説明

自動変速機の動力伝達制御装置

【課題】トランスファの入力軸の回転を効率よく減速させてギヤ鳴りを防止することができる自動変速機の動力伝達制御装置を提供する。
【解決手段】トランスファの入力軸21と、トランスファの出力軸14に連れて回転運動をするセンターデフ40と、高速出力状態と低速出力状態とを切替える副変速機20と、入力軸21によって駆動され潤滑油を循環させるオイルポンプ201と、オイルポンプ201の上流側通路206に設けられ起動時に閉止し起動後に開放する開閉部材203とを備え、シフトポジションがニュートラルの際に開閉部材203に基づいて前記オイルポンプ201の供給を抑制する供給抑制手段と、車両の停止時に切替えスリーブ33を切替えるアクチュエータユニット30およびトランスファECU70とを含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達制御装置、特に、主変速機と副変速機を備えた車両用変速機を制御するのに好適な自動変速機の動力伝達制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用変速機においては、所定変速段数の主変速機と、高速段と低速段とを有する2速切替えの副変速機とを用いて、比較的簡素な構成で高変速比を実現したものがある。
【0003】
このような車両用変速機においては、例えば主変速機とトランスファ内に設けた副変速機とを独立に変速制御可能とし、悪路や岩石路等のオフロード走行時にその副変速機を高速段での動作モード(以下、Highモードという)から低速段での動作モード(以下、Lowモードという)に切替えることで、通常走行時に対し高減速比として必要な駆動力を確保しつつ4輪駆動するといったことができる。
【0004】
このような車両用変速機においては、HighモードからLowモードへのモード切替え(以下、Hi−Lo切替えという)の際には、ギヤ鳴りを生じるという問題がある。このギヤ鳴りは、高速シフトギヤと低速シフトギヤがHi−Lo切替え時に同期されずに係合するために互いに衝突して発生するものである。この原因は、自動変速機がニュートラル状態に変更されると、主変速機の出力軸からトランスファの入力軸に僅かな回転力が伝達されてトランスファの入力軸が連れ回りし、Hi−Lo切替え時に高速シフトギヤと低速シフトギヤが同期されないからである。
【0005】
このため、従来のこの種の動力伝達装置としては、駆動力が伝達される入力軸と、出力軸とが同軸突き合わせ状態で相対回転可能に配設されているとともに、高速用シフトギヤ若しくは低速用シフトギヤの一方と噛合することにより入力軸の駆動力を高低速に切替えて出力軸に伝達する変速機において、出力軸の外周に入力軸の内周面との接触により入力軸の回転を減速させるOリングが外嵌されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−91071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来の動力伝達制御装置にあっては、入力軸の回転を減速させてギヤ鳴りを防止するための部品として出力軸の外周にOリングが外嵌されて構成されている。そのため、入力軸の回転はOリングと入力軸との摩擦力の影響を受けて常時減速されており、駆動輪を回転させるためには入力軸を余計に回転させる必要がある。
【0007】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、トランスファの入力軸の回転を効率よく減速させてギヤ鳴りを防止することができる自動変速機の動力伝達制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る自動変速機の動力伝達制御装置は、上記目的達成のため、主変速機の出力軸と連結されたトランスファの入力軸と、トランスファの出力軸に連れて回転運動をする出力機構と、前記出力機構にスプライン嵌合することにより前記入力軸に入力された動力を高速で出力する高速出力状態と前記入力軸に入力された動力を低速で出力する低速出力状態とを切替える動力伝達機構と、前記入力軸によって駆動され潤滑油を循環させるオイルポンプと、該オイルポンプの上流側通路に設けられ起動時に閉止し起動後に開放する開閉部材とを備え、シフトポジションがニュートラルの際に前記開閉部材に基づいて前記オイルポンプの供給を抑制する供給抑制手段と、車両の停止時に前記動力伝達機構を切替える動力伝達機構切替手段とを有することを特徴とするものである。
【0009】
