説明

自動車におけるカウルルーバ支持構造

【課題】本発明は、カウルルーバの意匠面とレインガターの意匠面との境界位置で段差や幅が異なる不安定な隙間が生じないようにする。
【解決手段】本発明に係るカウルルーバ支持構造は、フロントガラスGとフード40間に配置されるカウルルーバ30の車幅方向両側が左右のレインガター20の下部で支持され、そのレインガター20の意匠面20eとカウルルーバ30の意匠面34eとが連続するように構成されているカウルルーバ支持構造であって、左右のレインガター20の下部には被係合部25が設けられており、カウルルーバ30の車幅方向両側には各々の被係合部25と係合する係合部37が設けられており、カウルルーバ30の係合部37が左右のレインガター20の被係合部25と係合して、カウルルーバ30は、左右のレインガター20に対して上下方向、及び水平回転方向に拘束される構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントガラスの車幅方向両側を支える左右のフロントピラーに沿って取付けられており、雨水を前記フロントピラーに沿って流下させる左右のレインガターを備えており、前記フロントガラスとフード間に配置されるカウルルーバの車幅方向両側が前記左右のレインガターの下部で支持され、そのレインガターの意匠面と前記カウルルーバの意匠面とが連続するように構成されている自動車におけるカウルルーバ支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車におけるカウルルーバ支持構造に関する技術が特許文献1に記載されている。
特許文献1のカウルルーバ支持構造では、カウルルーバは複数のクリップによってボディのカウルパネルに取付けられる構成である。
しかし、例えば、図1に示すように、フロントガラスG上の雨水をフロントピラー101に沿って流下させるレインガター102を備える自動車では、カウルルーバ104の車幅方向両端を左右のレインガター102の下部で支持することが一般的に行われる。
即ち、カウルルーバ104を支持可能なレインガター102の下部には、図6(A)に示すように、車幅方向内側に突出する支持プレート103が設けられており、その支持プレート103の前端縁に略V字形の切欠き103cが形成されている。
【0003】
また、カウルルーバ104の車幅方向両端には、図6(B)に示すように、そのカウルルーバ104の裏側から下方に突出し、後方に曲げられた側面略J字形の鉤部106が形成されている。そして、カウルルーバ104の後端縁上部104fをフロントガラスGの下端縁に被せる際に、そのカウルルーバ104の鉤部106をレインガター102の支持プレート103の切欠き103cに対して前下方から掛けることで、カウルルーバ104の車幅方向両側が左右のレインガター102の下部に連結される。そして、この状態で、レインガター102の意匠面102eとカウルルーバ104の意匠面104eとが連続するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−10037号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したカウルルーバ支持構造では、カウルルーバ104の鉤部106をレインガター102の支持プレート103の切欠き103cに対して下方から掛けることで両者104,102を連結する構造である(図6(B)参照)。このため、例えば、カウルルーバ104に対して下方の力が加わった場合に、レインガター102の支持プレート103はカウルルーバ104の鉤部106を支えられないため、カウルルーバ104は下方に変位する。これにより、レインガター102の意匠面102eとカウルルーバ104の意匠面104eとの境界位置Kで段差が生じ、見栄えが低下することがある。
さらに、カウルルーバ104とレインガター102とは、鉤部106と支持プレート103とにより一箇所で係合する構成のため、カウルルーバ104がレインガター102に対して水平方向に回動し易い。このため、レインガター102の意匠面102eとカウルルーバ104の意匠面104eとの境界位置Kで前後の幅が異なる隙間が生じ、見栄えが低下することがある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、カウルルーバの意匠面とレインガターの意匠面との境界位置で段差(高低差)や幅が異なる不安定な隙間が生じないようにして、カウルルーバ、レインガターの見栄えが低下しないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、フロントガラスの車幅方向両側を支える左右のフロントピラーに沿って取付けられており、雨水を前記フロントピラーに沿って流下させる左右のレインガターを備えており、前記フロントガラスとフード間に配置されるカウルルーバの車幅方向両側が前記左右のレインガターの下部で支持され、そのレインガターの意匠面と前記カウルルーバの意匠面とが連続するように構成されている自動車におけるカウルルーバ支持構造であって、前記左右のレインガターの下部には、被係合部が設けられており、前記カウルルーバの車幅方向両側には、各々のレインガターの被係合部と係合する係合部が設けられており、前記カウルルーバが前記左右のレインガターの間に一定方向からセットされることで、前記カウルルーバの係合部が前記左右のレインガターの被係合部と係合し、左右のレインガターに対する前記カウルルーバの上下方向、及び水平回転方向の移動が禁止される構成であることを特徴とする。
【0008】
本発明によると、カウルルーバの係合部がレインガターの被係合部と係合することで、前記カウルルーバは、左右のレインガターに対する上下方向、及び水平回転方向の移動が禁止される。このため、例えば、カウルルーバに対して上方あるいは下方の力が加わっても、カウルルーバがレインガターに対して上方あるいは下方に変位することがない。したがって、レインガターの意匠面とカウルルーバの意匠面との境界位置に段差(高低差)が生じない。
また、カウルルーバの係合部がレインガターの被係合部と係合することで、カウルルーバは、左右のレインガターに対して水平回転方向の移動が禁止される。このため、例えば、カウルルーバに対して水平回転方向の力が加わっても、カウルルーバがレインガターに対して水平回転方向に位置ずれしなくなる。したがって、レインガターの意匠面とカウルルーバの意匠面との境界位置で前後の幅の異なる不安定な隙間が生じない。
これにより、カウルルーバ、レインガターの部分の見栄えが向上する。
【0009】
請求項2の発明によると、左右のレインガターの被係合部には、カウルルーバの係合部の第1爪部が掛けられる第1受け部と、前記カウルルーバの係合部の第2爪部が掛けられる第2受け部とが前後方向に間隔をおいて設けられていることを特徴とする。
即ち、カウルルーバの係合部とレインガターの被係合部とが係合した状態で、前後方向に間隔をおいて設けられた複数の爪部と複数の受け部とが係合する構成のため、効率的にカウルルーバの水平回転方向の位置ずれを抑えることができる。
【0010】
請求項3の発明によると、左右のレインガターの被係合部は、前後方向に延びる溝状に形成されており、カウルルーバの係合部は、前後方向に延びる突条状に形成されて、その突条状の係合部が前記レインガターの溝状の被係合部に対して前方から係合する構成であり、前記左右のレインガターにおける溝状の被係合部の幅寸法は、前側で大きく後側で小さくなるように構成されていることを特徴とする。
このように、レインガターにおける溝状の被係合部の幅寸法は、前側で大きくなるように構成されているため、前記被係合部に対してカウルルーバの係合部を前方から係合させ易くなる。さらに、レインガターの被係合部の幅寸法は、後側で小さくなるように構成されているため、前記被係合部に対してカウルルーバの係合部を前方から係合させる過程で、カウルルーバをレインガターに対して定位置に位置決めできるようになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、カウルルーバの意匠面とレインガターの意匠面との境界位置に段差(高低差)や不安定な隙間が生じないようになり、カウルルーバ、レインガターの見栄えが低下しない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1に係るカウルルーバ支持構造を備える自動車の模式正面図(A図)、A図のB-B矢視断面図(B図)である。
【図2】図1のII-II矢視断面図である。
【図3】本実施形態に係るカウルルーバ支持構造で使用されるカウルルーバの斜視図(A図)、及びA図のB矢視拡大図(B図)である。
【図4】本実施形態に係るカウルルーバ支持構造で使用されるレインガターの下部の斜視図(A図)、レインガターの被係合部の平面図(B図)、及びB図のC-C矢視断面図(C図)である。
【図5】カウルルーバの係合部とレインガターの被係合部との係合状態を表す平面図(A図)、A図のB-B矢視断面図(B図)である。
【図6】従来のカウルルーバ支持構造を表す模式平面図(A図)、A図のB-B矢視断面図(B図)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態1]
以下、図1から図5に基づいて本発明の実施形態1に係る自動車におけるカウルルーバ支持構造について説明する。
なお、図中の前後左右及び上下は、自動車の前後左右及び上下に対応している。
<自動車のカウルルーバ支持構造の概要について>
