説明

自動化した睡眠の表現型

被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータを決定するシステム10がある。実施例では、当該システムは、睡眠センサ14と、刺激発生器18と、プロセッサ20とを有する。睡眠センサは、被験者の睡眠のステージを示す生理的な機能に関する情報を伝達する信号を生成する。刺激発生器は、睡眠表現型のパラメータに関する情報が決定されることを可能にする刺激を被験者へ付与する。プロセッサは、睡眠センサによって生成された信号を受信し、刺激発生器と通信を行う。プロセッサは、(i)睡眠センサから受信された信号に基づいて、被験者の現在の睡眠ステージに関するトリガ条件が満たされるかどうかを判定し、(ii)トリガ条件が満たされる場合、被験者への刺激を付与するための刺激発生器を制御し、(iii)刺激に対する被験者の反応を定量化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特許法§119 (e)の規定により、本アプリケーションは、2007年9月25日に出願の、米国の暫定特許出願番号 第60/974,920、及び2008年9月15日に出願の、米国特許出願番号 第12/210,244の利点を主張しており、各々のコンテンツが本願明細書で参照されて組込まれている。
【背景技術】
【0002】
本発明は、強化され、自動化した態様にて、1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するためのシステム及び方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
被験者の睡眠に関する当該被験者の解剖学的な形態及び/又は機能を特徴づける情報に関する情報を決定するための様々な方法と、様々な技術とが知られている。特に斯様な情報は、眠っている間の被験者の呼吸を特徴づけるためにインプリメントされる可能性がある。この情報は、被験者の睡眠表現型を表すパラメータとして表されてもよい。しかしながら、斯様なパラメータを決定する従来の方法及び従来の技術は、介護者/情報記録係の側の労働集約的な傾向がある。というのは、被験者の環境を制御するため、及び/又は決定されるべき(複数の)パラメータに関する情報を記録するために使われる1つ以上の装置に対する調整が、精度を確実にするために、適切に整合されていなければならないからである。更に、通常しばしば使用される方法及び技術は、関連した情報の全てが完全に集められるまではパラメータの決定ができない。これらの技術及び方法に関する他の欠点も知られている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様は、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータの決定を可能にするよう構成されたシステムに関する。実施例では、当該システムは、睡眠センサ、刺激発生器、及びプロセッサを有する。当該睡眠センサは、被験者の睡眠のステージを示す1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する1つ以上の出力信号を生成するよう構成されている。刺激発生器は、被験者への刺激を選択的に付与するよう構成されており、刺激に対する被験者の反応が、1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報が決定されることを可能にする。プロセッサは、睡眠センサによって生成された1つ以上の出力信号を受信し、刺激発生器と通信を行う。プロセッサは、(i)前記睡眠センサから受信した1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の現在の睡眠のステージに関するトリガ条件が満たされるかどうかを判定するようにも構成されており、(ii)トリガ条件が満たされた場合、被験者への刺激を付与するための刺激発生器を制御するようにも構成されている。
【0005】
本発明の別の態様は、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータの決定を可能にする方法に関する。実施例では、当該方法は、
− 被験者の睡眠のステージを示す、当該被験者の1つ以上の生理的な機能についての情報を伝達する1つ以上の出力信号を生成するステップと、
− 生成された1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の現在の睡眠のステージに関するトリガ条件が満たされたかどうかを判定するステップと、
− トリガ条件が満たされたことが判定された場合、被験者への刺激を付与するステップと、を含み、刺激に対する被験者の反応は、1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報が決定されることを可能にする。
【0006】
本発明の別の態様は、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータの決定を可能にするように構成されたシステムに関する。実施例では、当該システムは、
− 被験者の睡眠のステージを示す、当該被験者の1つ以上の生理的な機能についての情報を伝達する1つ以上の出力信号を生成するための手段と、
− 生成された1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の現在の睡眠のステージに関するトリガ条件が満たされたかどうかを判定するための手段と、
− トリガ条件が満たされたことが判定された場合、被験者への刺激を付与するための手段と、を有し、刺激に対する被験者の反応は、1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報が決定されることを可能にする。
【0007】
本発明の別の態様は、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータの決定を可能にするよう構成されたシステムに関する。実施例では、当該システムは、睡眠センサ、パラメータ・センサ、及びプロセッサを有する。睡眠センサは、被験者の睡眠のステージを示す1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する1つ以上の出力信号を生成するよう構成されている。パラメータ・センサは、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する1つ以上の出力信号を生成するよう構成されている。プロセッサは、当該プロセッサが、睡眠センサ及びパラメータ・センサによって生成された出力信号を受信するよう、通信を、睡眠センサ及びパラメータ・センサの各々と行う。プロセッサは、睡眠センサから受信した1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の現在の睡眠のステージに関するトリガ条件が満たされるかどうかを判定するよう構成されており、トリガ条件が満たされた場合、当該プロセッサは、パラメータ・センサによって生成された1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するよう構成されている。
【0008】
本発明の別の態様は、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータの決定を可能にする方法に関する。実施例では、当該方法は、
− 被験者の睡眠のステージを示す被験者の1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、被験者の睡眠のステージに関する1つ以上の出力信号を生成するステップと、
− 被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関連し、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに付随して、被験者の1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、1つ以上の出力信号を生成するステップと、
− 被験者の睡眠のステージに関する1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の現在の睡眠のステージに関連するトリガ条件が満たされるかどうかを判定するステップと、
− トリガ条件が満たされた場合に生成される、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するステップと、を含んでいる。