この構成により、オイルポンプの上流側通路に設けられた開閉部材を起動時に閉止することにより、オイルポンプの供給が抑制されて、オイルポンプに負荷がかかる。そのため、起動時にはトランスファの入力軸の回転に制動力を付与することができ、トランスファの入力軸と出力軸との回転速度の差を少なくすることができるため、起動時においてHi−Lo切替えにおけるギヤ鳴りを防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トランスファの入力軸の回転を効率よく減速させてギヤ鳴りを防止することができる自動変速機の動力伝達制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図6は本発明の第1の実施の形態に係る動力伝達制御装置の構成を示しており、図1は、第1の実施の形態に係るトランスファの正面断面図に動力伝達制御装置のブロック図を付加した構成図である。図2は第1の実施の形態の副変速機の動作を説明する要部断面図で、(a)はその高速段に切替えられた状態を、(b)はその低速段に切替えられた状態を示している。図3は、第1の実施の形態の駆動系全体を含む概略ブロック図である。
【0012】
まず、その全体の概略構成について説明する。
図1に示すトランスファ10は、図3に示すように、エンジン1から主変速機2(T/Mで示す)を介して出力される動力を前後の車輪4L、4R、5L、5R側に伝達するよう、主変速機2の後段側に直列的に配置されており、トランスファ10(T/Fで示す)からプロペラシャフト6a、6bを介して前輪4L、4Rおよび後輪5L、5R側に動力が分配され、リヤ側の差動装置6からドライブシャフト7L、7Rを介して後輪5L、5Rに動力伝達がなされるとともに、フロント側の差動装置8からドライブシャフト9L、9Rを介して前輪4L、4Rに動力伝達がなされるようになっている。
【0013】
ここで、主変速機2は、公知のものであり、特にその詳細な構成を図示しないが、複数の走行レンジ(複数の前進レンジ(例えば、D、L、2)、後進レンジ(例えば、R))、ニュートラルレンジ(例えば、N)およびパーキングレンジ(例えば、P)のうち任意のレンジに選択操作されるようになっており、選択されたレンジに応じてそれに対応する車両の走行レンジで、自動変速制御を行うようになっている。
【0014】
また、主変速機2とエンジン1との間には、エンジン1から出力される動力を増幅する図示しないトルクコンバータが連結されている。
【0015】
トランスファ10は、図1および図2に示すように、入力した動力を高速で出力軸14に伝達するHighモードと、入力した動力を低速で出力軸14に伝達するLowモードとに切替え可能な動力伝達機構である副変速機20と、副変速機20の切替えのための操作部に設けられた同期機構15と、同期機構15を介して副変速機20を切替え操作するアクチュエータユニット30(アクチュエータ)と、プラネタリギヤタイプの差動制限機能付のディファレンシャルギヤ装置からなるセンターデフ40とを備えている。
【0016】
図2(a)および図2(b)に示すように、副変速機20は、主変速機2のアウトプットシャフト(図示していない)とスプライン嵌合する筒状の入力軸21に一体形成された外歯車からなるサンギヤ22と、そのサンギヤ22の周りに配された複数のピニオン23と、これら複数のピニオン23を所定間隔で支持するキャリヤ24と、複数のピニオン23が噛合するようにトランスファーケース13の内部に固定されたリングギヤ25とからなるプラネタリギヤ方式のものである。
【0017】
このプラネタリギヤ方式では、入力軸21が複数回転、例えば2.6回転すると、キャリヤ24が1回転するという減速出力を、キャリヤ24に固着された筒状体27(歯付の低速出力側の部材)から取り出すことができる。筒状体27はその先端部内周側にスプライン歯27aを有している。
【0018】
また、入力軸21の内端部には高速段用の歯付ホイール26(歯付の高速出力側の部材)が固定されており、その歯付ホイール26は、入力軸21の入力回転を同期機構15を介してそのまま(速度比1:1)の回転速度で出力するようになっている。なお、この副変速機20の各ギヤは例えばヘリカルギヤ(はすば歯車)からなる。
【0019】
同期機構15は、いわゆるレバーシンクロ方式のもので、歯付ホイール26の内側面側に一体に装着されたテーパリング31と、そのテーパリング31に近接して配置されたシンクロナイザリング32と、入力軸21と同軸に配置されたシンクロスリーブとしての切替えスリーブ33(切替え部材)と、外周部で切替えスリーブ33の内周軸央部に形成された環状溝(符号なし)に遊嵌されるとともに内周部で板ばね等により弾性支持されたシンクロレバー34と、切替えスリーブ33の環状の切替え操作部33gに係合して切替えスリーブ33を軸方向に変位させる高低切替え用のシフトフォーク35(図1参照)と、シフトフォーク35を支持するとともにトランスファーケース13に軸方向摺動可能に支持されたシフトシャフト36とを有している。切替えスリーブ33は、その内周部に軸方向に所定間隔を隔てた2組のスプライン歯33aを有し、その間に前記環状溝が形成されている。
【0020】
また、切替えスリーブ33の外端部の外周には、筒状体27のスプライン歯27aに嵌合可能なスプライン歯33tが設けられており、切替えスリーブ33が歯付ホイール26のスプライン歯26aから離脱して図2(b)に示すようにリヤ側の差動装置6側に移動するとき、切替えスリーブ33がスプライン歯33t、27aによって筒状体27に回転方向一体にスプライン嵌合されるようになっている。
【0021】
