脊椎狭窄症を治療する方法および装置
【課題】脊椎外科手術に関するものであって、特に、脊椎狭窄症を治療する方法と、脊椎狭窄症を治療する装置に関するものである。
【解決手段】脊椎狭窄症を治療するシステムは、棘突起間スペーサ10が、スペーサ12、主要棘突起繋留紐14、および、2本の二次繋留紐(図には2本のうち一方のみが例示されている)を備えている。スペーサ12は、略円筒状であり、主要チャンバー16、1対の挿入器具開口、融着切欠き20、1対の繋留紐管腔を有している。
【解決手段】脊椎狭窄症を治療するシステムは、棘突起間スペーサ10が、スペーサ12、主要棘突起繋留紐14、および、2本の二次繋留紐(図には2本のうち一方のみが例示されている)を備えている。スペーサ12は、略円筒状であり、主要チャンバー16、1対の挿入器具開口、融着切欠き20、1対の繋留紐管腔を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2005年9月28日出願の「脊椎狭窄症を治療する方法および装置(Methods and Apparatus for Treating Spinal Stenosis)」という名称の米国特許仮出願連続番号第60/722,065号の出願日の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般に、脊椎外科手術に関するものであり、特に、脊椎狭窄症を治療する方法および装置に関連している。
【背景技術】
【0003】
脊椎狭窄症は、脊椎の間隔が狭まり、結果的に脊髄と脊髄神経根のいずれか一方またはその両方を圧迫するようになる症状である。このような障害は、通例、次の部位のうち1箇所以上の狭窄に関与している。すなわち、(1)脊髄および脊髄神経根が延びている脊柱の中心の脊柱管、(2)脊髄から外へ分岐している神経の神経基部付近または神経根付近の管、(3)神経が脊椎を離れて肉体の別な各種部位に向かう途中で通る椎骨と椎骨の間の開口などの部位である。脊髄、および、既存の神経根のうちのいずれか一方またはその両方に加わる圧力は、脊椎内の位置次第で(例えば、頚椎、胸椎、腰椎などの各領域次第で)四肢のうちいずれか、または、脚腕両方に痛み、または、痺れを生じることがある。脊椎狭窄症は一般に高齢者を悩ますが、もっと若い患者が同様に患うこともある。
【0004】
脊椎狭窄症の影響を緩和し、または、最小限に抑えるために、多様な治療が採られて来た。そのような技術の1つとして椎弓切除術があるが、椎弓切除は病的領域から薄層部を除去する処置を含んでいる。薄層を除去することにより、この処置は脊柱管を拡大し、従って、脊髄と圧迫されている神経のいずれか一方、または、その両方に加わる圧力を緩和する。概ね効果的であるものの、骨切除に関与する処置はどのようなものであれ、術後の脊椎領域は機械的観点から更に障害を生じる恐れがあるという点で椎弓切除術は不利であると考える人もいる。更に、高齢の患者は、背中の痛みが強くなる、感染し易くなる、回復期間が長期化する等といったような合併症の可能性を増大させる、諸症状が結託した病的状態を呈することが多い。
【0005】
脊椎狭窄症を治療する際のまた別な努力に、棘突起間の空隙内にスペーサ装置を設置して狭窄症部を間接的に減圧する処置がある。このようなシステムは、上位棘突起と下位棘突起に固定されていることを特徴とする。脊椎の張りを制限することが脊椎狭窄症を緩和する鍵となると考えた場合、スペーサ装置の両端をそれぞれの棘突起に接続させることで、その部位の脊椎の撓みと張りの両方を制限してしまうという点で不利である。更に、先行技術の棘突起間スペーサは、通例、棘突起そのものの特性とは実質的に異なる特性を有している素材(例えば、金属など)から構成されており、棘突起がスペーサの周囲に再建されるか否かという疑問と、棘突起の再建により棘突起が伸延する能力を失うのか否かという疑問と、棘突起の再建により脊椎狭窄症が緩和されるのか否かという疑問が生じる。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,923,814号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は先行技術の上述のような欠点を克服すること、または、少なくとも改良することを目的とする。
本発明は脊椎狭窄症を治療することを目的とし、狭窄症の棘突起間の空隙を伸延させるような寸法に設定された棘突起間スペーサに関与しているとともに、互いに隣接し合う棘突起のうちの一方のみに固着させられて脊椎の張りを阻止するとともに、脊椎が撓むことができるようにすることを更に特徴とする。本発明の棘突起間スペーサは頚椎、胸椎、腰椎のうちのいずれか1部位または2部位以上に利用することができる。本件開示全体を通して棘突起間スペーサを上位棘突起に固定することが例示および説明されるが、本発明の棘突起間スペーサは下位棘突起に固定されても本発明の範囲から逸脱することがないことが分かる。本発明の棘突起間スペーサを所与の棘突起に固定するために多様な機構が使用されるが、その具体例として、1本以上の繋留紐(例えば、ワイヤ、ケーブル、縫合糸、同種異系移植片組織、それ以外の1本または複数本の線条部材などのうちのどれか)、1個以上のネジ、多様なクランプ機構のうちのどれか等があるうち、いずれか1種類だけまたは各種組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の重要な観点によれば、本発明の棘突起間スペーサは棘突起に融着される設計になっており、スペーサが棘突起に或る期間にわたって固定された結果として、スペーサが1本の棘突起にだけ融着されることになるという点から、「半融着」と呼ばれる状態になる。これは、棘突起の表面を剥奪する(その結果、出血を起こすのが好ましい)ことにより容易にされるが、その場合、この剥奪棘突起面が本発明の棘突起間スペーサと添わされる。この接合部は或る期間を経た後に融着するが、一部は、本発明の融着を可能にする処置設計と棘突起間スペーサの素材とのうちのいずれか一方、または、両方に拠るものである。より詳細に説明すると、本発明の棘突起間スペーサは骨(例えば、同種移植片)素材から構成されるが、移植時に融着を行えることが直ちに分かる。棘突起間スペーサは非骨材(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とポリエーテルケトンケトン(PEKK)のうちの一方または両方)から構成されてもよいが、これらの物質は融着を促進するような物理的設計になっている。これは、例えば、融着誘発物質を受け入れる寸法に設定された棘突起間スペーサで、尚且つ、所与の棘突起の剥奪面と連絡状態になるスペーサによって達成される。このような融着促進物質の具体例としては、BMP、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアパタイト、珊瑚、それ以外の高度に多孔性の各種物質などのうちの1種類または各種組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
本発明が先行技術の欠点を克服する手段として、脊椎狭窄症を治療すると同時に、先行技術の装置に比べて棘突起それ自体の特性に実質的により近似した特性を有している素材から構成されている移植片を使って脊椎が撓むことができるようにした点がある。これは、本発明の棘突起間スペーサの周囲に棘突起が再建される危険を最小限に抑える点で有利であるが、再建抑止により、別途発生する伸延性の喪失の恐れも阻止し、または、最小限に抑えるという点で有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付の図面に関連して本明細書を読めば、当業者には本発明の多数の利点が明らかになるが、図面全体を通して、同一構成要素には同一参照番号が付記されている。
【0011】
本発明の例示の実施形態を以下に説明する。明瞭にするために、実施例の特徴全てが本明細書に記載されている訳ではない。当然のことながら、このような実施形態のいずれを開発する際にも、開発者の特定の目標を達成するためには実施例ごとに特定される多数の決定を行わなければならず、その一例がシステム関係の制約とビジネス関係の制約の遵守であるが、このような制約は実施例ごとに変動するものであることが分かる。更に、このような開発努力は複雑であるうえに時間を要し、それでいて、本件開示の恩恵を得るような当業者には決まりきった定常業務になるのが分かる。本件に開示されている脊椎整列システムは、特許保護を保証する多様な発明特性と構成要素を個別的に有するとともに組合せても持つことを誇っている。
【0012】
図1は、本発明の棘突起間スペーサ10が被検体脊椎の2本の棘突起の間で使用されているのを例示した斜視図である。スペーサ組立体10は、スペーサ12、主要棘突起繋留紐14、および、2本の二次繋留紐15(図1には2本のうち一方のみが例示されている)を備えている。スペーサ12は、図2から図6に例示されているように、略円筒状であり、主要チャンバー16、1対の挿入器具開口18、融着切欠き20、1対の繋留紐管腔22を有している。後段でより詳細に説明されるが、スペーサ12は(好ましい実施形態によれば)上位棘突起のみに接続されて、下位棘突起には接続されない状態となる。これは、主要棘突起繋留紐14を上位棘突起に固定し(固着の第1段階として)、その後で、上位棘突起と主要棘突起繋留紐14の間の位置で繋留紐管腔22の各々の中に二次繋留紐15を1本ずつ通し、最後に、スペーサ12が概ね脊椎の長手方向軸線を横断するまで二次繋留紐15をそれぞれ締めることにより達成されるが、これらは具体例にすぎない。
【0013】
スペーサ12は骨構造であってもよいし、または、非骨構造であってもよい。骨の実施形態は、好適な同種異系移植片からスペーサ12を製造することに関与しているが、このような移植片の具体例として、鎖骨、肋骨、橈骨、尺骨、中手骨、指節骨、大腿骨、脛骨、腓骨、中足骨などのうちのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。非骨実施形態はは好適な非骨物質からスペーサ12を製造することに関与しているが、このような非骨物質の具体例として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)などのうちのいずれかがあるが、これらに限定されない。いずれの場合にせよ、スペーサ12は或る期間にわたって上位棘突起に融着する設計にされた結果として、スペーサ12が1本の棘突起にだけ融着されることになるという点から、「半融着」と呼ばれる状態になる。これを増大させる手段として、スペーサ12の内側に好適な融着誘発物質を何種類か配置する方法が採られるが、そのような物質の具体例として、BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8、BMP9、BMP10、BMP11、BMP12、BMP13、BMP14、・・・BMPn、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアパタイト、珊瑚、それ以外の高度に多孔質の物質などのうちのいずれか1種類または複数種類があるが、これらに限定されない。
【0014】
上位棘突起に関して例示および説明してゆくが、スペーサ12は下位棘突起のみに接続されても本発明の範囲からは逸脱しないことが分かる。スペーサ12は、設置完了してしまうと、棘突起間の空隙を伸延させる作用があり、これは狭窄症患者の神経孔高さを修復するという利点があるとともに、椎間板空間を間接的に減圧することもできる。
【0015】
図2から図3に記載されているように、主要チャンバー16はスペーサ12の側面を通って延びている。主要チャンバー16は、図示のような略円筒形状に加えて、多様な好適な形状のいずれかを呈して設けられるとよいが、この形状の具体例として略楕円形、三角形、矩形、これらの各種組合せなどのうちのいずれか1つ、または、複数が挙げられるが、これらに限定されない。主要チャンバー16は、図8にもっとも良好に例示されているように、融着誘発物質32を受け入れる寸法に設定される。ここでもまた、このような融着誘発物質として、BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8、BMP9、BMP10、BMP11、BMP12、BMP13、BMP14、・・・BMPn、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアパタイト、珊瑚、それ以外の高度に多孔質の物質などのうちのいずれか1種類または複数種類が挙げられるが、これらに限定されない。融着誘発物質は、棘突起にスペーサ12を固定する前と固定した後のいずれか一方またはその両方の時点で、主要チャンバー16に詰め込まれる。1対の挿入器具開口18はスペーサ12の後側か前側のいずれかに配置されて、スペーサ12の全面の一部に延在している。融着切欠き20としては、スロットまたは陥凹であって、上位棘突起またはそれ以外の椎体機能部の一部を受け入れて融着を向上させるものがある。切欠き20は概ね頂面に配置されてスペーサ12の中間部に向かうようにするとよい。切欠き20は上位棘突起に相関的にスペーサ12を中央に設置するのに役立つ。
【0016】
