説明

自動シャッタ装置およびそれを用いた通気装置

【課題】気温が低い時の断熱効果の向上および結露の抑制を図ることが可能な自動シャッタ装置を提供する。
【解決手段】この自動シャッタ装置は、屋内外間の通気を取るための開口された通気部12aと通気を遮断する遮蔽部12bとが形成されている第1シャッタ部12と、外装体11の中心軸周りに回転可能に設けられ、通気を遮断するための遮蔽片13bを有する第2シャッタ部13と、気温が所定の温度より高い時には、第2シャッタ部13を遮蔽片13bと第1シャッタ部12の遮蔽部12bとが重なる方向に回動させる一方、気温が所定の温度より低い時には、第2シャッタ部13を遮蔽片13bと第1シャッタ部12の通気部12aとが重なる方向に回動させる回動装置14とを備えている。そして、第1シャッタ部12の遮蔽部12bおよび第2シャッタ部13の遮蔽片13bは、共に、断熱材によって形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気口に設置され、気温に応じて建物の屋内外間の通気を自動的に制御する自動シャッタ装置およびそれを用いた通気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、通気口に設置され、気温に応じて自動的に建物の屋内外間の通気を制御する自動シャッタ装置(通風口自動開閉装置)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示された自動シャッタ装置では、円形の通気口(通風口)を覆うように薄いプラスチック製の円形の取付台板が固定されている。この円形の取付台板には、径方向に放射状に形成された複数の通気窓が取付台板の周方向に沿って所定の間隔を隔てて配置されている。そして、取付台板の中心に回転軸が設けられるとともに、その回転軸に取付台板の通気窓を開閉するための薄いプラスチック製の開閉弁板が回転可能に取り付けられている。この開閉弁板には、取付台板の通気窓とほぼ同形の複数の弁片がその回転方向に所定の間隔を隔てて形成されており、開閉弁板(弁片)の外周部と取付台板とが形状記憶合金製のコイルバネ状の作動素子により連結されている。そして、気温の変化による作動素子の伸縮を利用して開閉弁板を回動させることにより、開閉弁板の弁片を用いて取付台板の通気窓を開閉するように構成されている。
【0004】
すなわち、上記特許文献1に開示された自動シャッタ装置では、気温が所定の温度より高い時には、作動素子の収縮により開閉弁板を回動させて弁片を移動させることによって取付台板の通気窓を開く一方、気温が所定の温度より低い時には、作動素子の伸長により開閉弁板を逆方向に回動させて弁片で取付台板の通気窓を閉じるように構成されている。これにより、気温が高い時には屋内外間の通気を取るとともに、気温が低い時には屋内外間の通気を遮断して断熱効果を得るようにしている。
【特許文献1】特開平3−51444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の自動シャッタ装置では、取付台板および開閉弁板が共にプラスチック製の薄い板で形成されており、その断熱性はあまり高くないと考えられる。これにより、気温が低い時に取付台板の通気窓を開閉弁板の弁片で閉じたとしても、断熱効果を向上させるのが困難であるという問題点がある。また、プラスチック製の薄い板からなる取付台板および開閉弁板では断熱性があまり高くないことに起因して、屋外の気温が低い時に屋内側の暖かい空気が取付台板および開閉弁板近傍で冷やされることによって結露を生じるという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、気温が低い時の断熱効果の向上および結露の抑制を図ることが可能な自動シャッタ装置およびそれを用いた通気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の自動シャッタ装置は、建物の屋内外間の外壁を貫通する通気口内に、その貫通方向に沿って延びるように設置される略円筒状の外装体と、外装体内に固定されており、屋内外間の通気を取るための開口された通気部と通気を遮断する遮蔽部とが外装体の周方向に沿って外装体の中心軸周りに交互に形成されている第1シャッタ部と、外装体内の第1シャッタ部の屋内側または屋外側に隣接して中心軸周りに回転可能に設けられ、その回転方向に沿って所定の間隔を隔てて配置された通気を遮断するための遮蔽片を有する第2シャッタ部と、気温が所定の温度より高い時には、第2シャッタ部を遮蔽片と第1シャッタ部の遮蔽部とが重なる方向に回動させる一方、気温が所定の温度より低い時には、第2シャッタ部を遮蔽片と第1シャッタ部の通気部とが重なる方向に回動させる回動装置とを備えている。そして、第1シャッタ部の遮蔽部および第2シャッタ部の遮蔽片は、共に、断熱材によって形成されている。
【0008】
この発明の自動シャッタ装置では、上記のように、第1シャッタ部の遮蔽部および第2シャッタ部の遮蔽片を共に断熱材により形成することによって、良好な断熱性を得ることができる。これにより、気温が低い時に回動装置により第2シャッタ部の遮蔽片と第1シャッタ部の通気部とが重なる方向に第2シャッタ部を回動させて第1シャッタ部の通気部を第2シャッタ部の遮蔽片で閉じた際、良好な断熱性を有する第1シャッタ部の遮蔽部および第2シャッタ部の遮蔽片により断熱効果を向上させることができる。また、その際、第1シャッタ部の遮蔽部および第2シャッタ部の遮蔽片が良好な断熱性を有することに起因して、屋外側の気温が低くても屋内側の暖かい空気が第1シャッタ部および第2シャッタ部近傍で冷やされるのを抑制することができるので、結露を抑制することができる。
【0009】