【0009】
本発明の別の態様は、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータの決定を可能にするよう構成されたシステムに関する。実施例では、当該システムは、
− 被験者の睡眠のステージを示す、被験者の1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、被験者の睡眠のステージに関する1つ以上の出力信号を生成するための手段と、
− 被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに付随して、被験者の1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の出力信号を生成するための手段と、
− 被験者の睡眠のステージに関する1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の現在の睡眠のステージに関連するトリガ条件が満たされるかどうかを判定するための手段と、
− トリガ条件が満たされた場合に生成され、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する、1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するための手段と、を有する。
【0010】
本発明の別の態様は、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するよう構成されたシステムに関する。実施例では、当該システムは、睡眠センサ、パラメータ・センサ、及びプロセッサを有する。睡眠センサは、被験者の睡眠のステージを示す1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、1つ以上の出力信号を生成するよう構成されている。パラメータ・センサは、被験者の2つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、1つ以上の出力信号を生成するよう構成されている。プロセッサは、当該プロセッサが、睡眠センサ及びパラメータ・センサによって生成された出力信号を受信するよう、睡眠センサ及びパラメータ・センサの各々と通信を行う。プロセッサは、睡眠センサから受信した1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の現在の睡眠のステージに関する1つ以上のトリガ条件が満たされるかどうかを判定するよう構成されており、1つ以上のトリガ条件の個々のものが、2つ以上の睡眠表現型のパラメータの1つ以上のものに対応する。プロセッサはまた、被験者の2つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するよう構成されており、当該プロセッサは、所与の睡眠表現型のパラメータに対応するトリガ条件が満たされる場合、パラメータ・センサによって生成された1つ以上の出力信号に基づいて、所与の2つ以上の睡眠表現型のパラメータの中の1つに関する情報を決定するよう構成されていて、2つ以上の睡眠表現型のパラメータが、臨界咽頭閉鎖圧力、上気道振動、上気道の筋肉反応、覚醒閾値、又はループゲインの中の1つ以上のものを含んでいる。
【0011】
本発明の別の態様は、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定する方法に関する。実施例では、当該方法は、
− 被験者の睡眠のステージを示す、被験者の1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、被験者の睡眠のステージに関する1つ以上の出力信号を生成するステップと、
− 被験者の睡眠表現型のパラメータに付随して、被験者の1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の出力信号を生成するステップと、
− 被験者の現在の睡眠のステージに関する第1のトリガ条件が満たされるかどうかを、被験者の睡眠のステージに関する1つ以上の出力信号に基づいて判定するステップと、
− 第1のトリガ条件が満たされると共に生成された、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の第1の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するステップと、
− 被験者の現在の睡眠のステージに関する第2のトリガ条件が満たされるかどうかを、被験者の睡眠のステージに関する1つ以上の出力信号に基づいて判定するステップと、
− 第2のトリガ条件が満たされると共に生成された、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の出力信号に基づいて、被験者の第2の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するステップと、を含んでいる。
【0012】
本発明の別の態様は、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するよう構成されたシステムに関する。実施例では、当該システムは、
− 被験者の睡眠のステージを示す、当該被験者の1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、被験者の睡眠のステージに関する1つ以上の出力信号を生成する手段と、
− 被験者の睡眠表現型のパラメータに付随して、被験者の1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の出力信号を生成する手段と、
− 被験者の現在の睡眠のステージに関する第1のトリガ条件が満たされたかどうかを、被験者の睡眠のステージに関する1つ以上の出力信号に基づいて判定するための手段と、
− 被験者の第1の睡眠表現型のパラメータに関する情報を、第1のトリガ条件が満たされると共に生成される、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の出力信号に基づいて決定するための手段と、
− 被験者の現在の睡眠のステージに関する第2のトリガ条件が満たされるかどうかを、被験者の睡眠のステージに関する1つ以上の出力信号に基づいて決定するための手段と、
− 被験者の第2の睡眠表現型のパラメータに関する情報を、第2のトリガ条件が満たされると共に生成された、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の出力信号に基づいて決定するための手段と、を有する。
【0013】
本発明の別の態様は、被験者の睡眠関連の呼吸障害を診断し、治療する方法に関する。実施例では、当該方法は、
− 被験者の睡眠表現型のパラメータに付随して、被験者の1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の出力信号を生成するステップと、
− 複数の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するステップであって、当該複数の睡眠表現型のパラメータの中の少なくとも1つが、被験者の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の出力信号に基づいて決定されるステップと、
− 被験者の睡眠表現型を表す測定基準を、複数の睡眠表現型のパラメータに関して決定された情報から抽出して決定するステップと、を含んでおり、被験者の睡眠表現型は、被験者が蒙る1つ以上の睡眠に関連した呼吸障害を表している。
【0014】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴、並びに操作方法、構造に関する要素の機能、部品の組み合わせ、及び製造コストは、これらの全てが本仕様の一部を形成している添付の図面を参照し、以下の説明及び添付の請求の範囲を考慮すると、より明らかになることであろう。ここで、同じ引用数字は、様々な図中において対応する部分を示している。しかしながら、これらの図は例示及び説明のみの目的であり、本発明の範囲を規定するものとして意図されてはいないことを、はっきりと理解されたい。仕様及び請求項において用いられているように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明示していていない限りは、複数の対象物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】被験者の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するよう構成された、本発明の一実施例によるシステムを例示している。
