説明

自動走行玩具車

【課題】 水平回転する円板状武器を有する自動走行玩具車を、下部車体と上部車体と円板状武器との三部材で、組立ておよび分解が容易に形成した。
【解決手段】 車輪付きの走行可能な下部車体Aと上部車体Bとを、各後部間に設けたスペーサを介して着脱自在に連結すると共に、そのスペーサ前方の上記両車体間に、下部車体A前部から起立する縦軸7上部へ固着させた回転輪21を位置させ、又該回転輪の軸線上方部分を、上部車体B前部下面で着脱自在に軸支させ、上記回転輪21外面へ円板状武器Cを、該武器中央部に穿設した嵌合孔61を嵌合させて着脱自在に装着させ、該武器を水平回転させ乍ら車体が前進可能に形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動走行玩具車に関する。
【背景技術】
【0002】
車体前後の左右下部へ従動輪と駆動輪とを、又車体中間部の下部に旋回輪をそれぞれ配し、上記従動輪が走行面から脱輪して車体前部が下降したとき、旋回輪が接地し、車体を旋回させることで従動輪が走行面上へ復帰可能に形成し、又車体前部にバトル用の武器を装着させた走行玩具車が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−49683号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなバトル用の走行玩具車は、武器の交換等或る程度遊戯者に工夫ないし改変余地があると共に、その改変を容易かつ確実に行えることが望まれる。又車体の形状もバトル用に適した特異な形状であり、武器も複数の異なる武器を容易に使い分けでき、かつその交換が容易かつ確実であることが必要である。
【0004】
本発明はそのような要望を満たすべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段として走行可能に設けた下部車体Aと、該下部車体上へ載置させた上部車体Bとを、スペーサを介して各後部で着脱自在に連結すると共に、
これ等両車体の前部間には下部車体前部から起立させた縦軸7に固着させた回転輪21を介在させて、該回転輪の軸線上方を上部車体の前部下面で着脱自在に支持させ、又該回転輪21の外面へは円板状武器Cを、該武器中央部に穿設した嵌合孔61を嵌合させて着脱自在に装着させ、下部車体Aの走行と共に上記回転輪21を介して円板状武器Cが回転可能とした。
【0006】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に上記下部車体Aの前後の左右下部に従動輪27と駆動輪20とを、又下部車体中間部の下部に旋回輪15を、それぞれ配し、上記従動輪が走行面から脱輪して車体前部が下降することで旋回輪15が接地し車体を旋回させることで従動輪27が走行面上へ復帰可能に形成した。
【0007】
第3の手段として、上記第1又は第2の手段を有し、かつ上記上部車体Bを乾電池、モータを有する原動装置部に、下部車体Aを駆動輪20、従動輪27、旋回輪15を有する駆動装置部に、それぞれ形成して、上部車体B前部から垂下させた原動軸45下部を上記回転輪21の上面中心に穿設した軸穴22内へ回動不能に、かつ着脱自在に嵌合させ、又該回転輪を有する縦軸7の回転を駆動軸18へ伝達させた。
【0008】
第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を有し、かつ上記スペーサーを、下部車体A後部から起立する左右方向へ長い第1矩形状筒23で形成し、又該スペーサー内へ、該スペーサと同形状で上部車体Bの後部下面から垂下させた第2矩形状筒49と緊密にかつ抜出し可能に嵌合させた。
【0009】
第5の手段として、上記第1、第2、第3又は第4の手段を有し、かつ上記第2矩形状筒49上方の上部車体部分と第1矩形状筒の底板24とにそれぞれ第2、第1透孔66、25を穿設すると共に、上端に有する大径の頭部67から垂下させた棒部68下端に係合板69を付設したボルト状体70を、上記頭部67下面を第2透孔66の上面外周へ係合させて第2、第1透孔に通し垂下させ、該ボルト状体回動により係合板69を第1透孔の下面外周へ係合させることで、上下両車体B,Aを緊密に連結させることが可能に形成した。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のようにすることで、スペーサよりも前方の下部車体Aと上部車体Bとの間に設けた間隙を利用してそれ等両車体前部間の回転輪に嵌合させた円板状武器Cを水平回転させることが出来、水平面で回転させるから、闘う相手玩具車への接触範囲を拡げることが出来る。又上記回転輪は直接ないし間接に上下二点を下部車体と上部車体の各前部で支持できるから、円板状武器Cが相手玩具車に当ってもその衝撃により回転輪等の軸線がぐらつくことはない。
