説明

自動車用正面壁

【課題】正面壁の搭乗者側のカバー層の(即ち、第一壁から第二壁の)音響分離し、エンジン区画室と運転手空間に対する1つのシールを改良し、正面壁における開口の数の最少化と、組立/分解の条件の改良と、ブレーキブースターの振動を起こす傾向の最少化、即ち正面壁上の機械応力の最少化を図ること。
【解決手段】1つの自動車用の正面壁であって、該正面壁が、1つの第一壁とこれから間隔を取った個所の1つの第二壁とを有しており、前記第一壁は、ただ前記第一壁にのみ固定される1つのブレーキブースターを収容する1つの窪みを有していることを特徴とする自動車用正面壁。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1台の自動車用の1つの正面壁(更に、前方壁としても知られている)に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の自動車用の複数の正面壁は、原則的に公知である。特に、最新の自動車における軽量構造と乗り心地向上の基準に対する要件にならって、それで一方で軽量で且つ他方で高い強度を有した正面壁を製造すると言う課題が存在している。これは、まず第一に有利なことには、特に正面からの衝突の場合に効果を示す高い屈曲強度であり、また更に車体の長手方向の捩れの場合に、変形を制限すると共にそれで乗り心地を良くする手助けをする剪断強度である。
【0003】
原則的には、複数のブレーキブースター(又は『複数の主ブレーキシリンダー』)などの複数の構成部品をしっかりと1つの正面壁に結合する公知の方法が存在している。これは、例えば、ブレーキブースターが1つの正面壁の一方側(通常、エンジン区画室の側)に取り付けられると共に通しボルトによって正面壁に両側で固定されることで実現できる。その正面壁が、軽量構造(即ち、第一壁と、これから間隔を置いた個所の第二壁が、それら二つ壁の間に発泡体を設けている)と言う理由で選択されたサンドイッチ構造を収容している場合のために、このギャップには、通常更に複数のボルトが締めつけられた際にサンドイッチ構造の圧縮を防ぐスリーブが発泡体層の領域において設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような公知の解決策は、実をいえば一方で良好な安定性を有しているが、しかしそのような複数の正面壁の騒音特性は、一般には満足のいくものではない。軽量構造の複数の理由でサンドイッチ構造で製造されるそのような複数の正面壁の場合、音響吸収を助ける、例えば1つの付加的な重いマットを車両内部側に取り付けるのが通常必要である。しかし、軽量構造の要件は、再びこの対策によって部分的に壊される。
【0005】
従って、本発明の目的は、一方で軽量であると共に安定はしているが、しかし、それにも拘らず遮音特性に関して最高の基準に依然合致する1つの正面壁を利用できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に係る1つの正面壁によって達成される。
【0007】
1つの第一壁と、これから間隔をおいた個所の1つの第二壁とを有したこの種の1つの正面壁において、その第一壁は、ただその第一壁に取り付けられる1つのブレーキブースターや『主ブレーキシリンダー』を収容するための1つの窪みを有しているので、上記問題が回避される。
【0008】
まず、第一壁がブレーキブースターの領域で窪んでいることは、軽量構造に寄与しており、即ち、ブレーキブースターが、実際には窪みの領域において正面壁を架橋していて、それで何ら正面壁自身が、この領域で必要が無いか又は少なくとも第一壁が複数の領域で消失しているので、ここで実際に1つの『二重壁』を設ける必要が無い。
【0009】
更にここで重要なことは、ブレーキブースターがただ第一壁に取り付けられることである。この取付に対して、修理のために容易に取り外されるネジ結合などの接続が特に念頭に浮かぶ。ネジ固定と付加的な接着、又はクランプと付加的な接着などの接続が使用される。ブレーキブースターは、このようには第二壁に取り付けられない。たとえ、ここで何らかの状況でブレーキブースターと第二壁との間に多分接触があったとしても、構造起因の騒音伝達を可能にするような、またそれで自動車内部に騒音を入力することになるような堅固な取り付けは無い。
【0010】
ブレーキブースターが窪みの領域を完全に覆って、それでエンジン区画室からの空気起因の騒音が自動車内部に到達するのを仲介をする開口が何ら残されていないので、騒音の空気伝導も回避される。
【0011】