【図2】本発明の一実施例による、患者の臨界咽頭閉鎖圧力を決定するために使用されるプロットを例示している。
【図3】本発明の一実施例による、被験者上にあるセンサユニットの設置例を示している。
【図4】本発明の一実施例による、患者の表現型のパラメータに関する情報を決定する方法を例示している。
【図5】3次元にある三つのパラメータに対する、表現型のクラスタ及び可能性がある治療法を例示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、被験者12の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するよう構成されたシステム10の概観図である。ここで用いられているように、睡眠表現型のパラメータは、被験者12の睡眠表現型を特徴づけている生理学的な態様、及び/又は被験者12の生理的な能力を定量化する測定基準を含んでいる。被験者12の睡眠表現型は、1つ以上の睡眠障害(例えば、閉塞性の睡眠時無呼吸、チェーンストークス呼吸、レストレスレッグス症候群等々)に対する(例えば、被験者12の生理的な特徴に起因した)被験者12の素因を記述している。睡眠表現型のパラメータの例としては、臨界咽頭閉鎖圧力、上気道振動特性、上気道の筋肉反応、覚醒閾値、及び換気制御フィードバック・ループゲインが挙げられる。しかしながら、前記のリストが限定を意図してはいないことが理解されるべきであり、幾つかの例では、システム10は、ここで羅列された以外の表現型のパラメータに関する情報を決定するよう構成されてもよい。本発明は、睡眠表現型のパラメータが、上に記されたパラメータのどのような組合せも含むことができる点も予期している。図1で見てとれるように、実施例では、システム10は、睡眠センサ14と、パラメータ・センサ16と、刺激発生器18と、プロセッサ20と、記憶モジュール22と、を含んでいる。
【0017】
睡眠センサ14は、被験者12の睡眠のステージを示す、当該被験者12の1つ以上の生理的な機能をモニタするよう構成されている。より具体的には、睡眠センサ14は、1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する1つ以上の出力信号を生成する、1つ以上のセンサユニット24を含んでいる。例えば、睡眠センサ14は、脳波記録のセンサユニット、筋電図検査のセンサユニット、電子−眼グラフィック・センサユニット、及び/又は酸素飽和センサユニットを含んでもよい。斯様なセンサユニットは、被験者12の睡眠のステージが決定されることができるデータを生成することが、従来技術において知られている。更に、睡眠センサ14は、他の、旧知のものではないセンサユニット、例えば呼吸センサユニット、運動解析センサユニット、動脈の圧力測定センサユニット、及び/又は被験者12の睡眠のステージと共に、予測可能な態様で変動する、1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する出力信号を生成する他のセンサユニットを含んでもよい。
【0018】
呼吸センサユニットは、被験者12の(例えば、呼吸速度、呼吸容積、成分の濃度レベル、呼吸流量、被験者12の上気道又はその近くの圧力、等々の)呼吸についての情報を伝達する複数の出力信号を生成するセンサユニットを含むことであろう。斯様なセンサユニットは、圧力センサユニット、流量センサユニット、及び/又は他のセンサユニットを含む。運動解析センサユニットは、被験者12の位置及び/又は動きに関する情報を伝達する複数の出力信号を生成するセンサユニットを含むことであろう。例えば、運動解析センサユニットは、位置センサユニット、振動センサユニット、音響センサユニット、加速度センサユニット、及び/又は他のセンサユニットを含んでもよい。
【0019】
パラメータ・センサ16は、被験者12の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する、被験者12の1つ以上の生理的な機能をモニタするよう構成されている。被験者12の1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する被験者12の1つ以上の物理的な機能をモニタするために、パラメータ・センサ16は、1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する複数の出力信号を生成する1つ以上のセンサユニット26を含む。例えば、パラメータ・センサ16は、(例えば呼気の流れに関する監視機能、呼吸効果に関する監視機能等々である)呼吸センサユニットと、心血管センサユニットと、振動センサユニットと、運動解析センサユニットと、筋電図検査センサユニットと、酸素飽和センサユニットと、二酸化炭素センサユニットと、脳波記録のセンサユニットと、電子−眼グラフィック・センサユニットと、及び/又は被験者12の睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の生理的な機能をモニタする他のセンサユニットと、を含んでもよい。
【0020】
刺激発生器18は、被験者12への刺激を選択的に付与するよう構成されている。被験者12に付与される刺激は、刺激に対する被験者12の反応が、1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報の収集を可能にするような刺激である。例えば、更に下で述べられるように、刺激は、臨界咽頭閉鎖圧力、上気道の筋肉反応、覚醒閾値、及びループゲインに関する情報を決定するために、刺激発生器18によって被験者12に付与される。ある場合には、刺激発生器18は、被験者12に援助を提供するよう構成されており、被験者12への刺激の付与は、被験者12に提供される援助を中止すること、減じること、及び/又は変更することを含んでいる。この例として実施例では、刺激発生器18は、睡眠の間の気道を維持するために、加圧されたガスの流れを被験者12の気道に提供する装置(例えば、陽性気道圧装置(「PAP装置」))を有する。斯様な刺激発生器18による被験者12への刺激の付与は、(例えば、以下に説明されている)幾つかの事例では、ガスの流れの圧力を、被験者12が(例えば、無呼吸、気道閉塞等の)呼吸困難になりやすいレベルに下げることを含む。刺激発生器18が単数形でアプリケーションに引用されているにもかかわらず、本願明細書において使われるように、用語「刺激発生器」は、単一の刺激を付与する単一のデバイスと、複数の異なる刺激を被験者12へ選択的に付与することができる単一のデバイスと、単一の刺激を被験者12へ選択的に付与する複数のデバイスと、及び/又は複数の異なる刺激を被験者12へ選択的に付与するように構成された複数のデバイスと、を含むものと解釈されねばならない。
【0021】
睡眠センサ14、パラメータ・センサ16、及び刺激センサ18の上記の説明から、これらの構成要素が、図1では、別々の単一の構成要素として例示されているにもかかわらず、これは例示目的のために過ぎないことが理解されるべきである。例えば実施例では、被験者12の睡眠のステージを判定することに関連した生理的な機能が、1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定することに関連していてもよいので、睡眠センサ14及びパラメータ・センサ16は、1つ以上の共通のセンサユニットを含む。実施例では、刺激発生器18は、被験者12への刺激の付与をモニタする、(例えば、PAP装置に含まれている流量センサユニット及び/又は圧力センサユニットなど)1つ以上のセンサユニットを含み、被験者12への刺激の付与をモニタする1つ以上のセンサユニットの中の少なくとも1つは、睡眠センサ14及びパラメータ・センサ16の一方、又は両方のセンサユニット24及び/又はセンサユニット26として機能する。睡眠センサ14、パラメータ・センサ16、及び/又は刺激発生器18内にある複数の構成要素(例えば、複数のセンサユニット)の相互組み込みは、センサ14及びセンサ16、及び/又は刺激発生器18の全部又は一部の物理的な一体化を含む可能性がある。他の構成においては、センサ14及びセンサ16、及び刺激発生器18は、互いに別々に維持されている(存在している)。
【0022】
