説明

自動分析装置

【課題】確実かつ短時間に分注機構の分注精度を把握でき、精度の高い分析処理を行うことができること。
【解決手段】検体分注機構12および第1試薬分注機構17によって検体と試薬とを反応容器24に分注し、該反応容器24内で反応する反応液の吸光度を測定して前記検体を分析する自動分析装置1において、分注ノズルの詰まり詰まりの排除後に、検体分注機構12および第1試薬分注機構17によって色素液と希釈液とが所定数の反応容器24に分注された各反応容器24内の液体に対する各吸光度を測定する測光部22と、測光部22が測定した各吸光度の分散度を算出する算出部34bと、算出部34bが算出した分散度が設定範囲内である場合、検体分注機構12の分注精度が正常であると判定する分注精度判定部34cと、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体と試薬とを反応容器に分注し、この反応容器内で生じる反応液の吸光度を測定することで検体を分析する自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、検体と試薬とを反応容器に分注し、この反応容器内で生じる反応液の吸光度を測定することで検体を分析する自動分析装置が知られている。この自動分析装置は、検体または試薬を分注するために、分注ノズルや分注ポンプ等によって実現される分注機構を備えている。
【0003】
このような分注機構は、分析中に検体のフィブリン等の固形物が分注ノズル内に詰まることによって、検体が規定液量で反応容器に分注されないことがある。このため、この分注機構は、分注ノズルと分注ポンプとの間に圧力センサを設け、この圧力センサが検出した情報をもとに、分注ノズル内にノズル詰まりがあるか否かを判定する判定手段を備えている。この判定手段が分注ノズル内にノズル詰まりがあると判定した場合、分注ノズル内のノズル詰まりを解消するため、一旦分注を中断し、分注ノズル内を洗浄することで、分注ノズル内のノズル詰まりを解消し、その後、分注を再開する分注機構を備えた自動分析装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−063240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の自動分析装置では、ノズル詰まりがあった場合に、分注ノズルを洗浄してノズル詰まりが解消できたものとし、その後、分注処理を行うようにしており、ノズル詰まりの解消が確実に行われたか否かを確認していないため、ノズル詰まりを完全に排除することができていない場合があった。このようなノズル詰まりの排除を完全に行うことができない場合、分注量にばらつきが生じ、精度の高い分析結果を得ることができないという問題点があった。一方、ノズル詰まりの排除が完全に行われたか否かを確認しようとすると、そのための装置等が必要となり、勢い多大な時間と労力とがかかるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分注ノズルのノズル詰まりの排除状態を確実かつ短時間に把握して精度の高い分析処理を行うことができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、分注ノズル内にノズル詰まりが生じた場合、該分注ノズル内を洗浄してノズル詰まりを排除する分注機構を備え、前記分注機構によって検体と試薬とを反応容器に分注し、該反応容器内で反応する反応液の吸光度を測定することで前記検体を分析する自動分析装置において、前記ノズル詰まりの排除後に、前記分注機構を用いて色素液と希釈液とを複数の反応容器にそれぞれ分注する分注手段と、前記分注手段によって分注された前記複数の反応容器内の液体に対する各吸光度を測定する測定手段と、前記測定手段が測定した各吸光度の分散度を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した分散度が設定範囲内である場合、前記分注機構による分注精度が正常であると判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記分注機構の移動軌跡上に、前記色素液を収容する色素液収容部を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記分注機構の移動軌跡上に、前記希釈液を収容する希釈液収容部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、分注ノズルのノズル詰まりの排除後に、色素液と希釈液とを分注した複数の反応容器に対する各吸光度を測定し、測定した各吸光度の分散を算出し、算出した分散が設定範囲内である場合、分注機構の分注精度が正常であると判定するようにしているため、確実かつ短時間に分注機構の分注精度を把握でき、精度の高い分析処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の自動分析装置にかかる好適な実施の形態について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0012】
図1は、この発明の実施の形態における自動分析装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、この発明の実施の形態にかかる自動分析装置1は、反応容器24に第1試薬、分析対象である検体、および第2試薬を分注し、これら第1試薬、検体、および第2試薬を反応容器24内で反応させ、この反応液の吸光度を測定する測定機構2と、測定機構2を含む自動分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構2における測定結果の分析を行う制御機構3とを備える。自動分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の分析を自動的に行う。
