脚式移動ロボットの外力目標生成装置
【課題】複数の接触対象面からロボットに外力が作用する状況でロボットの運動を行いながら、ロボットに作用させるべき外力に関する目標を効率よく適切に決定する。
【解決手段】ロボット1の動作環境の複数の接触対象面FL,WL1,WL2を仮想面S3a,S2a,S2bで近似し、ロボット1の並進運動に係わる補償総並進外力を実現するために、仮想面S3a,S2a,S2bからロボット1に作用させるべき並進力(仮想面必要並進力)の暫定値を決定する。さらに、ロボット1の回転運動に係わる補償総モーメント外力を実現するために、仮想面必要並進力の暫定値と組み合わせるモーメント補償量を決定し、この仮想面必要並進力の暫定値とモーメント補償量との組に基づいて各接触対象面からロボット1に対する目標外力及び目標外力作用点を決定する。
【解決手段】ロボット1の動作環境の複数の接触対象面FL,WL1,WL2を仮想面S3a,S2a,S2bで近似し、ロボット1の並進運動に係わる補償総並進外力を実現するために、仮想面S3a,S2a,S2bからロボット1に作用させるべき並進力(仮想面必要並進力)の暫定値を決定する。さらに、ロボット1の回転運動に係わる補償総モーメント外力を実現するために、仮想面必要並進力の暫定値と組み合わせるモーメント補償量を決定し、この仮想面必要並進力の暫定値とモーメント補償量との組に基づいて各接触対象面からロボット1に対する目標外力及び目標外力作用点を決定する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚式移動ロボットの動作環境に存する互いに異なる複数の接触対象面に該ロボットの複数の部位を接触させながら、該ロボットの運動を行なわせるための該ロボットの目標運動に該ロボットの実際の運動を追従させるように該ロボットの動作制御を行っている状態で、該ロボットに作用させるべき外力に関する目標を逐次生成する外力目標生成装置であって、
相互の姿勢関係があらかじめ定められた複数の仮想面から成る仮想面群を用い、該仮想面群の複数の仮想面が前記複数の接触対象面に一致又は近似する面になるように、該仮想面群を前記ロボットの動作環境の空間に仮想的に設定する仮想面群設定手段と、
前記目標運動に基づいて、該目標運動を実現するために前記ロボットに作用させるべきトータルの外力のうちの並進力成分である基本必要総並進外力と、該トータルの外力のうちの前記仮想面群に対して固定された所定の基準点周りでのモーメント成分である基本必要総モーメント外力とを決定する基本必要総外力決定手段と、
前記ロボットの所定の第1運動状態量の観測値と、前記目標運動における該第1運動状態量の目標値との偏差である第1運動状態量偏差を逐次算出し、該第1運動状態量偏差に基づいて、該第1運動状態量偏差を“0”に近づけるために前記ロボットに付加的に作用させるべき並進力である並進外力補償量を決定する並進外力補償量決定手段と、
前記ロボットの所定の第2運動状態量の観測値と、前記目標運動における該第2運動状態量の目標値との偏差である第2運動状態量偏差を逐次算出し、該第2運動状態量偏差に基づいて、該第2運動状態量偏差を“0”に近づけるために前記ロボットに付加的に作用させるべき前記基準点周りのモーメントであるモーメント外力補償量を決定するモーメント外力補償量決定手段と、
前記決定された基本必要総並進外力に前記決定された並進外力補償量を付加してなる補償総並進外力を実現するために前記仮想面群の複数の仮想面のそれぞれから前記ロボットに作用させるべき並進力である仮想面必要並進力の暫定値を決定する手段であり、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面必要並進力の合力が前記決定された補償総並進外力に一致するという第1必要条件と、各仮想面における仮想面必要並進力のうちの該仮想面に垂直な成分である仮想面垂直抗力成分と該仮想面に平行な成分である仮想面摩擦力成分とに関して、該仮想面摩擦力成分の大きさが、少なくとも該仮想面垂直抗力成分に応じて設定された第1所定値以下になるという第2必要条件とを少なくとも満足するように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定する暫定仮想面必要並進力決定手段と、
前記決定された各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値が、該仮想面に対応する前記接触対象面上に暫定的に設定された外力作用点である暫定外力作用点を該仮想面に投影してなる点である仮想面上暫定外力作用点に作用するものとして、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面必要並進力によって前記所定の基準点周りに発生するトータルのモーメントである仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値を算出する暫定仮想面必要並進力依存モーメント算出手段と、
前記決定された基本必要総モーメント外力に前記決定されたモーメント外力補償量を付加してなる補償総モーメント外力と前記算出された仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値との偏差であるモーメント偏差を算出し、該モーメント偏差を解消するための補償量として、1つ以上の前記仮想面上暫定外力作用点の修正量から成り、該修正量による修正後の各仮想面上暫定外力作用点が、該仮想面上暫定外力作用点が存在する仮想面に対応する前記接触対象面に設定された外力作用点存在許容領域を該仮想面に投影してなる仮想面上外力作用点許容領域に存するという外力作用点存在領域条件を満足する第1補償量と、2つ以上の前記仮想面における仮想面摩擦力成分の修正量から成り、該修正量の総和が“0”になる第2補償量と、1つ以上の前記仮想面に垂直な方向の軸周りで該仮想面からロボットに付加的に作用させるねじり力から成る第3補償量とのうちの少なくともいずれか1つを含むモーメント補償量を、前記モーメント偏差を用いて決定するモーメント補償量決定手段と、
