説明

自動車用内装品及びその製造方法

【課題】安価な熱可塑性ウレタンを用い、しかも黄変しにくい表皮の備えた自動車用内装品とする。
【解決手段】少なくとも基材11と表皮12とを備えている。表皮12は、車室表面意匠表皮である第1表皮13と、第1表皮13に積層した第2表皮14とを有している。第1表皮13の組成物は、無黄変ウレタンである。第2表皮14の組成物は、発泡した黄変ウレタンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡樹脂を備える自動車用内装品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用内装品は、少なくとも基材と表皮とを備えて構成される。この表皮にはパウダースラッシュ成形されたものが用いられる。このパウダースラッシュ成形表皮に関しては、以前は塩化ビニルの素材を用いるのが主流であった。しかし、環境に優しく、環境老化に強いため、近年は熱可塑性ウレタンを素材とする表皮が多く用いられるようになった〔特許文献1の段落35の記載参照〕。
【特許文献1】特開2000−185356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ウレタンは通常、太陽光により黄色く変色するため、自動車用内装品の表皮として使う場合、黄変しやすい、MDIやTDIなどの安価な芳香族イソシアネートは使えず、黄変し難い、HDIや水素添加MDIなどの高価な脂肪族イソシアネートを使わざるをえない。その結果、パウダースラッシュ成形表皮として、以前の塩化ビニルに比べて約3〜5倍の高価な材料となっており、上級車種にしかこのような無黄変ウレタンを使うことができないという問題点がある。
【0004】
本発明は上記問題を鑑みなされたものであって、その目的とするところは、安価な熱可塑性ウレタンを用い、しかも黄変しにくい表皮の備えた自動車用内装品又はその製造方法を提供する提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0006】
本発明は、少なくとも基材と表皮とを備えた自動車用内装品であり、前記表皮が車室表面意匠表皮である第1表皮と、該第1表皮に積層した第2表皮とを有しており、前記第1表皮の組成物が無黄変ウレタンであり、第2表皮の組成物が発泡した黄変ウレタンである。
【0007】
上記の構成によれば、第一表皮の組成物が無黄変ウレタンであるため、車室表面意匠表皮が太陽光で黄変することがない。一方、この第一表皮に積層される第二表皮の組成物が無黄変ウレタンであるため、安価な材料を用いて表皮成形のための必要な厚みを確保することができる。また、第一表皮に第二表皮を積層する際に生じる第二表皮の厚みムラは、第二表皮の発泡により緩和され、表皮全体の厚みムラの発生が抑制される。
【0008】
また、本発明における前記無黄変ウレタンを構成するイソシアネートは、脂肪族系イソシアネート又は脂環族系イソシアネートから選ばれた一つであってもよい。この構成によれば、車室表面意匠表皮の太陽光による黄変を確実に防止できる。
【0009】
また、本発明は、少なくとも基材と表皮とを備え、該表皮が車室表面意匠表皮である第1表皮と、該第1表皮に積層した第2表皮とを有した自動車用内装品の製造方法において、脂肪族系イソシアネート又は脂環族イソシアネートから選ばれたイソシアネートとポリオールとを溶媒中で重合させた無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダーを、加熱した金型に投入して加熱融着することにより所定厚みの前記第1表皮を形成する第1工程と、芳香族イソシアネートとポリオールとを溶媒中で重合させた後に発泡剤を添加し混合させた黄変熱可塑性ポリウレタンパウダーを、前記第1表皮の形成された前記金型に投入して加熱融着することにより所定厚みの前記第2表皮を形成する第2工程と、前記金型を再加熱することによって、前記第1表皮及び前記第2表皮を溶融成形すると共に前記第2表皮の発泡剤を発泡させる第3工程とを有する。
【0010】
上記の方法は、パウダースラッシュ成形法において、加熱された同じ金型に対して、無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダーを投入した後、続いて添加剤が混合された黄変熱可塑性ポリウレタンパウダーを投入し、金型内に無黄変ウレタンを組成とする第1表皮と黄変ウレタンを組成とする第2表皮との2層を半溶融状態のパウダーを含んだ状態で形成する。そのため、金型に対するパウダー付着を続けて二回行うだけで、2層を形成することができる。また、半溶融状態のパウダーを完全に溶融させるための再加熱時に、同時に第2表皮の発泡を行わせるため、発泡のための特別の工程を設けることなく、第1、第2表皮の溶融と兼ねて第2表皮を発泡させることができる。これにより、成形コストを上げることなく、パウダースラッシュ成形法による第1表皮と第2表皮との積層を得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動車内装品の部分断面図である。図2は、特に表皮の構造を経過的に示すための部分断面図である。