また、上記自動シャッタ装置において、好ましくは、回動装置は、シリンダ部と、シリンダ部に対して進退可能に取り付けられるピストン部と、シリンダ部内に収容され、気温の高低に応じて膨張収縮する感温部材とを有するサーモエレメントと、シリンダ部のピストン部に沿った直線的な移動動作を中心軸周りの回動動作に変換して第2シャッタ部に伝達する動作伝達部とを含み、気温が所定の温度より高い時には、サーモエレメントにおいて、感温部材の膨張に応じてピストン部のシリンダ部からの突出量が増加する方向にシリンダ部が直線的に移動するとともに、その移動動作を動作伝達部が中心軸周りの回動動作に変換して第2シャッタ部に伝達することにより、第2シャッタ部は、遮蔽片と第1シャッタ部の遮蔽部とが重なる方向に回動される一方、気温が所定の温度より低い時には、サーモエレメントにおいて、感温部材の収縮に応じてピストン部のシリンダ部からの突出量が減少する方向にシリンダ部が直線的に移動するとともに、その移動動作を動作伝達部が中心軸周りの回動動作に変換して第2シャッタ部に伝達することにより、第2シャッタ部は、遮蔽片と第1シャッタ部の通気部とが重なる方向に回動される。このように構成すれば、形状記憶合金製のコイルバネと異なり、サーモエレメントでは、たとえばワックスなどからなる感温部材の膨張を利用してシリンダ部を移動させる大きな力を生成することができる。これにより、その大きな力を第2シャッタ部に伝達して第2シャッタ部を回動させることができるので、第2シャッタ部に加わる摩擦力が大きかったり、第2シャッタ部のサイズが大きいこと等に起因して第2シャッタ部の回動に大きな力が必要となる場合にも、確実に第2シャッタ部を回動させることができる。
【0010】
この場合において、好ましくは、動作伝達部は、シリンダ部と共に直線的に移動する連動部と、第2シャッタ部と共に中心軸周りに回動する回動部とを含み、連動部と回動部とは、連動部の直線的な移動動作を回動部の中心軸周りの回動動作に変換するように連結されている。このように構成すれば、動作伝達部の連動部および回動部により、容易に、サーモエレメントのシリンダ部のピストン部に沿った直線的な移動動作を上記中心軸周りの回動動作に変換するとともに第2シャッタ部に伝達して、第2シャッタ部を上記中心軸周りに回動させることができる。
【0011】
上記動作伝達部が連動部および回動部を含む構成において、好ましくは、連動部と回動部とは、外装体の径方向における中心軸の近傍の位置で連結されている。このように構成すれば、連動部と回動部とを外装体の径方向において上記中心軸から遠い位置で連結する場合と異なり、サーモエレメントのシリンダ部および連動部が少ししか移動しない場合にも、回動部の回動距離を大きくすることができる。これにより、わずかな気温の変化でサーモエレメントのシリンダ部および連動部が少ししか移動しない場合であっても、その変化に良好に反応して回動部および第2シャッタ部を大きく回動させて、第1シャッタ部の通気部を第2シャッタ部の遮蔽片で開閉することができる。
【0012】
また、上記自動シャッタ装置において、好ましくは、第1シャッタ部および第2シャッタ部は、実質的に同形に形成されており、第1シャッタ部の遮蔽部および第2シャッタ部の遮蔽片は、共に、中心軸側から外装体の径方向外側に延びるように略扇形に形成され、第1シャッタ部の通気部は、外装体の周方向に沿って隣接する遮蔽部間の空間によって形成されている。このように構成すれば、第1シャッタ部および第2シャッタ部を実質的に同形に形成することによって、第1シャッタ部および第2シャッタ部として共通の部材を用いることができる。これにより、第1シャッタ部および第2シャッタ部を個別に形成する場合に比べて、自動シャッタ装置の製造プロセスを簡略化することができる。
【0013】
また、この発明の通気装置は、上記自動シャッタ装置を備えたものであって、自動シャッタ装置の屋内側または屋外側に設けられ、手動で開閉可能な通気窓を有する手動シャッタ装置をさらに備えている。この通気装置では、気温が低い時には、上記自動シャッタ装置による断熱効果に加えて、手動で手動シャッタ装置の通気窓を閉めることにより、一層の断熱効果を得ることができる。
【0014】
この場合において、好ましくは、通気口に固定され、自動シャッタ装置を収容する円筒部を有する枠体をさらに備え、手動シャッタ装置は、枠体に着脱可能に取り付けられており、自動シャッタ装置は、枠体に固定されることなく手動シャッタ装置に対して固定されている。このように構成すれば、手動シャッタ装置を自動シャッタ装置の屋内側(屋外側)に設けた場合にも、自動シャッタ装置と手動シャッタ装置とを一体として通気口に固定された枠体から屋内側(屋外側)へ取り外すことができる。すなわち、手動シャッタ装置を自動シャッタ装置の屋内側(屋外側)に設けた場合にも、自動シャッタ装置を枠体から外す作業は行うことなく、手動シャッタ装置を枠体から外す作業だけで容易に自動シャッタ装置を屋内(屋外)へ取り外してメンテナンスを行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明による自動シャッタ装置および通気装置では、気温が低い時の断熱効果の向上および結露の抑制を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による通気装置の構成を示した分解斜視図である。図2は、図1に示した一実施形態による通気装置を通気口に設置した状態を示した断面図である。図3〜図20は、図1に示した一実施形態による通気装置に用いる自動シャッタ装置の構造を説明するための図である。まず、図1〜図20を参照して、本発明の一実施形態による通気装置の構造について説明する。
【0018】
本実施形態による通気装置は、図1に示すように、自動シャッタ装置1と、枠体2と、手動シャッタ装置3と、フィルタ4と、カバー5とによって構成されている。この通気装置は、図2に示すように、建物の屋内外間の外壁500を貫通する通気口510に設置されるものであり、屋内外間の通気を制御する機能を有する。