ブレーキブースターが実際には正面壁の第一壁の1つの統合した構成部品であって、それで一方でこの第一壁の補強をなし、他方でこの正面壁の音響的に有効な質量が著しく増大されると言う事実から、更に別の複数の長所が生じる。特に、この第一壁に対する複数の付加的な補強策と関連して、この壁や、又はその所望の部分領域を『質量発振器』として考えると共に、それで振動に影響される度合いをより少なくすることがこのように可能になる。
【0012】
このような情況において、本出願と同日に出願され、国内出願番号F02049の『正面壁モジュール』と言う本出願のドイツ特許出願が参照される。そこに説明されている全ての実施例や、又はそこでの正面壁モジュールの構造に関し(素材や第一壁と第二壁の互いに対する配置に関し)また音響の観点(サンドイッチの一方の壁の音響的に有効な質量の増加や、サンドイッチの組み込みや、それに対して引き合いに出される数値)に関する各々全ての詳細は、本出願の構成部分と見做されるべきである。それで、引用された出願の対応した文節は、そこのそれら文節の不要な反復を避けるために、この出願に組み込まれている事は特に強調される。
【発明の効果】
【0013】
要約すると、本構造の複数の長所には、かくして、正面壁の搭乗者側のカバー層の(即ち、第一壁から第二壁の)音響分離がある。エンジン区画室と運転手空間に対する1つのシールの改良と、正面壁における開口の数の最少化と、組立/分解の条件の改良と、ブレーキブースターの振動を起こす傾向の最少化、即ち正面壁上の機械応力の最少化がある。
【0014】
本発明の有利な展開については従属請求項に説明されている。
【0015】
第一の有利な展開として、ブレーキブースターが、窪みの縁領域上に着座する縁面を有するようにしている。このようにして、(ただ或る一定の複数の個所のみでの取り付けと対照的に)ブレーキブースターと縁領域との間には完全な接続が存在することができる。このようにして、空気起因の騒音の入り込みが回避される。更により高い安定性が、ブレーキブースターの確実な取り付けによって達成される。
【0016】
さらにより大きな安定性のために、窪みの縁領域が補強され、即ちこの領域では、より厚い壁厚が与えられるか、又は各々更に補強する構成部品が組み込まれている。
【0017】
特に、安定性の目的のために、例えば剪断応力に対して一様な安定性を保証するために窪みと縁面とが丸みを持っていることも道理にかなっている。
【0018】
ブレーキブースターの縁面と窪みの縁領域との間に、ブレーキブースターに属するエラストマーリングが配置されていることは特に有利である。これによって、空気起因の騒音の通過が更に最少化され;更に構造起因の騒音が減衰される。当然、この対策は、たとえ窪みの縁領域を補強しなくとも可能である。
【0019】
更に有利な展開として、ブレーキブースターが第一壁にネジ留めされるようにしている。当然、更に他の可能な結合方法(クランプによる引き締め、接着など;しかし、ネジによる結合は、組立や分解に最も好都合である)がある。更に、共に接着することも当然可能である。
【0020】
更に有利な展開として、第二壁は、ブレーキブースターの対応部分のためにフィードスルー開口を有するようにしている。かくして、ブレーキブースターは、更に正面壁の内側に配置され;これは、サンドイッチ領域における構造空間をより良く活用させる。ブレーキブースター用のフィードスルー開口の領域において、ブレーキブースターとフィードスルー開口との間に好ましくはギャップが設けられており、その結果二つの構成部品の間に何ら接触が無く、それで何ら構造起因の騒音伝達が行われない。振動技術に関して、もしフィードスルー開口とブレーキブースターとの間のギャップが、フィードスルー開口の領域において1と5mmの間であれば特に有利である。
【0021】
更に有利な展開として、正面壁が窪み及び/又はフィードスルー開口の領域に複数の湾曲を有するようにしている。それによって達成されるものは、より大きな複数の領域が『音響的に有効』なので、即ち複数の振動ユニットとして見做されるので、まず第一にこれら領域における正面壁の安定性が高められ、またそれで更に個々の壁の音響特性も改善される。これに加えて、複数の補強ウェブも窪みの領域やフィードスルー開口の領域に多分設けられ、それでブレーキブースターの質量をさらにより『音響的に有効』なものにする(この効果の説明のために、本出願人の上記引用出願も参照すること)。
【0022】
更に有利な展開として、発泡体が第一と第二の壁の間に配置されるようにしている。この発泡体は、ここでは第一と第二の壁を取り付ける程の働きをしていない。その発泡体の主要な目的は、何ら騒音伝達が第一壁から第二壁にかけて行われ得ないように空気起因の騒音を排除すると共に構造起因の騒音を減衰するものである。
