説明

自動復帰式蝶番

【課題】自動復帰式蝶番について、構成の複雑化を伴うことなく捩りバネをシャフトに内装してコストアップを最小限に抑えられるようにする。
【解決手段】蝶番部材2,3と、筒状のシャフト4と、係止手段で上下両端側を係止された捩りバネ5とからなり開き方向の動作で捩りバネ5が捩れて閉じ方向の付勢力を発揮する自動復帰式蝶番において、捩りバネ5の上下両端側が係合構造5a,5bとされ、その係止手段が、頭部60とスリーブ21に挿入した状態で係合構造5aと係合する構造を有した挿入部61とからなり固定手段であるピン7でスリーブ21に対し軸周り回動不能に固定される係止蓋6による上部係止手段と、スリーブ31の周壁を介し外部から挿設され捩りバネ5を内装したシャフト4を挿入した状態で軸周り回動不能且つ脱抜不能にスリーブ31内で固定しながら係合構造5bと係合するピン8による下部係止手段からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、捩りバネを用いることにより開いたドアを自動的に閉じる方向に或いは閉じたドアを自動的に開ける方向に付勢する機能を有した自動復帰式蝶番に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、蝶番を構成している1対の蝶番部材間にバネを介装することにより開いたドアを閉鎖方向に付勢する自動復帰式蝶番は、例えば特開平7−113369号公報に記載されているように広く知られている。この文献に記載されているものは、羽根板にスリーブを付設した1対の蝶番部材を、上下に重ねたスリーブ内にシャフトを挿通して蝶番開閉軸としながらシャフト周りにコイルバネを配設してその上下端部側を上下の蝶番部材側に各々固定したことにより、ドアの開き動作でコイルバネが捩れて閉じ方向の付勢力を発揮するようになっている。
【0003】
しかしながら、シャフト周りにコイルバネを配設すると、これを挿通させるスリーブの内径が大きくなることから、スリーブの大径化により蝶番のサイズ・重量が非自動復帰式のものと比べて大きくなり、規格内に収まらなかったり、外観が美麗でなくなるなどの問題がある。そこで、特開2010―37735号公報に記載されているように、上下のスリーブに挿通するシャフトの内部にコイルバネを配設して、コイルバネの交換作業を容易にしながらスリーブの大径化を最小限に抑えた自動復帰式蝶番が提案されている。
【0004】
ところが、この自動復帰式蝶番においては、コイルバネ端部を蝶番部材側に固定・支持させるブラケットを取り付けるために蝶番部材に特殊な構造を設けることに加え、コイルバネを内装したシャフトを下側のスリーブ内で軸周り回動不能に固定するためにスリット等の構造を要することから、部品として構造の複雑化を伴うとともに従来部品の流用も困難になるため、どうしても高コストなものとなってしまうとともに複雑な構造が外観にも表れるので美麗とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−113369号公報
【特許文献2】特開2010―37735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、自動復帰式蝶番について、構成の複雑化を伴うことなく捩りバネをシャフトに内装してコストアップを最小限に抑えられるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、羽根板の1側辺に沿って互いに対向位置に各々スリーブを形成した1対の蝶番部材と、上下に連ねた前記スリーブに挿通されて蝶番開閉軸となる筒状のシャフトと、前記シャフト内に挿入配置されてその上下両端側を所定の係止手段で前記各スリーブに対し少なくとも軸周りに回動不能に係止された捩りバネとからなり、ドア開き方向の動作により前記捩りバネが捩れて閉じ方向の付勢力を発揮する自動復帰式蝶番であって、前記捩りバネは、バネ部分の上下両端側が係合構造とされ、前記係止手段は、前記スリーブ内径よりも大径の頭部と該頭部下面から前記スリーブ内に挿入可能な太さで垂設され前記スリーブに挿入した状態で上側の前記係合構造と互いに係合する構造を有した挿入部
