説明

自動分析装置において使用可能なサンプリング装置及びサンプリング方法

【課題】液体の漏出の問題を解決し、チューブ内を大気圧状態にさせるという課題を解決することを可能にすると共に、操作者が針によって傷つけられるという危険性を従来の装置よりも低減させたサンプリング及び又はインジェクション装置を提供することを、課題とする。
【手段】本発明による装置は、本体(14)と、針(10)と、シーリング手段(11)と、液体を供給及び排出する手段(122,121)を有している。針(10)は、シーリング手段(11)と針(10)のサンプリング端部(103)との間に位置する少なくとも一つの溝(101)を有している。サンプリング端部(103)は、そのサンプリング端部(103)の側方に開口したサンプリング穴(102)を含んでいる。本発明による装置は、被分析物を含んだチューブ内部を大気圧状態におくことにより、従来技術が直面している液体の漏出の問題を低減させることを可能にする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置において使用することのできるサンプリング装置に関するものである。更に、本発明は、本発明による装置を利用してサンプルを採取する方法に関するものである。
【0002】
本発明が適用される分野は、自動サンプリング及び又はインジェクション装置の分野であり、より詳しくは、自動分析装置の分野である。
【背景技術】
【0003】
一般に、自動分析装置において用いられる、被分析物を含んだチューブは、通常エラストマーから作られたストッパーを備えたチューブである。このチューブは、チューブを満たすことを促進させるため、相対的な真空状態下におかれる。例えば、血液サンプルを採取する場合には、相対的な真空状態が作りだされたチューブを用いて、シリンジを使用することを回避している。自動分析装置においては、サンプリング及びインジェクション作業は、チューブからストッパーを取り外すことなく、適切な針をストッパーに貫通させることにより実施されている。そこにおいては、チューブの内側と外側との間の圧力差が、チューブ内の内容物を採取する場合に難事を引き起こす。更に、針がストッパーを貫通した際に、ストッパーの変形及び針のチューブ内への貫通によって、チューブ内の圧力の変化が増進される。
【0004】
圧力変化の全ては、正確な量の物質をチューブ内から採取及びチューブ内へ注入させることについての精度を低減させてしまう。現在のシステム及び装置は、この問題を解消するために特殊な針を使用することを推奨するものである。そのため、特許文献1においては、一方でカッティング先端を有し、他方で外側面にスロット,穴(hollow)又は溝(groove)を有して、その溝の助けを借りてチューブの内部と外部との間に空気を循環させることにより、チューブの内部を大気圧状態におくことを可能にする針が提案されている。
【0005】
然しながら、そのような針も多くの問題点を有している。第一に、外側面に溝が存在するため、サンプリング作業中に取り扱われる対象物が漏れるという危険性がある。第二に、針を取り扱う操作者が針のカッティング先端によって傷つけられるという危険性がある。
【0006】
また、自動サンプリング装置は、採取されたサンプルの分析中に用いられる希釈剤、又は、針を洗浄するために用いられる物質用の供給サーキット(feed circuit)を有している。そのような洗浄作業は頻繁に行われ、その作業は、分析される対象物が互いに汚染されるのを防ぐために極めて重要なことである。特許文献1に開示されているような、外側面に溝を備えた針を用いると、一方で希釈剤が、他方で針を洗浄するための物質が、この溝を介して漏れてしまうという問題がある。
【特許文献1】フランス特許第2,767,583号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一つの目的は、上述した漏出の問題を解決すると共に、チューブ内を大気圧状態にさせるという課題を解決することを可能にするサンプリング装置を提案することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、操作者が針によって傷つけられるという危険性を従来の装置よりも低減させたサンプリング及び又はインジェクション装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、自動分析装置において使用可能なサンプリング装置によって、上述した問題に対処することを提案するもので、このサンプリング装置は、
