説明

脂肪酸油混合物の被覆型カプセル剤および錠剤

脂肪酸油混合物および少なくとも1種の遊離脂肪酸を経口投与に適した被覆カプセルまたは被覆錠剤の形態中に含む組成物、ならびにその使用方法が開示される。さらに、脂肪酸油混合物、少なくとも1種の界面活性剤、および任意選択で少なくとも1種の遊離脂肪酸を被覆カプセルまたは被覆錠剤の形態中に含む予備濃縮物、ならびにその使用方法が開示される。予備濃縮物は、水性溶液中で自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)を形成する能力がある。
なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、そのすべてが参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、2009年10月23日に出願の米国特許仮出願第61/254291号、2009年10月23日に出願の米国特許仮出願第61/254293号、および2009年10月23日に出願の米国特許仮出願第61/254296号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、経口投与に適した被覆型カプセル剤または被覆型錠剤の形態中に脂肪酸油混合物を含む組成物および予備濃縮物(preconcentrate)、ならびにそれらの使用方法を対象とする。ここで開示されるカプセル剤および錠剤は、例えば、異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達(neuronal development)、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型脂質異常症、心不全、および心筋梗塞後(MI)を含めた少なくとも1種の健康問題の治療的処置および/または調節のために、対象に投与することができる。
【背景技術】
【0003】
ヒトにおいて、コレステロールおよびトリグリセリドは、血流中のリポタンパク質複合体の一部であり、超遠心分離によって高密度リポタンパク質(HDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、および超低密度リポタンパク質(VLDL)画分に分離することができる。コレステロールおよびトリグリセリドは、肝臓中で合成され、VLDL中に組み込まれ、血漿中に放出される。高レベルの総コレステロール(総−C)、LDL−C、およびアポリポタンパク質B(LDL−CおよびVLDL−Cのための膜複合体)は、ヒトのアテローム性動脈硬化症を促進し、HDL−Cおよびその輸送複合体のレベルを低下させ、アポリポタンパク質Aは、アテローム性動脈硬化症の発症とも関連している。さらに、ヒトにおける心血管疾病率および死亡率は、総−CおよびLDL−Cのレベルに正比例して、HDL−Cのレベルに逆比例して変化し得る。さらに、研究は、非HDLコレステロールは、高トリグリセリド血症、血管疾患、動脈硬化性疾患、および関連状態の指標であることを示唆している。実際、NCEP ATP IIIは、非HDLコレステロールの低下を治療目標と明記している。
【0004】
オメガ−3脂肪酸は、血漿中脂質レベル、心血管および免疫機能、インスリン作用、神経発達、ならび視覚機能を調節することができる。一般には魚油とも呼ばれる海産油(Marine oils)は、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含めたオメガ−3脂肪酸の供給源であり、脂質代謝を調節することが見出されている。植物をベースにした油および微生物油(microbial oils)も、オメガ−3脂肪酸の供給源である。オメガ−3脂肪酸は、心血管疾患、例えば高血圧および高トリグリセリド血症に関する危険因子に対して、ならびに凝固第VII因子リン脂質複合体の活性に対して有益な効果を有する可能性がある。オメガ−3脂肪酸は、また、血清中トリグリセリドを低下させ、血清中HDLコレステロールを増加させ、収縮期および拡張期血圧および/または脈拍数を低下させる可能性があり、かつ血液凝固第VII因子−リン脂質複合体の活性を低下させる可能性がある。さらに、オメガ−3脂肪酸は、一般に、十分な耐容性があり、重篤な副作用を起こさない。
【0005】
オメガ−3脂肪酸のいくつかの製剤が開発されている。例えば、オメガ−3脂肪酸油混合物の1つの形態は、Omacor(登録商標)/Lovaza(商標)/Zodin(登録商標)/Seacor(登録商標)の商標で販売されているような、DHAおよびEPAを含む魚油に由来する主としてオメガ−3の長鎖多不飽和脂肪酸の濃縮物である。例えば、米国特許第5502077号、5656667号、5698594号および7732488号を参照されたい。詳細には、Lovaza(商標)の各1000mgカプセル剤は、少なくとも90%のオメガ−3脂肪酸エチルエステル(84%EPA/DHA);すなわち、ほぼ465mgのEPAエチルエステルおよびほぼ375mgのDHAエチルエステルを含む。
【0006】
しかし、証拠は、少なくともC24までの長鎖脂肪酸およびアルコールが可逆的に相互変換されることを示唆している。脂肪アルコールを脂肪酸に変換する酵素系が、肝臓、線維芽細胞、および脳中に存在する。一部の組織で、脂肪酸は、還元されてアルコールに戻り得る。脂肪酸分子のカルボン酸官能基は、結合を標的にするが、このイオン化できる基は、該分子が腸管壁のような細胞膜を横切ることの障害となり得る。結果として、カルボン酸官能基は、エステルとして保護されることが多い。エステルは、カルボン酸に比べて極性が小さく、脂肪性細胞膜をより容易に横断することができる。血流中に入れば、エステルは、血中のエステラーゼ酵素によって加水分解されて遊離カルボン酸に戻ることができる。血漿中酵素は、エステルを十分な速さでは加水分解しないが、エステルの遊離カルボン酸への変換は、主に肝臓中で生じる可能性がある。多不飽和脂肪酸のエチルエステルも、インビボで加水分解されて遊離カルボン酸となることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、当技術分野では、細胞膜を横断する能力を維持しながら、インビボでのオメガ−3脂肪酸の放出を改善し、かつ可溶化、消化、生物学的利用能および/または吸収を高める組成物および/または方法に対する必要性が残っている。
【0008】
前述の一般的説明および以下の詳細な説明は、双方とも、単に例示および説明のためであり、特許請求される本発明の開示を限定するものでないことを理解されたい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬組成物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、医薬組成物を対象とする。
【0010】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の食品サプリメント(food supplement)または栄養サプリメント(nutritional supplement)組成物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、組成物を対象とする。
【0011】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステル、トリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0012】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、予備濃縮物の重量に対して約45重量%〜約55重量%の脂肪酸油混合物と、予備濃縮物の重量に対して約10重量%〜約15重量%の少なくとも1種の遊離脂肪酸と、予備濃縮物の重量に対して約30重量%〜約40重量%の少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、該少なくとも1種の遊離脂肪酸は、該少なくとも1種の遊離脂肪酸の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAは遊離脂肪酸の形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート20から選択され、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0013】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、予備濃縮物の重量に対して約45重量%〜約55重量%の脂肪酸油混合物と、予備濃縮物の重量に対して約10重量%〜約15重量%の少なくとも1種の遊離脂肪酸と、予備濃縮物の重量に対して約30重量%〜約40重量%の少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、遊離脂肪酸は、オレイン酸から選択され、界面活性剤は、ポリソルベート20から選択され、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0014】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、予備濃縮物の重量に対して約65重量%〜約75重量%の脂肪酸油混合物と、予備濃縮物の重量に対して約15重量%〜約20重量%の少なくとも1種の遊離脂肪酸と、予備濃縮物の重量に対して約10重量%〜約15重量%の少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、遊離脂肪酸は、オレイン酸から選択され、界面活性剤は、ポリソルベート20から選択され、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0015】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、予備濃縮物の重量に対して約45重量%〜約55重量%の脂肪酸油混合物と、予備濃縮物の重量に対して約10重量%〜約15重量%の少なくとも1種の遊離脂肪酸と、予備濃縮物の重量に対して約40重量%〜約50重量%の少なくとも2種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、該少なくとも1種の遊離脂肪酸は、該少なくとも1種の遊離脂肪酸の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAは遊離脂肪酸の形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート20およびレシチンから選択され、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0016】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0017】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、予備濃縮物の重量に対して約60重量%〜約70重量%の脂肪酸油混合物と、予備濃縮物の重量に対して約30重量%〜約40重量%の少なくとも2種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート20およびレシチンから選択され、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0018】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0019】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、予備濃縮物の重量に対して約75重量%〜約85重量%の脂肪酸油混合物と、予備濃縮物の重量に対して約15重量%〜約25重量%の少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート80から選択され、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0020】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の食品サプリメントまたは栄養サプリメント予備濃縮物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0021】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の食品サプリメント予備濃縮物または栄養サプリメント予備濃縮物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0022】
本開示は、また、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の食品サプリメント予備濃縮物または栄養サプリメント予備濃縮物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0023】
本開示は、また、異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬組成物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、組成物を対象とする。
【0024】
本開示は、また、異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0025】
本開示は、また、異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物を含む、自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)であって、予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含み、予備濃縮物は水性溶液中でエマルションを形成する、薬物送達システムを対象とする。
【0026】
本開示は、また、異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0027】
本開示は、また、異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物を含む自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)であって、予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含み、予備濃縮物は水性溶液中でエマルションを形成する、薬物送達システムを対象とする。
【0028】
本開示は、また、異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物を対象とする。
【0029】
本開示は、また、異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物を含む自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)であって、予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含み、予備濃縮物は水性溶液中でエマルションを形成する、薬物送達システムを対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】予備濃縮物A〜Lの粘度を示す図である。
【図2】胃メディウム(media)および腸メディウム(media)中での予備濃縮物A〜F、IおよびJの平均粒度分布を示す図である。
【図3】胃メディウム中で予備濃縮物Aを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図4】胃メディウム中で予備濃縮物Bを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図5】胃メディウム中で予備濃縮物Cを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図6】胃メディウム中で予備濃縮物Dを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図7】胃メディウム中で予備濃縮物Eを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図8】胃メディウム中で予備濃縮物Fを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図9】胃メディウム中で予備濃縮物Iを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図10】胃メディウム中で予備濃縮物Jを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図11】腸メディウム中で予備濃縮物Aを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図12】腸メディウム中で予備濃縮物Bを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図13】腸メディウム中で予備濃縮物Cを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図14】腸メディウム中で予備濃縮物Dを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図15】腸メディウム中で予備濃縮物Eを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図16】腸メディウム中で予備濃縮物Fを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図17】腸メディウム中で予備濃縮物Iを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図18】腸メディウム中で予備濃縮物Jを4回連続で測定した場合に、Malvernゼータサイザーから得られる読出しデータを示す図である。
【図19】Omacor(登録商標)の脂肪分解の際のEPA−EEおよびDHA−EEの消失ならびにEPA−FAおよびDHA−FAの出現を示す図である。
【図20】Omacor(登録商標)に関する異なる時点でのEPA+DHAの回収パーセントを示す図である。
【図21】Omacor(登録商標)に関する異なる時点でのEPA−EE、DHA−EEおよび全K85EEの脂肪分解パーセントを示す図である。
【図22】予備濃縮物Aの脂肪分解の際のEPA−EEおよびDHA−EEの消失ならびにEPA−FAおよびDHA−FAの出現を示す図である。
【図23】予備濃縮物Aに関する異なる時点でのEPA+DHAの回収パーセントを示す図である。
【図24】予備濃縮物Aに関する異なる時点でのEPA−EE、DHA−EEおよび全K85EEの脂肪分解パーセントを示す図である。
【図25】予備濃縮物Bの脂肪分解の際のEPA−EEおよびDHA−EEの消失ならびにEPA−FAおよびDHA−FAの出現を示す図である。
【図26】予備濃縮物Bに関する異なる時点でのEPA+DHAの回収パーセントを示す図である。
【図27】予備濃縮物Bに関する異なる時点でのEPA−EE、DHA−EEおよび全K85EEの脂肪分解パーセントを示す図である。
【図28】予備濃縮物Cの脂肪分解の際のEPA−EEおよびDHA−EEの消失ならびにEPA−FAおよびDHA−FAの出現を示す図である。
【図29】予備濃縮物Cに関する異なる時点でのEPA+DHAの回収パーセントを示す図である。
【図30】予備濃縮物Cに関する異なる時点でのEPA−EE、DHA−EEおよび全K85EEの脂肪分解パーセントを示す図である。
【図31】予備濃縮物Dの脂肪分解の際のEPA−EEおよびDHA−EEの消失ならびにEPA−FAおよびDHA−FAの出現を示す図である。
【図32】予備濃縮物Dに関する異なる時点でのEPA+DHAの回収パーセントを示す図である。
【図33】予備濃縮物Dに関する異なる時点でのEPA−EE、DHA−EEおよび全K85EEの脂肪分解パーセントを示す図である。
【図34】予備濃縮物Eの脂肪分解の際のEPA−EEおよびDHA−EEの消失ならびにEPA−FAおよびDHA−FAの出現を示す図である。
【図35】予備濃縮物Eに関する異なる時点でのEPA+DHAの回収パーセントを示す図である。
【図36】予備濃縮物Eに関する異なる時点でのEPA−EE、DHA−EEおよび全K85EEの脂肪分解パーセントを示す図である。
【図37】実施例14に関するEPAの血漿中濃度対全脂質濃度の時間プロフィールを示す図である。
【図38】実施例22に記載のような被覆型および非被覆型錠剤の投与に続く時間経過に伴う血清中EPAレベルを示す図である。
【図39】実施例22に記載のような被覆型および非被覆型錠剤の投与に続く時間経過に伴う血清中DHAレベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示の特定の態様を、以下でより詳細に説明する。本出願中で使用され本明細書中で明らかにされる用語および定義は、本開示内での意味を説明するものと解釈される。本明細書に適用され、かつ上記で参照された特許および科学文献は、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる用語および/または定義と矛盾しているなら、本明細書中で提供される用語および定義が優先する。
【0032】
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを要求しない限り、複数への言及を包含する。
【0033】
用語「ほぼ」および「約」は、言及した数字または値とほとんど同じであることを意味する。本明細書中で使用する場合、用語「ほぼ」および「約」は、指定された量、頻度または値の±10%を包含すると一般には理解されたい。
【0034】
用語「投与する」、「投与」または「投与すること」は、本明細書中で使用する場合、(1)健全な開業医またはその認められた代行者が、あるいはその指示のもとで、本開示による組成物を提供、付与、投薬および/または処方すること、ならびに(2)患者または当人が、本開示による組成物を受入、服用または消費することを指す。
【0035】
本開示は、被覆されていてもよいカプセル剤、例えばゼラチンカプセル剤、および錠剤として製剤化された、脂肪酸油混合物および少なくとも1種の遊離脂肪酸を含む医薬組成物および補充物組成物を提供する。
【0036】
また、本明細書では、脂肪酸油混合物および少なくとも1種の界面活性剤を含む予備濃縮物が開示される。一部の実施形態において、予備濃縮物は、脂肪酸油混合物、少なくとも1種の遊離脂肪酸、および少なくとも1種の界面活性剤を含む。本開示の予備濃縮物は、水性メディウム(medium)と混合されると、小さなまたはきわめて小さな平均粒径の分散液をもたらすことができる。このような分散液は、ナノエマルション、マイクロエマルション、またはエマルションとして特徴付けることができる。例えば、送達によって、予備濃縮物は、胃液またはその他の生理液で分散液を作り出し、自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)を生成すると考えられている。
【0037】
脂肪酸油混合物
本開示の組成物は、少なくとも1種の脂肪酸油混合物を含む。該脂肪酸油混合物は、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含む。本明細書中で使用する場合、用語「脂肪酸油混合物」は、不飽和(例えば、単不飽和、多不飽和)または飽和脂肪酸などの脂肪酸、ならびにその薬学的に許容されるエステル、遊離酸、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、誘導体、複合体、前駆体、塩、およびこれらの混合物を包含する。一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態の、オメガ−3脂肪酸などの脂肪酸を含む。他の実施形態において、脂肪酸油混合物中の脂肪酸は、遊離酸の形態で存在する。
【0038】
用語「オメガ−3脂肪酸」は、天然および合成のオメガ−3脂肪酸、ならびにその薬学的に許容されるエステル、遊離酸、トリグリセリド、誘導体、複合体(例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、Zalogaらの米国特許出願公開第2004/0254357号;およびHorrobinらの米国特許第6245811号を参照されたい)、前駆体、塩、およびこれらの混合物を包含する。オメガ−3脂肪酸油の例には、限定はされないが、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、α−リノレン酸(ALA)、ヘネイコサペンタエン酸(HPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、エイコサテトラエン酸(ETA)、エイコサトリエン酸(ETE)およびオクタデカテトラエン酸(すなわちステアリドン酸、STA)などのオメガ−3多不飽和長鎖脂肪酸;オメガ−3脂肪酸とグリセロールとのエステル、例えばモノ−、ジ−およびトリグリセリド;ならびにオメガ−3脂肪酸と第1級、第2級および/または第3級アルコールとのエステル、例えば脂肪酸メチルエステルおよび脂肪酸エチルエステルが含まれる。本開示によるオメガ−3脂肪酸、そのエステル、トリグリセリド、誘導体、複合体、前駆体、塩および/またはこれらの混合物は、それらの純粋な形態で、および/または、例えば海産油(例えば、魚油および精製魚油濃縮物)、藻類油(algae oil)、微生物油、および植物をベースにした油のような油の成分として使用することができる。
