説明

自動車のエアバッグドア及びその製造方法

【課題】表皮と発泡層と基材とが順に積層されるインストルメントパネルにおいて、発泡層の発泡倍率を低下させることなく、ドア基材部分に対応する領域の表皮部分に対してティアラインの形成を不要にし得る自動車のエアバッグドア及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表皮1と発泡層2と基材4とが順に積層されるインストルメントパネルに一体形成されると共に、前記基材4のドア基材部分にはエアバッグの作動時に破断展開させるためのティアラインが形成されている自動車のエアバッグドアであって、前記表皮1は、内部に複数の発泡部1aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インストルメントパネルに一体形成されたエアバッグドアの基材部分に、エアバッグの作動時に破断展開させるためのティアラインが形成されている自動車のエアバッグドア及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表皮、発泡層、及び基材をそれぞれ接着して積層されるインストルメントパネルに一体形成されたエアバッグドアにおいて、基材のドア基材部分にエアバッグの作動時に破断展開させるためのティアラインが形成されているものがある。
【0003】
図8は、この種の従来の助手席用のエアバッグドアが一体に形成された自動車のインストルメントパネルの斜視図、図9はそのA−A線断面図である。
図9の断面図に示すように、インストルメントパネル50のエアバッグドア51は、例えばTPO(サーモプラスチックオレフィン)製の表皮52と基材54との間に、ウレタン製の発泡層53を介在させて3層で形成されている。
【0004】
このインストルメントパネルを製作する従来の成形工程について図10に基づき説明する。図10(a)において上型60にセットされた基材54は射出成形された例えばPP(ポリプロピレン)製であり、エアバッグの作動により破断展開するドア基材部分54cには、後処理により、例えばY字の基端を中心に点対称状の二重Y字形の四方開き式の肉薄状のティアライン(破断路)55(図8参照)が形成されている。
即ち、ティアライン55は、図8に示すように、車幅方向の中央ティアライン部分55aと、その両端に線もしくは点対称に形成されて中央部に向けて徐々に幅狭になる両側のV字形ティアライン部分55bとにより形成されている。
【0005】
表皮52は真空吸引型により加温軟化状態で真空吸引して賦形して製作され、その際発泡層53に較べて相対的に展伸性の大きな表皮52の裏面には、二重Y字形の前記ティアライン55に対応して、肉薄状のティアライン52aが形成されて下型61にセットされる(図10(a))。
PP製等のようにウレタンに対して接着性が悪い場合には、基材54に対して加炎処理或はプライマ処理が施される。次いで、発泡ウレタン原料を表皮52上に注入すると共に、型締めした状態で発泡させることにより、発泡層53が介在する3層のインストルメントパネル50が製作される(図10(b))。
【0006】
このように、従来、ティアライン加工は後処理により形成するのが一般的であったが、特許文献1には、この種の表皮材のティアラインを、切削等による後加工に依らず、表皮材を熱成形用雄雌両型によるプレス成型により賦形した後、雌型からの真空吸引時に雄型に付設された刃体を突出・後退させることによりティアラインを熱成形する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2003−145617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで近年、ティアライン加工に係る種々のコストや生産工程の削減、さらには外観意匠の向上といった目的により、表皮へのティアライン加工を施さずに、エアバッグ展開時に表皮を確実に破断させることのできるエアバッグドア構造が要求されている。
【0008】
本願出願人は、鋭意検討の結果、表皮にティアライン加工を施さず、これをエアバッグ展開時に効果的に破断させるには、発泡層と表皮との接着力が、表皮の単体破断強度よりも高い必要があることを見出した。即ち、発泡層と表皮との接着力が、表皮の単体破断強度より低い場合、図11(a)に示すように、エアバッグ65が膨張展開すると、図11(b)に示すように基材68と発泡層67が破断しても表皮66が伸びて即座に破断しない虞があった。
【0009】