本体と、
サンプルを採取するのに適した伸長位置と引っ込み位置との間で本体内を移動することが可能で、サンプリング端と、外側面に長手方向に沿って伸びた少なくとも一つの溝とを有するサンプリング針と、
本体と針の外側面との間に配置されたシーリング手段を有し、
伸長位置と引っ込み位置との間の針の位置に関係なく、溝はシーリング手段とサンプリング端との間に伸びている。
【0010】
針の外側面に設けられた少なくとも一つの溝とシーリング手段との併用を介して、本発明による装置は、次のような解決策を効果的に提供することができる。
・一方で、サンプリング(及び又はインジェクション)が実施されるチューブの内部を大気圧状態におくことにより、針によって採取又はインジェクションされる物質の量に関する正確性という問題に対処すること。
・他方、溝を介した希釈液又は洗浄液の漏れという問題に対処すること。
【0011】
本発明による装置の特定の実施形態においては、針が少なくとも一つの第二の溝を有し、引っ込み位置において、シーリング手段が第一の溝と第二の溝との間に位置するように第二の溝が配置され、第一及び第二の溝が、夫々、それらの間に溝領域とシーリング領域とを区画している。
【0012】
実際に、チューブ内でサンプリングが実施されることを担保するためには、チューブが少量の対象物しか含んでいなかったとしても、針はチューブの底に接近させるように移動させる。それゆえ、第一の溝がストッパーを越えてチューブ内に挿入されると、空気循環がもはや保証されなくなる。これは、採取される内容物が少量の場合なので、一般的には問題とならない。然しながら、より多くの量のサンプルを採取することが望まれる場合には、伸長位置でストッパーを通り抜けるように設けられている第二の溝領域によって、空気循環が再開されることを可能にする。
【0013】
勿論、針は、夫々シール領域によって互いに分離された複数の溝領域を有していてもよい。
【0014】
本発明による装置は、外側面に複数の溝を有しているのが有益であり、その数は要求される利用方法に応じて決定することができる。
【0015】
溝の寸法、より詳しくは、溝の長さ及び深さは、ストッパーが針によって突き通された時に、ストッパーの変形によって溝がブロックされず、そのため、チューブの内部が大気圧状態にされることを阻止しないように、設定しなければならない。
【0016】
特定の実施形態において、溝は、正方形,長方形,三角形,台形,ばち形又は円弧形の断面を有していてもよく、これら断面は、それ自体技術的効果を有している。例えば、溝の円弧状断面は、針の洗浄、より詳しくは、溝の洗浄を促進させ、他方、溝の正方形,長方形,三角形,台形又はばち形の断面は、大気圧のより効果的な適用を可能にする。加えて、各形状は、多かれ少なかれ製造上の問題を提起する。
【0017】
本発明による装置の本体内部にはシーリング手段が配置されている。こうして、ある意味で、シーリング手段は、装置の内部を次の二つの部分に分割させる。
・シーリング手段よりも針のサンプリング端の方向に向かって位置している本体の内部の部分に対応する、ダウンストリームと呼ばれる第一の部分と、
本体の内部の残りの部分に対応する、アップストリームと呼ばれる第二の部分。
【0018】
シーリング手段の役割は、ダウンストリーム部とアップストリーム部との間をシールすることにある。シーリング手段は、一方で針の外側面と接触し、他方で装置本体の内側面と接触するように配置されている。シーリング手段と針との間の接触は、針がシーリング手段に沿ってスライドすることができるように調整されている。
【0019】
シーリング手段は、少なくとも一つのシーリングリングを含んでいるのが有益である。
【0020】
また、シーリング手段は、装置本体の少なくとも一つの肩部に支持されているのが有益である。更に、シーリング手段は、装置本体の二つの肩部間に装着し又はクランプし或いはクランプしないで配置し、または、装置本体に設けられたスロット内に配置して、装置本体の内部に突出するように設けることもできる。
【0021】
また、本発明による装置は、本発明による装置の本体のダウンストリーム部内に所定の液体を供給するための手段及び又は同液体を除去するための手段を含んでいるのが有益である。これらの手段は、液体を供給するための少なくとも一つの供給サーキットと同液体を除去するための少なくとも一つの除去サーキットとを含んでいる。本発明による装置の特定の実施形態においては、供給サーキットと除去サーキットは、共通の部品を含んでいる。更に、供給サーキット及び又は除去サーキットは、ポンプやバルブのように、供給サーキットに液体を押圧する手段及び又は除去サーキットから液体を吸引する手段を含んでいてもよい。また、それらの手段は、これらのサーキットが使用されていない時に、それらサーキットをブロックするための手段を含んでいてもよい。