【0039】
本開示の一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、EPAおよびDHAを含む。さらに、例えば、一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態のEPAおよびDHAを含む。他の実施形態において、脂肪酸油混合物は、遊離酸の形態のEPAおよびDHAを含む。
【0040】
本開示の脂肪酸油混合物は、さらに、EPAおよびDHA以外の少なくとも1種の脂肪酸を含めてもよい。このような脂肪酸の例として、限定はされないが、EPAおよびDHA以外のオメガ−3脂肪酸ならびにオメガ−6脂肪酸が含まれる。例えば、本開示の一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、α−リノレン酸(ALA)、ヘネイコサペンタエン酸(HPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、エイコサテトラエン酸(ETA)、エイコサトリエン酸(ETE)およびステアリドン酸(STA)から選択される、EPAおよびDHA以外の少なくとも1種の脂肪酸を含む。一部の実施形態において、EPAおよびDHA以外の少なくとも1種の脂肪酸は、リノール酸、γ−リノレン酸(GLA)、アラキドン酸(AA)、ドコサペンタエン酸(すなわち、オスボンド酸)、およびこれらの混合物から選択される。一部の実施形態において、EPAおよびDHA以外の少なくとも1種の脂肪酸は、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する。他の実施形態において、EPAおよびDHA以外の少なくとも1種の脂肪酸は、遊離酸の形態で存在する。
【0041】
本開示によって包含されるさらなる脂肪酸、またはそれらの混合物(脂肪酸油混合物)の例として、限定はされないが、欧州薬局方で規定された脂肪酸、オメガ−3エチルエステル90および精製海産油、例えば、欧州薬局方オメガ−3酸トリグリセリド、欧州薬局方オメガ−3酸エチルエステル60、欧州薬局方オメガ−3酸に富む魚油モノグラフ、および/または例えば米国薬局方魚油モノグラフが含まれる。
【0042】
本開示に適した種々の脂肪酸を含む脂肪酸油混合物の市販例として、限定はされないが、Incromega(商標)TG7010SR、Incromega(商標)E7010SR、Incromega(商標)TG6015、Incromega(商標)EPA500TGSR、Incromega(商標)E400200SR、Incromega(商標)E4010、Incromega(商標)DHA700TGSR、Incromega(商標)DHA700ESR、Incromega(商標)DHA500TGSR、Incromega(商標)TG3322SR、Incromega(商標)E3322SR、Incromega(商標)TG3322、Incromega(商標)E3322、Incromega(商標)Trio TG/EEなどのIncromega(商標)オメガ−3海産油濃縮物(Croda International PLC社、ヨークシア、英国);EPAX2050TG、EPAX5500EE、EPAX5500TG、EPAX5000EE、EPAX5000TG、EPAX6000EE、EPAX6000TG、EPAX6000FA、EPAX6500EE、EPAX6500TG、EPAX4510TG、EPAX1050TG、EPAX6015TG/EE、EPAX4020TG、およびEPAX4020EE(EPAXは、ノルウェーの企業Austevoll Seafood ASAの全株所有子会社である);最終医薬品であるOmacor(登録商標)/Lovaza(商標)/Zodin(登録商標)/Seacor(登録商標)、K85EE、およびAGP103(Pronova BioPharma Norge AS);MEG−3(登録商標)EPA/DHA魚油濃縮物(Ocean Nutrition社、Canada);DHA FNO「機能性栄養油(Functional Nutritional Oil)」およびDHA CL「澄明液(Clear Liquid)」(Lonza);Superba(商標)オキアミ油(Aker社);市場で作られたDHAを含むオメガ−3製品;Neptuneオキアミ油(Neptune社);Mollers社によって製造されたタラ肝油製品および抗還流魚油濃縮物(anti−reflux fish oil)(TG);Lysiオメガ−3魚油;Seven Seas Triomega(登録商標)タラ肝油ブレンド(Seven Seas社);Fri Flytオメガ−3(Vesteralens社);およびEpadel(Mochida社)が含まれる。これらの商業的実施形態は、水産、藻類、微生物および植物をベースにした供給源などの種々の供給源からオメガ−3脂肪酸を得るための、エステル交換法または調製方法の結果として種々のオメガ−3脂肪酸、組合せ、およびその他の成分を提供する。
【0043】
本開示による脂肪酸油混合物は、動物油および/または非動物油に由来していてもよい。本開示の一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、海産油、藻類油、植物をベースにした油、および微生物油から選択される少なくとも1種の油に由来する。海産油としては、例えば、魚油、オキアミ油、魚に由来する脂質組成物が挙げられる。植物をベースにした油としては、例えば、亜麻仁油、カノーラ油、カラシナ種子油、およびダイズ油が挙げられる。微生物油としては、例えば、Martek社による製品が挙げられる。本開示の少なくとも1つの実施形態において、脂肪酸油混合物は、魚油などの海産油に由来する。少なくとも1つの実施形態において、海産油は精製魚油である。
【0044】
本開示の一部の実施形態において、脂肪酸油混合物中のオメガ−3脂肪酸などの脂肪酸は、アルキルエステルなどにエステル化される。アルキルエステルとしては、限定はされないが、エチル、メチル、プロピル、ブチルエステル、およびこれらの混合物を挙げることができる。他の実施形態において、脂肪酸は、モノ−、ジ−およびトリグリセリドから選択される。
【0045】
一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪の多い魚種に由来する体油、例えばカタクチイワシ油またはマグロ油のエステル交換、ならびにそれに続く、尿素分画とその後の分子蒸留を含む物理−化学的精製工程によって得られる。一部の実施形態において、粗油混合物を、エステル交換の前に、環境汚染物質および/またはコレステロールの量を低減するためのストリッピング工程に付すこともできる。
【0046】
別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、例えば超臨界CO2抽出またはクロマトグラフィー技術を使用し、魚油濃縮物から主要なEPAおよびDHAを濃縮することによって得られる。本開示に包含されるエチルトリグリセリド形態の脂肪酸の商業的実施形態には、限定はされないが、K85TG(Pronova BioPharma Norge AS)が含まれる。本開示に包含されるエチルエステル形態の脂肪酸の商業的実施形態には、限定はされないが、K85EE(Pronova BioPharma Norge AS)が含まれる。
【0047】
別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、エチルエステルの形態の脂肪酸油混合物を加水分解することによって得られる。本開示に包含される遊離酸形態の脂肪酸の商業的実施形態には、限定はされないが、K85FA(Pronova BioPharma Norge AS)が含まれる。
【0048】
本開示の一部の実施形態において、脂肪酸油混合物中の少なくとも1種のオメガ−3脂肪酸は、シス−立体配置を有する。例として、限定はされないが、(all−Z)−9,12,15−オクタデカトリエン酸(ALA)、(all−Z)−6,9,12,15−オクタデカテトラエン酸(STA)、(all−Z)−11,14,17−エイコサトリエン酸(ETE)、(all−Z)−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(EPA)、(all−Z)−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸(DHA)、(all−Z)−8,11,14,17−エイコサテトラエン酸(ETA)、(all−Z)−7,10,13,16,19−ドコサペンタエン酸(DPA)、(all−Z)−6,9,12,15,19−ヘネイコサペンタエン酸(HPA)、(all−Z)−5,8,11,14−エイコサテトラエン酸、(all−Z)−4,7,10,13,16−ドコサペンタエン酸(オスボンド酸)、(all−Z)−9,12−オクタデカジエン酸(リノール酸)、(all−Z)−5,8,11,14−エイコサテトラエン酸(AA)、(all−Z)−6,9,12−オクタデカトリエン酸(GLA)、(Z)−9−オクタデセン酸(オレイン酸)、13(Z)−ドコセン酸(エルカ酸)、(R−(Z))−12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸(リシノール酸)が含まれる。
【0049】
本開示の一部の実施形態において、脂肪酸油混合物中でのEPA:DHAの重量比は、約1:10〜約10:1、約1:8〜約8:1、約1:6〜約6:1、約1:5〜約5:1、約1:4〜約4:1、約1:3〜約3:1、または約1:2〜約2:1の範囲にある。少なくとも1つの実施形態において、脂肪酸油混合物中でのEPA:DHAの重量比は、約1:2〜約2:1の範囲にある。少なくとも1つの実施形態において、脂肪酸油混合物中でのEPA:DHAの重量比は、約1:1〜約2:1の範囲にある。少なくとも1つの実施形態において、脂肪酸油混合物中でのEPA:DHAの重量比は、約1.2〜約1.3の範囲にある。
【0050】
本開示の一部の実施形態において、組成物および/または予備濃縮物は、遊離酸形態の1種または複数の脂肪酸またはその混合物を含む。理論によって拘束されるものではないが、遊離酸形態の脂肪酸は、体内での脂肪分解を増強または改善することができると考えられる。例えば、遊離酸形態の少なくとも1種の脂肪酸の添加は、効率的な取込みのための脂肪酸エステルおよび/またはトリグリセリドの遊離脂肪酸形態への相互変換を増強または改善することができる。遊離脂肪酸は、例えば、脂肪酸のインビボでの加水分解、溶解度、生物学的利用能、吸収、またはこれらの任意の組合せの増強または改善を提供することができる。
【0051】
遊離脂肪酸の例として、限定はされないが、遊離酸形態の、多不飽和脂肪酸、例えばEPA、DHA、α−リノレン酸(ALA)、ヘネイコサペンタエン酸(HPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、エイコサテトラエン酸(ETA)、エイコサトリエン酸(ETE)、ステアリドン酸(STA)、リノール酸、γ−リノレン酸(GLA)、アラキドン酸(AA)、オスボンド酸、オレイン酸、リシノール酸、エルカ酸、およびこれらの混合物が含まれる。
【0052】
本開示の一部の実施形態において、組成物は、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態の脂肪酸油混合物、および少なくとも1種の遊離脂肪酸を含み、該少なくとも1種の遊離脂肪酸は、例えば、該少なくとも1種の遊離脂肪酸の少なくとも80重量%のオメガ−3脂肪酸、該少なくとも1種の遊離脂肪酸の少なくとも90重量%のオメガ−3脂肪酸を含む。一部の実施形態において、組成物は、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態の脂肪酸油混合物を含み、かつ少なくとも1種の遊離脂肪酸は、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、およびエルカ酸から選択される。一実施形態において、少なくとも1種の遊離脂肪酸は、オレイン酸またはリノール酸を含む。
【0053】
一部の実施形態において、少なくとも1種の遊離脂肪酸は、その少なくとも1種の遊離脂肪酸の少なくとも75重量%のEPAおよびDHAを含む。例えば、一部の実施形態において、少なくとも1種の遊離脂肪酸は、その少なくとも1種の遊離脂肪酸の少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%のEPAおよびDHAを含む。一部の実施形態において、少なくとも1種の遊離脂肪酸は、その少なくとも1種の遊離脂肪酸の約85重量%、約90重量%、約95重量%、または間にはさまれた任意の数などの、その少なくとも1種の遊離脂肪酸の約80重量%のEPAおよびDHAを含む。少なくとも1種の遊離脂肪酸は、純粋な形態で、かつ/または例えば海産油(例えば、魚油および精製魚油濃縮物)、微生物油および植物ベース油のような油の成分として使用することができる。
【0054】
一部の実施形態において、少なくとも1種の遊離脂肪酸は、その少なくとも1種の遊離脂肪酸の約75重量%〜約95重量%の、例えば、その少なくとも1種の遊離脂肪酸の約75重量%〜約90重量%、約75重量%〜約85重量%、約75重量%〜約80重量%、約80重量%〜約95重量%、約80重量%〜約90重量%、約80重量%〜約85重量%、約85重量%〜約95重量%、約85重量%〜約90重量%、さらに例えば、その少なくとも1種の遊離脂肪酸の約90重量%〜約95重量%、または間にはさまれた任意の数などのEPAおよびDHAを含む。少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1種の遊離脂肪酸は、その少なくとも1種の遊離脂肪酸の約80重量%〜約85重量%のEPAおよびDHAを、例えば、その少なくとも1種の遊離脂肪酸の約80重量%〜約88重量%、例えば約84重量%のEPAおよびDHAを含む。
【0055】
医薬
本開示の一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、活性医薬成分(API)として作用する。一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、薬学的に許容される量で存在する。本明細書中で使用する場合、用語「薬学的有効量」は、それを必要とする対象における作用、症状など、少なくとも1種の健康問題を治療、例えば減弱および/または緩和するのに十分な量を意味する。本開示の少なくとも一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、さらなる活性薬剤を含まない。
【0056】
組成物が医薬組成物である場合、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のEPAおよびDHAを含む。例えば、一実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも80重量%の、例えば脂肪酸油混合物の少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%のEPAおよびDHAを含む。一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%の、例えば脂肪酸油混合物の約85重量%、約90重量%、約95重量%、またはその間の任意の数などのEPAおよびDHAを含む。
【0057】
例えば、一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約75重量%〜約95重量%のEPAおよびDHAを、例えば、脂肪酸油混合物の約75重量%〜約90重量%、約75重量%〜約88重量%、約75重量%〜約85重量%、約75重量%〜約80重量%、約80重量%〜約95重量%、約80重量%〜約90重量%、約80重量%〜約85重量%、約85重量%〜約95重量%、約85重量%〜約90重量%、さらには例えば約90重量%〜約95重量%、またはその間の任意の数のEPAおよびDHAを含む。少なくとも1つの実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約85重量%の、例えば脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%、例えば約84重量%のEPAおよびDHAを含む。
【0058】
一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも95重量%のEPAまたはDHA、あるいはEPAおよびDHAを含む。
【0059】
さらなる実施形態において、脂肪酸油混合物は、他のオメガ−3脂肪酸を含むことができる。例えば、本開示は、脂肪酸油混合物の少なくとも90重量%のオメガ−3脂肪酸を包含する。
【0060】
一実施形態において、例えば、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約75重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、ここで、該脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも90重量%のオメガ−3脂肪酸を含む。
【0061】
別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約75重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、ここで、該脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも90重量%のオメガ−3脂肪酸を含み、該脂肪酸油混合物はα−リノレン酸(ALA)を含む。
【0062】
一実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、さらにドコサペンタエン酸(DPA)を含む。
【0063】
別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、さらに脂肪酸油混合物の約1重量%〜約4重量%の(all−Z)オメガ−3)−6,9,12,15,18−ヘネイコサペンタエン酸(HPA)を含む。
【0064】
別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHA、および脂肪酸油混合物の1重量%〜約4重量%のEPAおよびDHA以外の脂肪酸を含み、ここで、EPAおよびDHA以外の脂肪酸は、C20、C21またはC22の炭素原子を有する。
【0065】
一実施形態において、脂肪酸油混合物は、K85EEまたはAGP103(Pronova BioPharma Norge AS)を含むことができる。別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、K85TG(Pronova BioPharma Norge AS)を含むことができる。さらに別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、K85FA(BioPharma Norge AS)を含むことができる。
【0066】
本開示の一部の実施形態において、医薬組成物は、生物学的利用能の増強、例えば、約40%を超える生物学的利用能の増強、例えば約80%の増強を提供する。
【0067】
EPAおよびDHA製品
少なくとも1つの実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のEPAおよびDHAを含み、その少なくとも95%はEPAである。別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも80重量%のEPAおよびDHAを含み、その少なくとも95%はEPAである。さらに別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも90重量%のEPAおよびDHAを含み、その少なくとも95%はEPAである。
【0068】
別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のEPAおよびDHAを含み、その少なくとも95%はDHAである。例えば、一実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも80重量%のEPAおよびDHAを含み、その少なくとも95%はDHAである。別の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも90重量%のEPAおよびDHAを含み、その少なくとも95%はDHAである。
【0069】
補充物
本開示は、さらに、脂肪酸油混合物を含む食品サプリメントまたは栄養サプリメントを提供し、ここで、該脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の75重量%未満のEPAおよびDHAを含む。一部の実施形態において、例えば、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の70重量%未満の、例えば脂肪酸油混合物の65重量%未満、60重量%未満、55重量%未満、50重量%未満、45重量%未満、40重量%未満、さらには35重量%未満のEPAおよびDHAを含む。
【0070】
一部の実施形態において、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のEPAおよびDHAを、例えば、脂肪酸油混合物の約30重量%〜約75重量%、約30重量%〜約70重量%、約30重量%〜約65重量%、約30重量%〜約55重量%、約30重量%〜約50重量%、約30重量%〜約45重量%、約30重量%〜約40重量%、そしてさらに例えば約30重量%〜約35重量%のEPAおよびDHAを含む。
【0071】
界面活性剤/予備濃縮物
本開示は、予備濃縮組成物を提供し、ここで、用語「予備濃縮物」は、少なくとも1種の脂肪酸油混合物および少なくとも1種の界面活性剤を含む組成物を指す。一部の実施形態において、例えば、予備濃縮物は、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態の脂肪酸油混合物、少なくとも1種の遊離脂肪酸、ならびに少なくとも1種の界面活性剤を含む。他の実施形態において、予備濃縮物は、遊離酸形態の脂肪酸油混合物および少なくとも1種の界面活性剤を含む。さらに他の実施形態において、予備濃縮物は、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態の脂肪酸油混合物および少なくとも1種の界面活性剤を含む。
【0072】
界面活性剤は、例えば、液体の表面張力、または2種の液体間の表面張力を低下させることができる。例えば、本開示による界面活性剤は、脂肪酸油混合物と水性溶液との間の表面張力を低下させることができる。
【0073】
化学的に言えば、界面活性剤は、少なくとも1つの親水性部分および少なくとも1つの疎水性(すなわち、親油性)部分を備えた分子である。界面活性剤の特性は、その界面活性剤の親水性−親油性バランス(HLB)で表すことができ、ここで、HLB値は、界面活性剤の親油性特性に対する親水度の尺度である。HLB値は、通常、0〜20の範囲にあり、0のHLB値は高い親水性を意味し、20のHLB値は高い親油性を意味する。界面活性剤は、他の界面活性剤と組み合わせて使用されることが多く、この場合、HLB値は相加的である。界面活性剤混合物のHLB値は、次のように計算することができる:
HLBA(界面活性剤Aの分率)+HLBB(界面活性剤Bの分率)=HLBA+B混合物
【0074】
界面活性剤は、一般には、イオン性界面活性剤、例えば、アニオン性またはカチオン性界面活性剤、および非イオン性界面活性剤として分類される。界面活性剤が2つの反対に帯電した基を含むなら、該界面活性剤は、双性イオン性界面活性剤と命名される。その他の部類の界面活性剤には、例えば、リン脂質が包含される。
【0075】
本開示の少なくとも1つの実施形態において、組成物は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、および双性イオン性界面活性剤から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含む。
【0076】
本開示に適した非イオン性界面活性剤の非限定的例を以下で言及する。
【0077】
Pluronic(登録商標)界面活性剤は、各側に親水性ポリマー(ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド)))を備えた中央の疎水性ポリマー(ポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド)))から構成される非イオン性コポリマーである。種々の市販Pluronic(登録商標)製品を表1に列挙する。
【0078】
【表1】

