説明

自動倉庫及びその入庫方法

【課題】それぞれの荷をその荷の高さに応じた保管場所に効率よく入庫することができる自動倉庫及びその入庫方法を提供することを課題とする。
【解決手段】荷が移載場所Pに到着すると、台車制御盤11からの到着情報S1を受けてクレーン制御盤10が管理コンピュータ12に入庫要求情報S2を伝達し、管理コンピュータ12は、3つの荷高さ種類とそれらに1つずつ設定された保管場所の組み合わせからなる3つの入庫指示を含む入庫指示情報S3をクレーン制御盤10に伝達する。クレーン制御盤10は入庫指示情報S3をそのまま入庫指示情報S4としてクレーンコントローラ8に伝達し、クレーンコントローラ8はスタッカクレーン4により移載場所Pの荷を受け取ると共に荷高さセンサA1〜A3の検出結果及び入庫指示情報S4に基づいて荷を入庫する保管場所2を認識し、その保管場所2に荷Wを入庫する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動倉庫及びその入庫方法に係り、特に自走台車等の搬送装置により移載場所まで搬送された荷をスタッカクレーンで受け取って棚等の所定の保管場所に搬送して入庫する自動倉庫及びその入庫方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自走台車等により移載場所まで荷を搬送すると共に、この移載場所に搬送された荷をスタッカクレーンで受け取って棚等に形成された複数の保管場所の1つに搬送して入庫する自動倉庫が知られている。この自動倉庫では、自走台車を制御する台車制御盤及びスタッカクレーンを制御するクレーン制御盤が管理コンピュータと通信可能に構成されると共に、管理コンピュータにより複数の保管場所の在庫状況を表す在庫データが管理されている。
【0003】
ところで、上述のような自動倉庫では、入庫される荷の高さが各種あるときに、その荷の高さに応じて保管場所を決定する入庫方法が知られている。
この入庫方法として、例えば以下に示すような方法がある。自走台車とスタッカクレーンとにそれぞれ荷高さセンサを取り付け、自走台車で荷を搬送する際に荷高さセンサにより荷の高さを検出し、荷が移載場所に到着すると、台車制御盤は、自走台車の荷高さセンサで検出された荷の高さの情報を管理コンピュータに送ると共に到着情報をクレーン制御盤に送る。この到着情報により、クレーン制御盤は管理コンピュータに入庫要求情報を出力し、管理コンピュータは、台車制御盤からの荷の高さの情報とクレーン制御盤からの入庫要求情報を受信すると、その荷の高さに対応する保管場所を決定し、これら荷の高さ及び対応する保管場所を入庫指示情報としてクレーン制御盤に出力する。
【0004】
クレーン制御盤は、管理コンピュータからの入庫指示情報を受信すると、スタッカクレーンにより移載場所の荷をキャリッジ上に受け取ると共にスタッカクレーンの荷高さセンサで荷の高さを検出し、この荷の高さが自走台車の荷高さセンサで検出した荷の高さと一致する場合には、入庫指示情報に基づいて荷の高さに対応する保管場所に荷を入庫する。
【0005】
ところが、自動倉庫では、一般に、複数のスタッカクレーン及び複数の自走台車が設置され、1台の管理コンピュータにより、複数のスタッカクレーンをそれぞれ制御する複数のクレーン制御盤と複数の自走台車をそれぞれ制御する複数の台車制御盤とに対しそれぞれ通信を行って自動倉庫全体の管理を行うことが多く、そのため、上述の入庫方法のように、自走台車の荷高さセンサで検出された荷の高さの情報を台車制御盤から出力したときに、その情報を管理コンピュータが受信するのにタイムラグが生じて運転効率が低下してしまうという問題がある。
また、上述の入庫方法において、自走台車の荷高さセンサで検出された荷の高さと、スタッカクレーンの荷高さセンサで検出された荷高さとが一致しないときには、荷高さ不一致の異常が発生したとして、システムを停止する等の処理を行う必要があり、復旧に所定の時間を要することとなる。
【0006】
例えば、特許文献1には、移載場所に設置された荷姿検出装置により荷の高さを検出し、この荷姿検出装置で検出された荷の高さに基づいて管理コンピュータが保管場所を決定する入庫方法が開示されているが、この入庫方法においても、荷姿検出装置で検出されて管理コンピュータに送られた荷の高さの情報が管理コンピュータで受信されるまでにタイムラグが生じて運転効率が低下してしまう。