少なくとも前記各仮想面に対応して決定された前記仮想面必要並進力の暫定値と前記決定されたモーメント補償量とに基づき、各仮想面に対応する接触対象面からロボットに作用させるべき目標外力と該目標外力の作用点の目標位置である目標外力作用点とを決定し、その決定した目標外力及び目標外力作用点を前記外力に関する目標の構成要素として出力する接触対象面目標外力・作用点決定手段とを備えることを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記第1必要条件を満足するために、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分の合力が、前記補償総並進外力のうちの、前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分を除く成分に一致するという第1A必要条件と、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面摩擦力成分の合力が、前記補償総並進外力のうちの、前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分に一致するという第1B必要条件とを満足するように、前記各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項3】
請求項2記載の脚式移動ロボットの歩容生成装置において、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記補償総並進外力のうちの前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分が“0”でない場合において、前記第1A必要条件、前記第1B必要条件及び第2必要条件を満足しつつ、前記仮想面群の複数の仮想面のうちの前記仮想面垂直抗力成分が“0”でない各仮想面において、該仮想面に対応して設定された前記第1所定値が大きいほど、該仮想面の仮想面摩擦力成分の大きさが大きくなるように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記複数の接触対象面は、互いに間隔を存して対向する2つの接触対象面を含むと共に、前記仮想面群は、当該2つの接触対象面に対応する仮想面として、互いに平行に対向する2つの仮想面である対向仮想面を含んでおり、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記補償総並進外力が前記2つの対向仮想面と直交する方向の成分である対向仮想面直交成分を有する場合に、前記第1必要条件及び第2必要条件を満足することに加えて、前記2つの対向仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分のうち、小さい方の仮想面垂直抗力成分の大きさがあらかじめ設定された第2所定値以下になるという第3必要条件を満足するように、各仮想面における前記仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記モーメント補償量決定手段は、前記モーメント偏差を低減し得る前記第1補償量を、前記外力作用点存在領域条件を満足し得る範囲内で該モーメント偏差に応じて決定する第1処理手段と、前記決定された第1補償量により前記モーメント偏差の全体を解消できない場合に、前記モーメント偏差から、前記決定された第1補償量により解消される偏差成分を除いた偏差成分である残偏差成分を算出する第2処理手段と、該残偏差成分に応じて、該残偏差成分を解消するように前記第2補償量及び第3補償量の両方又は一方を決定する第3処理手段とを備えることを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項6】
請求項5記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記複数の接触対象面は、互いに間隔を存して対向する2つの接触対象面を含むと共に、前記仮想面群は、当該2つの接触対象面に対応する仮想面として、互いに平行に対向する2つの仮想面である対向仮想面を含んでおり、
前記第3処理手段が決定するモーメント補償量には、前記第2補償量が含まれ、
該第3処理手段により前記第2補償量が決定された後、前記仮想面群の複数の仮想面のうち、前記決定された第2補償量による仮想面摩擦力成分の修正を行なう各仮想面において、該第2補償量による修正後の仮想面摩擦力成分の暫定値が、前記第2必要条件を満足するか否かを判断する第1判断手段と、
該第1判断手段の判断結果が否定的となる仮想面が存在し、且つ、当該否定的となる仮想面が前記2つの対向仮想面のうちの1つの仮想面である場合において、少なくとも前記第1必要条件を満足し、且つ、当該否定的となる仮想面を含む前記2つの対向仮想面における仮想面垂直抗力成分の大きさが前記決定された仮想面必要並進力の暫定値における仮想面垂直抗力成分よりも大きくなるように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を再決定する暫定仮想面必要並進力再決定手段とを備え、
