脱穀装置
【課題】短い扱胴でも扱ぎ作用が充分に働いて穀粒回収率を向上することを課題とする。
【解決手段】扱胴1の終端部近傍で該扱胴1と略直交する状態で扱室2内に設ける中板3を有する脱穀装置において、該中板3の扱胴1との間隔を、前記扱室2の底部では広く構成すると共に側部では狭く構成したことを特徴とする脱穀装置の構成とする。また、扱胴1と中板3との間隔が狭い部分においては、扱歯4と中板3のラップ代Qが扱胴1周面と中板3の端縁との間隔Rよりも広くなるように構成し、扱胴1と中板3の間隔が広い部分では扱歯4と中板3のラップ代Pが扱胴1周面と中板3の端縁との間隔Sよりも狭くなるように構成する。
【解決手段】扱胴1の終端部近傍で該扱胴1と略直交する状態で扱室2内に設ける中板3を有する脱穀装置において、該中板3の扱胴1との間隔を、前記扱室2の底部では広く構成すると共に側部では狭く構成したことを特徴とする脱穀装置の構成とする。また、扱胴1と中板3との間隔が狭い部分においては、扱歯4と中板3のラップ代Qが扱胴1周面と中板3の端縁との間隔Rよりも広くなるように構成し、扱胴1と中板3の間隔が広い部分では扱歯4と中板3のラップ代Pが扱胴1周面と中板3の端縁との間隔Sよりも狭くなるように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインやハーベスタに搭載する脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脱穀装置の扱室内では、供給された穀稈の穂先部分が扱胴に植設した扱歯で扱がれて扱室底部に設ける脱穀受網で穀粒がろ過されて下部の揺動選別装置へ落とされる。
この脱穀装置の脱穀受網は、扱室の前端に設ける前板と扱室の終端近傍部に設ける中板との間に張設しているが、その構造が例えば特開平10−276553号公報に記載されている。
【特許文献1】特開平10−276553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近は、コンバインの性能向上により脱穀装置に供給する穀稈の量が多くなり、短い扱胴では脱穀が充分に行われず、穀粒が穂先に残ったままで扱室から排出される穀稈がある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、短い扱胴でも扱ぎ作用が充分に働いて穀粒回収率を向上することを目的にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
すなわち、請求項1記載の発明では、扱胴1の終端部近傍で該扱胴1と略直交する状態で扱室2内に設ける中板3を有する脱穀装置において、該中板3の扱胴1との間隔を、前記扱室2の底部では広く構成すると共に側部では狭く構成したことを特徴とする脱穀装置としたものである。
【0006】
請求項1の作用は、扱室2内で後方へ送られながら扱ぎ作用を受ける穀稈が扱室2の終端近傍に設けた中板3で抵抗を受けるが、扱胴1との間隔が狭い側部で強い扱ぎ作用が働き、扱胴1との間隔が広い底部では落下した藁屑等には扱ぎ作用があまり働かずに後方へ送り出して送り抵抗を過大にしない。
【0007】
請求項2記載の発明では、前記請求項1の構成で、前記扱胴1と中板3との間隔が狭い部分においては、扱歯4と中板3のラップ代Qが扱胴1周面と中板3の端縁との間隔Rよりも広くなるように構成し、扱胴1と中板3の間隔が広い部分では扱歯4と中板3のラップ代Pが扱胴1周面と中板3の端縁との間隔Sよりも狭くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置としたものである。
【0008】
請求項2の作用は、扱胴1と中板3の間隔が狭い部分、即ち扱胴1の側部でほとんど藁屑等が後方へ排出されること無く、扱胴1と中板3の間隔が広い部分、即ち、扱胴1の底部では多く溜まる藁屑等が詰りを生じることなく後方へ排出される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上述のごとく構成したので、請求項1においては、扱胴1との間隔が狭い側部で強い扱ぎ作用が働き、扱胴1との間隔が広い底部では落下した藁屑等には扱ぎ作用があまり働かずに後方へ送り出して送り抵抗を過大にしないので、脱穀装置の能率が向上するようになる。
【0010】
請求項2においては、短い扱胴1を備えた扱室2へ多量の穀稈が供給されても中板3の扱胴1との間隔が狭い側部で扱ぎ作用が充分に働くと共に脱穀済処理物が急激に排出されることを防ぎながら中板3の扱胴1との間隔が広い底部では排出を促進して詰りを発生させないで、効果的に脱粒を促進できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1には、本発明を具現化した農業機械であるコンバインが示されている。
