説明

自動二輪車及び自動二輪車用車体フレーム

【課題】足載せ面の前後方向における寸法が大きく、かつ高い剛性を有する自動二輪車を提供する。
【解決手段】車体フレーム20は、第1の架橋フレーム部31をさらに備えている。第1の架橋フレーム部31は、ヘッドパイプ21の中心軸Cの延びる方向から視た際に、ヘッドパイプ21の前方または後方を経由して右側ダウンフレーム部22aと左側ダウンフレーム部22bとを接続している。第1の架橋フレーム部31は、ヘッドパイプ21に接続されている。ヘッドパイプ21の中心軸Cの延びる方向において、ヘッドパイプ21の右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bとの接続部は、ヘッドパイプ21の第1の架橋フレーム部31との接続部34aよりも上方に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車及び自動二輪車用車体フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばスクーターなどの、シートの前方に足載せ面が設けられている自動二輪車に対するニーズが高まってきている。このような自動二輪車では、足載せ面が広いことが要求される。このため、例えば、下記の特許文献1などにおいて、広い足載せ面を有する自動二輪車が種々提案されている。特に、特許文献1では、高い剛性を有し、かつ足載せ面が広いスクーターが提案されている。
【0003】
図20は、特許文献1に記載されている自動二輪車の左側面図である。図21は、特許文献1に記載されている自動二輪車の車体フレームの正面図である。図20に示すように、自動二輪車100は、低床式のフロア(足載せ面)101を有するスクーターである。
【0004】
自動二輪車100は、車体フレーム110を備えている。図21に示すように、車体フレーム110は、ヘッドパイプ111を備えている。ヘッドパイプ111には、右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bが接続されている。右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bのそれぞれは、ヘッドパイプ111から下方に向かって延びている。右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bのそれぞれの下端部には、右側及び左側ロアフレーム部113a、113bが接続されている。右側及び左側ロアフレーム部113a、113bは、右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bから後方に向かって延びている。右側ロアフレーム部113aと、左側ロアフレーム部113bとは、フロア101の下方に位置する架橋フレーム部114によって架橋されている。また、ヘッドパイプ111と、架橋フレーム部114との間には、後方に向かって斜め下方に延びるセンターフレーム部115が設けられている。センターフレーム部115は、メインパイプ117を介して、ヘッドパイプ111に接続されている。センターフレーム部115は、前後方向において、ダウンフレーム部112a、112bの下端部よりも後方において、架橋フレーム部114と接続されている。
【0005】
このように、自動二輪車1では、センターフレーム部115と、架橋フレーム部114とが必須の構成として設けられている。これにより、車体フレーム110の剛性が高められている。
【0006】
また、ヘッドパイプ111と、メインパイプ117との間には、ガセット116が設けられている。このガセット116に右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bのそれぞれが接続されている。このように、自動二輪車100では、ガセット116を設けることにより、ヘッドパイプ111と、右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bとの接続部の剛性を向上している。従って、車体フレームに外力が加わったときにおいても、ヘッドパイプ111と、右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bとの接続部は、変形しにくく、かつ破損しにくくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−298356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、自動二輪車1では、車体フレーム110の剛性を高めるために、ヘッドパイプ111から後方に向かって斜め下方に延びるセンターフレーム部115が必須とされている。このため、フロア101の前後方向における長さを十分に長くすることが困難である。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、足載せ面の前後方向における寸法が大きく、かつ高い剛性を有する自動二輪車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る自動二輪車は、車体フレームと、ステアリングシャフトと、フロントフォークと、前輪と、シートと、足載せ部材とを備えている。車体フレームは、ヘッドパイプと、ダウンフレーム部と、ロアフレーム部と、シートフレーム部とを有する。ヘッドパイプは、車幅方向の中央に位置している。ダウンフレーム部は、ヘッドパイプに接続されている。ダウンフレーム部は、ヘッドパイプ側から下方に向かって延びている。ロアフレーム部は、ダウンフレーム部の下端部から後方に向かって延びている。シートフレーム部は、ロアフレーム部の後端部から上方に向かって延びている。ステアリングシャフトは、ヘッドパイプに回転可能に挿入されている。フロントフォークは、ステアリングシャフトに接続されている。