説明

自動扉施錠システム

【課題】 ユーザの操作性、利便性を向上させることができる自動扉施錠システムを提供する。
【解決手段】 解錠の指示に応じて錠を解錠する電子錠施錠装置と自動扉施錠制御装置とが接続される自動扉施錠システムであって、前記自動扉施錠制御装置は、前記錠の解錠が可能な鍵の識別番号を鍵IDとして記憶する第1の鍵情報記憶部と、ICチップを有する端末装置から当該ICチップに記憶されたIDコードを読み出すIDコード読み出し部と、前記第1の鍵情報記憶部を参照し、前記IDコード読み出し部によって読み出したIDコードに一致するIDコードが記憶されているか否かを検索する検索部と、前記検索部の検索結果に基づいて、IDコードに一致する鍵IDが検索された場合に、前記電子錠施錠装置に解錠の指示を出力する解錠指示出力部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップ入りカード及び携帯電話等を用いて扉を開閉する自動扉施錠システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスや一般家庭におけるホームセキュリティへの関心の高まりと共に、自動扉施錠システムが急速に普及しつつある。このような自動扉施錠システムの一形態として、帰宅者や入室者が、解錠キーを錠に直接差し込まなくても、掌中の赤外線キーのスイッチを押すことによって、赤外線を、錠の一部に設けた赤外線センサに向けて発射し、解錠を行うことができるものがある。また、IDが記憶されたICチップを搭載するカードをカードリーダにかざすことによって、解錠するICカードリーダ錠が提供されている。
このような施錠システムとしては、例えば、下記の特許文献1のシステムが提供されている。
【特許文献1】特開平10−176446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した施錠システムにおいて用いられる赤外線は、光空間伝送なので、その伝送距離が例えば2m以内の短距離に限られ、また、赤外線の指向性によって赤外線キーを正確に錠に向けて操作しなくてはならないため、使い勝手が悪く、特に夜間等における解錠、施錠は問題を有していた。
また、外出時にICチップが搭載されたカードを持ち歩くとなると、家から持ち出すものが多くなり、持ち出しを忘れると解錠できなくなる問題があった。
【0004】
また、従来技術におけるカードリーダ錠は、予め登録されたIDを記憶しているROMによりIDを認識させるため、合い鍵などを作る場合に、そのICチップが搭載されたICカードの複製が必要となる。そうすると、複製するためには、ユーザは、管理会社などを経由してICカード発行業者に再発行を依頼しなければならず、実際にICカードが発行されるまでには相当の期間が必要となり、すぐには、利用できない場合があった。これは、赤外線を用いた施錠システムにおいても同様である。また、カードや赤外線式リモコンが盗難にあった場合には、第三者に解錠されてしまう可能性がある。また、電源部が必要となる構造のため、停電時には施錠解錠ができなくなるという問題点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザの操作性、利便性を向上させることができる自動扉施錠システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、解錠の指示に応じて錠を解錠する電子錠施錠装置と自動扉施錠制御装置とが接続される自動扉施錠システムであって、前記自動扉施錠制御装置は、前記錠の解錠が可能な鍵の識別番号を鍵IDとして記憶する第1の鍵情報記憶部と、ICチップを有する端末装置から当該ICチップに記憶されたIDコードを読み出すIDコード読み出し部と、前記第1の鍵情報記憶部を参照し、前記IDコード読み出し部によって読み出したIDコードに一致するIDコードが記憶されているか否かを検索する検索部と、前記検索部の検索結果に基づいて、IDコードに一致する鍵IDが検索された場合に、前記電子錠施錠装置に解錠の指示を出力する解錠指示出力部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上述の自動扉施錠システムにおいて、前記自動扉施錠制御装置は、自動扉施錠制御装置内の各部に電源を供給する第1の電源部を有し、前記電子錠施錠装置は、電子錠施錠装置内の各部に電源を供給する第2の電源部と、解錠するための入力情報を入力する入力部と、前記錠の解錠が可能な鍵の識別番号を鍵IDとして記憶する第2の鍵情報記憶部と、前