説明

自動金属皮膜形成装置及びウェーハへの金属皮膜の形成方法

【課題】カップ内で半導体ウェーハに金属皮膜(めっき)を形成後、ウェーハに付着しためっき液を迅速かつ確実にカップ内に戻すことにより効率的に処理しうる自動金属皮膜形成装置及びウェーハへの金属皮膜の形成方法を提供。
【解決手段】ローダー・アンローダー部と、ウェーハアライナー部と、スカラロボットと、めっき処理カップ部と、リンサードライヤー部と、めっき液を供給・循環するポンプとを具備し、これら一連の動作をスカラロボットがウェーハを把持し各部へ搬送しながら処理を行う自動金属皮膜形成装置であって、前記めっき処理カップ部には、めっき処理終了後に、めっき液面から持ち上げられ、可動手段によってカップの上で傾斜させられたウェーハに向かって、洗浄用媒体を噴射して、ウェーハに付着している液をカップ内に戻すための噴射ノズルが設けられていることを特徴とする自動金属皮膜形成装置によって提供。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動金属皮膜形成装置及びウェーハへの金属皮膜の形成方法に関し、より詳しくは、カップ内で半導体ウェーハに金属皮膜(めっき)を形成後、ウェーハに付着しためっき液を迅速かつ確実にカップ内に戻すことにより効率的に処理しうる自動金属皮膜形成装置及びウェーハへの金属皮膜の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、一般に単結晶シリコンなどの円盤状ウェーハに多数一括して形成し、これを一つ一つの素子に切り離してから、半導体上に形成された電極をリードにワイヤボンデイングすることで製造される。この際にワイヤボンデイング部分は、一定の厚みがないとワイヤとの接続を十分に確保できないが、ワイヤボンデイングを利用しないで直接的にリードにバンプ電極を接続しようとすれば更に肉厚の電極が必要となる。そのため、金等の良導電体を厚くめっきして電極が形成される。
【0003】
こうした電極形成では、通常、めっき液中のアノードと陽電荷を帯びた金属イオン及びめっき領域とでもって閉電流回路を形成し、めっきが途切れることなく連続的に成長するように、カップ型のめっき槽でめっき液が噴流となってウェーハに接触するようにした自動めっき装置(カップ型めっき装置ともいう)が用いられている。
【0004】
自動めっき装置としては、めっき槽と各ステージを略円形に配置し、その中央に上下動軸を中心とした回動動作可能な搬送ロボットが位置し、搬送ロボットがカセットに納めて供給される複数枚のウェーハに対し、カセットからウェーハを一枚ずつ取り出しながら、一連の処理を順次的に施すことが提案されている(特許文献1参照)。
これによれば、図6に示すように、搬送ロボット2を囲み、かつ把持アーム8の最大伸長時に把持アームの先端部の把持部が到達可能な範囲内にロードステージ3、向き合わせステージ4、めっきステージ6、回収ステージ34、及び洗浄ステージ7を備えることにより、従来、ウェーハWを数枚〜数十枚程度の小ロットで処理する場合のめっき関連の一連の処理を、作業者がウェーハに手を触れることなく行なえるようにしている。
【0005】
ところが、この装置の回収ステージ34は、ウェーハのめっき処理面に下方から回収液を吹き付けて、ウェーハに付着していた余分なめっき液を回収するものであるが、めっきステージ6からの液持ち出しによるロスを全く考慮していないために、めっき液が徐々に減り、経済的損失、より多くの廃液処理につながっていた。しかも、回収ステージ34の存在で、めっき処理スペースが十分に確保できないという問題もあった。
【0006】
ところで、めっき装置では、最近、めっき処理の高速化と、めっき厚の均一化が要請されている(特許文献2参照)。そのため、めっき槽の噴射ノズル内とその周囲にアノードを配することが提案されている。そして、ここにはポンプについて詳細には記載されていないが、通常、めっき液の供給、送液は、すべり軸受付きのポンプで行われている。
しかしながら、このような従来のポンプでは、金めっき液を送液する場合、ポンプのすべり軸受で発生した摩擦で、めっき液より析出した金属が徐々に軸とすべり軸受の間に成長して摩擦が増大し流量が不安定になり最終的には軸とすべり軸受を固着しポンプを停止させる。このため、従来のポンプでは、短時間のうちに定期的に分解し内部を洗浄する必要があり、洗浄時は装置を停止するため稼働率低下につながり、また洗浄時に高価な金めっき液を無駄にしてしまうため、メンテナンスコストが高いという問題があった。
【0007】
このような状況下、液持ち出しによるロスを大幅に低減でき、十分なめっきスペースを確保できるだけでなく、トータルの処理時間も短縮できる自動めっき装置の出現が切望されていた。
【特許文献1】特開平10−204690号公報