【0007】
【特許文献1】特開平7−206110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、それぞれの荷をその荷の高さに応じた保管場所に効率よく入庫することができる自動倉庫及びその入庫方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る自動倉庫は、荷をその高さに応じてn個の荷高さ種類のうちの1つに分類し、スタッカクレーンを用いて荷を分類された荷高さ種類に対応する保管場所に入庫すると共に、複数の保管場所の在庫データを管理する管理コンピュータを有する自動倉庫において、スタッカクレーンのキャリッジに配設されると共にこのキャリッジ上に受け取られた荷の高さを検出するための荷高さ検出手段と、スタッカクレーンを制御するクレーン制御手段と、移載場所まで荷を搬送するための搬送装置を制御すると共に搬送装置により荷を搬送して移載場所に到着したときにクレーン制御手段に到着情報を出力する搬送装置制御盤とを備え、クレーン制御手段は、到着情報を受信すると、管理コンピュータに入庫要求情報を出力し、管理コンピュータは、入庫要求情報を受信すると、n個の荷高さ種類に対してそれぞれ空き状態の保管場所を1つずつ設定すると共に、それぞれ荷高さ種類と保管場所との組み合わせからなるn個の入庫指示を含む入庫指示情報をクレーン制御手段に出力し、クレーン制御手段は、入庫指示情報を受信すると、スタッカクレーンを作動させて移載場所の荷をキャリッジ上に受け取ると共に荷高さ検出手段によりその荷の高さを検出し、入庫指示情報に含まれるn個の入庫指示のうち荷高さ検出手段で検出された荷の高さが分類される荷高さ種類に対応する入庫指示の保管場所を認識し、この保管場所にスタッカクレーンにより荷を搬送して入庫するものである。
【0010】
スタッカクレーンにより荷を保管場所に搬送して入庫した後に、クレーン制御手段は、入庫された荷及び保管場所の情報を入庫完了情報として管理コンピュータに出力し、管理コンピュータは、入庫完了情報を受信すると、この入庫完了情報に基づいて複数の保管場所の在庫データを書き換えるように構成することが好ましい。
【0011】
また、クレーン制御手段は、スタッカクレーンに搭載されるクレーンコントローラと、スタッカクレーンには搭載されずに固定設置されるクレーン制御盤とを有し、クレーンコントローラとクレーン制御盤との間で通信すると共にクレーン制御盤と管理コンピュータとの間で通信するように構成することもできる。
また、複数のスタッカクレーンとこれら複数のスタッカクレーンをそれぞれ制御する複数のクレーン制御手段を備え、管理コンピュータは複数のクレーン制御手段に対してそれぞれn個の入庫指示を含む入庫指示情報を出力するように構成することもできる。
【0012】
この発明に係る自動倉庫の入庫方法は、荷をその高さに応じてn個の荷高さ種類のうちの1つに分類し、スタッカクレーンを用いて荷を分類された荷高さ種類に対応する保管場所に入庫すると共に、複数の保管場所の在庫データを管理する管理コンピュータを有する自動倉庫の入庫方法において、搬送装置により荷が搬送されて移載場所に到着したときに、搬送装置を制御する搬送装置制御盤からスタッカクレーンを制御するクレーン制御手段に到着情報を出力し、到着情報を受信したクレーン制御手段により管理コンピュータに入庫要求情報を出力し、入庫要求情報を受信した管理コンピュータにより、n個の荷高さ種類に対してそれぞれ空き状態の保管場所を1つずつ設定すると共に、それぞれ荷高さ種類と保管場所との組み合わせからなるn個の入庫指示を含む入庫指示情報をクレーン制御手段に出力し、入庫指示情報を受信したクレーン制御手段により、スタッカクレーンを作動させて移載場所の荷をキャリッジ上に受け取ると共にスタッカクレーンのキャリッジに配設された荷高さ検出手段によりその荷の高さを検出し、入庫指示情報に含まれるn個の入庫指示のうち荷高さ検出手段により検知された荷の高さが分類される荷高さ種類に対応する入庫指示の保管場所を認識し、その保管場所にスタッカクレーンにより荷を搬送して入庫する方法である。