【0012】
(自動車内装品の構成)
図1に示すように、自動車用内装品1は、インストルメントパネルやドアトリム、天井材等の内装品として使用されるものであり、基材11に対して表皮12を一体に成形して構成されている。内装品成形用の一対の金型の一方に、予め成形された表皮12を装着し、表皮12の反対側に形成されたキャビティに、基材を形成する樹脂を射出することにより、図示の自動車用内装品1が得られる。尚、自動車用内装品1として、基材11と表皮12との間に、発泡層が形成された三層構造の自動車用内装品であってもよい。この場合、内装品成形用の一対の金型の一方に、予め成形された表皮12を装着し、他方の金型に、予め成形された基材11を装着し、表皮12と基材11との間に形成されたキャビティに、発泡樹脂を射出することにより、三層構造の自動車用内装品1が得られる。
【0013】
基材11は、PP(ポリプロピレン)等の汎用樹脂が用いられる。表皮12は、0.9〜1.2mm程度の厚みとなるようにパウダースラッシュ成形により形成されたものであって、車室表面意匠表皮である第1表皮13と、この第1表皮13に積層された第2表皮14とを有している。
【0014】
第1表皮13は、0.4〜0.5mm程度の厚みに形成された無黄変ウレタンを組成物として有している。第1表皮13の黄変ウレタンを構成するイソシアネートは、脂肪族系イソシアネート又は脂環族系イソシアネートから選ばれた一つである。これらのイソシアネートは、「無黄変ポリイソシアネート」と称されるものであり、分子骨格にベンゼン環やナフタレン環等のような共鳴構造を有さないポリイソシアネートを総称するものである。無黄変ポリイソシアネートは、無黄変の有機ジイソシアネートから誘導されたウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、ビウレット変性体から選択されるものであることが好ましく、接着強度や耐久性等を考慮すると、無黄変の有機ジイソシアネートから誘導されたイソシアヌレート変性体、アロファネート変性体、及びビウレット変性体から選択されるポリイソシアネートが特に好ましい。尚、無黄変ウレタンには、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、顔料・染料、抗菌剤・抗カビ剤等の公知の各種添加剤や助剤を添加されてもよい。
【0015】
一方、図2に示すように、第2表皮14は、0.5〜0.7mm程度の厚みに形成された黄変ウレタンを組成物として有している。第2表皮14は、表皮12の厚みが部分的に極端に薄くならないように、黄変ウレタンを発泡させることにより形成されている。尚、表皮12が部分的に極端に薄くなる理由は、スラッシュ形成用の金型を240℃等に熱して、第1表皮13用のパウダーを投入し、溶融したら余分なパウダーを排出し、続いて、2層目である第2表皮14用のパウダーを投入して形成するというパウダースラッシュ成形の工程の性質上、金型から第1表皮13を伝わった熱で第2表皮14を溶融することになるため、元々の金型温度のバラツキに加え、第1表皮13の厚みのバラツキにより第2表皮14に対する熱伝導のバラツキが大きくなるためである。
【0016】
黄変ウレタンの発泡は、黄変ウレタンに混合された化学発泡剤をパウダースラッシュ成形時の熱で発泡させることにより行われている。化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミドやNN’―ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を用いることができる。化学発泡剤の発泡倍率は、2〜3倍に設定されている。尚、第2表皮14の発泡体15は、独立気泡であっても、連続気泡であってもよい。
【0017】
上記の第1表皮13と第2表皮14と塩化ビニルとの重量当たりの材料価格の関係は、塩化ビニルを1とした場合、無黄変ウレタンが4(3〜5)であり、黄変ウレタンが1.5(1.3〜1.7)である。これにより、第1表皮13及び第2表皮14で形成された表皮12は、全部を無黄変ウレタンで形成した表皮と比較した場合、全体を無黄変ウレタンで形成した場合の4の材料費に対して2.8の材料費に抑制することができる。
【0018】
(自動車内装品の製法方法)