【0022】
本発明による装置の特定の実施形態においては、供給される液体は、加圧された状態の液体であってもよい。
【0023】
本発明による装置の他の特定の実施形態においては、供給及び又は排出される液体は、針を洗浄及び又は漱ぐための洗浄液又はその他の液であってもよい。この特定の実施形態においては、本発明による装置は、針を洗浄及び又は漱ぐ作業中に、同液体を回収するために設けられるタンクの上に置くことができる。この実施形態においては、針を洗浄及び又は漱ぐための液体が洗浄及び又は漱がれる針のダウンストリーム部に直接に接触することができるように、針は引っ込められた状態にしておくことが好ましい。
【0024】
本発明による装置の他の特定の実施形態によれば、上記液体は、様々な分析にかけるという目的でチューブから採取されるサンプルを含んだ容器に加えられる希釈剤であってもよい。
【0025】
また、この液体は、分析の範囲内で採取されたサンプルと潜在的に反応する試薬であってもよい。
【0026】
針のサンプリング端の側面上で、溝はそのサンプリング端から離れた距離のところで終端しているのが有益である。その距離は、サンプリング端の寸法に加えて、サンプリング端部の形状とも相関関係にあり、サンプリング端部が、損傷を受けることなく、被分析物を含んだチューブのストッパーを貫通するのに十分な耐性をサンプリング端部に付与するのに寄与するような距離である。ストッパーに突き刺さる間に針に及ぼされる応力は、針を傷付けるものであってはならない。
【0027】
本発明によるある特定の実施形態において、針のサンプリング端は丸みを持ったものであってもよい。そのような丸みを持ったサンプリング端は、装置の操作者が針を使用する際にそれによって負傷する危険性を軽減させることができる。
【0028】
然しながら、本発明による別の実施形態においては、針のサンプリング端は尖っていてもよく、より詳述すると、針は、刃先を備えたサンプリング端を有していてもよい。その刃先は、針の略筒状本体に少なくとも一つの面によって接続され、それら少なくとも一つの面の少なくとも一つがサンプリング穴を有している。
【0029】
針のサンプリング端部は、針の側方外側へ開口した少なくとも一つの穴を有しているのが有益である。この穴を有していることにより、第一に、針がチューブのストッパーを貫通する間に、ストッパーから断片がカットされることを阻止することを可能にし、第二に、その断片によって穴がブロックされることを阻止することを可能にする。これは、針の先端に穴を有している従来の針の多くにおける問題点である。更に、そのような穴は、本発明による装置によって採取されるサンプルの量に関して高い正確性を持って、そのサンプルを採取することを可能にする。
【0030】
驚くべきことに、本発明による装置の針の溝が、その針に関する洗浄能力を明らかに向上させた。
【0031】
本発明の別の側面によれば、本発明による装置を使用する方法が提案される。
【0032】
本発明の別の利点及び特徴については、限定的でない実施形態について添付図面を参照しながら行った後述の詳細な説明を参照することにより、明らかになるであろう。
【0033】
尚、簡単に上述した実施形態は、本発明による装置の一適用例に過ぎず、本発明は、そのような適用例に限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図1は、本発明によるサンプリング装置の概略断面図であり、このサンプリング装置は、本体14と、針10と、シーリング手段11と、本体14内に液体を注入し及び排出する手段121,122を有している。サンプリング針10は、サンプリング端103を備えている。図1には、ストッパー131を有するチューブ13が部分的に示されている。図1においては、サンプリング針は、引っ込み位置で、即ち、サンプリング端103が本体14内に位置している状態で示されている。
【0035】
