人に相対的な快適性を提供する。システム2によって生み出される力は、システム2に送達される減圧を変えることにより変化させることができ、フィードバックループは、腫脹の増大または低下したときにも減圧の自動調節を可能にして治療部位上で所望の圧縮力を維持するために使用することができる。
【0016】
ここで図2を参照すると、例示的な一実施形態に従って切り口周囲の領域における穿掘された皮下組織を治療するための例示的なシステム10が示されている。システム10は、切創12の周りの切り口周囲の領域に示されており、それは、表皮14(または皮膚)および真皮16を通って、下皮または皮下組織18に達している。皮下組織18には、脂肪組織または筋肉のような数多く組織タイプが含まれる。穿掘された皮下組織部位20は、切創12から延びるように示されており、この実施例では、皮下の欠損または空隙22を含んでいる。穿掘された皮下組織20は、脂肪吸引のような外科的処置によってしばしば引き起こされる。穿掘された皮下組織20は、空隙22のような空隙、空間、および多く理由により厄介なものとなり得る様々な欠損を含む可能性がある。例えば、空隙22は、流体が増えて浮腫をもたらすことがある。用語“fluid(流体)”は、本明細書に使用されるように、一般に気体または液体を指すものであるが、その他の流動性材料も含み、それには、限定される訳ではないが、ゲル、コロイド、泡状の物質が含まれる。
【0017】
切創12は、ステープル、縫合糸または接着剤のようなあらゆる閉鎖デバイスを使用して閉じることができるが、この例示的な実施形態では、縫合糸13が示されている。システム10は、典型的にはある領域の治療のためのものであり、特に、典型的には皮下組織部位20および皮下組織20の周囲の組織を治療するためのものであるが、当該システム10は、切創12のより限られた領域を治療するために使用されるものであってもよい。
【0018】
システム10は、成形医療クッション32(あるいは医療クッション)を含む医療アセンブリ30、シーリングサブシステム60および減圧サブシステム80を含む。システム10は、符号24により表される正味の圧縮力(net compressive force)を生み出し、それは、皮下組織20で実現される。以下にさらに述べるように、成形医療クッション32は、圧縮力24を患者の表皮14の上方と表皮14の下方に殆ど均一に分配することを可能にするように成形および構成することができる。そのようにしないと、その他の領域と比較して力が大幅に増加した領域が存在する場合に、皮膚炎が生じることがある。また、システム10は、内向きの力(あるいは閉鎖力)、すなわち医療アセンブリ30の内部に向かう力を生成するために機能するものであってもよい。内向きの力は、符号26によって表されている。内向きの力26は、表皮14の平面内に実質的に留まるものであってもよい。すなわち、内向きの力26は主として表皮14内で作用する。また、システム10は、切創12に減圧を送達するために機能する。減圧は、任意の空気または任意のその他の流体、例えば、滲出液の除去を助けるのと同時に、その領域における組織の接近(一体化)を助けるために、皮下の空隙22のレベルで実現することができる。
【0019】
医療アセンブリ30は、成形医療クッション32を含み、これは、第1の面34と、第2の内向き(組織対向)面36とを有する。成形医療クッション32は、より大きいまたは小さいサイズが使用されるとしても、穿掘された皮下組織20の推定領域と実質的に適合するようにサイズ設定および成形することができる。成形医療クッション32は周辺縁部38を有する。成形医療クッション32は、数多くの様々なクッション材料で形成することができる。例示的な一実施形態では、成形医療クッション32が、多孔性および透過性の泡状材料から形成され、より詳細には、減圧下であっても創傷流体の良好な透過性を可能にする網状の連続気泡構造のポリウレタンまたはポリエーテル発泡体により形成されている。使用されているそのような発泡材料の一つは、テキサス州サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Inc.(KCI)から入手可能なVAC(登録商標)Granufoam(登録商標)材料である。クッション材料が減圧を分配して所望の力を提供するように機能するならば、任意の材料または材料の組合せをクッション材料に使用することができる。
【0020】
成形医療クッション32は、力を均等に分配して減圧を分配するようにサイズ設定および成形されたマニホルドであってもよい。用語“manifold(マニホルド)”は、本明細書で使用されているように、一般に、組織部位に減圧を加え、組織部位に流体を運び、あるいは組織部位から流体を除去するのを補助するために設けられる物質または構造のことをいう。マニホルドは、典型的には、その周囲の組織に提供される流体およびその組織から取り除かれる流体の流通を改善するために相互接続された複数の流路または経路を含む。マニホルドは、組織部位に接触して配置することができ、かつ組織部位に減圧を分配することができる生体適合性材料であってもよい。マニホルドの例としては、流路を含むまたは流路を含むように保持する、例えば、多孔性発泡体、連続気泡発泡体、多孔質組織収集体、液体、ゲルおよび発泡体のような、流路を形成するように配列された構造要素を有するデバイスが含まれるが、それらに限定されるものではない。マニホルドは多孔性とすることができ、特定の生物学的応用に適した、発泡体、ガーゼ、フェルト状マットまたは任意のその他の材料から作ることができる。その他の実施形態では、“独立気泡”を含むこともある。ある状況においては、マニホルドは、薬剤、抗菌物質、成長因子および様々な溶液のような流体を組織部位に分配するために使用することもできる。吸収性素材、ウィッキング材料、疎水性材料および親水性材料などのその他の層を、マニホルド内に、あるいはマニホルド上に含むものであってもよい。
【0021】
Granufoam(登録商標)材料の網状の孔は、約400ミクロンから600ミクロンまでの範囲にあって、マニホルド機能を達成するのに有用であるが、その他の材料を使用することも可能である。医療用のクッション材料、例えば、Granufoam(登録商標)材料の密度は、一般的には、約1.3lb/ft3−1.6lb/ft3(20.8kg/m3−25.6kg/m3)の範囲にある。ある状況においては、Granufoam(登録商標)材料より高い密度(より小さな孔径)を有する材料が望ましい場合もある。例えば、1.6lb/ft3(25.6kg/m3)を超える密度を有するGranufoam(登録商標)材料または同様の材料を使用することができる。別の実施例として、2.0lb/ft3(32kg/m3)または5.0lb/ft3(80.1kg/m3)を超える密度あるいはそれ以上の密度を有するGranufoam(登録商標)材料または同様の材料を使用することもできる。材料の密度が高くなるほど、所与の減圧について生成される圧縮力も高くなる。組織部位の組織よりも小さい密度を有する発泡体が、医療用クッション材料として使用される場合、持上げ力が生じることがある。例示的な一実施形態では、医療アセンブリのある部分、例えば、縁部が、圧縮力を与える一方で、別の部分、例えば、中心部が持上げ力を与えるようにしてもよい。
【0022】
クッション材料は、後でフェルト状とされて、元の厚さの約三分の一(1/3)の厚さになる網状の発泡体であってもよい。多くの可能性のあるクッション材料の中で、Granufoam(登録商標)材料またはFoamex(登録商標)技術発泡体(www.foamex.com)を使用することができる。場合によっては、マイクロボンディングのプロセスにおいて発泡体にイオン性銀を加えるか、あるいは抗菌物質のようなその他の物質をクッション材料に加えることが望ましい場合もある。クッション材料は、減圧の適用中に望ましい圧縮力24の正確な方向に応じて、等方性または異方性のものとすることができる。また、クッション材料は生体吸収性材料であってもよい。
【0023】
シーリングサブシステム60はオーバードレープ62(ドレープ)またはシーリング部材を含む。オーバードレープ62は、エラストマー材料、あるいは流体シールを提供する任意の材料とすることができる。“流体シール”または“シール”とは、関連する特定の減圧サブシステムが与えられる所望の部位で減圧を保持するのに必要なシール(密封)を意味するものである。“Elastomeric(エラストマーの)”は、エラストマーの性質を有することを意味し、一般に、ゴムのような性質を有するポリマー材料のことをいう。より具体的には、ほとんどのエラストマーは、100%より高い伸び率および非常に高い弾性を有する。材料の弾性とは、弾性変形から回復する材料の能力のことをいう。エラストマーの例には、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリエステルおよびシリコーンが含まれるが、それらに限定される訳ではない。非限定的な例として、オーバードレープ62は、シリコーン、3M社のTegaderm(登録商標)ドレープ材料、Averyから入手可能なアクリルドレープ材料、または切創ドレープ材料を含む材料から形成することができる。
【0024】
オーバードレープ62は、クッション32に結合させることができる。その結合は、様々な方法で行うことができる。オーバードレープ62およびクッション32は、アクリル接着剤、シリコーン接着剤、ヒドロゲル、親水コロイドなどのような接着剤を使用して結合させることができる。オーバードレープ62およびクッション32は、熱接合、超音波接合および無線周波数接合などによって接合させることができる。結合は、離散的なパターンで、またはより完全に行うことができる。オーバードレープ62を所望方向に異方的に作用させるために、すなわち、異方性ドレープ材料とするために、構造部材を上記接合に加えるようにしてもよい。異方性ドレープ材料は、医療アセンブリ30が主として所与の方向、すなわち特定の1または複数の軸の周りのみに移動するのを助ける。
【0025】
