説明

自動音声応答装置

【課題】顧客満足度を向上させた自動音声応答装置を提供する。
【解決手段】制御部は、応答処理において、発信者番号が会員に該当する場合、メニューを利用者(会員)に通知し(S22)、利用者が選択したメニューに応じたグループを特定する(S23)。次に、制御部12は、グループに属する音データのリストを音声で利用者に通知する(S24)。利用者によって選択肢が選択されると、音声信号の送出を実行し(ステップS26)、処理をメニューの通知に戻す。ここで、グループは予め利用者が登録しているから、音データの選択候補に利用者の好みを反映させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信した電話に自動的に応答する自動音声応答装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、着信した電話を受けて複数の電話機のうちの空いている電話機へ転送する一方、当該電話を受けてから転送するまでの待機期間において当該電話に応答する自動音声応答装置が開示されている。この装置には、顧客毎に電話番号や年齢、方言、スピードを予め登録しておくことが可能である。そして、この装置は、電話への応答において、その電話の発信者番号と同一の電話番号が登録された顧客について登録された方言やスピードの音声ガイダンスを流す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−222603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の自動音声応答装置では、顧客に応じた音声ガイダンスを流すことができるが、顧客毎に相違しうるのは音声ガイダンスの方言やスピードのみであり、音声ガイダンスの内容はすべての顧客に共通である。つまり、応答の内容を顧客毎に異ならせることが困難という欠点がある。また、特許文献1に記載の自動音声応答装置では、同一の顧客に対しては常に同じ音声ガイダンスが流れる。つまり、同一の顧客からの複数回の電話への応答の内容を電話毎に異ならせることが困難という欠点がある。これらの欠点は、顧客満足度の向上を妨げる一因となりうる。
【0005】
そこで、本発明は、応答の内容を顧客毎および電話毎に異ならせることが容易な自動音声応答装置を提供することを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明に係る自動音声応答装置は、通信網を介して外部の電話機と接続されると共に、複数の端末と接続され、前記外部の電話機から電話が着信すると、前記複数の端末のうちの通話中でない端末がある場合には、前記外部の電話機と前記通話中でない端末との間で通話ができるように制御し、前記複数の端末のすべてが通話中の場合には、着信してから前記複数の端末のいずれかが通話を終了するまでの待機期間において、前記外部の電話機に対して所定の応答を行う応答部(例えば、実施形態に示す制御部12及び音声応答部11が対応)と、前記待機期間の応答に用いられる複数の音データの各々は、複数のグループのうち少なくとも一つのグループに属するものであり、前記グループを一意に識別するグループ識別情報と、会員を一意に特定する会員識別情報とを対応付けて記憶する第1記憶部(例えば、実施形態に示す会員データベースDB2)と、前記グループ識別情報と、当該グループ識別情報の示すグループに属する一又は複数の音データの各々の特徴を示し、会員が音データを特定するために用いられる特定情報とを対応付けて記憶する第2記憶部(例えば、実施形態に示す応答データベースDB1又はRAM13)とを備え、前記応答部は、会員を識別可能な通知情報(例えば、実施形態の発信者番号)が電話によって通知されると、前記通知情報に基づいて前記会員識別情報を生成する生成処理(例えば、実施形態に示すステップS15)と、前記第1記憶部を参照して、生成した会員識別情報に対応する前記グループ識別情報を指定する指定処理(例えば、実施形態に示すステップS23)と、前記第2記憶部を参照して、指定された前記グループ識別情報に対応する特定情報を取得する取得処理(例えば、実施形態に示すステップS24)と、取得した前記特定情報を音声信号に変換して、前記外部の電話機へ送出することによりグループに属する前記音データの選択を促す選択処理(例えば、実施形態に示すステップS24)と、会員によって音データが選択されると、選択された前記音データを用いて生成された音声信号を前記外部の電話機へ送出する送出処理(例えば、実施形態に示すステップS26)とを実行する。
【0007】
この発明によれば、待機期間において再生される音声信号を装置側で一意に決定するのではなく、音声信号を選択する余地を会員に委ねることができる。しかも、自動音声応答装置が提示するのは、予め登録されたグループであるので、選択の候補として提示される音データにも会員の意志を反映させることができる。よって、顧客満足度を大幅に向上させることが可能となる。
【0008】
次に、本発明に係る他の自動音声応答装置は、会員識別情報が電話によって直接提供される。この場合、自動音声応答装置は、通信網を介して外部の電話機と接続されると共に、複数の端末と接続され、前記外部の電話機から電話が着信すると、前記複数の端末のうちの通話中でない端末がある場合には、前記外部の電話機と前記通話中でない端末との間で通話ができるように制御し、前記複数の端末のすべてが通話中の場合には、着信してから前記複数の端末のいずれかが通話を終了するまでの待機期間において、前記外部の電話機に対して所定の応答を行う応答部と、前記待機期間の応答に用いられる複数の音データの各々は、複数のグループのうち少なくとも一つのグループに属するものであり、前記グループを一意に識別するグループ識別情報と、会員を一意に特定する会員識別情報とを対応付けて記憶する第1記憶部と、前記グループ識別情報と、当該グループ識別情報の示すグループに属する一又は複数の音データの各々の特徴を示し、会員が音データを特定するために用いられる特定情報とを対応付けて記憶する第2記憶部とを備え、前記応答部は、前記会員識別情報が電話によって通知されると、前記第1記憶部を参照して、通知された前記会員識別情報に対応する前記グループ識別情報を指定する指定処理と、会員を識別可能な通知情報が電話によって通知されると、前記通知情報に基づいて前記会員識別情報を生成する生成処理と、前記第1記憶部を参照して、生成した会員識別情報に対応する前記グループ識別情報を指定する指定処理と、前記第2記憶部を参照して、指定された前記グループ識別情報に対応する特定情報を取得する取得処理と、取得した前記特定情報を音声信号に変換して、前記外部の電話機へ送出することによりグループに属する前記音データの選択を促す選択処理と、会員によって音データが選択されると、選択された前記音データを用いて生成された音声信号を前記外部の電話機へ送出する送出処理とを実行する。