走行装置10を有する車台11の前方には、刈取装置12が設けられている。この刈取装置12には、植立穀稈を分草する複数の分草具13と、植立穀稈を引き起こす複数の引起装置14と、植立穀稈を刈り取る刈刃15と、該刈刃15にて刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する搬送装置16が設けられている。この搬送装置16は刈刃15後方の株元搬送装置17と該株元搬送装置17から搬送されてくる穀稈を引き継いで脱穀装置19に供給する供給搬送装置18とから構成されている。
【0012】
車台11の上方には、前記供給搬送装置18から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェン20を有する脱穀装置19と、該脱穀装置19の右側方であって、この脱穀装置19で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク21と、該グレンタンク21の前方に位置していてコンバインの各種操作を実行する操作部22が載置されている。また、車台11の前部には走行装置10を駆動する走行伝動装置23が設けられている。
【0013】
脱穀装置19の後方には、前記フィードチェン20から搬送されてくる排稈を引き継いで搬送する排稈チェン24と、該排稈チェン24の終端部下方には排稈を切断するカッター装置25が設けられている。また、この実施例のカッター装置25の後方には、排稈を結束するノッター等の他の作業機を装着してもよい。
【0014】
前記グレンタンク21内の穀粒量が満杯となると、一番揚穀筒26と穀粒排出オーガ27から穀粒を機外へと排出する。一番揚穀筒26は電気モータ(図示せず)にて旋回可能に構成され、また、穀粒排出オーガ27は油圧シリンダ(図示せず)にて昇降可能に構成されている。そして、穀粒排出オーガ27は一番揚穀筒26の上部に連結されて一体的に構成され、一番揚穀筒26が旋回すると、穀粒排出オーガ27も一緒に旋回する構成となっている。
【0015】
また、コンバインは操作部22に設ける副変速レバー28を操作して走行伝動装置23内の副変速の位置を決定し、その後、走行変速レバー29を操作してエンジン(図示せず)からの動力を油圧無段変速装置及び走行伝動装置23を介して走行装置10の左右のクローラ30,30に伝動して任意の速度で走行する構成である。このように、前記走行変速レバー29の操作量によって速度が変速されるとともに、走行変速レバー29の前方向と後方向の操作によってコンバインが前後進する構成である。
【0016】
また、コンバインは操作部22に設ける操向レバー31を左右方向に傾倒操作することによって左右方向に旋回する構成であり、さらに、操向レバー31の左右方向への傾倒操作量によって旋回半径が決定される構成である。
【0017】
このようなコンバインを前進させて刈取作業をすると、圃場面に植立している穀稈は、分草具13にて分草され、その後、引起装置14にて引き起こされて刈刃15にて刈り取られる構成である。その後、刈り取られた穀稈は株元搬送装置17にて後方へ搬送され、供給搬送装置18へと引き継ぎ搬送される。この供給搬送装置18に引き継がれた穀稈は、さらに後方へと搬送されて、脱穀装置19のフィードチェン20へと引継ぎ搬送され、穀稈はフィードチェン20で後方へ搬送されながら脱穀装置19にて脱穀選別される構成である。
【0018】
脱穀選別された穀粒は、一番揚穀筒26からグレンタンク21内へと搬送されて一時貯留され、このグレンタンク21内に貯留される穀粒量が満杯になると、操作部22の報知手段ブザーや表示装置でオペレータに報知される構成である。その後、刈取作業を中断して、グレンタンク21内の穀粒を機外へと排出する作業を開始する。コンバインを道端のトラック近傍位置へと移動させ、穀粒排出オーガ27をオーガ受け33から離脱させて穀粒排出口34をトラックの荷台等の位置へ移動させる。そして、操作部22に設けている穀粒排出レバー35を入り状態として、グレンタンク21内の穀粒を機外へと排出し、グレンタンク21内の穀粒排出が終了すると、穀粒排出オーガ27は再びオーガ受け33へと収納されていく構成である。
【0019】
次に、前記脱穀装置19について、図2乃至図12で説明する。図2は脱穀装置19の全体側断面図、図3は脱穀装置19の全体平断面図である。
脱穀装置19内には、扱網36を有する扱胴1を扱胴軸37で軸架した扱室2と、該扱室2の一側には、扱室2の後部からの処理物を受け入れて処理する排塵処理網(図示省略)を有する排塵処理胴38を排塵処理胴軸で軸架した排塵処理室39が設けられている。そして、扱室2と排塵処理室39の下方には揺動選別棚40を設けている。
【0020】
また、排塵処理胴38の前方には、二番処理胴41と二番処理胴受樋43(網や格子状のものでもよい)からなる二番処理室44が構成されている。二番処理胴41は、本実施例では扱ぎ胴1のグレンタンク21側であって、排塵処理胴38の前方にこの排塵処理胴38と一体的に構成されている。この二番処理胴41は基本的には二番物を処理するものである。この二番処理胴41は二番処理胴軸42にて支持されている構成であるので、前記排塵処理胴38と二番処理胴41とは一体的に排塵処理胴軸と二番処理胴軸42とで支持されている構成である。
【0021】
