説明

膜厚測定装置及び膜厚測定方法

【課題】エッチングを行うことなく膜厚を簡易に測定することができる膜厚測定装置及び膜厚測定方法を提供する。
【解決手段】膜厚測定装置は、基板S上に形成された膜S1の膜面の一部を切削して基板面を露出させる切削部1と、露出された基板面と膜面との段差を測定して前記膜の膜厚を測定する測定部とを備えた膜厚測定装置であって、切削部は、膜面を切削する刃21が設置された刃部20と、前記刃部20を移動させる移動手段と、前記刃21を基板側に押圧する押圧手段とを備え、該押圧手段により刃21が基板S側に押圧された状態で該刃部20を移動させて膜面の一部を切削する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膜厚測定装置及び膜厚測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、膜厚の測定方法としては、集束イオンビーム装置を用いた膜厚測定方法において、薄膜の表面に荷電粒子を照射することによって薄膜をエッチングするエッチング過程と、このエッチング過程で前記薄膜から放出される二次荷電粒子の強度の経時変化を測定する測定過程と、強度が急激に変化する点を用いて、薄膜のエッチング時間を算出する演算過程と、エッチング時間を用いて前記薄膜の膜厚を判断する判断過程とを有するものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このように、従来の膜厚の測定方法では、例えば基板を一度エッチング装置に搬送してエッチングをし、エッチング後膜厚測定装置に搬送して膜厚を検出していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第00/65306号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このように膜厚を測定するのでは、エッチングを別工程で行うために測定時間がかかり、その結果製造コストがかかるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、エッチングを行うことなく膜厚を簡易に測定することができる膜厚測定装置及び膜厚測定方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の膜厚測定装置は、基板上に形成された膜の膜面の一部を切削して基板面を露出させる切削部と、露出された基板面と膜面との段差を測定して前記膜の膜厚を測定する測定部とを備えた膜厚測定装置であって、前記切削部は、膜面を切削する刃が設置された刃部と、前記刃部を移動させる移動手段と、前記刃を基板側に押圧する押圧手段とを備え、該押圧手段により刃部が基板側に押圧された状態で該刃部を移動させて膜面の一部を切削することを特徴とする。
【0008】
本発明では、切削部により膜面を切削して除去できるので、エッチングを行うことなく膜厚を簡易に測定することができる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態としては、前記移動手段が、モーターと、該モーターに接続された回転軸とを備え、前記刃部が該回転軸の回動に伴って回動して移動するように構成されていることが挙げられる。
【0010】
前記刃は、前記刃部から着脱自在であることが好ましい。着脱自在であることにより、膜や基板の種類に合わせて刃を好ましいものに適宜変更できる。
【0011】
前記刃部が円柱状であることが好ましい。刃部が円柱状であることで、仮に刃部が切削されたとしても面全体で均一に均等に削れて刃部と膜との接触面の面積が変わらないので刃部の押圧力が常に均一になる。
【0012】
前記刃部が、圧縮空気が導入される導入口を備えた筐体と、該筐体の底面に設けられた貫通孔と、該貫通孔に設置された取付部と、前記筐体の内部に前記導入口を介して圧縮空気を導入し、前記刃を押圧する前記押圧手段としての圧縮空気導入部とを備え、前記取付部には、その膜面側の一端に前記刃が設置されると共に、他端には前記貫通孔より径の大きい頭部が設けられていることが好ましい。このように構成されていることで、圧縮空気で刃部を押圧して膜面の切削を行うことができると共に、切削時に生じるパーティクルも吹き飛ばすことができる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態としては、前記測定部が、支点で揺動可能であるように取り付けられた支持体と、該支持体の一端に設けられた探針と、前記支持体の一端に隣接して設けられ、前記探針の垂直方向での変位を検出する変位センサと、支持体の他端に設けられ、探針に垂直方向下向きの圧力を加える圧力発生装置とを備え、前記探針が捉えた膜面の表面形状を前記支持体の支点回りの回転運動により前記変位センサで測定することが挙げられる。
【0014】
本発明の膜厚測定方法は、刃部を基板面に対して押圧し、押圧した状態で切削手段を移動させて基板上に形成された膜面の一部を切削して基板面を露出させる露出工程と、該露出された基板面と膜面との段差を測定して膜厚を測定する測定工程とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の膜厚測定装置及び膜厚測定方法によれば、エッチングを行うことなく膜厚を簡易に測定することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係る切削部を示す図。
【図2】スクライブ部の拡大断面図。
【図3】触針式段差計の構成を示す概略部分断面図及び制御部の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図1〜3を用いて説明する。
本発明の膜厚測定装置は、例えば、基板上に成膜された膜の膜厚を複数箇所で測定し、所望の膜厚で基板全面に膜が形成されているかを調べるために用いられるものである。膜厚測定装置は、基板上に形成された膜の膜面の一部を切削手段により切削して基板面を露出させる切削部と、露出された基板面と膜面との段差を測定する測定部とを備える。
【0018】
切削部について図1を用いて説明する。
切削部1は、支持台11を備える。支持台11は、その内部に後述するスクライブ部20が収納された状態でモーター12を支持するためのものであり、切削対象である成膜後の基板Sの膜S1上に載置される。本実施形態における基板Sに成膜された膜S1は、例えば太陽電池素子に用いられる電極膜であり、厚さが非常に薄い(100nm〜140nm)。支持台11上には、モーター12が載置される。モーター12は、図示しない駆動手段により駆動される。このモーター12には、モーター12の駆動により回転する回転軸13が設けられている。この回転軸13は、支持台11に設けられた貫通孔14から支持台11の内部へ挿入されており、自在に回転することができる。回転軸13の他端側は、図示しない軸受けを介して回転軸支持部15が設けられている。この回転軸支持部15も切削対象である成膜後の基板Sの膜S1上に載置されており、これにより本実施形態の切削部1は安定して膜S1上に載置される。
【0019】
回転軸13の中央部には、回転軸13と共に回転する接続板16が設けられている。接続板16の回転軸とは逆側には、スクライブ部(刃部)20が接続板16に固定されている。スクライブ部20の膜面側の先端にはスクライブ刃(刃)21が設けられている。モーター12の駆動により回転軸13が回転すると、この回転に追従して接続板16が回転軸13を軸中心として回転する。これにより、接続板16の他端側に設けられたスクライブ部20も回転軸13を軸中心として回転するので、スクライブ刃21が、回転軸13を軸中心とした円弧状に移動して膜S1を切削する。
【0020】
スクライブ部20について、図2を用いて説明する。
図2に示すように、スクライブ部20は、筐体22を有する。筐体22は、接続板16に設けられた開口23に嵌合されており、筐体22の壁面の上端部にはフランジ部24が形成されている。このフランジ部24が接続板16の開口23の外周に載置されている。また、筐体22のフランジ部24上には、筐体22の蓋部25が載置されている。蓋部25は、接続板16に筐体22のフランジ部24と共に図示しないネジなどの固定部材で固定されて筐体22が封止されている。
【0021】
筐体22の底面部には、筐体開口26が形成されている。筐体開口26には、柱状の支持部27が嵌合されている。支持部27の上部には、支持フランジ部28が形成されて、支持フランジ部28が筐体開口26の周囲に載置されている。支持フランジ部28は、図示しないネジなどの固定部材により筐体22に固定されている。
【0022】
支持部27には、支持部貫通孔29が形成されている。この支持部貫通孔29には、スクライブ刃21がその一端側に取り付けられた取付部材30に挿入されている。取付部材30は、支持部貫通孔29に対して若干径が小さく、支持部貫通孔29内を移動可能となるように構成されている。
【0023】
支持部貫通孔29には段差部31が形成されており、支持部貫通孔29の内径は、この段差部31で上部開口側に比べて下部開口側は小さくなるように形成されている。取付部材30のスクライブ刃21とは逆側には、取付部材30よりも外形の大きい平板部(頭部)32が設けられており、この平板部32が段差部31で支持されている。平板部32は、バネ33のバネ座としても機能している。バネ33のバネ座とは逆側には押圧部34が接続されている。この押圧部34がバネ33を押圧してバネ33を下側に付勢している。押圧部34は、支持部貫通孔29の上部開口付近に設けられた嵌合溝35に螺合しており、この押圧部34をどの程度支持部貫通孔29に挿入するかで、バネ33の付勢力を決定することができる。
