自動研究室システム内での遠心分離機装填プロセス
遠心分離されるべき優先順位が高いサンプルのために要求される時間を減らす装填スキームにおける、2以上の遠心分離機の中にサンプルを装填するためのスケジューリングプロセスである。1つの遠心分離機は最初に、容量のおよそ1/2に装填され、サンプルは、残りの遠心分離機が動作の前に全容量に装填される間に処理される。これは、2つの遠心分離機の動作状況における時間的ずれを生み出すので、優先順位の高いサンプルは、2つの遠心分離機のうちのどちらでも、初めに全部装填されてこのために次に動作するほうへ有利に往復させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの遠心分離機のうちの1つで処理された後に、移送装置によってサンプルが供給される1以上の独立した分析装置を備えた自動臨床サンプル処理システム、および、自動臨床サンプル搬送システムに関するものである。より具体的には、本発明は、優先順位の高いサンプルが遠心分離機において遠心分離されることを可能にするとともに、遠心分離のために既に装填された他のサンプルから生じる遅延を最小限にする遠心分離機装填プロセスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
幅広く多様な自動化学分析機が当該技術分野において公知であり、分析メニューおよびスループットを増加させ、所要時間を減らし、ならびに必須サンプル量を減少させるために継続的に改良されている。これらの分析機は、試薬を用いて解析を実施して、体液サンプル、たとえば尿、血清、血漿、脳脊髄液などの中の分析対象物を同定する。便宜上および安全性の理由で、これらの流体サンプルはほぼ普遍的にフタ付きサンプル管の中に包含される。解析反応は、サンプル中の分析対象物の濃度を判定するために操作することができるさまざまな信号を生成する。たとえば、本出願人が権利者であり、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,101,715号および第5,985,672号を参照されたい。しかしながら、分析機技術における改良は、分析前サンプルの調整、および取り扱い動作、たとえば分類、バッチ調整、サンプルの構成成分を分離するためのサンプル管の遠心分離、流体の利用を容易にするためのフタの取り外しなどにおいて、対応する進歩が十分になされなければ、阻害されることがある。
【0003】
この必要性に取り組むために、研究室自動化システム(LAS)と呼ばれる商用自動分析前サンプル調整システムが開発されており、管の中のサンプルを、共に参照によって本明細書に組み入れられる米国特許第6,984,527号および第6,442,440号に記述されているように「互いにつながって」いる数々の分析前サンプルの処理装置へ自動的に搬送する。これらのLASは、標準的なバーコードラベル付き真空管に包含される数々の異なる患者の試料を取り扱う。バーコードラベルは、試験順序および他の所望の情報とともに、病院の研究室情報システム(LIS)に入力された人口統計情報に連結した受託番号を包含する。オペレータは、サンプルが同様にLASに「つながっている」1以上の分析装置による分析にかけられる前に、遠心分離、フタの除去、およびアリコートの調整などの分析前操作のために必須の処理装置へ向けてサンプルを自動的に分類及び経路決めをするLASシステム上に、ラベル付きの管を置く。
【0004】
ある種の臨床解析のために、遠心分離によって全血から得た血漿が、分析で用いられる。凝固を防止するために、抗凝固剤、たとえばクエン酸塩またはヘパリンが、当初得られた直後に血液試料に添加されるか、または抗凝固剤が、患者のサンプルを得る前に空の血液採取管に置かれる。そして、血球から血漿を分離するために、試料は後程遠心分離されてもよい。
【0005】
いくつかの生化学的研究室試験のためには、血漿および血清は互いに交換可能に用いることができる。血清は組成において血漿に類似するが、血清は血液試料が遠心分離前に凝固できるようにすることによって得られるので、凝固因子を持たない。この目的のために血清分離管を用いてもよく、それは、遠心分離後に管の中で液体と細胞層との間の場所を占めるように設計された密度を持つゲルの一部と同様に凝固を容易にする不活性触媒(ガラスビーズまたはパウダー)を包含して、分離をより簡便にする。しかしながら、血漿中の抗凝固剤は、血清についてのある種の分析結果に干渉することがある。
【0006】
血友病などの、12の血液凝固因子のうち1以上が不全であるかもしれない凝固試験診断出血症状では、全ての凝固因子を保存することが要求される。クエン酸塩の抗凝固効果は濃度に依存し、試験によって逆になることがあるので、ふつうはクエン酸真空血液採取管が用いられる。そのため、血清はそのため凝固試験には不適切である。
【0007】
上記から、分析試験は全血、血漿、または血清について実行してもよいこと、ならびにときには血漿または血清のいずれかを用いてもよいことが分かる。このため、どの臨床試験がどの分析装置によって実行されるのかによって、異なる遠心分離プロセスが、異なる患者のサンプルのために要求されることがある。スピン速度および時間の長さの差異は、以下で異なるサンプルのための「遠心分離プロトコル」と称されるものを成す変数の例である。プロセス効率の目的のために、入ってくるサンプルがLAS内に置かれると、取りのけておいて、同じ遠心分離プロトコル要件を有するサンプルと「いっしょにバッチ処理する」ことが一般的に行われる。都合の良いときに、利用可能な遠心分離機が、要求された遠心分離プロトコルを提供するための動作パラメータで動作するために調節され、サンプルのバッチがグループとして処理される。
【0008】
一般的に、遠心分離には、LAS移送装置から取り出された血液サンプルとともにバランスのとれたパターンで管を遠心分離バスケットに装填し、装填された遠心分離バスケットをスピンさせ、処理済みの管を回収し、およびそれらをLAS移送装置に戻すというサイクルに数十分を要する。LASが取り扱う全てのサンプルが通常の優先順位であれば、サンプルは先入れ先出しのスケジューリングプロセスによって処理される。しかしながら、可能な限り最短の所要時間(STAT)が要求される通常ではないサンプルが、救急および外科手術では発生する。その結果、STATサンプルは、受付から分析結果が得られるまでに最短時間が要求されるために、可能な限り最高の優先順位が与えられる。STATサンプルは、LAS上への装填の間に同定され、通常のサンプルより先に経路決めされ、適切な分析機への往復の前に必須遠心分離プロトコルによって遠心分離される。LAS遠心分離機が1つの遠心分離プロトコル用にセットアップ済みであって、STATサンプルが異なる遠心分離の要求を有する場合、望ましくない、および避けられない遅延が起こる;これは、遠心分離機中のサンプルの遠心分離が完了することと、そのサンプルを回収することと、設定されたプロトコルをSTATサンプルの要求に適合するように変えることを要求する。参照によって本明細書に組み入れられる米国特許出願第11/448,287号に開示されるように、この遅延は、異なる動作プロトコルをセットアップ済みの1つ以上の遠心分離機を準備することによって部分的に軽減することができる。これは、異なる遠心分離機が異なる動作プロトコルで動作する場合は柔軟性を提供する一方で、入ってくる動作装填量または需要が遠心分離容量に適合するようにバランスがとれていなければ、スループットが悪影響を受けることがある。加えて、遠心分離すべき入ってくるサンプルの流れを管理する上での簡潔さのために、入ってくるサンプルは、処理すべきサンプルが均等に「供給」される異なる遠心分離機を持つLASに取り込まれる順序で処理される。STATサンプルは、単純に、入ってくるサンプルの列の最前列に置かれる。
【0009】
異なる遠心分離プロトコルを要求するサンプルの取り扱いに伴う困難性を解決するために、および、同時に、高い優先度をもつSTATサンプルのより迅速な前処理を提供するために、2つの遠心分離機を有するLASは、同一の遠心分離要求を有するそれらのサンプルをいっしょにバッチ処理して、それらを2つの遠心分離機へ交互に送る。STATサンプルが現れると、それは、2つの遠心分離機のうちのどちらでももっとも速く回収することができるほうに搬送され、そしてSTATサンプルは、遠心分離機の動作条件がSTATサンプルの遠心分離プロトコルに適合するならば、速やかに処理される。そうでなければ、遠心分離機の動作条件がSTATサンプルの遠心分離プロトコルに適合するように変えられなければならず、そして、STATサンプルは適正に遠心分離されて適切な分析機に移送することができる。
【0010】
米国特許第6,060,022号は、上記で一般的に記述されたように動作するLASを開示している。LASは、入力ワークステーション、1以上の分析機、および複数のサンプル容器を自動的に処理するための自動遠心分離機を有する。ワークステーションは、優先順位の高いサンプルのために選択された少なくとも1つの場所を持つ、サンプル容器を入力するための複数の入力場所を含む。1つの遠心分離機だけが採用され、それによって、遠心分離のために要する比較的長い時間のために、処理効率が悪くなっている。上述のように、同様の遠心分離要求を有するサンプルは、「いっしょに段階分け」され、全部が完了するまで連続するバッチで処理される。STATサンプルは、入ってくるサンプルの列の最前列に置かれるが、バッチ内での遠心分離処理に関しては、いかなる特別な優先順位も与えられない。
【0011】