該暫定仮想面必要並進力再決定手段による仮想面必要並進力の暫定値の再決定が行なわれた場合に、前記暫定仮想面必要並進力依存モーメント算出手段は、前記再決定された仮想面必要並進力の暫定値と前記第1処理手段により決定された第1補償量による修正後の仮想面上暫定外力作用点とを用いて前記仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値を改めて算出し、前記モーメント補償量決定手段は、前記補償総モーメント外力と前記改めて算出された仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値とから改めて算出した前記モーメント偏差を用いて、前記モーメント補償量を決定する処理を改めて実行することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項7】
請求項5記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記複数の接触対象面は、互いに間隔を存して対向する2つの接触対象面を含むと共に、前記仮想面群は、当該2つの接触対象面に対応する仮想面として、互いに平行に対向する2つの仮想面である対向仮想面を含んでおり、
前記第3処理手段が決定するモーメント補償量には、前記第3補償量が含まれ、
該第3処理手段により前記第3補償量が決定された後、前記仮想面群の複数の仮想面のうち、前記決定された第3補償量により前記ねじり力を付加する各仮想面において、該第3補償量により該仮想面に付加されるねじり力の大きさが、少なくとも該仮想面における前記決定された仮想面必要並進力の暫定値の仮想面垂直抗力成分に応じて設定された第3所定値以下になるという第4必要条件を満足するか否かを判断する第2判断手段と、
該第2判断手段の判断結果が否定的となる仮想面が存在し、且つ、当該否定的となる仮想面が前記2つの対向仮想面のうちの1つの仮想面である場合において、少なくとも前記第1必要条件を満足し、且つ、当該否定的となる仮想面を含む前記2つの対向仮想面における仮想面垂直抗力成分の大きさが前記決定された仮想面必要並進力の暫定値の仮想面垂直抗力成分よりも大きくなるように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を再決定する暫定仮想面必要並進力再決定手段とを備え、
該暫定仮想面必要並進力再決定手段による仮想面必要並進力の暫定値の再決定が行なわれた場合に、前記暫定仮想面必要並進力依存モーメント算出手段は、前記再決定された仮想面必要並進力の暫定値と前記第1処理手段により決定された第1補償量による修正後の仮想面上暫定外力作用点とを用いて前記仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値を改めて算出し、前記モーメント補償量決定手段は、前記補償総モーメント外力と前記改めて算出された仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値とから改めて算出した前記モーメント偏差を用いて、前記モーメント補償量を決定する処理を改めて実行することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項8】
脚式移動ロボットの動作環境に存する互いに異なる複数の接触対象面であり、互いに間隔を存して対向する2つの接触対象面を含む複数の接触対象面に該ロボットの複数の部位を接触させながら、該ロボットの運動を行なわせるための該ロボットの目標運動に該ロボットの実際の運動を追従させるように該ロボットの動作制御を行っている状態で、該ロボットに作用させるべき外力に関する目標を逐次生成する外力目標生成装置であって、
前記ロボットの目標運動と前記複数の接触対象面のそれぞれから前記ロボットに作用する外力の作用点の各接触対象面での目標位置の暫定値である暫定外力作用点とを生成する歩容基本要素生成手段と、
相互の姿勢関係があらかじめ定められた複数の仮想面から成ると共に、互いに平行に対向する2つの仮想面である対向仮想面を含む仮想面群を用い、該仮想面群の複数の仮想面が前記複数の接触対象面に一致又は近似する面になり、且つ、前記2つの対向仮想面が前記互いに間隔を存して対向する2つの接触対象面に対応する仮想面となるように、該仮想面群をロボットの動作環境の空間に仮想的に設定する仮想面群設定手段と、
前記目標運動に基づいて、該目標運動を実現するために前記ロボットに作用させるべきトータルの外力のうちの並進力成分である基本必要総並進外力と、該トータルの外力のうちの前記仮想面群に対して固定された所定の基準点周りでのモーメント成分である基本必要総モーメント外力とを決定する基本必要総外力決定手段と、
前記ロボットの所定の第1運動状態量の観測値と、前記目標運動における該第1運動状態量の目標値との偏差である第1運動状態量偏差を逐次算出し、該第1運動状態量偏差に基づいて、該第1運動状態量偏差を“0”に近づけるために前記ロボットに付加的に作用させるべき並進力である並進外力補償量を決定する並進外力補償量決定手段と、
前記ロボットの所定の第2運動状態量の観測値と、前記目標運動における該第2運動状態量の目標値との偏差である第2運動状態量偏差を逐次算出し、該第2運動状態量偏差に基づいて、該第2運動状態量偏差を“0”に近づけるために前記ロボットに付加的に作用させるべき前記基準点周りのモーメントであるモーメント外力補償量を決定するモーメント外力補償量決定手段と、
前記決定された基本必要総並進外力に前記決定された並進外力補償量を付加してなる補償総並進外力を実現するために前記仮想面群の複数の仮想面のそれぞれから前記ロボットに作用させるべき並進力である仮想面必要並進力の暫定値を決定する手段であり、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面必要並進力の合力が前記決定された補償総並進外力に一致するという第1必要条件と、各仮想面における仮想面必要並進力のうちの該仮想面に垂直な成分である仮想面垂直抗力成分と該仮想面に平行な成分である仮想面摩擦力成分とに関して、該仮想面摩擦力成分の大きさが、少なくとも該仮想面垂直抗力成分に応じて設定された第1所定値以下になるという第2必要条件とを少なくとも満足するように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定する暫定仮想面必要並進力決定手段と、
