説明

自動弁用外傷防止部材

【課題】点検時に指が挟まれることを回避することができる自動弁用外傷防止部材を提供する。
【解決手段】自動弁用外傷防止部材は、第1の板状部材11が、第1の板状部材11に対して離間して平行に延びる第1の仮想軸線18を囲むように曲げられて、曲げられることにより接近した第1の板状部材の両端部11e、11fの距離L10が、外力を加えないときに自動弁の開口55haの両側に存在する側壁55sの外表面の間の最大距離Dよりも小さく、外力を加えたときに弾性変形によって最大距離Dよりも大きくなり、第1の板状部材11の面に人間の指が貫通することなく第1の板状部材11の面の反対側の状態を視認可能な視認部12が形成されて構成された第1のカバー10を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動弁用外傷防止部材に関し、特に点検時の指の挟まれを回避することができる自動弁用外傷防止部材に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、食品製造工場では、製造ラインの自動化・省力化のために、液体配管の分岐や合流の箇所に、流路を切り替える自動弁が多数配設されている。この用途で用いられる自動弁の一例として、弁体が収容された弁箱と、弁体に接続された弁棒を上下方向へ変位可能に収納し、送入されるエアによって弁棒を駆動するエアシリンダと、弁箱とエアシリンダとを間隔を空けて接続するボディージョイントとを含み、ボディージョイントは、エアシリンダに対してビスで接続されると共に弁箱に対してクランプで接続され、かつ、弁棒の周囲に円筒状の側壁を有しており、その側壁には弁棒に触れることができる開口が、対向する2箇所に形成されているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−257010号公報(段落0033、図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような自動弁は、一般に、弁棒駆動用のエアが送入されていないときには開又は閉の一方にばねで付勢されており、エアが送入されるとばねの付勢に抗して他方に弁棒を変位させる構成となっている。このような自動弁は、軸シールやOリング等の消耗部品を定期的に交換する際に、クランプを外して弁箱をボディージョイントから分離させることにより弁棒を露出させることが行われる。この定期点検の際、指がボディージョイントの開口内に入った状態で作業が行われると、エア送入用のチューブに不具合が生じる等の何らかのトラブルによって意に反する弁棒の作動が生じた場合に、指が挟まれるおそれがある。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑み、点検時に指が挟まれることを回避することができる自動弁用外傷防止部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る自動弁用外傷防止部材は、例えば図2及び図3に示すように、弁体51が収容された弁箱52と、接続棒53を介して弁体51を移動させる弁体駆動部54と、弁箱52と弁体駆動部54とを間隔を空けて接続するボディージョイント55とを含み、ボディージョイント55が、接続棒53の周囲に設けられた側壁55sを有し、接続棒53にアクセス可能なジョイント開口55haが側壁55sの間に形成され、接続棒53の軸直角断面においてジョイント開口55haの両側に位置する側壁55sの外表面の間の最大距離Dがジョイント開口55haの幅Waよりも大きく構成された自動弁50、に取り付けられる自動弁用外傷防止部材1(例えば図1参照)であって;ジョイント開口55haに人間の指が入らないようにジョイント開口55haを塞ぐ面積を有すると共に接続棒53の軸直角断面における最大距離Dを形成する一方の点Daからジョイント開口55haを経て最大距離Dを形成する他方の点Dbまでの長さを超える長さを有する第1の板状部材11が、第1の板状部材11に対して離間して平行に延びる第1の仮想軸線18を囲むように曲げられて、曲げられることにより接近した第1の板状部材の両端部11e、11fの距離L10が、外力を加えないときに最大距離Dよりも小さく、外力を加えたときに弾性変形によって最大距離Dよりも大きくなり、第1の板状部材11の面に人間の指が貫通することなく第1の板状部材11の面の反対側の状態を視認可能な視認部12が形成されて構成された第1のカバー10を備える。
【0007】
このように構成すると、着脱が簡便でありながら、自動弁内部の視認性を確保しつつ指が挟まれることを回避することができる自動弁用外傷防止部材となる。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係る自動弁用外傷防止部材は、例えば図2及び図4に示すように、上記本発明の第1の態様に係る自動弁用外傷防止部材において、自動弁50が、ジョイント開口55haに対して接続棒53を挟んだ反対側の側壁55sの間に、接続棒53にアクセス可能な裏側開口55hbが形成され;裏側開口55hbに人間の指が入らないように裏側開口55hbを塞ぐ面積を有すると共に接続棒53の軸直角断面における最大距離Dを形成する一方の点Daから裏側開口55hbを経て最大距離Dを形成する他方の点Dbまでの長さを超える長さを有する第2の板状部材21が、第2の板状部材21に対して離間して平行に延びる第2の仮想軸線28を囲むように曲げられて、曲げられることにより接近した第2の板状部材21の両端部21e、21fの距離L20が、外力を加えないときに最大距離Dよりも小さく、外力を加えたときに弾性変形によって最大距離Dよりも大きくなるように構成された第2のカバー20を備える。
