説明

自動二輪車の後部構造

【課題】本発明は、車高調整部を有する自動二輪車の後部構造において、車高調整を容易に行えるようにするとともにリヤクッションユニットの交換が容易に行えるようにする技術を提供することを課題とする。
【解決手段】車高調整部41は、リヤクッションユニット22の上端部22aに締結されるクッションブラケット62と、このクッションブラケット62の周囲に、クッションブラケット62の長手方向の軸を中心に回転可能で、軸方向に移動不能に取り付けられるカラー部材63と、このカラー部材63の外周に形成され、車体フレーム15と嵌合するねじ部74と、を備え、カラー部材63を回動させることで、上端部22aに車体フレーム15を軸方向に移動可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の高さを調整する車高調整部を備えている自動二輪車の後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
リヤクッションユニットに、車体の高さを調整する車高調整部を取り付けた自動二輪車の後部構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−11875公報(図4)
【0003】
特許文献1の図4において、リヤクッションユニット28(符号は同公報のものを流用する。以下同じ。)の上端部を構成するシリンダ部57に、内輪固定ボルト91が取り付けられ、この内輪固定ボルト91の側部外方に、内輪87が固定され、この内輪87の外方に外輪84が前後および左右に傾動可能に嵌合され、この外輪84に、筒状のケース83が取り付けられ、このケース83の外側に、ねじ部が設けられ、このねじ部は、車体フレーム側のクッション取付ビーム31に取り付けられている。また、ケース83のねじ部に、ロックナットがねじ込まれクッション取付ビーム31にケース83が固定されている。
【0004】
車高調整をする場合において、ロックナットをゆるめ、リヤクッションユニット28の上端部に設けたケース83を回動させ、リヤクッションユニット28に対するクッション取付ビーム31の高さを変更することによって、車体の高さを調整するようにした。
この場合に、例えば、ケース83を下方に移動させる際に、ロックナットを取り外さなければならないことがある。加えて、ケース83を回動させるときに、調整用の工具を差し込むスペースが狭く、調整が容易でないという課題がある。
【0005】
また、リヤクッションユニット28を交換する場合において、クッション取付ビーム31からケース83を外し、このケース83の内方に配置されている外輪固定ナット86を取り外す作業が必要であった。つまり、リヤクッションユニット28の交換は、車高調整部の分解が必要であり、煩雑な作業を伴うものとなっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、車高調整部を有する自動二輪車の後部構造において、車高調整を容易に行えるようにするとともにリヤクッションユニットの交換を容易に行えるようにする技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、車体フレームに設けたピボット軸にスイングアームをスイング可能に取り付け、このスイングアームの先端に車輪を取り付け、車体フレームとスイングアームの間にリヤクッションユニットを配置し、このリヤクッションユニットの下端部をリンクを介してスイングアームに取り付け、リヤクッションユニットの上端部に車体の高さを調整する車高調整部の一端を取り付け、この車高調整部の他端を車体フレームに取り付けた自動二輪車の後部構造であって、車高調整部は、リヤクッションユニットの上端部に締結されるクッションブラケットと、このクッションブラケットの周囲に、クッションブラケットの長手方向の軸線を中心に回転可能で、軸線方向に移動不能に取り付けられるカラー部材と、このカラー部材の外周に形成され、車体フレームと嵌合するねじ部と、を備え、カラー部材を軸線を中心に回動させることで、上端部に車体フレームを軸線方向に移動可能にすることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、クッションブラケットに、カラー部材を回動させるときに、クッションブラケットが連れ回らないように規制する第1規制部を設け、車体フレームに、第1規制部と係合しリヤクッションユニットを回動不能にする第2規制部を設けることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明では、カラー部材は、筒状部材であり、この筒状部材の内