【0023】
この発泡体は、色々な方法で具体化される。例えば、一定厚さの発泡体層を第一と第二の壁の間に設けることができ、それ自身はその厚さをブレーキブースターの領域で変えていない;(この場合、複数の腔所が多分更に窪みの領域における湾曲内で生じ;これは、異なった複数の寸法の複数のブレーキブースターの填め込みが、例えば異なった複数のタイプのモータリゼーションに対して可能であることを意味している)。第一と第二の壁の間の全空間が発泡体で充填されたり、又は全体のブレーキブースターもこの空間内への泡で覆われることも更に当然可能である。この場合、ブレーキブースターは、その外表面において泡をはじく物質で覆われることも可能である。この手段によって、ブレーキブースターは、発泡体内に埋設されても、正面壁に分離不能に接続されているわけではなく;これはブレーキブースターを交換するために重要である。PU−発泡体が、ここではその発泡体として有利に使用される。
【0024】
更に有利な展開として、正面壁は自動車の車体の1つの正面壁に搭載するために1つのモジュールとして設計されるようにしている。正面壁モジュールとそれに用意された素材に関して、本出願人の前記出願を再度拡大参照される。第一と第二の壁が、かくして全体的に1つのユニットを成すためにそれらの各々の複数の縁領域において互いに接続されていることが、ここでは重要である。
【0025】
更に有利な展開は、残りの複数の従属請求項で引用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は正面壁1を示している。この正面壁1は、1つの第一壁3aとこれと隔たった個所の1つの壁3bとを有している。第一壁3aと第二壁3bの間には発泡体12が設けられている(しかし、この場合は必ずしも設ける必要がない)。第一壁3aは、ただ該第一壁3aにのみ固定された1つのブレーキブースター5を収容する窪み4を有している。このブレーキブースターは、図1の中心線が示すように、少なくとも窪みにおいて実質的に回転対称の横断面を有している。
【0027】
図1の左側には、自動車のエンジン区画室が示されており;ブレーキ流体用の1つの供給開口15も見受けられる。正面壁1の右側には、自動車の1つのブレーキペダルに接続された1つの駆動レバー(ピストン・ロッド)が見受けられる。窪み4は、実質的に回転対称に設計されている。窪み4の縁領域6は補強されており、即ちこの領域では、第一壁3aの支えにおけるものよりも壁厚がより厚くなっているほぼ円形のフランジが設けられている。ブレーキブースター5は、窪み4の縁領域6に対応した縁面7を有している。縁面7と縁領域6との間には、ブレーキブースター5に属し且つエンジン区画室から第一壁3aと第二壁3bとの間のギャップへの騒音の空気伝導を実質的に防ぐエラストマーリング8(又はエラストマーディスク)が配置されている。ブレーキブースター5は、1つの縁面において窪みの縁領域に複数のネジ17を介してネジ留めされている。これらのネジ17は、窪みの補強された縁領域に螺入され、多分更に付加的に緩衝もされる。
【0028】
第二壁3bにおけるフィードスルー開口10の領域において、ブレーキブースター5は縁領面7の領域におけるよりもかなりより小さな直径を有している。フィードスルー開口の領域におけるブレーキブースターの直径と該フィードスルー開口10自体との間には、1mmと20mmとの間の、好ましくは1mmと5mmとの間の寸法を有したギャップ11が設けられている。それによって達成されるものは、たとえ極めて厳しい振動が在っても、構造起因の騒音伝達が殆ど大部分回避されるようになっている。
【0029】
図1において、正面壁は窪み4の又はフィードスルー開口10の領域に複数の湾曲を有しているのが容易に認められる。これらの湾曲は、まず第一にブレーキブースターを収容する働きをし、それでできるだけ良く構造空間を活用する働きをする。更に、ブレーキブースターの領域におけるこの湾曲は、付加的な補強を提供する働きをし、それでブレーキブースターの周りの領域は、特に第一壁3aにおいて『音響的に有効』である。
【0030】
発泡体12は、第一壁3aと第二壁3bとの間に配置されている。図1に係る実施例では、この発泡体はほぼ一定の層厚さを有しており、即ち窪み4の領域では、1つのエアーギャップが部分的に形成されている。発泡体は、フィードスルー開口10の領域においてブレーキブースターまで広がって後者のブレーキブースターに接触しており、その結果それは振動低減作用を有することになる。
【0031】