【0011】
請求項2のようにすることで、台板上等で相手の玩具車と争わせる場合、その台板外縁から一方玩具車の従動輪が外れてもその玩具車の旋回輪接地による車体旋回で自動的に従動輪は台板上へ復帰し、再び走行を始めるから競技の興味が削がれることがない。
【0012】
請求項3のようにすることで、下部車体A内からは乾電池、モータ等の原動装置を上部車体内へ移して全体をバランスよく形成できる。上部車体B前部から垂下させた原動軸45下部を回転軸21の上面中心の嵌合穴22内へ回動不能にかつ着脱自在に嵌合させるから、又上部車体と下部車体とはスペーサとしての第1矩形状筒を介して各後部で着脱自在としているから、それ等上下両車体の着脱を容易かつ確実に行うことが出来る。
【0013】
請求項4のようにすることで、そのスペーサ前方の上下両車体間の間隙で形成する円板状武器回転用空隙を広くすることが出来、その武器Cの直径を大として大形化することが可能となる。
【0014】
請求項5記載のようにすることで、上下両車体の着脱を容易にかつ確実に行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図面について説明すると、本発明玩具車は、図2が示すように下部車体Aと、上部車体Bと、円板状武器Cとの三部材で形成され、これ等三部材は組付けにより図1の玩具車Dとすることが出来、該玩具車はスイッチをオンすることで、上下両車体の前部間に装着させた武器Cが水平面上で回転し乍ら前進する。下部車体A内には図5が示すように駆動装置が、又上部車体B内には図6が示すように乾電池、モータ等の原動装置が設けてある。
【0016】
まず下部車体Aについて説明すると、該下部車体は図4が倒立状態で示すように下部車体の本体1と該本体下面を閉塞する下蓋2とからなり、これ等は下蓋2の前後両端から起立させた爪付き係合板3を図5が示す本体1の前後両端に設けた嵌合孔4内へ嵌合させると、その爪が嵌合孔上縁へ係合して本体と下蓋とが連結され、又該係合板上端を、係合爪を有しない側へ押込むことでその爪が外れて下蓋2を本体1から外すことが可能としている。
【0017】
下部車体の本体1は、図4、図5が示すように前後方向へ長い矩形の前後両部を巾狭とし、かつそれ等前後両部よりも巾広かつ中間部よりも巾狭の中間巾とした上壁5外周から周壁6を垂下し、その前部上壁を貫通させて起立させた縦軸7の本体内部分に固定した第1ピニオン8と、片持ち軸として内方突出する軸に嵌合させた第1クラウンギヤ9とを噛合せ、又該クラウンギヤと一体に設けた第1歯車10と第1軸11へ固定した第2歯車12とを、更に該第2歯車12内方へ一体に付設した第2ピニオン13と、前後方向へ設けた第2軸14が有する旋回輪15前面へ固定した第2クラウンギヤ16とを噛合せ、更に又上記第2歯車12外方へ一体に付設した第3歯車17と、下部車体の本体後部へ横設された駆動軸18の第4歯車19とを、複数の減速歯車を介在させて間接に噛合せている。駆動軸18には駆動輪20が固着されている。
【0018】
既述下部車体の本体1の上壁5の前部上方へ突出する縦軸7部分へは、図4が示すように該縦軸部分を軸とする回転輪21が固着させてあり、該回転軸下端には外向きフランジ21a を付設し又該回転輪の上面中心には六角形状の嵌合穴22を穿設している。該回転輪は円板状武器Cを嵌合させるものである。下部車体の本体1の後部上面からは、図2が示すように左右方向へ長いスペーサとしての第1矩形状筒23が起立させており、該第1矩形状筒の底板24にはほぼ長方形状の第1透孔25を穿設している。又図示例では第1矩形状筒23の左右外方を隆起させてそれ等隆起部上面へ補助ピン嵌合用穴26を穿設している。
【0019】
既述下部車体の下蓋2は、図3が示すようにその前部下壁28に左右方向への軸穴を穿設し、その軸孔に従動輪軸を回転可能に貫通させ、その軸両端へ従動輪27を固着させている。又下蓋2は既述下部車体本体1の上壁と同形状の下壁28を有し、該下壁外周から起立させた下蓋周壁29上面を本体周壁6下端面と突合せして、本体周壁下端面へ穿設した下面開口の複数軸受け30下面を閉塞できるよう設けている。尚下部車体の本体上壁5から垂下させた複数係止板の下面へ穿設した下面開口の軸受けは、下蓋2底壁から起立させた周壁29等の複数受け板の上面で閉塞する。下部車体の下蓋2は図3が示すように下壁28に透孔31を有し、その透孔から旋回輪15下部を下方へ垂下させる。