壁の一部を中心へ延ばした小径部を有し、この小径部に下方からクッションブラケットを突き当て、上方から締結部材でクッションブラケットにカラー部材を締結するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、カラー部材の側壁には、回動させるときに工具が挿入可能な孔部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、車高調整部は、クッションブラケットと、このクッションブラケットの周囲に、クッションブラケットの長手方向の軸線を中心に回転可能に取り付けられるカラー部材と、このカラー部材の外周に形成され、車体フレームと嵌合するねじ部とを備えている。
【0012】
カラー部材の外周には、車体フレームと嵌合するねじ部が形成されているので、カラー部材を回動することで、車体フレーム側に設けたねじ部にカラー部材を上下に移動させることができる。車体フレーム側にカラー部材を上下に移動させることにより、車体フレームの高さを変更することができる。
カラー部材を回動する作業により、車体フレームの高さが変更可能になるため、車体フレームの車高調整作業を極めて容易に且つ短時間で行えるようになる。
【0013】
また、車高調整部は、リヤクッションユニットの上端部にクッションブラケットが締結されている。リヤクッションユニットを交換するときには、リヤクッションユニットの上端部の締結を外すだけで交換することができる。つまり、車高調整部を分解などすることなく、リヤクッションユニットの交換が可能になる。車高調整部の分解作業が不要になれば、リヤクッションユニットの交換に係る作業性を大幅に高めることが可能になる。
【0014】
さらに、車高調整部は、クッションブラケットとカラー部材を主要な構成とする簡便で且つ軽量な構造であるため、車両の重量増加を抑えることが可能になる。
この結果、本発明によれば、車高調整を簡便に行うことができ、リヤクッションユニットの交換を容易に行うことが可能で、且つ簡便、軽量な後部構造を有する自動二輪車を得ることができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、クッションブラケットに、前記カラー部材を回動させるときに、クッションブラケットの連れ回りを規制する第1規制部を設け、車体フレームに、第1規制部と係合しリヤクッションユニットを回動不能にする第2規制部を設けた。
【0016】
車高調整をする場合において、カラー部材を回動させるときに、リヤクッションユニットは、第1規制部によって保持されているため、クッションブラケットを押えておく必要はなくなる。クッションブラケットを押えておく作業がなくなれば、車高調整に係る作業性を一層高めることができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、カラー部材は筒状部材であり、この筒状部材の内壁の一部を中心へ延ばした小径部を有しこの小径部に下方からクッションブラケットを突き当て、上方から締結部材で締結することでクッションブラケットにより支持される。
【0018】
カラー部材の外周には、ねじ部が形成され、このねじ部により車体フレームに嵌合されている。また、クッションブラケットは、リヤクッションユニットに着脱可能に設けられている。
【0019】
車高調整部は、一体化されているので、車体各部への影響を与えることなく車高調整部のみを取り外すことが容易である。車高調整部のみを取り外すことが容易になれば、車高調整部のメンテナンス性を高めることができる。
【0020】
請求項4に係る発明では、カラー部材の側壁には、回動させるときに工具が挿入可能な孔部が設けられている。
車高調整する場合には、車体の側方から工具を孔部に挿入しカラー部材を回動させることで、車高調整作業を一層迅速且つ容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る自動二輪車の左側面図であり、自動二輪車10は、ヘッドパイプ11と、このヘッドパイプ11に操舵可能に取り付けられるフロントフォーク12と、このフロントフォーク12の上端部および下端部に各々取り付けた操舵ハンドル13および前輪14と、ヘッドパイプ11に取り付けられ後方に延設されている車体フレーム15と、この車体フレーム15に懸架される駆動源としてのエンジン16と、この車体フレーム15の後端部に設けたピボット軸17を支点として後方にスイング可能に取り付けられているスイングアーム18と、このスイングアーム18の中間部18mと車体フレーム15の後部15bの間に配置されリンク21を介して取り付けられるリヤクッションユニット22と、スイングアーム18の先端18aに取り付けられエンジン16によって駆動される車輪23としての後輪24と、を主要構成とする。