【特許文献2】特開平11−158686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記従来の課題に鑑み、カップ内で半導体ウェーハに金属皮膜(めっき)を形成後、ウェーハに付着しためっき液を迅速かつ確実にカップ内に戻すことにより効率的に処理しうる自動金属皮膜形成装置及びウェーハへの金属皮膜の形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、ウェーハに金属皮膜を形成するめっき処理カップ部において、めっき処理終了後に、ウェーハを把持したスカラロボットの把持アームを回転させてウェーハを傾斜させ、引き続き、カップ側面方向の噴射ノズルからウェーハのめっき液付着面に向かって水や不活性ガスなどの洗浄媒体を吹き付けるように構成することで、ウェーハに付着している液が効率的にカップ内に戻り、しかもウェーハからの液だれを抑制できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、めっき処理前または処理済みのウェーハを受け入れるローダー・アンローダー部と、ウェーハの向きを揃えるウェーハアライナー部と、ウェーハを把持し各部へ搬送するスカラロボットと、ウェーハに金属皮膜を形成するためのカップを有するめっき処理カップ部と、ウェーハに形成された金属皮膜を洗浄し乾燥するリンサードライヤー部と、めっき液をめっき処理カップ部へ供給する第1のポンプ及び循環する第2のポンプとを具備し、これら一連の動作をスカラロボットがウェーハを把持し各部へ搬送しながら処理を行う自動金属皮膜形成装置であって、前記めっき処理カップ部には、めっき処理終了後に、めっき液面から持ち上げられ、可動手段によってカップの上で傾斜させられたウェーハに向かって、洗浄用媒体を噴射して、ウェーハに付着している液をカップ内に戻すための噴射ノズルが設けられていることを特徴とする自動金属皮膜形成装置が提供される。
【0011】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、さらに、ウェーハをめっき処理前に予め親水化処理もしくは酸化皮膜剥離する前処理部を具備することを特徴とする自動金属皮膜形成装置が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記可動手段が、スカラロボットによって制御され、ウェーハを回転させる把持アームであることを特徴とする自動金属皮膜形成装置が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記噴射ノズルが、めっき処理カップ部の側面方向の中央部分に1個配置されていることを特徴とする自動金属皮膜形成装置が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、前記噴射ノズルが、めっき処理カップ部の側面方向に略等間隔で2個以上配置されていることを特徴とする自動金属皮膜形成装置が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、めっき処理カップ部の上蓋には、さらに、カソード電極洗浄用ノズルが設けられることを特徴とする自動金属皮膜形成装置が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、第1のポンプ及び/又は第2のポンプの軸受が、無接触型軸受であることを特徴とする自動金属皮膜形成装置が提供される。
【0012】
一方、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明に係る自動金属皮膜形成装置を用いるウェーハへの金属皮膜の形成方法であって、めっき処理カップ部でウェーハに金属皮膜を形成した後に、処理済みのウェーハをめっき液面から持ち上げ、スカラロボットによって制御されかつウェーハを水平方向に対して傾斜させるための可動手段によって、カップの上でウェーハを傾斜させ、引き続き、カップ側面方向に設けられた少なくとも1個の洗浄用噴射ノズルから、ウェーハのめっき液付着面に向かって洗浄用媒体を噴射してウェーハに付着している液をカップ内に戻すとともに、ウェーハからの液だれを抑制することを特徴とするウェーハへの金属皮膜の形成方法が提供される。
【0013】
また、本発明の第9の発明によれば、第8の発明において、ウェーハの傾斜角度が、水平方向に対して5〜85度であることを特徴とするウェーハへの金属皮膜の形成方法が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第8の発明において、洗浄用媒体が水であるときは、水の噴射時間が、30秒以下であることを特徴とするウェーハへの金属皮膜の形成方法が提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、第10の発明において、水の噴射量が、10〜350ml/sであることを特徴とするウェーハへの金属皮膜の形成方法が提供される。
また、本発明の第12の発明によれば、第8の発明において、洗浄用媒体が不活性ガスであるときは、不活性ガスの噴射時間が、30秒以下であることを特徴とするウェーハへの金属皮膜の形成方法が提供される。
また、本発明の第13の発明によれば、第12の発明において、不活性ガスの噴射量が、10〜500ml/sであることを特徴とするウェーハへの金属皮膜の形成方法が提供される。