表皮の破断強度よりも発泡層と表皮との接着力を高く設定し、エアバッグ展開時に図11(c)に示すように表皮66を確実に破断させる1つの方法として、発泡層の発泡倍率を低く設定することが挙げられる。
しかしながら、発泡層の発泡倍率が低いと、発泡層が硬く形成されるため、インストルメントパネルのクッション性が低下し、さらには発泡層の密度が高くなるため、材料コストが嵩むという課題があった。
【0010】
本発明は、このような点に鑑みて、表皮と発泡層と基材とが順に積層されるインストルメントパネルにおいて、発泡層の発泡倍率を低下させることなく、ドア基材部分に対応する領域の表皮部分に対してティアラインの形成を不要にし得る自動車のエアバッグドア及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した課題を解決するために、本発明に係る自動車のエアバッグドアは、表皮と発泡層と基材とが順に積層されるインストルメントパネルに一体形成されると共に、前記基材のドア基材部分にはエアバッグの作動時に破断展開させるためのティアラインが形成されている自動車のエアバッグドアであって、前記表皮は、内部に複数の発泡部を有することに特徴を有する。
尚、前記発泡部を有する前記表皮は、熱可塑性樹脂に発泡材が添加されて形成されていることが望ましい。
また、前記発泡材の添加率が0.2〜0.4%の範囲において、前記表皮の単体破断強度は2.0〜7.0MPaの範囲で設定されていることが望ましく、前記表皮と前記発泡層との剥離強度は、前記表皮の単体破断強度よりも大きいことが望ましい。
【0012】
このように、表皮の形成時に発泡材を混合し、内部に多数の発泡部を有する状態とすることにより、エアバッグ展開時に、その発泡部を起点として破断し易くすることができる。
即ち、表皮の単体破断強度を低く形成することができるため、表皮と発泡層との接着力を低く設定してもよく、発泡層の発泡倍率を十分に大きく形成することができる。
したがって、表皮にティアラインを形成せずに、クッション性を維持し、また、コスト増加を抑制することができる。
【0013】
また、前記した課題を解決するために、本発明に係る自動車のエアバッグドアの製造方法は、表皮と発泡層と基材とを順に積層したインストルメントパネルに一体形成し、前記基材のドア基材部分にはエアバッグの作動時に破断展開させるためのティアラインを形成する自動車のエアバッグドアの製造方法であって、前記表皮は、熱可塑性樹脂に発泡材を所定の割合で添加し、加熱して成型することに特徴を有する。
尚、熱可塑性樹脂に対し前記発泡材を0.2〜0.4%の添加率で添加し、前記表皮の単体破断強度を2.0〜7.0MPaの範囲で設定することが望ましく、前記表皮と前記発泡層との剥離強度を、前記表皮の単体破断強度よりも大きく設定することが望ましい。
【0014】
このような方法によれば、表皮の形成時に発泡材を混合し、内部に多数の発泡部を有する状態とするため、エアバッグ展開時に、その発泡部を起点として破断し易くすることができる。
即ち、表皮の単体破断強度を低く形成することができるため、表皮と発泡層との接着力を低く設定してもよく、発泡層の発泡倍率を十分に大きく形成することができる。
したがって、表皮にティアラインを形成しなくても、クッション性を維持し、また、コスト増加を抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、表皮と発泡層と基材とが順に積層されるインストルメントパネルにおいて、発泡層の発泡倍率を低下させることなく、ドア基材部分に対応する領域の表皮部分に対してティアラインの形成を不要にし得る自動車のエアバッグドア及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る自動車のエアバッグドア及びその製造方法の実施の形態について図面に基づき説明する。
本発明に係るエアバッグドアにおいて、その表皮は図1の模式図に示すように、熱可塑性樹脂であるTPO粉末10に発泡材粉末11を添加(混合)し、加熱溶融後にTダイ12により押し出し成形を行う。
Tダイ12から押し出されたシート状の表皮1は、さらにロール13により例えば0.7mm厚にプレス成型され、搬送ローラ14によって搬送され、巻き取りローラ15によって巻き取られる。
【0017】
このように表皮1には発泡材11が所定の割合で混合され、所定の破断強度N1を有するものとなされる。具体的には、図2のグラフに示すように発泡材の添加率0.2〜0.4%の範囲において、表皮1の単体破断強度N1は2.0〜7.0MPaの範囲となされる。これは、破断強度N1が2.0MPaより小さいと成型性が悪化するためであり、7.0MPaより大きいと表皮1が破断せずにエアバッグが展開できない虞が大きいためである。
