能動的冷却を備えたLED光アセンブリ
【課題】放熱構造体の上に流れを生成するためにハウジング内に配置される流体流れ生成装置を備えたLED光アセンブリを提供する。
【解決手段】LED光アセンブリは、ハウジングと、該ハウジング内に配置されたLED54と、放熱構造体56と、圧電材料76によって上下に動くブレード78を有する流体流れ生成装置とを含む。LEDは、放熱構造体と熱的に連通し、流路表面を有する。流体流れ生成装置がハウジング内に配置され、流路表面の上に流れを生成する。
【解決手段】LED光アセンブリは、ハウジングと、該ハウジング内に配置されたLED54と、放熱構造体56と、圧電材料76によって上下に動くブレード78を有する流体流れ生成装置とを含む。LEDは、放熱構造体と熱的に連通し、流路表面を有する。流体流れ生成装置がハウジング内に配置され、流路表面の上に流れを生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年3月31日に出願された米国特許仮出願番号第60/459,238号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)は、一般に、ダイス又はチップ上に取り付けられたダイオードを含む。次に、ダイオードは、カプセル材料で囲まれる。ダイスは、電源から電力を受け取り、その電力をダイオードに供給する。ダイスは、ダイス支持体内に取り付けることができる。より明るいLEDを生成するために、一般に、より多くの電力がLEDに伝えられる。
多数のLED照明装置は、通常のフィラメント電球システムと異なる熱伝達経路を通して放熱する。より具体的には、高出力LED照明装置は、カソード(負端子)脚部を介して、又は直接ダイス取付け装置内に取り付けられたダイスを通して、相当量の熱を放熱する。通常の放熱システム(すなわち、大部分の熱をランプの前面レンズに放射するもの)は、高出力LEDシステムの熱を適切に減少させない。したがって、高出力LEDシステムは、高い作動温度で作動する傾向がある。
【0003】
高い作動温度は、LED照明装置の性能を劣化させる。経験的データは、室温において、LED照明装置が50,000時間に達する寿命を有するが、90℃付近における作動により、LEDの寿命は7,000時間未満まで減少され得ることを示した。
小さい照明設置面積内で高輝度LEDを使用するために、ある程度の能動的冷却が、LEDの温度低下、よって、大きなヒートシンクが不要であることから照明器具全体のサイズの減少を容易にすることができる。ファンを用いるスポット冷却が周知である。周知のファンは、周囲全体の周りに、内部チャンバを定める剛性ハウジング(housing)に取り付けられた可撓性ダイアフラムを含む。ダイアフラムは、オリフィスを含む。ダイアフラムは、圧電アクチュエータによって作動されるとき、内部チャンバに出入りする。
【0004】
ダイアフラムがチャンバ内に移動すると、チャンバの体積が減少し、流体が、オリフィスを通してチャンバから排出される。流体がオリフィスを通過するとき、流れは、オリフィスの鋭利な縁部で分離し、渦面を形成し、これが渦になる。これらの渦は、渦自体の自己誘導速度のもとでオリフィスの縁部から離れる。
ダイアフラムがチャンバから外に移動すると、チャンバの体積が増加し、周囲流体がオリフィス内に、よってチャンバ内に引き込まれる。渦は、既にオリフィスの縁部から移動されているので、チャンバ内に運ばれる周囲流体によって影響を受けない。渦がオリフィスから遠ざかるように移動するとき、周囲流体を巻き込むことによって、流体の噴流、すなわち「合成噴流」を合成する。電子パッケージの冷却に有用であることが見出されたのは、これらのファンすなわち合成噴流生成装置である。
【0005】
周知の圧電ファン及び合成噴流アクチュエータは、これらが単一の可動要素又は撓みが制限された可動要素だけを用いるという点で、比較的限られた能力を有する。上述の欠点を克服する能動的冷却システムを提供することによって、LEDアセンブリの性能を向上させることが望ましい。
【0006】
米国特許番号6252726は、二つのハーメチック・シールされた筐体を有する光学部品をハウジングするためのパッケージを開示している。第1の筐体は前記光学部品用であり、第2の筐体は電気部品および熱放散デバイスである。光学部品は、レーザーダイオード、レンズ、ファイバ、および、その他の光学部品を含む。記載された熱放散デバイスは、ペルチャー冷却デバイスであり、それは、小さな流れを運ぶことで二つの異なる金属の接合器において、熱を吸収する。EP−A−0385090は、電気部品を冷却するための流体熱交換器を開示する。ハウジングにある注入口からハウジングにある出口へ向けて流体を注入するために、圧電材料が、複数の可撓性ブレードに接続される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
LED光アセンブリは、ハウジングと、該ハウジング内に配置されたLEDと、放熱構造体と、流体流れ生成装置とを含む。LEDは、放熱構造体と熱的に連通し、流路表面を有する。流体流れ生成装置がハウジング内に配置され、流路表面の上に流れを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】放熱システムを有するLEDランプ装置の一部の側面斜視図を示す。
【図2】図1のLEDランプ装置の上部斜視図を示す。
【図3】代替的な放熱システムを有するLEDランプ装置の一部の側面斜視図を示す。
【図4】図3のLEDランプ装置の上部斜視図を示す。
【図5】LEDランプ装置のための代替的な放熱システムの概略的な側断面図を示す。
【図6】図5の線6−6に沿って取られた断面図を示す。
【図7】図6のものに類似した断面図を示す。
【図8】LEDランプ装置のための代替的な放熱システムの概略的な側断面図を示す。
【図9】図8の側板の一つの詳細図を示す。
【図10】LEDランプ装置のための代替的な放熱システムの概略的な側断面図を示す。
【図11】放出導管の斜視図を示す。
【図12】オリフィス板の平面図を示す。
【図13】代替的なオリフィス板の平面図を示す。
【図14】代替的なオリフィス板の平面図を示す。
【図15】図14のオリフィス板の底面図を示す。
【図16】放熱システムのための多数の出口構成を示す。
【図17】別の代替的な放熱システムを有するランプ装置の一部の平面図を示す。
【図18】線18−18で取られた図17の断面を示す。
【図19】代替的な流体流れ生成装置の側面図を示す。
【図20】図19の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は、好ましい実施形態を例証するためのものにすぎず、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明を制限するものと解釈するべきではない。
図1を参照すると、LED光アセンブリの一部10が、ファン18が取り付けられた放熱構造体16に固定された複数のLED14から構成されるLEDアレイ12を含む。「ファン」という用語は、空気の流れを生成する装置、又は空気を動かすために羽根を回転させるモータを用いる機械だけに限定されるものではない。「ファン」という用語は、空気だけに限られず、流体の流れを生成するための装置を説明するように、より広く用いられる。LEDアセンブリの一部10は、半透明のカバー(図示せず)で覆うことができ、及び/又は、取付け具又はハウジング(図示せず)内に配置し、LEDアセンブリを形成することができる。各々のLED14は、電源(図示せず)から電力を受け取り、その電力をLED14に供給するダイス(見えない)を含む。ダイスは、ダイス支持体20内に収納される。LEDにより生成される熱は、ダイスを介して放熱構造体16に伝えられる。
LEDの取付け、及びLEDに電力を供給するために用いられる電気接続は、当該技術分野において周知であり、よって更なる説明は不要である。LED14は、当該技術分野において周知の通常のLEDとすることができる。LED14は、取付け板22上に取り付けられる。取付け板22、よってLEDアレイ12は、放熱構造体16の第1の面すなわち下面24に取り付けられる。
【0010】
ここで図2も参照すると、放熱構造体16は、下面24と、LED14により生成される熱を放熱するための流体流れ路の表面として働く第2の面すなわち上面26とを含む。上面は、たいがいは空気である流体が流れて放熱を助ける放熱面を提供する。放熱構造体16は、LED光アセンブリの一部10が取り付けられるLED照明器具(図示せず)の別個の熱伝導性部品とすることができ、或いはLED照明器具の構成部品の1つと一体の熱伝導性部品とすることもできる。放熱構造体はまた、プリント基板又は類似した構造体を含む、LEDを取り付ける構造体を含むこともできる。
【0011】