とからなり該挿入部を上側の前記スリーブに上から挿入した状態で所定の固定手段により前記スリーブに対し少なくとも軸周り回動不能に固定されるキャップ状の上部係止手段と、下側の前記スリーブの周壁を介して外部から挿設され内部に前記捩りバネを配置した前記シャフトを下側の前記スリーブ内の所定深さまで挿入した状態で前記スリーブに対し軸周り回動不能且つ脱抜不能に固定するとともに下側の前記係合構造と係合する下部係止手段とからなることを特徴とする。
【0008】
このように、シャフト内に捩りバネを配置した自動復帰式蝶番について、その捩りバネの上下両端側をスリーブに対し軸周り回動不能に係止する係止構造として、上側のスリーブに挿入した部分で係合して捩りバネ上端側を係止するキャップ状の上部係止手段と、下側のスリーブに挿入したシャフトを固定するとともにシャフト内部の捩りバネ下端側を係止する下部係止手段とからなるものとしたことで、簡易な構成にて実施できることに加え従来部品を殆どそのまま流用することもできる。
【0009】
また、この場合、その上部係止手段を、円柱状に形成された挿入部の底面に上側の係合構造を挿入させることで軸周り回動不能に係合させるスリットが上向きに形成されているとともに外周面に固定手段としての棒状部材を挿入するための孔または穴が横向きに設けられ、この孔または穴に上側のスリーブの周壁を横向きに貫通した挿通孔を介して外部から棒状部材を挿通・留置することでスリーブに固定されるものとし、その下部係止手段を、下側のスリーブの周壁を横向きに貫通した挿通孔及びシャフトの周壁を横向きに貫通した挿通孔を介して外部から挿通され係合構造と係合した状態で留置された他の棒状部材としたものとすれば、従来部品に挿通孔を形成してピン等の棒状部材を挿通して留置するだけで捩りバネの上下両端側を確実に係止することができる。
【0010】
或いは、羽根板の1側辺に沿って各々スリーブを形成した1対の蝶番部材と、下側のスリーブから上向きに延設された状態で前記スリーブと一体とされて蝶番開閉軸となる筒状のシャフトと、該シャフト内に配置されて上下両端側を所定の係止手段で前記各スリーブに対し少なくとも軸周り回動不能に係止された捩りバネとからなり、ドア開き方向の動作により前記捩りバネが捩れて閉じ方向の付勢力を発揮する自動復帰式蝶番において、前記捩りバネは、バネ部分の上下両端側が係合構造とされ、前記係止手段は、前記スリーブ内径よりも大径の頭部と該頭部下面から前記スリーブ内に挿入可能な太さで垂設され前記スリーブに挿入した状態で上側の前記係合構造と互いに係合する構造を有した挿入部とからなり、該挿入部を上側のスリーブに上から挿入した状態で所定の固定手段により前記スリーブに対し少なくとも軸周り回動不能に固定されるキャップ状の上部係止手段と、下側の前記スリーブ周壁を介して外部から挿設され下側の前記係合構造と係合する下部係止手段からなることを特徴とするものとすれば、さらに構成が簡易になって低コストなものとなる。
【0011】
さらにまた、この場合、その上部係止手段を、円柱状に形成された挿入部の底面に上側の係合構造を挿入させることで軸周り回動不能に係合させるスリットが上向きに形成されているとともに外周面に固定手段としての棒状部材を挿入するための孔または穴が横向きに設けられ、この孔または穴に上側のスリーブの周壁を横向きに貫通した挿通孔を介して外部から棒状部材を挿通・留置することでスリーブに固定されるものとし、その下部係止手段を、下側のスリーブの周壁を横向きに貫通した挿通孔を介して外部から挿通され係合構造と係合した状態で留置された他の棒状部材であるものとしても、上述と同様に捩りバネの上下両端側を確実に係止することができる。
【0012】
特に、前記捩りバネがコイルバネであるとともに、その上下両端側の係合構造がバネ部分を構成している線材の上下両端側に屈曲されて各々中心軸線方向に延びる鈎状またはアーチ状であったり、前記捩りバネが板バネであるとともに、その係合構造がバネ部分を構
成している板材の上下両端側に形成された中心軸線方向に延びる板状で係止孔が形成されている場合には実施しやすいとともに確実に復帰機能を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0013】