図9から図11に例示されているまた別な実施形態によれば、スペーサ12には、融着切欠き21と対向して第2の切欠きが設けられている。第2の切欠き21は使用時は下位棘突起の上に載置することができ、これにより、下位棘突起に対して完全にその中心にくる位置にスペーサ12を維持するのを助けることができる。図9にもっとも良好に例示されているように、融着切欠き20にはスロット23が設けられており、このスロットは主要チャンバー16の中まで延びている。スペーサ12が上位棘突起に接続されると、スロット23が主要チャンバー16の内側に設けられた融着誘発組成物と上位棘突起の下面との間に直接連絡状態を確立し、これにより、スペーサ12が上位棘突起に融着する能力を増大するので有利である(スペーサ12が非骨物質から構成されている場合は特にそれがいえる)。
【0017】
図6にもっとも良好に例示されているように、繋留紐管腔22は各々が或る角度で延びてスペーサ12の頂面を通って主要チャンバー16の中に入る。繋留管腔22は各々が、図示の円筒形状のほかにも多様な好適な形状のいずれかを呈するようにして設けることができるが、その形状の具体例として、楕円形、三角形、矩形、これらの形状の各種組合せなどのうち1種類または複数種類があるが、これらに限定されない。繋留紐14、15は好適な物質で好適な構成であれば何種類の物質および構成を含んでいてもよいが、例えば、ワイヤ、ケーブル、縫合糸(恒久存続種と生体吸収性種のいずれか一方、または、その両方)、同種異系移植片組織、それ以外の1本または複数本の線条部材などのうちのいずれか1種類または複数種類が挙げられるが、これらに限定されない。縫合糸は棘突起に取り付けることが出来る成分であれば何種類の構成成分を含んでいてもよく、傷封鎖の技術分野の当業者に周知で使用されている各種のありふれた縫合糸が挙げられるが、これらに限定されない。縫合糸は、スペーサ12を特定の棘突起に効果的に融着するのに必要な長さであればどのような長さであってもよい。
【0018】
本発明によるスペーサ12は、同種異系移植片骨から構成されており、かつ、略円筒形状に成形されているとよい。本発明のスペーサ12は、好適な形状および寸法であれば、何種類の形状および寸法で設けられてもよいが、移植を受ける患者と、移植片の採取元である死体ごとに異なる形状特性および強度特性とで決まる。スペーサ12は頚椎と腰椎のうちのいずれか一方で使用するのに適した寸法に設定されても、その両方で使用するのに適した寸法に設定されても、本発明の範囲から逸脱することがない。スペーサ12は長さの範囲が6ミリメートルから20ミリメートルの間で、高さの範囲が20ミリメートルから25ミリメートルの間になるような寸法に設定されればよいが、これは具体例にすぎない。
【0019】
スペーサ12は、同種異系移植片から構成される場合、次の具体的な方法に従って製造されるとよい。まず、ベルト式研摩装置を使って、隆起点または不完全部を削り、骨の形状を標準化する。帯鋸を使って、同種異系移植片骨を所定長さに切断する。内側骨管から海綿状物質を除去して、主要チャンバー16を作成する。カリパスを使って、支柱を測定し、スペーサ12の寸法分布を作る。挿入器具開口18を機械加工する。標準型万力を据えて、削り機上で移植片の幅部分全体を保持する。32分の3インチ(3/32":約2.38mm)のボールエンド削り機を使って、挿入器具開口18を設ける(頚椎の同種異系移植片と同じ開口)。スペーサ12を万力に挿入して締める。20 mm長さまたは25 mm長さのスペーサ12の中心線を計算する。中心線の両側それぞれから2.26ミリメートル離れた位置に2個の穴を設ける(一方の穴から他方の穴までの距離は4.52ミリメートル)。棘突起用の切欠き22を設ける。頚椎用の同種異系移植片保持固定具を据え付けて、挿入器具穴18と万力とを使って削り機上でスペーサ12の幅部分を保持する。4分の1インチ(1/4":約6.35mm)のフラットエンド削り機を使って切欠き22を設ける。20 mm長さまたは25 mm長さのスペーサ12の中心線を計算する。挿入器具開口18を使って固定具の上にスペーサ12を挿入し、万力を締める。これで挿入器具開口18の正確な寸法設定と間隔設定とが自動検証することができる。スペーサ12の高さを測定する。切込み深さを計算して、所望のスペーサ12寸法を得る。スペーサ12の平坦部を所望深さまで切込む。スペーサ12を測定し直して、適切な切込み深さであることを確認する。スペーサ12の面に角度付けした管腔22をドリル加工する。頚椎用の同種異系移植片固定具からスペーサ12を取り出してから、標準万力の中で締める。電池電源式ドリルまたはコード式ドリルに16分の1インチ(1/16":約1.59mm)ドリルビットを取り付けて使うことで、正面側を貫通して両側の管路まで穿孔する。必要に応じてベルト式研摩装置で面研摩し、ドリルビットがスペーサ12に係合するように平坦面を設ける。
【0020】
ここで図11を参照すると、本発明のまた別な実施形態によるスペーサ112の一実施形態が斜視図で例示されている。スペーサ112は後面113、前面114、左右両側面115、主要チャンバー116、および、融着切欠き120を備えている。スペーサ112には複数の開口が更に設けられており、3対の挿入器具開口118a、挿入器具開口118b、および、挿入器具開口118c、繋留紐管腔122、ならびに、融着開口124が開口の具体例であるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0021】
図12から図14は、スペーサ112が患者の棘突起間の間隙内で使用されているのを描いている。スペーサ112は上位棘突起と下位棘突起との間に嵌合する設計にされ、これを達成するのに好適な形状および寸法であれば何種類の形状および寸法を呈して空間設定されてもよい。スペーサ112は頚椎、胸椎、腰椎のうちのいずれか1部位または複数部位に設置され、寸法は部位に応じて変動させることができる。適切な寸法に設定されたスペーサ112は、適所に置かれると、棘突起間の間隙を伸延し、狭窄症患者の神経孔高さを回復させ、椎体間の空間を間接的に減圧する。具体例にすぎないが、スペーサ112は長さの範囲が6ミリメートルから20ミリメートルの間で、高さの範囲が20ミリメートルから25ミリメートルの間になる寸法に設定されるとよい。
【0022】
スペーサ112は非骨物質から構成されているのが好ましい。好適な非骨物質の具体例として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリエーテルケトンケトン(PEKK)などがあるが、これらに限定されない。ポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルケトンケトンなどのような素材からスペーサ112を構成することによって多数の利点が得られる。ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンの硬度特性は骨の硬度特性にほぼ一致する。これにより、スペーサ112の周囲に棘突起が再建されて神経孔高さの幅を再び狭めてしまった結果として、潜在的に外科手術の改善することになる実質的な見込みが低減される。ポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルケトンケトンは実質的に放射線透過性でもあり、これにより、移植片と上位棘突起との間の融着を術後より良好に視認することができるようになる。最終的に、戦略的に設置された開口を非骨物質と併用することにより、融着は融着が有用となる領域に限ることができる。具体例にすぎないが、スペーサ112の融着開口が設けられるのは頂面に沿った部位に限られており(潜在的には後面113沿いの部位も)、上位棘突起とスペーサ112の間でしか融着が起こらないようにすることができる。このようにして、脊椎の張りは制約しても、脊椎の撓みまで抑制してしまうという不利益は起こらない。
【0023】
図13に描かれているように、主要チャンバー116はスペーサ112の左右両側面115を貫いて延びている。主要チャンバー116は、図示されている略円筒形状のほかにも、好適な形状であれば多様な形状のいずれを呈して設けられてもよく、例えば、楕円形、三角形、矩形、これらの各種組合せなどのうちのいずれか1種類または複数種類が挙げられるが、これらに限定されない。図14に最も良好に例示されているように、主要チャンバー116は融着誘発物質32を受け入れる寸法に設定される。ここでもまた、このような融着誘発物質の具体例として、BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8、BMP9、BMP10、BMP11、BMP12、BMP13、BMP14、・・・BMPn、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアパタイト、珊瑚、それ以外の高度に多孔質の物質などのうちのいずれか1種類または複数種類が挙げられるが、これらに限定されない。融着誘発物質32は、棘突起にスペーサ112を固定する前と固定した後のいずれか一方またはその両方の時点で、主要チャンバー116に詰め込まれる。主要チャンバー116の内部に詰められた融着誘発物質32は、挿入器具開口118a、118b、118c、融着開口124、繋留紐管腔122のうちのいずれか1個または複数個を介して上位棘突起と自由連絡している。このような連絡状態により、上位棘突起から主要チャンバー116の中まで融着が起こり、スペーサ112を恒久的に適所に固定することができる。
【0024】
図15から図19を参照しながら、好ましい一実施形態に従ってスペーサ112の多様な特性をここで説明する。図16はスペーサ112の頂面図である。融着切欠き120がほぼ頂面に配置されてスペーサ112の中央部に向かって延びている。融着切欠き120は一般的にはスロットまたは陥凹部であって、上位棘突起の下位部分を受け入れるような寸法に設定されている。切欠き120は、上位棘突起に対してスペーサ112を中心に設置するのに役立ち、融着前にスペーサ112が左右横方向に運動するのを制限するのを助けることができる。融着切欠き120は主要融着開口124aを有している。主要融着開口124aは主要チャンバー116の中まで延びており、主要チャンバー116と上位棘突起との間の融着のための主要通路となっている。二次融着開口124bがスペーサ112の頂面に沿って融着切欠き120の4隅付近に配置されて主要チャンバー116の中まで延びている。二次融着開口124bは融着が上位棘突起に達するように付加的な経路を提供している。繋留紐開口122がスペーサ112の頂面中央に沿って融着切欠き120の両側付近に配置されている。繋留紐開口122の寸法は、繋留紐14、15を受け入れて、上位棘突起に達する融着が起こるまでスペーサ112を一時的に適所に固定することでスペーサ112を恒久的に適所に固定するように設定されている。
【0025】
主要融着開口124a、二次融着開口124b、および、繋留紐開口122は各々が、図示されている略円形の形状のほかにも多様な形状のいずれかを呈するように設けられるが、例えば、略正方形、矩形、楕円形、三角形、これらの各種組合せなどのうちの1種類または複数種類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
図16は、スペーサ112の後面113を例示している。後面113には3つの別個の対の挿入器具開口118a、118b、118cが設けられている。後段でより詳細に説明するが、3対の挿入器具開口を設けることで、代替の開口形状を準備したうえで別個の器具やスペーサの一方または両方ともを使えるようにしなくても、複数の異なる挿入接近路を利用することができるようになる。挿入器具開口は主要チャンバー116の中まで延びており、挿入後には付加的な融着経路として機能し、これにより、上位棘突起とスペーサ112との間の融着を更に堅牢かつ強固にすることができる。
【0027】
図17はスペーサ112の前面114を例示しており、図18はスペーサの底面を例示している。前面114にはどの開口も無いのが好ましい(但し、二次融着開口124bは前面のスペーサ112の頂面付近に配置されていてもよい点を例外とする)。前面114は、棘突起間の空隙に設置されると、脊柱管に対面する。前面に沿った骨の成長は潜在的に脊柱管およびその内部に在る、傷つきやすい神経組織に干渉する可能性があり、その結果、痛みを生じるか、または、その患者に別な外科手術を施すことになるか、または、その両方が起こる。前面114に開口を設けないことを原因として主要チャンバー116と連絡状態にすることができないことで、その領域における骨成長を阻止するという点で有利である。同様に、スペーサ112の底面にも開口を設けず、主要チャンバー116と連絡状態にしない。これにより、その領域における骨成長を阻止することができて有利となり、下位棘突起への融着も起こらない。ここでもまた、これにより、脊椎部分が撓む能力を保つことができるようにしながら、尚且つ、狭窄症を矯正することができる。スペーサ112の底面には凹面が設けられて、スペーサ112の頂面から底面までの距離が左右両側面115に最も近い位置では大きくなり、中心付近では小さくなるようにするのが好ましい。この凹面状の底面は下位棘突起に沿って載置され、下位棘突起に対して中心に設定された位置にスペーサ112を維持するのに役立つ。図19はここでも、一方の側面115を貫通して主要チャンバー116が延びているのを例示している。