【0079】
Brij(登録商標)は、ポリエチレンエーテルを含む非イオン性界面活性剤である。種々の市販Brij(登録商標)製品を表2に列挙する。
【0080】
【表2】

【0081】
Span(登録商標)は、ソルビタンエステルを含む非イオン性界面活性剤である。Span(登録商標)は、Aldrich社を含む様々な供給源から入手可能である。種々の市販Span(登録商標)製品を表3に列挙する。
【0082】
【表3】

【0083】
Tween(登録商標)(ポリソルベート)は、ポリオキシエチレンソルビタンエステルを含む非イオン性界面活性剤である。種々の市販Tween(登録商標)製品を表4に列挙する。
【0084】
【表4】

【0085】
Myrj(登録商標)は、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルを含む非イオン性界面活性剤である。種々の市販Myrj(登録商標)製品を表5に列挙する。
【0086】
【表5】

【0087】
Cremophor(登録商標)は非イオン性界面活性剤である。種々の市販Cremophor(登録商標)製品を表6に列挙する。
【0088】
【表6】

【0089】
本開示によれば、その他の典型的な非イオン性界面活性剤として、限定はされないが、ジアセチルモノグリセリド、ジエチレングリコールモノパルミトステアレート、エチレングリコールモノパルミトステアレート、ベヘン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、マクロゴールセトステアリルエーテル(セトマクロゴール1000およびポリオキシ20セトステアリルエーテルなど)、マクロゴール15ヒドロキシステアレート、マクロゴールラウリルエーテル(ラウレス4およびラウロマクロゴール400など)、マクロゴールモノメチルエーテル、マクロゴールオレイルエーテル(ポリオキシル10オレイルエーテルなど)、マクロゴールステアレート(ポリオキシル40ステアレートなど)、メンフェゴール、モノおよびジグリセリド、ノノキシノール(ノノキシノール−9、ノノキシノール−10およびノノキシノール−11など)、オクトキシノール(オクトキシノール9およびオクストキシノール10など)、ポリオキサマー(ポリオキサレンなど)、ポリオキサマー188、ポリオキサマー407、ポリオキシルヒマシ油(ポリオキシル35ヒマシ油など)、ポリオキシル水素化ヒマシ油(ポリオキシル40水素化ヒマシ油など)、プロピレングリコールジアセテート、ラウリン酸プロピレングリコール(ジラウリン酸プロピレングリコールおよびモノラウリン酸プロピレングリコールなど)が含まれる。さらなる例として、プロピレングリコールモノパルミトステアレート、キラヤ、ソルビタンエステル、および蔗糖エステルが含まれる。
【0090】
本開示に適したアニオン性界面活性剤としては、例えば、過フッ化カルボン酸および過フッ化スルホン酸の塩、アルキル硫酸塩(ドデシル硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸アンモニウムなど)、硫酸エーテル(ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなど)、およびアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
【0091】
本開示に適したカチオン性界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム化合物(塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウムおよび臭化セチルトリメチルアンモニウムなど)またはその他のトリメチルアルキルアンモニウム塩が挙げられる。
【0092】
双性イオン性界面活性剤としては、限定はされないが、例えば、ドデシルベタイン、ココアンホグリシネート、およびコカミドプロピルベタインが挙げられる。
【0093】
本開示の一部の実施形態において、界面活性剤は、リン脂質、その誘導体、またはその類似体を含むことができる。このような界面活性剤は、例えば、天然、合成、半合成のリン脂質、その誘導体、およびその類似体から選択することができる。典型的なリン脂質系界面活性剤としては、飽和、不飽和および/または多不飽和脂質を含むホスファチジルコリン(ジオレオイルホスファチジルコリン、ジペンタデカノイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリンなど)、ジエイコペンタエノイル(EPA)コリン、ジドコサヘキサエノイル(DHA)コリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、およびホスファチジルイノシトールが挙げられる。その他の典型的なリン脂質系界面活性剤としては、大豆レシチン、卵レシチン、ジオレイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、PEG化リン脂質、およびジミリストイルホスファチジルコリンが挙げられる。
【0094】
リン脂質は、例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリンおよびホスファチジルイノシトールから選択される、「天然」であっても、または水産性起源に由来するものでもよい。脂肪酸部分は、14:0、16:0、16:1n−7、18:0、18:1n−9、18:1n−7、18:2n−6、18:3n−3、18:4n−3、20:4n−6、20:5n−3、22:5n−3および22:6n−3、またはこれらの任意の組合せから選択することができる。一実施形態において、脂肪酸部分は、パルミチン酸、EPAおよびDHAから選択される。
【0095】
本開示に適したその他の典型的な界面活性剤を表7に列挙する。
【0096】
【表7】

