説明

自動合焦装置、撮像装置及び合焦位置検出方法

【課題】
コントラスト特性の異なる様々な被写体に対して容易に合焦動作を行うことができる自動合焦装置、これを用いた撮像装置及び合焦位置検出方法を提供すること。
【解決手段】
本発明にかかる自動合焦装置は、撮像の結像位置を調整するための合焦用レンズ101aを含む光学レンズ101と、合焦用レンズ101aを移動させるレンズ駆動手段109と、光学レンズ101によって結像される撮像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子102とを有する。また、本発明にかかる自動合焦装置は、合焦用レンズ101aを移動させながら、複数のレンズ位置で得た画像信号から高周波成分を検出し、さらに、先に検出した高周波成分の大きさを反映した重み付けによって前記光学レンズ位置の加重平均を求め、得られたレンズ位置を合焦点とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像信号のコントラストを検出してレンズの合焦位置を決定する自動合焦装置及び合焦位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ等においてピント合わせを行う自動合焦装置では、赤外線等を用いた測距手段を利用するアクティブ方式又はレンズを通して撮影された撮像信号を用いたパッシブ方式が用いられてきたが、現在では、小型化、マクロ撮影等の特徴を有するパッシブ方式が大勢を占めるに至っている。
【0003】
パッシブ方式の一つに、レンズによって撮像素子に結像して得られた撮像信号中の高周波成分、つまりコントラストが最大となるようレンズ位置を移動させて合焦させるコントラスト検出方式がある。このコントラスト検出方式は測距手段が不要で構成が簡易であるため低コスト化、小型化に適しており、自動合焦装置での制御方式として広く採用されている。
【0004】
コントラスト検出方式では、いかに精度良く高速に合焦点を検出してピント合わせを行うかが性能競争における課題となっている。このため、従来から、撮像信号の高周波成分の特性に基づいて高周波成分の最大点である合焦点を予測することによって、合焦動作の高速化を図る技術が提案されている。例えば特許文献1には、高周波成分曲線をガウス分布曲線で近似することにより合焦点を予測する技術及び予め実験的に得た特性曲線にあてはめることによって合焦点を予測する技術が開示されており、特許文献2には、高周波成分曲線を二次曲線で近似することにより合焦点を予測する技術が開示されている。また、特許文献3には、絞りの異なる2つの状態において、2以上のレンズ位置における撮像の高周波成分を取得し、これらの高周波成分量から近似式を算出し、さらに合焦位置を予測する技術が開示されている。
【特許文献1】特開昭62−203485号公報
【特許文献2】特開昭62−208012号公報
【特許文献3】特許第2912649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、被写体によって絵柄やその周波数成分が異なるので、様々な被写体の撮像信号の高周波成分の特性が一様な山型の特性になることはほとんどない。このため、合焦点を予測し、その位置にレンズを移動する従来の技術では、種々の被写体に対応させる場合に困難になる。さらに、特許文献3に開示されている、絞りの異なる2つの状態の撮像信号によって近似式を求めるために必要となるレベル補正回路や補正方法及び山頂の推定方法のように、正確な合焦点の予測を図った技術ほど構成、制御方法が複雑となり、低コスト化、小型化にはあまり適していないと考えられる。
【0006】
上述の問題は、いかに精度よく合焦点である高周波成分の山頂位置を予測するかを考えることから生じている。そのため、翻って、合焦点の少々の行き過ぎを許容した上で高周波成分の山頂位置の検出を行うこととすれば、従来技術における複雑な点が解消され、かつ、種々の被写体に対して良好なピント合わせ精度を得ることが可能となる。
【0007】
本発明は、上述の事情を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、コントラスト特性の異なる様々な被写体に対して容易に合焦動作を行うことができる自動合焦装置、これを用いた撮像装置及び合焦位置検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる自動合焦装置は、撮像の結像位置を調整するための合焦用レンズを含む光学レンズ系と、前記合焦用レンズを移動させる駆動手段と、前記光学レンズ系によって結像される撮像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子と、前記合焦用レンズを移動させながら、複数のレンズ位置で得た前記画像信号から高周波成分を検出する手段と、前記高周波成分の大きさを反映した重み付けを行った前記光学レンズ位置の加重平均によって、合焦点となるレンズ位置を算出する手段とを有するものである。このような構成により、簡易な加重平均計算によって合焦点が得ることができるため、低コスト化、小型化に適した簡易な制御によって合焦動作を行うことができる。