さらに、本発明の第14の発明によれば、第8の発明において、さらに、カソード電極洗浄用ノズルから洗浄用媒体を噴射して、カソード電極を洗浄することを特徴とするウェーハへの金属皮膜の形成方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の自動金属皮膜形成装置は、めっき処理が終わったウェーハをカップの上で持ち上げた後、傾けてから水や不活性ガスなどの洗浄用媒体を吹き付けて、ウェーハに付着しためっき液を回収するので、めっき液の回収量が従来よりも増えるとともに、短時間で処理を終えることができる。また、従来必要とされていた回収ステージを省略できるので、スペースが広がり、めっきステージを拡張できる。このため、めっき処理が迅速化され、生産性が大幅に向上する。
さらに、本発明の装置には、無接触軸受、例えば磁気浮上型のポンプを備えているので、軸受で金が析出することがなくなり、ポンプの故障や洗浄がなくなり安定的かつ稼働率低下することなくめっき処理を継続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の自動金属皮膜形成装置及びウェーハへの金属皮膜形成方法について図1〜5を用いて詳細に説明する。
【0016】
1.自動金属皮膜形成装置
本発明の自動金属皮膜形成装置は、めっき処理前または処理済みのウェーハを受け入れるローダー・アンローダー部と、ウェーハの向きを揃えるウェーハアライナー部と、ウェーハを把持し各部へ搬送するスカラロボットと、ウェーハに金属皮膜を形成するためのカップを有するめっき処理カップ部と、ウェーハに形成された金属皮膜を洗浄し乾燥するリンサードライヤー部と、めっき液をめっき処理カップ部へ供給する第1のポンプ及び循環する第2のポンプとを具備し、これら一連の動作をスカラロボットがウェーハを把持し各部へ搬送しながら処理を行う自動金属皮膜形成装置であって、前記めっき処理カップ部には、めっき処理終了後に、めっき液面から持ち上げられ、可動手段によってカップの上で傾斜させられたウェーハに向かって、洗浄用媒体を噴射して、ウェーハに付着している液をカップ内に戻すための噴射ノズルが設けられていることを特徴とする。本発明において洗浄用媒体としては、純水等の水系媒体や窒素等の不活性ガスを主成分とする気体が挙げられる。
【0017】
本発明の自動金属皮膜形成装置は、図4のような全体構造であり、装置の各ステージが図5のように配置されている。スカラロボット2の回りに、ローダー・アンローダー部3、ウェーハアライナー部4、前処理部5、めっき処理カップ部6、及びリンサードライヤー部7がほぼ円形となるように配置され、これらが筐体フレーム1内で固定している。これらの各ステージと搬送ロボットとの距離は、搬送ロボットの把持アームが伸長した時に先端部が到達可能な範囲とされる。なお、前処理部5は、ウェーハをめっき処理前に予め親水化処理もしくは酸化皮膜剥離するステージであり、本発明において必須ではないが、これを具備することが好ましい。
【0018】
ローダー3(ロードステージ)は、めっき処理するためにカセットに入れて運び込まれるウェーハが載置されるキャリア(載置台)である。半導体ウェーハは、その表面に各種の処理を施して、該表面に回路パターンを形成するに当たり、ウェーハを各種の処理装置間を巡って搬送するとき、複数枚のウェーハをまとめて1つの容器(カセット)に収納して搬送される。この容器は、密閉構造にされており、ウェーハの表面に微細加工に有害な外気中の粉塵やパーティクルが付着しない。ウェーハは、通常、回路面(めっき面)を上向きにキャリアに装填される。本発明においては、ロードステージが、ローダー及びアンローダー兼用ステージとなっている。
【0019】
スカラロボット2(搬送ロボット、以下単にロボットともいう)は、ウェーハキャリア内のウェーハを出し入れするための把持アーム8、その先端にハンド20を備えている。ハンドの材質は、軽量であるアルミ合金をベースとする軽合金、又はセラミックスが使用され、軽合金の表面には、白アルマイト、フッ素樹脂などの皮膜を形成することができる。把持アーム8は、複数にすることもできる。ハンド20は、把持アーム8に複数取り付けることもできる。
【0020】
把持アーム8は、前後方向に伸縮し、また上下動でき、さらに上下動軸を中心として回動動作を行う可動手段である。また、把持アームの先端部には、ウェーハWの裏面(めっき面とは反対側)を吸着して搬送できる構造のものと、ウェーハの外周を把持するものが選択できる。ウェーハの吸着確認は、半導体圧力センサーによる吸引圧検出方式もしくは吸着時の流量検出方式によりできる。ウェーハの把持確認は、把持する爪の位置検出センサーによりできる。また、液ダレ防止のため、スカラロボット周囲に液受けパッドを設置して、パッドに吸液シートを敷いてもよい。
【0021】
ロボット2は、ウェーハキャリア内のマッピングを行う。容器には、複数枚のウェーハが常に満杯に収納されているとは限らず、容器内に空いた棚が存在する場合があるので、ロボットが容器から1枚ずつウェーハを取り出したり、元の位置に収納したりする作業を行なうに際しては、容器のどの位置にウェーハが存在するか、ウェーハの容器内における存在状況を把握しておく必要がある。このために、アームに搭載している透過式光学センサーもしくは反射式光学センサーを昇降させてマッピングさせる。