【0097】
本開示の一部の実施形態において、少なくとも1種の界面活性剤は、Labrasol、Cremophor RH40、またはCremophorとTween−80との組合せを含まない。
【0098】
一部の実施形態において、少なくとも1種の界面活性剤は、約10未満の、例えば約9未満、または約8未満の親水性−親油性バランス(HLB)を有する。
【0099】
EPA+DHAの少なくとも1種の界面活性剤に対する重量比は、界面活性剤の選択、DHAに対するEPAの比率、および全般的製剤に応じて変化することができる。本開示の一部の実施形態において、EPA+DHA:界面活性剤の重量比は、約10:5〜約10:0.001、約10:4〜約10:0.005、約10:3〜約10:0.01、約10:2〜約0.015、約10:2〜約10:0.02、または約10:15〜約10:0.03の範囲にある。
【0100】
補助界面活性剤(co−surfactant)
一部の実施形態において、本開示の予備濃縮物は、さらに、少なくとも1種の補助界面活性剤を含む。本明細書中で使用する場合、用語「補助界面活性剤」は、予備濃縮物の乳化および/または安定性に影響を及ぼすために、例えばそれらを増加または増強するために、例えばエマルションの形成を助けるために、例えば少なくとも1種の界面活性剤と組み合わせて予備濃縮物に添加される物質を意味する。一部の実施形態において、少なくとも1種の補助界面活性剤は親水性である。
【0101】
本開示に適した補助界面活性剤の例として、限定はされないが、1〜6個の炭素を含む短鎖アルコール(例えば、エタノール)、ベンジルアルコール、アルカンジオールおよびトリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセロール、PEGおよびPEG400などのポリエチレングリコール)、テトラグリコールなどのグリコールエーテルおよびグリコフロール(例えばテトラヒドロフルフリルPEGエーテル)、N−メチルピロリドン(例えば、Pharmasolve(登録商標))および2−ピロリドン(例えば、Soluphor(登録商標)P)などのピロリジン誘導体、ならびに胆汁酸塩、例えば、デオキシコール酸ナトリウムが含まれる。さらなる例としては、オレイン酸エチルが含まれる。
【0102】
一部の実施形態において、少なくとも1種の補助界面活性剤は、予備濃縮物の重量に対して約1重量%〜約10重量%を構成する。
【0103】
溶媒
一部の実施形態において、組成物および/または予備濃縮物は、さらに、少なくとも1種の溶媒を含む。本開示に適した親水性溶媒としては、限定はされないが、水混和性アルコールを含むアルコール、例えば、無水エタノールおよび/またはグリセロール、およびグリコール(例えば、エチレンオキシドなどのオキシドから得られるグリコール、1,2−プロピレングリコール)が挙げられる。その他の非限定的例としては、ポリアルキレングリコールなどのポリオール、例えば、ポリエチレングリコールなどのポリ(C23)アルキレングリコールが含まれる。
【0104】
本開示の一部の実施形態において、予備濃縮物は、補助界面活性剤および溶媒の双方として作用する少なくとも1種の物質、例えばエタノールなどのアルコールを含む。他の実施形態において、予備濃縮物は、少なくとも1種の補助界面活性剤および異なる物質である少なくとも1種の溶媒を含む。例えば、一部の実施形態において、予備濃縮物は、補助界面活性剤としてエタノールを、および溶媒としてグリセロールを含む。
【0105】
スーパー崩壊剤
本開示の一部の実施形態において、組成物および/または予備濃縮物は、少なくとも1種のスーパー崩壊剤を含むことができる。スーパー崩壊剤は、例えば、崩壊効率を改善し、在来の崩壊剤と比較して使用レベルの低減をもたらすことができる。スーパー崩壊剤の例として、限定はされないが、クロスカルメロース(架橋セルロース)、クロスポビドン(架橋ポリマー)、デンプングリコール酸ナトリウム(架橋デンプン)、および大豆多糖類が含まれる。スーパー崩壊剤の市販例には、Kollidon(登録商標)(BASF社)、Polyplasdone(登録商標)XL(ISP社)、およびAc−Di−Sol(FMC BioPolymer社)が含まれる。
【0106】
組成物および/または予備濃縮物は、その組成物および/または予備濃縮物の約1重量%〜約25重量%、例えば、約1重量%〜約20重量%、または約1重量%〜約15重量%の少なくとも1種のスーパー崩壊剤を含むことができる。一部の実施形態において、少なくとも1種のスーパー崩壊剤を含む組成物および/または予備濃縮物は、錠剤の形態で存在する。
【0107】
一部の実施形態において、予備濃縮物中の脂肪酸油混合物:界面活性剤の重量比は、約1:1〜約10:1、約1.1〜約8:1、1:1〜約7:1、1:1〜約6:1、1:1〜約5:1、1:1〜約4:1、1:1〜約3:1、または1:1〜約2:1の範囲にある。
【0108】
一部の実施形態において、少なくとも1種の界面活性剤は、予備濃縮物の総重量に対して約5重量%〜約55重量%を構成する。例えば、一部の実施形態において、少なくとも1種の界面活性剤は、予備濃縮物の総重量に対して約5重量%〜約35重量%、約10重量%〜約35重量%、約15重量%〜約35重量%、約15重量%〜約30重量%、または約20重量%〜約30重量%を構成する。
【0109】
SNEDDS/SMEDDS/SEDDS
本開示の予備濃縮物は、自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)の形態で存在することができ、ここで、予備濃縮物は、水性溶液中でエマルションを形成する。
【0110】
理論によって拘束されるものではないが、予備濃縮物は、体内の胃および/または腸メディウムと接触するとSNEDDS、SMEDDS、および/またはSEDDSを形成し、該予備濃縮物はミセル粒子を含むエマルションを形成すると考えられる。エマルションは、例えば、体内での取込みに向けた脂肪酸の安定性の増強または改善をもたらし、かつ/または吸収に向けた表面積の増大または改善をもたらすことができる。SNEDDS/SMEDDS/SEDDSは、したがって、インビボでの脂肪酸の加水分解、溶解度、生物学的利用能、吸収、またはこれらの任意の組合せの増強または改善をもたらすことができる。
【0111】
一般に、既知のSNEDDS/SMEDDS/SEDDS製剤は、約10mgの薬物および約500mgの界面活性剤/補助界面活性剤を含む。本明細書で開示するSNEDDS/SMEDDS/SEDDSは、逆の関係を有し得る、すなわち、活性医薬成分(API)を含む脂肪酸油混合物の量は、界面活性剤の量を超える。
【0112】
本発明で開示するSNEDDS/SMEDDS/SEDDSは、約5nm〜約10μmの範囲の粒径(すなわち粒子直径)からなることができる。例えば、一部の実施形態において、粒径は、約5nm〜約1μm、例えば約50nm〜約750nm、約100nm〜約500nm、または約150nm〜約350nmの範囲にある。
【0113】
賦形剤
本発明で開示する組成物、予備濃縮物、および/またはSNEDDS/SMEDDS/SEDDSは、さらに、少なくとも1種の非活性医薬成分、例えば賦形剤を含むことができる。非活性成分は、活性成分を可溶化、懸濁、増粘、希釈、乳化、安定化、防腐、保護、着色、着香、および/または形成して適用可能で効果的な製剤とし、結果として、その製剤が使用するのに安全で、好都合で、かつ/またはさもなければ許容されるようにすることができる。少なくとも1種の非活性成分は、コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン、乳酸一水和物、レシチン、微結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、二酸化チタン、およびキサンタンガムから選択することができる。
【0114】
本発明で開示する組成物、予備濃縮物、および/またはSNEDDS/SMEDDS/SEDDSは、さらに、少なくとも1種の酸化防止剤を含めることができる。本開示に適した酸化防止剤の例として、限定はされないが、α−トコフェロール(ビタミンE)、EDTAカルシウム二ナトリウム、α−トコフェリルアセテート、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、およびブチルヒドロキシアニソール(BHA)が含まれる。
【0115】
形態
本発明で開示する組成物および/または予備濃縮物は、例えばカプセル剤、錠剤、サシェ剤、または薬物送達に適した任意のその他の形態で投与することができる。剤形は、経口投与に適した任意の形状、例えば、球、卵、楕円、立方体形状、規則および/または不規則形状を有することができる。剤形は、当技術分野で公知の方法により調製することができ、前に考察したような1種または複数のさらなる薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。
【0116】
本開示の一部の実施形態において、組成物および/または予備濃縮物は、カプセル剤または錠剤の形態で存在する。カプセル壁を形成する材料は、例えば、ゼラチンまたはアルギン酸塩以外の多糖類を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、カプセルはゼラチンカプセルである。カプセルは、硬質カプセルでも軟質カプセルでもよい。
【0117】
剤形が錠剤の形態で存在する場合、該錠剤は、例えば、崩壊性錠剤、急速溶解性錠剤、起泡性錠剤、急速溶融錠剤、および/またはミニ錠剤でよい。錠剤製剤は、例えば、国際公開第2006/000229号中に記載されている。本開示の一部の実施形態において、錠剤はNeusilin(例えば、アルミノメタケイ酸マグネシウム)を含む。
【0118】
本開示のカプセル剤および/または錠剤は、少なくとも1つのコーティングを含むことができる。このようなコーティングは、カプセル剤または錠剤の放出(例えば、EPAおよび/またはDHAの放出)を所定の期間遅延させることができる。例えば、少なくとも1つのコーティングは、剤形が胃酸または消化液にさらされることなしに胃を通過し、胃の外側でのEPAおよび/またはDHAの放出を遅延させることを可能にすることができる。一部の実施形態において、カプセル剤および/または錠剤は、全EPAおよび/またはDHAの30%未満、例えば25%未満、20%未満、15%未満、または10%未満を胃中で放出する。
【0119】
一部の実施形態において、少なくとも1つのコーティングは、腸溶性コーティング、副層、最上層、およびこれらの組合せから選択される。用語「副層(sub−layer)」は、本明細書中で使用する場合、カプセル壁材料(例えば、ゼラチン壁)または錠剤表面と腸溶性コーティングとの間に配置されるコーティング層を意味する。用語「最上層(top−layer)」は、本明細書中で使用する場合、カプセル壁材料または錠剤表面を覆う、腸溶性コーティング上のコーティング層を意味する。副層および最上層の化学組成は、カプセル剤または錠剤の総合的組成に応じて変えることができる。本発明で開示される副層および最上層のための典型的な材料としては、多糖類などのフィルム膜形成剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。
【0120】
本開示の実施形態において、カプセル剤および/または錠剤は、少なくとも1つの腸溶性コーティングを含む。一部の実施形態において、カプセル剤および/または錠剤は、少なくとも1つの腸溶性コーティング、およびその少なくとも1つの腸溶性コーティングを覆う少なくとも1つの最上層を含む。他の実施形態において、カプセル剤および/または錠剤は、少なくとも1つの腸溶性コーティング、およびカプセル壁または錠剤表面と少なくとも1つの腸溶性コーティングとの間の少なくとも1つの副層を含む。さらに他の実施形態において、カプセル剤および/または錠剤は、少なくとも1つの腸溶性コーティング、カプセル壁または錠剤表面と少なくとも1つの腸溶性コーティングを覆う少なくとも1つの最上層との間の少なくとも1つの副層を含む。一部の実施形態において、少なくとも1つの副層(群)および/または最上層(群)は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0121】
一部の実施形態において、少なくとも1つの副層は、封止剤を含む。適切な封止剤は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、およびキサンタンガムなどの透過性または可溶性薬剤を含むことができる。その他の薬剤を添加して、封止剤または障壁層の加工性を改善することができる。このような薬剤としては、タルク、コロイド性シリカ、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、ミクロ化シリカ、フュームドシリカ、モノステアリン酸グリセロール、マグネシウムトリシリケート、およびステアリン酸マグネシウム、またはこれらの混合物が挙げられる。封止剤または障壁層は、流動床コーター(例えばWursterコーティング)またはパンコーティング装置などの任意の公知手段を使用して、溶液(例えば、水性)または懸濁液から塗布することができる。適切な封止剤または障壁としては、例えば、Colorcon社から入手可能なOpadry(登録商標)IIなどのOpadry(登録商標)製品が挙げられる。
【0122】
一部の実施形態では、少なくとも1つのコーティングがpH非依存性である。pH非依存性のプロフィールを有するコーティングは、一般に、所定期間の後に侵食または溶解され、その期間は、一般に、コーティングの厚さに直接的に比例する。他の実施形態では、少なくとも1つのコーティングがpH依存性である。pH依存性のプロフィールを有するコーティングは、一般に、胃の酸性pHではそれらの完全性を維持できるが、より塩基性である上部腸に入ると侵食または溶解される。一部の実施形態では、少なくとも1つのコーティングが約5未満のpHで不溶性であり、約6を超えるpHで可溶性である。
【0123】
本開示に適したコーティング材料の例として、限定はされないが、ゼラチン、フィルム形成剤、ポリマー、およびコポリマーが含まれる。ポリマーおよびコポリマーの例には、限定はされないが、アクリレートをベースにしたポリマーおよびコポリマー(例えば、メタクリル酸、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとのコポリマー、メタクリル酸とアクリル酸メチルとのコポリマー、メタクリル酸とメタクリル酸エチルとのコポリマー、およびメタクリル酸とアクリル酸エチルとのコポリマー)、ならびに多糖類および/またはセルロースをベースにしたポリマーおよびコポリマー(例えば、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース)が含まれる。その他のポリマーとしては、例えば、酢酸フタル酸ポリビニルが挙げられる。少なくとも1つのコーティングに適したさらなる材料としては、胃中の低pHで溶解できないが、消化管系のより下の部分のより高いpHで溶解することのできる、薬学的に許容される酸性化合物が挙げられる。
【0124】
本開示に適した市販ポリマーの例には、Evonik社からのEUDRAGIT(登録商標)製品が含まれる。EUDRAGIT(登録商標)ポリマーは、アクリレートおよび/またはメタクリレートをベースにしたポリマー性ラッカー物質であり、pH非依存性でもpH依存性でもあり得る。
【0125】
例えば、EUDRAGIT(登録商標)RLおよびEUDRAGIT(登録商標)RSは、低含有量の第4級アンモニウム基を含むアクリルおよびメタクリル酸エステルのコポリマーを含むアクリル樹脂である。アンモニウム基は、塩として存在し、ラッカー被膜に透過性を生じさせる。EUDRAGIT(登録商標)RLおよびEUDRAGIT(登録商標)RSは、それぞれ、自由透過性(RL)およびわずかに透過性(RS)であり、pH非依存性である。該ポリマーは、水および消化液中でpH非依存的に膨潤する。膨潤状態において、それらは、水および溶解された活性化合物に対して透過性である。具体例として、EUDRAGIT(登録商標)RL30D、EUDRAGIT(登録商標)RL PO、EUDRAGIT(登録商標)RL100、EUDRAGIT(登録商標)RL12,5、EUDRAGIT(登録商標)RS30D、EUDRAGIT(登録商標)RS PO、EUDRAGIT(登録商標)RS100、およびEUDRAGIT(登録商標)RS 12,5が含まれる。pH非依存性ポリマーのさらなる例には、EUDRAGIT(登録商標)E100、EUDRAGIT(登録商標)E12,5、およびEUDRAGIT(登録商標)E POが含まれる。本開示の少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1つのコーティングはEUDRAGIT(登録商標)RS 30Dを含む。
【0126】
さらに、例えば、EUDRAGIT(登録商標)LおよびEUDRAGIT(登録商標)Sは、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルから合成されるアニオン性ポリマーである。それらは、酸および純水に不溶性であり、中性から弱アルカリ性条件で可溶性になる。EUDRAGIT(登録商標)Lおよび、EUDRAGIT Sの透過性は、pH依存性である。pH5.0超で、ポリマーは徐々に透過性になる。具体例には、EUDRAGIT(登録商標)L100−55、EUDRAGIT(登録商標)L30D−55、EUDRAGIT(登録商標)L100、EUDRAGIT(登録商標)L100 12,5、EUDRAGIT(登録商標)S100、EUDRAGIT(登録商標)S12,5、およびEUDRAGIT(登録商標)FS30Dが含まれる。pH依存性ポリマーのさらなる例には、EUDRAGIT(登録商標)E100、EUDRAGIT(登録商標)E12,5、およびEUDRAGIT(登録商標)POが含まれる。本開示の少なくとも1つの実施形態において、少なくとも1つのコーティングは、EUDRAGIT(登録商標)L100−55を含む。
【0127】
少なくとも1つのコーティングは、少なくとも1種の可塑剤を含むことができる。可塑剤は、例えば、少なくとも1つのコーティングのpHに敏感な材料の機械的特性を改善することができる。適切な可塑剤としては、限定はされないが、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタレート、ソルビトール、およびグリセリンが挙げられる。可塑剤の量は、少なくとも1つのコーティングの化学組成およびカプセル剤または錠剤の化学組成および大きさに応じて変えることができる。一部の実施形態において、例えば、可塑剤の量は、その少なくとも1つのコーティングの約10重量%〜約60重量%の範囲にある。
【0128】
コーティング材料の量またはその少なくとも1つのコーティングの厚さは、異なるコーティング層の化学組成および数、ならびにカプセル剤または錠剤の化学組成、大きさおよび形状に応じて変わり得る。一般的に言って、コーティングは、胃中でのEPAおよび/またはDHAの実質的放出を防止するのに十分な厚さでなければならないが、カプセル剤または錠剤の大きさに有意に寄与してはならない。本開示の一部の実施形態において、少なくとも1つのコーティングの厚さは、約10μm〜約2mm、例えば、約20μm〜約1mmの範囲にある。一部の実施形態において、少なくとも1つのコーティングは、約1%〜約50%のドライカプセル壁形成材料(例えば、ゼラチン)を含む。
【0129】
本開示によるカプセル剤は、製造過程での酸化を防ぐために低酸素条件で製造することができる。カプセル剤は、例えば、当技術分野で公知の標準的方法を使用する直接カプセル化によって調製することができる。このような方法の例には、限定はされないが、単純コアセルベーション法(例えば、ES2009346、EP0052510、およびEP0346879を参照されたい)、複合コアセルベーション法(例えば、GB1393805を参照されたい)、二重乳化法(例えば、米国特許第4652441号を参照されたい)、単純乳化法(例えば、米国特許第5445832号を参照されたい)、および溶媒蒸発法(例えば、GB2209937を参照されたい)が含まれる。これらの方法は、例えば、連続処理およびバッチサイズの柔軟性を提供することができる。本開示は、さらに、あらかじめ調製されたカプセル剤(例えば、脂肪酸油混合物を含むゼラチンカプセル剤)を被覆することを提供する。あらかじめ調製されたカプセル剤のコーティングは、例えば、噴霧乾燥技術を使用して噴霧すること、あらかじめ形成されたカプセル剤を含むコーティングパン中に噴霧すること、またはカプセル剤をコーティング溶液中に浸漬することによって実施することができる。