LASはサンプルの取り扱いおよび処理の技術分野を進歩させてきたが、STATサンプルを、LASの移送装置から遠心分離処理装置へ、同じ遠心分離機によって処理するようスケジューリングされた他のサンプルからの遅延を最小限にするスケジューリング順序で渡すことを可能にするという挑戦が残っている。STATサンプルの受付からSTATサンプルが臨床分析機で利用可能になるまでの時間を僅かでも減らすことは救命を示唆するので、このような改良は非常に望ましい。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、優先順位が高いサンプルが遠心分離されるために要する時間を減らす装填スキームにおいて、2以上の遠心分離機内にサンプルを装填するためのスケジューリングプロセスを提供する。これは、動作前に、最初に、第1の遠心分離機を全容量未満に装填する一方で、残っている第2の遠心分離機を全容量に装填して処理することによって成し遂げられる。引き続いて、両方の遠心分離機を、動作前に全容量に装填する。結果として、2つの遠心分離機の動作状況には時間的ずれがあるので、優先順位の高いサンプルは、2つの遠心分離機のうちのどちらでも次に初めて全部が装填されて次に遠心分離されるほうへ有利に往復することができる。特に、本発明は、個別のサンプル管をサンプル装填/回収装置から少なくとも2つの遠心分離機のいずれかへ搬送するための移送装置を有する研究室自動化システムの動作方法であって、最初に、遠心分離機のうちの1つを全遠心分離容量のおよそ半分またはそれ未満である遠心分離容量に装填すること、および、この遠心分離機を動作および補充することによる方法である。その一方で、同時に、最初に、第2の遠心分離機を全容量に装填し、ならびにこの遠心分離機を動作および補充するので、STATサンプルは、遠心分離機のうちのどちらでも最も全容量に近く補充されているほうに供給することができる。
【0013】
本発明を、その他の目的およびそのさらなる特徴と同様によりよく理解するために、添付の図面に関連して取られた、さまざまな好ましい実施形態の次の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】数個の分析前サンプル処理装置および本発明が有利に採用されることができる分析装置と協働して制御される移送装置を含む、従来技術の自動サンプル取り扱いシステムの簡略化された概略平面図である。
【図2】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機の簡略化された概略平面図である。
【図3A】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機のための、従来技術の遠心分離機装填スキームの簡略化された概略平面図である。
【図3B】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機のための、従来技術の遠心分離機装填スキームの簡略化された概略平面図である。
【図3C】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機のための、従来技術の遠心分離機装填スキームの簡略化された概略平面図である。
【図3D】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機のための、従来技術の遠心分離機装填スキームの簡略化された概略平面図である。
【図4A】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機の中にサンプルを装填するための、本発明のスキームの簡略化された概略平面図である。
【図4B】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機の中にサンプルを装填するための、本発明のスキームの簡略化された概略平面図である。
【図4C】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機の中にサンプルを装填するための、本発明のスキームの簡略化された概略平面図である。
【図4D】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機の中にサンプルを装填するための、本発明のスキームの簡略化された概略平面図である。
【図5】図3〜3Dの従来技術の装填スキームのタイミング図である。
【図6】図4A〜4Dの本発明の装填スキームのタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、分析機32、38、または42による分析の前に複数管サンプルラック18に包含される複数のサンプル容器20、典型的にはサンプル試験管20を自動的に前処理可能な自動臨床研究室サンプル取り扱いLAS10を示す。典型的には、自動的に処理すべき試料が、フタ付き容器20の中で研究室自動化システムLAS10に提供される。各サンプル容器20は、センサ19によって機械読み取り可能であって、その中のサンプルについて成し遂げるべき解析手順のほかに患者のIDを表示する、同定のしるし、たとえばバーコードを備える。容器20は、通常はその上に追加の同定のしるしを有する、複数管ラック18の中で一般的に保持される。
【0016】
LAS10は、動作ベース12を含み、動作ベース12の上では、ベルト状の移送装置トラック14が、サンプル容器装填/回収装置16から、2つの自動遠心分離機24A、24Bのうちの1つに、個別のサンプル管容器20を搬送する。サンプル容器装填/回収装置16は、サンプル容器運搬装置22の中で、優先順位の高いSTATに活性のある入力レーンのほかに、1つより多い複数管ラック18を有する。遠心分離された後、サンプル管容器20は、そこから、フタ付きサンプル容器20からフタを自動的に取り外すための自動管フタ外し装置30へ移送され、そこから、本来のサンプル管容器20をサンプル管装填/回収ロボット装置16に戻す前に、1以上の分析機32、38、および42へ移送される。3つ以上の分析機32、38、42が移送装置トラック14によって連結されてもよいことが理解されるべきである;簡潔さの目的のために、3つのみが示されている。遠くにある分析機43は、LAS10に直接つながっていなくとも、例えば独立したロボットシステムによって、LAS10によって供給されることがある。サンプル取り扱いLAS10は、各サンプル管運搬装置22の上または内に置かれたしるしを同定する手段によって、サンプル管容器20の場所を検出するための数々のセンサ19を有する。従来のバーコードリーダが、このような追跡動作において採用されてもよい。
【0017】
遠心分離機24Aおよび214B、および、各分析機38、42、および32は、一般的に、さまざまな装填機構26A、24B、28、40、および44、または、トラック34および36をそれぞれ備えており、それらは、それぞれ、トラック14からサンプル管運搬装置22を取り外すためのものである。また、それらは、遠心分離機24A、24Bへ、およびそこから、分析機38、42、42へ、およびそこから、またはその中へ、およびその外へ、サンプル管運搬装置22を動かすためのものである。サンプル管容器20は、このようなプロセスのために、サンプル管運搬装置22から交互に取り外されてもよい。典型的には、装填/回収装置16は、従来からロボットクランプハンドが設けられる少なくとも2つのX−Y−Zロボットアーム21を含む。
【0018】
サンプル取り扱いLAS10は、以下に記述されるように、従来のプログラムされたコンピュータ15、好ましくは、さまざまな種類の解析プロセスがそこで生じるLAS10全体にわたるサンプル管運搬装置22の動きを制御するように、システム10の一部としてまたはそこから分離して収納されるマイクロプロセッサに基づく中央処理装置CPU15によって制御される。CPU15は、イリノイ州DeerfieldのSiemens Healthcare Diagnostics Inc. によって販売されるDimension(登録商標)臨床化学分析機上で用いられるもののような、およびコンピュータに基づく電気機械制御プログラミングの当業者に典型的である、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアコマンドまたは回路にしたがってサンプル取り扱いシステム10を制御する。
【0019】
本発明は、サンプルの調製および患者の生体サンプルの臨床分析のために用いられる複数の相互に関係する自動装置を全て説明する、多様な制御画面および状況情報表示画面にユーザが容易におよび速くアクセスできるようにするコンピュータインターフェイスモジュールCIMを用いて実装してもよい。このようなCIMは、好ましくは、任意の特定のサンプルの場所およびサンプルについて実行すべき臨床試験の状況を説明する情報のほかに、複数の相互に関係する自動装置の動作状況についてのオンライン情報を包含する複数の追加の表示画面に直接つながっている第1の表示画面を採用する。このため、CIMは、モジュールが、オペレータがそれを通じて臨床分析システムとインターフェイスで接続することができるアイコン、スクロールバー、ボックス、およびボタンを含むメニューを表示するために適合した視覚的タッチパネルを含むものであり、およびメニューが、臨床分析システムの機能的な側面を表示するようにプログラムされた数々の機能ボタンを含むものである、自動臨床分析システム10とオペレータとの間の相互作用を容易にするように適合される。
【0020】
図2は、米国特許第6,060,022号および第6,589,789号に開示されるもののように、トラック14からサンプル管運搬装置22によって運ばれたサンプル管20を取り外し、および、個別のサンプル管20を一時的に第1のバケツ秤量および装填プラットフォーム52上に配置された遠心分離バケツ50中のフタなし受容器(明確さの目的で図示せず)の中に重量バランスのとれたパターンで置くように適合された典型的な遠心分離機装填装置46を示す。遠心分離機装填装置46は、重量バランスのとれた遠心分離バケツ50を第1の装填プラットフォーム52から取り外し、および重量バランスのとれた遠心分離バケツ50を遠心分離のための遠心分離機24Aの中に置くように適合されたバケツ運搬装置48を備える。バランスのとれない遠心分離条件を避けるために、追加の重量バランスのとれた遠心分離バケツ50が、遠心分離機24A内での全体的にバランスのとれた装填を維持するように、遠心分離機24A内に置かれた第1の装填プラットフォーム52上に装填される。典型的には、遠心分離バケツ50は、相対する対になって遠心分離機24A内に置かれる。加えて、バケツ50は、異なるフタなし受容器の中に異なって重み付けされたサンプル管20を動かすことによって、および/または、その中に既知の重量を有する「ダミーの」管20を採用することによって、人為的にバランスをとってもよい。