【0019】
また、自動シャッタ装置1は、気温に応じて自動的に通気を制御する機能を有している。具体的には、自動シャッタ装置1は、図3〜図10に示すように、外装体11と、第1シャッタ部12と、第2シャッタ部13と、回動装置14とを有している。
【0020】
外装体11は、略円筒形状に形成されており、図2に示すように、通気口510内に設置される後述する枠体2の円筒部2a内に通気口510の貫通方向に沿って延びるように設置される。また、外装体11の内周面の屋内側の端部近傍には、図3および図4に示すように、3つの連結部11aおよび軸カバー部11bが一体的に形成されている。この軸カバー部11bは、屋内側から見て円形に形成されているとともに、その中心が外装体11の中心軸上に位置するように配置されている。
【0021】
また、軸カバー部11bは、後述する回動軸23の屋内側を覆うように設置されている。3つの連結部11aは、軸カバー部11bと外装体11の内周面とを連結している。この3つの連結部11aは、軸カバー部11bおよび外装体11の周方向に等間隔で配置されており、軸カバー部11bの外周面から外装体11の内周面へ径方向に延びるように形成されている。また、外装体11の屋内側端部の周縁部には、4つの係止部11cが等間隔で設けられている。
【0022】
第1シャッタ部12は、外装体11内の軸カバー部11bの屋外側に固定されている。この第1シャッタ部12では、屋内外間の通気を取るための開口された通気部12aと通気を遮断する遮蔽部12bとが外装体11の周方向に沿って外装体11の中心軸周りに交互に形成されている。すなわち、第1シャッタ部12は、図11に示すように、外装体11の中心軸に対してその中心軸が一致するように配置される略円柱形状の中央部12cと、その中央部12cの外周面から外装体11の径方向外側に延びる略扇形の3つの遮蔽部12bとを有している。3つの遮蔽部12bは、外装体11の周方向に沿って中央部12cの周りに等間隔で配置されている。そして、外装体11の周方向に沿って隣接する遮蔽部12b間の空間によって通気部12aが形成されている。
【0023】
また、第1シャッタ部12の中央部12cの中心位置には、外装体11の中心軸方向に貫通する軸穴12dが形成されているとともに、その軸穴12dから3つの遮蔽部12b側へ拡張された穴部12eが形成されている。そして、軸穴12dに軸受部材12f(図6参照)が装着されるとともに、その軸受部材12fが後述する回動軸23に挿通された状態で固定されている。このように、第1シャッタ部12は、外装体11内で回動軸23に挿通された状態で固定されている。また、各遮蔽部12bの外装体11の周方向における両端部の屋内側の面には、図11および図12に示すように、突出部12gがそれぞれ形成されている。この突出部12gは、遮蔽部12bの中央部12c側から径方向外側の端部まで延びるように形成されている。
【0024】
また、第2シャッタ部13は、外装体11内の第1シャッタ部12の屋外側に隣接して配置されているとともに、外装体11の中心軸周りに回転可能に設けられている。この第2シャッタ部13は、外装体11の中心軸に対応する位置に配置される後述する回動軸23に回転可能に取り付けられることにより、外装体11の中心軸周りに回転可能に構成されている。
【0025】
本実施形態では、第2シャッタ部13と第1シャッタ部12とは、同形に形成されている。すなわち、第2シャッタ部13は、図11に示すように、上記第1シャッタ部12の遮蔽部12bおよび中央部12cとそれぞれ同形の略扇形の3つの遮蔽片13bおよび略円柱形状の中央部13cを有している。また、第2シャッタ部13は、上記第1シャッタ部12の軸穴12d、穴部12eおよび突出部12gにそれぞれ対応する軸穴13d、装着穴13eおよび突出部13gを有している。そして、第2シャッタ部13の3つの遮蔽片13bは、その回転方向に沿って上記第1シャッタ部12の通気部12aと同形の空間(間隔)を隔てて中央部13cの周りに配置されている。この第2シャッタ部13は、後述する回動軸23周りに回動されるとともに、その遮蔽片13bで第1シャッタ部12の通気部12aを開閉するために設けられている。
【0026】
また、第2シャッタ部13の遮蔽片13b(第1シャッタ部12の遮蔽部12b)の外装体11の周方向に沿った長さは、第1シャッタ部12の通気部12aの外装体11の周方向に沿った長さよりも突出部13g(突出部12g)の形成領域の分だけ大きくなるように構成されている。すなわち、第1シャッタ部12の通気部12aに第2シャッタ部13の遮蔽片13bが重なって第1シャッタ部12の通気部12aが閉じられた状態では、図5および図10に示すように、第2シャッタ部13の遮蔽片13bの突出部13gの形成領域と第1シャッタ部12の遮蔽部12bの突出部12gの形成領域とがオーバーラップするように構成されている。
【0027】
そして、本実施形態では、第1シャッタ部12および第2シャッタ部13は、それぞれ、発泡樹脂からなる断熱材によって形成されている。なお、第1シャッタ部12および第2シャッタ部13を構成する発泡樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンが用いられる。また、この発泡樹脂としては、上記以外の材料を用いることも可能であり、例えば、ポリスチレンやポリウレタンなどを用いることも可能である。また、第1シャッタ部12の中央部12cおよび遮蔽部12bと第2シャッタ部13の中央部13cおよび遮蔽片13bとは、全て、10mm程度の厚みに形成されている。
【0028】
