説明

腫瘍細胞捕捉材、腫瘍細胞捕捉器およびそれらを用いる腫瘍細胞の除去方法

【課題】血液をはじめとする液体中の腫瘍細胞を選択的に除去する捕捉材を提供すること。
【解決手段】不織布を含むことを特徴とする腫瘍細胞捕捉材。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体中の腫瘍細胞を簡便にかつ選択的に除去する腫瘍細胞捕捉材、および該腫瘍細胞捕捉材を充填してなる腫瘍細胞捕捉器に関する。
【0002】
【従来の技術】癌は死因の多くを占める疾患として知られている。癌が生物を致命的な状態に到らせる理由の一つとして、癌が転移する性質を有することが挙げられる。癌の転移様式は、リンパ行性転移、血行性転移、腹膜播種の3種に分類される。この中で、腹膜播種については腹水中の腫瘍細胞を除去し、病態を改善させる方法が考案されている。また、リンパ行性転移は、リンパ節を外科手術で取り除くことによりある程度予防できるといわれている。しかしながら、血行性転移については、今のところ医薬によって転移を予防する方法がいくつか考案されている。例えば、ピペラジン酸誘導体(例えば、特許文献1参照)、プロペンアミド誘導体重合物(例えば、特許文献2参照)モノクローナル抗体(例えば、特許文献3参照)、ペプチド(例えば、特許文献4〜5参照)、フラボノイド類(例えば、特許文献6参照)、ブラジキニン拮抗剤(例えば、特許文献7参照)などである。しかし、確固たる予防方法がないのが現状である。
【0003】また、最近では、癌組織切除術において癌組織あるいはその周辺の癌細胞が、切除操作によって血管内等に漏出する場合があり、血行性転移の一因となることが定説となっている(例えば、非特許文献1〜3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平5−194415号公報(第1−10頁)
【0005】
【特許文献2】特開平5−97699号公報(第1−3頁)
【0006】
【特許文献3】特開平5−111390号公報(第1−3頁)
【0007】
【特許文献4】特開平5−170796号公報(第1−5頁)
【0008】
【特許文献5】特開平5−186499号公報(第1−18頁)
【0009】
【特許文献6】特開平7−196490号公報(第1−3頁)
【0010】
【特許文献7】特開2000−86531号公報(第1−2頁)
【0011】
【非特許文献1】モリ エムら(Mori M.et al.),インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー(International journal of Cancer),1996;68(6):739−743
【0012】
【非特許文献2】レモニー エーら(Lemonie A.et al.) ,アンルズ・オブ・サージェリー(Annals of Surgery),1997;226(1):43−50
【0013】
【非特許文献3】フナキ エヌ オーら(Funaki N.O.et al), ライフ・サイエンス(Life Sciences),1998;62(21):1973−1984
【0014】
【発明が解決しようとする課題】血行性転移とは、血液中に存在する腫瘍細胞に起因する転移のことである。血液中に腫瘍細胞が多く存在すると、再発・転移が起こる可能性が高くなることが示唆されており、血液中の腫瘍細胞を除去すれば、再発・転移の可能性を低くできる可能性が考えられる。しかしながら、血液中に存在する腫瘍細胞を全血中から直接除去する方法は、これまで考案されていなかった。
【0015】そこで、本発明は、血液をはじめとする液体中の腫瘍細胞を選択的に除去する捕捉材を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる従来技術の問題点に鑑み、液体、特に血液中に存在する腫瘍細胞を選択的に除去する方法を検討した結果、不織布を用いて腫瘍細胞が含まれる血液を濾過させることにより、白血球、血小板、造血幹細胞をはじめとする生体に有用な血球成分の捕捉・吸着を抑制しつつ、腫瘍細胞を選択的に、かつ簡便に捕捉できることを見出し、本発明に到達した。
【0017】すなわち本発明は、不織布を含むことを特徴とする腫瘍細胞捕捉材をその骨子とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明の腫瘍細胞捕捉材は、不織布を含むものである。不織布を使用することで、任意の繊維材料を使用でき、また嵩密度の制御が可能となる。したがって、本発明の捕捉材において、白血球等、身体に有用な血球細胞はほとんど通過するが、腫瘍細胞は高い割合で捕捉できるサイズの空隙を持つ不織布を形成することが可能となる。
【0020】本発明で用いる不織布を構成する繊維材料素材は特に限定されないが、生体適合性が高く、体液と接触しても溶解せず、溶血反応等が起こらない毒性の低い物質を用いるのが好ましい。例えばセルロース系樹脂、キチン、キトサン等の天然高分子、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂等の合成高分子などが挙げられる。強度、加工の容易さの点で、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の合成高分子が特に好ましく使用される。不織布を構成する繊維材料は、この中の1種類のポリマー単独で構成されていても良いし、これらの原料の共重合体、複合体あるいは混合物から構成されていても良い。共重合体の場合は、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体のいずれでも良い。