【0130】
本開示の一部の実施形態において、カプセル充填量は、約0.400g〜約1.600gの範囲にある。例えば、一部の実施形態において、カプセル充填量は、約0.400g〜約1.300g、約0.600g〜約1.200g、約0.600g〜約0.800g、約0.800g〜約1.000g、約1.000g〜約1.200g、またはこれらの間の任意の量の範囲にある。例えば、一部の実施形態において、カプセル充填量は、約0.600g、約0.800g、約1.000g、または約1.200gである。
【0131】
本開示の一部の実施形態において、組成物および/または予備濃縮物は、約300mg〜約400mg、例えば約375mgのDHAを含む。一部の実施形態において、組成物および/または予備濃縮物は、約400mg〜約500mg、例えば約465mgのEPAを含む。一実施形態において、例えば、組成物および/または予備濃縮物は、約375mgのDHAおよび約465mgのEPAを含む。
【0132】
方法または使用
本開示は、さらに、それを必要とする対象における少なくとも1種の健康問題を治療および/または調節する方法を包含する。本発明で開示される組成物および予備濃縮物は、例えば異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後を含めた少なくとも1種の健康問題の治療処置および/または調節のために、例えばカプセル剤、錠剤、または対象への薬物送達に適した任意のその他の形態で投与することができる。
【0133】
一実施形態において、本開示は、それを必要とする対象における少なくとも1種の健康問題を治療する方法であって、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬組成物を対象に投与することを含み、組成物は、薬学的有効量の脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は、少なくとも1つのコーティングを含む、方法を提供する。一部の実施形態において、該方法は、トリグリセリドレベル、非−HDLコレステロールレベル、LDLコレステロールレベルおよび/またはVLDLコレステロールレベルの上昇の少なくとも1つを治療する。例えば、該方法は、トリグリセリドレベルの上昇した対象において、トリグリセリドレベルを、約30%〜約80%、例えば約40%〜約70%、約40%〜約60%、または約30%〜約50%低下させることができる。
【0134】
別の実施形態において、本開示は、それを必要とする対象における少なくとも1種の健康問題を調節する方法であって、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の補充物組成物を対象に投与することを含み、組成物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含み、少なくとも1種の健康問題は、異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される、方法を提供する。
【0135】
本開示は、さらに、EPAおよび/またはDHAの加水分解、溶解度、生物学的利用能、吸収、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つのパラメーターを増強する方法を提供する。生物学的利用能を、例えば、少なくとも40%、例えば約80%または少なくとも85%増大させることができる。
【0136】
一実施形態において、EPAおよび/またはDHAの加水分解、溶解度、生物学的利用能、吸収、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つのパラメーターを増強する方法は、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態のEPAおよびDHAを含む脂肪酸油混合物;ならびに少なくとも1種の遊離脂肪酸を、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態で組み合わせることを含み、ゼラチンカプセル剤または錠剤は、少なくとも1つのコーティングを含む。
【0137】
別の実施形態において、EPAおよび/またはDHAの加水分解、溶解度、生物学的利用能、吸収、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つのパラメーターを増強する方法は、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態のEPAおよびDHAを含む脂肪酸油混合物;少なくとも1種の遊離脂肪酸;ならびに少なくとも1種の界面活性剤を、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態で組み合わせることを含み、ゼラチンカプセル剤または錠剤は、少なくとも1つのコーティングを含む。
【0138】
他の実施形態において、EPAおよび/またはDHAの加水分解、溶解度、生物学的利用能、吸収、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つのパラメーターを増強する方法は、遊離酸形態のEPAおよびDHAを含む脂肪酸油混合物;ならびに少なくとも1種の遊離脂肪酸を、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態で組み合わせることを含み、ゼラチンカプセル剤または錠剤は、少なくとも1つのコーティングを含む。
【0139】
さらに別の実施形態において、EPAおよび/またはDHAの加水分解、溶解度、生物学的利用能、吸収、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つのパラメーターを増強する方法は、エチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態のEPAおよびDHAを含む脂肪酸油混合物;ならびに少なくとも1種の界面活性剤を、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態で組み合わせることを含み、ゼラチンカプセル剤または錠剤は、少なくとも1つのコーティングを含む。
【0140】
本発明で開示される予備濃縮物は、本発明で開示される方法において、水性溶液中で自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)を形成することができる。
【0141】
本開示の一部の実施形態において、医薬または補充物組成物、あるいは医薬または補充物予備濃縮物は、少なくとも1種の健康問題を治療および/または調節するために、それを必要とする対象に投与することができる。
【0142】
一部の実施形態において、本開示の予備濃縮物は、水性溶液中で自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)を形成する。一部の実施形態において、水性溶液は、胃メディウムおよび/または腸メディウムである。
【0143】
脂肪酸油混合物の1日総投与量は、約0.600g〜約6.000gの範囲にあってよい。例えば、一部の実施形態において、脂肪酸油混合物の総投与量は、約0.800g〜約4.000g、約1.000g〜約4.000g、約0.5000g〜約4.000g、約0.250g〜約2.000g、約0.400g〜約2.000g、または約1.000g〜約2.000gの範囲にある。一実施形態において、脂肪酸油混合物は、K85EEおよびAGP103脂肪酸油組成物から選択される。別の実施形態において、脂肪酸油混合物はK85FAを含む。
【0144】
投与は、ヒトなどの対象に脂肪酸、例えばオメガ−3脂肪酸の服用量を提供する、経口または任意のその他の形態の投与でよい。例えば、本発明で開示される組成物および予備濃縮物は、カプセル剤および/または錠剤として、1日に1〜10個の服用量で、例えば、1日に1〜4回、例えば1日に1回、2回、3回、または4回で、さらには例えば1日に1回、2回または3回で投与することができる。
【0145】
製剤
本開示の一部の実施形態において、予備濃縮物は、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、予備濃縮物である。
【0146】
一実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも95重量%のEPAエチルエステル、DHAエチルエステル、またはこれらの混合物を含み、遊離脂肪酸は、リノール酸、α−リノレン酸(ALA)、γ−リノール酸(GLA)、およびオレイン酸から選択され、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0147】
別の実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、遊離脂肪酸は、オレイン酸を含み、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、該少なくとも1種の界面活性剤は予備濃縮物の重量に対して40重量%未満を構成し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0148】
別の実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、遊離脂肪酸は、リノール酸を含み、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、該少なくとも1種の界面活性剤は予備濃縮物の重量に対して35重量%未満を構成し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0149】
別の実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、該EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、該少なくとも1種の遊離脂肪酸は、該少なくとも1種の遊離脂肪酸の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、該EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。例えば、医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物としてのK85EE、少なくとも1種の遊離脂肪酸としてのK85FA、およびポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含むことができる。
【0150】
別の実施形態において、医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物としてK85EE;少なくとも1種の遊離脂肪酸としてK85FA;ならびにポリソルベート20またはポリソルベート80から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含むことができ、ここで、[K85EE]:[Tween]:[K85FA]は、例えば、約5:2:0.5〜5:4:2の範囲にある。さらなる実施形態において、[K85EE]:[Tween]:[K85FA]の比率は、約[4〜5]:[3〜4]:[1〜1.5]である。
【0151】
別の実施形態において、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含む約5〜10%の最小値から約50%の最大値までの脂肪酸油混合物(ここで、該EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在する)は、K85−FA組成物(K85−EE脂肪酸エチルエステル組成物を加水分解することによって達成されるK85−FA脂肪酸のプロフィールに対応する)、EPA、DPA、DHA、およびこれらの組合せから選択される遊離脂肪酸によって置き換えられる。例えば、全脂肪酸油混合物1g中、400mg〜840mgであるEPA−EEおよびDHA−EEの含有量は、K85−FA組成物から選択される遊離脂肪酸1g中の40〜440mgによって置き換えられる。
【0152】
他の実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の予備濃縮物は、食品サプリメントまたは栄養サプリメント予備濃縮物であり、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の遊離脂肪酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0153】
本開示の一部の実施形態において、予備濃縮物は、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態脂肪酸油混合物の医薬予備濃縮物であり、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離脂肪酸の形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0154】
一実施形態において、例えば、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0155】
一実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、該少なくとも1種の界面活性剤は予備濃縮物の重量に対して40重量%未満を構成し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0156】
別の実施形態において、例えば、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、オレイン酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、該少なくとも1種の界面活性剤は予備濃縮物の重量に対して40重量%未満を構成し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0157】
別の実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、α−リノール酸と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、該少なくとも1種の界面活性剤は予備濃縮物の重量に対して35重量%未満を構成し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0158】
別の実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、K85FA脂肪酸油混合物と、ポリソルベート20およびポリソルベート80から選択される少なくとも1種の界面活性剤とを含み、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0159】
他の実施形態において、予備濃縮物は、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の食品サプリメント予備濃縮物または栄養サプリメント予備濃縮物であり、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0160】
本開示の一部の実施形態において、予備濃縮物は、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であり、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0161】
一実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の少なくとも約95重量%のEPAエチルエステル、DHAエチルエステル、またはこれらの混合物を含み、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0162】
別の実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、該少なくとも1種の界面活性剤は予備濃縮物の重量に対して40重量%未満を構成し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0163】
別の実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択され、該少なくとも1種の界面活性剤は予備濃縮物の重量に対して35重量%未満を構成し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0164】
一部の実施形態において、例えば、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物としてのK85EE;ならびにポリソルベート20、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含み、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0165】
別の実施形態において、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物は、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種の補助界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在し、界面活性剤は、ポリソルベート80から選択され、補助界面活性剤は、エタノールを含み、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0166】
他の実施形態において、予備濃縮物は、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の食品サプリメント予備濃縮物または栄養サプリメント予備濃縮物であり、脂肪酸油混合物と、少なくとも1種の界面活性剤とを含み、脂肪酸油混合物は、脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在し、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む。
【0167】
以下の実施例は、本開示を例示することを意図しているが、それに限定するものではない。当業者は、本明細書中で提供される開示と矛盾しないさらなる実施形態を構想するものと理解される。
[実施例]
【実施例1】
【0168】
予備濃縮物
種々の予備濃縮物を表9に記載のように調製した。予備濃縮物を調製するために、下記に示すスキームに従い、重量対重量の基準で成分を混合した。予備濃縮物を、混合後に、および室温で24時間貯蔵した後に再び、視覚的に検査した。予備濃縮物の項目中で、「澄明」との指摘は透明均一混合物を意味し;「非澄明」との指摘は、視覚検査によって若干の混濁を観察することができる非均一混合物を意味する。混濁の度合いは測定しなかった。
【0169】
すべての澄明な予備濃縮物は、ほぼ100mgの予備濃縮物に胃メディウム(2mL)を添加することによって、胃メディウム中で乳化された。胃メディウムの組成を表8に示す。
【0170】
【表8】