この発明によれば、上述した自動音声応答装置と同様に、音声信号を選択する余地を会員に委ねることができ、しかも、選択の候補として提示される音データにも会員の意志を反映させることが可能となる。
【0009】
上述した自動音声応答装置において、前記応答部は、電話が着信すると、着信した電話を識別する電話識別情報を待ち行列に入れ、前記待ち行列内に電話識別情報が入っており、かつ、前記複数の端末のうちのいずれかが空いているときに、最も古く前記待ち行列に入った電話識別情報を特定し、当該電話識別情報に係る電話を前記通話中でない端末に転送し、前記応答部は、さらに、前記待ち行列内に電話識別情報が入っている電話に対する応答の状況に基づいて、前記待ち行列内の電話識別情報の並びを変更する変更処理を行うことが好ましい。この場合、着信順に端末への電話の転送を実行することを原則としつつ、待ち行列に入っている電話の応答の状況に応じて、電話識別情報の並びを変更することができる。したがって、後に着信した電話であっても応答の状況によっては、先に端末に転送することができる。ここで、応答の状況とは、待ち行列にある電話が待機期間において自動音声応答装置から送信される音声信号の状況の意味である。
【0010】
より具体的には、前記応答部は、前記送出処理において、会員によって音データが選択されると、当該音データを一意に識別する音識別情報を生成し、当該音識別情報に対応する音データを用いて生成された音声信号を前記外部の電話機へ送出し、当該音声信号の送出を開始する時刻を送出開始時刻としたとき、前記待ち行列内に電話識別情報が入っている電話の前記送出開始時刻を、当該電話識別情報と対応付けて記憶する第3記憶部と、前記音データを用いて生成される音声信号の長さを示す時間情報と、当該音データの音識別情報とを対応付けて記憶する第4記憶部と、前記待ち行列内にある電話識別情報を、当該電話識別情報に係る電話において前記送出処理で用いられる前記音データを示す前記音識別情報と対応付けて記憶する第5記憶部とを備え、前記応答部は、前記変更処理において、前記第5記憶部を参照して、前記待ち行列内にある電話識別情報に対応する前記音識別情報を取得し、前記第4記憶部を参照して、取得した前記音識別情報に対応する前記時間情報を取得し、前記第3記憶部を参照して、取得した前記音識別情報に対応する前記送出開始時刻を取得し、取得した前記時間情報と取得した前記送出開始時刻とに基づいて、前記待ち行列内の電話識別情報の並びを変更することが好ましい。この態様は変形例(2)に対応する。
この場合には、音データの長さと、当該音データによる音声信号の送出開始時刻に基づいてどの電話を先に取り次ぐかを変更することが可能となる。
【0011】
例えば、前記応答部は、前記変更処理において、前記待ち行列にある電話識別情報の各々について、前記送出開始時刻に前記時間情報の示す時間を加算して前記送出処理が終了する送出終了時刻を算出し、前記送出終了時刻が早く到来する順に前記待ち行列内の電話識別情報の並びを変更することができる。この場合には音声信号の送出の終了が近い順に取り次ぐことができる。
なお、取り次ぎの順番は、音データの長さと、当該音データによる音声信号の送出開始時刻に基づいて決定されば十分であり、音声信号の送出の終了が近い順に限定されない。
【0012】
また、上述した自動音声応答装置において、前記応答部は、ある電話に係る前記送出処理が終了すると当該電話に係る前記選択処理を再び行い、前記待ち行列内にある電話識別情報ごとに前記送出処理の開始または終了の回数を計数し、前記変更処理において、計数された回数が多い順に前記待ち行列から電話識別情報が取り出されるように、前記待ち行列内の電話識別情報の並びを変更する、ことが好ましい。この場合には、再生回数が多い順に電話を端末に取り次ぐことができる。
【0013】
また、上述した自動音声応答装置において、前記第2記憶部は、前記グループ識別情報と、グループに属する一又は複数の音データの前記特定情報及び前記音識別情報を対応付けて記憶しており、終了した前記送出処理に係る前記音データの音識別情報を、当該送出処理に係る会員識別情報に対応付けて記憶する第6記憶部を備え、前記応答部は、前記送出処理が終了すると、当該送出処理に係る前記音データの音識別情報を、当該送出処理に係る会員識別情報に対応付けて第5記憶部に記憶させ、前記取得処理において、前記第2記憶部を参照して、指定された前記グループ識別情報に対応する特定情報と音識別情報との組を読み出し、前記第6記憶部を参照して、当該会員識別情報に対応付けられた前記音識別情報を読み出し、前記第2記憶部から読み出した前記特定情報と前記音識別情報の組のうち、前記第5記憶部から読み出した前記音識別情報が含まれる組を除いて残った組に係る前記特定情報を特定することが好ましい。
この場合には、既に聞いた音データを選択の対象から除くことができる。したがって、音データの選択が容易になり、2度聞きを防止することができる。
【0014】
さらに、上述した自動音声応答装置において、電気通信回線を通じて、前記特定情報と当該特定情報に対応する音データが属するグループを示すグループ識別情報との組を取得して前記第2記憶部に記憶させる音データ追加部とを備えることが好ましい。この発明によれば、例えば、会員からの要望に応じて、選択できる音データの種類を増加させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る自動音声応答装置1を備える通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】楽曲データベースDB8のデータ構造を示す説明図である。
【図3】会員データベースDB2のデータ構造を示す説明図である。
【図4】履歴データベースDB3のデータ構造を示す説明図である。
【図5】応答データベースDB1のデータ構造を示す説明図である。