【0020】
下部車体本体1下面の閉塞は、図5のように各種歯車等を収納させた状態で、既述のように上記本体前後の嵌合孔4内へ、下部車体下蓋2前後から起立させた爪付き係合板3を嵌合させて行う。
【0021】
上部車体Bは、図6が示すように、上部車体の本体41と該本体上面を開閉する上蓋42とを有し、上部車体本体41はほぼ四角形状に設けた主収納部41a 前面の左右方向中間部から受板41b を前方突出させ、上記主収納部41a の左右両側に乾電池43を収納させ、又該主収納部前部の左右方向中間部にモータ43を固定し、該モータ前面から前方突出する出力軸先端に固着させたべベルギヤ44を、受板41b に貫通させた原動軸45の受板上方部分に固着させたベベルギヤ46と噛合せ、該原動軸45の受板下方部分を六角ピン45a とし、又主収納部41a 後面に左右方向への揺動でオン、オフできるスイッチ47を設けている。更に上記受板41b の基端両側の外方と上記スイッチ左右両側部分とにビス孔48を設けている。更に又図7が示すように主収納部41a の左右方向中間後部の下面からは、既述第1矩形状筒23内面へ緊密に嵌合させ第2矩形状筒49を垂下させており、又該第2矩形状筒49の左右両側外方からは、既述補助ピン嵌合用穴26内へ嵌合させる補助ピン50を垂下させている。
【0022】
上部車体Bの上蓋42は、上記乾電池の交換を容易とするため、上記モータ43、ベベルギヤ44、原動軸45等の上面を閉塞する主上蓋42a と、乾電池覆合用の従上蓋42b とで形成しており、主上蓋42a は既述各ビス孔下面から押込みしたビスの締付けによって本体41に取付けでき、又従上蓋42b は本体41に対する主上蓋42a 取付け状態でそれ等上面へ着脱自在に形成している。
【0023】
円板状武器Cは、図2が示すように、その中心部に既述回転輪21外面へ着脱自在に嵌合できる嵌合孔61有し、該嵌合孔形成筒62外面から放射状に複数の連結板63を突出してこれ等連結板を外リング64内面へ一体に連結し、更に外リング外面から複数の突部65を外方へ突出して形成している。該武器は図1が示すように外向きフランジ21a 上へ嵌合孔形成筒62下端を載置させて回転輪21外面へ嵌合させるが、該嵌合状態でその外周一部が上下両車体A、Bの前方へ突出するよう設ける。尚該武器Cは大きさ、又外周の突部形状等を異にする複数武器を設けて、これ等を交換できるよう設けるとよい。
【0024】
既述下部車体Aと、上部車体Bと、円板状武器Cとは、まず下部車体Aの回転輪21外面へ武器Cの嵌合孔61を嵌合させておき、回転輪上面中心の六角形状嵌合穴22内へ、上部車体Bの前部から垂設させた六角ピン45a を嵌合させると同時に、下部車体後部から起立させた第1矩形状筒23内へ、上部車体後部から垂設した第2矩形状筒49を嵌合させることで組立することが出来る。
【0025】
下部車体Aと上部車体Bとの連結は、上部車体Bの第2矩形状筒49上方部分へ図6が示すように第2透孔66を穿設し、該第2透孔66に、上端に設けた大径の頭部67から棒部68を垂下し、該棒部下端に係合板69を付設させたボルト状体70を、頭部67の下面外周を第2透孔66の上面外周へ嵌合させて第2矩形状筒49および第1矩形状筒23内に通し垂下させ、又第1矩形状筒の底板に穿設した第1透孔25内を通して垂下させ、ボルト状体70回動により係合板69が第1透孔25の下面外周へ係合して上下両車体が緊密に嵌合可能とする、該係合が可能とするため、上記第1、第2透孔はそれぞれ長径部分と短径部分とを有し、それ等の各長径部分を通って係合板69が上下動可能とし、ボルト状体回動で係合板先端が第1透孔の短径部分外方の下面へ係合するよう設ける。尚頭部67上面へは直径方向へコイン等嵌合用の溝71を穿設し、該溝内へコイン外周を嵌合させて、ボルト状体を回動できるよう設けている。
【0026】