図2の例示的な実施形態では、オーバードレープ62が成形医療クッション32の端33の周辺縁部38を越えて延びてドレープ外延部64を形成するようにサイズ設定されている。ドレープ外延部64は第1の表面66と、第2の内向きの表面68とを有する。オーバードレープ62は、密封具またはデバイス69の使用により患者の表皮14に対して密封されて、シールを提供することができる。オーバードレープ62および密封具69は、減圧サブシステム80により組織部位で減圧が維持されるのを可能にする。密封具69は、接着剤70、シーリングテープまたはドレープテープあるいはストリップ、両面ドレープテープ、のり、親水コロイド、ヒドロゲル、またはその他の密封手段のように、様々な形態を取ることができる。テープを使用する場合、オーバードレープ62と同じ材料から形成して、予め粘着剤を塗布しておくことができる。粘着材70は、ドレープ外延部64の第2の表面68上に塗布することができる。接着剤70は、オーバードレープ62と患者の表皮14との間の実質的な流体シールを提供する。接着剤70は、ドレープ外延部64が患者の表皮14に貼り付けられる前に取り除かれる接着剤70を覆う除去可能なストリップを備えるようにしてもよい。
【0026】
減圧サブシステム80は減圧源82を含むが、それは様々な形態を取ることができる。減圧源82はシステム10の一部として減圧を提供する。減圧源82は、真空ポンプ、壁面吸い込みまたはその他の供給源のような、減圧を供給するための任意のデバイスとすることができる。組織部位と成形医療クッション32に加えられる減圧の量と性質は、一般に用途に応じて変わるものとなるが、一般的には、減圧は、−5mmHgと−500mmHgとの間、より一般的には、−100mmHgと−300mmHgとの間になるであろう。
【0027】
本明細書で使用されているように、“reduced pressure(減圧)”は、一般に、治療を受ける組織部位の周囲圧力未満の圧力のことをいう。多くの場合、この減圧は、患者がいる位置の大気圧未満となるであろう。若しくは、減圧は、組織部位における静水圧未満であってもよい。特に記載がなければ、本明細書で述べる圧力の値は、ゲージ圧である。送達される減圧は、一定であっても、あるいは(パターン化されたまたはランダムな)変化を生じるものであってもよく、また、連続的または間欠的に送達されるものであってもよい。“真空”および“負圧”といった用語が組織部位に加えられる圧力を説明するのに使用されるかもしれないが、組織部位に加えられる実際の圧力は、完全真空に通常付随する圧力よりも大きくなることがある。本明細書における使用と一致するように、減圧または真空圧の増加は、典型的には絶対圧の相対的な低下のことをいう。
【0028】
患者の動き易さおよび気楽さを最大化するために、減圧源82は、電池式の使い捨ての減圧発生器であってもよい。そのような減圧源82は、手術室における利用を促進し、リハビリテーションの段階中に患者に動き易さと利便性を提供する。減圧源82は、バッテリコンパートメント84およびキャニスタ部分86を備え、キャニスタ部分は、キャニスタ86内の流体のレベルの視覚的な表示を与えるウィンドウ88を有する。また、疎水性または油分をはじくフィルタのような挿入薄膜フィルタを、減圧供給導管またはチューブ90と、減圧源82との間に介在させるようにしてもよい。
【0029】
多くの治療について、患者は3乃至5日間システム10を着用するように指示され、15日またはそれ以上システム10を着用するように指示されると考えられる。それでも、治療時間は、最大6週間、数多くの治療の後に今日着用される従来型の圧迫衣服による治療とは対照的に、歓迎される期間である。電池寿命および/または電力供給は、最大15日間の動作を与える必要がある。テキサス州サンアントニオ所在のKCIから入手可能なV.A.C.(登録商標)治療ユニットあるいは壁面吸い込みユニットなど、減圧のその他の供給源も利用することができる。また、減圧源82は、成形医療クッション32と表皮14との間の流体シールでどれだけ多くの漏れが生じるかに応じて、チューブ内のピストンのような携帯用機械デバイスによって供給することもできる。
【0030】
減圧源82によって生成された減圧は、減圧供給導管90を通って、減圧インタフェース92に送達される。減圧インタフェース92はエルボーポート94とすることができる。例示的な一実施形態では、ポート94が、テキサス州サンアントニオ所在のKCIから入手可能なTRAC(登録商標)技術ポートとなっている。減圧インタフェース92は、減圧がシーリングサブシステム60に送達されて、当該シーリングサブシステム60の内部に実現されることを可能にする。この例示的な実施形態では、ポート94は、オーバードレープ62を通って延びて、成形医療クッション32に至る。
【0031】
操作に際して、システム10は、患者に対する外科的処置の後またはそれ以外のときに、手術室内で利用される。成形医療クッション32の第2の表面36は、表皮14に接触して置かれ、その際に、成形医療クッション32が穿掘された皮下組織部位20の上にあり、一部が切創12の上にある。医療アセンブリ30は、医療サービス提供者によって行なわれる手術に伴う標準的な用途に合わせてサイズ設定することができる。医療アセンブリ30は、腹部、胸、大腿部、腕などのような様々な身体構造上の応用と連携するようにサイズ設定、成形および構成することができる。
【0032】
オーバードレープ62が未だ成形医療クッション32に結合されていない場合(以下のその他の例示的な実施形態を参照)、オーバードレープ62は、成形医療クッション32の第1の表面34の上に置かれて、追加部分が周辺縁部38を超えて延びてドレープ外延部64を形成する。その後、ドレープ外延部64は、表皮14(図2の符号172を参照)にテープで貼り付けることができ、あるいは接着剤70(図1)を使用することができ、それにより、オーバードレープ62と患者の表皮14との間に流体シールが形成される。流体シールは、システム10が治療部位上で減圧を保持可能とするのに十分であることのみが必要とされる。減圧接続部92および減圧源82は、減圧供給導管90を使用して流体流通可能に連結される。その後、減圧源82が作動されて、減圧が成形医療クッション32に伝えられる。
【0033】
成形医療クッション32において圧力が低下すると、成形医療クッション32が縮んで横方向に収縮するとともに、半硬質の基質を形成し、その結果、多くの有益な力および動作が生じる。減圧は、さらにそのまま、成形医療クッション32を介して伝達され、その結果、患者の表皮14の切創12が減圧を受けることとなる。少なくとも治癒プロセスの初期段階で、減圧が切創12を通じて皮下組織20内で実現され、減圧が皮下の空隙22のような欠損を閉じるのを助けるとともに、一般に、その領域に安定性を与える。また、成形医療クッション32に送達される減圧は、圧縮力24も生成し、それがさらに安定性と治療を与えることができる。圧縮力24は、表皮14の地点よりも大きくなる。圧縮力24はより深く下方に拡がって、この圧縮力が皮下組織20のレベルで受けられるものとなる。
【0034】
オーバードレープ62および成形医療クッション32が減圧の影響下で横方向に収縮して、下向きの力がポアソン比を介して表皮14に作用すると、内向きの力26が生じて、切創12で閉鎖力を保持するのを助けるとともに、切創12または治療部位に追加的な安定性を一般に与えることができる。内向きの力26は、成形医療クッション32と表皮14との間の摩擦に部分的に依存して、力を表皮14に伝えるとともに、接着剤70により、あるいはテープ(図2の符号172)を使用する場合には摩擦を介して、ドレープ外延部64から表皮14への力の伝達を引き起こすことができる。同時に、成形医療クッション32に送達される減圧および成形医療クッション32を通じて送達される減圧は、任意の滲出液またはその他の流体を切創12から除去するのを助ける。また、システム10は、均等に加えられる力で表皮を平らにすることも可能とし、それは輪郭を形成して表皮14を滑らかにする。これらの動作はすべて、切創12および穿掘された皮下組織20の回復を改善することができる。
【0035】
動作上の懸念の1つは、システム10を配置して使用する際に皮膚炎を回避することである。このため、二次的なせん断力、二次的な歪みまたはその他の作用に起因する、患者の表皮14の水疱形成などの皮膚炎を避けるために注意が払われる。かかる理由のため、成形医療クッション32の端部33は、圧縮力の均等な分配を与えるように成形することができる。端部33はクッション32の外側の成形部分であり、周辺縁部は一般に、成形医療クッション32の最も外寄りの部分、または患者の表皮と相互作用する最も外寄りの部分である。端部33は面取りされた表面とすることができるが、その他の形状、例えば、システム110(図2)におけるアーチ形状を使用することもできる。均等に力を分配する形状が望ましいる。ちなみに、正方形の縁を有する医療クッションが使用される場合、オーバードレープが医療クッションの上方および患者の表皮上に適用されるときに“テント領域(tent area)”が生じるようにしてもよい。“テント領域”は皮膚炎に関する問題に貢献すると考えられる。“テント領域”は、成形クッション32を成形することにより、あるいはオーバードレープを医療クッションの側面領域に取り付けることによって、避けることもできる。
【0036】
成形医療クッション32の成形縁部または端部は、大きな“エッジ効果”を生じることなく、すなわち、せん断力や応力を引き起こして紅斑または水疱形成のような皮膚炎を引き起こすレベルまで上昇させることなく、圧縮力24が生成されることを可能にする。成形部分は、炎症を避けるために力を徐々に分配する。表皮14に注意深く力を加えて炎症を避けるこの方法は、圧縮力24を“均等分配する”方法と一般に呼ばれるが、文字通りの意味で厳密に使用されるものではない。ある程度のバラツキが存在するかもしれないが、それは表皮14の炎症を引き起こすほどのものではない。皮膚炎に対する別の予防措置として、内側層が、成形医療クッション32と患者の表皮14(図11の符号857を参照)との間に加えられるか、あるいは以下のその他の例示的な実施形態と関連して説明されるその他の位置に配置されるものであってもよい。
【0037】
手術室にシステム10を適用して、十分な治癒が生じるまで患者に対してシステム10をそのままの状態とするのを許容することが望ましい。これに関して、医療サービス提供者が、医療アセンブリ30を取り除く必要なしに、切創12および穿掘した皮下組織20の治癒についての視覚的手がかりを得ることを可能にするために、オーバードレープ62、成形医療クッション32およびその他のレイヤを透明な材料から形成することが望ましい場合もある。
【0038】