回動装置14は、気温が所定の温度より高い時には、図9に示すように、第2シャッタ部13をその遮蔽片13bと第1シャッタ部12の遮蔽部12bとが重なる方向(A方向)に回動させて第1シャッタ部12の通気部12aを開ける一方、気温が所定の温度より低い時には、図10に示すように、第2シャッタ部13をその遮蔽片13bと第1シャッタ部12の通気部12aとが重なる方向(B方向)に回動させて第1シャッタ部12の通気部12aを閉じる機能を有している。この回動装置14は、ハウジング21と、ハウジングカバー22と、回動軸23と、サーモエレメント24と、動作伝達部25とを有している。
【0029】
ハウジング21は、図6に示すように、外装体11内の中央部から屋外側に設置されている。また、ハウジング21は、図9に示すように、屋外側から見て略T字状に形成されており、その大部分が第1シャッタ部12の遮蔽部12bおよび後述する回動部材36と重なるように配置されている。これにより、第1シャッタ部12の通気部12aを介して通気を行う際、ハウジング21が通気を極力妨げないように構成されている。
【0030】
また、ハウジング21の屋外側には、図13に示すように、複数の内部壁21a〜21dによって構成された収容室21eが形成されており、この収容室21eにサーモエレメント24および後述する動作伝達部25の連動部材35が収容されている。また、収容室21eの連動部材35が収容される領域の底部には、その連動部材35を案内するための案内溝21fが形成されている。
【0031】
また、収容室21eの外装体11の中心軸に隣接する位置には、その中心軸方向に貫通する遊動穴21gが形成されている。この遊動穴21gは、上記第2シャッタ部13の回動方向(外装体11の周方向)に沿って円弧状に形成されているとともに、後述する連動部材35の移動方向に略平行に形成されている。
【0032】
ハウジングカバー22は、図6に示すように、ハウジング21の屋外側に取り付けられており、ハウジング21の収容室21eの屋外側を覆っている。このハウジングカバー22の後述する連動部材35に対応する位置には、図7に示すように、連動部材35の移動方向に直線的に延びる2つの案内溝22aが所定の間隔を隔てて平行に形成されている。また、回動軸23は、図14に示すように、ハウジング21の屋内側の面の外装体11の中心軸に対応する位置にその中心軸に沿って突設されている。この回動軸23には、上記したように、第2シャッタ部13が後述する回動部材36を介して回転可能に取り付けられるとともに、第1シャッタ部12が軸受部材12fを介して固定されている。
【0033】
サーモエレメント24は、本実施形態による回動装置14の駆動源であり、図15および図16に示すように、シリンダ部31と、ピストン部32と、感温部材(図示せず)と、メインスプリング33と、リリーフスプリング34とを含んでいる。ピストン部32は、シリンダ部31に進退可能に取り付けられており、シリンダ部31およびピストン部32は、外装体11の中心軸方向に対して略垂直な方向に沿ってハウジング21の収容室21e内に収容されている。また、ピストン部32のシリンダ部31と反対側の端部は、ハウジング21の内部壁21aに固定されている。
【0034】
また、シリンダ部31は、ハウジング21の対応する内部壁21bに摺動可能に支持されており、ピストン部32に沿って直線的に移動可能に構成されている。また、感温部材(図示せず)は、シリンダ部31内に収容されており、気温の高低に応じて膨張収縮するワックスなどからなる。サーモエレメント24では、この感温部材(図示せず)の膨張収縮を利用して、ピストン部32のシリンダ部31からの突出量が増減するようにシリンダ部31をピストン部32に沿って直線的に移動させるように構成されている。すなわち、気温が所定の温度より高い時には、感温部材(図示せず)の膨張に応じてピストン部32のシリンダ部31からの突出量が増大する方向(図15および図16中のC方向)にシリンダ部31が直線的に移動される一方、気温が所定の温度より低い時には、感温部材(図示せず)の収縮に応じてピストン部32のシリンダ部31からの突出量が減少する方向(図15および図16中のD方向)にシリンダ部31が移動されるように構成されている。
【0035】
メインスプリング33は、圧縮コイルバネによって構成されており、シリンダ部31とハウジング21の内部壁21bとの間に設けられている。このメインスプリング33は、シリンダ部31をピストン部32側(D方向)へ常に付勢している。したがって、シリンダ部31内の感温部材(図示せず)が膨張してピストン部32のシリンダ部31からの突出量が増加するようにシリンダ部31がC方向へ移動する際、シリンダ部31は、メインスプリング33の付勢力に対抗してメインスプリング33を縮めながら移動するように構成されている。また、メインスプリング33は、シリンダ部31内の感温部材(図示せず)が収縮する際、その収縮に応じてピストン部32のシリンダ部31からの突出量が減少するようにシリンダ部31をD方向へ移動させる機能も有している。
【0036】
リリーフスプリング34は、圧縮コイルバネによって構成されており、シリンダ部31のピストン部32と反対側の端部において、シリンダ部31と後述するワッシャ37との間に設けられている。そして、リリーフスプリング34は、シリンダ部31内の感温部材(図示せず)が大きく膨張することによりシリンダ部31がC方向へ大きく移動された場合に、その移動による力を吸収してハウジング21の内部壁21cが破損するのを防止するために設けられている。
【0037】
本実施形態では、動作伝達部25(図9参照)は、サーモエレメント24のシリンダ部31のピストン部32に沿った直線的な移動動作を外装体11の中心軸(回動軸23)周りの回動動作に変換して第2シャッタ部13に伝達する機能を有している。この動作伝達部25は、サーモエレメント24のシリンダ部31と共に直線的に移動する連動部材35(連動部)と、第2シャッタ部13と共に外装体11の中心軸(回動軸23)周りに回動する回動部材36(回動部)とを含む。そして、本実施形態では、連動部材35と回動部材36とは、連動部材35の直線的な移動動作を回動部材36の外装体11の中心軸(回動軸23)周りの回動動作に変換するように連結されている。