【0009】
このように構成すると、裏側開口から指が挟まれることを回避することができる。
【0010】
また、本発明の第3の態様に係る自動弁用外傷防止部材は、例えば図2乃至図4に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る自動弁用外傷防止部材において、側壁55sが、接続棒53に直交する仮想平面上における接続棒53を中心とする円周55cの直径Dの両端に存在すると共に仮想平面に投影した形状が円周55cに沿って湾曲して構成され;第1のカバー10及び第2のカバー20が、側壁55sの外表面が沿う円周55cの径を内径とする円弧状に湾曲して形成されている。
【0011】
このように構成すると、第1のカバー及び第2のカバーがボディージョイントに取り付けられたときに、第1のカバー及び第2のカバーがずれることを抑制することができる。
【0012】
また、本発明の第4の態様に係る自動弁用外傷防止部材は、例えば図1及び図2に示すように、上記本発明の第3の態様に係る自動弁用外傷防止部材において、第1の板状部材11の両端部及び第2の板状部材21の両端部がそれぞれ最大距離Dを挟むように第1のカバー10及び第2のカバー20がボディージョイント55に取り付けられたときの、仮想平面に投影したときに互いに重なる第1の板状部材11の両端部及び第2の板状部材21の両端部に、接続棒53の軸線に直交する方向に見たときに重ならずに嵌合する凹凸13、23が形成されている。
【0013】
このように構成すると、第1のカバー及び第2のカバーがボディージョイントに取り付けられた状態において、一方のカバーが他方のカバーに覆い被さることを回避できるため、第1のカバー又は第2のカバーに生じる応力を低減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る自動弁用外傷防止部材によれば、着脱が簡便でありながら、自動弁内部の視認性を確保しつつ指が挟まれることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動弁用外傷防止部材の斜視図である。
【図2】自動弁用外傷防止部材が装着される自動弁の概略構成を説明する図である。(a)は斜視図、(b)は弁体駆動部まわりの縦断面図、(c)は横断面図である。
【図3】自動弁用外傷防止部材を構成する表カバーを説明する図である。(a)は展開図、(b)は斜視図、(c)は自動弁に装着した状態を示す水平断面図である。
【図4】自動弁用外傷防止部材を構成する裏カバーを説明する図である。(a)は展開図、(b)は斜視図、(c)は自動弁に装着した状態を示す水平断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る自動弁用外傷防止部材の平面図である。(a)は自動弁に装着する前の図、(b)は自動弁に装着した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0017】
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る自動弁用外傷防止部材1を説明する。図1は、自動弁用外傷防止部材1の斜視図である。自動弁用外傷防止部材1(以下、単に「外傷防止部材1」という。)は、第1のカバーとしての表カバー10と、第2のカバーとしての裏カバー20とを備えている。ここで、外傷防止部材1の詳細な説明に先立って、外傷防止部材1が装着される自動弁について説明する。
【0018】
図2は、自動弁50の概略構成を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は弁体駆動部まわりの縦断面図、(c)はボディージョイント部分の横断面図である。自動弁50は、弁体51が収容された弁箱52と、弁体51を移動させる弁体駆動部(以下、単に「駆動部」という。)54と、弁箱52と駆動部54とを間隔を空けて接続するボディージョイント55とを有している。弁箱52は、この例の自動弁50では、底部に流通口52bが、側面に流通口52sが、それぞれ形成されている。流通口52b、52sは、流体が出入りする出入口であり、配管(不図示)が接続可能に構成されている。この自動弁50では、2つの流通口52b、52sが形成されている場合で説明するが、3つ以上形成されていてもよい。弁箱52は、流通口52bと対向する位置に、ボディージョイント55を嵌合可能な接続口52hが形成されている。弁体51は、円盤状に形成された面が、流通口52bに対して接近及び離間する方向に移動可能に弁箱52に収容されている。
【0019】