【0018】
内部が発泡したTPO製の表皮1の下面には、図3に示すようにPPフォーム(ポリプロピレン発泡体)製の発泡層2が溶着され、表皮材3が形成される。前記発泡層2の発泡度は例えば20倍、厚みは例えば2mmのものを用いることができる。ここで、発泡層2の特にドア基材部分4cの領域の表皮1に対する接着力は、表皮1に対する加圧力及び溶着温度の適正な設定により、発泡層2がドア基材部分の破断展開に追従して展伸して少なくとも破断する時点では、表皮1から剥離しないように設定されている。具体的には、表皮1と発泡層2との剥離強度N2は5〜50N/25mm幅に設定される(ここで表皮1と発泡層2との剥離強度N2は、表皮1の破断強度N1よりも大きく設定される。)。
尚、この表皮材3の保管時には、その裏面に熱溶融性の接着剤が塗布され、ロール状に巻回された状態となされる。
【0019】
前記表皮材3は、例えば図4に示す一体成形用真空成形機100により成形される。この一体成形用真空成形機100は、ティアラインレスの表皮材3を、基材4に接着するものである。
表皮材3は、図4(a)に示すように、一体成形用真空成形機100にセットされる際、その両端がクランプ具18により扁平状に引張り支持される。
その状態で、表皮材3(クランプ具18)の下側には、基材4用の真空吸引型5が設けられ、上側にはその凸型部5aに対向し、かつインストルメントパネルの表面形状に対応した型面を有する電鋳による多孔性の凹型16aを備えた真空吸引型16が設けられている。
【0020】
雄型の基材用真空吸引型5及び雌型の表皮材用真空吸引型16は、付属の昇降装置(図示せず)によりクランプ具18に向けて上下動し、図4(b)に示すように双方の連結具17,17aが凹凸連結することにより型締めが行われる。
クランプ具18の上下面側には、表皮材3を両側から加熱するヒータ19が配置され、型締め時には側方の逃げ位置に移動可能になっている。
【0021】
また、凹型16aの型面16bは、凸型5aの型面もしくは基材4の表面に対して大部分は相似形であるが、インストルメントパネルの所定の表面形状に形成されている。凸型5a及び凹型16aの型面は、型締め状態で基材4及び表皮材3に両側から真空吸引できる離間距離を有するキャビティを形成する。
【0022】
前記基材用真空吸引型5にセットされる基材4は例えば厚さ3mmのPP製であり、吸気路(図示せず)が分散形成されるように射出成形される。そのエアバッグドアとして機能するドア基材部分4cは、図8により前述したものと同様に例えば二重Y字形の四方開き式の肉薄状のティアライン8が、後加工の切削により形成されている。
【0023】
このように構成された一体成形用真空成形機100による表皮材3の基材4に対する一体成形に際しては、図4(a)に示すように所要の大きさの表皮材3をクランプ具18で扁平状に支持すると共に、基材4をその裏面に沿った型面形状の真空吸引型5の凸型5aにセットする。
次いで、表皮材3をヒータ19で加温処理して軟化状態にする。続いて、ヒータ19を逃がして、クランプ具18に向けて真空吸引型5及び真空吸引型16を昇降させて型締めすると共に、吸引口16dと、凸型5aの吸気路及びその吸気路に連通する基材4の吸気路と(いずれも図示せず)から略同時に真空吸引を行う。
【0024】
これにより、基材4に発泡層2がホットメルト型のオレフィン系接着剤で密着状態に接着されると共に、表皮1は、全域にわたり多孔性の凹型16aの型面16bで緊密に吸着され、熱軟化状態の発泡層2を圧縮もしくは膨張させつつ型面16bに沿って賦形され、オールオレフィン3層のインストルメントパネルが製作される。
【0025】
尚、発泡層2の特にドア基材部分4cに対する接着力は、適正に設定した量のオレフィン系接着剤により、その破断展開時にドア基材部分4cから剥離しないように設定されている。具体的には、少なくとも10N/25mm幅以上の剥離強度に設定される。
尚、ホットメルト型の接着方法としては、CR系接着剤の塗布、或いは、ホットメルトフィルムを熱ラミネートすることも考えられる。
【0026】
このようにして形成されたエアバッグドアによれば、エアバッグが膨張すると、ティアライン8の中央部分及びその両端のV字形部分の基端領域に集中的に膨爆力が加わる。これにより、先ず前記中央部分が破断展開し、V字形部分も展開方向に駆動されて、ドア基材部分4cが二重Y字形のティアライン8に沿って四方開き式に破断展開する。
