説明

脱水乾燥装置および脱水乾燥方法

【課題】高温の加熱媒体や複雑な制御を必要としない脱水乾燥装置および脱水乾燥方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば,濾室内に供給されるスラリーを濾過および乾燥する脱水乾燥装置であって,濾室は,互いに対向する濾板と,濾板間に設けられ,かつ,濾板に対して略平行な一対のダイヤフラムと,ダイヤフラム間に設けられ,かつ,ダイヤフラムに対して略平行な一対の濾布とを含み,濾室は,スラリーを濾過することで得られるフィルターケーキを乾燥する際に真空に吸引されつつ,フィルターケーキを加熱する媒体として35〜99℃の真空蒸気が供給されることを特徴とする脱水乾燥装置と,脱水乾燥方法とが提供される。かかる構成により,高温の加熱媒体や複雑な制御が不要な,脱水乾燥装置と脱水乾燥方法が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,脱水乾燥装置および脱水乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スラリーに含まれる固体成分を液体部分から分離する装置として,フィルタープレス装置を用いた脱水乾燥装置がある。この脱水乾燥装置は,装置内に設けられた濾室にスラリーを搬入し,スラリーを濾過,乾燥することで,スラリーの固体成分と液体成分との分離を図っている。
【0003】
一般に,上記の濾室を構成する樹脂製濾板として,ポリプロピレン製のものが使われており,その使用条件は90℃である。そのために,フィルタープレス装置に使用される,スラリーを加熱するための加熱媒体は,90℃の温水が使用されてきた。また,上記の温水の製造方法としては,蒸気による直接熱交換もしくは間接熱交換がよく用いられる。
【0004】
また,上記の加熱媒体として,温水ではなく蒸気を用いてダイヤフラムを介してスラリーを加熱し,乾燥させる処理方法も提案されている(例えば,特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特許第3040478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の温水を用いた脱水乾燥装置では,脱水乾燥装置内の配管に存在する水量と脱水乾燥装置内を循環する水量などから必要な温水量が算出される。しかしながら,乾燥中および乾燥前後で温水量の変動が大きいために,水量の制御が困難であった。
【0007】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,高温の加熱媒体や複雑な制御を必要としない,新規かつ改良された脱水乾燥装置および脱水乾燥方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,濾室内に供給されるスラリーを濾過および乾燥する脱水乾燥装置であって,濾室は,互いに対向する濾板と,濾板間に設けられ,かつ,濾板に対して略平行な一対のダイヤフラムと,ダイヤフラム間に設けられ,かつ,ダイヤフラムに対して略平行な一対の濾布とを含み,濾室は,スラリーを濾過することで得られるフィルターケーキを乾燥する際に真空に吸引されつつ,フィルターケーキを加熱する媒体として35〜99℃の真空蒸気が供給される脱水乾燥装置が提供される。
【0009】
上記課題を解決するために,本発明の第2の観点によれば,濾室内に供給されるスラリーを濾過および乾燥する脱水乾燥装置であって,濾室は,濾板と,濾板に対向する金属板と,濾板と金属板との間に介在され,かつ,濾板に対して略平行なダイヤフラムと,ダイヤフラムと金属板との間に設けられ,かつ,ダイヤフラムおよび金属板に対して略平行な一対の濾布とを含み,濾室は,スラリーを濾過することで得られるフィルターケーキを乾燥する際に真空に吸引されつつ,フィルターケーキを加熱する媒体として35〜99℃の真空蒸気が供給される脱水乾燥装置が提供される。
【0010】
かかる構成によれば,濾室内に供給された35〜99℃の真空蒸気は,スラリーを濾過することで得られるフィルターケーキを加熱する。その結果,フィルターケーキに含まれる水分を除去し,フィルターケーキを乾燥させることができる。また,真空蒸気を加熱媒体として直接利用するため,脱水乾燥装置の制御が容易となる。
【0011】
上記の脱水乾燥装置は,スラリーから水分を除去するフィルタープレス装置を更に備え,濾室は,フィルタープレス装置内に設けられてもよい。かかる構成によれば,フィルタープレス装置は,スラリーを濾過,圧搾した後に,乾燥させる。その結果,スラリーに対する多段階の処理工程を,フィルタープレス装置内に設けた濾室内で行うことができる。
【0012】
上記の脱水乾燥装置は,脱水乾燥装置の外部から供給される蒸気からドレンを分離するセパレータを更に備えてもよい。かかる構成によれば,セパレータは,外部から供給される蒸気に含まれる水分を除去する。その結果,外部から供給される蒸気を,真空蒸気とすることができる。
【0013】