台座30は、放熱構造体16の上面26から上方に、該上面26と垂直に延びる。台座30は、放熱構造体16と同じ幅であるが、該台座が放熱構造体と同じ幅である必要はない。台座30は、ファン18が取り付けられる台座面32を有する。台座面32は、ファン18がパタパタ動くのを可能にするように、上面26から適正な量だけ間隔をおいて配置される。したがって、ファンの長さ及び特性により、台座面32と上面26との間の高低差が制限されることがあり、逆もまた同様である。台座30は、ファンと該台座の間の取付け時に、流体が上面26とファン18との間を流れる如何なる流路も含まないことから、中実にすることができる。同様に、台座30を中空にすることもでき、ファンと該台座の間の取り付け時に、上面26から垂下する壁が、流体流れを防止することができる。図1及び図2において、台座30は、放熱構造体16の端部に配置される。代替的に、放熱構造体16のより中央に台座30を配置することもできる。この代替においては、1つのファン又は複数のファンが、台座30の各々の側面から離れるように、よって上面26の上方に片持ち状に突出することができる。ファン18は、台座30の中央部に取り付けられるように示されるが、台座のどこにでも取り付けることができる。
【0012】
前述のように、LED14により生成される熱は、熱伝導によって放熱構造体16に伝えられる。放熱構造体16を冷却するために、空気又は他の何らかの流体が、該放熱構造体の表面の上及びその周りに移動される。ファン18は、こうした流体を放熱構造体16の上に移動させるのを助ける。
ファン18は、圧電材料36に取り付けられたブレード34を含む。ブレードは、可撓性材料、好ましくは可撓性金属で作られる。ブレード34の取り付けられていない端部38は、台座30から離れるように、上面26の上方に片持ち状に突出する。ブレードは、台座面32に取り付けられるので、ブレードが動いているとき、ブレード34の取り付けられていない端部38は、上面26に接触しない。圧電材料36は、取り付けられていない端部38の反対側及び台座30の上方のブレード34に取り付けられる。代替的に、圧電材料36は、ブレード34の長さ又は長さの一部に及ぶことができる。圧電材料36は、通常の方法で、電源(図示せず)に電気的に接続されたセラミック材料を含む。電気が第1の方向に圧電材料36に適用されると、圧電材料が膨張し、ブレード34をある方向に移動させる。次に、電気が他の方向に適用されると、圧電材料が収縮し、ブレード34を反対方向に移動させる。交流が、ブレード34を連続的に前後に移動させる。
【0013】
図1及び2において、ファンが、放熱構造体16に直接取り付けられている。代替的に、ファン18は、光アセンブリ又は照明器具の別の構成部品に取り付けることができる。この代替においては、ファンが放熱構造体の外面の周りに空気流を生成できるように、ファン18は、放熱構造体16の近くの光アセンブリの一部に取り付けられる。さらに、図1及び図2のファン18は、ブレード34が上下に動くように取り付けられるが、ブレードが左右に、又は例えば対角線方向など別の軸で動くように、ファンを取り付けることもできる。
【0014】
LED光アセンブリの作動中、各々のLED14は、熱を生成する。LED14は、LED14により生成された熱を熱構造体16に伝導することを可能にするダイス(見えない)を含む。一方、交流が圧電材料36に与えられ、ブレード34を上下に動かし、これにより放熱構造体16の周りに移動する流体流れがもたらされる。放熱構造体16の周りの流体流れは、移動する流体がないときより迅速に放熱構造体を冷却する。したがって、LED14からより多くの熱を放熱し、より低い作動温度をもたらすことができる。さらに、ファンによりもたらされる能動的冷却のために放熱構造体のサイズを減少させることができるので、LED光の設置面積を減少させることができる。また、ファンは、消費者が歓迎しない雑音を多くもたらさないので、静かな能動的冷却が行われる。
【0015】
ここで図3を参照すると、LED照明アセンブリの一部50が開示される。LED照明アセンブリは、放熱構造体56に取り付けられた複数のLED54から構成されたLEDアレイ52を含む。一対のファン58が、放熱構造体56に取り付けられている。代替的に、1つのファンだけを放熱構造体に取り付けることができ、或いは、複数のファンを放熱構造体に取り付けることもできる。各々のLED54は、図1及び図2に関して上述されたLED14に類似している。各々のLED54は、LEDダイス支持体60内に取り付けられている。LED54により生成される熱は、ダイス支持体60内に取り付けられたダイス(見えない)を通して放熱構造体56に伝えられる。この実施形態はまた、図1及び図2に関して上述された取付け板22と類似した取付け板(見えない)を含むこともできる。
【0016】
放熱構造体56は、LEDアレイ52が取り付けられた第1の面すなわち下面64を含む。放熱構造体56はまた、下面64の反対側の第2の面すなわち上面66を含む。フィン68は、上面66の面とほぼ垂直に上方に突出する。上面66及びフィン68の表面積は、たいがいは空気である流体の放熱を助ける流路表面を形成する。フィン68は、流路表面の表面積を増大させる。
放熱構造体56はまた、該放熱構造体56の上面66から上方に突出する台座70も含む。台座70はまた、下面64から離れるように上面66の面とほぼ垂直に上方に突出する。台座70は、図1及び図2に関して前述された台座30と類似している。各々のフィンの端部と台座との間に隙間72が定められるように、台座70が、フィン68から間隔をおいて配置される。台座70は、フィン68より上方に隆起している台座表面74を含む。
【0017】
同様に図4を参照すると、ファン58が、台座表面74上に取り付けられる。各々のファン58は、圧電材料76及びブレード78を含む。各々のファンは、図1及び図2に関して上述されたファン18と類似している。各々のブレード78の取り付けられていない端部80が、台座70から離れるように、フィン68の上方に片持ち状に突出する。各々のブレード78がフィン68の各々から間隔をおいて配置されるので、各々のブレード78が上下に動くとき、取り付けられていない端部80がフィンに接触しない。また、ファン58が、フィンの上ではなく、フィン68の間に配置された場合、台座70は、上方に延びることができる。図1及び図2に示されるファン18と同様に、各々のファン58は、ブレード78の取り付けられていない端部80の反対側の、台座70の上に取り付けられた圧電材料76を有する。
【0018】
図5を参照すると、流れ生成装置110が、壁112内に配置される。流れ生成装置は実質的に渦形状の流れを生成する。しかしながら、流れ生成装置は、ほぼ渦形状の流れの生成に限定されるものでなく、いずれの構成の流体流れをも生成できる何らかの装置を含むものと解釈すべきである。壁112は、図1乃至図4に関して説明されたLED光アセンブリの放熱構造体の一部を形成することができる。壁112はまた、プリント基板のような、LEDが取り付けられた構造体を含むこともできる。壁は、該壁を冷却するために流体が循環する流路表面114を含む。
深さD(図6)、幅W(図6)、及び長さLを有するほぼ矩形のキャビティ116が、壁112内に形成される。キャビティ116は、離間配置された、ほぼ平行な一対の側壁118及び120(図6)、及び離間配置された、ほぼ平行な一対の端部壁122及び124を有する。壁は、流路表面114内に開口部126を定める。キャビティ116の開口部126は、可撓性でほぼ矩形のアクチュエータ・ブレード128で覆われている。
【0019】
ブレード128は、キャビティ116の第1端部で片持ち状支持体によって壁112に取り付けられる。代替的に、ブレード128は、キャビティ116の反対端で壁112に取り付けることもできる。ブレード128は、例えば、接着剤又はファスナにより何らかの従来の方法で壁112に取り付けることができる。ブレード128は、2つの層、すなわちステンレス鋼又はアルミニウムのような可撓性材料から形成された可撓性層130と、該可撓性層130に取り付けられ、かつ、例えば圧電セラミックのような圧電材料から形成された圧電層132とを含む。圧電層132は、流路表面114の最も近くに配置されるが、該圧電層132を該流路表面の反対側に配置することもできる。示される例は、単一の圧電層132を示すが、ブレード128の反対側に第2の圧電層を取り付け、可撓性層130が両側に圧電層を有するようにもできる。層130及び132は、例えば接着層を用いて、互いにしっかりと結合される。また、層130及び132は、ほぼ同じ長さである。図6に見られるように、ブレード128の幅は、キャビティ116の幅Wより狭い。図5に見られるように、キャビティ116の上に延びるブレード128の一部の長さは、作動用間隙を設けるように、キャビティ116の長さLより僅かに短くなっている。キャビティ116の長さL(よってブレード128の長さ)を変えることができるが、ブレード及び/又はキャビティが短くなる程、ブレード128の先端の撓みが小さくなり、よって流れ生成装置110の有効性が低下する。
【0020】
一実施形態において、キャビティの長さLは、約10インチとすることができる。これは、周知の同様の装置より著しく大きい。ブレード128の縁部とキャビティ116の側壁118及び120との間に2つの等しくない側部隙間134及び136が形成されるように、ブレード128が、キャビティ116に対して中心から外れた位置に取り付けられる。ブレード128はまた、制御可能な電源138(図5に概略的に示される)にも接続されて、該ブレード128に所望の大きさ及び周波数の交流電圧を供給する。