図1(A)に示すように、自動車のフロントガラスGの車幅方向両側を支える左右のフロントピラー11には、そのフロントピラー11に沿ってレインガター20が取付けられている。レインガター20は、図1(B)に示すように、フロントピラー11とフロントガラスGとの隙間Sを覆うように設置されており、雨水をフロントピラー11に沿って流下させられるように構成されている。
また、フロントガラスGとエンジンフード40間にはカウルルーバ30が配置されており、そのカウルルーバ30の車幅方向両側が後記するように左右のレインガター20の下部によって支持されている。そして、この状態で、レインガター20の意匠面20eは、カウルルーバ30の意匠面34eと連続するようになる。
【0014】
<カウルルーバ30について>
カウルルーバ30は、図2、図3(A)に示すように、前側から順番に第1突条部31、溝部32、第2突条部33、意匠部34を備えており、それらの第1突条部31、溝部32、第2突条部33、意匠部34が車幅方向に延びるように形成されている。そして、カウルルーバ30の溝部32の底部分32bがカウルパネル16(図2参照)によって下方から支持されている。また、カウルルーバ30の前端の第1突条部31から第2突条部33の頂部分33tまでの間が、図2に示すように、エンジンフード40の後端縁43によって覆われるようになっている。また、カウルルーバ30の第1突条部31の位置には、ウエザーストリップ31wがその第1突条部31の頂部に沿って取付けられており、そのウエザーストリップ31wによってエンジンフード40とカウルルーバ30間がシールされる。
カウルルーバ30の意匠部34は外部から見える部分であり、その意匠部34の後端縁に設けられたシール材34sによって、図2に示すように、フロントガラスGの下端縁Gdが車幅方向全体に亘って覆われている。即ち、意匠部34の表面34eが、本発明の意匠面に相当する。このため、以後、意匠部34の表面34eを意匠面34eと呼ぶことにする。
【0015】
カウルルーバ30には、意匠部34の車幅方向両側(左右端)に、図3(A)(B)に示すように、係合部37が設けられている。係合部37は、レインガター20の被係合部25(後記する)と係合可能に構成されており、両者37,25が係合することにより、カウルルーバ30の意匠部34の車幅方向両側が左右のレインガター20の下部に連結されるようになる。
ここで、カウルルーバ30の左右の係合部37は、左右対称に形成されているため、図3(B)に基づき代表して右側の係合部37の構造について説明する。
係合部37は、意匠部34の裏面から下方に突出して前後方向に延びる板部374を備えており、その板部374の右側面に第1爪部371、第2爪部372、及び連結板部375とが形成されている。
【0016】
係合部37の第1爪部371は、縦板部分371wと、その縦板部分371wの下端から後方に突出するように形成された棚板部分371yにより逆L字形に形成されており、その第1爪部371が前記板部374の後端上部に形成されている。係合部37の第2爪部372は、山形に形成されたリブ部372rと、そのリブ部372rの下端から後方に突出するように形成された棚板部分372yとから構成されており、その第2爪部372が板部374の前側下部に形成されている。そして、前記連結板部375が第1爪部371の縦板部分371wの前面下部と、第2爪部372のリブ部372rの後面上部をつないで意匠部34の裏面とほぼ平行に形成されている。
第1爪部371、第2爪部372、及び連結板部375の板部374に対する水平方向(右方向)の突出寸法は等しく設定されて、係合部37は突条状に形成されている。
【0017】
<レインガター20の被係合部25について>
レインガター20の下部は、図1(A)等に示すように、フロントガラスGの下端縁Gdに対して下方に突出するように構成されている。そして、図4(A)等に示すように、右側のレインガター20の下部左側面に被係合部25が形成されている。また、左側のレインガター20の下部右側面に被係合部25が形成されている(図1(A)参照)。ここで、左右のレインガター20の被係合部25は左右対称に形成されているため、図4(A)〜(C)に基づき代表して右側の被係合部25の構造について説明する。
被係合部25は、レインガター20の下部左側面を構成する内側縦壁部251と、その内側縦壁部251にほぼ対向する外側縦壁部253とを備えており、両縦壁部251,253が前部で高く、後部で低くなるように構成されている。そして、被係合部25の内側縦壁部251と外側縦壁部253との後端部が後梁部254によって連結されており、両縦壁部251,253の前部下端が底板部255によって連結されている。即ち、被係合部25の前部は、内側縦壁部251と外側縦壁部253と底板部255によって略U字形の溝状に形成されている。
【0018】