上記の構成において、自動車用内装品1の製造方法について説明する。自動車用内装品1は、脂肪族系イソシアネート又は脂環族イソシアネートから選ばれたイソシアネートとポリオールとを溶媒中で重合させた無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダーを、加熱した金型に投入して加熱融着することにより所定厚みの第1表皮を形成する第1工程と、芳香族イソシアネートとポリオールとを溶媒中で重合させた後に発泡剤を添加し混合させた黄変熱可塑性ポリウレタンパウダーを、第1表皮の形成された金型に投入して加熱融着することにより所定厚みの第2表皮を形成する第2工程と、金型を再加熱することによって、第1表皮及び第2表皮を溶融成形すると共に第2表皮の発泡剤を発泡させる第3工程とを有した製造方法により形成されている。
【0019】
(第1工程)
第1工程は、予熱工程(図3)と第1投入工程(図4)と第1融着工程(図5)とを有している。尚、第1工程は、図6の型開工程を含んでいてもよい。具体的には、図3に示すように、先ず、車室表面意匠表皮を形成する内側面に備えたニッケル電鋳型21を準備し、このニッケル電鋳型21の内側面を加熱装置22の熱風により加熱することによって、約245℃に昇温させる(予熱工程)。この後、図4に示すように、1層目である第1表皮13用の無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー24を投入する。即ち、ニッケル電鋳型21の開口面に嵌合するように形成された第1パウダー収容体23を準備し、この第1パウダー収容体23に所定量の無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー24を収容する。そして、ニッケル電鋳型21の開口部に向けて第1パウダー収容体23を移動(上昇)させ、第1パウダー収容体23の上面部をニッケル電鋳型21の開口部に嵌合させることにより型締めを行う(第1投入工程)。
【0020】
ここで、無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー24は、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)をイソシアネートとして用い、ポリエーテルポリオールと溶媒中で重合させたものを用いることができる。また、平均パウダー粒径は、約120μmに設定されている。
【0021】
次に、図5に示すように、ニッケル電鋳型21と第1パウダー収容体23とを型締めした状態で回転させる。これにより、加熱されたニッケル電鋳型21に無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー24が接触し、ニッケル電鋳型21から熱量が伝達された無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー24が加熱されて液状化し、ニッケル電鋳型21の内側面に融着することになる。そして、0.4〜0.5mm程度の所定厚みの第1表皮13をニッケル電鋳型21の内側面に形成する(第1融着工程)。
【0022】
(第2工程)
次に、第2工程を行う。第2工程は、型開工程(図6)と第2投入工程(図6)と第2融着工程(図7)と型開工程(図8)とを有している。具体的には、図6に示すように、第1パウダー収容体23が下側に位置するようにニッケル電鋳型21の姿勢を設定し、パウダー状態の無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー24を第1パウダー収容体23に落下及び収容させることによって、ニッケル電鋳型21の内側面に第1表皮13だけが残るようにする。そして、第1パウダー収容体23を下降させてニッケル電鋳型21から切り離すことにより型開きを行う(型開工程)。
【0023】
この後、2層目である第2表皮14用の黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー27を投入する。即ち、ニッケル電鋳型21の開口面に嵌合するように形成された第2パウダー収容体26を準備し、この第2パウダー収容体26に所定量の黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー27を収容する。そして、ニッケル電鋳型21の開口部に向けて第2パウダー収容体26を移動させ、第2パウダー収容体26の上面部をニッケル電鋳型21の開口部に嵌合させることにより型締めを行う(第2投入工程)。
【0024】