【0038】
連動部材35は、図15および図16に示すように、サーモエレメント24のシリンダ部31のピストン部32と反対側の端部に固定されており、シリンダ部31と連動して同じ方向に移動するように構成されている。この連動部材35は、略L字状に形成されており、サーモエレメント24のシリンダ部31に対して垂直に配置されるとともにシリンダ部31に固定される長手部分35aと、その長手部分35aから垂直にピストン部32側へ屈曲された短手部分35bとを有している。また、連動部材35の長手部分35aには、その延びる方向に沿って溝部35cが形成されており、この溝部35cにシリンダ部31の端部に装着されたワッシャ37が嵌め込まれることにより、連動部材35の長手部分35aとシリンダ部31とが固定されている。
【0039】
また、連動部材35の長手部分35aには、図17および図18に示すように、シリンダ部31および連動部材35の移動方向に平行に配置される1つのレール部35dと一対のレール部35eとが、屋外側に配置される面と屋内側に配置される面とにそれぞれ突設されている。この1つのレール部35dと一対のレール部35eとは、それぞれ、ハウジング部21の案内溝21fとハウジングカバー22の案内溝22aとに摺動可能に嵌合されている。これにより、連動部材35は、図15および図16中のCD方向に移動する際、ハウジング21の案内溝21fおよびハウジングカバー22の案内溝22aに沿って移動するように構成されている。
【0040】
また、連動部材35の短手部分35bの端部には、外装体11の中心軸方向に略垂直で、かつ、連動部材35の移動方向に直交する方向に延びる長穴35fが形成されている。この長穴35fは、連動部材35がハウジング21に収容された状態で、ハウジング21の遊動穴21gと重なる位置に設けられている。
【0041】
また、回動部材36は、図19に示すように、中央に貫通孔36aが設けられた円盤状のベース部36bと、ベース部36bの屋外側の面に突設された3つの第1装着部36cおよび3つの第2装着部36dと、ベース部36bの屋内側の面に突設された円柱状の作動軸36eとを有している。この回動部材36は、ベース部36bの貫通孔36aに回動軸23が挿通されることにより、外装体11の周方向に沿って回動軸23周りに回転可能に設けられている。
【0042】
第1装着部36cおよび第2装着部36dは、第2シャッタ部13に回動部材36を装着するための部分である。第1装着部36cは、図20に示すように、ベース部36bの屋外側の面の周縁部に沿って等間隔で設けられているとともに、円弧状に形成されている。また、第2装着部36dは、ベース部36bの屋外側の面の貫通孔36aの周囲に等間隔で設けられているとともに、円柱状に形成されている。そして、3つの第1装着部36cは、それぞれ、第2シャッタ部13(図11参照)の対応する隣接する遮蔽片13b間の領域に差し込まれるとともに、3つの第2装着部36dは、それぞれ、第2シャッタ部13の対応する3つの装着穴13eに差し込まれる。これにより、回動部材36が第2シャッタ部13に装着されている。また、作動軸36eは、図19に示すように、ベース部36bの貫通孔36aに隣接して設けられている。この作動軸36eは、ハウジング21の遊動穴21gおよび連動部材35の長穴35fに遊動可能に挿通されている。
【0043】
すなわち、本実施形態では、連動部材35と回動部材36とが回動部材36の作動軸36eを介して外装体11の径方向における中心軸(回動軸23)の近傍の位置で連結されている。そして、本実施形態では、図15および図16に示すように、連動部材35が直線的にCD方向に移動する際、連動部材35の長穴35fおよびハウジング21の遊動穴21gに挿通された作動軸36eが円弧状の遊動穴21gに沿って移動されることにより、回動部材36(図9参照)が回動するように構成されている。この構成により、連動部材35の直線的な移動動作を回動部材36の外装体11の中心軸(回動軸23)周りの回動動作に変換することが可能なように連動部材35と回動部材36とが連結されている。
【0044】
また、枠体2は、図1に示すように、円筒形状を有する円筒部2aと、その円筒部2aの屋内側に設けられた略正方形の枠部2bとによって構成されており、その円筒部2aが通気口510(図2参照)内に位置するように通気口510に固定される。そして、上記自動シャッタ装置1は、通気口510内に位置する枠体2の円筒部2aに収容されている。また、枠部2bの屋内側の面には、円筒部2aの形成領域を挟んで対向するように一対の係止部2cが設けられている。
【0045】
手動シャッタ装置3は、手動で任意に通気状態と通気の遮断状態とを切り替えるために設けられている。この手動シャッタ装置3は、枠体2の屋内側に設けられており、枠体2に対して着脱可能に取り付けられている。本実施形態では、上記自動シャッタ装置1は、枠体2に固定されることなく、この手動シャッタ装置3に対して固定されている。手動シャッタ装置3は、固定シャッタ部40と手動シャッタ部50とによって構成されている。固定シャッタ部40は、略正方形の外枠41と、その外枠41の内側に形成された略円形の支持部42と、支持部42の中心位置に設けられた軸部43とを有している。また、枠体2の外枠41の外側面には、枠体2の一対の被係止部2cに対応する位置に一対の被係止部41aが設けられている。
【0046】
