説明

自動車内装材用熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シート及びそれらからなる自動車内装材用発泡積層シート

【課題】 本発明は、VOC(特に揮発性トルエン)量を低減してなる熱可塑性樹脂からなる自動車内装材用熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート及びそれらからなる自動車内装材用発泡積層シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートは押出発泡方により製造されるため、元々少なくとも一方の表面に非通気性層を有するが、該非通気性層を有する表面側から連続気泡層に到達するものの貫通はしない孔を設ける、本発明の熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートは、非貫通孔と気泡連通部を利用して空気を送風したり、加温したりすることにより、揮発性有機化合物(VОC)量、特に自動車内装材で多いトルエン量を低減でき、加工する孔が非貫通であるため大きな剛性低下を招かず、孔開け加工時のバリの発生を抑制でき加工性に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の天井、ドア、ラゲージボックスなどに用いられる自動車内装材用発泡積層シートに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車材料の分野においては、省エネや二酸化炭素排出量などの環境問題から車両を軽量化する要求が年々強くなっている。
【0003】
一方で、車内は、第2の生活空間として快適性が求められるようになってきた。中でも車内での静寂性向上のための材料の吸音性や、シックハウス症候群としても大きく問題とされている揮発性有機化合物(VОC)量の抑制が、特に自動車内装材で多いトルエン量の抑制が、車室内も居住空間の一部として要求されるようになってきた。
【0004】
このように、自動車内装材に求められる性能は多様化してきた。
これらの要求に対する対策として、連続気泡発泡シ−トを用いる方法がある。一例として、ウレタン発泡積層シ−トがある。ウレタン発泡積層シ−トでは、連続気泡性発泡素材を用いることにより、軽量性も確保でき、吸音性も適度に付与することができる(特許文献1)。しかしながら、該発泡積層シートは、剛性および寸法安定性を確保するために、ガラス繊維と複合化されているため、廃棄における環境問題も抱えている。
【0005】
この問題を鑑みて、熱可塑性樹脂からなる連続気泡発泡シートを用いる例がいくつかある。中でも、自動車内装材としての高い耐熱性も有する変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、「変性PPE系樹脂」と称する場合がある)からなる連続気泡押出発泡シートを用いて上記問題を解決する例が挙げられる(特許文献2)。しかしながら、前記例の材料は、変性PPE系樹脂を用いていること、連続気泡化して大気に直接接触する樹脂の表面積が非常に大きいことから、揮発性トルエン量が増加し問題となっている。
【0006】
そこで、変性PPE系樹脂に添加剤を加えて押出発泡を行い、発生するトルエンを捕集あるいは反応させて抑制する例がある(特許文献3)。しかし、市場の要求に対して、まだまだ充分な効果が得られないのが現状である。
【特許文献1】特開平9−277415
【特許文献2】特開2005−88873
【特許文献3】特開2006−265526
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記問題を鑑みて、環境適合性、軽量性、車内静寂性向上のために、熱可塑性樹脂からなる連続気泡押出発泡シートを用いながらも、揮発性有機化合物量(VОC)、特に自動車内装材で多いトルエン量を低減してなる、自動車内装材用連続気泡押出発泡シート、及びそれらからなる自動車内装材用発泡積層シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記問題を解決すべく鋭意検討した結果、以下のような解決手段を見出した。熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートは、押出発泡法という発泡方法を用いるため、元来少なくとも一方の表面に非通気性層を有するものであるが、非通気性層を有する表面側から、連続気泡層に到達するものの貫通はしない孔を設けて、該非貫通孔と連続気泡部を利用して空気を送風したり、加温したりすることにより、揮発性有機化合物(VОC)量、特に自動車内装材で多いトルエン量を低減できることを見出した。また、加工する孔が非貫通であるため、大きな剛性低下を招かず、孔開け加工時のバリの発生を抑制できて、加工性に優れることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、