【0022】
ウェーハアライナー部4(向き合わせステージ)は、半導体ウェーハに形成されたオリエンテーションフラット(以下、オリフラという)やノッチの位置を自動的に合わせて製造ラインの自動化を図るステージである。そのためオリフラタイプのウェーハ用であればオリフラ合わせ器、またノッチタイプのウェーハ用であればノッチ合わせ器が設けられる。これらオリフラ合わせ器やノッチ合わせ器には既存のものを用いることができる。本発明においては、ウェーハの裏面を吸着し光学式で検出する手段、もしくはウェーハの外周を把持して光学式または機械的に検出する手段が採用できる。
【0023】
前処理部5は、前記したとおり、めっき処理前のウェーハに親水化処理もしくは酸化皮膜剥離処理を行うステージである。めっき処理前のウェーハ被めっき面の撥水性が高い場合、めっき時に気泡が付着し、ピンホールなどめっき未着欠陥を生じ易い。特に、半導体ウェーハでは被めっき面に微細な孔及び溝があるので、ウェーハをめっき液に浸漬されると孔及び溝の中に気泡が残りめっき未着となり易い。そのため前処理部では、めっき処理前のウェーハに親水化処理を行うことが望ましい。また、銅めっきなどでは、めっき前にウェーハの酸化皮膜を除去する必要があり、処理薬液として例えば希硫酸を選択することにより、ウェーハの酸化皮膜を除去すると同時に親水化処理をすることができる。本発明においては、フェイスダウンにて、ウェーハに純水を吹き付ける方式で親水化処理する手段が用いることができる。
【0024】
めっき処理カップ部6(めっきステージ)は、図1、図2に示すような構造をしている。このように、めっき処理カップ部6は、めっきカップ槽の内部に設けられ、他の各ステージから仕切られている。その側面には、ウェーハを出し入れする際に開閉するシャッター22が設置されている。シャッターは、外部からのパーティクルの進入を防止し、めっき槽内の不活性ガスの機密を保つ。めっきカップ槽の構造は、カップ本体10とウェーハ押さえ23を含む上蓋から構成され、中蓋27で区切られている。カップ本体10は、一般的に広く用いられているカップ式めっき装置をベースとして用いることができる。一例を示す図5には、めっき槽(カップ)が5個隣り合って設けられた装置が図示されている。
【0025】
カップ型めっき装置は、めっき成長面であるウェーハの表面側に高流速でめっき液の噴流を当て、ウェーハ表面上で高速にめっき液の流れを作ることによりウェーハ表面上のめっき液を常に新しいものと交換し、めっきの成長が途切れることなく金属陽イオンを供給して均一なめっき膜の成長を図ろうとするものである。
【0026】
そのためカップの内部にアノード電極25、その下部にウェーハのめっき成長領域に対して噴流を当てるための噴流スリーブ31、整流板30が設けられている。ウェーハのめっき成長領域に対して噴流として吹き付けられためっき液は、噴流カップの側面部に形成された孔から外部に流れ出る。外部に流れ出ためっき液は、フィルターでゴミなどが除かれ、ポンプで循環され、再度ウェーハの表面に噴流になって吹き付けられ、この繰り返しとなる。
【0027】
ウェーハリング24の内周部にはシール機構が設けられる。ウェーハホルダーは、前記ウェーハWの外周縁を受けるウェーハリング24を有するとともに、このウェーハリング24によって前記ウェーハWのめっき不要面である裏面にめっき噴流が回り込まないようにしている。めっき噴流が回り込むことがないので、ウェーハの裏面に好ましくない、めっき成長が起こることもない。
【0028】
めっき処理終了後は、処理されたウェーハがウェーハ押さえ23からスムーズに離れるように押さえ部外周に板ばねを取付けることができる。接触部の材質は、ウェーハ傷防止のためPP、PE、PPS、PEEK、フッ素系ゴム、シリコンゴムなどのウェーハより柔らかい軟質材とすることが好ましい。
【0029】
カップの上蓋には、図3に示されるように、カソード電極洗浄機構である噴射ノズル16が組み込まれている。カソード電極洗浄機構とは、めっき終了後、ウェーハWを取り出したときに、噴射ノズル16からカソード電極14に洗浄用媒体である水及び/又は不活性ガスを吹き付けて洗浄するものである。これにより、電極性能が維持されるだけでなく、付着物を液中に落として金の回収率を向上することができる。洗浄用ノズルの本数は、カソード電極の数にもよるが、洗浄に必要なだけ用意する。図1には6箇所にカソード電極が存在することを示している。
【0030】
めっきカップ槽6のカップ本体10の上端とウェーハ押さえ23との間隔は、ロボットが搬送アームを回転させたときに、ウェーハが装置に接触しないだけの十分な距離が必要である。めっきカップ槽の側面にはカップ本体10の上端よりも上に、洗浄用媒体噴射ノズル11が少なくとも一箇所配置される。すなわち、噴射ノズルは、めっき処理カップ部の側面方向の中央部分に1個、あるいはめっき処理カップ部の側面方向に略等間隔で2個以上配置される。噴射ノズル11は、少なくとも純水を噴射できなければならず、不活性ガスだけの噴射では十分な効果が得られない場合がある。
【0031】
