説明

自動的な高/低圧切換え機能を備える血管造影用注射器キット

【課題】診断のための像検査に使用される改良された注射装置及び方法の提供。
【解決手段】血管造影用注射器装置は、マニホルドと、注射器ポンプ又は低圧力装置の何れかを患者の体内に挿入したカテーテルに選択的に接続する弁とを備えている。該弁は、圧力の監視、塩水フラッシング又は吸引機能のため低圧力装置をカテーテルに接続する状態に、通常、偏倚されている。注射を行おうとするとき、該弁は、自動的に切り換わり、注射器ポンプがマニホルドを通じてカテーテルに接続されている一方、低圧力装置が切り離され且つ高圧力にさらされることはないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管造影法、より具体的には、血管造影用コントラスト物質のような医療流体を生物の器官内に注射するために使用される注射器キットに関する。
【背景技術】
【0002】
人体における最も重要な系の1つは、循環器系である。循環器系の器官は、全て、外部環境と人体の細胞及び組織との間にて物質を輸送する上で極めて重要な心臓、血管及び血液を含む。
【0003】
血管は、人体又は動物の体内を血流が流れるための通路網である。具体的には、動脈は、心臓の左心室から酸化付与血液を運ぶ。動脈は、大動脈から直径及び圧力能力が、漸進的に低下する状態にて配置されており、この動脈は、血液を心臓から直ちに主動脈、細動脈、小動脈に、また、最終的に毛管まで運び、この毛管にて、人体の血液、細胞及び組織間にて栄養物及び廃物の交換が行われる。一般に、静脈は、小静脈及び静脈の漸進的に増大する直径の回路網を使用して酸素の欠乏した血液を心臓の右心房に戻す。
【0004】
血管造影法は、血管の異常すなわち狭窄化を含む心臓血管の状態を診断し且つ治療するときに使用される方法である。血管造影中、X線造影コントラスト物質をカテーテルを通して管すなわち動脈内に注射することによって心臓又は血管構造のX線造影像が得られる。注射したコントラスト物質は、注射した管又は動脈と流体的に連通した状態にて管構造体まで流れることができる。コントラスト物質が注射された身体部分にX線を通す。X線はコントラスト物質により吸収されて、コントラスト物質を含む血管のX線造影による外形又は像を生じさせる。コントラスト物質が充填された血管のX線像は、通常、フィルム又はビデオテープに記録され且つ透視検査モニタ上に表示される。
【0005】
血管造影法は、問題となっている血管系の像を医者に提供する。この像は、診断目的のためにのみ使用することができ、又は、バルーンを血管系内に挿入し且つ拡張させて、アテローム性プラークの沈着に起因する狭窄部を開放する、血管形成法のような処置法の間にその像を使用することができる。
【0006】
現在、血管造影法を行う間、カテーテルを静脈又は動脈内に挿入した後(血管内に直接、又は皮膚の穿刺箇所を通して挿入することにより)、血管造影カテーテルを手動又は自動のコントラスト物質注射機構のいずれかと接続する。
【0007】
簡単な手動のコントラスト物質注射装置は、通常、注射器とカテーテルとの接続部を有している。注射器は、プランジャをその内部に有するチャンバを備えている。X線造影コントラスト物質をチャンバ内に吸引する。カテーテルの接続部が上方を向いている間に、プランジャを作動させることにより全ての空気を除去し、X線造影コントラスト物質上を遊動する全ての空気がチャンバから排出されるようにする。次に、カテーテルの接続部を患者の静脈又は動脈内に配置されたカテーテルに取り付ける。
プランジャを手で作動させて、X線造影コントラスト物質をチャンバからカテーテルを通して且つ静脈又は動脈内に押し出す。手動のコントラスト物質注射装置のユーザは、プランジャに付与される手動の作動力を変化させることにより、注射速度及び量を調節することができる。
【0008】
X線コントラスト物質の先に、塩水フラッシングのような、一種類以上の流体を注射することが望ましいことがしばしばである。今日、使用される最も一般的な手動の注射機構は、どの流体が弁機構内に流れ、また、患者の体内のカテーテルまで流れるのかを制御する弁機構を有している。弁機構は、流体が特定の流体通路まで流れるように流体を向けるべくユーザが手で開閉を行う複数の手動弁を含むことができる。ユーザがコントラスト流体をチャンバ内に吸引し又はチャンバ外に押し出すとき、流体は、弁の位置によって決まる最小抵抗の経路を通って流れる。弁の位置を変化させることにより、1つ以上の他の流体を注射することが可能となる。
【0009】
手動の注射器装置は、通常、手で作動させる。このことは、ユーザが注射量及び注射圧力を制御することを可能にする。しかしながら、一般に、殆どの手動の装置は、人間の手で付与することのできる最大の圧力(すなわち、1034.21kPa(150p.s.i.))にてX線造影コントラスト物質を注射することしかできない。また、X線造影コントラスト物質の量は、通常、最大で、約12ccに制限される。更に、所望のパラメータ(量又は速度のような)から外れる注射を制限し又は停止させる安全手段は、これらの手動のコントラスト物質注射装置には存在せず、また、気泡又はその他の危険を検知する能動的なセンサは全く存在しない。
【0010】
現在使用されているモータ式の注射装置は、線形アクチュエータに接続された注射器から成っている。該線形アクチュエータは、電子的に制御されるモータに接続されている。操作者は、一定の注射量にて注射すべき一定のコントラスト物質の量を電子制御装置に入力する。通常、一定の注射量は、コントラスト物質の全量が注射される迄、最初の特定量の流れ増加量と、最終的な注射量とから成っている。注射を開始し又は停止する場合を除いて、操作者と機械との間には相互作用可能な制御装置は何も存在しない。流量を少しでも変化させるためには、機械を停止させ且つパラメータを再設定しなければならない。
注射中の注射量を変化させ得る能力を欠く結果、血管造影診断の質が最適程度以下となる可能性がある。その理由は、最適な注射流量は患者の間で著しく相違する可能性があるからである。心臓血管系において、コントラスト物質の注射速度及び量は、注射を行うチャンバ又は血管内の容積及び流量によって決まる。多くの場合又は殆どの場合、これらのパラメータは正確に把握されない。更に、患者の状態は薬、病気又は通常の生理学の状態を通して変化するから、最適な注射量は急激に変化する可能性がある。従って、最初のコントラスト物質の注射はX線像にて所望の構造体の概略を把握するためには、量すなわち流量の点にて不十分であり、もう一回注射することが必要となる。これと逆に、過剰な流量は、注射を行うチャンバ又は血管を損傷させ、カテーテルを変位させ(カテーテル先端から出るコントラスト物質の射出により)又はコントラスト物質の過剰投与により(心臓の異常な拍動のような)有害な効果を生じさせる可能性がある。
【0011】
【特許文献1】無し
【非特許文献1】無し
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
現在、操作者は、制限された流量のうち操作者が相互作用可能な可変の流量を許容する手動の注射装置と、操作者の相互作用可能なフィードバック(操作者がその手順を停止/開始させることのできる以外)を必要とせずに予めプログラム化したモータ式装置という、コントラスト物質を注射する2つの装置を選択することが可能である。従って、診断のための像検査に使用される装置及び方法を改良することが必要とされている。従って、診断のための像検査に使用される装置及び方法を改良することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、高圧装置及び低圧装置の双方を含む血管造影用注射装置である。高圧装置は、X線造影コントラスト物質を高圧にてカテーテルに供給するモータ被駆動注射器ポンプを備えている。低圧装置は、例えば、血圧を測定する圧力変換器と、塩水溶液を患者に供給すると共に、廃棄流体を吸引することの双方に使用されるポンプとを備えている。本発明において、マニホルドが、注射器ポンプ、低圧装置、患者の体内に挿入されたカテーテルに接続されている。マニホルドと関係した弁が通常、低圧装置をマニホルドを通じてカテーテルに接続する第一の状態に保たれている。注射器ポンプからの圧力が所定のレベルに達すると、注射器ポンプをカテーテルに接続する一方、低圧装置をカテーテルから切り離す第二の状態に弁が切り換わる。
【0014】
本発明は、血管造影用注射器に関して説明するが、本明細書に開示した装置及び方法は、その他の診断及び介入的処置法を行うときにも適用可能であることが理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1には、双方向の医者による制御の下、X線造影用コントラスト物質を血管内に注射する血管造影用注射装置10が図示されている。装置10は、主コンソール12と、持ち運び型遠隔制御装置14と、注射器ホルダ16と、注射器本体18と、注射器プランジャ20と、X線造影材料リザーバ(ボトル)22と、一方向弁24と、マニホルド26と、高圧チューブ28と、カテーテル30と、患者の薬剤の投与ポート32と、三方向ストップコック34と、T字形コネクタ36と、圧力変換器38と、ストップコック40と、チューブ42と、蠕動ポンプ44と、塩水逆止弁46と、廃物逆止弁48と、塩水バッグ50と、廃物バッグ52と、バッグ支持ラック54とを備えている。
【0016】
コンソール12は、ピストン20及び蠕動ポンポ44を駆動するモータと共に、装置10の電気的制御装置を収容している。コンソール12の前面には、ユーザインターフェース54が制御スイッチ56及びディスプレイ58を提供し、ユーザは、これらスイッチ及びディスプレイを通じて設定値を入力し且つ装置10の作動状態を監視することができる。
【0017】
遠隔制御装置14は、ケーブル60によりコンソール12に接続されている(但し、その他の実施の形態では、遠隔制御装置14は、RF、赤外線光学素子又は超音波リンクのような無線接続部により接続することができる)。図1に図示した実施の形態においては、遠隔制御装置14は、持ち運び型制御装置である。該制御装置は、それぞれリセット押釦スイッチ62と、塩水押釦スイッチ64と、流量制御レバーすなわち引金部66とを有している。引金部66を握ることによりユーザは連続的に可変の注射量を提供し得るようにコンソール12に命令信号を提供することができる。