【図6】着信処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図7】転送処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図8】応答処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以降、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は、以下に述べる実施形態に限定されるものではなく、この実施形態の変形例や応用例をも技術的範囲に含みうる。
【0017】
<1.実施形態>
<1−1:全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る自動音声応答装置1を備える通信システムの構成を示すブロック図である。この通信システムは、特定の分野の専門家であるオペレータ(エージェント)が当該分野の相談に応答する応答サービスを提供するための応答システム2と、電話網3に有線又は無線で接続される複数の電話機4と、インターネット等の通信網5に有線又は無線で接続される複数のPC(パーソナルコンピュータ)6とを備える。
【0018】
応答サービスの対象となる相談どのようなものであってもよいが、例えば、特定の販売者から購入した商品に関するものであり、具体的には、当該商品の使用方法に関する質問や当該商品の修理の要望などである。応答サービスを受ける利用者は、特定の販売者に運営される会の会員と、当該会員以外の非会員とに大別される。応答システム2には、会員毎に、当該会員による特定の販売者からの購入の履歴(購入履歴)や、当該会員が特定の販売者から購入した商品の修理の履歴(修理履歴)、当該会員からの要望の履歴(要望履歴)が蓄積される。詳しくは後述するが、応答サービスの詳細は、利用者が会員であるか否かに応じて異なる。
【0019】
複数の電話機4は、複数の利用者と一対一で対応しており、各電話機4は対応する利用者に使用され、各電話機4の電話番号は当該電話機4に対応する利用者の電話番号と同一である。各利用者は、対応する電話機4を使用して応答サービスを受ける。各PC6は、一又は複数の人に使用されるものであり、いわゆるウェブブラウザを搭載している。PC6の使用者は、PC6を操作することにより、会員となること、及び特定の販売者から商品を購入することができる。
【0020】
応答システム2は、複数のオペレータに一対一で対応する複数の子機7と、電話網3から電話が着信する自動音声応答装置1と、楽曲を配信する楽曲配信サーバ8とを備える。子機7は、電話機およびPCとして機能し、対応するオペレータに使用される。オペレータは、対応する子機7を電話機として使用して、利用者からの相談に応答する。この際、利用者が会員であれば、オペレータは、対応する子機7をPCとして使用して、当該会員の会員ID、購入履歴、修理履歴および要望履歴を参照することができる。
【0021】
自動音声応答装置1は、相互に通信可能な、応答装置10、会員サーバ20、及び履歴サーバ30を備える。応答装置10には、電話網3から、発信元の電話機4の電話番号が通知される電話が着信する。応答装置10は、総ての子機7の親機であり、各子機7と電話網3との間で電話を中継するとともに、各子機7と履歴サーバ30との間でデータ通信を中継する。また、応答装置10は、電話網3から電話が着信すると、当該電話を受けて空いている子機7へ転送する。その一方で、全ての子機7が話中である場合には、応答装置10は、当該電話を受けてから転送するまでの待機期間において、当該電話へ音声信号を送出することにより、当該電話に応答する。この音声信号は、当該電話の発信元の電話機4に楽曲やニュース等の音声を再生させる信号である。
【0022】
楽曲配信サーバ8は、待機期間において電話機4に再生させる楽曲を応答装置10へ配信するものであり、複数の楽曲を楽曲データベースDB8に保持している。図2に楽曲データベースDB8のデータ構造を示す。楽曲データベースDB8は、楽曲の実演家(アーティスト)毎に、その識別情報であるアーティストIDと、その名称であるアーティスト名とを記憶し、ジャズやポップス等の楽曲のジャンル(楽曲ジャンル)毎に、その識別情報である楽曲ジャンルIDと、その名称である楽曲ジャンル名とを記憶し、楽曲毎に、当該楽曲の識別情報である楽曲IDと、当該楽曲の属性を示す楽曲属性情報と、当該楽曲の音データとの組を記憶している。
【0023】
ある楽曲の楽曲属性情報は、当該楽曲の名称である楽曲名(第1楽曲属性情報)と、当該楽曲のアーティストを示すアーティストID(第2楽曲属性情報)と、当該楽曲の楽曲ジャンルを示す楽曲ジャンルID(第3楽曲属性情報)と、当該楽曲の長さである再生時間(第4楽曲属性情報)を含む。ある楽曲の音データは、当該楽曲の再生に用いられる音声信号を生成するためのデータであり、この音声信号の長さが当該楽曲の再生時間である。
【0024】
また、楽曲配信サーバ8は、応答装置10から楽曲を指定する楽曲配信要求を受信すると、当該楽曲を保持している場合には、この要求の送信元へ、当該要求に指定された楽曲を配信する。具体的には、楽曲配信要求は楽曲IDを含み、楽曲配信サーバ8は、楽曲配信要求内の楽曲IDで識別される楽曲の音データを送信することにより、当該楽曲を配信する。また、楽曲配信サーバ8は、所定の目録配信要求を受信すると、この要求の送信元へ、保持している総ての楽曲の目録を配信する。具体的には、楽曲配信サーバ8は、楽曲データベースDB8にアクセスして、保持している総ての楽曲について、楽曲IDと当該楽曲IDで識別される楽曲の楽曲属性情報との組を、含む目録情報を送信する。
【0025】
会員サーバ20は、地域毎に地域情報を記憶するとともに会員毎に会員識別情報を記憶する会員データベースDB2を備える。図3に会員データベースDB2のデータ構造の一部を示す。この図に示すように、ある地域の地域情報は、当該地域の識別情報である地域IDと、当該地域の名称である地域名とを含み、ある会員の会員情報は、当該会員の識別情報である会員IDと、当該会員の名称である会員名と、当該会員のパスワードと、当該会員の電話番号と、当該会員の属性を示す会員属性情報とを含む。ある会員の会員属性情報は、当該会員が好む楽曲ジャンルを示す楽曲ジャンルID(第1会員属性情報)と、当該会員が好むアーティストのアーティスト名(第2会員属性情報)と、当該会員が好む楽曲の楽曲名(第3会員属性情報)と、当該会員が興味を持つ地域を示す地域ID(第4会員属性情報)とを含む。
【0026】