前輪は、フロントフォークに回転可能に支持されている。シートは、シートフレーム部の上に設けられている。足載せ部材は、足載せ面を有する。足載せ面は、ロアフレーム部の上方であって、前後方向において、ダウンフレーム部とシートフレーム部との間に位置している。足載せ面は、少なくとも車幅方向の中央に位置するように設けられている。ダウンフレーム部は、右側ダウンフレーム部と、左側ダウンフレーム部とを有する。右側ダウンフレーム部は、ヘッドパイプの車幅方向の右側に位置している。左側ダウンフレーム部は、ヘッドパイプの車幅方向の左側に位置している。車体フレームは、第1の架橋フレーム部をさらに備えている。第1の架橋フレーム部は、ヘッドパイプの中心軸の延びる方向から視た際に、ヘッドパイプの前方または後方を経由して右側ダウンフレーム部と左側ダウンフレーム部とを接続している。第1の架橋フレーム部は、ヘッドパイプに接続されている。ヘッドパイプの中心軸の延びる方向において、ヘッドパイプの右側及び左側ダウンフレーム部との接続部は、ヘッドパイプの第1の架橋フレーム部との接続部よりも上方に位置している。
【0011】
本発明に係る自動二輪車用車体フレームは、車幅方向の中央に位置しているヘッドパイプと、ヘッドパイプに接続されており、前記ヘッドパイプ側から下方に向かって延びるダウンフレーム部と、ダウンフレーム部の下端部から後方に向かって延びるロアフレーム部と、ロアフレーム部の後端部から上方に向かって延びるシートフレーム部とを有する車体フレームと、ヘッドパイプに回転可能に挿入されているステアリングシャフトと、ステアリングシャフトに接続されているフロントフォークと、フロントフォークに回転可能に支持されている前輪と、シートフレーム部の上に設けられているシートと、ロアフレーム部の上方であって、前後方向において、ダウンフレーム部とシートフレーム部との間に位置しており、かつ、少なくとも車幅方向の中央に位置するように設けられている足載せ面を有する足載せ部材とを備える自動二輪車用の車体フレームに関する。本発明に係る自動二輪車用車体フレームにおいて、ダウンフレーム部は、ヘッドパイプの車幅方向の右側に位置している右側ダウンフレーム部と、ヘッドパイプの車幅方向の左側に位置している左側ダウンフレーム部とを有する。本発明に係る自動二輪車用車体フレームは、ヘッドパイプの中心軸の延びる方向から視た際に、ヘッドパイプの前方または後方を経由して右側ダウンフレーム部と左側ダウンフレーム部とを接続していると共に、ヘッドパイプに接続されている第1の架橋フレーム部をさらに備えている。ヘッドパイプの中心軸の延びる方向において、ヘッドパイプの右側及び左側ダウンフレーム部との接続部は、ヘッドパイプの第1の架橋フレーム部との接続部よりも上方に位置している。
【0012】
なお、本発明において、「シートフレーム部の上に設けられているシート」には、シートフレーム部の上方に設けられているシートが含まれるものとする。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、足載せ面の前後方向における寸法が大きく、かつ高い剛性を有する自動二輪車を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】自動二輪車の略図的右側面図である。
【図2】車体フレームを説明するための自動二輪車の略図的右側面図である。
【図3】車体フレームの略図的斜視図である。
【図4】車体フレームの略図的平面図である。
【図5】車体フレームの略図的左側面図である。
【図6】車体フレームの略図的正面図である。
【図7】ヘッドパイプの中心軸の延びる方向から視たときの車体フレームの前部の略図的平面図である。
【図8】左斜め後方から視たときの車体フレームと前輪との略図的斜視図である。
【図9】左斜め前方から視たときの車体フレームと前輪との略図的斜視図である。
【図10】前輪に対して後方への外力が加わった場合の車体フレームの挙動を説明するための略図的模式図である。図10において、実線が、前輪に対して後方への外力が加わっていない状態の車体フレームを示している。破線が、前輪に対して後方への外力が加わっている状態の車体フレームを示している。
【図11】第1の変形例における車体フレームの前部の略図的斜視図である。
【図12】第2の変形例における車体フレームの前部の略図的斜視図である。
【図13】第3の変形例における車体フレームの前部の略図的斜視図である。
【図14】第4の変形例における車体フレームの前部の略図的斜視図である。
【図15】第5の変形例における車体フレームの略図的左側面図である。
【図16】第6の変形例における車体フレームの略図的左側面図である。
【図17】第7の変形例における車体フレームの前部の略図的斜視模式図である。
【図18】第8の変形例における車体フレームの略図的平面図である。
【図19】第9の変形例における車体フレームの略図的斜視図である。
【図20】特許文献1に記載されている自動二輪車の左側面図である。
【図21】特許文献1に記載されている自動二輪車の車体フレームの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施した好ましい形態について、図1に示す自動二輪車1を例に挙げて説明する。なお、以下の説明において、前後左右の方向は、シート10に着座したライダーから視たときの方向をいうものとする。
【0016】
図1に示す自動二輪車1は、ユニットスイング式のエンジン15を有するスクーターである。但し、本発明において、自動二輪車は、ダウンフレーム部と、シートフレーム部との間に足載せ面を有する自動二輪車である限りにおいて、特に限定されない。例えば、自動二輪車1は、車体フレームにエンジンが実質的に変位不能に固定されている自動二輪車であってもよい。
【0017】