駆動部54は、図2(b)に示すように、円筒状のケース54cの中に、ピストン54pとばね54sとが収容されている。ピストン54pは、外径がケース54cの内径よりも小さい円柱状の部材の長手方向中央部に、外径がケース54cの内径にほぼ等しい円盤状の部材が形成されており、円盤状の部材を境にした両側で流体の流通がなく、ケース54c内で摺動可能に構成されている。ピストン54pは、円柱状の部材の一方の端面に、接続棒としての弁棒53が接続されている。弁棒53は、ケース54cの一方の端面を貫通して延びている。ばね54sは、コイルばねであり、この自動弁50ではピストン54pに対して弁棒53が接続されていない端面側に配設されている。ピストン54pは、ケース54c内で、弁棒53が接続されている方にばね54sによって付勢されている。
【0020】
ケース54cは、弁棒53が貫通する方の端面に空気を出し入れできる下部空気口54aが形成され、他方の端面側の側面にケース54cの内外を連通する上部空気口54bが形成されている。下部空気口54a及び上部空気口54bには、エアが流通するチューブ56が接続されている。駆動部54は、下部空気口54aから駆動用のエアを送入することでピストン54pがばね54sの付勢力に打ち勝って上部空気口54b側に移動し、下部空気口54aへのエアの送入を遮断することでピストン54pが下部空気口54a側に移動するように構成されている。
【0021】
ボディージョイント55は、駆動部54のケース54cよりも小さい径の円筒55cを基本に、円筒55cの側面の一部を切断したことにより開口が形成されており、残った側面が側壁55sとなり、形成された開口がジョイント開口としての表開口55ha及び裏側開口としての裏開口55hbとなっている。なお、円筒55cは、説明の便宜上登場した部材であって実在はしていない。実在するのは側壁55sであり、表開口55ha及び裏開口55hbが形成されていないと仮定した場合に存在する側面と、側壁55sとを合わせたものが円筒55cである。以下の説明においても円筒55cはこの意味で用いることとする。この自動弁50では、表開口55ha及び裏開口55hbの合計2つが、円筒55cの側面の対向する位置に形成されている。これにより、側壁55sは、2つに分割されている。円筒55cの両端には、円板状のプレート55pが設けられている。プレート55pは、弁棒53を挿通可能な挿通孔が両方共に形成されている。また、プレート55pは、一方は弁箱52の接続口52hを閉塞できる大きさに形成されており、他方は駆動部54の下部空気口54a側の端面よりも小さく形成されている。ボディージョイント55は、駆動部54とは、ケース54cの下部空気口54a側の端面から延びる弁棒53を2つのプレート55pに挿通したうえでビスにより接続され、弁箱52とは、弁棒53の先端に取り付けられた弁体51を弁箱52内に収容したうえでクランプ58により接続されている。
【0022】
駆動部54とボディージョイント55とを接続したときに、円筒55cの軸線上に弁棒53が位置するようになっている。換言すれば、図2(c)に示す弁棒53に直交する仮想平面を参照すると理解しやすいが、円筒55cの円周の中心に弁棒53が位置しており、弁棒53の周囲に弁棒53から隔てて側壁55sが存在するようになっている。このように、自動弁50では、側壁55sが、弁棒53を中心とする円周に沿って湾曲している。ボディージョイント55の表開口55ha及び裏開口55hbは、弁棒53にアクセス可能な(人間が触ることができる)大きさに形成されており、この自動弁50では、共に、弁棒53が延びる方向には50mm程度、円筒55cの円周方向には中心角αが120°程度となる大きさに形成されている。また、弁棒53に直交する仮想平面(図2(c)参照)において、2つの側壁55sは、円筒55cの円周の直径Dの両端にそれぞれ存在している。この自動弁50では、直径Dが、側壁55sの外表面の間の最大距離となる。また、表開口55haの幅Wa及び裏開口55hbの幅Wbは、共に直径Dよりも小さく形成されている。ここで、表開口幅Wa及び裏開口幅Wbは、円周に沿った長さではなく、直線距離である。
【0023】
上記のように構成された自動弁50は、エアを駆動源とする自動弁であり、下部空気口54aに対して駆動用のエアを出し入れすることで、ピストン54pの移動に伴い弁棒53を介して弁体51が弁箱52内を移動し、これによって流通口52b、52sを通過する流体の流通を調節することができるように構成されている。自動弁50は、弁箱52の接続口52hを塞ぐプレート55pの弁棒53が挿通される部分や、弁体51等に、軸シールやOリング等の消耗部品が取り付けられている。消耗部品を定期的に交換する際は、クランプ58を外して弁箱52をボディージョイント55から分離させることにより弁棒53を露出させることが行われる。この定期点検の際、人間の指が表開口55ha及び/又は裏開口55hbに入った状態で作業が行われると、エア送入用のチューブ56の外れ又は折り曲げ等によって下部空気口54aへのエアの供給が遮断されたときに、意に反して弁棒53が作動し、指が挟まれて外傷を負うおそれがある。外傷防止部材1は、このような外傷の発生を防止するために、自動弁50に装着されるものである。
【0024】