記憶モジュール22は、システム10に対する電子的な記憶の可能性を供する。記憶モジュール22は、1つ以上の睡眠センサ14、パラメータ・センサ16、刺激発生器18、及び/又はプロセッサ20に結合された1つ以上の電子的に読み取り可能な記憶媒体を含む。この結合が、図1に例示されている。記憶モジュール22の中にある電子的に読み取り可能な記憶媒体は、システム10と一体化して備えられた(即ち、実質的に取り外し不可能な)システム記憶装置と、(例えば、USBポート、高速データ転送ポート等の)例えばポート、又は(例えば、ディスクドライブ等の)ドライブを介してシステム10に着脱自在に接続可能なリムーバブルな記憶装置と、の一方又は両方を含んでもよい。記憶モジュール22は、(例えば、光ディスク等の)光学的に読み取り可能な記憶媒体と、(例えば、磁気テープ、磁気ハードディスク、フロッピー・ドライブ等の)磁気的に読み込み可能な記憶媒体と、(例えば、フラッシュドライブ等の)固体記憶媒体と、及び/又は、他の電子的に読み取り可能な記憶媒体と、を含んでもよい。実施例では、記憶モジュール22は、情報をシステム10から無線で受信し、情報をシステム10へと無線で提供する書き込み可能なメモリを有するスマートカードを含むことができる。記憶モジュール22は、ソフトウェアアルゴリズム、センサ14及びセンサ16の一方又は両方によって生成された出力信号に関する情報、プロセッサ20によって決定された情報、及び/又はプロセッサ20が適切に機能することを可能にする他の情報、を記憶することができる。記憶モジュール22は、システム10内にある別々の構成要素でもよいし、さもなければ、記憶モジュール22は、センサ14及びセンサ16、刺激発生器18、又はプロセッサ20の1つ以上と一体化されて備えられてもよい。
【0023】
実施例では、システム10は、更にユーザ・インターフェース28を含んでいる。当該ユーザ・インターフェース28は、システム10と、(例えば、介護者、研究者、被験者12等の)1人以上のユーザとの間に、ユーザがシステム10へと情報を提供することができ、及びシステム10から情報を受信することができるインターフェースを供する。これは、ひとまとめにして「情報」と呼ばれる、データ、結果、及び/又は命令、及び他の何らかの通信可能な項目が、(複数の)ユーザと、睡眠センサ14、パラメータ・センサ16、刺激発生器18、プロセッサ20、及び/又は記憶モジュール22の中の1つ以上のものとの間で通信されることを可能にする。この情報は、図1に矢印によって例示されている通信リンクによって、ユーザ・インターフェース28からシステム10へと通信されることができる。ユーザ・インターフェース28に含まれるのに適している従来のインターフェイス・デバイスの例としては、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、表示画面、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロホン、インジケーターライト、及びプリンタが挙げられる。ユーザ・インターフェース28は、システム10内にある別々の構成要素でもよいし、さもなければ、ユーザ・インターフェース28は、センサ14及びセンサ16、刺激発生器18、プロセッサ20、又は記憶モジュール22の中の1つ以上に一体化されて備えられてもよい。
【0024】
有線又は無線の何れかの他の通信技術も、ユーザ・インターフェース28として本発明によって予期されていることが理解されるべきである。例えば本発明は、ユーザ・インターフェース28が、記憶モジュール22によって供されるリムーバブルな記憶インターフェースと一体化される可能性を予期している。この例では、(複数の)ユーザがシステム10の実行をカスタマイズすることを可能にする(例えば、スマートカード、フラッシュドライブ、リムーバブル・ディスク等の)リムーバブルな記憶デバイスから、情報がシステム10にロードされることができる。ユーザ・インターフェース28として圧力維持システム10用に適応される他の典型的な入力デバイス及び入力技術は、RS-232ポート、RFリンク、IRリンク、(電話、ケーブル、又は他の)モデムを含むが、これらに限定されるものではない。要するに、システム10へ情報を提供するいかなる技術も、本発明によるユーザ・インターフェース28として予期される。
【0025】
プロセッサ20は、情報処理能力をシステム10に提供するよう構成されている。このように、プロセッサ20は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態マシン、及び/又は情報を電子的に処理するための他のメカニズム、の中の1つ以上のものを含むことができる。プロセッサ20は、図1では1個の構成要素として示されているものの、これは例示目的のために過ぎない。いくつかの実装例では、プロセッサ20は、複数のデータ処理ユニットを含んでいてもよい。これらのデータ処理ユニットは、同じデバイス内に物理的に置かれているか、さもなければ、プロセッサ20は、協調して動作している複数のデバイスのデータ処理機能を表している。複数のデバイスが実装された例では、通信リンクが、デバイス間の通信及び協調を可能にするために、デバイス間に形成されてもよい。例えば、幾つかの実施例では、プロセッサ20は、システム10の他の構成要素(例えば、ホストコンピュータ)の外部に、1つ以上のプロセッサを含んでもよく、又はプロセッサ20は、システム10の構成要素(例えば、1つ以上のセンサ14及びセンサ16、刺激発生器18、記憶モジュール22等)の1つ以上に一体化されて含まれている1つ以上のプロセッサを含んでいてもよく、さもなければ両方であってもよい。システム10内の他の構成要素の外部にあるプロセッサは、幾つかの事例では、システム10の構成要素と一体化された複数のプロセッサに対して、冗長なデータ処理を提供してもよく、及び/又は、外部にある(複数の)プロセッサが、システム10の動作に関する、及び/又は被験者12の睡眠表現型のパラメータの決定に関する追加の情報を決定するために、追加のデータ処理を行ってもよい。
【0026】
図1に示すように、実施例では、プロセッサ20は、睡眠モジュール30と、トリガ・モジュール32と、刺激モジュール34と、イベント・モジュール36と、パラメータ・モジュール38と、表現型モジュール40と、を含んでいる。モジュール30、同32、同34、同36、同38、及び同40は、ソフトウェアで、ハードウェアで、ファームウェアで、ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアの幾つかの組合せで、及び/又は、それ以外に実装されたもので実行されてもよい。モジュール30、同32、同34、同36、同38、及び同40が図1では、単一のデータ処理ユニット内に一緒に置かれているものとして例示されているにもかかわらず、プロセッサ20が複数のデータ処理ユニットを含む実装例においては、モジュール30、同32、同34、同36、同38、及び/又は同40は、他の複数のモジュールから離れた場所にあってもよく、モジュール30、同32、同34、同36、同38及び/又は同40の間の通信は、1つ以上の通信リンクを介して実現されてもよいことが理解されるべきである。斯様な通信リンクは、無線でも有線でもよい。
【0027】
睡眠モジュール30は、睡眠センサ14によって生成された1つ以上の出力信号に基づいて、被験者12の現在の睡眠のステージに関する情報を決定するよう構成されている。実施例では、現在の睡眠のステージに関する情報を決定するステップは、睡眠のステージを出力信号から直接決定するステップを含む。実施例では、現在の睡眠のステージに関する情報を決定するステップは、最初に被験者12の生理的な機能を複数の出力信号から決定し、次に、判定された生理的な機能に基づいて、現在の睡眠のステージに関する情報を決定する(例えば、睡眠のステージを決定する)ステップを含む。本実施例においては、決定された生理的な機能は、システム10の制御、及び/又は被験者12の睡眠表現型の分析に更にインプリメントされることができる。
【0028】
更に下で説明されているように、被験者12の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定する際に、被験者は、彼/彼女が眠っている間、(例えば、パラメータ・センサ16のセンサユニット26によって)観察されている。幾つかの睡眠表現型のパラメータの場合、関連した情報は、所定の睡眠のステージでの被験者12の観察から、及び/又は所定の睡眠のステージの間を移行する際に、決定される。したがって、トリガ・モジュール32は、被験者12の現在の睡眠のステージに関するトリガ条件が満たされるかどうかを、睡眠センサ14によって生成された1つ以上の出力信号に基づいて決定するよう構成されている。実施例では、当該トリガ条件が満たされたかどうかを決定するステップは、睡眠モジュール30によって決定された情報を、トリガ条件と比較するステップを含む。当該トリガ条件は、同条件が、被験者12の睡眠のステージが、彼女の生理的な機能の中の1つ以上のものの観察が、少なくとも1つの表現型のパラメータ、又は関連した情報の決定を可能にするような場合に満たされるよう、設定される。
