説明

能動型制振器

【課題】周波数の異なる振動に対してそれぞれ有効な制振効果が発揮されると共に、外部からの振動入力によるヨーク部材のコイル部材に対する相対変位量の増大を防止しつつ、電磁式アクチュエータにおけるマス−バネ共振系の共振周波数をより低周波数にチューニングすることが可能とされた、新規な構造の能動型制振器を提供すること。
【解決手段】ヨーク部材36,38を制振対象部材に対して弾性的に連結する追加ばね54を、支持ばね51とは独立して設けると共に、ヨーク部材36,38と制振対象部材の何れか一方に対する追加ばね54の接続状態と解除状態を切り替える切替手段56を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁式アクチュエータの発生力を利用して制振対象部材の振動を能動的に低減する能動型制振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車のボデー等といった制振対象部材の振動を低減する手段の1つとして、能動型制振器が知られている。能動型制振器は、コイル部材とヨーク部材が相対変位可能に配設されると共に、コイル部材への通電によってコイル部材とヨーク部材の間で加振力を発生する電磁式アクチュエータを備えており、コイル部材が制振対象部材に取り付けられていると共に、ヨーク部材が支持ばねを介して制振対象部材に弾性支持されている。例えば、特開2010−14174号公報(特許文献1)に開示されているのが、それである。
【0003】
ところで、能動型制振器が能動的な制振効果を発揮する周波数域は、原理上、ヨーク部材側をマスとすると共に支持ばねをばねとするマス−バネ共振系の共振周波数を超える周波数に限定される。それ故、自動車のアイドリング振動のような比較的に低い周波数の振動に対して有効な制振効果を得るためには、ヨーク部材側の質量を大きく設定するか、或いは支持ばねのばね定数を小さく設定する必要がある。
【0004】
ところが、ヨーク部材側の質量を大きく設定しようとすると、ヨーク部材側のサイズが大きくなって、電磁式アクチュエータ全体の大型化や質量の増大が問題になる。しかも、ヨーク部材側の質量を大きく設定したり、支持ばねのばね定数を小さく設定すると、走行時の振動入力等によるヨーク部材の変位量が大きくなることから、支持ばねが損傷するおそれがあった。
【0005】
なお、特許文献1では、支持ばね自体のばね定数を変化させることによって、マス−バネ共振系の共振周波数を変更することが提案されている。しかしながら、このような特許文献1の構造は、ばね定数を変化させる範囲が限定されて、要求特性を高度に実現することは困難になるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−14174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、周波数の異なる振動に対してそれぞれ有効な制振効果が発揮されると共に、外部からの振動入力によるヨーク部材のコイル部材に対する相対変位量の増大を防止しつつ、電磁式アクチュエータにおけるマス−バネ共振系の共振周波数をより低周波数にチューニングすることが可能とされた、新規な構造の能動型制振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の第1の態様は、コイル部材とヨーク部材を相対変位可能に配して該コイル部材への通電によって該コイル部材と該ヨーク部材との間で加振力を発生する電磁式アクチュエータが備えられており、該コイル部材が制振対象部材に取り付けられていると共に、該ヨーク部材を該制振対象部材に対して弾性的に連結する支持ばねが設けられている能動型制振器において、前記ヨーク部材を前記制振対象部材に対して弾性的に連結する追加ばねが前記支持ばねとは独立して設けられていると共に、該ヨーク部材と該制振対象部材の何れか一方に対する該追加ばねの接続状態と解除状態を切り替える切替手段が設けられていることを、特徴とする。
【0009】
このような第1の態様に従う構造とされた能動型制振器によれば、ヨーク部材と制振対象部材とが追加ばねによって弾性連結された接続状態と、ヨーク部材と制振対象部材との追加ばねによる弾性連結が解除された解除状態とが、切替手段によって切り替えられるようになっている。これにより、追加ばねの接続状態と解除状態とで能動型制振器の制振特性が切り替えられて、周波数の異なる複数種類の振動に対してそれぞれ有効な制振効果を得ることができる。
【0010】
さらに、追加ばねの解除によって、電磁式アクチュエータのマス−バネ共振系のばね定数が小さくなって共振周波数が低周波数側に移行することから、より低周波数域の振動に対しても有効な制振効果が発揮される。このように、ヨーク部材がばね定数の小さなばね手段で制振対象部材に弾性連結されていると、外部からの入力に対するヨーク部材の変位が大きくなって、ヨーク部材の他部材への当接や支持ばねの過大な変形等が問題になる。そこにおいて、外部からの大入力が問題となる自動車の走行時等には追加ばねを接続状態に切り替えることで、ヨーク部材の変位量が抑えられて、ヨーク部材の他部材への打ち当たりや支持ばねの過大な変形等が防止されることから、耐久性が確保される。