【0027】
そして、この破断展開に追従して発泡層2はドア基材部分4cから剥離することなく展伸して、調整された凝集力によりドア基材部分4cの僅かな破断展開量であっても厚み全域で破断する。
また、この破断により、発泡層2に接着されている表皮1には、発泡層2の厚み全域にわたる破断領域に沿った領域に集中的に引張り力が発生する。
【0028】
ここで、図5(a)に示すように、表皮1は内部に多数の発泡部1aを有するため、図5(b)に示すように、前記引張り力が発生した領域には、発泡部1aを起点として破断しやすい状態となる。そして、発泡層2の僅かな展開に追従して表皮1の対応部分は僅かに展伸して破断する。
これにより、エアバッグ本体は、所定の高速でさらに膨張して、表皮1の展伸非破断もしくは不完全破断に起因する変形を回避して、四方開きしたエアバッグドアから所定の膨張形状で膨出する。
【0029】
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、ティアラインレスとする表皮1の形成時に所定の割合で発泡材11を混合し、内部に多数の発泡部1aを有する状態となされる。これにより、エアバッグ展開時に、その発泡部1aを起点として破断し易くすることができる。
即ち、表皮1の単体破断強度を低く形成することができるため、表皮1と発泡層2との接着力(剥離強度)を低く設定してもよく、発泡層2の発泡倍率を十分に大きく形成することができる。
したがって、表皮1にティアラインを形成せずに、クッション性を維持し、また、コスト増加を抑制することができる。
【0030】
尚、TPOもしくはその他の樹脂製の表皮にはタルク、ガラス繊維等の繊維状強化剤を配合することにより、剛性を上げて伸びにくくすると共に、反面切れ易くすることができる。これにより、破断点伸度を調整された表皮に対応して、発泡層の発泡度及び厚みを設定することができる。
【0031】
尚、前記実施の形態において、表皮1としてはPVC(ポリ塩化ビニル)、発泡層には発泡PVC、基材にはPC(ポリカーボネート)/ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン三元共重合体)、或はASG(ガラス繊維強化アクリロニトリル・スチレン)等の合成樹脂を用いることもでき、基材に対する接着には所定の接着力を確保できるのを前提に、溶剤蒸発型を用いることもできる。
【0032】
さらに、冒頭に説明した一方の型に基材をセットし、他方の型に表皮をセットし、型締めした状態でこれらの間でウレタン原料を発泡させることにより、3層のインストルメントパネルを一体成形する場合でも、所定の接着力が確保されるのを前提に本発明を適用することができる。
【実施例】
【0033】
続いて、本発明に係る自動車のエアバッグドア及びその製造方法について、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施の形態に示した構成のエアバッグドアについて、実際に実験を行うことにより、その効果を検証した。
【0034】
〔実施例1〕
実施例では、前記実施の形態に係るエアバッグの試験片に対するJISK625による破断点伸度の試験を行った。この試験においては、図6(a)の試験片の平面図及び図6(b)の試験片20の断面図に示すように、厚み0.7mmの表皮としてのTPOシート21(発泡材により発泡部を含む)及び厚み3mmのPP基材シート23間に、発泡層としてのPPフォームシート22を、その発泡度20倍、厚み2mm(サンプルNo.1)、発泡度15倍、厚み2mm(サンプルNo.2)、発泡度10倍、厚み2mm(サンプルNo.3)にそれぞれ設定して介在させ、ダンベル3号に相当する形状にカットして試験片20を用意した。
【0035】
基材シート23には刃形により切込み23aを入れた。PPフォームシート22(発泡層)の基材シート23に対する接着力は、引張り試験時に剥離しないように設定されると共に、PPフォームシート22(発泡層)のTPOシート21(表皮)に対する接着力は、少なくとも発泡層がドア基材部分の破断展開に追従して展伸して破断する時点までは剥離しないように設定した。
【0036】
また、比較例として、前記サンプルNo.1〜3にそれぞれ対応して、発泡材を含ませて形成したTPOシート21に代えて、発泡材を含まない従来の表皮としてのTPOシートを用いた場合についても、それぞれ破断点伸度の測定を行った。
【0037】