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、それぞれの荷をその荷の高さに応じた保管場所に効率よく入庫することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、この発明の実施の形態に係る自動倉庫を示す。この自動倉庫には、棚1が配置されており、この棚1には複数の保管場所2が形成されている。棚1に隣接して走行路3が敷設されており、この走行路3上を走行するようにスタッカクレーン4が配設されている。スタッカクレーン4は、それぞれ鉛直方向に立設された一対のマスト5に沿って昇降可能に配設されるキャリッジ6を有し、このキャリッジ6上には移載機7が走行路3に対して垂直な方向に進退可能に配設されている。また、スタッカクレーン4には、その走行及びキャリッジ6の昇降等の制御を行うためのクレーンコントローラ8が搭載されている。また、走行路3の一端部付近には、走行路3に隣接して移載場所Pが設定されており、レール等からなる軌道上を走行して移載場所Pまで荷を搬送するための自走台車9が配設されている。
【0015】
自動倉庫には、スタッカクレーン4を制御するためのクレーン制御盤10と、自走台車9を制御するための台車制御盤11とがそれぞれ配設されている。これらクレーン制御盤10と台車制御盤11との間は互いに通信可能であると共に、クレーン制御盤10は、スタッカクレーン3に搭載されたクレーンコントローラ8と通信可能である。
また、この自動倉庫は管理コンピュータ12を有している。この管理コンピュータ12は、クレーン制御盤10及び台車制御盤11と通信可能であると共に、クレーン制御盤10及び台車制御盤11にそれぞれ所定の指示を与えることで、スタッカクレーン4の運転及び自走台車9の運転をそれぞれ管理している。また、この管理コンピュータ12により、棚1に設けられた複数の保管場所2の在庫状況を表す在庫データが管理されている。
【0016】
なお、この自動倉庫に入庫される複数の荷はそれぞれその高さに基づいて、低荷、中荷及び高荷の3つの荷高さ種類に分類することができる。
これら低荷、中荷及び高荷の3つの荷高さ種類にそれぞれ対応するように、棚1の複数の保管場所2は、低荷のみを収容可能な高さを有する低荷用の保管場所と、低荷及び中荷を収容可能な高さを有する中荷用の保管場所及と、低荷及び中荷及び高荷の全てを収容可能な高さを有する高荷用の保管場所とに分類されている。
【0017】
また、管理コンピュータ12とクレーン制御盤10及び台車制御盤11との間、及び、クレーン制御盤10と台車制御盤11との間はそれぞれ、無線または有線で接続して通信可能に構成することができる。また、スタッカクレーン4は走行するため、スタッカクレーン4に搭載されたクレーンコントローラ8とクレーン制御盤10との間は光通信等を介して通信することが好ましい。
【0018】
図2に示されるように、スタッカクレーン4は、走行モータ13により走行路3上を走行する下部フレーム14を有しており、一対のマスト5は下部フレーム14の上に立設されている。キャリッジ6は、昇降モータ15の駆動により図示しないチェーン等を介して一対のマスト5に沿って上昇または下降される。また、クレーンコントローラ8は、マスト5の外側部に固定されており、このクレーンコントローラ8により走行モータ13及び昇降モータ15が駆動制御される。
【0019】
キャリッジ6は、底面部16と、この底面部16の両側すなわち走行路3の延在方向において底面部16の両端部に立設された一対の側壁部17とを有しており、ほぼU字状の断面形状を有している。ここで、キャリッジ6の底面部16上に移載機7が配設されると共に、一対の側壁部17の互いに対向する内面にはそれぞれ下方から、荷高さセンサA1〜A3が順次取り付けられている。各荷高さセンサA1〜A3はそれぞれ、図2に二点鎖線で示されるように移載機7上の荷Wの高さを検出するためのセンサであるが、特に荷高さセンサA3は、側壁部17の内面の上端付近に配置され、荷Wのキャリッジ6上方へのはみ出しを検知するための荷はみ出しセンサとして機能する。これら荷高さセンサA1〜A3はそれぞれクレーンコントローラ8に電気的に接続されている。