より詳細には,上記の真空蒸気は,脱水乾燥装置の外部から供給される過熱蒸気に水を供給して過熱度を除去しつつ減温を図って湿り飽和蒸気とし,この湿り飽和蒸気からセパレータを用いてドレンを除去することで得られる。
【0014】
上記の脱水乾燥装置は,エゼクタと貯水タンクを更に備え,このエゼクタは,貯水タンクに貯蔵された水を駆動源として,真空蒸気が濾室を通過する際に生成される凝縮水と,ドレンとを吸引することも可能である。かかる構成によれば,エゼクタは,貯水タンクに貯蔵された水を駆動源として,真空蒸気が濾室を通過する際に生成される凝縮水と,セパレータにより分離されるドレンとを吸引する。エゼクタがドレンを吸引することで,セパレータを大気圧以下とすることが可能となる。
【0015】
また,エゼクタによりセパレータが大気圧以下となると,セパレータを通過する真空蒸気は圧力変化のために減温され,所定の温度の真空蒸気となる。
【0016】
上記濾板は,ポリプロピレン系樹脂であってもよく,上記金属板は,ステンレス製板であってもよい。かかる物質を用いることで,加熱媒体である真空蒸気から熱を効率よく伝達させることができる。
【0017】
上記課題を解決するために,本発明の第3の観点によれば,濾室内に供給されるスラリーを濾過および乾燥する脱水乾燥方法であって,(a)スラリーを濾過する工程と,(b)濾過工程により生成されたフィルターケーキを圧搾する工程と,(c)圧搾されたフィルターケーキを加熱して乾燥させる工程とを含み,(c)工程では,濾室を真空に吸引しつつ,加熱媒体として供給される35〜99℃の真空蒸気でフィルターケーキを加熱することを特徴とする脱水乾燥方法が提供される。
【0018】
かかる構成によれば,濾室内に供給された35〜99℃の真空蒸気は,スラリーを濾過することで得られるフィルターケーキを加熱する。その結果,フィルターケーキに含まれる水分を除去し,フィルターケーキを乾燥させることができる。また,真空蒸気を加熱媒体として直接利用するため,脱水乾燥装置の制御が容易となる。
【0019】
上記の(c)工程では,加熱媒体は,濾室に設けられるダイヤフラムを介してフィルターケーキと熱交換してもよい。
【0020】
上記の(c)工程では,加熱媒体は,濾室に設けられる金属板を介してフィルターケーキと熱交換してもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば,高温の加熱媒体や複雑な制御を必要としない,脱水乾燥装置および脱水乾燥方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
図1は,脱水乾燥装置1000の構成を説明するための模式図である。一般的に,脱水乾燥装置1000は,原液であるスラリーを処理する原液処理部1100と,原液処理部1100に加熱媒体を供給する加熱部1200と,原液であるスラリーを貯蔵し原液処理部1100へと供給する原液供給部1300と,原液処理部1100に圧力変化を生じさせる真空吸引部1400とを含む。また,原液処理部1100を洗浄する洗浄液を供給する洗浄液供給部1500をさらに含んでもよい。
【0024】
本発明は,上記の脱水乾燥装置1000を構成するもののうち,主に原液処理部1100と,加熱部1200とに関するものである。
【0025】
まず,図5〜図7を用いて,従来技術の脱水乾燥装置1000における原液処理部1100および加熱部1200について,主に加熱方式に着目して説明する。
【0026】
図5は,蒸気による直接熱交換方式を採用した脱水乾燥装置1000における加熱方式を説明するための模式図である。図6および図7は,蒸気による間接熱交換方式を採用した脱水乾燥装置1000における加熱方式を説明するための模式図であり,図6は,温水タンクに伝熱管や熱交換ジャケットを用いた間接熱交換方式,図7は,熱交換器を用いた間接熱交換方式である。なお,図5〜7中に記載されているLCは,液面調節計であり,TICは,温度の指示調節計であり,FICは,流量の指示調節計である。
【0027】
図5に示した直接熱交換方式の脱水乾燥装置1000は,フィルタープレス装置10と,温水タンク20と,温水循環ポンプ30とを備える。ここで,フィルタープレス装置10が原液処理部1100に相当し,温水タンク20と温水循環ポンプ30が,加熱部1200に相当する。
【0028】
フィルタープレス装置10には,濾室が形成されており,この濾室内にスラリーが供給され,スラリーの脱水および乾燥が行われる。温水タンク20は,フィルタープレス装置10内の濾室を加熱するための温水を製造するとともに,温水の製造に必要な水を貯蔵する役割を果たす。温水循環ポンプ30は,温水タンク20で製造された温水を,脱水乾燥装置内に循環させる役割を果たす。
【0029】
直接加熱方式に係る加熱部1200には,上記の設備のほかにも,外部から脱水乾燥装置に供給される蒸気を減圧するための蒸気減圧弁41,蒸気圧力を調節する蒸気圧力調節弁42,温水循環ポンプ30によって装置内を循環する温水の流量を調節する温水流量調節弁43,ならびに多数のシリンダ式弁44および手動弁45を備える。