【0013】
まず、測定機構2について説明する。図1に示すように、測定機構2は、血液や尿等の液体である検体を収容した複数の検体容器11aを保持する検体ラック11bを図中の矢印方向に順次移送する検体移送機構11と、検体移送機構11の検体容器11aから検体を吸引して反応容器24に検体を吐出して分注を行う検体分注機構12と、反応容器24への検体や試薬の分注、攪拌、測光および洗浄を行うために反応容器24を所定の位置まで移送する反応テーブル13と、反応容器24内に分注される第1試薬が収容された試薬容器16を複数収容する第1試薬庫15と、第1試薬庫15内の試薬容器16から第1試薬を吸引して反応容器24に第1試薬を吐出して分注を行う第1試薬分注機構17と、反応容器24内に分注される第2試薬が収容された試薬容器19を複数収容する第2試薬庫18と、第2試薬庫18内の試薬容器19から第2試薬を吸引して反応容器24に第2試薬を吐出して分注を行う第2試薬分注機構20と、反応容器24に分注された液体を攪拌する第1攪拌部14および第2攪拌部21と、反応容器24に分注された液体の吸光度を測定する測光部22と、測光部22による測定が終了した反応容器24に対して洗浄する洗浄部23と、検体分注機構12の移動軌跡上に設けられ、色素液が収容された色素液収容部25と、第1試薬分注機構17の移動軌跡上に設けられ、希釈液が収容された希釈液収容部26とを備える。
【0014】
なお、色素液としては、たとえば、アシッドレッド等が使用され、測光部22による分析光の波長(340〜800nm)範囲で検出できるものであればよい。また、色素液の濃度は、希釈液の液量を考慮したうえで、測光部22による測定可能範囲に入ればよい。希釈液としては、イオン交換水または蒸留水が用いられ、この希釈液は、色素液の濃度が測光部22の測光可能範囲となるように希釈する。
【0015】
つぎに、制御機構3について説明する。制御機構3は、制御部31、入力部32、分析部33、自己診断判定部34、記憶部35、出力部36および送受信部37を備える。測定機構2および制御機構3が備えるこれらの各部は、制御部31に接続されている。
【0016】
制御部31は、CPU等によって実現され、自動分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部31は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。
【0017】
入力部32は、キーボート、マウス、入出力機能を備えたタッチパネル等によって実現され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。また、入力部32は、図示しない通信ネットワークを介して制御部31への指示情報を取得し、送信する。
【0018】
分析部33は、測光部22によって測定された吸光度の測定結果に基づいて検体の成分分析等を行う。
【0019】
自己診断判定部34は、詰まり判定部34a、算出部34b、分注精度判定部34cを有する。詰まり判定部34aは、圧力センサ48が検出した情報をもとに分注ノズル41内のノズル詰まりがあったか否かを判定する。算出部34bは、ノズル詰まりがあった場合に、複数の反応容器24内に分注された希釈液と色素液との混合液の各吸光度の分散度を算出する。分注精度判定部34cは、算出部34bが算出した分散度が所定範囲内である場合、検体分注機構12の分注精度が正常であると判定する。この分散度とは、たとえば標準偏差を平均値で除算した値の百分率である変動係数(CV:Coefficient of Variation)である。
【0020】
記憶部35は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて実現され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部35は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0021】
出力部36は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ等によって実現され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。出力部36は、自己診断判定部34が検体分注機構12の分注ノズル41内にノズル詰まりが生じたと判定した場合、検体分注機構12に異常が生じた旨を報知する。また、出力部36は、自己診断判定部34が検体分注機構12の分注精度に異常が生じたと判定した場合、検体分注機構12に異常が生じた旨を報知する。
【0022】
送受信部37は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがって情報の送受信を行うインターフェースとしての機能を有する。
【0023】
以上のように構成された自動分析装置1では、列をなして順次搬送される複数の反応容器24に対して、第1試薬分注機構17が試薬容器16内の試薬を分注後、検体分注機構12が検体容器11a内の検体を分注し、第2試薬分注機構20が試薬容器19内の試薬を分注する。さらに、測光部22が第1試薬、検体および第2試薬を反応させた状態の反応液の吸光度を測定し、この測定結果を分析部33が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、洗浄部23が測光部22による測定が終了した後に搬送される反応容器24を搬送させながら洗浄し、反応容器24を再利用する。この反応容器24の再利用を行いつつ、上述した一連の分析動作を繰り返し行う。
【0024】