さらに、被係合部25の内側縦壁部251と外側縦壁部253との間には、底板部255から後梁部254までの間に開口部256が形成されている。そして、前記開口部256の位置に内側縦壁部251から横方向に張出す第1受け部261と第2受け部262とが設けられている。
第1受け部261は、カウルルーバ30の係合部37の第1爪部371が前下方から掛けられる部分であり、その第1受け部261の後端縁が後梁部254に接続されている。即ち、第1受け部261は開口部256の後端位置に位置決めされている。
第2受け部262は、カウルルーバ30の係合部37の第2爪部372が前下方から掛けられるとともに、連結板部375を下方から支える部分であり、開口部256の前端位置で、図4(C)に示すように、第1受け部261とほぼ等しい高さ位置に位置決めされている。
【0019】
また、被係合部25の内側縦壁部251と外側縦壁部253との間隔寸法は、図4(B)に示すように、底板部255の位置で前端に近づくにつれて大きくなるように設定されており、開口部256に位置で最小となるように設定されている。そして、開口部256の位置における被係合部25の内側縦壁部251と外側縦壁部253との間隔寸法がカウルルーバ30の係合部37の幅寸法とほぼ等しく設定されている。さらに、第1受け部261、第2受け部262の先端(左端)と外側縦壁部253との隙間寸法は、カウルルーバ30の係合部37の板部374が挿通可能な寸法(図5(A)参照)に設定されている。
【0020】
<カウルルーバ30の取付けについて>
カウルルーバ30の取付けは、左右のレインガター20の取付けが完了した後に行なわれる。
即ち、左右のレインガター20の取付けられた状態で、左右のレインガター20の被係合部25に対してカウルルーバ30の車幅方向両側(左右)の係合部37が前方から係合させられる。前述のように、レインガター20の被係合部25の内側縦壁部251と外側縦壁部253との間隔寸法は、図4(B)等に示すように、底板部255の位置で前端に近づくにつれて大きくなるように設定されている。このため、カウルルーバ30の左右の係合部37は、レインガター20の被係合部25の内側縦壁部251と外側縦壁部253とにガイドされて、その被係合部25に嵌り易くなる。
【0021】
そして、カウルルーバ30の左右の係合部37がレインガター20の被係合部25に前方から押し込まれる過程で、図5(A)(B)に示すように、カウルルーバ30の係合部37の第1爪部371がレインガター20の被係合部25の開口部256に通され、第1受け部261に前下方から掛けられる。また、カウルルーバ30の係合部37の第2爪部372が同じくレインガター20の被係合部25の開口部256に通され、第2受け部262に前下方から掛けられる。さらに、カウルルーバ30の係合部37の連結板部375がレインガター20の被係合部25の第2受け部262によって下方から支えられる。また、カウルルーバ30の係合部37における第2爪部372の下端面372eが、図5(B)に示すように、レインガター20の被係合部25の底板部255によって下方から支持される。
さらに、カウルルーバ30の係合部37がレインガター20の被係合部25に前方から押し込まれることで、カウルルーバ30の係合部37がレインガター20の被係合部25の内側縦壁部251と外側縦壁部253とによって左右方向から拘束されるようになる。
即ち、カウルルーバ30の係合部37がレインガター20の被係合部25と係合することで、カウルルーバ30はレインガター20に対する上下方向、及び水平回転方向の移動が禁止される。
また、カウルルーバ30の係合部37がレインガター20の被係合部25と係合することで、レインガター20の意匠面20eとカウルルーバ30の意匠面34eとが連続するようになる。
【0022】
<本実施形態に係るカウルルーバ支持構造の長所について>
本実施形態に係るカウルルーバ支持構造によると、カウルルーバ30の係合部37がレインガター20の被係合部25と係合することで、カウルルーバ30はレインガター20に対する上下方向の移動が禁止される。このため、例えば、カウルルーバ30に対して上方、あるいは下方の力が加わっても、カウルルーバ30がレインガター20に対して上方あるいは下方に変位することがない。したがって、レインガター20の意匠面20eとカウルルーバ30の意匠面34eとの境界位置K(図5(A)参照)に段差(高低差)が生じない。
また、カウルルーバ30の係合部37がレインガター20の被係合部25と係合することで、カウルルーバ30はレインガター20に対する水平回転方向の移動が禁止される。このため、例えば、カウルルーバ30に対して水平回転方向の力が加わっても、カウルルーバ30がレインガター20に対して水平回転方向に位置ずれしなくなる。したがって、レインガター20の意匠面20eとカウルルーバ30の意匠面34eとの境界位置Kで前後の幅の異なる不安定な隙間が生じない。