【0018】
注射器ホルダ16はコンソール12の左側部から突き出している。注射器ホルダ16は透明材料であることが好ましく、また、半円筒状の後部殻体68と、半円筒形の正面扉70(図1に開放位置にて図示)と、リザーバホルダ72とを備えている。
【0019】
注射器18は、その開口端部74がコンソール12に接続された透明又は半透明のプラスチック製シリンダである。注射器18の閉塞端部76は、上方ポート78及び下方ポート80という2つのポートを有している。
【0020】
プランジャ20は、注射器本体18内で可動である。プランジャ20は、コンソール12内に配置されたモータに接続され且つ該モータにより駆動される。
X線造影コントラスト物質リザーバ22は、一方向逆止弁24を通じて上方ポート78に接続されている。X線造影コントラスト物質は、逆止弁24及び上方ポート78を通じてリザーバ22から注射器本体18及びプランジャ20により画成された圧送チャンバ内に吸引される。逆止弁24は、空気が注射器本体18からリザーバ22内に流動するのを許容するが、X線造影コントラスト物質が注射器本体18からリザーバ22内に流動するのは許容しない重りの付いた一方向弁であることが好ましい。このことは、以下により詳細に説明するように、空気を装置から自動的に排出することを可能にする。
【0021】
注射器本体18の下方ポート80は、マニホルド26に接続されている。マニホルド26は、通常、変換器/塩水ポート82及び患者のポート84を接続するばね偏倚式のスプール弁を有している。X線造影コントラスト物質を注射すべきとき、そのX線造影材料の圧力によって、スプール弁は状態を変化させ、下方ポート80が患者のポート84に接続されるようにする。
【0022】
高圧チューブ28は、患者のポート84をカテーテル30に接続する可撓性のチューブである。三方向ストップコック34は、チューブ28の末端に配置されている。回転可能なルアロックコネクタ86がストップコック34に接続され且つカテーテル30の基端にてルアコネクタ88と嵌合している。ストップコック34は、チューブ28とカテーテル30との間の流れを遮断するか、流れを許容するか、又は薬剤ポート32をカテーテル30に接続する。
【0023】
カテーテル30を通じてX線造影材料を患者の体内に注射することに加えて、装置10は、また、その他の関係する機能を実施することも許容する。患者の薬剤を投与する装置(図1に図示せず)は、カテーテル30を通じて患者に薬剤を投与すべきとき、薬剤ポート32に接続することができる。
【0024】
カテーテル30が患者の体内の所定の位置にあり、X線造影コントラスト物質の注射が行われないとき、圧力変換器38は、カテーテル30から延びているカラン、チューブ28、患者のポート84、マニホルド26、変換器/塩水ポート82、チューブ90、T字形コネクタ36及びチューブ92内の血圧を監視する。変換器38は、これに関連するストップコック40を備えており、このストップコックは、較正中、変換器38を周囲の圧力にさらすことを許容し、また、変換器38のドームチャンバを塩水で洗い流すことができるようにするため混入した空気を除去し且つ追い出すことも可能にする。
【0025】
蠕動ポンプ44は、塩水溶液を、バッグ50から塩水逆止弁46、チューブ42、T字形コネクタ36及びチューブ90を通じて塩水ポート82まで供給する。蠕動ポンプ44が作動して、塩水溶液を供給するとき、塩水溶液は、マニホルド26を通じて患者のポート84に、次に、チューブ28を通じてカテーテル30に供給される。
【0026】
蠕動ポンプ44は、また、反対方向に作用して、流体をカテーテル30から、チューブ28、マニホルド26、チューブ90、T字形コネクタ36及びチューブ42を通じて、廃物逆止弁48まで吸引し且つ次に、廃物集めバッグ52内に入れる。
【0027】
本発明の1つの好適な実施の形態において、注射器本体18、マニホルド26、チューブ28、カテーテル30、T字形コネクタ36、チューブ42、逆止弁46、48、バッグ50、52、及びチューブ90、92は、全て使い捨て製品である。これらは、新たな患者に対して血管造影法を行う度毎に、装置10内に取り付けなければならない。ひとたび、装置10が全ての使い捨て製品が取り付けられた状態で準備されたならば、扉70を閉じて、注射器本体18にコントラスト物質を充填し、空気を除去し、ユーザ(通常は、医師)は、X線造影材料の注射に適用される安全パラメータを装置10に入力する。これらの安全パラメータは、通常、1回の注射にて注射すべきX線造影コントラスト物質の最大量、最大注射流量、注射器本体18内で発生される最大圧力、最大立ち上がり時間すなわち注射加速度を含む。コントラスト物質の注射を行うためには、ユーザは、引金部66を握ることにより遠隔制御装置14を操作する。予め設定した安全パラメータの範囲内において、装置10は、引金部66の力、すなわち移動距離が増すに伴って注射量を増加させる。
【0028】
通常、ユーザは、透視検査法又はその他の画像方法を使用して注射する構造体内へのコントラスト物質の排出量を連続的に監視することに基づいて注射されるコントラスト物質の量及び速度を計測する。装置10は、ユーザが患者の必要に応じて、コントラスト物質の注射を特別に設定し、これにより、その処置法の質を最高なものとし、安全性を向上させ、また、透視検査法を行うのに必要なコントラスト物質の量を少なくすることができる。
【0029】
図2A乃至図2Gは、装置10の7回の異なる作動中における流体流路を示す線図である。これらの過程は、コントラスト物質の充填(図2A)、空気の除去(図2B)、患者への注射(図2C)、患者への圧力(図2D)、塩水のフラッシング(図2E)、廃物の吸引(図2F)及び患者への薬剤の投与(図2G)である。
【0030】
図2Aに図示したコントラスト物質の充填過程は、リザーバ(対照媒体の供給源)22からのX線造影コントラスト物質を注射器本体18に充填することを含む。コントラスト物質の充填過程は、装置10の最初の準備の間に行われ、また、注射器本体18がX線コントラスト物質が少ない状態で進むとき、常に、装置10が作動する間に、繰り返すことができる。
【0031】
装置10の最初の準備の間、プランジャ20は、最初に、注射器本体18の閉塞端76に隣接するその最も進んだ位置まで駆動される。このことは、注射器本体18内に存在する大部分の空気を大気中に追い出すことになる。
【0032】
次に、プランジャ20を引込め、これにより、注射器本体18内に負圧が発生し、この負圧は、コントラスト物質をリザーバ22から逆止弁24を通じて吸引し、上方ポート78を通じて注射器本体18に入れる。
【0033】
コントラスト物質の充填過程の結果、通常、多少の空気が注射器本体18内に吸引され又は注射器本体18内に残ることになる。勿論、空気がカテーテル30を通じて患者の体内に注射されるのを防止することが重要である。このことは、図2Bに図示した空気除去過程の目的である。また、異なる高さに2つのポートが位置することは、注射中の気泡を防止する点にて一層の安全性をもたらす。
【0034】
空気除去過程中、プランジャ20は、注射器本体18内に取り込んだ空気を追い出し得るように前方に進む。空気は、コントラスト物質よりも軽量であるために、注射器本体18の頂部付近に集まる。プランジャ20が前進すると、空気は、上方ポート78及び一方向弁24を通じて注射器本体18から追い出される。図2Bに図示した実施の形態において、一方向弁24は、X線造影コントラスト物質がリザーバ22から上方ポート78まで流れるのは許容するが、X線造影コントラスト物質が上方ポート78からリザーバ22まで反対方向に流れるのは許容しない、重量のある一方向弁である。しかしながら、弁24は、空気がポート78からリザーバ22まで流れるのを許容する。X線造影コントラスト物質が上方ポート78を通って弁24まで注射器本体18から流れ出始めると直ちに、弁24は、閉じて、リザーバ22に向けた更なる流れを防止する。
【0035】
弁24は、代替的な実施の形態において、コンソール12内で電気回路の制御の下、作動される電磁作動弁又はモータ被駆動弁とすることができる。その何れの場合でも、弁24は、注射過程中に加わるであろう比較的高い圧力に耐えることができる。好ましくは、弁24は、約8273.71kpa(約1200p.s.i)までの流体の静圧に耐え得るものとする。
【0036】
図2Cには、患者への注射過程が図示されている。プランジャ20は、遠隔制御装置14の引金部分66を制御するユーザの相互作用可能な制御の下、前方に進む。プランジャ20の動きは、下方ポート80及びマニホルド26を通じてコントラスト物質を注射器本体18から押し出し、高圧チューブ28を通じてカテーテル30に入れる液圧流体を発生させる。図2Cに図示するように、注射器の下方ポート80及び患者のポート84は、患者への注射過程中、流体が流れ得るように接続されている。
【0037】
マニホルド26は、患者ポート84と注射器の下方ポート80又は変換器/塩水ポート82の何れかとの間の流体接続部の経路を制御する弁を含んでいる。本発明の1つの実施の形態において、マニホルド26は、患者ポート84が、通常、変換器/塩水ポート82に接続されているようにすべく(図2A及び図2Bに図示するように)ばね偏倚されたスプール弁を備えている。プランジャ20の前進動作により、注射器の下方ポート80に圧力が蓄積すると、スプール弁に対する偏倚力を上廻り、注射器の下方ポート80は、患者のポート84に接続され、変換器/塩水ポート82は切り離され、マニホルド26内の弁は、患者への注射過程により発生された高圧力が圧力変換器38に加わらないように保護する。
【0038】
スプール弁は、注射器の下方ポート80から作用する圧力の増加に応答して、患者への注射過程中に自動的に開放する。患者への注射過程の終了時毎にプランジャ20が引込むことで僅かな負圧が作用されたとき、スプール弁は閉じて、その当初の位置に戻って患者へのポート84を変換器38に接続することを可能にする。
【0039】