【0028】
スペーサ112を視覚化するのを支援するために、外科手術中と外科手術後の両方の時点で、スペーサ112には少なくとも1個のマーカーが設けられているとよい。スペーサ112は1個の頂面マーカー126と2個の側面マーカー128を有しているのが好ましい。マーカー126とマーカー128は生体適合性の放射線不透過性物質を含んでおり、例えば、チタン(または、それ以外の金属または重合体)が挙げられるが、具体例にすぎない。マーカー126は、融着切欠き120の内側でスペーサ112の中心に沿って設置されている。マーカー126はスペーサ112の中を通って延びて底面に達しているのが好ましい。マーカー128は左右両側面で主要チャンバー116より下に配置される。スペーサ112の設置中と設置後の両方の期間に、両方のマーカー128を利用してスペーサ112を正しい配向にすることができる。
【0029】
スペーサ112の背後の視点(または、患者の背中側の視点)からのX線透視撮像法やそれ以外の好適な各種画像化技術のうちの1種類または複数種類を活用することで、スペーサ112が適切設置されると、図30に例示されているように、中心に載置されて融着切欠き120から底面まで延びているマーカー126により、上位棘突起と下位棘突起の間の線をX線透視画面上で見ることが出来るようになる。マーカー128は棘突起間の空隙で上位棘突起の側と下位棘突起の側とにそれぞれ設置されるべきである。適切に設置された場合には、両マーカー128の間に仮想線を引いて、この線をマーカー126をそこまで延長した仮想線と結べば、上下逆さまのT字が形成されることになる。側面からは、棘突起間の空隙に在るスペーサ112の深さを検証することができる。マーカー126はスペーサ112の後面113に沿って延びている。マーカー128の一方または両方が側面115において後面113の付近に設置されるとよい。一実施形態では、一方のマーカー128は後面113の付近に設置され、もう一方のマーカー128は前面114の付近に設置される。外科手術中に撮像された側面X線透視図上では、マーカー126の位置とマーカー128の位置は棘突起の後端に関連して視認することができ、また、もっと前方の、スペーサ112を確保する椎骨部分の位置はそれほど前寄りでもなく、それほど後寄りでもない。適切に設置された場合には、両マーカー128の間に仮想線を引いて、その線をマーカー126をそこまで延長した仮想線と結べば、図31に例示されているように、裏側から見たL字が形成されることになる。
【0030】
スペーサ12およびスペーサ112に着脱自在に嵌合することができるようにした多様な好適な器具のいずれかを使うことで、本発明の脊椎装置10を脊椎の標的部位に導入することができる。好ましい実施形態では、挿入器具により、上位棘突起と下位棘突起の間にスペーサ12およびスペーサ112を迅速かつ直接かつ正確に設置することができるようになる。具体的な挿入器具は「輕部溶着のためのシステムおよび方法(System and Method for Cervical Fusion)」という名称の、本件と特許権者が同じである米国特許第6,923,814号に図示および記載されているが、この特許の内容は、ここに援用することにより、本件に十分に明示されているものとして、本明細書の一部を成すものであることを明言しておく。
【0031】
図21から図23は、スペーサ12およびスペーサ112と併用するための具体的な挿入器具200を例示している。挿入器具200は遠位端202に1対の突起204が設けられており、これらの寸法は挿入器具開口18、118a、118b、118cに嵌合するように設定されて、スペーサ12およびスペーサ112が挿入のために一時的に遠位端202に取り付けられた状態になるようにしている。図24に例示されているように、複数の挿入器具開口118aがスペーサ112の中心で横方向に整列し、スペーサ112および挿入器具200がスペーサのほぼ中心点で結合するように図っている。このような構成な、棘突起間の空隙に真後ろの進入路から接近する場合には有利となる。図23に例示されているように、複数の挿入器具開口118b(開口118aも)が、スペーサ112の側面付近で垂直方向に整列している。このような構成は、より側面方向から接近する場合には有利である。
【0032】
脊椎狭窄症を治療するにあたり本発明の脊椎装置10を使用するために、医者はまず第一にスペーサ12、112の適切な寸法を指定しなければならない。医者は、切開脊椎融着処置または観血を最小限に抑えた脊椎融着処置のいずれでも、脊椎装置10を利用することができる。いずれのタイプの処置においても、標的脊椎レベルに到達するように、作用チャネルが患者に設けられる。作業チャネルを設けた後で、棘突起間の空隙が準備される。その準備が終わると、寸法測定器を使って、スペーサ12およびスペーサ112の適切な寸法を測る。具体的な寸法測定器300の一例が図24から図27に示されているが、これは例示にすぎない。寸法測定器300はハンドル部302と移植片部304を有している。ハンドル部302は好適であればどんな多様な形状および寸法に構成されてもよい。移植片部304はスペーサ112の多様な寸法に一致する寸法で供与されるとよい。図示されているように、寸法測定器は非対称形状であることが分かるが、この場合、ハンドル302の反対側の高さは、ハンドル302が取り付けられている側の高さよりも低い。これにより、移植片部304は移植片部304を適所に回転させるのに、棘突起からの干渉が最小限で済ますことができる。図示されていないが、スペーサ112も非対称の形態で供与されてもよいことが分かる。
【0033】
棘突起間の間隙を準備する段階には、上位棘突起と下位棘突起の間の棘突起間の靭帯に孔を穿つ段階を含んでいる。必要に応じて、棘上靭帯は手をつけないまま邪魔にならないところに移転されるのが好ましい。このような準備の決め手となる部分には、上位棘突起の下位部分を剥奪する段階が含まれており、この場合、この下位部分は主要チャンバー16、116に詰め込まれた融着誘発物質32と連絡状態になる。剥奪段階で上位棘突起の下位表面から硬い皮質骨が除去され、出血する骨を残すが、このような出血する骨の方が融着には適している。新生骨は、剥奪された部分を治癒するために発生するにつれて、主要チャンバー16、116の中まで成長し、スペーサ12、112を上位棘突起に固定する。
【0034】
上述の一実施形態では、繋留紐14、15を繋留紐管腔22、122に通して棘突起に固着させることで、スペーサ12およびスペーサ112は適所に保持される。図28および図29に単なる具体例として例示されている代替の実施形態によれば、スペーサ12、112を適所に固定するのに、代替の固定機構が使われる。この代替の固定機構はジップケーブル400、および、1対のロック用ベース402、404を備えている。ベース402はケーブル400と一体にするとよい。ベース402はスペーサ12、112の頂面上で融着切欠き20、120に隣接して設置されているとともに、繋留紐管腔22、122を介してスペーサ12、112に固定されている。ベース402は繋留紐管腔22、122を覆うように設置され、また、ロックピン406がベースを通して繋留紐管腔22、122の中に挿入されている。この段階は、融着切欠き20、120の反対側でもベース404に対して繰返し施される。両ベースが適所に置かれ、更に、スペーサ12、112が棘突起と棘突起の間に設置するのが完了すると、ジップケーブル400が上位棘突起の周囲に巻きつけられて、対向する側のベース404を通して送られてくる。ケーブル400に設けられた歯408はケーブル400が緩むのを防いでおり、従って、融着が起こるようにスペーサ12、122を適所に保持している。多様な好適な物質のいずれかを使ってジップケーブル400、ベース402、404、および、ロックピン406を形成することができる。一実施形態では、ケーブル400およびベース402、404はナイロンから構成されており、ロックピン406はチタンから構成されている。
【0035】
棘突起と棘突起の間の準備ができた空間にスペーサ12、112が位置決めされて挿入されると、スペーサは強制的に棘突起を互いから離隔させる。棘突起が強制的に離隔されると、脊椎は撓み、脊椎が撓むと、神経孔および脊柱管が拡大させられる。脊椎装置10は脊柱を撓んだ位置に保持しながら、同時に、脊柱の張りを防止するが、撓むことができるようにするのが有利である。
【0036】
本発明には多様な修正が施せるとともに別な形態で代用することができるが、本発明の特定の実施形態を図面で具体例として例示するとともに本明細書中で詳細に説明してきた。しかしながら、本明細書における特定の実施形態の説明は本発明を開示された特定の形式に制限するよう意図されてはおらず、むしろ、添付の特許請求の範囲に限定されているような発明の真髄および精神の羽仁に入る修正例、均等物、および、代替例の全てを包含するものであると解釈するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態による棘突起間スペーサが被検体脊椎の上位棘突起に固着されて使用されているのを例示した斜視図である。
【図2】図1に例示されている本発明の棘突起間スペーサの斜視図である。
【図3】図1に例示されているような本発明の棘突起間スペーサの側面図である。
【図4】図1に例示されているような本発明の棘突起間スペーサの正面図である。
【図5】図1に例示されているような本発明による棘突起間スペーサの頂面図である。
【図6】図5の線A−Aに沿って破断された本発明の棘突起間スペーサの断面図である。
【図7】本発明の一観点により、図1に例示されている棘突起間スペーサの融着促進物質が内側管腔の内部に配置されているのを例示した斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による棘突起間スペーサを例示した斜視図である。
【図9】図8に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した側面図である。
【図10】図8および図9に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した端面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態による棘突起間スペーサが被検体脊椎の上位棘突起に固着されて使用されているのを例示した斜視図である。
【図12】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサが2本の棘突起の間の適所に在るのを例示した正面図である。
【図13】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサが2本の棘突起の間の適所に在るのを例示した側面図である。
【図14】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサが2本の棘突起の間の適所に在ると同時に、融着誘発物質が内部に詰まっているのを例示した側面図である。
【図15】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した正面図である。
【図16】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した頂面図である。
【図17】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した背面図である。
【図18】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した底面図である。
【図19】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した側面図である。
【図20】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサが視覚化マーカーを備えているのを例示した斜視図である。
【図21】本発明の一実施形態により、具体的な挿入器具が図11の棘突起間スペーサと併用されているのを例示した図である。
【図22】本発明の一実施形態により、具体的な挿入器具が図11の棘突起間スペーサと併用されているのを例示した図である。
【図23】本発明の一実施形態により、具体的な挿入器具が図11の棘突起間スペーサと併用されているのを例示した図である。
【図24】本発明の一実施形態により、図11に例示されているような棘突起間スペーサの移植時に使用するための具体的な寸法測定器を例示した図である。
【図25】本発明の一実施形態により、図11に例示されているような棘突起間スペーサの移植時に使用するための具体的な寸法測定器を例示した図である。
【図26】本発明の一実施形態により、図11に例示されているような棘突起間スペーサの移植時に使用するための具体的な寸法測定器を例示した図である。
【図27】本発明の一実施形態により、図11に例示されているような棘突起間スペーサの移植時に使用するための具体的な寸法測定器を例示した図である。
【図28】本発明の代替の実施形態により、図11に例示されている棘突起間スペーサと併用するための代替の取付け装置を例示した図である。
【図29】本発明の代替の実施形態により、図11に例示されている棘突起間スペーサと併用するための代替の取付け装置を例示した図である。