図1は、自動二輪車の略図的右側面図である。図2は、車体フレームを説明するための自動二輪車の略図的右側面図である。図3は、車体フレームの略図的斜視図である。図4は、車体フレームの略図的平面図である。図5は、車体フレームの略図的左側面図である。図6は、車体フレームの略図的正面図である。図7は、ヘッドパイプの中心軸の延びる方向から視たときの車体フレームの前部の略図的平面図である。図8は、左斜め後方から視たときの車体フレームと前輪との略図的斜視図である。図9は、左斜め前方から視たときの車体フレームと前輪との略図的斜視図である。
【0018】
図2に示すように、自動二輪車1は、車体フレーム20を備えている。図3に示すように、車体フレーム20は、ヘッドパイプ21を備えている。ヘッドパイプ21は、車幅方向において、車体フレーム20の中央に位置している。ヘッドパイプ21には、図8及び図9に示すステアリングシャフト19が回転可能に挿入されている。ステアリングシャフト19には、図1及び図2に示すハンドル12と、図2,図8及び図9に示す伸縮可能なフロントフォーク13とが接続されている。フロントフォーク13の下端部には、前輪11が回転可能に支持されている。
【0019】
図3〜図9に示すように、ヘッドパイプ21には、ダウンフレーム部22が接続されている。ダウンフレーム部22は、ヘッドパイプ21側から下方に向かって延びている。詳細には、ダウンフレーム部22は、右側ダウンフレーム部22aと、左側ダウンフレーム部22bとにより構成されている。ダウンフレーム部22は、車幅方向中央に位置している部分を有していない。すなわち、ダウンフレーム部22は、車幅方向中央において、ヘッドパイプ21から下方に延びる部分を有していない。
【0020】
右側ダウンフレーム部22aは、ヘッドパイプ21の上端部に接続されている。右側ダウンフレーム部22aは、ヘッドパイプ21の上端部から、右側に向かって略水平に延びた後に、途中部で折れ曲がり、その後、下方に向かって延びている。詳細には、右側ダウンフレーム部22aは、第1の部分22a1と、第2の部分22a2とを有する。第1の部分22a1は、ヘッドパイプ21から車幅方向右側に向かって延びている。第2の部分22a2は、第1の部分22a1の車幅方向右側端部から下方に向かって延びている。
【0021】
左側ダウンフレーム部22bも、右側ダウンフレーム部22aと同様に、ヘッドパイプ21の上端部に接続されている。左側ダウンフレーム部22bは、ヘッドパイプ21の上端部から、左側に向かって略水平に延びた後に、途中部で折れ曲がり、その後、下方に向かって延びている。詳細には、左側ダウンフレーム部22bは、第1の部分22b1と、第2の部分22b2とを有する。第1の部分22b1は、ヘッドパイプ21から車幅方向左側に向かって延びている。第2の部分22a2は、第1の部分22b1の車幅方向左側端部から下方に向かって延びている。
【0022】
このように、本実施形態では、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bのそれぞれの第1の部分22a1,22b1は、ヘッドパイプ21から車幅方向外側に向かって略水平に延びている。従って、車幅方向において、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22b間に、大きな配置スペースを設けることができる。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bのそれぞれは、ヘッドパイプ21から斜め下方に延びていてもよい。
【0023】
図2,図8及び図9に示すように、本実施形態では、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bは、前方視において、前輪11と重ならないように配置されている。換言すれば、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bは、車幅方向において、前輪11と異なる位置に配置されている。具体的には、右側ダウンフレーム部22aは、前輪11よりも車幅方向右側に配置されている。一方、左側ダウンフレーム部22bは、前輪11よりも車幅方向左側に配置されている。
【0024】
図2に示すように、自動二輪車1が水平に停車されている状態において、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bは、側面視において、前輪11とほとんど重なっていない。図2に二点破線で示す前輪11aは、フロントフォーク13が最も伸縮したときの前輪を示している。図2に示すように、フロントフォーク13が最も伸縮したときの前輪11aは、側面視において、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bと重なっている。すなわち、前輪11aの少なくとも一部が、車幅方向において、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22b間に位置している。
【0025】
ダウンフレーム部22の下端部には、ロアフレーム部23が接続されている。具体的には、右側ダウンフレーム部22aの下端部には、右側ロアフレーム部23aが接続されている。右側ロアフレーム部23aは、右側ダウンフレーム部22aの下端部から後方に向かって略水平に延びている。詳細には、右側ロアフレーム部23aは、側面視において、下方に向かってやや凸状に形成されている。一方、左側ダウンフレーム部22bの下端部には、左側ロアフレーム部23bが接続されている。左側ロアフレーム部23bは、左側ダウンフレーム部22bの下端部から後方に向かって略水平に延びている。詳細には、左側ロアフレーム部23bは、側面視において、下方に向かってやや凸状に形成されている。また、図3及び図4に示すように、右側及び左側ロアフレーム部23a、23bのそれぞれの前後方向における中央部は、両端部よりも車幅方向内側に位置している。
【0026】