【0009】
なお、前記加重平均の重みは、前記画像信号から検出した高周波成分の大きさとすることが望ましい。これにより、加重平均の実施時に、重みの決定のための付加的な演算処理を伴うことなく、合焦点を得ることができる。
【0010】
また、前記加重平均の重みは、前記画像信号から検出した第1の高周波成分を、第1の高周波成分より低い周波数まで含む帯域幅で前記画像信号から検出した第2の高周波成分で除算した値としてもよい。
【0011】
さらに、前記加重平均を行う複数の光学レンズ位置は、前記光学レンズの移動による高周波成分の変化量が、高周波成分が増加傾向にあることを判定するために予め定められた第1の閾値を越えることにより、高周波成分の増加傾向を判定した光学レンズ位置のうち最後の光学レンズ位置と、前記光学レンズの移動による高周波成分の変化量が、高周波成分が減少傾向にあることを判定するために予め定められた第2の閾値を超えることにより、高周波成分の減少傾向を判定した最初の光学レンズ位置と、前記光学レンズの移動中に高周波成分の最大値を検出した光学レンズ位置の3点としてもよい。これにより、高周波成分に重畳したノイズの影響を回避しつつ、少ないサンプル数での加重平均によって合焦点を得ることができる。
【0012】
一方、本発明にかかる撮像装置は、上述の自動合焦装置を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明にかかる合焦位置検出方法は、光学レンズを通して撮像素子に結像する被写体の画像信号から高周波成分を検出し、検出した高周波成分が最大となるよう前記光学レンズの位置を移動させて合焦を行う合焦位置検出方法であって、前記光学レンズを移動させながら、複数のレンズ位置で得た前記画像信号から高周波成分を検出するステップと、前記高周波成分の大きさを反映した重み付けを行った前記光学レンズ位置の加重平均によって、合焦点となるレンズ位置を算出するステップとを含むものである。
【0014】
なお、上述の合焦位置検出方法における加重平均の重みは、前記画像信号から検出した高周波成分の大きさとすることが望ましい。これにより、加重平均の実施時に、重みの決定のための付加的な演算処理を伴うことなく、合焦点を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、コントラスト特性の異なる様々な被写体に対して容易に合焦動作を行うことができる自動合焦装置、撮像装置及び合焦位置検出方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明の実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態にかかる自動合焦装置の構成図である。レンズ101は、被写体の像を撮像素子102に結像させるための光学レンズである。後述する合焦制御回路107によって制御されるレンズ駆動手段109により、レンズ101に含まれる合焦用レンズ101aの位置を光軸方向に移動させてピント合わせを行う。撮像素子102は、レンズ101を介して入射した光信号を電気信号に変換するセンサであり、例えばCCDセンサあるいはCMOSセンサ等である。信号処理回路103は、撮像素子102で得られた撮像信号をデジタル画像信号に変換する。103aは信号処理回路103からの画像信号出力端子である。自動合焦回路104は、画像信号の高周波成分を抽出してコントラストが高くなるよう、レンズ101に含まれる合焦用レンズ101aの位置を移動させることにより、合焦動作を行う。
【0017】
自動合焦回路104は、図1に示すように高域フィルタ105、検波回路106、合焦制御回路107、山頂位置算出手段108を含んでいる。ここで高域フィルタ105は、撮像素子102で得られた画像信号から高周波成分を取り出すフィルタであり、ハイパスフィルタ又は高域のバンドパスフィルタである。検波回路106は、高域フィルタ105を通して得た高周波成分を検波し、さらに検波した信号を積分して高周波成分量を算出する回路であり、得られた積分値(高周波成分量)を自動合焦用信号(以下、AF用信号)として合焦制御回路107に出力する。合焦制御回路107は、後述する詳細動作に従って、AF用信号が最大となるようレンズ駆動手段109により合焦用レンズ101aを駆動して自動合焦動作を実行する回路である。
【0018】
山頂位置算出手段108は、検波回路106が出力する高周波成分量を示すAF用信号と、合焦制御回路107が出力するレンズ移動量を示す信号を元に後述する演算を行うことにより、画像信号のコントラストが最大となる山頂位置に相当するレンズ位置を求め、当該位置に合焦用レンズ101aを駆動させるよう合焦制御回路107に指示を行うものである。
