膨張式安全ベルト
本発明は、
互いの先端上に置かれ、間に空洞を形成する少なくとも2つのベルトウェビング層(3a、3b)を備えたベルトウェビング(3)と、
空間への流れ接続部を有するガス発生器(12)と、
ベルトウェビング(3)とガス発生器(12)とを自動車に固定するための固定取付具(6)と
を含み、
ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、ガス発生器(12)への流れ接続部が張力を受けないように固定取付具(6)へ接続されている、膨張式安全ベルトに関する。
互いの先端上に置かれ、間に空洞を形成する少なくとも2つのベルトウェビング層(3a、3b)を備えたベルトウェビング(3)と、
空間への流れ接続部を有するガス発生器(12)と、
ベルトウェビング(3)とガス発生器(12)とを自動車に固定するための固定取付具(6)と
を含み、
ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、ガス発生器(12)への流れ接続部が張力を受けないように固定取付具(6)へ接続されている、膨張式安全ベルトに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文の特徴を備えた膨張式安全ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
事故の際に乗員を拘束し、乗員を車両の減速に追従させる実際の機能に加えて、膨張式安全ベルトはさらに、事故の際に膨張して乗員に加わる荷重を低減するという特徴を有している。膨張式安全ベルトについて解決すべき重要な課題は、ガス発生器の配置と、ガス発生器によって生成したガス流で膨張式安全ベルトを充填することである。
【0003】
国際公開第2006/105905号明細書からは、ガス発生器が端部取付具に位置し、その端部取付具は、端部取付具によってガス発生器の充填パイプを封止でき、および張力を安全ベルトから車両構造へ伝達できるように形成されている、膨張式安全ベルトがすでに知られている。この解決法の欠点は、安全ベルトの締結またはガス発生器への接続のどちらかが故障した場合に、それぞれ他の機能も悪影響を受ける危険性があることである。さらに、安全ベルトの締結を設計する際に、常に充填パイプの封止に注意を払い、逆に、充填パイプの封止を設計する際に、常に安全ベルトの締結について注意を払わなければならないので、安全ベルトの締結も充填パイプの封止も、それ自体を最適な方式に設計することができないという全般的な問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006/105905A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来技術に基づいて、本発明の目的は、自動車への締結具を備える膨張式安全ベルトを提供することであり、その安全ベルトは、必要な拘束力および充填に関して最適な方式に設計できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的の解決は、本発明に基づいて、請求項1の前文の特徴を備えた膨張式安全ベルトによって達成されるが、有利な展開形態は従属請求項から読み取れるであろう。
【0007】
請求項1によると、ガス発生器への流れ接続部分が張力を受けないように、ベルトウェビング層の端部が、固定取付具に接続されることが提案されている。これによって、ベルトウェビングとガス発生器が、固定取付具において、機能的に離れて位置するので、張力が、安全ベルトから固定取付具へ、ガス発生器、充填パイプ、またはガス発生器と膨張式ベルトとの間にある流れ接続部分の別の部品を介して伝達されない。それによって、ガス発生器への流れ接続部分は、ベルトウェビングからの張力に関しては、張力を受けないので、この接続部分は、事故の間、ベルトウェビングによって加えられる張力による荷重を受けない。それゆえに、流れ接続部分は不浸透性と、流れ案内と、ベルトが膨張するときなどに作用する荷重とに関しては最適な方式に設計できる。さらに、ベルトウェビング層の端部と固定取付具との間の接続部分は、張力の結果かかる荷重だけに基づいて、その種類と大きさに関して寸法を決めることができる。それによって、本発明は、ガス発生器またはその膨張式安全ベルトへの接続部分が故障した場合であっても、膨張式安全ベルトが、依然として従来の非膨張式安全ベルトとして作動するという、乗員の拘束に大きな利点を有する膨張式安全ベルトを提供する。
【0008】
固定取付具ならびに、ベルトウェビング層およびガス発生器の配置の特に簡単な構成は、ベルトウェビング層の端部を固定取付具の間隔の空いた2つのブラケットに個別に取り付けることによって、およびガス発生器が発生するガス流をベルトウェビング層の端部間でベルトウェビングに導入することによって、実現される。ベルトウェビング層を個別に接続することによって、ベルトウェビング層のうちの1つが固定取付具に接続され損なった場合でも、それぞれ他方のベルトウェビング層によって、拘束機能が依然として提供されるので、安全性の向上が得られる。
【0009】
さらに、固定取付具が基板を備えていることと、ブラケットが、基板とブラケットとがU字形の断面を形成するように、傾斜して基板の両側から突出していることと、ガス発生器がその基板に接続されていることとが提案されている。ベルトウェビング層の接続領域にU字形の固定取付具を設けることによって、ベルトウェビング層は少し離れて維持され、ブラケット間にできる空間には、ガスを導入することができ、そのために必要な構成部品(ガスランス、ディフューザなど)を配置できる。
【0010】
さらに、固定取付具は、互いに回動可能に組み合わされた少なくとも2つの固定具から形成でき、この場合、ベルトウェビング層は、固定具のうちの一方に連結され、他方の固定具は、自動車に締結されている。それによって、ベルトウェビング層が連結される固定具は、ベルトウェビングを斜めに引っ張ると自動車に締結された固定具に対して、固定具自体を位置合わせできるので、所定の位置合わせに基づいて、斜めに引っ張る角度が補正され、張力が固定具に伝達される。
【0011】
さらに、ベルトウェビング層の端部が、固定取付具に設けられた開口に回動可能に取り付けられること、および、開口における締結によってもたらされる回動動作の回動軸と、固定具間の回動動作の回動軸とが、ある角度、好ましくは、互いに直角で配置されていることが提案されている。このようにして、ベルトウェビング層を固定取付具で2本の回動軸回りに、例えば、1本の軸は駆動方向に垂直に、1本の軸は駆動方向に平行に、位置合わせできる。その結果、それぞれの乗員またはそれぞれの座席位置によって生じる様々なベルト係合角度が考慮され、それによって生じる斜めの引っ張りが回避される。