図3を参照して、外傷防止部材1(図1参照)の表カバー10を説明する。図3は、表カバー10を説明する図であり、(a)は展開図、(b)は斜視図、(c)は自動弁50に装着した状態を示す水平断面図である。以下の説明において、自動弁50(図2参照)の構成に言及しているときは、適宜図2を参照することとする。表カバー10は、図3(a)に示す第1の板状部材としての表板11が、以下のように加工されて構成されている。表板11は、基本形状が長方形の板状の部材であり、両短辺の中程に、裏カバー20(図1参照)の嵌合突起23と嵌合する嵌合窪み13が、それぞれ形成されている。表板11は、両側の嵌合窪み13の底(表板11の長方形の短辺と平行で短辺から奥まった輪郭)の間の長さが、ボディージョイント55の表開口55haの円筒55cに沿った部分の長さ(円弧の長さ)以上に形成されている。また、表板11は、嵌合窪み13が形成される前の長方形の長辺の長さが、ボディージョイント55の円筒55cの直径Dの一方の点Daから円筒55cの外周に沿って表開口55haを経て他方の点Dbに至る長さ(円弧の長さ)よりも大きく形成されている。また、表板11は、嵌合窪み13が形成される前の長方形の短辺の長さが、弁棒53が延びる方向の表開口55haの長さとほぼ同じ長さに形成されている。ここでいう「ほぼ同じ長さ」は、表カバー10を、弁箱52及び駆動部54に干渉しないでボディージョイント55に装着できるように表開口55haよりもやや小さく、表カバー10をボディージョイント55に装着したときに表開口55haに人間の指が入らないように表開口55haを塞ぐことができる範囲の長さである。このように、表板11は、表開口55haに人間の指が入らないように表開口55haを塞ぐことができる面積を有している。なお、ここでいう人間の指は、安全側で設計する観点から、自動弁50の定期点検を行う可能性のある人間の指のうちの最も小さい指を基準とするとよい。
【0025】
表板11は、本実施の形態では、ステンレス鋼が用いられている。表板11の材質は、自動弁50で取り扱う流体の特性等に応じて適宜決定することができるが、破断に強く、耐食性に優れるものが好ましい。また、表カバー10は、図3(b)に示すように、表板11の長辺が円弧状に曲げられて形成されるのであるが、自動弁50に装着される際は弾性変形により広げて装着されることとなる。そのため、表板11は、表カバー10が自動弁50に装着された際の脱落を抑制する観点から、ヤング率(縦弾性係数)が比較的大きな材質が用いられることが好ましいが、表カバー10の自動弁50への着脱を容易にする観点から、ヤング率がステンレス鋼よりも小さな材質が用いられることとしてもよい。表板11の材質は、ニッケル等の金属や、アクリル樹脂等の合成樹脂が用いられることとしてもよいが、本実施の形態では上述のようにステンレス鋼であるとして説明する。
【0026】
表板11には、両側の嵌合窪み13の底よりも内側に、嵌合窪み13が形成される前の長方形の短辺に平行に延びる棒状の回転防止部材15がそれぞれ取り付けられている。回転防止部材15は、図3(c)に示すように、表カバー10が自動弁50に装着されたときに、側壁55sの近傍で表開口55ha内に存在する位置に取り付けられている。回転防止部材15が設けられていることで、表カバー10が自動弁50に装着されたときに表カバー10が円筒55cの周方向に動くのを抑制することができる。回転防止部材15は、典型的には表板11と同じ材質が用いられる。また、回転防止部材15は、本実施の形態では棒状に形成されているとしたが、1箇所又は間隔を空けた複数箇所に点状に形成されていてもよく、帯状に形成されていてもよい。点状に形成されることとすると使用材料が少なくて済み、他方、棒状又は帯状に形成されることとすると、回転防止部材15が側壁55sに押し付けられたときの応力の集中を回避することができる。
【0027】
また、表板11には、両方の回転防止部材15の内側に、表カバー10が自動弁50に装着されたときに内部の弁棒53等の様子を視認することができる視認孔12が形成されている。視認孔12は、視認部の一態様であり、人間の指が入らない大きさのものが複数形成されている。「人間の指が入らない大きさ」は、表カバー10が自動弁50に装着されたときに、指が自動弁50の構成部材に触れることができるまで入り込むことができない大きさであり、典型的には指の爪の先端が入る程度で、指が貫通することのない大きさである。また、人間の指は、前述と同様、自動弁50の定期点検を行う可能性のある人間の指のうちの最も小さい指を基準とする。視認孔12は、本実施の形態では直径10mmの円形に形成されているが、楕円形や多角形、あるいはスリット状の細長い形状であってもよい。
【0028】
表カバー10は、上述の表板11が、回転防止部材15を内側にして、嵌合窪み13が形成される前の長方形の長辺が塑性変形により湾曲して構成されている。表板11の湾曲は、図3(b)に示す第1の仮想軸線18を中心とする円弧状である。表カバー10の湾曲する円弧は、ボディージョイント55の円筒55cの外径と同様の曲率(典型的には±5%の範囲内)になっている。第1の仮想軸線18は、表板11から離れて表板11の短辺に平行に延びる仮想の(説明の便宜上用いる)軸線であり、表カバー10が自動弁50に装着されたとき(図3(c)参照)に、弁棒53の軸線と一致する位置となる。このように、表板11は、第1の仮想軸線18を囲むように湾曲している。
