説明

自動列車停止装置および自動列車停止方法

【課題】速度照査の精度の更なる向上を図ることが可能な自動列車停止装置および自動列車停止方法を得る。
【解決手段】速度照査パターンを発生させる第1の信号を送信する地上子と速度照査パターンを発生させる情報以外の第2の信号を送信する地上子とから送信される第1の信号および第2の信号を受信可能に構成され、検出された列車速度をブレーキパターンに照査して列車速度を制御するATS車上装置100を備えた自動列車停止装置であって、ATS車上装置100は、車上子13を介して第1の信号を受信した場合、この第1の信号に基づいて速度照査パターンを生成すると共に、列車速度を用いて列車の走行距離を計測し、車上子14を介して第2の信号を受信した場合、走行距離と地上子DB11から読み出したキロ程情報とに基づいて速度照査パターンを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道用の列車保安に使用する自動列車停止(ATS:Automatic Train Stop)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ATS装置は、列車の安全運行を確保するために、列車が停止信号を無視あるいは誤認して進行を続ける場合、自動的にブレーキをかけて列車を停止させて衝突事故を防止する装置である。現在、実用に供されているATS装置は、主に発振周波数変周式(変周式)ATS装置とトランスポンダ式ATS装置とに大別される。以下の説明では、変周式ATS装置を単に「ATS−S:Automatic Train Stop-Signal」と称し、トランスポンダ式ATS装置を単に「ATS−P:Automatic Train Stop system-Pattern」と称する。ATS−Sとトランスポンダの区別は、地上と車上間の情報伝達方式の違いおよび列車制動方式の違いによる。ATS−Sでは、信号機の外方一定距離(「警報距離」という)に地上子を設置しておき、車上子が地上子上を通過するとき、車上子と地上子が電気的に結合することで車上子の常時発振周波数が地上子の共振周波数に変周され、この変周された信号(以下「変周信号」と称する)を読み取るように構成されている。一方、ATS−Pでは地上子から送信された電文を読み取るように構成されている。
【0003】
近年、異なる方式のATSを採用している鉄道会社の間で相互に乗入れを行うケースが増えているため、両方式の区間をまたがって運行される列車には、その両方式に対応できるように、2つの方式の機器を搭載する必要がある。ただし、車上の限られたスペースにこれらの機器を設置することが困難になるという問題だけでなく、機器のコストが高くなる等の問題が生じている。このような問題を解決する手段として、近年のATS装置は、送受信部の統合化を図ることにより、一台のATS車上装置でATS−SとATS−Pに対応可能に構成されている。すなわち、ATS−Sを搭載した列車が走行可能な区間では、ATS−Sに切り替えられて変周式地上子からの情報を用いて動作し、ATS−Pを搭載した列車が走行可能な区間では、ATS−Pに切り替えられてトランスポンダ式地上子からの情報を用いて動作するように構成されている。
【0004】
一方、ATS−Pは、速度発電機からの速度情報に基づいて在線位置を演算し、地上子から送信された電文に基づいて作成されたブレーキパターン(速度照査パターン)と現在の在線位置における速度とを比較して速度制御を実施している。ただし、例えば滑走あるいは空転が生じた場合、列車の実際の在線位置と演算で求められた在線位置との間に乖離が生じることとなる。このような在線位置の乖離を補正するため、下記特許文献2に示される従来技術は、通過地点のATS地上子から取得した地点列車制御情報を用いてATS地上子の設置地点より先における鉄道車両の位置補正を行うように構成されている。この地上子による在線位置補正精度は、できるだけ多くの地上子を通過することによって補正回数が多くなるほど向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−323445号公報
【特許文献2】特開2008−037291号公報(段落0016〜0018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、2に示される従来技術は、以下のような課題があった。上記特許文献1に示される従来技術は、ATS−SおよびATS−Pに対応可能に構成されているものの、ATS−SとATS−Pがそれぞれ単独で動作するように構成されているため、例えば、ATS−Sを搭載した列車およびATS−Pを搭載した列車が走行可能な区間(変周式およびトランスポンダ式の地上子が設置された区間)において、ATS−Pに切り替えられた状態での走行の場合、システムとしてはATS−Pとして動作している。従って、上記特許文献1に示される従来技術に上記特許文献2に示される従来技術の在線位置補正の機能を適用した場合、上記区間には両方式の地上子が設置されているにも関わらず、変周式地上子からの情報をATS−Pの在線位置認識補正に利用することができない。