ここで図3を参照すると、患者の穿掘した皮下組織を治療するためのシステム110の別の例示的な実施形態が示されている。このシステム110は殆どの点で図2のシステム10と類似しているため、この実施形態においては、符号に100を加えて類似部分が一般に示されている。この特別な例示的な実施形態では、傷の無い表皮115の上にシステム110が配置されている(すなわち、この場合には、切創またはその他の直線的な創傷が無い)。しかしながら、皮下の空隙122を含む、穿掘した皮下組織120が存在する。システム110は、切創の有無にかかわらず、穿掘した皮下組織120を治療するのを助ける。
【0039】
システム110は、成形医療クッション132を有する医療アセンブリ130を含む。成形医療クッション132は第1の表面132と、第2の内向きの表面136とを有する。図2の成形医療クッション32は台形断面で示したが、図3の成形医療クッション132は、丸みが付けられた縁部または弓状の縁部を持つ端部133を備える楕円形状に形成された断面を有している。成形医療クッション132は、2重の面取りを施した断面またはその他の形状で形成することができる。前述したように、成形医療クッション132の形状は、減圧中に皮膚炎が回避される程度に圧縮力が均等に分配されるのを促進する。図3の例示的な実施形態では、密封具169が、オーバードレープ162と患者の表皮114との間の流体シールを提供する。この実施例において、密封具169はシーリングテープ172である。
【0040】
システム110は、成形医療クッション132上に流体シールを提供するためのシーリングサブシステム160を含む。減圧供給導管190は、減圧インタフェース192、例えば、ポート194に減圧を送達し、この接続部は、シーリングサブシステム160の内部と流体流通可能となっている。
【0041】
この例示的な実施形態では、大気圧がオーバードレープ162の第1の表面161上に力131を与え、成形医療クッション132の収縮が圧縮力124を生成して、正味の力を与える。この力は下方の皮膚内にもたらされて、真皮116に達するとともに、その他の皮下レベル118に達する場合もある。それと同時に、内部に向けられる実質的に面内の力が生成される。内向きの力は、2つの異なる作用を介して生じさせることができる。先ず、内向きの力127は、成形医療クッション132が圧縮されることにより引き起こされる内向きの収縮力であり、成形医療クッション132が圧縮するに連れて、成形医療クッション132が内側に向けて引き込まれる。同時に、減圧が加えられると、矢印128によって示されるように、端部133に隣接する領域にオーバードレープ162が引き込まれる。ドレープ外延部164が表皮114に固定されるため、内向きの力129によって示されるように、合成力128の水平成分が表皮114を内向きに引っ張ることとなる。
【0042】
ここで図4を参照すると、組織部位220、例えば、穿掘した皮下組織部位を治療するためのシステム210が、患者の胴体のような湾曲した身体部分200上に示されている。このシステム210は医療アセンブリ230およびシーリングサブシステム260を含む。医療アセンブリ230は成形医療クッション232を含む。シーリングサブシステム260は、外延部264を有するオーバードレープ262を含む。外延部264は、接着剤270のような密封具によって患者の表皮214に固定することができる。減圧源(図示省略)は、減圧供給導管290に減圧を提供し、この管路は減圧インタフェース292に減圧を送達する。
【0043】
減圧インタフェース292は成形医療クッション232に減圧を送達する。成形医療クッション232が減圧の影響下で圧縮されると、正味の圧縮力224が生成され、それが組織部位220に伝えられる。この実施形態では、成形医療クッション232の端部233が直角の端部に形成されている。オーバードレープ262は、空隙235の周囲に“テント”領域229を形成する。減圧下では、オーバードレープ262が空隙235内に引き込まれて、それにより、内向きの収縮力226を生成する力が加えられる。
【0044】
システム210において、成形医療クッション232の湾曲は、圧縮力を生成するのを助ける。成形医療クッション232の第1の表面234は、成形医療クッション232の第2の内向きの表面236の表面積よりも大きな表面積を有している。このため、減圧の下では、この表面積の差が、正味の圧縮力224の生成も促進する。
【0045】
ここで図5を参照すると、組織部位320、例えば、穿掘した皮下組織部位を治療するための例示的なシステム310が示されている。このシステム310は殆どの点で図4のシステム210と類似しているため、この実施形態においては、図4の符号に100を加えて類似部分が一般に示されている。このシステム310は、湾曲する身体部分300、例えば、患者の胴体に適用される。システム310は、表皮314に隣接して配置される全周性の医療アセンブリ330を提示する。
【0046】
医療クッション332は、表皮314に接触して配置され、ドレープ、すなわちオーバードレープ362が、医療クッション332を収容する密閉領域を形成するために使用されている。減圧は減圧管路390を通って減圧インタフェース392に送達される。減圧インタフェース392は医療クッション332に減圧を送達する。減圧を加えている間に生じる周方向の力は、システム310内で結合して、内向きの圧縮力324を生じさせる。この圧縮力は、ドレープおよび皮膚に対する力の解放がないため、平坦または部分的な胴体への応用よりも高くなり得る。
【0047】
ここで図6乃至図8を参照すると、患者の処置領域412を治療するためのシステム410が示されている。この実施例で与えられる処置は、患者の胴体404上の処理領域412への力である。処置は、1または複数の切創における流体の除去も含むことができる。この例示的な実施形態については、所望の処理領域412が患者の腹部として示されている。患者が、例えば、腫脹性の脂肪吸引をしている場合には、1または複数の切創で実現される圧縮力を加え、真皮416および穿掘した皮下組織420で実現される圧縮力を加え、皮下組織418の接近およびせん断応力に対する組織の安定化を与え、かつ、腫脹性の流体または滲出液のような放出されるあらゆる流体を除去するために、システム410を使用することが望ましい。システム410は、患者の胴体404の周囲で少なくとも部分的に周方向に延びる医療アセンブリ430を含む。医療アセンブリ430は、第1の周辺縁部439を有する医療クッション432を含む。
【0048】
図8に明示されるように、医療クッション432は、第1の表面434と、第2の内向きの(または組織を向く)表面436とを有する。医療クッション432は、減圧を分配して、力(圧縮力または持上げ力であってもよい)を所望の治療領域、例えば、治療領域412に与える。内部表面部材440は、第1の表面442と、第2の内向きの表面444とを有するものであるが、患者の表皮414と医療クッション432との間に配置することができる。医療クッション432の第2の表面436は、内部表面部材440の第1の表面442に結合される(例えば、接合されるか、組み込まれる)ものであってもよい。内部表面部材440は、医療クッション432から独立したものとすることができる。内部表面部材440は、流体透過性または不透過性とすることができ、医療クッション432と患者の表皮との間に障壁を提供することができる。例示的な一実施形態では、内部表面部材440は、医療クッション432が患者の皮膚と相互作用することにより生じ得る皮膚炎を回避するとともに、減圧を使用して、その表面における汗およびその他の流体の除去を促進する。
【0049】
医療クッション432は、この出願のその他の部分に記載された任意のクッション材料から作ることができる。以下に示すブラジャーの実施形態の乳房におけるように、ある部分では、より硬い(あまり多くの持ち上げを与えない)医療クッション432を利用者が望み、ある部分では、より柔らかく、最大の持ち上げを生じる医療クッション432を利用者が望むことから、医療クッション432は、完全に均一ではないクッション材料を含むことができる。クッション材料は、変化する性質を有するクッション材料を使用することにより、あるいは組み合わされてクッション材料を構成する2またはそれ以上の異なる材料を使用することにより、程度の差はあるが硬くすることができる。いくつかの応用では、カリフォルニア州サニーヴェール所在のSupracor Systems,Inc.のSupracor(登録商標)の溶融接合されたハニカム材料のようなハニカム材料からクッション材料を形成することが望ましい場合もある。
【0050】
医療アセンブリ430は、第1面448および第2面450を有する外部表面部材446または外部部材をさらに含むことができる。内部表面部材440または内部部材、および外部表面部材446は、スパンデックス材料のような予め張力が加えられた弾性材料で形成することができ、例えば、Lycra(登録商標)ブランドの材料を使用することができる。内部表面部材440は、皮膚に対する接触負荷をもたらすこととなる、しわを避けるために高い収縮性能を有する。また、内部表面部材440に使用される材料の低摩擦は、表皮に対するせん断損傷の可能性を低減するのを助ける。また、内部表面部材440またはレイヤの透過性は、組織部位への減圧伝達をもたらし、滲出液除去のために経路を提供する。内部表面部材440または内部部材、および外部表面部材446は、医療クッション432を囲む外皮(envelope)を形成するために結合させることができる。
【0051】
外部表面部材446の第2面450は、医療クッション432の第1の表面434に結合させるようにしてもよい。それぞれの部材(例えば、表面436と表面442、および表面450と434)の結合は様々な方法で行うことができ、それには、以下のように数多くの例がある。すなわち、アクリル接着剤、シリコーン接着剤、ヒドロゲル、親水コロイドなどのような接着剤を使用することもできるし、あるいは、熱接合、超音波接合または無線周波数接合などの接合を使用することもできる。結合はパターンで行うようにしても、あるいは全体を覆うようにしてもよい。所望方角に異方的に作用する部材を形成するために、構造部材を上記結合に加えることもできる。また、医療クッション432の圧縮力および特性を変更するために、支柱またはその他の機械的要素をクッション内に設けることもできる。
【0052】