会員サーバ20は、通信網5を介して各PC6と通信可能であり、いずれかのPC6から、パスワードと会員名と電話番号とを含む会員登録要求を受信すると、当該会員名および当該電話番号を含む会員情報が会員データベースDB2に記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合には、当該PC6の使用者から第1〜第4会員属性情報を取得するとともに会員IDを生成し、この会員IDと当該会員名と当該パスワードと当該電話番号と取得した第1〜第4会員属性情報とを含む会員情報を会員データベースDB2に記憶させることにより、当該会員名および当該電話番号で識別される人を会員として登録する。なお、会員には、その会員IDが通知される。
【0027】
PC6の使用者からの第1会員属性情報の取得は、例えば、後述の応答データベースDB1から、総ての楽曲ジャンルについて楽曲ジャンルIDと楽曲ジャンル名との組を読み出し、これらの楽曲ジャンル名を当該使用者に通知して総ての楽曲ジャンルから好みの楽曲ジャンルを選択させ、選択された楽曲ジャンルの楽曲ジャンルIDを第1会員属性情報として採用することで行われる。第4会員属性情報の取得についても同様である。一方、PC6の使用者からの第2会員属性情報の取得は、例えば、当該使用者に好みのアーティスト名を当該使用者に入力させることで行われる。第3会員属性情報についても同様である。
【0028】
また、会員サーバ20は、いずれかのPC6から、会員IDとパスワードとの組を受信すると、受信した組を含む会員情報が会員データベースDB2に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合には、当該PC6の使用者(会員)に対して、当該会員の会員情報の変更を許可する。ただし、如何なる場合にも、会員IDの変更は禁止である。また、会員サーバ20は、図示しない販売サイトから、会員IDとパスワードとの組を受信すると、当該組を含む会員情報が会員データベースDB2に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合には会員であることを示す情報を、記憶されていない場合には会員でないことを示す情報を、販売サイトへ返信する。
【0029】
前述したように、PC6の使用者は、販売サイトを通じて特定の販売者から商品を購入することができる。販売サイトは、履歴サーバ30と通信可能であり、商品の購入時に当該商品の購入者から会員IDとパスワードとの組を取得すると、当該組を会員サーバ20へ送信し、これに対して会員サーバ20から返信された情報を受信し、この情報が会員であることを示す場合には、当該会員IDと当該購入に係る購入情報との組を履歴サーバ30へ送信する。つまり、履歴サーバ30は、会員が特定の販売者から商品を購入する都度、購入情報を受信することになる。なお、ある購入に係る購入情報は、例えば当該購入の内容と当該購入の日時を示す。
【0030】
また、会員サーバ20は、応答装置10から電話番号を受信すると、この電話番号を含む会員情報が会員データベースDB2に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合には、この電話番号を含む会員情報に含まれている会員IDと会員名と第1〜第4属性情報とを含む会員データを返信し、記憶されていない場合には、会員でないことを示す非会員データを返信する。
【0031】
履歴サーバ30は、履歴データベースDB3を備える。履歴データベースDB3は、図4に示すように、会員毎に、会員IDと購入履歴と修理履歴と要望履歴とを対応付けて記憶する。購入履歴は0個以上の購入情報を含み、修理履歴は0個以上の修理情報を含み、要望履歴は0個以上の要望情報を含む。
履歴サーバ30は、販売サイトから会員IDと購入情報との組を受信すると、この購入情報を含むように、当該会員IDに対応する購入履歴を更新する。
また、履歴サーバ30は、子機7から会員IDと修理情報との組を受信すると、この修理情報を含むように、当該会員IDに対応する修理履歴を更新する。なお、修理履歴は、修理センターからのアクセスによっても更新される。ある修理に係る修理情報は、例えば当該修理の内容と当該修理の日程を示す。
また、履歴サーバ30は、子機7から会員IDと要望情報との組を受信すると、この要望情報を含むように、当該会員IDに対応する要望履歴を更新する。ある要望に係る要望情報は、例えば要望の内容と当該要望を受けた日時を示す。要望は、利用者が待機期間に視聴できる楽曲のリクエストなどである。要望情報の形式は基本的に任意であるが、楽曲の追加の要望に係る要望情報の形式は、所定の形式であり、例えば、要望が反映されたか否かを示すフラグと楽曲名との組である。
【0032】
次に、履歴サーバ30は、子機7から会員IDを含む要求があると、購入履歴、修理履歴、及び要望履歴のうち少なくとも一つと会員IDの組を当該子機7に送信する。これにより、子機7を操作するオペレータは、会員がどのような商品を購入したか、どの商品にいて修理がなされたか、あるいは、どのような要望を持っていたかを知ることができる。
【0033】
次に、応答装置10について説明する。応答装置10は、応答データベースDB1、音声応答部11及びRAM13と、これらを制御する制御部12とを備える。
図5に応答データベースDB1のデータ構造を示す。この図に示すように応答データベースDB1には、図2に示す楽曲データベースDB8から音データを除いたデータが記憶される。具体的には、アーティストIDとアーティスト名の組、楽曲ジャンルIDと楽曲ジャンル名の組、楽曲IDと楽曲属性情報との組とが記憶される。これらの情報は、制御部12が楽曲配信サーバ8に目録配信要求を送信することによって、楽曲配信サーバ8から目録情報として返信される。
【0034】
この例では、楽曲の音データを応答データベースDB1に記憶していない。音データは容量が大きいため、音データを応答データベースDB1に記憶する必要がないのでその構成を簡易にできる。また、楽曲には流行があるため、待機期間に利用者に視聴させる楽曲を入れ替えることが好ましい。本実施形態のように楽曲配信サーバ8から音データなどを受け入れるようにすれば、楽曲の流行に応じて待機期間に利用者に提供する楽曲を柔軟に変更することが可能となる。
【0035】
また、応答データベースDB1には、地域IDと地域名との組が記憶される。くわえて、応答データベースDB1には、ニュースID、ニュース属性情報、及び音データが記憶される。ニュースIDはニュースを一意に識別する識別情報である。ニュース属性情報はニュースの属性を表す情報である。ニュース属性情報は、ニュースの表題を示すニュース名(第1ニュース属性情報)、ニュースに関連する地域(例えば、事件が発生した地域)を指定する地域ID(第2ニュース属性情報)、及び音データの再生に要する時間を示す再生時間(第3ニュース属性情報)を含む。これらのニュースに関する情報は、図示せぬニュース配信サーバから取得してもよい。