【0021】本発明で使用する不織布の嵩密度は、0.05〜0.45g/cm3が好ましく、0.15〜0.25g/cm3がより好ましい。嵩密度が0.45g/cm3を越えると、繊維間が密になりすぎて血液を灌流させたときに目詰まりを起こしやすく、また0.05g/cm3未満では、繊維間の空隙が大きくなり腫瘍細胞の捕捉率が低下する傾向がある。
【0022】また、本発明に使用する不織布を構成する繊維は、直径3〜10μmの範囲の繊維を含むことが好ましく、直径3〜5μmの繊維を含むことがより好ましい。なお、不織布は全ての繊維の直径が上記範囲のものであっても、一部にそれ以外の直径の繊維を含んでいてもかまわない。繊維の直径を上記範囲とすることで、腫瘍細胞を選択的に捕捉できる捕捉材を容易に製造できる。
【0023】本発明に使用する不織布は、その表面が親水性であることが好ましい。不織布の表面を親水化するタイミングは特に限定されず、たとえば繊維状の高分子化合物を不織布に成型してから表面を親水化しても、表面を親水化処理した繊維状の高分子化合物を用いて、不織布を成型しても良い。また、親水化する方法は任意で良く、たとえば親水性化合物を不織布を構成する高分子化合物にグラフト重合しても良いし、不織布表面を親水性化合物でコーティング処理しても良い。好ましくは、簡便なコーティング処理が用いられる。
【0024】ここで、親水性化合物とは、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基等の水と親和性の高い官能基を有するポリマーあるいはモノマーのことを指し、例えば、ポリエチレングリコールおよびそれらの誘導体などが好ましく使用される。
【0025】ここで、ポリエチレングリコールの誘導体とは、ポリエチレングリコールの少なくとも一方の末端にカルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基、グリシジル基、スルフィドリル基、シアノ基、イソシアノ基、カルバミル基、ハロアルキル基などの官能基を有する化合物である。
【0026】また、親水性化合物のコーティング処理方法としては特に限定されないが、例えば、両末端がグリシジル基に置換された親水性化合物と、グリシジル基と反応性が高いアミノ基を両末端に有するアミン含有化合物とを等モル混合し、その溶液を不織布表面に塗布する、あるいはその溶液に不織布を浸漬する等の処理を行う方法が好ましく用いられる。この処理によって材料表面で架橋反応が起こり、表面に親水性ポリマーがコーティングされ、親水性が付与される。ここで用いる親水性化合物としては、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが特に好ましく用いられる。また、アミン含有化合物としては、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミンなどのエチレンアミンや、ポリエチレンイミン、ポリ-L-リジン、スペルミンなどが挙げられる。特に、テトラエチレンペンタミンが好ましく用いられる。したがって、親水性物質としてポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アミン含有化合物としてテトラエチレンペンタミンを使用する組み合わせが、特に好適に用いられる。コーティング処理後の不織布を乾燥、洗浄することにより、表面が親水性である不織布が得られる。
【0027】本発明の腫瘍細胞捕捉材は、不織布を含むものであれば良く、不織布100%からなるものであってもよく、捕捉材の補強やその他の目的のために不織布以外の部材を含んでいてもかまわない。
【0028】本発明の腫瘍細胞捕捉材は、液体中に含まれる腫瘍細胞の除去に好ましく用いられ、とくに腫瘍細胞を含む血液に対して有効である。
【0029】本発明の腫瘍細胞捕捉材は、捕捉材単独あるいは該捕捉材を装填してなる腫瘍細胞捕捉器の形態で好ましく使用される。ここで、腫瘍細胞捕捉器とは、腫瘍細胞捕捉材を充填され、かつ、腫瘍細胞を含む液を処理するための供給口・排出口等を備えた容器全般のことを言う。
【0030】腫瘍細胞の除去方法は特に限定されないが、例えば、腫瘍細胞を含有する貯蔵血液を腫瘍細胞捕捉器に通過させて腫瘍細胞を除去する方法や、本発明の腫瘍細胞捕捉材をカテーテルと接続して癌患者の体内に埋め込み、循環血液中の腫瘍細胞を除去する方法、あるいは液体循環回路に本発明の腫瘍細胞捕捉器を組み込んでポンプを接続し、血液を体外に取り出し循環させて腫瘍細胞を除去し、清浄化した血液を再び体内に戻す方法などがある。
【0031】特に血液循環回路に本発明の腫瘍細胞捕捉器を組み込んで腫瘍細胞を除去する方法が好ましく用いられる。例えば、血液体外循環回路は、患者の体内から血液を採取するためのカテーテル、本発明の腫瘍細胞捕捉器、患者の体内へ浄化した血液を戻すためのカテーテル、およびこれらの装置を互いに連結するカテーテルからなり、この順で連結されて回路となる。ここで、回路の途中に血液輸送ポンプ、三方活栓や血圧測定計、血流測定計などの装置が組み込まれていても良い。