前記決定された各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値が、該仮想面に対応する前記接触対象面上に暫定的に設定された外力作用点である暫定外力作用点を該仮想面に投影してなる点である仮想面上暫定外力作用点に作用するものとして、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面必要並進力によって前記所定の基準点周りに発生するトータルのモーメントである仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値を算出する暫定仮想面必要並進力依存モーメント算出手段と、
前記決定された基本必要総モーメント外力に前記決定されたモーメント外力補償量を付加してなる補償総モーメント外力と前記算出された仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値との偏差であるモーメント偏差を算出し、該モーメント偏差を解消するための補償量として、1つ以上の前記仮想面上暫定外力作用点の修正量から成り、該修正量による修正後の各仮想面上暫定外力作用点が、該仮想面上暫定外力作用点が存在する仮想面に対応する前記接触対象面に設定された外力作用点存在許容領域を該仮想面に投影してなる仮想面上外力作用点許容領域に存するという外力作用点存在領域条件を満足する第1補償量と、2つ以上の前記仮想面における仮想面摩擦力成分の修正量から成り、該修正量の総和が“0”になる第2補償量と、1つ以上の前記仮想面に垂直な方向の軸周りで該仮想面からロボットに付加的に作用させるねじり力から成る第3補償量と、前記2つの対向仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分の総和を一定に保持しつつ、該対向仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分の大きさを互いに同じ量だけ修正する修正量である第4補償量とのうちの少なくともいずれか1つを含むモーメント補償量を、前記モーメント偏差を用いて決定するモーメント補償量決定手段と、
少なくとも前記各仮想面に対応して決定された前記仮想面必要並進力の暫定値と前記決定されたモーメント補償量とに基づき、各仮想面に対応する接触対象面からロボットに作用させるべき目標外力と該目標外力の作用点の目標位置である目標外力作用点とを決定し、その決定した目標外力及び目標外力作用点を前記外力に関する目標の構成要素として出力する接触対象面目標外力・作用点決定手段とを備えることを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項9】
請求項1記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記第1必要条件を満足するために、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分の合力が、前記補償総並進外力のうちの、前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分を除く成分に一致するという第1A必要条件と、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面摩擦力成分の合力が、前記補償総並進外力のうちの、前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分に一致するという第1B必要条件とを満足するように、前記各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項10】
請求項9記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記補償総並進外力のうちの前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分が“0”でない場合において、前記第1A必要条件、前記第1B必要条件及び第2必要条件を満足しつつ、前記仮想面群の複数の仮想面のうちの前記仮想面垂直抗力成分が“0”でない各仮想面において、該仮想面に対応して設定された前記第1所定値が大きいほど、該仮想面の仮想面摩擦力成分の大きさが大きくなるように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記補償総並進外力が前記2つの対向仮想面と直交する方向の成分である対向仮想面直交成分を有する場合に、前記第1必要条件及び第2必要条件を満足することに加えて、前記2つの対向仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分のうち、小さい方の仮想面垂直抗力成分の大きさがあらかじめ設定された第2所定値以下になるという第3必要条件を満足するように、各仮想面における前記仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記モーメント補償量決定手段は、前記モーメント偏差を低減し得る前記第1補償量を、前記外力作用点存在領域条件を満足し得る範囲内で該モーメント偏差に応じて決定する第1処理手段と、前記決定された第1補償量により前記モーメント偏差の全体を解消できない場合に、前記モーメント偏差から、前記決定された第1補償量により解消される偏差成分を除いた偏差成分である残偏差成分を算出する第2処理手段と、該残偏差成分に応じて、該残偏差成分を解消するように前記第2補償量と第3補償量と第4補償量とのうちの少なくとも1つの補償量を決定する第3処理手段とを備えることを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項1】