図中、26はアッパカウル、27はヘッドランプ、28はフロントフェンダ、29はメインカウル、31は燃料タンク、32は乗員シート、33はシートカウルである。
【0022】
図2は本発明に係る自動二輪車の後部構造を説明する側面図であり、自動二輪車の後部構造40は、車体フレーム15にスイングアーム18をスイング可能に取り付け、車体フレーム15とスイングアーム18の間にリヤクッションユニット22を配置し、このリヤクッションユニット22の下端部22bをリンク21を介してスイングアーム18に取り付け、リヤクッションユニット22の上端部22aに車体の高さを調整する車高調整部41の一端41aを取り付け、この車高調整部41の他端41bを車体フレーム15側に設けられているリヤクロスフレーム43に取り付けてなる。
【0023】
リヤクッションユニット22には、シリンダ部44と、このシリンダ部44の周囲に配置したスプリング45とが設けられている。
スイングアーム18に、車体フレーム15から第1揺動軸51を介して後方に揺動可能に延設され側面視で略L字状を呈する第1腕部材52と、スイングアーム18の中間部18mから第2揺動軸53を介して斜め下前方に第1腕部材52の中間部52mまで延設され揺動可能に設けられる第2腕部材54と、第1腕部材52の後端と車体フレーム14の間に介在されるリヤクッションユニット22とが設けられており、スイングアーム18にかかる振動などを吸収する。
【0024】
以下、車高調整部の詳細について説明する。
図3は本発明に係る車高調整部の分解斜視図であり、車高調整部41には、リヤクッションユニット22の上端部22aに締結ボルト61を介して取り付けられ車高調整部41の基部を構成するクッションブラケット62と、このクッションブラケット62に回動可能に取り付けられるカラー部材63と、このカラー部材63にかかる主に水平方向の力を保持するブッシュメタル64と、このカラー部材63にかかる主に上下方向の力を保持する第1ニードルスラストベアリング65および第2ニードルスラストベアリング66と、これらカラー部材63、ブッシュメタル64および第1・第2ニードルスラストベアリング65、66をクッションブラケット62に回動可能に保持する第1・第2締結部材67、68と、が備えられている。
【0025】
カラー部材63の外壁上部71uに、リヤクロスフレーム43に設けたねじ孔部73にねじこみ可能なねじ部74が形成されている。図中、75・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)は第1ニードルスラストベアリング65および第2ニードルスラストベアリング66の上下に各々配置されるワッシャ部材である。
【0026】
リヤクロスフレーム43には、カラー部材63の外周に形成されるねじ部74と嵌合するねじ孔部73と、このねじ孔部73の外周に設けた切欠76と、この切欠76に挿入可能に設けたスペーサ77と、このスペーサ77をリヤクロスフレーム43に留める小ボルト78と、リヤクロスフレーム43の下面43bから垂下されクッションブラケット62の回り止めをする棒状部材としての第2規制部82と、が備えられている。
【0027】
スペーサ77は、最適な板厚を有するものを利用することで、カラー部材63のリヤクロスフレーム43への締付状態を安定化させるとともに締付作業に係る作業性を向上させることができる。
【0028】
図4は本発明に係る車高調整ユニットの要部断面図であり、図3を併せて参照して説明を行う。先ず、主要構成要素であるクッションブラケット62とカラー部材63について説明し、次いで、クッションブラケット62にカラー部材63が取り付けられる構造について説明する。
【0029】
クッションブラケット62には、鍔部83と、この鍔部83から上方に延ばし上部におねじ84aが形成されカラー部材63が取付可能に設けられる軸部84と、鍔部83から下方に延ばしリヤクッションユニット22の上端部22aが取り付けられるホルダ部85と、このホルダ部85から水平方向前方に延設されリヤクロスフレーム43から垂下された第2規制部82と係合してホルダ部85の回り止めをする第1規制部86と、が設けられている。第1規制部86は、第2規制部82を左右から挟持する2本の腕部87、87を備える。
【0030】
カラー部材63は、筒状の部材であり、内壁88と外壁89とを有し、内壁88は、大径部94とこの大径部94の一部を中心へ延ばした小径部91が設けられている。
外壁89の上部に、ねじ孔部73にねじこまれるねじ部74が設けられ、外壁89の下部に、フランジ部92が設けられ、このフランジ部92に後述する工具を差し込むことが可能な複数の孔部93・・・が開けられている。