【図30】図11の棘突起間スペーサの実装中に撮像された背位X線透視図が複数マーカーが整列したのを(T字編成を含む)実証して設置を支援しているのを例示した図である。
【図31】図11の棘突起間スペーサの実装中に撮像された測位X線透視図が複数マーカーの位置(裏側から見た場合のL字編成を含む)を実証して設置を支援しているのを例示した図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2005年9月28日出願の「脊椎狭窄症を治療する方法および装置(Methods and Apparatus for Treating Spinal Stenosis)」という名称の米国特許仮出願連続番号第60/722,065号の出願日の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般に、脊椎外科手術に関するものであり、特に、脊椎狭窄症を治療する方法および装置に関連している。
【背景技術】
【0003】
脊椎狭窄症は、脊椎の間隔が狭まり、結果的に脊髄と脊髄神経根のいずれか一方またはその両方を圧迫するようになる症状である。このような障害は、通例、次の部位のうち1箇所以上の狭窄に関与している。すなわち、(1)脊髄および脊髄神経根が延びている脊柱の中心の脊柱管、(2)脊髄から外へ分岐している神経の神経基部付近または神経根付近の管、(3)神経が脊椎を離れて肉体の別な各種部位に向かう途中で通る椎骨と椎骨の間の開口などの部位である。脊髄、および、既存の神経根のうちのいずれか一方またはその両方に加わる圧力は、脊椎内の位置次第で(例えば、頚椎、胸椎、腰椎などの各領域次第で)四肢のうちいずれか、または、脚腕両方に痛み、または、痺れを生じることがある。脊椎狭窄症は一般に高齢者を悩ますが、もっと若い患者が同様に患うこともある。
【0004】
脊椎狭窄症の影響を緩和し、または、最小限に抑えるために、多様な治療が採られて来た。そのような技術の1つとして椎弓切除術があるが、椎弓切除は病的領域から薄層部を除去する処置を含んでいる。薄層を除去することにより、この処置は脊柱管を拡大し、従って、脊髄と圧迫されている神経のいずれか一方、または、その両方に加わる圧力を緩和する。概ね効果的であるものの、骨切除に関与する処置はどのようなものであれ、術後の脊椎領域は機械的観点から更に障害を生じる恐れがあるという点で椎弓切除術は不利であると考える人もいる。更に、高齢の患者は、背中の痛みが強くなる、感染し易くなる、回復期間が長期化する等といったような合併症の可能性を増大させる、諸症状が結託した病的状態を呈することが多い。
【0005】
脊椎狭窄症を治療する際のまた別な努力に、棘突起間の空隙内にスペーサ装置を設置して狭窄症部を間接的に減圧する処置がある。このようなシステムは、上位棘突起と下位棘突起に固定されていることを特徴とする。脊椎の張りを制限することが脊椎狭窄症を緩和する鍵となると考えた場合、スペーサ装置の両端をそれぞれの棘突起に接続させることで、その部位の脊椎の撓みと張りの両方を制限してしまうという点で不利である。更に、先行技術の棘突起間スペーサは、通例、棘突起そのものの特性とは実質的に異なる特性を有している素材(例えば、金属など)から構成されており、棘突起がスペーサの周囲に再建されるか否かという疑問と、棘突起の再建により棘突起が伸延する能力を失うのか否かという疑問と、棘突起の再建により脊椎狭窄症が緩和されるのか否かという疑問が生じる。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,923,814号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は先行技術の上述のような欠点を克服すること、または、少なくとも改良することを目的とする。
本発明は脊椎狭窄症を治療することを目的とし、狭窄症の棘突起間の空隙を伸延させるような寸法に設定された棘突起間スペーサに関与しているとともに、互いに隣接し合う棘突起のうちの一方のみに固着させられて脊椎の張りを阻止するとともに、脊椎が撓むことができるようにすることを更に特徴とする。本発明の棘突起間スペーサは頚椎、胸椎、腰椎のうちのいずれか1部位または2部位以上に利用することができる。本件開示全体を通して棘突起間スペーサを上位棘突起に固定することが例示および説明されるが、本発明の棘突起間スペーサは下位棘突起に固定されても本発明の範囲から逸脱することがないことが分かる。本発明の棘突起間スペーサを所与の棘突起に固定するために多様な機構が使用されるが、その具体例として、1本以上の繋留紐(例えば、ワイヤ、ケーブル、縫合糸、同種異系移植片組織、それ以外の1本または複数本の線条部材などのうちのどれか)、1個以上のネジ、多様なクランプ機構のうちのどれか等があるうち、いずれか1種類だけまたは各種組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の重要な観点によれば、本発明の棘突起間スペーサは棘突起に融着される設計になっており、スペーサが棘突起に或る期間にわたって固定された結果として、スペーサが1本の棘突起にだけ融着されることになるという点から、「半融着」と呼ばれる状態になる。これは、棘突起の表面を剥奪する(その結果、出血を起こすのが好ましい)ことにより容易にされるが、その場合、この剥奪棘突起面が本発明の棘突起間スペーサと添わされる。この接合部は或る期間を経た後に融着するが、一部は、本発明の融着を可能にする処置設計と棘突起間スペーサの素材とのうちのいずれか一方、または、両方に拠るものである。より詳細に説明すると、本発明の棘突起間スペーサは骨(例えば、同種移植片)素材から構成されるが、移植時に融着を行えることが直ちに分かる。棘突起間スペーサは非骨材(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とポリエーテルケトンケトン(PEKK)のうちの一方または両方)から構成されてもよいが、これらの物質は融着を促進するような物理的設計になっている。これは、例えば、融着誘発物質を受け入れる寸法に設定された棘突起間スペーサで、尚且つ、所与の棘突起の剥奪面と連絡状態になるスペーサによって達成される。このような融着促進物質の具体例としては、BMP、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアパタイト、珊瑚、それ以外の高度に多孔性の各種物質などのうちの1種類または各種組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
本発明が先行技術の欠点を克服する手段として、脊椎狭窄症を治療すると同時に、先行技術の装置に比べて棘突起それ自体の特性に実質的により近似した特性を有している素材から構成されている移植片を使って脊椎が撓むことができるようにした点がある。これは、本発明の棘突起間スペーサの周囲に棘突起が再建される危険を最小限に抑える点で有利であるが、再建抑止により、別途発生する伸延性の喪失の恐れも阻止し、または、最小限に抑えるという点で有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
添付の図面に関連して本明細書を読めば、当業者には本発明の多数の利点が明らかになるが、図面全体を通して、同一構成要素には同一参照番号が付記されている。
【0011】
本発明の例示の実施形態を以下に説明する。明瞭にするために、実施例の特徴全てが本明細書に記載されている訳ではない。当然のことながら、このような実施形態のいずれを開発する際にも、開発者の特定の目標を達成するためには実施例ごとに特定される多数の決定を行わなければならず、その一例がシステム関係の制約とビジネス関係の制約の遵守であるが、このような制約は実施例ごとに変動するものであることが分かる。更に、このような開発努力は複雑であるうえに時間を要し、それでいて、本件開示の恩恵を得るような当業者には決まりきった定常業務になるのが分かる。本件に開示されている脊椎整列システムは、特許保護を保証する多様な発明特性と構成要素を個別的に有するとともに組合せても持つことを誇っている。
【0012】
図1は、本発明の棘突起間スペーサ10が被検体脊椎の2本の棘突起の間で使用されているのを例示した斜視図である。スペーサ組立体10は、スペーサ12、主要棘突起繋留紐14、および、2本の二次繋留紐15(図1には2本のうち一方のみが例示されている)を備えている。スペーサ12は、図2から図6に例示されているように、略円筒状であり、主要チャンバー16、1対の挿入器具開口18、融着切欠き20、1対の繋留紐管腔22を有している。後段でより詳細に説明されるが、スペーサ12は(好ましい実施形態によれば)上位棘突起のみに接続されて、下位棘突起には接続されない状態となる。これは、主要棘突起繋留紐14を上位棘突起に固定し(固着の第1段階として)、その後で、上位棘突起と主要棘突起繋留紐14の間の位置で繋留紐管腔22の各々の中に二次繋留紐15を1本ずつ通し、最後に、スペーサ12が概ね脊椎の長手方向軸線を横断するまで二次繋留紐15をそれぞれ締めることにより達成されるが、これらは具体例にすぎない。
【0013】
スペーサ12は骨構造であってもよいし、または、非骨構造であってもよい。骨の実施形態は、好適な同種異系移植片からスペーサ12を製造することに関与しているが、このような移植片の具体例として、鎖骨、肋骨、橈骨、尺骨、中手骨、指節骨、大腿骨、脛骨、腓骨、中足骨などのうちのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。非骨実施形態はは好適な非骨物質からスペーサ12を製造することに関与しているが、このような非骨物質の具体例として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)などのうちのいずれかがあるが、これらに限定されない。いずれの場合にせよ、スペーサ12は或る期間にわたって上位棘突起に融着する設計にされた結果として、スペーサ12が1本の棘突起にだけ融着されることになるという点から、「半融着」と呼ばれる状態になる。これを増大させる手段として、スペーサ12の内側に好適な融着誘発物質を何種類か配置する方法が採られるが、そのような物質の具体例として、BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8、BMP9、BMP10、BMP11、BMP12、BMP13、BMP14、・・・BMPn、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアパタイト、珊瑚、それ以外の高度に多孔質の物質などのうちのいずれか1種類または複数種類があるが、これらに限定されない。
【0014】
上位棘突起に関して例示および説明してゆくが、スペーサ12は下位棘突起のみに接続されても本発明の範囲からは逸脱しないことが分かる。スペーサ12は、設置完了してしまうと、棘突起間の空隙を伸延させる作用があり、これは狭窄症患者の神経孔高さを修復するという利点があるとともに、椎間板空間を間接的に減圧することもできる。
【0015】
図2から図3に記載されているように、主要チャンバー16はスペーサ12の側面を通って延びている。主要チャンバー16は、図示のような略円筒形状に加えて、多様な好適な形状のいずれかを呈して設けられるとよいが、この形状の具体例として略楕円形、三角形、矩形、これらの各種組合せなどのうちのいずれか1つ、または、複数が挙げられるが、これらに限定されない。主要チャンバー16は、図8にもっとも良好に例示されているように、融着誘発物質32を受け入れる寸法に設定される。ここでもまた、このような融着誘発物質として、BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8、BMP9、BMP10、BMP11、BMP12、BMP13、BMP14、・・・BMPn、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアパタイト、珊瑚、それ以外の高度に多孔質の物質などのうちのいずれか1種類または複数種類が挙げられるが、これらに限定されない。融着誘発物質は、棘突起にスペーサ12を固定する前と固定した後のいずれか一方またはその両方の時点で、主要チャンバー16に詰め込まれる。1対の挿入器具開口18はスペーサ12の後側か前側のいずれかに配置されて、スペーサ12の全面の一部に延在している。融着切欠き20としては、スロットまたは陥凹であって、上位棘突起またはそれ以外の椎体機能部の一部を受け入れて融着を向上させるものがある。切欠き20は概ね頂面に配置されてスペーサ12の中間部に向かうようにするとよい。切欠き20は上位棘突起に相関的にスペーサ12を中央に設置するのに役立つ。
【0016】
図9から図11に例示されているまた別な実施形態によれば、スペーサ12には、融着切欠き21と対向して第2の切欠きが設けられている。第2の切欠き21は使用時は下位棘突起の上に載置することができ、これにより、下位棘突起に対して完全にその中心にくる位置にスペーサ12を維持するのを助けることができる。図9にもっとも良好に例示されているように、融着切欠き20にはスロット23が設けられており、このスロットは主要チャンバー16の中まで延びている。スペーサ12が上位棘突起に接続されると、スロット23が主要チャンバー16の内側に設けられた融着誘発組成物と上位棘突起の下面との間に直接連絡状態を確立し、これにより、スペーサ12が上位棘突起に融着する能力を増大するので有利である(スペーサ12が非骨物質から構成されている場合は特にそれがいえる)。