【0029】
図3(c)に示すように、表カバー10は、表板11が塑性変形で曲げられた後の状態が、弁棒53に直交する面(第1の仮想軸線18に直交する面)において、表板11の一端11eと他端11fとの距離L10が、ボディージョイント55の円筒55cの直径Dよりも小さくなるように曲げられる。また、表カバー10は、表板11の弾性変形の範囲内で両端11e、11fを広げる方向に外力を加えたときに、両端11e、11fの距離が円筒55cの直径Dよりも大きくなるように、距離L10が決定される。つまり、距離L10は、表カバー10を弾性変形で広げてボディージョイント55に装着することができ、装着した後にボディージョイント55から表カバー10が外れないようにする観点から決定される。このように、好適な距離L10は、表板11の材質に影響を受ける。
【0030】
表板11がステンレス鋼で形成された本実施の形態では、弁棒53に直交する面(第1の仮想軸線18に直交する面)において、弁棒53と一端11eとを結ぶ半径と、弁棒53と他端11fとを結ぶ半径との中心角θ1が、195〜235°(215°±20°)となるように距離L10が形成されている。このように構成すると、表カバー10を自動弁50に対して着脱しやすく、表カバー10を自動弁50に装着したときに外れにくい適切な形状となる。
【0031】
次に図4を参照して、外傷防止部材1(図1参照)の裏カバー20を説明する。図4は、裏カバー20を説明する図であり、(a)は展開図、(b)は斜視図、(c)は自動弁50に装着した状態を示す水平断面図である。以下の説明において、表カバー10(図3参照)の構成に言及しているときは、適宜図3を参照することとする。裏カバー20は、図4(a)に示す第2の板状部材としての裏板21が、概ね表カバー10と同様に加工されて構成されている。裏板21は、基本形状が長方形の板状の部材であり、両短辺の中程に、表カバー10の嵌合窪み13と嵌合する嵌合突起23が、それぞれ形成されている。嵌合突起23の高さは、嵌合窪み13の深さと同等に形成されている。
【0032】
また、裏板21は、嵌合突起23が形成される前の長方形の長辺の長さが、ボディージョイント55の円筒55cの直径Dの一方の点Daから円筒55cの外周に沿って裏開口55hbを経て他方の点Dbに至る長さ(円弧の長さ)よりも大きく形成されている。また、裏板21は、嵌合突起23が形成される前の長方形の短辺の長さが、弁棒53が延びる方向の裏開口55hbの長さとほぼ同じ長さに形成されている。ここでいう「ほぼ同じ長さ」は、表カバー10と同様、裏カバー20を、弁箱52及び駆動部54に干渉しないでボディージョイント55に装着できるように裏開口55hbよりもやや小さく、裏カバー20をボディージョイント55に装着したときに裏開口55hbに人間の指が入らないように裏開口55hbを塞ぐことができる範囲の長さである。このように、裏板21は、裏開口55hbに人間の指が入らないように裏開口55hbを塞ぐことができる面積を有している。
【0033】
裏板21の材質は、表板11と同じか、同等のヤング率の材料を用いるとよい。ここでいう「同等のヤング率の材料」は、裏カバー20の自動弁50への着脱が支障なく行うことができ、裏カバー20を自動弁50の装着したときに外れにくい弾性を有する材料である。裏カバー20は、回転防止部材15(図3参照)によって過度の回転が抑制された表カバー10の嵌合窪み13と嵌合突起23で嵌合することにより回転が抑制されるため、裏カバー20には、表カバー10に設けられている回転防止部材15に相当する部材は設けられていないが、設けられていてもよい。他方、裏板21には、表板11に形成されている視認孔12と同様に形成された視認孔22が複数形成されている。また、裏板21には、表板11では形成されていない、自動弁50のチューブ56との干渉を回避する切り欠き26が形成されている。切り欠き26は、裏板21を自動弁50に装着したときに、チューブ56との干渉を回避可能な位置に適宜形成され、人間の指が隙間から裏開口55hbに入り込むのを回避できる大きさに形成されるとよい。なお、裏カバー20とチューブ56とが干渉しない場合は、切り欠き26を設けない。
【0034】
裏カバー20は、上述の裏板21が、嵌合突起23が形成される前の長方形の長辺が塑性変形により湾曲して構成されている。裏板21の湾曲は、表カバー10と同様、図4(b)に示す第2の仮想軸線28(表カバー10の第1の仮想軸線に相当)を中心とする円弧状である。第2の仮想軸線28は、裏板21から離れて表板11の短辺に平行に延びる仮想の(説明の便宜上用いる)軸線である。裏カバー20の湾曲する円弧は、表カバー10と同じ曲率になっている。図4(c)に示すように、裏カバー20は、裏板21が塑性変形で曲げられた後の状態が、弁棒53に直交する面(第2の仮想軸線28に直交する面)において、裏板21の一端21eと他端21fとの距離L20が、円筒55cの直径Dよりも小さくなるように曲げられる。また、裏カバー20は、裏板21の弾性変形の範囲内で両端21e、21fを広げる方向に外力を加えたときに、両端21e、21fの距離が円筒55cの直径Dよりも大きくなるように、距離L20が決定される。つまり、距離L20は、裏カバー20を弾性変形で広げてボディージョイント55に装着することができ、装着した後にボディージョイント55から裏カバー20が外れないようにする観点から決定される。