右側ダウンフレーム部22aと右側ロアフレーム部23aとの接続部と、左側ダウンフレーム部22bと左側ロアフレーム部23aとの接続部とは、フレーム部24によって接続されている。このフレーム部24と、右側及び左側ロアフレーム部23a、23bのそれぞれの前後方向における中央部とは、フレーム部25a、25bによって接続されている。本実施形態では、これらフレーム部24,25a、25bによって、車体フレーム20の剛性が高められている。なお、図8及び図9では、描画の便宜上、フレーム部25a、25bの描画は省略している。
【0027】
図2に示すように、右側及び左側ロアフレーム部23a、23bには、足載せ部材30が取り付けられている。この足載せ部材30は、フートボードとも呼ばれる部材である。足載せ部材30は、足載せ面30aを備えている。足載せ面30aは、シート10に着座したライダーが走行中に足を載せる麺である。足載せ面30aは、ロアフレーム部23の上方に位置している。足載せ面30aは、前後方向において、ダウンフレーム部22とシートフレーム部26との間に位置している。足載せ面30aは、少なくとも車幅方向の中央に位置するように設けられている。本実施形態では、足載せ面30aは、車幅方向の右側端から左側端にわたって平坦に形成されている。但し、本発明は、この構成に限定されない。足載せ面30aは、例えば、段差部を有していてもよい。具体的には、足載せ面30aは、車幅方向中央に位置する中央部分と、車幅方向の両側に位置し、中央部分よりも低い位置に位置している両側部分とを有していてもよい。また、足載せ面30aは、必ずしも平坦である必要はない。足載せ面30aは、例えば、曲面であってもよい。さらに、足載せ面30aは、平滑である必要はない。足載せ面30aは、粗さ面であってもよい。
【0028】
主として、図2〜図5に示すように、ロアフレーム部23の後端部には、シートフレーム部26が接続されている。シートフレーム部26は、ロアフレーム部23の後端部から、上方に向かって延びている。詳細には、シートフレーム部26は、右側シートフレーム部26aと、左側シートフレーム部26bとにより構成されている。
【0029】
右側シートフレーム部26aは、右側ロアフレーム部23aの後端部に接続されている。右側シートフレーム部26aは、右側ロアフレーム部23aの後端部から後方に向かって斜め上方に延びている。詳細には、図2及び図5に示すように、右側シートフレーム部26aは、右側ロアフレーム部23aの後端部から略垂直に延びた後、途中部において後方に折れ曲がり、その後、後方に向かって斜め上方に延びている。すなわち、右側シートフレーム部26aは、右側ロアフレーム部23aの後端部から略垂直に延びる第1の部分26a1と、第1の部分26a1から後方に向かって斜め上方に延びる第2の部分26a2とを備えている。
【0030】
左側シートフレーム部26bは、左側ロアフレーム部23bの後端部に接続されている。左側シートフレーム部26bは、左側ロアフレーム部23bの後端部から後方に向かって斜め上方に延びている。詳細には、図2及び図5に示すように、左側シートフレーム部26bは、左側ロアフレーム部23bの後端部から略垂直に延びた後、途中部において後方に折れ曲がり、その後、後方に向かって斜め上方に延びている。すなわち、左側シートフレーム部26bは、左側ロアフレーム部23bの後端部から略垂直に延びる第1の部分26b1と、第1の部分26b1から後方に向かって斜め上方に延びる第2の部分26b2とを備えている。
【0031】
図2に示すように、右側及び左側シートフレーム部26a、26bの第2の部分26a2,26b2の上には、シート10が設けられている。シート10は、右側及び左側シートフレーム部26a、26bに、直接または間接的に取り付けられている。このシート10は、図1に示すように、ライダーとパッセンジャーとの2人が着座可能なタンデムシートである。
【0032】
図3に示すように、右側シートフレーム部26aの第1の部分26a1と第2の部分26a2との間の接続部26a3と、左側シートフレーム部26bの第1の部分26b1と第2の部分26b2との間の接続部26b3とは、フレーム部27によって接続されている。このフレーム部27も、上記フレーム部24,25a、25bと同様に、車体フレーム20のねじれ剛性を向上するための部材である。
【0033】
また、右側シートフレーム部26aの後端部と、左側シートフレーム部26bの後端部とは、フレーム部28によって接続されている。
【0034】
右側及び左側シートフレーム部26a、26bには、ブラケット29a、29bが取り付けられている。これらブラケット29a、29bには、車幅方向に延びるピボット軸29cが取り付けられている。このピボット軸29cには、図1に示すユニットスイング式のエンジン15が揺動可能に取り付けられている。エンジン15は、図示しない出力軸を有している。この出力軸には、後輪16が回転可能に支持されている。
【0035】
なお、本実施形態では、車体フレーム20の構成部材の大半が鉄製のパイプにより形成されている。但し、本発明は、この構成に限定されない。車体フレーム20は、例えば、ダイキャストにより形成されたものであってもよい。また、車体フレーム20は、例えば、アルミニウム製またはアルミニウム合金製であってもよいし、マグネシウム合金製であってもよい。
【0036】
次に、図3〜図9を参照しながら、車体フレーム20のヘッドパイプ21周りの構造について詳細に説明する。車体フレーム20は、第1及び第2の架橋フレーム部31,32を備えている。第1及び第2の架橋フレーム部31,32のそれぞれは、右側ダウンフレーム部22aと、左側ダウンフレーム部22bとを接続している。本実施形態では、第1及び第2の架橋フレーム部31,32の剛性は、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bの剛性よりも低く設定されている。