作動中、交流電圧が制御可能な電源からブレード128に印加される。圧電層132の両端に電位が適用されると、該層132は、電圧の極性によって膨張又は収縮する。圧電層132は可撓性層130に結合されるので、交流電圧の印加が、曲げひずみを引き起こし、これによりブレード128が振動する。
【0021】
一例において、3.18mm(0.125インチ)の厚さのステンレス鋼の可撓性層130を有する、ほぼ25.4cm(10インチ)の長さ、25.4mm(1インチ)の幅、及び3.43mm(0.135インチ)の厚さのブレード128が、構築された。75Hz、200V RMSの正弦波入力信号が適用されたとき、ブレード128の取り付けられていない端部における先端の撓みの最大振幅は、およそ1.27mm(0.5インチ)であった。この先端の撓みは、従来技術の装置より幾分大きいものであり、流れ生成装置110の能力を向上させる。さらに、圧電セラミック・アクチュエータの使用は、特に、例えば約70−80Hzの高い周波数でこのアクチュエータを確実に作動させることができ、それが流れ生成装置110の効率をさらに向上させるという点で、機械アクチュエータのような他の周知の型のアクチュエータに優る利点を有する。機械により作動される装置は、ブレードを正弦波モードの形状に変形させる傾向があるので、これらの周波数で作動するという問題を有しており、このことが、所望の渦パターンの形成を妨げる。この例の圧電により作動されるブレード128は、この問題に遭遇しない。
【0022】
作動中、ブレード128はキャビティ116に対して外側に移動し、キャビティの体積を増加させるので、周囲の流体は、広い側部隙間136からキャビティ116内に、遠い距離から引き込まれる。次の下り行程において、ブレード128は、キャビティ116内に下方に動き、キャビティの体積を減少させ、広い側部隙間136を通して流体をキャビティから排出する。図7に示されるように、このブレード128を交互に「引いたり」「押したり」することが、矢印Bで示される、広い側部隙間136の上方の渦流パターンをもたらす。矢印Cで示される類似した流れのパターンが、狭い側部隙間134の上方に形成されるが、それほどの重要性はない。広い側部隙間136は、キャビティ116に出入りする流体のための主要な流路を形成し、狭い側部隙間134は、振動時のブレード128の作動用間隙のための空間を主として形成する。壁112の表面の上方の流れが矢印Aの方向と反対である場合において、流れ生成装置のブレードが外側に延びるときに、該流れ生成装置は、表面から突出する従来の渦生成装置として働き、流れの分離を防止するのを助けるという点で、付加的な利点が存在する。また、端部壁124は、軸方向の流れが流路表面114の下方の流れるのを防ぐ。
【0023】
図8を参照すると、合成噴流アクチュエータ140が、壁142内に配置される。合成噴流も、ファン及び上述の流れ生成装置に類似した流れを生成する。流れ生成装置の本体148が、下記に説明される可撓性ヒンジ(hinge)156の延長部分である放出導管150によってオリフィス板144に取り付けられる。オリフィス板144は、流路表面146と同一平面の壁142内に配置される。流れ生成装置本体の内部は、オリフィス板144内の1つ又はそれ以上のオリフィス152を通して、壁142の流路表面146と連通している。
【0024】
流れ生成装置本体148は、可撓性ヒンジ156で接続された一対の側板154から構築される。板154は、互いに間隔をおいて、ほぼ平行関係に配置される。可撓性ヒンジ156は、各々の板154の周囲を囲み、該板154の縁部と重なり合うことができる。ヒンジ156は、側板154を結合させる。したがって、内部の流体キャビティ158は、側板154及びヒンジ156によって囲まれる。各々の側板154は、円板、又は例えば矩形のような他の形状にすることができる。この構成は、ベローズに類似している。ヒンジ156は、任意の可撓性の流体密封材料から構築することができる。ヒンジはまた、例えば室温の加硫(RTV)材料など、接着剤として適した材料から作ることもできる。
オリフィス152は、図12に示されるような一連の穴とすることができ、或いは図13に示されるような長いスロットの形態を取ることもできる。オリフィス152のサイズ、形状、数、及び角度は、特定の用途に適するように変えることができ、例えば、オリフィス152は、下流方向に角度を付けることができ(ピッチ角)、或いはオリフィス152のアレイは、オリフィス板144の面内に角度を付けることができる(ヨー(yaw)角)。
【0025】
図9を参照すると、各々の側板は、ほぼ平坦な複数のスタック層から形成される。各々の側板154は、バイモルフ圧電構造を形成し、各々の側板は、反対の極性を有する2つの圧電層160及び162を含む。圧電層160及び162は、圧電セラミック材料から作られる。電圧がバイモルフ圧電構造に印加されると、反対向きの極性のために、一方の層160は膨張し、もう一方の層162は収縮する。圧電層160及び162は互いに平行であるので、円板の側板の場合、電圧の印加により、側板154がおおよそ半球形状を取るようになる。反対極性の電圧が印加されると、側板154は反対方向に(即ち、凸状の代わりに凹状に)曲がる。この構成は、単一の圧電層に比べて、所定の電圧に及ぼす力を事実上2倍にする。
【0026】
圧電層160及び162にひびが入るのを防ぐために、圧電層160及び162の両側が、薄い保護クラッッド層164で覆われる。例示的な実施形態においては、クラッド層164は、好ましくは非常に薄いステンレス鋼で作られ、適切な接着剤を用いて圧電層160及び162に取り付けられる。クラッド層が取り付けられた圧電層160及び162は、例えば、接着層を用いて、シム(shim)166と呼ばれる中心層の両側に取り付けられる。シム166の材料と厚さは、アクチュエータ本体148の作動周波数を所望の範囲に置くのに十分剛性となるように選択される。示される例においては、シム166は、アルミニウムで作られる。側板154は、制御可能な電源168(図4に概略的に示される)に接続されるので、所望の大きさ及び周波数の交流電圧をブレード側板154に印加することができる。
【0027】
作動中、電源からの電圧が側板154に印加され、該板を互いに反対方向に撓ませる。すなわち、図9に示される左側の側板154が凸状に右に撓むと、右側の側板154が凸状に左に撓む。こうして同時に撓むことにより、流体キャビティ158の体積が減少され、流体が放出導管150を通してオリフィス152から排出されるようになる。反対の極性の電圧が印加されると、側板は反対方向に撓む。この動作は、流体キャビティ158の体積を増大させ、流体キャビティ158内の分圧を減少させ、これにより流体がオリフィス152を通して流体キャビティ内に流入される。各々の側板154はバイモルフ圧電構造であり、2つの側板があるので、本発明の本実施形態は、同じ全体寸法の単一の圧電装置の4倍の能力を持つ。単に、板、可撓性ヒンジ、又はオリフィスの配向及び/又は構成を変えることによって、流体をオリフィス152から多方向に排出することができる。さらに、合成噴流アクチュエータ140を用いて、ヒートシンク又は大きな放熱構造体を含まないLEDダイスを直接冷却することができる。
【0028】
流れ生成装置本体148の2つ又はそれ以上の出力を単一の放出領域において結合させることができる。図10に見られるように、合成噴流アクチュエータ170は、例えば、壁142に隣接して配置された一対の流れ生成装置本体148を含む。ほぼ逆Y字形状を有する放出導管172が、2つの流れ生成装置本体148に接続する。導管172は、図11により詳細に示される。導管172は中空であり、接合部178に2つの入口脚176に接続された出口脚174を有する。導管172の出口脚174は、オリフィス板144内の1つ又はそれ以上のオリフィス152を通して、壁142の流路表面146に通じている。オリフィス152は、図12に示されるように一連の穴としてもよく、或いは図13に示されるように細長いスロットの形態を取ってもよい。オリフィス152のサイズ、形状、数、及び角度は、特定の用途に適するように修正することができる。以下により詳しく説明されるように、オリフィス152はまた、図14及び図15に示されるパターンに配置することもできる。再び図10を参照すると、流れ生成装置本体148が、制御可能な電源180(概略的に示されている)に接続されている。各々の流れ生成装置本体148の電力消費は低いので、直列接続された多数の流れ生成装置本体148のために1つの電源180を用いることが可能であることに注意すべきである。本発明のこの変形は、単一のオリフィス板から、さらに向上した能力を提供する。
【0029】