【0011】
また、追加ばねが支持ばねとは独立して設けられて、追加ばねの接続状態と解除状態を切り替えることによってばね特性が調節されることから、追加ばねの形成材料や形状等の設計自由度を大きく確保可能であり、目的とするばね特性を有利に実現することができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された能動型制振器において、前記追加ばねがゴム弾性体によって形成されており、該追加ばねが前記ヨーク部材の前記コイル部材に対する相対変位方向の両側から該ヨーク部材に対して押圧力を伴って接続されるものである。
【0013】
第2の態様によれば、追加ばねの接続状態において、マス−バネ共振による発生力のブロード化(共振による発生力の最大値が低減されると同時に発生力がより広い周波数域に亘って得られること)が図られて、電磁式アクチュエータの加振力に加えてマス−バネ共振による発生力を利用し易くなって、目的とする制振効果を少ないエネルギーでより効率的に得ることができる。
【0014】
また、追加ばねがヨーク部材に対して加振方向の両側から押圧力を伴って接続されることから、ヨーク部材の変位方向に応じて各一方の追加ばねに圧縮変形が支配的に生じることとなる。それ故、ゴム弾性体で形成された追加ばねの耐久性が充分に確保されて、目的とする特性の切替えが安定して実現される。
【0015】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載された能動型制振器において、前記追加ばねを挟んで前記ヨーク部材と反対側に密閉された作用空気室が形成されていると共に、該作用空気室に対して大気圧と負圧を選択的に及ぼす前記切替手段が設けられており、該追加ばねが該切替手段によって該ヨーク部材に当接した接続状態と該ヨーク部材から離隔した解除状態とに切り替えられるようになっているものである。
【0016】
第3の態様によれば、追加ばねの接続状態と解除状態を切り替える切替手段が、壁部の一部を追加ばねで構成された作用空気室の空気圧を制御することで実現されることから、部品点数の少ない簡単な構造によってばね特性を切り替えて、制振性能を変化させることができる。
【0017】
本発明の第4の態様は、第1又は第2の態様に記載された能動型制振器において、前記ヨーク部材に対して接近および離隔方向に移動可能とされた支持部材が前記制振対象部材に設けられていると共に、該支持部材と該ヨーク部材との間に前記追加ばねが配設されており、該支持部材を移動させる駆動手段によって前記切替手段が構成されているものである。
【0018】
第4の態様によれば、支持部材が駆動手段によってヨーク部材に対して接近移動することで、制振対象部材に設けられた支持部材とヨーク部材とが追加ばねを介して相互に弾性連結されて接続状態に切り替えられると共に、支持部材が駆動手段によってヨーク部材に対して離隔移動することで、支持部材とヨーク部材の追加ばねを介した弾性連結が解除された解除状態に切り替えられる。更に、支持部材のヨーク部材に対する接近移動量を調節することで、追加ばねのヨーク部材に対する当接量(追加ばねの予備変形量)が高精度に調節され得ることから、ばね特性のチューニングを変更設定することができて、より広い周波数域の振動に対して有効な制振効果が発揮される。
【0019】
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載された能動型制振器において、前記ヨーク部材には前記コイル部材に対する相対変位方向で貫通する軸部材が挿通されていると共に、該軸部材の両端部に対して一対の前記支持部材が螺着されており、該軸部材が前記駆動手段で回転駆動されることにより一対の該支持部材が該ヨーク部材に対して両側から接近および離隔方向に移動せしめられて、該ヨーク部材の両側において一対の該支持部材との間にそれぞれ配設された前記追加ばねによる接続状態と解除状態とが同時に切り替えられるようになっているものである
【0020】
第5の態様によれば、軸部材の回転駆動によって一対の支持部材が何れもヨーク部材に対して接近または離隔するようになっていることから、一対の追加ばねによる接続状態と解除状態を、複雑な制御を要することなく同時に切り替えることができる。
【0021】
本発明の第6の態様は、第1〜第5の何れか1つの態様に記載された能動型制振器において、前記コイル部材が装着対象部材に固定されるハウジングに支持されていると共に、前記追加ばねが取付部材に取り付けられており、該取付部材が該ハウジングに固定されることで該追加ばねが該コイル部材に取り付けられているものである。
【0022】