【0019】
次に、山頂位置算出手段108における山頂位置の算出方法について、図2を用いて説明する。図2において、横軸はレンズ101に含まれる合焦用レンズ101aのレンズ位置を示し、縦軸は、検波回路106で得られた画像信号の高周波成分量Vfを示している。ここで、高周波成分量Vfは、合焦制御回路107がAF用信号取り込みタイミングと同期して山頂位置算出手段108が取り込みを行うものである。なお、山頂位置算出手段108は、Vfの取り込みと合わせて、Vfに対応するレンズ位置の取り込みも行う。
【0020】
以下では、Vfの取り込み周期の間に、レンズ位置が2だけ移動する場合を想定して説明する。図2では、最初のレンズ位置1に対応する高周波成分量がVf1であり、同様にレンズ位置2に対応する高周波成分量がVf2として、以降も同様に定めている。ピントが合う合焦点は高周波成分量Vfが最大となるレンズ位置であり、図2の例では、高周波成分量がVf6となるレンズ位置10が合焦点に相当する。
【0021】
図2の例で、山頂位置である最大点Vf6を検出するために、従来から行われている方法は以下の通りである。まず、レンズ位置を変化させたときのVfの変化量を検知しておき、Vfの変化が増加から減少に転じた点をVfの最大点とすればよい。このようにして求めたVfの最大点に相当するレンズ位置が合焦点であり、この位置に合焦用レンズ101aを移動させるよう制御することによって合焦動作が終了する。
【0022】
しかしながら、実際の画像信号中にはノイズが重畳しているため、高周波成分量Vfの山頂付近では、レンズ位置に対してVfが単調な増加傾向又は減少傾向とならず、従来の方法では山頂位置の検出が困難である。
【0023】
従来の方法を改良した本発明におけるレンズ位置の決定方法を以下に説明する。本発明では、複数のレンズ位置における高周波成分量Vfの値を用いて、レンズ位置とVfとの重み付けを行って、Vfが最大となるレンズ位置を求める。具体的には、以下の式(1)で表される加重平均によって、合焦点であるレンズ位置Lmaxを求めることができる。
Lmax=Σ(Li×Vfi)/ΣVfi ・・・・(1)
ここでLiは合焦動作中のレンズ位置の1つであり、Vfiはレンズ位置Liにおける高周波成分量である。
【0024】
式(1)に従って合焦点となるレンズ位置を求める具体例について、図3を用いて説明する。図3は、レンズ位置と高周波成分量Vfとの関係を示している。合焦動作において、高周波成分の最大点近傍の値として、図3に示すVfa、Vfb、Vfc及びVfdの4点が得られたとする。ここで、式(1)の加重平均の対象とする検出点を、Vfの最大点に最も近い山登りの点(増加傾向にある点であり、図3ではVfb)、Vfの最大点(図3ではVfc)及びVfの最大点に最も近い山下りの点(減少傾向にある点であり、図3ではVfd)の3点によって求める場合、合焦点レンズ位置Lmaxは、
Lmax=(5×10+13×13+19×7)/(10+13+7)=11.7 ・・・・(2)
となる。また、Vfが最大となるレンズ位置を含む近傍の4点で平均を求める場合は、Vfa乃至Vfdの4点の値を用いて、Lmax=11.1となる。このように、Vfの最大点に近い検出点を増やすことによって、合焦点レンズ位置の算出精度が向上する。
【0025】
このように、Vfの最大点に近い複数のレンズ位置の加重平均をとって合焦点レンズ位置を求める方法は、レンズ位置とVfの関係をガウス曲線あるいは二次曲線等の何らかの近似式で近似することにより合焦点レンズ位置を求める従来の方法に比べて、合焦点レンズ位置を求める処理が簡便となるため、マイコンを用いて制御されることが多い合焦制御回路107の実装に適している。
【0026】
さらに、Vfa乃至Vfdといった最大点近傍でのVfの検出の際は、高周波成分に含まれるノイズの影響によって、山登り状態(増加傾向)であるのか、山下り状態(減少傾向)に転じているのかの判定が難しいという問題がある。この問題は、山を登っていることを判断する為の山登り検出用閾値Thup、及び、山を下っていることを検出する為の山下り検出用閾値Thdwを設け、山登り状態と山下り状態を確実に検出する耐ノイズ性に優れた山頂位置の検出方法によって克服できる。
【0027】
この合焦点レンズ位置を求める動作フローをについて図4のフローチャートを用いて説明する。コントラスト検出による自動合焦動作が開始されると、まず、ステップS1において、山を登る方向に制御する山登り方向の設定を行う。ここではまず、初期値としてVfを取得し、取得したVfをレンズ位置と対応付けて自動合焦回路104が有するメモリ(図示せず)に保存する。さらにこのときのVfを最大Vfの初期値としてもメモリ(図示せず)に保存する。次に、光軸方向において前後どちらかの方向に合焦用レンズ101aを移動させ、移動後のVfを取得する。続いて、移動開始前のVfと移動後のVfとを比較し、所定の値だけVfが低下した場合、移動方向が間違っていたとして合焦用レンズ101aの移動方向を反転させる。