【0021】
遠心分離が完了した後、遠心分離機装填装置46は、遠心分離バケツ50を次々と遠心分離機24Aから取り外し、および第1のバケツ回収プラットフォーム54上に各遠心分離バケツ50を置くように適合されたバケツ運搬装置48をまださらに備える。(簡潔さの目的で、4つのサンプル管20だけが各遠心分離バケツ50中に示されているが、実際には各遠心分離バケツ50の中に、より多い数の10〜20のオーダーのサンプル管20が置かれている。)最終的に、バケツ運搬装置48は、第1のバケツ回収プラットフォーム54上に配置された遠心分離バケツ50から遠心分離されたサンプル管20を取り外し、および今遠心分離されたサンプル管20を引き続く分析前処理および/または分析のためにトラック14上の運搬装置22内に戻すように、適合される。全てのサンプル管20が遠心分離バケツ50から取り外された後、空の遠心分離バケツ50は、回収プラットフォーム54から装填プラットフォーム52上に動かされ、そのプロセスは、ある形態の分離が要求されたサンプルを包含するLAS10におけるサンプル運搬装置22中の全てのサンプル管20が遠心分離され、および移送装置トラック14上に置き換えられるまで続けられる。図2は、基本的に、トラック14から取り外されて、遠心分離を待っているサンプル20を装填したバケツ50、遠心分離の間にサンプル20を装填したバケツ50、および遠心分離に引き続き、トラック14上のサンプル管運搬装置22において置き換えられる準備ができているサンプル20を装填したバケツ50を備えた遠心分離機装填装置46を示す。このプロセス、特に重量バランスのとれたバケツ50を含みそれが要求されるバケツ装填動作は、当業者に公知であり、彼らによって行われている。当業者によって普遍的に理解される用語は、「装填された」、「バランスのとれた」、「運搬装置」、「バケツ」、「ロータ」、「挿入」、および「ラック」などの表現を含み、詳細な説明なしに本明細書で用いられる。
【0022】
本発明は、少なくとも2つの遠心分離機24A、24Bを有するLAS10において有利に実施され、第2の遠心分離機24Bは、遠心分離機24Aの装填および回収について説明したのと同様の方法でサンプル管運搬装置22によって運ばれるサンプル管20を取り扱うための第2の遠心分離機装填装置56を備える。この例では、第2の遠心分離機装填装置56は、サンプル管20をトラック14上のサンプル管運搬装置22から取り外して、個別のサンプル管を一時的に第2のバケツ装填プラットフォーム58上に配置された遠心分離バケツ50内で重量バランスのとれたパターンで置き、遠心分離のためにその重量バランスのとれた遠心分離バケツ50を遠心分離機24B内に置くように適合される。上記のように、遠心分離が完了した後で、遠心分離機装填装置56は、まださらに遠心分離バケツ50を遠心分離機24Bから取り外し、遠心分離バケツ50を第2のバケツ回収プラットフォーム60上に置くように適合される。最終的に、遠心分離機装填装置46は、サンプル管20を第2のバケツ回収プラットフォーム60上に配置された遠心分離バケツ50から取り外し、引き続く処理のために今遠心分離されたサンプル管20をトラック14上のサンプル管運搬装置22内に戻すように適合される。
【0023】
従来技術においては、サンプル管20は、LAS10内でのプロセスのためにサンプル管20の「バッチ」が同定されると始まる交互パターンによって、遠心分離機24Aおよび24Bに渡される。このような交互パターンにおいて、第1のサンプル管20が、遠心分離機24A上のバケツ装填プラットフォーム52上の最初のバケツ50A内に置かれ、そして、第2のサンプル管20が、遠心分離機24B上のバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50B内に置かれる。このプロセスは、「奇数の」サンプル管20が遠心分離機24A上のバケツ装填プラットフォーム52上のバケツ50A中に置かれる一方で、「偶数の」サンプル管20が遠心分離機24B上のバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50中に置かれて、両方のバケツ50Aおよび50Bが、図3Aに示すように全部装填されるまで続けられる。上述および図3Bに見られるように、この装填プロセスは、遠心分離機24A上のバケツ装填プラットフォーム52上の残っている遠心分離バケツ50の中に置かれた「奇数の」サンプル管20、および、遠心分離機24B上のバケツ装填プラットフォーム58上の残っている遠心分離バケツ50の中に置かれた「偶数の」サンプル管20で、図3Bに示すように続けられる。引き続いて、装填された遠心分離バケツ50は、図3Cに見られるように遠心分離機24Aおよび24B内に置かれ、遠心分離機はそれぞれの動作プロトコルを用いて動作する。遠心分離プロトコルが完了した後、バケツ50は、図3Dに示すように遠心分離機24Aおよび24Bから取り外されて、バケツ回収プラットフォーム54および58上に置かれる。この交互の「奇数・偶数」スキームのようなバケツ装填手順は、研究室の全体的なスループットの増強のために、最先端の研究室自動化において採用される。図示しないが、図3A〜Dのバケツ取り扱いプロセスの間に、バケツ装填プラットフォーム52上の「空の」遠心分離バケツ50が「奇数の」サンプル管20で装填され続け、遠心分離機24B上のバケツ装填プラットフォーム58上の「空の」遠心分離バケツ50が「偶数の」サンプル管20で装填され続ける。しかしながら、病院の研究室は、優先順位の高いSTAT(所要時間が短い)サンプルを取り扱うような準備もされなければならず、これはふつう、専用のSTATプロセスラインを有することによって行われる。これは、特に重篤な病状の患者のための試験結果が遅延するとうことの代替が考慮される場合、費用がかかるが効果的な手法である。本発明は、研究室の必要性を受け入れて、通常のサンプルのプロセスに対する最小限の寸断で複数の優先順位を管理する。
【0024】
少なくとも2つの遠心分離機を持つLASを交互パターンによって全容量に装填するためのこの従来技術の手順は、LAS10、遠心分離機装填装置46、56、及び、遠心分離機24A、24Bの動作のプログラミングが簡潔なので、用いられている。この実行は、優先順位の高いSTATサンプル管20がLAS10に渡されない限りうまく働き、引き続く分析装置に供給される遠心分離されたサンプル管20の一定の流れを維持する。しかしながら、優先順位の高いSTATサンプル管20がプロセスのためにLAS10に渡された場合には、そこから優先順位の高いSTATサンプル管20が移送装置トラック14上のサンプル管運搬装置22中に速やかに置くことができる、優先順位の高いSTATに活性のある入力レーンの中に優先順位の高いSTATサンプル管20を置くことも、一般的に行われている。この実行が、このような優先順位の高いSTATサンプル管20を遠心分離機24Aまたは24Bのいずれかに持っていくために要求される時間を減らす一方で、バケツ装填プラットフォーム52、そしてバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50の中への配置を交互にするための前述されたパターンは、バケツ装填プラットフォーム52およびバケツ装填プラットフォーム56上のバケツ50のうちのいずれの1つも、全部装填された状態に近づけることがないので、逆の時間の遅延を取り込む。
【0025】
本発明は、このジレンマを解決する。さらに、最初に2つの利用可能な遠心分離機24Aまたは24Bのうちの1つを、各バケツ50の全容量未満で装填されたバケツ50で装填することによって、優先順位の高いSTATサンプル管20を遠心分離機24Aおよび24Bのいずれかに持っていくために要求される時間を減らす。これは、前述された交互の「奇数・偶数」サンプル管20装填手順を用いて達成される。
【0026】
この、たとえば遠心分離機24Aの「最大未満の最初の装填」に引き続いて、前述された、バケツ装填プラットフォーム52上のバケツ50Cの中への、およびバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50Bの中へと続くサンプル管20の交互の配置が再開される。図4Bは、バケツ装填プラットフォーム52上の相対するバケツ50Aおよび50C内に装填された4つのこのようなサンプル管20、ならびにバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ内に装填された4つのこのようなサンプル管20を示す。この段階において、相対するバケツ50Aおよび50Cを遠心分離機24A(図4C)に任意で運搬してもよく、遠心分離プロセスが開始される;交互に、前述された交互の「奇数・偶数」サンプル管20装填手順が、図4Dに示すように、4つのバケツ50A、50C、50D、50Eの全てが遠心分離機24Aへ運搬される前に、それらが「最大未満の装填」状態に装填されるまで続けられてもよい。それらが遠心分離機24Aへ運搬された後、遠心分離機24Aはこの「最大未満の装填」の状態(図4E)で動作することができる。バケツ装填プラットフォーム52上のバケツ50を装填する間に、図4Dに示すように、バケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50B、50F、50G、50Hのサンプル管20の前述したような交互の「奇数・偶数」装填手順が続けられる。
【0027】
本発明によって教示されたように、遠心分離機24Aのバケツ50A及び50Cをこの「最大未満の」状態に最初に装填することの重要な利点により、STATサンプルが渡されたときに遠心分離機24A、24Bの両方が全部装填されている場合の例におけるSTATのターンアラウンドタイムの50%もの減少を生み出すことができる。以下に説明するように、これは、優先順位の高いサンプル管20を、遠心分離バケツ50のうちのどちらでも、遠心分離機24Aまたは24B内に次に置かれるほうの中に装填することによって達成される。