1つの代替的な実施の形態において、マニホルド26内の弁は、注射器の下方ポート80又は変換器/塩水ポート82の何れか一方を患者のポート84に接続し得るように適宜な時点にて作動される、電子機械的又はモータ被駆動弁である。該アクチュエータ機構はコンソール12により制御される。この代替的な実施の形態においても、弁は圧力変換器38が高圧力に晒されないように保護する。
【0040】
図2Dには、患者への圧力過程が図示されている。装置10は、カテーテル30を通じて監視される患者の血液を読み取ることを可能にする。患者の血圧は患者への注射、塩水のフラッシング及び廃物の吸引過程の間を除いて任意の時点にて圧力変換器38を使用して監視することができる。圧力変換器38により得られた圧力の測定値はストップコック40を手動で開けて且つストップコック34を閉じることにより正常なものとすることができる。圧力変換器38を周囲圧力に露出させることができる。
【0041】
図2Eに図示した食塩水のフラッシング過程中、全ての体内チューブ、圧力変換チャンバ38、チューブ28及びカテーテル30をフラッシングするため塩水溶液が使用される。図2Eに図示するように、蠕動ポンプ44は、塩水溶液がバッグ50から逆止弁46及びチューブ42を通って塩水ポート82まで吸引する方向に作動する。マニホルド26は、塩水ポート82を患者のポート84に接続し、塩水溶液が患者のポート84からチューブ28及びカテーテル30を通じて排出されるようにする。
【0042】
廃物の吸引過程の間、患者のポート84は、再度、塩水ポート82に接続される。この過程中、蠕動ポンプ44は、塩水のフラッシング過程中の回転方向と反対方向に作動する。その結果、患者の流体は患者のポート84から塩水ポート82に吸引され、次に、チューブ42及び逆止弁48を通って廃物集めバッグ52内に吸引される。蠕動ポンプ44は、弁を把み且つ閉塞するチューブ42として機能し、また、逆止弁46、48の各々と相俟って塩水容器50及び廃物容器52への及びこれらからの逆流を防止する。
【0043】
カテーテル30が患者の体内の所定位置にあるときに、患者に薬剤を投与することが望ましい。装置10は、患者の薬剤投与ポート32を提供することによりこのオプションを可能にする。図2Gに図示するように、ストップコック34が開放したとき、ポート32に接続された薬剤供給源は患者のポート84に接続され、これによりカテーテル30に接続される。患者への薬剤投与過程中、蠕動ポンプ44及びプランジャ20は作動していない。
【0044】
図3は、血管造影用注射装置10の作動を制御する制御装置の電気的ブロック図である。電気的制御装置は、遠隔制御装置14及び正面制御盤56からインターフェース102を通じて入力信号を受け取り且つ作動データ、警告、状況の情報及びオペレータのプロンプトを表示すべく信号をディスプレイ58に提供するデジタルコンピュータ100を備えている。
【0045】
コンピュータ100は、モータ104と、モータ増幅器106と、回転計108と、電位差計110と、整流器112と、圧力検知ロードセル114と、A/D変換器160とを含むモータ駆動回路を通じてプランジャ20の動作を制御する。
【0046】
モータ増幅器106は、コンピュータ100からの制御電圧、前進/後進信号及びブレーキ信号並びに回転計108から整流器112を通じて行われる速度フィードバック信号に応答してモータ104に対し駆動信号を提供する。回転計108及び電位差計110の出力は、A/D変換器116を通じて速度モニター及び位置モニター信号としてコンピュータ100に供給される。これらは、コンピュータ100がモータ速度、モータ方向及び位置(容積は計算値)を点検することを可能にする。
【0047】
圧力センサ114は、注射器本体18内のX線造影コントラスト物質に付与される圧力を測定し得るようにモータ電流すなわちプランジャの力を感知する。この圧力の監視信号は、A/D変換器116及びインターフェース102を通じてコンピュータ100に供給される。
【0048】
蠕動ポンプ44は、ポンプモータ120、モータドライバ122、光エンコーダ124を通じてコンピュータ100の制御の下、駆動される。コンピュータ100は、モータドライバ122に対して塩水(前進)及び廃物(逆)駆動信号を提供し、塩水フラッシングのためポンプモータ120を前方向に作動させ、また、廃物吸引のため逆方向に作動させる。光エンコーダ124は、インターフェース102に対して速度方向の監視信号を提供し、該インターフェースは、ポンプモータ120の回転速度及び回転方向の双方を表示する。
【0049】
図3には、弁モータ130が使用されて、一方向弁24のような弁及びマニホルド26内の弁を作動させる、制御装置の1つの実施の形態が図示されている。この実施の形態においては、コンピュータ100は、モータドライバ132を通じて弁モータ130を制御し且つ電位差計134からの位置モニターフィードバック信号を通じて位置を監視する。この特定の実施の形態において、弁モータ130はステッパモータである。
【0050】
コンピュータ100は、温度センサ140からの温度モニター信号に基づいてコントラスト物質の温度を監視する。温度センサ140は、注射器本体18付近に配置されることが好ましい。温度センサ140により感知される温度が過度に高いならば、コンピュータ100は、作動モータ104を不作動にし、患者への注射を中断する。温度が過度に低いならば、コンピュータ100はヒータドライブ150に対し温度作動可能な駆動信号を提供し、該ヒータドライブがヒータ152を作動させる。1つの実施の形態において、ヒータ152は、注射器本体18に隣接して注射器ホルダ116内に配置された抵抗膜ヒータである。
【0051】
また、コンピュータ100は、コントラスト物質ボトルセンサ160、前進制限センサ162、逆進制限センサ164、注射器有無センサ166、チャンバ開放センサ168、コントラスト物質内の気泡検出器170及びチューブ内の気泡検出器172からフィードバック信号を受け取る。
【0052】
コントラスト物質ボトルセンサ160は、リザーバホルダ72内に配置された極小型スイッチである。センサ160からのコントラスト物質有無信号の状態は、リザーバ22がホルダ72内に有るかどうか指示する。リザーバ22が存在しないならば、コンピュータ100は充填過程を不作動にする。
【0053】
前進制限及び逆進制限センサ162は、プランジャ20の最終限界位置を感知する。プランジャ20がその前進限界位置に達したならば、プランジャ20のそれ以上の前進動作は許容されない。同様に、逆進制限センサ164が、プランジャ20がその逆進限界位置に達したと表示したとき、更なる逆進動作は許容されない。
【0054】
注射器有無センサ166は、注射器本体18が注射器ホルダ16内の所定位置に無いことを表示する極小型スイッチ又は赤外線エミッタ/検出器である。注射器本体18が所定位置に無いならば、プランジャ20がその逆進限界位置まで動くことができる(すなわち、零への戻り)動作を除く全ての動作機能が不作動とされる。
【0055】
チャンバの開放センサ168は、注射器ホルダ16の扉70が開放したことを感知する極小型スイッチ又は赤外線エミッタ/検出器である。センサ168からの信号が扉70が開放していることを表示したとき、全ての動作機能は不作動とされる。扉70が閉じ且つ係止されたときにのみ、全ての動作が許容される。扉70が閉じられていると表示され、センサ166は注射器本体18が所定位置にあると表示したならば、装置10の他の通常の機能を進めることができる。
【0056】
気泡検出器170はリザーバ22と頂部ポート78との間に配置され、また、気泡を感知する赤外線エミッタ/検出器であることが好ましい。充填過程中、リザーバ22と頂部ポート78との間の流路内に気泡が感知されたならば、新たなリザーバが接続される迄、充填過程は不作動とされる。
【0057】
気泡検出器172は、高圧チューブ28内の気泡を感知し得るように配置されている。この検出器は赤外線エミッタ/検出器型の気泡検出器であることが好ましいい。高圧チューブ28内で感知された全ての気泡は、全ての流体の押し出し機能を不作動にし、流体が蠕動ポンプ44からの塩水溶液又は注射器本体18からのコントラスト物質であるかどうかを問わずに、全ての流体の押し出し機能を不作動にする。
【0058】
また、図3の制御装置は、コンピュータ100により制御されるリレー180を通じて制御信号をX線装置に提供する機能も備えている。更に、コンピュータ100は、血圧変換器38からのデータ、及び注射装置10から分離した心電図記憶(ECG)装置からのデータを受け取る。圧力信号及びECG信号が、信号調節装置及びA/D変換器190を通じて受け取られ且つコンピュータ100に伝送される。ECG信号は1つの実施の形態において、コンピュータ100により使用され、モータ104の作動(従って、患者への注射過程)を心臓の拍動と同期化させる。
【0059】
心臓への血流は、主として心弛緩期(心臓が収縮と収縮との間にあるとき)に行われる。コントラスト物質を連続的に注射する結果、コントラスト物質は心収縮期(収縮中)に、大動脈に流れ出る。主として、心弛緩の間に注射することにより、冠状動脈内への注射の完全さを損うことなくコントラスト物質の注入量を少なくすることができる。
【0060】
1つの好適な実施の形態において、X線造影コントラスト物質の注射は、冠状動脈の血流と同期化させる。心収縮及び心弛緩の時間期間は、心電図記憶(ECG)の電気信号、動脈の血圧の波形の分析又は振動の速度に基づくその他のタイミングを使用して決定される。モータ104の速度、プランジャ20の速度、従って、その動作を制御することにより、心収縮の期間の間、コントラスト物質の注射が中断され、このことは、この時間の間、コントラスト物質の注射を少なくし又は停止させることになる。遠隔制御装置14と組み合わせて、オペレータはコンピュータ100が心臓サイクルに対してコントラスト物質の注入パルスを自動的に設定する間に、冠状動脈内へのコントラスト物質の注射量を変化させることができる。
【0061】