【0024】
このように、押圧部34でバネ33を押圧することで、スクライブ刃21は、取付部材30と共に膜方向に一定の力で押圧されている。このように一定の力で押圧することで、膜S1を一定の力で切削することが可能である。
【0025】
このような切削部1では、モーター12を駆動して回転軸13を回転させることで、スクライブ部20を回転軸13を軸中心として回動させる。この時にスクライブ部20では、押圧部34によりバネ33が押圧されていることによりスクライブ刃21が所望の押圧力で垂直下方に押圧されて膜S1面に接触している。そして、この接触によりスクライブ刃21には垂直上方の力が生じる。この状態で、スクライブ部20が上述のように回転軸13を軸中心として回動することで、スクライブ刃21が膜S1面を切削して溝S2を形成する。この溝S2が膜S1の膜厚方向に亘って形成されると、即ち膜S1が溝S2において全て切削されると、切削部1は切削を終了する。
【0026】
この場合に、スクライブ刃21は、本実施形態では円柱状である。このようにスクライブ刃が柱状であることで、スクライブ刃21を形成しやすいと共に、仮に押圧部34により押圧されたスクライブ刃21が削れたとしても、面全体で均一に均等に削れてスクライブ刃21と膜S1との接触面の面積が変わらないので押圧力が常に均一になる。
【0027】
また、スクライブ刃21は、基板Sよりも硬度が低く、かつ、膜S1よりも硬度が高いことが好ましい。このようなスクライブ刃21を用いることで、基板Sを傷つけることなく、膜S1のみを正確に切削することができる。
【0028】
基板Sとしては、例えばSUS基板、ガラス基板が挙げられ、本実施形態ではガラス基板である。膜S1としては、ITO、アルミ、銅、モリブデンなどが挙げられるが、本実施形態では、モリブデンである。本実施形態の組み合わせでは、基板Sが膜S1よりも硬度が高い。
【0029】
因みに、スクライブ刃21は、基板Sよりも硬度が低く、かつ、膜S1よりも硬度が高いことが好ましいが、スクライブ刃21が膜S1よりも硬度が多少低くても膜S1の膜厚が薄いために除去することは可能である。
【0030】
膜S1を厚さ方向において基板Sから完全に除去できたかどうかは、膜S1と基板Sとの色が異なる場合には、例えば目視や撮影装置により判断してもよい。ただし、透明であるITO膜等を基板Sから除去する場合には、目視等により確認することが困難である。従って、膜S1がITO膜である場合には、スクライブ部20を回転軸13を軸中心として回転させて膜S1を切削して膜S1から島状に測定部を切削する。この島状部と膜S1との間に電圧を印加し抵抗値を測定しながら切削を行う。そして、抵抗値の急激な上昇を検出したら、島状部が周囲の膜S1から完全に切り抜かれたと判断することができる。このように膜S1のみを切削するように構成することで、透明な膜であっても膜のみを切削することができる。
【0031】
また、スクライブ刃21を取付部材30から着脱可能、即ち取り替え可能であるように構成してもよい。即ち、スクライブ刃21は、膜や基板の種類に合わせて適宜変更して取付部材30に取り付けられるように構成されていてもよい。
【0032】
次に、測定部について図3を用いて説明する。
図3(1)に示すように、測定部2は、触針式段差計である。測定部2は、固定支持台101を有する。固定支持台101の上には、支点102を介して揺動支持棒103が設けられ、この揺動支持棒103の一端には探針104が垂直下向きに取り付けられている。探針104はその先端はダイヤモンドで構成され、また先端の半径は一般的には2.5μmであるが、それより大きくても小さくてもよい。
【0033】
また、揺動支持棒103の他端には探針104を垂直下方の力で押圧する針押圧手段105が設けられている。この針押圧手段105は、揺動支持棒103の他端から上方へ伸びる磁性体コアからなる作動子105aと作動子105aを受ける穴をもつコイル105bとで構成されている。揺動支持棒103の一端における探針104より支点102側には、探針104の垂直方向の変位を検出する変位センサ106が設けられている。この変位センサ106は揺動支持棒103に一端が固定された磁性体コアからなる測定子106aと測定子106aの他端すなわち自由端を受けるコイル106bとを備え、いわゆる差動トランスとして構成されている。
【0034】