記第1の鍵情報記憶部を参照し、前記入力部から入力される入力情報に一致するIDコードが記憶されているか否かを検索する第2の検索部と、前記第2検索部の検索結果に基づいて、入力情報に一致する鍵IDが検索された場合に、錠を解錠する解錠部とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述の自動扉施錠システムにおいて、前記自動扉施錠システムは、管理端末がさらに接続され、前記管理端末は、前記端末装置からの登録要求と当該端末装置が有するICチップに記憶されたIDコードとを受信し、登録対象となる自動扉施錠制御装置の第1の鍵情報記憶部に受信したIDコードを書き込むことを特徴とする。また、前記自動扉施錠制御装置またはサーバ1から情報を取り出すことができる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、この発明によれば、ICチップを有する端末装置を用いるようにし、IDコード読み出し部によって読み出したIDコードに一致するIDコードが記憶されているか否かを検索し、IDコードに一致する鍵IDが検索された場合に、電子錠制御装置に解錠の指示を出力するようにした。これにより、ユーザは、ICチップ入りの持ち慣れた携帯電話などの端末装置を携帯することにより、解錠することができるので、持ち出すものを少なくすることができ、携帯することが慣れていないカードなど別途持ち運ぶ意識をしなくてすむ。また、端末装置を用いるようにしても、セキュリティを維持することができる。
【0010】
また、本発明によれば、自動扉施錠制御装置と電子錠施錠装置とにそれぞれ異なる電源を設けるとともに、電子錠施錠装置に2ボタン式入力部とを設けるようにしたので、自動扉施錠制御装置の電源がダウンした場合においても、電子錠施錠装置に別途設けられた電源によって駆動し、2ボタン式入力部から入力される入力情報に基づいて解錠することができる。
【0011】
また、本発明によれば、端末装置と管理端末によって、端末装置のIDコードを登録することができるので、新たに登録したIDコードを合い鍵として利用することができ、従来に比べて発行にかかる手間を省くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態による自動扉施錠システムについて図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態による自動扉施錠システムの機能構成を示す概略ブロック図である。この図において、自動扉施錠システムは、鍵制御ボード2がLAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワーク100を介してサーバ1に接続されるとともに、ICチップ搭載端末5に対して通信を行うリーダライタ3と、電子錠施錠装置4とに接続される。
【0013】
サーバ1は、ネットワーク100を介して入居者端末6と管理端末7とに接続される。このサーバ1は、ICチップに記憶されたIDコードならびに顧客データ等が記憶されたID情報データベースを一元的に管理するデータ管理部11、遠隔に自動扉施錠システムが保有するメモリ内のデータを書き換えるデータ書き換え部12、入居者端末6に対して各種情報を送信する通信部13、各種情報を記憶するデータベース14を有する。
【0014】
データベース14は、ID情報データベースと、解錠した履歴を記憶する解錠履歴データベースと、装置に異常が発生した履歴を記憶する装置異常記録データベースとによって構成される。ID情報データベースには、例えば、錠の解錠が可能な鍵となるIDコード、解錠する対象の扉を特定するための扉ID(例えば、マンション名と部屋番号との組み合わせの情報)、IDコードの有効期間、所有者名称、電子メールアドレス、携帯電話の電話番号などが対応付けられて記憶される。このID情報は、入居者以外に、管理会社の端末、管理人の端末に対してIDコードを割り当てておき、解錠可能にしてもよい。この場合、管理会社の端末には有効期限を設けず、管理人の端末に有効期限を設けるようにしてもよい。
【0015】
ICチップ搭載端末5は、無線によってリーダライタ3と通信を行うICチップを搭載した記録媒体が設けられた端末であり、例えば、Felica(登録商標)を搭載したカードあるいは携帯電話などである。このICチップには、ユーザを識別するためのIDコードが記憶される。なお、ここでは、ICチップが設けられた媒体がICチップ搭載端末5である場合について説明するが、ICチップが搭載されたカードであってもよい。