医療アセンブリ430は、図6乃至図8において実質的に矩形断面で示されているが、より多くの垂直持上げ力(図6および図7に示す方向に対して垂直)を与えるためにその他の形状を利用することもできる。医療クッション432は一体部材として示されているが、医療クッション432に、減圧の異なる供給をそれぞれ有するクッション材料の様々なセクションを設けることもでき、さらには、正圧を有するセクションも設けるようにしてもよい。後者に関しては、負荷を再分配するのを助けるために、あるいは構造要素を加えるために、正圧が与えられる1またはそれ以上の密閉されたチャンバを加えることができる。
【0053】
医療クッション432、並びに、内部表面部材440および外部表面部材446のような任意の追加レイヤは、シーリングサブシステム460の一部であるオーバードレープ462で覆うことができる。オーバードレープ462は、周辺縁部438および439を越えて延びて、第1面466および第2面468を有するドレープ外延部464を形成することができる。流体シールは、シーリングテープあるいはドレープテープ471のような密封具469、接着剤(図1の接着剤5を参照)、のり、親水コロイド、ヒドロゲルまたはその他の密封手段の使用により、ドレープ外延部464と患者の表皮414との間に形成することができる。ドレープテープ471は接着剤473を含む。いくつかの応用では、ガスケット材を、表皮414と医療クッション432またはオーバードレープ462との間に加えることができる。別の実施形態では、オーバードレープ462を医療クッション432の第1面上のみに貼り付けて、その後に、外延部464の有無にかかわらず医療クッション432の縁部または周辺部を密封するために、幅広のドレープテープを使用することができる。
【0054】
シーリングサブシステム460は、流体シールを提供するか、若しくはシステム410が所望の治療部位412で減圧を維持することを可能にする。シーリングサブシステム460は、好ましくは、オーバードレープ462および密封具469を含む。流体シールを形成するとして説明したが、実際には、ある程度の漏れが存在することがあり、僅かな空気の漏れは、医療アセンブリ430の全体にわたって低速気流を与え、それが分配されて湿気を除去するのを助ける。代替的な実施形態では、オーバードレープ462を使用する代わりに、気密の外側部分を設けるために外部表面部材446を作成することができ、密封されないその他の部分と同様に、クッション材料の縁部を覆うのに、ドレープテープを割り当てることができる。
【0055】
減圧サブシステム480は、部分的にしか示していないが、前述した実施形態の減圧サブシステム(例えば、図2の80)と類似したものである。減圧サブシステム480は、エルボーポート494のような減圧インタフェース492を含み、それは、減圧源が減圧管路479を介して医療アセンブリ430内に、特に、医療クッション432内に減圧を運ぶことを可能にする。減圧サブシステム480は、浮腫減少により患者の寸法が変化しても、一定レベルの圧縮力を提供すべく、圧力を変化させるように制御することができる。減圧源は、一定の減圧または可変減圧を供給することができる。上述したその他の実施形態と同様に、減圧源は、本明細書のその他の部分で言及したものを含む多くの様々な形態を取ることができる。
【0056】
図7に明確に示されるように、医療アセンブリ430は、医療クッション432の一部上に移行領域452を含むようにしてもよい。移行領域452は、先細に形成するか、あるいは縁部で厚さを減らして、フレキシビリティを増大させるとともに、せん断コンプライアンスが最大となるように形成するようにしてもよい。これは、医療アセンブリ430の収縮によって引き起こされるような任意の集中せん断負荷、患者の可動性、並びに、ドレッシング/副子が付けられた領域と支持されていない真皮との間の剛性の不連続性によって引き起こされる負荷の集中を分配するのを助けることができる。移行領域452は、1またはそれ以上の結合片454または結合要素454に移行することができる。
【0057】
結合要素454の一部は、ファスナ456を含むことができ、それは、面ファスナ、留め金または結合要素454の2部分を結合するその他の手段とすることができる。結合要素454およびファスナ456は、周方向のコネクタを形成し、医療アセンブリ430が、湾曲した身体部分のまわりの経路を完成するか、完成した解放可能な周方向部材458を形成する。このため、解放可能な周方向部材458は、患者の胴体404の周囲に延びて、解放可能な周方向部材458が胴体404に対して保持されるのを可能にし、特に、減圧サブシステム480により減圧が送達される前であっても、クッション432を所望の治療領域412に押さえ付けて保持する。結合要素454およびファスナ456上に流体シールを提供するために、追加的なドレープテープを使用するようにしてもよい。
【0058】
移行領域452は、医療アセンブリ430の第1端部453および第2端部455を含むことができ、特に、患者の胴体404の周りに示される長手部分457の端部を含むことができる。結合要素454およびファスナ456を含む解放可能な周方向部材458により、2つの端部は接合されて、解放可能に保持される。
【0059】
医療クッション432の第1の表面434と第2の表面436の表面積の違いは、正味の圧縮(内向きの)力の生成に貢献する。正味の圧縮力は、医療クッション432の第2の表面436に対する医療クッション432の第1の表面434の外周の比が増加するに連れて、直線的に増加する。このため、より大きな圧縮力を発生させるためには、上記比を増加させるべく、医療クッション432を厚く形成することができる。医療クッション432の曲げ剛性は、生成した圧縮力の伝達にも影響を与えることがある。ドレッシング430の曲げ剛性が低い場合、正味の圧縮力は、非常に均一に分配される。図9を参照すると、542に平行な第2軸および540に平行な第1軸に沿う低い弾性剛性が、医療クッション532の曲げ剛性の低減に寄与する。
【0060】
ここで図6乃至図8に戻ると、操作に際して、医療アセンブリ430は、医療クッション432を所望の治療領域412に接触させた状態で、患者の湾曲した身体部分、例えば、胴体404の周りに配置される。解放可能な周方向コネクタ458は、完成した解放可能な周方向部材を形成するために利用される(すなわち、結合要素454およびファスナ456が作動状態とされる)。減圧サブシステム480がシーリングサブシステム460に減圧を送達して医療クッション432に減圧が送達されるように、減圧サブシステム480を作動させることができる。その後、医療クッション432は減圧下で収縮して潰れ、それにより所望の処理領域412に支持力を伝達することができる。支持力は圧縮力を含むことができ、それは患者の胴体内に作用して、下方の表皮14、真皮416内に達し、そして、穿掘した皮下組織420への皮下レベル418に至る。1セグメントについての正味の圧縮力は図8に符号424で示されている。また、横方向の力426、すなわち、周辺縁部439に向かう力、または持上げ力あるいは上向きの力426も生成することができる。
【0061】
ここで図9を参照すると、異方性材料から作られた医療クッション532の一部が示されている。使用できる一つの異方性材料は、Tytex Group(www.tytex.com)から入手可能なAirX圧縮材料または布である。医療クッション532は、第1の表面534および第2の表面536を有する。また、それは、図6および図7に示される実施形態において人の頭部に最も近い頂部537と、図6および図7に示される実施形態において人の足に最も近い底部539とを有する。説明の目的のために、医療クッション532は、基準線540,542および544と平行な3つの軸を備える。医療クッション532の材料は、潜在的に異方性であり、それは、異なる軸に沿って異なる機械的特性を有するものであることを意味する。例えば、圧縮率は、第1、第2および第3の軸のうちの少なくとも2つの間で異なるようにしてもよい。例示的な一実施形態では、力を増加させることが望ましい場合に、望ましくは1またはそれ以上の軸に沿って伸張または収縮するように、異方性材料を選択および配向することができる。これは、本明細書で検討しているように、乳房組織に同様のシステムを適用する場合に特に望ましい可能性がある。
【0062】
図10乃至図14を参照すると、乳房組織に支持力を提供するためのシステム610が示されている。システム610は、患者の胴体604上部の胸部領域616における乳房組織614を支持するための治療用ブラジャ612を含んでいる。支持は、乳腺の一部または全体の切除術または豊胸手術のような外科的処置の対象となり得る、乳房組織614またはその近傍の規定された支持領域618に与えることができる。乳房切除術の場合には、支持領域618が残りの乳房組織を支持することができる。
【0063】
システム610は、医療アセンブリ630を含み、それは、第1の表面634および第2の内向きの表面636を有する医療クッション632を含む。医療アセンブリ630は、第1の表面640および第2の内向きの表面642を有する内部表面部材638を含むことができる。内部表面部材638は、医療クッション632の第2の表面636に第1の表面640上で結合させることができる。また、医療アセンブリ630は、外部表面部材644も含み、それは、第1の表面646および第2の内向きの表面648を有する。外部表面部材644は、クッション632の第1の表面634に第2の表面上で結合させることができる。
【0064】
シーリングサブシステム660は、減圧サブシステム680からの減圧下にあるときに所望の支持領域618において患者の表皮に対して減圧を維持するのに十分な流体シールを提供する。シーリングサブシステム660は、数多くの様々な形態を取ることができる。この実施形態は、オーバードレープ662を含み、これは医療クッション632を覆うとともに、医療クッション632の周辺縁部650を越えて延びて外延部664を形成し、この外延部に対して密封具667が適用されて、表皮との間に流体シールを形成する。密封具667は、接着剤、シーリングテープ668またはストリップ、両面シーリングテープ、のり、親水コロイド、ヒドロゲルまたはその他の密封手段のような数多くの形態を取ることができる。また、密封具667は図13に示されるように、追加的構成要素を伴うこともできる。
【0065】