【0036】
次に、音声応答部11は、音データをDA変換して音声信号を生成し、生成した音声信号を電話へ送出することにより当該電話に応答する。音声応答部11は、複数の電話に同時に応答することができる。また、音声応答部11は、電話が着信すると、当該電話について電話網3から通知された発信者番号を取得して制御部12へ供給する。
ここで、音データは、制御部12が楽曲配信サーバ8から取得してRAM13に格納したものであってもよいし、又は応答データベースDB1にニュースとして格納されているものであってもよい。あるいは、音声応答部11は、楽曲配信サーバ8から取得した音データをリアルタイムでAD変換して音声信号を生成してもよい。
【0037】
<1−2:応答装置の動作>
次に、応答装置10の動作を着信処理、転送処理、及び応答処理に分けて説明する。
<1−2−1:着信処理>
図6に制御部12が実行する着信処理のフローチャートを示す。制御部12は、電話機4からの着信があると、音声応答部11から発信者番号を取得し(ステップS1)、電話を受ける(ステップS2)。次に、音声応答処理部11は、着信した電話に係る応答処理を開始し(ステップS3)、この後、取得した発信者番号をキューに入れる(ステップS4)。
【0038】
キューは、先入れ先出しの待ち行列であり、RAM13の記憶領域を用いて実現される。すなわち、N(Nは自然数)個の着信について待機状態を許容する場合には、RAM13にN個の記憶領域を確保する。キューでは着信があると、着信に係る発信者番号を待ち行列の末尾に加える。そして、子機7に空きができると、待ち行列の先頭から発信者番号を一つ取り出して、当該発信者番号の電話を通話が終了している子機7に転送する。
【0039】
<1−2−2:転送処理>
図7に制御部12が実行する転送処理のフローチャートを示す。制御部12は、キューに発信者番号が存在するか否かを判定し(ステップS10)、発信者番号が検知されるまで処理を繰り返す。具体的には、制御部12は、RAM13に確保されたキュー用の記憶領域にアクセスして、そこに発信者番号が記憶されているか否かを判定する。
キューに発信者番号が存在する場合には、制御部12は空いている子機7があるか否かを判定する(ステップS11)。空いている子機7が無い場合には、処理をステップS11に戻し、子機7に空きができるまでステップS10及びステップS11を繰り返す。そして、子機7に空きができると、ステップS11の判定条件が肯定され、制御部12は通話中でない一つ子機7を転送先の子機7として特定し(ステップS12)、キューの先頭から一つの発信者番号を取り出す(ステップS13)。
この後、制御部12は、取り出した発信者番号に係る電話を転送先の子機7へ転送すると共に、応答処理を終了する(ステップS14)。
【0040】
さらに、制御部12は、取り出した発信者番号を用いた会員IDの生成に成功したか否かを判定する(ステップS15)。具体的には、制御部12は会員サーバ20に発信者番号を含む会員確認要求を送信する。会員サーバ20は、会員確認要求を受け取ると、会員データベースDB2を参照して、発信者番号に対応する会員IDが記録されているか判定する。記録されている場合には、会員サーバ20は対応する会員IDを含む会員確認応答を制御部12に返信する。一方、記録されていなかった場合には、会員サーバ20は記録されていない旨の情報を含む会員確認応答を制御部12に返信する。制御部12は、会員確認応答に基づいて、会員IDの生成に成功したか失敗したかを判定する。
次に、制御部12は、成功した場合には会員IDを転送先の子機7に送信する(ステップS16)。一方、成功しなかった場合には制御部12は処理をステップS10に戻す。
【0041】
<1−2−3:応答処理>
図8に制御部12が実行する応答処理のフローチャートを示す。まず、制御部12は待ち時間の通知を行う(ステップS20)。制御部12は、キューに入っている発信者番号の数と1件当たりの平均待ち時間の積によって待ち時間を推定し、推定した待ち時間を電話で通知する。例えば、「オペレータに繋がるまで10分ほどかかります。」といったメッセージを音声で通知する。
【0042】
次に、制御部12は、着信処理のステップS1で取得した発信者番号が会員に該当するかを判定する(ステップS21)。具体的には、制御部12は、発信者番号を含む会員確認要求を会員サーバ20に送信する。会員サーバ20は会員確認要求を受け取ると、会員データベースDB2を参照して、発信者番号に対応する会員IDが存在するか否かを判定する。そして、発信者番号に対応する会員IDが存在する場合には、会員IDを含む会員確認応答を制御部12に返信する。一方、発信者番号に対応する会員IDが存在しない場合には、存在しないことを示す情報を含む会員確認応答を制御部12に返信する。制御部12は会員確認応答に基づいて、発信者番号が会員に該当するかを判定する。
【0043】
発信者番号が会員に該当しない場合、制御部12は処理をステップS27に進め、発信者番号に応じた音声信号を送出する(ステップS27)。具体的には、制御部12は、発信者番号に基づいて地域IDを特定する。電話番号は、地域を指定する市外局番を含んでいる。応答データベースDB1には市外局番と地域IDとを対応付けて記憶するテーブルが記憶されており、制御部12は、このテーブルを参照して、発信者番号から抽出した市外局番に対応する地域IDを取得する。制御部12は、応答データベースDB1を参照して、地域IDと一致するニュースを特定し、その音データを取得する。この場合、最新のニュースを取得することが好ましい。そして、制御部12は音データを音声応答部11に渡す。音データは音声信号に変換され、電話機4に送出される。
【0044】
発信者番号が会員に該当する場合、制御部12は処理をステップS22に進め、メニューを利用者(会員)に通知する。メニューは、待機期間において利用者に提供する情報の種類を提示するものである。例えば、音楽、地域のニュース、製品情報などが該当する。この場合、「お待ちの間にお聞きになりたいものを選択してください。音声の途中でもプッシュボタンの操作が可能です。音楽を選択される方は1を、地域のニュースを選択される方は2を押してください。」といったメッセージを音声で通知する。
【0045】