しかし、発泡体の用意に関しては、他の変形例も考えられる。かくして、例えば第一壁3aと第二壁3bとの間の全空間を発泡体で充填することができ、その結果窪み4さえも全体的に発泡体で充填される。この場合、その際には既に発泡工程前に第一壁に結合されているブレーキブースターを泡をはじく物質で覆うこともでき、それでブレーキブースターを後でより容易に外すことができるようになる。
【0032】
ここでは、第一壁3aと第二壁3bは、プラスチック材から造られている。材料選択のさらなる詳細については、上述した本出願人の出願が参照される。
【0033】
図2は、自動車の内部から見た自動車2の車体を示している。ここでは、上部領域に1つのウインドスクリーン開口18が見受けられると共に、その下方には1つの正面壁モジュールが挿入される1つの正面壁フレーム14が見受けられる。この正面壁モジュールの全ての詳細に関しては、上述した本出願人の以前の出願における相当図が参照される。
【0034】
本発明は、かくして自動車の正面壁に関するものであり、その正面壁は、1つの第一壁とそれから間隔をおいた個所の第二壁とを有している。その第一壁は、ただ該第一壁にのみ取り付けられる1つのブレーキブースターを収容する1つの窪みを有している。第二壁は、これに合わせて、ブレーキブースター用のフィードスルー開口を有している。かくして、それでブレーキブースターが完全に正面壁に入り込むことができ;それで、完全にブレーキブースターが入り込む1つの『整合された』開口が存在することになる。ここでは、正面壁の内側に設けられた空間の一部分がブレーキブースターを収容する働きをすることは、構造空間を最適化する意味合いでも有益である。この空間は、更に有利なことには発泡体で充填されることになり、その結果非常に良好な遮音が行われる。特に、二つの壁(カバー層)の間に構造起因の騒音の橋渡しが存在したり、又は正面壁のほぼ連続した穴とブレーキブースターの取付け部とを通る空気起因の騒音の橋渡しが存在して、後者の重心を大きく外れている在来のブレーキブースターの取り付け上の問題は、本発明に関しては生じない。これは、最適な遮音を提供してくれ;更にそれは、自動車が移動すると、高い望ましくない力を解放できるブレーキブースターの固有な振動が起きる可能性を実際には排除している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る1つの正面壁を通った横断面と、図1の中心線の下方に示されていて、1つのブレーキブースターが収容された窪みの外側の横断面と、及び/又はその中心線の上方においてそのブレーキブースターの窪みの中心を通った横断面を示す。
【図2】自動車の内部から見た自動車の車体を示す。
【符号の説明】
【0036】
2 自動車
1 正面壁
3a 第一壁
3b 第二壁
5 ブレーキブースター
4 窪み
8 エラストマーリング
10 フィードスルー開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの自動車(2)用の正面壁(1)であって、該正面壁が、1つの第一壁(3a)とこれから間隔を取った個所の1つの第二壁(3b)とを有しており、前記第一壁は、ただ前記第一壁にのみ固定される1つのブレーキブースター(5)を収容する1つの窪み(4)を有していることを特徴とする自動車用正面壁。
【請求項2】
前記窪み(4)の1つの縁領域(6)は、補強されていることを特徴とする請求項1記載の正面壁。
【請求項3】
前記ブレーキブースター(5)は、前記窪み(4)の1つの縁領域(6)上に着座する1つの縁面(7)を有していることを特徴とする請求項2に記載の正面壁。
【請求項4】
1つのエラストマーリング(8)が、前記縁領域(6)を向いた側の前記ブレーキブースター(5)の前記縁面(7)上に配置されている請求項3記載の正面壁。
【請求項5】
前記ブレーキブースター(5)は、前記第一壁(3a)にネジ留めされていることを特徴とする前記請求項の一つに記載の正面壁。
【請求項6】
前記第二壁(3b)は、前記ブレーキブースター(5)用の1つのフィードスルー開口(10)を有していることを特徴とする前記請求項の一つに記載の正面壁。
【請求項7】
前記フィードスルー開口(10)と前記ブレーキブースター(5)との間の前記ギャップ(11)は、前記フィードスルー開口の領域において、1mmと200mmの間、好ましくは1mmと5mmの間となっていることを特徴とする請求項6記載の正面壁。
【請求項8】
前記正面壁(1)は、前記窪み(4)の、及び/又は前記フィードスルー開口(10)の領域に複数の湾曲を有していることを特徴とする請求項6又は7記載の正面壁。