ここで図13を参照すると、閉鎖部材667は、前述したように、単なるテープ668または接着剤とすることができ、また、医療クッション632よりも高い張力下にある密閉クッション670をさらに含むこともできる。密閉クッション670は、密閉クッション670上にオーバードレープ662の一部を有しており、このクッションは、減圧サブシステム680が減圧を送達する区画を形成するようにしても、あるいは減圧サブシステム680から減圧を受け入れるために医療クッション632に流体流通可能に結合されるようにしてもよい。
【0066】
ここで図14を参照すると、密封具667の例示的で代替的な実施形態が示されている。この実施形態では、外部表面部材644および内部表面部材638が、周辺縁部650を越えて、互いに隣接して配置されている。外部表面部材644の第2の表面648および内部表面部材638の第1の表面640は、任意の既知の手段によって互いに結合させることができる。それら部材は、以下の方法のうちの一つを含む数多くの様々な方法で、すなわち、アクリル接着剤、シリコーン接着剤、ヒドロゲル、親水コロイドなどのような接着剤を使用して、あるいは熱接合、超音波接合および無線周波数接合により接合によって、あるいはその他の手段によって、結合することができる。結合は、パターンで、またはより完全に行うことができる。材料を所望方角に異方的に作用させるために、構造体を接合に加えることもできる。図14の実施形態は、内部表面部材638の第2の表面642と患者の表皮611との間に貼り付けられる接着用ストリップ674を示している。接着用ストリップ674が表皮611に貼り付けられる前に、接着用ストリップ674は取外し可能な裏当て材またはストリップで覆うことができる。
【0067】
ここで主に図10乃至図12を参照して、治療用ブラジャー612に関して、支持領域618に伝達される支持力を説明することとする。ブラジャー612は、医療アセンブリ630に関して前述したように形成されており、第1乳房カップ682および第2乳房カップ684を含む。乳房カップ682および684を形成する際に、1またはそれ以上の縫い目686を加えることが必要である場合がある。各乳房カップ682,684は、図11に示されるポケット688のようなポケットを形成する。ポケット688は、乳房組織614を受け入れるためのものであり、あるいは乳房切除術の場合には、滲出液を集めるプロセスを補助して下層の創傷に圧力を加えるのを助けるために高吸収材料で覆われるシリコーンゲル挿入物のように、一時的な、手術後の人工装具を受け入れるようにしてもよい。代替的な実施形態では、両乳房を覆う単一のカップ、あるいはより一般的には、患者の胸部の一部を覆う単一のカップを形成するようにしてもよい。
【0068】
治療用ブラジャー612は、各乳房カップ682,684についての個別のシーリングサブシステムを有する個別のクッションを有するように分岐させて、それにより、異なる寸法または状態に対応するために、異なる圧力レベルが各乳房カップ682,684に供給され得るようにしてもよい。例えば、一方の乳房が乳房切除術の対象で、他方がそうでない場合には、異なる減圧が望ましいことがある。
【0069】
ここで主に図12を参照すると、治療用ブラジャー612が、結合要素654を含む移行領域652を備えることができる。結合要素654は、対向する移行領域652(明確には示されていないが、図7のファスナ456と類似している)上で受入れファスナと結合する、繊維材料と1またはそれ以上のファスナ656であってもよい。ファスナ656は、面ファスナ、ジッパー部材、スナップまたはその他の手段であってもよい。ある状況では、ファスナ456の頂部の上にドレープテープを貼り付けて適切な流体シールを提供することが望ましい場合もある。減圧サブシステム680は、部分的にしか示されていないが、減圧管路687を介して減圧を運び、減圧管路は、エルボーポート694のような減圧インタフェース692を介して、医療クッション632と流体流通可能となっている。
【0070】
操作に際して、システム610は、クッション632の少なくとも一部が乳房組織614に隣接して、好ましくは支持領域618に隣接するように、胴体604に治療用ブラジャー612を配置することにより利用される。医療アセンブリ630は、結合要素654およびファスナ656とともに、減圧サブシステム680からの減圧が加えられる前であっても適所に治療用ブラジャー612を保持する解放可能な周方向コネクタ698を形成する。治療用ブラジャー612を定位置に配置すると、減圧サブシステム680が作動するとともに、減圧接続部692を介して医療クッション632に減圧が送達される。医療クッション632は、減圧の影響下で、潰れて収縮し、それにより、周方向コネクタ698に亘って張力を生成させるとともに、圧縮力および支持(上向きの)力の一成分を支持領域618または乳房組織614に与える。
【0071】
システムおよび装置を、様々な身体部分、例えば、腹部、乳房に適用してきたが、その他の適用も含まれる。例えば、システムは人の大腿部で使用することができ、その場合には、サイクリングショーツに似た一対のショーツによってクッションアセンブリが定位置に保持される。別の例として、乳房組織について記載したシステムおよび装置は、パンヌスまたはその他のぶら下がった組織片を持ち上げて支持するために使用可能な大きな単一のフロントカップを形成するように変更することができる。さらにもう一つの例として、乳房組織に対して提示されたものと類似の様式で作られた減圧カップは、手術後に睾丸サポートとして使用することができ、それをショーツに組む込むことができる。
【0072】
別の例示的な実施形態において、人の湾曲した身体部分の少なくとも一部に力を提供する方法は、湾曲した身体部分上に医療アセンブリを配置させるステップを含む。医療アセンブリは、所望の治療領域の上に配置するための内部表面部材であって、第1の表面と、第2の内向きの表面とを有する部材を含む。医療クッションは第1の表面と、第2の内向きの表面とを有する。医療クッションの第2の内向きの表面は、内部表面部材の第1の表面に押し付けて配置されている。医療アセンブリは湾曲した身体部分に対して密封されるものであってもよい。この方法はさらに、医療アセンブリに減圧を提供するステップを含む。減圧が加えられるときに、医療クッションは、大気圧下の第1体積(V1)から減圧下の第2体積(V2)の状態になる。すなわち、第1体積は第2体積よりも大きい(V1>V2)。体積が変化すると、圧縮部分、持上げ部分または内向きの閉鎖部分を含む、方向性を持った力が生成される。
【0073】
特定の例示的で非限定的な実施形態のコンテキストにおいて本発明とその利点を開示してきたが、添付の請求項によって定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、代替、置換および修正をなし得ることに留意されたい。当然のことながら、何れかの実施形態との関係で示した任意の特徴は、任意のその他の実施形態にも適用可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の胸部領域に力を与えるためのシステムであって、
前記胸部領域上に配置されるように成形および構成された医療アセンブリであって、医療クッションと、人の胴体の少なくとも一部のまわりに周方向に延びるようにサイズ設定および構成されるとともに、人の胸部領域の少なくとも一部の上に配置されるようにサイズ設定および構成されて、第1の表面および第2の内向きの表面を有する医療クッションと、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、その第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に結合された内部表面部材とを備える医療アセンブリと、
前記胸部領域の少なくとも一部に対して前記医療アセンブリを押さえ付けて保持するための解放可能な周方向コネクタと、
前記医療アセンブリおよび人の表皮の一部の上に流体シールを提供するためのシーリングサブシステムと、
前記医療アセンブリに減圧を与える減圧サブシステムとを備え、当該減圧サブシステムが前記医療アセンブリに減圧を与えたときに、前記システムが人の胸部領域の少なくとも一部に対する力を生成するように機能することを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリがさらに、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の一部分に広がるようにサイズ設定および構成された第1乳房カップと、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の別の部分に広がるようにサイズ設定および構成された第2乳房カップとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリがさらに、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材を備え、この外部表面部材の第2の内向きの表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置され、
前記内部表面部材および前記外部表面部材が結合されて前記医療クッションの上方に流体シールを形成し、結合された前記内部表面部材および前記外部表面部材が前記シーリングサブシステムを備えることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリがさらに、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第1ポケットが形成された第1乳房カップと、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第2ポケットが形成された第2乳房カップとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリが、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、人の胸の一部を覆うようにサイズ設定および構成された第1ポケットが形成された第1乳房カップを備えることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療クッションが異方性のクッション材料を含むことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療クッションが、第1、第2および第3の軸を有する異方性のクッション材料を含み、前記第1、第2および第3の軸のうちの少なくとも2つの間で圧縮率が異なることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材を備え、この内部表面部材の第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に結合されており、前記内部表面部材が弾性材料を含むことを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材を備え、この内部表面部材の第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に結合されており、前記内部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリが、