【0032】
【実施例】以下、実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】実施例1親水性ポリマーとして重量平均分子量526のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル5.26g、架橋剤としてテトラエチレンペンタミン1.89gを混合し、水で10倍に希釈した。その溶液に厚さ0.8mmのポリエステル製不織布(繊維直径3.5μm、嵩密度0.2g/cm3)を浸漬した後、固く絞ってしわを伸ばして乾燥させ、次いで水洗して乾燥させることにより、表面を親水化コーティングしたポリエステル製不織布A(腫瘍細胞捕捉材である)を得た。
【0034】ポリエステル製不織布Aを直径1.0cmの円形に打ち抜き、2枚重ねてフィルターユニットに装填した。ヘパリン加ヒト全血(ヘパリン力価:5U/ml)に、ヒト乳癌由来細胞MCF−7を濃度が105cell/mlとなるよう添加して癌細胞添加血液を調製し、流速1ml/minでポリエステル製不織布Aを通過させたところ、癌細胞、白血球、血小板の捕捉率はそれぞれ95.4%、15.3%、15.9%であり、癌細胞が選択的に捕捉された。
【0035】実施例2親水性ポリマーとして重合度200のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル8.91g、架橋剤としてテトラエチレンペンタミン0.189gを混合し、水で2倍に希釈した。その溶液に厚さ0.8mmのポリエステル製不織布(繊維直径3.5μm、嵩密度0.2g/cm3)を浸漬した後、固く絞ってしわを伸ばして乾燥させ、次いで水洗して乾燥させることにより、表面を親水化コーティングしたポリエステル製不織布B(腫瘍細胞捕捉材である)を得た。
【0036】ポリエステル製不織布Bを直径1.0cmの円形に打ち抜き、2枚重ねてフィルターユニットに装填した。ヘパリン加ヒト全血(ヘパリン力価:5U/ml)に、ヒト乳癌由来細胞MCF−7を濃度が105cell/mlとなるよう添加して癌細胞添加血液を調製し、流速1ml/minでポリエステル製不織布Bを通過させたところ、癌細胞、白血球、血小板の捕捉率はそれぞれ88.1%、15.5%、0.5%であり、癌細胞が選択的に捕捉された。
【0037】実施例3親水性ポリマーとして重量平均分子量526のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル5.26g、架橋剤としてエチレンジアミン0.064gを混合し、水で10倍に希釈した。その溶液に厚さ0.8mmのポリエステル製不織布(繊維直径3.5μm、嵩密度0.2g/cm3)を浸漬した後、固く絞ってしわを伸ばして乾燥させ、次いで水洗して乾燥させることにより、表面を親水化コーティングしたポリエステル製不織布C(腫瘍細胞捕捉材である)を得た。
【0038】ポリエステル製不織布Cを直径1.0cmの円形に打ち抜き、2枚重ねてフィルターユニットに装填した。ヘパリン加ヒト全血(ヘパリン力価:5U/ml)に、ヒト乳癌由来細胞MCF−7を濃度が105cell/mlとなるよう添加して癌細胞添加血液を調製し、流速1ml/minでポリエステル製不織布Cを通過させたところ、癌細胞、白血球、血小板の捕捉率はそれぞれ84.8%、25.7%、7.7%であり、癌細胞が選択的に捕捉された。
【0039】実施例4親水性ポリマーとして重合度200のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル8.91g、架橋剤としてエチレンジアミン0.064gを混合し、水で2倍に希釈した。その溶液に厚さ0.8mmのポリエステル製不織布(繊維直径3.5μm、嵩密度0.2g/cm3)を浸漬した後、固く絞ってしわを伸ばして乾燥させ、次いで水洗して乾燥させることにより、表面を親水化コーティングしたポリエステル製不織布D(腫瘍細胞捕捉材である)を得た。
【0040】ポリエステル製不織布Dを直径1.0cmの円形に打ち抜き、2枚重ねてフィルターユニットに装填した。ヘパリン加ヒト全血(ヘパリン力価:5U/ml)に、ヒト乳癌由来細胞MCF−7を濃度が105cell/mlとなるよう添加して癌細胞添加血液を調製し、流速1ml/minでポリエステル製不織布Dを通過させたところ、癌細胞、白血球、血小板の捕捉率はそれぞれ79.5%、19.8%、2.4%であり、癌細胞が選択的に捕捉された。
【0041】比較例1繊維直径が40μmのポリスチレン繊維の編み地(厚さ0.4mm)を直径1.0cmの円形に打ち抜き、5枚重ねてフィルターユニットに装填した。ヘパリン加ヒト全血(ヘパリン力価:5U/ml)に、ヒト乳癌由来細胞MCF−7を濃度が106cell/mlとなるよう添加して癌細胞添加血液を調製し、流速1ml/minでポリスチレン繊維の編み地を通過させたところ、癌細胞、白血球、血小板の捕捉率はそれぞれ18.2%、33.2%、69.1%であり、癌細胞が選択的に捕捉されなかった。