本実施形態では、この一対の被係止部41aが枠体2の一対の係止部2cに係止されることによって、手動シャッタ装置3(固定シャッタ部40)が枠体2に対して着脱可能に取り付けられている。また、固定シャッタ部40の支持部42の内側には、軸部43の周囲に扇形に開口された通気窓44と通気を遮断する遮蔽領域45とが交互に形成されている。
【0047】
手動シャッタ部50は、固定シャッタ部40の支持部42によって周方向に回動可能に支持される円盤部51と、その円盤部51の下部から屋内側に延出されるとともに、そこからさらに下方に延出された把持部52とを有している。円盤部51の中心には、貫通孔53が設けられており、この貫通孔53に固定シャッタ部40の軸部43が挿通されている。これにより、円盤部51は、固定シャッタ部40の軸部43周りに支持部42に沿って回動するように構成されている。
【0048】
また、円盤部51の貫通孔53の周囲には、扇形に開口された通気領域54と通気を遮断する遮蔽領域55とが交互に形成されている。また、把持部52は、その下端が後述するカバー5の下面から突出するように配置される。これにより、把持部52を把持して操作することにより、手動シャッタ部50を図1中の矢印方向に回動させることが可能なように構成されている。そして、この手動シャッタ部50の回動操作により、固定シャッタ部40の通気窓44を手動シャッタ部50の遮蔽領域55で開閉させて通気状態と通気の遮断状態とを切り替えることが可能なように構成されている。
【0049】
フィルタ4は、手動シャッタ装置3の屋内側に設置されており、空気中に含まれる埃などを除去するために設けられている。また、カバー5は、通気装置の最も屋内側に設けられている。このカバー5は、屋内側から見て略正方形に形成されており、枠体2の枠部2bに対して嵌合されている。また、カバー5の外周部には、開口部5aが形成されており、この開口部5aを介して通気が行われるように構成されている。
【0050】
次に、図9、図10、図15および図16を参照して、本実施形態による通気装置に用いる自動シャッタ装置1の動作について説明する。
【0051】
本実施形態による自動シャッタ装置1では、気温が所定の温度より高い時には、サーモエレメント24のシリンダ部31に収容された感温部材が膨張することにより、シリンダ部31がメインスプリング33の付勢力に対抗しながら図16中のC方向に移動するともに、連動部材35もC方向に移動する。この際、ハウジング21の遊動穴21gを介して連動部材35の長穴35fに挿通された回動部材36の作動軸36eは、連動部材35の長穴35f内を遊動しながらハウジング21の円弧状の遊動穴21gに沿って図16中のE方向に移動する。これに伴って、回動部材36および第2シャッタ部13は、図9中のA方向へ回動軸23周りに回動する。これにより、図9に示すように、第2シャッタ部13の遮蔽片13bが第1シャッタ部12の遮蔽部12bに重なる方向に回動して第1シャッタ部12の通気部12aが全開状態となる。
【0052】
一方、気温が所定の温度より低い時には、サーモエレメント24のシリンダ部31に収容された感温部材が収縮することにより、シリンダ部31はメインスプリング33の付勢力に押されて図15中のD方向に移動するとともに、連動部材35もD方向に移動する。この際、回動部材36の作動軸36eは、連動部材35の長穴35f内を遊動しながらハウジング21の遊動穴21gに沿って図15中のF方向に移動する。これに伴って、回動部材36および第2シャッタ部13は、図10中のB方向へ回動軸23周りに回動する。これにより、図10に示すように、第2シャッタ部13の遮蔽片13bが第1シャッタ部12の通気部12aに重なる方向に回動して第1シャッタ部12の通気部12aが全閉状態となる。
【0053】
このように、本実施形態による自動シャッタ装置1では、気温の変化に応じて自動的に第1シャッタ部12の通気部12aが開閉されることによって通気が制御される。
【0054】
本実施形態では、上記のように、第1シャッタ部12の遮蔽部12bおよび第2シャッタ部13の遮蔽片13bを共に断熱材により形成することによって、良好な断熱性を得ることができる。これにより、気温が低い時に回動装置14により第2シャッタ部13の遮蔽片13bと第1シャッタ部12の通気部12aとが重なる方向に第2シャッタ部13を回動させて第1シャッタ部12の通気部12aを第2シャッタ部13の遮蔽片13bで閉じた際、良好な断熱性を有する第1シャッタ部12の遮蔽部12bおよび第2シャッタ部13の遮蔽片13bにより断熱効果を向上させることができる。また、その際、第1シャッタ部12の遮蔽部12bおよび第2シャッタ部13の遮蔽片13bが良好な断熱性を有することに起因して、屋外側の気温が低くても屋内側の暖かい空気が第1シャッタ部12および第2シャッタ部13近傍で冷やされるのを抑制することができるので、結露を抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態では、回動装置14にサーモエレメント24を設けるとともに、サーモエレメント24の感温部材の膨張収縮に応じたシリンダ部31のピストン部32に沿った直線的な移動動作を連動部材35および回動部材36からなる動作伝達部25により外装体11の中心軸(回動軸23)周りの回動動作に変換して第2シャッタ部13を回動させることによって、サーモエレメント24では、形状記憶合金製のコイルバネと異なり、ワックスなどからなる感温部材の膨張を利用してシリンダ部31を移動させる大きな力を生成することができるので、第2シャッタ部13に加わる摩擦力が大きかったり、第2シャッタ部13のサイズが大きいこと等に起因して第2シャッタ部13の回動に大きな力が必要となる場合にも、確実に第2シャッタ部13を回動させることができる。
【0056】