移動するコントラスト物質の慣性力及びコントラスト物質を保持し且つ該コントラスト物質を患者に送る容器及びチューブの膨張により、注射器本体18内でのプランジャ20の動きとカテーテル30から出て患者の体内に入るコントラスト物質の動きとの間に位相遅れが生じる可能性がある。プランジャ20の動きと患者の体内へのコントラスト物質の導入との間の位相遅れを調節するため、可変の時間的ずれを制御盤54を通じて入力し、心臓サイクルのタイミングを選択した時間だけずらすことができるようにすることができる。位相遅れの大きさは、心臓の速度の周波数に依存するため、コンピュータ100内のアルゴリズムは、コントラスト物質を注射する間の瞬間的な心臓の速度に基づいて、時間のずれの大きさを連続的に且つ自動的に調節する。
【0062】
図4には、本発明の1つの実施の形態の正面制御盤スイッチ56及びディスプレイ58を示す制御盤54の1つの実施の形態が図示されている。正面制御板制御スイッチ56は、準備/充填/終了スイッチ200と、除去スイッチ202と、吸引スイッチ204と、塩水スイッチ206と、作動OKスイッチ208と、注射量制限スイッチ210a、210bと、注射流量制限スイッチ212a、212bと、注射圧力制限スイッチ214a、214bと、立上り時間スイッチ216a、216bと、OKスイッチ218と、注射範囲トグルスイッチ220と、多量注射OKスイッチ222と、停止スイッチ224とを含む。
【0063】
準備/充填/終了スイッチ200は、瞬間的な押釦スイッチである。この押釦が最初に作動されると、ユーザには、注射器18を注射器ホルダ16内に配置するように知らされる。注射器18が注射器ホルダ16内に配置されると(このことは、センサ166によりコンピュータ100に通知される)、ユーザに対しチャンバを閉じ且つ係止するように命令が為される(すなわち、扉70を閉じる)。プランジャ20はその完全な前進位置まで前進して注射器内の全ての空気を追い出す。次に、ディスプレイ58は、オペレータに対し、コントラスト物質リザーバ22を接続するように表示する。一度、コントラスト物質リザーバ22が所定位置に配置されたならば、オペレータはOKスイッチ218を押すように要求される。この時点にて、プランジャ20は最大の注射容量に設定された程度(好ましくは、10ml/秒の流量に対応する)にて引込む。実際の速度(A/D変換器116からコンピュータ100へのフィードバックとして表示される)が設定速度よりも速いならば、装置10は停止する。
【0064】
一度、プランジャ20がその最後方位置になったならば、モータ104を作動させて、プランジャ20を前進させ、全ての気泡を除去する。圧力センサ114は、一方向弁24が閉じられ且つ圧力が注射器本体18内に蓄積し始めたときを表示する。一度、気泡の除去が完了したならば、注射した総量及び注射回数のカウンタが再リセットされる。
また、スイッチ200の作動は、プランジャ20が引込み且つ注射器本体18から非係合状態となることも許容する。
【0065】
除去スイッチ202は、保護された瞬間的な押釦スイッチである。除去スイッチ202は、作動されると、プランジャ20を前方に動かして、空気を頂部ポート78を通じて追い出す。プランジャ20の前進動作は制限され、注射器18内にて所定の圧力に達したときに停止される。この状態は、圧力センサ114により感知される。除去スイッチ202により開始される除去過程により、注射器20内の空気を追い出すことになる。また、除去スイッチ202を連続的に押し且つ保持することにより、ユーザは除去スイッチ202を使用して流体を患者のポート84を通じて除去することができる。
【0066】
吸引スイッチ204は、コンピュータ100を介して蠕動ポンプ44のポンプモータ120を作動させる瞬間的な押釦スイッチである。ポンプモータ120は作動して、設定した速度にてカテーテル30を吸引する。吸引された流体は、廃物バッグ52内に集められる。他の全ての動作機能は、吸引中に、非係合状態とされる。モータ120の実際の速度が設定した所定速度以上であるならば、コンピュータ100は、モータ120を停止させる。
塩水スイッチ206は、1つの代替的な動作スイッチである。ポンプモータ120は、塩水スイッチ206を押すことに応答して動作され、バッグ50からの塩水の溶液は、設定した速度にてマニホルド26及びカテーテル30内に導入される。塩水の流れを停止させるため、10秒以内に、塩水スイッチ206が二回目に押されないと、コンピュータ100は、ポンプモータ120を自動的に停止させる。制限時間が満了したならば、更なる任意の動作を開始する前に、塩水スイッチ206をその最初の状態にリセットしなければならない。
【0067】
動作OKスイッチ208は、瞬間的な押釦スイッチである。ある限界値以外の注射を完了したときに不作動機能を装置が検知した後、OKスイッチ218を作動させ且つ更なる任意の機能を開始する前に、作動OKスイッチ208を作動させなければならない。
【0068】
任意の一回の注射の間に、装置が注射するであろう最大注射量を増すか又は減らすかの何れかのために、注射量制限キー210a、210bを押す。キー210aは、最大量を増し、また、キー210bは減少させる。一度、注射最大制限量が設定されたならば、測定量がその設定値に達したとき、コンピュータ100はモータ104を停止させ、また、OKスイッチ218が押される迄、再始動しない。多量の注射(すなわち、10ミリリットル以上)が選択されたならば、OKスイッチ18及び他の多量注射OKスイッチ220の双方は、その多量の注射の開始前に、再リセットしなければならない。
【0069】
注射流量制限キー212a、212bは、一回の注射にて達することのできる装置内の最大流量を医師が選択することを可能にする。測定量(回転計108及び電位差計110からのフィードバッグ信号により決定される量)が設定値に達すると、コンピュータ100は、流量を設定値に制限し得るようにモータ104を制御する。
【0070】
注射圧力制限キー214a、214bは、一回の注射にて達することのできる装置内の最大圧力を外科医が選択することを可能にする。圧力センサ114により決定された測定圧力が設定値に達すると、コンピュータ100は、圧力を注射限界圧力に制限されるようにモータ104を制御する。その結果、注速度も制限されよう。
【0071】
立上り時間キー216a、216bは、任意の一回の注射の間に流量を変化させる一方にて、装置が可能な許容する立上り時間を外科医が選択することを可能にする。コンピュータ100は、立ち上がり時間を設定値に制限し得るようにモータ104を制御する。
【0072】
別の実施の形態において、キー210a、210b、212a、212b、214a、214b、216a、216bは、数値を選択する他の装置と交換することが可能である。これらは、セレクタダイヤル、数値キーパッド及びタッチスクリーンを含む。
【0073】
OKスイッチ218は、機能及び機器センサをリセットする瞬間的な押釦スイッチである。OKスイッチ218の作動に応答して、コンピュータ100は、ディスプレイ58を制御して、正確な機能が選択されと認めるかどうかをオペレータに質問する。OKスイッチ218を作動させると、状態は準備完了にセットされる。
【0074】
注射範囲スイッチ220は、トグルスイッチである。スイッチ220が「少量」又は「多量」位置にあるかどうかに対応して、このスイッチは、次の注射のため多量又は少量注射量範囲を選択する。
【0075】
多量注射OKスイッチ222は、瞬間的な押釦スイッチである。注射範囲スイッチ220により多量注射範囲が選択されると、多量注射範囲OK押釦スイッチ222は、OKスイッチ218を作動させ得るように作動させなければならない。注射する毎に、OKスイッチ218を作動させなければならない。多量注射のとき、ユーザは、第一の多量注射OKスイッチ222を、次に、OKスイッチ218を作動させることにより、容積を確認することが必要とされる。
【0076】
停止スイッチ224は、瞬間的な押釦スイッチである。停止スイッチ224を押すと、このスイッチは、全ての機能を不作動にする。ディスプレイ58は、作動状態のままである。
【0077】
ディスプレイパネル58は、準備ディスプレイ250と、状況ディスプレイ252と、警告ディスプレイ254と、制限ディスプレイ256と、総注射回数ディスプレイ260と、総注射量ディスプレイ262と、流量ディスプレイ264と、注射量ディスプレイ266と、注射量制限スイッチ268と、注射量制限ディスプレイ270と、制限圧力ブィスプレイ272と、最小立上り時間ディスプレイ274と、多量注射ディスプレイ276と、リアルタイムクロックディスプレイ278とを含む。
【0078】
準備ディスプレイ250は、オペレータが準備過程を経るのに伴って表示される一連のメッセージを含んでいる。準備ディスプレイ250にてメッセージを表示することは、上述したように準備スイッチ200を作動させることにより開始される。
【0079】
状況ディスプレイ252は、幾つかの異なる作動状態の1つを点滅により表示する。図4に図示した実施の形態において、表示可能であるこれらの状況の状態は、「準備完了」、「準備」、「注射」、「フラッシング」及び「吸引」を含む。
【0080】
警告ディスプレイ254及び制限ディスプレイ256は、装置10が臨界的な制御パラメータに遭遇し且つ不作動にするか、又は上限値又は下限値に達して且つ制限された仕方にて作動し続けるか又は上限値又は下限値に達して且つ作動を続ける状態にあるかどうかをオペレータに知らせる。
【0081】
総注射回数ディスプレイ260は、現在の患者の場合に与えられた総注射回数(累積数)を表示する。この現在の患者の場合の間に注射された累積的な総量は、総量ディスプレイ262により表示される。
【0082】
ディブブレイ264及び266は、現在の又は過去の注射に関する情報を提供する。ディスプレイ264は、注射の間、患者に対するリアルタイムの流量のデジタル値にて示す。一度、注射が完了したならば、ディスプレイ264に表示された値は、その注射の間に達した最高流量を表す。ディスプレイ266は、直近の注射時に注射した量のデジタル値を示す。
【0083】
ディスプレイ268は、スイッチ210a、210bにより選択された最小の注射量をデジタル形態にて示す。同様に、ディスプレイ270は、スイッチ212a、212bにより選択された装置が許容する最大の流量のデジタル値を表示する。
【0084】
ディスプレイ272は、装置が注射器18内に発生することを許容する最高圧力のデジタル値を示す。圧力の限界は、スイッチ214a、214bにより選択される。