【0028】
次にステップS2では、合焦用レンズ101aを所定の距離だけ移動する。ステップS3では、合焦用レンズ101a移動後のVfを取得し、取得したVfをレンズ位置と対応付けて自動合焦回路104が有するメモリ(図示せず)に保存する。
【0029】
続くステップS4乃至S8では、山登り継続の確認を行う。まずステップS4の判定で、ステップS3で取得した新たなVfが、合焦用レンズ101a移動前のVfとして自動合焦回路104が有するメモリ(図示せず)に保存された現在のVfと比べて大きい場合には、山登りが継続していることが確認されたとして新たなVfを最大Vfとしてメモリ(図示せず)に保存する(ステップS5)。さらに、ステップS6の判定において、ステップS3で取得した新たなVfが、合焦用レンズ101a移動前のVfとして自動合焦回路104が有するメモリ(図示せず)に保存された現在のVfと比べて山登り判定閾値Thup以上に大きくなった場合には、新たなVfを山登り途中Vfとしてメモリ(図示せず)に保存する(ステップS7)。その後は、新たなVfを現在のVfと置き換え(ステップS8)、ステップS2に戻ってレンズ移動、Vf取得を繰り返す。
【0030】
一方、ステップS4の判定において、ステップS3で取得した新たなVfが、合焦用レンズ101a移動前のVfとして自動合焦回路104が有するメモリ(図示せず)に保存された現在のVfと比べて小さい場合には以下の手順となる。ステップS9の判定で、最大Vfとしてメモリ(図示せず)に保存された値と新たなVfとの差が、山下り判定閾値Thdw以上に大きくなった場合、山下りを検出したとして、新たなVfを山下り検出Vfとしてメモリ(図示せず)に保存して山登り動作を終了する(ステップS10)。続いてステップS11では、山頂位置算出手段108において合焦点レンズ位置の算出を行う。
【0031】
ここで、合焦点レンズ位置の算出は、例えば、メモリに保存されたVfとその時のレンズ位置を用いて、上述した式(1)によって行うことができる。加重平均の対象とするVfとレンズ位置の組み合わせは、山登り途中Vf、最大Vf、及び山下りVfとして保存された3点のみで行うこととしてもよい。これによって、少数のレンズ位置の加重平均によって合焦位置を得ることができるため、制御が容易となる。また、合焦位置の検出精度を向上させるには、最大Vf近傍の複数のVfとその時のレンズ位置を用いて加重平均を行えばよい。
【0032】
図4に戻り、ステップS9の判定で、最大Vfとしてメモリ(図示せず)に保存された値と新たなVfとの差が、山下り判定閾値Thdw以下である場合は、新たなVfを現在のVfと置き換え(ステップS12)、ステップS2に戻ってレンズ移動動作及びVf取得動作を繰り返す。
【0033】
このようにして、山頂位置検出動作で得た複数のVfとその時のレンズ位置からVfが最大となるレンズ位置(合焦点)を算出することにより、合焦精度を容易に向上することができる。
【0034】
発明の実施の形態2.
上述した発明の実施の形態1では、加重平均によって合焦点にあたるレンズ位置を求める際に、高周波成分量Vfで重み付けを行う場合を説明したが、この重み付けは高周波成分そのものを用いなくてもよい。他の例を、図5を用いて説明する。
【0035】
図5は、本発明の実施の形態にかかる自動合焦装置の構成を示したものである。図5において、105Aは高域フィルタA、105Bは高域フィルタBであり、それぞれの検波回路が106A、106Bである。山頂位置算出手段208は、後述する合焦点算出方法によって、合焦点レンズ位置を求める。その他は、図1において示した発明の実施の形態1にかかる構成と同一の機能を有しているため説明を省略する。高域フィルタ105A及び105Bは、画像信号の高周波成分を抽出するフィルタであり、ハイパスフィルタ又は高域のバンドパスフィルタである。また、高域フィルタ105Aと高域フィルタ105Bは異なる周波数特性を有するフィルタであり、ここでは、高域フィルタ105Aが高域フィルタ105Bに比べてより低い周波数帯を抽出する特性を有するものとする。
【0036】
次に、山頂位置算出手段208で行われる合焦点算出の方法を説明する。本実施の形態では、検波回路106Aで得られた高周波成分量をVfA、検波回路106Bで得られた高周波成分量をVfBとすると、レンズ位置算出の重み付け用の値Vfとして、以下の式(3)を用いて2つの高周波成分の比で重み付けを行う。
Vf=VfB/VfA ・・・・(3)
なお、VfAとして画像信号そのものの積分値を用いてもよいが、2つの高周波成分の比で重み付けするほうが、撮像の輪郭や絵柄に対応しているので、より種々の被写体で同様な重み付けとなり、合焦位置算出の精度向上を図ることができる。
【0037】
発明の実施の形態3.