図3では、傾斜してめっき面が見えているウェーハWに向かって、真正面に噴射ノズル11を位置させている。噴射ノズル11先端の向きは、水平もしくは上向きとし、傾斜したウェーハWの少なくとも上端付近に水が当たるようにすることが望ましい。例えば、水平方向に対して、85度以下、好ましくは5〜30度だけ上向きとする。噴射ノズルを下に向けると、水がウェーハに当たらず、仮に当たったとしても液が流れにくく、効率が悪くなるので好ましくない。一方、85度を超えて上に向けると、純水がウェーハに当たらない場所ができることがある。
噴射は、めっきが終了し、ロボットのアームで上方に持ち上げられたウェーハに対して、ウェーハがカップの上に位置した状態で行われる。本発明においては、傾斜させられたウェーハの端部から流れ落ちる液が実質的全てカップ内に戻るような位置とすることが望ましい。
【0032】
噴射ノズル11は、純水がウェーハWめっき面の実質的全面に吹き付けられるような広がり角度に設定される。例えば、左右方向に対して、0〜60度、好ましくは5〜30度であることが好ましい。角度が60度よりも大きいと、水がウェーハに当たらない場所ができることがあるので好ましくない。また、噴射ノズル11の角度は、ウェーハ中心からずらすことも可能である。不活性ガスは、その種類によって制限されないが取り扱い性、コストの両面で窒素が好ましい。また、不活性ガスの代わりに空気を用いても同様な効果を期待することができる。
【0033】
ポンプ32は、図4に示すように、めっき液を噴流させる噴流系統と、めっき液を循環させる循環系統の2系統が設置される。金めっき液は、通常高温に加熱されており、電解めっきの場合では60〜70℃になっている。そのため、めっきカップ槽6内のめっき液を噴流攪拌しないと、カップ本体10の上下で温度差ができ精密な制御が困難になってしまう。特に、ノンシアン金めっき液では液温ムラにより、めっき液が劣化してしまう。めっき処理をしていない待機状態においても噴流攪拌するのがよい。また、循環系統には、ゴミをろ過するフィルター33が取付けられる。このため、めっき液は常時循環することが好ましい。
【0034】
本発明においてポンプ32は、軸受が無接触型のもの、すなわち、すべり軸受がなく例えば磁力などで浮上する無接触軸受タイプのポンプを採用しなければならない。その一例として、特開2005−16677号公報に記載のポンプを挙げることができる。これは、ロータと、その軸線方向に沿って、その上部に配置された上部ステータ及び下部に配置された下部ステータとを備え、前記ロータをその軸線方向に沿ってアキシャル磁気浮上させながら、軸線のまわりに非接触状態で回転させるアキシャル型磁気浮上遠心ポンプである。このポンプは、磁力で浮上しすべり軸受がないため、従来のようにすべり軸受部分に金が析出して故障もしくは洗浄することがない。
【0035】
リンサードライヤー部7(洗浄ステージ)は、めっき処理が終わったウェーハの表・裏面を純水で洗浄後、乾燥させるもので、公知の洗浄装置を利用できる。一箇所以上に設置でき、本発明においては、図5のように生産効率を高めるために、2基配置している。
【0036】
例えば、洗浄装置の内部にウェーハを配置した後、減圧される洗浄室と、該洗浄室内で、所定流量の純水をウェーハに向けて噴射するための噴射ノズルと、洗浄後、即座に水を蒸発させる手段とを備えることができる。洗浄用の純水は、常温であっても温水であってもよい。噴射ノズルとしては、例えば直径1mm以下、特に0.05〜0.5mmの水吹出し穴を多数有するものが好適である。洗浄室内のヒータにより、水の蒸発が促進される。回収バッファータンクは、リンサードライヤー部で使用した洗浄液を貯めて、外部の金回収ユニットにポンプ送液することもできる。
【0037】
2.ウェーハへの金属皮膜の形成方法
本発明のウェーハへの金属皮膜の形成方法は、上記の自動金属皮膜形成装置を用いるウェーハへの金属皮膜の形成方法であって、めっき処理カップ部でウェーハに金属皮膜を形成した後に、処理済みのウェーハをめっき液面から持ち上げ、スカラロボットによって制御されかつウェーハを水平方向に対して傾斜させるための可動手段によって、カップの上でウェーハを傾斜させ、引き続き、カップ側面方向に設けられた少なくとも1個の洗浄用噴射ノズルから、ウェーハのめっき液付着面に向かって洗浄用媒体を噴射してウェーハに付着している液をカップ内に戻すとともに、ウェーハからの液だれを抑制することを特徴とする。
【0038】
すなわち、本発明の自動金属皮膜形成装置を用いて、(1)必要により、予めウェーハを前処理部で親水化処理もしくは酸化皮膜剥離した後、(2)めっき処理カップ部でウェーハに金属皮膜を形成し、引き続き、(3)リンサードライヤー部でウェーハの金属皮膜に洗浄液を吹き付けて洗浄し乾燥させ、めっき処理を終えたウェーハをローダー・アンローダー部のカセットに収容する一連の動作をスカラロボットがウェーハを把持し各部へ移送しながら行う、ウェーハへ金属皮膜を形成する方法であって、めっき処理終了後に、スカラロボットがウェーハを持ち上げてから傾斜させ、引き続き、洗浄媒体噴射ノズルが、ウェーハのめっき液付着面に向かって洗浄媒体を吹き付けてウェーハに付着している液をカップ内に戻すことを特徴とする。本発明において用いられる洗浄用媒体としては、純水等の水系媒体や窒素等の不活性ガスを主成分とする気体が挙げられ、その使用形態や使用方法は特に限定されない。