【0035】
本実施の形態では、裏板21がステンレス鋼で形成されており、弁棒53に直交する面(第2の仮想軸線28に直交する面)において、弁棒53と一端21eとを結ぶ半径と、弁棒53と他端21fとを結ぶ半径との中心角θ2が、195〜235°(215°±20°)となるように距離L20が形成されている。このように構成すると、裏カバー20を自動弁50に対して着脱しやすく、裏カバー20を自動弁50に装着したときに外れにくい適切な形状となる。
【0036】
引き続き図1乃至図4を参照して、外傷防止部材1の使用態様を説明する。自動弁50の定期点検を行う際、まず、表カバー10を自動弁50のボディージョイント55に装着する。このとき、両側の回転防止部材15が表開口55haの内部に入るようにして装着する。装着する際は、表カバー10の両端11e、11fを弾性変形によって広げ、ボディージョイント55の円筒55cの直径Dよりも両端11e、11fの間の距離が大きくなる状態で装着する。表カバー10がボディージョイント55に装着されると、弾性ひずみエネルギが回収されて両端11e、11fの間の距離(L10)が直径Dよりも小さくなる。これにより、自動弁50に装着された表カバー10は外れにくくなる。また、回転防止部材15が表開口55haの内側に入り込んでいるので、円筒55cの周方向に表カバー10が回転することが抑制される。
【0037】
表カバー10が装着されたら、裏開口55hbを覆うように、裏カバー20を自動弁50のボディージョイント55に装着する。このとき、嵌合突起23が、既に装着されている表カバー10の嵌合窪み13に嵌合するように装着する。装着する際は、裏カバー20の両端21e、21fを弾性変形によって広げ、円筒55cの直径Dよりも両端21e、21fの間の距離が大きくなる状態で装着する。裏カバー20がボディージョイント55に装着されると、弾性ひずみエネルギが回収されて両端21e、21fの間の距離(L20)が直径Dよりも小さくなる。これにより、自動弁50に装着された裏カバー20は外れにくくなる。また、嵌合突起23が嵌合窪み13に嵌合しているので、円筒55cの周方向に裏カバー20が回転することが抑制される。なお、表カバー10及び裏カバー20を自動弁50へ装着する順序が逆でもよい。
【0038】
上述のように、自動弁50に対して表カバー10及び裏カバー20が装着されても、視認孔12、22を通してボディージョイント55の内部が視認可能となっている。そのため、弁棒53の状況等、ボディージョイント55の内部を確認しながら点検作業を行うことができる。表カバー10及び裏カバー20が装着された状態でクランプ58を外すと、表開口55ha及び/又は裏開口55hbに誤って手指が入り込むことなく、弁箱52とボディージョイント55を分離させることができる。弁箱52とボディージョイント55とを分離させると、弁体51及び弁棒53の先端が弁箱52から取り出されて露出するので、Oリング等の消耗部品を簡便に交換することができる。消耗部品の交換の際も、表カバー10及び裏カバー20が装着された状態であるので、表開口55ha及び/又は裏開口55hbに誤って手指が入り込むことなく、弁棒53の誤作動が生じても指が挟まれて裂傷することがない。消耗部品の交換が完了したら、弁体51を弁箱52に収容し、弁箱52とボディージョイント55とをクランプ58で接続する。その後、表カバー10及び裏カバー20を自動弁50から外して、点検を終了する。
【0039】
以上で説明したように、外傷防止部材1を用いることにより、不用意に手指が表開口55ha及び/又は裏開口55hbに入るのが防止され、自動弁50のメンテナンス作業時の安全性が向上することとなる。また、自動弁50のメンテナンス時に注意が必要な箇所は、表開口55ha及び裏開口55hbのみならず、露出した弁棒53が縮む際に弁体51とプレート55pとの間に指を挟まれることや、高所に設置されている自動弁50においては高所作業になる点が挙げられるところ、外傷防止部材1を用いることにより表開口55ha及び裏開口55hbの安全性が担保されることで、表開口55ha及び裏開口55hb以外の点に注意を振り向けることが可能になり、安全性が向上することとなる。
【0040】
以上の説明では、外傷防止部材1が表カバー10と裏カバー20とを備えているとしたが、裏開口55hbに相当する開口が形成されていない自動弁に装着する場合や、開口が形成されていても設置位置等の条件により当該開口から内部にアクセスできない等の場合は、裏カバー20を備えずに、表カバー10のみを備えることとしてもよい。
【0041】