【0012】
この場合、固定具の回転位置を互いに固定するために、一方の固定具上で、他方の固定具の凹部と係合する係合手段が設けられ、係合手段によって予め決められた分離力を超えると、係合手段によってもたらされる固定具の接続が解除される。このようにして、通常使用の間は、固定取付具は、常に所定の配列位置を有し、その配列位置は、事故の際に、安全ベルトの張力により生じる分離力を超えるまで変化しない。
【0013】
さらに、ガスランスが、ベルトウェビング層の間に設けられていることと、そのガスランスが、ディフューザを介してガス発生器との流れの接続を有することと、ディフューザが、長手方向において固定取付具で固定されていることとが提案されている。ディフューザを長手方向において固定取付具で固定することによって、ガス膨張の間に生じる力が、長手方向において、固定取付具へ伝達されるので、ガス発生器および/またはガスランスが長手方向に荷重を受けない。
【0014】
ベルトウェビング層を固定取付具に接続する簡単でコスト的に有効な方法は、ベルトウェビング層の端部を、固定するために、自己固定式に、数層で、互いの先端上に置くことである。したがって、縫合、溶接、接着など、追加のコストが発生する接続は省略される。
【0015】
接続は、1つ以上のクランプ要素の回りに巻き付くベルトウェビング層によって、代替的に、または追加的にさらに改良できる。クランプ要素を用いることによって、クランプ要素が固定取付具への閉鎖形状の接続を提供することで、接続の安定性が増大する。
【0016】
この場合、さらに、クランプ要素がピンによって形成され、ピンは、ベルトウェビング層(複数可)が回りに巻きつけられ、肥厚部を形成し、ベルトウェビング層の途中で、固定取付具に設けられた狭い箇所の前に位置することが提案される。
【0017】
クランプ要素は、固定取付具の反対輪郭内の上記クランプ要素の外側形状によって、回転可能に固定される方式で、代替的に、または追加的に、固定される。それによって、ベルトウェビング層の固定がさらに改良される。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施形態は、ベルトウェビング層の端部が、ベルトウェビング、ディフューザの中心および/または固定具の回動軸まで互いに異なる距離で、固定取付具に取り付けられることである。それによって、固定取付具に伝達される荷重が、必要な場合には、単一のベルトウェビング層に個別に分配され得る。
【0019】
以下において、いくつかの好ましい実施形態に基づいて、本発明をより詳細に説明する。図は以下を詳細に示す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】膨張式安全ベルトを装着した乗員を示す。
【図2】固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図3a】異なる角度からの異なるベルト張力が作用している、互いに回動する方式で形成された2つの固定具を備える、固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図3b】異なる角度からの異なるベルト張力が作用している、互いに回動する方式で形成された2つの固定具を備える、固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図3c】異なる角度からの異なるベルト張力が作用している、互いに回動する方式で形成された2つの固定具を備える、固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図4a】ベルトウェビング層の端部を取り付ける開口を備えた、固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図4b】ベルトウェビング層の端部を取り付ける開口を備えた、固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図5】固定取付具と、ベルトウェビング層の端部が巻き付けられるピン形状のクランプ要素とを有する膨張ユニットを示す。
【図6a】固定取付具と、ベルトウェビング層の端部が巻き付けられるクランプ要素とを有する膨張ユニットであり、クランプ要素は、固定取付具の反対輪郭内に、回転可能に固定された方式で固定される外側輪郭を備えていることを示す。
【図6b】固定取付具と、ベルトウェビング層の端部が巻き付けられるクランプ要素とを有する膨張ユニットであり、クランプ要素は、固定取付具の反対輪郭内に、回転可能に固定された方式で固定される外側輪郭を備えていることを示す。
【図7】図6a〜6bからのクランプ要素を示す。
【図8a】ベルトウェビングに対して異なる距離に2つのブラケットを備えた固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図8b】ベルトウェビングに対して異なる距離に2つのブラケットを備えた固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、自動車(図示せず)の車両シート2上の乗員1の例示的な代表図である。乗員1は、ベルトウェビング3を有する膨張式安全ベルトで固定されている。ベルトウェビング3は、自動車から肩を越えて、乗員1の胸部を斜めに横切って、ベルトバックル(図示せず)まで走る斜めのベルト4aと、ベルトバックルから乗員1の膝を越えて固定取付具6まで走るラップベルト4bとに分けられる。固定取付具6を介して自動車に接続されるラップベルト4bの端部には、膨張ユニット5が設けられ、膨張ユニット5により、膨張式安全ベルトは少なくとも断面が膨張する。
【0022】
図2は、切欠部内に固定取付具6を備える、膨張ユニット5を示している。ベルトウェビング3は、少なくとも、2つのベルトウェビング層3a、3bから形成される、ラップベルト4bの領域内と斜めのベルト4aの一部分内にある。ベルトウェビング層3a、3bは、互いの先端上に置かれ、好ましくは、ベルトウェビング層3a、3bの間に位置する空間を形成する境界部分で互いに接続されている。ガスランス7が、ベルトウェビング層3a、3bの間の空間に位置し、そのガスランスによって、ガス流が膨張式安全ベルト内で分配される。ベルトウェビング層3a、3b自体は、実質的に、表面がより大きく、従来の平坦なウェブ形のベルトウェビング3に折り畳まれている。ベルトウェビング3が膨張すると、ベルトウェビング層3a、3bは、互いに分離し、最初の形に戻る。その際に、空間と外表面とが大幅に増え、ベルトウェビング3が垂直に膨張して、厚い「筒状」になる。膨張した安全ベルトによって、乗員に接する安全ベルトの表面がかなり大きくなり、それによって面荷重が等しい力で低減するので、乗員への荷重は減少する。