脚式移動ロボットの動作環境に存する互いに異なる複数の接触対象面に該ロボットの複数の部位を接触させながら、該ロボットの運動を行なわせるための該ロボットの目標運動に該ロボットの実際の運動を追従させるように該ロボットの動作制御を行っている状態で、該ロボットに作用させるべき外力に関する目標を逐次生成する外力目標生成装置であって、
相互の姿勢関係があらかじめ定められた複数の仮想面から成る仮想面群を用い、該仮想面群の複数の仮想面が前記複数の接触対象面に一致又は近似する面になるように、該仮想面群を前記ロボットの動作環境の空間に仮想的に設定する仮想面群設定手段と、
前記目標運動に基づいて、該目標運動を実現するために前記ロボットに作用させるべきトータルの外力のうちの並進力成分である基本必要総並進外力と、該トータルの外力のうちの前記仮想面群に対して固定された所定の基準点周りでのモーメント成分である基本必要総モーメント外力とを決定する基本必要総外力決定手段と、
前記ロボットの所定の第1運動状態量の観測値と、前記目標運動における該第1運動状態量の目標値との偏差である第1運動状態量偏差を逐次算出し、該第1運動状態量偏差に基づいて、該第1運動状態量偏差を“0”に近づけるために前記ロボットに付加的に作用させるべき並進力である並進外力補償量を決定する並進外力補償量決定手段と、
前記ロボットの所定の第2運動状態量の観測値と、前記目標運動における該第2運動状態量の目標値との偏差である第2運動状態量偏差を逐次算出し、該第2運動状態量偏差に基づいて、該第2運動状態量偏差を“0”に近づけるために前記ロボットに付加的に作用させるべき前記基準点周りのモーメントであるモーメント外力補償量を決定するモーメント外力補償量決定手段と、
前記決定された基本必要総並進外力に前記決定された並進外力補償量を付加してなる補償総並進外力を実現するために前記仮想面群の複数の仮想面のそれぞれから前記ロボットに作用させるべき並進力である仮想面必要並進力の暫定値を決定する手段であり、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面必要並進力の合力が前記決定された補償総並進外力に一致するという第1必要条件と、各仮想面における仮想面必要並進力のうちの該仮想面に垂直な成分である仮想面垂直抗力成分と該仮想面に平行な成分である仮想面摩擦力成分とに関して、該仮想面摩擦力成分の大きさが、少なくとも該仮想面垂直抗力成分に応じて設定された第1所定値以下になるという第2必要条件とを少なくとも満足するように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定する暫定仮想面必要並進力決定手段と、
前記決定された各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値が、該仮想面に対応する前記接触対象面上に暫定的に設定された外力作用点である暫定外力作用点を該仮想面に投影してなる点である仮想面上暫定外力作用点に作用するものとして、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面必要並進力によって前記所定の基準点周りに発生するトータルのモーメントである仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値を算出する暫定仮想面必要並進力依存モーメント算出手段と、
前記決定された基本必要総モーメント外力に前記決定されたモーメント外力補償量を付加してなる補償総モーメント外力と前記算出された仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値との偏差であるモーメント偏差を算出し、該モーメント偏差を解消するための補償量として、1つ以上の前記仮想面上暫定外力作用点の修正量から成り、該修正量による修正後の各仮想面上暫定外力作用点が、該仮想面上暫定外力作用点が存在する仮想面に対応する前記接触対象面に設定された外力作用点存在許容領域を該仮想面に投影してなる仮想面上外力作用点許容領域に存するという外力作用点存在領域条件を満足する第1補償量と、2つ以上の前記仮想面における仮想面摩擦力成分の修正量から成り、該修正量の総和が“0”になる第2補償量と、1つ以上の前記仮想面に垂直な方向の軸周りで該仮想面からロボットに付加的に作用させるねじり力から成る第3補償量とのうちの少なくともいずれか1つを含むモーメント補償量を、前記モーメント偏差を用いて決定するモーメント補償量決定手段と、
少なくとも前記各仮想面に対応して決定された前記仮想面必要並進力の暫定値と前記決定されたモーメント補償量とに基づき、各仮想面に対応する接触対象面からロボットに作用させるべき目標外力と該目標外力の作用点の目標位置である目標外力作用点とを決定し、その決定した目標外力及び目標外力作用点を前記外力に関する目標の構成要素として出力する接触対象面目標外力・作用点決定手段とを備えることを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項2】