第6の態様によれば、電磁式アクチュエータとは独立して追加ばねが設けられることにより、要求される制振特性等に応じて追加ばね或いは電磁式アクチュエータを異なる性能のものに容易に交換することができる。それ故、例えば自動車の車種の違い等による振動特性の違いに充分に対応することができて、優れた制振効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ヨーク部材と制振対象部材を弾性連結する追加ばねが支持ばねとは独立して設けられており、その追加ばねによるヨーク部材と制振対象部材の接続と解除を切り替える切替手段が設けられている。それ故、追加ばねの接続状態において高周波振動に対する制振効果が実現されると共に、追加ばねの接続解除状態において接続状態よりも低周波数の振動に対する制振効果が実現される。しかも、追加ばねの接続状態ではヨーク部材の制振対象部材に対する相対変位量が抑えられることから、追加ばねの解除状態での共振周波数を充分に低周波数に設定しても、外部からの大入力時に追加ばねを接続状態に切り替えることで、ヨーク部材の過大な変位が防止されて耐久性の向上が図られる。加えて、追加ばねが支持ばねとは独立して設けられていることから、支持ばねおよび追加ばねにおける形成材料や形状の自由度が大きくなって、要求性能をより高度に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態としての能動型制振器を示す縦断面図であって、追加ばねの解除状態を示す図。
【図2】図1に示された能動型制振器を示す縦断面図であって、追加ばねの接続状態を示す図。
【図3】図1に示された能動型制振器の発生力の周波数特性を示すグラフ。
【図4】本発明の第2の実施形態としての能動型制振器を示す縦断面図であって、追加ばねの解除状態を示す図。
【図5】図4に示された能動型制振器を示す縦断面図であって、追加ばねの接続状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図1,図2には、本発明に従う構造とされた能動型制振器の第1の実施形態として、自動車用の能動型制振器10が示されている。能動型制振器10は、電磁式アクチュエータ12を含んで構成されている。この電磁式アクチュエータ12は、固定子14と可動子16を備えている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、後述する可動子16の加振方向である図1中の上下方向を言う。
【0027】
より詳細には、固定子14は、コイル部材18とそれを支持するハウジング20とを含んで構成されている。
【0028】
コイル部材18は、全体として筒状とされており、電気導電性の線材によって形成された筒状のコイル22と、電気絶縁性の合成樹脂等で形成されてコイル22が巻回されるボビン24とによって形成されている。また、コイル22は、外部の電源装置26と導線を介して電気的に接続されており、電源装置26からコイル22に給電されるようになっている。なお、電源装置26からコイル22に供給される電流は、後述する可動子16の加振変位の周波数等に応じて周波数や大きさ等が調節される。
【0029】
ハウジング20は、略円筒形状を有する高剛性の部材であって、上端部に内フランジ部28が形成されていると共に、下端部に外フランジ部30が形成されている。更に、ハウジング20の軸方向中間部分には、径方向内側に突出する略円環板形状の支持部32が一体形成されており、その上面にコイル部材18のボビン24が接着される等して支持されている。なお、支持部32の下面には径方向中間部分に段差が設けられており、段差を挟んで内周部分が外周部分よりも上方に位置している。
【0030】
一方、可動子16は、永久磁石34と上下のヨーク部材36,38が内シャフト部材40に取り付けられた構造を有している。
【0031】
永久磁石34は、略円筒形状乃至は略円環板形状を呈しており、フェライト等で形成されて、上下に着磁されている。
【0032】
ヨーク部材36,38は、何れも鉄等の強磁性体で形成されており、上側ヨーク部材36が逆向きの略有底円筒形状とされて上底壁部の中央に円形孔が形成されていると共に、下側ヨーク部材38が略円環板形状とされている。そして、上側ヨーク部材36の上底壁部が永久磁石34の上面に重ね合わされていると共に、下側ヨーク部材38が永久磁石34の下面に重ね合わされている。これにより、上下のヨーク部材36,38によって磁路が形成されている。なお、上側ヨーク部材36の周壁部は、永久磁石34および下側ヨーク部材38に対して、径方向外側に離隔していると共に、下方まで延びている。
【0033】
さらに、永久磁石34と上下のヨーク部材36,38の径方向中央には、内シャフト部材40が挿通されている。内シャフト部材40は小径の略円筒形状を有しており、永久磁石34と上下のヨーク部材36,38が内シャフト部材40に圧入や接着、溶接等の手段によって固定されることで相互に位置決めされて、可動子16が形成されている。
【0034】
このような構造とされた可動子16は、固定子14のハウジング20の内周側に配設されている。そして、可動子16の永久磁石34および下側ヨーク部材38が固定子14のコイル22に遊挿されていると共に、上側ヨーク部材36の周壁部がコイル22に対して外周側に離隔して外挿されており、可動子16が固定子14に対して軸方向への相対変位を許容されている。換言すれば、コイル22は、永久磁石34および下側ヨーク部材38と上側ヨーク部材36の周壁部との径方向間に挿入配置されており、可動子16が固定子14に対して軸方向に相対変位可能とされている。