[1] 少なくとも一方の表面に非通気性層を有する、熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートであって、非通気性層を有する表面側から連続気泡層に到達するものの貫通はしない孔を有し、且つ、揮発性トルエン量が1.7μg/80cm未満であることを特徴とする熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート、
[2] 非貫通孔を有する熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートの厚み方向に空気を送風することにより得られることを特徴とする、[1]記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート、
[3] 非貫通孔を有する熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートを、40〜100℃にて加熱養生することにより得られることを特徴とする、[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート、
[4] 送風される空気の温度が20〜100℃であることを特徴とする、[2]または[3]に記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート、
[5] 非貫通孔を有する熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートが、巻き状態であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート、
[6] 熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートが変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート、および
[7] [1]〜[6]のいずれか1項記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートを、基材の一部または全部とすることを特徴とする、自動車内装材用連続気泡発泡積層シート
に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートは、VOC量、特に揮発性トルエン量が低減される材料であり、加工する孔が非貫通であるために大きな剛性の低下を招かず、孔開け加工時のバリの発生を抑制でき、加工性に優れるものであるため、自動車内装材等に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明における熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートは、押出発泡という発泡方法を用いるため、もともと少なくとも一方の表面に非通気性層を有するが、その表面から連続気泡層に到達するが貫通はしない孔を設け、該非貫通孔と気泡の連通部を利用して特定の強制養生操作を行うことにより、VOC量(特に、揮発性トルエン量)を低減するものであり、また、加工する孔が非貫通であるために連続気泡押出発泡シートにおける大きな剛性の低下を招かず、孔開け加工時のバリの発生を抑制でき、加工性に優れるものである。
【0012】
本発明の押出発泡積層シートのVOC量、特に、揮発性トルエン量は、1.7μg/80cm未満が好ましい。揮発性トルエン量が1.7μg/80cm以上では、車両用内装材等の室内空間に用いられた場合、目、鼻、のどに刺激を感じる等の体調不良が生ずる、いわゆるシックハウス症候群を発現する可能性があると指摘されている。
【0013】
なお、本発明における揮発性トルエン量とは、以下の濃縮吸着方法で測定、分析した量をいう。すなわち、発泡シートから特定面積(80cm)に切り出した試験片をテドラー(登録商標)バック(容量10L)中に4Lの窒素ガスと共に封入した状態で、65℃の条件下で2時間放置した後に、吸着剤としてTenax−TAを用いて、採気速度0.1L/minでテドラー(登録商標)バック内のガスを全量採気する。Tenax−TAに採気した成分を熱脱着し、ガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)により分析を行い、ガス中のトルエン濃度B(ppb)を得る。さらに、前記揮発成分濃度Bを式(a)により、試験片1個あたりの揮発成分濃度D(μg/試験片1個)に換算する。
【0014】
【数1】

【0015】
[ここで、27.73は理想気体65℃における1モルの容積(0℃、1気圧、22.4L)を示し、0.00454は65℃での採気量を示す。]
他方、試験片を封入せずに、同様の操作により得られたトルエン濃度Dを測定し、両者の差D−Dを、試験片からのトルエン量とした。
【0016】