スリーブに挿入した部分で捩りバネ上端側を係止するキャップ状の上部係止手段とスリーブ周壁を介して設けられ捩りバネ下端側を係止する下部係止手段とを備えた本発明によると、構成の複雑化を伴うことなく捩りバネをシャフトに内装して外形を変えずにシンプルで美麗なものにするとともにコストアップを最小限に抑えることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明における実施の形態の分解斜視図である。
【図2】図1の自動復帰式蝶番の縦断面図である。
【図3】本発明における異なる実施の形態の分解斜視図である。
【図4】図3の自動復帰式蝶番の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0016】
図1は、本発明を開いた状態から閉じた状態に自動的に復帰する自動復帰式蝶番1についての好ましい実施の形態の分解斜視図を示すものであり、この自動復帰式蝶番1は、羽根板20,30を有した蝶番部材2,3をドア及びドア枠に取り付けることでドアを開閉動作可能な状態にすることに加え、いったん開いたドアを閉じ方向に付勢して閉止状態に自動的に復帰させる機能を有しており、付勢手段としての捩りバネ5が筒状のシャフト4内に配置されている。
【0017】
そして、前記蝶番部材2,3は、ネジ孔を穿設した羽根板20,30の縦向きの1側辺に沿って側辺の半分程度の長さのスリーブ21,31を形成してなる金属部品であり、蝶番部材2ではスリーブ21が上側に、蝶番部材3ではスリーブ31が下側に形成されており、筒状のシャフト4を下側のスリーブ31に所定深さまで挿入・固定した状態で、スリーブ21,31を上下方向に連ねて挿通したことにより蝶番開閉軸を構成している。
【0018】
また、シャフト4内に配置されドアの自動復帰機能を発揮する捩りバネ5は、コイルバネからなるとともに螺旋状に形成されるバネ部分を構成している線材の上下両端側が屈曲されて各々バネ中心軸線方向に延びた鈎状の係合構造5a,5bとされている。下側の係合構造5bは、下側のスリーブ31に所定深さまで挿入されたシャフト4内に配置された状態で、スリーブ31の周壁を外側から横向きに貫通した挿通孔31aとシャフト4の周壁を横向きに貫通した挿通孔4aを介して外部から挿通・留置されたピン8が係合しており、シャフト4及びスリーブ31に対し軸周り回動不能に係止して捩りバネ5の下部係止手段を構成している。
【0019】
尚、ピン8は挿通孔31a,4aを挿通しているだけでなく、挿通孔4b,31bを介して反対側まで貫通した状態で留置されている。これにより、捩りバネ5の係合構造5bを係止しながら、シャフト4をこの挿入位置にて堅固に固定したものとなっている。また、ピン8の代わりにボルトやネジを使用しても同様の機能を発揮することができる。
【0020】
一方、捩りバネ5上側の係合構造5aをスリーブ21に対し軸周り回動不能に係止する上部係止手段としては、キャップ状(キノコ状)の部材である係止蓋6が、上側のスリーブ21の上側開口部に挿入されて配置されている。この係止蓋6は、スリーブ21の内径よりも大径で外部に露出する円盤状の頭部60とその下面からスリーブ21内に挿入可能な太さで垂設されて底面から上向きに形成されたスリット61bと外周面所定位置から反
対側まで横向きに貫通した挿通孔61aを備えた円柱状の挿入部61とからなる。
【0021】
この係止蓋6の挿入部61をスリーブ21の上側開口部に上から挿入して、鈎状に形成されて上向きに延びた捩りバネ5上側の係合構造5aをスリット61b内に挿入させて挟み込んだ状態とし、スリーブ21の周壁を横向きに貫通した挿通孔21aを介して挿入部61の挿通孔61aまでピン7を挿入して留置することにより、係止蓋6はスリーブ21に対し軸周り回動不能に固定され、捩りバネ5の係合構造5aもスリーブ21に対し軸周り回動不能に固定される。尚、この場合も、ピン7は挿通孔21a,61aを挿通しているだけでなく、挿通孔21aに対向して設けた21bを介して反対側まで貫通した状態で留置されて係止状態を堅固なものとしている。また、ピン7の代わりにネジやボルトを使用できることはいうまでもない。
【0022】
また、前述のように、筒状のシャフト4内に配置された捩りバネ5の上下両端側が、極めて簡易な構成によりスリーブ21,31側に各々係止されて、自動復帰機能を発揮可能なものとなっていることから、本実施の形態の自動復帰式蝶番1は、新規な構成の部品として極めて簡易な構造の係止蓋6を追加する程度で済むため、従来部品を加工することでコストアップを最小限にして製造することができる。