【0028】
図4〜4Fに示すような本発明の遠心分離機装填スキームにおいて、STATサンプルが現れるといつでも、STATサンプルは2つの遠心分離機24Aまたは24Bのどちらでも最も満たされている状態に近いほうへ有利に往復することができる。第1の遠心分離機24Aの最初の装填は、「最大未満に装填された」バケツ50A−C−D−Eの遠心分離を、バケツ50A−C−D−Eを通常通り全容量まで満たすために必要とされる時間未満の装填時間後に開始できるような方法で行われたので、2つの遠心分離機24Aまたは24Bのうちの1つは、遠心分離のため装填されることに関しては他方より「先」であろう。結果として、2つの遠心分離機24Aおよび24Bの動作状況には時間的ずれがあるので、優先順位の高いSTATサンプル管20は、2つの遠心分離機24Aまたは24Bのうちのどちらでも最初に装填される、つまり次に動作するほうへ有利に往復させることができる。それによって、この時間の差異で、STATサンプルの遠心分離プロトコルが、バケツ50を全部装填するために要求される時間より、平均で50%少ない時間で始まり、および完了できるようにする。
【0029】
このSTATプロセスの利点は、図5に示されるような従来技術の遠心分離機装填スキームのタイミング図と、図6に示されるような本発明の遠心分離機装填スキームを比べることによっても示すことができる。図5において、バケツ装填プラットフォーム52上のバケツ50A、50C、50D、および50E、ならびにバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50B、50F、50G、および50Hは、従来技術の交互の「奇数・偶数」装填スキームにおいて容量が100%まで満たされている。STATサンプル管20が「A」点で現れる場合には、任意のバケツ50A〜Hの最小限の装填が行われたときに、STAT管を遠心分離機24Aまたは24Bのいずれかによってスピンされるバケツ50A〜Hの中に配置することのできる前に、比較的長い時間が経過しなければならない。STATサンプル管20が「B」点で現れる場合には、任意のバケツ50A〜Hのおよそ50%または半分が行われると、バケツ50A〜Hを遠心分離のために遠心分離機24Aまたは24Bの中に置くことができる前に、「半装填」のために要求される時間が経過しなければならない。STATサンプル管20が「C」点で現れる場合には、任意のバケツ50A〜Hのより多い装填が行われたときに、STATサンプル管20を保持するバケツ50を、遠心分離のために遠心分離機24Aまたは24Bの中に置くことができる前に、比較的短い時間が経過しなければならない。そして、一般的に、多数のSTATサンプル管20の経験を評価すると、B点が基準となり、遠心分離のために遠心分離機24Aまたは24Bのいずれかに運搬される任意のバケツ50A〜HにSTAT管20を置くことができる前に、「半装填」される時間が経過しなければならない。この従来技術の装填スキームにおいて、STATサンプル管20がバケツ50A−C−D−Eのうちの1つの中か、またはバケツ50C−F−G−Hのうちの1つの中に置かれるかにかかわらず、STATサンプル管20は、STATサンプルを遠心分離できる前に、同じ時間の経過を経験するだろう。
【0030】
図6は、本発明によって達成される、STATサンプル管20を遠心分離のために遠心分離機24Aまたは24Bの中に置くことができる前の時間経過の減少を示す。本発明によれば、半分またはそれ未満に装填されたバケツ50が遠心分離機24Aの最初の装填に用いられ、遠心分離機24Aは、遠心分離機24Bがサンプル管20の処理を開始するよりも少し前に、サンプル管20の処理を開始する。特に、前述したように、少なくとも最初の2つのバケツ50A〜Cは、サンプル管20をおよそ半分またはそれ未満に装填され、そして、遠心分離のために遠心分離機24A上に置かれる。その結果、遠心分離機24Aおよび24Bの動作状況には時間的ずれがあるので、STATサンプル管20が現れると、いつでも、STATサンプル管20は、2つの遠心分離機24Aまたは24Bのうちのどちらでも最も満たされている状態に近く、かつ、最も速やかに遠心分離のために利用可能なほうへ有利に往復することができる。たとえば、STATサンプル管20が「A」点で現れる場合には、遠心分離機24Aは遠心分離機24Bよりはるかに遠心分離する準備ができている状態に近く、STATサンプル管20は遠心分離機24Aに送られるだろう。STATサンプル管20が「B」点で現れる場合には、遠心分離機24Aは基本的に装填プロセスの始めにあり、STATサンプル管20は遠心分離のために遠心分離機24Bに有利に送られるだろう。最後に、STATサンプル管20が「C」点で現れる場合には、遠心分離機24Bは遠心分離のためにほとんど満たされていて、STATサンプル管20は遠心分離のために遠心分離機24Bに有利に送られるだろう。本発明の恩恵として、STATサンプル管20は、平均で、現在行われている装填手順を用いて遠心分離されるSTAT管20よりおよそ50%少ないプロセス遅延で遠心分離のために渡されるだろう。
【0031】
当業者には、本発明が広い実用化および用途を受け入れ可能であることが容易に理解されるべきである。本明細書に記述されているもの以外の本発明の多くの実施形態および適応は、多くの変形、改変、および均等物と同様に、本発明の本質または範囲から逸脱することのない範囲で、本発明およびその前述の説明から明白または合理的に提案されるだろう。たとえば、既述のように、2つのバケツ50Aおよび50C、あるいは4つのバケツ50A−C−D−Eのいずれかは、STATサンプル管20の処理の遅延の減少を達成するために最初におよそ半分またはそれ未満に装填してもよい。さらに、この説明では2つの遠心分離機だけが用いられたが、STAT処理の時間の利点は、第3の遠心分離機を含むことによって増大させることができる。さらにまた、本発明の説明では簡潔さの目的のために、2つのサンプル装填装置46および56が採用されたが、単一のサンプル装填装置を、両方のサンプル装填装置46および56のタスクを実行するために適合させてもよい。
【0032】
したがって、本発明は、特定の実施形態との関連で本明細書において詳細に記述されてきたが、この開示は本発明の説明および例示だけであり、本発明の詳細および実施可能な開示を提供する目的のためだけになされることが理解されるべきである。前述の開示は、本発明を限定する、あるいはまたいかなるこのような他の実施形態、適応、変形、改変、および均等物をも除外することを意図または解釈されず、本発明は本明細書に添付された請求項およびその均等物によってだけ限定される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの遠心分離機のうちの1つで処理された後に、移送装置によってサンプルが供給される1以上の独立した分析装置を備えた自動臨床サンプル処理システム、および、自動臨床サンプル搬送システムに関するものである。より具体的には、本発明は、優先順位の高いサンプルが遠心分離機において遠心分離されることを可能にするとともに、遠心分離のために既に装填された他のサンプルから生じる遅延を最小限にする遠心分離機装填プロセスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
幅広く多様な自動化学分析機が当該技術分野において公知であり、分析メニューおよびスループットを増加させ、所要時間を減らし、ならびに必須サンプル量を減少させるために継続的に改良されている。これらの分析機は、試薬を用いて解析を実施して、体液サンプル、たとえば尿、血清、血漿、脳脊髄液などの中の分析対象物を同定する。便宜上および安全性の理由で、これらの流体サンプルはほぼ普遍的にフタ付きサンプル管の中に包含される。解析反応は、サンプル中の分析対象物の濃度を判定するために操作することができるさまざまな信号を生成する。たとえば、本出願人が権利者であり、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,101,715号および第5,985,672号を参照されたい。しかしながら、分析機技術における改良は、分析前サンプルの調整、および取り扱い動作、たとえば分類、バッチ調整、サンプルの構成成分を分離するためのサンプル管の遠心分離、流体の利用を容易にするためのフタの取り外しなどにおいて、対応する進歩が十分になされなければ、阻害されることがある。
【0003】
この必要性に取り組むために、研究室自動化システム(LAS)と呼ばれる商用自動分析前サンプル調整システムが開発されており、管の中のサンプルを、共に参照によって本明細書に組み入れられる米国特許第6,984,527号および第6,442,440号に記述されているように「互いにつながって」いる数々の分析前サンプルの処理装置へ自動的に搬送する。これらのLASは、標準的なバーコードラベル付き真空管に包含される数々の異なる患者の試料を取り扱う。バーコードラベルは、試験順序および他の所望の情報とともに、病院の研究室情報システム(LIS)に入力された人口統計情報に連結した受託番号を包含する。オペレータは、サンプルが同様にLASに「つながっている」1以上の分析装置による分析にかけられる前に、遠心分離、フタの除去、およびアリコートの調整などの分析前操作のために必須の処理装置へ向けてサンプルを自動的に分類及び経路決めをするLASシステム上に、ラベル付きの管を置く。
【0004】
ある種の臨床解析のために、遠心分離によって全血から得た血漿が、分析で用いられる。凝固を防止するために、抗凝固剤、たとえばクエン酸塩またはヘパリンが、当初得られた直後に血液試料に添加されるか、または抗凝固剤が、患者のサンプルを得る前に空の血液採取管に置かれる。そして、血球から血漿を分離するために、試料は後程遠心分離されてもよい。
【0005】