【0023】
固定取付具6が、2つの固定具20、23から形成されている。固定具20は自動車に接続され、固定具23はベルトウェビング3に接続されている。固定具20には、斜めに突出する取付板21が設けられ、その取付板には、ネジ形状の締結手段13が、自動車への締結のために設けられている。固定具23は、基板10と、ベルトウェビング3から離れる方向に基板10から突出するブラケット17と、ブラケット17に対して垂直に走り、ベルトウェビング3の方向に突出する2つのブラケット15、16とを有している。ブラケット17には、ボルト18が位置し、ボルト18を介して、固定具20、23が互いに回動可能に接続されている。ベルトウェビング3と対向し、基板10から突出するブラケット15、16には、それぞれ、開口8、9が設けられている。開口8、9には、ベルトウェビング層3a、3bが回動可能に取り付けられている。固定取付具6の横方向隣には、ディフューザ11を介するガスランス7との流れ接続部を有するガス発生器12が設けられている。ディフューザ11には、隆起部14が設けられ、隆起部14は、ディフューザ11とガスランス7に作用する長手方向の力を吸収し、それを基板10に伝えるので、ディフューザ11とガスランス7とが膨張過程の間に移動しない。
【0024】
図3a〜3cは、図1のA−Aから見た図2の同一の膨張ユニットを示しており、異なるベルト係合角度から異なるベルト力が作用している。まず、図3aは固定具20、23の位置を示しており、この場合、ベルトウェビング3のベルト力「F」が実質的に、ブラケット15、16に平行に作用するので、固定具20、23の互いの相対的な回転位置は、所定の回転位置と同じである。所定の回転位置は、図4a、4bでも見られるように、固定具20に設けられ、固定具23上の凹部40と係合する係合手段19によって固定されている。
【0025】
図3bは、ベルト力「F1」が角度「A」で作用している、同じ固定取付具6を示している。ベルト力「F1」は、例えば、安全ベルトの通常使用の際に生じる。固定具20、23は、依然として、係合手段19によって決められた位置を取っている。
【0026】
図3cは同じ固定取付具6を示しており、ここでは、ベルト力「F2」が、係合手段19によって決められる分離力を超える程度まで大きくなっている。分離力を超えていることによって、係合手段19は不可逆的に破壊され(係合から離れ)、固定具23は、角度「A」の分、固定具20に対して回動する。この固定具20、23の互いの相対的な回動能力は、ボルト18によって画定される回動軸「M」によって決定される。固定具23が固定具20に対して回動するため、ブラケット15、16は、ここで再び、ベルト力「F2」の作用する方向に平行に位置合わせされる。
【0027】
図4a、4bは、開口8、9によって画定された回動軸「X」と垂直な1平面において、異なるベルト係合方向からのベルト力「F3」と「F4」の加わる状態において、ベルトウェビング3がそれ自体どのように開口8、9に取り付けられたベルトウェビング層3a、3bの端部と整列するかを示している。固定具20、23の互いの位置は、そこでは、変化はない。これによって、特に、異なる座席位置または異なる乗員によって生じる、異なるベルト力の作用方向が考慮される。開口8、9によって画定される回動軸「X」と、ボルト18によって画定される回動軸「M」とは、互いにある角度、好ましくは直角を成すので、特に荷重を受けると、大きな回動領域が生じ、可能な限りの多くのベルト係合角度が補正され、それ以外の場合には、生じる斜めの引っ張りが回避される。
【0028】
図5は、固定取付具6が、互いの先端上に置かれた2つの固定具38、39によって形成された代替的実施形態を示している。固定具38、39はそれぞれベルトウェビング3の方向に曲げられて、その端部にブラケット27、28を形成している。ブラケットの間には、ガス発生器12および/またはディフューザ11および/または流れ接続部の他の部品が位置している。さらに、端部28aを備えたブラケット28は、ブラケット27の方向に再度曲げられ、重なり領域でブラケット27に接続されている。
【0029】
後方に曲げられた端部28aには、詳細には、開口領域(図示せず)が設けられ、ディフューザ11がその開口領域を貫通している。ディフューザ11は、後方に曲げられた端部28aに接して支持され、およびそれによってディフューザ11をガス流が流れ出す長手方向に固定する、フランジ26を備えている。ベルトウェビング層3a、3bは、ガス発生器12とディフューザ11を包み込んでいるので、ベルトウェビング層3a、3bは、フリクションロック方式で固定される。それに加えて、必要な場合には、ベルトウェビング層3a、3bの端部は、ピン形状のクランプ要素24、25を包み込み、互いに縫合される。クランプ要素24、25は、ブラケット27、28とディフューザ11とによって形成される狭い箇所の背後で、ベルトウェビング層3a、3bのベルト力の引っ張り方向に位置し、それによって、ベルトウェビング3によって加えられる張力が固定取付具6に伝達されるようになる。それによって、ベルトウェビング3は、多少の自己固定性を備えて、固定取付具6上に置かれる。
【0030】
図6a、6bは、やはり、ベルトウェビング層3a、3bがガス発生器12とディフューザ11とを包み込み、接合クランプ要素30の上に置かれた、本発明のさらなる代替的実施形態を示している。図7に示されたクランプ要素30は、バー29、31を介して互いに接続された2つのウェッジ要素32、33から形成され、各ウェッジ要素は、ベース本体34、35とそこから突出する支持部分36、37とから形成されている。図6aで見られるように、ベルトウェビング層3a、3bはバー29、31を包み込み、それによって、フリクションロック方式でバーの上に置かれる。ベース本体34、35とその上に位置する支持部分36、37とによって、クランプ要素30は、図6aで示された取り付け位置では、クランプ要素30が、固定取付具6によって提供される反対輪郭上で、回転可能に固定される方式で、クランプ要素30自体を支持するような外側輪郭を有する。さらに、ウェッジ要素32、33によって、ベルトウェビング3が張力を加える場合に、クランプ要素30が固定取付具6内で自己固定される。