これにより、カウルルーバ30、レインガター20の部分の見栄えが向上する。
【0023】
また、左右のレインガター20の被係合部25には、カウルルーバ30の係合部37の第1爪部371が掛けられる第1受け部261と、カウルルーバ30の係合部37の第2爪部372が掛けられる第2受け部262とが前後方向に間隔をおいて設けられている。即ち、カウルルーバ30の係合部37とレインガター20の被係合部25とは、前後方向に間隔をおいて設けられた複数の爪部371,372と複数の受け部261,262とが係合する構成のため、効率的にカウルルーバ30の水平回転方向の位置ずれを抑えることができる。
また、左右のレインガター20における溝状の被係合部25の幅寸法は、前側で大きくなるように構成されているため、それらの被係合部25に対してカウルルーバ30の係合部37を前方から係合させ易くなる。さらに、レインガター20の被係合部25の幅寸法は、後側で小さくなるように構成されているため、それらの被係合部25に対してカウルルーバ30の係合部37を前方から係合させる過程で、カウルルーバ30をレインガター20に対して定位置に位置決めできるようになる。
【0024】
<変更例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、カウルルーバ30の係合部37を突条状に形成し、レインガター20の被係合部25を溝状に形成する例を示したが、カウルルーバ30の係合部37を溝状に形成し、レインガター20の被係合部25を突条状に形成することも可能である。
また、カウルルーバ30の係合部37に爪部371,372を前後二箇所に設け、レインガター20の被係合部25に爪部371,372が掛かる受け部261,262を前後二箇所に設ける例を示したが、爪部や受け部の数は適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0025】
11・・・・フロントピラー
20・・・・レインガター
20e・・・意匠面
25・・・・被係合部
261・・・第1受け部
262・・・第2受け部
30・・・・カウルルーバ
34e・・・意匠面
37・・・・係合部
371・・・第1爪部
372・・・第2爪部
375・・・連結板部
40・・・・エンジンフード(フード)
G・・・・・フロントガラス
K・・・・・境界位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントガラスの車幅方向両側を支える左右のフロントピラーに沿って取付けられており、雨水を前記フロントピラーに沿って流下させる左右のレインガターを備えており、前記フロントガラスとフード間に配置されるカウルルーバの車幅方向両側が前記左右のレインガターの下部で支持され、そのレインガターの意匠面と前記カウルルーバの意匠面とが連続するように構成されている自動車におけるカウルルーバ支持構造であって、
前記左右のレインガターの下部には、被係合部が設けられており、
前記カウルルーバの車幅方向両側には、各々のレインガターの被係合部と係合する係合部が設けられており、
前記カウルルーバが前記左右のレインガターの間に一定方向からセットされることで、前記カウルルーバの係合部が前記左右のレインガターの被係合部と係合し、左右のレインガターに対する前記カウルルーバの上下方向、及び水平回転方向の移動が禁止される構成であることを特徴とする自動車におけるカウルルーバ支持構造。
【請求項2】
請求項1に記載された自動車におけるカウルルーバ支持構造であって、
前記左右のレインガターの被係合部には、前記カウルルーバの係合部の第1爪部が掛けられる第1受け部と、前記カウルルーバの係合部の第2爪部が掛けられる第2受け部とが前後方向に間隔をおいて設けられていることを特徴とする自動車におけるカウルルーバ支持構造。
【請求項3】
請求項1に記載された自動車におけるカウルルーバ支持構造であって、
前記左右のレインガターの被係合部は、前後方向に延びる溝状に形成されており、
前記カウルルーバの係合部は、前後方向に延びる突条状に形成されて、その突条状の係合部が前記レインガターの溝状の被係合部に対して前方から係合する構成であり、
前記左右のレインガターにおける溝状の被係合部の幅寸法は、前側で大きく後側で小さくなるように構成されていることを特徴とする自動車におけるカウルルーバ支持構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−5939(P2011−5939A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150946(P2009−150946)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】