【0035】
また、可動子16は、固定子14に対して上側板ばね42と下側板ばね44によって弾性的に連結されている。上下の板ばね42,44は、何れも略円板形状とされており、径方向中央部分に円形孔が貫通形成されている。そして、上側板ばね42は、内周端部が内シャフト部材40の上端面に重ね合わされて内シャフト部材40にねじ止めされていると共に、外周端部がハウジング20の内フランジ部28に固着されている。また、下側板ばね44は、内周端部が内シャフト部材40の下端面に重ね合わされて内シャフト部材40にねじ止めされていると共に、外周端部がハウジング20の支持部32の外周部分に固着されている。これにより、可動子16は、上下の板ばね42,44によって固定子14に対して弾性的に位置決めされていると共に、上下の板ばね42,44の厚さ方向の弾性変形によって固定子14に対する軸方向の相対変位を許容されている。
【0036】
さらに、固定子14と可動子16は、支持ゴム弾性体46によっても相互に弾性連結されている。支持ゴム弾性体46は、外周側に向かって次第に薄肉となる略円環板形状のゴム弾性体であって、内周面が小径筒状の内筒金具48に加硫接着されていると共に、外周面が大径筒状の外筒金具50に加硫接着されている。そして、内筒金具48が下側板ばね44の内周端部と軸方向に重ね合わされて、可動子16の内シャフト部材40と連結固定されていると共に、外筒金具50が固定子14のハウジング20に下方から圧入されて固定されている。これにより、固定子14と可動子16は、上下の板ばね42,44に加えて、支持ゴム弾性体46によっても弾性連結されており、それら上下の板ばね42,44と支持ゴム弾性体46によって本実施形態の支持ばね51が構成されている。
【0037】
このような構造とされた電磁式アクチュエータ12は、電源装置26からコイル22への通電によって発生する磁界の作用によって、可動子16が固定子14に対して軸方向に相対変位するようになっている。そして、コイル22への通電が電源装置26の制御手段によって制御されることにより、可動子16が所定の周波数で上下に加振されて、目的とする加振力が発生されるようになっている。
【0038】
そこにおいて、電磁式アクチュエータ12には、上下の特性切替機構52,52が取り付けられている。特性切替機構52は、追加ばねとしての追加支持ゴム54と切替手段56とを備えている。なお、上下の特性切替機構52,52は、上下が反転している以外は相互に略同一の構造とされていることから、以下の説明では、軸方向下側の特性切替機構52について説明をし、軸方向上側の特性切替機構52については説明を省略する。
【0039】
追加支持ゴム54は、支持ばね51とは別体で設けられており、略円錐台形状を呈するゴム弾性体で形成されていると共に、大径側の端面に開口する逆向きの略すり鉢形状を呈する大径凹所58を有している。また、追加支持ゴム54の小径側端部には略すり鉢形状のインナ金具60が加硫接着されていると共に、追加支持ゴム54の大径側端部には環状のアウタ金具62が外周面に重ね合わされて加硫接着されている。
【0040】
この追加支持ゴム54は、取付部材64に取り付けられている。取付部材64は、逆向きの略ハット形状を呈しており、中央の凹状部分にアウタ金具62が嵌着固定されて、追加支持ゴム54が支持されている。また、追加支持ゴム54と取付部材64の凹状部分の底面との間には、外部から密閉された作用空気室66が大径凹所58を利用して形成されており、作用空気室66の圧力が追加支持ゴム54に及ぼされている。この作用空気室66は、追加支持ゴム54を挟んで可動子16とは反対側に設けられており、作用空気室66の空気圧に応じて追加支持ゴム54が弾性変形することで、追加支持ゴム54が可動子16に対して接近或いは離隔するようになっている。
【0041】
さらに、取付部材64に貫設されたポート68を通じて作用空気室66に負圧と大気圧を選択的に及ぼす切替手段56が設けられている。切替手段56は、三方弁70によって負圧源72と大気が作用空気室66に選択的に連通されるようになっており、その三方弁70が切替制御手段74によって制御されている。なお、本実施形態では、上下の特性切替機構52,52の各作用空気室66,66が各切替手段56,56によって略同じ圧力に設定される。
【0042】
このような構造とされた上下の特性切替機構52,52は、ハウジング20に固定されることによって、コイル部材18を含んだ固定子14に取り付けられている。即ち、上側の特性切替機構52は、取付部材64の開口部分がハウジング20の上側開口部に重ね合わされて固定されていると共に、下側の特性切替機構52は、取付部材64の開口部分がハウジング20の下側開口部に重ね合わされて固定されている。
【0043】