つぎに、図1に示した検体分注機構12について詳細に説明する。図2は、この発明の実施の形態に用いられる検体分注機構12の概略構成を示す模式図である。検体分注機構12は、図2に示すように、分注ノズル41、分注ポンプ46、圧力センサ48および洗浄水ポンプ50を備える。
【0025】
分注ノズル41は、ステンレス等によって棒管状に形成されたものからなり、アーム42に装着されている。このアーム42は、駆動部43の駆動によって動作するものであり、アーム42と駆動部43とを連結する連結部44を介して、鉛直方向の昇降および連結部44を通る鉛直軸Oを中心とする回動を自在に行う。
【0026】
分注ポンプ46は、シリンジポンプで実現され、配管45を介して分注ノズル41と、配管45内の圧力を検出する圧力センサ48と、洗浄水Waの流量を調整する電磁弁49とに接続されている。分注ポンプ46は、プランジャ駆動部47によるプランジャ46aの往復動によって、分注ノズル41内に検体を吸引し、反応容器24に吸引した検体を吐出して分注を行う。プランジャ駆動部47は、制御部31による制御のもと、プランジャ46aの移動量等を制限する。電磁弁49には、別の配管52が接続され、この配管52の他端は、洗浄水Waを供給する洗浄水ポンプ50に接続されている。さらに、洗浄水ポンプ50には、別の配管53が接続され、この配管53の他端は、洗浄水Waを収容する洗浄水タンク51に達している。圧力センサ48は、配管45内の圧力を検出し、検出した情報を制御部31に出力する。
【0027】
洗浄水ポンプ50は、洗浄水タンク51に貯蔵された洗浄水Waを吸い上げ、圧力センサ48との間に設けた電磁弁49を介して配管45内に洗浄水Waを供給する。ここで、電磁弁49は、制御部31の制御のもと、吸い上げた洗浄水Waを配管45内に供給する場合には開かれ、分注ポンプ46によって分注ノズル41が検体を吸引または吐出する場合には閉じられる。なお、洗浄水Waは、脱気されたイオン交換水または蒸留水等の非圧縮性流体である。
【0028】
第1試薬分注機構17および第2試薬分注機構20は、検体分注機構12と同様の構成を有しており、制御部31の制御のもとに動作し、第1試薬および第2試薬の吸引または吐出する分注を行う。
【0029】
ここで、図3に示すフローチャートを参照して、自己診断判定部34による検体分注機構12の自己診断判定処理手順について説明する。まず、詰まり判定部34aは、検体分注機構12が分注する際に、圧力センサ48が検出した情報をもとに、分注ノズル41にノズル詰まりがあるか否かを判定する(ステップS101)。分注ノズル41にノズル詰まりが無いと判定した場合(ステップS101:No)、このステップS101に移行し、この判定処理を繰り返す。一方、分注ノズル41にノズル詰まりがあると判定した場合(ステップS101:Yes)、制御部31を介して分注ノズル41の洗浄処理を実行させる(ステップS102)。この分注ノズル41の洗浄処理は、分注ノズル41と分注ポンプ46とを配管45で接続した分注流路内に満たされた洗浄水Waを分注ノズル41から所定量を吐出することによって実行される。この分注ノズル41の洗浄処理によって、分注ノズル41の詰まり、例えば、検体のフィブリン等の固形物が洗浄水Waと共に吐出される。
【0030】
その後、詰まり判定部34aは、再度、分注ノズル41にノズル詰まりがあるか否かを判定する(ステップS103)。分注ノズル41にノズル詰まりがあると判定した場合(ステップS103:Yes)、既に分注ノズル41の洗浄処理が行われているので、検体分注機構12そのものに異常が発生したものと判断し、検体分注機構12に異常が発生している旨を出力部36から異常告知して(ステップS112)、ステップS113に移行する。
【0031】
一方、分注ノズル41にノズル詰まりがないと判定した場合(ステップS103:No)、自己診断判定部34は、ノズル詰まりが発生した場合に行う分注精度判定処理が設定されているか否かを判定する(ステップS104)。分注精度判定処理が設定されていない場合(ステップS104:No)、ステップS113へ移行する。一方、分注精度判定処理が設定されている場合(ステップS104:Yes)、自己診断判定部34は、記憶部35から設定項目を取得する(ステップS105)。この設定項目には、予め、分注精度判定処理時に検体分注機構12が行う分注量、分注回数、および判定基準としての分散度の範囲が設定される。具体的には、分注量を1μl、分注回数を10回、および分散度が2.0%の範囲に設定される。
【0032】
その後、自己診断判定部34は、取得した設定項目をもとに、制御部31を介して、検体分注機構12よって色素液収容部25に収容された色素液を吸引し、この吸引した色素液を反応容器24に分注する(ステップS106)。さらに、自己診断判定部34は、取得された設定項目をもとに、制御部31を介して、第1試薬分注機構17によって希釈液収容部26に収容された希釈液を吸引し、この吸引した希釈液を、色素液が分注された反応容器24に分注する(ステップS107)。その後、自己診断判定部34は、制御部31を介して、測光部22によって色素液と希釈液とが分注された反応容器24に対する測光処理を行わせ(ステップS108)、自己診断判定部34は、分注回数が設定項目で設定された設定回数以上であるか否かを判定する(ステップS109)。分注回数が設定回数以上でない場合(ステップS109:No)、ステップS106へ移行し、上述したステップS106〜ステップS108による分注と測光との処理を繰り返す。
【0033】
一方、分注回数が設定回数以上である場合(ステップS109:Yes)、算出部34bは、色素液と希釈液とが分注された各反応容器24の各吸光度を記憶部35から取得し、この取得した各吸光度をもとに分散度を算出する(ステップS110)。
【0034】