発明の実施の形態1で説明した自動合焦装置を備えたことを特徴とする本実施の形態にかかる撮像装置の構成を、図6を用いて説明する。なお、本発明にかかる自動合焦装置を備えた撮像装置は様々な形態が考えられる。図6の構成はその一例を示したものである。
【0038】
図中のCPU601は、撮像装置全体の制御を行うコントローラである。具体的には、撮影、記録媒体IF(インタフェース)606を介した記録媒体607への画像データの保存、操作スイッチ604を介した操作者による操作の受け付け、及び液晶モニタ605への表示等の通常の撮像装置で行われる処理の制御に加えて、上述した合焦制御、山頂位置算出、及び合焦用レンズ101aの駆動といった本発明にかかる制御を実施する。なお、CPU601における制御は、ROM602に格納された制御プログラムをRAM603にロードして実行することによって行うこととすればよい。また、RAM603は、CPU601が上述の制御を行う際の作業領域としても使用される。例えば、図4を用いて説明した山頂位置算出処理においては、処理中に一時的に保持する現Vfや最大Vfといった値の保持領域として使用される。
【0039】
図6のその他の部分は、図1において示した発明の実施の形態1にかかる自動合焦装置と同一の機能を有しているため説明を省略する。また、合焦位置を検出する原理及び方法は、発明の実施の形態1で示したものと同様であるため説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】発明の実施の形態1にかかる自動合焦装置の構成図である。
【図2】画像信号中の高周波成分とレンズ位置の関係を示す図である。
【図3】画像信号中の高周波成分とレンズ位置の関係を示す図である。
【図4】画像信号中の高周波成分の最大点を求める動作フロー図である。
【図5】発明の実施の形態2にかかる自動合焦装置の構成図である。
【図6】発明の実施の形態3にかかる撮像装置の構成図である。
【符号の説明】
【0041】
101 レンズ、101a 合焦用レンズ、102 撮像素子、103 信号処理回路、104自動合焦回路、107 合焦制御回路、108 山頂位置算出手段、109 レンズ駆動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像の結像位置を調整するための合焦用レンズを含む光学レンズ系と、
前記合焦用レンズを移動させる駆動手段と、
前記光学レンズ系によって結像される撮像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子と、
前記合焦用レンズを移動させながら、複数のレンズ位置で得た前記画像信号から高周波成分を検出する手段と、
前記高周波成分の大きさを反映した重み付けを行った前記光学レンズ位置の加重平均によって、合焦点となるレンズ位置を算出する手段と、
を有する自動合焦装置。
【請求項2】
前記加重平均の重みは、前記画像信号から検出した高周波成分の大きさとする、請求項1に記載の自動合焦装置。
【請求項3】
前記加重平均の重みは、前記画像信号から検出した第1の高周波成分を、第1の高周波成分より低い周波数帯域まで含む帯域幅で前記画像信号から検出した第2の高周波成分で除算した値とする、請求項1に記載の自動合焦装置。
【請求項4】
前記加重平均を行う複数の光学レンズ位置は、前記光学レンズの移動による高周波成分の変化量が、高周波成分が増加傾向にあることを判定するために予め定められた第1の閾値を越えることにより、高周波成分の増加傾向を判定した光学レンズ位置のうち最後の光学レンズ位置と、
前記光学レンズの移動による高周波成分の変化量が、高周波成分が減少傾向にあることを判定するために予め定められた第2の閾値を超えることにより、高周波成分の減少傾向を判定した最初の光学レンズ位置と、
前記光学レンズの移動中に高周波成分の最大値を検出した光学レンズ位置の3点である、請求項1乃至3のいずれかに記載の自動合焦装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の自動合焦装置を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
光学レンズを通して撮像素子に結像する被写体の画像信号から高周波成分を検出し、検出した高周波成分が最大となるよう前記光学レンズの位置を移動させて合焦を行う合焦位置検出方法であって、
前記光学レンズを移動させながら、複数のレンズ位置で得た前記画像信号から高周波成分を検出するステップと、
前記高周波成分の大きさを反映した重み付けを行った前記光学レンズ位置の加重平均によって、合焦点となるレンズ位置を算出するステップと、
を含む合焦位置検出方法。
【請求項7】
前記加重平均の重みは、前記画像信号から検出した高周波成分の大きさとする、請求項6に記載の合焦位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−23331(P2006−23331A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198800(P2004−198800)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】