上述したように、ATS−Pの在線位置補正の精度は、多くのトランスポンダ式地上子を通過するほど向上するわけであるが、上記従来技術は、ATS−Pとして動作している場合、変周式地上子からの情報を有効に利用することができないため、速度照査の精度の更なる向上を図ることができないという課題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、速度照査の精度の更なる向上を図ることが可能な自動列車停止装置および自動列車停止方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ブレーキパターンを発生させる第1の信号を送信する第1の地上子からの前記第1の信号とブレーキパターンを発生させる情報以外の第2の信号を送信する第2の地上子からの前記第2の信号とを受信可能に構成され、列車で検出された列車速度を前記ブレーキパターンに照査して前記列車速度を制御する車上装置を備えた自動列車停止装置であって、前記列車には、前記第1の信号を受信する第1の車上子と前記第2の信号を受信する第2の車上子とが搭載され、前記車上装置には、前記第1の地上子および前記第2の地上子の設置位置を示すキロ程情報が記録されたデータベースが搭載され、前記車上装置は、前記第1の車上子を介して前記第1の信号を受信した場合、前記第1の信号に基づいて前記ブレーキパターンを生成すると共に、前記列車速度を用いて列車の走行距離を計測し、前記第2の車上子を介して前記第2の信号を受信した場合、前記第1の信号を受信してから前記第2の信号を受信するまでの走行距離と前記第2の地上子のキロ程情報とに基づいて前記ブレーキパターンを補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、トランスポンダ式地上子の後に配設された変周式地上子からの変周信号を速度照査パターンの在線位置認識補正に利用するようにしたので、速度照査の精度の更なる向上を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる自動列車停止装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、トランスポンダ電文を受信した後に滑走が生じた場合における速度照査部の動作を説明するための図である。
【図3】図3は、電文を受信した後に空転が生じた場合における速度照査部の動作を説明するための図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態2にかかる自動列車停止装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかる自動列車停止装置および自動列車停止方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる自動列車停止装置の構成例を示す図であり、特に、ATS車上装置(車上装置)100を中心として示すものである。図2は、第1の信号であるトランスポンダ電文(以下単に「電文」と称する)を受信した後に滑走が生じた場合における速度照査部の動作を説明するための図であり、図3は、電文を受信した後に空転が生じた場合における速度照査部の動作を説明するための図である。
【0013】
図1において、ATS車上装置100は、送受信部12と、速度照査部10と、地上子DB(データベース)11とを有して構成されている。
【0014】
図1に示される車上子13は、例えばトランスポンダ方式の周波数帯域に対応しており、後述するトランスポンダ式の地上子5(第1の地上子)からの電文を受信して送受信部12へ送信する。この電文には、例えば、地点情報、制限速度情報などが含まれている。
【0015】
車上子14は、トランスポンダ式以外の方式に対応しており、後述する地上子6(第2の地上子)がATS−Sの地上子である場合、この地上子6と結合した際に、この周波数に変周された変周信号を送受信部12へ送信する。
【0016】
送受信部12は、車上子13からの電文を受信した場合、この電文を速度照査部10へ送信し、車上子14からの変周信号(第2の信号)を受信した場合、この変周信号を速度照査部10へ送信する。この変周信号は、例えば車内警報用の周波数(80kHz)や即時停止用の周波数(123kHz)など、どのような種別であってもよい。なお、送受信部12は、列車種別、列車編成番号、運行番号などが含まれた制御用電文を地上子5へ送信する機能や、高減速性能車情報などを地上子6へ送信する機能も有しているため、図1に示される送受信部12には便宜上「送受信部」と表記されている。
【0017】
地上子DB11は、地上子5および地上子6などの設置位置を示すキロ程情報が記録されている。図2に示される地上子5および地上子6にはそれぞれ固有の識別情報が付与されているため、地上子DB11には、地上子5および地上子6の各識別情報とキロ程情報とが対応づけて記録されている。地上子6が例えば地上子5から600mの位置に存在する場合、速度照査部10は、地上子DB11を参照することによって、地上子5から地上子6までの距離が600mであることを認識することが可能である。