扱室2内の底部と前記フィーチェーン20と反対側には扱網45を設け、フィードチェン20で後方へ送られる穀稈の穂先側を扱ぎ胴1に立設した扱歯4とこの扱網45とで扱ぎ作用を行い、穀粒を扱網45から下方の揺動選別棚40上へ落下させる。
【0022】
扱網45は、図9に示すように、上扱網45aと下扱網45bの二部材で構成し、扱室2前端の前板46と後端近傍に設ける中板3との間に張設している。この上扱網45aと下扱網45bの内周面には横金47と前後仕切金49,50を直交して設け、横金47に扱歯4の先端が通過するスリットを形成した節金48を設けて穀稈の扱ぎ作用を促進するようにしている。また、上扱網45aの目合は下扱ぎ網45bの目合よりも大きくして穀粒の付いた処理物が上扱網45aの側部に設けた二番処理室44内へ入り込み易くして穀粒の回収率を向上するようにしている。
【0023】
前後仕切金49,50は、処理物に送り抵抗を与える作用をするのであるが、その突出程度は、図6に示すように、扱ぎ歯4の先端が僅かに交差する程度であって、前仕切金49が後仕切金50より多く突出してもよく、突出量を同じにしても良い。
【0024】
また、下扱網45bの前後仕切金49b,50bを一定の突出量とし、上扱網45aの前後仕切金49a,50aを上方に向かうほど突出量が大きくなるようにして処理物に抵抗を強く与えるようにしても良い。
【0025】
中板3は穀稈に搬送抵抗を付与するもので、図4に示すように、その内端縁と扱胴1の周面との間隔P,Sが底部では広く側部では狭くしている。この関係は、底部で扱歯4と中板のラップ代Pが扱胴1の周面と中板3の端縁との間隔Sよりも狭く、側部で扱歯4と中板のラップ代Qが扱胴1の周面と中板3の端縁との間隔Rよりも広い関係になっている。また、中板3の端縁の突出量が変化している中間部端縁55は扱ぎ胴1の回転方向Nに対して後退角θになるようにして穀稈が絡まないようにしている。なお、この中間部端縁55は、図6に示すように扱ぎ胴1の軸方向から見て、前板46に形成する穀稈取り込み口56の穂先側端縁58と略同一位置になる。また、この中板3の上端は、扱室2の上蓋57まで接近して設け、その上端縁90は扱ぎ胴1の中心に向かっている。
【0026】
扱室2のフィードチェーン20側内壁に切刃91を設けて扱ぎ歯4に付き回りする藁屑を切断するようにしている。
扱室2の上部にはヒンジ80で開閉可能にした上蓋57を設け、中板3より前側の内側に二枚の排塵調節板59,60を取り付け、レバー61で共に角度を変更可能にしている。また、扱室2の後端の後板51に接近して逆リード板62を固定している。これらの排塵調節板59,60と逆リード板62は、処理物が中板3や後板51に集中するのを防いで分散する作用があり、処理物の流れをスムースにして過負荷による異常な音の発生を抑える。その配置関係は、図3における平面視で、E>D,F>Eの関係になるようにしている。
【0027】
排塵調節板59,60の前後位置は、前記上扱網45aと下扱網45bに設けた前後仕切金49,50の位置と同じにして、処理物の停滞程度を変更するには、この排塵調節板59,60の角度をレバー61で調整する。
【0028】
扱室2の後端の後板51と中板3の間の底部には広く開口する落下口53を形成した底板52を設け、側部は前記排塵処理室39へ繋がる開口54を形成している。この底板52は排塵処理胴38に向かって上り傾斜にして揺動選別棚40との間隔Lが排塵処理胴38側が広くなるようにしてこの部分に処理物が多く落下しても詰らないようにしている。
【0029】
後板51には、図10に示す如く、前板46の穀稈取入口と同じ形状の排出口64を形成し、この排出口64の穂先通過位置に穀稈の穂先を扱くように柔軟なガイド体63を吊り下げて、穂先側の処理物を排塵処理室39へ導くようにしている。ガイド体63は、軟質ウレタンゴム等の材質とし、縦方向のスリットを設けて撓み易くして排出口64の一部を覆うようにしている。また、ガイド体63のフィードチェン20側端縁65を下り傾斜にして穀稈が通過しやすくしている。このガイド体63によって、処理物に含まれる穀粒すなわちササリ粒が排塵処理室39内へ導かれて回収されるようになるのである。
【0030】
このガイド体63は、穀稈が多すぎたり湿っていた場合には取り外すことがあるが、図12に示すように、前記排塵調節板59,60の角度調整に応じて非作用位置まで作用程度を複数段階で調整できるようにすれば、穀稈量に応じた脱穀調整が容易になる。ガイド体63の回動支点66がフィードチェン20側であるため、排出抵抗の調整が良好である。
【0031】
扱室2の後板51より後側で排塵処理室39から穀粒混じりの処理物が揺動選別棚40上へ吐き出されるが、その吐き出し方向Yが処理物を上から押さえ込むようになっているので、揺動選別棚40上の処理物が舞い上がることが無い。
【0032】