ここで、黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー27とは、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)をイソシアネートに用い、ポリエーテルポリオールと溶媒中で重合させた後に、化学発泡剤(永和化成工業製:アゾジカルボンアミド AC9−50W)を1部添加して混合したものを用いることができる。また、平均粒径は、約140μmに設定されている。
【0025】
次に、図7に示すように、ニッケル電鋳型21と第2パウダー収容体26とを型締めした状態で回転させる。これにより、加熱状態の第1表皮13に黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー27が接触し、ニッケル電鋳型21及び第1表皮13から熱量が伝達された黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー27が加熱されて液状化し、第1表皮13に融着することになる。そして、0.5〜0.7mm程度の所定厚みの第2表皮14を第1表皮13に積層状態で形成する(第2融着工程)。
【0026】
この後、図8に示すように、第2パウダー収容体26が下側に位置するようにニッケル電鋳型21の姿勢を設定し、パウダー状態の黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー27を第1パウダー収容体23に落下及び収容させることによって、ニッケル電鋳型21の内側面に第1表皮13及び第2表皮14だけが残るようにする。そして、第2パウダー収容体26を下降させてニッケル電鋳型21から切り離すことにより型開きを行う(型開工程)。
【0027】
(第3工程)
次に、第3工程を行う。第3工程は、キュア・発泡工程(図9)と冷却工程(図10)と脱型工程(図11)とを有している。具体的には、図9に示すように、第1表皮13及び第2表皮14が積層状態で融着されたニッケル電鋳型21に対して加熱装置22の熱風により再加熱することによって、第1表皮13及び第2表皮14をキュアすると共に、第2表皮14に含まれた化学発泡剤を発泡させて多数の発泡体15を形成することによって、第2表皮14が0.8〜1.6mmの厚みとなるように設定する(キュア・発泡工程)。尚、発泡工程は、キュア工程と同時に行われるため、発泡工程が新たな工程として製造過程において増加することはない。
【0028】
次に、図10に示すように、ニッケル電鋳型21を冷却し(冷却工程)、図11に示すように、ニッケル電鋳型21から第1表皮13及び第2表皮14からなる表皮12を引き剥がすことによって、表皮12を形成する(脱型工程)。
【0029】
この後、図1に示すように、上記のようにして作成された表皮12を内装品成形用の金型に装着し、表皮12の反対側に形成されたキャビティに基材を形成する樹脂を射出することによって、自動車用内装品1を製造する。
【0030】
(本実施形態の概要)
以上のように、本実施形態の自動車用内装品1は、図1及び図2に示すように、少なくとも基材11と表皮12とを備えており、表皮12が車室表面意匠表皮である第1表皮13と、第1表皮13に積層した第2表皮14とを有しており、第1表皮13の組成物が無黄変ウレタンであり、第2表皮14の組成物が発泡した黄変ウレタンである構成である。
【0031】
上記の構成によれば、第1表皮13の組成物が無黄変ウレタンであるため、車室表面意匠表皮が太陽光で黄変することがない。一方、この第1表皮13に積層される第2表皮14の組成物が無黄変ウレタンであるため、安価な材料を用いて表皮成形のための必要な厚みを確保することができる。また、第1表皮13に第2表皮14を積層する際に生じる第1表皮13の厚みムラは、第2表皮14の発泡により緩和され、表皮12全体の厚みムラの発生が抑制される。
【0032】
また、本実施形態における無黄変ウレタンを構成するイソシアネートは、脂肪族系イソシアネート又は脂環族系イソシアネートから選ばれた一つである。この構成によれば、車室表面意匠表皮の太陽光による黄変を確実に防止できる。
【0033】
また、本実施形態の自動車用内装品1の製造方法は、図3〜図11に示すように、脂肪族系イソシアネート又は脂環族イソシアネートから選ばれたイソシアネートとポリオールとを溶媒中で重合させた無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー24を、加熱したニッケル電鋳型21に投入して加熱融着することにより所定厚みの第1表皮13を形成する第1工程(予熱工程、第1投入工程、第1融着工程)と、芳香族イソシアネートとポリオールとを溶媒中で重合させた後に発泡剤を添加し混合させた黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー27を、前記第1表皮13の形成されたニッケル電鋳型21に投入して加熱融着することにより所定厚みの第2表皮14を形成する第2工程(型開工程、第2投入工程、第2融着工程、型開工程)と、ニッケル電鋳型21を再加熱することによって、第1表皮13及び第2表皮14を溶融成形すると共に第2表皮14の発泡剤を発泡させる第3工程(キュア・発泡工程、冷却工程、脱型工程)とを有した構成にされている。