いくつかの生化学的研究室試験のためには、血漿および血清は互いに交換可能に用いることができる。血清は組成において血漿に類似するが、血清は血液試料が遠心分離前に凝固できるようにすることによって得られるので、凝固因子を持たない。この目的のために血清分離管を用いてもよく、それは、遠心分離後に管の中で液体と細胞層との間の場所を占めるように設計された密度を持つゲルの一部と同様に凝固を容易にする不活性触媒(ガラスビーズまたはパウダー)を包含して、分離をより簡便にする。しかしながら、血漿中の抗凝固剤は、血清についてのある種の分析結果に干渉することがある。
【0006】
血友病などの、12の血液凝固因子のうち1以上が不全であるかもしれない凝固試験診断出血症状では、全ての凝固因子を保存することが要求される。クエン酸塩の抗凝固効果は濃度に依存し、試験によって逆になることがあるので、ふつうはクエン酸真空血液採取管が用いられる。そのため、血清はそのため凝固試験には不適切である。
【0007】
上記から、分析試験は全血、血漿、または血清について実行してもよいこと、ならびにときには血漿または血清のいずれかを用いてもよいことが分かる。このため、どの臨床試験がどの分析装置によって実行されるのかによって、異なる遠心分離プロセスが、異なる患者のサンプルのために要求されることがある。スピン速度および時間の長さの差異は、以下で異なるサンプルのための「遠心分離プロトコル」と称されるものを成す変数の例である。プロセス効率の目的のために、入ってくるサンプルがLAS内に置かれると、取りのけておいて、同じ遠心分離プロトコル要件を有するサンプルと「いっしょにバッチ処理する」ことが一般的に行われる。都合の良いときに、利用可能な遠心分離機が、要求された遠心分離プロトコルを提供するための動作パラメータで動作するために調節され、サンプルのバッチがグループとして処理される。
【0008】
一般的に、遠心分離には、LAS移送装置から取り出された血液サンプルとともにバランスのとれたパターンで管を遠心分離バスケットに装填し、装填された遠心分離バスケットをスピンさせ、処理済みの管を回収し、およびそれらをLAS移送装置に戻すというサイクルに数十分を要する。LASが取り扱う全てのサンプルが通常の優先順位であれば、サンプルは先入れ先出しのスケジューリングプロセスによって処理される。しかしながら、可能な限り最短の所要時間(STAT)が要求される通常ではないサンプルが、救急および外科手術では発生する。その結果、STATサンプルは、受付から分析結果が得られるまでに最短時間が要求されるために、可能な限り最高の優先順位が与えられる。STATサンプルは、LAS上への装填の間に同定され、通常のサンプルより先に経路決めされ、適切な分析機への往復の前に必須遠心分離プロトコルによって遠心分離される。LAS遠心分離機が1つの遠心分離プロトコル用にセットアップ済みであって、STATサンプルが異なる遠心分離の要求を有する場合、望ましくない、および避けられない遅延が起こる;これは、遠心分離機中のサンプルの遠心分離が完了することと、そのサンプルを回収することと、設定されたプロトコルをSTATサンプルの要求に適合するように変えることを要求する。参照によって本明細書に組み入れられる米国特許出願第11/448,287号に開示されるように、この遅延は、異なる動作プロトコルをセットアップ済みの1つ以上の遠心分離機を準備することによって部分的に軽減することができる。これは、異なる遠心分離機が異なる動作プロトコルで動作する場合は柔軟性を提供する一方で、入ってくる動作装填量または需要が遠心分離容量に適合するようにバランスがとれていなければ、スループットが悪影響を受けることがある。加えて、遠心分離すべき入ってくるサンプルの流れを管理する上での簡潔さのために、入ってくるサンプルは、処理すべきサンプルが均等に「供給」される異なる遠心分離機を持つLASに取り込まれる順序で処理される。STATサンプルは、単純に、入ってくるサンプルの列の最前列に置かれる。
【0009】
異なる遠心分離プロトコルを要求するサンプルの取り扱いに伴う困難性を解決するために、および、同時に、高い優先度をもつSTATサンプルのより迅速な前処理を提供するために、2つの遠心分離機を有するLASは、同一の遠心分離要求を有するそれらのサンプルをいっしょにバッチ処理して、それらを2つの遠心分離機へ交互に送る。STATサンプルが現れると、それは、2つの遠心分離機のうちのどちらでももっとも速く回収することができるほうに搬送され、そしてSTATサンプルは、遠心分離機の動作条件がSTATサンプルの遠心分離プロトコルに適合するならば、速やかに処理される。そうでなければ、遠心分離機の動作条件がSTATサンプルの遠心分離プロトコルに適合するように変えられなければならず、そして、STATサンプルは適正に遠心分離されて適切な分析機に移送することができる。
【0010】
米国特許第6,060,022号は、上記で一般的に記述されたように動作するLASを開示している。LASは、入力ワークステーション、1以上の分析機、および複数のサンプル容器を自動的に処理するための自動遠心分離機を有する。ワークステーションは、優先順位の高いサンプルのために選択された少なくとも1つの場所を持つ、サンプル容器を入力するための複数の入力場所を含む。1つの遠心分離機だけが採用され、それによって、遠心分離のために要する比較的長い時間のために、処理効率が悪くなっている。上述のように、同様の遠心分離要求を有するサンプルは、「いっしょに段階分け」され、全部が完了するまで連続するバッチで処理される。STATサンプルは、入ってくるサンプルの列の最前列に置かれるが、バッチ内での遠心分離処理に関しては、いかなる特別な優先順位も与えられない。
【0011】
LASはサンプルの取り扱いおよび処理の技術分野を進歩させてきたが、STATサンプルを、LASの移送装置から遠心分離処理装置へ、同じ遠心分離機によって処理するようスケジューリングされた他のサンプルからの遅延を最小限にするスケジューリング順序で渡すことを可能にするという挑戦が残っている。STATサンプルの受付からSTATサンプルが臨床分析機で利用可能になるまでの時間を僅かでも減らすことは救命を示唆するので、このような改良は非常に望ましい。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、優先順位が高いサンプルが遠心分離されるために要する時間を減らす装填スキームにおいて、2以上の遠心分離機内にサンプルを装填するためのスケジューリングプロセスを提供する。これは、動作前に、最初に、第1の遠心分離機を全容量未満に装填する一方で、残っている第2の遠心分離機を全容量に装填して処理することによって成し遂げられる。引き続いて、両方の遠心分離機を、動作前に全容量に装填する。結果として、2つの遠心分離機の動作状況には時間的ずれがあるので、優先順位の高いサンプルは、2つの遠心分離機のうちのどちらでも次に初めて全部が装填されて次に遠心分離されるほうへ有利に往復することができる。特に、本発明は、個別のサンプル管をサンプル装填/回収装置から少なくとも2つの遠心分離機のいずれかへ搬送するための移送装置を有する研究室自動化システムの動作方法であって、最初に、遠心分離機のうちの1つを全遠心分離容量のおよそ半分またはそれ未満である遠心分離容量に装填すること、および、この遠心分離機を動作および補充することによる方法である。その一方で、同時に、最初に、第2の遠心分離機を全容量に装填し、ならびにこの遠心分離機を動作および補充するので、STATサンプルは、遠心分離機のうちのどちらでも最も全容量に近く補充されているほうに供給することができる。
【0013】
本発明を、その他の目的およびそのさらなる特徴と同様によりよく理解するために、添付の図面に関連して取られた、さまざまな好ましい実施形態の次の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】数個の分析前サンプル処理装置および本発明が有利に採用されることができる分析装置と協働して制御される移送装置を含む、従来技術の自動サンプル取り扱いシステムの簡略化された概略平面図である。
【図2】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機の簡略化された概略平面図である。
【図3A】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機のための、従来技術の遠心分離機装填スキームの簡略化された概略平面図である。
【図3B】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機のための、従来技術の遠心分離機装填スキームの簡略化された概略平面図である。
【図3C】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機のための、従来技術の遠心分離機装填スキームの簡略化された概略平面図である。
【図3D】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機のための、従来技術の遠心分離機装填スキームの簡略化された概略平面図である。
【図4A】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機の中にサンプルを装填するための、本発明のスキームの簡略化された概略平面図である。
【図4B】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機の中にサンプルを装填するための、本発明のスキームの簡略化された概略平面図である。
【図4C】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機の中にサンプルを装填するための、本発明のスキームの簡略化された概略平面図である。
【図4D】図1の自動サンプル取り扱いシステムにおける2つの遠心分離機の中にサンプルを装填するための、本発明のスキームの簡略化された概略平面図である。
【図5】図3〜3Dの従来技術の装填スキームのタイミング図である。