1つの代替的なオリフィス板184が図14及び図15に示される。図14は、流路表面146に面する側を示し、図15は、流れ生成装置148の流体キャビティ158に面する側を示す。オリフィス板184は、中央穴186と、該中央穴186の両側に配置された側穴188とを有する。各々の穴は、円錐状又はノズル形状の輪郭を有するので、穴の入口190の直径は、穴の出口192のものより大きい。中央の穴186は、入口190が流れ生成装置本体148の流体キャビティ158(図14)に面するオリフィス板184の側部にくるように配置され、2つの側穴188は、反対方向に面する。穴は、入口190から出口192の方向の流れに対する抵抗が、反対方向におけるものより低いので、この構成は、2つの側穴188を通って流体キャビティ158内に進む空気を流し、中央穴186を通って該流体キャビティ158から外への流れを流す傾向がある。このことにより、流体キャビティ158からの空気流の速度が増大し、合成噴流アクチュエータ140の有効性が増大する。
【0030】
図8に示される構成の代替として、流れ生成装置本体148に1つより多い出口を設けることができる。例えば、図16を参照すると、複数の放出導管194を、流れ生成装置本体の周囲の周りに配置することができる。図16は、これらの付加的な放出導管194を、どのように図16の側面から見られる可撓性ヒンジ196内に組み込むことができるかを示す。放出導管194の数は、利用可能な物理的空間によって制限されるだけである。付加的な放出導管194を加えることによって出口速度が減少されるが、出口速度は、付加的な放出導管194の数に比例して減少するわけではない。例えば、6つの出口を有する流れ生成装置本体148の出口速度が、依然として、単一の出口をもつ同じ流れ生成装置の出口速度の約90%であることが、試験で示された。言い換えれば、単一の流れ生成装置本体148を用いて、多数のオリフィスのための出力を生成することができる。
【0031】
例えば、図17に示されるように、流体流れ生成装置200が、LEDアセンブリのヒートシンク204を冷却するための複数の開口部202を含む。図18を参照すると、流体流れ生成装置200は、図8に示されたものと類似した、圧電材料に取り付けられた又は圧電材料を含む一対の可撓性側板206を含む。圧電材料は、可撓性側板を動かすために充填される。可撓性ヒンジ208は、一対の板を連結し、複数の開口部202を含む。また、ヒートシンク204は、該ヒートシンクの基部214から延びる複数のフィン212を含む。フィン212は、ヒートシンクの中心から放射状に広がり、流体流れ生成装置200は、ヒートシンクの中心又はその近くに配置される。こうした構成を用いて、図1乃至図4に関して説明されたアレイに類似したLEDアレイを冷却することができる。
【0032】
別の代替的な実施形態において、複数の合成噴流が、図19及び図20に示される。この実施形態においては、側板220は、可撓性ヒンジ222によって互いに取り付けられている。可撓性ヒンジは、1つの連続した部品とすることができ、或いは、例えば1つ又は2つの側板を一緒に連結する複数の別個のヒンジ部品を含むこともできる。可撓性ヒンジは、流体流れを様々な場所に向けることができる複数の開口部224を含むことができる。例えば、2つの隣接した側板220の間の空間に対して、1つの開口部224を設けることができる。代替的に、こうした空間に対して、1つより多くの開口部を設けることもできる。
【0033】
上述の流体流れ生成装置を用いて、LED光アセンブリの一部を冷却することができる。1つの流体流れ生成装置を用いて、1つ又は数個のLEDを冷却することができる。代替的に、多数のLEDシステムが、1つのヒートシンクを用いることができ、上述の流体流れ生成装置を用いて、流れをヒートシンクの表面上に移動させ、LEDを冷却することができる。
【0034】
「上部」、「下部」、「上方」等のような用語に関連して実施形態が説明されたが、これらの用語は、図の配向に対して実施形態をよりよく理解するために用いられている。これらの用語は、本発明の範囲を限定するものではない。さらに、実施形態の特定の構成部品が、それらの位置に関して他の構成部品と比較して説明された。これらの説明は、本発明を説明される構成だけに制限するべきではない。好ましい実施形態が説明され、前述の詳細な説明を読み、理解するときに、他の人々は、明らかに修正及び変更及び変形を思い付くであろう。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物に含まれる限り、こうした修正及び変形の全てを含むものとして解釈されることが意図されている。
【符号の説明】
【0035】
54 LED
56 放熱構造体
58 ファン
60 LEDダイス支持体
68 フィン
70 台座
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年3月31日に出願された米国特許仮出願番号第60/459,238号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)は、一般に、ダイス又はチップ上に取り付けられたダイオードを含む。次に、ダイオードは、カプセル材料で囲まれる。ダイスは、電源から電力を受け取り、その電力をダイオードに供給する。ダイスは、ダイス支持体内に取り付けることができる。より明るいLEDを生成するために、一般に、より多くの電力がLEDに伝えられる。
多数のLED照明装置は、通常のフィラメント電球システムと異なる熱伝達経路を通して放熱する。より具体的には、高出力LED照明装置は、カソード(負端子)脚部を介して、又は直接ダイス取付け装置内に取り付けられたダイスを通して、相当量の熱を放熱する。通常の放熱システム(すなわち、大部分の熱をランプの前面レンズに放射するもの)は、高出力LEDシステムの熱を適切に減少させない。したがって、高出力LEDシステムは、高い作動温度で作動する傾向がある。
【0003】
高い作動温度は、LED照明装置の性能を劣化させる。経験的データは、室温において、LED照明装置が50,000時間に達する寿命を有するが、90℃付近における作動により、LEDの寿命は7,000時間未満まで減少され得ることを示した。
小さい照明設置面積内で高輝度LEDを使用するために、ある程度の能動的冷却が、LEDの温度低下、よって、大きなヒートシンクが不要であることから照明器具全体のサイズの減少を容易にすることができる。ファンを用いるスポット冷却が周知である。周知のファンは、周囲全体の周りに、内部チャンバを定める剛性ハウジング(housing)に取り付けられた可撓性ダイアフラムを含む。ダイアフラムは、オリフィスを含む。ダイアフラムは、圧電アクチュエータによって作動されるとき、内部チャンバに出入りする。
【0004】
ダイアフラムがチャンバ内に移動すると、チャンバの体積が減少し、流体が、オリフィスを通してチャンバから排出される。流体がオリフィスを通過するとき、流れは、オリフィスの鋭利な縁部で分離し、渦面を形成し、これが渦になる。これらの渦は、渦自体の自己誘導速度のもとでオリフィスの縁部から離れる。
ダイアフラムがチャンバから外に移動すると、チャンバの体積が増加し、周囲流体がオリフィス内に、よってチャンバ内に引き込まれる。渦は、既にオリフィスの縁部から移動されているので、チャンバ内に運ばれる周囲流体によって影響を受けない。渦がオリフィスから遠ざかるように移動するとき、周囲流体を巻き込むことによって、流体の噴流、すなわち「合成噴流」を合成する。電子パッケージの冷却に有用であることが見出されたのは、これらのファンすなわち合成噴流生成装置である。
【0005】
周知の圧電ファン及び合成噴流アクチュエータは、これらが単一の可動要素又は撓みが制限された可動要素だけを用いるという点で、比較的限られた能力を有する。上述の欠点を克服する能動的冷却システムを提供することによって、LEDアセンブリの性能を向上させることが望ましい。
【0006】
米国特許番号6252726は、二つのハーメチック・シールされた筐体を有する光学部品をハウジングするためのパッケージを開示している。第1の筐体は前記光学部品用であり、第2の筐体は電気部品および熱放散デバイスである。光学部品は、レーザーダイオード、レンズ、ファイバ、および、その他の光学部品を含む。記載された熱放散デバイスは、ペルチャー冷却デバイスであり、それは、小さな流れを運ぶことで二つの異なる金属の接合器において、熱を吸収する。EP−A−0385090は、電気部品を冷却するための流体熱交換器を開示する。ハウジングにある注入口からハウジングにある出口へ向けて流体を注入するために、圧電材料が、複数の可撓性ブレードに接続される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
LED光アセンブリは、ハウジングと、該ハウジング内に配置されたLEDと、放熱構造体と、流体流れ生成装置とを含む。LEDは、放熱構造体と熱的に連通し、流路表面を有する。流体流れ生成装置がハウジング内に配置され、流路表面の上に流れを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】放熱システムを有するLEDランプ装置の一部の側面斜視図を示す。
【図2】図1のLEDランプ装置の上部斜視図を示す。
【図3】代替的な放熱システムを有するLEDランプ装置の一部の側面斜視図を示す。
【図4】図3のLEDランプ装置の上部斜視図を示す。
【図5】LEDランプ装置のための代替的な放熱システムの概略的な側断面図を示す。
【図6】図5の線6−6に沿って取られた断面図を示す。