センターデフ40は、入力軸21と同一軸線上に配置されたリヤ側への出力軸14に回転自在に支持されるとともに、外周部で切替えスリーブ33の内周部にスプライン嵌合しているハウジング41と、ハウジング41の一端側内周部にスプライン嵌合されるとともに抜け止めされ、出力軸14に軸受けを介して回転自在に支持された蓋状のピニオンキャリヤ42と、ピニオンキャリヤ42に回転自在に支持されて出力軸14の周りに等角度間隔に配置された例えばヘリカルギヤ(はすば歯車)からなる複数のピニオン43と、フロントドライブ用のチェーンスプロケット44に一体結合され、出力軸14に回転自在に支持されたフロント側の出力部材45と、フロント側の出力部材45にスプライン嵌合するとともにピニオン43が噛合する外歯を有するサンギヤ46と、複数のピニオン43が噛合する内歯47aおよび複数のピニオン43の一端部に対向する環状板部47bを有するリングギヤ47と、リングギヤ47の環状板部47bにスプライン嵌合するとともに出力軸14にスプライン嵌合した内筒部材48と、リングギヤ47の環状板部47bとハウジング41の間、およびリングギヤ47の環状板部47bと複数のピニオン43の間にそれぞれ設けられたシム49a、49bとを有している。したがって、センターデフ40がトランスファの出力軸14に連れて回転運動をする出力機構に該当する。
【0022】
なお、チェーンスプロケット44はドリブン側のチェーンスプロケット51とチェーン52によって連結されており、このチェーンスプロケット51を介してフロント側のプロペラシャフト6aを駆動する。また、出力軸14にリヤ側のプロペラシャフト6bが連結される。
【0023】
なお、切替えスリーブ33が図2(b)に示すようにリヤ側の差動装置6の方向に移動したとき、切替えスリーブ33が内周部でハウジング41のスプライン歯41aに嵌合して、切替えスリーブ33およびハウジング41が回転方向一体にスプライン嵌合されるようになっている。
【0024】
センターデフ40においては、ハウジング41からピニオンキャリヤ42を介してピニオン43の公転運動が入力されると、サンギヤ46からフロント側の出力部材45へ、また、リングギヤ47から内筒部材48を介して出力軸14へと回転が伝動されるとともに、サンギヤ46と一体回転するフロントドライブ用のチェーンスプロケット44と、リングギヤ47と一体回転する出力軸14との差動が許容される。また、センターデフ40は、ヘリカルギヤからなるピニオン43に作用するスラスト方向の力を利用してリングギヤ47の環状板部47bをハウジング41の内壁側に押圧することで、前記差動を所定範囲内に制限できるようになっている。
【0025】
なお、ハウジング41の一端側外周部にはスプライン歯41bが形成されており、そこにデフロック切替え用のスリーブ53が装着されている。このスリーブ53は、チェーンスプロケット44およびフロント側の出力部材45に固着された歯付ホイール54にスプライン嵌合したとき、センターデフ40のハウジング41とチェーンスプロケット44を回転方向一体に結合してデフロック状態(差動のないリジッドな4輪駆動とする結合状態)とすることができ、シフトフォーク55および図示しないシャフトを介してアクチュエータユニット30によってデフロックのON/OFF切替えがなされるようになっている。
【0026】
また、出力軸14にはリヤ側のプロペラシャフト6bへの取付けブラケット141が、ドリブン側のチェーンスプロケット51にはフロント側のプロペラシャフト6aへの取付けブラケット142が、それぞれ固定されている。軸受101、102、103は玉軸受けで構成され、軸受104、105、106、107および108はころ軸受やニードル軸受で構成されている。
【0027】
以下、本実施の形態に係る自動変速機の動力伝達制御装置の特徴的な構成について、図1および図4、図5を参照して説明する。
【0028】
図1において、オイルポンプ201は、キャリヤ24の近くでキャリヤ24と主変速機2の間の入力軸21に外嵌されて、入力軸21によって駆動されるようになっている。このオイルポンプ201は、ギヤポンプ、ベーンポンプ、トロコイドポンプなどで構成されている。
【0029】
オイルポンプ201は、オイルをオイルパン204からストレーナ205および上流側通路206を通して吸い上げ、図示しないギャラリーを通してトランスファ10の各部、すなわち、同期機構15、副変速機20、センターデフ40などの各部品にオイルを供給して潤滑した後、オイルパン204内に戻すようにして循環させている。
【0030】
開閉部材203は、上流側通路206に設けられ、上流側通路206を開閉してオイルの供給と停止を行うものである。したがって、オイルポンプ201は、入力軸21によって駆動され潤滑油を循環するように構成されている。
【0031】
この開閉部材203の一実施例を図4に示す。図4は、開閉部材203の第1の実施の形態に係る一部断面図である。
【0032】
