説明

自動変速機のシフト操作装置

【課題】低コストで小型な自動変速機のシフト操作装置を提供する。
【解決手段】ピニオン軸15と、ピニオン15aと、ピニオン軸15と平行または同軸な回転軸を有し、ピニオン軸15に回転連結されたウォームホイール16と、トランスミッションケース11と、トランスミッションケース11に設けられ、トランスミッションケース11内にそれぞれ離間して立設されてピニオン軸15とウォームホイール16の少なくとも一方の2箇所をそれぞれ軸承する複数の支持部と、ウォームホイール16と噛合されたウォーム17と、ウォーム17を回転駆動するウォームホイール16の回転軸と平行な回転軸を有する電動モータ20と、変速機のギヤ段を切替える操作部材71、72と、操作部材71、72に形成されピニオン15aと噛合するラック部18と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用自動変速機のシフト操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの車両用の自動変速機として、動力の伝達効率がよいとされている歯車式手動変速機をベースにした変速機の自動化がいくつか提案されている。例えば特許文献1に開示されるように、電動モータによって歯車変速機構(以降シフト操作装置と称す)を駆動し、シフト操作装置のシフトフォークに係合されるシフトクラッチのスリーブを作動させギヤ段を切替えるものがある。
【0003】
特許文献1に開示されるものは、その図1に示すように、スライド機構Sの駆動源(スライドアクチュエータ)であるセレクト用駆動電動モータ10(スライド用駆動電動モータ)と、回動機構Rの駆動源(回動アクチュエータ)であるシフト用駆動電動モータ20(回動用駆動電動モータ)とからなる。変速用主軸30は、上部(図上)に円周状のラック31と、中央に変速用主軸駆動ギヤ36と軸方向に摺動可能に嵌合するスプライン32と、下方にレバー35とを備える。この変速用主軸30がセレクト用駆動電動モータ10の駆動によってスライドすると、シフトフォークF1、F2、F3の各ゲートG1、G2、G3のいずれかとそのレバー35が選択的に係合する。そして、その係合した状態で、シフト用駆動電動モータ20が回動用ピニオン22を回転させ、ベベルギヤである回動用ピニオン22、ベベルギヤである従動ギヤ39、第1中間駆動ギヤ38、第1中間被駆動ギヤ41、第2中間駆動ギヤ42、変速用主軸駆動ギヤ36及び変速用主軸30へと、順次回転力が伝達され回動し各シフトフォークを駆動して各ギヤ段の切替えを行なう。このように、回動用ピニオン22と従動ギヤ39にベベルギヤを採用することにより、変速用主軸30と従動ギヤ39とを同軸に配置し変速制御装置1をコンパクトな構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−139145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術においては、大きな駆動力が必要である各シフトフォークの駆動のために、従動ギヤ39と変速用主軸30との間に、第1中間駆動ギヤ38と第1中間被駆動ギヤ41と第2中間駆動ギヤ42と変速用主軸駆動ギヤ36とを介在させ、所望の減速比を得て、駆動力を確保している。このため、各ギヤを配置するためのスペースが必要となり小型化は充分ではない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、低コストで小型な自動変速機のシフト操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明の特徴は、自動変速機のシフト操作装置が、ピニオン軸と、前記ピニオン軸に形成されたピニオンと、前記ピニオン軸と平行または同軸な回転軸を有し、前記ピニオン軸に回転連結されたウォームホイールと、変速機を収納するトランスミッションケースと、前記トランスミッションケースに設けられ、前記トランスミッションケース内にそれぞれ離間して立設されて前記ピニオン軸と前記ウォームホイールの少なくとも一方の2箇所をそれぞれ軸承する複数の支持部と、前記ウォームホイールと噛合されたウォームと、前記ウォームを回転駆動する前記ウォームホイールの回転軸と直交する回転軸を有する電動モータと、前記トランスミッションケース内で前記変速機の有する出力軸の軸方向に移動可能に支承され、前記変速機のギヤ段を切替える操作部材と、前記操作部材に形成され前記ピニオンと噛合するラック部と、を有することである。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記トランスミッションケースは、ケース本体と、前記ケース本体と別体形成され前記ケース本体に固定されるケース蓋部とからなり、前記ケース蓋部に前記複数の支持部が設けられ、前記複数の支持部に前記ピニオン軸と前記ウォームホイールとが軸承されて組付体を形成し、前記組付体が前記ケース本体に着脱自在に固定されていることである。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または2において、前記ピニオン軸に形成された前記ピニオンと前記ウォームホイールとは、前記複数の支持部によってそれぞれ前記軸方向両側を軸承されていることである。
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項4に係る発明の特徴は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記ピニオン軸および前記ウォームホイールを支持する対向する各支持部はそれぞれ互いに平行に配置され、且つ前記ピニオン軸および前記ウォームホイールの各軸が、それぞれ軸承される前記対向する各支持部の各平面とそれぞれ直交していることである。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項5に係る発明の特徴は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記複数の支持部は、前記トランスミッションケースの内側平面に対して垂直に立設していることである。
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項6に係る発明の特徴は、請求項1乃至5のいずれか1項において、前記ピニオン軸に形成された前記ピニオンは前記複数の支持部によって前記軸方向一方側または他方側を軸承され、前記ウォームホイールは前記複数の支持部によって前記回転軸方向両外側を支持されていることである。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項7に係る発明の特徴は、請求項1乃至5のいずれか1項において、前記ウォームホイールは前記複数の支持部によって前記回転軸方向一方側または他方側を軸承され、前記ピニオン軸に形成された前記ピニオンは前記複数の支持部によって前記軸方向両外側を支持されていることである。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項8に係る発明の特徴は、請求項1乃至7のいずれか1項において、前記ピニオン軸と、前記ウォームホイールとは同軸で配置されていることである。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項9に係る発明の特徴は、請求項1において、前記ピニオン軸と前記ウォームホイールとは各軸が平行に配置され、前記ピニオン軸は前記複数の支持部によって前記ピニオン軸に形成された前記ピニオンの軸方向両側がそれぞれ軸承され、前記ウォームホイールは前記ピニオン軸を支持した支持部とは別の前記複数の支持部によって前記回転軸の前記一方側または他方側が軸承されていることである。