本発明における熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートは、発泡セル膜が部分的あるいは全体的に開口しており、大部分のセルが隣接する発泡セルと連通している連続気泡層の、少なくとも一方の表層部に非通気性層、例えば、シート最外層に形成されるスキン層や押出発泡時に形成される独立気泡層を有している連続気泡押出発泡シートに対して、非通気性層を有する表面側から、連続気泡層には達するものの貫通しない孔(以下、「非貫通孔」と称する)を有する熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートである。なお、連続気泡層の製造方法に関しては、押出発泡時での連続気泡化とは別に、後加工として、圧縮加工等の機械的に連続気泡化を促進しても構わない。
【0017】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリカーボネートなどがあげられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0018】
これらの樹脂の中でも、耐熱性、剛性等の品質に優れ、加工性および製造が容易である点から、変性PPE系樹脂が好ましい。
【0019】
変性PPE系樹脂としては、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合物、PPEへのスチレン系単量体のグラフト共重合物などのスチレン−フェニレンエーテル共重合体、等があげられる。
【0020】
変性PPE系樹脂中のPPE系樹脂の具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)などがあげられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いもよい。
【0021】
変性PPE系樹脂中においてPPE系樹脂と混合樹脂を形成するPS系樹脂としては、スチレンまたはその誘導体、例えば、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどを主成分とする樹脂があげられる。したがって、PS系樹脂はスチレンまたはスチレン誘導体だけからなる単独重合体に限らず、他の単量体と共重合することによって作られた共重合体であってもよい。
【0022】
また、PPE系樹脂に重合、好ましくはグラフト重合させるスチレン系単量体の具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげられる。これらのなかでも、汎用性およびコストの点で、スチレンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。
【0023】
これらのうちでも、変性PPE系樹脂としては、低コストであり、その混合比を変化させることにより、簡単に耐熱性、剛性等の品質に優れ、加工性を変化させたものを得ることができる点から、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂であることが好ましい。
【0024】
本発明における変性PPE系樹脂としては、PPE系樹脂25〜70重量%およびPS系樹脂75〜30重量%であることが好ましく、PPE系樹脂35〜60重量%およびPS系樹脂65〜40重量%であることがより好ましい。変性PPE系樹脂中のPPE系樹脂が25重量%より少ないと、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂が70重量%を超えると、加熱流動時の粘度が上昇して発泡成形が困難になる傾向がある。
【0025】
厚み方向に非貫通孔が形成される前の、連続気泡発泡シートは、空気を送風させる観点から、連続気泡率が60%〜98%であることが好ましく、70〜85%であることがより好ましい。連続気泡率が60%未満の場合、良好に空気を送風してVОC成分を除去できない可能性もある。また、連続気泡率が98%を超える場合、シートの曲げ剛性が極端に低下するため、曲げ剛性を有する非発泡層を積層しても内装材としての実用特性を満たさなくなる場合がある。
【0026】
なお、本発明における「連続気泡率」とは、発泡セルが他の発泡セルとセル膜で完全に隔離されて独立しているセル(独立気泡)の全発泡セルに対する比率(独立気泡率)を、マルチピクノメーター(ベックマン社製)を用いて、ASTMD−2859に準じて測定した後、連続気泡率(%)=100−独立気泡率(%)として算出した値である。
【0027】
本発明の熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートを効率的に得る方法としては、加工性の観点から、サーキュラーダイスを用いた押出発泡によって発泡シートを得る方法が好ましい。
【0028】
サーキュラーダイスを用いた押出発泡とは、例えば、基材樹脂および必要により使用される別種類の樹脂、添加剤をブレンダーで混合した後、押出機に供給し該樹脂組成物を溶融混練した後、発泡剤を高温・高圧下で圧入して混合し、適性発泡温度まで冷却し、大気圧下に環状のスリットを有する金型であるサーキュラーダイスより押出発泡させ、円筒状発泡体を得、円筒状発泡体の内面側から冷却するように円筒状発泡体の内側に位置して設置された環状冷却マンドレルにて延伸・冷却した後、切り開き、シート状に引き取る方法があげられる。押出発泡に用いる押出機としては、押出機1機の1段式、押出機2機を直列に連結した2段式(タンデム式)、等を挙げることができる。これらの中では、樹脂の可塑化、樹脂と添加剤との混合、及び樹脂の冷却段階と続いて押出を効率よく実施するには、2段式が特に好ましい。