【0020】
荷高さセンサA1〜A3はそれぞれ、投光器及び受光器を有する光電センサからなり、一対の側壁部17に各センサA1〜A3の投光器及び受光器が互いに対向するように配置されている。各センサA1〜A3は、投光器で発した光線が受光器に到達することでオフ状態になり、これにより移載機7上の荷Wが各センサA1〜A3の設置高さよりも小さい高さを有することが検出される。また、各センサA1〜A3は、投光器で発した光線が遮断されて受光器に到達しないことによりオン状態になり、これにより移載機7上の荷Wが各センサA1〜A3の設置高さ以上の高さを有することが検出される。
【0021】
ここで、クレーンコントローラ8は、図2に二点鎖線で示されるように移載機7上に荷Wが載置されている状態で、荷高さセンサA1〜A3の全てがオフ状態であるときに荷Wの高さが低荷に分類されると判断し、荷高さセンサA1のみがオン状態であるときに荷Wの高さが中荷に分類されると判断し、荷高センサA1及びA2の双方がオン状態であるときに荷Wの高さが高荷に分類されると判断するように設定されている。また、荷高さセンサA1〜A3の全てがオン状態であるときには、クレーンコントローラ8は、荷Wがキャリッジ6の側壁部17の上端よりも上方にはみ出していると判断し、例えばクレーン制御盤10等を介して荷はみ出しの情報を作業者に通知することができる。
【0022】
なお、荷高さセンサA1〜A3により、この発明の荷高さ検出手段が構成されている。
また、スタッカクレーン4は、移載機7に取り付けられ且つクレーンコントローラ8に電気的に接続された図示しない在荷センサを有しており、この在荷センサによりキャリッジ6の移載機7上に荷Wが存在するか否かを検知することができる。
また、図1に示されるように、キャリッジ6の側壁部17の内面において、荷高さセンサA1〜A3は、移載機7の進退方向に沿って移載場所P側に位置する端部付近に配置されており、移載機7により移載場所Pからキャリッジ6上に荷Wを受け取る際に荷高さセンサA1〜A3による荷Wの高さの検出を確実に行えるように構成されている。
【0023】
次に図1を参照して、この実施の形態に係る自動倉庫の入庫方法について説明する。自走台車9により荷Wが搬送されて移載場所Pに到着すると、台車制御盤11がクレーン制御盤10に到着情報S1を出力する。クレーン制御盤10は、この到着情報S1を受信することにより、管理コンピュータ12に入庫要求情報S2を出力する。
管理コンピュータ12は、入庫要求情報S2を受信すると、低荷、中荷、高荷の3つの荷高さ種類に対してそれぞれ対応する空き状態の保管場所2を1つずつ設定する。例えば、低荷に対して空き状態の1つの低荷用の保管場所2を設定し、中荷に対して空き状態の1つの中荷用の保管場所2を設定し、高荷に対して空き状態の1つの高荷用の保管場所2を設定する。その後、管理コンピュータ12は、低荷とこれに設定された低荷用の保管場所2との組み合わせ、中荷とこれに設定された中荷用の保管場所2との組み合わせ、及び、高荷とこれに設定された高荷用の保管場所2の組み合わせからなる3つの入庫指示を含む入庫指示情報S3をクレーン制御盤10に出力する。
【0024】
クレーン制御盤10は、管理コンピュータ12からの入庫指示情報S3を受信すると、この入庫指示情報S3をそのまま入庫指示情報S4としてクレーンコントローラ8に出力する。クレーンコントローラ8は、入庫指示情報S4を受信すると、スタッカクレーン4の移載機7を移載場所Pの正面に位置させた状態で移載機7を移載場所Pに対して進退させることにより、移載場所Pにある荷Wを移載機7上に取り上げてキャリッジ6に受け取る。また、このとき、クレーンコントローラ8は、荷高さセンサA1〜A3のオン状態またはオフ状態に基づいて、移載機7上の荷Wの高さが低荷、中荷、高荷のうちのどの荷高さ種類に分類されるのかを判断し、入庫指示情報S4に含まれる3つの入庫指示のうち、移載機7上の荷Wの高さが分類される荷高さ種類に対応する入庫指示の保管場所2を認識する。その後、クレーンコントローラ8は、スタッカクレーン4を走行させると共にキャリッジ6を昇降させることにより荷Wを認識した保管場所2の正面まで搬送し、移載機7を進退させることによりその保管場所に荷Wを入庫する。