【0029】
例えば、実施例では、所与のトリガ条件は、必要とされる睡眠のステージを含んでおり、被験者12の現在の(例えば、睡眠モジュール30によって判定された)睡眠のステージが、必要とされる睡眠のステージである場合に所与のトリガ条件が満足される。実施例では、所与のトリガ条件は、当該トリガ条件が満たされる前に、被験者12の現在の睡眠のステージが、所定の量の時間の間、必要とされる睡眠のステージに留まることを更に必要とする。
【0030】
別の例として、ある実施例では、所与のトリガ条件は、睡眠センサ14によってモニタされた生理的な機能のうちの少なくとも1つの閾値の測定を含んでおり、(複数の)生理的な機能が閾値の測定値を交差した場合、トリガ条件が満たされる。この種のトリガ条件があると、トリガ・モジュール32は、(上記のように)睡眠モジュール30によって決定された(複数の)生理的な機能に関する情報をインプリメントすることができるか、さもなければ、トリガ・モジュール32は、睡眠モジュール30によって生成された出力信号を、信号の閾値と単に比較するだけでもよい。前の例と同様に、幾つかの例において、所与のトリガ条件は、トリガ条件が満たされる前に、(複数の)生理的な機能が所定の量の時間の間、閾値の測定値を交差したまま留まることを更に必要とする。
【0031】
刺激モジュール34は、刺激に対する被験者の反応が、1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報の決定を可能にするよう、被験者12に刺激を選択的に付与するために、刺激発生器18を制御するよう構成されている。刺激発生器18を通じた刺激モジュール34の制御は、1つ以上のトリガ条件を満足することに基づいている。例示的な実施例では、所与の睡眠表現型のパラメータに関する情報は、被験者12が、安定した速くない眼の動きをする睡眠(「NREM」睡眠)を経験しているときに相当する反応に対して、被験者12の反応から決定されることができる(この事例は単に説明の便宜上、選ばれた)。したがって、刺激モジュール34は、トリガ・モジュール32が、被験者12の現在の睡眠のステージが安定なNREM睡眠に伴うトリガ条件を満たすと判定した場合、刺激発生器18が、被験者12に刺激の付与を開始するよう制御されるよう構成されている。幾つかの事例では、刺激に対する被験者12の反応に関係なく、被験者12に対する刺激の付与が、所定のアルゴリズムによって続けられる。他の場合には、(例えば、イベント・モジュール36に関して後述するように)刺激の付与が被験者12の反応に基づいて変更されてもよいし、さもなければ、(例えば、トリガ・モジュール32による、安定したNREM睡眠を伴うトリガ条件がもはや満たされないという決定に基づいて)刺激が中止、又は全体的に中断されてもよい。睡眠表現型のパラメータの幾つかの非限定的な具体例の決定を可能にするために、刺激発生器18を通じた刺激モジュール34の制御の例の更なる説明が以下に与えられている。
【0032】
幾つかの表現型のパラメータに関する情報を決定するために、被験者12は、特定のタイプの生理的なイベントの前、イベントの間、又はイベントの後に観察されなければならない。これは、イベントに先立ち、イベントの始めに、イベントの進行中に、イベントの終わりに、及び/又はイベントに後続して、被験者の観察を含んでもよい。非限定的な例の態様にて、当該イベントは、呼吸のイベント(例えば、呼気、排気、流量が限られた呼吸、無呼吸、呼吸低下、上気道不安定性、いびき、気道妨害等)を含んでもよい。具体的な睡眠表現型のパラメータに関する斯様な例が、更に以下で説明されている。イベント・モジュール26は、パラメータ・センサ16によって生成された複数の出力信号に基づいてイベントを識別するよう構成されている。これは、イベントへの、イベントからの、及び/又はイベントの範囲内での移行の識別を含む。
【0033】
パラメータ・モジュール38は、パラメータ・センサ16によって生成された複数の出力信号に基づいて、1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するよう構成されている。ある実施例では、決定された情報は、被験者12の、睡眠センサ14及び/又はパラメータ・センサ16によってモニタされた1つ以上の生理的な機能に関する情報を含む。非限定的な例の態様によって、1つ以上の睡眠表現型のパラメータは、咽頭閉鎖圧力(「臨界圧」)、上気道振動、上気道の筋肉反応、覚醒閾値、ループゲイン、及び/又は他の睡眠表現型のパラメータを含んでもよい。パラメータ・センサ16に続くパラメータ・モジュール38によって決定されることができる幾つかの睡眠表現型のパラメータに関する説明から理解されねばならないように、実施例では、パラメータ・モジュール38は、リアルタイム又は殆どリアルタイムで、この情報を判定する。しかしながら、パラメータ・モジュール38はこれまでに記憶された情報に基づいて睡眠表現型のパラメータの1つ以上を決定することができるので、前文は限定することを意図してはいない。更に、実施例では、所与のパラメータは、リアルタイム又は殆どリアルタイムで決定され、次に、付加情報に基づいて、少々後の時間に調整される。
【0034】
ある実施例では、パラメータ・モジュール38は、被験者12の臨界圧に関する情報を決定するよう構成されている。当該臨界圧は、被験者12の上気道が閉塞し、閉塞性の無呼吸が発現する圧力である。これは、被験者12が適切な睡眠のステージ(例えば、ステージ2の睡眠)に入るまで気道を維持するために、加圧された呼吸可能なガスの流れを被験者12の上気道へ(例えば、上記の刺激発生器18を介して)供するステップを含む。被験者12が適切な睡眠のステージに入ったという判定は、(例えば、トリガ条件として)睡眠モジュール30及び/又はトリガ・モジュール32によって成される。一旦被験者12が適切な睡眠のステージに入ると、呼吸刺激、又は「課題」が(刺激モジュール34によって制御されて)刺激発生器18によって被験者12に付与される。当該刺激は、気道の圧力を第1の減じられた圧力へと下げるステップを含む。刺激に対する被験者12の反応が、次にパラメータ・センサ16によってモニタされる(例えば、反応は、パラメータ・センサ16によって生成された複数の出力信号に反映される)。例えば、刺激が付与されている間の被験者12の(複数回の)呼気の流量、及び/又は(複数回の)排気の流量に関する情報は、パラメータ・センサ16によって生成された複数の出力信号に反映される。被験者12の(複数回の)呼気の流量及び/又は(複数回の)排気の流量に関する情報は、被験者12の気道を通るガスの流量に関する、流速、体積、及び/又は他の情報を含んでいてもよい。刺激は、この後、終了される(例えば、気道の圧力が、刺激の付与の前の圧力に戻される)。このプロセスは、複数の異なる刺激のレベルで繰り返され(例えば、異なる減じられた圧力が、刺激として印加され)、刺激に対する被験者12の反応に基づいて、臨界圧が決定される。
【0035】
トリガ・モジュール32が、このプロセスの間のどの時点ででも、被験者12の安定度が所定の閾値以下に落ちた(例えば、適切な睡眠のステージ等から逸脱した)と判定した場合、被験者12への刺激の付与を中止又は中断するトリガ条件が満たされたことになる。斯様なトリガ条件が満たされた場合、トリガ・モジュール32は、被験者12の睡眠が刺激の付与を再開することができるのに十分安定であることを示すトリガ条件が満たされるまで、被験者12の睡眠を再度監視する。
【0036】
上で示されたように、ある実施例では、刺激は被験者12の気道の圧力を減じるステップを含んでいる。この実施例では、前記臨界圧は、刺激として被験者12に供された減じられた圧力に対する被験者12の呼吸の流量に関する情報をプロットすることによって決定され、次に、被験者12の呼吸の流量がゼロとなる圧力を(例えば、線形回帰法を介して)決定する。例えば、図2は、斯様なプロットを例示している。
【0037】