また、本実施形態では、連動部材35と回動部材36とを外装体11の径方向における中心軸(回動軸23)の近傍の位置で作動軸36eを介して連結することによって、連動部材35と回動部材36とを外装体11の径方向において中心軸(回動軸23)から遠い位置で連結する場合と異なり、サーモエレメント24のシリンダ部31および連動部材35が少ししか移動しない場合にも、回動部材36の回動距離を大きくすることができる。これにより、わずかな気温の変化ではサーモエレメント24のシリンダ部31および連動部材35が少ししか移動しない場合であっても、その変化に良好に反応して回動部材36および第2シャッタ部13を大きく回動させて、第1シャッタ部12の通気部12aを第2シャッタ部13の遮蔽片13bで開閉することができる。
【0057】
また、本実施形態では、第1シャッタ部12および第2シャッタ部13を同形に形成することによって、第1シャッタ部12および第2シャッタ部13として共通の部材を用いることができる。これにより、第1シャッタ部12および第2シャッタ部13を個別に形成する場合に比べて、自動シャッタ装置1の製造プロセスを簡略化することができる。
【0058】
また、本実施形態では、通気装置において自動シャッタ装置1の屋内側に手動で開閉可能な通気窓44を有する手動シャッタ装置3を設けているので、気温が低い時には、上記自動シャッタ装置1による断熱効果に加えて、手動で手動シャッタ装置1の通気窓44を閉めることにより、一層の断熱効果を得ることができる。
【0059】
また、本実施形態では、手動シャッタ装置3を通気口510に固定される枠体2に着脱可能に取り付けるとともに、自動シャッタ装置1を枠体2に固定することなく手動シャッタ装置3に対して固定するようにしているので、手動シャッタ装置3を自動シャッタ装置1の屋内側に設けた場合にも、自動シャッタ装置1と手動シャッタ装置3とを一体として通気口510に固定された枠体2から屋内側へ取り外すことができる。すなわち、手動シャッタ装置3を自動シャッタ装置1の屋内側に設けた場合にも、自動シャッタ装置1を枠体2から外す作業は行うことなく、手動シャッタ装置3を枠体2から外す作業だけで容易に自動シャッタ装置1を屋内へ取り外してメンテナンスを行うことができる。
【0060】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0061】
たとえば、上記実施形態では、第1シャッタ部12および第2シャッタ部13の各々の突出部12gおよび13gが共に屋外側に配置されるようにしたが、本発明はこれに限らず、図21および図22に示す自動シャッタ装置61のように、第1シャッタ部12の突出部12gの設置面を屋内側に配置することにより、第1シャッタ部12の突出部12gの設置面と第2シャッタ部13の突出部13gの設置面とが対向するようにしてもよい。このように構成することによって、気温が低い時に第2シャッタ部13の遮蔽片13bが第1シャッタ部12の通気部12aに重なるように回動されるとともに、第1シャッタ部12の突出部12gの形成領域と第2シャッタ部13の突出部13gの形成領域とがオーバーラップした際、突出部12gおよび突出部13gの各々の対向する面を互いに当接させることができる。これにより、第1シャッタ部12と第2シャッタ部13との間の隙間をなくすことができるので、通気をより遮断することができる。これにより、気温が低い時の断熱効果をより向上させることができる。
【0062】
また、上記実施形態では、第2シャッタ部13を回動させるための駆動源としてサーモエレメント24を用いたが、本発明はこれに限らず、サーモエレメント24以外の駆動源を用いて、気温の高低に応じて第2シャッタ部13を回動させてもよい。例えば、駆動源として形状記憶合金製のコイルバネなどを用いて、第2シャッタ部13を気温の高低に応じて回動させるようにしてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、第2シャッタ部13を第1シャッタ部12の屋外側に設けたが、本発明はこれに限らず、第2シャッタ部13を第1シャッタ部12の屋内側に設けてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、手動シャッタ装置3を自動シャッタ装置1の屋内側に設けたが、本発明はこれに限らず、手動シャッタ装置3を自動シャッタ装置1の屋外側に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態による通気装置の構成を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による通気装置を通気口に設置した状態を示した断面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による通気装置に用いる自動シャッタ装置の斜視図である。
【図4】図1に示した一実施形態による通気装置に用いる自動シャッタ装置の正面図である。
【図5】図1に示した一実施形態による通気装置に用いる自動シャッタ装置の正面図である。
【図6】図5に示した自動シャッタ装置の100−100線に沿った断面図である。
【図7】図5に示した自動シャッタ装置の200−200線に沿った断面図である。
【図8】図1に示した一実施形態による通気装置に用いる自動シャッタ装置の側面図である。
【図9】図8に示した自動シャッタ装置の300−300線に沿った断面図である。
【図10】図8に示した自動シャッタ装置の300−300線に沿った断面図である。
【図11】本発明の一実施形態による第1シャッタ部および第2シャッタ部の正面図である。
【図12】図11に示した第1シャッタ部および第2シャッタ部の400方向から見た側面図である。
【図13】本発明の一実施形態によるハウジングの正面図である。
【図14】図13に示したハウジングの側面図である。