【0029】
ここで、上記押出工程において、連続気泡発泡シートの連続気泡率を高めるためには、例えば、(i)押出機での温度条件、(ii)発泡剤量を調整すればよい。さらに具体的には、(i)に関しては、2段目押出機での前記冷却温度を高温側に設定することにより、シートの厚み方向に対して全体的に連続気泡層を設けることができる。(ii)に関しては、発泡剤圧入量を基材樹脂100重量部に対して通常使用量の1.5〜2.0倍程度に設定すればよい。ただし、発泡剤圧入量を大きくしすぎると、可塑化が進み、ポリマー同士のせん断発熱が起こりにくくなるために、逆に連続気泡率が低下する場合がある。これら(i)〜(ii)を組み合わせてもよい。
【0030】
本発明における熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートの厚みは、2.0〜10mmが好ましく、3.5〜6.0mmがより好ましい。連続気泡押出発泡シートの厚みが2.0mm未満では、自動車内装材として用いた場合実用的な剛性が得られない傾向があり、10mmより大きい場合には、巻取り時に折れが発生したり、体積が大きくなって輸送等の生産性が低下する傾向がある。
【0031】
本発明の熱可塑性樹脂系連続気泡発泡シートの目付は、100〜300g/mが好ましく、200〜250g/mがより好ましい。連続気泡押出発泡シートの目付が100g/mより小さい場合には、剛性が不足する傾向があり、300g/mを超えると、軽量性が低下する傾向にある。
【0032】
本発明における熱可塑性樹脂系連続気泡発泡シートの発泡倍率は、5〜25倍が好ましく、15〜20倍がより好ましい。発泡コア層の発泡倍率が5倍より低いと、柔軟性に劣り、曲げなどによる破損が生じ易く、また、軽量化の効果が少なくなる傾向がある。一方、発泡倍率が25倍を超えると、強度が低下し、ハンドリング性が低下する傾向がある。
【0033】
本発明における熱可塑性樹脂からなる連続気泡発泡シートは、発泡剤として炭化水素系発泡剤を用いて押出発泡成形して得られるものが、用いられる樹脂との相溶性、発泡性等の点から、好ましい。
【0034】
熱可塑性樹脂からなる連続気泡発泡シートを得る際に使用される炭化水素系発泡剤としては、揮発性発泡剤が好ましく、具体的には、例えば、エタン、プロパン、ブタン、ペンタンなどがあげられる。なかでも、発泡剤の溶解度を示すカウリブタノール値(KB値)が20〜50である炭化水素系発泡剤が好ましい。また、この範囲よりもKB値の高いものと低いものとを2種以上適宜混合して前記範囲としたものも使用することができる。
【0035】
本発明においては、前記発泡剤の具体例のなかでも、発泡剤の適度な溶解性および発泡剤の逸散性が小さく、発泡層の経時変化に伴う発泡性の変化が小さい点から、ブタンが好ましい。前記ブタンは、イソブタン、ノルマルブタン、または、イソブタンおよびノルマルブタンの混合体であってもよい。
【0036】
本発明における押出発泡時の炭化水素系発泡剤の圧入量は、構成樹脂100重量部に対し、2.0〜6.0重量部であることが好ましく、2.5〜4.5重量部であることがより好ましい。発泡剤の圧入量が2.0重量部より少ないと、良好な連続気泡発泡セルまたは独立気泡発泡セルが得られない傾向があり、5.0重量部を超えると、押出発泡が不安定になったり、発泡シートの表面荒れが大きく発生する傾向がある。
【0037】
本発明においては、熱可塑性樹脂からなる連続気泡発泡シートに対して、連続気泡層と大気が直接接することができるよう厚み方向に非貫通孔を形成することにより、揮発性トルエンが連続気泡発泡シートの面方向からも抜けることが可能となる。このことにより、通常、揮発性トルエンは発泡シートの全側面のうち、ごく微小面積を占める厚み方向の断面からしか抜けていかなかったため、揮発性トルエンの低減困難であったものが低減しやすくなり、また、シートを巻き状態にしても強制的に養生する手法を施すことが可能となる。
【0038】
本発明においては、孔を非貫通としているため、針のような冶具で加工するにおいても、バリの発生を抑制することが可能となる。これにより、強制養生時の送風を効率的に行うことができ、シートを巻き取る場合にバリが阻害することもなくなるため、効率的かつ正確に巻き取ることを可能となる。
【0039】
本発明においては、少なくとも一方の表面に非通気性層を有する熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートにおいて、非通気性層を有する表面側から連続気泡層に到達するものの貫通はしない孔(非貫通孔)を設ける方法としては、押出発泡シートを針が多数設けられたロールに通したり、針が多数設けられた平板を押し当てたり、熱針と接触させたり、レーザーを照射して開口させる方法が挙げられる。
【0040】