図2に脱穀装置19の側断面図を示しているが、前記扱ぎ室2と二番処理室44と排塵処理室39の下方には、落下してくる被選別物を受けて選別する揺動選別棚40が設置されていて、該揺動選別棚40の下方には、選別風送り方向始端側に唐箕67を設け、該唐箕67から送風される選別風の送り方向下手側には、風路68と風路69が設けられていて、この風路68と風路69の下手側に一番ラセン70を設け、該一番ラセン70の選別風送り方向下手側には二番ラセン71を設けている。この一番ラセン70に収集された穀粒をグレンタンク21へ送り揚げる一番揚穀筒26が設けられ、二番ラセン71にて収集された二番物を前記二番処理室44へ送り揚げるための二番揚穀筒72が設けられている。
【0033】
次に、揺動選別棚40の構成について説明する。揺動選別棚40は、選別送り方向の始端側から順番に、落下した脱穀物を後方に移送する移送棚73、脱穀物を選別するグレンシーブ74、二番物を選別するチャフシーブ75、排塵処理物をほぐしてササリ粒を回収すると共に排塵処理物を機外に移送して放出するストローラック76とから構成されている。ストローラック76の下方は、二番物を二番ラセン71内へ案内する二番棚先77で構成されていて、この二番棚先77の終端部近傍まで前記排塵処理室39が延出している構成である。
【0034】
ストローラック76の上方には、吸引ファン78を設けて揺動選別棚40上の軽い藁屑や塵埃を吸い出すようにしている。
収穫機での穀粒の流れは、次のようになる。
【0035】
機体前部の刈取装置12から搬送されてきた穀稈は、脱穀装置19のフィードチェン20の始端部に引き継がれると共に、該フィードチェン20に引き継がれた穀稈は、後方に搬送されながら、扱胴1と扱網3により脱穀される。脱穀された脱穀物の一部は揺動選別棚40上に落下して、該揺動選別棚40の揺動作用と唐箕67からの風選作用により選別され、一番ラセン70内へと取り込まれていき、該一番ラセン70に取り込まれた穀粒は、グレンタンク21内に一時貯溜される構成である。脱穀後の排稈はフィードチェン20の終端部から、排稈チェン79の始端部に引き継がれて搬送されていき、その後、カッター装置25に送られて切断され下方の圃場上に放出されていく構成となっている。
【0036】
扱ぎ室2の残りの脱穀物は、排塵処理室39へ搬送されていくが、その途中において一部の脱穀物は二番処理室44内に取り込まれていく。該二番処理室44内に取り込まれた脱穀物は、選別風送り方向上手側に搬送されながら、二番処理胴41と二番処理胴受樋43との相互作用で脱穀(特に枝梗粒が処理)されて、下方の揺動選別棚40上に落下していく。
【0037】
前述のように、扱ぎ室2内の脱穀物で揺動選別棚40上に落下せず、二番処理室44内にも取り込まれなかった残りの脱穀物は、扱ぎ室2の終端部まで搬送されていく。この扱ぎ室2の終端部まで搬送されてきた脱穀物は、排塵処理室39内に取り込まれ、取り込まれた脱穀処理物は、排塵処理胴38の回転で解されながら後方へ搬送されていく。また、扱ぎ室2の終端部まで搬送されてきた脱穀物のうち、排塵処理室39内に取り込まれなかった脱穀物は下方の揺動選別棚40上に落下していく構成である。
【0038】
揺動選別棚40の揺動作用と唐箕67からの選別風の作用にもかかわらず、一番ラセン70内に取り込まれなかった残りの穀粒は、他の排塵物と共にさらに後方に送られ、二番ラセン71内へと取り込まれていく。該二番ラセン71内に取り込まれた二番物は、二番揚穀筒72にて前記二番処理室44の取り込み側に還元されて、扱ぎ室2からの脱穀物と合流し、その後、扱ぎ室2の前側に搬送されながら、二番処理胴受樋43との相互作用で脱穀処理されながら搬送され、終端部の羽根81により下方の揺動選別棚40上に強制的に放出していく構成である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】コンバインの左側面図である。
【図2】脱穀装置の側断面図である。
【図3】脱穀装置の平面図である。
【図4】図2におけるB−B断面図である。
【図5】脱穀装置の平面図である。
【図6】図2におけるA−A断面図である。
【図7】図2におけるC−C断面図である。
【図8】図2におけるD−D断面図である。
【図9】一部の展開図である。
【図10】図2におけるE―E断面図である。
【図11】別実施例を示す図2におけるA―A断面図である。
【図12】別実施例を示す図2におけるE―E断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 扱胴
2 扱室
3 中板
4 扱歯
P 扱歯と中板のラップ代
Q 扱歯と中板のラップ代
R 扱胴周面と中板端縁との間隔
S 扱胴周面と中板端縁との間隔
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインやハーベスタに搭載する脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脱穀装置の扱室内では、供給された穀稈の穂先部分が扱胴に植設した扱歯で扱がれて扱室底部に設ける脱穀受網で穀粒がろ過されて下部の揺動選別装置へ落とされる。
この脱穀装置の脱穀受網は、扱室の前端に設ける前板と扱室の終端近傍部に設ける中板との間に張設しているが、その構造が例えば特開平10−276553号公報に記載されている。