【0039】
このような自動金属皮膜形成装置を用いためっき処理は、以下のようにして行なわれる。
(1)まず、ローダー(ロードステージ)に、めっき処理されるウェーハがカセットに納めて供給される。スカラロボットは、ウェーハキャリア内のマッピングを行う。ロードステージにカセットが供給されると、コンピュータ制御に基づいて、ロボットが把持アームでウェーハを吸着・把持してカセットから取り出す。
次いで、ロボットは、ウェーハを搬送してウェーハアライナー部のオリフラ合わせ器、ノッチ合わせ器にかける。次に、ロボットは、必要によりウェーハを前処理部へ搬送し、めっき処理前のウェーハに親水化処理もしくは酸化皮膜除去を行う。ここでは、めっき前にウェーハを液体、好ましくは純水に浸漬し、この状態で減圧脱気することもできる。本発明においてはフェイスダウンにて水を吹き付ける方式でウェーハを処理することが好ましい。これにより孔及び溝の中の空気が水で置換され気泡によるめっき欠陥を防ぐことが可能となる。
【0040】
(2)その後、スカラロボットは、めっき処理部のめっきカップ本体の何れか空いているステージにウェーハを供給する。被めっき面が乾燥してしまうと処理効果が消失するため被めっき面を濡らしたままめっき処理部に搬送する必要がある。めっき槽では、ウェーハ押さえ部がエアーシリンダーにて降下し、カップシールへ密着させ、めっき槽内でめっき処理がなされる。貯液として、例えば、ノンシアンAuめっき液(弱アルカリ〜アルカリ)が使用される。液温は、定電流電解めっき方式では、一般的に60〜70℃とされる。槽内部を窒素パージすることで、めっき液の劣化が防止できる。
めっき液は、すべり軸受の無い無接触型軸受、例えば、磁力で浮上する磁気浮上型ポンプで送液される。すべり軸受がないため、従来のように軸受部分に金が析出して故障もしくは洗浄することがない。処理終了後はエアーシリンダーを上昇させ、ウェーハ押さえ部を持ち上げる。押さえ部外周に板ばねが取付けられているので、この時にウェーハをスムーズに離すことができる。
【0041】
めっき処理カップ部では、めっき処理終了後に、ウェーハに残留しためっき液を回収する。これは、本発明の特徴部分であり、図3に示したように、めっき処理終了後に、ロボットの搬送アームを回転しハンド20で把持されたウェーハWを傾斜して、水、窒素を吹き付けてウェーハに付着している液をカップ10内に戻す工程である。
【0042】
ウェーハWの傾斜角度は、前記した理由により、水平方向に対して下方に5〜30度、特に10〜25度となるようにすることが好ましい。傾斜角度が5度よりも小さいと、水がウェーハに当たっても液が流れにくく、効率が悪くなる。一方、角度が30度よりも大きいと、水がウェーハに当たらない場所ができることがあるので好ましくない。噴射は、めっきが終了し、ロボットのアームで上方に持ち上げられたウェーハに対して、ウェーハがカップの上に位置した状態で行われる。本発明においては、傾斜させられたウェーハの端部から流れ落ちる液が実質的全てカップ内に戻るような位置とすることが望ましい。ウェーハを傾斜した後、引き続いてカップ側面に設置された噴射ノズル11からの水でウェーハWを洗浄し、窒素で水のしずくを吹き払う。このとき水や窒素は、傾斜して高い位置になったウェーハの上端部近辺に向けて噴射することが好ましい。すなわち、ウェーハWの表面を重力で自然に流下するめっき液が、その流下速度を増しながらウェーハのほぼ全面を流れることになる位置に噴射することが望ましい。噴射に際しては、必要により、ロボットのアームを動かしてウェーハを前後または左右にスライドさせることもできる。
【0043】
水系媒体、不活性ガスを主成分とする気体の両者は、別々に噴射することが好ましい。それぞれの噴射時間と噴射量は、適宜設定できる。噴射時間は、比較的短時間でよく、水が30秒以下、不活性ガスが30秒以下となるように、シーケンサーを機能させ、これを予め装置のコンピュータにプログラム化しておく。好ましい噴射時間は、水が1〜10秒、不活性ガスが1〜30秒である。これよりも時間が短いと、めっき液の回収が不十分となる。
【0044】
水は、純水が好ましいがそれに限定されるものではなく、また常温ないし70℃以下に加熱された温水が使用できる。水の噴射量は、10〜350ml/sが好ましい。10ml/s以上であれば、十分にウェーハに付着しためっき液をカップ内に戻すことができ、搬送時にウェーハからの液ダレも防ぐことができる。350ml/sよりも多いと、めっき液が薄くなってしまう。ウェーハ1枚あたりに要する水量は、めっき液の補給量程度、例えば10〜200mlと極めて少量でよい
【0045】
不活性ガスの種類は、特に制限されないが取り扱い性、コストの両面で窒素が好ましい。また、その噴射圧力も適宜設定できる。めっき液に気体を吹き付けると、気体の種類によっては、めっき液が変質して、めっき液の劣化が進み、めっき液の取り替えが必要になることがあるが、本発明では不活性ガスを用いるため、めっき液を劣化する恐れはない。