本発明における発泡層に設ける孔の形状は、いかなるものであっても構わないが、加工性を鑑みると、円形が好ましい。
【0041】
本発明における発泡層に設ける孔の開口部直径(円相当径)は0.3〜3mmφが好ましく、0.5〜2.0mmφがより好ましい。開口部直径(円相当径)が3mmφよりも大きいと、発泡シート及びそれを用いた押出発泡積層シートの剛性が低下する傾向がある。0.3mmφよりも小さいと、安定的に孔空け加工を行えなくなったり、針を用いる場合などは加工する針の剛性が発泡シートの剛性よりも著しく小さいため破損しやすくなり、生産性を低下させる傾向にある。
【0042】
本発明における発泡層に設ける孔の開口率は0.2〜10.0%が好ましく、0.5〜6.0%がより好ましい。開口率が10.0%よりも大きいと、発泡シート及びそれを用いた押出発泡積層シートの剛性が低下する傾向がある。開口率が0.2%よりも小さいと、強制養生をする場合は適度に空気をブローすることができなくなったり、安定的に孔空け加工を行えなくなったり、針を用いる場合などは加工する針の剛性が発泡シートの剛性よりも著しく小さいため破損しやすくなり生産性を低下させる傾向にある。
【0043】
ところで、本発明における孔の開口部直径および開口率は、以下の方法を用いて測定した値である。開口率とは、発泡シートの面方向にどの程度の孔が存在するかの指標であり、孔の開口部直径(面積)および数を求めることにより測定できる。
【0044】
なお、一般的には、以下のようにして、開口率を計算することができる。
(a)厚み方向に孔を形成させた発泡シートを、例えば、光学顕微鏡や通常のカメラを用いて、適当な倍率にて撮影する。
(b)撮影された写真の上にOHPシートを置き、孔に対応する部分を黒インキで塗りつぶして写しとる(一次処理)。
(c)画像処理装置(例えば、(株)ピアス製、PIAS−II)に一次処理画像を取り込み、濃色部分と淡色部分を、即ち黒インキで塗られた部分か否かを識別する。
(d)画像解析計算機能中の「FRACTAREA(面積率)」を用い、画像全体に占める貫通孔の面積比を次式により求める。
開口率(%)=(濃色部分の面積/画像全体の面積)×100
また、開口直径に関しては以下のようにして計算することができる。
(a)前記開口率を計算する過程において撮影された写真に存在する貫通孔の数を数える。
(b)得られた開口率と孔数から次式により円相当径の開口部直径を計算する。
【0045】
【数2】

【0046】
ただし、本実施例においての孔は全て円形に設けたため、発泡シートにある孔の開口部直径(実施例に用いたものは、全て円である)に関しては任意に選んだ孔10個の平均値とし、求めた開口部直径および貫通及び非貫通孔の数を測り、以下の式から開口率を求めた。
【0047】
【数3】

【0048】
孔の形成状態は、シートの面方向および厚み方向において構造剛性の不均一を招かない程度であれば、均一でも不均一でも構わない。
【0049】
本発明の非貫通孔を有する熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートにおいては、いわゆる養生期間において、非貫通孔を通じて発泡シート内部に送風する、及び/または、連続気泡押出発泡シートを加熱条件下に放置することにより、VOC量(特に、揮発性トルエン量)を低減させることが有効である。
【0050】
具体的な操作としては、孔を有する連続気泡押出発泡シートを、(i)連続気泡発泡シート内部を通気できるように、シートの厚み方向に空気等を送風する、あるいは温風(加熱空気)を送風する方法、(ii)オーブン等内で加熱して一定期間放置する、あるいは減圧状態のオーブン内で加熱して一定期間放置する方法、などがあげられる。さらには、それらを組み合わせた方法があげられる。
本発明において、連続気泡発泡シートの厚み方向に空気等を送風する方法としては、例えば、長尺の連続気泡発泡シートを、巻き芯材を用いてロール状に巻き取った後、該巻き芯材を抜き取って得られる、空洞部を有する巻きロール形態にした後、該空洞部から送風あるいは真空吸引することにより、巻き芯近傍と巻きロール外周部との間に、圧力勾配を設けることができる。
【0051】
送風時の温風温度としては、20〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。
【0052】
本発明におけるオーブン等内での加熱温度としては、40〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。加熱温度が40℃未満では、十分に揮発成分を低減できない傾向があり、100℃より高い場合には、熱可塑性樹脂からなる発泡シートが劣化して脆くなったり変色したりする場合がある。
【0053】
本発明の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートは、それ自体で自動車内装材の基材として好適に利用されるものであるが、必要に応じて、非発泡層を積層することにより、自動車内装材の基材としてより好適に利用される。
【0054】