次に、制御部12は、利用者が選択したメニューに応じたグループを特定する(ステップS23)。待機期間の応答に用いられる複数の音データの各々は、複数のグループのうち少なくとも一つのグループに属する。
音楽の場合、グループには楽曲ジャンルがある。楽曲ジャンルには、ジャズ、ボサノバ、演歌、ポップス、フォークなどグループが属する。ジャズのみに分類される楽曲と、ジャズとボサノバに分類される楽曲とがあってもよい。なお、音楽のグループをアーティストで分類してもよい。
【0046】
制御部12は、グループを特定するために、会員サーバ20に対して、会員IDを含む会員属性要求を送信する。会員サーバ20は会員属性要求を受け取ると、会員データベースDB2を参照して、会員IDに対応する会員属性情報を取得し、会員属性情報を含む会員属性応答を制御部12に返信する。会員属性情報は、図3に示すように、楽曲ジャンルID、アーティスト名、楽曲名、及び地域IDを含む。制御部12は、メニューによって音楽が選択されている場合には、楽曲ジャンルIDやアーティスト名によってグループを特定する。また、制御部12は、メニューによってニュースが選択されている場合には、地域IDによってグループを特定する。
【0047】
次に、制御部12は、グループに属する音データのリストを音声で利用者に通知する(ステップS24)。
グループが音楽ジャンルIDで特定される場合、制御部12は、応答データベースDB1を参照して(図5参照)、音楽ジャンルIDが一致する楽曲名を所定数(例えば、5曲)特定するとともに、それらの楽曲IDを取得する。音楽ジャンルIDが一致する楽曲が所定数を超える場合には、抽選で選択してもよいし、あるいは、人気ランキング情報を利用して上位の曲を所定数だけ特定してもよい。人気ランキング情報は、楽曲配信サーバ8から毎週1回といった所定の周期で取得して応答データベースDB1に格納しておけばよい。このようにして特定された所定数の曲名を制御部12は、音声応答部11に送り、音声信号に変換して電話機4に送信する。
【0048】
一方、メニューによりニュースが選択され、グループが地域で特定される場合、制御部12は、応答データベースDB1を参照して(図5参照)、地域IDが一致するニュース名を所定数(例えば、5つ)特定するとともに、それらのニュースID及び音データを取得する。地域IDが一致するニュースが所定数を超える場合には、抽選で選択してもよいし、あるいは、最新のニュースから所定数だけ特定してもよい。このようにして特定された所定数のニュース名を制御部12は、音声応答部11に送り、音声信号に変換して電話機4に送信する。
【0049】
次に、制御部12は選択肢が選択されたか否かを判定し(ステップS25)、利用者によって選択肢が選択されると、音声信号の送出を実行し(ステップS26)、処理をメニューの通知に戻す。
メニューの選択が音楽であり、音データのリストとして所定数の曲名が提示され、利用者がそのうちの一つを選択したとする。この場合、制御部12は、利用者が選択した曲名に対応する楽曲IDを特定し、楽曲IDを含む楽曲要求を楽曲配信サーバ8に送信する。楽曲配信サーバ8は楽曲要求を受け取ると、楽曲データベースDB8を参照して、楽曲IDに対応する音データを取得し、音データを含む楽曲応答を制御部12に返信する。この後、制御部12を音データを音声応答部11に渡す。音データは音声信号に変換され、電話機4に送出される。
一方、メニューの選択がニュースであり、音データのリストとして所定数のニュース名が提示され、利用者がそのうちの一つを選択したとする。この場合、制御部12は、利用者が選択したニュース名に対応する音データを特定し、音データを音声応答部11に渡す。音データは音声信号に変換され、電話機4に送出される。
【0050】
このように本実施形態によれば、オペレータとの通話の待機期間において、利用者の好みに応じた音データのグループを自動的に選択し、そのグループに属する音データを利用者に選択させることができるので、利用者の顧客満足度を大幅に向上させることができる。
利用者の好みを会員属性情報として予め登録しておき、これに従って自動的に音データを選択することも可能である。しかしながら、その日の気分により、ある範囲で音データを選択できる方が利用者の自由度を拡大できる。一方、全く範囲を限定せずに音データの選択を行うためには、選択のために深い階層を用意する必要があり、却って面倒である。本実施形態では、予め登録された利用者の好みに応じて音データのグループを特定し、そのグループに属する音データを選択できるようにしたので、利用者の選択の余地を拡大しつつ、選択の階層を低減することが可能となる。
【0051】
<変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる各種の変形が可能である。
(1)上述した実施形態では、制御部12は、発信者番号から会員IDを特定していたが、本発明はこれに限定されるものでなく、会員が会員ID(会員識別情報)を電話機4を用いて通知してもよい。具体的には、会員が会員IDを発音してもよいし、あるいは、ボタンを押し下げることにより会員IDを入力してもよい。
この場合、図8に示すステップS21に替わりに、制御部12は入力された会員IDが会員データベースDB2に記録されているか否かを問い合わせることによって、会員に該当するか否かを判定すればよい。
【0052】
(2)上述した実施形態では、制御部12は、電話は着信順にキューに入れて、先に着信した電話から順にオペレータの子機7に転送していたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、キューに入っている電話については、応答処理の状況に応じて、待ち行列に入っている発信者番号の並べ替える変更処理を実行してもよい。
より具体的には、制御部12は、グループに属する音データのリストを通知(ステップS24)した後、会員によって音データが選択されると(ステップS25)、当該音データを一意に識別する楽曲IDを生成する(複数の楽曲IDから一つの楽曲IDを特定する処理を含む)。そして、制御部12は、当該楽曲IDに対応する音データを用いて音声応答部11で生成された音声信号を外部の電話機4へ送出する。
【0053】
ここで、当該音声信号の送出を開始する時刻を送出開始時刻としたとき、制御部12は待ち行列内に発信者番号(電話識別情報)が入っている電話の送出開始時刻を、発信者番号と対応付けてRAM13に第3記憶領域に記憶する。
また、制御部12は、応答データベースDB1にアクセスして、音データを用いて生成される音声信号の長さを示す再生時間(時間情報)と、当該音データの楽曲IDとを抽出し、これをRAM13の第4記憶領域に記憶する。