更に、針10は、その外側面に形成された二つの溝101と、穴102を有している。溝101は、シーリング手段11と針10のサンプリング端103との間に配置されている。実際に、溝101は、針の全長に亘って伸びておらず、針の限られた部分にのみ存在している。この限られた部分は、針が、図1に示した引っ込み位置と分析用のサンプルを採取するのを可能にする伸長位置(図2A及び2B参照)との間のどの位置にあるかに関係なく、サンプリング端103とシーリング手段11との間に位置している。従って、溝101は、シーリング手段11よりもサンプリング端103の方向に向かって位置している。
【0036】
シーリング手段11は、本発明による装置の本体14の内部に配置されている。このシーリング手段11によって、本体14の内部は次の二つの部分に分割されている。
・シーリング手段11よりも針10のサンプリング端103の方向に向かって位置している本体14の内部の部分に対応する、ダウンストリームと呼ばれる第一の部分16と、
本体14の内部の残りの部分に対応する、アップストリームと呼ばれる第二の部分15。
【0037】
シーリング手段11の役割は、ダウンストリーム部16とアップストリーム部15との間をシールすることにある。シーリング手段11は、一方で針10の外側面と接触し、他方で装置本体14の内側面と接触するように配置されている。シーリング手段11と針10との間の接触は、針10がシーリング手段11に沿ってスライドすることができるように調整されている。
【0038】
ここで説明した特定の実施形態においては、シーリング手段11は、シーリングリングを構成している。このシーリングリングは、装置本体14の肩部19上に支持されている。
【0039】
また、本発明による装置は、所定の液体をダウンストリーム部16に注入し及び排出するための供給サーキット(feed circuit)122と除去サーキット(removal circuit)121を有している。この装置は、液体を供給サーキット又は除去サーキット内へ押圧又は吸引するための、ポンプ及びバルブのような手段(図示せず)を有している。加えて、それらの手段は、供給サーキット122及び除去サーキット121が使用されていない時に、供給サーキット122及び又は除去サーキット121をブロックするための手段を有していてもよい。勿論、別の実施形態においては、サーキット121がダウンストリーム部内に液体を注入するための供給サーキットとして機能し、サーキット122が同液体を排出するための除去サーキットとして機能するものであってもよい。
【0040】
ダウンストリーム部16に供給される液体は、圧力下におくことができる。この液体は、洗浄液又は希釈液であってもよい。供給サーキット122によって供給される液体が洗浄液である場合には、本発明による装置は、洗浄液の全部又は一部を受けるために備えられた受け入れタンク(図示せず)上に配置される。その洗浄液は、除去サーキット121によって除去されて、本体の内部のダウンストリーム部16内に真空状態を作り出すことができる。供給サーキット122によって供給される液体が希釈液である場合には、当該液体を受けるための容器(図示せず)上に配置される。シーリング手段11の役割は、ダウンストリーム部内に供給手段122によって供給される液体に対して、装置本体14の内部のアップストリーム部15をシールすることを確実にすることである。
【0041】
図2Aには、針10が伸長状態になっている本発明による装置が示されている。より正確には、針10が、チューブ13のストッパー131を貫通した状態で示されている。チューブ13のストッパー131に針が貫通されている間は、チューブ13の内部は、溝101を介した空気の循環によって大気圧下におかれる。
【0042】
更に、針10は、サンプリング端部103の先端近くのサンプリング端部103の側壁に形成されたサンプリング穴102を有している。この穴102の位置調整により、第一に、針がチューブ13のストッパー131を貫通する間に、ストッパー131から断片がカットされて、その断片によって穴102がブロックされることを阻止することを可能にし、第二に、針10内に採取される被分析物質18のサンプル17の量に関して高い正確性を持って、そのサンプル17を採取することを可能にする。
【0043】
溝101は、サンプリング端部103から離れた位置のところで終端している。この距離は、サンプリング端部103の寸法に加えて、サンプリング端部103の形状とも相関関係にあり、サンプリング端部103が、損傷を受けることなく、被分析物18を含んだチューブ13のストッパー131を貫通するのに十分な耐性をサンプリング端部103に付与するのに寄与するような距離である。ストッパーに突き刺さる間に針に及ぼされる応力は、針10を傷付けるものであってはならない。
【0044】