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項10に係る発明の特徴は、請求項1において、前記ピニオン軸と前記ウォームホイールとは各軸が平行に配置され、前記ウォームホイールは前記複数の支持部によって前記回転軸方向両側がそれぞれ軸承され、前記ピニオン軸は前記ウォームホイールを支持した支持部とは別の前記複数の支持部によって前記ピニオン軸に形成されたピニオンの前記軸方向一方側または他方側が軸承されていることである。
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項11に係る発明の特徴は、請求項1乃至10のいずれか1項において、前記操作部材は、変速機が有するギヤ段を切替えるためのシフトクラッチのスリーブに係合するシフトフォークと、該シフトフォークが固定されるフォークシャフトと、からなることである。
【0018】
上記の課題を解決するために、請求項12に係る発明の特徴は、請求項1乃至11のいずれか1項において、前記変速機は、軸体が前記トランスミッションケースに同軸で回転可能に軸承され駆動側の複数のギヤが同軸に配置された第1入力軸及び第2入力軸と、前記トランスミッションケースに回転可能に軸承され従動側の複数のギヤが夫々回転可能に支持された第1出力軸及び第2出力軸と、を備え、原動機の回転駆動力を前記第1入力軸に伝達する第1クラッチ及び前記回転駆動力を前記第2入力軸に伝達する第2クラッチを有するデュアルクラッチによって断接するデュアルクラッチ用の変速機であることである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、減速比の非常に大きなウォームホイールによって操作部材の駆動がされるので、減速のために組み合わせる歯車の数を削減できコンパクト化を図ることができる。また、トランスミッションケース内に立設される支持部にピニオン軸が支持され、径が比較的大きくなるウォームホイールを、ウォームホイールの回転軸とピニオン軸とが平行になるように配置したので、ウォームホイールをトランスミッションケース内に適切に配置することが可能となりコンパクト化を図ることができる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、ケース蓋部に複数の支持部が設けられ、該複数の支持部にピニオン軸とウォームホイールとが支持された状態でケース本体にケース蓋部が固定される。これによりケース蓋部の組付けをケース本体の組付けとは別工程で実施でき、組付けの効率が向上しコスト低減を図ることができる。なお、ケース蓋部にピニオン軸とウォームホイールとを支持する場合に、ピニオン軸とウォームホイールとを一つのケース蓋部に軸承する場合と、ケース蓋部を2つに分割し、ピニオン軸とウォームホイールとをそれぞれ別の蓋部に設ける場合が含まれる。
【0021】
ケース蓋部を2つに分割し別体とした場合は、一方のケース蓋部に設けられた支持部にピニオン軸が軸承されてピニオン軸組付体が形成され、他方のケース蓋体に設けられた支持部にウォームホイールが軸承されてウォームホイール組付体が形成される。このような構成によっても、2個のケース蓋部の組付けをケース本体の組付けとは別工程で実施でき、組付けの効率が向上しコスト低減を図ることができる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、ピニオン軸に形成されるピニオンとウォームホイールとが、2個の支持部によって両持ちで配置されるので、各軸は傾きにくい。これによりウォームホイールとウォームとは安定して噛合され、ピニオンとラックとの間も安定して噛合されて効率よく動力が伝達される。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、ピニオン軸およびウォームホイールを軸承する対向する2個の支持部が平行に設けられ、且つピニオン軸およびウォームホイールの各軸が、該各軸を軸承する各支持部の各平面とそれぞれ直交している。これによりピニオン軸およびウォームホイールの各軸は各支持部に対して効率よく安定して回転される。また各支持部に軸承されるウォームホイールをトランスミッションケース内に好適な姿勢で配置でき効果的にコンパクト化を図ることができる。
【0024】
請求項5に係る発明によれば、複数の支持部がトランスミッションケースの内側平面に対して垂直に立設している。これにより複数の支持部に軸承されるウォームホイールの回転軸はトランスミッションケースに対し、平行とすることが可能となりトランスミッションケース内に好適な姿勢で配置することができ、さらに効果的にコンパクト化を図ることができる。
【0025】
請求項6に係る発明によれば、ピニオン軸が片持ち支持され、ウォームホイールが回転軸を両持ち支持されており、これによってもコンパクト化が図れるとともに、ウォームホイール回転軸の傾きが少ないためウォームホイールとウォームとが確実に噛合され効率よく動力が伝達される。
【0026】
請求項7に係る発明によれば、ウォームホイールが回転軸を片持ち支持され、ピニオン軸が両持ち支持されており、これによってもコンパクト化が図れるとともに、ピニオン軸の傾きが少ないためピニオン軸と操作部材のラック部とが確実に噛合され効率よく動力が伝達される。
【0027】
請求項8に係る発明によれば、ピニオン軸と、ウォームホイールとは同軸で配置されているので、軸方向と直交する方向において小型化を図ることができる。このとき、ピニオン軸と、ウォームホイールとが一体で形成される場合においては軸方向においても小型化を図ることができる。またピニオン軸とウォームホイールとを連結して一体的に形成する場合には、ピニオン軸とウォームホイールとを別々に製作できる。これによってピニオン軸とウォームホイールとのそれぞれの製造が簡易になり総合での製造コストの低減が期待できる。さらにピニオン軸と、ウォームホイールとが別体で同軸の場合においてはピニオン軸と、ウォームホイールとをそれぞれ同軸上において所望の位置に配置できる。
【0028】
請求項9に係る発明によれば、ピニオン軸を支持する支持部と、ウォームホイールを支持する支持部とを別体とし、ピニオン軸のピニオンを両持ち支持し、ウォームホイールを片持ち支持する構成によっても、請求項1と同様にウォームホイールをトランスミッションケース内に適切に配置することが可能となりコンパクト化を図ることができる。
【0029】
請求項10に係る発明によれば、ピニオン軸を支持する支持部と、ウォームホイールを支持する支持部とを別体とし、ピニオン軸のピニオンを片持ち支持し、ウォームホイールを両持ち支持する構成によっても請求項1と同様にウォームホイールをトランスミッションケース内に適切に配置することが可能となりコンパクト化を図ることができる。
【0030】
請求項11に係る発明によれば、ラック部が操作部材であるシフトフォークまたはフォークシャフトに設けられる。これによりトランスミッションケース内に配置されるピニオンとラック部とを噛合させるための配置が簡易にできる。
【0031】
請求項12に係る発明によれば、シフト操作装置をデュアルクラッチ式自動変速機に適用する。デュアルクラッチ式自動変速機では、出力軸を2個以上備えるものが多く、各出力軸に対してシフト操作装置をそれぞれ設ける必要がある。これにより出力軸が1本の自動変速機に対して必要なシフト操作装置の数が多くなりシフト操作装置を小型化したときのメリットは一層大きなものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施形態に係るケース10のトランスミッションケース11及びクラッチハウジング12を側面からみた透視図である。
【図2】図1における2−2断面図である。
【図3】変速機の全体構造を示すスケルトン図である。
【図4】第1の実施形態に係るシフト操作装置の側面図である。
【図5】図4のA視図である。
【図6】図5のB視図である。
【図7】第2の実施形態に係るシフト操作装置の側面図である。