【特許文献1】特開平10−276553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近は、コンバインの性能向上により脱穀装置に供給する穀稈の量が多くなり、短い扱胴では脱穀が充分に行われず、穀粒が穂先に残ったままで扱室から排出される穀稈がある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、短い扱胴でも扱ぎ作用が充分に働いて穀粒回収率を向上することを目的にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
すなわち、請求項1記載の発明では、扱胴1の終端部近傍で該扱胴1と略直交する状態で扱室2内に設ける中板3を有する脱穀装置において、該中板3の扱胴1との間隔を、前記扱室2の底部では広く構成すると共に側部では狭く構成したことを特徴とする脱穀装置としたものである。
【0006】
請求項1の作用は、扱室2内で後方へ送られながら扱ぎ作用を受ける穀稈が扱室2の終端近傍に設けた中板3で抵抗を受けるが、扱胴1との間隔が狭い側部で強い扱ぎ作用が働き、扱胴1との間隔が広い底部では落下した藁屑等には扱ぎ作用があまり働かずに後方へ送り出して送り抵抗を過大にしない。
【0007】
請求項2記載の発明では、前記請求項1の構成で、前記扱胴1と中板3との間隔が狭い部分においては、扱歯4と中板3のラップ代Qが扱胴1周面と中板3の端縁との間隔Rよりも広くなるように構成し、扱胴1と中板3の間隔が広い部分では扱歯4と中板3のラップ代Pが扱胴1周面と中板3の端縁との間隔Sよりも狭くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置としたものである。
【0008】
請求項2の作用は、扱胴1と中板3の間隔が狭い部分、即ち扱胴1の側部でほとんど藁屑等が後方へ排出されること無く、扱胴1と中板3の間隔が広い部分、即ち、扱胴1の底部では多く溜まる藁屑等が詰りを生じることなく後方へ排出される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上述のごとく構成したので、請求項1においては、扱胴1との間隔が狭い側部で強い扱ぎ作用が働き、扱胴1との間隔が広い底部では落下した藁屑等には扱ぎ作用があまり働かずに後方へ送り出して送り抵抗を過大にしないので、脱穀装置の能率が向上するようになる。
【0010】
請求項2においては、短い扱胴1を備えた扱室2へ多量の穀稈が供給されても中板3の扱胴1との間隔が狭い側部で扱ぎ作用が充分に働くと共に脱穀済処理物が急激に排出されることを防ぎながら中板3の扱胴1との間隔が広い底部では排出を促進して詰りを発生させないで、効果的に脱粒を促進できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1には、本発明を具現化した農業機械であるコンバインが示されている。
走行装置10を有する車台11の前方には、刈取装置12が設けられている。この刈取装置12には、植立穀稈を分草する複数の分草具13と、植立穀稈を引き起こす複数の引起装置14と、植立穀稈を刈り取る刈刃15と、該刈刃15にて刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する搬送装置16が設けられている。この搬送装置16は刈刃15後方の株元搬送装置17と該株元搬送装置17から搬送されてくる穀稈を引き継いで脱穀装置19に供給する供給搬送装置18とから構成されている。
【0012】
車台11の上方には、前記供給搬送装置18から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェン20を有する脱穀装置19と、該脱穀装置19の右側方であって、この脱穀装置19で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク21と、該グレンタンク21の前方に位置していてコンバインの各種操作を実行する操作部22が載置されている。また、車台11の前部には走行装置10を駆動する走行伝動装置23が設けられている。
【0013】
脱穀装置19の後方には、前記フィードチェン20から搬送されてくる排稈を引き継いで搬送する排稈チェン24と、該排稈チェン24の終端部下方には排稈を切断するカッター装置25が設けられている。また、この実施例のカッター装置25の後方には、排稈を結束するノッター等の他の作業機を装着してもよい。
【0014】
前記グレンタンク21内の穀粒量が満杯となると、一番揚穀筒26と穀粒排出オーガ27から穀粒を機外へと排出する。一番揚穀筒26は電気モータ(図示せず)にて旋回可能に構成され、また、穀粒排出オーガ27は油圧シリンダ(図示せず)にて昇降可能に構成されている。そして、穀粒排出オーガ27は一番揚穀筒26の上部に連結されて一体的に構成され、一番揚穀筒26が旋回すると、穀粒排出オーガ27も一緒に旋回する構成となっている。