【0031】
カラー部材63の内壁88を構成する小径部91の上下に設けた大径部94に、下方からクッションブラケット62の軸部84を挿入し、カラー部材63の小径部91の下面91bに、下方からクッションブラケット62の鍔部83を突き当て、カラー部材63の小径部91の上面91aに上方から第1・第2締結部材67、68でクッションブラケット62にカラー部材63を締結するようにした。いわゆる、ダブルナット締結構造が採用され、クッションブラケット62にカラー部材63の締結が緩まないように緩み止めが施されている。
【0032】
車高調整部41は、リヤクッションユニット22の上端部22aに締結されるクッションブラケット62と、このクッションブラケット62の周囲に、クッションブラケット62の長手方向の軸線Jを中心に回転可能で、この軸線J方向に移動不能に取り付けられるカラー部材63と、このカラー部材63の外周に形成され、車体フレーム15側に設けたリヤクロスフレーム43と嵌合するねじ部74と、を備え、カラー部材63を軸線Jを中心に回動させることで、上端部22aにリヤクロスフレーム43を軸線方向に移動可能にするようにした。
【0033】
クッションブラケット62に、カラー部材63を回動させるときに、クッションブラケット62が連れ回らないように規制する第1規制部86が設けられ、車体フレーム15に、第1規制部86と係合しリヤクッションユニット22を回動不能にする第2規制部82が設けられている。
【0034】
カラー部材63は、小径部91を有し、この小径部91に下方からクッションブラケット62を突き当て、上方から締結部材69で締結することでクッションブラケット62により支持される。
カラー部材63の上部63uは、ねじ部74により車体フレーム側に嵌合されている。また、クッションブラケット62は、リヤクッションユニット22に着脱可能に設けられている。
【0035】
以上に述べた自動二輪車の後部構造の作用を次に述べる。
図5は本発明に係る車高調整部の作用説明図であり、車高調整部41は、クッションブラケット62と、このクッションブラケット62の周囲に、クッションブラケット62の長手方向の軸線(図3の符号J参照)を中心に回転可能で、この軸線J方向に移動不能に取り付けられるカラー部材63と、このカラー部材63の外周に形成され、車体フレーム15側に設けたリヤクロスフレーム43と嵌合するねじ部74と、を備え、カラー部材63を回動させることで、リヤクッションユニット22の上端部22aにリヤクロスフレーム43を上下移動可能にするようにした。
【0036】
カラー部材63の外周には、リヤクロスフレーム43と嵌合するねじ部74が形成されているので、カラー部材63を回動するときには、締結部材69を第1の工具96でゆるめ、小ボルト78を第2の工具97でゆるめ、カラー部材63の孔部93に工具95としての第3の工具98を差し込んでクッションブラケット62の軸線(図3の符号J)回りに回動することで、車体フレーム15の高さを変更することができる。
カラー部材63を回動する作業により、車体フレーム15の高さが変更可能になるため、車体フレーム15の車高調整作業を極めて容易に且つ短時間で行えるようになる。
【0037】
図3を併せて参照し、車高調整をする場合において、カラー部材63を回動させるときに、リヤクッションユニット22は、第1規制部86によって保持されているため、クッションブラケット62を押えておく必要はなくなる。クッションブラケット62を押えておく作業がなくなれば、車高調整に係る作業性を一層高めることができる。
【0038】
図6は車高調整部が車体フレームおよびリヤクッションユニットから容易に着脱可能に構成することを説明する斜視図であり、車体フレーム15側に設けたリヤクロスフレーム43に、車高調整部41が、その軸J方向に上下調整可能に設けられ、この車高調整部41の下端部に、リヤクッションユニット22の上端部が、締結ボルト61を介して着脱可能に取り付けられる。つまり、車高調整部41は、リヤクッションユニット22の上端部22aにクッションブラケット62が締結されている。
【0039】
カラー部材63の上部63uは、ねじ部74により車体フレーム15の構成要素としてのリヤクロスフレーム43に嵌合されている。また、クッションブラケット62は、リヤクッションユニット22に着脱可能に設けられている。
【0040】
車高調整部41は一体化されているので、車体各部への影響を与えることなく車高調整部41のみを取り外すことが容易である。車高調整部41のみを取り外すことが容易になれば、車高調整部41のメンテナンス性を高めることができる。