【0017】
図6にもっとも良好に例示されているように、繋留紐管腔22は各々が或る角度で延びてスペーサ12の頂面を通って主要チャンバー16の中に入る。繋留管腔22は各々が、図示の円筒形状のほかにも多様な好適な形状のいずれかを呈するようにして設けることができるが、その形状の具体例として、楕円形、三角形、矩形、これらの形状の各種組合せなどのうち1種類または複数種類があるが、これらに限定されない。繋留紐14、15は好適な物質で好適な構成であれば何種類の物質および構成を含んでいてもよいが、例えば、ワイヤ、ケーブル、縫合糸(恒久存続種と生体吸収性種のいずれか一方、または、その両方)、同種異系移植片組織、それ以外の1本または複数本の線条部材などのうちのいずれか1種類または複数種類が挙げられるが、これらに限定されない。縫合糸は棘突起に取り付けることが出来る成分であれば何種類の構成成分を含んでいてもよく、傷封鎖の技術分野の当業者に周知で使用されている各種のありふれた縫合糸が挙げられるが、これらに限定されない。縫合糸は、スペーサ12を特定の棘突起に効果的に融着するのに必要な長さであればどのような長さであってもよい。
【0018】
本発明によるスペーサ12は、同種異系移植片骨から構成されており、かつ、略円筒形状に成形されているとよい。本発明のスペーサ12は、好適な形状および寸法であれば、何種類の形状および寸法で設けられてもよいが、移植を受ける患者と、移植片の採取元である死体ごとに異なる形状特性および強度特性とで決まる。スペーサ12は頚椎と腰椎のうちのいずれか一方で使用するのに適した寸法に設定されても、その両方で使用するのに適した寸法に設定されても、本発明の範囲から逸脱することがない。スペーサ12は長さの範囲が6ミリメートルから20ミリメートルの間で、高さの範囲が20ミリメートルから25ミリメートルの間になるような寸法に設定されればよいが、これは具体例にすぎない。
【0019】
スペーサ12は、同種異系移植片から構成される場合、次の具体的な方法に従って製造されるとよい。まず、ベルト式研摩装置を使って、隆起点または不完全部を削り、骨の形状を標準化する。帯鋸を使って、同種異系移植片骨を所定長さに切断する。内側骨管から海綿状物質を除去して、主要チャンバー16を作成する。カリパスを使って、支柱を測定し、スペーサ12の寸法分布を作る。挿入器具開口18を機械加工する。標準型万力を据えて、削り機上で移植片の幅部分全体を保持する。32分の3インチ(3/32":約2.38mm)のボールエンド削り機を使って、挿入器具開口18を設ける(頚椎の同種異系移植片と同じ開口)。スペーサ12を万力に挿入して締める。20 mm長さまたは25 mm長さのスペーサ12の中心線を計算する。中心線の両側それぞれから2.26ミリメートル離れた位置に2個の穴を設ける(一方の穴から他方の穴までの距離は4.52ミリメートル)。棘突起用の切欠き22を設ける。頚椎用の同種異系移植片保持固定具を据え付けて、挿入器具穴18と万力とを使って削り機上でスペーサ12の幅部分を保持する。4分の1インチ(1/4":約6.35mm)のフラットエンド削り機を使って切欠き22を設ける。20 mm長さまたは25 mm長さのスペーサ12の中心線を計算する。挿入器具開口18を使って固定具の上にスペーサ12を挿入し、万力を締める。これで挿入器具開口18の正確な寸法設定と間隔設定とが自動検証することができる。スペーサ12の高さを測定する。切込み深さを計算して、所望のスペーサ12寸法を得る。スペーサ12の平坦部を所望深さまで切込む。スペーサ12を測定し直して、適切な切込み深さであることを確認する。スペーサ12の面に角度付けした管腔22をドリル加工する。頚椎用の同種異系移植片固定具からスペーサ12を取り出してから、標準万力の中で締める。電池電源式ドリルまたはコード式ドリルに16分の1インチ(1/16":約1.59mm)ドリルビットを取り付けて使うことで、正面側を貫通して両側の管路まで穿孔する。必要に応じてベルト式研摩装置で面研摩し、ドリルビットがスペーサ12に係合するように平坦面を設ける。
【0020】
ここで図11を参照すると、本発明のまた別な実施形態によるスペーサ112の一実施形態が斜視図で例示されている。スペーサ112は後面113、前面114、左右両側面115、主要チャンバー116、および、融着切欠き120を備えている。スペーサ112には複数の開口が更に設けられており、3対の挿入器具開口118a、挿入器具開口118b、および、挿入器具開口118c、繋留紐管腔122、ならびに、融着開口124が開口の具体例であるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0021】
図12から図14は、スペーサ112が患者の棘突起間の間隙内で使用されているのを描いている。スペーサ112は上位棘突起と下位棘突起との間に嵌合する設計にされ、これを達成するのに好適な形状および寸法であれば何種類の形状および寸法を呈して空間設定されてもよい。スペーサ112は頚椎、胸椎、腰椎のうちのいずれか1部位または複数部位に設置され、寸法は部位に応じて変動させることができる。適切な寸法に設定されたスペーサ112は、適所に置かれると、棘突起間の間隙を伸延し、狭窄症患者の神経孔高さを回復させ、椎体間の空間を間接的に減圧する。具体例にすぎないが、スペーサ112は長さの範囲が6ミリメートルから20ミリメートルの間で、高さの範囲が20ミリメートルから25ミリメートルの間になる寸法に設定されるとよい。
【0022】
スペーサ112は非骨物質から構成されているのが好ましい。好適な非骨物質の具体例として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリエーテルケトンケトン(PEKK)などがあるが、これらに限定されない。ポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルケトンケトンなどのような素材からスペーサ112を構成することによって多数の利点が得られる。ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンの硬度特性は骨の硬度特性にほぼ一致する。これにより、スペーサ112の周囲に棘突起が再建されて神経孔高さの幅を再び狭めてしまった結果として、潜在的に外科手術の改善することになる実質的な見込みが低減される。ポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルケトンケトンは実質的に放射線透過性でもあり、これにより、移植片と上位棘突起との間の融着を術後より良好に視認することができるようになる。最終的に、戦略的に設置された開口を非骨物質と併用することにより、融着は融着が有用となる領域に限ることができる。具体例にすぎないが、スペーサ112の融着開口が設けられるのは頂面に沿った部位に限られており(潜在的には後面113沿いの部位も)、上位棘突起とスペーサ112の間でしか融着が起こらないようにすることができる。このようにして、脊椎の張りは制約しても、脊椎の撓みまで抑制してしまうという不利益は起こらない。
【0023】
図13に描かれているように、主要チャンバー116はスペーサ112の左右両側面115を貫いて延びている。主要チャンバー116は、図示されている略円筒形状のほかにも、好適な形状であれば多様な形状のいずれを呈して設けられてもよく、例えば、楕円形、三角形、矩形、これらの各種組合せなどのうちのいずれか1種類または複数種類が挙げられるが、これらに限定されない。図14に最も良好に例示されているように、主要チャンバー116は融着誘発物質32を受け入れる寸法に設定される。ここでもまた、このような融着誘発物質の具体例として、BMP1、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8、BMP9、BMP10、BMP11、BMP12、BMP13、BMP14、・・・BMPn、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアパタイト、珊瑚、それ以外の高度に多孔質の物質などのうちのいずれか1種類または複数種類が挙げられるが、これらに限定されない。融着誘発物質32は、棘突起にスペーサ112を固定する前と固定した後のいずれか一方またはその両方の時点で、主要チャンバー116に詰め込まれる。主要チャンバー116の内部に詰められた融着誘発物質32は、挿入器具開口118a、118b、118c、融着開口124、繋留紐管腔122のうちのいずれか1個または複数個を介して上位棘突起と自由連絡している。このような連絡状態により、上位棘突起から主要チャンバー116の中まで融着が起こり、スペーサ112を恒久的に適所に固定することができる。
【0024】
図15から図19を参照しながら、好ましい一実施形態に従ってスペーサ112の多様な特性をここで説明する。図16はスペーサ112の頂面図である。融着切欠き120がほぼ頂面に配置されてスペーサ112の中央部に向かって延びている。融着切欠き120は一般的にはスロットまたは陥凹部であって、上位棘突起の下位部分を受け入れるような寸法に設定されている。切欠き120は、上位棘突起に対してスペーサ112を中心に設置するのに役立ち、融着前にスペーサ112が左右横方向に運動するのを制限するのを助けることができる。融着切欠き120は主要融着開口124aを有している。主要融着開口124aは主要チャンバー116の中まで延びており、主要チャンバー116と上位棘突起との間の融着のための主要通路となっている。二次融着開口124bがスペーサ112の頂面に沿って融着切欠き120の4隅付近に配置されて主要チャンバー116の中まで延びている。二次融着開口124bは融着が上位棘突起に達するように付加的な経路を提供している。繋留紐開口122がスペーサ112の頂面中央に沿って融着切欠き120の両側付近に配置されている。繋留紐開口122の寸法は、繋留紐14、15を受け入れて、上位棘突起に達する融着が起こるまでスペーサ112を一時的に適所に固定することでスペーサ112を恒久的に適所に固定するように設定されている。
【0025】
主要融着開口124a、二次融着開口124b、および、繋留紐開口122は各々が、図示されている略円形の形状のほかにも多様な形状のいずれかを呈するように設けられるが、例えば、略正方形、矩形、楕円形、三角形、これらの各種組合せなどのうちの1種類または複数種類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
図16は、スペーサ112の後面113を例示している。後面113には3つの別個の対の挿入器具開口118a、118b、118cが設けられている。後段でより詳細に説明するが、3対の挿入器具開口を設けることで、代替の開口形状を準備したうえで別個の器具やスペーサの一方または両方ともを使えるようにしなくても、複数の異なる挿入接近路を利用することができるようになる。挿入器具開口は主要チャンバー116の中まで延びており、挿入後には付加的な融着経路として機能し、これにより、上位棘突起とスペーサ112との間の融着を更に堅牢かつ強固にすることができる。
【0027】
図17はスペーサ112の前面114を例示しており、図18はスペーサの底面を例示している。前面114にはどの開口も無いのが好ましい(但し、二次融着開口124bは前面のスペーサ112の頂面付近に配置されていてもよい点を例外とする)。前面114は、棘突起間の空隙に設置されると、脊柱管に対面する。前面に沿った骨の成長は潜在的に脊柱管およびその内部に在る、傷つきやすい神経組織に干渉する可能性があり、その結果、痛みを生じるか、または、その患者に別な外科手術を施すことになるか、または、その両方が起こる。前面114に開口を設けないことを原因として主要チャンバー116と連絡状態にすることができないことで、その領域における骨成長を阻止するという点で有利である。同様に、スペーサ112の底面にも開口を設けず、主要チャンバー116と連絡状態にしない。これにより、その領域における骨成長を阻止することができて有利となり、下位棘突起への融着も起こらない。ここでもまた、これにより、脊椎部分が撓む能力を保つことができるようにしながら、尚且つ、狭窄症を矯正することができる。スペーサ112の底面には凹面が設けられて、スペーサ112の頂面から底面までの距離が左右両側面115に最も近い位置では大きくなり、中心付近では小さくなるようにするのが好ましい。この凹面状の底面は下位棘突起に沿って載置され、下位棘突起に対して中心に設定された位置にスペーサ112を維持するのに役立つ。図19はここでも、一方の側面115を貫通して主要チャンバー116が延びているのを例示している。
【0028】
スペーサ112を視覚化するのを支援するために、外科手術中と外科手術後の両方の時点で、スペーサ112には少なくとも1個のマーカーが設けられているとよい。スペーサ112は1個の頂面マーカー126と2個の側面マーカー128を有しているのが好ましい。マーカー126とマーカー128は生体適合性の放射線不透過性物質を含んでおり、例えば、チタン(または、それ以外の金属または重合体)が挙げられるが、具体例にすぎない。マーカー126は、融着切欠き120の内側でスペーサ112の中心に沿って設置されている。マーカー126はスペーサ112の中を通って延びて底面に達しているのが好ましい。マーカー128は左右両側面で主要チャンバー116より下に配置される。スペーサ112の設置中と設置後の両方の期間に、両方のマーカー128を利用してスペーサ112を正しい配向にすることができる。