第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材であって、その第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に結合された内部表面部材と、
前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の一部分に広がるようにサイズ設定および構成された第1乳房カップと、
前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の別の部分に広がるようにサイズ設定および構成された第2乳房カップと、
第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材であって、その第1の表面が前記医療クッションの第2の内向きの表面に隣接して配置された外部表面部材とを備え、
前記外部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリが、
第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材であって、その第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に隣接して配置された内部表面部材と、
前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の一部分に広がるようにサイズ設定および構成された第1乳房カップと、
前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の別の部分に広がるようにサイズ設定および構成された第2乳房カップと、
第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材であって、その第1の表面が前記医療クッションの第2の内向きの表面に隣接して配置された外部表面部材とを備え、
前記外部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項12】
人の乳房組織に対して治療用の支持を与える減圧システムであって、
人の胴体の上に配置するための医療アセンブリであって、その少なくとも一部が前記乳房細胞に隣接配置するためにサイズ設定および構成されており、医療クッションおよび内部表面部材を有する医療アセンブリを備え、
前記医療アセンブリが、第1端部および第2端部を有する長手部分を含み、前記減圧システムがさらに、
前記第1端部および第2端部を解放可能に相互に結合させるために、前記第1端部および第2端部に結合された解放可能な周方向コネクタと、
人に対して前記医療アセンブリの上に流体シールを提供するためのシーリングサブシステムと、
前記医療アセンブリに減圧を与える減圧サブシステムとを備え、
前記医療アセンブリ、シーリングサブシステムおよび減圧サブシステムが、前記乳房組織に支持力を与えて前記乳房組織に減圧を送達するように機能することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記内部表面部材が弾性材料を含むことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記内部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項12に記載のシステムにおいて、
外部表面材料をさらに含み、この外部表面材料が弾性材料を含むことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項12に記載のシステムにおいて、
外部表面材料をさらに含み、この外部表面材料がスパンデックスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項12に記載のシステムにおいて、
外部表面材料をさらに含み、前記内部表面材料および前記外部表面材料が前記医療クッションを密封するために結合され、前記内部表面部材および前記外部表面部材が前記シーリングサブシステムを備えることを特徴とするシステム。
【請求項18】
減圧治療用ブラジャーにおいて、
ブラジャー医療アセンブリであって、胴体上に配置されて少なくとも一部が乳房組織に隣接する医療クッションと、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第1ポケットが形成された第1乳房カップと、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第2ポケットが形成された第2乳房カップとを備えるブラジャー医療アセンブリと、
使用中に前記ブラジャー医療アセンブリを胴体に押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタと、
前記ブラジャーおよび着用者の表皮の上に流体シールを提供するためのシーリング部材と、
減圧を受け入れて前記ブラジャー医療アセンブリに減圧を送達するための減圧接続部とを備え、
前記ブラジャー医療アセンブリが、前記乳房組織に支持力を与えるために減圧下で機能することを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項19】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記ブラジャー医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、前記減圧治療用ブラジャーがさらに、所望の支持領域に及ぶようにサイズ設定された第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材と、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材とを備え、前記外部表面部材の第2の表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置されていることを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項20】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記医療クッションが異方性材料を含むことを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項21】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記ブラジャー医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、さらに、所望の支持領域に及ぶようにサイズ設定された第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材と、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材とを備え、前記外部表面部材の第2の表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置され、前記内部表面部材が弾性材料を含むことを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項22】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記ブラジャー医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、さらに、第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材と、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材とを備え、前記外部表面部材の第2の内向きの表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置され、前記内部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項23】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記ブラジャー医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、前記減圧治療用ブラジャーがさらに、所望の支持領域に及ぶようにサイズ設定された第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材と、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材とを備え、前記外部表面部材の第2の表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置され、前記外部表面部材が弾性材料を含むことを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項24】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記ブラジャー医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、さらに、所望の支持領域に及ぶようにサイズ設定された第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材と、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材とを備え、前記外部表面部材の第2の表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置され、前記外部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項25】