不活性ガスの噴射量は、10〜500ml/sとする。10ml/s以上であれば、十分にウェーハに付着した液をカップ内に戻すことができ、搬送時にウェーハからの液ダレも防ぐことができる。500ml/sよりも多いと、動作時間面とコスト面で好ましくない。不活性ガス量は、ウェーハ一枚当たり、例えば100〜2500mlと極めて少量でよい。この噴射操作により、液持ち出しを最小限に抑えることができ、別途回収ユニットを設ける必要性もなくなる。
【0046】
また、本発明においては、めっき終了後、ウェーハからめっき液を回収してから、カップ上蓋に設けられた洗浄媒体噴射ノズルからカソード電極に水を吹き付けて洗浄し、窒素を吹き付けることができる。図では6箇所にカソード電極が存在するが、この洗浄によりカソード電極が清浄化され、電極性能が維持されるようになる。
【0047】
(3)めっきステージでの処理が終わると、上記と同様な動作で搬送ロボットがウェーハを搬送して洗浄ステージに供給する。リンサードライヤー部では、めっき処理が終わったウェーハの表・裏面を水洗浄してから乾燥させる。
【0048】
水洗浄は、上記前処理の親水化工程と同様にして、水をウェーハに吹き付けることによる。例えば直径200mmのウェーハの1表面を1回洗浄するには、50〜500mlの水が必要とされる。多数の微細ノズル穴を有する噴射ノズルより微細水滴を少量吹出させ、ウェーハ1枚を洗浄することにより水の使用量を減らすことでランニングコストを抑えることができる。
【0049】
減圧された洗浄室内に吹出された少量の水滴は、一部は蒸発しながらウェーハ表面に衝突するが、一部は微細水滴で衝突し、ウェーハ表面の汚染物を除去する。衝突後は、水滴を即座に蒸気として蒸発させるために、予め加熱された加速ガス、パージガスを必要に応じて併用することによって更に加熱し、完全に蒸発させることもできる。又、蒸発を補う加熱源として、洗浄室内に赤外線加熱ヒータやその他のヒータを付加することで、ウェーハ表面の水分の除去を促進することができる。
【0050】
洗浄室内を30KPa以下(例えば、3KPa程度)の圧力に減圧することで、水分の蒸発を促すと同時に、除去された汚染物の再付着を防止することができる。ウェーハの表面を洗浄するに際しては、噴射ノズルに対し直角の方向にジグザグにウェーハをスキャンさせる方式、あるいは、ウェーハの中心から半径方向に噴射ノズルを設置し、ウェーハ回転軸でウェーハを回転させながら遥動する回転及び遥動型の駆動方式を採ることができる。
【0051】
回収バッファータンクは、リンサードライヤー部で使用した洗浄液を貯めて、外部の金回収ユニットにポンプ送液する。本発明は、上記の工程を繰り返すことで、従来よりも効率的に金を回収できる。
【0052】
以上、単結晶シリコンなどのウェーハをめっきするための装置として、各ステージが円形に配置されたカップ型のめっき装置を用いた場合で説明したが、本発明の装置は、横長のラインをロボットが直線的に移動してウェーハを搬送しながら処理する装置にも好ましく適用できる。また、金めっきだけでなく、銅めっき、錫めっきなどにも同様にして適用できる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明の実施例、比較例を示すが、本発明は、この実施例に限定して解釈されるものではない。
【0054】
[実施例1]
カップ型めっき装置のめっき槽を図2のように改良し、直径200mmのシリコンウェーハをノンシアンAuめっき液(弱アルカリ〜アルカリ)でめっきした。めっき液温は、65℃とした。めっき後に、図3のように、ウェーハを水平方向に対して15度傾斜させ、噴射ノズルから、純水を5秒、不活性ガス(窒素)を10秒噴射させた。水量は25ml/s、窒素量は50ml/sとした。終了後にウェーハを取り出したが、めっき面は十分乾燥しており、全く液ダレが起こらなかった。
【0055】
[実施例2]
めっき後に、ウェーハを水平方向に対して5度傾斜させ、噴射ノズルから、純水を10秒、不活性ガスを20秒噴射させた以外は実施例1と同様にして処理した。終了後にウェーハを取り出したが、めっき面は十分乾燥しており、全く液ダレが起らなかった。
【0056】
[比較例1]
めっき後に、ウェーハをカップから持ち上げ、純水、不活性ガスを噴射させることなく、回収ステージに移した。回収ステージの洗浄槽で、ウェーハに下から純水を30秒間吹き付けて洗浄した。ウェーハをカップから持ち上げ、回収ステージに移す際に、ウェーハから液ダレがあり、めっき液のロスが生じた。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の自動金属皮膜形成装置(カップ型めっき槽)の平面図である。
【図2】図1の自動金属皮膜形成装置の正面図である。
【図3】本発明の自動金属皮膜形成装置(カップ型めっき槽)で傾斜させたウェーハに純水を噴射している状態を示す説明図である。
【図4】本発明の自動金属皮膜形成装置の全体を示す正面図である。
【図5】本発明の自動金属皮膜形成装置の各ステージを示す平面図である。