【0031】
図8a、8bは、ベルトウェビング3の引っ張り方向に対するブラケット15、16の距離が異なる、本発明のさらに好ましい実施形態を示している。図8aでは、ブラケット15、16の距離「a」は同じであり、それによって、ベルトウェビング3から作用するベルト力は、両方のブラケット15、16に等しく分配される。図8bで示された実施形態では、ベルトウェビング3および/または回動軸「M」の中心および/またはディフューザ11の中心に対するブラケット15の距離「a」は、対応するブラケット16の距離「b」よりも小さい。それによって、ベルトウェビング層3a、3bを介してベルトウェビング3が伝達するベルト力は、ブラケット15、16に不均等に分配される。図示された実施形態では、距離「a」が距離「b」よりも小さいので、ブラケット15に伝達される力はより大きくなる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文の特徴を備えた膨張式安全ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
事故の際に乗員を拘束し、乗員を車両の減速に追従させる実際の機能に加えて、膨張式安全ベルトはさらに、事故の際に膨張して乗員に加わる荷重を低減するという特徴を有している。膨張式安全ベルトについて解決すべき重要な課題は、ガス発生器の配置と、ガス発生器によって生成したガス流で膨張式安全ベルトを充填することである。
【0003】
国際公開第2006/105905号明細書からは、ガス発生器が端部取付具に位置し、その端部取付具は、端部取付具によってガス発生器の充填パイプを封止でき、および張力を安全ベルトから車両構造へ伝達できるように形成されている、膨張式安全ベルトがすでに知られている。この解決法の欠点は、安全ベルトの締結またはガス発生器への接続のどちらかが故障した場合に、それぞれ他の機能も悪影響を受ける危険性があることである。さらに、安全ベルトの締結を設計する際に、常に充填パイプの封止に注意を払い、逆に、充填パイプの封止を設計する際に、常に安全ベルトの締結について注意を払わなければならないので、安全ベルトの締結も充填パイプの封止も、それ自体を最適な方式に設計することができないという全般的な問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006/105905A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来技術に基づいて、本発明の目的は、自動車への締結具を備える膨張式安全ベルトを提供することであり、その安全ベルトは、必要な拘束力および充填に関して最適な方式に設計できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的の解決は、本発明に基づいて、請求項1の前文の特徴を備えた膨張式安全ベルトによって達成されるが、有利な展開形態は従属請求項から読み取れるであろう。
【0007】
請求項1によると、ガス発生器への流れ接続部分が張力を受けないように、ベルトウェビング層の端部が、固定取付具に接続されることが提案されている。これによって、ベルトウェビングとガス発生器が、固定取付具において、機能的に離れて位置するので、張力が、安全ベルトから固定取付具へ、ガス発生器、充填パイプ、またはガス発生器と膨張式ベルトとの間にある流れ接続部分の別の部品を介して伝達されない。それによって、ガス発生器への流れ接続部分は、ベルトウェビングからの張力に関しては、張力を受けないので、この接続部分は、事故の間、ベルトウェビングによって加えられる張力による荷重を受けない。それゆえに、流れ接続部分は不浸透性と、流れ案内と、ベルトが膨張するときなどに作用する荷重とに関しては最適な方式に設計できる。さらに、ベルトウェビング層の端部と固定取付具との間の接続部分は、張力の結果かかる荷重だけに基づいて、その種類と大きさに関して寸法を決めることができる。それによって、本発明は、ガス発生器またはその膨張式安全ベルトへの接続部分が故障した場合であっても、膨張式安全ベルトが、依然として従来の非膨張式安全ベルトとして作動するという、乗員の拘束に大きな利点を有する膨張式安全ベルトを提供する。
【0008】
固定取付具ならびに、ベルトウェビング層およびガス発生器の配置の特に簡単な構成は、ベルトウェビング層の端部を固定取付具の間隔の空いた2つのブラケットに個別に取り付けることによって、およびガス発生器が発生するガス流をベルトウェビング層の端部間でベルトウェビングに導入することによって、実現される。ベルトウェビング層を個別に接続することによって、ベルトウェビング層のうちの1つが固定取付具に接続され損なった場合でも、それぞれ他方のベルトウェビング層によって、拘束機能が依然として提供されるので、安全性の向上が得られる。
【0009】
さらに、固定取付具が基板を備えていることと、ブラケットが、基板とブラケットとがU字形の断面を形成するように、傾斜して基板の両側から突出していることと、ガス発生器がその基板に接続されていることとが提案されている。ベルトウェビング層の接続領域にU字形の固定取付具を設けることによって、ベルトウェビング層は少し離れて維持され、ブラケット間にできる空間には、ガスを導入することができ、そのために必要な構成部品(ガスランス、ディフューザなど)を配置できる。
【0010】
さらに、固定取付具は、互いに回動可能に組み合わされた少なくとも2つの固定具から形成でき、この場合、ベルトウェビング層は、固定具のうちの一方に連結され、他方の固定具は、自動車に締結されている。それによって、ベルトウェビング層が連結される固定具は、ベルトウェビングを斜めに引っ張ると自動車に締結された固定具に対して、固定具自体を位置合わせできるので、所定の位置合わせに基づいて、斜めに引っ張る角度が補正され、張力が固定具に伝達される。
【0011】
さらに、ベルトウェビング層の端部が、固定取付具に設けられた開口に回動可能に取り付けられること、および、開口における締結によってもたらされる回動動作の回動軸と、固定具間の回動動作の回動軸とが、ある角度、好ましくは、互いに直角で配置されていることが提案されている。このようにして、ベルトウェビング層を固定取付具で2本の回動軸回りに、例えば、1本の軸は駆動方向に垂直に、1本の軸は駆動方向に平行に、位置合わせできる。その結果、それぞれの乗員またはそれぞれの座席位置によって生じる様々なベルト係合角度が考慮され、それによって生じる斜めの引っ張りが回避される。
【0012】