そして、作用空気室66に大気圧が及ぼされることにより、一対の追加支持ゴム54,54の小径側端面が、ヨーク部材36,38に貫設された内シャフト部材40に対して、軸方向の両側から所定の押圧力を伴って接続される。これにより、固定子14と可動子16が上下の板ばね42,44および支持ゴム弾性体46で構成された支持ばね51に加えて、追加支持ゴム54によっても相互に弾性連結された接続状態に切り替えられる。その結果、固定子14と可動子16を連結するばねのばね定数が大きく設定されて、可動子16をマスとするマス−バネ共振系の共振周波数が、作用空気室66の負圧源72への連通時に比して、高周波数に設定されると共に、外力の作用による可動子16の固定子14に対する相対変位量が低減される。
【0044】
一方、作用空気室66に負圧源72が接続されて負圧が及ぼされることにより、追加支持ゴム54が弾性変形して、追加支持ゴム54,54の小径側端面がそれぞれ軸方向外側に移動して、内シャフト部材40の軸方向端面から離隔する。これにより、固定子14と可動子16の追加支持ゴム54による連結が解除されて、それら固定子14と可動子16が上下の板ばね42,44および支持ゴム弾性体46で構成された支持ばね51のみで弾性連結された解除状態に切り替えられる。その結果、固定子14と可動子16を連結するばねのばね定数が小さく設定されて、可動子16をマスとするマス−バネ共振系の共振周波数が、作用空気室66の大気開放時に比して、低周波数に設定される。
【0045】
このような構造とされた能動型制振器10は、例えば自動車のエンジンルーム等に配設される。即ち、能動型制振器10のハウジング20が制振対象部材としてのエンジンルームの壁部に固定されることによって、エンジン振動が能動的に低減されるようになっている。
【0046】
より詳細には、自動車の走行時には、図1に示されているように、作用空気室66が切替手段56によって大気に開放されて、追加支持ゴム54によって固定子14と可動子16が弾性連結された接続状態に切り替えられる。これにより、図3に実線で示されているように、能動型制振器10におけるマス−バネ共振系の共振周波数が50Hz程度に設定される。それ故、走行時に問題となる走行こもり音等に相当する100〜200Hz程度の高周波数振動に対して、電磁式アクチュエータ12の発生力に基づいた能動型制振器10の制振効果が発揮される。
【0047】
さらに、固定子14と可動子16が支持ばね51に加えて追加支持ゴム54によっても弾性連結されることから、マス−バネ共振系のばね定数が比較的に大きく設定されて、外部からの振動入力時にマスとしての可動子16の固定子14に対する相対変位が抑えられる。それ故、走行時に入力される大振幅振動(凹凸通過時の路面からの入力やエンジンシェイク等)によって、可動子16が大きく変位するのを防ぐことができて、可動子16の打ち当たりによる固定子14の損傷や、可動子16の過大な変位による支持ばね51や追加支持ゴム54の損傷を防ぐことができる。
【0048】
一方、自動車の停車時には、図2に示されているように、作用空気室66が切替手段56によって負圧源72に接続されて、追加支持ゴム54による固定子14と可動子16の弾性連結が解除される。これにより、図3に破線で示されているように、能動型制振器10におけるマス−バネ共振系の共振周波数が十数Hz程度に設定される。それ故、停車時に問題となるアイドリング振動等に相当する20〜30Hz程度の低乃至中周波数振動に対して、電磁式アクチュエータ12の発生力に基づいた能動型制振器10の制振効果が発揮される。
【0049】
以上のようにして、走行時に求められるばね特性と、停車時に求められるばね特性とが、追加支持ゴム54の可動子16に対する当接と離隔の切替えによって、何れも有効に実現される。
【0050】
しかも、追加支持ゴム54がゴム弾性体によって形成されていることによって、追加支持ゴム54の接続状態では、図3に実線で示されているように、追加支持ゴム54の内部摩擦等に基づいたエネルギーの減衰によって、マス−バネ共振系の共振時の発生力が低減されると同時に、共振周波数の前後の周波数で発生力が大きくなって、特性のブロード化が図られる。その結果、共振周波数よりも高周波数とされた制振対象振動の周波数において、通電による電磁式アクチュエータ12の発生力に加えて、マス−バネ共振系の共振による発生力を利用することができて、能動的な制振効果をより効率的に得ることができる。
【0051】
また、追加支持ゴム54の切替手段56として空気圧を利用することにより、比較的に簡単な構造で追加支持ゴム54の接続状態と解除状態を切り替えることができる。それ故、構造の簡略化による部品点数の削減やそれに伴う軽量化等が実現される。
【0052】
なお、追加支持ゴム54の接続状態において、作用空気室66の空気圧を調節することで、追加支持ゴム54の予備変形量を調節してばね特性を変化させることもできる。これによれば、追加支持ゴム54の接続状態において、周波数域の異なる複数種類の振動に対してそれぞれに有効な制振効果を得ることができる。
【0053】
また、特性切替機構52は、電磁式アクチュエータ12に対して独立して形成されて、ハウジング20に後付けされている。それ故、要求される特性に応じて特性切替機構52だけ或いは電磁式アクチュエータ12だけを交換することが容易に実現可能であり、求められる制振性能を効果的に得ることができる。