ディスプレイ274は、流量を変化させつつ、装置が許容する最小立上り時間を示す。この最小立上り時間は、スイッチ216a、216bを通じて選択される。
【0085】
大注射ディスプレイ276は、オペレータによって大注射スケールが選択されたときを明確に表示する。
リアルタイムクロックディスプレイ278は、現在の時間を時間、分及び秒にて示す。
【0086】
図5A及び図5Bには、ユーザの手に適合する設計とされた主ハウジング300を有する遠隔制御装置14が示してある。引金部66は、ハウジング300に対して可動であり、引金部66の位置は、引金部の位置の関数である命令信号を発生する。1つの実施の形態において、引金部66は、ハウジング300内の電位差計に連結されている。命令信号は、注射量又は速度を制御する。この流量は、引金部の位置に直接比例している。
【0087】
リセットスイッチ62は、その機能がOKスイッチ218と同一である瞬間的な押釦スイッチである。これと代替的に、リセットスイッチ62は、また、「OK」と表示することもできる。
【0088】
遠隔制御装置14上に設けられた塩水スイッチ64は、オンにするときに押し且つ再度オフにするときに押す選択的動作の押釦スイッチである。塩水スイッチ62の機能は、正面操作盤54上における塩水スイッチ206の機能と同一である。
【0089】
本発明の別の実施の形態にて示すように、足踏みペダルの形態の1つの代替的な遠隔制御装置14´は、図1及び図5A、図5Bに図示した手持ち型の遠隔制御装置14に代えて使用される。足踏み遠隔制御装置14´は、命令信号を提供する足踏み式速度ペダル又は引金部66´と、リセット又はOKスイッチ62´と、塩水スイッチ64´とを有している。カバー310、312は、スイッチ62´、64´を保護し、これらのスイッチが手によってのみ作動され、偶発的に足で作動されないようにする。足踏み式遠隔制御装置14´は、ケーブル60´によりコンソール12に接続されているが、これと代替的に、無線リンクにより接続してもよい。
【0090】
図7A乃至図7D、及び図8A乃至図8Cには、コントラスト物質の充填、空気除去及び患者への注射過程中における一方向弁24及びマニホルド26の構造及び作用が示してある。
【0091】
図7A及び図8Aには、コントラスト物質の充填過程中の一方向弁又は逆止弁24と、マニホルド26と、注射器本体18と、プランジャ20とが示してある。一方向弁24の入口逆止弁は、図7A及び図7Bにおいて、弁チャンバ352内のその下方着座位置に配置されえた重いボール350を有している。コントラスト物質は、プランジャ20が後方に動くことにより注射器本体18内に吸引される。コントラスト物質は、ボール350の周りの通路354を通って上方ポート78内に流れる。
【0092】
マニホルド26は、スプール本体362と、軸364と、Oリング366、368、370と、偏倚ばね372と、リテーナ374とを有するばね負荷式のスプール弁360を有している。図7Aに図示するように、コントラスト物質の充填過程中、偏倚ばね372は、スプール本体362を注射器本体18に向けたその最右側位置に付勢する。この位置において、スプール本体362は、変換器の塩水ポート82を対角状通路376を通じて患者のポート84に接続する一方にて、注射器本体18の下側部分80を妨害する。一方にて、Oリング366、368、他方にて、Oリング370は、流体シールを提供し得るように対角状通路376の両側に配置されている。
【0093】
図7B及び図8Bには、空気除去過程が示してある。注射器本体18には、コントラスト流体が充填されているが、空気も取り込んでいる。プランジャ20は、上方ポート78及び逆止弁24を通って空気を注射器本体18から追い出し得るように前方に駆動される。空気の力は、逆止弁20内のボール350を僅かに持ち上げる。しかしながら、ボール350は、十分に重く、注射器本体18から且つリザーバ22に向けて後方に押し出される空気は、ボールが注射器本体18から空気の流れを遮断するであろうその最上方の着座位置までボールを持ち上げることはできない。
【0094】
空気除去過程中、スプール弁360は、図7Aに図示した位置と同一の位置にある。対角状通路376は、変換器塩水ポート82を患者のポート84と接続する。その結果、圧力変換器38による圧力の監視は、空気除去過程(また、コントラスト物質の充填過程)中に行うことができる。
【0095】
図7C及び図8Cには、空気除去過程の終了時で且つ患者への注射過程中の開始時におけるマニホルド26及び逆止弁24の状態が図示されている。
図7Cにおいて、全ての空気は、注射器本体18から追い出されている。ボール350は、X線造影.コントラスト物質上にて浮動し、このため、全ての空気を除去し且つX線造影コントラスト物質が注射器本体18から流れ出て且つ上方ポート78を通って弁チャンバ352に入り始めるとき、ボール350は、その上方の着座位置に向けて上方に動かされる。ボール350は、図7C及び図8Cに図示するように、X線造影コントラスト物質が上方への流れを続けるのを妨げる。
【0096】
図7Cに示した状態において、注射器本体18内の圧力、具体的には、下方ポート80内の圧力は、未だ、ばね372の偏倚力を上廻るレベルに達していない。その結果、スプール本体362は、未だ、左方向に動いておらず、対角状通路376は、変換器の塩水ポート82を患者のポート84と接続することを続ける。
【0097】
図7Dには、患者への注射過程が示してある。プランジャ20は、前進しており、入口逆止弁24は閉じられている。下側部分80における圧力は、ばね372の偏倚力に打ち勝つのに十分に大きくなっている。スプール本体362は、下方ポート80が患者用のポート84と接続されるように、左方向に駆動されている。これと同時に、スプール本体362は、変換器/塩水ポート82を妨害する。
【0098】
スプール弁360の作動のため、プランジャ20及び注射器本体18の動きによって発生した高圧力は、患者のポート84に直接、接続される一方、塩水ポート82及び圧力変換器38は、高圧から保護されている。作動圧力は、製造後、注射器の予負荷を増し又は減少させることにより可変とし且つ決定することができる。
【0099】
図9には、本発明による注射器装置400の別の実施の形態が図示されている。この実施の形態によれば、注射器400は、主コンソール401と、注射器ホルダ410と、注射器本体411と、注射器プランジャ412と、X線撮影材料リザーバ413と、一方向弁414と、下方ポート415と、下方ポートチューブ416と、マニホルド組立体417と、患者へのチューブ418と、三方向ストップコック419と、カテーテル420と、変換器430とを備えている。チューブ431は、上述した実施の形態のチューブ42と同様であり、塩水のフラッシング又は廃物の除去を可能にする。更に、上述した蠕動ポンプ、塩水逆止弁、廃物逆止弁、塩水バッグ、廃物バッグ、バッグ支持ラック、上述した確認・遠隔制御装置は、本発明にて使用することができる。
【0100】
注射器本体411の下方ポート415は、オプション的に下方ポートチューブ416を使用して高圧ポート432を通じてマニホルド組立体417に接続されている。マニホルド組立体417は、以下に説明するようなばね偏倚スプール弁を備えている。ばね偏倚スプール弁は、ハンドル435により手で作動させることができる。低圧力の作動中、マニホルド組立体417は、低圧ポート434から患者のポート433への流体接続部を提供する。高圧力の作動中、マニホルド組立体417は、高圧ポート432から患者のポート433への流体接続部を提供する。従って、患者への注射過程中、X線撮影材料の注射圧力により、マニホルド組立体417のスプール弁は、低圧位置から高圧位置へと変化し、このため、下方ポート415は患者のポート433と流体流通状態になる。
【0101】
幾つかの実施の形態において、マニホルド組立体417を通る流体の流路を制御するばね偏倚式スプール弁は、ハンドル435を引っ張り又は押すことにより手で作動させることができる。図示した実施の形態において、ハンドル435をマニホルド組立体417から動かすと、低圧経路(すなわち、患者へのポート433への低圧ポート434)から高圧経路(すなわち、患者へのポート433への高圧ポート432)へ流体の流れを変化する。
【0102】
患者へのチューブ418は、患者へのポート433をカテーテル420に接続する可撓性のチューブとすることができる。三方向ストップコック419は、患者へのチューブ418の末端に配置することができる。回転可能なルアロックコネクタ421がカテーテル420の基端におけるルア接続具422と合わさる。ストップコック419は、患者へのチューブ418とカテーテル420との間の流れを許容するか若しくは遮断するか又は薬剤投与ポート423をカテーテル420に接続する。上記に説明したように、患者の薬剤を投与する装置は、薬剤投与ポート423に接続することができる。
【0103】
カテーテル420が患者の体内の所定位置にあるとき、また、X線造影コントラスト物質の注射が行われないとき、すなわち、低圧力過程のとき、圧力変換器430は、カテーテル420、患者へのチューブ418、患者へのポート433、マニホルド組立体417、低圧ポート434、低圧チューブ436及びドームチャンバ438を通る流体のカランを通る血液の圧力を監視する。変換器の接続具440は、低圧チューブ436の第一の端部を変換器430に接続し、低圧接続具441は、低圧チューブ436の第二の端部を低圧ポートに接続する。図9に図示するように、フラッシュチューブ431は、フラッシュチューブコネクタ442を通じて変換器430に取り付けることができる。幾つかの実施の形態において、装置400は、変換器430の位置を調節する変換器ホルダ600(以下に説明)を備えることもできる。上述した蠕動ポンプが作動して塩水溶液をフラッシュチューブ431を通じて供給するとき、この溶液は、マニホルド組立体417を通じて患者のポート433に、次に、患者のチューブ418を通じてカテーテル420に供給される。低圧ポート434にて付与された吸引力は、患者へのチューブ418、マニホルド組立体417、低圧ポート434を通じて血液をフラッシュチューブ431内に吸引することができることが理解されよう。