【0171】
混合のほぼ3時間後に乳化の結果を記録した。大部分の予備濃縮物は、混合直後に乳状エマルションを形成した。3時間後に乳状かつ均一のままであるエマルションを、エマルションの項目中で「乳状」と記載する。分離した、または不均一になった、あるいは油滴が観察されたエマルションを、エマルションの項目中で「分離」と記載する。
【0172】
選択したエマルションを、粒径を測定することによってさらに特徴付けた。粒径は、Malvernゼータサイザー(Malvern Instrument社、ウスターシア、英国)を使用し、0.5〜6000nmの粒径測定範囲および3nm〜10μmの粒子範囲のゼータ電位で測定した。粒径は、三つ組みで測定した。本明細書中で使用されるK85EE(EE=エチルエステル)脂肪酸組成物は、ゼラチンカプセル剤で販売され、主としてLovaza(商標)またはOmacor(登録商標)の商品名で商標化されている。
【0173】
【表9】









【0174】
調製された予備濃縮物の中で、製剤番号85は、予備濃縮物中への60%のK85EEの装填を容易にし、胃メディウム中で約275nmと測定される粒径を有する安定なエマルションを与えた。飽和脂肪酸、ステアリン酸およびデカン酸を用いて予備濃縮物を調製する試みは失敗した。加熱することによって均一な予備濃縮物を得ることができたが、該予備濃縮物を室温まで冷却するとステアリン酸またはデカン酸の沈殿が観察された。
【実施例2】
【0175】
さらなる予備濃縮物
界面活性剤の最適量を決定するために、K85EEおよびK85FAを用いてさらなる予備濃縮物を調製した。表10に記載の予備濃縮物を実施例1に示したように調製した。予備濃縮物を、混合後に、および室温で24時間貯蔵した後に再び、視覚的に検査した。予備濃縮物の項目中で、「澄明」との指摘は透明均一混合物を意味し、「混濁」との指摘は、視覚検査で若干の混濁を観察できる不均一混合物を意味する。混濁の度合いは測定しなかった。
【0176】
【表10】



【実施例3】
【0177】
予備濃縮物の溶媒との相溶性
溶媒と、一定量のK85EEおよびTween−80を含む予備濃縮物との相溶性を評価した。表11に記載の予備濃縮物を、実施例1に示したように、但し下記の溶媒を添加して調製した。予備濃縮物を、混合した後、および室温で24時間貯蔵した後に再び、視覚的に検査した。予備濃縮物の項目中で、「澄明」との指摘は透明均一混合物を意味し、「混濁」との指摘は、視覚検査で若干の混濁を観察できる不均一混合物を意味する。混濁の度合いは測定しなかった。
【0178】
【表11】





【実施例4】
【0179】
予備濃縮物およびSNEDDS/SMEDDS/SEDDSのキャラクタリゼーション
表12に記載の予備濃縮物A〜Lを実施例1に示したと同様に調製した。
【0180】
【表12】

【0181】
上表12で、エルカ酸を用いた製剤を除き、すべての予備濃縮物が見たところ澄明かつ均一であった。かくして、予備濃縮物を任意の比率で混合することができ、これらの混合物は、やはり均一かつ澄明な予備濃縮物を形成するだろう。
【0182】
また、予備濃縮物A〜Lを、各種溶媒との相溶性についてスクリーニングした。このスクリーニングの結果を下表13に示す。500mgの予備濃縮物に、ほぼ50mgの各溶媒を添加した。予備濃縮物Aについては、すべての溶媒を使用した。エタノールに関しては、すべての予備濃縮物で試験した。混合の後に、および室温で24時間貯蔵した後に再び、予備濃縮物を視覚的に検査した。予備濃縮物の項目中で、「澄明」との指摘は透明均一混合物を意味し、「非澄明」との指摘は、視覚検査で若干の混濁を観察できる不均一混合物を意味する。混濁の度合いは測定しなかった。
【0183】
【表13】

【0184】
粘度を物理的特徴づけのパラメーターとして使用することができる。予備濃縮物A〜Lについて三つ組みで粘度測定を行った。一般に、粘度は、界面活性剤の種類に対してよりも脂肪酸の種類に対してより大きな感度を示した。図1に、予備濃縮物A〜Lの粘度をグラフで図示する。粘度測定値は、Tween20とTween80との間で区別できないが、遊離酸が粘度に影響を及ぼすことができる。
【0185】
予備濃縮物A〜F、I、およびJを、胃および腸メディウムで希釈し、エマルション(すなわち、SNEDDS/SMEDDS/SEDDS)を形成した。胃メディウムの組成を表14に、腸メディウムの組成を表15に示す。
【0186】
【表14】

【0187】
【表15】

【0188】
0.5〜6000nmの粒径および3nm〜10μmの粒子範囲のゼータ電位測定範囲を備えたMalvernゼータサイザー(Malvern Instrument社、ウスターシア、英国)を使用して粒径を測定した。粒径を三つ組みで測定した。
【0189】
胃メディウムでは、50mgの予備濃縮物に1mLの胃メディウムを添加することによってエマルションを調製した。下表16に、胃メディウム中の予備濃縮物A〜F、IおよびJの粒径測定値を示す。また、胃メディウム中での粒径測定値を図2にグラフで例示する。
【0190】
【表16】

【0191】
腸メディウムでは、腸メディウム(900μL)に前に得られた胃メディウム(100μL)を添加することによってエマルションを調製した。下表17に、腸メディウム中の予備濃縮物A〜F、IおよびJにの粒径測定値を示す。また、腸メディウム中での粒径測定値を図2にグラフで例示する。
【0192】
【表17】

【0193】
図2に示すように、腸メディウムは、粒度分布、とりわけTween80を含む予備濃縮物により大きな影響を及ぼす。その観察は、図3〜18に可視化した。図3〜18は、それぞれの予備濃縮物の同一サンプルでの4回連続の測定に関するMalvernゼータサイザーからの読取り値を示す。すべての予備濃縮物は、胃メディウム中で単峰型粒度分布に近く、一方、腸メディウムに変えるとTween20を含む予備濃縮物のみが、単峰型のままである。
【実施例5】
【0194】
脂質分解および可溶化
K85EE、ならびに種々の遊離脂肪酸および界面活性剤を含む種々の予備濃縮物に関する脂質分解(すなわち、加水分解)および可溶化の速度を分析するための研究を行った。特に、界面活性剤の量が、脂質分解および可溶化の速度および程度にどのように影響するかを判定するために、4つの実験を計画した。脂質分解は、K85EEを含むSMEDDS製剤で実施した。
【0195】
材料
・胆汁酸塩、ブタ胆汁抽出物(Sigma社);ヒオデオキシコール酸およびその他の胆汁酸塩のグリシンおよびタウリン抱合体を含む、
・膵臓リパーゼ、ブタパンクレアーゼ(Sigma社);アミラーゼ、トリプシン、リパーゼ、リボヌクレアーゼおよびプロテアーゼを含めた多くの酵素を含む、
・レシチン;リン脂質(LIPOID AG社からのLIPOID S PC)、
・トリズママレアート(Sigma Aldrich社)、
・Tween20、分子生物学グレード(AppliChem社、ダルムシュタット)、Tween80(Fluka社)、
・α−リノール酸(Sigma社、60%品)、オレイン酸(Aldrich社、90%品)、
・K85−EEおよびK85−FA
【0196】
予備濃縮物A〜Eは、表18に要約したように調製した。
【0197】
【表18】

【0198】
一般的脂質分解法
Zangenbergらによって開発されたインビトロでの動的脂質分解モデルを微修正して使用した(Zangenberg,N.H.ら、Eur.J.Pharm.Sci.14,237〜244,2001;Zangenberg,N.H.ら、Eur.J.Pharm.Sci.14,115〜122,2001)。脂質分解は、サーモスタットで調温されたジャケット付600mLガラス容器中、ブタ胆汁抽出物の存在下に塩化カルシウムを連続的に添加しながら実施した。リパーゼ供給源はブタパンクリアチンであり、加水分解の後、pHスタット(pH6.5)を使用し、水酸化ナトリウム溶液(1.0N)で滴定した。脂質分解メディウムの初期組成を表19に示す。
【0199】
【表19】

【0200】
最終体積は、すべての実験で300mLであり、実験中のカルシウム添加速度は0.045ミリモル/分(0.09mg/分)であった。すべての実験において、添加されたK85−EEの量は5.58mg/mLに相当する。
【0201】
HPLCによってK85−EEの脂質分解の過程を測定するために、粗サンプルを抜き取り、希塩酸を用いて酸性化した。EPA−EE、DHA−EE、EPA−FAおよびDHA−FAの濃度を、HPLCによって三つ組みで測定した。実験は、LC Agilent Technologies 1200シリーズを用い、30℃のカラム温度、(A)水(0.1%酢酸)および(B)MeCN(0.1%酢酸)の移動相で、0分から8分までで70%Bから100%Bへの、8分から15分までで100%Bの、16分から16分までで100%Bから70%Bまでの、16分から20分までで70%Bのグラジエントで実施された。流速は0.5mL/分、UV (210nm)、注入体積:5μL、分析実行時間:20分とした。
【0202】
EPAエチルエステル(EPA−EE)、DHAエチルエステル(DHA−EE)、EPA遊離酸(EPA−FA)、およびDHA遊離酸(DHA−FA)の濃度を、時間とともに監視し、脂質分解の速度を表20に示すように計算し、Omacor(登録商標)と比較した。
【0203】
【表20】

【0204】
図19、22、25、28、31および34に、それぞれの供試サンプルの脂質分解の際のEPA−EEおよびDHA−EEの消失ならびにEPA−FAおよびDHA−FAの出現をグラフで例示する。グラフには、2分から233分までのサンプリング時点を含めた。さらに、線形回帰線を含めた。
【0205】
図20、23、26、29、32および35に、各供試サンプルに関する異なる時点でのEPA+DHAの回収パーセントを示す。データは、EPA−EE、DHA−EE、EPA−FAおよびDHA−FAの合計として得られ、理論量5580μg/mLのパーセントとして示される。
【0206】
図21、24、27、30、33および36に、EPA−EE、DHA−EEおよび全K85EEに関する異なる時点での脂質分解パーセントをグラフで示す。値は、2分間の脂質分解の後にHPLCで測定されるEPA−EEおよびDHA−EEの全量に対して計算される。
【実施例6】
【0207】
医薬組成物/予備濃縮物中の脂肪酸油混合物
医薬組成物または予備濃縮物中の脂肪酸油混合物(ここで、脂肪酸油混合物はK85−EE組成物である)を表21に示す。
【0208】
【表21】

【実施例7】
【0209】
錠剤製剤
錠剤は、表22に示す錠剤をK85EE油に浸漬することによって調製した。平均液体装填量は、約72v/v%に相当する160mg油/錠剤であった。また、錠剤はスーパー崩壊剤なしで調製することができる。
【0210】
【表22】

【実施例8】
【0211】
新規K85錠剤製剤
錠剤をK85EEまたはAGP油中、および遊離酸形態の油中に浸漬することによって、表23に示す成分を含む錠剤製剤を調製した。
【0212】
【表23】