【0016】
鍵制御ボード2は、シリアルポートを有し、このシリアルポートにリーダライタ3がシリアル接続されるとともに、I/Oポートを有し、このI/Oポートに例えば、RS−232Cなどのインタフェースを介して電子錠施錠装置4が接続される。この鍵制御ボード2は、必要に応じて交換可能であり、例えば、改良型の鍵制御ボードに交換する場合、電子錠制御装置4はそのままに設置しておき、鍵制御ボードの部分のみ交換することが可能である。なお、必要に応じてリーダライタも交換可能である。
【0017】
この鍵制御ボード2において、ネットワーク関連機能部21は、ネットワーク100に接続され、サーバ1と各種情報の通信を行う。この接続は、LAN接続であってもよい。メモリ22(第1の鍵情報記憶部に相当)は、錠の解錠が可能な鍵の識別番号を鍵IDとして記憶する。また、メモリ22は、解錠および施錠を行った履歴をIDコードと対応付けてログ情報として記憶する。外部R/W制御エンジン部23は、リーダライタ3から出力されるデータをメインアプリケーション部24に出力し、メインアプリケーション部24から出力されるデータをリーダライタ3に出力する。メインアプリケーション部24は、各部を制御する(詳細は後述する)。このメインアプリケーション部24は、適宜更新することによりアップデートが可能である。
【0018】
鍵制御機能部25は、メインアプリケーション部24から出力されるIDコードに一致する鍵IDがメモリ22に記憶されているか否かを検索する機能と、この検索結果に基づいて、IDコードに一致する鍵IDがメモリ22から検索された場合に、電子錠施錠装置4に解錠の指示を出力する機能とを有する。また、鍵制御機能部25は、自身の鍵制御ボード2の制御対象となる電子錠制御装置4を解錠させるIDコードをメモリ22に書き込む。この書き込みは、ICチップ搭載端末5、サーバ1、入居者端末6等からの指示に基づいて書き換えが可能である。
【0019】
リーダライタ3は、外壁と同じ素材で仕上げる、あるいは、外壁部材の室内側または扉の外面部材の室内側に設けられる。これにより、外部から視認されにくくなり、いたずらや侵入防止を図ることが可能である。ICチップ搭載端末5のICチップに記憶されたIDコードを読み出して、外部R/W制御エンジン部23を介してメインアプリケーション部24に出力する機能と、外部R/W制御エンジン部23を介して出力されるメインアプリケーション部24からの指示に応じた制御信号を出力する。この鍵制御ボード2とリーダライタ3との組み合わせが自動扉施錠制御装置20に相当する。
【0020】
電子錠施錠装置4は、施錠・解錠する対象となる扉やドア等に設けられ、鍵制御ボード2からの解錠の指示または外部に設けられる2ボタン式入力部から入力される情報に基づいて、錠を解錠する。電子錠制御装置4は、解錠した後、所定の時間が経過した後、あるいは、扉が一旦開き、閉になった場合に施錠する。この電子錠制御装置4は、例えば、特願平10−259351の自動扉施錠システムを適用することも可能である。
【0021】
次に、上述した図1の構成における自動扉施錠システムについて、図2を用いてさらに説明する。図2は、自動扉施錠システムの構成を示す概略ブロック図である。この図において、自動扉施錠制御装置20は、ネットワーク装置210、入力インタフェース220、フラッシュROM230、CPU(中央処理装置)240、RAM250、出力インタフェース260、電子錠制御コントローラ270、リーダライタ3、RTC280、AC−DCコンバータ290によって構成され、フラッシュROM230やRAM250に記憶されたプログラムを読み出してCPU240が実行することにより、図1におけるネットワーク関連機能21、外部R/W制御エンジン部23、メインアプリケーション部24、鍵制御機能部25の機能を実現する。ここでは、フラッシュROM230が図1のメモリ22に相当する。また、自動扉施錠制御装置20は、電源部26からAC−DCコンバータ290を介して交流から直流に変換され供給される電源によって駆動する。この電源部21としては、例えば、商用電源が利用される。
【0022】
電子錠制御装置4において、制御部は、CPU(中央演算装置)45と、ROM46と、RAM47と、入力インタフェース48と、出力インタフェース49とから構成される。入力インタフェース48には、2ボタン式入力部21と、解錠スイッチ44と、不良閉扉状態検知センサの一例である閉扉検知センサ50とが接続される。ここで、閉扉検知センサ50は、扉が完全に閉状態になっているか否かを検知する機能を有し、閉状態になっていない場合に不良閉扉状態通報手段の一例である不良閉扉ブザー52によって不良閉扉状態を通報する。出力インタフェース49には、扉施錠機構15と、開扉通報手段の一例である解錠音発生装置53と、不良閉扉ブザー52が接続される。閉扉検知センサ50は、例えば、扉の前面の上方部と対峙する壁の中に埋設された状態で取付けられている。