【0104】
この実施の形態において、好ましくは、注射器本体411、マニホルド組立体417、患者へのチューブ418、カテーテル420、ストップコック419、低圧チューブ436、変換器ドームチャンバ438、フラッシュチューブ431及び上述した逆止弁、流体容器及び廃物容器は、全て使い捨て型製品である。これらは、新たな患者に対して新たな処置法を行う毎に装置400内に取り付けなければならない。一度、装置400が全ての使い捨て型の部材を取り付けた状態で準備されたならば、操作者は、X線造影コントラスト物質の患者への注射に妥当する制限的な安全パラメータを装置400のコンソール401に入力する。
【0105】
図10乃至図18には、マニホルド組立体417の好適な実施の形態が図示されている。図10はマニホルド組立体417の殻体(本体)450の1つの実施の形態の側面図であり、図11はマニホルド殻体450の平面図、図12はマニホルド殻体450の底面図、図13はマニホルド組立体417の長手方向断面図である。これら図面は全て、高圧ポート432、患者へのポート433及び低圧ポート434を図示している。
【0106】
図13には、マニホルドハンドル435がマニホルドキャップ453の開口部452を通って伸びる軸部456を有することが示してある。マニホルドキャップ453は、同キャップ453をマニホルド殻体のねじ451を通じてマニホルド殻体450の第一の端部491に固着するねじ454を有している。図示した実施の形態において、キャップ453は、中空の突出部455を有しており、ハンドルの軸部456は、この中空の突出部の中を通ってマニホルド450内に伸びている。マニホルドプランジャ組立体490は、マニホルド軸458と、マニホルドワイパー460と、Oリング461と、弁センサトリガー462とを有している。マニホルドキャップ453の突出部455は、高圧過程中、マニホルドプランジャ組立体490が左方向(図13の方向に対して)に移動するのを停止させる。ばね463は、低圧ポート434と患者へのポート433との間に流体接続状態を保ち得るようにマニホルドキャップ453と弁センサトリガー462との間でハンドルの軸部456に取り付けられている。
【0107】
マニホルド組立体417内にて、ハンドルの軸部456は、例えば、ねじを使用してマニホルド軸458の第一の端部457に堅固に固定されている。マニホルドワイパー460は、マニホルド軸458の第二の端部459に取り付けられている。図示した実施の形態において、マニホルド軸458は、第一の端部457及び第二の端部459にて開放した中空のコアを有している。該中空のコアは、これがなければ組立て中にマニホルドワイパー460の中空の領域内に取り込まれるであろう空気を解放することを可能にする。図示した実施の形態において、ワイパー460は、ワイパー497が破断してマニホルド軸458の中空のコアに入る可能性を少なくし得るように、ワイパー460の壁を補強することを可能にする厚みを増した先端497を有している。好ましくは、マニホルドワイパー460は、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)シリコン、二トリル、ポリイソプレン等のような弾力のある熱硬化性材料で製造されるものとする。熱硬化性材料の圧縮効果に対する抵抗は、マニホルドワイパー460の外周とマニホルド殻体450の内面464との間に流体密のシールを維持することを可能にする。
【0108】
弁センサトリガー462は、マニホルド軸458の第一の端部457に取り付けられている。弁センサトリガー462の位置は、マニホルド組立体417内の流体接続状態を表示するため弁状態センサ425(図9)により検知される。1つの実施の形態において、弁のトリガー状態のセンサ462は、弁状態の誘導型センサ425と共に使用し得るようにステンレス鋼で製造することができる。
【0109】
図13Aには、図13のマニホルド殻体450の第二の端部492の長手方向断面図が図示されている。図13Aに図示するように、高圧ポート432付近の殻体450の内面464は、円錐形状493をしている。この円錐形状端部493は、高圧ポート432から内面464まで漸進的な遷移部分を提供し、このことは、好ましくない乱流を最小にすることにより装置を最初にフラッシングする間に、混入空気をこの接続部から除去することを容易にすることができる。更に、円錐形状端部は、注射する間、流体の滞留領域を解消することができる。更に、円錐形先端の外部形態は僅かに突き出しており、また、下方ポートチューブ416の管腔496の内面495と緊密に圧力嵌めし得るように環状リング494を形成すべく楔形の形状とされている。
【0110】
図10乃至図17を参照しつつ、マニホルド殻体450の内面464と、患者のポート433の流体通路466と、低圧ポート434の流体通路467との間の接続部におけるマニホルド殻体450の構造について説明する。
【0111】
図14A乃至図14Cは、ワイパー460aがその低圧位置(図14A)からその高圧位置(図14C)まで移動するとき、弾力性のマニホルドワイパー460aとマニホルド殻体450aの内面464aとの相互作用状態を示す長手方向断面図である。図14Bに図示するように、ワイパー460aが患者へのポート433aの流体通路466aを通ってマニホルド殻体450aの内面464a内を移動するとき、ワイパー460aの弾力性材料は、患者へのポート433aの流体流路466a内に「押し出される」傾向となる(参照番号465で図示)。ワイパー460aが低圧ポート434aの流体流路467aの上を通るときにも同一の状態が生じる可能性がある(図14C)。ワイパー460aが流体流路466a又は467a内に押し出されることに伴う潜在的な問題点は、マニホルドワイパー460aの押し出された部分465がワイパー460が流体通路466a又は467aを妨害する位置にプランジャ組立体490を固着させることにより、マニホルド組立体417の適正な機能を妨げる可能性がある点である。更に、押し出された部分465は、ワイパー460aが流体通路466a又は467aを通って進む間、破損し又は「削り取られる(nibbled)」可能性がある。1つの好適な実施の形態において、マニホルド組立体417は、ワイパーが流体通路466、467を通って移動するとき、押出し量を少なくし且つマニホルドワイパー460の固着又は削り取りの可能性を軽減し得る構造とされている。
【0112】
図11は、患者へのポート433の流体流路466を下方に見たときのマニホルド殻体450の平面図である。図15は、図11の線15に沿った横断面図である。図12は、低圧ポート434の流体通路467内を見たときのマニホルド殻体450の底端面図である。図16は、図12の低圧ポートの線16−16に沿った横断面図である。図11及び図15の患者へのポート433を参照すると、流体通路466がマニホルド殻体450の内面464と連通する位置において、流体通路466は、「フィレット(隅肉)」468により分岐されて、多数の部分に分かれた開口部を形成する。図15に図示するようにフィレット468は、殻体450の細長い穴469a、469bを通って流体が流体通路466内に流れるのを許容するが、マニホルドワイパー460の膨張を制限し、流体通路466内への押出し量を少なくする。好ましくは、フィレット468は、マニホルドワイパー460が流体通路466内に押出される可能性を軽減するが、キャビテーションすなわち、流体通路466内に流れる流体抵抗を感知可能な程に増加させることはないようにする。穴469a、469bは、フィレットの結果としての任意の特別な形態に限定されるものではないことが理解されよう。更に、図11及び図15には、2つの開口部を形成する単一のフィレットが図示されているが、2つ以上の開口部を形成する追加的なフィレットも本発明の範囲に属するものと考えられる。図示した実施の形態において、開口部は多数部分に分かれており、フィレットの長手方向寸法は、マニホルド殻体450の長手方向寸法に対して平行に方向決めされている。また、1つの実施の形態において、フィレットは幅約0.762mm(約0.030インチ)、穴469a、469bの長手方向寸法は約2.032mm(約0.080インチ)であり、穴469a、469bの幅は約0.762mm(約0.030インチ)である。
【0113】
次に、図12及び図16を参照すると、上記の理由のため、同様のフィレット470が低圧ポート434の流体流路467内に存在し、流路467を開口部471a、471bに分岐させることができる。
【0114】
図17には、マニホルドワイパー460aの一時的位置が概略図で図示されており、この位置の後、高圧ポート432aにおける圧力は、(1)ばね463の偏倚力(図13)、(2)マニホルドワイパー460aとマニホルドの内面464aとの間の摩擦力、(3)密封リング460bとマニホルドの内面464aとの間の圧力に起因する摩擦力を上廻るのに十分となっている。図面において、マニホルドワイパー460aは、完全に開放した高圧位置まで左方向に完全に移動してはいない。密封リング460cが、患者のポート433aと低圧ポート434aとの間の流体接続を遮断した直後に、高圧ポート432aに入る加圧流体は矢印472で示すように流体通路466aまで流動することができ、このことは、流体通路466a内に流れ抵抗や圧力蓄積は殆ど存在しないから、高圧ポート432aにおける圧力を降下させる。
【0115】
この圧力降下は、同時に、シール面460dにおける圧力に起因する力を軽減し、また、密封リング460bとマニホルドの内面464aとの間の圧力に起因する摩擦力を軽減する。1つの理論にのみ限定されることなく、プランジャ組立体490を押し且つ左方向に保持する力が同時に軽減されるに伴い、ばね463の力はまた物理法則により低下するはずである。このように、ばね463は膨張し、このことは、プランジャ組立体490を右方向に押すことになる。一度、マニホルドワイパー460aが流体流路466aを通る流体の外方への流れを密封するのに十分にだけ右方向に移動したならば、高圧ポート432aにおける圧力は再度、上昇して、ばね463の偏倚力に打ち勝ち、ワイパー460aが十分に左方向に移動して、流体が再度、矢印472で示す方向に急激に流れるのを可能にする。流体が丁度、流体通路466aまで矢印472で示すように流れ始める時点にて、ワイパー460aが前後に繰り返して動く結果、プランジャが揺動する。この揺動は、流体の流れ中に拍動を生じさせ、このことは、非制御状態の可変の流量にする。