【0030】
直接熱交換方式では,脱水乾燥装置が設置される状況等に応じて設定される所定量の水が温水タンク20に貯蔵されており,外部から供給される蒸気を直接温水タンク20に供給することで,水を直接加熱して温水を製造する。この温水タンク20には,水を攪拌させるためのモータ付きの攪拌機21により攪拌され,効率よく加熱が行われるようになっている。直接熱交換方式は,上記のようにして製造された温水がフィルタープレス装置10に供給され,スラリーを濾過することで得られるフィルターケーキを加熱し,乾燥させる方式である。
【0031】
この方式では,水を温水にするために蒸気の熱が用いられ,その際に生成される凝縮水が温水タンク20に加わる。また,昇温された温水を乾燥開始まで保温する必要があるために,その間,蒸気の凝縮分だけ温水タンク20の水量が増えることになる。乾燥開始により温水を循環すると,温水タンク20内の水位が下がり,ここでタンク20内に給水すると温水の温度が下がってしまうため,給水をしないように乾燥前と乾燥中の運転水位を別に制御をしなくてはならない。その上,乾燥終了時には,乾燥中に生成された凝縮水や脱水乾燥装置内に保有していた温水も温水タンク20に加わるために,温水タンク20の容量が問題となる。このように,直接熱交換方式による脱水乾燥装置は,温水タンク20の容量設定が難しく,かつ,液面制御が困難であるという問題がある。
【0032】
図6に示した間接熱交換方式の脱水乾燥装置は,フィルタープレス装置10と,温水タンク20と,温水循環ポンプ30とを備える。ここで,フィルタープレス装置10が原液処理部1100に相当し,温水タンク20と温水循環ポンプ30が,加熱部1200に相当する。
【0033】
フィルタープレス装置10,温水循環ポンプ30,および加熱部1200に備えられる各種の弁や計測機器については,上記の直接熱交換方式のものと機能が同一で,同じような効果を奏するものであるので,詳細な説明は省略する。
【0034】
温水タンク20では,フィルタープレス装置10内の濾室を加熱するための温水を製造するとともに,温水の製造に必要な水を貯蔵する役割を果たす。間接熱交換方式では,脱水乾燥装置が設置される状況等に応じて設定される所定量の水が温水タンク20に貯蔵されており,外部から供給される蒸気が流れる管が温水ポンプ20中に配管されることで,水を間接的に加熱して温水を製造する。温水タンク20中で熱を奪われた蒸気は,スチームトラップ50を経て,ドレンとして装置外に排出される。なお,この温水タンク20には,水を攪拌させるためのモータ付きの攪拌機21により攪拌され,効率よく加熱が行われるようになっている。
【0035】
図7に示した間接熱交換方式の脱水乾燥装置は,フィルタープレス装置10と,温水タンク20と,温水循環ポンプ30と,熱交換器60とを備える。ここで,フィルタープレス装置10が原液処理部1100に相当し,温水タンク20,温水循環ポンプ30および熱交換器60が,加熱部1200に相当する。
【0036】
フィルタープレス装置10,温水循環ポンプ30および加熱部1200に備えられる各種の弁や計測機器については,上記の間接熱交換方式のものと機能が同一で,同じような効果を奏するものであるので,詳細な説明は省略する。
【0037】
熱交換器60を用いた間接熱交換方式では,温水タンク20には攪拌機等は設置されず,温水タンク20中に貯蔵されている水は熱交換器60に導入される。この熱交換器60内で,脱水乾燥装置の外部から供給される蒸気の熱により間接的に加熱され,温水となる。
【0038】
上記の2通りの間接熱交換方式は,直接熱交換方式と異なり,蒸気凝縮量が温水タンク20の容量として含まれない。しかし,乾燥中と乾燥終了時における温水タンク20の液面の変動は同様に起こる。ただし,直接熱交換方式とは異なり,温水タンク20の液面変動はさほど大きくなく,温水タンク20の液面制御は比較的容易である。しかしながら,温水タンク20内の水を間接的に加熱した結果生じる蒸気の凝縮水について,廃棄以外の利用法を考えなくてはならないという問題点がある。
【0039】
(第1の実施形態)
上記のような問題点を解決すべく,本願発明者は,以下のような脱水乾燥装置1000に想到した。図2に示した本発明の第1の実施形態に係る脱水乾燥装置1000は,フィルタープレス装置100と,セパレータ200と,エゼクタ300と,循環タンク400と,循環ポンプ500とを備える。ここで,フィルタープレス装置100が原液処理部1100に相当し,セパレータ200,エゼクタ300,循環タンク400および循環ポンプ500が,加熱部1200に相当する。
【0040】
本実施形態に係る加熱部1200には,上記の設備のほかにも,外部から脱水乾燥装置1000に供給される蒸気を減圧するための蒸気減圧弁710と,蒸気圧力を調節する蒸気圧力調節弁720と,多数の手動弁730とを備える。
【0041】
フィルタープレス装置100には,濾室が形成されており,この濾室内にスラリーが供給され,脱水および乾燥が行われる。本実施形態に係るフィルタープレス装置100については,以下で改めて詳細に説明する。