【0015】
また、コンバインは操作部22に設ける副変速レバー28を操作して走行伝動装置23内の副変速の位置を決定し、その後、走行変速レバー29を操作してエンジン(図示せず)からの動力を油圧無段変速装置及び走行伝動装置23を介して走行装置10の左右のクローラ30,30に伝動して任意の速度で走行する構成である。このように、前記走行変速レバー29の操作量によって速度が変速されるとともに、走行変速レバー29の前方向と後方向の操作によってコンバインが前後進する構成である。
【0016】
また、コンバインは操作部22に設ける操向レバー31を左右方向に傾倒操作することによって左右方向に旋回する構成であり、さらに、操向レバー31の左右方向への傾倒操作量によって旋回半径が決定される構成である。
【0017】
このようなコンバインを前進させて刈取作業をすると、圃場面に植立している穀稈は、分草具13にて分草され、その後、引起装置14にて引き起こされて刈刃15にて刈り取られる構成である。その後、刈り取られた穀稈は株元搬送装置17にて後方へ搬送され、供給搬送装置18へと引き継ぎ搬送される。この供給搬送装置18に引き継がれた穀稈は、さらに後方へと搬送されて、脱穀装置19のフィードチェン20へと引継ぎ搬送され、穀稈はフィードチェン20で後方へ搬送されながら脱穀装置19にて脱穀選別される構成である。
【0018】
脱穀選別された穀粒は、一番揚穀筒26からグレンタンク21内へと搬送されて一時貯留され、このグレンタンク21内に貯留される穀粒量が満杯になると、操作部22の報知手段ブザーや表示装置でオペレータに報知される構成である。その後、刈取作業を中断して、グレンタンク21内の穀粒を機外へと排出する作業を開始する。コンバインを道端のトラック近傍位置へと移動させ、穀粒排出オーガ27をオーガ受け33から離脱させて穀粒排出口34をトラックの荷台等の位置へ移動させる。そして、操作部22に設けている穀粒排出レバー35を入り状態として、グレンタンク21内の穀粒を機外へと排出し、グレンタンク21内の穀粒排出が終了すると、穀粒排出オーガ27は再びオーガ受け33へと収納されていく構成である。
【0019】
次に、前記脱穀装置19について、図2乃至図12で説明する。図2は脱穀装置19の全体側断面図、図3は脱穀装置19の全体平断面図である。
脱穀装置19内には、扱網36を有する扱胴1を扱胴軸37で軸架した扱室2と、該扱室2の一側には、扱室2の後部からの処理物を受け入れて処理する排塵処理網(図示省略)を有する排塵処理胴38を排塵処理胴軸で軸架した排塵処理室39が設けられている。そして、扱室2と排塵処理室39の下方には揺動選別棚40を設けている。
【0020】
また、排塵処理胴38の前方には、二番処理胴41と二番処理胴受樋43(網や格子状のものでもよい)からなる二番処理室44が構成されている。二番処理胴41は、本実施例では扱ぎ胴1のグレンタンク21側であって、排塵処理胴38の前方にこの排塵処理胴38と一体的に構成されている。この二番処理胴41は基本的には二番物を処理するものである。この二番処理胴41は二番処理胴軸42にて支持されている構成であるので、前記排塵処理胴38と二番処理胴41とは一体的に排塵処理胴軸と二番処理胴軸42とで支持されている構成である。
【0021】
扱室2内の底部と前記フィーチェーン20と反対側には扱網45を設け、フィードチェン20で後方へ送られる穀稈の穂先側を扱ぎ胴1に立設した扱歯4とこの扱網45とで扱ぎ作用を行い、穀粒を扱網45から下方の揺動選別棚40上へ落下させる。
【0022】
扱網45は、図9に示すように、上扱網45aと下扱網45bの二部材で構成し、扱室2前端の前板46と後端近傍に設ける中板3との間に張設している。この上扱網45aと下扱網45bの内周面には横金47と前後仕切金49,50を直交して設け、横金47に扱歯4の先端が通過するスリットを形成した節金48を設けて穀稈の扱ぎ作用を促進するようにしている。また、上扱網45aの目合は下扱ぎ網45bの目合よりも大きくして穀粒の付いた処理物が上扱網45aの側部に設けた二番処理室44内へ入り込み易くして穀粒の回収率を向上するようにしている。
【0023】
前後仕切金49,50は、処理物に送り抵抗を与える作用をするのであるが、その突出程度は、図6に示すように、扱ぎ歯4の先端が僅かに交差する程度であって、前仕切金49が後仕切金50より多く突出してもよく、突出量を同じにしても良い。
【0024】
また、下扱網45bの前後仕切金49b,50bを一定の突出量とし、上扱網45aの前後仕切金49a,50aを上方に向かうほど突出量が大きくなるようにして処理物に抵抗を強く与えるようにしても良い。
【0025】
中板3は穀稈に搬送抵抗を付与するもので、図4に示すように、その内端縁と扱胴1の周面との間隔P,Sが底部では広く側部では狭くしている。この関係は、底部で扱歯4と中板のラップ代Pが扱胴1の周面と中板3の端縁との間隔Sよりも狭く、側部で扱歯4と中板のラップ代Qが扱胴1の周面と中板3の端縁との間隔Rよりも広い関係になっている。また、中板3の端縁の突出量が変化している中間部端縁55は扱ぎ胴1の回転方向Nに対して後退角θになるようにして穀稈が絡まないようにしている。なお、この中間部端縁55は、図6に示すように扱ぎ胴1の軸方向から見て、前板46に形成する穀稈取り込み口56の穂先側端縁58と略同一位置になる。また、この中板3の上端は、扱室2の上蓋57まで接近して設け、その上端縁90は扱ぎ胴1の中心に向かっている。