請求項1記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記第1必要条件を満足するために、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分の合力が、前記補償総並進外力のうちの、前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分を除く成分に一致するという第1A必要条件と、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面摩擦力成分の合力が、前記補償総並進外力のうちの、前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分に一致するという第1B必要条件とを満足するように、前記各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項3】
請求項2記載の脚式移動ロボットの歩容生成装置において、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記補償総並進外力のうちの前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分が“0”でない場合において、前記第1A必要条件、前記第1B必要条件及び第2必要条件を満足しつつ、前記仮想面群の複数の仮想面のうちの前記仮想面垂直抗力成分が“0”でない各仮想面において、該仮想面に対応して設定された前記第1所定値が大きいほど、該仮想面の仮想面摩擦力成分の大きさが大きくなるように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記複数の接触対象面は、互いに間隔を存して対向する2つの接触対象面を含むと共に、前記仮想面群は、当該2つの接触対象面に対応する仮想面として、互いに平行に対向する2つの仮想面である対向仮想面を含んでおり、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記補償総並進外力が前記2つの対向仮想面と直交する方向の成分である対向仮想面直交成分を有する場合に、前記第1必要条件及び第2必要条件を満足することに加えて、前記2つの対向仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分のうち、小さい方の仮想面垂直抗力成分の大きさがあらかじめ設定された第2所定値以下になるという第3必要条件を満足するように、各仮想面における前記仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記モーメント補償量決定手段は、前記モーメント偏差を低減し得る前記第1補償量を、前記外力作用点存在領域条件を満足し得る範囲内で該モーメント偏差に応じて決定する第1処理手段と、前記決定された第1補償量により前記モーメント偏差の全体を解消できない場合に、前記モーメント偏差から、前記決定された第1補償量により解消される偏差成分を除いた偏差成分である残偏差成分を算出する第2処理手段と、該残偏差成分に応じて、該残偏差成分を解消するように前記第2補償量及び第3補償量の両方又は一方を決定する第3処理手段とを備えることを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項6】
請求項5記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記複数の接触対象面は、互いに間隔を存して対向する2つの接触対象面を含むと共に、前記仮想面群は、当該2つの接触対象面に対応する仮想面として、互いに平行に対向する2つの仮想面である対向仮想面を含んでおり、
前記第3処理手段が決定するモーメント補償量には、前記第2補償量が含まれ、
該第3処理手段により前記第2補償量が決定された後、前記仮想面群の複数の仮想面のうち、前記決定された第2補償量による仮想面摩擦力成分の修正を行なう各仮想面において、該第2補償量による修正後の仮想面摩擦力成分の暫定値が、前記第2必要条件を満足するか否かを判断する第1判断手段と、
該第1判断手段の判断結果が否定的となる仮想面が存在し、且つ、当該否定的となる仮想面が前記2つの対向仮想面のうちの1つの仮想面である場合において、少なくとも前記第1必要条件を満足し、且つ、当該否定的となる仮想面を含む前記2つの対向仮想面における仮想面垂直抗力成分の大きさが前記決定された仮想面必要並進力の暫定値における仮想面垂直抗力成分よりも大きくなるように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を再決定する暫定仮想面必要並進力再決定手段とを備え、
該暫定仮想面必要並進力再決定手段による仮想面必要並進力の暫定値の再決定が行なわれた場合に、前記暫定仮想面必要並進力依存モーメント算出手段は、前記再決定された仮想面必要並進力の暫定値と前記第1処理手段により決定された第1補償量による修正後の仮想面上暫定外力作用点とを用いて前記仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値を改めて算出し、前記モーメント補償量決定手段は、前記補償総モーメント外力と前記改めて算出された仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値とから改めて算出した前記モーメント偏差を用いて、前記モーメント補償量を決定する処理を改めて実行することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項7】
請求項5記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記複数の接触対象面は、互いに間隔を存して対向する2つの接触対象面を含むと共に、前記仮想面群は、当該2つの接触対象面に対応する仮想面として、互いに平行に対向する2つの仮想面である対向仮想面を含んでおり、