【0029】
スペーサ112の背後の視点(または、患者の背中側の視点)からのX線透視撮像法やそれ以外の好適な各種画像化技術のうちの1種類または複数種類を活用することで、スペーサ112が適切設置されると、図30に例示されているように、中心に載置されて融着切欠き120から底面まで延びているマーカー126により、上位棘突起と下位棘突起の間の線をX線透視画面上で見ることが出来るようになる。マーカー128は棘突起間の空隙で上位棘突起の側と下位棘突起の側とにそれぞれ設置されるべきである。適切に設置された場合には、両マーカー128の間に仮想線を引いて、この線をマーカー126をそこまで延長した仮想線と結べば、上下逆さまのT字が形成されることになる。側面からは、棘突起間の空隙に在るスペーサ112の深さを検証することができる。マーカー126はスペーサ112の後面113に沿って延びている。マーカー128の一方または両方が側面115において後面113の付近に設置されるとよい。一実施形態では、一方のマーカー128は後面113の付近に設置され、もう一方のマーカー128は前面114の付近に設置される。外科手術中に撮像された側面X線透視図上では、マーカー126の位置とマーカー128の位置は棘突起の後端に関連して視認することができ、また、もっと前方の、スペーサ112を確保する椎骨部分の位置はそれほど前寄りでもなく、それほど後寄りでもない。適切に設置された場合には、両マーカー128の間に仮想線を引いて、その線をマーカー126をそこまで延長した仮想線と結べば、図31に例示されているように、裏側から見たL字が形成されることになる。
【0030】
スペーサ12およびスペーサ112に着脱自在に嵌合することができるようにした多様な好適な器具のいずれかを使うことで、本発明の脊椎装置10を脊椎の標的部位に導入することができる。好ましい実施形態では、挿入器具により、上位棘突起と下位棘突起の間にスペーサ12およびスペーサ112を迅速かつ直接かつ正確に設置することができるようになる。具体的な挿入器具は「輕部溶着のためのシステムおよび方法(System and Method for Cervical Fusion)」という名称の、本件と特許権者が同じである米国特許第6,923,814号に図示および記載されているが、この特許の内容は、ここに援用することにより、本件に十分に明示されているものとして、本明細書の一部を成すものであることを明言しておく。
【0031】
図21から図23は、スペーサ12およびスペーサ112と併用するための具体的な挿入器具200を例示している。挿入器具200は遠位端202に1対の突起204が設けられており、これらの寸法は挿入器具開口18、118a、118b、118cに嵌合するように設定されて、スペーサ12およびスペーサ112が挿入のために一時的に遠位端202に取り付けられた状態になるようにしている。図24に例示されているように、複数の挿入器具開口118aがスペーサ112の中心で横方向に整列し、スペーサ112および挿入器具200がスペーサのほぼ中心点で結合するように図っている。このような構成な、棘突起間の空隙に真後ろの進入路から接近する場合には有利となる。図23に例示されているように、複数の挿入器具開口118b(開口118aも)が、スペーサ112の側面付近で垂直方向に整列している。このような構成は、より側面方向から接近する場合には有利である。
【0032】
脊椎狭窄症を治療するにあたり本発明の脊椎装置10を使用するために、医者はまず第一にスペーサ12、112の適切な寸法を指定しなければならない。医者は、切開脊椎融着処置または観血を最小限に抑えた脊椎融着処置のいずれでも、脊椎装置10を利用することができる。いずれのタイプの処置においても、標的脊椎レベルに到達するように、作用チャネルが患者に設けられる。作業チャネルを設けた後で、棘突起間の空隙が準備される。その準備が終わると、寸法測定器を使って、スペーサ12およびスペーサ112の適切な寸法を測る。具体的な寸法測定器300の一例が図24から図27に示されているが、これは例示にすぎない。寸法測定器300はハンドル部302と移植片部304を有している。ハンドル部302は好適であればどんな多様な形状および寸法に構成されてもよい。移植片部304はスペーサ112の多様な寸法に一致する寸法で供与されるとよい。図示されているように、寸法測定器は非対称形状であることが分かるが、この場合、ハンドル302の反対側の高さは、ハンドル302が取り付けられている側の高さよりも低い。これにより、移植片部304は移植片部304を適所に回転させるのに、棘突起からの干渉が最小限で済ますことができる。図示されていないが、スペーサ112も非対称の形態で供与されてもよいことが分かる。
【0033】
棘突起間の間隙を準備する段階には、上位棘突起と下位棘突起の間の棘突起間の靭帯に孔を穿つ段階を含んでいる。必要に応じて、棘上靭帯は手をつけないまま邪魔にならないところに移転されるのが好ましい。このような準備の決め手となる部分には、上位棘突起の下位部分を剥奪する段階が含まれており、この場合、この下位部分は主要チャンバー16、116に詰め込まれた融着誘発物質32と連絡状態になる。剥奪段階で上位棘突起の下位表面から硬い皮質骨が除去され、出血する骨を残すが、このような出血する骨の方が融着には適している。新生骨は、剥奪された部分を治癒するために発生するにつれて、主要チャンバー16、116の中まで成長し、スペーサ12、112を上位棘突起に固定する。
【0034】
上述の一実施形態では、繋留紐14、15を繋留紐管腔22、122に通して棘突起に固着させることで、スペーサ12およびスペーサ112は適所に保持される。図28および図29に単なる具体例として例示されている代替の実施形態によれば、スペーサ12、112を適所に固定するのに、代替の固定機構が使われる。この代替の固定機構はジップケーブル400、および、1対のロック用ベース402、404を備えている。ベース402はケーブル400と一体にするとよい。ベース402はスペーサ12、112の頂面上で融着切欠き20、120に隣接して設置されているとともに、繋留紐管腔22、122を介してスペーサ12、112に固定されている。ベース402は繋留紐管腔22、122を覆うように設置され、また、ロックピン406がベースを通して繋留紐管腔22、122の中に挿入されている。この段階は、融着切欠き20、120の反対側でもベース404に対して繰返し施される。両ベースが適所に置かれ、更に、スペーサ12、112が棘突起と棘突起の間に設置するのが完了すると、ジップケーブル400が上位棘突起の周囲に巻きつけられて、対向する側のベース404を通して送られてくる。ケーブル400に設けられた歯408はケーブル400が緩むのを防いでおり、従って、融着が起こるようにスペーサ12、122を適所に保持している。多様な好適な物質のいずれかを使ってジップケーブル400、ベース402、404、および、ロックピン406を形成することができる。一実施形態では、ケーブル400およびベース402、404はナイロンから構成されており、ロックピン406はチタンから構成されている。
【0035】
棘突起と棘突起の間の準備ができた空間にスペーサ12、112が位置決めされて挿入されると、スペーサは強制的に棘突起を互いから離隔させる。棘突起が強制的に離隔されると、脊椎は撓み、脊椎が撓むと、神経孔および脊柱管が拡大させられる。脊椎装置10は脊柱を撓んだ位置に保持しながら、同時に、脊柱の張りを防止するが、撓むことができるようにするのが有利である。
【0036】
本発明には多様な修正が施せるとともに別な形態で代用することができるが、本発明の特定の実施形態を図面で具体例として例示するとともに本明細書中で詳細に説明してきた。しかしながら、本明細書における特定の実施形態の説明は本発明を開示された特定の形式に制限するよう意図されてはおらず、むしろ、添付の特許請求の範囲に限定されているような発明の真髄および精神の羽仁に入る修正例、均等物、および、代替例の全てを包含するものであると解釈するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態による棘突起間スペーサが被検体脊椎の上位棘突起に固着されて使用されているのを例示した斜視図である。
【図2】図1に例示されている本発明の棘突起間スペーサの斜視図である。
【図3】図1に例示されているような本発明の棘突起間スペーサの側面図である。
【図4】図1に例示されているような本発明の棘突起間スペーサの正面図である。
【図5】図1に例示されているような本発明による棘突起間スペーサの頂面図である。
【図6】図5の線A−Aに沿って破断された本発明の棘突起間スペーサの断面図である。
【図7】本発明の一観点により、図1に例示されている棘突起間スペーサの融着促進物質が内側管腔の内部に配置されているのを例示した斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による棘突起間スペーサを例示した斜視図である。
【図9】図8に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した側面図である。
【図10】図8および図9に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した端面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態による棘突起間スペーサが被検体脊椎の上位棘突起に固着されて使用されているのを例示した斜視図である。
【図12】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサが2本の棘突起の間の適所に在るのを例示した正面図である。
【図13】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサが2本の棘突起の間の適所に在るのを例示した側面図である。
【図14】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサが2本の棘突起の間の適所に在ると同時に、融着誘発物質が内部に詰まっているのを例示した側面図である。
【図15】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した正面図である。
【図16】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した頂面図である。
【図17】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した背面図である。
【図18】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した底面図である。
【図19】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサを例示した側面図である。
【図20】図11に例示されているような本発明による棘突起間スペーサが視覚化マーカーを備えているのを例示した斜視図である。
【図21】本発明の一実施形態により、具体的な挿入器具が図11の棘突起間スペーサと併用されているのを例示した図である。
【図22】本発明の一実施形態により、具体的な挿入器具が図11の棘突起間スペーサと併用されているのを例示した図である。
【図23】本発明の一実施形態により、具体的な挿入器具が図11の棘突起間スペーサと併用されているのを例示した図である。
【図24】本発明の一実施形態により、図11に例示されているような棘突起間スペーサの移植時に使用するための具体的な寸法測定器を例示した図である。
【図25】本発明の一実施形態により、図11に例示されているような棘突起間スペーサの移植時に使用するための具体的な寸法測定器を例示した図である。
【図26】本発明の一実施形態により、図11に例示されているような棘突起間スペーサの移植時に使用するための具体的な寸法測定器を例示した図である。
【図27】本発明の一実施形態により、図11に例示されているような棘突起間スペーサの移植時に使用するための具体的な寸法測定器を例示した図である。
【図28】本発明の代替の実施形態により、図11に例示されている棘突起間スペーサと併用するための代替の取付け装置を例示した図である。
【図29】本発明の代替の実施形態により、図11に例示されている棘突起間スペーサと併用するための代替の取付け装置を例示した図である。
【図30】図11の棘突起間スペーサの実装中に撮像された背位X線透視図が複数マーカーが整列したのを(T字編成を含む)実証して設置を支援しているのを例示した図である。
【図31】図11の棘突起間スペーサの実装中に撮像された測位X線透視図が複数マーカーの位置(裏側から見た場合のL字編成を含む)を実証して設置を支援しているのを例示した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎狭窄症を治療する方法であって、