また、制御部12は、キュー(待ち行列)内にある発信者番号を、当該発信者番号に係る電話の音声信号の送出に用いられる音データの楽曲IDと対応付けてRAM13の第5記憶領域に記憶する。
【0054】
さらに、制御部12は、待ち行列に入っている発信者番号の並べ替える変更処理において、RAM13の第5記憶領域を参照して、待ち行列内にある発信者番号に対応する楽曲IDを取得し、RAM13の第4記憶領域を参照して、取得した楽曲IDに対応する再生時間を取得し、RAM13の第3記憶領域を参照して、取得した楽曲IDに対応する送出開始時刻を取得する。
この後、制御部12は、取得した再生時間と取得した送出開始時刻とに基づいて、待ち行列内の発信者番号の並びを変更する。
【0055】
この場合、制御部12は、待ち行列にある発信者番号の各々について、送出開始時刻に再生時間を加算して送出処理が終了する送出終了時刻を算出し、送出終了時刻が早く到来する順に待ち行列内の発信者番号の並びを変更すればよい。この場合には、楽曲の終了時刻が早い順に電話をオペレータに転送することができる。
【0056】
(3)上述した実施形態では、制御部12は、ある電話について、ステップS26における音声信号の送出が終了すると、ステップS22に戻りメニューの選択や、グループ内の音データの選択を実行する。したがって、利用者がある音データを選択しても待機期間が長いと、再び音データを選択することになる。そこで、制御部12は、待ち行列内にある発信者番号ごとに音声信号の送出の開始または終了の回数を計数し、上述した変更処理において、計数された回数が多い順に待ち行列から発信者番号が取り出されるように、待ち行列内の発信者番号の並びを変更してもよい。
【0057】
(4)上述した実施形態では、一度聞いた楽曲やニュースが選択の対象に含まれていたが、グループ内の音データを選択さる場合に一度聞いた音データは除外されるようにしてもよい。
制御部12は、会員データベースDB2を参照することにより、会員IDに対応する楽曲ジャンルIDを取得し、この楽曲ジャンルIDに一致する所定数の楽曲を応答データベースDB1から検索する。この場合、楽曲ジャンルIDに一致する所定数のレコードを抽出し、楽曲ジャンルIDに一致する楽曲名と楽曲IDとの組をRAM13の第2記憶領域に記憶させる。また、制御部12は、ステップS26で終了した音声信号の送出に係る音データの楽曲IDを、当該送出処理に係る会員IDに対応付けて、RAM13の第6記憶領域に記憶させる。
さらに、制御部12は、ステップS24におけるグループに属する音データのリストの通知において、以下の処理を実行してもよい。
まず、RAM13の第2記憶領域を参照して、指定されたグループ(楽曲ジャンル)に属する楽曲名と楽曲IDの組を読み出し、RAM13の第6記憶領域を参照して、会員IDに対応付けられた楽曲IDを読み出し、さらに、RAM13の第2記憶領域から読み出した楽曲名と楽曲IDの組のうち、第5記憶領域から読み出した楽曲IDが含まれる組を除いて残った組に記録されている楽曲名を特定し、これを音声応答部11に渡して音声信号に変換して電話機4に送出してもよい。
この場合は、一度聞いた音データを選択の対象から除外することができるので、利用者が退屈にならずに済む。
【0058】
(5)上述した実施形態では、応答データベースDB1には、図2に示す楽曲データベースDB8から音データを除いたデータが全て記憶されることとして説明したが、そのうちの一部を応答データベースDB1に記憶するようにしてもよい。
制御部12は、例えば、会員から楽曲を追加する要望があると、該当する楽曲が選択可能となるように電気通信回線を通じて、楽曲配信サーバ8から要望のあった楽曲名と、当該楽曲の楽曲ジャンルIDと、楽曲IDとの組を取得して、応答データベースDB1に加えるようにしてもよい。これにより、新たな楽曲の選択が可能になり、RAM13の第2記憶領域にも、新たな楽曲が反映されることになる。
【0059】
(6)上述した実施形態では、ステップ24で通知される音データのリストの中から一つの音データを選択することを一例として説明したが、複数の音データをまとめて選択するようにしてもよい。この場合、選択された順にステップS26で音声信号を送出すればよい。
【符号の説明】
【0060】
1……自動音声応答装置、2……応答システム、4……電話機、7……子機、8……楽曲配信サーバ、11……音声応答部、12……制御部、13……RAM、20……会員サーバ、30……履歴サーバ、DB1……応答データベース、DB2……会員データベース、DB3……履歴データベース、DB8……楽曲データベース。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を介して外部の電話機と接続されると共に、複数の端末と接続され、前記外部の電話機から電話が着信すると、前記複数の端末のうちの通話中でない端末がある場合には、前記外部の電話機と前記通話中でない端末との間で通話ができるように制御し、前記複数の端末のすべてが通話中の場合には、着信してから前記複数の端末のいずれかが通話を終了するまでの待機期間において、前記外部の電話機に対して所定の応答を行う応答部と、
前記待機期間の応答に用いられる複数の音データの各々は、複数のグループのうち少なくとも一つのグループに属するものであり、前記グループを一意に識別するグループ識別情報と、会員を一意に特定する会員識別情報とを対応付けて記憶する第1記憶部と、
前記グループ識別情報と、当該グループ識別情報の示すグループに属する一又は複数の音データの各々の特徴を示し、会員が音データを特定するために用いられる特定情報とを対応付けて記憶する第2記憶部とを備え、
前記応答部は、
会員を識別可能な通知情報が電話によって通知されると、前記通知情報に基づいて前記会員識別情報を生成する生成処理と、
前記第1記憶部を参照して、生成した会員識別情報に対応する前記グループ識別情報を指定する指定処理と、
前記第2記憶部を参照して、指定された前記グループ識別情報に対応する特定情報を取得する取得処理と、
取得した前記特定情報を音声信号に変換して、前記外部の電話機へ送出することによりグループに属する前記音データの選択を促す選択処理と、
会員によって音データが選択されると、選択された前記音データを用いて生成された音声信号を前記外部の電話機へ送出する送出処理とを実行する、
ことを特徴とする自動音声応答装置。
【請求項2】