図2Bは、本発明による装置の概略断面図である。図2Bにおいては、サンプリング針10は採取位置にある。針10のサンプリング端部103は、採取される物質18を含んだチューブ13の底部近くに位置している。針10は、二つの溝領域104,105を有している。第一の溝領域104は、針10がチューブ13のストッパー131を貫通している間に、チューブ13の内部を大気圧状態におくことを可能にする。溝106を含んでいる第二の溝領域105は、大量の被分析物18を採取することにより真空状態が作り出されることを回避するように、チューブ13の内部と外部との間の空気循環を可能にさせるために、チューブ13のストッパーを貫通する。針10が引っ込み状態にある時には、シーリング手段は第一の溝領域104と第二の溝領域105との間に位置する。
【0045】
図3に示されているように、針10は、断面正方形又は長方形の溝31、断面円弧状の溝32、断面三角形の溝33及び又は断面台形、より詳しくは、断面ばち形(dovetail)の溝34を有していてもよい。これらの断面の各々は、それ自体技術的効果を有している。例えば、円弧状の断面は、針の洗浄、より詳しくは、溝の洗浄を促進させ、これに対し、正方形,長方形及び台形の断面は、チューブ13内に大気圧がより効果的に作り出されることを可能にする。
【0046】
図4には、一つの溝を有する針41と、二つの溝を有する針42と、三つの溝を有する針43と、四つの溝を有する針44が概略的に示されている。
【0047】
また、針10のサンプリング先端103は、図5に示したように丸みのある形状51を有していてもよい。そのような丸い形状のサンプリング先端51は、操作者が傷付けられる危険性、より詳しくは、操作者が装置を取り扱う際に針を自分に刺してしまう危険性を低減させることができる。
【0048】
然しながら、本発明による装置の特定の実施形態においては、針の先端は先の尖った形状52,53を有していてもよい。より詳述すると、針は、刃先を備えたサンプリング端を有していてもよく、この刃先は、針の略筒状本体に少なくとも一つの面によって接続され、それら少なくとも一つの面の少なくとも一つがサンプリング穴を有している。
【0049】
勿論、本発明による装置は上述した実施形態に限定されるものではない。針の溝の数,配置及び形状については適宜変えることができる。針は、特定の実施形態に関する上述の記載の範囲内で、上述したものと異なった断面を備えたサンプリング先端を有していてもよい。サンプリング針は、円運動をするものであってもよい。シーリング手段は、スロット又は複数のショルダーによって固定することもできる。最後に、サンプリング針は、複数のサンプリング穴を有していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による装置の概略断面図で、この装置のサンプリング針が引っ込んだ状態で示されている。
【図2A】本発明による装置のサンプリング針が伸長した状態で示されている本発明による装置の概略断面図である。
【図2B】二つの溝領域を有するサンプリング針が伸長した状態で示されている本発明による装置の概略断面図である。
【図3】本発明による装置において採用することのできる様々な断面形状の溝を有する四つの針の概略断面図である。
【図4】本発明による装置において採用することのできる様々な数の溝を有する四つの針の概略断面図である。
【図5】様々な形状のサンプリング端を有する三つの針を示した概略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動分析装置において使用することの可能なサンプリング装置であって、
本体(14)と、
前記本体(14)内で、サンプル(17)を採取するのに適した伸長位置と引っ込み位置との間を移動可能なサンプリング針(10)と、
前記本体(14)と前記針(10)との間に配置されたシーリング手段(11)を有し、
前記針(10)が、サンプリング端部(103)と、前記針(10)の外側面の長手方向に沿った少なくとも一つの溝(101)を有し、
前記針(10)が伸長位置と引っ込み位置との間のどの位置にあるかに関係なく、前記溝(101)が前記シーリング手段(11)と前記サンプリング端部(103)との間で伸びていることを特徴とするサンプリング装置。
【請求項2】
前記針(10)が少なくとも一つの第二の溝(106)を有し、引っ込み位置において、前記シーリング手段(11)が前記第一の溝(101)と前記第二の溝(106)との間に位置するように配置されている、請求項1に記載のサンプリング装置。