図1に戻って、ある実施例では、パラメータ・モジュール38は、被験者12の上気道の振動に関する情報を決定する。斯様な実施例では、パラメータ・センサ16のセンサデバイス26は、被験者12上にある複数の振動センサを、上気道の振動をモニタするために含んでいる。例えば、図3は、被験者12の首に装着された4個のセンサデバイス42a乃至42dの配置を例示している。センサデバイス42a乃至42dで生成された信号に基づいて、気道閉塞の原因に関する情報が決定されることができる。センサデバイス42a乃至42dの出力信号に基づいて決定された情報が、睡眠の間の被験者12の頸部の振動を反映することを確実にするために、安定な睡眠の幾つかの所定のレベルに関するトリガ条件が、満たされるべきトリガ・モジュール32によって決定されない場合、センサデバイス42a乃至42dで生成された出力信号は放棄されてもよい。代替的には、トリガ条件が満たされないとき、センサデバイス42a乃至42dの出力信号に基づいて決定された情報はマーク又はフラグが付けられ、この結果、被験者12の気道の解剖学的構造に関する情報を決定する際に、当該情報がインプリメントされることはないであろう。
【0038】
図1に戻って、ある実施例では、パラメータ・モジュール38は、被験者12の上気道の筋肉反応に関する情報を決定する。斯様な情報を決定するために、被験者12が眠っている間、刺激が被験者12に付与される。臨界圧及び気道の振動の各々を有する事例がそうであったように、被験者12が適切な安定度を伴って眠っているかどうかに関する決定が、トリガ・モジュール32によって成され、被験者12への刺激の付与が、この決定に基づいて開始され、中断され、及び/又は中止される。刺激は、(刺激モジュール34によって制御された)刺激発生器18によって付与され、被験者12が流量が限定された呼吸を経験するよう、被験者12の上気道の圧力を減じるステップを含む。ある実施例では、パラメータ・モジュール38は次に、被験者12の呼吸回数、及び/又は呼吸が正常に戻るのにかかる時間に基づいて、上気道の筋肉反応に関する情報を決定する。この決定は、被験者12の上気道を通るガスの流量に関する情報を伝達するパラメータ・センサ16の1つ以上のセンサデバイス26の(複数の)出力信号に基づく。これは、限定することを目的としてはいない点が理解されるべきである。例えば、ある実施例では、パラメータ・センサ16は、口内電極、又は舌下EMG電極を含み、上側の気道反応性に関する情報は、斯様な電極からの出力信号に基づいて決定される。
【0039】
ある実施例では、パラメータ・モジュール38は、被験者12の覚醒閾値に関する情報を決定する。覚醒閾値は、被験者12が覚醒している時に呼吸イベントに反応して生じた最大呼吸力に相当する。このパラメータに関する情報を決定するために、被験者が眠っている間、刺激が被験者12に付与される。被験者12が適切な安定した睡眠に達したかどうかの判定は、例えば、臨界圧及び/又は気道振動の決定に関して、上で説明された態様で、トリガ・モジュール32によって成される。一旦被験者の睡眠が適切なレベルに達すると、被験者を目覚めさせるために、刺激が刺激発生器18によって被験者12に付与される。当該刺激は、被験者12の気道の圧力を減じるステップ、(例えば、再呼吸によって)被験者により吸入される二酸化炭素を増加させるステップ、及び/又は被験者のオキシヘモグロビンの飽和を減じるステップ、の1つ以上を含むことができる。覚醒が起こるまで、斯様な刺激が徐々に増加する態様にて被験者12に付与される。ある実施例では、パラメータ・センサ16は、覚醒している被験者12によって費やされる労力を直接モニタするセンサユニット(例えば、被験者により着用された、筋収縮を監視する労力ベルト)を含んでいる。別の実施例では、被験者12の覚醒閾値に関する情報は、安定な睡眠から被験者を目覚めさせるために必要とする刺激の大きさ(例えば、気道圧力の減少、二酸化炭素吸入量の増加、オキシヘモグロビンの飽和度の減少等々)に基づいて決定される。被験者12が目覚めたかどうかの判定が、トリガ・モジュール32によって成される。
【0040】
ある実施例では、パラメータ・モジュール38は、被験者12の換気制御フィードバック・ループゲインに関する情報を決定する。人間の解剖学的構造においては、血液と周囲の雰囲気との間のガス交換は、肺で行われている。しかしながら、ガスが脳に達したときに血液に存在するこれらのガス(例えば、酸素、二酸化炭素等々)のレベルに基づいて、呼吸が制御されている。これ故、ガスが肺を去り、血液中にあるこれらのガスのレベルの増減と、脳でこの変化が検知される時間との間には遅延がある。呼吸は二酸化炭素の増加するレベルによって増加し、この呼吸の増加率は、酸素の欠如とともに上がる。更に、血液中の酸素の欠如(例えば、又は二酸化炭素の余剰)に対する(例えば、より多くの酸素を取り入れる)反応は、流量が限定された呼吸によって禁じられている。被験者12のループゲインは、被験者が血液の酸素レベル(例えば、又は二酸化炭素レベル)の変動を修正することが可能な時間量に関連する。この修正の時間は、血行(例えば、血液が肺から脳に達するためにかかる時間量)と、(例えば、被験者12への所与の刺激に対する呼吸の変化によって、及び流量が限定された呼吸などの呼吸イベントを誘起する睡眠によって影響を受けるような)呼吸労力との、両方の関数である。
【0041】
ある実施例では、被験者12のループゲインに関する情報を決定するために、被験者が眠っている間に刺激が被験者に付与される。上記の通り、被験者12の睡眠の安定度はトリガ・モジュール32によって決定され、被験者が、被験者への刺激の付与の間に目覚めた場合、被験者の睡眠の安定度が再び充分になるまで刺激の付与が中断又は中止される。刺激は、刺激発生器18によって付与され、被験者12の気道に存在するガス中の二酸化炭素レベルを低下させるステップを含む。これは、ごく僅かに換気を増すことによって、これが気道から二酸化炭素を洗い落とした結果として、被験者によって吸入される二酸化炭素を減少させ、被験者12の気道に供されたガスの流れの流量比及び/又は圧力比を増加させることによって達成されることができる。
【0042】
ある時点で、被験者12によって吸い込まれた二酸化炭素が減少するので、被験者の呼吸は、血液中の酸素/二酸化炭素のレベルを調整するために漸増-漸減を開始することであろう。呼吸のこの漸増-漸減は、パラメータ・センサ16によって生成された(例えば、上気道でのガスの流れに関する情報を伝達する)複数の出力信号に基づいて検出されることができる。被験者12によって吸入された、呼吸の漸増-漸減が生じる、二酸化炭素の減少に関する情報(例えば圧力の増加に関する情報)は、被験者12のループゲインを特徴づけるためにインプリメントされることができる。この技術が限定することを意図していないこと、及び疑似ランダムな2進系列、複数の呼吸による減圧、及び/又は比例援助換気などの他の技術が、換気制御フィードバック・ループゲインを特徴づけるために、パラメータ・モジュール38によって実行されることができる点が理解されるべきである。
【0043】
ある実施例では、パラメータ・モジュール38は、1つ以上の睡眠表現型のパラメータに関する情報をシステム10のユーザから取得する。当該ユーザは、被験者12、治療-提供者、研究者等を含んでもよい。ユーザは、ユーザ・インターフェース28を介して情報をシステムに入力することによって、当該情報をパラメータ・モジュール38に提供する。例えばユーザは、患者が訴えた症状、又は所定の質問に対する反応に関する(例えば、昼間の眠気指数、ピッツバーグの睡眠品質指数等の)情報を提供することができる。
【0044】
表現型のモジュール40は、パラメータ・モジュール38によって決定された1つ以上の睡眠表現型のパラメータに基づいて、被験者12の睡眠表現型を決定するよう構成されている。被験者12の表現型を決定するステップは、被験者の睡眠表現型を表す測定基準を決定するステップを含むことができる。被験者12の睡眠表現型は、被験者が蒙っている1つ以上の睡眠関連の呼吸障害を表していてもよい。ある実施例では、表現型のモジュール40は、リアルタイム又は殆どリアルタイムで睡眠表現型を決定する。上記の如く、睡眠表現型のパラメータは、臨界咽頭閉塞圧、上気道の振動、上気道の筋肉反応、覚醒閾値、又はループゲインを含むが、これらに限定されるものではない。
【0045】
表現型のモジュール40は、被験者12に対する、被験者が蒙っている1つ以上の睡眠関連の呼吸障害の治療に有効でありそうな治療を規定するために、決定された睡眠表現型に影響を及ぼすことができる。表現型のモジュール40がリアルタイム又は殆どリアルタイムで被験者12の睡眠表現型を決定する実施例では、システム10は、睡眠表現型の決定と共に即刻(又は、実質的に即刻)、規定された治療を行ってもよい。これは、1つ以上の睡眠表現型のパラメータを決定するために行われたテストの期間と同じ睡眠の期間に、規定された治療に対する被験者12の反応がモニタされることを可能にする。
【0046】