また、電子錠制御装置4は、単一の電源部41から供給される電源によって、受信機18、2ボタン式入力部21、解錠スイッチ44、閉扉検知センサ50、扉施錠機構15、不良閉扉ブザー52、解錠音発生装置53に給電可能に構成されている。 この電源部41としては、例えば、乾電池などの蓄電池が適用される。
【0023】
扉施錠機構15は、例えば、開閉する扉の室内側面に設けられるプランジャ係止孔に対し、電子錠施錠装置に設けられるプランジャを進退せしめることにより、施錠・解錠を行い、扉に設けられたドアノブを回すことによって扉を開閉させることが可能である。また、室内側面に設けられた係止部材と、電子錠施錠装置に設けられる係止部材とを電磁的に結合・開放することによって施錠・解錠を行うように構成することも可能である。この扉施錠機構15の位置は、変更可能である。例えば、ラッチ部分を外部から認識できない構造にしたり、扉の外周面に沿って移動可能に設け所定の期間毎に位置を変更するようにしたり、設置個数を複数設けるようにしてもよい。これにより、ラッチが外部から破壊されてしまうことを防止することができる。
【0024】
2ボタン式入力部21は、2個のボタンから情報を入力するものであり、例えば、「0」と「1」のボタンが設けられ、解錠するための数桁(14桁等)のコード(入力情報)を入力することが可能である。この入力されたコードとROM46またはRAM47に記憶されたコードとが一致するか否かをCPU45によって検出し、一致している場合に解錠することによって、自動扉施錠制御装置20が電源供給停止などの非常事態において応急的に対応することも可能である。
【0025】
図3は、自動扉施錠システムの動作を説明するための図面である。ここでは、マスターとなる鍵の所有者が有するICチップ搭載端末5によって解錠する場合について説明する。まず、管理者によって、マスター鍵の発行指示が管理用PCから入力されると、管理端末7は、発行登録を自動扉施錠制御装置20に送信する(ステップS1)。ここでは、どの端末に対して発行するかを特定するための情報として電子メールアドレスも含めて送信する。
自動扉施錠制御装置20のアプリケーション部24は、管理端末7からの発行登録をメモリ22に記憶し、マスター鍵登録通知メールをネットワーク関連機能21によってICチップ搭載端末5に電子メールにて送信する(ステップS2)。この電子メールには、ICチップ搭載端末5のICチップに記憶されたIDコードをサーバ1に送信するためのアプリケーションが保存されたアクセス先(サーバ1)を示すURLが記述されて送信される。
【0026】
ICチップ搭載端末5は、ユーザからの指示に基づいて、電子メールが開封され本文に記載されたURLにアクセスし、アクセス先のサーバ1に保管されたアプリケーションをダウンロードし(ステップS4)、ダウンロードしたアプリケーションを実行し、ICチップ内に記憶されたIDコードを読み出し(ステップS5)、自動扉施錠制御装置20に送信する(ステップS6)。ここでは、送信する際に、ICチップ搭載端末5の携帯電話固有情報となる電子メールアドレスとともに送信する。
自動扉施錠制御装置20のアプリケーション部24は、IDコードと携帯電話固有情報とを受信し、これらの対応付けてメモリ22に記憶して、マスター鍵を有効として設定する(ステップS7)。そして、マスター鍵となるIDコードと携帯電話固有情報とをマスター鍵情報としてサーバ1に送信し、サーバ1のIDデータベースにID情報として登録する(ステップS8)。
【0027】
そして、玄関等の扉を解錠する場合、ユーザによってリーダライタ3の通信距離内にICチップ搭載端末5が近付けられると、ICチップ搭載端末5に記憶されたIDコードがリーダライタ3によって読み取られ、自動扉施錠制御装置20に出力される(ステップS9)。
自動扉施錠制御装置20のアプリケーション部24は、リーダライタ3によって読み出されたIDコードとメモリ22に鍵IDとして記憶されたIDコードとを比較し、一致するか否かを照合し、一致する場合に解錠する指示を電子錠制御装置4に出力する(ステップS10)。これにより、電子錠制御装置4の錠が解錠される。そして、アプリケーション部24は、施錠状態から解錠状態に遷移したことを状態変化としてサーバ1に送信する(ステップS11)。これにより、錠のステータスの変更履歴としてサーバ1のデータベース14に記憶される(ステップS12)。さらにアプリケーション部24は錠の変更履歴をメモリ22に記憶する(ステップS13)。