【図8】図7のC視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を具体化した変速機の第1の実施形態について、図1〜図6を参照し説明する。第1の実施形態である変速機1は、図1〜図3に示すように、前進7速のデュアルクラッチ式自動変速機であり、ケース10内の軸線方向に、第1入力軸21、第2入力軸22、第1出力軸31、及び第2出力軸32を備えている。またケース10内には、図3に示すように、デュアルクラッチ40、各変速段の駆動ギヤ51〜57、最終減速駆動ギヤ58、68、各変速段の従動ギヤ61〜67、後進ギヤ70、及びリングギヤ80を備えている。以降、第1入力軸21、第2入力軸22、第1出力軸31、及び第2出力軸32と同一軸方向を入出力軸方向と称す。
【0034】
ケース10は、図1、図2に示すように、ケース本体11aと、ケース蓋部11bとからなるトランスミッションケース11と、クラッチハウジング12とを有する。ケース本体11aは、複数の軸受けにより各軸を支承するとともに、上記の複数のギヤなどを含む潤滑箇所を潤滑するための潤滑油(図示せず)を収容している。
【0035】
ケース蓋部11bには第1出力軸31、及び第2出力軸32に対してそれぞれ設けられた第1〜第4シフトクラッチ101〜104を駆動し各変速段を切替えるための本発明に係るケース蓋部11bを含む各シフト操作装置90が設けられている(図2参照)。
【0036】
クラッチハウジング12は、トランスミッションケース11の端面と対向する端面を有し、トランスミッションケース11とボルト締結により固定されている。このクラッチハウジング12は、複数の軸受けにより各軸を支承するとともに、内部にデュアルクラッチ40を収容している。
【0037】
第1入力軸21は、軸受によりトランスミッションケース11、及びクラッチハウジング12に対して回転可能に支承されている。また、第1入力軸21の外周面には、軸受けを支持する部位と複数の外歯スプラインが形成されている。そして、第1入力軸21には、1速駆動ギヤ51及び3速駆動ギヤ53が直接形成されている。5速駆動ギヤ55及び7速駆動ギヤ57は、第1入力軸21の外周面に形成された外歯スプラインにスプライン嵌合により圧入されている。また、第1入力軸21には、デュアルクラッチ40の第1クラッチ41に連結される連結部が形成されている。
【0038】
第2入力軸22は、中空軸状に形成されており、第1入力軸21の1部の外周に複数の軸受を介して回転可能に支承され、且つ、軸受によりトランスミッションケース11、及びクラッチハウジング12に対して回転可能に支承されている。つまり、第2入力軸22は、第1入力軸21に対して同心に相対回転可能に配置されている。また、第2入力軸22の外周面には、第1入力軸21と同様に、軸受けを支持する部位と複数の外歯歯車が形成されている。第2入力軸22には、2速駆動ギヤ52、4速駆動ギヤ54及び6速駆動ギヤ56が形成されている。また、第2入力軸22は、デュアルクラッチ40の第2クラッチ42に連結される連結部が形成されている。
【0039】
第1出力軸31は、軸受によりトランスミッションケース11及びクラッチハウジング12に対して回転可能に支承され、トランスミッションケース11内において第1入力軸21に平行に配置されている。また、第1出力軸31の外周面には、最終減速駆動ギヤ58が形成されるとともに、軸受けを支持する部位と複数の外歯スプラインが形成されている。第1出力軸31の外歯スプラインには、第1及び第3シフトクラッチ101、103の各クラッチハブ201がスプライン嵌合により圧入されている。そして、図2に示すように第1及び第3シフトクラッチ101、103部近傍のトランスミッションケース11のケース蓋部11bには第1及び第3シフトクラッチ101、103を駆動する各シフト操作装置90がそれぞれ設けられている。最終減速駆動ギヤ58は、ディファレンシャル(差動機構)のリングギヤ80に噛合している。リングギヤ80はトランスミッションケース11内に配置されるギヤのなかで軸線方向において内燃機関E/G側に配置されている。
【0040】
さらに、第1出力軸31には、1速従動ギヤ61、及び3速従動ギヤ63、4速従動ギヤ64、後進ギヤ70を遊転可能に支持する支持部が形成されている。
【0041】
1速従動ギヤ61は第1入力軸21に形成された1速駆動ギヤ51と噛合され、第1入力軸21が回転するときは、常時回転している。また、第1入力軸21が回転しないときには、1速従動ギヤ61は走行中常時回転される最終減速駆動ギヤ58とともに回転する第1出力軸31の回転に、連れ回りされるよう第1出力軸31に支持されている。つまり、1速従動ギヤ61は、車両走行時に常に回転する。
【0042】
また、3速従動ギヤ63は、第1入力軸21に形成された3速駆動ギヤ53と噛合され、第1入力軸21が回転するときは、常時回転される。第1入力軸21が回転しないときには、3速従動ギヤ63は、1速従動ギヤ61と同様に走行中常時回転される最終減速駆動ギヤ58とともに回転する第1出力軸31の回転に連れ回りされ車両走行時に常に回転している。
【0043】
また、4速従動ギヤ64は、第2入力軸22に形成された4速駆動ギヤ54と噛合され、第2入力軸22が回転するときは、常時回転される。そして第2入力軸22が回転しないときには、4速従動ギヤ64は、1速、3速従動ギヤ61、63と同様に、走行中常時回転する最終減速駆動ギヤ58とともに回転される第1出力軸31の回転に連れ回りされ車両走行時に常に回転している。
【0044】
さらに、後進ギヤ70は、第2出力軸31に遊転可能に支持される2速従動ギヤ62に一体的に形成された小径ギヤ62aに常に噛合している。これにより、2速従動ギヤ62と噛合される第2入力軸22の2速駆動ギヤ52が第2入力軸22によって回転されると後進ギヤ70も同時に回転する。第2入力軸22が回転しないときには、後進ギヤ70は、1速、3速、4速従動ギヤ61、63、64と同様に、走行中常時回転する最終減速駆動ギヤ58とともに回転される第1出力軸31の回転に連れ回りされ車両走行時に常に回転している。
【0045】
第2出力軸32は、軸受によりトランスミッションケース11及びクラッチハウジング12に対して回転可能に軸承され、トランスミッションケース11内において第1入力軸21に平行に配置されている。また、第2出力軸32の外周面には、第1出力軸31と同様に、最終減速駆動ギヤ68が形成されるとともに、軸受けを支持する部位と複数の外歯スプラインが形成されている。第2出力軸32の外歯スプラインには、第2及び第4シフトクラッチ102、104の各クラッチハブ201がスプライン嵌合により圧入されている。第2、第4シフトクラッチ102、104部近傍のトランスミッションケース11のケース蓋部11bには第2、第4シフトクラッチ102、104を駆動する各シフト操作装置90がそれぞれ設けられている。最終減速駆動ギヤ68は、ディファレンシャルのリングギヤ80に噛合している。さらに、第2出力軸32には、2速従動ギヤ62、5速従動ギヤ65、6速従動ギヤ66、7速従動ギヤ67、を遊転可能に支持する支持部が形成されている。
【0046】
2速従動ギヤ62は第2入力軸22に形成された2速駆動ギヤ52と噛合され、第2入力軸22が回転するときは、常時回転している。また、第2入力軸22が回転しないときには、2速従動ギヤ62は走行中常時回転される最終減速駆動ギヤ68とともに回転する第2出力軸32の回転に連れ回りされ車両走行時に常に回転する。
【0047】
また、5速従動ギヤ65は、第1入力軸21に形成された5速駆動ギヤ55と噛合され、第1入力軸21が回転するときは、常時回転している。第1入力軸21が回転しないときには、5速従動ギヤ65は、2速従動ギヤ62と同様に走行中常時回転される最終減速駆動ギヤ68とともに回転する第2出力軸32の回転に連れ回りされ車両走行時に常に回転している。
【0048】