【図6】図4A〜4Dの本発明の装填スキームのタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、分析機32、38、または42による分析の前に複数管サンプルラック18に包含される複数のサンプル容器20、典型的にはサンプル試験管20を自動的に前処理可能な自動臨床研究室サンプル取り扱いLAS10を示す。典型的には、自動的に処理すべき試料が、フタ付き容器20の中で研究室自動化システムLAS10に提供される。各サンプル容器20は、センサ19によって機械読み取り可能であって、その中のサンプルについて成し遂げるべき解析手順のほかに患者のIDを表示する、同定のしるし、たとえばバーコードを備える。容器20は、通常はその上に追加の同定のしるしを有する、複数管ラック18の中で一般的に保持される。
【0016】
LAS10は、動作ベース12を含み、動作ベース12の上では、ベルト状の移送装置トラック14が、サンプル容器装填/回収装置16から、2つの自動遠心分離機24A、24Bのうちの1つに、個別のサンプル管容器20を搬送する。サンプル容器装填/回収装置16は、サンプル容器運搬装置22の中で、優先順位の高いSTATに活性のある入力レーンのほかに、1つより多い複数管ラック18を有する。遠心分離された後、サンプル管容器20は、そこから、フタ付きサンプル容器20からフタを自動的に取り外すための自動管フタ外し装置30へ移送され、そこから、本来のサンプル管容器20をサンプル管装填/回収ロボット装置16に戻す前に、1以上の分析機32、38、および42へ移送される。3つ以上の分析機32、38、42が移送装置トラック14によって連結されてもよいことが理解されるべきである;簡潔さの目的のために、3つのみが示されている。遠くにある分析機43は、LAS10に直接つながっていなくとも、例えば独立したロボットシステムによって、LAS10によって供給されることがある。サンプル取り扱いLAS10は、各サンプル管運搬装置22の上または内に置かれたしるしを同定する手段によって、サンプル管容器20の場所を検出するための数々のセンサ19を有する。従来のバーコードリーダが、このような追跡動作において採用されてもよい。
【0017】
遠心分離機24Aおよび214B、および、各分析機38、42、および32は、一般的に、さまざまな装填機構26A、24B、28、40、および44、または、トラック34および36をそれぞれ備えており、それらは、それぞれ、トラック14からサンプル管運搬装置22を取り外すためのものである。また、それらは、遠心分離機24A、24Bへ、およびそこから、分析機38、42、42へ、およびそこから、またはその中へ、およびその外へ、サンプル管運搬装置22を動かすためのものである。サンプル管容器20は、このようなプロセスのために、サンプル管運搬装置22から交互に取り外されてもよい。典型的には、装填/回収装置16は、従来からロボットクランプハンドが設けられる少なくとも2つのX−Y−Zロボットアーム21を含む。
【0018】
サンプル取り扱いLAS10は、以下に記述されるように、従来のプログラムされたコンピュータ15、好ましくは、さまざまな種類の解析プロセスがそこで生じるLAS10全体にわたるサンプル管運搬装置22の動きを制御するように、システム10の一部としてまたはそこから分離して収納されるマイクロプロセッサに基づく中央処理装置CPU15によって制御される。CPU15は、イリノイ州DeerfieldのSiemens Healthcare Diagnostics Inc. によって販売されるDimension(登録商標)臨床化学分析機上で用いられるもののような、およびコンピュータに基づく電気機械制御プログラミングの当業者に典型的である、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアコマンドまたは回路にしたがってサンプル取り扱いシステム10を制御する。
【0019】
本発明は、サンプルの調製および患者の生体サンプルの臨床分析のために用いられる複数の相互に関係する自動装置を全て説明する、多様な制御画面および状況情報表示画面にユーザが容易におよび速くアクセスできるようにするコンピュータインターフェイスモジュールCIMを用いて実装してもよい。このようなCIMは、好ましくは、任意の特定のサンプルの場所およびサンプルについて実行すべき臨床試験の状況を説明する情報のほかに、複数の相互に関係する自動装置の動作状況についてのオンライン情報を包含する複数の追加の表示画面に直接つながっている第1の表示画面を採用する。このため、CIMは、モジュールが、オペレータがそれを通じて臨床分析システムとインターフェイスで接続することができるアイコン、スクロールバー、ボックス、およびボタンを含むメニューを表示するために適合した視覚的タッチパネルを含むものであり、およびメニューが、臨床分析システムの機能的な側面を表示するようにプログラムされた数々の機能ボタンを含むものである、自動臨床分析システム10とオペレータとの間の相互作用を容易にするように適合される。
【0020】
図2は、米国特許第6,060,022号および第6,589,789号に開示されるもののように、トラック14からサンプル管運搬装置22によって運ばれたサンプル管20を取り外し、および、個別のサンプル管20を一時的に第1のバケツ秤量および装填プラットフォーム52上に配置された遠心分離バケツ50中のフタなし受容器(明確さの目的で図示せず)の中に重量バランスのとれたパターンで置くように適合された典型的な遠心分離機装填装置46を示す。遠心分離機装填装置46は、重量バランスのとれた遠心分離バケツ50を第1の装填プラットフォーム52から取り外し、および重量バランスのとれた遠心分離バケツ50を遠心分離のための遠心分離機24Aの中に置くように適合されたバケツ運搬装置48を備える。バランスのとれない遠心分離条件を避けるために、追加の重量バランスのとれた遠心分離バケツ50が、遠心分離機24A内での全体的にバランスのとれた装填を維持するように、遠心分離機24A内に置かれた第1の装填プラットフォーム52上に装填される。典型的には、遠心分離バケツ50は、相対する対になって遠心分離機24A内に置かれる。加えて、バケツ50は、異なるフタなし受容器の中に異なって重み付けされたサンプル管20を動かすことによって、および/または、その中に既知の重量を有する「ダミーの」管20を採用することによって、人為的にバランスをとってもよい。
【0021】
遠心分離が完了した後、遠心分離機装填装置46は、遠心分離バケツ50を次々と遠心分離機24Aから取り外し、および第1のバケツ回収プラットフォーム54上に各遠心分離バケツ50を置くように適合されたバケツ運搬装置48をまださらに備える。(簡潔さの目的で、4つのサンプル管20だけが各遠心分離バケツ50中に示されているが、実際には各遠心分離バケツ50の中に、より多い数の10〜20のオーダーのサンプル管20が置かれている。)最終的に、バケツ運搬装置48は、第1のバケツ回収プラットフォーム54上に配置された遠心分離バケツ50から遠心分離されたサンプル管20を取り外し、および今遠心分離されたサンプル管20を引き続く分析前処理および/または分析のためにトラック14上の運搬装置22内に戻すように、適合される。全てのサンプル管20が遠心分離バケツ50から取り外された後、空の遠心分離バケツ50は、回収プラットフォーム54から装填プラットフォーム52上に動かされ、そのプロセスは、ある形態の分離が要求されたサンプルを包含するLAS10におけるサンプル運搬装置22中の全てのサンプル管20が遠心分離され、および移送装置トラック14上に置き換えられるまで続けられる。図2は、基本的に、トラック14から取り外されて、遠心分離を待っているサンプル20を装填したバケツ50、遠心分離の間にサンプル20を装填したバケツ50、および遠心分離に引き続き、トラック14上のサンプル管運搬装置22において置き換えられる準備ができているサンプル20を装填したバケツ50を備えた遠心分離機装填装置46を示す。このプロセス、特に重量バランスのとれたバケツ50を含みそれが要求されるバケツ装填動作は、当業者に公知であり、彼らによって行われている。当業者によって普遍的に理解される用語は、「装填された」、「バランスのとれた」、「運搬装置」、「バケツ」、「ロータ」、「挿入」、および「ラック」などの表現を含み、詳細な説明なしに本明細書で用いられる。
【0022】
本発明は、少なくとも2つの遠心分離機24A、24Bを有するLAS10において有利に実施され、第2の遠心分離機24Bは、遠心分離機24Aの装填および回収について説明したのと同様の方法でサンプル管運搬装置22によって運ばれるサンプル管20を取り扱うための第2の遠心分離機装填装置56を備える。この例では、第2の遠心分離機装填装置56は、サンプル管20をトラック14上のサンプル管運搬装置22から取り外して、個別のサンプル管を一時的に第2のバケツ装填プラットフォーム58上に配置された遠心分離バケツ50内で重量バランスのとれたパターンで置き、遠心分離のためにその重量バランスのとれた遠心分離バケツ50を遠心分離機24B内に置くように適合される。上記のように、遠心分離が完了した後で、遠心分離機装填装置56は、まださらに遠心分離バケツ50を遠心分離機24Bから取り外し、遠心分離バケツ50を第2のバケツ回収プラットフォーム60上に置くように適合される。最終的に、遠心分離機装填装置46は、サンプル管20を第2のバケツ回収プラットフォーム60上に配置された遠心分離バケツ50から取り外し、引き続く処理のために今遠心分離されたサンプル管20をトラック14上のサンプル管運搬装置22内に戻すように適合される。
【0023】