減圧治療用ブラジャーの製造方法において、
医療クッションを有するブラジャー医療アセンブリを形成するステップであって、前記医療クッションが、胴体上に配置されて少なくとも一部が乳房組織に隣接するものであるステップと、
第1乳房カップを形成するステップであって、前記第1乳房カップが、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第1ポケットが形成されるものであるステップと、
第2乳房カップを形成するステップあって、前記第2乳房カップが、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第2ポケットが形成されるものであるステップと、
前記ブラジャーを着用者の胴体に押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタを提供するステップと、
前記ブラジャーおよび着用者の表皮の一部の上に流体シールを提供するためのシーリング部材を前記医療クッションに結合させるステップと、
減圧を受け入れて前記ブラジャーに減圧を送達するための減圧接続部を形成するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項26】
減圧で乳房組織を治療する方法であって、
前記乳房組織の近傍に医療アセンブリを配置するステップと、
前記医療アセンブリを患者の胴体に結合させるステップと、
前記乳房組織上で前記医療アセンブリを密封するステップと、
前記医療アセンブリの医療クッションに減圧を提供するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
前記医療アセンブリが、
人の胴体の少なくとも一部のまわりに周方向に延びるようにサイズ設定および構成されるとともに、人の胸部領域の少なくとも一部の上に配置されるようにサイズ設定および構成されて、第1の表面および第2の内向きの表面を有する医療クッションと、
第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材であって、その第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に結合された内部表面部材とを備えることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法において、
前記医療アセンブリが、第1区画および第2区画を有し、前記減圧を提供するステップが、前記第1区画に第1の減圧を提供して前記第2区画に第2の減圧を提供するステップを備えることを特徴とする方法。
【請求項1】
人の胸部領域に力を与えるためのシステムであって、
前記胸部領域上に配置されるように成形および構成された医療アセンブリであって、医療クッションと、人の胴体の少なくとも一部のまわりに周方向に延びるようにサイズ設定および構成されるとともに、人の胸部領域の少なくとも一部の上に配置されるようにサイズ設定および構成されて、第1の表面および第2の内向きの表面を有する医療クッションと、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、その第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に結合された内部表面部材とを備える医療アセンブリと、
前記胸部領域の少なくとも一部に対して前記医療アセンブリを押さえ付けて保持するための解放可能な周方向コネクタと、
前記医療アセンブリおよび人の表皮の一部の上に流体シールを提供するためのシーリングサブシステムと、
前記医療アセンブリに減圧を与える減圧サブシステムとを備え、当該減圧サブシステムが前記医療アセンブリに減圧を与えたときに、前記システムが人の胸部領域の少なくとも一部に対する力を生成するように機能することを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリがさらに、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の一部分に広がるようにサイズ設定および構成された第1乳房カップと、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の別の部分に広がるようにサイズ設定および構成された第2乳房カップとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリがさらに、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材を備え、この外部表面部材の第2の内向きの表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置され、
前記内部表面部材および前記外部表面部材が結合されて前記医療クッションの上方に流体シールを形成し、結合された前記内部表面部材および前記外部表面部材が前記シーリングサブシステムを備えることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリがさらに、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第1ポケットが形成された第1乳房カップと、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第2ポケットが形成された第2乳房カップとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリが、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、人の胸の一部を覆うようにサイズ設定および構成された第1ポケットが形成された第1乳房カップを備えることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療クッションが異方性のクッション材料を含むことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療クッションが、第1、第2および第3の軸を有する異方性のクッション材料を含み、前記第1、第2および第3の軸のうちの少なくとも2つの間で圧縮率が異なることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材を備え、この内部表面部材の第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に結合されており、前記内部表面部材が弾性材料を含むことを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材を備え、この内部表面部材の第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に結合されており、前記内部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリが、
第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材であって、その第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に結合された内部表面部材と、
前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の一部分に広がるようにサイズ設定および構成された第1乳房カップと、
前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の別の部分に広がるようにサイズ設定および構成された第2乳房カップと、
第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材であって、その第1の表面が前記医療クッションの第2の内向きの表面に隣接して配置された外部表面部材とを備え、
前記外部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記医療アセンブリが、
第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材であって、その第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に隣接して配置された内部表面部材と、
前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の一部分に広がるようにサイズ設定および構成された第1乳房カップと、
前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記胸部領域の別の部分に広がるようにサイズ設定および構成された第2乳房カップと、
第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材であって、その第1の表面が前記医療クッションの第2の内向きの表面に隣接して配置された外部表面部材とを備え、
前記外部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項12】
人の乳房組織に対して治療用の支持を与える減圧システムであって、
人の胴体の上に配置するための医療アセンブリであって、その少なくとも一部が前記乳房細胞に隣接配置するためにサイズ設定および構成されており、医療クッションおよび内部表面部材を有する医療アセンブリを備え、
前記医療アセンブリが、第1端部および第2端部を有する長手部分を含み、前記減圧システムがさらに、
前記第1端部および第2端部を解放可能に相互に結合させるために、前記第1端部および第2端部に結合された解放可能な周方向コネクタと、
人に対して前記医療アセンブリの上に流体シールを提供するためのシーリングサブシステムと、