【0018】
速度照査部10には、速度発電機2からの速度情報(列車速度)4と、車上子13からの電文と、車上子14からの変周信号とが取り込まれる。速度情報4は、車輪(図示せず)の回転数を検出することによって得られる情報であり、その車輪の径および回転数に応じて変化する。速度照査部10は、車上子13からの電文を受信した場合、この電文に含まれる情報に基づいて、在線位置を認識すると共に、速度照査パターンPを生成する。また、速度照査部10は、速度情報4を積算することによって在線位置をリアルタイムに更新する。そして、速度照査部10は、速度照査を実施し、所定の在線位置における列車速度がこの在線位置における速度照査パターンPを超過した場合、ブレーキ制御装置3に対してブレーキ指令を出力することで安全な速度まで列車速度を低下させる。
【0019】
ここで、速度照査部10が電文を受信した後に滑走あるいは空転が生じた場合あるいは実際の車輪径の値と予め設定された車輪径の値との間に誤差が生じている場合には、実際の在線位置と速度照査部10で演算された計測上の在線位置との間には乖離が生じることとなる。この乖離は、路線に配設された各地上子5の設置間隔が長いほど大きくなる。
【0020】
実施の形態1にかかる速度照査部10は、地上子5からの電文を受信したとき、地上子DB11のキロ程情報を参照して地上子5の次に設置されている地上子6の位置を読み込み、この電文を受信した時点を基点とする自列車の在線位置を速度情報4に基づいてリアルタイムに更新すると共に、地上子6からの変周信号を受信したとき、予め地上子DB11から読み込んでいた地上子6の位置を自列車の実際の在線位置であると認識することによって、列車を停止限界位置cの手前かつ近傍の位置eに停止させるように構成されている。以下、図2および図3を用いてその動作原理を具体的に説明する。
【0021】
まず、図2を用いて滑走が発生した場合の動作を説明する。列車が図2(a)に示される地上子5を通過したとき、速度照査部10にはこの地上子5からの電文が車上子13を介して受信される。この電文を受信した速度照査部10は、地上子5が設置された位置が自列車の在線位置であると認識すると共に、図2(a)に示されるような速度照査パターンPを生成する。そして、速度照査部10は、地上子5からの電文を受信した時点を基準として、速度情報4を用いて自列車の在線位置をリアルタイムに更新する。
【0022】
ここで、図2(a)に示されるように、電文を受信した後に滑走が生じた場合、滑走後における実際の在線位置a1と滑走後における計算上の在線位置bとの間には乖離が生じることとなる。上述したように、速度照査部10は、速度発電機2からの速度情報4を積算することによって在線位置を更新するわけであるが、滑走が生じている間は車輪(図示せず)が一時的にロックした状態となり速度情報4が積算されないため、実際の在線位置a1と計算上の在線位置bとの間には滑走距離L1(m)に相当する誤差が生じるためである。
【0023】
このとき、速度照査部10で計測される在線位置には誤差が含まれている状態であるため、速度照査部10で認識される速度照査パターンPの軌跡は、滑走距離L1(m)の分だけ進行方向側に移動した形となる。従って、滑走が発生した後の速度照査部10では、実質的に停止限界位置cを超過した位置dを立ち上げ位置とする速度照査パターンP1が認識され、速度照査部10は、速度照査パターンP1によって列車速度を制御することとなる。
【0024】
具体例で説明すると、滑走距離L1(m)に相当する誤差が生じた状態で列車が進行した場合、所定の在線位置a2における列車速度が例えば80km/sである場合、この列車速度は、在線位置a2における速度照査パターンPの速度VP(例えば78km/s)を超過しているにもかかわらず、速度照査部10では、在線位置a2における速度照査パターンP1の速度VP1(例えば82km/s)と列車速度(80km/s)との照合が行われ、あたかも列車速度が速度照査パターンPを超過していない、と判断される。その結果、列車速度が速度照査パターンP1を超えるまでブレーキ制御装置3に対するブレーキ指令が出力されず、停止限界位置cよりも手前の位置で列車を停止させることができないという問題が生じる。
【0025】
このような問題を解決するためには速度照査部10で計測される在線位置b(すなわち速度照査パターンP)を定期的に補正する必要があり、この補正の回数を増やすことによって、ATS−Pの速度照査における在線位置認識精度の更なる向上を図ることが可能となり、列車の安全な運行を実現することが可能となる。
【0026】