本発明における熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートは、自動車内装材用途の必要に応じて、片面あるいは両面に非発泡層を積層することにより、自動車内装材で使用するに必要な構造剛性、特にハンドリング剛性と称される人が材料を持ち運ぶ際に折れることを防止することができる。
【0055】
本発明における押出発泡シートに積層される非発泡層に用いられる材料としては、積層時の加工性、接着性、軽量及び剛性の観点から、熱可塑性樹脂フィルムを用いることが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、前記発泡シートのところで記載したのと同様の熱可塑性樹脂が用いられる。
【0056】
本発明の自動車内装材用積層発泡シートにおいては、上記養生を行った連続気泡押出発泡シートに非発泡層を積層した後、さらに、非発泡層面側から、連続気泡押出発泡シートの内部に到達するものの貫通しない孔を設けることにより、吸音性を付与することができる。
【0057】
本発明における自動車内装材用発泡積層シートは、必要に応じて意匠性を要求される部位に用いる場合には、表皮材を、前記非通気性材料の積層方法と同様の方法により積層しても構わない。
【0058】
本発明において表皮材に使用される材料としては、織布、不織布、編物、フェルト、パッド材、軟質フォーム、及びそれらを積層したもの等、汎用化されているもので意匠性を有するものであれば、如何なるものでも使用できる。
【0059】
表皮材は、品質およびコストを考慮すると、100〜300g/mの目付けを有していることが好ましく、120〜200g/mの目付けを有していることがより好ましい。表皮材の目付が100g/m未満では、内装材としての充分な感触を得ることができない傾向がある。一方、表皮材の目付が300g/mを超えると、表皮材の成形歪みが熱変形に影響を与える傾向がある。
【0060】
本発明における自動車内装材用発泡積層シートは、必要に応じて、天板との擦れ音防止のために異音防止層を、積層一体化しても構わない。
本発明において異音防止層に使用される材料としては、ポリオレフィン系樹脂フィルムや織布や不織布が好ましく用いられ、不織布がより好ましく用いられる。
【0061】
上記ポリオレフィン系樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルムが挙げられ、その厚みが10〜100μmのものが好ましく、25〜35μmのものがより好ましく用いられる。
【0062】
上記異音防止層に用いられる不織布を構成する繊維としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維などの合成樹脂繊維などが挙げられる。
【0063】
本発明に係る発泡積層シートを賦形して内装材とするために成形加工工程を経る場合、例えば自動車内装材のような場合には、上下にヒーターを備える加熱炉の中央に、発泡積層シートをクランプして導き、成形に適した温度(例えば、発泡積層シートの表面温度が125〜155℃)になるように加熱して軟化させた後、温度調節した金型にてプレス冷却し、賦形する方法が挙げられる。
【0064】
成形方法の例としては、具体的には、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などの方法が挙げられる。
【実施例】
【0065】
次に、実施例および比較例に基づいて本発明に関する発泡シートについて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0066】
得られた発泡シートの評価方法を以下に示す。
【0067】
<発泡シートの連続気泡率>
非貫通孔を形成する前の発泡シートを、マルチピクノメーター(ベックマン社製)を用いて、ASTMD−2859に準じて測定し、独立気泡率を求めた。この際、発泡シートの体積は、メスシリンダーを用いて水没により測定したが、水没した際に3分間経過してから測定する体積変化が独立気泡率に対して±1%以下であることを確認した。
得られた独立気泡率から、以下の式により連続気泡率を求めた。
【0068】
【数4】

【0069】
<発泡シートの厚さ>
得られた非貫通孔を形成する前の発泡シートに対し、目盛付きルーペ(PEAK社製、ズームスケールルーペ、倍率15倍)を用いて、幅方向任意の20ヵ所の厚さを、測定し、その測定値の平均値を算出した。
【0070】
<発泡シートの目付>
得られた孔を形成する前の発泡シートにおいて、押出方向に任意の430mm×430mmサイズの試験片を5枚切り出し、それらの重量を測定した後、平均値を算出し、1m当たりに換算してシート全体の目付とした。
【0071】
<発泡シートの発泡倍率>
得られた非貫通孔を形成する前の発泡シートの密度dfをJIS K 7222に準じて測定し、別途、基材樹脂の密度dpをJIS K7112に準じて測定し、発泡倍率=dp/dfの式により算出した。
【0072】
<揮発性トルエン量の測定>
実施例または比較例にて製造後2週間経過した発泡積層シートから、長さ10cm×幅8cmの試験片(面積80cm)を切り出し、下記の方法に従い、揮発するトルエンの量を定量した。