以上の説明では、表板11と裏板21とが嵌合することとしたが、表カバー10の嵌合窪み13及び/又は裏カバー20の嵌合突起23が形成されずに、自動弁50に装着された表カバー10に対して裏カバー20が覆い被さるように取り付けられることとしてもよい。この場合、裏カバー20が装着される対象物の外径が表カバー10の外径となるため、装着された裏カバー20はひずみエネルギが貯えられている状態となる。このとき、裏カバー20は、弾性力により両端21e、22fの間の距離が縮まる方向に作用して表カバー10を圧迫するので、裏カバー20が表カバー10と嵌合していなくても、容易に回転することが抑制される。また、裏カバー20が表カバー10を圧迫することで、表カバー10がボディージョイント55を圧迫する場合は、表カバー10の回転防止部材15を省略しても、表カバー10の回転を抑制することができる。
【0042】
以上の説明では、表カバー10に視認孔12(裏カバー20に視認孔22)が形成されていることとしたが、表板11(裏板21)がアクリル樹脂等の透視性を有する材料の場合は、表板11(裏板21)自体が視認部を兼ねることとなるので、視認孔12(視認孔22)が形成されていなくてもよい。また、裏カバー20からの自動弁50内部の確認を要しない場合は、裏板21の材質にかかわらず視認孔22が形成されていなくてもよい。
【0043】
以上の説明では、自動弁50のボディージョイント55が円筒55cに形成されているものに対して適用した例を説明したが、ボディージョイントが円錐のように軸方向で径が変化するように構成された自動弁に対しても、外傷防止部材を装着することが可能である。この場合、外傷防止部材の湾曲が、自動弁のボディージョイントに沿うように、第1及び第2の仮想軸線が延びる方向で曲率が変化するように構成されるとよい。
【0044】
次に図5を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る自動弁用外傷防止部材2を説明する。図5は、自動弁用外傷防止部材2の平面図であり、(a)は自動弁に装着する前の図、(b)は自動弁に装着した状態を示す図である。自動弁用外傷防止部材2(以下、単に「外傷防止部材2」という。)は、自動弁60への装着に好適な部材である。外傷防止部材2が好適に装着される自動弁60は、自動弁50(以下、自動弁50の構成に言及しているときは適宜図2を参照)と同様、自動弁50における、弁体51が収容された弁箱52、弁体51を移動させる弁体駆動部54、弁箱52と駆動部54とを間隔を空けて接続するボディージョイント55、に相当する構成を有している。自動弁60の、自動弁50と異なる点は、2つの側壁65sが、弁棒53の軸直角断面において、湾曲せずに弁棒53を間に挟んで平行に設けられている点である。2つの側壁65sの間には、一方にジョイント開口としての表開口65haが形成され、表開口65haに対向する位置には裏側開口としての裏開口65hbが形成されている。自動弁60では、表開口65haの幅Xaと裏開口65hbの幅Xbとは、共に2つの側壁65sの内側間の距離と等しくなっている。また、自動弁60では、表開口幅Xa(裏開口幅Xb)に2つの側壁65sの厚さを加えた距離Lxが、側壁65sの外表面の間の最大距離となっている。このように、距離Lxは、表開口幅Xa及び裏開口幅Xbよりも2つの側壁65sの厚さ分大きく構成されている。
【0045】
外傷防止部材2は、第1のカバーとしての表カバー30を備えている。表カバー30は、長方形に形成された第1の板状部材としての表板31が、溝形鋼状の本体部分31bに対して、弁棒53の軸直角断面において、開口の先端が互いに近づく方向に延びた爪部31nが形成されるように塑性変形で折り曲げられて構成されている。表カバー30は、自動弁60に装着されたときの位置において、弁棒53が第1の仮想軸線に相当し、弁棒53を囲むように折り曲げられている。溝形鋼状の本体部分31bの底面(開口に対向する面)は、表開口65haに人間の指が入らないように表開口65haを塞ぐことができる面積を有している。本体部分31bの両側面の内側間の長さL31wは、距離Lxよりも大きく、好ましくは、自動弁60の側壁65sの外側に、遊びができるだけ少なくなる状態で表カバー30を嵌めることができる大きさに形成されているとよい。本体部分31bの側面の幅L31dは、自動弁60の側壁65sの幅よりも一回り大きく、好ましくは、自動弁60の側壁65sの外側に、遊びができるだけ少なくなる状態で表カバー30を嵌めることができる大きさに形成されているとよい。
【0046】
また、表カバー30は、塑性変形で折り曲げられた後の状態が、弁棒53の軸直角断面において、両爪部31nの先端間の距離L30が、距離Lxよりも小さく構成されている。表カバー30は、表板31の弾性変形の範囲内で両爪部31nを広げる方向に外力を加えたときに、両爪部31nの先端間の距離が距離Lxよりも大きくなるように、距離L30(爪部31nの先端間の距離)が決定される。表カバー30は、表カバー10(図3参照)と同様の材質で形成されている。また、表カバー30は、表カバー10(図3参照)の視認孔12と同様の構成あるいは透視性の材質が採用されることにより、表カバー10(図3参照)と同様の視認部が形成されている。
【0047】