上流側通路206は、内径の大きい大径管部206aと内径の小さい小径管部206bによって形成されている。開閉部材203は、大径管部206aの上流側通路206内に実線の位置と仮想線の位置との間で回動軸211aの周りで回動する弁体211と、弁体211を回動自在に支持するブラケット210と、弁体211の回動を停止するよう大径管部206aに固定されたストッパ212と、回動軸211aを囲んで設けられ、弁体211を実線で示す位置に付勢するコイルバネ214とを含んで構成される。開閉部材203の開閉動作は、オイルポンプ201から供給されるオイルの圧力とコイルバネ214の付勢力とによって行う。
【0033】
トランスファECU70については、詳細なハードウェア構成を図示していないが、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバッテリーを利用するバックアップ用メモリとしてのB−RAM(Back-up RAM)を備え、更に、A/D変換器等を含む入力インターフェース回路と、リレー回路等を含む出力インターフェース回路等と、エンジン1の制御および主変速機2の制御を行う他のECUや統合制御用コントロールコンピュータとの間で通信を行うための通信インターフェースとを含んで構成されている。勿論、このトランスファECU70は、トランスミッション制御用のコントロールコンピュータの一部となっていてもよい。
【0034】
次に、トランスファ10内の副変速機20を切替え制御する動力伝達制御装置について図1に基づいて説明する。
【0035】
アクチュエータユニット30は、シフトフォーク35、55を2つの切替え操作位置のうち任意の一方に駆動するように、例えば電動パルスモータ61、62と、これらの電動パルスモータ61、62の回転を減速するとともに直線運動に変換する減速および運動変換機構63(例えばウォーム・ホイール63aとラック・ピニオン機構63b等で構成されるが、詳細は図示していない)と、電動パルスモータ61、62の回転または減速後の回転若しくは直線変位を検出する図示しない変位検出器とを含んで構成されている。
【0036】
アクチュエータユニット30の電動パルスモータ61、62は、トランスファECU70によって制御される。また、同期機構15、アクチュエータユニット30およびトランスファECU70によって副変速機20を切替える切替手段が構成されている。
【0037】
このトランスファECU70の入力インターフェース回路には、図示しない車室側に装備された、Hi−Lo切替スイッチ71とデフロック切替スイッチ72とが、それぞれ接続されている。ここで、Hi−Lo切替スイッチ71は、副変速機20のHighモードとLowモードとのうち任意の一方から他方への切替えを要求する操作入力がなされたとき切替え指令信号を出力する切替え指令手段となっている。
【0038】
また、トランスファECU70の通信インターフェースには、主変速機2を変速制御するためのECU等から主変速機2で選択されているレンジを示すレンジ信号(D、L、2、R等)と車速情報が取り込まれるようになっている。すなわち、トランスファECU70は、Hi−Lo切替スイッチ71と協働してトランスファモード切替え(副変速機20の切替え)を要求する指令を検知するとともに、車速と、主変速機2の断接状態およびシフト位置とを検出するようになっている。
【0039】
トランスファECU70の前記ROMには、トランスファモードの切替え制御プログラムが格納されている。トランスファECU70は、この切替え制御プログラムに従って、車速等の車両走行状態に関する情報を入力するとともに、前記レンジ信号で示される主変速機2のレンジおよび、Hi−Lo切替スイッチ71やデフロック切替スイッチ72の切替え位置信号を指令として入力し、予め設定された切替え条件に従ってトランスファモードの切替えの適否を判断した上で、適当な切替え操作位置にシフトフォーク35、55を移動させるようにアクチュエータユニット30の電動パルスモータ61、62を駆動制御するようになっている。
【0040】
すなわち、トランスファECU70は同期機構15およびアクチュエータユニット30と協働し、Hi−Lo切替スイッチ71に指令操作入力がなされたとき、副変速機20のHi−Lo切替えが許容される条件として予め設定された切替え条件が成立するとき、副変速機20のHighモードとLowモードとのうち任意の一方から他方への切替え動作を開始するようになっている。
【0041】
ここにいう切替え条件は、車両が停止した状態で、かつ、所定のエンジン回転数[rpm]以下であって、自動変速機である主変速機2がニュートラルレンジであることである。すなわち、トランスファECU70は、切替え時のギヤ鳴り防止や同期機構15の保護等のため、主変速機2がニュートラルレンジのときかクラッチ切断されているときにのみアクチュエータユニット30によるトランスファモードの切替え動作を開始させるようになっている。
【0042】
トランスファECU70は、上述した各機能を発揮するための制御プログラム、設定情報および作業メモリ領域を有しており、その制御プログラムはROMに、設定値情報はROMまたはB−RAMに、それぞれ格納されている。
【0043】