【0023】
図2は、図1に示した自動復帰式蝶番1を組み立てた状態でスリーブ21,31の位置で縦向きに切断した縦断面図を示している。このように、本実施の形態の自動復帰式蝶番1は、組み立てた状態で従来の捩りスプリングを収装しないスリーブ21,31部分と同一の外観同様にスリムな状態ですっきり収まっており、過剰なサイズアップや重量増加を伴うものにはなっていない。
【0024】
この自動復帰式蝶番1を組み立てる手順としては、先ず、捩りバネ4を配置したシャフト4を蝶番部材3のスリーブ31に挿入し、所定位置でピン8を挿通してシャフト4を固定するとともに、係合構造5bを軸周り回動不能に係止した状態にして、蝶番部材2のスリーブ21にシャフト4を下から挿入してセットする。
【0025】
そして、係止蓋6の挿入部61をスリーブ21の上側開口部に挿入してスリット61bの内側で係合構造5aを挟み込んでいったん係合させ、係止蓋6の頭部60を摘んで軸周りに回し捩りバネ5を捩りながらある程度蓄勢させた位置にしてから、ピン7を挿通して固定することが推奨される。このようにしておくことで、ドアの閉鎖位置付近でも充分なる付勢力を発揮可能な状態にすることができる。
【0026】
尚、前記付勢力は捩りばねを捩ることにより生じるので捩り量を変化させることにより付勢力を調整して所望の復帰力を得ることができる。
【0027】
尚、上述した実施の形態では、シャフト4をスリーブ31とは別体としてスリーブ31内に所定の深さまで挿入した後にピン8で固定する構成を説明したが、シャフト4が予めスリーブ31から上向きに延設された状態でスリーブ31と一体とされて蝶番開閉軸となる構成としてもよく、この場合もピン8で側方から挿通することで捩りバネ5下側の係合構造5bと係合して係止する構成にすればよい。
【0028】
以上、述べたように、自動復帰式蝶番について、本発明により構成の複雑化を伴うことなく捩りバネをシャフトに内装することができ、コストアップを最小限に抑えられるものとなった。
【0029】
尚、本実施の形態は、ドアを開けた状態から自由な状態としたときに自動的に閉じる自動復帰式蝶番についてのものであるが、捩りバネ5の弾発板方向(捩り方向)を逆転させ
て装着すればよい(図示せず)。
【0030】
また、図3は本発明の異なる実施の形態を示すものであり、全体の構成ならびに作用・効果は前記実施の形態とほぼ同様であるが、捩り部材5が板バネにより形成されている点が異なる。
【0031】
更に詳しく説明すると、前記実施の形態では捩りバネ5がコイルバネからなることから、線材の素材や太さなどにより復帰力を調整することができるが、本実施の形態では素材や幅、厚さなどを変化することにより復帰力を調整することが可能であり、調整し易い。
【0032】
加えて、係合構造5a,5bも前記コイルバネを用いた図1および図2に示した実施の形態では螺旋状に形成されるバネ部分を構成している線材を屈曲して各々バネ中心軸線方向に延びた鈎状やアーチ状に加工する必要があるが、本実施の形態ではバネ部分を延長した板状でよく、ピン7,ピン8の係止孔5cを形成すればよく、加工が簡単であるばかりか耐久性にも優れている。
【0033】
尚、ここで説明した実施の形態では捩りバネ5としてコイルバネおよび板バネの場合を示したが、捩りバネ5は捩ることにより反転する復帰力が生じるものであればよく、素材や形状は問わない。
【符号の説明】
【0034】
1 自動復帰式蝶番、2,3 蝶番部材、4 シャフト、4a,4b,21a,21b,61a 挿通孔、5 捩りバネ、5a,5b 係合構造、6 係止蓋、7,8 ピン、21,31 スリーブ、60 頭部、61 挿入部、61b スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根板の1側辺に沿って互いに対向位置に各々スリーブを形成した1対の蝶番部材と、上下に連ねた前記スリーブに挿通されて蝶番開閉軸となる筒状のシャフトと、前記シャフト内に挿入配置されてその上下両端側を所定の係止手段で前記各スリーブに対し少なくとも軸周りに回動不能に係止された捩りバネとからなり、ドア開き方向の動作により前記捩りバネが捩れて閉じ方向の付勢力を発揮する自動復帰式蝶番であって、前記捩りバネは、バネ部分の上下両端側が係合構造とされ、前記係止手段は、前記スリーブ内径よりも大径の頭部と該頭部下面から前記スリーブ内に挿入可能な太さで垂設され前記スリーブに挿入した状態で上側の前記係合構造と互いに係合する構造を有した挿入部とからなり該挿入部を上側の前記スリーブに上から挿入した状態で所定の固定手段により前記スリーブに対し少なくとも軸周り回動不能に固定されるキャップ状の上部係止手段と、下側の前記スリーブの周壁を介して外部から挿設され内部に前記捩りバネを配置した前記シャフトを下側の前記スリーブ内の所定深さまで挿入した状態で前記スリーブに対し軸周り回動不能且つ脱抜不能に固定するとともに下側の前記係合構造と係合する下部係止手段とからなることを特徴とする自動復帰式蝶番。
【請求項2】
前記上部係止手段は、円柱状に形成された前記挿入部の底面に上側の前記係合構造を挿入させることで軸周り回動不能に係合させるスリットが上向きに形成されているとともに外周面に固定手段としての棒状部材を挿入するための孔または穴が横向きに設けられ、該孔または穴に上側の前記スリーブの周壁を横向きに貫通した挿通孔を介して外部から前記棒状部材を挿通・留置することで前記スリーブに固定されるものであり、前記下部係止手段は、下側の前記スリーブの周壁を横向きに貫通した挿通孔及び前記シャフトの周壁を横向きに貫通した挿通孔を介して外部から挿通され前記係合構造と係合した状態で留置された他の棒状部材であることを特徴とする請求項1に記載した自動復帰式蝶番。
【請求項3】
羽根板の1側辺に沿って各々スリーブを形成した1対の蝶番部材と、下側のスリーブから上向きに延設された状態で前記スリーブと一体とされて蝶番開閉軸となる筒状のシャフトと、該シャフト内に配置されて上下両端側を所定の係止手段で前記各スリーブに対し少なくとも軸周り回動不能に係止された捩りバネとからなり、ドア開き方向の動作により前記捩りバネが捩れて閉じ方向の付勢力を発揮する自動復帰式蝶番において、前記捩りバネは、バネ部分の上下両端側が係合構造とされ、前記係止手段は、前記スリーブ内径よりも大径の頭部と該頭部下面から前記スリーブ内に挿入可能な太さで垂設され前記スリーブに挿入した状態で上側の前記係合構造と互いに係合する構造を有した挿入部とからなり、該挿入部を上側のスリーブに上から挿入した状態で所定の固定手段により前記スリーブに対し少なくとも軸周り回動不能に固定されるキャップ状の上部係止手段と、下側の前記スリーブ周壁を介して外部から挿設され下側の前記係合構造と係合する下部係止手段からなることを特徴とする自動復帰式蝶番。
【請求項4】
前記上部係止手段は、円柱状に形成された前記挿入部の底面に上側の前記係合構造を挿入させることで軸周り回動不能に係合させるスリットが上向きに形成されているとともに外周面に固定手段としての棒状部材を挿入るための孔または穴が横向きに設けられ、該孔または穴に上側の前記スリーブの周壁を横向きに貫通した挿通孔を介して外部から前記棒状部材を挿通・留置することで前記スリーブに固定されるものであり、前記下部係止手段は、下側の前記スリーブの周壁を横向きに貫通した挿通孔を介して外部から挿通され前記係合構造と係合した状態で留置された他の棒状部材であることを特徴とする請求項3に記載した自動復帰式蝶番。
【請求項5】
前記捩りバネがコイルバネであるとともに、その上下両端側の係合構造がバネ部分を構成している線材の上下両端側に屈曲されて各々中心軸線方向に延びる鈎状またはアーチ状
である請求項1,2,3または4に記載した自動復帰式蝶番。
【請求項6】
前記捩りバネが板バネであるとともに、その係合構造がバネ部分を構成している板材の上下両端側に形成された中心軸線方向に延びる板状で係止孔が形成されている請求項1,2,3または4に記載した自動復帰式蝶番。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−107428(P2012−107428A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257061(P2010−257061)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(598001397)株式会社フロンテア (19)
【Fターム(参考)】