【0042】
セパレータ200は,セパレータ200に供給される蒸気から,ドレンを除去するために用いられる。また,本実施形態においては,セパレータ200は,エゼクタ300と接続され,エゼクタ300によりドレンが吸引されるとともに,セパレータ200内が大気圧以下まで減圧される。
【0043】
エゼクタ300は,循環ポンプ500が貯水タンクである循環タンク400から供給する水を駆動源として,セパレータ200からドレンを効率よく吸引するとともに,フィルタープレス装置100にて生成される凝縮水も吸引する役割を果たす。また,エゼクタ効果により,セパレータ200からフィルタープレス装置100までの系内を,大気圧以下に減圧するという役割も果たす。
【0044】
なお,セパレータ200からフィルタープレス装置100までの系内は,温度の指示調節計(TIC)と,圧力の指示調節計(PIC)とによりモニタされ,その結果に基づいて蒸気圧力調整弁720が制御される。
【0045】
また,上記のエゼクタ300により吸引されるドレンや凝縮水は,例えばスチームトラップ600を介して,循環タンク400に貯蔵され,エゼクタ300の駆動源として再利用される。
【0046】
本実施形態に係る真空蒸気加熱方式の脱水乾燥装置1000で用いられる真空蒸気は,以下のようにして得ることができる。
【0047】
本実施形態に係る脱水乾燥装置の外部から供給される大気圧以上の過熱蒸気は,同じく本実施形態に係る脱水乾燥装置の外部から供給される水により,過熱度を除去されつつ減温され,湿り飽和蒸気となる。この湿り飽和蒸気は,セパレータ200を通過することによりドレンが除去され,真空蒸気となる。また,セパレータ200には,エゼクタ300が連結され,このエゼクタ300がドレンを吸引する。エゼクタ300による吸引にあわせて,セパレータ200は,大気圧以下に減圧されることとなる。その結果,セパレータ200にて生成された真空蒸気も大気圧以下となり,所定の温度まで減温される。
【0048】
加熱媒体である真空蒸気は,真空蒸気の温度が高いほど乾燥時間を短縮することができるため,例えば,35〜99℃とすることができ,好ましくは,90〜99℃の温度である。ただし,被加熱物の許容温度に制限がある場合には,その温度以下とする。例えば食品添加物のように40℃以上には加熱できないものを処理する場合には,用いる真空蒸気の温度を,40℃以下に設定する。このような被加熱物の許容温度に制限がある場合でも,真空蒸気と同じ温度の温水を用いるよりも乾燥時間を短縮することができる。
【0049】
なお,真空蒸気の温度が99℃超過の場合には,真空蒸気により配管等の圧力容器の内圧が大気圧を超えてしまい,安全上の問題が生じる可能性がある。また,本実施形態に係る脱水乾燥装置1000は,真空発生装置(図示せず。)により30℃以上の温度を有する真空蒸気を発生させることが可能であるが,35℃以上の真空蒸気を用いることで,脱水乾燥装置1000を安定的に動作させることが可能となる。
【0050】
本実施形態に係る真空蒸気加熱方式の脱水乾燥装置1000は,このようにして得られた真空蒸気を加熱媒体として用いるものである。
【0051】
なお,本実施形態に係る脱水乾燥装置1000が備える循環タンク400には,所定の量の水が貯蔵され,エゼクタ300を駆動するための駆動源として用いられる。また,従来の脱水乾燥装置と異なり,循環タンク400に貯蔵されている水は,加熱されて温水や蒸気を生成させるためには使用されない点に特徴がある。また,循環タンク400に貯蔵された水はエゼクタ300の駆動源として用いられればよいため,循環タンク400の容量は,循環ポンプ500にキャビテーションが発生しない程度の水量が確保できればよい。また,従来の方式と異なり,本実施形態に係る脱水乾燥装置1000は,複雑なタンクの液面制御が必要ではない。
【0052】
続いて,図3(a)を用いて,本発明の第1の実施形態に係る真空蒸気加熱方式を用いた脱水乾燥装置1000における濾室135について,詳細に説明する。フィルタープレス装置100内に設けられた濾室135は,原液処理部1100の中核をなす部分である。ここで,図3は,本実施形態に係るフィルタープレス装置100における真空蒸気加熱方式を説明するための模式図である。
【0053】
フィルタープレス装置100に設けられた本実施形態に係る濾室135は,互いに向かい合う濾板110と,この濾板110の間に,濾板110に対して略平行に設けられる一対のダイヤフラム(圧搾膜)120と,この一対のダイヤフラム120の間に,ダイヤフラム120に対して略平行に設けられる一対の濾布130とを備える。すなわち,濾板110とダイヤフラム120と濾布130とが,層状に重なり合ったものとなっている。そして,フィルタープレス装置100の外部から,向かい合う一対の濾布130の間に形成される内部空間である濾室135に原液であるスラリーが供給され,供給されたスラリーに対して以下に示す処理工程が行われる。
【0054】