例えば、切替えスリーブ33の操作ストロークや操作速度を決定するシフトフォーク35の操作範囲や操作速度、操作タイミング等の設定値は、他の各種設定値情報と共にトランスファECU70のB−RAM内に記憶格納されている。また、トランスファECU70内のRAMにそれぞれ必要な作業メモリ領域が割り当てられる。
【0044】
次に、作用について説明する。
図5は、トランスファECU70で実行される切替え制御に関するタイムチャートである。図5において、横軸は、切替え動作を始めてからの経過時間を表し、縦軸は、左側が切替えスリーブ33のシフトストロークの距離を表し、右側がトランスファ10の入力軸21の回転数を表す。なお、以下の説明では、Hi−Lo切替えの場合について説明する。
【0045】
切替えスリーブ33のシフトストロークの距離は、Highモード側を基点(0mm)とした場合には、Highモード側からLowモード側への移動距離を示し、Lowモード側を基点(0mm)とした場合には、Lowモード側からHighモード側への移動距離を示す。また、切替え制御は車両の停止時でかつトランスミッションがニュートラル状態、すなわち、切替え動作の起動時で実行される。
【0046】
トランスファECU70は、格納されている切替え制御プログラムに従って、アクチュエータユニット30の電動パルスモータ61の駆動制御を行う。Highモードでは、シフトフォーク35およびシフトシャフト36の位置は、軸心方向の入力軸21側に移動している(時刻0)。
【0047】
このとき、切替えスリーブ33はシフトフォーク35に係合しているため、切替えスリーブ33は軸心方向の入力軸21側に移動しており、切替えスリーブ33のスプライン歯33aが歯付ホイール26のスプライン歯26aと嵌合している。ここで、入力軸21の内端部には高速段用の歯付ホイール26が固定されており、ハウジング41が出力軸14に回転自在に支持されて切替えスリーブ33の内周部にスプライン嵌合している。
【0048】
そのため、車両の停止時には出力軸14の回転運動が停止し、出力軸14に支持されているハウジング41と、ハウジング41とスプライン嵌合している切替えスリーブ33と、切替えスリーブ33と嵌合している歯付ホイール26と、歯付ホイール26を固定する入力軸21との回転運動も停止する。
【0049】
トランスファECU70は、アクチュエータユニット30の電動パルスモータ61を制御して、シフトフォーク35およびシフトシャフト36を軸心方向の差動装置6側へ移動する制御を開始する(時刻t0)。そのため、シフトフォーク35およびシフトシャフト36は時間の経過と共に軸心方向の差動装置6側に移動する。
【0050】
シフトフォーク35およびシフトシャフト36が時間の経過と共にリヤ側の差動装置6側に移動して、切替えスリーブ33のスプライン歯33aが歯付ホイール26のスプライン歯26aから離脱すると、Highモードが終了する(時刻t1)。切替えスリーブ33のスプライン歯33aが歯付ホイール26のスプライン歯26aから離脱することをHigh抜きという。切替えスリーブ33のスプライン歯33aが歯付ホイール26のスプライン歯26aから離脱すると、切替えスリーブ33と歯付ホイール26との嵌合が開放されて、トランスファ10がニュートラル状態となる。
【0051】
エンジン1からの駆動力は、エンジン1からの駆動力の伝達のないニュートラルレンジでは、主変速機2内の図示しない多板クラッチ等の引き摺りにより入力軸21に伝達される。そのため、切替えスリーブ33と歯付ホイール26との嵌合が開放されると、入力軸21は回転運動を開始する。この回転運動を連れ回り回転という。連れ回りの回転数は、主変速機2の引き摺りにより入力軸21に伝達される駆動力の影響を受けて増大する。換言すれば、連れ回りの回転数は、切替えスリーブ33と歯付ホイール26との嵌合を開放する時間の増加に伴い増加する。
【0052】
オイルポンプ201は入力軸21に外嵌されて、入力軸21によって駆動されるようになっている。そのため、入力軸21の回転運動が開始されると、オイルポンプ201の起動も開始される。このとき、オイルポンプ201により吸引されるオイルは弁体211を押圧して、弁体211を回動するように作用する。
【0053】
オイルポンプ201の起動時には、入力軸21の回転速度が小さいため、オイルポンプ201のオイルの吸引力は小さくなる。このときは、弁体211を付勢するコイルバネ214の付勢力は、オイルの吸引力よりも強く、ストッパ212が弁体211に係止している。そのため、上流側通路206は閉止されるため、オイルの供給が停止して、オイルポンプ201に吸引抵抗が生じて、入力軸21の回転運動が抑制される。本実施の形態では、コイルバネ214が供給抑制手段を構成している。
【0054】
また、入力軸21の回転速度が大きいときは、オイルポンプ201のオイルの吸引力は大きくなる。このときは、弁体211を付勢するコイルバネ214の付勢力は、オイルの吸引力よりも弱く、ストッパ212と弁体211とが離間する。そのため、上流側通路206が開放されて、オイルの供給が行われる。そのため、オイルポンプ201の吸引抵抗は発生しない。したがって、開閉部材203は、オイルポンプの上流側通路206に設けられ起動時に閉止し起動後に開放する。