この場合、固定具の回転位置を互いに固定するために、一方の固定具上で、他方の固定具の凹部と係合する係合手段が設けられ、係合手段によって予め決められた分離力を超えると、係合手段によってもたらされる固定具の接続が解除される。このようにして、通常使用の間は、固定取付具は、常に所定の配列位置を有し、その配列位置は、事故の際に、安全ベルトの張力により生じる分離力を超えるまで変化しない。
【0013】
さらに、ガスランスが、ベルトウェビング層の間に設けられていることと、そのガスランスが、ディフューザを介してガス発生器との流れの接続を有することと、ディフューザが、長手方向において固定取付具で固定されていることとが提案されている。ディフューザを長手方向において固定取付具で固定することによって、ガス膨張の間に生じる力が、長手方向において、固定取付具へ伝達されるので、ガス発生器および/またはガスランスが長手方向に荷重を受けない。
【0014】
ベルトウェビング層を固定取付具に接続する簡単でコスト的に有効な方法は、ベルトウェビング層の端部を、固定するために、自己固定式に、数層で、互いの先端上に置くことである。したがって、縫合、溶接、接着など、追加のコストが発生する接続は省略される。
【0015】
接続は、1つ以上のクランプ要素の回りに巻き付くベルトウェビング層によって、代替的に、または追加的にさらに改良できる。クランプ要素を用いることによって、クランプ要素が固定取付具への閉鎖形状の接続を提供することで、接続の安定性が増大する。
【0016】
この場合、さらに、クランプ要素がピンによって形成され、ピンは、ベルトウェビング層(複数可)が回りに巻きつけられ、肥厚部を形成し、ベルトウェビング層の途中で、固定取付具に設けられた狭い箇所の前に位置することが提案される。
【0017】
クランプ要素は、固定取付具の反対輪郭内の上記クランプ要素の外側形状によって、回転可能に固定される方式で、代替的に、または追加的に、固定される。それによって、ベルトウェビング層の固定がさらに改良される。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施形態は、ベルトウェビング層の端部が、ベルトウェビング、ディフューザの中心および/または固定具の回動軸まで互いに異なる距離で、固定取付具に取り付けられることである。それによって、固定取付具に伝達される荷重が、必要な場合には、単一のベルトウェビング層に個別に分配され得る。
【0019】
以下において、いくつかの好ましい実施形態に基づいて、本発明をより詳細に説明する。図は以下を詳細に示す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】膨張式安全ベルトを装着した乗員を示す。
【図2】固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図3a】異なる角度からの異なるベルト張力が作用している、互いに回動する方式で形成された2つの固定具を備える、固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図3b】異なる角度からの異なるベルト張力が作用している、互いに回動する方式で形成された2つの固定具を備える、固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図3c】異なる角度からの異なるベルト張力が作用している、互いに回動する方式で形成された2つの固定具を備える、固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図4a】ベルトウェビング層の端部を取り付ける開口を備えた、固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図4b】ベルトウェビング層の端部を取り付ける開口を備えた、固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図5】固定取付具と、ベルトウェビング層の端部が巻き付けられるピン形状のクランプ要素とを有する膨張ユニットを示す。
【図6a】固定取付具と、ベルトウェビング層の端部が巻き付けられるクランプ要素とを有する膨張ユニットであり、クランプ要素は、固定取付具の反対輪郭内に、回転可能に固定された方式で固定される外側輪郭を備えていることを示す。
【図6b】固定取付具と、ベルトウェビング層の端部が巻き付けられるクランプ要素とを有する膨張ユニットであり、クランプ要素は、固定取付具の反対輪郭内に、回転可能に固定された方式で固定される外側輪郭を備えていることを示す。
【図7】図6a〜6bからのクランプ要素を示す。
【図8a】ベルトウェビングに対して異なる距離に2つのブラケットを備えた固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【図8b】ベルトウェビングに対して異なる距離に2つのブラケットを備えた固定取付具を有する膨張ユニットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、自動車(図示せず)の車両シート2上の乗員1の例示的な代表図である。乗員1は、ベルトウェビング3を有する膨張式安全ベルトで固定されている。ベルトウェビング3は、自動車から肩を越えて、乗員1の胸部を斜めに横切って、ベルトバックル(図示せず)まで走る斜めのベルト4aと、ベルトバックルから乗員1の膝を越えて固定取付具6まで走るラップベルト4bとに分けられる。固定取付具6を介して自動車に接続されるラップベルト4bの端部には、膨張ユニット5が設けられ、膨張ユニット5により、膨張式安全ベルトは少なくとも断面が膨張する。
【0022】
図2は、切欠部内に固定取付具6を備える、膨張ユニット5を示している。ベルトウェビング3は、少なくとも、2つのベルトウェビング層3a、3bから形成される、ラップベルト4bの領域内と斜めのベルト4aの一部分内にある。ベルトウェビング層3a、3bは、互いの先端上に置かれ、好ましくは、ベルトウェビング層3a、3bの間に位置する空間を形成する境界部分で互いに接続されている。ガスランス7が、ベルトウェビング層3a、3bの間の空間に位置し、そのガスランスによって、ガス流が膨張式安全ベルト内で分配される。ベルトウェビング層3a、3b自体は、実質的に、表面がより大きく、従来の平坦なウェブ形のベルトウェビング3に折り畳まれている。ベルトウェビング3が膨張すると、ベルトウェビング層3a、3bは、互いに分離し、最初の形に戻る。その際に、空間と外表面とが大幅に増え、ベルトウェビング3が垂直に膨張して、厚い「筒状」になる。膨張した安全ベルトによって、乗員に接する安全ベルトの表面がかなり大きくなり、それによって面荷重が等しい力で低減するので、乗員への荷重は減少する。