濾板110は,例えば耐熱性に優れる樹脂を用いて形成することが可能である。この耐熱性に優れる樹脂の例として,例えばポリプロピレン系の樹脂を挙げることができる。
【0055】
互いに向かい合う濾板110の間に設けられ,濾板110によって支持されるダイヤフラム120は,例えば,エチレン・プロピレン共重合体(EPM)やエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)を使用することが可能である。なお,ダイヤフラム120は,濾板110と一体に形成され,濾板110自体がダイヤフラム120の機能を有していてもよい。
【0056】
ダイヤフラム120の間に設けられ,ダイヤフラム120により支持される濾布130は,濾布130間に形成される濾室135へ供給されるスラリーを,水分と固形成分とに濾過する役割を果たす。濾布130は,公知の素材を用いて形成することが可能である。
【0057】
なお,上記のようにして形成される濾室135は,フィルタープレス装置100内に複数設けられてもよい。フィルタープレス装置100内に濾室135を複数設けることで,大量のスラリーを処理することが可能となる。
【0058】
続いて,図3(a)〜(d)を用いて,本実施形態に係る真空蒸気加熱方式を用いた脱水乾燥装置1000の脱水乾燥方法について,詳細に説明する。本実施形態に係る脱水乾燥装置の脱水乾燥方法は,濾過工程,圧搾工程,乾燥工程,開枠工程等からなる。
【0059】
まず,本実施形態に係るフィルタープレス装置100に設けられた原液供給口(図示せず)から一対の濾布130間に形成された濾室135に,原液(スラリー)が供給され,濾布130により濾過されることで,濾液と固形成分(フィルターケーキ)とに分けられる(濾過工程)。この工程で濾布130間に形成された濾室135から排出された濾液は,濾室135外への濾液排出口(図示せず)を介して,フィルタープレス装置100から排出される。
【0060】
続いて,図3(b)に示すように,ダイヤフラム120内に圧搾水を圧送して,ダイヤフラム120を濾布130へと圧着させる(圧搾工程)。こうすることで,濾室135は,容積が縮小されて,フィルターケーキ内にまだ残存している水分を,濾液として濾室135の外部へ排出することができる。
【0061】
次に,図3(c)に示すように,濾室135を真空吸引部1400によって真空吸引しながら,ダイヤフラム120内へ上記のようにして得られた例えば約90℃の真空蒸気を,加熱媒体として供給する。供給された真空蒸気は,ダイヤフラム120を介して,フィルターケーキと熱交換することとなる。この際,濾室135内のフィルターケーキは,真空吸引により大気圧よりも低い圧力下にあり,水分の沸点は大気圧よりも低くなる。そのため,真空蒸気と熱交換することでフィルターケーキ内に残存する水分は蒸発し,結果として,フィルターケーキを乾燥させることができる(乾燥工程)。
【0062】
また,本実施形態に係る脱水乾燥装置1000では,加熱媒体を従来の温水による顕熱加熱から真空蒸気へと変更し,凝縮潜熱による加熱へと切り替えることで,加熱媒体の熱伝達量を増大させることができる。熱伝達量が増大することによって,フィルターケーキ内に残存する水分の蒸発速度は向上し,フィルターケーキを乾燥させる時間(乾燥時間)の短縮を図ることが可能となる。
【0063】
なお,真空蒸気がフィルターケーキと熱交換した結果生じる凝縮水は,加熱部1200に設けられたスチームトラップ600を介してエゼクタ300により吸引され,循環タンク400に貯蔵される。貯蔵された凝縮水は,エゼクタ300を駆動させる駆動源として,再利用される。
【0064】
続いて,図3(d)に示すように,フィルタープレス装置100を解枠して,乾燥されたフィルターケーキを排出する(開枠工程)。
【0065】
以上のようにして,濾室135に供給されたスラリーを濾過,圧搾,乾燥させ,水分が除去されたフィルターケーキを作製することで,スラリーの処理を行うことができる。
【0066】
(第2の実施形態)
続いて,図4(a)を用いて,本発明の第2の実施形態に係る真空蒸気加熱方式を用いた脱水乾燥装置1000における濾室135について,詳細に説明する。ここで,図4は,本実施形態に係るフィルタープレス装置100における真空蒸気加熱方式を説明するための模式図である。
【0067】
フィルタープレス装置100に設けられた本実施形態に係る濾室135は,濾板110と,濾板110と向かい合う金属板140と,この濾板110と金属板140との間に,濾板110に対して略平行に設けられるダイヤフラム120と,このダイヤフラム120と金属板140との間に,ダイヤフラム120と金属板140とに対して略平行に設けられる一対の濾布130とを備える。すなわち,濾板110と,ダイヤフラム120と,濾布130と,金属板140とが,層状に重なり合ったものとなっている。そして,フィルタープレス装置100の外部から,向かい合う一対の濾布130の間に形成される内部空間である濾室135に原液であるスラリーが供給され,この供給されたスラリーに対して以下に示す処理工程が行われる。