従来技術においては、サンプル管20は、LAS10内でのプロセスのためにサンプル管20の「バッチ」が同定されると始まる交互パターンによって、遠心分離機24Aおよび24Bに渡される。このような交互パターンにおいて、第1のサンプル管20が、遠心分離機24A上のバケツ装填プラットフォーム52上の最初のバケツ50A内に置かれ、そして、第2のサンプル管20が、遠心分離機24B上のバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50B内に置かれる。このプロセスは、「奇数の」サンプル管20が遠心分離機24A上のバケツ装填プラットフォーム52上のバケツ50A中に置かれる一方で、「偶数の」サンプル管20が遠心分離機24B上のバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50中に置かれて、両方のバケツ50Aおよび50Bが、図3Aに示すように全部装填されるまで続けられる。上述および図3Bに見られるように、この装填プロセスは、遠心分離機24A上のバケツ装填プラットフォーム52上の残っている遠心分離バケツ50の中に置かれた「奇数の」サンプル管20、および、遠心分離機24B上のバケツ装填プラットフォーム58上の残っている遠心分離バケツ50の中に置かれた「偶数の」サンプル管20で、図3Bに示すように続けられる。引き続いて、装填された遠心分離バケツ50は、図3Cに見られるように遠心分離機24Aおよび24B内に置かれ、遠心分離機はそれぞれの動作プロトコルを用いて動作する。遠心分離プロトコルが完了した後、バケツ50は、図3Dに示すように遠心分離機24Aおよび24Bから取り外されて、バケツ回収プラットフォーム54および58上に置かれる。この交互の「奇数・偶数」スキームのようなバケツ装填手順は、研究室の全体的なスループットの増強のために、最先端の研究室自動化において採用される。図示しないが、図3A〜Dのバケツ取り扱いプロセスの間に、バケツ装填プラットフォーム52上の「空の」遠心分離バケツ50が「奇数の」サンプル管20で装填され続け、遠心分離機24B上のバケツ装填プラットフォーム58上の「空の」遠心分離バケツ50が「偶数の」サンプル管20で装填され続ける。しかしながら、病院の研究室は、優先順位の高いSTAT(所要時間が短い)サンプルを取り扱うような準備もされなければならず、これはふつう、専用のSTATプロセスラインを有することによって行われる。これは、特に重篤な病状の患者のための試験結果が遅延するとうことの代替が考慮される場合、費用がかかるが効果的な手法である。本発明は、研究室の必要性を受け入れて、通常のサンプルのプロセスに対する最小限の寸断で複数の優先順位を管理する。
【0024】
少なくとも2つの遠心分離機を持つLASを交互パターンによって全容量に装填するためのこの従来技術の手順は、LAS10、遠心分離機装填装置46、56、及び、遠心分離機24A、24Bの動作のプログラミングが簡潔なので、用いられている。この実行は、優先順位の高いSTATサンプル管20がLAS10に渡されない限りうまく働き、引き続く分析装置に供給される遠心分離されたサンプル管20の一定の流れを維持する。しかしながら、優先順位の高いSTATサンプル管20がプロセスのためにLAS10に渡された場合には、そこから優先順位の高いSTATサンプル管20が移送装置トラック14上のサンプル管運搬装置22中に速やかに置くことができる、優先順位の高いSTATに活性のある入力レーンの中に優先順位の高いSTATサンプル管20を置くことも、一般的に行われている。この実行が、このような優先順位の高いSTATサンプル管20を遠心分離機24Aまたは24Bのいずれかに持っていくために要求される時間を減らす一方で、バケツ装填プラットフォーム52、そしてバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50の中への配置を交互にするための前述されたパターンは、バケツ装填プラットフォーム52およびバケツ装填プラットフォーム56上のバケツ50のうちのいずれの1つも、全部装填された状態に近づけることがないので、逆の時間の遅延を取り込む。
【0025】
本発明は、このジレンマを解決する。さらに、最初に2つの利用可能な遠心分離機24Aまたは24Bのうちの1つを、各バケツ50の全容量未満で装填されたバケツ50で装填することによって、優先順位の高いSTATサンプル管20を遠心分離機24Aおよび24Bのいずれかに持っていくために要求される時間を減らす。これは、前述された交互の「奇数・偶数」サンプル管20装填手順を用いて達成される。
【0026】
この、たとえば遠心分離機24Aの「最大未満の最初の装填」に引き続いて、前述された、バケツ装填プラットフォーム52上のバケツ50Cの中への、およびバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50Bの中へと続くサンプル管20の交互の配置が再開される。図4Bは、バケツ装填プラットフォーム52上の相対するバケツ50Aおよび50C内に装填された4つのこのようなサンプル管20、ならびにバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ内に装填された4つのこのようなサンプル管20を示す。この段階において、相対するバケツ50Aおよび50Cを遠心分離機24A(図4C)に任意で運搬してもよく、遠心分離プロセスが開始される;交互に、前述された交互の「奇数・偶数」サンプル管20装填手順が、図4Dに示すように、4つのバケツ50A、50C、50D、50Eの全てが遠心分離機24Aへ運搬される前に、それらが「最大未満の装填」状態に装填されるまで続けられてもよい。それらが遠心分離機24Aへ運搬された後、遠心分離機24Aはこの「最大未満の装填」の状態(図4E)で動作することができる。バケツ装填プラットフォーム52上のバケツ50を装填する間に、図4Dに示すように、バケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50B、50F、50G、50Hのサンプル管20の前述したような交互の「奇数・偶数」装填手順が続けられる。
【0027】
本発明によって教示されたように、遠心分離機24Aのバケツ50A及び50Cをこの「最大未満の」状態に最初に装填することの重要な利点により、STATサンプルが渡されたときに遠心分離機24A、24Bの両方が全部装填されている場合の例におけるSTATのターンアラウンドタイムの50%もの減少を生み出すことができる。以下に説明するように、これは、優先順位の高いサンプル管20を、遠心分離バケツ50のうちのどちらでも、遠心分離機24Aまたは24B内に次に置かれるほうの中に装填することによって達成される。
【0028】
図4〜4Fに示すような本発明の遠心分離機装填スキームにおいて、STATサンプルが現れるといつでも、STATサンプルは2つの遠心分離機24Aまたは24Bのどちらでも最も満たされている状態に近いほうへ有利に往復することができる。第1の遠心分離機24Aの最初の装填は、「最大未満に装填された」バケツ50A−C−D−Eの遠心分離を、バケツ50A−C−D−Eを通常通り全容量まで満たすために必要とされる時間未満の装填時間後に開始できるような方法で行われたので、2つの遠心分離機24Aまたは24Bのうちの1つは、遠心分離のため装填されることに関しては他方より「先」であろう。結果として、2つの遠心分離機24Aおよび24Bの動作状況には時間的ずれがあるので、優先順位の高いSTATサンプル管20は、2つの遠心分離機24Aまたは24Bのうちのどちらでも最初に装填される、つまり次に動作するほうへ有利に往復させることができる。それによって、この時間の差異で、STATサンプルの遠心分離プロトコルが、バケツ50を全部装填するために要求される時間より、平均で50%少ない時間で始まり、および完了できるようにする。
【0029】
このSTATプロセスの利点は、図5に示されるような従来技術の遠心分離機装填スキームのタイミング図と、図6に示されるような本発明の遠心分離機装填スキームを比べることによっても示すことができる。図5において、バケツ装填プラットフォーム52上のバケツ50A、50C、50D、および50E、ならびにバケツ装填プラットフォーム58上のバケツ50B、50F、50G、および50Hは、従来技術の交互の「奇数・偶数」装填スキームにおいて容量が100%まで満たされている。STATサンプル管20が「A」点で現れる場合には、任意のバケツ50A〜Hの最小限の装填が行われたときに、STAT管を遠心分離機24Aまたは24Bのいずれかによってスピンされるバケツ50A〜Hの中に配置することのできる前に、比較的長い時間が経過しなければならない。STATサンプル管20が「B」点で現れる場合には、任意のバケツ50A〜Hのおよそ50%または半分が行われると、バケツ50A〜Hを遠心分離のために遠心分離機24Aまたは24Bの中に置くことができる前に、「半装填」のために要求される時間が経過しなければならない。STATサンプル管20が「C」点で現れる場合には、任意のバケツ50A〜Hのより多い装填が行われたときに、STATサンプル管20を保持するバケツ50を、遠心分離のために遠心分離機24Aまたは24Bの中に置くことができる前に、比較的短い時間が経過しなければならない。そして、一般的に、多数のSTATサンプル管20の経験を評価すると、B点が基準となり、遠心分離のために遠心分離機24Aまたは24Bのいずれかに運搬される任意のバケツ50A〜HにSTAT管20を置くことができる前に、「半装填」される時間が経過しなければならない。この従来技術の装填スキームにおいて、STATサンプル管20がバケツ50A−C−D−Eのうちの1つの中か、またはバケツ50C−F−G−Hのうちの1つの中に置かれるかにかかわらず、STATサンプル管20は、STATサンプルを遠心分離できる前に、同じ時間の経過を経験するだろう。
【0030】
図6は、本発明によって達成される、STATサンプル管20を遠心分離のために遠心分離機24Aまたは24Bの中に置くことができる前の時間経過の減少を示す。本発明によれば、半分またはそれ未満に装填されたバケツ50が遠心分離機24Aの最初の装填に用いられ、遠心分離機24Aは、遠心分離機24Bがサンプル管20の処理を開始するよりも少し前に、サンプル管20の処理を開始する。特に、前述したように、少なくとも最初の2つのバケツ50A〜Cは、サンプル管20をおよそ半分またはそれ未満に装填され、そして、遠心分離のために遠心分離機24A上に置かれる。その結果、遠心分離機24Aおよび24Bの動作状況には時間的ずれがあるので、STATサンプル管20が現れると、いつでも、STATサンプル管20は、2つの遠心分離機24Aまたは24Bのうちのどちらでも最も満たされている状態に近く、かつ、最も速やかに遠心分離のために利用可能なほうへ有利に往復することができる。たとえば、STATサンプル管20が「A」点で現れる場合には、遠心分離機24Aは遠心分離機24Bよりはるかに遠心分離する準備ができている状態に近く、STATサンプル管20は遠心分離機24Aに送られるだろう。STATサンプル管20が「B」点で現れる場合には、遠心分離機24Aは基本的に装填プロセスの始めにあり、STATサンプル管20は遠心分離のために遠心分離機24Bに有利に送られるだろう。最後に、STATサンプル管20が「C」点で現れる場合には、遠心分離機24Bは遠心分離のためにほとんど満たされていて、STATサンプル管20は遠心分離のために遠心分離機24Bに有利に送られるだろう。本発明の恩恵として、STATサンプル管20は、平均で、現在行われている装填手順を用いて遠心分離されるSTAT管20よりおよそ50%少ないプロセス遅延で遠心分離のために渡されるだろう。