【図7】図6のものに類似した断面図を示す。
【図8】LEDランプ装置のための代替的な放熱システムの概略的な側断面図を示す。
【図9】図8の側板の一つの詳細図を示す。
【図10】LEDランプ装置のための代替的な放熱システムの概略的な側断面図を示す。
【図11】放出導管の斜視図を示す。
【図12】オリフィス板の平面図を示す。
【図13】代替的なオリフィス板の平面図を示す。
【図14】代替的なオリフィス板の平面図を示す。
【図15】図14のオリフィス板の底面図を示す。
【図16】放熱システムのための多数の出口構成を示す。
【図17】別の代替的な放熱システムを有するランプ装置の一部の平面図を示す。
【図18】線18−18で取られた図17の断面を示す。
【図19】代替的な流体流れ生成装置の側面図を示す。
【図20】図19の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は、好ましい実施形態を例証するためのものにすぎず、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明を制限するものと解釈するべきではない。
図1を参照すると、LED光アセンブリの一部10が、ファン18が取り付けられた放熱構造体16に固定された複数のLED14から構成されるLEDアレイ12を含む。「ファン」という用語は、空気の流れを生成する装置、又は空気を動かすために羽根を回転させるモータを用いる機械だけに限定されるものではない。「ファン」という用語は、空気だけに限られず、流体の流れを生成するための装置を説明するように、より広く用いられる。LEDアセンブリの一部10は、半透明のカバー(図示せず)で覆うことができ、及び/又は、取付け具又はハウジング(図示せず)内に配置し、LEDアセンブリを形成することができる。各々のLED14は、電源(図示せず)から電力を受け取り、その電力をLED14に供給するダイス(見えない)を含む。ダイスは、ダイス支持体20内に収納される。LEDにより生成される熱は、ダイスを介して放熱構造体16に伝えられる。
LEDの取付け、及びLEDに電力を供給するために用いられる電気接続は、当該技術分野において周知であり、よって更なる説明は不要である。LED14は、当該技術分野において周知の通常のLEDとすることができる。LED14は、取付け板22上に取り付けられる。取付け板22、よってLEDアレイ12は、放熱構造体16の第1の面すなわち下面24に取り付けられる。
【0010】
ここで図2も参照すると、放熱構造体16は、下面24と、LED14により生成される熱を放熱するための流体流れ路の表面として働く第2の面すなわち上面26とを含む。上面は、たいがいは空気である流体が流れて放熱を助ける放熱面を提供する。放熱構造体16は、LED光アセンブリの一部10が取り付けられるLED照明器具(図示せず)の別個の熱伝導性部品とすることができ、或いはLED照明器具の構成部品の1つと一体の熱伝導性部品とすることもできる。放熱構造体はまた、プリント基板又は類似した構造体を含む、LEDを取り付ける構造体を含むこともできる。
【0011】
台座30は、放熱構造体16の上面26から上方に、該上面26と垂直に延びる。台座30は、放熱構造体16と同じ幅であるが、該台座が放熱構造体と同じ幅である必要はない。台座30は、ファン18が取り付けられる台座面32を有する。台座面32は、ファン18がパタパタ動くのを可能にするように、上面26から適正な量だけ間隔をおいて配置される。したがって、ファンの長さ及び特性により、台座面32と上面26との間の高低差が制限されることがあり、逆もまた同様である。台座30は、ファンと該台座の間の取付け時に、流体が上面26とファン18との間を流れる如何なる流路も含まないことから、中実にすることができる。同様に、台座30を中空にすることもでき、ファンと該台座の間の取り付け時に、上面26から垂下する壁が、流体流れを防止することができる。図1及び図2において、台座30は、放熱構造体16の端部に配置される。代替的に、放熱構造体16のより中央に台座30を配置することもできる。この代替においては、1つのファン又は複数のファンが、台座30の各々の側面から離れるように、よって上面26の上方に片持ち状に突出することができる。ファン18は、台座30の中央部に取り付けられるように示されるが、台座のどこにでも取り付けることができる。
【0012】
前述のように、LED14により生成される熱は、熱伝導によって放熱構造体16に伝えられる。放熱構造体16を冷却するために、空気又は他の何らかの流体が、該放熱構造体の表面の上及びその周りに移動される。ファン18は、こうした流体を放熱構造体16の上に移動させるのを助ける。
ファン18は、圧電材料36に取り付けられたブレード34を含む。ブレードは、可撓性材料、好ましくは可撓性金属で作られる。ブレード34の取り付けられていない端部38は、台座30から離れるように、上面26の上方に片持ち状に突出する。ブレードは、台座面32に取り付けられるので、ブレードが動いているとき、ブレード34の取り付けられていない端部38は、上面26に接触しない。圧電材料36は、取り付けられていない端部38の反対側及び台座30の上方のブレード34に取り付けられる。代替的に、圧電材料36は、ブレード34の長さ又は長さの一部に及ぶことができる。圧電材料36は、通常の方法で、電源(図示せず)に電気的に接続されたセラミック材料を含む。電気が第1の方向に圧電材料36に適用されると、圧電材料が膨張し、ブレード34をある方向に移動させる。次に、電気が他の方向に適用されると、圧電材料が収縮し、ブレード34を反対方向に移動させる。交流が、ブレード34を連続的に前後に移動させる。
【0013】
図1及び2において、ファンが、放熱構造体16に直接取り付けられている。代替的に、ファン18は、光アセンブリ又は照明器具の別の構成部品に取り付けることができる。この代替においては、ファンが放熱構造体の外面の周りに空気流を生成できるように、ファン18は、放熱構造体16の近くの光アセンブリの一部に取り付けられる。さらに、図1及び図2のファン18は、ブレード34が上下に動くように取り付けられるが、ブレードが左右に、又は例えば対角線方向など別の軸で動くように、ファンを取り付けることもできる。
【0014】
LED光アセンブリの作動中、各々のLED14は、熱を生成する。LED14は、LED14により生成された熱を熱構造体16に伝導することを可能にするダイス(見えない)を含む。一方、交流が圧電材料36に与えられ、ブレード34を上下に動かし、これにより放熱構造体16の周りに移動する流体流れがもたらされる。放熱構造体16の周りの流体流れは、移動する流体がないときより迅速に放熱構造体を冷却する。したがって、LED14からより多くの熱を放熱し、より低い作動温度をもたらすことができる。さらに、ファンによりもたらされる能動的冷却のために放熱構造体のサイズを減少させることができるので、LED光の設置面積を減少させることができる。また、ファンは、消費者が歓迎しない雑音を多くもたらさないので、静かな能動的冷却が行われる。
【0015】
ここで図3を参照すると、LED照明アセンブリの一部50が開示される。LED照明アセンブリは、放熱構造体56に取り付けられた複数のLED54から構成されたLEDアレイ52を含む。一対のファン58が、放熱構造体56に取り付けられている。代替的に、1つのファンだけを放熱構造体に取り付けることができ、或いは、複数のファンを放熱構造体に取り付けることもできる。各々のLED54は、図1及び図2に関して上述されたLED14に類似している。各々のLED54は、LEDダイス支持体60内に取り付けられている。LED54により生成される熱は、ダイス支持体60内に取り付けられたダイス(見えない)を通して放熱構造体56に伝えられる。この実施形態はまた、図1及び図2に関して上述された取付け板22と類似した取付け板(見えない)を含むこともできる。
【0016】
放熱構造体56は、LEDアレイ52が取り付けられた第1の面すなわち下面64を含む。放熱構造体56はまた、下面64の反対側の第2の面すなわち上面66を含む。フィン68は、上面66の面とほぼ垂直に上方に突出する。上面66及びフィン68の表面積は、たいがいは空気である流体の放熱を助ける流路表面を形成する。フィン68は、流路表面の表面積を増大させる。
放熱構造体56はまた、該放熱構造体56の上面66から上方に突出する台座70も含む。台座70はまた、下面64から離れるように上面66の面とほぼ垂直に上方に突出する。台座70は、図1及び図2に関して前述された台座30と類似している。各々のフィンの端部と台座との間に隙間72が定められるように、台座70が、フィン68から間隔をおいて配置される。台座70は、フィン68より上方に隆起している台座表面74を含む。
【0017】