前記第3処理手段が決定するモーメント補償量には、前記第3補償量が含まれ、
該第3処理手段により前記第3補償量が決定された後、前記仮想面群の複数の仮想面のうち、前記決定された第3補償量により前記ねじり力を付加する各仮想面において、該第3補償量により該仮想面に付加されるねじり力の大きさが、少なくとも該仮想面における前記決定された仮想面必要並進力の暫定値の仮想面垂直抗力成分に応じて設定された第3所定値以下になるという第4必要条件を満足するか否かを判断する第2判断手段と、
該第2判断手段の判断結果が否定的となる仮想面が存在し、且つ、当該否定的となる仮想面が前記2つの対向仮想面のうちの1つの仮想面である場合において、少なくとも前記第1必要条件を満足し、且つ、当該否定的となる仮想面を含む前記2つの対向仮想面における仮想面垂直抗力成分の大きさが前記決定された仮想面必要並進力の暫定値の仮想面垂直抗力成分よりも大きくなるように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を再決定する暫定仮想面必要並進力再決定手段とを備え、
該暫定仮想面必要並進力再決定手段による仮想面必要並進力の暫定値の再決定が行なわれた場合に、前記暫定仮想面必要並進力依存モーメント算出手段は、前記再決定された仮想面必要並進力の暫定値と前記第1処理手段により決定された第1補償量による修正後の仮想面上暫定外力作用点とを用いて前記仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値を改めて算出し、前記モーメント補償量決定手段は、前記補償総モーメント外力と前記改めて算出された仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値とから改めて算出した前記モーメント偏差を用いて、前記モーメント補償量を決定する処理を改めて実行することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項8】
脚式移動ロボットの動作環境に存する互いに異なる複数の接触対象面であり、互いに間隔を存して対向する2つの接触対象面を含む複数の接触対象面に該ロボットの複数の部位を接触させながら、該ロボットの運動を行なわせるための該ロボットの目標運動に該ロボットの実際の運動を追従させるように該ロボットの動作制御を行っている状態で、該ロボットに作用させるべき外力に関する目標を逐次生成する外力目標生成装置であって、
前記ロボットの目標運動と前記複数の接触対象面のそれぞれから前記ロボットに作用する外力の作用点の各接触対象面での目標位置の暫定値である暫定外力作用点とを生成する歩容基本要素生成手段と、
相互の姿勢関係があらかじめ定められた複数の仮想面から成ると共に、互いに平行に対向する2つの仮想面である対向仮想面を含む仮想面群を用い、該仮想面群の複数の仮想面が前記複数の接触対象面に一致又は近似する面になり、且つ、前記2つの対向仮想面が前記互いに間隔を存して対向する2つの接触対象面に対応する仮想面となるように、該仮想面群をロボットの動作環境の空間に仮想的に設定する仮想面群設定手段と、
前記目標運動に基づいて、該目標運動を実現するために前記ロボットに作用させるべきトータルの外力のうちの並進力成分である基本必要総並進外力と、該トータルの外力のうちの前記仮想面群に対して固定された所定の基準点周りでのモーメント成分である基本必要総モーメント外力とを決定する基本必要総外力決定手段と、
前記ロボットの所定の第1運動状態量の観測値と、前記目標運動における該第1運動状態量の目標値との偏差である第1運動状態量偏差を逐次算出し、該第1運動状態量偏差に基づいて、該第1運動状態量偏差を“0”に近づけるために前記ロボットに付加的に作用させるべき並進力である並進外力補償量を決定する並進外力補償量決定手段と、
前記ロボットの所定の第2運動状態量の観測値と、前記目標運動における該第2運動状態量の目標値との偏差である第2運動状態量偏差を逐次算出し、該第2運動状態量偏差に基づいて、該第2運動状態量偏差を“0”に近づけるために前記ロボットに付加的に作用させるべき前記基準点周りのモーメントであるモーメント外力補償量を決定するモーメント外力補償量決定手段と、
前記決定された基本必要総並進外力に前記決定された並進外力補償量を付加してなる補償総並進外力を実現するために前記仮想面群の複数の仮想面のそれぞれから前記ロボットに作用させるべき並進力である仮想面必要並進力の暫定値を決定する手段であり、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面必要並進力の合力が前記決定された補償総並進外力に一致するという第1必要条件と、各仮想面における仮想面必要並進力のうちの該仮想面に垂直な成分である仮想面垂直抗力成分と該仮想面に平行な成分である仮想面摩擦力成分とに関して、該仮想面摩擦力成分の大きさが、少なくとも該仮想面垂直抗力成分に応じて設定された第1所定値以下になるという第2必要条件とを少なくとも満足するように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定する暫定仮想面必要並進力決定手段と、
前記決定された各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値が、該仮想面に対応する前記接触対象面上に暫定的に設定された外力作用点である暫定外力作用点を該仮想面に投影してなる点である仮想面上暫定外力作用点に作用するものとして、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面必要並進力によって前記所定の基準点周りに発生するトータルのモーメントである仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値を算出する暫定仮想面必要並進力依存モーメント算出手段と、