【0055】
また、トランスファECU70は、切替え時のギヤ鳴り防止や同期機構15の保護等のため、主変速機2がニュートラルレンジのときかクラッチ切断されているときにのみアクチュエータユニット30によるトランスファモードの切替え動作を開始させるようになっている。本実施の形態では、アクチュエータユニット30およびトランスファECU70が、車両の停止時に動力伝達機構である副変速機20を切替える動力伝達機構切替手段を構成する。
【0056】
その後、時刻t1とt2との間でシフトフォーク35およびシフトシャフト36が時間の経過と共に軸心方向の差動装置6側に移動すると、シンクロレバー34が切替えスリーブ33の内周軸央部に形成された環状溝(符号なし)に遊嵌される。これにより、入力軸21とハウジング41との同期が開始される。
【0057】
その後、切替えスリーブ33のスプライン歯33tと筒状体27のスプライン歯27aとの嵌合が開始されて、Lowモードへの切替えが開始される(時刻t2)。その際、車両が停止しているため、ハウジング41のスプライン歯41aは回転運動をすることなく固定されている。一方、入力軸21とキャリヤ24を介して支持されている筒状体27は、入力軸21の回転運動に伴って回転運動をしている。
【0058】
そのため、筒状体27のスプライン歯27aと切替えスリーブ33のスプライン歯33tとの嵌合時に筒状体27と切替えスリーブ33との回転速度の差が大きいときには、筒状体27のスプライン歯27aと切替えスリーブ33のスプライン歯33tとの嵌合地点でギヤ鳴りが生じる。
【0059】
筒状体27のスプライン歯27aと切替えスリーブ33のスプライン歯33tとの嵌合が開始された後も、シフトフォーク35およびシフトシャフト36は軸心方向の差動装置6側に移動する。そして、この移動が完了することにより、Lowモードの切替え動作が完了する(時刻t3)。
【0060】
なお、図5では、Hi−Lo切替えの場合について説明したが、LowモードからHighモードへの切替え(以下、Lo−Hi切替えという)についても同様となる。このときは、シフトストロークの距離は、LowモードからHighモードへの切替え動作が完了しているときの切替えスリーブ33の位置を原点として、切替えスリーブ33の現在位置を表している。
【0061】
Lo−Hi切替えにおけるLowモードでは、時刻t0においては、切替えスリーブ33のスプライン歯33tが筒状体27のスプライン歯27aと嵌合しており、出力軸14の回転運動の停止に伴い、出力軸14に支持されているハウジング41と、ハウジング41とスプライン嵌合している切替えスリーブ33と、切替えスリーブ33とスプライン嵌合している筒状体27と、筒状体27をキャリヤ24を介して支持する入力軸21との回転運動も停止する。
【0062】
また、Lo−Hi切替えにおける時刻t1においては、シフトフォーク35およびシフトシャフト36が時間の経過と共に軸心方向の入力軸21側に移動して、切替えスリーブ33のスプライン歯33tが筒状体27のスプライン歯27aから離脱することにより、Lowモードが終了する。切替えスリーブ33のスプライン歯33tが筒状体27のスプライン歯27aから離脱することをLow抜きという。
【0063】
切替えスリーブ33のスプライン歯33tが筒状体27のスプライン歯27aから離脱すると、切替えスリーブ33と筒状体27との嵌合が開放されて、トランスファ10がニュートラルな状態となり、前記と同様に主変速機2からの引き摺りにより入力軸21は回転運動を開始する。
【0064】
その後、時刻t1とt2との間でシフトフォーク35およびシフトシャフト36が時間の経過と共に軸心方向の入力軸21側に移動して、シンクロナイザリング32がテーパリング31と嵌合される。これにより、入力軸21とハウジング41との同期が開始される。
【0065】
その後、時刻t2では、切替えスリーブ33のスプライン歯33aと歯付ホイール26のスプライン歯26aとの嵌合が開始されて、Highモードへの切替えが開始される。そして、切替えスリーブ33のスプライン歯33aと歯付ホイール26のスプライン歯26aとの嵌合が開始された後も、シフトフォーク35およびシフトシャフト36は軸心方向の入力軸21側に移動する。そして、この移動が完了することにより、Highモードへの切替え動作が完了する(時刻t3)。
【0066】
図6は、Hi−Lo切替え時にオイルポンプ201に負荷を与えることにより入力軸21の回転に制動を付与するようにしたときの入力軸21の回転数に関するタイムチャートである。図6において、横軸は、切替え動作を始めてからの経過時間を表し、縦軸は、トランスファ10の入力軸21の回転数を表す。
【0067】
図6において、実線Sは、オイルポンプ201に負荷を与えていないときの入力軸21の時間に対する回転数の変化を示し、点線Aは、図4に示した開閉部材203を用いた場合の時間に対する入力軸21の回転数の変化を示している。
【0068】