その後、分注精度判定部34cは、算出部34bが算出した分散度が設定範囲内であるか否かを判定する(ステップS111)。設定範囲内である場合(ステップS111:Yes)、ステップS113へ移行する。一方、設定範囲内でない場合(ステップS111:No)、制御部31を介して、出力部36に分注ノズル41が異常である旨の異常告知を行わせる(ステップS112)。
【0035】
その後、自己診断判定部34は、制御部31から分析終了の指示を受けたか否か判定し(ステップS113)、分析終了の指示を受けていない場合(ステップS113:No)、ステップS101へ移行し、上述した処理を繰り返し、分析終了の指示を受けた場合(ステップS113:Yes)、本処理を終了する。
【0036】
この発明の実施の形態では、分注ノズル41のノズル詰まりの排除後に、色素液と希釈液とを分注した所定数の反応容器24に対して各吸光度を測定し、この各吸光度の分散度を算出することで、検体分注機構12の分注精度を判定するようにしているので、確実かつ短時間に分注機構の分注精度を把握でき、精度の高い分析処理を行うことができる。
【0037】
また、上述した実施の形態では、標準検体を用いた通常の精度確認処理のように検体と試薬とを反応させる必要がないので、検体および試薬を節約してコストを抑えることができるとともに、分注精度の確認を容易に行うことが可能となる。
【0038】
なお、上述した実施の形態では、検体分注機構12の分析精度の判定について説明したが、これに限らず、第1試薬分注機構17および第2試薬分注機構20に対して、上述した自己診断判定処理を行うことによって第1試薬分注機構17および第2試薬分注機構20の分注精度を確認することができる。
【0039】
また、上述した実施の形態では、検体分注機構12が行う1つの設定分注量の分注精度について説明したが、これに限らず、設定分注量を複数設定し、この設定分注量毎に分注精度の判定を行なってもよい。これによって、検体分注機構12の分注精度をより正確に把握でき、精度の高い分析結果を得ることができる。
【0040】
なお、上述した実施の形態では、希釈液収容部26に希釈液を収容しているが、これに限らず、第1試薬庫15の試薬容器16に収容してもよい。これによって、別途、希釈液収容部26を設けなくてよいので、自動分析装置1をコンパクトにすることができる。
【0041】
また、上述した実施の形態では、希釈液の代わりに検体分注機構12内の洗浄水Waを用いてもよい。要は、反応容器24内に分注された色素液を希釈できればよく、検体分注機構12が吸引した色素液とともに洗浄水Waを反応容器24に吐出するようにすればよい。これによって、色素液と希釈液との分注動作を1回で行えるので、検体分注機構12の分注精度の判定処理を一層簡易化することができるとともに、希釈液収容部26を設けずともよくなるので、自動分析装置1の小型化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】自動分析装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】検体分注機構の概略構成を示す模試図である。
【図3】自己診断判定部による自己診断判定処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1 自動分析装置
2 測定機構
3 制御機構
11 検体移送機構
11a 検体容器
11b 検体ラック
12 検体分注機構
13 反応テーブル
14 第1攪拌部
15 第1試薬庫
16,19 試薬容器
17 第1試薬分注機構
18 第2試薬庫
19 試薬容器
20 第2試薬分注機構
21 第2攪拌部
22 測光部
23 洗浄部
24 反応容器
25 色素液収容部
26 希釈液収容部
31 制御部
32 入力部
33 分析部
34 自己診断判定部
34a 詰まり判定部
34b 算出部
34c 分注精度判定部
35 記憶部
36 出力部
37 送受信部
41 分注ノズル
42 アーム
43 駆動部
44 連結部
45,52,53 配管
46 分注ポンプ
46a プランジャ
47 プランジャ駆動部
48 圧力センサ
49 電磁弁
50 洗浄水ポンプ
51 洗浄水タンク
Wa 洗浄水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分注ノズル内にノズル詰まりが生じた場合、該分注ノズル内を洗浄してノズル詰まりを排除する分注機構を備え、前記分注機構によって検体と試薬とを反応容器に分注し、該反応容器内で反応する反応液の吸光度を測定することで前記検体を分析する自動分析装置において、
前記ノズル詰まりの排除後に、前記分注機構を用いて色素液と希釈液とを複数の反応容器にそれぞれ分注する分注手段と、
前記分注手段によって分注された前記複数の反応容器内の液体に対する各吸光度を測定する測定手段と、
前記測定手段が測定した各吸光度の分散度を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した分散度が設定範囲内である場合、前記分注機構による分注精度が正常であると判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記分注機構の移動軌跡上に、前記色素液を収容する色素液収容部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記分注機構の移動軌跡上に、前記希釈液を収容する希釈液収容部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−38578(P2010−38578A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198747(P2008−198747)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】