図2(b)を用いて具体的に説明する。列車が地上子5を通過したとき、速度照査部10には、この地上子5からの電文が車上子13を介して受信される。この電文を受信した速度照査部10は、地上子5が設置された位置が自列車の実際の在線位置であると認識すると共に、図2(b)に示されるような速度照査パターンPを生成する(ブレーキパターン生成ステップ)。さらに、地上子DB11のキロ程情報を参照して自列車がこの地上子5の次に通過する地上子6の位置を読み込む。その後、速度照査部10は、地上子5からの電文を受信した時点を基準として、速度情報4を用いて在線位置をリアルタイムに計測し、地上子6からの変周信号を受信した場合、地上子5からの電文を受信してから地上子6からの変周信号を受信するまでの走行距離を求める(走行距離演算ステップ)。
【0027】
ここで、電文を受信した後に滑走が生じた場合、上述したように、在線位置a1と在線位置bとの間には滑走距離L1(m)に相当する誤差が生じている。この滑走距離L1(m)に相当する誤差が生じた状態で列車が進行した場合において、例えば、地上子5の次に設置されている地上子6を通過したとき、速度照査部10ではこの地上子6からの変周信号を検出される。変周信号を検出した速度照査部10は、予め地上子DB11から読み込んでいた地上子6の位置を自列車の実際の在線位置であると認識して速度照査パターンP1を補正する。
【0028】
速度照査部10は、地上子6からの変周信号を受信したとき、予め読み出したキロ程情報を参照して地上子5から地上子6までの距離を求める(距離演算ステップ)。例えば、地上子5を通過した時点から地上子6を通過する時点までの間に速度照査部10で計測される走行距離が例えば590mであり、地上子DB11から読み出された地上子6から地上子5までの距離が600mである場合、速度照査部10は、この距離600mと走行距離590mとの大小関係が距離>走行距離であるため、滑走が生じていると認識する。そして、速度照査部10は、距離600mから走行距離590mを差し引き、その差分(例えば10m)を算出する。地上子6を通過する以前の速度照査部10では、位置dを立ち上げ位置とする速度照査パターンP1が認識されていたため、速度照査部10は、この位置dから上記差分を差し引いた位置eを特定する(位置特定ステップ)。また、速度照査部10は、速度照査パターンP1を、位置eを立ち上げ位置とする速度照査パターンP2に補正する(ブレーキパターン補正ステップ)。そして、速度照査部10は、この速度照査パターンP2に列車速度を照合し、列車速度が速度照査パターンP2を超えたとき、ブレーキ制御装置3にブレーキ指令を出力し位置eで列車を停止させる。
【0029】
次に、図3を用いて空転が発生した場合の動作を説明する。列車が図3(a)に示される地上子5を通過したとき、速度照査部10には、この地上子5からの電文が車上子13を介して受信される。この電文を受信した速度照査部10は、地上子5が設置された位置が自列車の在線位置であると認識すると共に、図3(a)に示されるような速度照査パターンPを生成する。そして、速度照査部10は、地上子5からの電文を受信した時点を基準として、速度情報4を用いて自列車の在線位置をリアルタイムに更新する。
【0030】
ここで、図3(a)に示されるように、電文を受信した後に空転が生じた場合、空転後における実際の在線位置a1と空転後における計算上の在線位置bとの間には乖離が生じることとなる。空転が生じている間は速度情報4が多く積算されるため、在線位置a1と在線位置bとの間には空転距離L2(m)に相当する誤差が生じるためである。
【0031】
このとき、速度照査部10で計測される在線位置には誤差が含まれている状態であるため、速度照査部10で認識される速度照査パターンPの軌跡は、空転距離L2(m)の分だけ進行方向の逆側に移動した形となる。従って、空転が発生した後の速度照査部10では、実質的に停止限界位置cより手前かつ遠い位置fを立ち上げ位置とする速度照査パターンP3が認識され、速度照査部10は、速度照査パターンP3によって列車速度を制御することとなる。
【0032】
具体例で説明すると、空転距離L2(m)に相当する誤差が生じた状態で列車が進行した場合、所定の在線位置a2における列車速度が例えば76km/sである場合、この列車速度は、在線位置a2における速度照査パターンPの速度VP(例えば78km/s)を超過していないにもかかわらず、速度照査部10では、在線位置a2における速度照査パターンP3の速度VP3(例えば74km/s)と列車速度(76km/s)との照合が行われ、あたかも列車速度が速度照査パターンPを超過した、と判断される。その結果、ブレーキ制御装置3に対するブレーキ指令が出力され、図示しない後続の列車との車間距離が短くなるという問題が生じる。
【0033】
このような問題を解決するためには速度照査部10で計測される在線位置b(すなわち速度照査パターンP)を定期的に補正する必要があり、この補正の回数を増やすことによって、ATS−Pの速度照査における在線位置認識精度の更なる向上を図ることが可能となり、列車の安全な運行を実現することが可能となる。
【0034】