通信網を介して外部の電話機と接続されると共に、複数の端末と接続され、前記外部の電話機から電話が着信すると、前記複数の端末のうちの通話中でない端末がある場合には、前記外部の電話機と前記通話中でない端末との間で通話ができるように制御し、前記複数の端末のすべてが通話中の場合には、着信してから前記複数の端末のいずれかが通話を終了するまでの待機期間において、前記外部の電話機に対して所定の応答を行う応答部と、
前記待機期間の応答に用いられる複数の音データの各々は、複数のグループのうち少なくとも一つのグループに属するものであり、前記グループを一意に識別するグループ識別情報と、会員を一意に特定する会員識別情報とを対応付けて記憶する第1記憶部と、
前記グループ識別情報と、当該グループ識別情報の示すグループに属する一又は複数の音データの各々の特徴を示し、会員が音データを特定するために用いられる特定情報とを対応付けて記憶する第2記憶部とを備え、
前記応答部は、
前記会員識別情報が電話によって通知されると、前記第1記憶部を参照して、通知された前記会員識別情報に対応する前記グループ識別情報を指定する指定処理と、
会員を識別可能な通知情報が電話によって通知されると、前記通知情報に基づいて前記会員識別情報を生成する生成処理と、
前記第1記憶部を参照して、生成した会員識別情報に対応する前記グループ識別情報を指定する指定処理と、
前記第2記憶部を参照して、指定された前記グループ識別情報に対応する特定情報を取得する取得処理と、
取得した前記特定情報を音声信号に変換して、前記外部の電話機へ送出することによりグループに属する前記音データの選択を促す選択処理と、
会員によって音データが選択されると、選択された前記音データを用いて生成された音声信号を前記外部の電話機へ送出する送出処理とを実行する、
ことを特徴とする自動音声応答装置。
【請求項3】
前記応答部は、電話が着信すると、着信した電話を識別する電話識別情報を待ち行列に入れ、前記待ち行列内に電話識別情報が入っており、かつ、前記複数の端末のうちのいずれかが空いているときに、最も古く前記待ち行列に入った電話識別情報を特定し、当該電話識別情報に係る電話を前記通話中でない端末に転送し、
前記応答部は、さらに、前記待ち行列内に電話識別情報が入っている電話に対する応答の状況に基づいて、前記待ち行列内の電話識別情報の並びを変更する変更処理を行う、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動音声応答装置。
【請求項4】
前記応答部は、前記送出処理において、会員によって音データが選択されると、当該音データを一意に識別する音識別情報を生成し、当該音識別情報に対応する音データを用いて生成された音声信号を前記外部の電話機へ送出し、当該音声信号の送出を開始する時刻を送出開始時刻としたとき、
前記待ち行列内に電話識別情報が入っている電話の前記送出開始時刻を、当該電話識別情報と対応付けて記憶する第3記憶部と、
前記音データを用いて生成される音声信号の長さを示す時間情報と、当該音データの音識別情報とを対応付けて記憶する第4記憶部と、
前記待ち行列内にある電話識別情報を、当該電話識別情報に係る電話において前記送出処理で用いられる前記音データを示す前記音識別情報と対応付けて記憶する第5記憶部とを備え、
前記応答部は、前記変更処理において、
前記第5記憶部を参照して、前記待ち行列内にある電話識別情報に対応する前記音識別情報を取得し、前記第4記憶部を参照して、取得した前記音識別情報に対応する前記時間情報を取得し、前記第3記憶部を参照して、取得した前記音識別情報に対応する前記送出開始時刻を取得し、
取得した前記時間情報と取得した前記送出開始時刻とに基づいて、前記待ち行列内の電話識別情報の並びを変更する、
ことを特徴とする請求項3に記載の自動音声応答装置。
【請求項5】
前記応答部は、前記変更処理において、前記待ち行列にある電話識別情報の各々について、前記送出開始時刻に前記時間情報の示す時間を加算して前記送出処理が終了する送出終了時刻を算出し、前記送出終了時刻が早く到来する順に前記待ち行列内の電話識別情報の並びを変更する、
ことを特徴とする請求項4に記載の自動音声応答装置。
【請求項6】
前記応答部は、ある電話に係る前記送出処理が終了すると当該電話に係る前記選択処理を再び行い、前記待ち行列内にある電話識別情報ごとに前記送出処理の開始または終了の回数を計数し、前記変更処理において、計数された回数が多い順に前記待ち行列から電話識別情報が取り出されるように、前記待ち行列内の電話識別情報の並びを変更する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動音声応答装置。
【請求項7】
前記第2記憶部は、前記グループ識別情報と、グループに属する一又は複数の音データの前記特定情報及び前記音識別情報を対応付けて記憶しており、
終了した前記送出処理に係る前記音データの音識別情報を、当該送出処理に係る会員識別情報に対応付けて記憶する第6記憶部を備え、
前記応答部は、
前記送出処理が終了すると、当該送出処理に係る前記音データの音識別情報を、当該送出処理に係る会員識別情報に対応付けて第5記憶部に記憶させ、
前記取得処理において、
前記第2記憶部を参照して、指定された前記グループ識別情報に対応する特定情報と音識別情報との組を読み出し、
前記第6記憶部を参照して、当該会員識別情報に対応付けられた前記音識別情報を読み出し、
前記第2記憶部から読み出した前記特定情報と前記音識別情報の組のうち、前記第5記憶部から読み出した前記音識別情報が含まれる組を除いて残った組に係る前記特定情報を特定する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の自動音声応答装置。
【請求項8】
電気通信回線を通じて、前記特定情報と当該特定情報に対応する音データが属するグループを示すグループ識別情報との組を取得して前記第2記憶部に記憶させる音データ追加部とを備える、ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の自動音声応答装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−61410(P2011−61410A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207854(P2009−207854)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】