【0041】
具体的に、リヤクッションユニット22を交換するときには、リヤクッションユニット22の上端部22aの締結を外すだけでその交換を行うことができる。つまり、車高調整部41自体を分解などすることなく、リヤクッションユニット22の交換が可能になる。車高調整部41の分解作業が不要になれば、リヤクッションユニット22の交換に係る作業性を大幅に高めることが可能になる。
【0042】
さらに、車高調整部41は、クッションブラケット62とカラー部材63を主要な構成とする簡便で且つ軽量な構造を有しており、車両の重量増加を抑えることが可能になる。
【0043】
尚、本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の鞍乗り型車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、車高調整部が設けられている自動二輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】本発明に係る自動二輪車の後部構造を説明する側面図である。
【図3】本発明に係る車高調整部の分解斜視図である。
【図4】図4は本発明に係る車高調整ユニットの要部断面図である。
【図5】本発明に係る車高調整部が設けられている自動二輪車の作用説明図である。
【図6】車高調整部が車体フレームおよびリヤクッションユニットから容易に着脱可能に構成することを説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
10…自動二輪車、15…車体フレーム、17…ピボット軸、18…スイングアーム、18a…スイングアームの先端、21…リンク、22…リヤクッションユニット、22a…リヤクッションユニットの上端部、22b…リヤクッションユニットの下端部、23…車輪、40…自動二輪車の後部構造、41…車高調整部、41…車高調整部、41a…車高調整部の一端、41b…車高調整部の他端、62…クッションブラケット、J…クッションブラケットの長手方向の軸線、63…カラー部材、69…締結部材、74…ねじ部、82…第2規制部、86…第1規制部、88…内壁、91…小径部、93…孔部、95…工具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに設けたピボット軸にスイングアームをスイング可能に取り付け、このスイングアームの先端に車輪を取り付け、前記車体フレームと前記スイングアームの間にリヤクッションユニットを配置し、このリヤクッションユニットの下端部をリンクを介して前記スイングアームに取り付け、前記リヤクッションユニットの上端部に車体の高さを調整する車高調整部の一端を取り付け、この車高調整部の他端を前記車体フレームに取り付けた自動二輪車の後部構造であって、
前記車高調整部は、前記リヤクッションユニットの上端部に締結されるクッションブラケットと、このクッションブラケットの周囲に、前記クッションブラケットの長手方向の軸線を中心に回転可能で、軸線方向に移動不能に取り付けられるカラー部材と、
このカラー部材の外周に形成され、前記車体フレームと嵌合するねじ部と、
を備え、
前記カラー部材を前記軸線を中心に回動させることで、前記上端部に前記車体フレームを前記軸線方向に移動可能にすることを特徴とする自動二輪車の後部構造。
【請求項2】
前記クッションブラケットに、前記カラー部材を回動させるときに、前記クッションブラケットが連れ回らないように規制する第1規制部を設け、
前記車体フレームに、前記第1規制部と係合し前記リヤクッションユニットを回動不能にする第2規制部を設けることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車の後部構造。
【請求項3】
前記カラー部材は、筒状部材であり、この筒状部材の内壁の一部を中心へ延ばした小径部を有し、この小径部に下方から前記クッションブラケットを突き当て、上方から締結部材で前記クッションブラケットに前記カラー部材を締結するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動二輪車の後部構造。
【請求項4】
前記カラー部材の側壁には、回動させるときに工具が挿入可能な孔部が設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の自動二輪車の後部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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