【0025】
例えば、クレーンコントローラ8は、荷Wの高さが低荷に分類されると判断すると、3つの入庫指示のうち、低荷に対応する入庫指示に含まれる低荷用の保管場所2を認識し、その保管場所2に荷Wを入庫する。同様に、クレーンコントローラ8は、荷Wの高さが中荷または高荷に分類されると判断すると、中荷または高荷に対応する入庫指示に含まれる中荷用の保管場所2または高荷用の保管場所2を認識し、その保管場所2に荷Wを入庫する。
【0026】
入庫を完了すると、クレーンコントローラ8は、入庫された荷Wとこの荷Wが保管された保管場所2とを表す情報を入庫完了情報S5としてクレーン制御盤10に出力し、クレーン制御盤10は、この入庫完了情報S5を受信すると、入庫完了情報S6を管理コンピュータ12に出力する。
さらに、管理コンピュータ12は入庫完了情報S6を受信すると、複数の保管場所2の在庫データを書き換えることにより、在庫データの更新を行う。
【0027】
なお、管理コンピュータ12は、低荷に対して空き状態の1つの低荷用の保管場所2を設定しようとするときに、全ての低荷用の保管場所2に荷Wが入庫されていて空き状態のものがない場合には、低荷に対して空き状態の1つの中荷用の保管場所2または高荷用の保管場所2を設定することもできる。また、中荷に対して空き状態の1つの中荷用の保管場所2を設定しようとするときに、全ての中荷用の保管場所2に荷Wが入庫されていて空き状態のものがない場合には、中荷に対して空き状態の1つの高荷用の保管場所2を設定することもできる。
【0028】
以上のように、それぞれの荷Wをその荷Wの高さに応じた保管場所2に入庫することができる。
また、この自動倉庫では、管理コンピュータ12からクレーン制御盤10を介してクレーンコントローラ8に3つの入庫指示を含む入庫指示情報S4が伝達され、クレーンコントローラ8が、荷高さセンサA1〜A3の検出結果及び入庫指示情報S4に含まれる3つの入庫指示に基づいて荷Wを入庫する保管場所2を認識するように構成されている。そのため、従来の自動倉庫のように、自走台車等に設けられた荷高さセンサにより荷の高さを検出し、その情報を台車制御盤等から管理コンピュータに送る必要はなく、したがって、荷Wの入庫を効率良く行うことができる。
【0029】
また、従来の自動倉庫では、自走台車等に設けられた荷高さセンサで荷の高さを検出した後に、スタッカクレーンに設けられた荷高さセンサでも荷の高さを検出し、それらの荷の高さが互いに一致しない場合には荷高さ不一致の異常としてシステムを停止する等の処理を行う必要があったが、この実施の形態に係る自動倉庫では、自走台車9等に荷高さセンサを設ける必要はなく、スタッカクレーン4に設けられた荷高さセンサA1〜A3の検出結果を用いて荷Wを入庫する保管場所2を認識することができるため、荷高さ不一致の異常が生じることはなく、荷Wの入庫をさらに効率良く行うことができる。
また、上述のように、自走台車9に荷高さセンサを設ける必要がないため、製造コストが低減される。
【0030】
また、荷の出庫時には、管理コンピュータ12からクレーン制御盤10を介してクレーンコントローラ8に、出庫しようとする荷Wの情報及びこの荷Wが保管されている保管場所2の情報を出庫指示情報として伝達する。この出庫指示情報により、クレーンコントローラ8は、スタッカクレーン4の移載機7をその保管場所2の正面に位置させた状態で移載機7により荷を取り出してキャリッジ6に受け取ると共に、この荷を移載場所Pの正面まで搬送した後に移載機2により移載場所Pに荷Wを移載し、さらに自走台車9がその荷Wを移載場所Pから外部に搬送することにより、荷を出庫することができる。
【0031】
なお、この自動倉庫は、複数の棚1と、これら複数の棚1にそれぞれ対応して設けられるスタッカクレーン4及び複数の自走台車9を有し、管理コンピュータ12により、複数のスタッカクレーン4にそれぞれ対応して設けられた複数のクレーン制御盤10と、複数の自走台車9にそれぞれ対応して設けられた複数の台車制御盤11とに対しそれぞれ通信を行って自動倉庫全体の管理を行うように構成することもできる。
【0032】