【0068】
濾板110,ダイヤフラム120,および濾布130は,上記第1の実施形態と機能は同一であり,同じような効果を奏するので,詳細な説明は省略する。
【0069】
金属板140は,図4に示したように,一対の対向する金属製板を含み,この金属製板の間には,互いに連通する複数の中空部を形成するように,複数の軸部材が設けられている。上記の金属製板としては,例えば熱伝導性,耐食性に優れるものを使用することが好ましい。このような金属の例としては,例えばSUS304のようなステンレス製板を使用することができる。また,中空部を形成するための軸部材としては,例えば,金属製板と同じ材質のものを用いてもよいし,耐熱性を有する樹脂を用いてもよい。また,これらの金属製板と軸部材とを,一体形成してもよい。このようにして形成される中空部が,加熱媒体である真空蒸気の流通路として機能する。
【0070】
なお,上記のようにして形成される濾室135は,フィルタープレス装置100内に複数設けられている。フィルタープレス装置100内に濾室135を複数設けることで,大量のスラリーを処理することが可能となる。濾室135を複数設ける際には,濾板110と金属板140とを交互に並べて,相隣接する濾室135の金属板140同士が相対するようにする。
【0071】
続いて,図4(a)〜(d)を用いて,本実施形態に係る真空蒸気加熱方式を用いた脱水乾燥装置1000の脱水乾燥方法について,詳細に説明する。本実施形態に係る脱水乾燥装置の脱水乾燥方法は,濾過工程,圧搾工程,乾燥工程,開枠工程等からなる。
【0072】
図4(a)および図4(b)に示した濾過工程および圧搾工程については,上記の第1の実施形態と同様の工程であるので,詳細な説明は省略する。
【0073】
図4(c)に示した工程では,濾室135を真空吸引部1400によって真空吸引しながら,金属板140に形成された中空部を流通路として,上記のようにして得られた例えば約90℃の真空蒸気を,加熱媒体として流通させる。本実施形態においては,供給された真空蒸気は,金属板140を介して,フィルターケーキと熱交換することとなる。この際,濾室135内のフィルターケーキは,真空吸引により大気圧よりも低い圧力下にあり,水分の沸点は大気圧よりも低くなる。そのため,真空蒸気と熱交換することでフィルターケーキ内に残存する水分は蒸発し,結果として,フィルターケーキを乾燥させることができる(乾燥工程)。
【0074】
本実施形態では,熱伝導性に優れる金属を材料として金属板140を形成するので,樹脂を用いた本発明の第1の実施形態に比べて,熱伝達量はさらに増大することとなる。
【0075】
なお,図4(c)では,真空蒸気を金属板140に形成された中空部に流通させているが,これとあわせて,ダイヤフラム120内にも真空蒸気を流通させてもよい。ダイヤフラム120内および金属板140内に真空蒸気を流通させることで,フィルターケーキの両面から,フィルターケーキに残存している水分を蒸発させることが可能となる。
【0076】
続いて,図4(d)に示すように,フィルタープレス装置100を開枠して,乾燥されたフィルターケーキを排出する(開枠工程)。
【0077】
以上のようにして,濾室135に供給されたスラリーを濾過,圧搾,乾燥させ,水分が除去されたフィルターケーキを作製することで,スラリーの処理を行うことができる。
【0078】
以下に実施例を示しながら,本発明の第1および第2の実施形態に係る脱水乾燥装置とその脱水乾燥方法について,詳細に説明する。
【0079】
(実施例1)
本実施例では,スラリーとして炭酸カルシウムを用いて,図3に示した濾室を有する脱水乾燥装置について,乾燥時間の測定を行った。
【0080】
乾燥時間は,100kgの炭酸カルシウム(乾燥固形物)に40%の水分を含ませたものを用い,水分が40%から5%とするまでに要する時間とした。ここで,濾室内(図3における空間135)の絶対圧力は10kPa・Aとし,加熱媒体として90℃の真空蒸気を用いた。濾室において,蒸発側の温度は45.8℃であった。なお,真空蒸気が炭酸カルシウムと接している面積,すなわち伝熱面積は10mとした。
【0081】
(実施例2)
操作圧力を8kPa・A,用いた真空蒸気の温度を60℃,蒸発側温度を41.5℃とした以外は,実施例1と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0082】
(実施例3)
操作圧力を3kPa・A,用いた真空蒸気の温度を35℃,蒸発側温度を24℃とした以外は,実施例1と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0083】
(比較例1)
加熱媒体に90℃の温水を用いた以外は実施例1と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0084】
(比較例2)
加熱媒体に60℃の温水を用いた以外は実施例2と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0085】