【0023】
固定取付具6が、2つの固定具20、23から形成されている。固定具20は自動車に接続され、固定具23はベルトウェビング3に接続されている。固定具20には、斜めに突出する取付板21が設けられ、その取付板には、ネジ形状の締結手段13が、自動車への締結のために設けられている。固定具23は、基板10と、ベルトウェビング3から離れる方向に基板10から突出するブラケット17と、ブラケット17に対して垂直に走り、ベルトウェビング3の方向に突出する2つのブラケット15、16とを有している。ブラケット17には、ボルト18が位置し、ボルト18を介して、固定具20、23が互いに回動可能に接続されている。ベルトウェビング3と対向し、基板10から突出するブラケット15、16には、それぞれ、開口8、9が設けられている。開口8、9には、ベルトウェビング層3a、3bが回動可能に取り付けられている。固定取付具6の横方向隣には、ディフューザ11を介するガスランス7との流れ接続部を有するガス発生器12が設けられている。ディフューザ11には、隆起部14が設けられ、隆起部14は、ディフューザ11とガスランス7に作用する長手方向の力を吸収し、それを基板10に伝えるので、ディフューザ11とガスランス7とが膨張過程の間に移動しない。
【0024】
図3a〜3cは、図1のA−Aから見た図2の同一の膨張ユニットを示しており、異なるベルト係合角度から異なるベルト力が作用している。まず、図3aは固定具20、23の位置を示しており、この場合、ベルトウェビング3のベルト力「F」が実質的に、ブラケット15、16に平行に作用するので、固定具20、23の互いの相対的な回転位置は、所定の回転位置と同じである。所定の回転位置は、図4a、4bでも見られるように、固定具20に設けられ、固定具23上の凹部40と係合する係合手段19によって固定されている。
【0025】
図3bは、ベルト力「F1」が角度「A」で作用している、同じ固定取付具6を示している。ベルト力「F1」は、例えば、安全ベルトの通常使用の際に生じる。固定具20、23は、依然として、係合手段19によって決められた位置を取っている。
【0026】
図3cは同じ固定取付具6を示しており、ここでは、ベルト力「F2」が、係合手段19によって決められる分離力を超える程度まで大きくなっている。分離力を超えていることによって、係合手段19は不可逆的に破壊され(係合から離れ)、固定具23は、角度「A」の分、固定具20に対して回動する。この固定具20、23の互いの相対的な回動能力は、ボルト18によって画定される回動軸「M」によって決定される。固定具23が固定具20に対して回動するため、ブラケット15、16は、ここで再び、ベルト力「F2」の作用する方向に平行に位置合わせされる。
【0027】
図4a、4bは、開口8、9によって画定された回動軸「X」と垂直な1平面において、異なるベルト係合方向からのベルト力「F3」と「F4」の加わる状態において、ベルトウェビング3がそれ自体どのように開口8、9に取り付けられたベルトウェビング層3a、3bの端部と整列するかを示している。固定具20、23の互いの位置は、そこでは、変化はない。これによって、特に、異なる座席位置または異なる乗員によって生じる、異なるベルト力の作用方向が考慮される。開口8、9によって画定される回動軸「X」と、ボルト18によって画定される回動軸「M」とは、互いにある角度、好ましくは直角を成すので、特に荷重を受けると、大きな回動領域が生じ、可能な限りの多くのベルト係合角度が補正され、それ以外の場合には、生じる斜めの引っ張りが回避される。
【0028】
図5は、固定取付具6が、互いの先端上に置かれた2つの固定具38、39によって形成された代替的実施形態を示している。固定具38、39はそれぞれベルトウェビング3の方向に曲げられて、その端部にブラケット27、28を形成している。ブラケットの間には、ガス発生器12および/またはディフューザ11および/または流れ接続部の他の部品が位置している。さらに、端部28aを備えたブラケット28は、ブラケット27の方向に再度曲げられ、重なり領域でブラケット27に接続されている。
【0029】
後方に曲げられた端部28aには、詳細には、開口領域(図示せず)が設けられ、ディフューザ11がその開口領域を貫通している。ディフューザ11は、後方に曲げられた端部28aに接して支持され、およびそれによってディフューザ11をガス流が流れ出す長手方向に固定する、フランジ26を備えている。ベルトウェビング層3a、3bは、ガス発生器12とディフューザ11を包み込んでいるので、ベルトウェビング層3a、3bは、フリクションロック方式で固定される。それに加えて、必要な場合には、ベルトウェビング層3a、3bの端部は、ピン形状のクランプ要素24、25を包み込み、互いに縫合される。クランプ要素24、25は、ブラケット27、28とディフューザ11とによって形成される狭い箇所の背後で、ベルトウェビング層3a、3bのベルト力の引っ張り方向に位置し、それによって、ベルトウェビング3によって加えられる張力が固定取付具6に伝達されるようになる。それによって、ベルトウェビング3は、多少の自己固定性を備えて、固定取付具6上に置かれる。
【0030】
図6a、6bは、やはり、ベルトウェビング層3a、3bがガス発生器12とディフューザ11とを包み込み、接合クランプ要素30の上に置かれた、本発明のさらなる代替的実施形態を示している。図7に示されたクランプ要素30は、バー29、31を介して互いに接続された2つのウェッジ要素32、33から形成され、各ウェッジ要素は、ベース本体34、35とそこから突出する支持部分36、37とから形成されている。図6aで見られるように、ベルトウェビング層3a、3bはバー29、31を包み込み、それによって、フリクションロック方式でバーの上に置かれる。ベース本体34、35とその上に位置する支持部分36、37とによって、クランプ要素30は、図6aで示された取り付け位置では、クランプ要素30が、固定取付具6によって提供される反対輪郭上で、回転可能に固定される方式で、クランプ要素30自体を支持するような外側輪郭を有する。さらに、ウェッジ要素32、33によって、ベルトウェビング3が張力を加える場合に、クランプ要素30が固定取付具6内で自己固定される。
【0031】