また、6速従動ギヤ66は、第2入力軸22に形成された6速駆動ギヤ56と噛合され、第2入力軸22が回転するときは、常時回転される。そして第2入力軸22が回転しないときには、6速従動ギヤ66は、2速、5速従動ギヤ62、65と同様に、走行中常時回転する最終減速駆動ギヤ68とともに回転される第2出力軸32の回転に連れ回りされ車両走行時に常に回転している。
【0049】
さらに、7速従動ギヤ67は、第2出力軸32に遊転可能に支持される7速駆動ギヤ57に常に噛合している。これにより、7速従動ギヤ67と噛合される第1入力軸21の7速駆動ギヤ57が第1入力軸21によって回転されると7速従動ギヤ67も同時に回転する。第1入力軸21が回転しないときには、7速従動ギヤ67は走行中常時回転する最終減速駆動ギヤ68とともに回転される第2出力軸32の回転に連れ回りされ車両走行時に常に回転している。
【0050】
デュアルクラッチ40は、図3に示すように、内燃機関E/G(本発明の「原動機」に相当する)の回転駆動力を第1入力軸21に伝達する第1クラッチ41と、内燃機関E/Gの駆動力を第2入力軸22に伝達する第2クラッチ42とを有する。このデュアルクラッチ40は、図1の右側においてクラッチハウジング12に収容され、第1入力軸21及び第2入力軸22に対して同心に設けられている。第1クラッチ41は、第1入力軸21の連結軸部に連結され、第2クラッチ42は、第2入力軸22の連結軸部に連結されている。そして、車両の制御指令に基づき第1,第2入力軸21,22に対し、第1,第2クラッチ41,42を順次作動させ内燃機関E/Gとの連結を切り換えることにより、高速のシフト変更を可能としている。
【0051】
リングギヤ80は、図3に示すように、最終減速駆動ギヤ58及び最終減速駆動ギヤ68に噛合されることで、第1出力軸31及び第2出力軸32に常時回転連結されている。このリングギヤ80は、ケース10に軸支される回転軸80a及び差動機構(図示せず)を介して駆動輪に連結されている。
【0052】
次に、第1〜第4シフトクラッチ101〜104について説明する。第1シフトクラッチ101は、第1出力軸31の軸方向において1速従動ギヤ61と3速従動ギヤ63との間に配置されている。第2シフトクラッチ102は、第2出力軸32の軸方向において2速従動ギヤ62と6速従動ギヤ66との間に配置されている。また第3シフトクラッチ103は、第1出力軸31の軸方向において4速従動ギヤ64と後進ギヤ70との間に配置されている。さらに第4シフトクラッチ104は、第2出力軸32の軸方向において5速従動ギヤ65と7速従動ギヤ67との間に配置されている。
【0053】
まず第1シフトクラッチ101は、第1出力軸31にスプライン固定されたクラッチハブ201と、1速従動ギヤ61に圧入固定された1速係合部材205と、3速従動ギヤ63に圧入固定された3速係合部材205と、クラッチハブ201と左右の各係合部材205、205の間にそれぞれ介在されたシンクロナイザリング203と、クラッチハブ201の外周に軸線方向移動自在にスプライン係合されたスリーブ202よりなり、各従動ギヤ61、63を交互に第1入力軸21に離脱可能に接続する周知のシンクロメッシュ機構である。
【0054】
第1シフトクラッチ101のスリーブ202は、中立位置では係合部材205、205の何れにも係合されていない。しかしシフト操作装置90の作動によってフォークシャフト71が入出力軸方向に駆動され、フォークシャフト71に固定されたスリーブ202の外周の環状溝に係合されたシフトフォーク72によりスリーブ202が1速従動ギヤ61側にシフトされれば、スリーブ202は1速従動ギヤ61側のシンクロナイザリング203にスプライン係合する。そして第1出力軸31と1速従動ギヤ61の回転を同期させる。次にシンクロナイザリング203が1速係合部材205の外周の外歯スプラインと係合し、第1出力軸31と1速従動ギヤ61を一体的に連結して第1速段を形成する。またシフト操作装置90によりシフトフォーク72がスリーブ202を3速従動ギヤ63側にシフトされれば、同様にして第1出力軸31と3速従動ギヤ63の回転を同期させた後にこの両者を一体的に連結して第3速段を形成する。
【0055】
第2〜第4シフトクラッチ102〜104は、第1シフトクラッチ101と実質的に同一構造で取り付け位置が異なるのみである。第2シフトクラッチ102は2速従動ギヤ62及び6速従動ギヤ66を第2出力軸32に選択的に連結して2速段及び6速段を形成し、第3シフトクラッチ103は4速従動ギヤ64及び後進ギヤ70を第1出力軸31に選択的に連結して4速段及び後進段を形成し、第4シフトクラッチ104は5速従動ギヤ65及び7速従動ギヤ67を第1出力軸31に選択的に連結して5速段及び7速段を形成する。
【0056】
次に第1〜第4シフトクラッチ101〜104を駆動するための本発明に係る各シフト操作装置90について図4乃至図6に基づいて説明する。各シフト操作装置90は、トランスミッションケース11のケース本体11aに固定されるケース蓋部11bと、ケース蓋部11bからトランスミッションケース内に立設される2個の支持部である支持部13および支持部14と、支持部13、14によって図4において左側である一方側、および右側である他方側の2箇所を両持ち状態で回転可能に軸承されたピニオン軸15と、ピニオン軸15と同軸で一体にピニオン軸15上に形成されたウォームホイール16と、ピニオン軸15の外周にピニオン軸15の軸線と平行に刻設されたピニオン15aと、を有している。
【0057】
また各シフト操作装置90は、ウォームホイール16の回転軸と直交する回転軸20aを有する電動モータ20と、電動モータ20の回転軸20a先端に設けられウォームホイール16と噛合されるウォーム17と、を有している。
【0058】
さらに各シフト操作装置90は、トランスミッションケース11内で入出力軸方向に移動可能に支承され変速機のギヤ段を切替える操作部材としてのフォークシャフト71、およびフォークシャフト71に固定されたシフトフォーク72と、フォークシャフト71の外表面に形成されピニオン15aと噛合するラック部18と、を有している。
【0059】
そして、ケース蓋部11bと、ケース蓋部11bに立設される各支持部13、14と、ピニオン軸15と、ウォームホイール16とは、一体的に組付けされて組付体としてのケースサブアッセンブリ9を構成している。ケースサブアッセンブリ9は、ケース本体11aに着脱自在であり、ボルトによってケース本体11aに図示しない板状のシール部材を介して液密に固定されている。このときケース本体11aの上壁部であってケースサブアッセンブリ9が固定される部位には、ケースサブアッセンブリ9を固定する際にケースサブアッセンブリ9が有する各支持部13、14と、ピニオン軸15と、ウォームホイール16とが干渉せずに挿入できるよう貫通孔11cが設けられている。
【0060】
また、ケースサブアッセンブリ9がケース本体11aに固定された後に、電動モータ20が、電動モータ20の回転軸20aとウォームホイール16の回転軸であるピニオン軸15とが直交するように配置されている。そして回転軸20aの先端部に設けられたウォーム17とウォームホイール16とが噛合するように電動モータ20がケース本体11aに固定される。そして電動モータ20を覆うモータカバー23がケース本体11a、およびケースサブアッセンブリ9の一部に図示しない板状のシール部材を介して液密に固定されている。なお、上記においてケースサブアッセンブリ9を固定するとき、およびモータカバー23を固定するときに図示しない板状のシール部材を介在させたが、これに限らず、ゴム製のOリングを液密に介在させてもよい。
【0061】
ケース蓋部11bは、ケース本体11aと同じほどの板厚を有し、長方形形状を呈している。そして、該長方形の外周全周にはケース本体11aとの固定のための段付き鍔部19が設けられている。段付き鍔部19はケース本体11aの貫通孔11cよりひと回り大きな形状で形成され、段付き鍔部19のケース本体11a側の面がケース本体11aの表面と当接している。そして、段付き鍔部19に設けられた図示しない貫通孔にボルトが挿通され、ケース本体11aに螺設されためねじと螺結され固定されている。