図3(b)を用いて具体的に説明する。列車が地上子5を通過したとき、速度照査部10には、この地上子5からの電文が車上子13を介して受信される。この電文を受信した速度照査部10は、地上子5が設置された位置が自列車の実際の在線位置であると認識すると共に、図3(b)に示されるような速度照査パターンPを生成する(ブレーキパターン生成ステップ)。さらに、地上子DB11のキロ程情報を参照して自列車がこの地上子5の次に通過する地上子6の位置を読み込む。その後、速度照査部10は、地上子5からの電文を受信した時点を基準として、速度情報4を用いて在線位置をリアルタイムに計測し、地上子6からの変周信号を受信した場合、地上子5からの電文を受信してから地上子6からの変周信号を受信するまでの走行距離を求める(走行距離演算ステップ)。
【0035】
ここで、電文を受信した後に空転が生じた場合、上述したように、在線位置a1と在線位置bとの間には空転距離L2(m)に相当する誤差が生じている。この空転距離L2(m)に相当する誤差が生じた状態で列車が進行した場合において、例えば、地上子5の次に設置されている地上子6を通過したとき、速度照査部10ではこの地上子6からの変周信号を検出される。変周信号を検出した速度照査部10は、予め地上子DB11から読み込んでいた地上子6の位置を自列車の実際の在線位置であると認識して、速度照査パターンP3を補正する。
【0036】
速度照査部10は、地上子6からの変周信号を受信したとき、予め読み出したキロ程情報を参照して地上子5から地上子6までの距離を求める(距離演算ステップ)。例えば、地上子5を通過した時点から地上子6を通過する時点までの間に速度照査部10で計測される走行距離が例えば610mであり、地上子DB11から読み出された地上子6から地上子5までの距離が600mである場合、速度照査部10は、この距離600mが走行距離610mとの大小関係が距離<走行距離であるため、空転が生じていることを検出する。そして、速度照査部10は、距離600mから走行距離610mを差し引き、その差分(例えば10m)を算出する。地上子6を通過する以前の速度照査部10では、位置fを立ち上げ位置とする速度照査パターンP3が認識されていたため、速度照査部10は、この位置fに上記差分を加えた位置eを特定する(位置特定ステップ)。また、速度照査部10は、速度照査パターンP3を、位置eを立ち上げ位置とする速度照査パターンP4に補正する(ブレーキパターン補正ステップ)。そして、速度照査部10は、この速度照査パターンP4に列車速度を照合し、列車速度が速度照査パターンP4を超えたとき、ブレーキ制御装置3にブレーキ指令を出力し位置eで列車を停止させる。
【0037】
以上に説明したように、実施の形態1にかかる自動列車停止装置は、ブレーキパターン(速度照査パターンP)を発生させる第1の信号(電文)を送信する第1の地上子(地上子5)と速度照査パターンPを発生させる情報以外の第2の信号(変周信号)を送信する第2の地上子(地上子6)とから送信される電文および変周信号を受信可能に構成され、検出された列車速度(速度情報4)を速度照査パターンPに照査して列車速度を制御するATS車上装置100を備えた自動列車停止装置であって、列車には、電文を受信する第1の車上子(車上子13)と変周信号を受信する第2の車上子(車上子14)とが搭載され、ATS車上装置100には、地上子5および地上子6の設置位置を示すキロ程情報が記録された地上子DB11が搭載され、ATS車上装置100は、車上子13を介して電文を受信した場合、この電文に基づいて速度照査パターンPを生成すると共に、列車速度を用いて列車の走行距離を計測し、車上子14を介して変周信号を受信した場合、電文を受信してから変周信号を受信するまでの走行距離と地上子6のキロ程情報とに基づいて速度照査パターンPを補正するようにしたので、地上子5の次に配設された地上子6からの変周信号を速度照査パターンPの在線位置認識補正に利用することが可能であり、上記乖離が地上子5から地上子6の間で発生した滑走、空転、および車輪径など何れの要因に起因したものであるかにかかわらず、速度照査の精度の更なる向上を図ることができ、列車の安全な運行を実現することが可能である。
【0038】
また、ATS車上装置100は、地上子6からの第2の信号を受信した場合、地上子DB11からキロ程情報を読み出して地上子5から地上子6までの距離を認識し、この距離が走行距離より大きいとき、速度照査パターンP1の立ち上げ位置dから距離と走行距離との差分を差し引いた位置eを特定し、速度照査パターンP1を、この位置eを立ち上げ位置とする速度照査パターンP2に補正するようにしたので、地上子5から地上子6の間で滑走が発生した場合でも、列車を停止限界位置cの手前かつ近傍の位置eに停止させることが可能である。
【0039】
また、ATS車上装置100は、地上子6からの第2の信号を受信した場合、地上子DB11からキロ程情報を読み出して地上子5から地上子6までの距離を認識し、この距離が走行距離より小さいとき、速度照査パターンP3の立ち上げ位置fに距離と走行距離との差分を加えた位置eを特定し、速度照査パターンP3を、この位置eを立ち上げ位置とする速度照査パターンP4に補正するようにしたので、地上子5から地上子6の間で空転が発生した場合でも、不要なブレーキ制御が抑制されるため、後続の列車との車間距離を保つことが可能である。
【0040】
実施の形態2.