ある実施例では、パラメータ・モジュール38によって決定された睡眠表現型のパラメータに関する情報は、個々の睡眠表現型のパラメータに対する数値のスコアを含んでいる。これらのスコアは次に、測定基準を決定するために、睡眠表現型のモジュール40によってインプリメントされる。例えば、これらのスコアは、患者12の睡眠表現型を表す単独のスコアを決定するために、(例えば、平均化により、加重平均化等によって、)集計されることができる。
【0047】
別の例として、パラメータ・モジュール38によって決定されたスコアは、n次元空間72のベクトル70を決定するために使用され、ここで、nは、パラメータ・モジュール38がスコアを決定した、睡眠表現型のパラメータの個数を表し、個々のスコアが、ベクトルの座標である。例が図5に例示されているこの実施例では、n次元の空間は、領域A、同B、同C、及び同Dに分割されることができる。当該領域は、同じタイプの治療に有効に反応する睡眠表現型のクラスタと対応するよう事前に決定されていてもよい。表現型のモジュール40は、次に、被験者12に関するベクトルが存在する領域に対応する、被験者12が蒙っている睡眠に関連する(複数の)呼吸障害に対する治療のコースを処方する。図5に示された例では、空間72は、表現型のクラスタ、及び以下のパラメータ、即ちPcrit(睡眠時に上気道が閉鎖し始める圧力)、ループゲイン、及び覚醒閾値に対する暫定の治療法を含む。各々の暫定の治療法が、陰影のついた楕円で示されている。この例では、患者は、Pcrit、ループゲイン、及び覚醒閾値の測定に基づいて、神経の薬物治療が彼/彼女のために最適であること示唆している表現型を提示する。したがって、所与の患者に対して最適であると考えられる治療法のタイプは、表現型に依存するであろうことが理解され得る。
【0048】
図4は、被験者の睡眠表現型のパラメータを決定する方法44を例示している。当該方法44の様々な動作が実施されるものとして、及び/又は(図1に例示され、上で説明された)システム10の構成要素によって実行されるものとして、これ以降開示されているにもかかわらず、これが例示目的であるに過ぎないことが理解されるべきである。他の実施例では、当該方法44は様々なシステムによって、及び様々な前後関係にて実行されることができる。
【0049】
方法44は動作46を含み、 ここでは、被験者の1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、1つ以上の出力信号が生成される。1つ以上の生理的な機能が、被験者の睡眠のステージを示している。実施例では、動作46は(図1に例示され、上で説明された)睡眠センサ14と同様の睡眠センサによって実施される。
【0050】
動作48で、被験者の現在の睡眠のステージが、動作46で生成された複数の出力信号に基づいて決定される。実施例では、動作48は(図1に例示され、上で説明された)プロセッサ20内にある睡眠モジュール30と同様に、プロセッサ内にある睡眠モジュールによって実行される。
【0051】
動作50で、トリガ条件が満たされたかどうかに関する判定が成される。トリガ条件を満たすことは、被験者の睡眠の安定度が、睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するためのテストを行うのに適していることを示している。動作50での判定は、動作46で生成された複数の出力信号と、動作48で判定された被験者の現在の睡眠のステージとの、一方又は両方に基づく。実施例では、動作50は(図1に例示され、上で説明された)プロセッサ20内にあるトリガ・モジュール32と同様に、プロセッサ内にあるトリガ・モジュールによって実施される。
【0052】
トリガ条件が満足されないと動作46で判定された場合、次に、方法44は動作46へと戻り、睡眠表現型のパラメータを決定することを続けることはない。トリガ条件が満たされると動作50で決定された場合、方法44は動作52へと進む。実施例では、上でのトリガ・モジュール32の機能についての説明から、動作50が「1回限りの」決定ではなく、代わりに、表現型のパラメータの決定を可能にする情報が集められるので、トリガ条件が、方法44を通じて満たされ続けることを確実とするために、被験者の睡眠の連続したモニタリング、又は頻繁なモニタリングを含むことが理解されるべきである。
【0053】
動作52で、睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する、1つ以上の出力信号が生成される。実施例では、動作52は(図1に例示され、上で説明された)パラメータ・センサ16と同様のパラメータ・センサによって実施される。実施例では、1つ以上の出力信号が、動作50で成された判定に関して生成されるのではなく、トリガ条件が満たされたと動作50で決定されない限り、動作52で生成された(複数の)出力信号は、睡眠表現型のパラメータの決定にインプリメントされないことが理解されるべきである。
【0054】
動作54で、刺激が被験者に付与される。刺激に対する被験者の反応が睡眠表現型のパラメータを、動作52で生成された複数の出力信号から決定されることを可能にするよう、刺激が被験者に付与される。実施例では、動作54は(図1に例示され、上で説明された)刺激発生器18と同様の刺激発生器によって実施される。当該刺激発生器は(図1に例示され、上で説明された)プロセッサ20内にある刺激モジュール34と同様に、プロセッサ内にある刺激モジュールによって制御される。具体的な睡眠表現型のパラメータを決定する点に関する上記の説明から、動作54が、すべての表現型のパラメータに対して方法44に含まれているというわけではなく、刺激の付与が決定を容易にする複数のパラメータに対してのみ方法44に含まれていることが理解されなければならない。
【0055】
動作56で、所定のイベントが起こったかどうかに関する判定が成される。例えば、実施例では、所定のイベントは(例えば、流量が限定された呼吸、(完全、若しくは部分的な)気道閉塞、いびき等の)呼吸イベントを含む。動作56で成される判定は、動作46及び動作52の一方又は両方で生成された出力信号に基づいて成される。実施例では、動作56は、プロセッサ20内にあるイベント・モジュール36と同様に、プロセッサ内にあるイベント・モジュールによって実施される。具体的な睡眠表現型のパラメータの決定に関する上記の説明から、動作56が、すべての表現型のパラメータに対して、方法44に含まれているのではなく、イベントに対する被験者の反応が決定を容易にする、複数のパラメータに対してのみ、方法44に含まれている点が理解されるべきである。
【0056】
動作58で、睡眠表現型のパラメータに関する情報が決定される。実施例では、動作58は(図1に例示され、上で説明された)プロセッサ20内にあるパラメータ・モジュール38と同様に、プロセッサ内にあるパラメータ・モジュールによって実施行される。
【0057】
動作60で、動作58で決定された睡眠表現型のパラメータに関する情報が記憶される。実施例では、当該情報は(図1に例示され、上で説明された)記憶モジュール22と同様の記憶モジュール内に記憶される。
【0058】
動作62で、被験者の睡眠表現型は、動作58で決定された情報に基づいて決定される。実施例では、動作62は(図1に例示され、上で説明された)プロセッサ20内にある表現型モジュール40と同様に、プロセッサ内にある表現型モジュールによって実施される。
【0059】
本発明が、最も実際的であり、好ましい実施例であると現在考慮されるものに基づいて、例示目的のために、詳細に説明されたにもかかわらず、斯様な詳細は単に上記の目的のためにだけあること、及び、本発明は、開示された実施例に限定されることはなく、これに反して、添付の請求項の範囲内及び意図内にある、修正及び等価な配置を網羅することを意図している点が理解されるべきである。例えば、本発明は、いずれの実施例の1つ以上の特徴も、可能な限り、いずれの他の実施例の1つ以上の特徴と組み合わせられることができることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータの決定を可能にするシステムであって、当該システムは、
− 前記被験者の睡眠のステージを示す1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する1つ以上の出力信号を生成する睡眠センサと、
− 被験者への刺激を選択的に付与する刺激発生器であって、
前記刺激に対する前記被験者の反応が、1つ以上の前記睡眠表現型のパラメータに関する情報が決定されることを可能にする刺激発生器と、
− 前記睡眠センサによって生成された1つ以上の前記出力信号を受信し、前記刺激発生器と通信を行うプロセッサと、を有し、