【請求項3】
前記針(10)が、夫々、シーリング領域によって分離された複数の溝領域を含んでいる、請求項2に記載のサンプリング装置。
【請求項4】
前記シーリング手段(11)が、前記本体(14)に設けられた少なくとも一つの肩部に支持されている、請求項1〜3の何れか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項5】
前記シーリング手段(11)が、少なくとも一つのシーリングリングを含んでいる、請求項1〜4の何れか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項6】
前記装置が、前記シーリング手段(11)に対して前記針(10)の前記サンプリング端部(103)の側に位置する前記本体の内部部分内に液体を供給するための手段(122)及びその液体を除去するための手段(121)を更に含んでいる、請求項1〜5の何れか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項7】
前記液体が、加圧状態下にある液体である、請求項6に記載のサンプリング装置。
【請求項8】
前記液体が、洗浄液及び又は漱ぎ液である、請求項6又は7に記載のサンプリング装置。
【請求項9】
前記液体が、希釈液である、請求項6又は7に記載のサンプリング装置。
【請求項10】
前記溝(101)が、前記サンプリング端部(103)の側部側において前記サンプリング端(103)から離れた距離の所で終端している、請求項1〜9の何れか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項11】
前記溝(101)が、長方形の断面(31)を有している、請求項1〜10の何れか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項12】
前記溝(101)が、三角形の断面(33)を有している、請求項1〜10の何れか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項13】
前記溝(101)が、円弧状の断面(32)を有している、請求項1〜10の何れか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項14】
前記溝(101)が、台形の断面(34)を有している、請求項1〜10の何れか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項15】
前記針(10)の前記サンプリング端部(103)が丸みを帯びている、請求項1〜14の何れか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項16】
前記針(10)の前記サンプリング端部(103)が、前記針(10)の側方へ開口した少なくとも一つの穴(102)を有している、請求項1〜15の何れか一項に記載のサンプリング装置。
【請求項17】
特に血液のサンプルの如きサンプルを分析するための方法であって、下記サンプリング装置を利用することを特徴とする、サンプルの分析方法。
本体(14)と、
前記本体(14)内で、サンプル(17)を採取するのに適した伸長位置と引っ込み位置との間を移動可能なサンプリング針(10)と、
前記本体(14)と前記針(10)との間に配置されたシーリング手段(11)を有し、
前記針(10)が、サンプリング端部(103)と、前記針(10)の外側面の長手方向に沿った少なくとも一つの溝(101)を有し、
前記針(10)が伸長位置と引っ込み位置との間のどの位置にあるかに関係なく、前記溝(101)が前記シーリング手段(11)と前記サンプリング端部(103)との間で伸びるように前記シーリング手段(11)と前記溝(101)が構成されている、サンプリング装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−544960(P2009−544960A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521302(P2009−521302)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001293
【国際公開番号】WO2008/012445
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(509026068)
【Fターム(参考)】