実施の形態1にかかるATS車上装置100は、地上子6からの変周信号を用いて速度照査パターンPの補正を行うように構成されているが、実施の形態2にかかるATS車上装置200は、地上子6からの変周信号の代わりに、自動運転支援装置(ATO:Automatic Train Operation)からの情報を用いて速度照査パターンPを補正するように構成されている。ATS車上装置200がATS車上装置100と異なる点は、送受信部12の代わりに送受信部15が用いられ、速度照査部10の代わりに速度照査部17が用いられ、地上子DB11の代わりに地上子DB16が用いられている点である。以下、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0041】
図4は、本発明の実施の形態2にかかる自動列車停止装置の構成例を示す図であり、特に、実施の形態2にかかるATS車上装置200と、このATS車上装置200を搭載した列車に搭載されるATO車上装置300とを中心として示すものである。
【0042】
ATO車上装置300は、主たる構成として、ATO地上子(例えば図2に示される地上子6)からの位置情報電文(第2の信号)を取り込む第2の車上子である運転支援装置用の車上子(以下、「車上子32」)と、車両の力行またはブレーキを制御する演算部30と、送受信部31とを有して構成されている。送受信部31は、車上子32からの位置情報電文を演算部30へ送信すると共に、この位置情報電文を列車が地上子6を通過したことを示す地上子通過情報33として出力する。この地上子通過情報33には例えば地上子6の識別情報が含まれているものとする。
【0043】
ATS車上装置200は、送受信部15と、速度照査部17と、地上子DB16とを有して構成されている。送受信部15は、車上子13からの電文を受信した場合、この電文を速度照査部17へ送信する。地上子DB16は、地上子5および地上子6などのキロ程情報が記録されている。これらの地上子にはそれぞれ固有の識別情報が付与されているため、地上子DB16にはこれらの地上子の各識別情報とキロ程情報とが対応づけて記録されている。従って、地上子6が、例えば地上子5から600mの位置に存在する場合、速度照査部17は、車上子13からの電文または送受信部31からの地上子通過情報33が入力されたとき、地上子DB16を参照することによって、地上子5から地上子6までの距離が600mであることを認識することが可能である。
【0044】
速度照査部17は、地上子5からの電文を受信したときに、地上子DB16のキロ程情報を参照して地上子5の次に設置されている地上子6の位置を読み込み、この電文を受信した時点を基点とする自列車の在線位置を、速度情報4に基づいてリアルタイムに更新すると共に、地上子6からの位置情報電文を受信したときに、予め地上子DB16から読み込んでいた地上子6の位置を自列車の実際の在線位置であると認識することによって、列車を停止限界位置c近傍に停止させるように構成されている。
【0045】
図2(b)を用いて滑走が発生した場合におけるATS車上装置200の動作を説明する。列車が地上子5を通過したとき、速度照査部17には、この地上子5からの電文が車上子13を介して受信される。この電文を受信した速度照査部17は、地上子5が設置された位置が自列車の実際の在線位置であると認識すると共に、図2(b)に示されるような速度照査パターンPを生成する。さらに、地上子DB16のキロ程情報を参照して自列車がこの地上子5の次に通過する地上子6の位置を読み込む。その後、速度照査部17は、地上子5からの電文を受信した時点を基準として、速度情報4を用いて在線位置をリアルタイムに更新する。
【0046】
ここで、地上子5からの電文を受信した後に滑走が生じて、さらに地上子6を列車が通過したとき、速度照査部17は地上子通過情報33を受信する。地上子通過情報33を受信した速度照査部17は、予め地上子DB16から読み込んでいた地上子6の位置を自列車の実際の在線位置であると認識して、実施の形態1と同様に、速度照査パターンP1を速度照査パターンP2に補正する。そして、速度照査部17は、この速度照査パターンP2に列車速度を照合し、列車速度が速度照査パターンP2を超えたとき、ブレーキ制御装置3にブレーキ指令を出力し位置eで列車を停止させる。
【0047】
次に、図3(b)を用いて空転が発生した場合におけるATS車上装置200の動作を説明する。列車が地上子5を通過したとき、速度照査部17には、この地上子5からの電文が車上子13を介して受信される。この電文を受信した速度照査部17は、地上子5が設置された位置が自列車の在線位置であると認識すると共に、図3(b)に示されるような速度照査パターンPを生成する。さらに、地上子DB16のキロ程情報を参照して自列車がこの地上子5の次に通過する地上子6の位置を読み込む。その後、速度照査部17は、地上子5からの電文を受信した時点を基準として、速度情報4を用いて自列車の在線位置をリアルタイムに更新する。
【0048】