【0116】
図11、図13及び図18を参照すると、本発明の1つの好適な実施の形態において、マニホルド組立体417は、一部分、この揺動の発生を軽減し又は解消する構造とされている。図18は、図11の線18−18に沿った横断面図である。図11及び図18を参照すると、患者のポート433内には、外側の揺動減少ポート473が配置されている。該ポート473は、揺動減少通路474に達しており、この通路は、患者のポート433からマニホルド殻体450を通じて伸長し、内側の揺動減少ポート475にてマニホルド殻体450の内面464と連通している(図13及び図18)。図13を参照すると、使用中、高圧ポート432の圧力が十分に高圧となり、上述した反力を上廻ると、マニホルドワイパー460は左方向に移動する。ワイパー460が左方向に十分に移動して揺動減少通路474の内側ポート475を露出させると、流体は揺動減少通路474を通って上方に付勢される。内側ポート475と揺動減少通路474との組み合わせによる流体の流れに対する抵抗は、揺動を防止する圧力をマニホルド組立体417の内面464の内部に保つのに十分である。また、この保たれた圧力は、密封面460dに圧力に起因する力を保つ。その結果、プランジャ組立体490は、揺動することなく完全に左方向に移動している。このように、揺動ポート473、475及び揺動通路474は、偏倚ばね463とワイパー460における圧力に起因する流体の力との力の釣合い状態を保つ。
【0117】
図19及び図19Aを参照すると、幾つかの実施の形態において、マニホルドワイパー460の弾力性材料は、複数のリッジ485a、485b、485cを形成し得るような形態とすることができる。これらのリッジはマニホルド殻体450の内面464に接触する。1つの形態において、リッジ485a乃至485cの間の介入する谷部486a、486bは、ワイパー460の弾力性表面と内面464との間の摩擦量を少なくするのに役立つ一方、リッジ485a、485cは流体密のシールを保つ。図示した実施の形態において、リッジ485bは、リッジ485a、485cの間に存在する空気を除去する働きをする。図19Aの断面図で図示するように、ワイパー460の内面498は、周方向突出部499a、499bを有している。これらの突出部がマニホルド軸458に対して押し付けられる結果、リッジ485a、485cが形成される。リッジ485bは、マニホルド軸458の上にシム(楔部)500が存在することで形成される。リッジ485bは、突出部499a、499bと同様の周方向突出部を配置することにより、外面464に対してより大きい摩擦力を発生させ得る形態とすることも可能であることが理解されよう。
【0118】
図19及び図19Aを参照すると、谷部486a,486b内の領域は空気を取り込む可能性があり、この空気は、ワイパー460が流体流路466を経て動くとき、患者のポート433内に付勢され、患者へのチューブ418から出て最終的に患者の体内に入る可能性がある。患者の血管系に入る空気の悪影響は周知である。従って、空気が患者の体内に入る可能性を少なくするため、マニホルド殻体450は、マニホルドワイパー460が低圧力位置、すなわち高圧力ポート432に最も近い位置にあるとき、リッジ485a乃至485cの間の谷部486a、486bを実質的に充填する突出部487a、487bを含むことができる。図19Aに図示するように、リッジ485a乃至485cが突出部487a及び487bと固く組み合わさることは、谷部486a及び486b内の不作動の空気スペースを少なくし、また存在する空気を少なくし、これにより、ワイパー460が低圧力位置から動くとき、空気が患者のポート433内に入る可能性を軽減する。
【0119】
図20には、リザーバ413(22)内の流体に対する温度制御装置555の2つの異なる実施の形態が図示されている。温度制御装置555は、注射器411内に進む前に、注射材料を加熱し又は冷却することを可能にする。1つの実施の形態において、温度制御装置555は、リザーバ内の材料の温度を保ち得るようにリザーバボトル413を十分に包み込むジャケット556とすることができる。1つの代替的な実施の形態において、この温度制御装置は、コントラスト物質が注射器411に入る前にチューブ557を経て進むときこのコントラスト物質を加温する管状の加熱要素すなわち熱交換器557とすることができる。
【0120】
図21乃至図25には、ユーザの手に適合する設計とされた主ハウジング501を有する遠隔制御装置550の1つの好適な実施の形態が図示されている。引金部502は、ハウジング501に対して可動であり、引金部502の位置は、引金部の位置の関数である命令信号を発生させる。患者への注射過程中におけるコントラスト物質の流量は引金部の位置に直比例している。
【0121】
図21は、遠隔制御装置550の斜視図である。使用時、遠隔制御装置550をユーザの手で保持することが好ましく、例えば、正面制御盤505における操作釦503、504のような操作釦をユーザの親指で容易に操作することができる。引金部502は、ユーザの1本以上の指で引金部502をハウジング501に向けて引くことにより作動させることができる。図面の遠隔制御装置550の方向を参照すると、上端506及び下端507が存在することが理解されよう。図25の平面図を参照すると、ハウジング500は、案内ピン509を通じて引金部502の横方向への移動を案内するスロット508を有している。また、引金部502を引くときの引金部502の前進及び後方への動きが制限される。スロット508の後部壁510は後方への動きを制限し、スロット508の前部壁511は前方への動きを制限する。図25に図示するように、スロット508は、「L」512の形態とすることができる。スロット508の「L」字形の形態は、使用しないとき、案内ピン509がL字形部分の短いアーム内に休止することを可能にし、また、引金部502をハウジング501に向けて引っ張る前に、案内ピン509を短いアームから離脱させるために引金部502を横方向に動かすことを必要とする。この遠隔制御装置500の特徴は、確認のため、操作者が引金部502を横方向に動かす必要がないようにし、偶発的に患者に注射するのを防止するのに役立つ。
【0122】
引金部502の底端部507は、例えば、ばねヒンジ又は可撓性の材料のような回動機構を通じてハウジング501に取り付けることができ、この可撓性の材料は、ハンドル502を繰り返してハウジング501に向けて引っ張り、操作者が引金部502を放したときに前進位置に戻ることを可能にする。
【0123】
作動前、操作者は遠隔制御のため最大及び最小の流体排出量を設定する。流体の排出量は、操作者により変更することが可能であり、また、引金部の位置に直比例する。即ち、1つの実施の形態において、引金部502をハウジング501に向けて更に後方に引っ張れば引っ張るほど、予め設定した最大位置まで流体の排出量がより増大する。
【0124】
図21及び図24を参照すると、正面制御盤505は、装置を装填し且つ使用の準備が完了したことを示すインジケータライト520を含めることができる。その他の制御機能は、正面制御盤にて操作することができる。例えば、1つの実施の形態において、操作釦504は、装置の低圧力側を通じて塩水フラッシュすることを可能にし、また、操作釦503は装置の高圧力側を通じて「噴出」機能を提供する。その他の機能は、正面制御盤505に取り付けられた操作釦を通じて遠隔的に制御可能であることが理解されよう。
【0125】
上述したように、1つの実施の形態において、正面制御盤505は、「噴出」機能を提供する操作釦503を有している。この実施の形態によれば、操作釦503を作動させると、操作者の判断により所定の量の対照媒体が注射される。この機能は、心臓、末梢血管又は体内のその他の解剖学的部分におけるカテーテルの位置を決定するときに特に有用である。1つの実施の形態において、噴出釦を作動させると、予め設定した注射量のパーセント量のコントラスト媒質の量が注射される。例えば、噴出釦を作動させると、少量の注射過程中の注射量の10%を注射することができる。
【0126】
幾つかの実施の形態において、本発明による血管造影注射装置は、患者の心臓の線に対して変換器430の位置を選択する変換器ホルダ600を含むことができる。図9及び図26に図示するように、変換器ホルダ600は、変換器ホルダ600をコンソール401に取り付ける取り付け軸601と、変換器キャリア603内にて変換器430を摺動可能に調節する調節軸602とを有している。変換器キャリア603が調節軸602に沿って動くことは、第一の端部にて取り付け軸601により、また第二の端部にて調節軸のキャップ604により制限される。調節スリーブ606を押すと、変換器キャリア603を調節軸602に沿って自由に動かすことが可能となる。
【0127】
図示した実施の形態において、変換器キャリア603は、変換器430を取り付ける2つの箇所613、614を有している。これらの箇所は、調節軸602の回転方向に関係なく、きちっと嵌まり得るように変換器430又は変換器ドーム438の形状に適合する形態とされている。
【0128】
図26を参照すると、ばね605及び調節スリーブ606は、キャリア603のチャンバ608内に配置されている。調節スリーブ606は、調節軸602の周りに嵌まる通路607を有している。調節軸602はまた、変換器キャリア603の通路610を通って伸びている。使用時、調節スリーブ606を変換器キャリア603の端部611に向けて押し、通路607及び通路610が軸方向に整合するようにすると、変換器キャリア603を調節軸602に沿って摺動可能に動かすことが可能となる。調節スリーブ606に作用する圧力を解放すると、調節スリーブ606の通路607は、通路610との軸方向整合状態から偏倚され、変換器キャリア603を所定位置に保持する摩擦力を発生させる。
【0129】