また、試料ホルダー107は、その上に走査ステージ108が探針104に対して予定の走査速度で移動できるように設けられ、この走査ステージ108上には被測定試料109が載置される。針押圧手段105及び探針104の垂直方向の変位を検出する変位センサ106は制御手段110に接続され、この制御手段110には段差を検出する検出手段である変位センサ106からの出力信号が入力される。なお、本実施形態の装置において被測定試料109を固定して探針側を走査するように構成することも可能である。
【0035】
図3(2)を用いて制御手段について詳細に説明する。制御手段110は、低域通過フィルタである検出回路121を備える。検出回路121には、変位センサ106で測定した出力電圧が入力され、所定の測定データに変換される。制御手段110は、また、処理手段122を備える。処理手段122は、低域通過フィルタの機能をもつソフトウエアがインストールされている。この処理手段122は、変位センサ106で測定した出力電圧に基づいて、検出回路121により計測した測定データにおける試料表面形状の段差部及び平坦部に相当する領域データ部分の切り分け処理を行う。このような処理手段としては、例えばこのような処理を行うようにプログラムが入力されているコンピュータ装置が挙げられる。
【0036】
具体的には、検出回路121は、探針104を試料に対して予定のx方向に一定の速度で掃引する際に変位センサ106で得られた測定電圧が入力される。検出回路121では、低域通過フィルタのカットオフ周波数を高く設定して(例えば70Hz)あるので、入力された測定電圧データは、横軸x方向の距離と縦軸z方向の変位量とから成る応答性の良いデータとなる。そして、得られた応答性の良いデータを処理手段122に送出する。
【0037】
処理手段122は、得られた横軸x方向の距離と縦軸z方向の変位量とから成るデータを、横軸方向の距離x又は時間tで微分してdz/dx又はdz/dtの値を得る。そして、dz/dx又はdz/dtが一定の部分と変位する部分とから、横軸x方向の距離と縦軸z方向の変位量とから成るデータを立上り領域データ部分と、平坦部領域データ部分と、立下り領域データ部分とに分ける。
【0038】
次いで、処理手段122は、平坦部領域データ部分をさらに検出回路の低域通過フィルタのカットオフ周波数より低い1〜13Hz程度のソフトの低域通過フィルタで処理し、雑音を除去する。こうして処理した平坦部領域データ部分を立上り領域データ部分及び立下り領域データ部分とに結合すると、段差形状データを得る。このようにして、段差部での応答が速く、平坦部での雑音が小さい段差形状測定結果が得られる。そして、段差形状データの時間軸をx方向への距離に換算すれば、段差形状、即ち膜厚を得ることができる。
【0039】
このようにして、本実施形態の測定部2によれば、切削部1により切削された膜の膜厚を正確に測定することが可能である。
【0040】
このように、本実施形態の膜厚測定装置においては、切削部1を用いることで、測定対象である膜S1をエッチングなどを行うことなく、短時間で除去し、この除去された部分を測定部2を用いて膜厚を測定することで、簡易に、かつ正確に膜厚を測定することが可能である。
【0041】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、回転軸のモーターとは逆側の端部に板状部材を設け、この板状部材に一対のスクライブ刃を設ける。そして、モーターの駆動時により回転軸が回転すると、板状部材も回転軸を軸中心として回転してスクライブ刃により膜を切削することができるように構成してもよい。
【0042】
上述した実施形態では、押圧部34を移動させることでバネ33の付勢力を変更したが、スクライブ刃21の押圧手段としてはこれに限定されない。例えば、筐体22内のバネ33をエアシリンダーにより押圧するように構成してもよい。
【0043】
また、押圧部34及びバネ33を設けずに、筐体22内に圧縮空気を導入してこの圧縮空気により取付部材30自体を押圧することでスクライブ刃21を膜面に押圧するように構成してもよい。即ち、圧縮空気を導入する圧縮空気導入部と、該圧縮空気導入部から導入された圧縮空気が筐体22内に流入する導入口とを設け、取付部材30を圧縮空気により押圧することができるように構成してもよい。
【0044】
このように取付部材30を圧縮空気により押圧すると、スクライブ刃21は膜面に押しつけられ、これにより膜面を切削することができる。この場合に、スクライブ刃21の膜面からの押し戻しにより、段差部31と取付部材30の平板部32との間に間隙が生じる。この間隙を介して圧縮された空気がスクライブ刃21側へ送気されるので、これによりスクライブ刃21への圧力を調整しながらスクライブ時に生じたパーティクルを吹き飛ばすことができる。また、逆に圧縮空気を吸引することにより、取付部材30を移動させて段差部31と平板部32との間に間隙を生じさせる。この間隙を介して圧縮された空気を吸引するので、これによりスクライブ刃21への圧力を調整しながらスクライブ時に生じたパーティクルを吸引することができる。