【0026】
扱室2のフィードチェーン20側内壁に切刃91を設けて扱ぎ歯4に付き回りする藁屑を切断するようにしている。
扱室2の上部にはヒンジ80で開閉可能にした上蓋57を設け、中板3より前側の内側に二枚の排塵調節板59,60を取り付け、レバー61で共に角度を変更可能にしている。また、扱室2の後端の後板51に接近して逆リード板62を固定している。これらの排塵調節板59,60と逆リード板62は、処理物が中板3や後板51に集中するのを防いで分散する作用があり、処理物の流れをスムースにして過負荷による異常な音の発生を抑える。その配置関係は、図3における平面視で、E>D,F>Eの関係になるようにしている。
【0027】
排塵調節板59,60の前後位置は、前記上扱網45aと下扱網45bに設けた前後仕切金49,50の位置と同じにして、処理物の停滞程度を変更するには、この排塵調節板59,60の角度をレバー61で調整する。
【0028】
扱室2の後端の後板51と中板3の間の底部には広く開口する落下口53を形成した底板52を設け、側部は前記排塵処理室39へ繋がる開口54を形成している。この底板52は排塵処理胴38に向かって上り傾斜にして揺動選別棚40との間隔Lが排塵処理胴38側が広くなるようにしてこの部分に処理物が多く落下しても詰らないようにしている。
【0029】
後板51には、図10に示す如く、前板46の穀稈取入口と同じ形状の排出口64を形成し、この排出口64の穂先通過位置に穀稈の穂先を扱くように柔軟なガイド体63を吊り下げて、穂先側の処理物を排塵処理室39へ導くようにしている。ガイド体63は、軟質ウレタンゴム等の材質とし、縦方向のスリットを設けて撓み易くして排出口64の一部を覆うようにしている。また、ガイド体63のフィードチェン20側端縁65を下り傾斜にして穀稈が通過しやすくしている。このガイド体63によって、処理物に含まれる穀粒すなわちササリ粒が排塵処理室39内へ導かれて回収されるようになるのである。
【0030】
このガイド体63は、穀稈が多すぎたり湿っていた場合には取り外すことがあるが、図12に示すように、前記排塵調節板59,60の角度調整に応じて非作用位置まで作用程度を複数段階で調整できるようにすれば、穀稈量に応じた脱穀調整が容易になる。ガイド体63の回動支点66がフィードチェン20側であるため、排出抵抗の調整が良好である。
【0031】
扱室2の後板51より後側で排塵処理室39から穀粒混じりの処理物が揺動選別棚40上へ吐き出されるが、その吐き出し方向Yが処理物を上から押さえ込むようになっているので、揺動選別棚40上の処理物が舞い上がることが無い。
【0032】
図2に脱穀装置19の側断面図を示しているが、前記扱ぎ室2と二番処理室44と排塵処理室39の下方には、落下してくる被選別物を受けて選別する揺動選別棚40が設置されていて、該揺動選別棚40の下方には、選別風送り方向始端側に唐箕67を設け、該唐箕67から送風される選別風の送り方向下手側には、風路68と風路69が設けられていて、この風路68と風路69の下手側に一番ラセン70を設け、該一番ラセン70の選別風送り方向下手側には二番ラセン71を設けている。この一番ラセン70に収集された穀粒をグレンタンク21へ送り揚げる一番揚穀筒26が設けられ、二番ラセン71にて収集された二番物を前記二番処理室44へ送り揚げるための二番揚穀筒72が設けられている。
【0033】
次に、揺動選別棚40の構成について説明する。揺動選別棚40は、選別送り方向の始端側から順番に、落下した脱穀物を後方に移送する移送棚73、脱穀物を選別するグレンシーブ74、二番物を選別するチャフシーブ75、排塵処理物をほぐしてササリ粒を回収すると共に排塵処理物を機外に移送して放出するストローラック76とから構成されている。ストローラック76の下方は、二番物を二番ラセン71内へ案内する二番棚先77で構成されていて、この二番棚先77の終端部近傍まで前記排塵処理室39が延出している構成である。
【0034】
ストローラック76の上方には、吸引ファン78を設けて揺動選別棚40上の軽い藁屑や塵埃を吸い出すようにしている。
収穫機での穀粒の流れは、次のようになる。
【0035】
機体前部の刈取装置12から搬送されてきた穀稈は、脱穀装置19のフィードチェン20の始端部に引き継がれると共に、該フィードチェン20に引き継がれた穀稈は、後方に搬送されながら、扱胴1と扱網3により脱穀される。脱穀された脱穀物の一部は揺動選別棚40上に落下して、該揺動選別棚40の揺動作用と唐箕67からの風選作用により選別され、一番ラセン70内へと取り込まれていき、該一番ラセン70に取り込まれた穀粒は、グレンタンク21内に一時貯溜される構成である。脱穀後の排稈はフィードチェン20の終端部から、排稈チェン79の始端部に引き継がれて搬送されていき、その後、カッター装置25に送られて切断され下方の圃場上に放出されていく構成となっている。