【0034】
上記の構成によれば、パウダースラッシュ成形法において、加熱された同じニッケル電鋳型21に対して、無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー24を投入した後、続いて添加剤が混合された黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー27を投入し、ニッケル電鋳型21内に無黄変ウレタンを組成とする第1表皮13と黄変ウレタンを組成とする第2表皮14との2層を半溶融状態のパウダーを含んだ状態で形成する。そのため、ニッケル電鋳型21に対するパウダー付着を続けて二回行うだけで、2層を形成することができる。また、半溶融状態のパウダーを完全に溶融させるための再加熱時に、同時に第2表皮14の発泡を行わせるため、発泡のための特別の工程を設けることなく、第1、第2表皮の溶融と兼ねて第2表皮14を発泡させることができる。これにより、成形コストを上げることなく、パウダースラッシュ成形法による第1表皮13と第2表皮14との積層を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】自動車用内装品の要部断面図である。
【図2】自動車用内装品の発泡状態を示す説明図である。
【図3】予熱工程の説明図である。
【図4】第1投入工程の説明図である。
【図5】第1融着工程の説明図である。
【図6】型開工程・第2投入工程の説明図である。
【図7】第2融着工程の説明図である。
【図8】型開工程の説明図である。
【図9】キュア・発泡工程の説明図である。
【図10】冷却工程の説明図である。
【図11】脱型工程の説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 自動車用内装品
11 基材
12 表皮
13 第1表皮
14 第2表皮
21 ニッケル電鋳型
22 加熱装置
23 第1パウダー収容体
24 無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー
26 第2パウダー収容体
27 黄変熱可塑性ポリウレタンパウダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも基材と表皮とを備えた自動車用内装品において、
前記表皮が車室表面意匠表皮である第1表皮と、該第1表皮に積層した第2表皮とを有しており、
前記第1表皮の組成物が無黄変ウレタンであり、第2表皮の組成物が発泡した黄変ウレタンであることを特徴とする自動車用内装品。
【請求項2】
前記無黄変ウレタンを構成するイソシアネートが、脂肪族系イソシアネート又は脂環族系イソシアネートから選ばれた一つであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装品。
【請求項3】
少なくとも基材と表皮とを備え、該表皮が車室表面意匠表皮である第1表皮と、該第1表皮に積層した第2表皮とを有した自動車用内装品の製造方法において、
脂肪族系イソシアネート又は脂環族イソシアネートから選ばれたイソシアネートとポリオールとを溶媒中で重合させた無黄変熱可塑性ポリウレタンパウダーを、加熱した金型に投入して加熱融着することにより所定厚みの前記第1表皮を形成する第1工程と、
芳香族イソシアネートとポリオールとを溶媒中で重合させた後に発泡剤を添加し混合させた黄変熱可塑性ポリウレタンパウダーを、前記第1表皮の形成された前記金型に投入して加熱融着することにより所定厚みの前記第2表皮を形成する第2工程と、
前記金型を再加熱することによって、前記第1表皮及び前記第2表皮を溶融成形すると共に前記第2表皮の発泡剤を発泡させる第3工程と
を有することを自動車用内装品の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−253782(P2007−253782A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80645(P2006−80645)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(304053957)三ツ星化成品株式会社 (46)
【Fターム(参考)】