試験結果を図7に示す。図7に示す棒グラフは、試験片20を図6(c)に示すように、その両端部をクランプして1000mm/minの速度で両側に引っ張った場合の破断時点伸度率の大きさをサンプル毎に示すものである。グラフ中、無地は本発明に係るエアバッグドアの製造方法による試験片を用いた場合の結果、ハッチングは従来の表皮を用いた場合の結果である。
【0038】
この試験結果から明らかなように、本発明に係るエアバッグドアによれば、発泡層としてのPPフォームシート22の発泡倍率が20倍(サンプルNo.1)と高い場合であっても、表皮としてのTPOシート21の破断点伸度を低くすることができ、エアバッグ展開時に確実に破断することができることを確認した(サンプルNo.1の従来のTPOシートではNG)。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明のエアバッグドアに用いられる表皮の製造方法を模式的に示す図である。
【図2】図2は、図1の表皮に発泡材を接着した表皮材を示す図である。
【図3】図3は、図2の表皮材の基材に対する真空接着工程を説明する図である。
【図4】図4は、図1の表皮の内部状態を示す図である。
【図5】図5は、図1の表皮における発泡材添加率に対する表皮破断強度を示すグラフである。
【図6】図6は、実施例における試験片の構成を説明するための図である。
【図7】図7は、実施例の結果を示すグラフである。
【図8】従来のインストルメントパネルの概略の部分斜視図である。
【図9】図8のA−A線断面図である。
【図10】図8のインストルメントパネルの従来の表皮材の基材に対する真空接着工程を説明する図である。
【図11】表皮がティアラインレスのエアバッグドアにおけるエアバッグ展開を説明するための図である。
【符号の説明】
【0040】
1 表皮
1a 発泡部
2 発泡層
3 表皮材
4 基材
10 TPO粉末(熱可塑性樹脂)
11 発泡材粉末(発泡材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮と発泡層と基材とが順に積層されるインストルメントパネルに一体形成されると共に、前記基材のドア基材部分にはエアバッグの作動時に破断展開させるためのティアラインが形成されている自動車のエアバッグドアであって、
前記表皮は、内部に複数の発泡部を有することを特徴とする自動車のエアバッグドア。
【請求項2】
前記発泡部を有する前記表皮は、熱可塑性樹脂に発泡材が添加されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載された自動車のエアバッグドア。
【請求項3】
前記発泡材の添加率が0.2〜0.4%の範囲において、前記表皮の単体破断強度は2.0〜7.0MPaの範囲で設定されていることを特徴とする請求項2に記載された自動車のエアバッグドア。
【請求項4】
前記表皮と前記発泡層との剥離強度は、前記表皮の単体破断強度よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載された自動車のエアバッグドア。
【請求項5】
表皮と発泡層と基材とを順に積層したインストルメントパネルに一体形成し、前記基材のドア基材部分にはエアバッグの作動時に破断展開させるためのティアラインを形成する自動車のエアバッグドアの製造方法であって、
前記表皮は、熱可塑性樹脂に発泡材を所定の割合で添加し、加熱して成型することを特徴とする自動車のエアバッグドアの製造方法。
【請求項6】
熱可塑性樹脂に対し前記発泡材を0.2〜0.4%の添加率で添加し、前記表皮の単体破断強度を2.0〜7.0MPaの範囲で設定することを特徴とする請求項5に記載された自動車のエアバッグドアの製造方法。
【請求項7】
前記表皮と前記発泡層との剥離強度を、前記表皮の単体破断強度よりも大きく設定することを特徴とする請求項6に記載された自動車のエアバッグドアの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−120566(P2010−120566A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297627(P2008−297627)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【出願人】(390023009)共和レザー株式会社 (17)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】