ここで、車上子13が地上子5からの電文を受信した後に空転が生じて、さらに地上子6を列車が通過したとき、速度照査部17は送受信部31からの地上子通過情報33を受信する。地上子通過情報33を受信した速度照査部17は、予め地上子DB16から読み込んでいた地上子6の位置を自列車の実際の在線位置であると認識して、速度照査パターンP3を速度照査パターンP4に補正する。そして、速度照査部17は、この速度照査パターンP4に列車速度を照合し、列車速度が速度照査パターンP4を超えたとき、ブレーキ制御装置3にブレーキ指令を出力し位置eで列車を停止させる。
【0049】
以上に説明したように、実施の形態2にかかる自動列車停止装置は、ブレーキパターン(速度照査パターンP)を発生させる第1の信号(電文)を送信する第1の地上子(地上子5)と速度照査パターンPを発生させる情報以外の第2の信号(位置情報電文)を送信する第2の地上子(地上子6)とから送信される電文および位置情報電文を受信可能に構成され、検出された列車速度(速度情報4)をブレーキパターンPに照査して列車速度を制御するATS車上装置200を備えた自動列車停止装置であって、列車には、電文を受信する第1の車上子(車上子13)と位置情報電文を受信する第2の車上子(車上子32)とが搭載され、ATS車上装置200には、地上子5および地上子6の設置位置を示すキロ程情報が記録された地上子DB16が搭載され、ATS車上装置200は、車上子13を介して電文を受信した場合、この電文に基づいて速度照査パターンPを生成すると共に、列車速度を用いて列車の走行距離を計測し、車上子32を介して位置情報電文を受信した場合、電文を受信してから位置情報電文を受信するまでの走行距離と地上子6のキロ程情報とに基づいて速度照査パターンPを補正するようにしたので、地上子5の次に配設された地上子6からの位置情報電文を速度照査パターンPの在線位置認識補正に利用することが可能であり、実施の形態1と同様に、速度照査の精度の更なる向上を図ることができ、列車の安全な運行を実現することが可能である。
【0050】
なお、実施の形態2にかかる自動列車停止装置は、ATS車上装置200がATO車上装置300からの地上子通過情報33を受信して速度照査パターンPの補正を行うように構成されているが、ATO車上装置300の代わりに、デジタルATCのような地上子を利用して列車の運転制御を行う装置を用いて、この地上子を通過したことを判別する情報と、当該地上子の設置位置に関するキロ程情報が記録されたデータベース16とを用いることで、上記同様に速度照査部17によるATS−Pの在線位置補正を行うことも可能である。
【0051】
なお、実施の形態1、2にかかる速度照査部10、17は、トランスポンダ式の地上子5からの電文(第1の信号)を受信可能なトランスポンダ式の車上子13を用いて、速度照査パターンPを補正するように構成されているが、例えば、地上子5が速度照査パターンPを発生させる変周信号(第1の信号)を送信する変周式地上子(例えばATS−Ps地上子)であり、かつ、車上子13がATS−Ps地上子からの変周信号を受信可能な車上子であり、この車上子13からの変周信号を用いて速度照査パターンPを生成するように構成してもよい。
【0052】
なお、実施の形態1、2にかかるATS車上装置100、200は、複数の地上子6が地上子5の後に連続して配設されているような場合、これら全ての地上子6からの情報を取り込む度に速度照査パターンPを補正するように構成してもよいが、例えば1つおきにこの情報を取り込んだときのみ速度照査パターンPを補正するように構成してもよい。このように構成した場合でも地上子6からの情報を活用していない従来技術に比して、在線位置認識精度を向上させることが可能である。
【0053】
なお、実施の形態1、2に示した自動列車停止装置は、本発明の内容の一例を示すものであり、更なる別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは無論である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明は、鉄道用の列車保安に使用する自動列車停止装置に適用可能であり、特に、ATS−Pの速度照査における在線位置認識精度の更なる向上を図ることが可能な発明として有用である。
【符号の説明】
【0055】
2 速度発電機
3 ブレーキ制御装置
4 速度情報(列車速度)
5 地上子(第1の地上子)
6 地上子(第2の地上子)
10、17 速度照査部
11、16 地上子DB
12、15、31 送受信部
13 車上子(第1の車上子)
14 車上子(第2の車上子)
30 演算部
32 運転支援装置用の車上子(第2の車上子)
33 地上子通過情報
100、200 ATS車上装置(車上装置)
300 ATO車上装置
L1 滑走距離
L2 空転距離
P、P1、P2、P3、P4 速度照査パターン(ブレーキパターン)