点線Aについて説明すると、オイルポンプ201の停止時には開閉部材203の弁体211がストッパ212に係止されているため、オイルパン204に貯留されたオイルをオイルポンプ201に供給する供給路が閉止されている。そのため、オイルポンプ201の起動時にはオイルの吸引に際して吸引抵抗が発生してオイルポンプ201に負荷がかかり、オイルポンプ201の駆動軸である入力軸21の回転運動が制動され(時刻t10)、入力軸21の回転数がギヤ鳴り回転数まで上昇するまでの時間が遅延される。このため、入力軸21の回転数がギヤ鳴り回転数まで上昇する前にHi−Lo切替えを行うことができる。
【0069】
また、入力軸21の回転速度が上昇すると、弁体211がストッパ212から離間するため、オイルパン204に貯留されたオイルをオイルポンプ201に供給する供給路が開放される。そのため、オイルポンプ201の吸引抵抗が生じなくなり、入力軸21の回転数の増加率が大きくなる。
【0070】
以上のように、本実施の形態によれば、オイルポンプ201の上流側通路206に設けられた開閉部材203を起動時に閉止することにより、オイルポンプ201の供給が抑制されて、オイルポンプ201に負荷がかかる。そのため、起動時にはトランスファ10の入力軸21の回転に制動を付与することができ、トランスファ10の入力軸21と出力軸14との回転速度の差を少なくすることができるため、起動時においてHi−Lo切替えにおけるギヤ鳴りおよびLo−Hi切替えにおけるギヤ鳴りを防止することができる。
【0071】
図7、図8は、本発明に係る自動変速機の動力伝達制御装置の第2の実施の形態を示す図であり、本実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。また、トランスファ10の構成については、図1〜図3を用いて説明を行う。
【0072】
図7において、開閉部材303は、オイルポンプ201の上流側通路206に設けられており、筒状に形成されたストレーナ205と、ストレーナ205の外周にストレーナ205を覆うように設けられたストレーナカバー321と、を含んで構成されている。ストレーナ205には、吸入口322(図示のものでは3個)が円周方向にほぼ等間隔に形成されており、この吸入口322はストレーナ205の円周方向に回動可能なストレーナカバー321により開閉可能になっている。
【0073】
すなわち、ストレーナカバー321もストレーナ205の吸入口322と同様に円周方向にほぼ等間隔に形成された閉止部321a(図示のものでは3個)を有し、ストレーナカバー321は、吸入口322を閉止部321aにより閉止する閉止位置と吸入口322を閉止部321aから開放する開放位置の間で回動できるようになっている。
【0074】
ストレーナカバー321の回動動作は、油圧や電磁石によって駆動されるアクチュエータ315によって行う。アクチュエータ315は、ストレーナカバー321を回転駆動できるよう連結されている。アクチュエータ315は、トランスファECU70によって制御される。トランスファECU70には速度センサ316が接続されており、速度センサ316から車速の情報が入力される。
【0075】
オイルポンプ201は入力軸21に外嵌されて、入力軸21によって駆動されるようになっている。そのため、入力軸21の回転運動が開始されると、オイルポンプ201の起動も開始される。
【0076】
また、開閉部材203を駆動することにより、上流側通路206を閉止して、オイルの供給を停止する場合には、ストレーナカバー321を閉止部321aに回動することにより、吸入口322を閉止する。車両の停止時には、車速がゼロであることが速度センサ316により検出されてトランスファECU70に入力される。トランスファECU70は、入力された速度に基づいてアクチュエータ315を制御し、これにより開閉部材303を駆動して、オイルの供給を停止する。このときは、オイルポンプ201に吸引抵抗が生じて、入力軸21の回転運動が抑制される。したがって、このトランスファECU70およびアクチュエータ315が供給抑制手段を構成する。
【0077】
また、車速が大きいときは、トランスファECU70は、ストレーナカバー321が吸入口322を開口するように、ストレーナカバー321を回動してアクチュエータ315を制御する。そのため、上流側通路206は開放されて、オイルの供給が行われる。したがって、このときはオイルポンプ201の吸引抵抗は発生しない。
【0078】
また、図8に示されている点線Bについて説明すると、車両の停止時には開閉部材303のストレーナカバー321が閉止部321aにより閉止する閉止位置に回動しているため、オイルパン204に貯留されたオイルをオイルポンプ201に供給する供給路が閉止されている。
【0079】
そのため、車両の停止時には、オイルの吸引に際して吸引抵抗が発生してオイルポンプ201に負荷がかかり、オイルポンプ201の駆動軸である入力軸21の回転運動が制動される(時刻t11)。このときは、入力軸21の回転数がギヤ鳴り回転数まで上昇することがないため、入力軸21の回転数がギヤ鳴り回転数まで上昇する前にHi−Lo切替えをより確実に行うことができる。
【0080】