【0054】
図4,図5には、本発明に従う構造とされた能動型制振器の第2の実施形態として、自動車用の能動型制振器80が示されている。この能動型制振器80は、電磁式アクチュエータ12に特性切替機構82が取り付けられた構造を有している。なお、以下の説明において、第1の実施形態の能動型制振器10と実質的に同一の部材および部位については、図中に同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
【0055】
特性切替機構82は、駆動手段としてのステップモータ84を備えている。ステップモータ84は、出力軸86の回転量を制御可能とされたモータであって、出力軸86が周方向の両側に回転可能とされている。また、ステップモータ84は、開口部にフランジを備えたケースを備えており、後述するように該ケースがハウジング20に固定されることで、電磁式アクチュエータ12に取り付けられている。
【0056】
また、ステップモータ84の出力軸86には、軸部材88が固定されている。この軸部材88は、小径の円形断面を有する高剛性の部材であって、軸方向両端部分にねじ山が形成されていると共に、下端部が出力軸86に対して相対回転不能に固定されている。そして、ステップモータ84に電源装置89から通電されて出力軸86が所定の角度だけ回転駆動すると、軸部材88が出力軸86と一体的に回転駆動するようになっている。なお、電源装置89からステップモータ84への通電は、切替制御手段90によって制御されており、ステップモータ84の出力軸86の回転方向や回転量が切替制御手段90によってコントロールされている。
【0057】
この軸部材88は内シャフト部材40に挿通されて、永久磁石34および上下のヨーク部材36,38を加振方向で貫通して配設されており、それら軸部材88と内シャフト部材40の間には、上下のスリーブ部材92,92が介装されている。スリーブ部材92,92は、全体として略円筒形状とされており、それぞれ内シャフト部材40の半分よりも僅かに大きい軸方向寸法を有している。また、スリーブ部材92,92の軸方向外側の端部には、軸直角方向で外側に突出する略円環板形状の当接部94が一体形成されている。そして、上下のスリーブ部材92,92は、それぞれ内シャフト部材40に対して軸方向両側から圧入されていると共に、中心孔に軸部材88が挿通されている。なお、軸部材88の外周面とスリーブ部材92の内周面との間の摩擦抵抗は小さいことが望ましく、摩擦抵抗を小さくするためのコーティング処理等を施しても良い。
【0058】
また、ねじ山が形成された軸部材88の軸方向両端部分には、それぞれ支持部材96が螺着されている。支持部材96は、小径筒状とされて内周面にねじ山が刻設された螺着部98と、螺着部98の軸方向外側の端部から外周側に突出するフランジ状の固着部100とを一体で備えている。また、支持部材96の固着部100は、外径寸法が周上で変化しており、本実施形態では図示しない二面幅が設けられている。そして、支持部材96は、螺着部98が軸部材88の軸方向両端部分に螺着されることによって、軸部材88に取り付けられている。かかる取付け状態において、支持部材96の固着部100がスリーブ部材92の当接部94に対して軸方向外側に離隔配置されて軸方向で対向している。
【0059】
さらに、支持部材96の固着部100には、追加ばねとしての追加支持ゴム102が固着されている。追加支持ゴム102は、略一定の矩形断面を有する円環形状のゴム弾性体であって、固着部100の軸方向内側の面に加硫接着されている。これにより、追加支持ゴム102は、支持部材96が軸部材88に取り付けられた状態において、支持部材96の固着部100と、ヨーク部材36,38に固定されたスリーブ部材92の当接部94との対向面間に配設されている。なお、追加支持ゴム102は、支持部材96の固着部100とスリーブ部材92の当接部94との対向面間に配設されていれば良く、例えば当接部94の軸方向外側端面に固着されていても良い。
【0060】
また、軸方向上側の支持部材96の周囲には、第1の回転阻止部104が配置されている。第1の回転阻止部104は、逆向きの略有底円筒形状を有していると共に、中央部分には平面視において支持部材96の固着部100と略相似形状とされて軸方向上下に貫通する第1の摺動孔106が形成されている。本実施形態では、第1の回転阻止部104が電磁式アクチュエータ12のハウジング20に一体形成されており、ハウジング20の上端部分を構成している。なお、第1の回転阻止部104には、略円板形状の蓋部材108が上方を覆うように取り付けられており、第1の摺動孔106の上側開口部が蓋部材108によって覆蓋されている。
【0061】