同様に図4を参照すると、ファン58が、台座表面74上に取り付けられる。各々のファン58は、圧電材料76及びブレード78を含む。各々のファンは、図1及び図2に関して上述されたファン18と類似している。各々のブレード78の取り付けられていない端部80が、台座70から離れるように、フィン68の上方に片持ち状に突出する。各々のブレード78がフィン68の各々から間隔をおいて配置されるので、各々のブレード78が上下に動くとき、取り付けられていない端部80がフィンに接触しない。また、ファン58が、フィンの上ではなく、フィン68の間に配置された場合、台座70は、上方に延びることができる。図1及び図2に示されるファン18と同様に、各々のファン58は、ブレード78の取り付けられていない端部80の反対側の、台座70の上に取り付けられた圧電材料76を有する。
【0018】
図5を参照すると、流れ生成装置110が、壁112内に配置される。流れ生成装置は実質的に渦形状の流れを生成する。しかしながら、流れ生成装置は、ほぼ渦形状の流れの生成に限定されるものでなく、いずれの構成の流体流れをも生成できる何らかの装置を含むものと解釈すべきである。壁112は、図1乃至図4に関して説明されたLED光アセンブリの放熱構造体の一部を形成することができる。壁112はまた、プリント基板のような、LEDが取り付けられた構造体を含むこともできる。壁は、該壁を冷却するために流体が循環する流路表面114を含む。
深さD(図6)、幅W(図6)、及び長さLを有するほぼ矩形のキャビティ116が、壁112内に形成される。キャビティ116は、離間配置された、ほぼ平行な一対の側壁118及び120(図6)、及び離間配置された、ほぼ平行な一対の端部壁122及び124を有する。壁は、流路表面114内に開口部126を定める。キャビティ116の開口部126は、可撓性でほぼ矩形のアクチュエータ・ブレード128で覆われている。
【0019】
ブレード128は、キャビティ116の第1端部で片持ち状支持体によって壁112に取り付けられる。代替的に、ブレード128は、キャビティ116の反対端で壁112に取り付けることもできる。ブレード128は、例えば、接着剤又はファスナにより何らかの従来の方法で壁112に取り付けることができる。ブレード128は、2つの層、すなわちステンレス鋼又はアルミニウムのような可撓性材料から形成された可撓性層130と、該可撓性層130に取り付けられ、かつ、例えば圧電セラミックのような圧電材料から形成された圧電層132とを含む。圧電層132は、流路表面114の最も近くに配置されるが、該圧電層132を該流路表面の反対側に配置することもできる。示される例は、単一の圧電層132を示すが、ブレード128の反対側に第2の圧電層を取り付け、可撓性層130が両側に圧電層を有するようにもできる。層130及び132は、例えば接着層を用いて、互いにしっかりと結合される。また、層130及び132は、ほぼ同じ長さである。図6に見られるように、ブレード128の幅は、キャビティ116の幅Wより狭い。図5に見られるように、キャビティ116の上に延びるブレード128の一部の長さは、作動用間隙を設けるように、キャビティ116の長さLより僅かに短くなっている。キャビティ116の長さL(よってブレード128の長さ)を変えることができるが、ブレード及び/又はキャビティが短くなる程、ブレード128の先端の撓みが小さくなり、よって流れ生成装置110の有効性が低下する。
【0020】
一実施形態において、キャビティの長さLは、約10インチとすることができる。これは、周知の同様の装置より著しく大きい。ブレード128の縁部とキャビティ116の側壁118及び120との間に2つの等しくない側部隙間134及び136が形成されるように、ブレード128が、キャビティ116に対して中心から外れた位置に取り付けられる。ブレード128はまた、制御可能な電源138(図5に概略的に示される)にも接続されて、該ブレード128に所望の大きさ及び周波数の交流電圧を供給する。
作動中、交流電圧が制御可能な電源からブレード128に印加される。圧電層132の両端に電位が適用されると、該層132は、電圧の極性によって膨張又は収縮する。圧電層132は可撓性層130に結合されるので、交流電圧の印加が、曲げひずみを引き起こし、これによりブレード128が振動する。
【0021】
一例において、3.18mm(0.125インチ)の厚さのステンレス鋼の可撓性層130を有する、ほぼ25.4cm(10インチ)の長さ、25.4mm(1インチ)の幅、及び3.43mm(0.135インチ)の厚さのブレード128が、構築された。75Hz、200V RMSの正弦波入力信号が適用されたとき、ブレード128の取り付けられていない端部における先端の撓みの最大振幅は、およそ1.27mm(0.5インチ)であった。この先端の撓みは、従来技術の装置より幾分大きいものであり、流れ生成装置110の能力を向上させる。さらに、圧電セラミック・アクチュエータの使用は、特に、例えば約70−80Hzの高い周波数でこのアクチュエータを確実に作動させることができ、それが流れ生成装置110の効率をさらに向上させるという点で、機械アクチュエータのような他の周知の型のアクチュエータに優る利点を有する。機械により作動される装置は、ブレードを正弦波モードの形状に変形させる傾向があるので、これらの周波数で作動するという問題を有しており、このことが、所望の渦パターンの形成を妨げる。この例の圧電により作動されるブレード128は、この問題に遭遇しない。
【0022】
作動中、ブレード128はキャビティ116に対して外側に移動し、キャビティの体積を増加させるので、周囲の流体は、広い側部隙間136からキャビティ116内に、遠い距離から引き込まれる。次の下り行程において、ブレード128は、キャビティ116内に下方に動き、キャビティの体積を減少させ、広い側部隙間136を通して流体をキャビティから排出する。図7に示されるように、このブレード128を交互に「引いたり」「押したり」することが、矢印Bで示される、広い側部隙間136の上方の渦流パターンをもたらす。矢印Cで示される類似した流れのパターンが、狭い側部隙間134の上方に形成されるが、それほどの重要性はない。広い側部隙間136は、キャビティ116に出入りする流体のための主要な流路を形成し、狭い側部隙間134は、振動時のブレード128の作動用間隙のための空間を主として形成する。壁112の表面の上方の流れが矢印Aの方向と反対である場合において、流れ生成装置のブレードが外側に延びるときに、該流れ生成装置は、表面から突出する従来の渦生成装置として働き、流れの分離を防止するのを助けるという点で、付加的な利点が存在する。また、端部壁124は、軸方向の流れが流路表面114の下方の流れるのを防ぐ。
【0023】
図8を参照すると、合成噴流アクチュエータ140が、壁142内に配置される。合成噴流も、ファン及び上述の流れ生成装置に類似した流れを生成する。流れ生成装置の本体148が、下記に説明される可撓性ヒンジ(hinge)156の延長部分である放出導管150によってオリフィス板144に取り付けられる。オリフィス板144は、流路表面146と同一平面の壁142内に配置される。流れ生成装置本体の内部は、オリフィス板144内の1つ又はそれ以上のオリフィス152を通して、壁142の流路表面146と連通している。
【0024】
流れ生成装置本体148は、可撓性ヒンジ156で接続された一対の側板154から構築される。板154は、互いに間隔をおいて、ほぼ平行関係に配置される。可撓性ヒンジ156は、各々の板154の周囲を囲み、該板154の縁部と重なり合うことができる。ヒンジ156は、側板154を結合させる。したがって、内部の流体キャビティ158は、側板154及びヒンジ156によって囲まれる。各々の側板154は、円板、又は例えば矩形のような他の形状にすることができる。この構成は、ベローズに類似している。ヒンジ156は、任意の可撓性の流体密封材料から構築することができる。ヒンジはまた、例えば室温の加硫(RTV)材料など、接着剤として適した材料から作ることもできる。
オリフィス152は、図12に示されるような一連の穴とすることができ、或いは図13に示されるような長いスロットの形態を取ることもできる。オリフィス152のサイズ、形状、数、及び角度は、特定の用途に適するように変えることができ、例えば、オリフィス152は、下流方向に角度を付けることができ(ピッチ角)、或いはオリフィス152のアレイは、オリフィス板144の面内に角度を付けることができる(ヨー(yaw)角)。
【0025】
図9を参照すると、各々の側板は、ほぼ平坦な複数のスタック層から形成される。各々の側板154は、バイモルフ圧電構造を形成し、各々の側板は、反対の極性を有する2つの圧電層160及び162を含む。圧電層160及び162は、圧電セラミック材料から作られる。電圧がバイモルフ圧電構造に印加されると、反対向きの極性のために、一方の層160は膨張し、もう一方の層162は収縮する。圧電層160及び162は互いに平行であるので、円板の側板の場合、電圧の印加により、側板154がおおよそ半球形状を取るようになる。反対極性の電圧が印加されると、側板154は反対方向に(即ち、凸状の代わりに凹状に)曲がる。この構成は、単一の圧電層に比べて、所定の電圧に及ぼす力を事実上2倍にする。
【0026】