既述下部車体A,上部車体B、武器Cを組付けた図1が示す状態から、スイッチ47をオンすることで図6が示す、モータ43の出力軸先端のピニオンギヤ44が回転し、該ピニオンギヤと噛合うベベルギヤ46を有する原動軸45が回転し、該原動軸下端の六角ピン45a を嵌合させた六角形状の嵌合穴22を上面中心に有する回転輪21が図5が示す縦軸7と共に回転し、該縦軸に固着された第1ピニオン8が回転することで、既述複数歯車を介して旋回輪15、および駆動輪20が回され、該駆動輪および従動輪27が回転することで玩具車は前進し、又上記回転輪21が回転することで武器Cも回転する。上記旋回輪15は玩具車前進時は接地せず、空転しているが、従動輪27が走行面から脱輪して玩具車前部が下降したとき接地して玩具車前部を旋回輪回転方向へ旋回させ、該旋回により従動輪27が走行面へ復帰することで再び走行を開始するものである。
【0027】
尚上記脱輪時における玩具車の旋回方向および武器Cの回転方向は、歯車の噛合せを変えることで、自由に変えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明玩具車の斜視図である。
【図2】図1玩具車の分解斜視図である。
【図3】図2に示されている下部車体を下方からみた斜視図である。
【図4】図3が示す下部車体を更に分解して示す斜視図である。
【図5】図3に示されている下部車体の本体を下方からみた図面である。
【図6】図2の上方に示されている上部車体の分解斜視図である。
【図7】上部車体を下方からみた斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
A 下部車体 B 上部車体
C 武器 1 下部車体の本体
2 下部車体の下蓋 3 爪付き係合板
4 嵌合孔 7 縦軸
15 旋回輪 18 駆動軸
20 駆動輪 23 第1矩形状筒
27 従動輪 41 上部車体の本体
43 モータ 45 原動軸
49 第2矩形状筒 70 ボルト状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能に設けた下部車体Aと、該下部車体上へ載置させた上部車体Bとを、スペーサを介して各後部で着脱自在に連結すると共に、
これ等両車体の前部間には下部車体前部から起立させた縦軸7に固着させた回転輪21を介在させて、該回転輪の軸線上方を上部車体の前部下面で着脱自在に支持させ、又該回転輪21の外面へは円板状武器Cを、該武器中央部に穿設した嵌合孔61を嵌合させて着脱自在に装着させ、下部車体Aの走行と共に上記回転輪21を介して円板状武器Cが回転可能とした
ことを特徴とする自動走行玩具車。
【請求項2】
上記下部車体A前後の左右下部に従動輪27と駆動輪20とを、又下部車体中間部の下部に旋回輪15を、それぞれ配し、上記従動輪が走行面から脱輪して車体前部が下降することで旋回輪15が接地し車体を旋回させることで従動輪27が走行面上へ復帰可能に形成した
ことを特徴とする請求項1記載の自動走行玩具車。
【請求項3】
上記上部車体Bを乾電池、モータを有する原動装置部に、下部車体Aを駆動輪20、従動輪27、旋回輪15を有する駆動装置部に、それぞれ形成して、上部車体B前部から垂下させた原動軸45下部を上記回転輪21の上面中心に穿設した軸穴22内へ回動不能に、かつ着脱自在に嵌合させ、又該回転輪を有する縦軸7の回転を駆動軸18へ伝達させた
ことを特徴とする、請求項1または2記載の自動走行玩具。
【請求項4】
上記スペーサーを、下部車体A後部から起立する左右方向へ長い第1矩形状筒23で形成し、又該スペーサー内へ、該スペーサと同形状で上部車体Bの後部下面から垂下させた第2矩形状筒49と緊密にかつ抜出し可能に嵌合させた
ことを特徴とする、請求項1、2又は3記載の自動走行玩具車。
【請求項5】
上記第2矩形状筒49上方の上部車体部分と第1矩形状筒の底板24とにそれぞれ第2、第1透孔66、25を穿設すると共に、上端に有する大径の頭部67から垂下させた棒部68下端に係合板69を付設したボルト状体70を、上記頭部67下面を第2透孔66の上面外周へ係合させて第2、第1透孔に通し垂下させ、該ボルト状体回動により係合板69を第1透孔の下面外周へ係合させることで、上下両車体B,Aを緊密に連結させることが可能に形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の自動走行玩具車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−296854(P2006−296854A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−125164(P2005−125164)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(591056846)株式会社東京ユニーク (15)
【Fターム(参考)】