(比較例3)
加熱媒体に35℃の温水を用いた以外は実施例3と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0086】
得られた結果を,以下の表1に示す。
【0087】
表1

【0088】
なお,上記の表1において,炭酸カルシウム処理量の単位のkg DSとは,乾燥固形状態における炭酸カルシウムのkg数を意味している。また,水分の単位の% W.B.とは,全体を100としたときの水分の割合を示している。例えば,40% W.B.とは,水分が40%,乾燥固形物が60%を占めていることを意味する。
【0089】
上記の表1から明らかなように,本実施形態に係る真空蒸気を用いた加熱方法を用いることで,従来の温水を用いた加熱方法の際の乾燥時間に比べて,乾燥時間を短縮することが可能であることがわかった。
【0090】
(実施例4)
図4に示した濾室を有する脱水乾燥装置を用いたこと以外は実施例1と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0091】
(実施例5)
図4に示した濾室を有する脱水乾燥装置を用いたこと以外は実施例2と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0092】
(実施例6)
図4に示した濾室を有する脱水乾燥装置を用いたこと以外は実施例3と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0093】
(比較例4)
加熱媒体として90℃の温水を用いたこと以外は実施例4と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0094】
(比較例5)
加熱媒体として60℃の温水を用いたこと以外は実施例5と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0095】
(比較例6)
加熱媒体として35℃の温水を用いたこと以外は実施例6と同様にして,乾燥時間を測定した。
【0096】
得られた結果を,以下の表2に示す。
【0097】
表2

【0098】
上記の表2から明らかなように,本実施形態に係る真空蒸気を用いた加熱方法を用いることで,従来の温水を用いた加熱方法の際の乾燥時間に比べて,乾燥時間を大幅に短縮することが可能であることがわかった。
【0099】
上記のように,加熱媒体を従来の温水による顕熱加熱から同温度の真空蒸気にすることで,凝縮潜熱による加熱となり,熱伝達量が増大し,結果として蒸発速度が向上し,乾燥時間の短縮を図ることができた。
【0100】
また,温水と同温度の真空蒸気を使用した場合でも,乾燥時間の短縮を図ることが可能であることがわかった。この結果より,本実施形態に係る真空蒸気を利用した加熱方法は,加熱媒体の接触部の材質を変更することなく,樹脂製濾板を用いたフィルタープレス装置に適用可能であることがわかる。
【0101】
さらに,本実施形態に係る真空蒸気加熱方式を用いた脱水乾燥装置1000では,真空蒸気を加熱媒体として直接使用するために,従来のように温水を得るための熱交換を行う必要がなく,温水を運転温度まで昇温するための時間が不要となる。その結果,脱水乾燥に要する時間を短縮することが可能である。さらに,脱水乾燥に要する時間を短縮することが可能であるため,蒸気消費量も削減することができる。また,温水が不要であるために,水量や温度などの変化による複雑な装置制御を行う必要がなく,装置の制御が簡略化される。
【0102】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0103】
例えば,上述した実施形態において,濾過工程と圧搾工程との間に,フィルターケーキを洗浄する洗浄工程を設けてもよい。また,開枠工程の後に,濾布を洗浄する洗浄工程を設けてもよい。かかる洗浄工程では,洗浄液供給部1500から供給される洗浄液によって,フィルターケーキ自体やフィルターケーキ除去後の濾布等の洗浄を行うことが可能である。
【0104】
また,上述した実施形態においては,濾板としてポリプロピレン系樹脂を採用した例を挙げて説明したが,かかる例には限定されない。例えば,フィルタープレスの圧力に耐えうる強度や,供給される真空蒸気の温度にも耐えられる耐熱性を有する樹脂であれば,他の樹脂も使用することができる。
【0105】
また,上述した実施形態においては,金属板としてステンレス製板を採用した例を挙げて説明したが,かかる例には限定されない。濾室に供給されるスラリーの種類や性質等を考慮して,各種金属板を使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】脱水乾燥装置を説明するための模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る真空蒸気加熱方式を用いた脱水乾燥装置の模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る真空蒸気加熱方式を用いた脱水乾燥装置における濾室を説明するための模式図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る真空蒸気加熱方式を用いた脱水乾燥装置における濾室を説明するための模式図である。