【0045】
上述した実施形態では、測定部2については走査ステージ108が移動するものを示したが、これに限定されない。特に、基板が大型になる場合には、探針104が移動するものを用いた方が好ましい。このようなものとしては、例えば固定支持台101を、移動自在な支持台とし、この支持台自体を揺動支持棒103を保持しながら移動させて、探針104を所望の位置に設置した後に膜厚測定を行っても良い。
【0046】
上述した実施形態では、スクライブ部20は回転軸13を中心として回動させたがこれに限定されない。例えば、スクライブ部20を一定方向に移動させて膜S1に直線状の溝を形成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 切削部
2 測定部
11 支持台
12 モーター
13 回転軸
14 貫通孔
15 回転軸支持部
16 接続板
20 スクライブ部
21 スクライブ刃
22 筐体
23 開口
24 フランジ部
25 蓋部
26 筐体開口
27 支持部
28 支持フランジ部
29 支持部貫通孔
30 取付部材
31 段差部
32 平板部
33 バネ
34 押圧部
35 嵌合溝
101 固定支持台
102 支点
103 揺動支持棒
104 探針
105 針押圧手段
105a 作動子
105b コイル
106 変位センサ
106a 測定子
106b コイル
107 試料ホルダー
108 走査ステージ
109 被測定試料
110 制御手段
121 検出回路
122 処理手段
S 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された膜の膜面の一部を切削して基板面を露出させる切削部と、
露出された基板面と膜面との段差を測定して前記膜の膜厚を測定する測定部とを備えた膜厚測定装置であって、
前記切削部は、膜面を切削する刃が設置された刃部と、前記刃部を移動させる移動手段と、前記刃を基板側に押圧する押圧手段とを備え、該押圧手段により刃が基板側に押圧された状態で前記刃部を移動させて膜面の一部を切削することを特徴とする膜厚測定装置。
【請求項2】
前記移動手段が、モーターと、該モーターに接続された回転軸とを備え、前記刃部が該回転軸の回動に伴って回動して移動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の膜厚測定装置。
【請求項3】
前記刃は、前記刃部から着脱自在であることを特徴とする請求項1又は2に記載の膜厚測定装置。
【請求項4】
前記刃が円柱状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜厚測定装置。
【請求項5】
前記刃部が、圧縮空気が導入される導入口を備えた筐体と、該筐体の底面に設けられた貫通孔と、該貫通孔に設置された取付部と、前記筐体の内部に前記導入口を介して圧縮空気を導入し、前記刃を押圧する前記押圧手段としての圧縮空気導入部とを備え、
前記取付部には、その膜面側の一端に前記刃が設置されると共に、他端には前記貫通孔より径の大きい頭部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の膜厚測定装置。
【請求項6】
前記測定部が、支点で揺動可能であるように取り付けられた支持体と、該支持体の一端に設けられた探針と、前記支持体の一端に隣接して設けられ、前記探針の垂直方向での変位を検出する変位センサと、支持体の他端に設けられ、探針に垂直方向下向きの圧力を加える圧力発生装置とを備え、
前記探針が捉えた膜面の表面形状を前記支持体の支点回りの回転運動により前記変位センサで測定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の膜厚測定装置。
【請求項7】
刃部を基板面に対して押圧し、押圧した状態で切削手段を移動させて基板上に形成された膜面の一部を切削して基板面を露出させる露出工程と、
該露出された基板面と膜面との段差を測定して膜厚を測定する測定工程とを備えたことを特徴とする膜厚測定方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−15323(P2013−15323A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146212(P2011−146212)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】