前記医療アセンブリに減圧を与える減圧サブシステムとを備え、
前記医療アセンブリ、シーリングサブシステムおよび減圧サブシステムが、前記乳房組織に支持力を与えて前記乳房組織に減圧を送達するように機能することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記内部表面部材が弾性材料を含むことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記内部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項12に記載のシステムにおいて、
外部表面材料をさらに含み、この外部表面材料が弾性材料を含むことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項12に記載のシステムにおいて、
外部表面材料をさらに含み、この外部表面材料がスパンデックスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項12に記載のシステムにおいて、
外部表面材料をさらに含み、前記内部表面材料および前記外部表面材料が前記医療クッションを密封するために結合され、前記内部表面部材および前記外部表面部材が前記シーリングサブシステムを備えることを特徴とするシステム。
【請求項18】
減圧治療用ブラジャーにおいて、
ブラジャー医療アセンブリであって、胴体上に配置されて少なくとも一部が乳房組織に隣接する医療クッションと、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第1ポケットが形成された第1乳房カップと、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第2ポケットが形成された第2乳房カップとを備えるブラジャー医療アセンブリと、
使用中に前記ブラジャー医療アセンブリを胴体に押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタと、
前記ブラジャーおよび着用者の表皮の上に流体シールを提供するためのシーリング部材と、
減圧を受け入れて前記ブラジャー医療アセンブリに減圧を送達するための減圧接続部とを備え、
前記ブラジャー医療アセンブリが、前記乳房組織に支持力を与えるために減圧下で機能することを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項19】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記ブラジャー医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、前記減圧治療用ブラジャーがさらに、所望の支持領域に及ぶようにサイズ設定された第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材と、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材とを備え、前記外部表面部材の第2の表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置されていることを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項20】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記医療クッションが異方性材料を含むことを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項21】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記ブラジャー医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、さらに、所望の支持領域に及ぶようにサイズ設定された第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材と、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材とを備え、前記外部表面部材の第2の表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置され、前記内部表面部材が弾性材料を含むことを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項22】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記ブラジャー医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、さらに、第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材と、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材とを備え、前記外部表面部材の第2の内向きの表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置され、前記内部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項23】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記ブラジャー医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、前記減圧治療用ブラジャーがさらに、所望の支持領域に及ぶようにサイズ設定された第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材と、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材とを備え、前記外部表面部材の第2の表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置され、前記外部表面部材が弾性材料を含むことを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項24】
請求項18に記載の減圧治療用ブラジャーにおいて、
前記ブラジャー医療アセンブリが、第1の表面および第2の内向きの表面を有し、さらに、所望の支持領域に及ぶようにサイズ設定された第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材と、第1の表面および第2の内向きの表面を有する外部表面部材とを備え、前記外部表面部材の第2の表面が前記医療クッションの第1の表面に接触して配置され、前記外部表面部材がスパンデックスを含むことを特徴とする減圧治療用ブラジャー。
【請求項25】
減圧治療用ブラジャーの製造方法において、
医療クッションを有するブラジャー医療アセンブリを形成するステップであって、前記医療クッションが、胴体上に配置されて少なくとも一部が乳房組織に隣接するものであるステップと、
第1乳房カップを形成するステップであって、前記第1乳房カップが、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第1ポケットが形成されるものであるステップと、
第2乳房カップを形成するステップあって、前記第2乳房カップが、前記医療クッションの一部として形成されるとともに、前記乳房組織を受け入れるようにサイズ設定および構成された第2ポケットが形成されるものであるステップと、
前記ブラジャーを着用者の胴体に押し付けて保持するための解放可能な周方向コネクタを提供するステップと、
前記ブラジャーおよび着用者の表皮の一部の上に流体シールを提供するためのシーリング部材を前記医療クッションに結合させるステップと、
減圧を受け入れて前記ブラジャーに減圧を送達するための減圧接続部を形成するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項26】
減圧で乳房組織を治療する方法であって、
前記乳房組織の近傍に医療アセンブリを配置するステップと、
前記医療アセンブリを患者の胴体に結合させるステップと、
前記乳房組織上で前記医療アセンブリを密封するステップと、
前記医療アセンブリの医療クッションに減圧を提供するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
前記医療アセンブリが、
人の胴体の少なくとも一部のまわりに周方向に延びるようにサイズ設定および構成されるとともに、人の胸部領域の少なくとも一部の上に配置されるようにサイズ設定および構成されて、第1の表面および第2の内向きの表面を有する医療クッションと、
第1の表面および第2の内向きの表面を有する内部表面部材であって、その第1の表面が前記医療クッションの前記第2の内向きの表面に結合された内部表面部材とを備えることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法において、
前記医療アセンブリが、第1区画および第2区画を有し、前記減圧を提供するステップが、前記第1区画に第1の減圧を提供して前記第2区画に第2の減圧を提供するステップを備えることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2011−521736(P2011−521736A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511877(P2011−511877)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/045742
【国際公開番号】WO2009/158123
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/045742
【国際公開番号】WO2009/158123
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】
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