図8a、8bは、ベルトウェビング3の引っ張り方向に対するブラケット15、16の距離が異なる、本発明のさらに好ましい実施形態を示している。図8aでは、ブラケット15、16の距離「a」は同じであり、それによって、ベルトウェビング3から作用するベルト力は、両方のブラケット15、16に等しく分配される。図8bで示された実施形態では、ベルトウェビング3および/または回動軸「M」の中心および/またはディフューザ11の中心に対するブラケット15の距離「a」は、対応するブラケット16の距離「b」よりも小さい。それによって、ベルトウェビング層3a、3bを介してベルトウェビング3が伝達するベルト力は、ブラケット15、16に不均等に分配される。図示された実施形態では、距離「a」が距離「b」よりも小さいので、ブラケット15に伝達される力はより大きくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの先端上に置かれ、間に空間を形成する少なくとも2つのベルトウェビング層(3a、3b)を備えたベルトウェビング(3)と、
前記空間への流れ接続部を有するガス発生器(12)と、
前記ベルトウェビング(3)と前記ガス発生器(12)とを自動車に固定するための固定取付具(6)と、を含み、
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、前記ガス発生器(12)への前記流れ接続部が張力を受けないように前記固定取付具(6)へ接続されていることを特徴とする、膨張式安全ベルト。
【請求項2】
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、前記固定取付具(6)の2つの間隔の空いたブラケット(15、16、27、28)に個別に取り付けられることと、
前記ガス発生器(12)によって発生したガス流は、前記端部の間で前記ベルトウェビング(3)に導入されることと、を特徴とする、請求項1に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項3】
前記固定取付具(6)は基板(10)を備えていることと、
前記ブラケット(15、16、27、28)は、前記基板(10)と前記ブラケット(15、16、27、28)がU字形の断面を形成するように、傾斜して前記基板(10)の両側から突出していることと、
前記ガス発生器(12)は、前記基板(10)に接続されていることと、を特徴とする、請求項2に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項4】
前記固定取付具(6)は、互いに回動可能に組み合わされた少なくとも2つの固定具(20、23)から形成されていることと、
前記ベルトウェビング(3)は、前記固定具のうちの一方(23)に連結されていることと、
前記他方の固定具(20)は、前記自動車に固定されていることと、を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項5】
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、前記固定取付具(6)に設けられた開口(8、9)内で回動可能に取り付けられることと、
前記開口(8、9)内の連結部がもたらす回動動作の回動軸(X)と、前記固定具(20、23)間の回動動作の回動軸(M)とが、ある角度、好ましくは、互いに垂直に配置されていることと、を特徴とする、請求項4に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項6】
前記固定具(20、23)を互いに回転位置で固定するために、係合手段(19)が、一方の固定具(20)上で、他方の固定具(23)の凹部(40)と係合して設けられていることと、
前記係合手段(19)によって予め決められた分離力を超えると、前記係合手段(19)によってもたらされる、前記固定具(20、23)の接続が解除され得ることと、を特徴とする、請求項4または5のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項7】
ガスランス(7)が前記ベルトウェビング層(3a、3b)の間に設けられていることと、
前記ガスランス(7)は、ディフューザ(11)を介して、前記ガス発生器(12)との流れ接続を有することと、
前記ディフューザ(11)は、長手方向において、前記固定取付具(6)で固定されていることと、を特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項8】
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、固定のために、自己固定方式で、互いの先端上に置かれていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項9】
前記ベルトウェビング層(3a、3b)は、1つ以上のクランプ要素(24、25、30)の回りに巻き付けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項10】
前記クランプ要素(24、25)は、前記ベルトウェビング層(複数可)(3a、3b)が巻き付いたピンであり、前記ピンは、肥厚部を形成しているピンによって形成され、
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の途中で、前記固定取付具(6)に設けられた狭い箇所の前に位置していることを特徴とする、請求項9に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項11】
前記クランプ要素(30)は、前記固定取付具(6)の反対輪郭内で、前記クランプ要素(30)の外側形状によって、回転可能に固定される方式で、クランプ要素(30)自体を固定することを特徴とする、請求項9または10のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項12】
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、前記ベルトウェビング(3)、前記ディフューザ(11)の中心および/または前記固定具(20、23)の前記回動軸(M)に対して異なる距離において、互いに前記固定取付具(6)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項1】
互いの先端上に置かれ、間に空間を形成する少なくとも2つのベルトウェビング層(3a、3b)を備えたベルトウェビング(3)と、
前記空間への流れ接続部を有するガス発生器(12)と、