上述のように構成された外傷防止部材2を自動弁60に装着する際は、両爪部31nを、弾性変形によって、ボディージョイントの側壁65s間の距離Lxよりも広げる。表カバー30が自動弁60のボディージョイントに装着されると、弾性ひずみエネルギが回収されて両爪部31nの先端間の距離(L30)が距離Lxよりも小さくなる。これにより、自動弁60に装着された表カバー30は外れにくくなる。外傷防止部材2を自動弁60から外す際も、両爪部31nを弾性変形によって側壁65s間の距離Lxよりも広げればよい。このように、外傷防止部材2は、外傷防止部材1(図1乃至図4参照)に対して外形が異なるものの、同様の原理で使用することができる。
【0048】
なお、外傷防止部材2においても、外傷防止部材1(図1乃至図4参照)の裏カバー20に相当する第2のカバー(不図示)を備えることとして、裏開口65hbを塞ぐこととしてもよい。このとき、外傷防止部材2の第2のカバーは、典型的には表カバー30と同じ構成とされる。このとき、表カバー30及び外傷防止部材2の第2のカバーそれぞれの両側面及び両爪部に、弁棒53の軸線に直交する方向に見たときに重ならずに嵌合する凹凸が形成されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1、2 自動弁用外傷防止部材
10 表カバー
11 表板
11e 一端
11f 他端
12 視認孔
13 嵌合窪み
18 第1の仮想軸線
20 裏カバー
21 裏板
21e 一端
21f 他端
23 嵌合突起
28 第2の仮想軸線
50 自動弁
51 弁体
52 弁箱
53 弁棒
54 弁体駆動部
55 ボディージョイント
55s 側壁
55ha 表開口
55hb 裏開口
D 直径
Da 一方の点
Db 他方の点
L10 表カバーの両端部の距離
L20 裏カバーの両端部の距離
Wa 表開口幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体が収容された弁箱と、接続棒を介して前記弁体を移動させる弁体駆動部と、前記弁箱と前記弁体駆動部とを間隔を空けて接続するボディージョイントとを含み、前記ボディージョイントが、前記接続棒の周囲に設けられた側壁を有し、前記接続棒にアクセス可能なジョイント開口が前記側壁の間に形成され、前記接続棒の軸直角断面において前記ジョイント開口の両側に位置する前記側壁の外表面の間の最大距離が前記ジョイント開口の幅よりも大きく構成された自動弁、に取り付けられる自動弁用外傷防止部材であって;
前記ジョイント開口に人間の指が入らないように前記ジョイント開口を塞ぐ面積を有すると共に前記接続棒の軸直角断面における前記最大距離を形成する一方の点から前記ジョイント開口を経て前記最大距離を形成する他方の点までの長さを超える長さを有する第1の板状部材が、前記第1の板状部材に対して離間して平行に延びる第1の仮想軸線を囲むように曲げられて、
曲げられることにより接近した前記第1の板状部材の両端部の距離が、外力を加えないときに前記最大距離よりも小さく、外力を加えたときに弾性変形によって前記最大距離よりも大きくなり、
前記第1の板状部材の面に人間の指が貫通することなく前記第1の板状部材の面の反対側の状態を視認可能な視認部が形成されて構成された第1のカバーを備える;
自動弁用外傷防止部材。
【請求項2】
前記自動弁が、前記ジョイント開口に対して前記接続棒を挟んだ反対側の前記側壁の間に、前記接続棒にアクセス可能な裏側開口が形成され;
前記裏側開口に人間の指が入らないように前記裏側開口を塞ぐ面積を有すると共に前記接続棒の軸直角断面における前記最大距離を形成する一方の点から前記裏側開口を経て前記最大距離を形成する他方の点までの長さを超える長さを有する第2の板状部材が、前記第2の板状部材に対して離間して平行に延びる第2の仮想軸線を囲むように曲げられて、
曲げられることにより接近した前記第2の板状部材の両端部の距離が、外力を加えないときに前記最大距離よりも小さく、外力を加えたときに弾性変形によって前記最大距離よりも大きくなるように構成された第2のカバーを備える;
請求項1に記載の自動弁用外傷防止部材。
【請求項3】
前記側壁が、前記接続棒に直交する仮想平面上における前記接続棒を中心とする円周の直径の両端に存在すると共に前記仮想平面に投影した形状が前記円周に沿って湾曲して構成され;
前記第1のカバー及び前記第2のカバーが、前記側壁の外表面が沿う円周の径を内径とする円弧状に湾曲して形成された;
請求項1又は請求項2に記載の自動弁用外傷防止部材。
【請求項4】
前記第1の板状部材の両端部及び前記第2の板状部材の両端部がそれぞれ前記最大距離を挟むように前記第1のカバー及び前記第2のカバーが前記ボディージョイントに取り付けられたときの、前記仮想平面に投影したときに互いに重なる前記第1の板状部材の両端部及び前記第2の板状部材の両端部に、前記接続棒の軸線に直交する方向に見たときに重ならずに嵌合する凹凸が形成された;
請求項3に記載の自動弁用外傷防止部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−67783(P2012−67783A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210558(P2010−210558)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000006138)株式会社明治 (265)
【Fターム(参考)】