その場合に、管理コンピュータ12は、複数のクレーン制御盤10に対してそれぞれ3つの入庫指示を含む入庫指示情報を伝達し、各クレーン制御盤10が対応するスタッカクレーン4のクレーンコントローラ8に入庫指示情報を伝達することにより、各スタッカクレーン4のクレーンコントローラ8は、対応する荷高さセンサA1〜A3の検出結果及び入庫指示情報に含まれる3つの入庫指示に基づいて荷Wを入庫する保管場所2を認識することができる。したがって、従来のように、それぞれの自走台車等に荷高さセンサを設け、荷高さセンサで検出した荷の高さの情報を各台車制御盤等から管理コンピュータに送る必要はなく、この自動倉庫全体の入庫効率を向上させることができる。
【0033】
なお、上述の実施の形態における棚1には、低荷用の保管場所、中荷用の保管場所及び高荷用の保管場所に分類される複数の保管場所2が形成されていたが、その代わりに、棚1には、互いに同一種類の保管場所2或いは、2種類または4種類以上に分類される保管場所2が形成されていてもよい。この場合に、管理コンピュータ12は、クレーン制御盤10からの入庫要求情報S2を受信して3つの荷高さ種類に対しそれぞれ保管場所2を設定するときに、荷高さ種類に起因した入出庫頻度及びその他各種の条件に基づいて、各荷高さ種類に対しその荷高さ種類の荷Wを収容可能な所定の保管場所2を設定することもできる。
【0034】
また、この自動倉庫に入庫される複数の荷Wは、それぞれその高さに基づいて低荷、中荷及び高荷の3つの荷高さ種類に分類されるものであったが、これに限定されるものではなく、複数の荷Wは、それぞれその高さに基づいて2つの荷高さ種類または4つ以上の荷高さ種類に分類されるものでもよい。すなわち、複数の荷Wがそれぞれその高さに基づいてn(nは2以上の整数)個の荷高さ種類に分類される場合に、管理コンピュータ12はn個の荷高さ種類に対して空き状態の保管場所を1つずつ設定することによりn個の入庫指示を含む入庫指示情報をクレーン制御盤10を介してクレーンコントローラ8に伝達し、クレーンコントローラ8は、その入庫指示情報に含まれるn個の入庫指示及びスタッカクレーン4の荷高さセンサの検出結果に基づいて荷Wを入庫する保管場所2を認識することができ、これにより、上述の実施の形態と同様に、荷を効率良く入庫することができる。
【0035】
なお、上述の実施の形態において、クレーンコントローラ8と台車制御盤11との間を通信可能にすると共に、クレーンコントローラ8と管理コンピュータ12との間を通信可能に構成してもよい。このように構成すれば、荷Wが移載場所Pに到着した際に台車制御盤11から出力される到着情報をクレーンコントローラ8により受信することによりクレーンコントローラ8から管理コンピュータ12に入庫要求情報を出力し、この入庫要求情報に対して管理コンピュータ12がクレーン制御盤10を介さずにクレーンコントローラ8に直接に入庫指示情報を送信して入庫を行うこともできる。
【0036】
また、スタッカクレーン4に対し1つの棚1を設ける代わりに、スタッカクレーン4の走行路3を挟んで互いに対向するように2つの棚1を設け、スタッカクレーン4の移載機2が走行路3に対して垂直な方向に進退することにより、それぞれの棚1の保管場所2に対して荷Wの移載を行うように構成することもできる。
また、上述の実施の形態において、自走台車9の代わりに、有軌道台車またはコンベア等を荷Wを移載場所Pまで搬送する搬送装置として用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施の形態に係る自動倉庫の入庫方法を示すフロー図である。
【図2】実施の形態におけるスタッカクレーンを示す側面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 棚、2 保管場所、3 走行路、4 スタッカクレーン、5 マスト、6 キャリッジ、7 移載機、8 クレーンコントローラ、9 自走台車、10 クレーン制御盤、11 台車制御盤、12 管理コンピュータ、A1〜A3 荷高さセンサ、P 移載場所、W 荷。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷をその高さに応じてn個の荷高さ種類のうちの1つに分類し、スタッカクレーンを用いて荷を分類された荷高さ種類に対応する保管場所に入庫すると共に、複数の保管場所の在庫データを管理する管理コンピュータを有する自動倉庫において、