前記ベルトウェビング(3)と前記ガス発生器(12)とを自動車に固定するための固定取付具(6)と、を含み、
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、前記ガス発生器(12)への前記流れ接続部が張力を受けないように前記固定取付具(6)へ接続されていることを特徴とする、膨張式安全ベルト。
【請求項2】
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、前記固定取付具(6)の2つの間隔の空いたブラケット(15、16、27、28)に個別に取り付けられることと、
前記ガス発生器(12)によって発生したガス流は、前記端部の間で前記ベルトウェビング(3)に導入されることと、を特徴とする、請求項1に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項3】
前記固定取付具(6)は基板(10)を備えていることと、
前記ブラケット(15、16、27、28)は、前記基板(10)と前記ブラケット(15、16、27、28)がU字形の断面を形成するように、傾斜して前記基板(10)の両側から突出していることと、
前記ガス発生器(12)は、前記基板(10)に接続されていることと、を特徴とする、請求項2に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項4】
前記固定取付具(6)は、互いに回動可能に組み合わされた少なくとも2つの固定具(20、23)から形成されていることと、
前記ベルトウェビング(3)は、前記固定具のうちの一方(23)に連結されていることと、
前記他方の固定具(20)は、前記自動車に固定されていることと、を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項5】
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、前記固定取付具(6)に設けられた開口(8、9)内で回動可能に取り付けられることと、
前記開口(8、9)内の連結部がもたらす回動動作の回動軸(X)と、前記固定具(20、23)間の回動動作の回動軸(M)とが、ある角度、好ましくは、互いに垂直に配置されていることと、を特徴とする、請求項4に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項6】
前記固定具(20、23)を互いに回転位置で固定するために、係合手段(19)が、一方の固定具(20)上で、他方の固定具(23)の凹部(40)と係合して設けられていることと、
前記係合手段(19)によって予め決められた分離力を超えると、前記係合手段(19)によってもたらされる、前記固定具(20、23)の接続が解除され得ることと、を特徴とする、請求項4または5のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項7】
ガスランス(7)が前記ベルトウェビング層(3a、3b)の間に設けられていることと、
前記ガスランス(7)は、ディフューザ(11)を介して、前記ガス発生器(12)との流れ接続を有することと、
前記ディフューザ(11)は、長手方向において、前記固定取付具(6)で固定されていることと、を特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項8】
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、固定のために、自己固定方式で、互いの先端上に置かれていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項9】
前記ベルトウェビング層(3a、3b)は、1つ以上のクランプ要素(24、25、30)の回りに巻き付けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項10】
前記クランプ要素(24、25)は、前記ベルトウェビング層(複数可)(3a、3b)が巻き付いたピンであり、前記ピンは、肥厚部を形成しているピンによって形成され、
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の途中で、前記固定取付具(6)に設けられた狭い箇所の前に位置していることを特徴とする、請求項9に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項11】
前記クランプ要素(30)は、前記固定取付具(6)の反対輪郭内で、前記クランプ要素(30)の外側形状によって、回転可能に固定される方式で、クランプ要素(30)自体を固定することを特徴とする、請求項9または10のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【請求項12】
前記ベルトウェビング層(3a、3b)の端部は、前記ベルトウェビング(3)、前記ディフューザ(11)の中心および/または前記固定具(20、23)の前記回動軸(M)に対して異なる距離において、互いに前記固定取付具(6)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の膨張式安全ベルト。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【公表番号】特表2012−507425(P2012−507425A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533593(P2011−533593)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007663
【国際公開番号】WO2010/051924
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(510136301)オートリブ ディベロップメント エービー (46)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007663
【国際公開番号】WO2010/051924
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(510136301)オートリブ ディベロップメント エービー (46)
【Fターム(参考)】
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