以上のように、本実施の形態によれば、オイルポンプ201の上流側通路206に設けられた開閉部材303を起動時に閉止することにより、オイルポンプ201の供給が抑制されて、オイルポンプ201に負荷がかかる。そのため、起動時にはトランスファ10の入力軸21の回転に制動を付与することができ、トランスファ10の入力軸21と出力軸14との回転速度の差を少なくすることができるため、起動時においてHi−Lo切替えにおけるギヤ鳴りおよびLo−Hi切替えにおけるギヤ鳴りを防止することができる。
【0081】
また、開閉部材203を駆動することにより、上流側通路206を閉止して、オイルの供給を停止する場合には、ストレーナカバー321を閉止部321aに回動することにより、吸入口322を閉止する。車両の停止時には、車速がゼロであることが速度センサ316により検出されてトランスファECU70に入力される。トランスファECU70は、入力された速度に基づいてアクチュエータ315を制御し、これにより開閉部材303を駆動して、オイルの供給を停止する。このときは、オイルポンプ201に吸引抵抗が生じて、入力軸21の回転運動が抑制される。
【0082】
また、車速が大きいときは、トランスファECU70は、ストレーナカバー321が吸入口322を開口するように、ストレーナカバー321を回動してアクチュエータ315を制御する。そのため、上流側通路206は開放されて、オイルの供給が行われる。したがって、このときはオイルポンプ201の吸引抵抗は発生しない。
【0083】
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る自動変速機の動力伝達制御装置は、トランスファの入力軸の回転を効率よく減速させてギヤ鳴りを防止することができるという効果を有し、主変速機と副変速機を備えた車両用変速機を制御するのに好適な自動変速機の動力伝達制御装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るトランスファの正面断面図に動力伝達制御装置のブロック図を付加した構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る副変速機の動作を説明する要部断面図で、(a)は、その高速段に切替えられた状態を、(b)は、その低速段に切替えられた状態を示している。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る駆動系全体を含む概略ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る開閉部材の一部断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るトランスファECUで実行される切替え制御に関するタイムチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るHi−Lo切替え時にオイルポンプに負荷を与えることにより入力軸の回転に制動を付与するようにしたときの入力軸の回転数に関するタイムチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る開閉部材の模式図であり、(a)は、開閉部材の概略図を、(b)は、ストレーナの断面図を示している。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るHi−Lo切替え時にオイルポンプに負荷を与えることにより、入力軸の回転に制動を付与するようにしたときの入力軸の回転数に関するタイムチャートである。
【符号の説明】
【0085】
2 主変速機
10 トランスファ
14 出力軸
20 副変速機(動力伝達機構)
21 入力軸
30 アクチュエータユニット(動力伝達機構切替手段)
40 センターデフ(出力機構)
70 トランスファECU(供給抑制手段、動力伝達機構切替手段)
201 オイルポンプ
203 開閉部材
206 上流側通路
214 コイルバネ(供給抑制手段)
315 アクチュエータ(供給抑制手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主変速機の出力軸と連結されたトランスファの入力軸と、トランスファの出力軸に連れて回転運動をする出力機構と、前記出力機構にスプライン嵌合することにより前記入力軸に入力された動力を高速で出力する高速出力状態と前記入力軸に入力された動力を低速で出力する低速出力状態とを切替える動力伝達機構と、前記入力軸によって駆動され潤滑油を循環させるオイルポンプと、該オイルポンプの上流側通路に設けられ起動時に閉止し起動後に開放する開閉部材とを備え、
シフトポジションがニュートラルの際に前記開閉部材に基づいて前記オイルポンプの供給を抑制する供給抑制手段と、車両の停止時に前記動力伝達機構を切替える動力伝達機構切替手段とを有することを特徴とする自動変速機の動力伝達制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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