【実施例9】
【0213】
SEDDSおよびSMEDDSの調製
予備濃縮物は、脂肪酸油混合物を少なくとも1種の界面活性剤および遊離脂肪酸と一緒に混合することによって調製することができる。
【0214】
予備濃縮物は、混合の後に、および室温で24時間貯蔵した後に再び、視覚的に検査し、澄明かつ透明な予備濃縮物を得ることができる。
【0215】
次いで、予備濃縮物に水性メディウムを添加して、水中油型エマルションを形成することができる。水中油型エマルションを形成するための分散速度は、きわめて速く、1分未満である。
【0216】
形成されたマイクロエマルションを、次いで、脂質分解とも呼ばれる加水分解に関して試験することができる。
【0217】
例えば、KE85−EEの加水分解過程をHPLCで測定するために、粗サンプルを抜き取り、希塩酸で酸性化することができる。次いで、HPLCでEPA−エチルエステル、DHAエチルエステル、EPA遊離脂肪酸およびDHA遊離脂肪酸の濃度を測定することができる。
【0218】
すべてのサンプルを非均一相から抜き取り、若干の回収変動性を特に早期の時点で予想することができる。
【0219】
【表24】

【0220】
実例のHPLC分析法は、次のパラメーターを含むことができる:
・ChemStation B.04.01ソフトウェアを実行する1200シリーズLCおよび6140四重極MSを含む、Agilent Technologies社によって製造されたLC−MSの使用;
・カラム:Eclipse XDB C18、2.1×150mm、5μm、Agilent;
・カラム温度:25℃;
・移動相:水(0.1%酢酸)、B:MeCN(0.1%酢酸);
・グラジエント:0から8分までで70%Bから100%B、8分から15分まで100%B、16分から16分までで100%Bから70%B、16分から20分までで70%B;
・流速:0.5mL/分
・UV 210nm;
・注入体積:25μL;および
・分析実行時間:20分
【0221】
次いで、水中油型エマルションを、油滴の粒径を測定するためにさらに分析できる。粒径は、0.6〜6000nmの粒径測定範囲および3nm〜10μmの粒子範囲のゼータ電位測定範囲を有するMalvernゼータサイザー(Malvern Instrument社、ウスターシア、英国)を用いて測定することができる。
【0222】
表25には、本開示による医薬組成物および食品サプリメント組成物中に含めることのできる成分を示す。
【0223】
【表25】

【0224】
さらに、例えば、K85EEオメガ−3脂肪酸油、およびK85EE中のEPA:DHA−EE比率にほぼ等しいEPA:DHA−FA比率を有するK85FAから選択される遊離脂肪酸を表26に例示する。
【0225】
【表26】

【0226】
さらに、上に示した油混合物の全量を界面活性剤Tween(登録商標)20と混合することができる。
【0227】
さらに、例えば、K85EE混合脂肪酸組成物は、少なくとも90%のオメガ−3エチルエステル脂肪酸を含み、ここで、該混合脂肪酸組成物は、該脂肪酸組成物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸エチルエステルおよびドコサヘキサエン酸エチルエステルを含む。
【0228】
[油]:[界面活性剤]:[遊離脂肪酸]の比率の集合(a):b):c))を表27に例示する。例えば、K85EEまたはAGP103の油は、約4:2:0.5〜4:4:2の範囲の[K85EE]:[界面活性剤]:[遊離脂肪酸]の比率で界面活性剤および補助界面活性剤と一緒に使用される。したがって、界面活性剤の範囲は2〜4、遊離脂肪酸の範囲は0.5〜2でよい。
【0229】
本明細書には、表27に示すK85EE油混合物を、K85TG油混合物、ならびにエチルエステルおよび/またはトリグリセリド形態の市販オメガ−3油濃縮物で代替できることも包含される。
【0230】
【表27】

【実施例10】
【0231】
医薬予備濃縮物組成物
以下の成分を混合することによって、医薬予備濃縮物組成物を調製した。
・脂肪酸油混合物としてK85−EEを10.80gの量で;
・界面活性剤としてTween−20(分子生物学グレード、AppliChem社、ダルムシュタット、A4974,0250、Lot.5N004174)を7.44gの量で;
・少なくとも1種の脂肪酸としてEPA−FAを1.53gの量で;およびDHA−FAを1.24gの量で。
【0232】
混合により、透明均一溶液が得られた。製剤の密度は1.02g/mLであると測定された。次いで、組成物をバイアル瓶(バイアル瓶の大きさ=4mL)に充填し、それぞれ1.25×1670mg=2087mgを含むバイアル瓶を調製し、窒素を吹き込み、パラフィルムで密封した。
【実施例11】
【0233】
ミニブタにおけるインビボ研究
2種の異なる製剤を調製し、インビボ研究用に送付した。製剤1は、実施例10により、指定量の次の成分:K85EE、Tween20、EPA−FAおよびDHA−FAを混合することによって調製され、製剤2はOMACORゼラチンカプセル剤であった。
【0234】
研究は、Ellegaard Gottingen Minipigs ApSからの8尾の雄性Gottingen SPFミニブタで実施した。動物は、寝床としておがくず(Jelu Werk社、Josef Ehrler社、Ludwigsmuhle、D−73494 ローゼンベルク、ドイツからの「Jeluxyl」)を用いた床式畜舎(floor pen)(1.2m2)中に個々に収容した。
【0235】
治療は交差法で実施した。投与量は動物当たり2gとした。治療初日を1日目と呼ぶ。治療は、各投与の間に少なくとも10日間のウォッシュアウト期間をおいて実施した。投与後に血液サンプル(n=8)を採取した。血漿サンプルを、検証されたLC−MS/MS法によってEPAおよびDHAの全脂質含有量について2週間以内に分析した。図37に示した結果は、EPAの全脂質濃度の血漿中濃度対時間プロフィールを示し、K85 SMEDDS製剤に関する優れた生物学的利用能(例えば40%を超える)を支持している。DHAの全脂質濃度の時間プロフィールについても類似の結果が示された(図37には示されていない)。
【実施例12】
【0236】
医薬製剤、SMEDDSおよびSEDDS
表28に、調製することのできる医薬製剤、SMEDDSおよびSEDDSを例示する。
【0237】
【表28】

【0238】
実施形態において、界面活性剤は、20、40、60、80および85などのTween(登録商標)界面活性剤から選択される。例えば、本開示による組成物は、Tween(登録商標)20および40から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含むことができる。
【実施例13】
【0239】
エマルション/マイクロエマルション用予備濃縮物製剤
本開示による次のエマルション/マイクロエマルション用予備濃縮物製剤を調製した。
【0240】
医薬製剤1:SEDDS用組成物
次の成分を混合することによって医薬組成物を調製した:
a)5.5g量のEPA−FAと4.5g量のDHA−FAとの脂肪酸油混合物(K85EEまたはFA脂肪酸混合物中のEPA:DHAの比率をほぼ達成している)、
b)EE形態の第2脂肪酸混合物、すなわち5.0g量のオレイン酸エチル:Fluka社、75100、13704450308P14、および
c)界面活性剤としての10.0g量のTween(登録商標)20、分子生物学グレード、AppliChem社、ダルムシュタット、A4974,0250、Lot.5N004174。
【0241】
透明均一溶液が得られた。製剤の密度は1.03g/mLであると測定された。次いで、組成物をバイアル瓶(バイアル瓶の大きさ=4mL)に充填し、それぞれ(2450mg×1.25)=3063mgを含むバイアル瓶を調製し、窒素を吹き込み、パラフィルムで密封した。
【0242】
医薬製剤2
前記で例示したと同様の製剤を、Tween(登録商標)20の代わりにTween(登録商標)80を用いて調製した。したがって、混合脂肪酸、すなわちEPA−FA(110mg)+DHA−FA(90mg)、オレイン酸エチル(100mg)、およびTween80(200mg)を用いて調製した。透明均一溶液が得られた。
【実施例14】
【0243】
純水中のエマルション
EPAエチルエステル(465mg)、DHAエチルエステル(375mg)およびα−トコフェロール(4mg)を含む1カプセルのOmacor(登録商標)中の油含有物を、表29に示すような種々の界面活性剤と、シンチレーションバイアル瓶中で混合した。37℃で水(10mL)を添加し、ボルテックスミキサーを使用して混合物を15秒間揺動した。1分後および5分後に混合物を観察した。エマルションの均一性に関する視覚による評点を次のように評点化した:エマルションでない=評点0、エマルションであるが均一エマルションでない=評点1、均一エマルション=評点2。
【0244】
また、混合物を、混合後に、ローラーミキサー中で5分間回転させた。このローラー試験に関する視覚による評点も、同様に評点化した。
【0245】
【表29】



【実施例15】
【0246】
人工胃液中のエマルション
EPAエチルエステル(465mg)、DHAエチルエステル(375mg)およびα−トコフェロール(4mg)を含む1カプセルのOMACOR(登録商標)中の油含有物を、表30に示すような種々の界面活性剤と、シンチレーションバイアル瓶中で混合した。実験は、ペプシンを含まない人工胃液(欧州薬局方6.0、274頁)を水の代わりに使用したことを除いて、実施例14に記載と同様に設定した。
【0247】
【表30】

【実施例16】
【0248】
模擬腸液中のエマルション
EPAエチルエステル(465mg)、DHAエチルエステル(375mg)およびα−トコフェロール(4mg)を含む1カプセルのOmacor(登録商標)中の油含有物を、表31に示すような種々の界面活性剤と、シンチレーションバイアル瓶中で混合した。実験は、膵臓粉末を含まない模擬腸液(pH6.8)(欧州薬局方6.0、274頁)を水の代わりに使用したことを除いて、実施例14に記載と同様に設定した。
【0249】
【表31】

【実施例17】
【0250】
エマルションの顕微鏡検査
実施例15の参照番号52(胃液)および実施例16の参照番号58(腸液)に由来するエマルションをローラー処理の24時間後に顕微鏡下で検査した。双方のエマルションは、凝集する傾向のない、水中油型懸濁液であることが見出された。
【実施例18】
【0251】
医薬製剤
表32に、調製することのできる医薬製剤を例示する。
【0252】
【表32】

【0253】
実施形態において、界面活性剤または界面活性剤の組合せは、Tween(登録商標)界面活性剤、すなわち、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)40、Tween(登録商標)60、Tween(登録商標)65、Tween(登録商標)80およびTween(登録商標)85から選択される。
【0254】
別の実施形態において、界面活性剤は、Tween(登録商標)界面活性剤と、Cremphor(登録商標)から選択される界面活性剤との組合せから選択され、例えば、Tween(登録商標)20とCremphor ELとの組合せである。さらに、さらなる実施形態において、Tween(登録商標)20およびSolutol HS15界面活性剤を、Tween(登録商標)20およびTween(登録商標)40と同様、一緒に使用することができる。
【0255】
医薬予備濃縮物中の脂肪酸油混合物(ここで、該脂肪酸油混合物はK85EEまたはAGP−103油組成物である)を表33に示す。
【0256】
【表33】

【実施例19】
【0257】
人工胃液および模擬腸液中のさらなるエマルション
予備濃縮物1〜23を、EPA/DHAエチルエステル(1000mgのK85EE)、ならびに表34に示すような種々の界面活性剤および界面活性剤混合物を用いて調製した。エマルションは、実施例15および16に記載のような人工胃液および模擬腸液中の双方で調製した。結果は、表34に記載のように、人工胃液および模擬腸液中のエマルションの場合と同様であった。
【0258】
【表34】


【0259】
人工胃液および模擬腸液の双方中で調製されたエマルション4〜15は、静置すると数時間均一(乳状)であった。エマルション1〜3は、調製後に(すなわち、静置の数時間後に)多少分離した。エマルション1〜15の顕微鏡検査は、平均粒径が100μm未満であることを示した。エマルション4の20秒間の均一化処理(UltraRurrax(IKA))は、小さな粒子(<10μm)の形成の実質的増加をもたらした。
【0260】
調製された予備濃縮物をベースにすると、0.5%の非イオン性界面活性剤(例えば、Cremophor(登録商標))により、人工胃液および模擬腸液の双方中でEPA/DHAエチルエステルを乳化することができる。さらに、1種を超える界面活性剤を含めると、エマルションが安定化するようである。さらに、乳化方法に応じて粒径を変えることができる。
【実施例20】
【0261】
酢酸フタル酸セルロースで被覆されたゼラチンカプセル剤
(A)EPAエチルエステルおよびDHAエチルエステルを含み、酢酸フタル酸セルロースで被覆されたゼラチンカプセル剤
EPAエチルエステルおよびDHAエチルエステルを含む前もって形成されたゼラチンカプセル剤(Omacor(登録商標)、Pfizer社、ノルウェー)を、酢酸フタル酸セルロース(6%)およびクエン酸トリエチル(3%)のアセトン溶液で被覆した。カプセルを、室温で24時間乾燥した。1個のカプセル上のコーティング材料(酢酸フタル酸セルロース+クエン酸トリエチル)は、カプセル重量を15mg増加させた。
【0262】
(B)EPAエチルエステル、DHAエチルエステルおよびBrij(登録商標)96Vを含み、酢酸フタル酸セルロースで被覆されたゼラチンカプセル剤
EPAエチルエステル(463mg)、DHAエチルエステル(375mg)、Brij(登録商標)96V(60mg)およびトコフェロール(4mg)を含む前もって形成されたゼラチンカプセル剤を、酢酸フタル酸セルロース(6%)およびクエン酸トリエチル(3%)のアセトン溶液で被覆した。カプセルを、室温で24時間乾燥した。
【実施例21】
【0263】
Eudragit(登録商標)RS30Dで被覆されたゼラチンカプセル剤
(A)EPAエチルエステルおよびDHAエチルエステルを含み、Eudragit(登録商標)RS30Dで被覆されたゼラチンカプセル剤
EPAエチルエステルおよびDHAエチルエステルを含む前もって形成されたゼラチンカプセル剤(Omacor(登録商標)、Pfizer社、ノルウェー)を、ドイツ、Degussa社からのEudragit(登録商標)RS30Dの水溶液で被覆した。カプセルを、室温で24時間乾燥した。
【0264】
(B)EPAエチルエステル、DHAエチルエステルおよびBrij(登録商標)96Vを含み、Eudragit(登録商標)RS30Dで被覆されたゼラチンカプセル剤
EPAエチルエステル(463mg)、DHAエチルエステル(375mg)、Brij(登録商標)96V(60mg)およびトコフェロール(4mg)を含む前もって形成されたゼラチンカプセル剤を、ドイツDegussa社からのEudragit(登録商標)RS30Dの水溶液で被覆した。カプセルを室温で24時間乾燥した。
【実施例22】
【0265】
腸溶性被覆錠剤
被覆錠剤を調製し、動物モデル(ミニブタ)に投与して、EPAおよびDHAの血清中レベルを時間とともに測定した。
【0266】
2種の錠剤を次のように前処理した:
錠剤31:20%PEG、10%Ac−Di−Sol(崩壊剤)
錠剤32:20%PEG、0.5M KH2PO4、10%Ac−Di−Sol(崩壊剤)。
【0267】
前処理は流動床中で実施され、そこで、Neusilin顆粒上に溶液を噴霧し、続いて、顆粒を加熱および/または圧縮し、窒素中で一夜インキュベートした後、K85EE油を装填した。
【0268】
錠剤を、水性PVAの副層コーティング材(Opadry(登録商標)II)からなる内側層、および水性腸溶性コーティング材(アシルEZE Eudragit(登録商標)L100−55腸溶性コーティング材)からなる外側層で被覆した。
【0269】
血清中EPAレベルに関する結果を表35に示し、図38に図示する。血清中DHAレベルに関する結果を表36に示し、図39に図示する。
【0270】
【表35】