前記スタッカクレーンのキャリッジに配設されると共にこのキャリッジ上に受け取られた荷の高さを検出するための荷高さ検出手段と、
前記スタッカクレーンを制御するクレーン制御手段と、
移載場所まで荷を搬送するための搬送装置を制御すると共に前記搬送装置により荷を搬送して前記移載場所に到着したときに前記クレーン制御手段に到着情報を出力する搬送装置制御盤と
を備え、前記クレーン制御手段は、前記到着情報を受信すると、前記管理コンピュータに入庫要求情報を出力し、
前記管理コンピュータは、前記入庫要求情報を受信すると、前記n個の荷高さ種類に対してそれぞれ空き状態の保管場所を1つずつ設定すると共に、それぞれ荷高さ種類と保管場所との組み合わせからなるn個の入庫指示を含む入庫指示情報を前記クレーン制御手段に出力し、
前記クレーン制御手段は、前記入庫指示情報を受信すると、前記スタッカクレーンを作動させて前記移載場所の荷をキャリッジ上に受け取ると共に前記荷高さ検出手段によりその荷の高さを検出し、前記入庫指示情報に含まれるn個の入庫指示のうち前記荷高さ検出手段で検出された荷の高さが分類される荷高さ種類に対応する入庫指示の保管場所を認識し、この保管場所に前記スタッカクレーンにより荷を搬送して入庫することを特徴とする自動倉庫。
【請求項2】
前記スタッカクレーンにより荷を保管場所に搬送して入庫した後に、前記クレーン制御手段は、入庫された荷及び保管場所の情報を入庫完了情報として前記管理コンピュータに出力し、管理コンピュータは、前記入庫完了情報を受信すると、この入庫完了情報に基づいて前記複数の保管場所の在庫データを書き換える請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記クレーン制御手段は、前記スタッカクレーンに搭載されるクレーンコントローラと、前記スタッカクレーンには搭載されずに固定設置されるクレーン制御盤とを有し、前記クレーンコントローラと前記クレーン制御盤との間で通信すると共に前記クレーン制御盤と前記管理コンピュータとの間で通信する請求項1または2に記載の自動倉庫。
【請求項4】
複数の前記スタッカクレーンとこれら複数の前記スタッカクレーンをそれぞれ制御する複数の前記クレーン制御手段を備え、前記管理コンピュータは複数の前記クレーン制御手段に対してそれぞれ前記n個の入庫指示を含む入庫指示情報を出力する請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動倉庫。
【請求項5】
荷をその高さに応じてn個の荷高さ種類のうちの1つに分類し、スタッカクレーンを用いて荷を分類された荷高さ種類に対応する保管場所に入庫すると共に、複数の保管場所の在庫データを管理する管理コンピュータを有する自動倉庫の入庫方法において、
搬送装置により荷が搬送されて移載場所に到着したときに、搬送装置を制御する搬送装置制御盤からスタッカクレーンを制御するクレーン制御手段に到着情報を出力し、
前記到着情報を受信したクレーン制御手段により管理コンピュータに入庫要求情報を出力し、
前記入庫要求情報を受信した管理コンピュータにより、前記n個の荷高さ種類に対してそれぞれ空き状態の保管場所を1つずつ設定すると共に、それぞれ荷高さ種類と保管場所との組み合わせからなるn個の入庫指示を含む入庫指示情報をクレーン制御手段に出力し、
前記入庫指示情報を受信したクレーン制御手段により、スタッカクレーンを作動させて移載場所の荷をキャリッジ上に受け取ると共にスタッカクレーンのキャリッジに配設された荷高さ検出手段によりその荷の高さを検出し、前記入庫指示情報に含まれるn個の入庫指示のうち荷高さ検出手段により検知された荷の高さが分類される荷高さ種類に対応する入庫指示の保管場所を認識し、その保管場所にスタッカクレーンにより荷を搬送して入庫する
ことを特徴とする自動倉庫の入庫方法。

【図1】
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【図2】
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