一方、軸方向下側の支持部材96の周囲には、連結部材110が配設されている。連結部材110は、略円環形状を呈する高剛性の部材であって、固着部100の周囲に配された環状の第2の回転阻止部112と、第2の回転阻止部112から上方に突出して外周側に広がる取付フランジ114を有している。この取付フランジ114がハウジング20の外フランジ部30に重ね合わされて固定されることにより、連結部材110が電磁式アクチュエータ12に固定されている。更に、第2の回転阻止部112の下面にステップモータ84のケースの開口部が重ね合わされて固定されることにより、ステップモータ84が連結部材110を介して電磁式アクチュエータ12に固定されている。なお、第2の回転阻止部112の中心孔が第2の摺動孔116とされており、第1の回転阻止部104の第1の摺動孔106と同様に、平面視において支持部材96の固着部100に対して僅かに大きい略相似形状とされている。
【0062】
このように、上下の支持部材96,96の周囲に第1, 第2の回転阻止部104,112が配されることにより、支持部材96の回転が、支持部材96の外周面と第1, 第2の摺動孔106,116の内周面との周方向での係止によって、制限されている。これにより、支持部材96は、軸部材88の回転駆動に伴って軸方向で上下に移動可能とされており、可動子16に対して接近および離隔するようになっている。なお、軸部材88の両端部に形成されたねじ山は、傾斜方向が相互に逆向きとされており、軸部材88の周方向への回転によって、上側の支持部材96と下側の支持部材96が軸方向で逆向きに変位するようになっている。換言すれば、軸部材88を回転させると、上下の支持部材96,96の両方が軸方向外側に変位する或いは両方が軸方向内側に変位する。
【0063】
電源装置89からステップモータ84に通電されて、ステップモータ84の出力軸86に固定された軸部材88が回転駆動されることによって、支持部材96が軸方向に変位して、追加支持ゴム102がスリーブ部材92の当接部94に対して接近方向および離隔方向に変位する。そして、一対の追加支持ゴム102,102が各一方の当接部94にそれぞれ接近して当接することにより、ヨーク部材36,38を含んだ可動子16と制振対象部材に固定された固定子14とが追加支持ゴム102,102によって弾性連結された接続状態に同時に切り替えられる。一方、追加支持ゴム102,102が各一方の当接部94から離隔することにより、可動子16と固定子14との追加支持ゴム102,102による連結が解除された解除状態に同時に切り替えられる。このように、本実施形態では、ステップモータ84およびそれを制御する切替制御手段90と、軸部材88とを含んで、支持部材96を軸方向に移動させる駆動手段118が構成されており、この駆動手段118が追加支持ゴム102の接続状態と解除状態を切り替える切替手段とされている。
【0064】
このような構造とされた能動型制振器80は、第1の実施形態の能動型制振器10と同様に、自動車のエンジンルームの壁部等といった制振対象部材に装着されて、使用される。
【0065】
すなわち、自動車の走行時には、ステップモータ84の出力軸86の回転が制御されて軸部材88が周方向一方に回転駆動されることにより、図4に示されているように、支持部材96が軸方向内側に変位して追加支持ゴム102がスリーブ部材92の当接部94に押し当てられる。これにより、固定子14と可動子16が支持ばね51に加えて追加支持ゴム102によっても弾性連結されて、それら固定子14と可動子16を連結するばねのばね定数が大きく設定される。それ故、電磁式アクチュエータ12におけるマス−バネ共振系の共振周波数が高周波数に設定されて、走行こもり音等に相当する高周波数振動に対して有効な制振効果が発揮されると共に、外部からの入力による可動子16の変位量が抑えられて、他部材への当接等に起因する損傷が回避される。
【0066】
特に本実施形態では、固定子14に支持された追加支持ゴム102が可動子16の当接部94に軸方向で押し当てられて固定子14と可動子16が連結されている。それ故、可動子16の軸方向での加振時に追加支持ゴム102の圧縮ばね成分が支配的に作用することから、比較的に小型の追加ばねによって高周波数振動に対する有効な制振効果や可動子16の変位制限等が実現され得る。
【0067】
一方、自動車の停車時には、ステップモータ84の出力軸86の回転が制御されて軸部材88が周方向他方に回転駆動されることにより、図5に示されているように、支持部材96が軸方向外側に変位されて、追加支持ゴム102がスリーブ部材92の当接部94から離隔する。これにより、固定子14と可動子16が支持ばね51だけで弾性連結されて、追加支持ゴム102による連結が解除されることで、それら固定子14と可動子16を連結するばねのばね定数が小さく設定される。それ故、電磁式アクチュエータ12におけるマス−バネ共振系の共振周波数が低周波数側に移行して、アイドリング振動等に相当する低乃至中周波数の振動に対して有効な制振効果が発揮される。
【0068】
このように、ステップモータ84を用いた駆動手段118を採用した場合にも、空気圧を利用した駆動手段118を採用した第1の実施形態と同様に、追加ばねとしての追加支持ゴム102の接続状態と解除状態が切り替えられることによって、周波数の異なる複数種類の振動に対して有効な制振効果を得ることができる。
【0069】