【0037】
具体的には、主として図7に示すように、第1の架橋フレーム部31は、ヘッドパイプ21の中心軸Cの延びる方向から視た際に、ヘッドパイプ21の後方を経由して右側ダウンフレーム部22aと左側ダウンフレーム部22bとを接続している。また、第1の架橋フレーム部31は、ヘッドパイプ21にも接続されている。本実施形態では、第1の架橋フレーム部31は、ヘッドパイプ21の後方に位置しており、ヘッドパイプ21の下端部に接続されている接続フレーム部33を介して、ヘッドパイプ21に間接的に接続されている。但し、本発明は、この構成に限定されない。第1の架橋フレーム部は、例えば、直接ヘッドパイプに接続されていてもよい。なお、本実施形態では、第1の架橋フレーム部31は、直線状に形成されている。但し、本発明において、第1の架橋フレームは、例えば曲線状や湾曲状に形成されていてもよい。その場合、第1の架橋フレームは、ヘッドパイプ21の中心軸Cの延びる方向から視た際に、後方に向かって凸状であることが好ましい。
【0038】
図5に示すように、第1の架橋フレーム部31は、ヘッドパイプ21の中心軸Cの延びる方向において、ヘッドパイプ21の上端から下端までの領域L内に配置されている。そして、接続フレーム部33とヘッドパイプ21との接続部33aと、接続フレーム部33と第1の架橋フレーム部31との接続部33b(図3、図6を参照)との両方が、領域L内に位置している。
【0039】
図7に示すように、第2の架橋フレーム部32は、ヘッドパイプ21の中心軸Cの延びる方向から視た際に、ヘッドパイプ21の前方を経由して右側ダウンフレーム部22aと左側ダウンフレーム部22bとを接続している。また、第2の架橋フレーム部32は、ヘッドパイプ21にも接続されている。本実施形態では、第2の架橋フレーム部32は、ヘッドパイプ21の前方に位置しており、ヘッドパイプ21の下端部に接続されている接続フレーム部34を介して、ヘッドパイプ21に間接的に接続されている。但し、本発明は、この構成に限定されない。第2の架橋フレーム部は、例えば、直接ヘッドパイプに接続されていてもよい。
【0040】
図5に示すように、ヘッドパイプ21の中心軸Cの延びる方向において、接続フレーム部34とヘッドパイプ21との接続部34aと、第2の架橋フレーム部32の接続フレーム部34との接続部34bとは、共に、領域L内に配置されている。
【0041】
なお、上述のように、本実施形態では、図5に示すように、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bがヘッドパイプ21の上端部に接続されており、接続部33b、34bがヘッドパイプ21の下端部に接続されている。但し、本発明において、ヘッドパイプの中心軸の延びる方向から視た際に、右側及び左側ダウンフレームのヘッドパイプとの接続部の位置が、接続部のヘッドパイプとの接続部の位置よりも上方にある限りにおいて、右側及び左側ダウンフレームのヘッドパイプとの接続部及び接続部のヘッドパイプとの接続部の位置は特に限定されない。
【0042】
例えば、上記の特許文献1に記載されている自動二輪車100では、センターフレーム部115の存在が、足載せ面の前後方向における長さを短くする原因となっている。しかしながら、センターフレーム部115は、自動二輪車100において、剛性を担保するための必須の構成部材とされている。従って、自動二輪車100では、センターフレーム部115を取り除いて足載せ面の前後方向における長さを長くすることはできない。
【0043】
このことに鑑み、本発明者は、従来とは異なる新しい車体フレームの設計思想を採用することにより、センターフレーム部を有さず、かつ高い剛性を有する車体フレームを実現できることを見出した。
【0044】
以下、このことをより詳細に説明する。
【0045】
自動二輪車100では、上述の通り、ガセット116を設けることにより、ヘッドパイプ111と、右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bとの接続部の剛性を向上している。そして、右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bに剛性を担保する機能と、強度を担保する機能との両方を担わせている。このようにした場合、右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bには、非常に高い剛性と、非常に高い強度との両方が求められる。よって、右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bを非常に直径が大きく、厚肉のパイプにより構成する必要が生じる。そこで、右側及び左側ダウンフレーム部112a、112bに対して、センターフレーム部115と、架橋フレーム部114とが補強部材として設けられている。すなわち、自動二輪車100では、車体フレームの剛性と強度とが、右側及び左側ダウンフレーム部112a、112b、センターフレーム部115並びに架橋フレーム部114により担保されている。
【0046】
このように、従来、ヘッドパイプとダウンフレームとはガセットなどを用いて強固に固定し、車体フレームの剛性及び強度の両方を、車体フレームのヘッドパイプ周りよりも下流側の部分で担保できるように車体フレームを設計するのが一般的であった。
【0047】
しかしながら、その場合は、ダウンフレーム部を非常に大きな直径を有し、厚肉のパイプにより構成したり、または、補強部材を別途に設けたりする必要がある。このため、足載せ面の前後方向における長さを長くすることが困難であった。また、車体フレームの重量が増大する傾向にあった。
【0048】