圧電層160及び162にひびが入るのを防ぐために、圧電層160及び162の両側が、薄い保護クラッッド層164で覆われる。例示的な実施形態においては、クラッド層164は、好ましくは非常に薄いステンレス鋼で作られ、適切な接着剤を用いて圧電層160及び162に取り付けられる。クラッド層が取り付けられた圧電層160及び162は、例えば、接着層を用いて、シム(shim)166と呼ばれる中心層の両側に取り付けられる。シム166の材料と厚さは、アクチュエータ本体148の作動周波数を所望の範囲に置くのに十分剛性となるように選択される。示される例においては、シム166は、アルミニウムで作られる。側板154は、制御可能な電源168(図4に概略的に示される)に接続されるので、所望の大きさ及び周波数の交流電圧をブレード側板154に印加することができる。
【0027】
作動中、電源からの電圧が側板154に印加され、該板を互いに反対方向に撓ませる。すなわち、図9に示される左側の側板154が凸状に右に撓むと、右側の側板154が凸状に左に撓む。こうして同時に撓むことにより、流体キャビティ158の体積が減少され、流体が放出導管150を通してオリフィス152から排出されるようになる。反対の極性の電圧が印加されると、側板は反対方向に撓む。この動作は、流体キャビティ158の体積を増大させ、流体キャビティ158内の分圧を減少させ、これにより流体がオリフィス152を通して流体キャビティ内に流入される。各々の側板154はバイモルフ圧電構造であり、2つの側板があるので、本発明の本実施形態は、同じ全体寸法の単一の圧電装置の4倍の能力を持つ。単に、板、可撓性ヒンジ、又はオリフィスの配向及び/又は構成を変えることによって、流体をオリフィス152から多方向に排出することができる。さらに、合成噴流アクチュエータ140を用いて、ヒートシンク又は大きな放熱構造体を含まないLEDダイスを直接冷却することができる。
【0028】
流れ生成装置本体148の2つ又はそれ以上の出力を単一の放出領域において結合させることができる。図10に見られるように、合成噴流アクチュエータ170は、例えば、壁142に隣接して配置された一対の流れ生成装置本体148を含む。ほぼ逆Y字形状を有する放出導管172が、2つの流れ生成装置本体148に接続する。導管172は、図11により詳細に示される。導管172は中空であり、接合部178に2つの入口脚176に接続された出口脚174を有する。導管172の出口脚174は、オリフィス板144内の1つ又はそれ以上のオリフィス152を通して、壁142の流路表面146に通じている。オリフィス152は、図12に示されるように一連の穴としてもよく、或いは図13に示されるように細長いスロットの形態を取ってもよい。オリフィス152のサイズ、形状、数、及び角度は、特定の用途に適するように修正することができる。以下により詳しく説明されるように、オリフィス152はまた、図14及び図15に示されるパターンに配置することもできる。再び図10を参照すると、流れ生成装置本体148が、制御可能な電源180(概略的に示されている)に接続されている。各々の流れ生成装置本体148の電力消費は低いので、直列接続された多数の流れ生成装置本体148のために1つの電源180を用いることが可能であることに注意すべきである。本発明のこの変形は、単一のオリフィス板から、さらに向上した能力を提供する。
【0029】
1つの代替的なオリフィス板184が図14及び図15に示される。図14は、流路表面146に面する側を示し、図15は、流れ生成装置148の流体キャビティ158に面する側を示す。オリフィス板184は、中央穴186と、該中央穴186の両側に配置された側穴188とを有する。各々の穴は、円錐状又はノズル形状の輪郭を有するので、穴の入口190の直径は、穴の出口192のものより大きい。中央の穴186は、入口190が流れ生成装置本体148の流体キャビティ158(図14)に面するオリフィス板184の側部にくるように配置され、2つの側穴188は、反対方向に面する。穴は、入口190から出口192の方向の流れに対する抵抗が、反対方向におけるものより低いので、この構成は、2つの側穴188を通って流体キャビティ158内に進む空気を流し、中央穴186を通って該流体キャビティ158から外への流れを流す傾向がある。このことにより、流体キャビティ158からの空気流の速度が増大し、合成噴流アクチュエータ140の有効性が増大する。
【0030】
図8に示される構成の代替として、流れ生成装置本体148に1つより多い出口を設けることができる。例えば、図16を参照すると、複数の放出導管194を、流れ生成装置本体の周囲の周りに配置することができる。図16は、これらの付加的な放出導管194を、どのように図16の側面から見られる可撓性ヒンジ196内に組み込むことができるかを示す。放出導管194の数は、利用可能な物理的空間によって制限されるだけである。付加的な放出導管194を加えることによって出口速度が減少されるが、出口速度は、付加的な放出導管194の数に比例して減少するわけではない。例えば、6つの出口を有する流れ生成装置本体148の出口速度が、依然として、単一の出口をもつ同じ流れ生成装置の出口速度の約90%であることが、試験で示された。言い換えれば、単一の流れ生成装置本体148を用いて、多数のオリフィスのための出力を生成することができる。
【0031】
例えば、図17に示されるように、流体流れ生成装置200が、LEDアセンブリのヒートシンク204を冷却するための複数の開口部202を含む。図18を参照すると、流体流れ生成装置200は、図8に示されたものと類似した、圧電材料に取り付けられた又は圧電材料を含む一対の可撓性側板206を含む。圧電材料は、可撓性側板を動かすために充填される。可撓性ヒンジ208は、一対の板を連結し、複数の開口部202を含む。また、ヒートシンク204は、該ヒートシンクの基部214から延びる複数のフィン212を含む。フィン212は、ヒートシンクの中心から放射状に広がり、流体流れ生成装置200は、ヒートシンクの中心又はその近くに配置される。こうした構成を用いて、図1乃至図4に関して説明されたアレイに類似したLEDアレイを冷却することができる。
【0032】
別の代替的な実施形態において、複数の合成噴流が、図19及び図20に示される。この実施形態においては、側板220は、可撓性ヒンジ222によって互いに取り付けられている。可撓性ヒンジは、1つの連続した部品とすることができ、或いは、例えば1つ又は2つの側板を一緒に連結する複数の別個のヒンジ部品を含むこともできる。可撓性ヒンジは、流体流れを様々な場所に向けることができる複数の開口部224を含むことができる。例えば、2つの隣接した側板220の間の空間に対して、1つの開口部224を設けることができる。代替的に、こうした空間に対して、1つより多くの開口部を設けることもできる。
【0033】
上述の流体流れ生成装置を用いて、LED光アセンブリの一部を冷却することができる。1つの流体流れ生成装置を用いて、1つ又は数個のLEDを冷却することができる。代替的に、多数のLEDシステムが、1つのヒートシンクを用いることができ、上述の流体流れ生成装置を用いて、流れをヒートシンクの表面上に移動させ、LEDを冷却することができる。
【0034】
「上部」、「下部」、「上方」等のような用語に関連して実施形態が説明されたが、これらの用語は、図の配向に対して実施形態をよりよく理解するために用いられている。これらの用語は、本発明の範囲を限定するものではない。さらに、実施形態の特定の構成部品が、それらの位置に関して他の構成部品と比較して説明された。これらの説明は、本発明を説明される構成だけに制限するべきではない。好ましい実施形態が説明され、前述の詳細な説明を読み、理解するときに、他の人々は、明らかに修正及び変更及び変形を思い付くであろう。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物に含まれる限り、こうした修正及び変形の全てを含むものとして解釈されることが意図されている。
【符号の説明】
【0035】
54 LED
56 放熱構造体
58 ファン
60 LEDダイス支持体
68 フィン
70 台座
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(housing)と、前記ハウジング内に配置されたLED(14、54)と、前記LEDと熱的に連通した放熱構造体(16、56、112、142、204)とを含むLED光アセンブリであって、
圧電材料を含む流体流れ生成装置(18、58、110、148、170、200)が、前記放熱構造体の上に流れを生成するために前記ハウジング内に配置されることを特徴とするLED光アセンブリ。
【請求項2】
前記流体流れ生成装置が、可撓性材料からなるブレード(34、78、128)を含み、前記ブレードは、該放熱構造体(16、56、112)の表面から間隔をおいて配置され、該ブレードの取り付けられていない端部が前記表面に対して移動できるようになったことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記放熱構造体(16、56)の前記表面から延びる台座(30、70)をさらに含み、前記ブレードが前記台座に取り付けられ、該ブレードが該表面から間隔をおいて配置されるようになったことを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