【図5】蒸気による直接熱交換方式を用いた脱水乾燥装置を説明するための模式図である。
【図6】蒸気による間接熱交換方式(伝熱管や熱交換ジャケットを備えた温水タンク)を用いた脱水乾燥装置を説明するための模式図である。
【図7】蒸気による間接熱交換方式(熱交換器)を用いた脱水乾燥装置を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0107】
100 フィルタープレス装置
110 濾板
120 ダイヤフラム
130 濾布
135 濾室
140 金属板
200 セパレータ
300 エゼクタ
400 循環タンク
500 循環ポンプ
600 スチームトラップ
710 蒸気減圧弁
720 蒸気圧力調整弁
730 手動弁
1000 脱水乾燥装置
1100 原液処理部
1200 加熱部
1300 原液供給部
1400 真空吸引部
1500 洗浄液供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾室内に供給されるスラリーを濾過および乾燥する脱水乾燥装置であって:
前記濾室は,互いに対向する濾板と,前記濾板間に設けられ,かつ,前記濾板に対して略平行な一対のダイヤフラムと,前記ダイヤフラム間に設けられ,かつ,前記ダイヤフラムに対して略平行な一対の濾布とを含み,
前記濾室は,前記スラリーを濾過することで得られるフィルターケーキを乾燥する際に真空に吸引されつつ,前記フィルターケーキを加熱する媒体として35〜99℃の真空蒸気が供給されることを特徴とする,脱水乾燥装置。
【請求項2】
濾室内に供給されるスラリーを濾過および乾燥する脱水乾燥装置であって:
前記濾室は,濾板と,前記濾板に対向する金属板と,前記濾板と前記金属板との間に介在され,かつ,前記濾板に対して略平行なダイヤフラムと,前記ダイヤフラムと前記金属板との間に設けられ,かつ,前記ダイヤフラムおよび前記金属板に対して略平行な一対の濾布とを含み,
前記濾室は,前記スラリーを濾過することで得られるフィルターケーキを乾燥する際に真空に吸引されつつ,前記フィルターケーキを加熱する媒体として35〜99℃の真空蒸気が供給されることを特徴とする,脱水乾燥装置。
【請求項3】
前記脱水乾燥装置は,前記スラリーから水分を除去するフィルタープレス装置を更に備え,
前記濾室は,前記フィルタープレス装置内に設けられることを特徴とする,請求項1または2に記載の脱水乾燥装置。
【請求項4】
前記脱水乾燥装置は,当該脱水乾燥装置の外部から供給される蒸気からドレンを分離するセパレータを更に備えることを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の脱水乾燥装置。
【請求項5】
前記脱水乾燥装置は,エゼクタと貯水タンクとを更に備え,
前記エゼクタは,前記貯水タンクに貯蔵された水を駆動源として,前記真空蒸気が前記濾室を通過する際に生成される凝縮水と,前記ドレンとを吸引することを特徴とする,請求項4に記載の脱水乾燥装置。
【請求項6】
前記濾板は,ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の脱水乾燥装置。
【請求項7】
前記金属板は,ステンレス製板であることを特徴とする,請求項2〜6のいずれかに記載の脱水乾燥装置。
【請求項8】
濾室内に供給されるスラリーを濾過および乾燥する脱水乾燥方法であって:
(a)前記スラリーを濾過する工程と,
(b)前記濾過工程により生成されたフィルターケーキを圧搾する工程と,
(c)前記圧搾されたフィルターケーキを加熱して乾燥させる工程と,
を含み,
前記(c)工程では,前記濾室を真空に吸引しつつ,加熱媒体として供給される35〜99℃の真空蒸気で前記フィルターケーキを加熱することを特徴とする,脱水乾燥方法。
【請求項9】
前記(c)工程では,前記加熱媒体は,前記濾室に設けられるダイヤフラムを介して前記フィルターケーキと熱交換することを特徴とする,請求項8に記載の脱水乾燥方法。
【請求項10】
前記(c)工程では,前記加熱媒体は,前記濾室に設けられる金属板を介して前記フィルターケーキと熱交換することを特徴とする,請求項8に記載の脱水乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−229547(P2007−229547A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50949(P2006−50949)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(501033257)株式会社宇野澤組鐵工所 (6)
【Fターム(参考)】