それに対して、本発明者は、全く新しい車体フレームの設計思想に想到した。具体的には、本発明者らは、ヘッドパイプ周りの構造により車体フレームの強度を担保し、ダウンフレーム部により剛性を担保するという設計思想に想到した。より具体的には、本実施形態では、ヘッドパイプ21の前方または後方を経由し、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22b間を接続しており、かつ、ヘッドパイプ21に接続されている第1及び第2の架橋フレーム部31,32が設けられている。これら第1及び第2の架橋フレーム部31,32を設けることにより、例えば、前輪11に対して後方への外力が加わった場合に、第1及び第2の架橋フレーム部31,32が変形することにより車体フレーム20に加わった外力が緩和される。詳細には、図10に示すように、前輪11に対して後方への外力が加わった場合、ヘッドパイプ21の下端部が後方に向かって移動し、ヘッドパイプ21が弓なり状にしなる。ヘッドパイプ21が変形すると、ヘッドパイプ21に接続されている第1及び第2の架橋フレーム部31,32も変形する。これにより、車体フレーム20に加わった外力が緩和される。このため、右側及び左側ダウンフレーム部を補強するためのセンターフレーム部を設けずとも、車体フレームの剛性と強度を十分に高くすることができる。
【0049】
また、本実施形態では、センターフレーム部が必要ないため、その分、足載せ面30aの前後方向における長さ寸法を長くすることができる。すなわち、本実施形態の車体フレーム20を採用することにより、車体フレーム20の剛性を高く保ちつつ、足載せ面30aの前後方向における長さ寸法を長くすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、前方視において、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bは、前輪11と右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bとが重ならないように配置されている。そして、前輪11は、側面視において、フロントフォーク13が最も伸縮したときに右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bと重なるように配置されている。このため、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bをより前方に配置することができる。従って、自動二輪車1のホイールベース長を長くすることなく、足載せ面30aの前後方向における長さ寸法をより長くすることができる。また、フロントフォーク13のストローク長を長くすることができる。
【0051】
上記第1及び第2の架橋フレーム部31,32による外力の緩和効果をより高めるためには、ヘッドパイプ21の中心軸Cの延びる方向において、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bとヘッドパイプ21との接続部と、接続フレーム部33,34とヘッドパイプ21との接続部33a、34aとの間の距離を大きくすることが好ましい。具体的には、本実施形態のように、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bをヘッドパイプ21の上端部に接続し、接続フレーム部33,34をヘッドパイプ21の下端部に接続することが好ましい。そうすることによって、第1及び第2の架橋フレーム部31,32に加わる外力をより大きくすることができる。よって、第1及び第2の架橋フレーム部31,32をより大きく変形させることができる。従って、車体フレーム20に加わる外力をより効果的に緩和することができる。
【0052】
また、本実施形態では、第1及び第2の架橋フレーム部31,32のそれぞれの剛性が、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bのそれぞれの剛性よりも低い。このため、ヘッドパイプ21に外力が加わった際に、第1及び第2の架橋フレーム部31,32がさらに変形しやすい。従って、車体フレーム20に加わる外力をさらに効果的に緩和することができる。
【0053】
また、本実施形態では、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bとヘッドパイプ21との接続部がガセットで強化されていない。このため、ヘッドパイプ21に外力が加わった際に、第1及び第2の架橋フレーム部31,32がさらに変形しやすい。従って、車体フレーム20に加わる外力をさらに効果的に緩和することができる。
【0054】
また、本実施形態では、図5に示すように、第1の架橋フレーム部31が領域L内に位置している。このため、このため、ヘッドパイプ21に外力が加わった際に、第1及び第2の架橋フレーム部31,32がさらに変形しやすい。従って、車体フレーム20に加わる外力をさらに効果的に緩和することができる。
【0055】
以下、変形例について説明する。なお、以下の説明において、実質的に共通の機能を有する部材を上記実施形態と共通の符号で参照し、説明を省略する。
【0056】
(第1〜4の変形例)
図11は、第1の変形例における車体フレームの前部の略図的斜視図である。図12は、第2の変形例における車体フレームの前部の略図的斜視図である。図13は、第3の変形例における車体フレームの前部の略図的斜視図である。図14は、第4の変形例における車体フレームの前部の略図的斜視図である。
【0057】
上記実施形態では、第1の架橋フレーム部31と第2の架橋フレーム部32との両方が設けられている場合について説明した。但し、本発明では、第1及び第2の架橋フレーム部31,32の両方が設けられている必要は必ずしもない。例えば、第1の架橋フレーム部31及び第2の架橋フレーム部32のうちの一方のみを設けてもよい。具体的には、例えば、図11及び図13に示すように、第1の架橋フレーム部31のみを設けてもよい。また、図15及び図17に示すように、第2の架橋フレーム部32のみを設けてもよい。第1の架橋フレーム部31及び第2の架橋フレーム部32のうちの少なくとも一方が設けられていれば、上記外力緩和効果が得られる。このため、車体フレーム20の剛性を高めつつ、足載せ面30aの前後方向における長さ寸法を長くすることができる。