上位棘突起と下位棘突起の間に位置する棘突起間の空隙に接近する段階と、
上位棘突起の一部を剥奪する段階と、
棘突起間の空隙に移植片を挿入する段階と、
上位棘突起に移植片を接続する段階と、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記移植片には少なくとも1個の開口が設けられて、骨が移植片の中まで成長することができるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移植片は前記少なくとも1個の開口と連絡状態にある内部チャンバーを有しており、前記方法は、前記棘突起に移植片を接続する前と後のどちらか一方の時点で、前記チャンバーに融着誘発物質を詰める段階を更に含んでいる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記融着誘発物質は骨形態発生蛋白質、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアペタイト、珊瑚などのうちのいずれか1種類を含んでいることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1個の開口は、前記上位棘突起に接触するように設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記移植片には、挿入器具を連結して着脱自在に取り付けるための開口が設けられており、前記方法は、前記移植片を挿入する前に前記挿入器具を移植片に固着する段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記挿入器具には、1対の突起部が設けられており、前記突起部は、前記突起部を受け入れる寸法に設定された1対の挿入開口と嵌合することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記移植片には、少なくとも2対の開口が設けられて前記挿入器具と嵌合するようになっており、前記方法は、どの対の開口が嵌合するかを選択する段階を更に含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記移植片は、繋留紐、ネジ、クランプ、ジップケーブルなどのうちの少なくとも1つで上位棘突起に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記繋留紐は、ワイヤ、ケーブル、縫合糸、同種異系移植片組織などのうちの1つであることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記移植片には前記繋留紐を受け入れる寸法に設定された少なくとも1個の開口が設けられており、前記方法は、繋留紐を受け入れる寸法に設定された前記少なくとも1個の開口に繋留紐を通して上位棘突起に結びつける段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ジップケーブルが使用され、前記方法は、前記移植片を挿入する前および後のうち少なくとも一方の時点で移植片に前記ジップケーブルを固着する段階と、上位棘突起の周囲にジップケーブルを巻きつける段階と、上位棘突起の反対側の前記移植片に固定されているベースの中を通してジップケーブルを送る段階とを更に含んでいることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記移植片には、骨が移植片の中まで成長することができるようにするための主要開口と、骨が移植片の中まで成長することができるようにした少なくとも1個の二次開口とが設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記移植片には上位棘突起の一部を受け入れる寸法に設定された切欠きが設けられており、前記方法は、前記移植片を挿入する間、上位棘突起の部分の寸法と型の一方または両方を決める段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
骨が移植片の中まで成長することができるようにするための前記少なくとも1個の開口は前記切欠きの内側に設置されていることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記移植片の底面には二次切欠きが設置されており、前記二次切欠きが上位棘突起と相互作用することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記移植片は非骨物質から作成されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記移植片は、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンのうちの一方から作成されていることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記移植片には少なくとも1個の放射線不透過性マーカーが設けられており、前記方法は、前記移植片の挿入中および挿入後のうちの一方の時点で、前記マーカー素子を見るための画像化技術を利用してマーカー素子が適切に整列していることを確保する段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記マーカーは前記移植片の中心で前後方向に設置され、前記方法は、マーカーの頂面部を上位棘突起と整列させる段階と、マーカーの底面部を下位棘突起と整列させる段階とを更に含んでいることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記移植片の両側に付加的なマーカーが設置され、前記方法は、付加的なマーカーが棘突起の両側に置かれるように移植片を設置する段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
棘突起の両側の前記付加的なマーカーのうちの少なくとも一方は前記移植片の前面に設置され、前記方法は、移植片が脊柱管に近過ぎる位置に設置されないようにすることを確実にする段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
脊椎狭窄症を治療するシステムであって、
上位棘突起と下位棘突起の間で嵌合する寸法に設定されて、上位棘突起に容易に融着するような構成にされているとともに、下位棘突起に融着するのを阻むような構成にされている移植片と、
繋留紐、ネジ、クランプ、ジップケーブルなどのうちの少なくとも1つであって、前記移植片を上位棘突起に接続するようにしたものを備えている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項24】
前記移植片には少なくとも1個の開口が設けられており、骨が移植片の中まで成長することができるようにしたことを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記移植片は少なくとも1個の開口と連絡状態にある内部チャンバーを有しており、チャンバーは、移植片を棘突起に接続する前と、移植片を棘突起に接続した後のうちの一方の時点で、融着誘発物質を受け入れ寸法に設定されていることを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記融着誘発物質は骨形態発生蛋白質、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアペタイト、珊瑚などのうちのいずれか1種類を含んでいることを特徴とする、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1個の開口は、前記上位棘突起に接触するように設置されていることを特徴とする、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記移植片には挿入器具を着脱自在に取り付けるための開口が設けられていることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
前記挿入器具には1対の突起部が設けられており、前記突起部は、前記突起部を受け入れる寸法に設定された1対の挿入開口と嵌合することを特徴とする、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記移植片には、少なくとも2対の開口が設けられて、前記挿入器具と複数の互いに異なる配向で嵌合するようになっていることを特徴とする、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記繋留紐は、ワイヤ、ケーブル、縫合糸、同種異系移植片組織などのうちの1つであることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項32】
前記移植片には、前記繋留紐を受け入れる寸法に設定された少なくとも1個の開口が設けられており、前記方法は、繋留紐を受け入れる寸法に設定された前記少なくとも1個の開口に繋留紐を通して上位棘突起に結びつける段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項33】
ジップケーブルが使用され、ジップケーブルはケーブル、2個のベース、および、2個のロックピンを備えており、ケーブルは上位棘突起の周囲に巻きつくとともに、両方のベースに固定係合するような寸法に設定されていることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項34】
前記移植片には、骨が移植片の中まで成長することができるようにするための主要開口と、骨が移植片の中まで成長することができるようにした少なくとも1個の二次開口とが設けられていることを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項35】
前記移植片には、上位棘突起の一部を受け入れる寸法に設定された切欠きが設けられていることを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項36】
骨が移植片の中まで成長することができるようにするための前記少なくとも1個の開口は前記切欠きの内側に設置されていることを特徴とする、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記移植片の底面には、二次切欠きが設置されており、二次切欠きは、上位棘突起と嵌合する寸法に設定されていることを特徴とする、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記移植片は非骨物質から作成されていることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項39】
前記移植片は、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンのうちの一方から作成されていることを特徴とする、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記移植片には、画像化技術を利用して見ることができる、少なくとも1個の放射線不透過性マーカーが設けられていることを特徴とする、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
前記マーカーは、前記移植片の中心で前後方向に設置され、マーカーを上位棘突起の頂端部および下位棘突起部の頂端部と整列させることで適切な設置を確保することができることを特徴とする、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記移植片の両側に付加的なマーカーが設置され、両側の付加的なマーカーのうち少なくとも一方は移植片の前面に設置され、移植片の前面に置かれた片側の付加的マーカーは脊柱管に対して整列させることができることを特徴とする、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
脊椎狭窄症を治療する方法であって、
上位棘突起と下位棘突起の間に位置する棘突起間の空隙に接近する段階と、
上位棘突起および下位棘突起のうちの一方のみの一部を剥奪する段階と、
移植片を棘突起間の空隙に挿入する段階と、
剥奪処理された棘突起に移植片を接続する段階と、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項1】
脊椎狭窄症を治療する方法であって、
上位棘突起と下位棘突起の間に位置する棘突起間の空隙に接近する段階と、
上位棘突起の一部を剥奪する段階と、
棘突起間の空隙に移植片を挿入する段階と、
上位棘突起に移植片を接続する段階と、