[試験片の加熱方法]
(1)一口スリーブ付の10L用テドラー(登録商標)バック(スリーブ外径φ7cm;例えば、GLサイエンス社製AA-10)にシリコンチューブ(内径φ6.5cm程度)を接続し、ストップバルブを取り付ける。
(2)テドラー(登録商標)バックに、純窒素ガスを充填する。
充満させた純窒素ガスをアスピレーターで抜く。
(4)(2)〜(3)の操作を、2回繰り返す。
(5)テドラー(登録商標)バックの一端をはさみで切断する
(6)試験片を秤量し、切断面に放散を防ぐための粘着テープ(例えば、中興化成工業チューコーフロー粘着テープ:ASF−110)を貼った後、テドラー(登録商標)バックの中に入れる。
(7)テドラー(登録商標)バックの一端を二重折りにして幅広いテープで密封する。
(8)テドラー(登録商標)バック内に純窒素ガスを適量入れる。
(9)アスピレーターを用い、バック内の窒素ガスを抜く。
(10)一定量(4L)の純窒素ガスを、フローメーターを使用してテドラー(登録商標)バックに充填し、シリコンチューブに取り付けたストッパブルブを閉じる。
(11)シリコンチューブの先に20cm程度のテフロン(登録商標)チューブ(外径φ8cm)を取り付ける。
(12)熱風式乾燥機の中にテドラー(登録商標)バックを入れ、テフロン(登録商標)チューブを上部温度計の穴より出し、クリップでテフロン(登録商標)チューブを留める。
(13)テフロン(登録商標)チューブの先に3cm程度のシリコンチューブ(外径φ6cm)を取り付ける。
(14)この状態のままで、65℃にて2時間加熱する。
[揮発成分の採取方法]
(1)Tenax−TA(60/80メッシュ、1.25mL)を充填したものを使用する。
(2)Tenax−TAを注射型パイレックス(登録商標)ガラス管(径0.5mmφ、長さ150mm)に100mmまで充填し、290℃で8時間純窒素ガスを流しながらエージングを行い、冷却する。
(3)冷却後直ちに採気速度0.1L/minでテドラー(登録商標)バック内のガスを全量採気する。
(4)採気後直ちに栓を締め、ガラス管のテーパ部分の口をテフロン(登録商標)テープで封じる。
(5)サンプルをアルミホイルに包み、更にその上からサランラップ(登録商標)に包んで保管する。
[分析方法]
(1)Tenax−TAに採気した成分を熱脱着し、ガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)にて分析する。分析条件を以下に示す。GC−MSのキャピラリカラムとしては、100%ジメチルシロキサンを使用する。また、標準ガスは、大気測定用オゾンプレカアーサ用58成分または44成分混合ガス(窒素バランス)(例えば、高千穂工業製PAMS58、100ppb)を使用する。標準ガスは、ボンベ減圧弁に直接吸着管を連結し極少量ずつ(0.1mL/min以下)の流量で吸着させる。
・分析装置(GC−MS):ヒューレットパッカー製HP5890 MSD5971A
・熱脱着温度:280℃
・カラム:HP−1、長さ60m、フィルム厚さ1.0μm、径0.32mm
・He流量:1.0mL/min
・昇温条件:40℃(5min)→(4℃/min)→80℃→(10℃/min)→280℃(20min)
・注入口温度:280℃
・スプリット比:1/30
・MSDインターフェイス温度:280℃
・ 得られた結果(Bとする)は、単位がppbであるので式(a)により、μg/試験片1個の値(Dとする)に換算する。
【0073】
【数5】

【0074】
ここで、27.73は理想気体の65℃における1モルの容積(0℃、1気圧、22.4L)を示し、0.00454は65℃での採気量を示す。
上記のようにして得られた値から試験片なしでの測定値を差し引くことにより、試験片からの揮発量(VOC量)とした。
<判定方法>
揮発量測定により得られた揮発量のうちトルエン量が、試験片80cmあたり1.7μg未満であれば○、1.7μg以上の場合を×とした。
【0075】
(実施例1)
[発泡シートの作製]
押出発泡シートの基材樹脂として、PPE樹脂成分40重量%およびPS樹脂成分60重量%となるように、PPE樹脂(日本GE社製、EFN−4230:PPE成分/PS成分=70/30)57.1重量部およびPS樹脂(PSジャパン社製、G8102:PS成分=100)42.9重量部を混合した変性PPE樹脂を用いた。
該変性PPE樹脂100重量部、タルク(林化成(株)社製、タルカンパウダーPK)0.34重量部、ステアリン酸マグネシウム(堺化学工業(株)社製、SM−1000)0.08重量部、およびポリブテン(日石ポリブテン製、LV−50)0.05重量部をリボンブレンダーで撹拌混合した。得られた配合物を、115mmφ押出機(第1段押出機)と152mmφ押出機(第2段押出機)が直列に連結されたタンデム押出機に供給し、樹脂温度が約280℃になるように、第1段押出機中で溶融混練させた後、発泡剤として炭化水素系発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15重量%)を変性PPE樹脂100重量部に対して4.1重量部圧入混合した。その後、第2段押出機のシリンダ−温度を200℃に冷却した後、サーキュラーダイより大気圧下に190kg/時間にて押出した。得られる円筒状発泡体を、マンドレル(外径445mmであり、循環水により40℃に温調)を用いて成形しながら10.0m/minで引き取りつつ、これをカッターで切り開くことにより、シート状態とし、長さ120mを直径260mmの巻き芯材を用いて、直径800mmの円筒ロールになるように巻き取った。その後、該巻き芯材を抜き取って、前記形態の発泡シート(A−1)のロール状物を得た。