【0042】実施例5実施例1に使用したポリエステル製不織布Aを直径1.0cmの円形に打ち抜き、2枚重ねてフィルターユニットに装填した。フィルターユニットの両端にポリプロピレン製のカテーテルを接続し、片側に輸送ポンプを装着した。MCF−7濃度が106cell/mlとなるよう添加した癌細胞添加血液の入った容器にカテーテルの両端を入れ、ポンプを作動させて流速1ml/minで癌細胞添加血液を送り、回路を循環させた。循環開始から5、10、20、30分後に容器内の癌細胞添加血液をサンプリングして白血球数および癌細胞数を計数し、それぞれの残存率を算定した。その結果、図1に示すとおり、循環時間の経過とともに癌細胞添加血液中の癌細胞が、白血球と比較して優先的に除去された。
【0043】
【発明の効果】本発明により、血液をはじめとする液体中に含まれる腫瘍細胞を、生体に有用な血球成分を損なうことなく、簡便にかつ選択的に除去する捕捉材を提供することができる。また、癌組織切除術において、本発明の腫瘍細胞捕捉材で臓器を覆って保護し、癌組織の切除を行うことにより、癌細胞の播種を未然に防ぐことが可能となり、その有用性は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】腫瘍細胞捕捉材を含む回路に癌細胞添加血液を循環させたときの癌細胞、白血球の残存率の一例をそれぞれ示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】不織布を含むことを特徴とする腫瘍細胞捕捉材。
【請求項2】不織布の嵩密度が0.05〜0.45g/cm3であることを特徴とする請求項1に記載の腫瘍細胞捕捉材。
【請求項3】不織布を構成する繊維が、直径3〜10μmの繊維を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の腫瘍細胞捕捉材。
【請求項4】不織布の表面が親水性であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の腫瘍細胞捕捉材。
【請求項5】不織布を構成する繊維の表面が親水性であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の腫瘍細胞捕捉材。
【請求項6】不織布の表面または不織布を構成する繊維の表面が、親水性化合物とアミン含有化合物により親水化されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の腫瘍細胞捕捉材。
【請求項7】親水性化合物がポリエチレングリコールまたはその誘導体であることを特徴とする請求項6記載の腫瘍細胞捕捉材。
【請求項8】ポリエチレングリコールの誘導体がポリエチレングリコールジグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項7記載の腫瘍細胞捕捉材。
【請求項9】アミン含有化合物がエチレンアミンであることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の腫瘍細胞捕捉材。
【請求項10】エチレンアミンがエチレンジアミンまたはテトラエチレンペンタミンであることを特徴とする請求項9に記載の腫瘍細胞捕捉材。
【請求項11】親水性化合物がポリエチレングリコールジグリシジルエーテルであり、アミン含有化合物がテトラエチレンペンタミンであることを特徴とする請求項6に記載の腫瘍細胞捕捉材。
【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載の腫瘍細胞捕捉材を装填してなる腫瘍細胞捕捉器。
【請求項13】請求項12に記載の捕捉器を含む液体循環回路。
【請求項14】請求項1〜11のいずれかに記載の腫瘍細胞捕捉材または請求項12に記載の腫瘍細胞捕捉器または請求項13に記載の液体循環回路を用いることを特徴とする腫瘍細胞の除去方法。
【請求項15】腫瘍細胞を含有する液体から腫瘍細胞を除去することを特徴とする請求項14に記載の腫瘍細胞の除去方法。
【請求項16】腫瘍細胞を含有する液体が血液であることを特徴とする請求項15に記載の腫瘍細胞の除去方法。
【請求項17】請求項1〜11のいずれかに記載の腫瘍細胞捕捉材を製造する方法であって、不織布の表面あるいは不織布を構成する繊維の表面を、親水性化合物とアミン含有化合物を用いて親水化することを特徴とする腫瘍細胞捕捉材の製造方法。
【請求項18】親水性化合物としてポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アミン含有化合物としてテトラエチレンペンタミンを用いて親水化することを特徴とする請求項17に記載の腫瘍細胞捕捉材の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2003−190278(P2003−190278A)
【公開日】平成15年7月8日(2003.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−274495(P2002−274495)
【出願日】平成14年9月20日(2002.9.20)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】