【0028】
次に、合い鍵となるICチップ搭載端末5を用いて解錠する場合について説明する。図4は、合い鍵となるICチップ搭載端末5の場合における自動扉施錠システムの動作を説明するための図面である。
マスター側のICチップ搭載端末5は、アプリケーションを実行することにより、合い鍵作成画面を呼び出し(ステップS21)、合い鍵を付与する対象となるICチップ搭載端末5の識別情報(例えば電子メールアドレス)とともに、合い鍵作成依頼を自動扉施錠制御装置20に送信する(ステップS22)。
【0029】
自動扉施錠制御装置20は、マスター側のICチップ搭載端末5から受信した合い鍵の付与対象のICチップ搭載端末5の電子メールアドレスを宛先にし、合い鍵発行通知を電子メールにてICチップ搭載端末5に送信する(ステップS23)。
合い鍵側のICチップ搭載端末5は、自動扉施錠制御装置20から受信したメールに記述されたURLにアクセスし、サーバ1からアプリケーションをダウンロードし(ステップS24)、実行する。そして、実行したアプリケーションによって、自身のICチップ搭載端末5内のIDコードを読み出し(ステップS25)、携帯電話固有情報(電子メールアドレス)とともに自動扉施錠制御装置20に送信する(ステップS26)。
【0030】
自動扉施錠制御装置20のアプリケーション部24は、ICチップ搭載端末5から通知されたIDコードと携帯電話固有情報(電子メールアドレス)とを対応付けてID情報としてメモリ22に記憶し、当該IDコードを合い鍵として有効になるように設定する(ステップS27)。そして、自動扉施錠制御装置20は、ID情報を合い鍵情報としてサーバに送信する(ステップS28)。ここでは、マスター側のICチップ搭載端末5の携帯電話固有情報も送信される。これにより、サーバ1のIDデータベースにID情報が登録されるとともに、マスター鍵と合い鍵とが対応付けされて記憶される(ステップS29)。
【0031】
そして、玄関の扉を解錠する場合、合い鍵となるICチップ搭載端末5が通信可能な距離内に近づけられると、リーダライタ3は、ICチップ搭載端末5からIDコードを読み出し、自動扉施錠制御装置20に出力する(ステップS30)。自動扉施錠制御装置20のアプリケーション部24は、リーダライタ3によって読み出したIDコードとメモリ22に記憶されたIDコードとを比較して一致するか否かを検出し、一致する場合に、さらに有効期間内であるかを検出し、有効期間内である場合に、電子錠制御装置4に解錠の指示を出力する(ステップS31)。そして、アプリケーション部24は、施錠から解錠にステータスが変更したことをサーバ1に送信する(ステップS32)。錠のステータスの変更履歴としてメモリ22に記憶し(ステップS33)、鍵の状態変化をマスター鍵となるICチップ搭載端末5に送信する(ステップS34)。
【0032】
サーバ1は、自動扉施錠制御装置20からステータスの変更について履歴を受信して記憶する(ステップS35)。
【0033】
この実施形態によれば、合い鍵を使用した際に、施錠から解錠したことを示す状態遷移をマスター側のICチップ搭載端末5に送信するようにしたので、例えば、親がマスター側のICチップ搭載端末5を所有し、子が合い鍵側のICチップ搭載端末5を所有している場合に、子の帰宅を親が遠隔にいても把握することができる。
【0034】
また、上述した実施形態において、電源21から自動扉施錠制御装置20への電源の供給が停止された場合、別途独立して設けられた電源41から電子錠制御装置4に電源が供給されているので、2ボタン式入力部からIDコードに相当する番号を2つのボタンを利用して暗証番号を入力することによって、電子錠制御装置4を解錠させることも可能である。これにより、自動扉施錠制御装置20に対する電源供給が停止した非常時においても、扉を解錠することが可能である。
【0035】
なお、上述した実施形態において、扉は玄関である場合について説明したが、マンション等の集合住宅である場合には、エントランスの扉にも適用することが可能である。また、扉は、解錠状態になることにより、ドアノブを持って開く場合について説明したが、引き戸に適用するようにしてもよく、また、IDコードが一致した場合に解錠状態となり、ドアも開く自動ドアタイプに適用することも可能である。
【0036】