当該プロセッサは、(i)前記睡眠センサから受信した1つ以上の前記出力信号に基づいて、前記被験者の現在の睡眠のステージに関するトリガ条件が満たされているかどうかを決定し、(ii)前記トリガ条件が満たされる場合、前記被験者への前記刺激を付与するよう前記刺激発生器を制御する、システム。
【請求項2】
前記トリガ条件が、前記睡眠センサによって生成された1つ以上の前記出力信号から決定された、1つ以上の前記生理的な機能の中の少なくとも1つの閾値測定を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記トリガ条件が更に、当該トリガ条件が満たされる前に、1つ以上の前記生理的な機能の中の少なくとも1つが前記閾値を超えていなければならない所定の量の時間を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記トリガ条件がもはや満たされない場合、前記プロセッサは、前記被験者への前記刺激の付与を中断又は中止するよう前記刺激発生器を更に制御する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムが更に、前記被験者の1つ以上の前記睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の前記生理的な機能に関する情報を伝達する1つ以上の前記出力信号を生成するパラメータ・センサを有し、前記プロセッサが、当該パラメータ・センサによって生成された1つ以上の前記出力信号を受信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは更に、前記刺激発生器が前記被験者への前記刺激を付与する場合、前記パラメータ・センサによって生成された1つ以上の前記出力信号に基づいて、1つ以上の前記睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムが更に記憶モジュールを有し、前記プロセッサは更に、前記刺激発生器が前記被験者へ前記刺激を付与した場合、前記パラメータ・センサによって生成された1つ以上の前記出力信号に関する情報を当該記憶モジュールへ記憶する、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサが更に、前記被験者への前記刺激の付与に関する情報を前記記憶モジュールへと記憶する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記プロセッサが更に、前記睡眠センサによって生成された1つ以上の前記出力信号に基づいて前記被験者の現在の睡眠のステージを決定し、前記トリガ条件が、前記プロセッサによって決定された前記現在の睡眠のステージが、必要とされる睡眠のステージを含む場合、前記被験者への前記刺激の付与が開始されるよう構成されている、当該必要とされる睡眠のステージを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記トリガ条件は更に所定の量の時間を含み、前記プロセッサによって決定された前記現在の睡眠のステージが、少なくとも当該所定の量の時間の間、前記必要とされる睡眠のステージであった場合、前記被験者への前記刺激の付与が開始される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記刺激に対する前記被験者の反応は、呼吸障害、流量が限定された呼吸、覚醒、いびき、又は、気道閉塞、の内の1つ以上のものを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
1つ以上の前記睡眠表現型のパラメータが、臨界咽頭閉鎖圧力、上気道振動、上気道の筋肉反応、覚醒閾値、又は、ループゲイン、の中の1つ以上のものを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
1つ以上の前記睡眠表現型のパラメータに関する情報が、前記睡眠表現型のパラメータの中の少なくとも1つを表す測定基準のスコアを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
被験者の1つ以上の睡眠表現型のパラメータの決定を可能にする方法であって、当該方法は、
− 前記被験者の1つ以上の、前記被験者の睡眠のステージを示している生理的な機能に関する情報を伝達する、1つ以上の出力信号を生成するステップと、
− 前記被験者の現在の睡眠のステージに関するトリガ条件が満たされたかどうかを、前記生成された1つ以上の出力信号に基づいて決定するステップと、
− 前記トリガ条件が満たされたことが判定された場合、前記被験者へ刺激を付与するステップと、を含み、前記刺激に対する前記被験者の反応が、1つ以上の前記睡眠表現型のパラメータに関する情報が決定されることを可能にする、方法。
【請求項15】
前記トリガ条件が、生成された1つ以上の前記出力信号によって伝達される、1つ以上の前記生理的な機能の中の少なくとも1つの閾値測定を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記トリガ条件が更に、前記トリガ条件が満たされる前に、1つ以上の前記生理的な機能が閾値を超えていなければならない、所定の量の時間を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記の方法が更に、前記トリガ条件がもはや満たされない場合、前記被験者への前記刺激の付与を中止又は中断するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記の方法が更に、前記被験者の1つ以上の前記睡眠表現型のパラメータに関する1つ以上の生理的な機能に関する情報を伝達する1つ以上の追加の出力信号を生成するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記の方法が更に、1つ以上の前記追加の出力信号に基づいて、1つ以上の前記睡眠表現型のパラメータに関する情報を決定するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記の方法が更に、前記刺激が前記被験者に付与された場合、生成された1つ以上の前記追加の出力信号に関する情報を記憶するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記の方法が更に、前記被験者への前記刺激の付与に関する前記情報を記憶するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記の方法が更に、生成された1つ以上の前記出力信号に基づいて、前記被験者の現在の睡眠のステージを判定するステップを含み、前記トリガ条件が、必要とされる睡眠のステージを含み、前記プロセッサによって判定された前記現在の睡眠のステージが、当該必要とされる睡眠ステージである場合、前記被験者への前記刺激の付与が開始される、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記トリガ条件が更に、所定の量の時間を含み、前記プロセッサによって判定された前記現在の睡眠のステージが、少なくとも当該所定の量の時間の間、前記必要とされる睡眠のステージであった場合、前記被験者への前記刺激の付与が開始される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記刺激に対する前記被験者の反応が、呼吸障害、流量が限られた呼吸、覚醒、又は気道閉塞の中の、1つ以上のものを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
1つ以上の前記睡眠表現型のパラメータが、臨界咽頭閉鎖圧力、上気道振動、上気道の筋肉反応、覚醒閾値、又はループゲインの中の、1つ以上のものを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
1つ以上の前記睡眠表現型のパラメータに関する前記情報が、前記睡眠表現型のパラメータの中の少なくとも1つを表す測定基準のスコアを含む、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−500110(P2011−500110A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527025(P2010−527025)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/076560
【国際公開番号】WO2009/042454
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)
【Fターム(参考)】