圧電材料が、少なくともほぼ前記ブレード(34、78、128)の長さに及ぶことを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記放熱構造体(112)が、開口部(126)を定めるキャビティ(116)を含み、前記流体流れ生成装置が該放熱構造体に取り付けられたブレード(128)を含み、前記ブレードが前記開口部の一部を覆うことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記キャビティ(116)は、流れが軸方向に流れるのを妨げる端部壁(124)によって定められることを特徴とする請求項5のアセンブリ。
【請求項7】
前記放熱構造体(112)がプリント基板を含むことを特徴とする請求項5のアセンブリ。
【請求項8】
前記プリント基板の表面から延びる複数のフィン(68)をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記ブレード(128)が、前記開口部(126)の少なくとも2つの隣接した側部から間隔をおいて配置されることを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記流体流れ生成装置(148)が、第1の可撓性側板(154)と、可撓性のヒンジ(hinge)(156)で接続された第2の可撓性側板(154)とを含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の可撓性板(154)、前記第2の可撓性板(154)、及び前記可撓性ヒンジ(156)が内部キャビティ(158)を定め、前記流体流れ生成装置は、前記内部キャビティと流体連通した放出導管(172)を含み、前記放出導管は、前記放熱構造体(142)に隣接する遠位端を有することを特徴とする請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記放熱構造体(148)がLEDのためのダイスを含むことを特徴とする請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ハウジング内に配置された複数のLED(14、54)と、
前記ハウジング内に配置された複数の流体流れ生成装置(18、58、110、148、170、200)と、
をさらに備え、
前記流体流れ生成装置の少なくとも1つが、特定のLEDを冷却するように配置されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記LED(14、54)が前記放熱構造体(16、56、112、142、204)における第1の表面の上に配置され、前記流体流れ生成装置(18、58、110、148、170、200)が前記放熱構造体(16、56、112、142、204)における前記第1の表面とは反対の表面の上に取り付けられる、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記放熱構造体(148)がフィンを含まない、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項16】
ペルチャー冷却モジュールを含まない、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項1】
ハウジング(housing)と、前記ハウジング内に配置されたLED(14、54)と、前記LEDと熱的に連通した放熱構造体(16、56、112、142、204)とを含むLED光アセンブリであって、
圧電材料を含む流体流れ生成装置(18、58、110、148、170、200)が、前記放熱構造体の上に流れを生成するために前記ハウジング内に配置されることを特徴とするLED光アセンブリ。
【請求項2】
前記流体流れ生成装置が、可撓性材料からなるブレード(34、78、128)を含み、前記ブレードは、該放熱構造体(16、56、112)の表面から間隔をおいて配置され、該ブレードの取り付けられていない端部が前記表面に対して移動できるようになったことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記放熱構造体(16、56)の前記表面から延びる台座(30、70)をさらに含み、前記ブレードが前記台座に取り付けられ、該ブレードが該表面から間隔をおいて配置されるようになったことを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
圧電材料が、少なくともほぼ前記ブレード(34、78、128)の長さに及ぶことを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記放熱構造体(112)が、開口部(126)を定めるキャビティ(116)を含み、前記流体流れ生成装置が該放熱構造体に取り付けられたブレード(128)を含み、前記ブレードが前記開口部の一部を覆うことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記キャビティ(116)は、流れが軸方向に流れるのを妨げる端部壁(124)によって定められることを特徴とする請求項5のアセンブリ。
【請求項7】
前記放熱構造体(112)がプリント基板を含むことを特徴とする請求項5のアセンブリ。
【請求項8】
前記プリント基板の表面から延びる複数のフィン(68)をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記ブレード(128)が、前記開口部(126)の少なくとも2つの隣接した側部から間隔をおいて配置されることを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記流体流れ生成装置(148)が、第1の可撓性側板(154)と、可撓性のヒンジ(hinge)(156)で接続された第2の可撓性側板(154)とを含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の可撓性板(154)、前記第2の可撓性板(154)、及び前記可撓性ヒンジ(156)が内部キャビティ(158)を定め、前記流体流れ生成装置は、前記内部キャビティと流体連通した放出導管(172)を含み、前記放出導管は、前記放熱構造体(142)に隣接する遠位端を有することを特徴とする請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記放熱構造体(148)がLEDのためのダイスを含むことを特徴とする請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ハウジング内に配置された複数のLED(14、54)と、
前記ハウジング内に配置された複数の流体流れ生成装置(18、58、110、148、170、200)と、
をさらに備え、
前記流体流れ生成装置の少なくとも1つが、特定のLEDを冷却するように配置されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記LED(14、54)が前記放熱構造体(16、56、112、142、204)における第1の表面の上に配置され、前記流体流れ生成装置(18、58、110、148、170、200)が前記放熱構造体(16、56、112、142、204)における前記第1の表面とは反対の表面の上に取り付けられる、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記放熱構造体(148)がフィンを含まない、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項16】
ペルチャー冷却モジュールを含まない、請求項1に記載のアセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−23381(P2012−23381A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178839(P2011−178839)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【分割の表示】特願2006−507466(P2006−507466)の分割
【原出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【出願人】(503399964)ルミネイション リミテッド ライアビリティ カンパニー (32)
【氏名又は名称原語表記】Lumination LLC
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【分割の表示】特願2006−507466(P2006−507466)の分割
【原出願日】平成16年3月23日(2004.3.23)
【出願人】(503399964)ルミネイション リミテッド ライアビリティ カンパニー (32)
【氏名又は名称原語表記】Lumination LLC
【Fターム(参考)】
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