【0062】
各支持部13、14は、プレート状を呈し、ケース蓋部11bからトランスミッションケース11の内部に向ってケース蓋部11b内側平面と直角に立設されている。各支持部13、14は、各平面13a、14aが入出力軸方向と平行に配置され、入出力軸方向と直交する方向の断面が逆L字状を呈し、L字の短辺側がケース本体11aの内面に当接されボルトによって固定されている。
【0063】
また各支持部13、14は、各支持部13、14の平面13aと14aとが向き合い対向して平行に配置されている。さらに各支持部13、14の平面13a及び14aには、平面13a及び14aに直交して配置されるピニオン軸15を回転可能に軸承する各軸孔13b、14bが穿設されている。
【0064】
ピニオン軸15は、前述のとおり各支持部13、14に挟持され、両端を各支持部13、14に設けられた軸孔13b、14bによって入出力軸方向と直交して回転可能に軸承されている。またピニオン軸15の軸方向中央近傍には、ウォームホイール16が、回転軸をピニオン軸15と共用し、且つピニオン軸15と一体で形成されている。ウォームホイール16は円盤状を呈し、円盤外周面にねじ部が形成され、電動モータ20の回転軸20a先端に設けられたウォーム17と噛合している。なお、ウォームホイール16とウォーム17とは従来よりある一般的なウォームホイールとウォームである。
【0065】
さらにピニオン軸15の外周面において、ウォームホイール16と支持部13との間にはピニオン15aが所定の位置で且つ所定の長さでピニオン軸15の軸線と平行に外周全周に亘って刻設されている。なお、ピニオン15aが刻設されるピニオン軸15上の所定の位置とは、ケースサブアッセンブリ9をケース本体11aに固定した際に、ピニオン15aとフォークシャフト71に刻設されるラック部18が確実に噛合し、効率よく力の伝達が行なわれる位置のことを言う。また、ピニオン15aをウォームホイール16と支持部14との間に設けてもよい。
【0066】
各フォークシャフト71は、トランスミッションケース11内に第一出力軸31、および第二出力軸32と平行に軸承され、ピニオン軸15の回転に伴い入出力軸方向に往復動可能に配設されている。前述のとおり、各フォークシャフト71にはラック部18が形成され、ラック部18と、ピニオン軸15のピニオン15aとが噛合している。各フォークシャフト71にはシフトフォーク72がそれぞれ固定されており、各シフトフォーク72は、各シフトクラッチ101〜104の各スリーブ202とそれぞれ係合している。
【0067】
次に、上述の第1の実施形態の構成における動作、作用について説明する。変速機1が始動されると、この実施形態の制御装置は、アクセル開度、エンジン回転速度、車速などの自動車の作動状態に応じて、デュアルクラッチ40の第1及び第2クラッチ41、42並びに各シフトクラッチ101〜104を作動させギヤ段を適宜切替える。不作動状態ではデュアルクラッチ40の第1及び第2クラッチ41、42はともに解除されており、各シフトクラッチ101〜104は中立位置にある。
【0068】
停車状態において内燃機関E/Gを起動させて歯車変速装置のシフトレバー(図示省略)を前進位置とすれば、制御装置は、第1速段と第3速段との切替え用の第1シフトクラッチ101を駆動させるため、シフト操作装置90の電動モータ20の回転軸20aを所定方向に回転作動させる。これにより電動モータ20の回転軸20aに設けられたウォーム17、およびウォーム17と噛合するウォームホイール16が順次回転される。そしてウォームホイール16が所定の減速比で減速され回転軸周りに回転作動される。ウォームホイール16が回転されると、ウォームホイール16と同軸で一体形成されているピニオン軸15が回転され、ピニオン軸15に形成されているピニオン15aが回転して、ピニオン15aと噛合するラック部18が直線移動する。
【0069】
これによりラック部18が形成されているフォークシャフト71、及びフォークシャフト71に固定されるシフトフォーク72がフォークシャフト71の軸線方向に直線移動される。そしてシフトフォーク71が係合する第1シフトクラッチ101のスリーブ202が1速従動ギヤ61の方向にスライドされ、スライドされたスリーブ202は、1速従動ギヤ61のシンクロギヤ203をスライドさせて、回転を同期させながら1速従動ギヤ61に噛合させ第1速段を形成する。
【0070】
なお、このときピニオン軸15は両端を、ケース蓋部11bからトランスミッションケース11内に立設される各支持部13、14によって両持ち支持されている。これにより、軸方向両外側を軸承されることとなるピニオン軸15と同軸で一体的に形成されるウォームホイール16は、安定して支持される。そのためウォームホイール16が電動モータ20の回転軸20aに設けられたウォーム17から荷重を受けても、ピニオン軸15の傾きが少ないので、噛合部からウォームホイール16が逃げることはなく、効率的に力が伝達できる。
【0071】
また、同様に軸方向両外側を軸承されることとなるピニオン15aは、ピニオン15aとフォークシャフト71に形成されたラック部18とが噛合しラック部18から荷重を受けても、ピニオン軸15の傾きが少ないので、ピニオン15aが噛合部から逃げることはなく、効率的に力が伝達できる。なお、本実施形態においてラック部18はフォークシャフト71に設けたが、シフトフォーク72に設けてもよい。これによっても同様の効果が得られる。
【0072】
また各支持部13、14はトランスミッションケース11を構成するケース蓋部11bの内面からケース蓋部11b内面と直角にトランスミッションケース11内に立設され、且つ各支持部13、14はお互いに面13a、14aが平行になるように配置されている。そしてピニオン軸15が軸承される各支持部13、14の面に軸線を直交して軸承されているので、ピニオン軸15およびウォームホイール16は各支持部13、14に対して効率よく安定して回転される。また各支持部13、14に軸承されるウォームホイール16の回転軸であるピニオン軸15を、トランスミッションケース11を構成するケース蓋部11bの内面に対し、確実に平行とすることが可能となりトランスミッションケース11内に好適な姿勢で配置でき、さらに効果的にコンパクト化を図ることができる。
【0073】
そしてアクセル開度が増大して内燃機関E/Gが所定の低回転速度を越えれば、制御装置はアクセル開度に合わせてデュアルクラッチ40の第1クラッチ41の係合力を徐々に増加させ、これにより駆動トルクは第1クラッチ41から第1入力軸21、第1速ギヤ列51,61、第1シフトクラッチ101、第1出力軸31、最終減速駆動ギヤ58を介してディファレンシャルのリングギヤ80に伝達され、自動車は第1速で走行し始める。
【0074】
アクセル開度が増大するなどして自動車の作動状態が第2速走行に適した状態となれば、制御装置は、上記の第1シフトクラッチ101のときと同様に、第2速段と第6速段との切替え用第2シフトクラッチ102を駆動させるためにシフト操作装置90の電動モータ20を回転作動させ第2シフトクラッチ102が有するスリーブ202をスライドさせる。これによりスリーブ202を従動ギヤ62のシンクロナイザリング203に同期させながら噛合させ第2速段を形成してから、デュアルクラッチ40を第2クラッチ42側に切り換えて第2速走行に切り換える。これにより駆動トルクは第2クラッチ42から第2入力軸22、第2速ギヤ列52,62、シフトクラッチ102、第2出力軸32、最終減速駆動ギヤ68を介してディファレンシャルのリングギヤ80に伝達され、自動車は第2速で走行する。なお、このときも上記と同様にピニオン軸15は両端で支持されているので、ピニオン15aがフォークシャフト71のラック部18と噛合してラック部18から荷重を受けても、ピニオン軸15の傾きが少ないので、ピニオン15aが噛合部から逃げることはなく、効率的に力を伝達できる。