VP、VP1、VP3 速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキパターンを発生させる第1の信号を送信する第1の地上子からの前記第1の信号とブレーキパターンを発生させる情報以外の第2の信号を送信する第2の地上子からの前記第2の信号とを受信可能に構成され、列車で検出された列車速度を前記ブレーキパターンに照査して前記列車速度を制御する車上装置を備えた自動列車停止装置であって、
前記列車には、前記第1の信号を受信する第1の車上子と前記第2の信号を受信する第2の車上子とが搭載され、
前記車上装置には、前記第1の地上子および前記第2の地上子の設置位置を示すキロ程情報が記録されたデータベースが搭載され、
前記車上装置は、
前記第1の車上子を介して前記第1の信号を受信した場合、前記第1の信号に基づいて前記ブレーキパターンを生成すると共に、前記列車速度を用いて列車の走行距離を計測し、
前記第2の車上子を介して前記第2の信号を受信した場合、前記第1の信号を受信してから前記第2の信号を受信するまでの走行距離と前記第2の地上子のキロ程情報とに基づいて前記ブレーキパターンを補正することを特徴とする自動列車停止装置。
【請求項2】
前記車上装置は、
前記第2の信号を受信した場合、前記キロ程情報に基づいて前記第1の地上子から前記第2の地上子までの距離を認識し、この距離が前記走行距離より大きいとき、前記ブレーキパターンの立ち上げ位置から前記距離と前記走行距離との差分を差し引いた位置を特定し、前記ブレーキパターンを、この位置を立ち上げ位置とするパターンに補正することを特徴とする請求項1に記載の自動列車停止装置。
【請求項3】
前記車上装置は、
前記第2の信号を受信した場合、前記キロ程情報に基づいて前記第1の地上子から前記第2の地上子までの距離を認識し、この距離が前記走行距離より小さいとき、前記ブレーキパターンの立ち上げ位置に前記距離と前記走行距離との差分を加えた位置を特定し、前記ブレーキパターンを、この位置を立ち上げ位置とするパターンに補正することを特徴とする請求項1に記載の自動列車停止装置。
【請求項4】
ブレーキパターンを発生させる第1の信号を送信する第1の地上子からの前記第1の信号とブレーキパターンを発生させる情報以外の第2の信号を送信する第2の地上子からの前記第2の信号とを受信可能に構成され、前記列車で検出された列車速度を前記ブレーキパターンに照査して前記列車速度を制御する車上装置に適用される自動列車停止方法であって、
前記列車には、前記第1の信号を受信する第1の車上子と前記第2の信号を受信する第2の車上子とが搭載され、
前記第1の車上子を介して前記第1の信号を受信した場合、前記第1の信号に基づいて前記ブレーキパターンを生成するブレーキパターン生成ステップと、
前記第2の車上子を介して前記第2の信号を受信した場合、前記第1の信号を受信してから前記第2の信号を受信するまでの走行距離を求める走行距離演算ステップと、
前記第2の信号を受信した場合、前記第2の地上子のキロ程情報に基づいて、前記第1の地上子から前記第2の地上子までの距離を求める距離演算ステップと、
前記距離が前記走行距離より大きいとき、前記ブレーキパターンの立ち上げ位置から前記距離と前記走行距離との差分を差し引いた位置を特定する位置特定ステップと、
前記ブレーキパターンを、この位置を立ち上げ位置とするパターンに補正するブレーキパターン補正ステップと、
を含むことを特徴とする自動列車停止方法。
【請求項5】
方法(空転)
ブレーキパターンを発生させる第1の信号を送信する第1の地上子からの前記第1の信号とブレーキパターンを発生させる情報以外の第2の信号を送信する第2の地上子からの前記第2の信号とを受信可能に構成され、前記列車で検出された列車速度を前記ブレーキパターンに照査して前記列車速度を制御する車上装置に適用される自動列車停止方法であって、
前記列車には、前記第1の信号を受信する第1の車上子と前記第2の信号を受信する第2の車上子とが搭載され、
前記第1の車上子を介して前記第1の信号を受信した場合、前記第1の信号に基づいて前記ブレーキパターンを生成するブレーキパターン生成ステップと、
前記第2の車上子を介して前記第2の信号を受信した場合、前記第1の信号を受信してから前記第2の信号を受信するまでの走行距離を求める走行距離演算ステップと、
前記第2の信号を受信した場合、前記第2の地上子のキロ程情報に基づいて、前記第1の地上子から前記第2の地上子までの距離を求める距離演算ステップと、
前記距離が前記走行距離より大きいとき、前記ブレーキパターンの立ち上げ位置から前記距離と前記走行距離との差分を差し引いた位置を特定するステップと、
前記ブレーキパターンを、この位置を立ち上げ位置とするパターンに補正するブレーキパターン補正ステップと、
を含むことを特徴とする自動列車停止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−5588(P2013−5588A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134237(P2011−134237)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】