【0271】
【表36】

【0272】
本開示による錠剤を、K85EE油+FFA+少なくとも1種の界面活性剤(例えば、Tween(登録商標)20またはTween(登録商標)80)、K85FA油+少なくとも1種の界面活性剤、およびK85EE+少なくとも1種の界面活性剤から選択される予備濃縮物で事前装填することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬組成物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAがエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
少なくとも1種の遊離脂肪酸;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
医薬組成物。
【請求項2】
少なくとも1つのコーティングが、腸溶性コーティング、副層(sub−layers)、最上層(top−layers)、およびこれらの組合せから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ゼラチンカプセル剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティングを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
ゼラチンカプセル剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティング、および腸溶性コーティング上の少なくとも1つの最上層を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
ゼラチンカプセル剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティング、およびゼラチンカプセルの壁と腸溶性コーティングとの間の少なくとも1つの副層を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの副層が封止剤を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
ゼラチンカプセル剤が、腸溶性コーティング上の少なくとも1つの最上層をさらに含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
錠剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティングを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
錠剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティング、および腸溶性コーティング上の少なくとも1つの最上層を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
錠剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティング、および錠剤表面と腸溶性コーティングとの間の少なくとも1つの副層を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1つの副層が、封止剤を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
錠剤が、腸溶性コーティング上の少なくとも1つの最上層をさらに含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1つのコーティングが、ゼラチン、フィルム形成剤、ポリマー、およびコポリマーから選択される少なくとも1種の材料を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1つのコーティングが、ゼラチン、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとのコポリマー、メタクリル酸とアクリル酸メチルとのコポリマー、メタクリル酸とメタクリル酸エチルとのコポリマー、メタクリル酸とアクリル酸エチルとのコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の材料を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1つのコーティングが、pH依存性またはpH非依存性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1つのコーティングが、少なくとも1種の可塑剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
少なくとも1種の可塑剤が、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタレート、ソルビトール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
ゼラチンカプセルが、硬質カプセルまたは軟質カプセルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
ゼラチンカプセル充填量が、約0.400g〜約1.300gの範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
ゼラチンカプセル充填量が、約0.600g〜約1.200gの範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
ゼラチンカプセル充填量が、約0.800g〜約1.000gの範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
ゼラチンカプセル剤または錠剤が、EPAおよびDHA全体の30%未満を胃中で放出する、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の食品サプリメント(food supplement)または栄養サプリメント(nutritional supplement)組成物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
少なくとも1種の遊離脂肪酸;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
組成物。
【請求項24】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物(pharmaceutical preconcentrate)であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物;
少なくとも1種の遊離脂肪酸;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項25】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
予備濃縮物の重量に対して約45重量%〜約55重量%の脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の重量に対して約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAがエチルエステルの形態で存在する、脂肪酸油混合物;
予備濃縮物の重量に対して約10重量%〜約15重量%の少なくとも1種の遊離脂肪酸であって、該少なくとも1種の遊離脂肪酸に対して約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAが遊離脂肪酸の形態で存在する、少なくとも1種の遊離脂肪酸;および
予備濃縮物の重量に対して約30重量%〜約40重量%であって、ポリソルベート20から選択される、少なくとも1種の界面活性;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項26】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
予備濃縮物の重量に対して約45重量%〜約55重量%の脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の重量に対して約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在する、脂肪酸油混合物;
予備濃縮物の重量に対して約10重量%〜約15重量%であって、オレイン酸から選択される、少なくとも1種の遊離脂肪酸;および
予備濃縮物の重量に対して約30重量%〜約40重量%であって、ポリソルベート20から選択される、少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項27】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
予備濃縮物の重量に対して約65重量%〜約75重量%の脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAがエチルエステルの形態で存在する、脂肪酸油混合物;
予備濃縮物の重量に対して約15重量%〜約20重量%であって、オレイン酸から選択される、少なくとも1種の遊離脂肪酸;および
予備濃縮物の重量に対して約10重量%〜約15重量%であって、ポリソルベート20から選択される、少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項28】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
予備濃縮物の重量に対して約45重量%〜約55重量%の脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAがエチルエステルの形態で存在する、脂肪酸油混合物;
予備濃縮物の重量に対して約10重量%〜約15重量%の少なくとも1種の遊離脂肪酸であって、該少なくとも1種の遊離脂肪酸の約80重量%〜約88重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAは遊離脂肪酸の形態で存在する、少なくとも1種の遊離脂肪酸;および
予備濃縮物の重量に対して約40重量%〜約50重量%であって、ポリソルベート20およびレシチンから選択される、少なくとも2種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項29】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAが遊離酸の形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項30】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
予備濃縮物の重量に対して約60重量%〜約70重量%の脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在する、脂肪酸油混合物;および、
予備濃縮物の重量に対して約30重量%〜約40重量%であって、ポリソルベート20およびレシチンから選択される、少なくとも2種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項31】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項32】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
予備濃縮物の重量に対して約75重量%〜約85重量%の脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の約80重量%〜約88重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルの形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
予備濃縮物の重量に対して約15重量%〜約25重量%であって、ポリソルベート80から選択される、少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項33】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の食品サプリメントまたは栄養サプリメント予備濃縮物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物;
少なくとも1種の遊離脂肪酸;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項34】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の食品サプリメント予備濃縮物または栄養サプリメント予備濃縮物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項35】
ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の食品サプリメント予備濃縮物または栄養サプリメント予備濃縮物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の約25重量%〜約75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項36】
少なくとも1つのコーティングが、腸溶性コーティング、副層、最上層、およびこれらの組合せから選択される、請求項24から35までのいずれか一項に記載の予備濃縮物。
【請求項37】
ゼラチンカプセル剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティングを含む、請求項36に記載の予備濃縮物。
【請求項38】
ゼラチンカプセル剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティング、および腸溶性コーティング上の少なくとも1つの最上層を含む、請求項36に記載の予備濃縮物。
【請求項39】
ゼラチンカプセル剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティング、およびゼラチンカプセルの壁と腸溶性コーティングとの間の少なくとも1つの副層を含む、請求項37に記載の予備濃縮物。
【請求項40】
少なくとも1つの副層が、封止剤を含む、請求項39に記載の予備濃縮物。
【請求項41】
ゼラチンカプセル剤が、腸溶性コーティング上に少なくとも1つの最上層をさらに含む、請求項39に記載の予備濃縮物。
【請求項42】
錠剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティングを含む、請求項36に記載の予備濃縮物。
【請求項43】
錠剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティング、および腸溶性コーティング上の少なくとも1つの最上層を含む、請求項36に記載の予備濃縮物。
【請求項44】
錠剤が、少なくとも1つの腸溶性コーティング、および錠剤表面と腸溶性コーティングとの間の少なくとも1つの副層を含む、請求項36に記載の予備濃縮物。
【請求項45】
少なくとも1つの副層が、封止剤を含む、請求項43に記載の予備濃縮物。
【請求項46】
錠剤が、腸溶性コーティング上に少なくとも1つの最上層をさらに含む、請求項43に記載の予備濃縮物。
【請求項47】
少なくとも1つのコーティングが、ゼラチン、フィルム形成剤、ポリマー、およびコポリマーから選択される少なくとも1種の材料を含む、請求項24から35までのいずれか一項に記載の予備濃縮物。
【請求項48】
少なくとも1つのコーティングが、ゼラチン、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとのコポリマー、メタクリル酸とアクリル酸メチルとのコポリマー、メタクリル酸とメタクリル酸エチルとのコポリマー、メタクリル酸とアクリル酸エチルとのコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の材料を含む、請求項24から35までのいずれか一項に記載の予備濃縮物。
【請求項49】
少なくとも1つのコーティングが、pH依存性またはpH非依存性である、請求項24から35までのいずれか一項に記載の予備濃縮物。
【請求項50】
少なくとも1つのコーティングが、少なくとも1種の可塑剤を含む、請求項24から35までのいずれか一項に記載の予備濃縮物。
【請求項51】
少なくとも1種の可塑剤が、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタレート、ソルビトール、グリセリン、およびこれらの混合物から選択される、請求項50に記載の予備濃縮物。
【請求項52】
ゼラチンカプセルが、硬質カプセルまたは軟質カプセルである、請求項24から35までのいずれか一項に記載の予備濃縮物。
【請求項53】
ゼラチンカプセル充填量が、約0.400g〜約1.300gの範囲である、請求項24から35までのいずれか一項に記載の予備濃縮物。
【請求項54】
ゼラチンカプセル充填量が、約0.600g〜約1.200gの範囲である、請求項53に記載の予備濃縮物。
【請求項55】
ゼラチンカプセル充填量が、約0.800g〜約1.000gの範囲である、請求項54に記載の予備濃縮物。
【請求項56】
ゼラチンカプセル剤または錠剤が、EPAおよびDHA全体の30%未満を胃中で放出する、請求項24から35までのいずれか一項に記載の予備濃縮物。
【請求項57】
少なくとも1種の界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択される、請求項24、29、31、および33から35までのいずれか一項に記載の予備濃縮物。
【請求項58】
請求項24から32までのいずれか一項に記載の医薬予備濃縮物を含み、予備濃縮物が水性溶液中でエマルションを形成する、自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)。
【請求項59】
それを必要とする対象における少なくとも1種の健康問題を治療する方法であって、請求項24から32までのいずれか一項に記載の医薬予備濃縮物を対象に投与することを含み、少なくとも1種の健康問題が、異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される、方法。
【請求項60】
異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬組成物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
少なくとも1種の遊離脂肪酸;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
組成物。
【請求項61】
異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物;
少なくとも1種の遊離脂肪酸;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項62】
異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物を含む自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)であって、予備濃縮物は、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物;
少なくとも1種の遊離脂肪酸;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含み、
予備濃縮物は水性溶液中でエマルションを形成する、
薬物送達システム。
【請求項63】
異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項64】
異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物を含む自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)であって、予備濃縮物は、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAは遊離酸の形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含み、
予備濃縮物は水性溶液中でエマルションを形成する、
薬物送達システム。
【請求項65】
異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物であって、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物;および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含む、
予備濃縮物。
【請求項66】
異常な血漿中脂質レベル、心血管機能、免疫機能、視覚機能、インスリン作用、神経発達、心不全、および心筋梗塞後から選択される少なくとも1種の健康問題を治療するための、ゼラチンカプセル剤または錠剤の形態の医薬予備濃縮物を含む自己ナノ乳化型薬物送達システム(SNEDDS)、自己マイクロ乳化型薬物送達システム(SMEDDS)、または自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)であって、予備濃縮物は、
脂肪酸油混合物であって、該脂肪酸油混合物の少なくとも75重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を含み、EPAおよびDHAはエチルエステルおよびトリグリセリドから選択される形態で存在する、脂肪酸油混合物:および
少なくとも1種の界面活性剤;
を含み、
ここで、ゼラチンカプセル剤または錠剤は少なくとも1つのコーティングを含み、
予備濃縮物は水性溶液中でエマルションを形成する、
薬物送達システム。
【請求項67】
少なくとも1種の界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、およびこれらの混合物から選択される、請求項61、63、および65のいずれか一項に記載の予備濃縮物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公表番号】特表2013−508348(P2013−508348A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534793(P2012−534793)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/IB2010/002854
【国際公開番号】WO2011/048493
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(504453362)プロノヴァ・バイオファーマ・ノルゲ・アーエス (10)
【氏名又は名称原語表記】Pronova BioPharma Norge AS
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 420, 1327 Lysaker, Norway
【Fターム(参考)】