【0031】
当業者には、本発明が広い実用化および用途を受け入れ可能であることが容易に理解されるべきである。本明細書に記述されているもの以外の本発明の多くの実施形態および適応は、多くの変形、改変、および均等物と同様に、本発明の本質または範囲から逸脱することのない範囲で、本発明およびその前述の説明から明白または合理的に提案されるだろう。たとえば、既述のように、2つのバケツ50Aおよび50C、あるいは4つのバケツ50A−C−D−Eのいずれかは、STATサンプル管20の処理の遅延の減少を達成するために最初におよそ半分またはそれ未満に装填してもよい。さらに、この説明では2つの遠心分離機だけが用いられたが、STAT処理の時間の利点は、第3の遠心分離機を含むことによって増大させることができる。さらにまた、本発明の説明では簡潔さの目的のために、2つのサンプル装填装置46および56が採用されたが、単一のサンプル装填装置を、両方のサンプル装填装置46および56のタスクを実行するために適合させてもよい。
【0032】
したがって、本発明は、特定の実施形態との関連で本明細書において詳細に記述されてきたが、この開示は本発明の説明および例示だけであり、本発明の詳細および実施可能な開示を提供する目的のためだけになされることが理解されるべきである。前述の開示は、本発明を限定する、あるいはまたいかなるこのような他の実施形態、適応、変形、改変、および均等物をも除外することを意図または解釈されず、本発明は本明細書に添付された請求項およびその均等物によってだけ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別のサンプル管を、サンプル装填/回収装置から、既知の遠心分離容量を有する少なくとも2つの遠心分離機のいずれかへ搬送するための移送装置を有する研究室自動化システムの動作方法であって、
まず、前記少なくとも2つの遠心分離機のうちの第1の遠心分離機を、全遠心分離容量のおよそ半分またはそれ未満である遠心分離容量まで装填すること、
前記第1の遠心分離機の動作サイクルを開始すること、および、前記第1の遠心分離機の動作サイクルが完了した後、前記第1の遠心分離機を全容量まで補充すること、
まず、前記少なくとも2つの遠心分離機のうちの第2の遠心分離機を、およそ全遠心分離容量である遠心分離容量まで装填すること、
前記第2の遠心分離機の動作を開始すること、および、前記第1の遠心分離機の動作サイクルが完了した後、前記第2の遠心分離機を全容量まで補充すること、
前記少なくとも2つの遠心分離機の装填および動作を繰り返すこと、および
優先順位が高いサンプルを、前記少なくとも2つの遠心分離機のうちのいずれか最も全容量に近く満たされているほうに供給すること、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の遠心分離機を装填することが、サンプルを重量バランスのとれたパターンで1以上のバケツの対の中に置くことを含む、請求項1記載の手順。
【請求項3】
前記第2の遠心分離機を装填することが、サンプルを重量バランスのとれたパターンで2以上のバケツの対の中に置くことを含む、請求項1記載の手順。
【請求項4】
分析されるべきサンプルを受け取り、ならびにサンプルを、第1および第2の遠心分離機を含む分析前サンプル処理装置に搬送するために適合された研究室自動化システムであって、
研究室自動化システムおよび分析前サンプル処理装置の動作を制御するようにプログラムされたコンピュータと、
前記サンプルを、第1および第2の遠心分離機を含む分析前サンプル処理装置に搬送するための移送装置と、
第1および第2の遠心分離機によって遠心分離されるべき複数のバケツの中にそれぞれサンプルを装填するための、前記移送装置に隣接した、第1および第2の遠心分離機装填装置と、を含み、
前記移送装置、前記第1および第2の遠心分離機装填装置が、前記第1の遠心分離機装填装置のバケツの中および前記第2の遠心分離機装填装置のバケツの中に交互にサンプルを置くように制御され、前記第1の遠心分離機装填装置のバケツは、最初に全容量のおよそ1/2またはそれ未満に装填され、前記およそ1/2またはそれ未満に装填された遠心分離バケツは、前記第1の遠心分離機の中に置かれる、研究室自動化システム。
【請求項5】
前記第2の装填装置が、バケツがおよそ全容量に装填されるまで、前記第2の遠心分離機装填装置のバケツの中にサンプルを装填した後、全部装填されたバケツを前記第2の遠心分離機の中に置くように制御される、請求項4記載の研究室自動化システム。
【請求項6】
前記第1の遠心分離機が動作した後、前記およそ1/2またはそれ未満に装填された遠心分離バケツが取り除かれ、前記第1の遠心分離機装填装置が、バケツがおよそ全容量に装填されるまで、サンプルをバケツの中に装填した後、全部装填されたバケツを前記第1の遠心分離機の中に置くように制御される、請求項4記載の研究室自動化システム。
【請求項1】
個別のサンプル管を、サンプル装填/回収装置から、既知の遠心分離容量を有する少なくとも2つの遠心分離機のいずれかへ搬送するための移送装置を有する研究室自動化システムの動作方法であって、
まず、前記少なくとも2つの遠心分離機のうちの第1の遠心分離機を、全遠心分離容量のおよそ半分またはそれ未満である遠心分離容量まで装填すること、
前記第1の遠心分離機の動作サイクルを開始すること、および、前記第1の遠心分離機の動作サイクルが完了した後、前記第1の遠心分離機を全容量まで補充すること、
まず、前記少なくとも2つの遠心分離機のうちの第2の遠心分離機を、およそ全遠心分離容量である遠心分離容量まで装填すること、
前記第2の遠心分離機の動作を開始すること、および、前記第1の遠心分離機の動作サイクルが完了した後、前記第2の遠心分離機を全容量まで補充すること、
前記少なくとも2つの遠心分離機の装填および動作を繰り返すこと、および
優先順位が高いサンプルを、前記少なくとも2つの遠心分離機のうちのいずれか最も全容量に近く満たされているほうに供給すること、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の遠心分離機を装填することが、サンプルを重量バランスのとれたパターンで1以上のバケツの対の中に置くことを含む、請求項1記載の手順。
【請求項3】
前記第2の遠心分離機を装填することが、サンプルを重量バランスのとれたパターンで2以上のバケツの対の中に置くことを含む、請求項1記載の手順。
【請求項4】
分析されるべきサンプルを受け取り、ならびにサンプルを、第1および第2の遠心分離機を含む分析前サンプル処理装置に搬送するために適合された研究室自動化システムであって、
研究室自動化システムおよび分析前サンプル処理装置の動作を制御するようにプログラムされたコンピュータと、
前記サンプルを、第1および第2の遠心分離機を含む分析前サンプル処理装置に搬送するための移送装置と、
第1および第2の遠心分離機によって遠心分離されるべき複数のバケツの中にそれぞれサンプルを装填するための、前記移送装置に隣接した、第1および第2の遠心分離機装填装置と、を含み、
前記移送装置、前記第1および第2の遠心分離機装填装置が、前記第1の遠心分離機装填装置のバケツの中および前記第2の遠心分離機装填装置のバケツの中に交互にサンプルを置くように制御され、前記第1の遠心分離機装填装置のバケツは、最初に全容量のおよそ1/2またはそれ未満に装填され、前記およそ1/2またはそれ未満に装填された遠心分離バケツは、前記第1の遠心分離機の中に置かれる、研究室自動化システム。
【請求項5】
前記第2の装填装置が、バケツがおよそ全容量に装填されるまで、前記第2の遠心分離機装填装置のバケツの中にサンプルを装填した後、全部装填されたバケツを前記第2の遠心分離機の中に置くように制御される、請求項4記載の研究室自動化システム。
【請求項6】
前記第1の遠心分離機が動作した後、前記およそ1/2またはそれ未満に装填された遠心分離バケツが取り除かれ、前記第1の遠心分離機装填装置が、バケツがおよそ全容量に装填されるまで、サンプルをバケツの中に装填した後、全部装填されたバケツを前記第1の遠心分離機の中に置くように制御される、請求項4記載の研究室自動化システム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2011−525243(P2011−525243A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514808(P2011−514808)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/047803
【国際公開番号】WO2009/155422
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(508147326)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/047803
【国際公開番号】WO2009/155422
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(508147326)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]