を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記移植片には少なくとも1個の開口が設けられて、骨が移植片の中まで成長することができるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移植片は前記少なくとも1個の開口と連絡状態にある内部チャンバーを有しており、前記方法は、前記棘突起に移植片を接続する前と後のどちらか一方の時点で、前記チャンバーに融着誘発物質を詰める段階を更に含んでいる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記融着誘発物質は骨形態発生蛋白質、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアペタイト、珊瑚などのうちのいずれか1種類を含んでいることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1個の開口は、前記上位棘突起に接触するように設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記移植片には、挿入器具を連結して着脱自在に取り付けるための開口が設けられており、前記方法は、前記移植片を挿入する前に前記挿入器具を移植片に固着する段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記挿入器具には、1対の突起部が設けられており、前記突起部は、前記突起部を受け入れる寸法に設定された1対の挿入開口と嵌合することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記移植片には、少なくとも2対の開口が設けられて前記挿入器具と嵌合するようになっており、前記方法は、どの対の開口が嵌合するかを選択する段階を更に含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記移植片は、繋留紐、ネジ、クランプ、ジップケーブルなどのうちの少なくとも1つで上位棘突起に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記繋留紐は、ワイヤ、ケーブル、縫合糸、同種異系移植片組織などのうちの1つであることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記移植片には前記繋留紐を受け入れる寸法に設定された少なくとも1個の開口が設けられており、前記方法は、繋留紐を受け入れる寸法に設定された前記少なくとも1個の開口に繋留紐を通して上位棘突起に結びつける段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ジップケーブルが使用され、前記方法は、前記移植片を挿入する前および後のうち少なくとも一方の時点で移植片に前記ジップケーブルを固着する段階と、上位棘突起の周囲にジップケーブルを巻きつける段階と、上位棘突起の反対側の前記移植片に固定されているベースの中を通してジップケーブルを送る段階とを更に含んでいることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記移植片には、骨が移植片の中まで成長することができるようにするための主要開口と、骨が移植片の中まで成長することができるようにした少なくとも1個の二次開口とが設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記移植片には上位棘突起の一部を受け入れる寸法に設定された切欠きが設けられており、前記方法は、前記移植片を挿入する間、上位棘突起の部分の寸法と型の一方または両方を決める段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
骨が移植片の中まで成長することができるようにするための前記少なくとも1個の開口は前記切欠きの内側に設置されていることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記移植片の底面には二次切欠きが設置されており、前記二次切欠きが上位棘突起と相互作用することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記移植片は非骨物質から作成されていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記移植片は、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンのうちの一方から作成されていることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記移植片には少なくとも1個の放射線不透過性マーカーが設けられており、前記方法は、前記移植片の挿入中および挿入後のうちの一方の時点で、前記マーカー素子を見るための画像化技術を利用してマーカー素子が適切に整列していることを確保する段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記マーカーは前記移植片の中心で前後方向に設置され、前記方法は、マーカーの頂面部を上位棘突起と整列させる段階と、マーカーの底面部を下位棘突起と整列させる段階とを更に含んでいることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記移植片の両側に付加的なマーカーが設置され、前記方法は、付加的なマーカーが棘突起の両側に置かれるように移植片を設置する段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
棘突起の両側の前記付加的なマーカーのうちの少なくとも一方は前記移植片の前面に設置され、前記方法は、移植片が脊柱管に近過ぎる位置に設置されないようにすることを確実にする段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
脊椎狭窄症を治療するシステムであって、
上位棘突起と下位棘突起の間で嵌合する寸法に設定されて、上位棘突起に容易に融着するような構成にされているとともに、下位棘突起に融着するのを阻むような構成にされている移植片と、
繋留紐、ネジ、クランプ、ジップケーブルなどのうちの少なくとも1つであって、前記移植片を上位棘突起に接続するようにしたものを備えている、
ことを特徴とするシステム。
【請求項24】
前記移植片には少なくとも1個の開口が設けられており、骨が移植片の中まで成長することができるようにしたことを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記移植片は少なくとも1個の開口と連絡状態にある内部チャンバーを有しており、チャンバーは、移植片を棘突起に接続する前と、移植片を棘突起に接続した後のうちの一方の時点で、融着誘発物質を受け入れ寸法に設定されていることを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記融着誘発物質は骨形態発生蛋白質、脱鉱物処理された骨マトリクス、同種異系移植片海綿状骨、自家移植片骨、ハイドロキシアペタイト、珊瑚などのうちのいずれか1種類を含んでいることを特徴とする、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1個の開口は、前記上位棘突起に接触するように設置されていることを特徴とする、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記移植片には挿入器具を着脱自在に取り付けるための開口が設けられていることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項29】
前記挿入器具には1対の突起部が設けられており、前記突起部は、前記突起部を受け入れる寸法に設定された1対の挿入開口と嵌合することを特徴とする、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記移植片には、少なくとも2対の開口が設けられて、前記挿入器具と複数の互いに異なる配向で嵌合するようになっていることを特徴とする、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記繋留紐は、ワイヤ、ケーブル、縫合糸、同種異系移植片組織などのうちの1つであることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項32】
前記移植片には、前記繋留紐を受け入れる寸法に設定された少なくとも1個の開口が設けられており、前記方法は、繋留紐を受け入れる寸法に設定された前記少なくとも1個の開口に繋留紐を通して上位棘突起に結びつける段階を更に含んでいることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項33】
ジップケーブルが使用され、ジップケーブルはケーブル、2個のベース、および、2個のロックピンを備えており、ケーブルは上位棘突起の周囲に巻きつくとともに、両方のベースに固定係合するような寸法に設定されていることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項34】
前記移植片には、骨が移植片の中まで成長することができるようにするための主要開口と、骨が移植片の中まで成長することができるようにした少なくとも1個の二次開口とが設けられていることを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項35】
前記移植片には、上位棘突起の一部を受け入れる寸法に設定された切欠きが設けられていることを特徴とする、請求項24に記載のシステム。
【請求項36】
骨が移植片の中まで成長することができるようにするための前記少なくとも1個の開口は前記切欠きの内側に設置されていることを特徴とする、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記移植片の底面には、二次切欠きが設置されており、二次切欠きは、上位棘突起と嵌合する寸法に設定されていることを特徴とする、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記移植片は非骨物質から作成されていることを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項39】
前記移植片は、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルケトンケトンのうちの一方から作成されていることを特徴とする、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記移植片には、画像化技術を利用して見ることができる、少なくとも1個の放射線不透過性マーカーが設けられていることを特徴とする、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
前記マーカーは、前記移植片の中心で前後方向に設置され、マーカーを上位棘突起の頂端部および下位棘突起部の頂端部と整列させることで適切な設置を確保することができることを特徴とする、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記移植片の両側に付加的なマーカーが設置され、両側の付加的なマーカーのうち少なくとも一方は移植片の前面に設置され、移植片の前面に置かれた片側の付加的マーカーは脊柱管に対して整列させることができることを特徴とする、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
脊椎狭窄症を治療する方法であって、
上位棘突起と下位棘突起の間に位置する棘突起間の空隙に接近する段階と、
上位棘突起および下位棘突起のうちの一方のみの一部を剥奪する段階と、
移植片を棘突起間の空隙に挿入する段階と、
剥奪処理された棘突起に移植片を接続する段階と、
を含んでいることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
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【図4】
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【図8】
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【図14】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2008−100079(P2008−100079A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−279595(P2007−279595)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(506042058)ヌヴァシヴ インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279595(P2007−279595)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(506042058)ヌヴァシヴ インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
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