【0075】
そして、このとき第1入力軸21に形成された1速駆動ギヤ51と噛合する1速従動ギヤ61は、第1入力軸21の回転が停止されるとともに、シフト操作装置90の作動によってシフトクラッチ101のスリーブ202をスライドさせ、中立状態としている。
【0076】
同様にして制御装置は、第3速〜第7速では、各シフト操作装置90の作動によって自動車の作動状態に応じた変速段を順次選択するとともに第1クラッチ41と第2クラッチ42を交互に選択して、その状態に適した変速段での走行が行われるようにする。
【0077】
内燃機関E/Gを起動させた停車状態において歯車変速装置のシフトレバーを後進位置とすれば、制御装置はそれを検出する。そして制御装置は上記と同様に、第4速段と後進段との切替え用の第3シフトクラッチ103を駆動させるために第3シフトクラッチ103用のシフト操作装置90の電動モータ20を回転作動させる。そして第3シフトクラッチ103が有するスリーブ202を後進ギヤ70方向にスライドさせ、後進ギヤ70のシンクロナイザリング203に回転を同期させながら噛合させ後進段を形成する。このとき後進ギヤ70は、変速段の従動ギヤ62と一体的に形成された小径ギヤ62aと常時噛合されている。これによって駆動トルクは第2クラッチ42から第2入力軸22、第2速ギヤ列52、62、62a、後進ギヤ70、第3シフトクラッチ103、第1出力軸31、最終減速駆動ギヤ58を介してディファレンシャルのリングギヤ80に伝達され、自動車は後進を開始する。
【0078】
上述の説明から明らかなように、第1の実施形態においては、減速比の非常に大きなウォームホイール16によって操作部材としてのフォークシャフト71及びシフトフォーク72の駆動がされるので、減速のために組み合わせる歯車の数を削減できコンパクト化を図ることができる。また、トランスミッションケース11内に立設される各支持部13、14にピニオン軸15が軸承され、径が比較的大きくなるウォームホイール16を、ウォームホイール16の回転軸とピニオン軸15とが同軸になるように配置したので、ウォームホイール16をトランスミッションケース11内に適切に配置することが可能となりコンパクト化を図ることができる。
【0079】
また、第1の実施形態においては、ケース蓋部11bに各支持部13、14が設けられ、該各支持部13、14にピニオン軸15とウォームホイール16とが軸承された状態、つまりサブアッセンブリ化された状態でケース本体11aに固定される。これによりサブアッセンブリの組付けをケース本体11aの組付けとは別工程で実施でき、組付けの効率が向上しコスト低減を図ることができる。
【0080】
また、第1の実施形態においては、ピニオン軸15に形成されるピニオン15aとウォームホイール16とが、2個の支持部13、14によって両持ちで配置されるので、各軸は傾きにくい。これによりウォームホイール16とウォーム17とは安定して噛合され、ピニオン15とラック18との間も安定して噛合されて効率よく動力が伝達される。
【0081】
また、第1の実施形態においては、ピニオン軸15およびウォームホイール16を軸承する対向する2個の支持部13、14の各平面13a、14aが平行になるように設けられ、且つピニオン軸15およびウォームホイール16の各軸が、該各軸を軸承する各支持部13、14の各平面13a、14aとそれぞれ直交している。これによりピニオン軸15およびウォームホイール16の各軸は各支持部13、14に対して効率よく安定して回転される。また各支持部13、14に軸承されるウォームホイール16をトランスミッションケース11内に好適な姿勢で配置でき効果的にコンパクト化を図ることができる。
【0082】
また、第1の実施形態においては、ピニオン軸15と、ウォームホイール16とは同軸、且つ一体で形成されているので、軸方向と直交する方向および軸方向において小型化を図ることができる。
【0083】
また、第1の実施形態においては、各支持部13、14がトランスミッションケース11のケース蓋部11b内側平面に対して垂直に立設している。これにより各支持部13、14に軸承されるウォームホイール16の回転軸をトランスミッションケース11のケース蓋部11bに対し、平行に配置できるので、トランスミッションケース11内に好適な姿勢で配置することができ、効果的にコンパクト化を図ることができる。
【0084】
さらに、第1の実施形態においては、ラック部18が操作部材であるシフトフォーク72またはフォークシャフト71に設けられる。これによりトランスミッションケース11内に配置されるピニオン15aとラック部18とを噛合させるための配置が簡易にできる。
【0085】
なお、第1の実施形態においては、ピニオン軸15とウォームホイール16とを一体で形成したが、これに限らずピニオン軸とウォームホイールとを別々に製作し、製作後にピニオン軸とウォームホイールとを同軸で嵌合させたりして一体的に接続してもよい。これによって第1の実施形態と同様にコンパクト化を図ることができるとともに、ピニオン軸とウォームホイールとのそれぞれの製造が簡易になり製造コストの低減が期待できる。また、ピニオン軸と、ウォームホイールとを別々に製作し、継ぎ手等によって回転連結してもよい。この場合においてはピニオン軸と、ウォームホイールとをそれぞれ軸方向において所望の位置に自由に配置でき組付け性の向上を図ることができる。なお、ピニオン軸と、ウォームホイールとを別々に製作する場合には、ピニオン軸とウォームホイールの回転軸をそれぞれ2個ずつの支持部によって軸承するのが好ましい。
【0086】
また、第1の実施形態においては、ピニオン軸15とウォームホイール16とが一体で形成されピニオン軸15に形成されたピニオン15a、およびウォームホイール16の軸方向両外側が支持部13、14によって軸承された。しかし、この形態に限らず、ピニオン軸15とウォームホイール16とが一体で形成された状態において、ピニオン15aを支持部13で片持ち支持し、ウォームホイール16を支持部13と支持部14とによって両持ちで支持する形態としてもよい。これによってもコンパクト化が図れるとともに、ウォームホイール16の回転軸の傾きが少ないためウォームホイールとウォームとが確実に噛合され効率よく動力が伝達される。
【0087】
さらにピニオン軸15とウォームホイール16とが一体で形成された状態において、ウォームホイール16を支持部13または支持部14で片持ち支持し、ピニオン軸15のピニオン15aを支持部13と支持部14とによって両持ちで支持する形態としてもよい。これによってもコンパクト化が図れるとともに、ピニオン軸15の傾きが少ないためピニオン15aとフォークシャフト71に形成されたラック部18とが確実に噛合され効率よく動力が伝達される。
【0088】
次に第2の実施形態について図7、8に基いて説明する。第2の実施形態はシフト操作装置のピニオン軸15、およびウォームホイール16を同軸とする第1の実施形態に対し、ピニオン軸およびウォームホイールを別軸にてそれぞれ配置する。そこで第1の実施形態との変更点のみ説明し、同様の部分については説明を省略する。また同一部品には同一符号を付し説明する。
【0089】
第2の実施形態の各シフト操作装置110は、トランスミッションケース111のケース本体111aに固定されるケース蓋部111bと、ケース蓋部111bからトランスミッションケース111内に立設される2個の支持部である支持部113および支持部114と、各支持部113、114によって図8において上側である一方側、および下側である他方側の2箇所を両持ち状態で回転可能に軸承されたピニオン軸115と、ピニオン軸115に同軸で一体的に形成された第1平歯車106と、ピニオン軸115と回転軸が平行に配置され、各支持部113、114によって回転軸の図8において上側である一方側、および下側である他方側の2箇所を両持ち状態で回転可能に軸承されたウォームホイール116と、ウォームホイール116の回転軸に同軸で一体的に形成され第1平歯車106と噛合する第2平歯車107と、ピニオン軸115の外周にピニオン軸115の軸線と平行に刻設されたピニオン115aと、を有している。