【0036】
扱ぎ室2の残りの脱穀物は、排塵処理室39へ搬送されていくが、その途中において一部の脱穀物は二番処理室44内に取り込まれていく。該二番処理室44内に取り込まれた脱穀物は、選別風送り方向上手側に搬送されながら、二番処理胴41と二番処理胴受樋43との相互作用で脱穀(特に枝梗粒が処理)されて、下方の揺動選別棚40上に落下していく。
【0037】
前述のように、扱ぎ室2内の脱穀物で揺動選別棚40上に落下せず、二番処理室44内にも取り込まれなかった残りの脱穀物は、扱ぎ室2の終端部まで搬送されていく。この扱ぎ室2の終端部まで搬送されてきた脱穀物は、排塵処理室39内に取り込まれ、取り込まれた脱穀処理物は、排塵処理胴38の回転で解されながら後方へ搬送されていく。また、扱ぎ室2の終端部まで搬送されてきた脱穀物のうち、排塵処理室39内に取り込まれなかった脱穀物は下方の揺動選別棚40上に落下していく構成である。
【0038】
揺動選別棚40の揺動作用と唐箕67からの選別風の作用にもかかわらず、一番ラセン70内に取り込まれなかった残りの穀粒は、他の排塵物と共にさらに後方に送られ、二番ラセン71内へと取り込まれていく。該二番ラセン71内に取り込まれた二番物は、二番揚穀筒72にて前記二番処理室44の取り込み側に還元されて、扱ぎ室2からの脱穀物と合流し、その後、扱ぎ室2の前側に搬送されながら、二番処理胴受樋43との相互作用で脱穀処理されながら搬送され、終端部の羽根81により下方の揺動選別棚40上に強制的に放出していく構成である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】コンバインの左側面図である。
【図2】脱穀装置の側断面図である。
【図3】脱穀装置の平面図である。
【図4】図2におけるB−B断面図である。
【図5】脱穀装置の平面図である。
【図6】図2におけるA−A断面図である。
【図7】図2におけるC−C断面図である。
【図8】図2におけるD−D断面図である。
【図9】一部の展開図である。
【図10】図2におけるE―E断面図である。
【図11】別実施例を示す図2におけるA―A断面図である。
【図12】別実施例を示す図2におけるE―E断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 扱胴
2 扱室
3 中板
4 扱歯
P 扱歯と中板のラップ代
Q 扱歯と中板のラップ代
R 扱胴周面と中板端縁との間隔
S 扱胴周面と中板端縁との間隔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴(1)の終端部近傍で該扱胴(1)と略直交する状態で扱室(2)内に設ける中板(3)を有する脱穀装置において、該中板(3)の扱胴(1)との間隔を、前記扱室(2)の底部では広く構成すると共に側部では狭く構成したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
前記扱胴(1)と中板(3)との間隔が狭い部分においては、扱歯(4)と中板(3)のラップ代(Q)が扱胴(1)周面と中板(3)の端縁との間隔(R)よりも広くなるように構成し、扱胴(1)と中板(3)の間隔が広い部分では扱歯(4)と中板(3)のラップ代(P)が扱胴(1)周面と中板(3)の端縁との間隔(S)よりも狭くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置。
【請求項1】
扱胴(1)の終端部近傍で該扱胴(1)と略直交する状態で扱室(2)内に設ける中板(3)を有する脱穀装置において、該中板(3)の扱胴(1)との間隔を、前記扱室(2)の底部では広く構成すると共に側部では狭く構成したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
前記扱胴(1)と中板(3)との間隔が狭い部分においては、扱歯(4)と中板(3)のラップ代(Q)が扱胴(1)周面と中板(3)の端縁との間隔(R)よりも広くなるように構成し、扱胴(1)と中板(3)の間隔が広い部分では扱歯(4)と中板(3)のラップ代(P)が扱胴(1)周面と中板(3)の端縁との間隔(S)よりも狭くなるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の脱穀装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−259710(P2007−259710A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85536(P2006−85536)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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