また、上述した実施形態においては、マスター側のユーザは、自動扉施錠制御装置20メールを受信することによってステータスの変更を把握することができるが、マスター側のICチップ搭載端末5がサーバ1または自動扉施錠制御装置20にステータスを参照するべく、アクセスするようにしてもよい。これにより、任意のタイミングで、解錠と施錠のいずれの状態であるかを把握することが可能である。また、ここでは、ステータスの変更履歴を参照するようにしてもよい。
【0037】
また、上述した実施形態において、電子メールアドレスを利用して、管理端末7から、マスター側や合い鍵側のICチップ搭載端末5に対し、メッセージを送信するようにしてもよい。
さらにまた、上述した実施形態において、有効期限を設けるようにしたので、この有効期限を適宜設定することにより、休止や有効期間の変更を行うことができる。
【0038】
また、上述した実施形態において、数桁(14桁等)のコードを2ボタン式入力部21から入力して解錠する場合について説明したが、このコードの入力は、2ボタン式入力部21に限られるものではなく、入力部としてボタン数が1のものであってもよく、また、3以上のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の一実施形態による自動扉施錠システムの機能構成を示す概略ブロック図である。
【図2】自動扉施錠システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図3】自動扉施錠システムの動作を説明するための図面である。
【図4】自動扉施錠システムの動作を説明するための図面である。
【符号の説明】
【0040】
1 サーバ 2 鍵制御ボード
3 リーダライタ 4 電子錠制御装置
5 ICチップ搭載端末 6 入居者端末
7 管理端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
解錠の指示に応じて錠を解錠する電子錠施錠装置と自動扉施錠制御装置とが接続される自動扉施錠システムであって、
前記自動扉施錠制御装置は、
前記錠の解錠が可能な鍵の識別番号を鍵IDとして記憶する第1の鍵情報記憶部と、
ICチップを有する端末装置から当該ICチップに記憶されたIDコードを読み出すIDコード読み出し部と、
前記第1の鍵情報記憶部を参照し、前記IDコード読み出し部によって読み出したIDコードに一致するIDコードが記憶されているか否かを検索する検索部と、
前記検索部の検索結果に基づいて、IDコードに一致する鍵IDが検索された場合に、前記電子錠施錠装置に解錠の指示を出力する解錠指示出力部と、
を有することを特徴とする自動扉施錠システム。
【請求項2】
前記自動扉施錠制御装置は、
自動扉施錠制御装置内の各部に電源を供給する第1の電源部を有し、
前記電子錠施錠装置は、
電子錠施錠装置内の各部に電源を供給する第2の電源部と、
解錠するための入力情報を入力する入力部と、
前記錠の解錠が可能な鍵の識別番号を鍵IDとして記憶する第2の鍵情報記憶部と、
前記第2の鍵情報記憶部を参照し、前記入力部から入力される入力情報に一致するIDコードが記憶されているか否かを検索する第2の検索部と、
前記第2検索部の検索結果に基づいて、入力情報に一致する鍵IDが検索された場合に、錠を解錠する解錠部と
を有することを特徴とする請求項1記載の自動扉施錠システム。
【請求項3】
前記自動扉施錠システムは、
管理端末がさらに接続され、
前記管理端末は、前記端末装置からの登録要求と当該端末装置が有するICチップに記憶されたIDコードとを受信し、登録対象となる自動扉施錠制御装置の第1の鍵情報記憶部に受信したIDコードを書き込む
ことを特徴とする請求項1または2記載の自動扉施錠システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−322172(P2006−322172A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−144760(P2005−144760)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(399025435)エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ株式会社 (4)
【出願人】(598125589)セキュラ株式会社 (3)
【出願人】(505181930)
【出願人】(505181941)
【出願人】(598125590)
【出願人】(505181952)
【Fターム(参考)】