【0090】
また各シフト操作装置110は、ウォームホイール116の回転軸と直交する回転軸20aを有する電動モータ20と、電動モータ20の回転軸20a先端に設けられウォームホイール116と噛合されるウォーム117と、を有している。
【0091】
さらに各シフト操作装置110は、トランスミッションケース111内で入出力軸方向に移動可能に支承され変速機のギヤ段を切替える操作部材としてのフォークシャフト121およびフォークシャフト121に固定されたシフトフォーク122と、フォークシャフト121の外表面に形成されピニオン115aと噛合するラック部118と、を有している。
【0092】
そして、ケース蓋部111bと、ケース蓋部111bに立設される各支持部113、114と、ピニオン軸115と、ウォームホイール116とは、一体的に組付けされて組付体としてのケースサブアッセンブリ109を構成している。ケースサブアッセンブリ109は、ケース本体111aに着脱自在であり、ボルトによってケース本体111aに図示しない板状のシール部材を介して液密に固定されている。このときケース本体111aの上壁部であってケースサブアッセンブリ109が固定される部位には、ケースサブアッセンブリ109を固定する際にケースサブアッセンブリ109の各支持部113、114と、ピニオン軸115と、ウォームホイール116とが干渉せずに挿入できるよう貫通孔111cが設けられている。
【0093】
各支持部113、114は、プレート状を呈し、ケース蓋部111bからトランスミッションケース111の内部に向ってケース蓋部111b内側平面と直角に立設されている。各支持部113、114は、各平面113a、114aが入出力軸方向と平行に配置されているとともに各支持部113、114の平面113aと114aとが向き合い対向して平行に配置されている。各支持部113、114の平面113a、および114aには、平面113a及び114aに直交して配置されるピニオン軸115、およびウォームホイール116の回転軸を回転可能に軸承する各軸孔がそれぞれ穿設されている。
【0094】
ピニオン軸115およびウォームホイール116の回転軸は、前述のとおり各支持部113、114に挟持され、両端を各支持部113、114に設けられた軸孔によって入出力軸方向と直交して回転可能に軸承されている。そしてピニオン軸115とウォームホイール116とは各軸に設けられ噛合している第1および第2平歯車106、107を介して回転連結されている。
【0095】
さらに前述の通りピニオン軸115の外周面において支持部113と支持部114との間にはピニオン115aが所定の位置で、且つ所定の長さでピニオン軸115の軸線と平行に外周全周に亘って刻設されている。ピニオン115aが刻設されるピニオン軸115上の所定の位置とは、ケースサブアッセンブリ109をケース本体111aに固定した際に、ピニオン115aとフォークシャフト121に刻設されるラック部118とが確実に噛合し、効率よく力の伝達が行なわれる位置のことを言う。
【0096】
各フォークシャフト121は、トランスミッションケース111内に第一出力軸31、および第二出力軸32と平行に軸承され、ピニオン軸115の回転に伴い入出力軸方向に往復動可能に配設されている。
【0097】
次に作動について説明する。シフト操作装置110を作動させるためには電動モータ20の回転軸20aを所定方向に回転作動させる。これにより電動モータ20の回転軸20aに設けられたウォーム117と、ウォーム117と噛合するウォームホイール116が順次回転される。そしてウォームホイール116が所定の減速比で減速され回転軸周りに回転作動される。ウォームホイール116が回転されると、ウォームホイール116と同軸で一体形成されている第2平歯車107が回転される。そして第2平歯車107と噛合するピニオン軸115に同軸で一体形成されている第1平歯車106が回転して、ピニオン軸115が回転し、ピニオン115aと噛合するラック部118が直線移動する。
【0098】
これによりラック部118が形成されているフォークシャフト121、及びフォークシャフト121に固定されるシフトフォーク122がフォークシャフト121の軸線方向に直線移動される。このようにして第1の実施形態と同様に例えば1速従動ギヤ61に噛合させ第1速段を形成する。
【0099】
上述より明らかなように、上記のように構成した第2の実施形態においても、ピニオン軸115とウォームホイール116とを入出力軸方向に平行に並べることによって配置スペースが入出力軸方向に拡大された以外は、第1の実施形態と同様の効果が得られる。よってウォームホイール116をトランスミッションケース111内に適切に配置することが可能となりコンパクト化を図ることができる。
【0100】
なお、第2の実施形態の変形例として、ピニオン軸115の一方側および他方側を、それぞれ支持部113および支持部114によって軸承して両持ち支持とし、ウォームホイール116の回転軸の一方側および他方側のいずれかの側を図示しない別の支持部によって軸承してもよい。これによってもウォームホイール116をトランスミッションケース111内に適正に配置することが可能でありコンパクト化を図ることができる。また両持ち支持されるピニオン軸115はピニオン115aとラック部118との噛合によって起こる傾きを低減し、確実に動力が伝達される。
【0101】
また第2の実施形態の別の変形例として、ウォームホイール116の回転軸の一方側および他方側を、それぞれ別の支持部である2個の支持部によって軸承して両持ち支持とし、ピニオン軸115の回転軸の一方側および他方側のいずれかの側を支持部113および支持部114のうちいずれか一つによって軸承し片持ち支持としてもよい。これによってもウォームホイール116をトランスミッションケース111内に適正に配置することが可能でありコンパクト化を図ることができる。また両持ち支持されるウォームホイール116の回転軸はウォームホイール116とウォーム117との噛合によって起こる傾きを低減し、確実に動力が伝達される。
【0102】
また、第1および第2の実施形態においては、シフト操作装置90、110をデュアルクラッチ式自動変速機に適用した。デュアルクラッチ式自動変速機では、出力軸を2個以上備えるものが多く、各出力軸に対してシフト操作装置をそれぞれ設ける必要がある。これにより出力軸が1本の自動変速機に対して必要なシフト操作装置90、110の数が多くなりシフト操作装置を小型化したときのメリットは一層大きなものとなる。
【0103】
なお、第1、及び第2の実施形態においては、ケース蓋部11b、111bに各支持部が設けられ、該各支持部にピニオン軸15、115とウォームホイール16、116とが支持された状態でケース本体11a、111aに着脱自在に固定された。しかし、これに限らず、各ケース蓋部11b、111bをそれぞれ2個のケース蓋体に分割し、一方のケース蓋体に各ピニオン軸15、115を2個または1個の支持部に軸承させてピニオン軸組付体を形成し、そして他方のケース蓋体にウォームホイール16、116を2個または1個の支持部に軸承させてウォームホイール組付体を形成して、ピニオン軸組付体、およびウォームホイール組付体をそれぞれケース本体11a、111aに着脱自在に固定してもよい。これによってもサブアッセンブリ化した各組付体の組付けをケース本体11a、111aの組付けとは別工程で実施でき、組付けの効率が向上しコスト低減を図ることができる。
【0104】
また、第1および第2の実施形態においては、フォークシャフト71を4本設け、それぞれのフォークシャフト71、121に対して設けたシフト操作装置90、110を作動させ各変速段の切り替えを行なった。しかしこれに限らずフォークシャフト71、121は4本を越えて設けてもよく設定本数は任意である。そして設けたフォークシャフトの本数に応じてシフト操作装置90、110をそれぞれ設けてやればよい。