【0058】
なお、第1及び第2の架橋フレーム部31,32のうちの一方のみを設ける場合は、第1の架橋フレーム部31を設けることが好ましい。第1の架橋フレーム部31を設けた場合の方が、第2の架橋フレーム部32を設けた場合よりもヘッドパイプ21周りの強度を強くしやすいからである。
【0059】
また、接続フレーム部33,34の構成は、架橋フレーム部31,32に外力を伝達可能な構成である限りにおいて、特に限定されない。例えば、図11に示すように、接続フレーム部33を複数本のパイプにより構成してもよい。また、図12に示すように、接続フレーム部33を1本のパイプにより構成してもよい。
【0060】
図13に示すように、接続フレーム部34を1本のフレーム部により構成してもよいし、図14に示すように、接続フレーム部34を複数本のフレーム部により構成してもよい。
【0061】
また、第1及び第2の架橋フレーム部31,32のそれぞれをヘッドパイプ21に直接接合し、接続フレーム部33,34を設けなくてもよい。
【0062】
(第5及び第6の変形例)
図15は、第5の変形例における車体フレームの略図的左側面図である。図16は、第6の変形例における車体フレームの略図的左側面図である。
【0063】
上記実施形態では、第2の架橋フレーム部32が領域L内に配置されていない場合について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、図15及び図16に示すように、第2の架橋フレーム部32は、領域L内に配置されていてもよい。具体的には、図15に示すように、ヘッドパイプ21の中心軸Cの延びる方向において、第2の架橋フレーム部32の右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bとの接続部は、ヘッドパイプ21の下端と同じ高さに位置していてもよい。また、図16に示すように、ヘッドパイプ21の中心軸Cの延びる方向において、第2の架橋フレーム部32の右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bとの接続部は、ヘッドパイプ21の下端よりも高い位置に位置していてもよい。
【0064】
(第7の変形例)
図17は、第7の変形例における車体フレームの前部の略図的斜視模式図である。
【0065】
上記実施形態では、図5に示すように、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bがヘッドパイプ21の上端部に接続されており、接続部33b、34bがヘッドパイプ21の下端部に接続されている場合について説明した。但し、本発明において、ヘッドパイプの中心軸の延びる方向から視た際に、右側及び左側ダウンフレームのヘッドパイプとの接続部の位置が、接続部のヘッドパイプとの接続部の位置よりも上方にある限りにおいて、右側及び左側ダウンフレームのヘッドパイプとの接続部及び接続部のヘッドパイプとの接続部の位置は特に限定されない。
【0066】
例えば、図17に示すように、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bのそれぞれは、ヘッドパイプ21の上端部よりも下方の部分に接続されていてもよい。また、接続フレーム部34は、ヘッドパイプ21の下端部よりも上方の部分に接続されていてもよい。
【0067】
(第8の変形例)
図18は、第8の変形例における車体フレームの略図的平面図である。
【0068】
上記実施形態では、右側及び左側ロアフレーム部23a、23bのそれぞれが屈曲されている場合について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、図18に示すように、右側及び左側ロアフレーム部23a、23bのそれぞれは、直線状であってもよい。
【0069】
(第9の変形例)
図19は、第9の変形例における車体フレームの略図的斜視図である。
【0070】
上記実施形態では、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bのそれぞれが、ヘッドパイプ21から一旦車幅方向外側に水平に延びた後に、折れ曲がり、その後下方に延びる場合について説明した。しかしながら、本発明は、この構成に限定されない。例えば、図19に示すように、右側及び左側ダウンフレーム部22a、22bのそれぞれは、ヘッドパイプ21から車幅方向外側に向かって斜め下方に延びていてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…自動二輪車
10…シート
11…前輪
13…フロントフォーク
19…ステアリングシャフト
20…車体フレーム
21…ヘッドパイプ
22…ダウンフレーム部
22a…右側ダウンフレーム部
22b…左側ダウンフレーム部
23…ロアフレーム部
26…シートフレーム部
30…足載せ部材
30a…足載せ面
31…第1の架橋フレーム部
32…第2の架橋フレーム部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向の中央に位置しているヘッドパイプと、前記ヘッドパイプに接続されており、前記ヘッドパイプ側から下方に向かって延びるダウンフレーム部と、前記ダウンフレーム部の下端部から後方に向かって延びるロアフレーム部と、前記ロアフレーム部の後端部から上方に向かって延びるシートフレーム部とを有する車体フレームと、
前記ヘッドパイプに回転可能に挿入されているステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトに接続されているフロントフォークと、