前記決定された基本必要総モーメント外力に前記決定されたモーメント外力補償量を付加してなる補償総モーメント外力と前記算出された仮想面必要並進力依存モーメントの暫定値との偏差であるモーメント偏差を算出し、該モーメント偏差を解消するための補償量として、1つ以上の前記仮想面上暫定外力作用点の修正量から成り、該修正量による修正後の各仮想面上暫定外力作用点が、該仮想面上暫定外力作用点が存在する仮想面に対応する前記接触対象面に設定された外力作用点存在許容領域を該仮想面に投影してなる仮想面上外力作用点許容領域に存するという外力作用点存在領域条件を満足する第1補償量と、2つ以上の前記仮想面における仮想面摩擦力成分の修正量から成り、該修正量の総和が“0”になる第2補償量と、1つ以上の前記仮想面に垂直な方向の軸周りで該仮想面からロボットに付加的に作用させるねじり力から成る第3補償量と、前記2つの対向仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分の総和を一定に保持しつつ、該対向仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分の大きさを互いに同じ量だけ修正する修正量である第4補償量とのうちの少なくともいずれか1つを含むモーメント補償量を、前記モーメント偏差を用いて決定するモーメント補償量決定手段と、
少なくとも前記各仮想面に対応して決定された前記仮想面必要並進力の暫定値と前記決定されたモーメント補償量とに基づき、各仮想面に対応する接触対象面からロボットに作用させるべき目標外力と該目標外力の作用点の目標位置である目標外力作用点とを決定し、その決定した目標外力及び目標外力作用点を前記外力に関する目標の構成要素として出力する接触対象面目標外力・作用点決定手段とを備えることを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項9】
請求項1記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記第1必要条件を満足するために、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分の合力が、前記補償総並進外力のうちの、前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分を除く成分に一致するという第1A必要条件と、前記複数の仮想面のそれぞれにおける仮想面摩擦力成分の合力が、前記補償総並進外力のうちの、前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分に一致するという第1B必要条件とを満足するように、前記各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項10】
請求項9記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記補償総並進外力のうちの前記仮想面群の全ての仮想面に対して平行な成分が“0”でない場合において、前記第1A必要条件、前記第1B必要条件及び第2必要条件を満足しつつ、前記仮想面群の複数の仮想面のうちの前記仮想面垂直抗力成分が“0”でない各仮想面において、該仮想面に対応して設定された前記第1所定値が大きいほど、該仮想面の仮想面摩擦力成分の大きさが大きくなるように、各仮想面における仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記暫定仮想面必要並進力決定手段は、前記補償総並進外力が前記2つの対向仮想面と直交する方向の成分である対向仮想面直交成分を有する場合に、前記第1必要条件及び第2必要条件を満足することに加えて、前記2つの対向仮想面のそれぞれにおける仮想面垂直抗力成分のうち、小さい方の仮想面垂直抗力成分の大きさがあらかじめ設定された第2所定値以下になるという第3必要条件を満足するように、各仮想面における前記仮想面必要並進力の暫定値を決定することを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の脚式移動ロボットの外力目標生成装置において、
前記モーメント補償量決定手段は、前記モーメント偏差を低減し得る前記第1補償量を、前記外力作用点存在領域条件を満足し得る範囲内で該モーメント偏差に応じて決定する第1処理手段と、前記決定された第1補償量により前記モーメント偏差の全体を解消できない場合に、前記モーメント偏差から、前記決定された第1補償量により解消される偏差成分を除いた偏差成分である残偏差成分を算出する第2処理手段と、該残偏差成分に応じて、該残偏差成分を解消するように前記第2補償量と第3補償量と第4補償量とのうちの少なくとも1つの補償量を決定する第3処理手段とを備えることを特徴とする脚式移動ロボットの外力目標生成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−177838(P2011−177838A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44712(P2010−44712)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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