キャリア603を調節軸602に沿って摺動可能に調節することに加えて、軸602は、取り付け軸601を通じて軸線612の周りで360°回転させることができる。このように、回転調節と摺動調節との間にて、変換器キャリア603内に取り付けられた変換器430を患者の血圧を監視する最適な位置に配置することができる。
【0130】
1つの好適な実施の形態において、注射器411内のコントラスト物質の量がマイクロプロセッサが設定した注射量よりも少ないとき、注射装置はその後の注射過程を防止し、すなわち、注射器411を自動的に再充填する。自動モード又は手動モードにおいて、注射器411は、コンソール401にて操作者が入力した最大値又は多少より少ない量まで再充填することができる。自動モードにおいて、注射の完了後、コンピュータ100は、注射器411内に残るコントラスト物質の量を操作者によりコンピュータに予め設定された注射量と比較する。予め設定した注射量が注射器411内で利用可能なコントラスト物質の量よりも多い場合、コンピュータ100は、その後の患者への注射過程を防止する。コントラスト物質リザーバ413(又は22)が所定位置にあるならば、コンピュータ100は、好ましくは約3mリットル/秒の流量に対応する設定した量にてプランジャ412を自動的に引っ込ませるようにモータ駆動回路を励起し、注射器411に最大量又はその他の予め設定した量のコントラスト物質を装填する。一度、注射器411がセンサ164からの逆制限フィードバック信号により示されたように充填されたならば、モータ104はプランジャ412を前方に動かして、約3mリットル/秒の量にて空気を一方向弁414を通じて注射器から除去する。
【0131】
注射器の再充填中、プランジャ412を引っ込めたため多数の速度を使用することにより、注射器411内で形成される気泡をより容易に減少させることが可能であることも判明した。例えば、注射器411が最大程度まで充填された状況を想定する。この例によれば、プランジャ412のコンピュータ制御による引込みは、約40mリットルの媒体が充填される迄、約2mリットル/秒の速度にてゆっくりと行われる。この遅い速度は、気泡がメニスカスにてプランジャ412の表面から自由に消滅するのを容易にする。その後、約3mリットル/秒のより速い速度を利用して充填過程を完了し、プランジャ412から解放された気泡は、プランジャから一方向弁414に向けて浮動する傾向となる。更に、注射器411が水平面から10乃至20°好ましくは約15°の角度が付けられていることは、気泡を解放し又は気泡を一方向弁414まで動かすのを容易にする。
【0132】
結論として、本発明の注射装置は、ユーザ作動の比例的制御を通じて、カテーテルに対するX線撮影コントラスト物質の供給を相互作用可能に制御することを可能にする。本明細書に開示した幾つかの実施の形態は、注射器装置の安全性及び効率を向上させると共に、必要に応じ、また、患者の状態の変化に応じてコントラスト物質を相互作用可能に注射するため、ユーザがパラメータを調節することを可能にする。
【0133】
本発明は好適な実施の形態に関して説明したが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、形態及び細部の点で変更を加えることが可能であることが認識されよう。例えば、注射器ホルダ16、410は、一端が装填されたシリンダのような他の形態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の血管造影用注射器装置の1つの好適な実施の形態を示す斜視図である。
【図2A】図1の装置の作動状態を示す線図である。
【図2B】図1の装置の別の作動状態を示す線図である。
【図2C】図1の装置の別の作動状態を示す線図である。
【図2D】図1の装置の別の作動状態を示す線図である。
【図2E】図1の装置の別の作動状態を示す線図である。
【図2F】図1の装置の別の作動状態を示す線図である。
【図2G】図1の装置の別の作動状態を示す線図である。
【図3A】図1の注射器装置の制御装置の電気的ブロック図である。
【図3B】図1の注射器装置の制御装置の電気的ブロック図である。
【図4】本発明の注射器装置の1つの好適な実施の形態の前面制御盤における制御装置及びディスプレイの図である。
【図5A】図1の装置の遠隔制御装置の側面図である。
【図5B】図1の装置の遠隔制御装置の部分上方斜視図である。
【図6】足踏み操作型遠隔制御装置の斜視図である。
【図7A】コントラスト物質を充填する間の入口逆止弁及びマニホルドの作動状態を示す図である。
【図7B】空気を除去する間の入口逆止弁及びマニホルドの作動状態を示す図である。
【図7C】患者に注射する過程中の入口逆止弁及びマニホルドの作動状態を示す図である。
【図7D】患者に注射する過程中の入口逆止弁及びマニホルドの作動状態を示す図である。
【図8A】入口逆止弁の作動を更に詳細に示す図である。
【図8B】入口逆止弁の作動を更に詳細に示す図である。
【図8C】入口逆止弁の作動を更に詳細に示す図である。
【図9】本発明の血管造影用注射装置の一部分の1つの好適な実施の形態を示す斜視図である。
【図10】本発明によるマニホルドの殻体の1つの実施の形態の側面図である。
【図11】図10のマニホルド殻体の実施の形態の平面図である。
【図12】図10及び図11のマニホルド殻体の実施の形態の底面図である。
【図13】本発明によるマニホルド組立体の1つの実施の形態の長手方向断面図である。
【図13A】図13のマニホルド殻体の一端の長手方向断面図である。
【図14A】ワイパーがその低圧位置からその高圧位置まで動くときの、エラストマー的ワイパー及びマニホルド殻体内面の相互作用を示す長手方向断面図である。
【図14B】図14Aの相互作用の別の段階を示す長手方向断面図である。
【図14C】図14Aの相互作用の別の段階を示す長手方向断面図である。
【図15】図11の線15−15に沿った横断面図である。
【図16】図12の線16−16に沿った横断面図である。
【図17】低圧力位置と高圧力位置との間におけるマニホルドプランジャの一時的な位置を示す概略図である。
【図18】図11の線18−18に沿った断面図である。
【図19】本発明によるマニホルド殻体の1つの実施の形態の長手方向断面図である。
【図19A】19Aは、プランジャワイパーがマニホルド殻体内の異なる位置にあるときの長手方向断面図である。
【図20】本発明による注射材料の温度制御装置の2つの異なる実施の形態の斜視図である。
【図21】本発明による遠隔制御装置の実施の形態の斜視図である。
【図22】図21の遠隔制御装置の実施の形態の側面図である。
【図23】図21の遠隔制御装置の実施の形態の正面図である。
【図24】図21の遠隔制御装置の実施の形態の背面図である。
【図25】図21の遠隔制御装置の実施の形態の平面図である。
【図26】本発明による調節可能な変換器ホルダの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0135】
400 注射器装置、
401 主コンソール、
410 注射器ホルダ、
411 注射器本体、
412 注射器プランジャ、
413 X線撮影材料リザーバ、
414 一方向弁、
415 下方ポート、
416 下方ポートチューブ、
417 マニホルド組立体、
418 患者へのチューブ、
419 三方向ストップコック、
420 カテーテル、
430 変換器、
431 チューブ、
432 高圧ポート、
433 ポート、
434 低圧ポート、
435 ハンドル、
436 低圧チューブ、
438 ドームチャンバ、
440 変換器の接続具、
441 低圧接続具、
442 フラッシュチューブコネクタ、
450 マニホルド殻体、
453 マニホルドキャップ、
458 マニホルド軸、
460 マニホルドワイパー、
461 Oリング、
462 弁センサトリガー、
490 マニホルドプランジャ組立体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管造影法用注射装置のための注射器キットであって、
末端と基端とを有し且つ圧送チャンバと入口ポートとを形成している注射器本体と、
前記注射器本体の末端に配置され、注射器ホルダの噛み合い面と接触する形状になされたほぼ平らな面を有し、それによって、注射器による圧送中に前記注射器にかけられる圧力が、前記噛み合い面に当接する前記平らな面にほぼ沿って分布せしめられるようになされ、出口ポートを含む注射器端壁と、
前記圧送チャンバ内に配置され、前記基端のすぐ近くの位置と前記末端のすぐ近くの位置との間を往復動できるようになされた注射器プランジャと、
を含む注射器キット。
【請求項2】
請求項1に記載の注射器キットであって、
前記注射器に接続可能なマニホルドを更に含み、同マニホルドが、
マニホルド殻体と、
前記注射器と流体連通している第一のポートと、
患者と流体連通している第二のポートと、
低圧装置と接続可能な第三のポートと、を含んでいる、注射器キット。
【請求項3】
請求項2に記載の注射器キットであって、
前記マニホルドに接続可能な複数の管を更に含み、同複数の管が、
患者用の管と、
低圧管と、
フラッシュ管と、を含んでいる、注射器キット。
【請求項4】
請求項3に記載の注射器キットであって、
前記マニホルドに接続可能な患者用カテーテルを更に含む、注射器キット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図13A】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図19A】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−86796(P2008−86796A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−299458(P2007−299458)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【分割の表示】特願2000−517649(P2000−517649)の分割
【原出願日】平成10年10月23日(1998.10.23)
【出願人】(500165186)アシスト・メディカル・システムズ・インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】