前記フロントフォークに回転可能に支持されている前輪と、
前記シートフレーム部の上に設けられているシートと、
前記ロアフレーム部の上方であって、前後方向において、前記ダウンフレーム部と前記シートフレーム部との間に位置しており、かつ、少なくとも車幅方向の中央に位置するように設けられている足載せ面を有する足載せ部材と、
を備え、
前記ダウンフレーム部は、
前記ヘッドパイプの車幅方向の右側に位置している右側ダウンフレーム部と、
前記ヘッドパイプの車幅方向の左側に位置している左側ダウンフレーム部と、
を有し、
前記車体フレームは、前記ヘッドパイプの中心軸の延びる方向から視た際に、前記ヘッドパイプの前方または後方を経由して前記右側ダウンフレーム部と前記左側ダウンフレーム部とを接続していると共に、前記ヘッドパイプに接続されている第1の架橋フレーム部をさらに備え、
前記ヘッドパイプの中心軸の延びる方向において、前記ヘッドパイプの前記右側及び左側ダウンフレーム部との接続部は、前記ヘッドパイプの前記第1の架橋フレーム部との接続部よりも上方に位置している自動二輪車。
【請求項2】
前記ダウンフレーム部は、車幅方向の中央に位置している部分を有していない請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項3】
前記架橋フレーム部は、前記ヘッドパイプの中心軸の延びる方向から視た際に、前記ヘッドパイプの後方を経由して前記右側ダウンフレーム部と前記左側ダウンフレーム部とを接続している請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項4】
前記車体フレームは、前記ヘッドパイプの中心軸の延びる方向から視た際に、前記ヘッドパイプの前方を経由して前記右側ダウンフレーム部と前記左側ダウンフレーム部とを接続していると共に、前記ヘッドパイプに接続されている第2の架橋フレーム部をさらに備え、
前記ヘッドパイプの中心軸の延びる方向において、前記ヘッドパイプの前記右側及び左側ダウンフレーム部との接続部は、前記ヘッドパイプの前記第2の架橋フレーム部との接続部よりも上方に位置している請求項3に記載の自動二輪車。
【請求項5】
前記右側及び左側ダウンフレーム部のそれぞれは、前記ヘッドパイプの上端部に接続されている請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項6】
前記ヘッドパイプの中心軸の延びる方向において、前記第1の架橋フレーム部は、前記ヘッドパイプの上端と、前記ヘッドパイプの下端との間に位置している請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項7】
前記右側及び左側ダウンフレーム部のそれぞれは、
前記ヘッドパイプから車幅方向の外方に向かって水平に延びる第1の部分と、
前記第1の部分の車幅方向外側端部から下方に向かって延びる第2の部分と、
を有する請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項8】
前記右側及び左側ダウンフレーム部は、前方視において、前記前輪と、前記右側及び左側ダウンフレーム部とが重ならないように配置されている請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項9】
前記フロントフォークは、伸縮可能であり、
側面視において、前記前輪は、前記フロントフォークが最も伸縮したときに、前記右側及び左側ダウンフレーム部と重なる請求項8に記載の自動二輪車。
【請求項10】
前記第1の架橋フレーム部の剛性は、前記右側及び左側ダウンフレーム部のそれぞれの剛性よりも低い請求項1に記載の自動二輪車。
【請求項11】
車幅方向の中央に位置しているヘッドパイプと、前記ヘッドパイプに接続されており、前記ヘッドパイプ側から下方に向かって延びるダウンフレーム部と、前記ダウンフレーム部の下端部から後方に向かって延びるロアフレーム部と、前記ロアフレーム部の後端部から上方に向かって延びるシートフレーム部とを有する車体フレームと、前記ヘッドパイプに回転可能に挿入されているステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトに接続されているフロントフォークと、前記フロントフォークに回転可能に支持されている前輪と、前記シートフレーム部の上に設けられているシートと、前記ロアフレーム部の上方であって、前後方向において、前記ダウンフレーム部と前記シートフレーム部との間に位置しており、かつ、少なくとも車幅方向の中央に位置するように設けられている足載せ面を有する足載せ部材とを備える自動二輪車用の車体フレームであって、
前記ダウンフレーム部は、
前記ヘッドパイプの車幅方向の右側に位置している右側ダウンフレーム部と、
前記ヘッドパイプの車幅方向の左側に位置している左側ダウンフレーム部と、
を有し、
前記ヘッドパイプの中心軸の延びる方向から視た際に、前記ヘッドパイプの前方または後方を経由して前記右側ダウンフレーム部と前記左側ダウンフレーム部とを接続していると共に、前記ヘッドパイプに接続されている第1の架橋フレーム部をさらに備え、
前記ヘッドパイプの中心軸の延びる方向において、前記ヘッドパイプの前記右側及び左側ダウンフレーム部との接続部は、前記ヘッドパイプの前記第1の架橋フレーム部との接続部よりも上方に位置している自動二輪車用車体フレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−245796(P2012−245796A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220840(P2009−220840)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】