【図15】図13に示したハウジングに対するサーモエレメントおよび連動部材の取付構造を説明するための図である。
【図16】図13に示したハウジングに対するサーモエレメントおよび連動部材の取付構造を説明するための図である。
【図17】本発明の一実施形態による連動部材の斜視図である。
【図18】図17に示した連動部材を他の方向から見た斜視図である。
【図19】本発明の一実施形態による回動部材の側面図である。
【図20】図19に示した回動部材を屋外側から見た平面図である。
【図21】本発明の一実施形態の変形例による自動シャッタ装置の正面図である。
【図22】図21に示した変形例による自動シャッタ装置の500−500線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 自動シャッタ装置
2 枠体
2a 円筒部
3 手動シャッタ装置
11 外装体
12 第1シャッタ部
12a 通気部
12b 遮蔽部
13 第2シャッタ部
13b 遮蔽片
14 回動装置
24 サーモエレメント
25 動作伝達部
31 シリンダ部
32 ピストン部
35 連動部材(連動部)
36 回動部材(回動部)
44 通気窓
510 通気口
500 外壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の屋内外間の外壁を貫通する通気口内に、その貫通方向に沿って延びるように設置される略円筒状の外装体と、
前記外装体内に固定されており、屋内外間の通気を取るための開口された通気部と通気を遮断する遮蔽部とが前記外装体の周方向に沿って前記外装体の中心軸周りに交互に形成されている第1シャッタ部と、
前記外装体内の前記第1シャッタ部の屋内側または屋外側に隣接して前記中心軸周りに回転可能に設けられ、その回転方向に沿って所定の間隔を隔てて配置された通気を遮断するための遮蔽片を有する第2シャッタ部と、
気温が所定の温度より高い時には、前記第2シャッタ部を前記遮蔽片と前記第1シャッタ部の遮蔽部とが重なる方向に回動させる一方、気温が前記所定の温度より低い時には、前記第2シャッタ部を前記遮蔽片と前記第1シャッタ部の通気部とが重なる方向に回動させる回動装置とを備え、
前記第1シャッタ部の遮蔽部および前記第2シャッタ部の遮蔽片は、共に、断熱材によって形成されている、自動シャッタ装置。
【請求項2】
前記回動装置は、シリンダ部と、前記シリンダ部に対して進退可能に取り付けられるピストン部と、前記シリンダ部内に収容され、気温の高低に応じて膨張収縮する感温部材とを有するサーモエレメントと、前記シリンダ部の前記ピストン部に沿った直線的な移動動作を前記中心軸周りの回動動作に変換して前記第2シャッタ部に伝達する動作伝達部とを含み、
気温が前記所定の温度より高い時には、前記サーモエレメントにおいて、前記感温部材の膨張に応じて前記ピストン部の前記シリンダ部からの突出量が増加する方向に前記シリンダ部が直線的に移動するとともに、その移動動作を前記動作伝達部が前記中心軸周りの回動動作に変換して前記第2シャッタ部に伝達することにより、前記第2シャッタ部は、前記遮蔽片と前記第1シャッタ部の遮蔽部とが重なる方向に回動される一方、
気温が前記所定の温度より低い時には、前記サーモエレメントにおいて、前記感温部材の収縮に応じて前記ピストン部の前記シリンダ部からの突出量が減少する方向に前記シリンダ部が直線的に移動するとともに、その移動動作を前記動作伝達部が前記中心軸周りの回動動作に変換して前記第2シャッタ部に伝達することにより、前記第2シャッタ部は、前記遮蔽片と前記第1シャッタ部の通気部とが重なる方向に回動される、請求項1に記載の自動シャッタ装置。
【請求項3】
前記動作伝達部は、前記シリンダ部と共に直線的に移動する連動部と、前記第2シャッタ部と共に前記中心軸周りに回動する回動部とを含み、
前記連動部と前記回動部とは、前記連動部の直線的な移動動作を前記回動部の前記中心軸周りの回動動作に変換するように連結されている、請求項2に記載の自動シャッタ装置。
【請求項4】
前記連動部と前記回動部とは、前記外装体の径方向における前記中心軸の近傍の位置で連結されている、請求項3に記載の自動シャッタ装置。
【請求項5】
前記第1シャッタ部および前記第2シャッタ部は、実質的に同形に形成されており、
前記第1シャッタ部の遮蔽部および前記第2シャッタ部の遮蔽片は、共に、前記中心軸側から前記外装体の径方向外側に延びるように略扇形に形成され、前記第1シャッタ部の通気部は、前記外装体の周方向に沿って隣接する前記遮蔽部間の空間によって形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動シャッタ装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動シャッタ装置を備えた通気装置であって、
前記自動シャッタ装置の屋内側または屋外側に設けられ、手動で開閉可能な通気窓を有する手動シャッタ装置をさらに備えた、通気装置。
【請求項7】
前記通気口に固定され、前記自動シャッタ装置を収容する円筒部を有する枠体をさらに備え、
前記手動シャッタ装置は、前記枠体に着脱可能に取り付けられており、
前記自動シャッタ装置は、前記枠体に固定されることなく前記手動シャッタ装置に対して固定されている、請求項6に記載の通気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−120786(P2007−120786A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−309837(P2005−309837)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【出願人】(390014029)株式会社八木熊 (31)
【Fターム(参考)】