【請求項9】
前記正面壁(1)は、前記窪み(4)の領域に複数の補強ウェブを有していることを特徴とする前記請求項の一つに記載の正面壁。
【請求項10】
発泡体(12)が、前記第一壁(3a)と前記第二壁(3b)との間に配置されていることを特徴とする前記請求項の一つに記載の正面壁。
【請求項11】
前記ブレーキブースターは、その外表面(13)において1つの泡をはじく物質で覆われていることを特徴とする前記請求項の一つに記載の端壁モジュール。
【請求項12】
前記正面壁(1)は、1つの自動車の車体の1つの正面壁フレーム(14)に搭載するための1つのモジュールとして設計されていることを特徴とする前記請求項の一つに記載の正面壁。
【請求項13】
前記第一壁(3a)及び/又は前記第二壁(3b)は、プラスチック材又は金属から形成されていることを特徴とする前記請求項の一つに記載の正面壁。
【請求項14】
自動車(2)であって、前記請求項の一つに記載の1つの正面壁を収容していることを特徴とする自動車。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一壁(3a)と前記第一壁から間隔を取った箇所の第二壁(3b)とを有する正面壁(1)と、前記正面壁に取り付けられたブレーキブースター(5)とを有する自動車(2)であって、
遮音のために、前記第一壁は、前記ブレーキブースター(5)を収容する窪み(4)を有し、前記ブレーキブースターは、前記第一壁にのみ取り付けられることを特徴とする自動車。
【請求項2】
前記窪み(4)の縁領域(6)は、補強されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
前記ブレーキブースター(5)は、前記窪み(4)の前記縁領域(6)上に着座する縁面(7)を有していることを特徴する請求項2に記載の自動車。
【請求項4】
エラストマーリング(8)が、前記縁領域(6)を向いた側の前記ブレーキブースター(5)の前記縁面(7)上に配置されている請求項3に記載の自動車。
【請求項5】
前記ブレーキブースター(5)は、前記第一壁(3a)にネジ留めされていることを特徴とする請求項1乃至4に記載の自動車。
【請求項6】
前記第二壁(3b)は、前記ブレーキブースター(5)用のフィードスルー開口(10)を有していることを特徴とする請求項1乃至5に記載の自動車。
【請求項7】
前記フィードスルー開口(10)と前記ブレーキブースター(5)との間のギャップ(11)は、前記フィードスルー開口の領域において、1mmと200mmの間、好ましくは1mmと5mmの間となっていることを特徴とする請求項6に記載の自動車。
【請求項8】
前記正面壁(1)は、前記窪み(4)の領域及び/又は前記フィードスルー開口(10)の領域に複数の湾曲を有していることを特徴とする請求項6又は7記載の自動車。
【請求項9】
前記正面壁(1)は、前記窪み(4)の領域に複数の補強ウェブを有していることを特徴とする請求項1乃至8に記載の自動車。
【請求項10】
発泡体(12)が、前記第一壁(3a)と前記第二壁(3b)との間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至9に記載の自動車。
【請求項11】
前記ブレーキブースターは、前記ブレーキブースターの外表面(13)において泡をはじく物質で覆われていることを特徴とする請求項1乃至10に記載の自動車。
【請求項12】
前記正面壁(1)は、自動車の車体の正面壁フレーム(14)に搭載するためのモジュールとして設計されていることを特徴とする請求項1乃至11に記載の自動車。
【請求項13】
前記第一壁(3a)及び/又は前記第二壁(3b)は、プラスチック材又は金属から形成されていることを特徴とする請求項1乃至12に記載の自動車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2006−502038(P2006−502038A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542411(P2004−542411)
【出願日】平成15年10月2日(2003.10.2)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010950
【国際公開番号】WO2004/033274
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(504328912)フォールシア インネンラオム システム ゲーエムベーハー (7)
【Fターム(参考)】