【0105】
また、第1および第2の実施形態においては、デュアルクラッチ式自動変速機によって発明を具体化したが、これに限らず手動式変速機のクラッチを自動化したオートメーテッドマニュアルトランスミッション(AMT)に適用してもよい。また、トルクコンバータを備えた一般的な自動変速機に適用してもよい。
【0106】
また、第1および第2の実施形態においては、操作部材をフォークシャフト71、121およびシフトフォーク72、122としたが、これに限らず、AMTのFR車のシフトレバーに連結されるロッドを操作部材とし、該ロッドにラック部を形成してもよい。これによりラック部とピニオンとを噛合させて駆動し、変速機のギヤ段の切替えを行なう。これによっても本実施形態と同様の効果が得られる。
【0107】
さらに、シフト操作装置90、110を、自動車用の自動変速機に適用するのではなく、自動二輪車等の他の自動変速機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0108】
1・・・変速機、9、109・・・ケースサブアッセンブリ、10・・・ケース、11、111・・・トランスミッションケース、12・・・クラッチハウジング、13、113・・・第1支持部、14、114・・・第2支持部、15、115・・・ピニオン軸、15a、115a・・・ピニオン、16、116・・・ウォームホイール、17、117・・・ウォーム、18、118・・・ラック部、20・・・電動モータ、21・・・第1入力軸、22・・・第2入力軸、31・・・第1出力軸、32・・・第2出力軸、40・・・デュアルクラッチ、41・・・第1クラッチ、42・・・第2クラッチ、51〜57・・・変速段の駆動ギヤ、58、68・・・最終減速駆動ギヤ、61〜67・・・変速段の従動ギヤ、62a・・・小径ギヤ、70・・・後進ギヤ、71、121・・・フォークシャフト、72、122・・・シフトフォーク、90、110・・・シフト操作装置、101〜104・・・シフトクラッチ、106・・・第1平歯車、107・・・第2平歯車。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピニオン軸と、
前記ピニオン軸に形成されたピニオンと、
前記ピニオン軸と平行または同軸な回転軸を有し、前記ピニオン軸に回転連結されたウォームホイールと、
変速機を収納するトランスミッションケースと、
前記トランスミッションケースに設けられ、前記トランスミッションケース内にそれぞれ離間して立設されて前記ピニオン軸と前記ウォームホイールの少なくとも一方の2箇所をそれぞれ軸承する複数の支持部と、
前記ウォームホイールと噛合されたウォームと、
前記ウォームを回転駆動する前記ウォームホイールの回転軸と直交する回転軸を有する電動モータと、
前記トランスミッションケース内で前記変速機の有する出力軸の軸方向に移動可能に支承され、前記変速機のギヤ段を切替える操作部材と、
前記操作部材に形成され前記ピニオンと噛合するラック部と、
を有することを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項2】
請求項1において、前記トランスミッションケースは、ケース本体と、前記ケース本体と別体形成され前記ケース本体に固定されるケース蓋部とからなり、
前記ケース蓋部に前記複数の支持部が設けられ、前記複数の支持部に前記ピニオン軸と前記ウォームホイールとが軸承されて組付体を形成し、前記組付体が前記ケース本体に着脱自在に固定されていることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記ピニオン軸に形成された前記ピニオンと前記ウォームホイールとは、前記複数の支持部によってそれぞれ前記軸方向両側を軸承されていることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、前記ピニオン軸および前記ウォームホイールを支持する対向する各支持部はそれぞれ互いに平行に配置され、且つ前記ピニオン軸および前記ウォームホイールの各軸が、それぞれ軸承される前記対向する各支持部の各平面とそれぞれ直交していることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、前記複数の支持部は、前記トランスミッションケースの内側平面に対して垂直に立設していることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、前記ピニオン軸に形成された前記ピニオンは前記複数の支持部によって前記軸方向一方側または他方側を軸承され、前記ウォームホイールは前記複数の支持部によって前記回転軸方向両外側を支持されていることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項において、前記ウォームホイールは前記複数の支持部によって前記回転軸方向一方側または他方側を軸承され、前記ピニオン軸に形成された前記ピニオンは前記複数の支持部によって前記軸方向両外側を支持されていることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項において、前記ピニオン軸と、前記ウォームホイールとは同軸で配置されていることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項9】
請求項1において、前記ピニオン軸と前記ウォームホイールとは各軸が平行に配置され、前記ピニオン軸は前記複数の支持部によって前記ピニオン軸に形成された前記ピニオンの軸方向両側がそれぞれ軸承され、前記ウォームホイールは前記ピニオン軸を支持した支持部とは別の前記複数の支持部によって前記回転軸の前記一方側または他方側が軸承されていることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項10】
請求項1において、前記ピニオン軸と前記ウォームホイールとは各軸が平行に配置され、前記ウォームホイールは前記複数の支持部によって前記回転軸方向両側がそれぞれ軸承され、前記ピニオン軸は前記ウォームホイールを支持した支持部とは別の前記複数の支持部によって前記ピニオン軸に形成されたピニオンの前記軸方向一方側または他方側が軸承されていることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項において、前記操作部材は、変速機が有するギヤ段を切替えるためのシフトクラッチのスリーブに係合するシフトフォークと、該シフトフォークが固定されるフォークシャフトと、からなることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項において、前記変速機は、軸体が前記トランスミッションケースに同軸で回転可能に軸承され駆動側の複数のギヤが同軸に配置された第1入力軸及び第2入力軸と、
前記トランスミッションケースに回転可能に軸承され従動側の複数のギヤが夫々回転可能に支持された第1出力軸及び第2出力軸と、を備え、
原動機の回転駆動力を前記第1入力軸に伝達する第1クラッチ及び前記回転駆動力を前記第2入力軸に伝達する第2クラッチを有するデュアルクラッチによって断接するデュアルクラッチ用の変速機であることを特徴とする自動変速機のシフト操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−163458(P2011−163458A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27414(P2010−27414)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(592058315)アイシン・エーアイ株式会社 (490)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】