【図6】従来の自動ウェーハめっき装置の各ステージを示す平面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 筐体フレーム
2 スカラロボット
3 ローダー・アンローダー部
4 ウェーハアライナー部
5 前処理部
6 めっき処理カップ槽
7 リンサードライヤー部
8 把持アーム
9 ポンプ
10 カップ本体
11 純水及び/又は不活性ガスの噴射ノズル
14 カソード電極
16 カソード電極洗浄用ノズル
20 ハンド
22 シャッター
23 ウェーハ押さえ
24 ウェーハリング
25 アノード電極
26 カップカバー
27 中蓋
30 整流板
31 噴流スリーブ
32 ポンプ
33 フィルター
34 回収ステージ
W ウェーハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
めっき処理前または処理済みのウェーハを受け入れるローダー・アンローダー部と、ウェーハの向きを揃えるウェーハアライナー部と、ウェーハを把持し各部へ搬送するスカラロボットと、ウェーハに金属皮膜を形成するためのカップを有するめっき処理カップ部と、ウェーハに形成された金属皮膜を洗浄し乾燥するリンサードライヤー部と、めっき液をめっき処理カップ部へ供給する第1のポンプ及び循環する第2のポンプとを具備し、これら一連の動作をスカラロボットがウェーハを把持し各部へ搬送しながら処理を行う自動金属皮膜形成装置であって、
前記めっき処理カップ部には、めっき処理終了後に、めっき液面から持ち上げられ、可動手段によってカップの上で傾斜させられたウェーハに向かって、洗浄用媒体を噴射して、ウェーハに付着している液をカップ内に戻すための噴射ノズルが設けられていることを特徴とする自動金属皮膜形成装置。
【請求項2】
さらに、ウェーハをめっき処理前に予め親水化処理もしくは酸化皮膜剥離する前処理部を具備することを特徴とする請求項1に記載の自動金属皮膜形成装置。
【請求項3】
前記可動手段が、スカラロボットによって制御され、ウェーハを回転させる把持アームであることを特徴とする請求項1に記載の自動金属皮膜形成装置。
【請求項4】
前記噴射ノズルが、めっき処理カップ部の側面方向の中央部分に1個配置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動金属皮膜形成装置。
【請求項5】
前記噴射ノズルが、めっき処理カップ部の側面方向に略等間隔で2個以上配置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動金属皮膜形成装置。
【請求項6】
めっき処理カップ部の上蓋には、さらに、カソード電極洗浄用ノズルが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の自動金属皮膜形成装置。
【請求項7】
第1及び/又は第2のポンプの軸受が、無接触型軸受であることを特徴とする請求項1に記載の自動金属皮膜形成装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の自動金属皮膜形成装置を用いるウェーハへの金属皮膜の形成方法であって、
めっき処理カップ部でウェーハに金属皮膜を形成した後に、処理済みのウェーハをめっき液面から持ち上げ、スカラロボットによって制御されかつウェーハを水平方向に対して傾斜させるための可動手段によって、カップの上でウェーハを傾斜させ、引き続き、カップ側面方向に設けられた少なくとも1個の洗浄用噴射ノズルから、ウェーハのめっき液付着面に向かって洗浄用媒体を噴射してウェーハに付着している液をカップ内に戻すとともに、ウェーハからの液だれを抑制することを特徴とするウェーハへの金属皮膜の形成方法。
【請求項9】
ウェーハの傾斜角度が、水平方向に対して5〜85度であることを特徴とする請求項8に記載のウェーハへの金属皮膜の形成方法。
【請求項10】
洗浄用媒体が水であるときは、水の噴射時間が、30秒以下であることを特徴とする請求項8に記載のウェーハへの金属皮膜の形成方法。
【請求項11】
水の噴射量が、10〜350ml/sであることを特徴とする請求項10に記載のウェーハへの金属皮膜の形成方法。
【請求項12】
洗浄用媒体が不活性ガスであるときは、不活性ガスの噴射時間が、30秒以下であることを特徴とする請求項8に記載のウェーハへの金属皮膜の形成方法。
【請求項13】
不活性ガスの噴射量が、10〜500ml/sであることを特徴とする請求項12に記載のウェーハへの金属皮膜の形成方法。
【請求項14】
さらに、カソード電極洗浄用ノズルから洗浄用媒体を噴射して、カソード電極を洗浄することを特徴とする請求項8に記載のウェーハへの金属皮膜の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−332435(P2007−332435A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−167250(P2006−167250)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(506209042)株式会社セミコンサイエンス (1)
【Fターム(参考)】