得られた発泡シ−ト(A−1)は、発泡倍率19倍、連続気泡率85%、目付240g/m、シ−ト幅1400mmおよびシート厚み4.9mmであった。
[押出発泡シートへの孔の形成]
得られた押出発泡シ−ト(A−1)を、繰り出しながらまず片面側に径2.0mmφかつ6.0mmピッチの針を有するロールを、発泡シートを貫通しないように針の突き刺さり深度が4.5mmになるように押し付けて、孔(見かけ開口率=8.7%)を設けた。次に孔開け加工した面とは反対の面に前記同様の孔開け加工をし、(A−1)同様のロール形態で、押出発泡シ−ト(B−1)を得た。
[強制養生]
80℃に加熱したオーブン内で、得られたロール形態の押出発泡シート(B−1)の巻き芯から巻き外方向に向けて、80℃の空気を1週間ブローして、自動車内装材用熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート(B−2)を得た。
得られた自動車内装材用熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート(B−2)に関して、揮発性トルエン量測定を行い、その結果を表1に示す。
【0076】
(比較例1)
強制養生を行わなかった以外は、実施例1と同様の操作により、自動車内装材用熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート(B−3)を作製した。得られた自動車内装材用熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート(B−3)に関して、揮発性トルエン量測定を行い、その結果を表1に示す。
【0077】
(比較例2)
実施例1と同様の操作により発泡シート(A−1)のロール状物を得た。このシートA−1に、孔開け加工も強制養生も行わずに揮発性トルエン量測定を行い、その結果を表1に示す。
【0078】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の表面に非通気性層を有する、熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートであって、
非通気性層を有する表面側から連続気泡層に到達するものの、貫通はしない孔を有し、且つ、揮発性トルエン量が1.7μg/80cm未満であることを特徴とする、熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シート。
【請求項2】
非貫通孔を有する熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートの厚み方向に、空気を送風することにより得られることを特徴とする、請求項1記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート。
【請求項3】
非貫通孔を有する熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートを、40〜100℃にて加熱養生することにより得られることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート。
【請求項4】
送風される空気の温度が20〜100℃であることを特徴とする、請求項2または3に記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート。
【請求項5】
非貫通孔を有する熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートが、巻き状態であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート。
【請求項6】
熱可塑性樹脂系連続気泡押出発泡シートが、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シート。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂連続気泡押出発泡シートを、基材の一部または全部とすることを特徴とする、自動車内装材用連続気泡発泡積層シート。

【公開番号】特開2010−94916(P2010−94916A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268543(P2008−268543)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】