さらに、ステップモータ84による軸部材88の回転方向と回転量に応じて、追加支持ゴム102の当接部94への当接と離隔だけでなく当接量も調節されることから、追加支持ゴム102の予圧縮量を調節することができる。これにより、接続状態において、ばね特性を段階的に或いは連続的に変化させて、より高度な制振性能を実現することもできる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、追加ばねは、前記実施形態に示された追加支持ゴムのようなゴム弾性体で形成されたものに限定されず、板ばねやコイルスプリングのような金属ばね等も採用され得る。
【0071】
また、前記実施形態では、可動子を挟んだ上下にそれぞれ追加ばねが配設されているが、例えば追加ばねと可動子を接続状態で相互に連結する連結手段が設けられて、可動子の軸方向何れの側への変位に際しても1つの追加ばねがばねとして機能するようになっていれば、複数の追加ばねを設ける必要はない。
【0072】
また、追加ばねの接続状態と解除状態を切り替える切替手段は、前記実施形態で示された空気圧を用いたものやステップモータを用いたものに限定されるものではない。更に、切替手段は、追加ばねの可動子(ヨーク部材)への接続と離隔を切り替えるものに限定されず、追加ばねの固定子(制振対象部材)への接続と離隔を切り替えるものであっても良い。
【0073】
また、電磁式アクチュエータの具体的な構造は特に限定されるものではなく、例えば特開2006−180601号公報等に示されているように、コイルへの通電により固定子と可動子の間で磁気的な吸引力又は排斥力が作用して、可動子が固定子に対して相対変位するようになっていても良い。
【0074】
また、本発明は、自動車用の能動型制振器にのみ適用されるものではなく、制振対象部材は特に限定されない。
【符号の説明】
【0075】
10,80:能動型制振器、12:電磁式アクチュエータ、20:ハウジング、36:上側ヨーク部材(ヨーク部材)、38:下側ヨーク部材(ヨーク部材)、51:支持ばね、54,102:追加支持ゴム(追加ばね)、56:切替手段、66:作用空気室、88:軸部材、96:支持部材、118:駆動手段(切替手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル部材とヨーク部材を相対変位可能に配して該コイル部材への通電によって該コイル部材と該ヨーク部材との間で加振力を発生する電磁式アクチュエータが備えられており、該コイル部材が制振対象部材に取り付けられていると共に、該ヨーク部材を該制振対象部材に対して弾性的に連結する支持ばねが設けられている能動型制振器において、
前記ヨーク部材を前記制振対象部材に対して弾性的に連結する追加ばねが前記支持ばねとは独立して設けられていると共に、該ヨーク部材と該制振対象部材の何れか一方に対する該追加ばねの接続状態と解除状態を切り替える切替手段が設けられていることを特徴とする能動型制振器。
【請求項2】
前記追加ばねがゴム弾性体によって形成されており、該追加ばねが前記ヨーク部材の前記コイル部材に対する相対変位方向の両側から該ヨーク部材に対して押圧力を伴って接続される請求項1に記載の能動型制振器。
【請求項3】
前記追加ばねを挟んで前記ヨーク部材と反対側に密閉された作用空気室が形成されていると共に、該作用空気室に対して大気圧と負圧を選択的に及ぼす前記切替手段が設けられており、該追加ばねが該切替手段によって該ヨーク部材に当接した接続状態と該ヨーク部材から離隔した解除状態とに切り替えられるようになっている請求項1又は2に記載の能動型制振器。
【請求項4】
前記ヨーク部材に対して接近および離隔方向に移動可能とされた支持部材が前記制振対象部材に設けられていると共に、該支持部材と該ヨーク部材との間に前記追加ばねが配設されており、該支持部材を移動させる駆動手段によって前記切替手段が構成されている請求項1又は2に記載の能動型制振器。
【請求項5】
前記ヨーク部材には前記コイル部材に対する相対変位方向で貫通する軸部材が挿通されていると共に、該軸部材の両端部に対して一対の前記支持部材が螺着されており、該軸部材が前記駆動手段で回転駆動されることにより一対の該支持部材が該ヨーク部材に対して両側から接近および離隔方向に移動せしめられて、該ヨーク部材の両側において一対の該支持部材との間にそれぞれ配設された前記追加ばねによる接続状態と解除状態とが同時に切り替えられるようになっている請求項4に記載の能動型制振器。
【請求項6】
前記コイル部材が装着対象部材に固定されるハウジングに支持されていると共に、前記追加ばねが取付部材に取り付けられており、該取付部材が該ハウジングに固定されることで該追加ばねが該コイル部材に取り付けられている請求項1〜5の何れか1項に記載の能動型制振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−108520(P2013−108520A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251793(P2011−251793)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】